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特開2023-136951スライダー構造体およびスライダー連結体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023136951
(43)【公開日】2023-09-29
(54)【発明の名称】スライダー構造体およびスライダー連結体
(51)【国際特許分類】
   A44B 19/30 20060101AFI20230922BHJP
【FI】
A44B19/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022042905
(22)【出願日】2022-03-17
(71)【出願人】
【識別番号】000006828
【氏名又は名称】YKK株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000637
【氏名又は名称】弁理士法人樹之下知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 直幸
(72)【発明者】
【氏名】堺 朝比古
【テーマコード(参考)】
3B098
【Fターム(参考)】
3B098CA02
3B098CC12
3B098CC13
(57)【要約】
【課題】第1スライダーおよび第2スライダーの保持状態を維持できるスライダー構造体およびスライダー連結体を提供すること。
【解決手段】第1スライダー10および第2スライダー20と、これらを対向させて連結するスライダー連結体30とを備える。第1スライダー10には、上方に突出して形成されると共に上面153および側面154を有する連結部15が形成される。連結部15には引手18が連結される。スライダー連結体30は、第1スライダー10および第2スライダー20を保持するベース部材40と、ベース部材40に係合するカバー部材60とを備える。ベース部材40は、ベース底板部41と、ベース底板部41から立ち上げられ且つ第1スライダー10を上方から押える第1押え部43と、ベース底板部41から立ち上げられ且つ第2スライダー20を上方から押える第2押え部44とを有する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対のテープに沿って設けられたエレメント列同士を噛合および離間する第1スライダー(10)および第2スライダー(20)と、前記第1スライダー(10)および前記第2スライダー(20)同士を対向させて連結するスライダー連結体(30)とを備え、
前記第1スライダー(10)には、上方に突出して形成されると共に上面(153)および側面(154)を有する連結部(15)が形成され、
前記連結部(15)には、前記一対のテープに沿ってスライド移動操作可能な引手(18)が連結され、
前記スライダー連結体(30)は、前記第1スライダー(10)および前記第2スライダー(20)を保持するベース部材(40)と、前記ベース部材(40)に係合すると共に前記第1スライダー(10)および前記第2スライダー(20)の少なくとも一部を上方から覆うカバー部材(60)とを備え、
前記ベース部材(40)は、ベース底板部(41)と、前記ベース底板部(41)から立ち上げられ且つ前記第1スライダー(10)を上方から押える第1押え部(43)と、前記ベース底板部(41)から立ち上げられ且つ前記第2スライダー(20)を上方から押える第2押え部(44)とを有するスライダー構造体。
【請求項2】
前記ベース部材(40)は、前記ベース底板部(41)に沿った方向において前記第1押え部(43)に隣接して配置されると共に前記ベース底板部(41)および前記第1押え部(43)を連続する第1補強部(49)を有する請求項1に記載のスライダー構造体。
【請求項3】
前記ベース部材(40)は、前記ベース底板部(41)に沿った方向において前記第2押え部(44)に隣接して配置されると共に前記ベース底板部(41)および前記第2押え部(44)を連続する第2補強部(48)とを有する請求項1または請求項2に記載のスライダー構造体。
【請求項4】
前記カバー部材(60)は、少なくとも前記第1スライダー(10)の前記連結部(15)における前記上面(153)の一部および前記側面(154)の一部を押える構成とされる請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のスライダー構造体。
【請求項5】
前記ベース部材(40)と前記カバー部材(60)との上下方向における係合位置は、前記第1押え部(43)および前記第2押え部(44)が前記第1スライダー(10)および前記第2スライダー(20)を上方から押える押え位置と同じ位置かそれよりも下方位置に配置される請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のスライダー構造体。
【請求項6】
前記ベース部材(40)は、前記ベース底板部(41)の両側縁から上方に立ち上げられた一対のベース側板部(42)とを有し、
前記第1押え部(43)は、前記ベース側板部(42)の一端側に配置され、
前記第2押え部(44)は、前記ベース側板部(42)の他端側に配置され、
前記ベース部材(40)と前記カバー部材(60)との上下方向における係合位置は、前記ベース側板部(42)の上縁と同じ位置かそれよりも下方位置に配置される請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のスライダー構造体。
【請求項7】
前記第1押え部(43)および前記第2押え部(44)は、前記第1スライダー(10)および前記第2スライダー(20)に対して上方から当接する押え面(431,441)をそれぞれ有し、
前記ベース部材(40)は、前記カバー部材(60)に対して上下方向に係合する係合面(52)を有し、
前記係合面(52)の位置は、前記押え面(431,441)の位置と同じ位置かそれよりも下方位置に配置される請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のスライダー構造体。
【請求項8】
前記カバー部材(60)は、上下方向に交差する左右方向で対向する一対の係合爪(67)で構成されるカバー係合部(63)を有し、
前記ベース部材(40)は、左右方向における一対の前記係合面(52)と、前記係合面(52)のそれぞれに対して上方に位置する一対のガイド面(53)とを有するベース係合部(51)とを有し、
前記係合爪(67)は、前記係合面(52)に上下方向に係合し、
一対の前記ガイド面(53)は、下方に向かうに連れて互いに左右方向に漸次広がる構成とされる請求項7に記載のスライダー構造体。
【請求項9】
前記ベース係合部(51)は、上下方向および左右方向に交差する長さ方向において一対の前記ガイド面(53)に対して前記第2スライダー(20)側にそれぞれ隣接して配置される一対の補助ガイド面(54)を有し、
一対の前記補助ガイド面(54)は、前記第2スライダー(20)側に向かうに連れて互いに左右方向に漸次広がる構成とされる請求項8に記載のスライダー構造体。
【請求項10】
前記ベース係合部(51)は、係合状態の一対の前記係合爪(67)の前記第2スライダー(20)側への移動を規制する規制面(55)を更に有する係合柱(45A)で構成される請求項8または請求項9に記載のスライダー構造体。
【請求項11】
前記第2スライダー(20)には、上方に突出した突出部(25)が形成され、
前記カバー部材(60)は、前記突出部(25)を覆う請求項1から請求項10のいずれか一項に記載のスライダー構造体。
【請求項12】
前記第1スライダー(10)は、前記連結部(15)に装着されていると共に、前記エレメント列に係合可能な係合先端が前記第1スライダー(10)の挿通路(17)に対して出没可能なロック部材(16)を備え、
前記引手(18)は、その引張り操作によって前記ロック部材(16)に当接すると共に、前記挿通路(17)に対して突出した状態の前記係合先端を前記挿通路(17)に対して没入状態にする構成とされる請求項1から請求項11のいずれか一項に記載のスライダー構造体。
【請求項13】
前記ベース部材(40)は、前記第1押え部(43)を有すると共に前記第1スライダー(10)を保持する第1保持部(45)と、前記第2押え部(44)を有すると共に前記第2スライダー(20)を保持する第2保持部(46)と、前記第1保持部(45)および前記第2保持部(46)の間に配置されるベース係合部(51)とを有し、
前記カバー部材(60)は、少なくとも前記第1スライダー(10)の前記連結部(15)における前記上面(153)の一部および前記側面(154)の一部を上方から覆って押える第1カバー部(61)と、前記第2スライダー(20)の少なくとも一部を上方から覆う第2カバー部(62)と、前記第1カバー部(61)および前記第2カバー部(62)の間に配置されると共に前記ベース係合部(51)と係合するカバー係合部(63)とを有する請求項1に記載のスライダー構造体。
【請求項14】
請求項1から請求項13のいずれか一項に記載のスライダー構造体(1)におけるベース部材(40)と、前記ベース部材(40)に係合する請求項1から請求項11のいずれか一項に記載のスライダー構造体(1)におけるカバー部材(60)とを備えるスライダー連結体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衣服の腹部周りや袖部周りなどの特定の部分の寸法を調整するアジャスタブルジッパーに用いられるスライダー構造体およびスライダー連結体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、物品の特定の部分の巻き上げの程度を調整するダブルスライダージッパーが知られている(特許文献1参照)。ダブルスライダージッパーは、2つのテープのエレメント列が挿通される第1、第2スライダーと、第1、第2スライダーを接続する補助コネクタとを備えており、補助コネクタおよび物品の特定の部分はベルトでつながれている。補助コネクタは、第1、第2スライダーを下方から収容する接続ベース(ベース部材)と、接続ベースに係合されて第1、第2スライダーを上方から押える接続カバー(カバー部材)とを備えている。このダブルスライダージッパーは、第1スライダーの引手を操作することでスライド移動し、物品の特定の部分を巻き上げるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】中国実用新案第209235120号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に記載のダブルスライダージッパーを操作した場合、接続ベースから第1スライダーおよび第2スライダーが外れてしまったり、これに伴って接続カバーが外れてしまったりするおそれがある。このため、前述した場合でも接続ベースによる第1スライダーおよび第2スライダーの保持状態を維持することが望まれる。
【0005】
本発明の目的は、第1スライダーおよび第2スライダーの保持状態を維持できるスライダー構造体およびスライダー連結体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のスライダー構造体は、一対のテープに沿って設けられたエレメント列同士を噛合および離間する第1スライダーおよび第2スライダーと、前記第1スライダーおよび前記第2スライダー同士を対向させて連結するスライダー連結体とを備え、前記第1スライダーには、上方に突出して形成されると共に上面および側面を有する連結部が形成され、前記連結部には、前記一対のテープに沿ってスライド移動操作可能な引手が連結され、前記スライダー連結体は、前記第1スライダーおよび前記第2スライダーを保持するベース部材と、前記ベース部材に係合すると共に前記第1スライダーおよび前記第2スライダーの少なくとも一部を上方から覆うカバー部材とを備え、前記ベース部材は、ベース底板部と、前記ベース底板部から立ち上げられ且つ前記第1スライダーを上方から押える第1押え部と、前記ベース底板部から立ち上げられ且つ前記第2スライダーを上方から押える第2押え部とを有する。
本発明のスライダー構造体によれば、ベース部材が、ベース底板部と、第1押え部および第2押え部とを有するので、スライダー構造体の操作の際に、第1スライダーおよび第2スライダーが外れてしまうおそれを低減できて、第1スライダーおよび第2スライダーの保持状態を維持できる。
【0007】
本発明のスライダー構造体では、前記ベース部材は、前記ベース底板部に沿った方向において前記第1押え部に隣接して配置されると共に前記ベース底板部および前記第1押え部を連続する第1補強部を有してもよい。
このような構成によれば、ベース部材が、ベース底板部および第1押え部を連続する前述した第1補強部を有するので、第1補強部を有していない場合と比べて、ベース底板部と第1押え部との連結強度を向上することができる。このため、スライダー構造体の操作の際に、スライダー連結体にひねり力が加えられても、第1押え部が第1スライダーに対して位置ズレするおそれを低減できて、第1スライダーの保持状態を強固に維持できる。
【0008】
本発明のスライダー構造体では、前記ベース部材は、前記ベース底板部に沿った方向において前記第2押え部に隣接して配置されると共に前記ベース底板部および前記第2押え部を連続する第2補強部とを有してもよい。
このような構成によれば、ベース部材が、ベース底板部および第2押え部を連続する前述した第2補強部を有するので、第2補強部を有していない場合と比べて、ベース底板部と第2押え部との連結強度を向上することができる。このため、スライダー構造体の操作の際に、スライダー連結体にひねり力が加えられても、第2押え部が第2スライダーに対して位置ズレするおそれを低減できて、第2スライダーの保持状態を強固に維持できる。
【0009】
本発明のスライダー構造体では、前記カバー部材は、少なくとも前記第1スライダーの前記連結部における前記上面の一部および前記側面の一部を押える構成とされてもよい。
このような構成によれば、例えば引手をひねることで第1スライダーの連結部に外力が加えられても、前述したカバー部材は当該連結部の上面の一部だけでなく側面の一部も押えているので、第1スライダーおよびカバー部材の相互の揺動を抑えることができ、カバー部材が第1スライダーに対して所定位置からズレるおそれを低減できる。
【0010】
本発明のスライダー構造体では、前記ベース部材と前記カバー部材との上下方向における係合位置は、前記第1押え部および前記第2押え部が前記第1スライダーおよび前記第2スライダーを上方から押える押え位置と同じ位置かそれよりも下方位置に配置されてもよい。
このような構成によれば、ベース部材とカバー部材との上下方向における係合位置が前述した押え位置よりも上方位置に配置されている場合と比べて、カバー部材とベース部材との係合部分に異物が引っかかりにくい構成にでき、このため、カバー部材とベース部材との係合が外れるおそれを低減できる。
【0011】
本発明のスライダー構造体では、前記ベース部材は、前記ベース底板部の両側縁から上方に立ち上げられた一対のベース側板部とを有し、前記第1押え部は、前記ベース側板部の一端側に配置され、前記第2押え部は、前記ベース側板部の他端側に配置され、前記ベース部材と前記カバー部材との上下方向における係合位置は、前記ベース側板部の上縁と同じ位置かそれよりも下方位置に配置されてもよい。
このような構成によれば、前述した係合位置が、上下方向においてベース側板部の上縁と同じ位置かそれよりも下方位置に配置されるので、カバー部材とベース部材との係合部分に異物が、より引っ掛かりにくい構成にでき、このため、カバー部材とベース部材との係合が外れるおそれを、より低減できる。
【0012】
本発明のスライダー構造体では、前記第1押え部および前記第2押え部は、前記第1スライダーおよび前記第2スライダーに対して上方から当接する押え面をそれぞれ有し、前記ベース部材は、前記カバー部材に対して上下方向に係合する係合面を有し、前記係合面の位置は、前記押え面の位置と同じ位置かそれよりも下方位置に配置されてもよい。
このような構成によれば、ベース部材において押え面の位置(上下位置)に対して係合面の位置(上下位置)を前述したように設定すればよく、これにより、ベース部材とカバー部材との上下方向における係合位置を前述した押え位置と同じ位置かそれよりも下方位置に容易に設定できる。
【0013】
本発明のスライダー構造体では、前記カバー部材は、上下方向に交差する左右方向で対向する一対の係合爪で構成されるカバー係合部を有し、前記ベース部材は、左右方向において一対の前記係合面と、前記係合面のそれぞれに対して上方に位置する一対のガイド面とを有するベース係合部とを有し、前記係合爪は、前記係合面に上下方向に係合し、一対の前記ガイド面は、下方に向かうに連れて互いに左右方向に漸次広がる構成とされてもよい。
このような構成によれば、カバー部材をベース部材に対して上方から押し付けることで、一対の係合爪を一対のガイド面に案内させながら徐々に左右に押し広げ、当該一対の係合爪が一対のガイド面を下方に越えて一対の係合面にかかる際に復元することで、一対の係合爪を一対の係合面に係合させることができる。このように、カバー係合部をベース係合部に円滑に係合できる。
【0014】
本発明のスライダー構造体では、前記ベース係合部は、上下方向および左右方向に交差する長さ方向において一対の前記ガイド面に対して前記第2スライダー側にそれぞれ隣接して配置される一対の補助ガイド面を有し、一対の前記補助ガイド面は、前記第2スライダー側に向かうに連れて互いに左右方向に漸次広がる構成とされてもよい。
このような構成によれば、カバー係合部をベース係合部に押し込む際に、一対の係合爪を長さ方向において補助的に一対のガイド面側に案内できて、カバー係合部をベース係合部に円滑に係合できる。
【0015】
本発明のスライダー構造体では、前記ベース係合部は、係合状態の一対の前記係合爪の前記第2スライダー側への移動を規制する規制面を更に有する係合柱で構成されてもよい。
このような構成によれば、カバー係合部をベース係合部に係合することで、カバー部材の第2スライダー側への移動を規制面によって規制でき、このため、係合柱のほかに当該移動を規制する構成を備える必要がなく、スライダー構造体の構成を簡略化し得る。
【0016】
本発明のスライダー構造体では、前記第2スライダーには、上方に突出した突出部が形成され、前記カバー部材は、前記突出部を覆ってもよい。
このような構成によれば、カバー部材が第2スライダーの連結部などの突出部を覆うので、例えば引手をひねることで第1スライダーの連結部に外力が加えられ、これにより、揺動されようとしても、カバー部材の揺動をより抑えることができて、カバー部材が第1スライダーおよび第2スライダーに対して位置ズレしにくい構成にできる。
【0017】
本発明のスライダー構造体は、前記第1スライダーは、前記連結部に装着されていると共に、前記エレメント列に係合可能な係合先端が前記第1スライダーの挿通路に対して出没可能なロック部材を備え、前記引手は、その引張り操作によって前記ロック部材に当接すると共に、前記挿通路に対して突出した状態の前記係合先端を前記挿通路に対して没入状態にする構成とされてもよい。
このような構成によれば、前述した引手の引張り操作によってロック部材を動作させるいわゆるロックスライダーを構成できる。
【0018】
本発明のスライダー構造体では、前記ベース部材は、前記第1押え部を有すると共に前記第1スライダーを保持する第1保持部と、前記第2押え部を有すると共に前記第2スライダーを保持する第2保持部と、前記第1保持部および前記第2保持部の間に配置されるベース係合部とを有し、前記カバー部材は、少なくとも前記第1スライダーの前記連結部における前記上面の一部および前記側面の一部を上方から覆って押える第1カバー部と、前記第2スライダーの少なくとも一部を上方から覆う第2カバー部と、第1カバー部および第2カバー部の間に配置されると共に前記ベース係合部と係合するカバー係合部とを有してもよい。
【0019】
本発明のスライダー連結体は、前述した本発明のスライダー構造体におけるベース部材と、前記ベース部材に係合する前述した本発明のスライダー構造体におけるカバー部材とを備える。
本発明のスライダー構造体によれば、前述した本発明の作用効果と同様の作用効果を発揮し得るスライダー連結体を構成できる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、カバー部材が第1スライダーに対して所定位置から外れるおそれを低減できるスライダー構造体およびスライダー連結体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の実施形態に係るスライダー構造体を示す斜視図。
図2】前記実施形態に係るスライダー構造体を示す展開斜視図。
図3図1に示すIII-III線断面図。
図4図1に示すIV-IV線断面図。
図5図3に示すスライダー構造体のベース部材を示す同断面図。
図6図4に示すスライダー構造体のベース部材を示す同断面図。
図7図2に示すベース部材の要部を示す平面図。
図8】前記実施形態に係るスライダー構造体におけるカバー部材の取付説明図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
[本実施形態の構成]
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1から図4において、本実施形態に係るスライダー構造体1は、一対のテープ(ファスナーテープ)に沿って設けられたコイルエレメントなどで構成されるエレメント列(ファスナーエレメント列)同士を噛合および離間するスライド移動可能な第1スライダー10(ファスナースライダー)および第2スライダー20(ファスナースライダー)と、第1スライダー10および第2スライダー20同士を対向させて連結するスライダー連結体30とを備えている。
以下の説明において、X方向をスライダー構造体1のスライド移動方向(長さ方向)とし、X方向に直交するY方向をスライダー構造体1の左右方向(幅方向)とし、X,Y方向に直交するZ方向をスライダー構造体の上下方向(厚さ方向)とする。
【0023】
スライダー構造体1は、本実施形態では、物品としての衣服の腹部周りや袖部周りなどの寸法を調整するアジャスタブルジッパーに用いられるものである。アジャスタブルジッパーは、前述したエレメント列が設けられた一対のテープと、スライダー構造体1とを備えて構成される。アジャスタブルジッパーの使用例としては、前述したテープが衣服に縫い付けられ、前述したエレメント列およびスライダー構造体1の後述するベース部材40が衣服の裏側に配置され、衣服の裏側において第1スライダー10および第2スライダー20がエレメント列にスライド移動可能に嵌合する。スライダー構造体1の後述する引手18およびカバー部材60は衣服の表側に配置され、後述する紐通し孔411は、衣服の腹部周りや袖部周りなどの特定の部分の寸法を調整するための紐状体と連結される。
【0024】
第1スライダー10は、図2に示すように、後口10Bから肩口10Aにかけて各エレメント列が挿通可能なスライダー胴体11と、スライダー胴体11を一対のテープに沿ってX方向にスライド移動操作する引手18とを備えている。
【0025】
スライダー胴体11は、上板部12と、下板部13と、上板部12および下板部13とを連結する柱部14と、引手18が連結される連結部15とを同材料で一体に形成されてなり、連結部15にはロック部材としてのロックピン16が装着されている。
【0026】
下板部13は、板状の下板本体部131と、下板本体部131のY方向における両側縁のそれぞれから上方に立ち上げられた側板部132とを有している。
【0027】
柱部14は、下板本体部131のX方向における肩口10A寄りの位置であってY方向における略中央の位置から上方に延出している。
【0028】
上板部12は、柱部14の上部に形成された板状の上板本体部121と、Y方向両側の側板部132のそれぞれからY方向内側に向かって延出したフランジ部122とを有している。本実施形態では、上板本体部121とフランジ部122は互いに分離して形成されており、これらの間をテープが通るように構成されている。
【0029】
連結部15は、上板本体部121から上方に突出して形成された第1連結凸部151および第2連結凸部152を有している。第1連結凸部151および第2連結凸部152は、X方向に間隔を隔てて配置されており、第1連結凸部151は肩口10A側に配置されており、第2連結凸部152は後口10B側に配置されている。第1連結凸部151は、上面153および上面153に連続する左右一対の側面154を有している。
【0030】
ロックピン16は、第1連結凸部151および第2連結凸部152にわたって配置されており、第2連結凸部152側には、上板本体部121に形成された孔(図示省略)を有しており、この孔に対して、エレメント列が挿通される挿通路17に対して出没可能な係合先端(図示省略)が配置されている。この係合先端は、挿通路17に対して突出した状態(前述した孔に入った状態)でエレメント列に係合する一方、上板本体部121の挿通路17に対して没入した状態で前記係合を解除する。この係合状態では、スライダー構造体1は、一対のテープに沿ってスライド移動不能な状態となり、係合の解除状態ではスライド移動可能な状態となる。
【0031】
引手18は、引手本体部181と、引手本体部181の一端部に形成された引手軸部183とを有しており、引手軸部183は、連結部15に回動可能に連結されている。この引手軸部183は、第1連結凸部151および第2連結凸部152との間に配置されている。
この引手18は、操作によって引手本体部181に対して引張り力が加えられた際に、引手軸部183がロックピン16に当接し弾性変形させて、当該ロックピン16の係合先端を上板部12の孔に没入させ、この係合先端とエレメント列との係合を解除した解除状態とする。解除状態では、スライダー構造体1は、一対のテープに沿ってスライド移動可能な状態となり、スライダー構造体1のスライド移動によって衣服の腹部周りや袖部周りなどの寸法を調整することが可能である。
また、操作が終了し、引手本体部181に対して前述した引張り力が加えられなくなると、引手軸部183に弾性変形させられていたロックピン16は元の形状に復元しつつ、当該ロックピン16の係合先端が上板部12の孔から挿通路17に突出してエレメント列に係合した係合状態となる。係合状態では、スライダー構造体1は、一対のテープに沿ってスライド移動不能な状態となり、衣服の腹部周りや袖部周りなどの寸法が定められる。
【0032】
このように第1スライダー10は、本実施形態では、ロックピン16を備えることでロック機構が構成されたいわゆるロックスライダーであるが、ロックピン16を備えずにロック機構が構成されない通常のスライダーであってもよい。
【0033】
第2スライダー20は、連結部15を除いてスライダー胴体11と概略同様に形成されたスライダー胴体21を備えているが、ロックピン16および引手18に相当する構成を備えていない点で第1スライダー10と異なっている。なお、スライダー胴体21のうちスライダー胴体11と同様の構成については同符号を適宜付して詳細な説明を省略する。
スライダー胴体21の上板本体部121の上面には、上方に突出した突出部としての連結部25が形成されている。この連結部25は、X方向に間隔を隔てた一対の連結凸部251で構成されている。スライダー構造体1では、連結部25に引手に相当する構成は連結しないが、もしこの連結部25に引手18に相当する構成を連結して第2スライダー20を単体でファスナースライダーとして用いるのであれば、一対の連結凸部251をカシメることで前記連結を行う。
【0034】
スライダー胴体11,21の肩口10A同士は、X方向において互いに向かい合って配置されており、後口10B同士は肩口10AよりもX方向に離間した位置に配置されている。このため、スライダー胴体11,21の一方における後口10Bから挿通路17を挿入されるエレメント列は、柱部14によってY方向に左右に離間され、スライダー胴体11,21の他方の後口10Bから繰り出されるエレメント列は互いに噛合される。
【0035】
スライダー連結体30は、第1スライダー10および第2スライダー20を保持するベース部材40と、ベース部材40に係合すると共に第1スライダー10および第2スライダー20の少なくとも一部を上方から覆うカバー部材60とを備えている。
なお、第1スライダー10および第2スライダー20は本実施形態では金属製であるが合成樹脂等の他材料で構成されていてもよい。
【0036】
ベース部材40は、X方向における一端部に紐状体(図示省略)が通されて連結される紐通し孔411が形成されたベース底板部41と、ベース底板部41のX方向に沿った両側縁からそれぞれ上方に立ち上げられたベース側板部42と、ベース底板部41から立ち上げられ且つベース側板部42のX方向における一端側に配置されていると共に第1スライダー10を上方から押える左右の第1押え部43と、ベース底板部41から立ち上げられ且つベース側板部42のX方向における他端側に配置されていると共に第2スライダー20を上方から押える左右の第2押え部44と、ベース底板部41のX方向における略中央の位置から上方に突出した係合柱45Aで構成されるベース係合部51とを有している。なお、紐通し孔411に通される紐状体は、本実施形態では衣服の腹部周りや袖部周りなどの寸法を調整するためのものである。
【0037】
ベース部材40は、ベース底板部41に沿った方向(X方向およびY方向の面内に沿った方向)において第1押え部43に隣接して配置されると共にベース底板部41および第1押え部43を連続する第1補強部49と、ベース底板部41に沿った方向において第2押え部44に隣接して配置されると共にベース底板部41および第2押え部44を連続する第2補強部48とを更に有している。これらの第1補強部49および第2補強部48は、第1押え部43および第2押え部44を補強している。
【0038】
第1補強部49は、第1押え部43のそれぞれに対してベース部材40のX方向における一端側(紐通し孔411側)に隣接して配置されている。第1補強部は上方から下方に向かうに連れてX方向における寸法が徐々に大きくなっており、このため、ベース底板部41との連続領域も増しており、第1押え部43をより強固に補強している。なお、第1補強部49およびベース底板部41は断面略L字状部分を構成している。
【0039】
第2補強部48は、ベース部材40のX方向における他端側に配置されて端板状に形成されている。ベース底板部41から立ち上げられた第2補強部48は、左右の第2押え部44の間に配置され且つこれらに連続することで、第2補強部48をより強固に補強している。なお、第2補強部48およびベース底板部41は断面略L字状部分を構成している。
【0040】
ベース部材40のうちベース係合部51よりもX方向における一端側部分は、第1スライダー10を保持する第1保持部45として構成されている。また、ベース部材40のうちベース係合部51よりもX方向における他端側部分は、第2スライダー20を保持する第2保持部46として構成されている。第1保持部45は第1押え部43を有しており、第2保持部46は第2押え部44を有している。ベース係合部51は、第1保持部45および第2保持部46の間に配置されている。
【0041】
第1保持部45では、ベース底板部41および一対のベース側板部42でスライダー胴体11の下板本体部131および側板部132を覆っており、第1押え部43の下面である押え面431がスライダー胴体11の上板部12の一部を構成するフランジ部122の上面のうち後口10B寄りの部分を上方から当接して押えている。
【0042】
第2保持部46では、ベース底板部41および一対のベース側板部42でスライダー胴体21の下板本体部131および側板部132を覆っており、第2押え部44の下面である押え面441がスライダー胴体21の上板部12の一部を構成するフランジ部122の上面のうち後口10B寄りの部分を上方から当接して押えている。
【0043】
ベース係合部51は、図4から図7に示すように、係合柱45Aの先端部451であって第1保持部45側の部分に形成された左右一対の係合面52と、左右一対の係合面52に対して上方に配置される左右一対のガイド面53と、左右一対のガイド面53に連続すると共に当該左右一対のガイド面53に対して第2保持部46側に配置される左右一対の補助ガイド面54とを有している。また、ベース係合部51は、係合状態の後述する一対の係合爪67の第2スライダー20側へのX方向における移動を規制する規制面55を更に有している。規制面55は、係合柱45Aのうち第2保持部46側の面で形成されており、Y方向およびZ方向に沿った面である。この規制面55は係合面52に対して第2保持部46側に配置されている。
【0044】
左右一対の係合面52は、X方向およびY方向に沿った面で形成されている。左右一対の係合面52の位置は、押え面431,441のZ方向における位置と同じ位置かそれよりも下方位置に配置されている。このため、係合面52にカバー部材60が係合する係合位置は、第1押え部43および第2押え部44が第1スライダー10および第2スライダー20のそれぞれの上板部12を押える位置と同じ位置か、この位置よりも下方の位置となる。また、Z方向における係合面52の位置(前述した係合位置)は、ベース側板部42の上縁のうち少なくとも係合面52に対してY方向両側に位置する部分と同じ位置か、それよりも下方位置に配置されている。本実施形態では、前述した係合位置は、ベース側板部42の上縁はX方向に沿っており、この上縁とZ方向において同じ位置に配置されている。
【0045】
左右一対のガイド面53は、係合柱45Aの頂面452から下方に向かうに連れて互いにY方向に漸次広がる傾斜面で構成されている。左右一対の補助ガイド面54は、左右一対のガイド面53に対して第2スライダー20側(第2保持部46側)に隣接してそれぞれ配置されており、左右一対のガイド面53から第2スライダー20側に向かうに連れて互いにY方向に漸次広がる傾斜面で構成されている。また、左右一対の補助ガイド面54は、第1スライダー10側(第1保持部45側)から第2スライダー20側(第2保持部46側)に向かうに連れて斜め上に傾斜している。
【0046】
カバー部材60は、少なくとも第1スライダー10の連結部15における上面153の一部および一対の側面154の一部を上方から覆って押える第1カバー部61と、第2スライダー20の少なくとも一部としての連結部25を上方から覆う第2カバー部62と、第1カバー部61および第2カバー部62の間に配置されると共にベース係合部51と係合するカバー係合部63とを有している。
【0047】
また、カバー部材60は、X方向に沿った上部65と、X方向に沿って上部65に連続する左右一対の側部66とを有している。カバー係合部63は、左右一対の側部66から下方に延出した左右一対の係合爪67で構成されている。係合爪67では、図4に示すように、下方に位置する先端爪部671がY軸方向内側に延出しており、先端爪部671の上面が係合面672とされており、係合面672がベース係合部51の係合面52にZ方向に係合する。先端爪部671にはY方向内側に向かうに連れて斜め上に傾斜した被ガイド面673が形成されており、被ガイド面673がこのように傾斜しているので、当該被ガイド面673がベース係合部51のガイド面53に円滑に案内され得る。また、係合爪67がX方向における第2スライダー20側で規制面55にかかるので、カバー部材60のX方向における他端側への移動は規制面55によって規制される。なお、カバー部材60のX方向における一端側への移動は第2スライダー20の連結部25によって規制される。
【0048】
第1カバー部61は、係合爪67よりも第1スライダー10側にある上部65および一対の側部66によって構成されており、第2カバー部62は、係合爪67よりも第2スライダー20側にある上部65および一対の側部66によって構成されている。このため、カバー係合部63がベース係合部51に係合した係合状態では、第1カバー部61を構成する上部65および一対の側部66は、例えば図3に示すように、第1スライダー10における第1連結凸部151における上面153および一対の側面154の少なくとも一部を覆い、第2カバー部62を構成する上部65および一対の側部66が第2スライダー20における連結部25を覆う。
【0049】
以上のスライダー構造体1において、カバー部材60をベース部材40に取り付ける手順は次の通りである。
【0050】
まず、図8に示すように、カバー部材60のカバー係合部63をベース部材40のベース係合部51に上方から押し当てつつ、第2カバー部62によって第2スライダー20の連結部25を覆う。
【0051】
次に、カバー部材60を更に下方に押し込むことで、左右一対の係合爪67をベース係合部51の左右一対のガイド面53に案内させつつY方向外側に押し開く。このとき、もし係合爪67が左右一対の補助ガイド面54にかかっても、係合爪67は当該補助ガイド面54によってガイド面53側に案内される。
【0052】
続いて、カバー部材60を更に下方に押し込むことで、左右一対の係合爪67は左右一対のガイド面53を超え、先端爪部671の係合面672がベース係合部51の係合面52よりも下方側に配置されることで、係合爪67は元の状態に復元しつつ係合面672が係合面52に対してZ方向に係合する。
【0053】
このとき、前述したようにカバー係合部63とベース係合部51との係合位置は、第1押え部43および第2押え部44による第1スライダー10および第2スライダー20のZ方向における押え位置と同じ位置か、この位置よりも下方位置となる。従って、スライダー構造体1を前述したように例えば、係合位置が押え位置よりも上方位置にある場合と比べて、カバー係合部63に異物が引っかかりにくい構成にでき、異物が引っかかることで、カバー部材60がベース部材40から外れてしまうおそれを低減できる。
【0054】
また、カバー部材60とベース部材40との係合状態では、第1カバー部61は、第1スライダー10の第1連結凸部151における上面153および一対の側面154の一部を覆って押える。このため、仮に引手18をひねることで第1スライダー10の連結部15に外力が加えられても、前述したカバー部材60は当該連結部15の上面153の一部だけでなく一対の側面154の一部も押えているので、第1スライダー10およびカバー部材60の相互の揺動を抑えることができ、カバー部材60が第1スライダー10に対して所定位置からズレるおそれを低減できる。
【0055】
[変形例]
前記実施形態では、カバー係合部63とベース係合部51との係合位置は、第1押え部43および第2押え部44が第1スライダー10および第2スライダー20の上板部12を押えるZ方向における押え位置と同じ位置か、それよりも下方位置に配置されているが、異物等のひっかかりによってカバー部材60がベース部材40から外れにくい構成である場合には、当該押え位置よりも上方位置にあってもよい。また、前述した係合位置は、Z方向において第1スライダー10や第2スライダー20の上板部12の上面の位置と同じ位置かそれよりも下方位置に配置されてもよく、この場合には、より係合部分に異物等が引っかかりにくくできて、カバー係合部63とベース係合部51との係合がより外れにくい構成にできる。
【0056】
前記実施形態では、Z方向における係合面52の位置(前述した係合位置)は、ベース側板部42の上縁と同じ位置か、それよりも下方位置に配置されているが、前述同様に異物等のひっかかりによってカバー部材60がベース部材40から外れにくい構成である場合には、ベース側板部42の上縁よりも上方位置にあってもよい。
【0057】
前記実施形態では、下方に向かうに連れて互いにY方向に漸次広がる一対のガイド面53や、第2スライダー20側に向かうに連れて互いにY方向に漸次広がる一対の補助ガイド面54をベース係合部51に備えており、カバー係合部63との係合をより円滑に行える構成とされているが、ベース係合部51は、一対のガイド面53や一対の補助ガイド面54がなくても、カバー係合部63と係合できる構成であればよく、このため、一対のガイド面53や一対の補助ガイド面54の構成を省略してもよい。また、一対のガイド面53などの構成を省略した場合、係合爪67の被ガイド面673の構成を残してもよく、省略してもよい。
【0058】
前記実施形態では、第2スライダーには連結部25が形成されているが、この構成を省略してもよい。
【0059】
前記実施形態では、カバー部材60は、少なくとも第1スライダー10の連結部15における上面153の一部および一対の側面154の一部を押える構成とされており、これにより、例えば引手18をひねった際にカバー部材60が第1スライダー10に対して所定位置からズレるおそれを低減している。ところで、異物等のひっかかりによってカバー部材60がベース部材40から外れることを低減することを主目的とする場合には、カバー係合部63とベース係合部51との係合位置を、第1押え部43および第2押え部44が第1スライダー10および第2スライダー20の上板部12を押えるZ方向における押え位置と同じ位置か、それよりも下方位置に配置されていればよく、カバー部材60が第1スライダー10の連結部15の上面153や側面154を押さえない構成であってもよい。
【符号の説明】
【0060】
1…スライダー構造体、10…第1スライダー、10A…肩口、10B…後口、11…スライダー胴体、12…上板部、121…上板本体部、122…フランジ部、13…下板部、131…下板本体部、132…側板部、14…柱部、15,25…連結部、151…第1連結凸部、152…第2連結凸部、153…上面、154…側面、16…ロックピン、17…挿通路、18…引手、181…引手本体部、183…引手軸部、20…第2スライダー、21…スライダー胴体、25…連結部、251…連結凸部、30…スライダー連結体、40…ベース部材、41…ベース底板部、411…紐通し孔、42…ベース側板部、43…第1押え部、431,441…押え面、44…第2押え部、45…第1保持部、451…先端部、452…頂面、45A…係合柱、46…第2保持部、48…第2補強部、49…第1補強部、51…ベース係合部、52,672…係合面、53…ガイド面、54…補助ガイド面、55…規制面、60…カバー部材、61…第1カバー部、62…第2カバー部、63…カバー係合部、65…上部、66…側部、67…係合爪、671…先端爪部、673…被ガイド面。
図1
図2
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図4
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図6
図7
図8