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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023136990
(43)【公開日】2023-09-29
(54)【発明の名称】分圧回路及び発光装置
(51)【国際特許分類】
   H05B 45/30 20200101AFI20230922BHJP
   H05B 45/46 20200101ALI20230922BHJP
   H05B 45/10 20200101ALI20230922BHJP
   H01L 33/00 20100101ALI20230922BHJP
【FI】
H05B45/30
H05B45/46
H05B45/10
H01L33/00 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022042950
(22)【出願日】2022-03-17
(71)【出願人】
【識別番号】000131430
【氏名又は名称】シチズン電子株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000001960
【氏名又は名称】シチズン時計株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100180806
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100160716
【弁理士】
【氏名又は名称】遠藤 力
(72)【発明者】
【氏名】堺 圭亮
【テーマコード(参考)】
3K273
5F241
【Fターム(参考)】
3K273AA10
3K273BA26
3K273CA02
3K273CA09
3K273CA14
3K273DA08
3K273EA06
3K273EA25
3K273EA35
3K273EA36
3K273FA03
3K273FA14
3K273FA26
3K273FA27
3K273GA29
5F241AA21
5F241BB07
5F241BB12
5F241BB34
5F241BC02
5F241BC03
5F241BC04
5F241BC12
5F241BC17
5F241BC34
5F241BC42
5F241BD04
(57)【要約】
【課題】低コストで製造可能な分圧回路を提供する。
【解決手段】分圧回路20は、直列接続された複数の抵抗23aを有するラダー抵抗回路23と、複数の抵抗23aの間にそれぞれが電気的に接続された複数の第1選択入力端子、複数の第1選択入力端子の何れか1つを選択する第1選択信号が入力される第1制御端子、及び第1選択信号が第1制御端子に入力されることによって選択された第1選択入力端子に電気的に接続される第1選択出力端子を有する第1選択回路24と、複数の抵抗23aの間にそれぞれが電気的に接続された複数の第2選択入力端子、複数の第2選択入力端子の何れか1つを選択する第2選択信号が入力される第2制御端子、及び第2選択信号が第2制御端子に入力されることによって選択された第2選択入力端子に電気的に接続される第2選択出力端子を有する第2選択回路25とを有する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
直列接続された複数の抵抗を有するラダー抵抗回路と、
前記複数の抵抗の間にそれぞれが電気的に接続された複数の第1選択入力端子、前記複数の第1選択入力端子の何れか1つを選択する第1選択信号が入力される第1制御端子、及び前記第1選択信号が前記第1制御端子に入力されることによって選択された第1選択入力端子に電気的に接続される第1選択出力端子を有する第1選択回路と、
前記複数の抵抗の間にそれぞれが電気的に接続された複数の第2選択入力端子、前記複数の第2選択入力端子の何れか1つを選択する第2選択信号が入力される第2制御端子、及び前記第2選択信号が前記第2制御端子に入力されることによって選択された第2選択入力端子に電気的に接続される第2選択出力端子を有する第2選択回路と、
を有することを特徴とする分圧回路。
【請求項2】
一方の入力端子が前記第1選択出力端子に電気的に接続された第1オペアンプと、
一方の入力端子が前記第2選択出力端子に電気的に接続された第2オペアンプと、
を更に有する、請求項1に記載の分圧回路。
【請求項3】
前記第1オペアンプの他方の入力端子に一端が電気的に接続され且つ他端が接地される第1検出抵抗と、
前記第2オペアンプの他方の入力端子に一端が電気的に接続され且つ他端が接地される第2検出抵抗と、
前記第1オペアンプの出力端子及び前記第1検出抵抗の一端に接続され、前記第1検出抵抗に印加される電圧が前記第1選択出力端子から出力される電圧と一致するように前記第1検出抵抗に流れる電流を制御する第1スイッチと、
前記第2オペアンプの出力端子及び前記第2検出抵抗の一端に接続され、前記第2検出抵抗に印加される電圧が前記第2選択出力端子から出力される電圧と一致するように前記第2検出抵抗に流れる電流を制御する第2スイッチと、
を更に有する、請求項2に記載の分圧回路。
【請求項4】
前記ラダー抵抗回路に並列接続され、前記ラダー抵抗回路の一端に所定の基準電圧を供給する基準検出抵抗を更に有する、請求項3に記載の分圧回路。
【請求項5】
選択された所望の電圧を前記ラダー抵抗回路に供給する電圧供給回路を更に有する、請求項1又は2に記載の分圧回路。
【請求項6】
前記電圧供給回路は、
直列接続された複数の電圧選択抵抗を有する電圧選択ラダー抵抗回路と、
前記複数の電圧選択抵抗の間にそれぞれが電気的に接続された複数の電圧選択入力端子、前記複数の電圧選択入力端子の何れか1つを選択する電圧選択信号が入力される電圧選択端子、及び前記電圧選択信号が前記電圧選択端子に入力されることによって選択された電圧選択入力端子に電気的に接続される電圧選択出力端子を有する電圧選択回路と、
を有する、請求項5に記載の分圧回路。
【請求項7】
前記第1選択出力端子に電気的に接続され、前記第1選択出力端子から出力される電圧に応じた振幅を有する第1パルス信号を出力する第1パルス生成回路と、
前記第2選択出力端子に電気的に接続され、前記第2選択出力端子から出力される電圧に応じた振幅を有する第2パルス信号を出力する第2パルス生成回路と、
前記第1パルス生成回路に接続され、前記第1パルス信号が入力されたときに前記第1選択出力端子から出力される電圧に応じた第1定電流を出力する第1定電流回路と、
前記第2パルス生成回路に接続され、前記第2パルス信号が入力されたときに前記第2選択出力端子から出力される電圧に応じた第2定電流を出力する第2定電流回路と、
を更に有する、請求項1に記載の分圧回路。
【請求項8】
一対の電極対と、
前記一対の電極対から電流が供給されたときに、光を出射する第1発光素子群と、
前記第1発光素子群に並列接続され、前記一対の電極対から電流が供給されたときに、光を出射する第2発光素子群と、
第1基準電圧が入力され、前記第1基準電圧に応じた第1電流を前記第1発光素子群に流す第1電流制御回路と、
第2基準電圧が入力され、前記第2基準電圧に応じた第2電流を前記第2発光素子群に流す第2電流制御回路と、
基準電圧を分圧して前記第1基準電圧及び前記第2基準電圧を生成する分圧回路と、を有し、
前記分圧回路は、
一端に前記基準電圧が印加され、直列接続された複数の抵抗を有するラダー抵抗回路と、
前記複数の抵抗の間にそれぞれが電気的に接続された複数の第1選択入力端子、前記複数の第1選択入力端子の何れか1つを選択する第1選択信号が入力される第1制御端子、及び前記第1選択信号が前記第1制御端子に入力されることによって選択された第1選択入力端子に電気的に接続され、前記第1基準電圧を前記第1電流制御回路に出力する第1選択出力端子を有する第1選択回路と、
前記複数の抵抗の間にそれぞれが電気的に接続された複数の第2選択入力端子、前記複数の第2選択入力端子の何れか1つを選択する第2選択信号が入力される第2制御端子、及び前記第2選択信号が前記第2制御端子に入力されることによって選択された第2選択入力端子に電気的に接続され、前記第2基準電圧を前記第2電流制御回路に出力する第2選択出力端子を有する第2選択回路と、
を有することを特徴とする発光装置。
【請求項9】
前記第1発光素子群及び前記第2発光素子群に並列接続され、前記一対の電極対から電流が供給されたときに、光を出射する第3発光素子群を更に有し、
前記分圧回路は、前記ラダー抵抗回路に並列接続され、前記ラダー抵抗回路の一端に所定の基準電圧を供給する基準検出抵抗を更に有し、
前記第1電流制御回路は、一方の入力端子が前記第1選択出力端子に電気的に接続された第1オペアンプ、前記第1オペアンプの他方の入力端子に一端が電気的に接続され且つ他端が接地される第1検出抵抗、及び前記第1発光素子群に一端が接続され且つ前記前記第1オペアンプの出力端子及び前記第1検出抵抗の一端に他端が接続され、前記第1検出抵抗に印加される電圧が前記第1選択出力端子から出力される電圧と一致するように前記第1検出抵抗に流れる電流を制御する第1スイッチを有し、
前記第2電流制御回路は、一方の入力端子が前記第2選択出力端子に電気的に接続された第2オペアンプ、前記第2オペアンプの他方の入力端子に一端が電気的に接続され且つ他端が接地される第2検出抵抗、及び前記第2発光素子群に一端が接続され且つ前記第2オペアンプの出力端子及び前記第2検出抵抗の一端に他端が接続され、前記第2検出抵抗に印加される電圧が前記第2選択出力端子から出力される電圧と一致するように前記第2検出抵抗に流れる電流を制御する第2スイッチを有し、
前記基準電圧は、前記第1スイッチ及び前記第2スイッチの一端に印加される電圧よりも低い、請求項8に記載の発光装置。
【請求項10】
前記第1発光素子群、前記第2発光素子群及び前記第3発光素子群のそれぞれは、直列接続された複数の発光素子を有し、
前記第3発光素子群が有する前記複数の発光素子の直列数は、前記第1発光素子群及び前記第2発光素子群が有する前記複数の発光素子の直列数よりも多い、請求項9に記載の発光装置。
【請求項11】
前記第3発光素子群と前記ラダー抵抗回路及び前記基準検出抵抗との間に配置される降圧素子を更に有する、請求項9又は10に記載の発光装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、分圧回路及び発光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
それぞれが複数の発光素子を有する複数の発光素子群と、複数の発光素子群に供給する電流値を制御する電流制御回路を有する発光装置が知られている(例えば、特許文献1を参照)。特許文献1に記載される発光装置は、第1検出抵抗、並びに可変抵抗を有し且つ第1検出抵抗に並列接続される第2抵抗対及び第3抵抗対とを有する分圧回路を有する。特許文献1に記載される発光装置は、第2抵抗対及び第3抵抗対が有する可変抵抗の抵抗値を変化させることで、複数の発光素子群に供給される電流を連続的に変化させ、複数の発光素子群のそれぞれから所望の光量の光を出射させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2021/182408号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載される発光装置は、第2抵抗対及び第3抵抗対としてデジタルポテンションメータとも称されるデジタル可変抵抗が使用される。しかしながら、デジタルポテンションメータは、抵抗素子と比較して高価であり、高価なデジタルポテンションメータを2つ配置することにより、分圧抵抗の製造コストが上昇するおそれがある。
【0005】
本発明は、このような課題を解決するものであり、低コストで製造可能な分圧回路を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る分圧回路は、直列接続された複数の抵抗を有するラダー抵抗回路と、複数の抵抗の間にそれぞれが電気的に接続された複数の第1選択入力端子、複数の第1選択入力端子の何れか1つを選択する第1選択信号が入力される第1制御端子、及び第1選択信号が第1制御端子に入力されることによって選択された第1選択入力端子に電気的に接続される第1選択出力端子を有する第1選択回路と、複数の抵抗の間にそれぞれが電気的に接続された複数の第2選択入力端子、複数の第2選択入力端子の何れか1つを選択する第2選択信号が入力される第2制御端子、及び第2選択信号が第2制御端子に入力されることによって選択された第2選択入力端子に電気的に接続される第2選択出力端子を有する第2選択回路とを有する。
【0007】
さらに、本発明に係る分圧回路は、一方の入力端子が第1選択出力端子に電気的に接続された第1オペアンプと、一方の入力端子が第2選択出力端子に電気的に接続された第2オペアンプとを更に有することが好ましい。
【0008】
さらに、本発明に係る分圧回路は、第1オペアンプの他方の入力端子に一端が電気的に接続され且つ他端が接地される第1検出抵抗と、第2オペアンプの他方の入力端子に一端が電気的に接続され且つ他端が接地される第2検出抵抗と、第1オペアンプの出力端子及び第1検出抵抗の一端に接続され、第1検出抵抗に印加される電圧が第1選択出力端子から出力される電圧と一致するように第1検出抵抗に流れる電流を制御する第1スイッチと、第2オペアンプの出力端子及び第2検出抵抗の一端に接続され、第2検出抵抗に印加される電圧が第2選択出力端子から出力される電圧と一致するように第2検出抵抗に流れる電流を制御する第2スイッチとを更に有することが好ましい。
【0009】
さらに、本発明に係る分圧回路は、ラダー抵抗回路に並列接続され、ラダー抵抗回路の一端に所定の基準電圧を供給する基準検出抵抗を更に有することが好ましい。
【0010】
さらに、本発明に係る分圧回路は、選択された所望の電圧をラダー抵抗回路に供給する電圧供給回路を更に有することが好ましい。
【0011】
さらに、本発明に係る分圧回路では、電圧供給回路は、直列接続された複数の電圧選択抵抗を有する電圧選択ラダー抵抗回路と、複数の電圧選択抵抗の間にそれぞれが電気的に接続された複数の電圧選択入力端子、複数の電圧選択入力端子の何れか1つを選択する電圧選択信号が入力される電圧選択端子、及び電圧選択信号が電圧選択端子に入力されることによって選択された電圧選択入力端子に電気的に接続される電圧選択出力端子を有する電圧選択回路とを有することが好ましい。
【0012】
さらに、本発明に係る分圧回路では、第1選択出力端子に電気的に接続され、第1選択出力端子から出力される電圧に応じた振幅を有する第1パルス信号を出力する第1パルス生成回路と、第2選択出力端子に電気的に接続され、第2選択出力端子から出力される電圧に応じた振幅を有する第2パルス信号を出力する第2パルス生成回路と、第1パルス生成回路に接続され、第1パルス信号が入力されたときに第1選択出力端子から出力される電圧に応じた第1定電流を出力する第1定電流回路と、第2パルス生成回路に接続され、第2パルス信号が入力されたときに第2選択出力端子から出力される電圧に応じた第2定電流を出力する第2定電流回路とを更に有することが好ましい。
【0013】
また、本発明に係る発光装置は、一対の電極対と、一対の電極対から電流が供給されたときに、光を出射する第1発光素子群と、第1発光素子群に並列接続され、一対の電極対から電流が供給されたときに、光を出射する第2発光素子群と、第1基準電圧が入力され、第1基準電圧に応じた第1電流を第1発光素子群に流す第1電流制御回路と、第2基準電圧が入力され、第2基準電圧に応じた第2電流を第2発光素子群に流す第2電流制御回路と、基準電圧を分圧して第1基準電圧及び第2基準電圧を生成する分圧回路と、を有し、分圧回路は、一端に基準電圧が印加され、直列接続された複数の抵抗を有するラダー抵抗回路と、複数の抵抗の間にそれぞれが電気的に接続された複数の第1選択入力端子、複数の第1選択入力端子の何れか1つを選択する第1選択信号が入力される第1制御端子、及び第1選択信号が第1制御端子に入力されることによって選択された第1選択入力端子に電気的に接続され、第1基準電圧を第1電流制御回路に出力する第1選択出力端子を有する第1選択回路と、複数の抵抗の間にそれぞれが電気的に接続された複数の第2選択入力端子、複数の第2選択入力端子の何れか1つを選択する第2選択信号が入力される第2制御端子、及び第2選択信号が第2制御端子に入力されることによって選択された第2選択入力端子に電気的に接続され、第2基準電圧を第2電流制御回路に出力する第2選択出力端子を有する第2選択回路とを有する。
【0014】
さらに、本発明に係る発光装置は、第1発光素子群及び第2発光素子群に並列接続され、一対の電極対から電流が供給されたときに、光を出射する第3発光素子群を更に有し、分圧回路は、ラダー抵抗回路に並列接続され、ラダー抵抗回路の一端に所定の基準電圧を供給する基準検出抵抗を更に有し、第1電流制御回路は、一方の入力端子が第1選択出力端子に電気的に接続された第1オペアンプ、第1オペアンプの他方の入力端子に一端が電気的に接続され且つ他端が接地される第1検出抵抗、及び第1発光素子群に一端が接続され且つ第1オペアンプの出力端子及び第1検出抵抗の一端に他端が接続され、第1検出抵抗に印加される電圧が第1選択出力端子から出力される電圧と一致するように第1検出抵抗に流れる電流を制御する第1スイッチを有し、第2電流制御回路は、一方の入力端子が第2選択出力端子に電気的に接続された第2オペアンプ、第2オペアンプの他方の入力端子に一端が電気的に接続され且つ他端が接地される第2検出抵抗、及び第2発光素子群に一端が接続され且つ第2オペアンプの出力端子及び第2検出抵抗の一端に他端が接続され、第2検出抵抗に印加される電圧が第2選択出力端子から出力される電圧と一致するように第2検出抵抗に流れる電流を制御する第2スイッチを有し、基準電圧は、第1スイッチ及び第2スイッチの一端に印加される電圧よりも低いことが好ましい。
【0015】
さらに、本発明に係る発光装置では、第1発光素子群、第2発光素子群及び第3発光素子群のそれぞれは、直列接続された複数の発光素子を有し、第3発光素子群が有する複数の発光素子が直列数は、第1発光素子群及び第2発光素子群が有する複数の発光素子が直列数よりも多いことが好ましい。
【0016】
さらに、本発明に係る発光装置は、第3発光素子群とラダー抵抗回路及び基準検出抵抗との間に配置される降圧素子を更に有することが好ましい。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る分圧回路は、低コストで製造可能である。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】第1実施形態に係る発光装置の回路ブロック図である。
図2図1に示す分圧回路の回路図である。
図3】第2実施形態に係る発光装置の回路ブロック図である。
図4図3に示す分圧回路の回路図である。
図5】第3実施形態に係る発光装置の回路ブロック図である。
図6図5に示す分圧回路の回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明に係る分圧回路及び発光装置について図を参照しつつ説明する。但し、本開示の技術的範囲はそれらの実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶ点に留意されたい。
【0020】
(第1実施形態に係る発光装置の構成および機能)
図1は、第1実施形態に係る発光装置の回路ブロック図である。
【0021】
発光装置1は、第1発光素子群11と、第2発光素子群12と、第3発光素子群13と、分圧回路20と、第1電流制御回路30と、第2電流制御回路35と、第1電極101と、第2電極102とを有する。発光装置1は、第1電極101及び第2電極102を介して電流源100から電流が供給されることに応じて、第1発光素子群11、第2発光素子群12及び第3発光素子群13のそれぞれが有する発光素子から光を出射する。また、発光装置1は、第1発光素子群11~第3発光素子群13が有する発光素子が発光するときに、第1発光素子群11~第3発光素子群13のそれぞれから出射される光の光量を制御装置110から入力される制御信号によって制御する。制御装置110は、MCU(Micro Controller Unit)等の演算回路であり、分圧回路20に電気的に接続され、I2C及びSPI等の所定の通信規格に基づいて制御信号を分圧回路20に出力する。
【0022】
第1発光素子群11は、直列接続された4個の第1発光素子14により形成される。複数の第1発光素子14のそれぞれは、第1電流I1が流れることにより、第1の色である例えば青色の光を出射するLEDダイである。第1発光素子群11に含まれる第1発光素子14の数は、1、2若しくは3又は5以上でもよく、第1発光素子群11に含まれる第1発光素子14が直列接続された発光素子列の数は2以上であってもよい。
【0023】
第2発光素子群12は、直列接続された4個の第2発光素子16により形成される。複数の第2発光素子16のそれぞれは、第2電流I2が流れることにより、第1の色である青色と異なる第2の色、例えば赤色の光を出射するLEDダイである。第2発光素子群12に含まれる第2発光素子16の数は、1、2若しくは3又は5以上でもよく、第2発光素子群12に含まれる第2発光素子16が直列接続された発光素子列の数は2以上であってもよい。第2発光素子群12に含まれる発光素子列の数は、第1発光素子群11に含まれる発光素子列と同一であることが好ましい。また、第2発光素子16は、青色の光を出射するLEDダイと、LEDダイが出射した青色の光を赤色に変換する蛍光体等のCASN等の光変換材が含有され、且つ、LEDダイを封止する封止材とを有する発光素子であってもよい。
【0024】
第3発光素子群13は、直列接続された5個の第3発光素子18により形成される。複数の第3発光素子18のそれぞれは、基準電流Irefが流れることにより、第1の色である青色及び第2の色である赤色の双方と異なる例えば緑色である第3の色の光を出射するLEDダイである。第3発光素子群13に含まれる第3発光素子18の数は、第1発光素子群11に含まれる第1発光素子14及び第2発光素子群12に含まれる第2発光素子16の数よりも多いことが好ましく、第3発光素子群13に含まれる第3発光素子18が直列接続された発光素子列の数は、2以上であってもよい。第3発光素子群13に含まれる発光素子列の数は、第1発光素子群11及び第2発光素子群12に含まれる発光素子列と同一であることが好ましい。また、第3発光素子18は、青色の光を出射するLEDダイと、LEDダイが出射した青色の光を緑色に変換するYAG(Yttrium Aluminum Garnet)等の蛍光体等の光変換材が含有され、且つ、LEDダイを封止する封止材とを有する発光素子であってもよい。
【0025】
図2は、分圧回路20の回路図である。
【0026】
分圧回路20は、基準検出抵抗21と、基準オペアンプ22と、ラダー抵抗回路23と、第1マルチプレクサ24と、第2マルチプレクサ25とを有する半導体装置であり、基準電圧Vrefを分圧して第1基準電圧V1及び第2基準電圧V2を生成する。分圧回路20は、ラダー抵抗回路23に印加される電圧を分圧して、第1発光素子群11に流れる第1電流I1及び第2発光素子群12に流れる第2電流I2の電流値を制御するために使用される第1基準電圧V1及び第1基準電圧V2を生成する。基準検出抵抗21は、数Ω程度の抵抗値を有する抵抗であり、一端が入力端子INを介して第1発光素子群11に接続され、他端が接地される。基準検出抵抗21は、ラダー抵抗回路23に並列接続され、第3発光素子群13を介して基準電流Irefが供給されることにより、両端に印加される電圧を基準電圧Vrefとして検出し、検出でした基準電圧Vrefをラダー抵抗回路23の一端に供給する。
【0027】
基準オペアンプ22は、非反転入力端子が基準検出抵抗21の一端に接続され、反転入力端子が出力端子に接続されたオペアンプであり、基準検出抵抗21の一端の電圧をラダー抵抗回路23に出力するバッファ素子である。基準オペアンプ22は、非反転入力端子に入力される基準電圧Vrefをラダー抵抗回路23に出力する。
【0028】
ラダー抵抗回路23は、直列接続された複数の抵抗23aを有し、一端が基準オペアンプ22の出力端子に接続され、他端が接地され、基準オペアンプ22を介して入力される基準検出抵抗21の一端に印加される電圧を分圧する。抵抗23aの合成抵抗値は、数kΩ程度であり、基準検出抵抗21の抵抗値よりも大きい。
【0029】
第1マルチプレクサ24は、第1選択回路とも称され、複数の第1選択入力端子SELIN1、第1制御端子CNT1及び第1選択出力端子SELOUT1を有する。複数の第1選択入力端子SELIN1のそれぞれは、ラダー抵抗回路23が有する複数の抵抗23aの一端にそれぞれが接続される。第1制御端子CNT1は、複数の第1選択入力端子SELIN1の何れか1つを選択する第1選択信号SEL1が制御装置110から入力される。第1選択出力端子SELOUT1は、第1選択信号SEL1が第1制御端子CNT1に入力されることによって選択された第1選択入力端子SELIN1に電気的に接続される。第1マルチプレクサ24は、選択された第1選択入力端子SELIN1に入力される分圧電圧を第1基準電圧V1として出力する。第1選択出力端子SELOUT1は第1電流制御回路30に接続され、第1マルチプレクサ24は第1基準電圧V1を第1電流制御回路30に出力する。マルチプレクサの回路構成は、良く知られているので、第1マルチプレクサ24の回路構成の詳細な説明は省略する。
【0030】
第2マルチプレクサ25は、第2選択回路とも称され、複数の第2選択入力端子SELIN2、第2制御端子CNT2及び第2選択出力端子SELOUT2を有し、第1マルチプレクサ24に並列接続される。複数の第2選択入力端子SELIN2のそれぞれは、複数の第1選択入力端子SELIN1と共に、ラダー抵抗回路23が有する複数の抵抗23aの一端にそれぞれが接続される。第2制御端子CNT2は、複数の第2選択入力端子SELIN2の何れか1つを選択する第2選択信号SEL2が制御装置110から入力される。第2選択出力端子SELOUT2は、第2選択信号SEL2が第2制御端子CNT2に入力されることによって選択された第2選択入力端子SELIN2に電気的に接続される。第2マルチプレクサ25は、選択された第2選択入力端子SELIN2に入力される分圧電圧を第2基準電圧V2として出力する。第2選択出力端子SELOUT2は第2電流制御回路35に接続され、第2マルチプレクサ25は第2基準電圧V2を第2電流制御回路35に出力する。第2マルチプレクサ25の回路構成の詳細な説明は省略する。
【0031】
第1電流制御回路30は、第1定電流回路とも称され、第1スイッチ31と、第1検出抵抗32と、第1コンパレータ33とを有し、第1基準電圧V1が入力され、第1基準電圧V1に応じた第1電流I1を第1発光素子群11に流す。第1スイッチ31は、nMOSFETであり、一端であるドレインが第1発光素子群11に接続され、他端であるソースが第1検出抵抗32の一端に接続され、制御端子であるゲートが第1コンパレータ33の出力端子に接続される。第1検出抵抗32の他端は、接地される。第1コンパレータ33は、第1オペアンプとも称され、非反転入力端子である第1入力端子及び反転入力端子である第2入力端子の入力インピーダンスが非常に高く無限大と見なすことが可能である。第1コンパレータ33の第1入力端子は、分圧回路20が有する第1マルチプレクサ24の第1選択出力端子SELOUT1に接続され、第1基準電圧V1が入力される。第1コンパレータ33の第2入力端子は、第1検出抵抗32の一端に接続され、第1検出抵抗32の両端の電圧である第1検出電圧VD1が入力される。第1コンパレータ33は、入力される第1基準電圧V1と、第1検出抵抗32に印加される第1検出電圧VD1とを比較して、第1基準電圧V1と第1検出電圧VD1が一致するように、第1スイッチ31を制御する。
【0032】
第2電流制御回路35は、第2定電流回路とも称され、第2スイッチ36と、第2検出抵抗37と、第2コンパレータ38とを有し、第2基準電圧V2が入力され、第2基準電圧V2に応じた第2電流I2を第2発光素子群12に流す。第2スイッチ36は、nMOSFETであり、一端であるドレインが第2発光素子群12に接続され、他端であるソースが第2検出抵抗37の一端に接続され、制御端子であるゲートが第2コンパレータ38の出力端子に接続される。第2検出抵抗37の他端は、接地される。第2コンパレータ38は、第2オペアンプとも称され、非反転入力端子である第1入力端子及び反転入力端子である第2入力端子の入力インピーダンスが非常に高く無限大と見なすことが可能である。第2コンパレータ38の第1入力端子は、分圧回路20が有する第2マルチプレクサ25の第2選択出力端子SELOUT2に接続され、第2基準電圧V2が入力される。第2コンパレータ38の第2入力端子は、第2検出抵抗37の一端に接続され、第2検出抵抗37の両端の電圧である第2検出電圧VD2が入力される。第2コンパレータ38は、入力される第2基準電圧V2と、第2検出抵抗37に印加される第2検出電圧VD2とを比較して、第2基準電圧V2と第2検出電圧VD2が一致するように、第2スイッチ36を制御する。
【0033】
第1電極101及び第2電極102のそれぞれは、電流源100に接続され、電流源100から供給される電流を第1発光素子群11、第2発光素子群12及び第3発光素子群13のそれぞれに供給する。電流源100は、第1電極101に供給する電流を変更可能な可変定電流電源である。
【0034】
発光装置1では、分圧回路20は、制御装置110から第1選択信号SEL1及び第2選択信号SEL2が入力されることに応じて出力される分圧電圧を第1電流制御回路30及び第2電流制御回路35に第1基準電圧V1及び第2基準電圧V2を出力する。第1電流制御回路30及び第2電流制御回路35は、分圧回路20から入力される第1基準電圧V1及び第2基準電圧V2に応じた第1電流I1及び第2電流I2を第1発光素子群11及び第2発光素子群12に流す。
【0035】
第1電流制御回路30及び第2電流制御回路35は、第1基準電圧V1及び第2基準電圧V2が基準電圧Vrefに対して所望の比率になるように、第1電流I1及び第2電流I2をフィードバック制御する。第1基準電圧V1及び第2基準電圧V2が基準電圧Vrefに対して所望の比率になることで、第1発光素子群11及び第2発光素子群12に流れる第1電流I1及び第2電流I2は、第3発光素子群13に流れる基準電流Irefに対して所望の比率になる。例えば、第1基準電圧V1及び第2基準電圧V2の第1基準電圧Vrefに対する比率が3/5及び2/5であるとき、第1及び第2電流制御回路30及び35は、基準電流Irefに対する比率が3/5及び2/5となるように第1電流I1及び第2電流I2を制御する。
【0036】
(第1実施形態に係る発光装置の作用効果)
発光装置1では、分圧回路20は、単一のラダー抵抗回路23によって分圧された分圧電圧を生成するので、デジタルポテンションメータを使用するよりも低コストで製造することができる。
【0037】
また、発光装置1では、並列接続される第1マルチプレクサ24及び第2マルチプレクサ25の第1選択出力端子SELOUT1及び第2選択出力端子SELOUT2は、オペアンプである第1コンパレータ33及び第2コンパレータ38の入力端子に接続される。第1及び第2マルチプレクサ24及び25の出力端子が接続されるオペアンプの入力端子は、入力インピーダンスは非常に大きいので、第1及び第2マルチプレクサ24及び25の出力端子は、オペアンプの出力端子に接続される素子から絶縁される。発光装置1では、並列接続される第1及び第2マルチプレクサ24及び25の出力端子がオペアンプの入力端子に接続されることで、第1マルチプレクサ24及び第2マルチプレクサ25のそれぞれを介してオペアンプの出力端子に接続される素子に印加される2つの信号が衝突してラダー抵抗回路23の抵抗値が変化することを防止できる。
【0038】
また、発光装置1では、分圧回路20の出力端子を定電流回路である第1電流制御回路30及び第2電流制御回路35に接続することで、分圧回路20、第1電流制御回路30及び第2電流制御回路35は、2出力電圧可変型の定電流回路が形成される。分圧回路20によって選択された第1基準電圧V1及び第2基準電圧V2が入力される。発光装置1では、2つの異なる電圧を出力する電圧可変型の定電流回路を簡易な構成で実現することができる。
【0039】
また、発光装置1では、ラダー抵抗回路23の一端に基準検出抵抗21を電気的に接続することで、第1電流制御回路30及び第2電流制御回路35は、基準検出抵抗21に供給される電流に対して所望の比率の電流を流すように電流を制御することができる。
【0040】
また、発光装置1では、第1発光素子群11及び第2発光素子群12は直列接続された4個の第1発光素子14及び第2発光素子16を有するのに対し、第3発光素子群13は直列接続された5個の第3発光素子18を有する。発光装置1では、第3発光素子18の直列数を第1発光素子14及び第2発光素子16の直列数よりも多くすることで、第1スイッチ31及び第2スイッチ36の任意の電流を流すのに十分なソース―ドレイン間電圧を確保することができる。
【0041】
(第2実施形態に係る発光装置の構成および機能)
図3は、第2実施形態に係る発光装置の回路ブロック図である。
【0042】
発光装置2は、第1発光素子群41及び第2発光素子群42を第1発光素子群11、第2発光素子群12及び第3発光素子群13の代わりに有することが発光装置1と相違する。また、発光装置2は、分圧回路50を分圧回路20の代わりに有することが発光装置1と更に相違する。また、発光装置2は、電流源100の代わりに第1電極101と第2電極102との間に電圧を印加する電圧源200が接続されることが発光装置1と相違する。第1発光素子群41及び第2発光素子群42並びに分圧回路50以外の発光装置2の構成要素の構成及び機能は、同一符号が付された発光装置1の構成要素の構成及び機能と同一なので、ここでは詳細な説明は省略する。
【0043】
第1発光素子群41は、直列接続された4個の第1発光素子44により形成される。第1発光素子44は、青色の光を出射するLEDダイと、蛍光体とを有するチップサイズパッケージ(Chip Scale Package、CSP)型の発光素子である。第1発光素子44が有する蛍光体は、例えばイットリウム・アルミニウム・ガーネット(Yttrium Aluminum Garnet、YAG)蛍光体である黄色蛍光体、及び一例ではCASN又はSCASN蛍光体である赤色蛍光体を含む。第1発光素子44が有するLEDダイが発光することに応じて第1発光素子44から出射される光は、例えば色温度が6500Kである寒色の光である。
【0044】
第2発光素子群42は、直列接続された4個の第2発光素子46により形成される。第2発光素子46は、青色の光を出射するLEDダイと、蛍光体とを有するチップサイズパッケージ(Chip Scale Package、CSP)型の発光素子である。第2発光素子46が有する蛍光体は、黄色蛍光体、緑色蛍光体及び赤色蛍光体を含む。黄色蛍光体は一例ではイットリウム・アルミニウム・ガーネット(Yttrium Aluminum Garnet、YAG)蛍光体であり、緑色蛍光体は一例ではβサイアロン蛍光体であり、赤色蛍光体は一例ではCASN又はSCASN蛍光体である。第2発光素子46が有するLEDダイが発光することに応じて第2発光素子46から出射される光は、例えば色温度が2700Kである暖色の光である。
【0045】
図4は、分圧回路50の回路図である。
【0046】
分圧回路50は、電圧供給回路51を基準検出抵抗21の代わりに有することが分圧回路20と相違する。電圧供給回路51以外の分圧回路50の構成要素の構成及び機能は、同一符号が付された分圧回路20の構成要素の構成及び機能と同一なので、ここでは詳細な説明は省略する。
【0047】
電圧供給回路51は、電圧選択ラダー抵抗回路52と、電圧選択マルチプレクサ53と、電圧選択オペアンプ54とを有し、発光装置2から出射される光の光量を調整する調光回路である。電圧選択ラダー抵抗回路52は、直列接続された複数の抵抗52aを有し、一端が電源電圧VrefASに接続され、他端が接地され、元の基準電圧VrefASを分圧する。
【0048】
電圧選択マルチプレクサ53は、電圧選択回路とも称され、複数の電圧選択入力端子VSELIN、電圧選択端子VCNT及び電圧選択出力端子VSELOUTを有する。複数の電圧選択入力端子VSELINのそれぞれは、電圧選択ラダー抵抗回路52が有する複数の抵抗52aの一端にそれぞれが接続される。電圧選択端子VCNTは、複数の電圧選択入力端子VSELINの何れか1つを選択する電圧選択信号VSELが制御装置110から入力される。電圧選択出力端子VSELOUTは、電圧選択信号VSELが電圧制御端子CNT3に入力されることによって選択された電圧選択入力端子VSELINに電気的に接続される。電圧選択マルチプレクサ53は、選択された電圧選択入力端子VSELINに入力される分圧電圧を基準電圧Vrefとして出力する。電圧選択出力端子VSELOUTは電圧選択オペアンプ54の非反転入力端子に接続され、電圧選択マルチプレクサ53は基準電圧Vrefを第1電流制御回路30に出力する。電圧選択マルチプレクサ53の回路構成の詳細な説明は省略する。
【0049】
電圧選択オペアンプ54は、非反転入力端子が電圧選択マルチプレクサ53の電圧選択出力端子VSELOUTに接続され、反転入力端子が出力端子に接続されたオペアンプであり、基準電圧Vrefをラダー抵抗回路23に出力するバッファ素子である。
【0050】
(第2実施形態に係る発光装置の作用効果)
発光装置2では、分圧回路50が出射される光の光量を調整する電圧供給回路51を有することで、ラダー抵抗回路23、第1マルチプレクサ24及び第2マルチプレクサ25によって調色された調色比及び高い分解能を維持しつつ、出射される光を調光できる。
【0051】
(第3実施形態に係る発光装置の構成および機能)
図5は、第3実施形態に係る発光装置の回路ブロック図である。
【0052】
発光装置3は、第3発光素子群13aを第1発光素子群13の代わりに有することが発光装置1と相違する。また、発光装置3は、分圧回路60及び第3電流制御回路70を分圧回路20の代わりに有することが発光装置1と相違する。また、発光装置3は、電流源100の代わりに第1電極101と第2電極102との間に電圧を印加する電圧源200が接続されることが発光装置1と相違する。分圧回路60及び第3電流制御回路70以外の発光装置3の構成要素の構成及び機能は、同一符号が付された発光装置1の構成要素の構成及び機能と同一なので、ここでは詳細な説明は省略する。第3発光素子群13aは、第3発光素子18の直列数が5個ではなく4個であることが第3発光素子群13と相違する。
【0053】
第1電流制御回路30は、第1発光素子群11に接続され、分圧回路60から第1パルス信号P1が入力されることに応じて、第1発光素子群11に流れる第1電流I1を制御する。第2電流制御回路35は、第2発光素子群12に接続され、分圧回路60からパルス信号P2が入力されることに応じて、第2発光素子群12に流れる第2電流I2を制御する。第3電流制御回路70は、第3発光素子群13に接続され、分圧回路60からパルス信号P3が入力されることに応じて、第3発光素子群13に流れる第1電流I3を制御する。
【0054】
図6は、分圧回路60の回路図である。
【0055】
分圧回路60は、第3マルチプレクサ61、第1パルス生成回路62、第2パルス生成回路63及び第3パルス生成回路64を有することが分圧回路20と相違する。また、分圧回路60は、基準検出抵抗21を有さないことが分圧回路20と相違する。第3マルチプレクサ61~第3パルス生成回路64以外の分圧回路60の構成要素の構成及び機能は、同一符号が付された分圧回路20の構成要素の構成及び機能と同一なので、ここでは詳細な説明は省略する。
【0056】
第3マルチプレクサ61は、第3選択回路とも称され、複数の第3選択入力端子SELIN3、第3制御端子CNT3及び第3選択出力端子SELOUT3を有し、第1マルチプレクサ24及び第2マルチプレクサ25に並列接続される。複数の第3選択入力端子SELIN3のそれぞれは、複数の第1選択入力端子SELIN1及び複数の第2選択入力端子SELIN2と共に、ラダー抵抗回路23が有する複数の抵抗23aの一端にそれぞれが接続される。第3制御端子CNT3は、複数の第3選択入力端子SELIN3の何れか1つを選択する第3選択信号SEL3が制御装置110から入力される。第3選択出力端子SELOUT3は、第3選択信号SEL3が第3制御端子CNT3に入力されることによって選択された第3選択入力端子SELIN3に電気的に接続される。第3マルチプレクサ61は、選択された第3選択入力端子SELIN3に入力される分圧電圧を第3基準電圧V3として出力する。第3マルチプレクサ61の回路構成の詳細な説明は省略する。
【0057】
第1パルス生成回路62は、第1電圧入力端子VIN1、第1デューティ比入力端子RATE1、及び第1パルス信号出力端子POUT1を有し、第1電圧入力端子VIN1に入力される電圧に応じた振幅を有する第1パルス信号P1を出力する。第1電圧入力端子VIN1は、MOSFETのゲート等の入力インピーダンスが高い入力端子であり、第1マルチプレクサ24の第1選択出力端子SELOUT1に接続される。第1デューティ比入力端子RATE1は制御装置110に接続され、第1パルス信号出力端子POUT1は第1電流制御回路30に接続される。第1電圧入力端子VIN1は第1選択出力端子SELOUT1から第1基準電圧V1が入力され、第1デューティ比入力端子RATE1は第1デューティ比を示す第1デューティ比信号DR1が入力される。第1パルス生成回路62は、第1選択出力端子SELOUT1から入力される第1基準電圧V1に応じた振幅を有し且つ第1デューティ比信号DR1に対応する第1デューティ比を有する第1パルス信号P1を第1電流制御回路30に出力する。第1電流制御回路30は、第1パルス生成回路62から第1パルス信号P1が入力されることに応じて、第1発光素子群11をPWM調光制御する。
【0058】
第2パルス生成回路63は、第2電圧入力端子VIN2、第2デューティ比入力端子RATE2、及び第2パルス信号出力端子POUT2を有し、第2電圧入力端子VIN2に入力される電圧に応じた振幅を有する第2パルス信号P2を出力する。第2電圧入力端子VIN2は、MOSFETのゲート等の入力インピーダンスが高い入力端子であり、第2マルチプレクサ25の第2選択出力端子SELOUT2に接続される。第2デューティ比入力端子RATE2は制御装置110に接続され、第2パルス信号出力端子POUT2は第2電流制御回路35に接続される。第2電圧入力端子VIN2は第2選択出力端子SELOUT2から第2基準電圧V2が入力され、第2デューティ比入力端子RATE2は第2デューティ比を示す第2デューティ比信号DR2が入力される。第2パルス生成回路63は、第2選択出力端子SELOUT2から入力される第2基準電圧V2に応じた振幅を有し且つ第2デューティ比信号DR2に対応する第2デューティ比を有する第2パルス信号P2を第2電流制御回路35に出力する。第2電流制御回路35は、第2パルス生成回路63から第2パルス信号P2が入力されることに応じて、第2発光素子群12をPWM調光制御する。
【0059】
第3パルス生成回路64は、第3電圧入力端子VIN3、第3デューティ比入力端子RATE3、及び第3パルス信号出力端子POUT3を有し、第3電圧入力端子VIN3に入力される電圧に応じた振幅を有する第3パルス信号P3を出力する。第3電圧入力端子VIN3は、MOSFETのゲート等の入力インピーダンスが高い入力端子であり、第3マルチプレクサ61の第3選択出力端子SELOUT3に接続される。第3デューティ比入力端子RATE3は制御装置110に接続され、第3パルス信号出力端子POUT3は第3電流制御回路70に接続される。第3電圧入力端子VIN3は第3選択出力端子SELOUT3から第3基準電圧V3が入力され、第3デューティ比入力端子RATE3は第3デューティ比を示す第3デューティ比信号DR3が入力される。第3パルス生成回路64は、第3選択出力端子SELOUT3から入力される第3基準電圧V3に応じた振幅を有し且つ第3デューティ比信号DR3に対応する第3デューティ比を有する第3パルス信号P3を第3電流制御回路70に出力する。第3電流制御回路70は、第3パルス生成回路64から第3パルス信号P3が入力されることに応じて、第3発光素子群13をPWM調光制御する。
【0060】
第3電流制御回路70は、第3定電流回路とも称され、第3スイッチ71と、第3検出抵抗72と、第3コンパレータ73とを有する。第3スイッチ71は、nMOSFETであり、一端であるドレインが第3発光素子群13に接続され、他端であるソースが第3検出抵抗72の一端に接続され、制御端子であるゲートが第3コンパレータ73の出力端子に接続される。第3検出抵抗72の他端は、接地される。第3コンパレータ73は、第3オペアンプとも称され、非反転入力端子である第1入力端子及び反転入力端子である第2入力端子の入力インピーダンスが非常に高く無限大と見なすことが可能である。第3コンパレータ73の第1入力端子は、分圧回路60が第3パルス生成回路64の第3パルス信号出力端子POUT3に接続され、第3パルス信号P3が入力される。第3コンパレータ73の第2入力端子は、第3検出抵抗72の一端に接続され、第3検出抵抗72の両端の電圧である第3検出電圧VD3が入力される。第3コンパレータ73は、入力される第3パルス信号P3に対応する電圧と、第1検出抵抗72に印加される第3検出電圧VD3とを比較して、第3パルス信号P3に対応する電圧が第3検出電圧VD3と一致するように、第1スイッチ71を制御する。
【0061】
(第3実施形態に係る発光装置の作用効果)
発光装置3では、分圧回路60は、第1マルチプレクサ24、第2マルチプレクサ25及び第3マルチプレクサ61から出力される第1基準電圧V1、第2基準電圧V2及び第3基準電圧V3に応じた振幅を有する第1~第3パルス信号P1~P3を出力する。発光装置3では、第1電流制御回路30、第2電流制御回路35及び第3電流制御回路70は、所望の電圧に応じた振幅を有する第1~第3パルス信号P1~P3によって第1発光素子群11~第3発光素子群13から出射される光の光量をPWM制御する。発光装置3では、第1~第3パルス信号P1~P3の振幅を制御することで、第1発光素子群11~第3発光素子群13から出射される光の光量を所望の光量とすることができる。
【0062】
例えば、第1発光素子群11~第3発光素子群13から出射される光の光量が相違するとき、第1~第3パルス信号P1~P3の振幅を制御することで、第1発光素子群11~第3発光素子群13から出射される光の光量が一致するようにプリセットできる。第1~第3パルス信号P1~P3の振幅が同一であるとき、第1発光素子群11~第3発光素子群13から出射される光の光量が1.1:1.0:0.9である場合、第1~第3パルス信号P1~P3の振幅は0.9:1.0:1.1にプリセットされる。第1~第3パルス信号P1~P3の振幅が0.9:1.0:1.1にプリセットされることで、第1発光素子群11~第3発光素子群13は、同一の光量を有する光を出射することができる。
【0063】
(実施形態に係る分圧回路の変形例)
発光装置1及び2では、第1マルチプレクサ24及び第2マルチプレクサ25は、オペアンプの入力端子に接続されるが、実施形態に係る発光装置では、第1マルチプレクサ24及び第2マルチプレクサ25は、高インピーダンス端子に接続されていればよい。
【0064】
また、発光装置1及び2では、ラダー抵抗回路23は、2つのマルチプレクサである第1マルチプレクサ24及び第2マルチプレクサ25に接続されるが、実施形態に係る発光装置では、ラダー抵抗回路23は、3つ以上のマルチプレクサに接続されてもよい。
【0065】
また、発光装置1~3では、分圧回路20、50及び60は、第1電流制御回路30、第2電流制御回路35及び第3電流制御回路70と別の回路として形成されるが、実施形態に係る発光装置では、分圧回路は、電流制御回路を含んでもよい。また、実施形態に係る発光装置では、分圧回路は、電流制御回路を定電流回路として含んでもよい。
【0066】
また、発光装置1では、分圧回路20において、基準オペアンプ22は、バッファ素子として機能するが、実施形態に係る発光装置では、基準オペアンプ22は、10倍等のゲインを有するアンプ素子として機能してもよい。基準オペアンプ22がアンプ素子として機能するとき、基準検出抵抗21の抵抗値が小さくなり、基準検出抵抗21が消費する電力が低減され、実施形態に係る発光装置は、低消費電力化される。
【0067】
また、発光装置1では、第1発光素子11及び第2発光素子12の直列数は4個であり、第3発光素子13の直列数は5個であるが、実施形態に係る発光装置では、第3発光素子13の直列数が第1発光素子11及び第2発光素子12の直列数よりも多ければよい。
【0068】
また、実施形態に係る発光装置では、第3発光素子13の直列数を第1発光素子11及び第2発光素子12の直列数よりも多くする代わりに、第3発光素子群13と基準検出抵抗21と及びラダー抵抗回路23の間に降圧素子を配置してもよい。第3発光素子群13と基準検出抵抗21と及びラダー抵抗回路23の間に配置される降圧素子は、順方向に接続されたダイオードであってもよく、逆方向に接続されたツェナーダイオードであってもよい。第3発光素子群13と基準検出抵抗21と及びラダー抵抗回路23の間に降圧素子が配置されるとき、第3発光素子13の直列数は、第1発光素子11及び第2発光素子12の直列数以下であってもよい。
【0069】
また、発光装置3では、第1~第3パルス信号P1~P3の振幅をプリセットするが、実施形態に係る発光装置では、第1検出抵抗32,第2検出抵抗37及び第3検出抵抗72の抵抗値をプリセットしてもよい。
【符号の説明】
【0070】
1~3 発光装置
11、41 第1発光素子群
12、42 第2発光素子群
13 第3発光素子群
20、50、60 分圧回路
23 ラダー抵抗回路
24 第1マルチプレクサ
25 第2マルチプレクサ
30 第1電流制御回路
35 第2電流制御回路
70 第3電流制御回路
図1
図2
図3
図4
図5
図6