(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023136997
(43)【公開日】2023-09-29
(54)【発明の名称】箱詰装置
(51)【国際特許分類】
B65B 5/06 20060101AFI20230922BHJP
B65B 43/14 20060101ALI20230922BHJP
B65B 43/62 20060101ALI20230922BHJP
【FI】
B65B5/06
B65B43/14
B65B43/62
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022042959
(22)【出願日】2022-03-17
(71)【出願人】
【識別番号】000147833
【氏名又は名称】株式会社イシダ
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100180851
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼口 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100176245
【弁理士】
【氏名又は名称】安田 亮輔
(72)【発明者】
【氏名】岩佐 達也
(72)【発明者】
【氏名】西辻 悟史
(72)【発明者】
【氏名】下前 好伸
【テーマコード(参考)】
3E003
3E030
【Fターム(参考)】
3E003AA01
3E003AB05
3E003BA01
3E003BA03
3E003BB04
3E003BC04
3E003BD05
3E003BE01
3E003DA04
3E030AA02
3E030BA03
3E030BB04
3E030BC02
3E030DA02
3E030DA04
3E030DA08
3E030EA02
3E030EB01
3E030EB02
3E030GA01
(57)【要約】
【課題】長辺方向に物品が並ぶような箱詰めをも可能とすることで、箱詰能力を高めることができる箱詰装置を提供する。
【解決手段】箱詰装置1は、商品A同士の少なくとも一部が重なり合う状態で並べられた商品群Xを所定位置PAまで搬送する商品搬送部52と、長辺Dと短辺Cとを含む開口Bpを有するダンボール箱Bを保持する箱保持部20と、商品群Xを所定位置PAからダンボール箱B内に移送する商品移送部53と、を備える。箱保持部20は、長辺Dを下に位置させて開口Bpを側方に向けた第1姿勢S1でダンボール箱Bを保持することができる。商品移送部53は、商品群Xの列がダンボール箱Bの長辺Dに沿って一列に並んだ状態で商品群Xを移送する。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品同士の少なくとも一部が重なり合う状態で並べられた物品群を所定位置まで搬送する搬送手段と、
長辺と短辺とを含む開口を有するダンボール箱を保持する保持手段と、
物品群を前記所定位置から前記ダンボール箱内に移送する移送手段と、を備え、
前記保持手段は、前記長辺を下に位置させて前記開口を側方に向けた第1姿勢で前記ダンボール箱を保持することができ、
前記移送手段は、前記物品群の列が前記ダンボール箱の前記長辺に沿って一列に並んだ状態で前記物品群を移送する、箱詰装置。
【請求項2】
前記保持手段によって前記ダンボール箱が保持される保持位置へと前記ダンボール箱を供給する供給手段を更に備え、
前記供給手段は、製函後の前記ダンボール箱を、前記第1姿勢か、又は前記短辺を下に位置させて前記開口を側方に向けた第2姿勢へと選択的に回転させる第1回転部を有する、請求項1に記載の箱詰装置。
【請求項3】
前記第1回転部では、前記ダンボール箱の型式に対応して、前記第1姿勢又は前記第2姿勢の何れかが選択される、請求項2に記載の箱詰装置。
【請求項4】
前記物品群を収容した前記ダンボール箱の前記開口をフラップで閉じてテープを貼付する封函手段を更に備え、
前記封函手段は、前記テープを貼付する貼付方向に前記ダンボール箱の搬送方向を合わせるように前記ダンボール箱を回転させる第2回転部を有する、請求項1~3の何れか一項に記載の箱詰装置。
【請求項5】
前記第2回転部は、前記ダンボール箱が前記第1姿勢で保持されている場合に、前記長辺を前記搬送方向に向けるように前記ダンボール箱を上下方向に延びる軸線周りで90度回転させる、請求項4に記載の箱詰装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、箱詰装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に記載されるように、一面に開口を有するようにダンボール箱を組み立て(製函し)、整列させた商品をダンボール箱内に挿入し、その後、開口をフラップで閉じてテープで封止する箱詰装置が知られている。各商品の一部が、隣接する商品の一部と厚み方向に重なるように所定数の商品が整列させられ、コンベア上に集積される。ダンボール箱は、開口が横に向けられた姿勢で待機する。一列に整列した商品は、移動する挿入板によって、開口を介してダンボール箱内に押し込まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
通常、ダンボール箱は直方体形状をなしており、(開口を上に向けた姿勢における)平面視で長辺と短辺を有する。上記した装置では、ダンボール箱は、長辺と搬送方向を一致させた状態で扱われる。商品の挿入を待つダンボール箱は、短辺が下に位置する姿勢に調整される。整列された商品は、短辺の方向に並んだ状態で(短辺に沿って)ダンボール箱内に収納される。従来の装置では、整列された商品(物品)が、ダンボールの長辺の方向に複数回、すなわち複数段にわたって挿入される。このように段数が多いと、箱詰能力を高めることが難しい。
【0005】
本開示は、長辺方向に物品が並ぶような箱詰めをも可能とすることで、箱詰能力を高めることができる箱詰装置を説明する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様は、物品同士の少なくとも一部が重なり合う状態で並べられた物品群を所定位置まで搬送する搬送手段と、長辺と短辺とを含む開口を有するダンボール箱を保持する保持手段と、物品群を所定位置からダンボール箱内に移送する移送手段と、を備える。保持手段は、長辺を下に位置させて開口を側方に向けた第1姿勢でダンボール箱を保持することができる。移送手段は、物品群の列がダンボール箱の長辺に沿って一列に並んだ状態で物品群を移送する。
【0007】
この箱詰装置によれば、従来とは異なり、ダンボール箱は長辺を下に位置させた第1姿勢で保持される。移送手段によって、物品群の列がダンボール箱の長辺に沿って一列に並んだ状態で収納される。一度に収納される物品の数が従来よりも多くなり、また段数も短辺に対応するため少なくなる。よって、この箱詰装置では、長辺方向に物品が並ぶような箱詰めをも可能とすることで、箱詰能力を高めることができる。
【0008】
箱詰装置は、保持手段によってダンボール箱が保持される保持位置へとダンボール箱を供給する供給手段を更に備えてもよい。供給手段は、製函後のダンボール箱を、第1姿勢か、又は短辺を下に位置させて開口を側方に向けた第2姿勢へと選択的に回転させる第1回転部を有してもよい。供給手段の第1回転部によって、ダンボール箱は2種類の異なる姿勢へと回転させられ得る。よって、箱詰めの形態に関するバリエーションが広がる。
【0009】
第1回転部では、ダンボール箱の型式に対応して、第1姿勢又は第2姿勢の何れかが選択されてもよい。ダンボール箱の型式と物品の種類に応じて、物品群の列が何れの方向に並んでいるのが適切であるかの事情は異なり得る。上記構成によれば、適切な形態で箱詰めが行われる。
【0010】
箱詰装置は、物品群を収容したダンボール箱の開口をフラップで閉じてテープを貼付する封函手段を更に備えてもよい。封函手段は、テープを貼付する貼付方向にダンボール箱の搬送方向を合わせるようにダンボール箱を回転させる第2回転部を有してもよい。封函手段の第2回転部によれば、長辺方向に物品が並ぶような箱詰めを行った場合でも、従来と同様、テープを容易に貼付することができる。
【0011】
第2回転部は、ダンボール箱が第1姿勢で保持されている場合に、長辺を搬送方向に向けるようにダンボール箱を上下方向に延びる軸線周りで90度回転させてもよい。この構成によれば、従来の装置からの変更部分が最小限に抑えられる。
【発明の効果】
【0012】
本開示によれば、長辺方向に物品が並ぶような箱詰めをも可能とすることで、箱詰能力を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は、本開示の一実施形態に係る箱詰装置のブロック図である。
【
図2】
図2は、箱詰装置におけるダンボール箱及び商品の流れを示す斜視図である。
【
図3】
図3(a)~
図3(c)は、供給手段の第1回転部によるダンボール箱の第1姿勢への回転手順を示す図である。
【
図4】
図4(a)及び
図4(b)は、供給手段の第1回転部によるダンボール箱の第2姿勢への回転手順を示す図である。
【
図5】
図5(a)~
図5(e)は、搬送手段による物品群の搬送手順を示す図である。
【
図6】
図6(a)は第1姿勢のダンボール箱に対する物品群の移送を示す図、
図6(b)は第2姿勢のダンボール箱に対する物品群の移送を示す図である。
【
図7】
図7は、封函手段の第2回転部によるダンボール箱の回転手順を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しながら説明する。以下の説明において、便宜上、箱詰装置1に対する前後、上下、及び左右の各方向が用いられる。いくつかの図には、これらの方向を示す3次元直交軸が表示される。一例として、箱材Zが置かれる位置及び封函後のダンボール箱Bが排出される位置が、箱詰装置1の前部である。商品供給手段50が設けられる位置は、箱詰装置1の後部である。前後方向及び左右方向は、何れも水平に延びる方向である。上下方向は鉛直方向に等しい。
【0015】
まず
図1及び
図2を参照して、本実施形態の箱詰装置1の全体構成について説明する。
図1に示されるように、箱詰装置1は、ダンボール箱Bを組み立て(製函し)、ダンボール箱Bの中に複数の商品(物品)Aを挿入し、これらの商品Aを収納したダンボール箱Bを封函する装置である。箱詰装置1は、箱材収容部11に収納された複数の箱材Zを1つ1つ組み立て、商品供給手段50により外部から供給されて順次搬入される複数の商品Aを、整列させた状態でダンボール箱Bに収納する。
【0016】
図1及び
図2に示されるように、箱詰装置1は、ダンボール箱Bを組み立てて保持位置PBへと供給する箱供給手段(供給手段)10と、ダンボール箱Bを保持位置PBで保持する箱保持部(保持手段)20と、商品群(物品群)X(
図5(e)参照)を収容したダンボール箱Bを搬送すると共に封函する封函手段30とを備える。箱詰装置1は、更に、複数の商品Aを順次供給する商品供給手段50を備える。以下、箱詰装置1が備える各構成について説明する。
【0017】
箱供給手段10は、概ね、箱詰装置1の上部かつ前部に設けられている。箱供給手段10は、複数の箱材Zを収容する箱材収容部11と、ダンボール箱Bの箱本体Baを組み立てる製函部12と、組み立てられた箱本体Baを回転させる第1回転部13と、その箱本体Baを下方へと搬送する箱下搬送部14とを有する。箱材収容部11は、例えば、箱詰装置1の前端に配置されると共に、後述する封函部32の上方に配置される。箱材収容部11は、図示しない支持部によって、重ねて置かれた複数の箱材Zを支持する。箱材収容部11は、箱材Zを1枚1枚取り出す昇降機構11aを含む。昇降機構11aによって取り出された各箱材Zは、図示しないコンベアによって後方へと搬送される。製函部12は、各箱材Zを受け取り、箱材Zを筒状に広げると共に底面側のフラップBfを折り込んで底面Bcにテープを貼付する。これにより、開口Bpを上方に向けた姿勢で、箱本体Baが更に後方へと搬送される。本明細書では、ダンボール箱Bの「製函」は、直方体状の箱本体Baが形成されることを意味する。したがって「製函」は、必ずしも上面側のフラップBfが折り込まれることを必要としない。製函部12は、箱本体Baの長辺Dを搬送方向に向けるように箱本体Baを回転させる吸着回転機構12aを含んでもよい。箱材収容部11に収容された箱材Zの残量がセンサ等により監視され、その残量に応じて箱材Zが自動的に補充されてもよい。箱材Zが作業者等によって補充されてもよい。
【0018】
本明細書において、複数の箇所において「吸着回転機構」が用いられ得る。「吸着回転機構」は、主軸部と、主軸部に連結されて所定の軸線周りで回動可能な吸着部と、吸着部に対して吸引圧(負圧)を付与する吸引圧付与手段とを含む。主軸部及び吸着部が、スライド機構により一体となって水平方向等にスライド可能であってもよい。なお、ダンボール箱Bを回転させる、或いはダンボール箱Bの姿勢を変えるために、「吸着回転機構」以外の公知の構成が用いられてもよい。当然ながら、箱本体Baが空の場合と箱本体Baの内部に商品群Xが収納されている場合とでは、回転させる対象であるダンボール箱Bの重量が変わるため、それらの重量を考慮して、「吸着回転機構」の動力又は仕様等が決定される。
【0019】
ダンボール箱Bの箱本体Baは、直方体である。すなわち、箱本体Baは、天面Bd(
図2の右下に示される封函されたダンボール箱B参照)を上方に向けた基準姿勢において、上下方向に延びる4本の互いに平行かつ等しい長さを有する4つの側辺を含む。一方、箱本体Baは、それぞれ合同な長方形状の天面Bd及び底面Bcを有する。天面Bd及び底面Bcは、それぞれ、一対の短辺Cと一対の長辺Dとを含む。なお、天面BdにおいてフラップBfが開いている状態では、箱本体Baは、開口Bpを有する。この開口Bpも、天面Bdと同様、一対の短辺Cと一対の長辺Dとを含む。(なお、厳密には、天面Bdと開口Bpとで箱材Zの厚み分の相違は存在するが、本明細書においてはそれらを区別しない。)
【0020】
続いて、
図2、
図3及び
図4を参照して、第1回転部13について説明する。
図3(a)~
図3(c)は、第1回転部13によるダンボール箱Bの第1姿勢S1への回転手順を示す図である。
図4(a)及び
図4(b)は、第1回転部13によるダンボール箱Bの第2姿勢S2への回転手順を示す図である。
図3及び
図4に示されるように、第1回転部13は、製函後のダンボール箱Bを所定の姿勢に回転させる。より詳細には、第1回転部13は、長辺Dを下に位置させて開口Bpを側方に向けた第1姿勢S1(
図3(c)参照)と、短辺Cを下に位置させて開口Bpを側方に向けた第2姿勢S2(
図4(b)参照)との何れかに、製函後のダンボール箱Bを選択的に回転させる。ダンボール箱Bを何れの姿勢へと回転させる(又は姿勢変換させる)かは、例えば、後述するコントローラ60によって決定(選択)され、制御される。
【0021】
図3(a)~
図3(c)に示されるように、第1回転部13は、例えば、上下方向に延びる軸線周りで箱本体Baを90度回転させる第1吸着回転機構13aと、左右方向に延びる軸線周りで箱本体Baを90度回転させる第2吸着回転機構13bとを含む。まず、第1吸着回転機構13aによって短辺C側の側面Bb(後側に位置する側面)が保持され、箱本体Baは90度回転させられる(
図3(a)及び
図3(b)参照)。このとき、開口Bpは上方に向けられたままである。続いて、第2吸着回転機構13bによって長辺D側の側面Bb(後側に位置する側面)が保持され、箱本体Baは90度回転させられる(
図3(b)及び
図3(c)参照)。このとき、開口Bpは側方(後方)に向けられる。
【0022】
以上の2回の回転動作の後、箱本体Baの姿勢(向き)は、長辺Dを下に位置させ開口Bpを側方(後方)に向けた第1姿勢S1となる。なお、第1回転部13における回転動作は、上記に限られず、箱本体Baが、まず左右方向に延びる軸線周りで回転させられた後に、上下方向に延びる軸線周りで回転させられてもよい。或いは、先端に吸着部を有する多関節のロボットハンド等により、箱本体Baが一度に回転されられてもよい。
【0023】
図4(a)及び
図4(b)に示されるように、コントローラ60によって、ダンボール箱Bを第2姿勢S2へと回転させるべきと決定された場合、箱本体Baは、第1吸着回転機構13aによる回転を受けずに、第2吸着回転機構13bの位置へと直接搬送される。箱本体Baは、第2吸着回転機構13bによって短辺Cの側面Bb(後側に位置する側面)が保持され、箱本体Baは90度回転させられる。このとき、開口Bpは側方(後方)に向けられる。
【0024】
この回転動作の後、箱本体Baの姿勢(向き)は、短辺Cを下に位置させ開口Bpを側方(後方)に向けた第2姿勢S2となる。
【0025】
第1回転部13では、ダンボール箱Bの型式に対応して、第1姿勢S1又は第2姿勢S2の何れかが選択される。この選択基準の一例として、ダンボール箱Bが、小売陳列用包装(以下、RRP(Retail Ready Package)という)に対応した型式であるか否かが挙げられる。もしダンボール箱BがRRP対応の型式である場合、第1姿勢S1が選択され得る。その他の場合には、第2姿勢S2が選択され得る。RRP対応のダンボール箱Bでは、箱本体Baにミシン目等の破断線が形成されている。ダンボール箱Bは、店頭に置かれた際、天面Bd及び短辺C側の側面Bb(商品陳列時に前面に位置する側面)の全部又は一部が取り外される。これにより、収容された商品Aが露出する。このとき、商品Aの表面(おもて面)が短辺C側の側面に向けられるよう、商品群Xが所定の向きでダンボール箱B内に予め収容される。
【0026】
図1及び
図2に示されるように、箱下搬送部14は、箱本体Baを下方へ搬送する。箱下搬送部14は、第1姿勢S1の箱本体Baも、第2姿勢S2の箱本体Baも、何れも搬送可能である。箱下搬送部14は、箱供給手段10の後端部に配置される。例えば、
図6(a)及び
図6(b)に示されるように、箱下搬送部14は、一対の上下搬送ベルト14aを含む。一対の上下搬送ベルト14aは、左右方向に離間しており、この離間距離を調整自在に移動する。箱下搬送部14は、一対の上下搬送ベルト14aによって箱本体Baを挟持することができる。箱下搬送部14は、一対の上下搬送ベルト14aを走行させることで、箱本体Baを下方へ搬送する。
【0027】
図2及び
図6に示されるように、箱保持部20は、ダンボール箱Bを保持位置PBにおいて保持する。例えば、上記した箱下搬送部14の一部(下部)が、ダンボール箱Bを保持する保持手段である。箱保持部20は、第1姿勢S1のダンボール箱Bを保持することもできるし、第2姿勢S2のダンボール箱Bを保持することもできる。第1姿勢S1においても、第2姿勢S2においても、箱本体Baの開口Bpは後方に向けられている。
【0028】
続いて、
図1、
図2及び
図5(a)~
図5(e)を参照して、商品供給手段50について説明する。商品供給手段50は、概ね、箱詰装置1の後端部に設けられている。商品供給手段50は、商品搬入部51と、商品搬送部52と、商品移送部53とを有する。商品搬入部51は、例えば、重量、シール性、及び異物混入検査等を行う工程の下流側に配置され、検査に合格した商品Aの供給を受けて、各商品Aを商品搬送部52へと渡す。商品搬入部51は、商品導入コンベア51aと、商品導入コンベア51aの下流側に配置された商品搬入コンベア51bとを含む。各商品Aは、商品導入コンベア51aから商品搬入コンベア51bへと受け渡され、商品搬入コンベア51bにおいて、図示しない支持壁に沿って搬送される。
【0029】
商品搬送部52は、所定の姿勢に調整された各商品Aを商品搬入部51から受け取り、複数の商品Aからなる商品群Xを形成する。
図5(a)~
図5(c)に示されるように、商品搬送部52は、所定のピッチLだけ商品Aを搬送する第1整列コンベア52aと、第1整列コンベア52aから、商品A同士の一部が重なり合った状態で複数の商品Aを受けて、これらを搬送する第2整列コンベア52bと、複数の商品Aを起立コンベア52eに向けて搬送することで、複数の商品Aを起立させて商品群Xを形成する第3整列コンベア52cとを含む。なお、第3整列コンベア52c上で複数の商品Aが整列させられる際、第3整列コンベア52cの近傍に配置された押寄板52fが回動し、商品群Xを起立コンベア52eに向けて押さえてもよい。
【0030】
第1整列コンベア52a及び第2整列コンベア52bは、それぞれ所定の角度で傾斜しており、第3整列コンベア52cは、例えば水平に配置される。第1整列コンベア52a及び第2整列コンベア52bにおける各傾斜角度は調整可能であってもよい。
図5(d)に示されるように、第3整列コンベア52c上に商品群Xが形成されている際、第1整列コンベア52a上に次の商品Aが順次供給されており、一部の商品Aは第2整列コンベア52bへと乗り移っている。商品搬送部52における商品群Xの形成機構については、例えば上記特許文献1に記載される公知の構造及び手法によって実現され得る。
【0031】
商品搬送部52は、商品A同士の少なくとも一部(全部又は一部)が重なり合う状態で並べられた商品群Xを所定位置PAまで搬送する搬送手段である。
図5(e)に示されるように、複数の商品Aからなる商品群Xの列は、左右方向に一列に並んでいる。なお、商品搬送部52によって形成される商品群Xに含まれる商品Aの個数は、コントローラ60によって、上記した第1回転部13における姿勢(第1姿勢S1又は第2姿勢S2)の選択に合わせて制御される。第1姿勢S1が選択された場合には商品Aの個数は比較的多く、第2姿勢S2が選択された場合には商品Aの個数は比較的少ない。
【0032】
商品搬送部52によって商品群Xは所定位置PAにおいて保持されるが、この所定位置PAは、箱保持部20によるダンボール箱Bの所定位置PAと前後方向で対面する。すなわち、所定位置PAの高さと保持位置PBの高さ(厳密にはダンボール箱Bにおいて商品群Xが挿入されるべき空間の高さ)は、等しくなっている。
【0033】
商品移送部53は、商品群Xを所定位置PAから箱本体Ba内(ダンボール箱B内)に移送する移送手段である。
図2及び
図5(e)に示されるように、商品移送部53は、前面に向けられた板状部を含む共に前後方向にスライド可能な移送板53aを有する。移送板53aは、コントローラ60によって駆動されて、箱保持部20よるダンボール箱Bの保持及び商品搬送部52による商品群Xの形成が完了した時点で、前方に向けて移動することで商品群Xを箱本体Ba内に押し込む(移送する)。
【0034】
ダンボール箱Bの姿勢(第1姿勢S1又は第2姿勢S2)に応じた商品群Xの移送について説明する。
図6(a)に示されるように、箱本体Baが長辺Dを下に位置させて保持されている場合(第1姿勢S1の場合)、商品搬送部52には、例えば8つの商品Aを含む商品群Xが形成されている。この場合の商品の個数は、箱本体Baの長辺Dの長さに対応している。商品移送部53は、商品群Xの列が箱本体Baの長辺Dに沿って一列に並んだ状態で、商品群Xを前方に移送し、開口Bpを介して商品群Xを箱本体Ba内に収納する。このように、ダンボール箱Bが第1姿勢S1で保持される場合、一度に収納される商品Aの個数は比較的多くなる。
【0035】
一方、
図6(b)に示されるように、箱本体Baが短辺Cを下に位置させて保持されている場合(第2姿勢S2の場合)、商品搬送部52には、例えば5つの商品Aを含む商品群Xが形成されている。この場合の商品の個数は、箱本体Baの短辺Cの長さに対応している。商品移送部53は、商品群Xの列が箱本体Baの短辺Cに沿って一列に並んだ状態で、商品群Xを前方に移送し、開口Bpを介して商品群Xを箱本体Ba内に収納する。なお、
図6(a)及び
図6(b)では、起立コンベア52eの図示は省略されている。
【0036】
続いて、
図1、
図2及び
図7を参照して、封函手段30について説明する。封函手段30は、概ね、箱詰装置1の下部かつ前部に設けられている。なお、上述の箱保持部20は、箱供給手段10の後端部と、その下方に位置する封函手段30の後端部との中間位置に配置されている。
図7では、箱本体Baが第1姿勢S1で保持されている場合について例示している。例えば、吸着回転機構31aによって底面Bcが保持され、更に吸着回転機構31aが下降することで、商品群Xを収容した箱本体Baは封函手段30の入口に到達する。
【0037】
図1及び
図2に示されるように、封函手段30は、商品群Xを収容した箱本体Baを回転させる第2回転部31と、その箱本体Baを前方へと搬送する排出コンベア33と、排出コンベア33上の箱本体Baに対して作用し、開口BpをフラップBfで閉じてテープを貼付する封函部32とを有する。
図7に示されるように、第2回転部31は、左右方向に延びる軸線周りで箱本体Baを90度回転させる吸着回転機構31aと、上下方向に延びる軸線周りで箱本体Baを90度回転させる搬送回転機構31bとを含む。まず、吸着回転機構31aによって底面Bcが保持され、箱本体Baは90度回転させられる。このとき、開口Bpは上方に向けられる。第2回転部31は、箱本体Baの重心からずれた(偏心した)位置で箱本体Baを支持すると共に箱本体Baを前方へ搬送する偏心コンベア31cと、偏心コンベア31cの右側において立設され、箱本体Baのコーナー部分に当接して当該部分の前方への移動を規制する規制ローラ31eとを含む。偏心コンベア31cによって箱本体Baの左側部分が前方に搬送され、このとき箱本体Baの右側部分が規制ローラ31eによって押さえられることで、箱本体Baは90度回転させられる。これにより、箱本体Baの長辺Dは、排出コンベア33による搬送方向に向けられる。
【0038】
このようにして、第2回転部31は、封函部32によるテープの貼付方向にダンボール箱Bの搬送方向を合わせるように、ダンボール箱Bを回転させる。より詳細には、搬送回転機構31bは、ダンボール箱Bが第1姿勢S1で保持されている場合に、長辺Dを搬送方向に向けるように、ダンボール箱Bを上下方向に延びる軸線周りで90度回転させる。
【0039】
なお、第2回転部31における回転機構は、上記した例に限られず、他の種々の公知の機構が採用されてよい。例えば、第2回転部31において、搬送回転機構31bに代えてターンテーブル機構が用いられてもよい。或いは、第2回転部31において、搬送回転機構31bに代えて製函部12と同様の吸着回転機構が用いられてもよい。
【0040】
図2に示されるように、封函部32は、排出コンベア33によって搬送される箱本体Baに対し、天面側のフラップBfを折り込んで、天面Bdにテープを貼付する。テープ貼付部34によってテープが貼付される方向は、排出コンベア33の搬送方向に等しい。このテープ貼付部34についても、公知の機構が採用されてよく、例えば上記特許文献1に記載された機構が採用されてもよい。封函がなされたダンボール箱Bは、箱詰装置1の前端部から排出される。
【0041】
図1に示されるように、箱詰装置1は、箱供給手段10、箱保持部20、封函手段30、及び商品供給手段50の各部における動作を制御するコントローラ60を備える。コントローラ60は、CPU等のプロセッサ、ROMおよびRAM等のメモリ、ストレージ及び通信デバイス等を含むコンピュータ装置として構成されている。コントローラ60では、プロセッサが、メモリ等に読み込まれた所定のソフトウェア(プログラム)を実行し、メモリ及びストレージにおけるデータの読み出し及び書き込み、並びに、通信デバイスによる通信を制御することによって、上述した各種の制御が実現される。
【0042】
本実施形態の箱詰装置1によれば、従来とは異なり、ダンボール箱Bは長辺Dを下に位置させた第1姿勢S1で保持される。そして商品移送部53によって、商品群Xの列がダンボール箱Bの長辺Dに沿って一列に並んだ状態で収納される(
図6(a)参照)。一度に収納される商品Aの数が従来よりも多くなり、また段数も短辺Cに対応するため少なくなる。よって、箱詰装置1では、長辺D方向に商品Aが並ぶような箱詰めをも可能とすることで、箱詰能力を高めることができる。
【0043】
箱供給手段10は、製函後のダンボール箱Bを、第1姿勢S1か又は第2姿勢S2へと選択的に回転させる第1回転部13を有する。第1回転部13によって、ダンボール箱Bは2種類の異なる姿勢へと回転させられ得る。よって、箱詰めの形態に関するバリエーションが広がっている。例えば、箱詰装置1がRRP対応のダンボール箱Bを扱う場合には、コントローラ60によって、商品Aの表面(おもて面)が短辺C側の側面に向けられるRRP用の箱詰めが行われる(
図6(a)参照)。それ以外の場合には、コントローラ60によって、商品Aの方向がRRP用の箱詰めとは90度異なる従来型の箱詰めが行われる(
図6(b)参照)。
【0044】
第1回転部13では、ダンボール箱Bの型式に対応して、第1姿勢S1又は第2姿勢S2の何れかが選択される。ダンボール箱Bの型式と商品Aの種類に応じて、商品群Xの列が何れの方向に並んでいるのが適切であるかの事情は異なり得る。上記構成によれば、適切な形態で箱詰めが行われる。
【0045】
封函手段30は、テープを貼付する貼付方向にダンボール箱Bの搬送方向を合わせるようにダンボール箱Bを回転させる第2回転部31を有する。第2回転部31によれば、長辺D方向に商品Aが並ぶような箱詰めを行った場合でも、従来と同様、テープを容易に貼付することができる。
【0046】
この点、第2回転部31を備えない形態を想定した場合には、
図7の左端に示される第1姿勢S1から、ダンボール箱Bを左右方向に延びる軸線周りで単に90度回転させただけでは、長辺は搬送方向に一致しない(直交する)。この場合、テープの貼付が困難になるという問題がある。第2回転部31によれば、そのような問題は解決されており、テープの貼付が容易である。
【0047】
第2回転部31は、ダンボール箱Bが第1姿勢S1で保持されている場合に、長辺Dを搬送方向に向けるようにダンボール箱Bを上下方向に延びる軸線周りで90度回転させる。この構成により、従来の装置が具備する排出コンベア33や封函部32に関する変更は不要である。よって、従来の装置からの変更部分が最小限に抑えられる。
【0048】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限られない。例えば、第2回転部31によって貼付方向と搬送方向に揃える回転(
図7に示される回転)が省略されてもよい。その場合、搬送回転機構31bは省略される。そして、封函部は、搬送方向に直交する方向でテープを貼付する機構を有する。
【0049】
また、第1回転部13が、ダンボール箱Bの姿勢を第1姿勢S1のみに回転させてもよい(例えば、箱詰装置1がRRP専用機である場合等)。その場合には、コントローラ60は、ダンボール箱の型式に対応して姿勢を選択する必要がない。
【0050】
箱詰装置1において、箱供給手段10が省略されてもよい。箱詰装置1において、封函手段30が省略されてもよい。商品供給手段50の構成は、上記実施形態から適宜に変更されてよい。
【符号の説明】
【0051】
1…箱詰装置、10…箱供給手段(供給手段)、13…第1回転部、20…箱保持部(保持手段)、30…封函手段、31…第2回転部、50…商品供給手段、51…商品搬入部、52…商品搬送部(搬送手段)、53…商品移送部(移送手段)、60…コントローラ、A…商品(物品)、B…ダンボール箱、Bp…開口、C…短辺、D…長辺、PA…所定位置、S1…第1姿勢、S2…第2姿勢、X…商品群(物品群)。