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特開2023-137041情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023137041
(43)【公開日】2023-09-29
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/02 20230101AFI20230922BHJP
【FI】
G06Q30/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022043034
(22)【出願日】2022-03-17
(71)【出願人】
【識別番号】319013263
【氏名又は名称】ヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】坪内 孝太
(72)【発明者】
【氏名】寺岡 照彦
(72)【発明者】
【氏名】五味 秀仁
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB02
(57)【要約】
【課題】多数の利用者のコンテキストの差異を検出可能な情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムを提供すること。
【解決手段】本開示に係る情報処理装置は、利用者の行動に関する情報を示す行動情報と、利用者端末が備えるセンサ部の計測データを示すセンサ情報を取得する取得部と、少なくとも行動情報又はセンサ情報のいずれか一方に基づいて、所定の時期の行動が共通する利用者のグループを示す第1グループを抽出する第1抽出部と、第1抽出部が抽出した第1グループに含まれる利用者のコンテキストを、利用者の行動情報又はセンサ情報の少なくとも一方に基づいて推定する推定部と、推定部が推定した利用者のコンテキストの差異を検出する検出部と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者の行動に関する情報を示す行動情報と、利用者端末が備えるセンサ部の計測データを示すセンサ情報を取得する取得部と、
少なくとも前記行動情報又は前記センサ情報のいずれか一方に基づいて、所定の時期の行動が共通する利用者のグループを示す第1グループを抽出する第1抽出部と、
前記第1抽出部が抽出した前記第1グループに含まれる利用者のコンテキストを、前記利用者の前記行動情報又は前記センサ情報の少なくとも一方に基づいて推定する推定部と、
前記推定部が推定した前記利用者のコンテキストの差異を検出する検出部と、を備える、
情報処理装置。
【請求項2】
前記第1抽出部が抽出した前記第1グループに含まれる利用者のうち、前記推定部が推定したコンテキストが一致する利用者の数が、前記第1グループに含まれる利用者のうちの所定の割合以上を占める利用者のグループを示す第2グループを抽出する第2抽出部と、
前記第1グループに含まれる利用者のうち、前記第2グループに含まれない利用者に対して、前記第1グループと前記第2グループのコンテキストの差異に応じてコンテンツを配信する配信部と、をさらに備える、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記第1グループに含まれる利用者に対して、共通の行動の成果を評価する評価部と、をさらに備え、
前記検出部は、前記評価部が評価した共通の行動の成果が所定の値以下の利用者と、共通の行動の成果が所定の値以上の利用者のコンテキストの差異を検出し、
前記検出部が検出したコンテキストの差異に応じて、共通の行動の成果が所定の値以下の利用者に対してコンテンツを配信する配信部と、をさらに備える、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記推定部が推定した前記第1グループに含まれる利用者のコンテキストに基づいて、利用者に対してコンテンツを配信する配信部と、をさらに備える、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
利用者の行動に関する情報を示す行動情報と、利用者端末が備えるセンサ部の計測データを示すセンサ情報を取得するステップと、
少なくとも前記行動情報又は前記センサ情報のいずれか一方に基づいて、所定の時期の行動が共通する利用者のグループを示す第1グループを抽出するステップと、
前記第1グループに含まれる利用者のコンテキストを、当該利用者の前記行動情報又は前記センサ情報の少なくとも一方に基づいて推定するステップと、
推定された前記利用者のコンテキストの差異を検出するステップと、
を含む情報処理方法。
【請求項6】
利用者の行動に関する情報を示す行動情報と、利用者端末が備えるセンサ部の計測データを示すセンサ情報を取得するステップと、
少なくとも前記行動情報又は前記センサ情報のいずれか一方に基づいて、所定の時期の行動が共通する利用者のグループを示す第1グループを抽出するステップと、
前記第1グループに含まれる利用者のコンテキストを、当該利用者の前記行動情報又は前記センサ情報の少なくとも一方に基づいて推定するステップと、
推定された前記利用者のコンテキストの差異を検出するステップと、
をコンピュータに実行させる情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
利用者のコンテキストを推定する技術が知られている。例えば、下記の特許文献1には撮影映像から人の行動を表すコンテキストを推定するプログラム、装置及び方法が開示されている。しかしながら、多数の利用者のコンテキストの差異を検出することはできなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-96252号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は上記課題を鑑み、多数の利用者のコンテキストの差異を検出可能な情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示に係る情報処理装置は、利用者の行動に関する情報を示す行動情報と、利用者端末が備えるセンサ部の計測データを示すセンサ情報を取得する取得部と、少なくとも前記行動情報又は前記センサ情報のいずれか一方に基づいて、所定の時期の行動が共通する利用者のグループを示す第1グループを抽出する第1抽出部と、前記第1抽出部が抽出した前記第1グループに含まれる利用者のコンテキストを、前記利用者の前記行動情報又は前記センサ情報の少なくとも一方に基づいて推定する推定部と、前記推定部が推定した前記利用者のコンテキストの差異を検出する検出部と、を備える。
【発明の効果】
【0006】
本開示によれば、多数の利用者のコンテキストの差異を検出可能な情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、実施形態に係る情報処理の一例を示す図である。
図2図2は、実施形態に係る情報処理システムの構成例を示す図である。
図3図3は、実施形態に係る情報処理装置の構成例を示す図である。
図4図4は、実施形態に係る行動情報記憶部に記憶される情報の一例を示す図である。
図5図5は、実施形態に係るセンサ情報記憶部に記憶される情報の一例を示す図である。
図6図6は、実施形態に係るモデル記憶部に記憶される情報の一例を示す図である。
図7図7は、実施形態に係るコンテンツ記憶部に記憶される情報の一例を示す図である。
図8図8は、実施形態に係る利用者端末の構成例を示す図である。
図9図9は、実施形態に係るセンサ情報記憶部に記憶される情報の一例を示す図である。
図10図10は、実施形態に係る事業者端末の構成例を示す図である。
図11図11は、実施形態に係る情報処理の一例を示すフローチャートである。
図12図12は、情報処理装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に、本開示に係る情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と記載する。)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本開示に係る情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムが限定されるものではない。
【0009】
(実施形態)
〔1-1.実施形態に係る情報処理の一例〕
まず、図1を用いて、実施形態に係る情報処理の一例について説明する。図1は、実施形態に係る情報処理の一例を示す図である。図1では、実施形態に係る情報処理が情報処理装置100、利用者端末200、及び事業者端末300により実行される例を示す。
【0010】
まず、情報処理装置100は、事業者端末300から事業者が入力したコンテンツを受け付ける(ステップS1)。例えば、情報処理装置100は、事業者端末300から事業者M1が特定のコンテキストが推定された利用者に対して配信することを目的として入力したコンテンツを受け付ける。なお、ここでコンテンツは、事業者が利用者に対して配信することを目的とした情報の中身を指し、例えば広告や映画、音楽、写真、漫画、アニメーション、コンピュータゲーム、テキストメッセージ等であってよい。
【0011】
次に、情報処理装置100は、複数の利用者端末200から行動情報と、センサ情報と、を取得する(ステップS2)。例えば、情報処理装置100は、図1に示すように、利用者U1からU6の利用者端末200Aから200Fから、行動情報と、センサ情報と、を取得する。なお、図1に示す利用者U1からU6、及び利用者端末200Aから200Fは、例示であって、情報処理装置100は、これ以上の数の利用者の利用者端末200から行動情報と、センサ情報と、を取得してよい。
【0012】
次に、情報処理装置100は、少なくとも行動情報又はセンサ情報のいずれか一方に基づいて、所定の時期の行動が共通する利用者のグループを示す第1グループを抽出する(ステップS3)。例えば、情報処理装置100は、利用者のセンサ情報としての位置情報、及び加速度情報に基づいて、複数の利用者が所定の時期に所定の範囲内(例えば半径100m以内の範囲)に位置しており、かつ複数の利用者の加速度が所定の時間にわたって所定の範囲の値に維持される利用者を共通の行動としての「マラソンを行っている」と見做して、所定の時期の行動が共通する利用者のグループを示す第1グループとして抽出してよい。
【0013】
次に、情報処理装置100は、第1グループに含まれる利用者のコンテキストを当該利用者の行動情報又はセンサ情報の少なくとも一方に基づいて推定する(ステップS4)。例えば、情報処理装置100は、センサ情報としての画像情報に基づいて、第1グループとして抽出されたマラソン中の利用者が「メーカーNのランニングシューズを履いている」というコンテキストを推定する。なお、情報処理装置100は、センサ情報としての画像情報に基づいて、第1グループに属する利用者として抽出された全ての利用者に対して「メーカーNのランニングシューズを履いている」というコンテキストに該当する否かを推定する。
【0014】
次に、情報処理装置100は、推定されたコンテキストに基づいてコンテンツを配信する(ステップS5)。例えば、第1グループに属する利用者のうち、「メーカーNのランニングシューズを履いている」というコンテキストに該当しないと推定された利用者に対して、メーカーNのランニングシューズに関するコンテンツを配信する。
【0015】
これによれば、多数の利用者のコンテキストの差異に応じてコンテンツを配信することができる。
【0016】
〔1-2.実施形態に係る情報処理の他の例1(コンテキストの差異を検出)〕
情報処理装置100は、抽出した第1グループに含まれる利用者のうち、推定したコンテキストが一致する利用者の数が、第1グループに含まれる利用者のうちの所定の割合以上を占める利用者のグループを示す第2グループを抽出し、第1グループに含まれる利用者のうち、第2グループに含まれない利用者に対して、第1グループと第2グループのコンテキストの差異に応じてコンテンツを配信する。
【0017】
この情報処理について順を追って説明する。まず、情報処理装置100は、図1に示したステップS1からステップS4までと同じ処理を実行する。
【0018】
次に、情報処理装置100は、抽出した第1グループに含まれる利用者のうち、推定したコンテキストが一致する利用者の数が、第1グループに含まれる利用者のうちの所定の割合以上を占める利用者のグループを示す第2グループを抽出する(ステップS5-1)。例えば、前述のステップS3と同じように、本情報処理においてもステップS3において情報処理装置100が、利用者の位置情報と加速度情報に基づいて「マラソンを行っている」と見做された利用者を第1グループに属する利用者として抽出したとする。そして、情報処理装置100は、「マラソンを行っている」と推定された利用者の行動情報としての検索履歴や購買履歴等に基づいて、利用者のコンテキストを推定し、第1グループに属する所定の割合以上の利用者について「メーカーNが好き」というコンテキストを推定したとする。この場合、情報処理装置100は、「メーカーNが好き」というコンテキストが推定された利用者を第2グループに属する利用者として抽出する。
【0019】
次に、情報処理装置100は、第1グループに含まれる利用者のうち、第2グループに含まれない利用者に対して、第1グループと第2グループのコンテキストの差異に応じてコンテンツを配信する(ステップS6-1)。例えば、前述のように、ステップS5-1において情報処理装置100が第2グループに属する利用者として、「メーカーNが好き」というコンテキストが推定された利用者を抽出したとする。この場合、情報処理装置100は、「マラソンを行っている」と見做された利用者の集団である第1グループに属する利用者のうち、第2グループに属さない利用者に対して、メーカーNに関するコンテンツを配信する。
【0020】
これによれば、多数の利用者のコンテキストの差異を検出し、コンテキストの差異に応じてコンテンツを配信することができる。
【0021】
〔1-3.実施形態に係る情報処理の他の例2(共通の行動成果を評価)〕
情報処理装置100は、第1グループに含まれる利用者に対して、共通の行動の成果を評価し、評価した共通の行動の成果が所定の値以下の利用者と、共通の行動の成果が所定の値以上の利用者のコンテキストの差異を検出し、検出したコンテキストの差異に応じて、共通の行動の成果が所定の値以下の利用者に対してコンテンツを配信する。
【0022】
この情報処理について順を追って説明する。まず、情報処理装置100は、図1に示したステップS1からステップS4までと同じ処理を実行する。
【0023】
次に、情報処理装置100は、第1グループに含まれる利用者に対して、共通の行動の成果を評価する(ステップS5-2)。例えば、前述のステップS3と同じように、本情報処理においてもステップS3において情報処理装置100が、利用者の位置情報と加速度情報に基づいて「マラソンを行っている」と見做された利用者を所定の時期の行動が共通する利用者のグループを示す第1グループに属する利用者として抽出したとする。この場合、情報処理装置100は、「マラソンを行っている」と見做された利用者のマラソンにおける順位を、当該利用者の位置情報と加速度情報等に基づいて推定する。そして、情報処理装置100は、推定された利用者の順位に基づいて、当該利用者の共通の行動の成果を評価する。例えば、マラソンにおける順位が1位の利用者について、評価値を100ポイントとして、マラソンにおける順位が2位の利用者は評価値を80ポイントとしてよい。
【0024】
次に、情報処理装置100は、評価した共通の行動の成果が所定の値以下の利用者と、共通の行動の成果が所定の値以上の利用者のコンテキストの差異を検出する(ステップS6-2)。例えば、情報処理装置100は、前述のステップS5-2において推定されたマラソンにおける順位に基づく利用者の共通の行動の成果の評価値が50ポイント以上の利用者と、評価値が50ポイント未満の利用者のコンテキストを比較する。そして、情報処理装置100は、評価値が50ポイント以上の利用者と、評価値が50ポイント未満の利用者のコンテキストの差異を検出する。例えば、評価値が50ポイント以上の利用者は、「メーカーNのランニングシューズを履いている」というコンテキストが推定された利用者の割合が、評価値が50ポイント未満の利用者において「メーカーNのランニングシューズを履いている」というコンテキストが推定された利用者の割合に対して、有意に多いことが認められたとする。この場合、情報処理装置100は、「メーカーNのランニングシューズを履いている」というコンテキストを、共通の行動の成果が所定の値以下の利用者と、共通の行動の成果が所定の値の以上の利用者のコンテキストの差異として検出する。
【0025】
次に、情報処理装置100は、検出したコンテキストの差異に応じて、共通の行動の成果が所定の値以下の利用者に対してコンテンツを配信する(ステップS7-2)。例えば、前述のステップS6-2において、情報処理装置100が「メーカーNのランニングシューズを履いている」というコンテキストを、共通の行動の成果が所定の値以下の利用者と、共通の行動の成果が所定の値以上の利用者のコンテキストの差異として検出したとする。この場合、情報処理装置100は、共通の行動の成果の評価値が50ポイント以下の利用者に対して、メーカーNのランニングシューズに関するコンテンツを配信する。
【0026】
これにより、多数の利用者のコンテキストの差異を検出し、コンテキストの差異に応じてコンテンツを配信することができる。
【0027】
〔2.情報処理システムの構成〕
次に、図2を用いて実施形態に係る情報処理システムの構成について説明する。図2は、実施形態に係る情報処理システムの構成例を示す図である。
【0028】
情報処理装置100は、例えばPC(Personal Computer)、WS(Work Station)、サーバの機能を備えるコンピュータなどの情報処理装置であってよい。情報処理装置100は、利用者端末200や事業者端末300からネットワークNを介して送信されてきた情報に基づいて処理を行う。
【0029】
利用者端末200は、利用者が利用する情報処理装置である。利用者端末200は、例えば、スマートフォン、タブレット型端末、デスクトップ型PC、ノート型PC、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistant)等の情報処理装置であってよい。なお、図1に示す例においては、利用者端末200がスマートフォンである場合を示している。
【0030】
事業者端末300は、事業者が利用する情報処理装置である。事業者端末300は、例えばPC、WS、サーバの機能を備えるコンピュータなどの情報処理装置であってよい。例えば、事業者端末300は、情報処理装置100や利用者端末200からネットワークNを介して送信されてきた情報に基づいて処理を行う。
【0031】
〔3.情報処理装置の構成〕
次に、図3を用いて、情報処理装置100の構成について説明する。
【0032】
図3は、実施形態に係る情報処理装置の構成例を示す図である。図3に示すように、情報処理装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130と、を有する。
【0033】
(通信部110について)
通信部110は、例えば、NIC(Network Interface Card)、無線LAN(Local Area Network)カード等によって実現される。そして、通信部110は、ネットワークNと有線または無線で接続され、利用者端末200や事業者端末300等との間で情報の送受信を行う。
【0034】
(記憶部120について)
記憶部120は、主記憶装置と外部記憶装置とを備える。主記憶装置は、制御部130が実行するプログラム、あるいは、制御部130が処理するデータを記憶する。主記憶装置は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等のような半導体メモリ素子によって実現されてよい。外部記憶装置は、制御部130が処理するデータを保存する。外部記憶装置は、例えば、ハードディスクやSSD(Solid State Drive)、磁気テープ、光ディスク等によって実現されてよい。
【0035】
図3に示すように、記憶部120は、行動情報記憶部121と、センサ情報記憶部122と、モデル記憶部123と、コンテンツ記憶部124と、を有する。
【0036】
(行動情報記憶部121について)
行動情報記憶部121は、利用者の行動を示す情報、すなわち、行動情報を記憶する。行動情報とは、利用者の所定の情報サービスの利用や、利用者の行動によって生じる利用者の行動を示す情報である。ここで、図4を用いて、行動情報記憶部121が記憶する情報の一例を説明する。図4は、実施形態に係る行動情報記憶部に記憶される情報の一例を示す図である。
【0037】
図4に示す例において、行動情報記憶部121は、「利用者ID」、「検索履歴」、「閲覧履歴」、「購入履歴」、「路線検索履歴」、「掲示板投稿履歴」という項目に係る情報を紐付けて記憶する。
【0038】
「利用者ID」は、利用者を識別する識別子であり文字列や番号などによって表される。「検索履歴」は、「利用者ID」に紐付けられた利用者が検索に使用した検索クエリと入力時刻とを含む情報である。「閲覧履歴」は、「利用者ID」に紐付けられた利用者の閲覧サイトと閲覧時刻とを含む情報である。「購入履歴」は、「利用者ID」に紐付けられた利用者のインターネット通信販売サイトや、所定の情報通信サービス契約サイトなどにおける購入商品、又は購入サービスと、購入時刻とを含む情報である。「路線検索履歴」は、「利用者ID」に紐付けられた利用者の路線検索結果と検索時刻とを含む情報である。「掲示板投稿履歴」は、「利用者ID」に紐付けられた利用者の掲示板投稿と投稿時刻とを含む情報である。
【0039】
すなわち、図4においては、利用者ID「UID#1」により識別された利用者の検索履歴が「検索履歴#U1」であり、利用者の閲覧履歴が「閲覧履歴#U1」であり、購入履歴が「購入履歴#U1」であり、路線検索履歴が「路線検索履歴#U1」であり、掲示板投稿履歴が「掲示板投稿履歴#U1」であることを示している。
【0040】
なお、行動情報記憶部121に記憶される情報は、「利用者ID」、「検索履歴」、「閲覧履歴」、「購入履歴」、「路線検索履歴」、「掲示板投稿履歴」という項目に係る情報に限定されるものではなく、その他の任意の利用者の行動に関係する情報が記憶されてよい。
【0041】
(センサ情報記憶部122について)
センサ情報記憶部122は、利用者端末200が備えるセンサ部250が計測したセンサ情報を利用者ごとに記憶する。図5は、実施形態に係るセンサ情報記憶部に記憶される情報の一例を示す図である。
【0042】
図5に示す例において、センサ情報記憶部122は、「利用者ID」、「利用者端末ID」、「センサ種別」、「センサ情報」という項目に係る情報を紐付けて記憶する。
【0043】
「利用者ID」は、利用者を識別する識別子であり文字列や番号などによって表される。「利用者端末ID」は、利用者IDにより識別される利用者が所有する利用者端末200を識別する識別子であり文字列や番号などによって表される。「センサ種別」は、利用者端末200が備えるセンサ部250のセンサの種類を示す情報である。「センサ情報」は、「センサ種別」に示されるセンサにより計測された計測データを示す情報である。
【0044】
すなわち、図5においては、利用者ID「UID#1」により識別される利用者の利用者端末IDが「200A」であり、その利用者端末200が備えるセンサ部250のセンサ種別「ST#1」が示すセンサ種別のセンサにより計測されたセンサ情報「SD#U1-1-1」が示す計測データが記憶されていることを示している。
【0045】
なお、センサ情報記憶部122は、「利用者ID」、「利用者端末ID」、「センサ種別」、「センサ情報」という項目に係る情報に限定されることなく、その他の任意のセンサに関係する情報が記憶されてよい。
【0046】
(モデル記憶部123について)
モデル記憶部123は、行動情報とセンサ情報を入力すると利用者のコンテキストを推論するモデルを記憶する。図6は、実施形態に係るモデル記憶部に記憶される情報の一例を示す図である。
【0047】
図6に示す例において、モデル記憶部123は、「モデルID」、「モデルデータ」という項目に係る情報を紐付けて記憶する。
【0048】
「モデルID」は、機械学習モデルを識別する識別子であり文字列や番号などによって表される。「モデルデータ」は、機械学習モデルのモデルデータを示す。例えば、「モデルデータ」には、利用者の行動情報とセンサ情報を入力すると、利用者のコンテキストを推論するモデルの為のデータが記憶される。なお、機械学習モデルは、ニューラルネットワークなどであってよい。
【0049】
すなわち、図6において、モデルID「M#1」で識別されるモデルは、機械学習モデルM#1を示し、モデルデルデータ「MDT#1」は、機械学習モデルM#1のモデルデータを示している。
【0050】
ここで、機械学習モデルM#1がニューラルネットワークである場合は、モデルデータ「MDT#1」には、例えば、ニューラルネットワークを構成する複数の層のそれぞれに含まれるノードが互いにどのように結合するかという結合情報や、結合されたノード間で入出力される数値に掛け合わされる結合係数などの機械学習モデルの為の各種情報が含まれる。
【0051】
なお、モデル記憶部123は、「モデルID」、「モデルデータ」という項目に係る情報に限定されることなく、その他の任意の機械学習モデルに関係する情報が記憶されてよい。
【0052】
(コンテンツ記憶部124について)
コンテンツ記憶部124は、事業者端末300から受け付けた事業者が入力したコンテンツを記憶する。図7は、実施形態に係るコンテンツ記憶部に記憶される情報の一例を示す図である。
【0053】
図7に示す例において、コンテンツ記憶部124は、「事業者ID」、「コンテンツID」、「コンテンツデータ」、「コンテキスト」という項目に係る情報を紐付けて記憶する。
【0054】
「事業者ID」は、事業者を識別する識別子であり文字列や番号などによって表される。「コンテンツID」は、事業者から受け付けたコンテンツを識別する識別子であり文字列や番号などによって表される。「コンテンツデータ」は、事業者が配信を希望するコンテンツのデータである。「コンテキスト」は、事業者がコンテンツの配信を希望する利用者の選定基準となる利用者のコンテキストを示す情報である。
【0055】
すなわち、図7においては、事業者ID「M1」が示す事業者から、コンテンツID「CT#1」によって識別されるコンテンツとして、コンテンツデータ「CD#1」が示すコンテンツデータが、コンテキスト「CT#1」が示す利用者のコンテキストを指定して事業者端末300に入力されたことを示している。そして、情報処理装置100の受付部131が受け付けてコンテンツ記憶部124に記憶されていることを示している。
【0056】
なお、コンテンツ記憶部124は、「事業者ID」、「コンテンツID」、「コンテンツデータ」、「コンテキスト」という項目に係る情報に限定されることなく、その他の任意のコンテンツに関係する情報が記憶されてよい。
【0057】
(制御部130について)
次に図3に戻って、制御部130について説明する。制御部130は、情報処理装置100を制御するコントローラ(controller)であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、情報処理装置100の記憶部120に記憶されている各種プログラムを読み出して、RAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、コントローラであり、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array))等の集積回路により実現されてもよい。
【0058】
制御部130は、図3に示すように、受付部131と、取得部132と、第1抽出部133と、推定部134と、第2抽出部135と、評価部136と、検出部137と、配信部138とを有する。制御部130は、記憶部120からプログラム(ソフトウェア)を読み出して、RAMを作業領域として実行することで、受付部131と、取得部132と、第1抽出部133と、推定部134と、第2抽出部135と、評価部136と、検出部137と、配信部138とを実現して、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。
【0059】
(受付部131について)
受付部131は、事業者端末300から事業者が入力したコンテンツを受け付ける。受付部131は、事業者端末300からコンテンツを受け付けたら、受け付けたコンテンツをコンテンツ記憶部124に記憶する。すなわち、受付部131は、事業者端末300から受け付けた「事業者ID」、「コンテンツID」、「コンテンツデータ」、「コンテキスト」を対応付けて、コンテンツ記憶部124に記憶する。
【0060】
(取得部132について)
取得部132は、利用者の行動に関する情報を示す行動情報と、利用者端末200が備えるセンサ部250の計測データを示すセンサ情報を取得する。ここで、行動情報は、利用者の所定の情報サービスの利用によって生じる利用者の所定の情報サービスを用いた行動を示す情報である。また、センサ情報は、利用者の行動を利用者端末200が備えるセンサ部250が計測したセンサ情報である。
【0061】
取得部132は、行動情報を取得したら、取得した行動情報を行動情報記憶部121に記憶する。取得部132は、センサ情報を取得したら、取得したセンサ情報をセンサ情報記憶部122に記憶する。なお、取得部132は、所定の時間間隔ごとに行動情報と、センサ情報とのうちのいずれか一方又は両方を取得してもよいし、利用者が情報処理装置100にアクセスする度に行動情報と、センサ情報とのうちのいずれか一方又は両方を取得してもよい。
【0062】
(第1抽出部133について)
第1抽出部133は、少なくとも行動情報及びセンサ情報のいずれか一方に基づいて、所定の時期の行動が共通する利用者のグループを示す第1グループを抽出する。すなわち、第1抽出部133は、行動情報記憶部121又はセンサ情報記憶部122のいずれか一方に記憶された情報に基づいて、所定の時期の行動が共通する利用者のグループを示す第1グループを抽出する。
【0063】
ここで、第1抽出部133の処理について具体例を用いて説明する。例えば、第1抽出部133は、利用者のセンサ情報としての位置情報、及び加速度情報に基づいて、複数の利用者が所定の時期に所定の範囲内(例えば半径100m以内の範囲)に位置しており、かつ複数の利用者の加速度が所定の時間にわたって所定の範囲の値に維持される利用者を共通の行動としての「マラソンを行っている」と見做して、所定の時期の行動が共通する利用者のグループを示す第1グループとして抽出してよい。
【0064】
(推定部134について)
推定部134は、第1抽出部133が抽出した第1グループに含まれる利用者のコンテキストを、利用者の行動情報又はセンサ情報の少なくとも一方に基づいて推定する。推定部134は、利用者の行動情報又はセンサ情報の少なくとも一方をコンテキスト推定モデルに入力することで、特定の利用者のコンテキストを推定してよい。例えば、推定部134は、利用者の行動情報に含まれる閲覧履歴、購買履歴、路線検索履歴、掲示板投稿履歴等と、利用者のコンテキストとの関係を学習した学習済みモデルを用いて利用者のコンテキストを推定してよい。
【0065】
また、推定部134は、利用者のセンサ情報をコンテキスト推定モデルに入力することで、特定の利用者のコンテキストを推定してもよい。例えば、推定部134は、利用者のセンサ情報としての利用者の加速度情報、角速度情報、位置情報、利用者の周囲の照度情報等と、利用者のコンテキストとの関係を学習した学習済みモデルを用いて利用者のコンテキストを推定してもよい。
【0066】
(第2抽出部135について)
第2抽出部135は、第1抽出部133が抽出した第1グループに含まれる利用者のうち、推定部134が推定したコンテキストが一致する利用者の数が、第1グループに含まれる利用者のうちの所定の割合以上を占める利用者のグループを示す第2グループを抽出する。すなわち、第2抽出部135は、第1グループに含まれる利用者について、推定部134が推定したコンテキストに応じて、第1グループに含まれる利用者を分類するといえる。ここで、所定の割合は、任意に設定してよく、例えば50%や30%と設定してよい。
【0067】
ここで、第2抽出部135の処理について具体例を用いて説明する。例えば、第1抽出部133が、利用者の位置情報と加速度情報に基づいて「マラソンを行っている」と見做した利用者を第1グループに属する利用者として抽出したとする。そして、推定部134が、「マラソンを行っている」と推定された利用者の行動情報としての検索履歴や購買履歴等に基づいて、利用者のコンテキストを推定し、第1グループに属する半数以上の利用者について「メーカーNが好き」というコンテキストを推定したとする。この場合、第2抽出部135は、「メーカーNが好き」というコンテキストが推定された利用者を第2グループに属する利用者として抽出する。
【0068】
(評価部136について)
評価部136は、第1グループに含まれる利用者に対して、共通の行動の成果を評価する。すなわち、評価部136は、第1抽出部133が抽出した第1グループに含まれる利用者の共通の行動の成果に関する予め設定された評価基準、もしくは評価部136が設定した評価基準に基づいて、共通の行動の成果を評価する。評価部136は、第1グループに含まれる利用者の共通の行動の成果の評価結果を、例えば数値の大小によって表すポイントを用いて表現してよい。
【0069】
(検出部137について)
検出部137は、推定部134が推定した利用者のコンテキストの差異を検出する。すなわち、検出部137は、第1抽出部133が抽出した第1グループに含まれる利用者について推定部134が推定したコンテキストに基づいて、利用者のコンテキストの差異を検出する。
【0070】
また、検出部137は、評価部136が評価した共通の行動の成果が所定の値以下の利用者と、共通の行動の成果が所定の値以上の利用者のコンテキストの差異を検出する。すなわち、検出部137は、評価部136が評価した評価値が所定の値以上の利用者のコンテキストを参照し、特定のコンテキストごとに評価値が所定の値以上の利用者における特定のコンテキストが推定された利用者の割合を算出する。同様に、検出部137は、評価値が所定の値未満の利用者についても、特定のコンテキストごとに評価値が所定の値未満の利用者における特定のコンテキストが推定された利用者の割合を算出する。そして、検出部137は、評価値が所定の値以上の利用者と、評価値が所定の値以下の利用者において、特定のコンテキストが推定された利用者の割合が有意に異なるコンテキストを、コンテキストの差異として検出する。
【0071】
(配信部138について)
配信部138は、推定部134が推定した第1グループに含まれる利用者のコンテキストに基づいて、利用者に対してコンテンツを配信する。すなわち、配信部138は、推定部134が推定した第1グループに含まれる利用者のコンテキストに応じて、コンテンツ記憶部124に記憶された当該コンテキストを指定して事業者が入力したコンテンツを読み出して、当該コンテキストが推定された利用者の利用者端末200に当該コンテキストを指定して事業者が入力したコンテンツを配信する。
【0072】
また、配信部138は、第1グループに含まれる利用者のうち、第2グループに含まれない利用者に対して、第1グループと第2グループのコンテキストの差異に応じてコンテンツを配信する。すなわち、配信部138は、第2グループに属する利用者のコンテキストを有さない第1グループに含まれる利用者に対して、第2グループに属する利用者のコンテキストに応じて、コンテンツを配信するといえる。
【0073】
また、配信部138は、検出部137が検出したコンテキストの差異に応じて、共通の行動の成果が所定の値以下の利用者に対してコンテンツを配信する。すなわち、配信部138は、評価部136が評価した第1グループに含まれる利用者の共通の行動の成果の評価値が所定の値以下の利用者に対して、検出部137が検出した共通の行動の成果が所定の値以下の利用者と、共通の行動の成果が所定の値以上の利用者のコンテキストの差異に応じてコンテンツを配信する。
【0074】
〔4.利用者端末の構成〕
次に、図8を用いて、実施形態に係る利用者端末200の構成について説明する。図8は、実施形態に係る利用者端末の構成例を示す図である。図8に示すように、利用者端末200は、通信部210と、入力部220と、出力部230と、制御部240と、センサ部250と、記憶部260と、を有する。
【0075】
通信部210は、例えば、NIC、無線LANカード等によって実現される。そして、通信部210は、ネットワークNと有線又は無線で接続され、ネットワークNを介して、情報処理装置100との間で各種の情報の送受信を行う。
【0076】
入力部220は、利用者から各種の操作情報が入力される。例えば、入力部220は、タッチパネルにより表示面(例えば出力部230)を介して利用者からの各種操作を受け付けてもよい。また、入力部220は、利用者端末200に設けられたボタンや、利用者端末200に接続されたキーボードやマウスからの各種操作を受け付けてもよい。
【0077】
出力部230は、例えば液晶ディスプレイや有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等によって実現されるタブレット型端末等の表示画面であり、各種情報を表示するための表示装置である。つまり、利用者端末200は、入力部220がタッチパネルである場合は、出力部230である表示画面により利用者の入力を受け付け、利用者への出力も行う。また、出力部230は、スピーカーであってもよく、スピーカーにより音声を出力してよい。
【0078】
制御部240は、例えば、CPUやMPU等によって、利用者端末200に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部240は、例えば、ASICやFPGA等の集積回路により実現されてもよい。
【0079】
図8に示すように、制御部240は、提供部241と、を有する。
【0080】
提供部241は、情報処理装置100から配信されたコンテンツを利用者に提供する。例えば、提供部241は、情報処理装置100から配信されたコンテンツが動画である場合は、出力部230に動画を出力させてコンテンツを利用者に提供する。また、例えば、提供部241は情報処理装置100から配信されたコンテンツが音声である場合は、出力部230にコンテンツの音声を出力させることで、コンテンツを利用者に提供してよい。また、提供部241は、情報処理装置100から配信されたコンテンツがテキストデータである場合は、出力部230にテキストを表示させることで、コンテンツを利用者に提供してよい。
【0081】
センサ部250は、各種のセンサ情報を計測する計測器である。センサ部250は、加速度情報を計測する加速度センサであってよい。加速度センサは、利用者端末200の加速度を計測する。加速度センサは、例えば、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)により可動電極と固定電極を作り、可動電力が動くことによる静電容量の変化と加速度の関係を用いて加速度を計測する静電容量式の加速度センサであってよい。
【0082】
また、センサ部250は、角速度情報を計測するジャイロセンサであってもよい。ジャイロセンサは、利用者端末200の角速度を計測する。ジャイロセンサは、可動電極に一方向に振動する一次振動を発生させておき、可動電極に回転が加わると振動方向と90°の方向にコリオリの力が働くことにより二次振動が発生し、静電容量の変化が生じるため、これを検出する静電容量型MEMSジャイロセンサであってよい。なお、静電容量の変化と可動電極の振動位相とにより角速度を求めることができる。
【0083】
また、センサ部250は、位置情報を計測する位置情報センサであってもよい。位置情報センサは、利用者端末200の位置情報を計測する。位置情報センサは、例えば、GPS(Global Positioning System)センサであってよい。GPSセンサは、GPS衛星から送信される電波を受信する受信機を備え、複数のGPS衛星から送信される電波を受信し、電波を受信した時刻と、GPS衛星が電波を発信した時刻との差異を用いて、GPS衛星から利用者端末200までの距離を算出することによって、利用者端末200の現在位置(例えば、緯度、及び経度)を計測する。
【0084】
また、センサ部250は、照度情報を計測する照度センサであってもよい。照度センサは、フォトトランジスタ、フォトダイオード、フォトダイオードにアンプ回路を追加したものなどであってよい。フォトダイオードは、PN接合した半導体に電極を付けた構造をしており、PN接合付近の電子や正孔が不足する空乏層に内蔵電位が発生する為、光が当たると出力電流が流れる光起電力効果が発生する。照度センサは、この出力電流を検出することで照度を計測する。フォトトランジスタは、フォトダイオードとトランジスタが一体化した構造をしており、フォトダイオードの出力電流をトランジスタで増幅してから出力する。フォトトランジスタは、フォトダイオードの微小な電流を増幅してから出力する為、感度を上げることができる。
【0085】
また、センサ部250は、画像情報を撮像するカメラであってもよい。カメラは、光学素子と撮像素子とを含む。光学素子は、例えばレンズ、ミラー、プリズム、フィルタなどの光学系を構成する素子である。撮像素子は、光学素子を通して入射した光を電気信号である画像信号に変換する素子である。撮像素子は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)センサやCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサなどである。
【0086】
記憶部260は、例えば、RAM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、SSD、光ディスク等の記憶装置によって実現される。図8に示すように、記憶部260は、センサ情報記憶部261を有する。
【0087】
(センサ情報記憶部261について)
センサ情報記憶部261は、センサ部250が計測したセンサ情報を記憶する。図9は、実施形態に係るセンサ情報記憶部に記憶される情報の一例を示す図である。
【0088】
図9に示す例において、センサ情報記憶部261は、「センサ種別」、「センサ情報」という項目に係る情報を紐付けて記憶する。
【0089】
「センサ種別」は、センサ部250のセンサの種類を示す情報である。「センサ情報」は、「センサ種別」に示されるセンサにより計測された計測データを示す情報である。なお、センサ情報は時系列データであり、センサ情報とセンサ情報が計測された時刻が対応付けて記憶されている。
【0090】
すなわち、図9においては、センサ種別「ST#1」が示すセンサ種別のセンサにより計測されたセンサ情報「SD#1」が示す計測データが記憶されていることを示している。
【0091】
なお、センサ情報記憶部261は、「センサ種別」、「センサ情報」という項目に係る情報に限定されることなく、その他の任意のセンサに関係する情報が記憶されてよい。
【0092】
〔5.事業者端末の構成〕
次に、図10を用いて、実施形態に係る事業者端末300の構成について説明する。図10は、実施形態に係る事業者端末の構成例を示す図である。図10に示すように、事業者端末300は、通信部310と、入力部320と、出力部330と、制御部340と、を有する。
【0093】
通信部310は、例えば、NIC等によって実現される。そして、通信部310は、ネットワークNと有線又は無線で接続され、ネットワークNを介して、情報処理装置100との間で各種の情報の送受信を行う。
【0094】
入力部320は、事業者から各種の操作情報が入力される。例えば、入力部320は、事業者端末300に接続されたキーボードやマウスから事業者の各種操作を受け付けてもよい。また、入力部320は、タッチパネルにより表示面(例えば出力部330)を介して事業者から各種操作を受け付けてもよい。
【0095】
出力部330は、例えば液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等によって実現される表示画面であり、各種情報を表示するための表示装置である。なお、事業者端末300の入力部320が、タッチパネルを介して事業者から各種操作を受け付ける場合は、出力部330である表示画面により利用者の入力を受け付け、さらに利用者への出力も行う。
【0096】
制御部340は、例えば、CPUやMPU等によって、事業者端末300に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部340は、例えば、ASICやFPGA等の集積回路により実現されてもよい。
【0097】
図10に示すように、制御部340は、受付部341を有する。
【0098】
受付部341は、事業者からコンテンツを受け付ける。コンテンツは、事業者が利用者に対して配信することを目的とした情報の中身を指し、例えば広告や映画、音楽、写真、漫画、アニメーション、コンピュータゲーム、テキストメッセージ等であってよい。例えば、受付部341は、事業者から利用者のコンテキストに対応付けてコンテンツを受け付ける。すなわち、受付部341は、「事業者ID」と、「コンテンツデータ」と、「コンテキスト」を事業者から受け付ける。
【0099】
〔6.情報処理のフロー〕
次に、図11を用いて、実施形態に係る情報処理の手順について説明する。図11は、実施形態に係る情報処理の一例を示すフローチャートである。
【0100】
まず、情報処理装置100は、利用者の行動に関する情報を示す行動情報と、利用者端末200が備えるセンサ部250の計測データを示すセンサ情報を取得する(ステップS101)。次に、情報処理装置100は、行動情報、又はセンサ情報の少なくとも一方に基づいて、所定の時期の行動が共通する利用者のグループを示す第1グループを抽出する(ステップS102)。そして、情報処理装置100は、第1グループに含まれる利用者のコンテンツを、当該利用者の行動情報、又はセンサ情報の少なくとも一方に基づいて推定する(ステップS103)。そして、情報処理装置100は、推定された第1グループに含まれる利用者のコンテキストに基づいて、利用者に対してコンテンツを配信する(ステップS104)。
【0101】
〔7.ハードウェア構成〕
また、上述した実施形態に係る情報処理装置100は、例えば図12に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。図12は、情報処理装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、出力装置1010、入力装置1020と接続され、演算装置1030、一次記憶装置1040、二次記憶装置1050、出力IF(Interface)1060、入力IF1070、ネットワークIF1080がバス1090により接続された形態を有する。
【0102】
演算装置1030は、一次記憶装置1040や二次記憶装置1050に格納されたプログラムや入力装置1020から読み出したプログラム等に基づいて動作し、各種の処理を実行する。一次記憶装置1040は、RAM等、演算装置1030が各種の演算に用いるデータを一次的に記憶するメモリ装置である。また、二次記憶装置1050は、演算装置1030が各種の演算に用いるデータや、各種のデータベースが記憶される記憶装置であり、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ等により実現される。
【0103】
出力IF1060は、モニタやプリンタといった各種の情報を出力する出力装置1010に対し、出力対象となる情報を送信するためのインタフェースであり、例えば、USB(Universal Serial Bus)やDVI(Digital Visual Interface)、HDMI(登録商標)(High Definition Multimedia Interface)といった規格のコネクタにより実現される。また、入力IF1070は、マウス、キーボード、およびスキャナ等といった各種の入力装置1020から情報を受信するためのインタフェースであり、例えば、USB等により実現される。
【0104】
なお、入力装置1020は、例えば、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等から情報を読み出す装置であってもよい。また、入力装置1020は、USBメモリ等の外付け記憶媒体であってもよい。
【0105】
ネットワークIF1080は、ネットワークNを介して他の機器からデータを受信して演算装置1030へ送り、また、ネットワークNを介して演算装置1030が生成したデータを他の機器へ送信する。
【0106】
演算装置1030は、出力IF1060や入力IF1070を介して、出力装置1010や入力装置1020の制御を行う。例えば、演算装置1030は、入力装置1020や二次記憶装置1050からプログラムを一次記憶装置1040上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。
【0107】
例えば、コンピュータ1000が情報処理装置100として機能する場合、コンピュータ1000の演算装置1030は、一次記憶装置1040上にロードされたプログラムを実行することにより、情報処理装置100の制御部130の機能を実現する。
【0108】
〔8.構成と効果〕
本開示に係る情報処理装置100は、利用者の行動に関する情報を示す行動情報と、利用者端末200が備えるセンサ部250の計測データを示すセンサ情報を取得する取得部132と、少なくとも行動情報又はセンサ情報のいずれか一方に基づいて、所定の時期の行動が共通する利用者のグループを示す第1グループを抽出する第1抽出部133と、第1抽出部133が抽出した第1グループに含まれる利用者のコンテキストを、利用者の行動情報又はセンサ情報の少なくとも一方に基づいて推定する推定部134と、推定部134が推定した利用者のコンテキストの差異を検出する検出部137と、を備える。
【0109】
この構成によれば、多数の利用者のコンテキストの差異を検出可能な情報処理装置100を提供することができる。
【0110】
本開示に係る情報処理装置100は、第1抽出部133が抽出した第1グループに含まれる利用者のうち、推定部134が推定したコンテキストが一致する利用者の数が、第1グループに含まれる利用者のうちの所定の割合以上を占める利用者のグループを示す第2グループを抽出する第2抽出部135と、第1グループに含まれる利用者のうち、第2グループに含まれない利用者に対して、第1グループと第2グループのコンテキストの差異に応じてコンテンツを配信する配信部138と、をさらに備える。
【0111】
この構成によれば、多数の利用者のコンテキストの差異を検出し、コンテキストの差異に応じてコンテンツを配信することができる情報処理装置100を提供することができる。
【0112】
本開示に係る情報処理装置100は、第1グループに含まれる利用者に対して、共通の行動の成果を評価する評価部136と、をさらに備え、検出部137は、評価部136が評価した共通の行動の成果が所定の値以下の利用者と、共通の行動の成果が所定の値以上の利用者のコンテキストの差異を検出し、検出部137が検出したコンテキストの差異に応じて、共通の行動の成果が所定の値以下の利用者に対してコンテンツを配信する配信部138と、をさらに備える。
【0113】
この構成によれば、多数の利用者のコンテキストの差異を検出し、コンテキストの差異に応じてコンテンツを配信することができる情報処理装置100を提供することができる。
【0114】
本開示に係る情報処理装置100は、推定部134が推定した第1グループに含まれる利用者のコンテキストに基づいて、利用者に対してコンテンツを配信する配信部138と、をさらに備える。
【0115】
この構成によれば、多数の利用者のコンテキストの差異を検出し、コンテキストの差異に応じてコンテンツを配信することができる情報処理装置100を提供することができる。
【0116】
本開示に係る情報処理方法は、利用者の行動に関する情報を示す行動情報と、利用者端末200が備えるセンサ部250の計測データを示すセンサ情報を取得するステップと、少なくとも行動情報又はセンサ情報のいずれか一方に基づいて、所定の時期の行動が共通する利用者のグループを示す第1グループを抽出するステップと、第1グループに含まれる利用者のコンテキストを、利用者の行動情報又はセンサ情報の少なくとも一方に基づいて推定するステップと、推定された利用者のコンテキストの差異を検出するステップと、を含む。
【0117】
この構成によれば、多数の利用者のコンテキストの差異を検出することができる情報処理方法を提供することができる。
【0118】
本開示に係る情報処理プログラムは、利用者の行動に関する情報を示す行動情報と、利用者端末200が備えるセンサ部250の計測データを示すセンサ情報を取得するステップと、少なくとも行動情報又はセンサ情報のいずれか一方に基づいて、所定の時期の行動が共通する利用者のグループを示す第1グループを抽出するステップと、第1グループに含まれる利用者のコンテキストを、利用者の行動情報又はセンサ情報の少なくとも一方に基づいて推定するステップと、推定された利用者のコンテキストの差異を検出するステップと、を含む。
【0119】
この構成によれば、多数の利用者のコンテキストの差異を検出することができる情報処理プログラムを提供することができる。
【0120】
〔9.付記〕
以上、本願の実施形態を図面に基づいて詳細に説明したが、これは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0121】
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、取得部132は、取得手段や取得回路に読み替えることができる。
【符号の説明】
【0122】
100 情報処理装置
110 通信部
120 記憶部
121 行動情報記憶部
122 センサ情報記憶部
123 モデル記憶部
124 コンテンツ記憶部
130 制御部
131 受付部
132 取得部
133 第1抽出部
134 推定部
135 第2抽出部
136 評価部
137 検出部
138 配信部
200 利用者端末
300 事業者端末
N ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12