(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023137067
(43)【公開日】2023-09-29
(54)【発明の名称】搬送システム、搬送ロボットの制御方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
B65G 1/04 20060101AFI20230922BHJP
B65G 1/137 20060101ALI20230922BHJP
【FI】
B65G1/04 555A
B65G1/137 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022043072
(22)【出願日】2022-03-17
(71)【出願人】
【識別番号】591186176
【氏名又は名称】株式会社 ゼンショーホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】110002468
【氏名又は名称】弁理士法人後藤特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】金田 淳
(72)【発明者】
【氏名】田島 慎也
(72)【発明者】
【氏名】特手 孝典
(72)【発明者】
【氏名】山▲崎▼ 涼都
【テーマコード(参考)】
3F022
3F522
【Fターム(参考)】
3F022AA02
3F022AA09
3F022EE01
3F022FF01
3F022JJ13
3F022MM51
3F022NN56
3F022PP03
3F022PP04
3F022QQ07
3F522AA04
3F522BB16
3F522BB24
3F522BB29
3F522BB35
3F522CC06
3F522DD04
3F522DD05
3F522DD33
3F522EE15
3F522FF02
3F522FF03
3F522FF12
3F522FF27
3F522GG09
3F522HH03
3F522HH05
3F522HH30
3F522JJ02
3F522KK05
3F522LL51
(57)【要約】
【課題】衛生面に優れた搬送システム、搬送ロボットの制御方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】搬送システム1は、レールが間隔を空けて複数対配列される昇降領域100を有する構造体10と、寿司パックPを載置可能な荷台を有し、構造体10では、走行動作時において走行用レールを走行するとともに昇降動作時において昇降領域100に間隔を空けて複数対配列される各レール間を昇降する搬送ロボット2と、を備えるであって、搬送ロボット2の各動作を制御するコントローラ7を備え、昇降領域100には、寿司パックPを載置可能な搬送先載置部B1,B2を有する荷下ろしゾーンRZ1,RZ2が設けられ、コントローラ7は、荷台が下降するように荷下ろしゾーンRZ1,RZ2に位置する搬送ロボット2を制御することにより、寿司パックPを搬送先載置部B1,B2に載置させる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レールが間隔を空けて複数対配列される昇降領域を有する構造体と、
搬送物品を載置可能な荷台を有し、前記構造体では、走行動作時において間隔を空けて複数対配列される前記レールのうちの走行用レールを走行するとともに昇降動作時において前記昇降領域に間隔を空けて複数対配列される各レール間を昇降する搬送ロボットと、を備える搬送システムであって、
前記搬送ロボットの各動作を制御するコントローラを備え、
前記昇降領域には、前記搬送ロボットによって搬送される前記搬送物品を載置可能な搬送先載置部を有する物品搬送先ゾーンが設けられ、
前記コントローラは、前記荷台が下降するように前記物品搬送先ゾーンに位置する前記搬送ロボットを制御することにより、前記搬送物品を前記搬送先載置部に載置させる、
搬送システム。
【請求項2】
請求項1に記載の搬送システムであって、
前記搬送先載置部への前記搬送物品の載置状況を検出する載置状況検出部をさらに備え、
前記構造体は、物品搬送元ゾーンをさらに有し、
前記搬送先載置部への前記搬送物品の載置が前記載置状況検出部によって検出された場合に、前記コントローラは、前記搬送ロボットを前記物品搬送先ゾーンから前記物品搬送元ゾーンへ撤収させるように制御する、
搬送システム。
【請求項3】
請求項2に記載の搬送システムであって、
前記搬送先載置部は、搬送路の下流側から分岐される第1搬送先載置部及び第2搬送先載置部を有し、
前記第1搬送先載置部及び前記第2搬送先載置部の両方への前記搬送物品の未載置が前記載置状況検出部によって検出された場合に、前記コントローラは、前記搬送物品を優先的に前記第1搬送先載置部に載置させるように搬送時の前記搬送ロボットを制御する、
搬送システム。
【請求項4】
請求項3に記載の搬送システムであって、
前記第1搬送先載置部及び前記第2搬送先載置部の両方への前記搬送物品の載置が前記載置状況検出部によって検出された場合に、前記コントローラは、搬送時の前記搬送ロボットの動作を一時的に停止させるように制御する、
搬送システム。
【請求項5】
請求項2から4のいずれか1項に記載の搬送システムであって、
前記物品搬送元ゾーンは、前記昇降領域に設けられ前記搬送物品を載置可能な搬送元載置部を有し、
前記コントローラは、前記物品搬送元ゾーンに位置する前記搬送ロボットの前記荷台を上昇させることにより、前記搬送物品を前記搬送元載置部から持ち上げる、
搬送システム。
【請求項6】
請求項2から5のいずれか1項に記載の搬送システムであって、
前記搬送ロボットの位置を検出する位置検出部をさらに備え、
前記コントローラは、前記位置検出部からの検出結果に基づいて、前記搬送ロボットの動作を制御する、
搬送システム。
【請求項7】
請求項6に記載の搬送システムであって、
前記構造体は、搬送路の上流側において分岐され前記搬送ロボットが待機可能な前記物品搬送元ゾーンとしての第1待機ゾーン及び第2待機ゾーンを有し、
前記位置検出部が前記搬送ロボットが前記第1待機ゾーン及び前記第2待機ゾーンの両方に待機していないと検出した場合に、前記コントローラは、撤収時の前記搬送ロボットを優先的に前記第1待機ゾーンへ移動させるように制御する、
搬送システム。
【請求項8】
請求項6又は7に記載の搬送システムであって、
搬送路は、複数のゾーンに分割され、
前記コントローラは、前記位置検出部からの検出結果に基づいて、同一の時点に一方の前記搬送ロボット及び他方の前記搬送ロボットを同一の前記ゾーンに位置させないように制御する、
搬送システム。
【請求項9】
請求項6から8のいずれか1項に記載の搬送システムであって、
前記構造体は、搬送路の下流側から分岐されるトレイ回収ゾーンをさらに有し、
前記コントローラは、前記位置検出部からの検出結果に基づいて、一方の前記搬送ロボットが搬送時にあると判定した場合に、撤収時の他方の前記搬送ロボットを一時的に前記トレイ回収ゾーンへ移動させるように一方の前記搬送ロボット及び他方の前記搬送ロボットを制御する、
搬送システム。
【請求項10】
請求項6から8のいずれか1項に記載の搬送システムであって、
前記構造体は、搬送路の下流側から分岐されるトレイ回収ゾーンをさらに有し、
前記トレイ回収ゾーンにトレイが載置されたか否かを検出するトレイ検出部をさらに備え、
前記トレイ回収ゾーンへの前記トレイの載置が前記トレイ検出部によって検出された場合に、前記コントローラは、前記搬送ロボットを前記トレイ回収ゾーンへ移動させて前記トレイを回収するように制御する、
搬送システム。
【請求項11】
請求項1に記載の搬送システムであって、
それぞれ複数の客席に設けられる複数の注文入力部をさらに備え、
前記搬送先載置部は、それぞれ複数の前記客席及び複数の前記注文入力部と対応するように搬送路から分岐される複数の搬送先載置地点に設けられ、
前記コントローラは、前記注文入力部への注文入力に基づいて、注文入力された前記搬送物品を前記注文入力部と対応する前記搬送先載置部に載置させるように、前記搬送ロボットを制御する、
搬送システム。
【請求項12】
搬送物品を載置可能な荷台を有し、レールが間隔を空けて複数対配列される昇降領域を有する構造体では、走行動作時において間隔を空けて複数対配列される前記レールのうちの走行用レールを走行するとともに昇降動作時において前記昇降領域に間隔を空けて複数対配列される各レール間を昇降する搬送ロボットの制御方法であって、
前記昇降領域には、前記搬送ロボットによって搬送される前記搬送物品を載置可能な搬送先載置部を有する物品搬送先ゾーンが設けられ、
前記物品搬送先ゾーンに位置する前記搬送ロボットの前記荷台を下降させることにより、前記搬送物品を前記搬送先載置部に載置させるステップを含む、
搬送ロボットの制御方法。
【請求項13】
搬送物品を載置可能な荷台を有し、レールが間隔を空けて複数対配列される昇降領域を有する構造体では、走行動作時において間隔を空けて複数対配列される前記レールのうちの走行用レールを走行するとともに昇降動作時において前記昇降領域に間隔を空けて複数対配列される各レール間を昇降する搬送ロボットを制御するコンピュータが実行可能なプログラムであって、
前記昇降領域には、前記搬送ロボットによって搬送される前記搬送物品を載置可能な搬送先載置部を有する物品搬送先ゾーンが設けられ、
前記物品搬送先ゾーンに位置する前記搬送ロボットの前記荷台を下降させることにより、前記搬送物品を前記搬送先載置部に載置させる手順を前記コンピュータに実行させる、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送システム、搬送ロボットの制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、食品搬送装置をレールに沿って搬送させる搬送システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の搬送システムでは、顧客は、食品を受け取るために、搬送されてきた食品搬送装置に直接触れるおそれがある。
【0005】
そこで、本発明は、このような事情に鑑み、この問題点に着目してなされたものであり、衛生面に優れた搬送システム、搬送ロボットの制御方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のある態様によれば、一対のレールが間隔を空けて複数対配列される昇降領域を有する構造体と、搬送物品を載置可能な荷台を有し、前記構造体では、走行動作時において間隔を空けて複数対配列される前記レールのうちの走行用レールを走行するとともに昇降動作時において前記昇降領域に間隔を空けて複数対配列される各レール間を昇降する搬送ロボットと、を備える搬送システムであって、前記搬送ロボットの各動作を制御するコントローラを備え、前記昇降領域には、前記搬送ロボットによって搬送される前記搬送物品を載置可能な搬送先載置部を有する物品搬送先ゾーンが設けられ、前記コントローラは、前記荷台が下降するように前記物品搬送先ゾーンに位置する前記搬送ロボットを制御することにより、前記搬送物品を前記搬送先載置部に載置させる搬送システムが提供される。
【0007】
また、本発明の他の態様によれば、搬送物品を載置可能な荷台を有し、一対のレールが間隔を空けて複数対配列される昇降領域を有する構造体では、走行動作時において間隔を空けて複数対配列される前記レールのうちの走行用レールを走行するとともに昇降動作時において前記昇降領域に間隔を空けて複数対配列される各レール間を昇降する搬送ロボットの制御方法であって、前記昇降領域には、前記搬送ロボットによって搬送される前記搬送物品を載置可能な搬送先載置部を有する物品搬送先ゾーンが設けられ、前記物品搬送先ゾーンに位置する前記搬送ロボットの前記荷台を下降させることにより、前記搬送物品を前記搬送先載置部に載置させるステップを含む搬送ロボットの制御方法が提供される。
【0008】
さらに、本発明のその他の態様によれば、搬送物品を載置可能な荷台を有し、一対のレールが間隔を空けて複数対配列される昇降領域を有する構造体では、走行動作時において間隔を空けて複数対配列される前記レールのうちの走行用レールを走行するとともに昇降動作時において前記昇降領域に間隔を空けて複数対配列される各レール間を昇降する搬送ロボットを制御するコンピュータが実行可能なプログラムであって、前記昇降領域には、前記搬送ロボットによって搬送される前記搬送物品を載置可能な搬送先載置部を有する物品搬送先ゾーンが設けられ、前記物品搬送先ゾーンに位置する前記搬送ロボットの前記荷台を下降させることにより、前記搬送物品を前記搬送先載置部に載置させる手順を前記コンピュータに実行させるプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0009】
これらの態様によれば、衛生面に優れた搬送システム、搬送ロボットの制御方法及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、本実施形態に係る搬送システムを示す概略説明図である。
【
図2】
図2は、昇降領域に位置する搬送ロボットを示す斜視図である。
【
図4】
図4は、搬送ロボットが昇降する動作を説明する図であって、走行動作時の搬送ロボットを示す正面図である。
【
図5】
図5は、
図4に連続する図であって、アームを回転させて浮かせた車輪を退避させた状態を示す正面図である。
【
図6】
図6は、
図5に連続する図であって、上段及び下段のレールのどちらにもアームが当接した状態を示す正面図である。
【
図7】
図7は、
図6に連続する図であって、下段のレールよりも高く車輪を引き上げた状態を示す正面図である。
【
図8】
図8は、構造体の各ゾーンを示す概略説明図である。
【
図9】
図9は、搬送ロボットが構造体に位置する各地点を示す概略説明図である。
【
図10】
図10は、コントローラ及びコントローラに接続(又は通信)される主要構成を示すブロック図である。
【
図11】
図11は、搬送ロボットの動作制御処理を示すフローチャートである。
【
図12】
図12は、第1搬送ロボットが第1待機ゾーンの下段のレールに位置する状態を示す状態説明図である。
【
図13】
図13は、第1搬送ロボットが第1待機ゾーンの下段のレールから第1待機ゾーンの上段のレールへ上昇する状態を示す状態説明図である。
【
図14】
図14は、第1搬送ロボットが第1待機ゾーンの上段のレールから第1荷下ろしゾーンの上段のレールへ移動する状態を示す状態説明図である。
【
図15】
図15は、第2搬送ロボットが第2待機ゾーンから第1待機ゾーンの下段のレールへ移動する状態を示す状態説明図である。
【
図16】
図16は、第1搬送ロボットが第1荷下ろしゾーンの上段のレールから第1荷下ろしゾーンの下段のレールへ下降する状態を示す状態説明図である。
【
図17】
図17は、第1搬送ロボットが第2待機ゾーンへ移動する状態を示す状態説明図である。
【
図18】
図18は、第2搬送ロボットが第1待機ゾーンの下段のレールから第1待機ゾーンの上段のレールへ移動する状態を示す状態説明図である。
【
図19】
図19は、第2搬送ロボットが第1待機ゾーンの上段のレールから第2荷下ろしゾーンの上段のレールへ移動する状態を示す状態説明図である。
【
図20】
図20は、第1搬送ロボットが第1待機ゾーンの下段のレールへ移動する状態を示す状態説明図である。
【
図21】
図21は、第2搬送ロボットが第2荷下ろしゾーンの上段のレールから第2荷下ろしゾーンの下段のレールへ下降する状態を示す状態説明図である。
【
図22】
図22は、第2搬送ロボットが第2待機ゾーンへ移動する状態を示す状態説明図である。
【
図23】
図23は、第1搬送ロボットの搬送先特定処理を示すフローチャートである。
【
図24】
図24は、第1搬送ロボットがテイクアウト用受取場側交差ゾーンへ移動して待機している状態を示す状態説明図である。
【
図25】
図25は、第1搬送ロボットの撤収先特定処理を示すフローチャートである。
【
図26】
図26は、第1搬送ロボットが第1荷下ろしゾーンの下段のレールからトレイ回収ゾーンの下段のレールを経由してトレイ回収ゾーンの上段のレールへ移動する状態を示す状態説明図である。
【
図27】
図27は、変形例に係る構造体を示す概略側面図である。
【
図28】
図28は、変形例に係る構造体を示す概略平面図である。
【
図29】
図29は、変形例のコントローラ及びコントローラに接続(又は通信)される主要構成を示すブロック図である。
【
図30】
図30は、変形例の搬送ロボットの動作制御処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照しながら本発明を実施するための形態(以下、本実施形態と称する。)について説明する。なお、本明細書においては、全体を通じて、同一の要素には同一の符号を付する。
【0012】
(搬送システムの構成)
まず、
図1を参照しながら本実施形態に係る搬送システム1について説明する。
【0013】
図1は、本実施形態に係る搬送システム1を示す概略説明図である。
【0014】
図1に示すように、本実施形態に係る搬送システム1は、昇降領域100(
図2参照)及び非昇降領域200を有する構造体10と、昇降領域100においてレール間を昇降可能かつ非昇降領域200においてレールを走行可能な二つの搬送ロボット2と、を備える。
【0015】
搬送システム1は、例えば、寿司屋等の飲食店に設けられ、ホールH(具体的には、ホールHのレジ裏)に設けられるテイクアウト用受取場R及び厨房Kを構造体10によって連通させるものである。具体的には、搬送システム1は、テイクアウト用寿司等の料理が収容される搬送物品としての寿司パックP及び寿司パックPが収容されるトレイT(以下、単に寿司パックPともいう)が載置される搬送ロボット2を、構造体10内において移動(走行又は昇降)させることによって寿司パックPを厨房KからホールHへ提供し、その後、搬送ロボット2に空きのトレイTを持ち上げさせてから、搬送ロボット2を構造体10内において移動(走行又は昇降)させることによって空きのトレイTをホールHから厨房Kへ回収する。
【0016】
このように、寿司パックPの搬送及び空きのトレイTの回収は、搬送システム1を用いて行われるため、飲食店のユーザとしての従業員の負担を減らし、業務効率化の改善に寄与することができる。
【0017】
本実施形態では、搬送システム1は、飲食店に設置されるものとして説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、物流の分配を行う物流倉庫に設置されてもよい。
【0018】
本実施形態では、搬送システム1に用いられる二つの搬送ロボット2のうちの一方及び他方をそれぞれ第1搬送ロボット21及び第2搬送ロボット22として説明する。
【0019】
(昇降領域の構成)
次に、
図2を参照しながら構造体10の一部を構成する昇降領域100について説明する。
【0020】
図2は、昇降領域100に位置する搬送ロボット2を示す斜視図である。
【0021】
昇降領域100には、レール(101L,101R),…(104L,104R)が上下に間隔を空けて複数対配列される。
【0022】
レールの上面には、搬送ロボット2の後述する走行機構4や昇降機構3が当接する。各々のレールは、上面がおおむね平坦な棒状に形成されている。上面に微細な凹凸を付与して滑り止め等にしてもよい。レールの材質は特に限定されず、金属であってもよいし、樹脂であってもよい。各々のレールは、直線状に延在していてもよいし、湾曲して延在していてもよい。
【0023】
レールの上面の幅は、搬送ロボット2の後述する車輪41の幅よりも幅広に形成されている。レールの上面以外の形状は、特に限定されるものではなく、レールの断面が矩形であってもよいし、他の形状であってもよい。断面形状が異なるレールを混在させて上下に配列してもよい。上下に配列されるレール同士において、任意のレール(例えば、102L)の上面から当該レール102Lの一段上のレール103Lの上面までの間隔は、任意のレール102Lの上面から当該レール102Lの一段下のレール101Lの上面までの間隔と等しい。
【0024】
昇降領域100は、昇降中の搬送ロボット2の移動を案内する昇降ガイド120、走行中の搬送ロボット2の移動を案内する走行ガイド130等をさらに備えていてもよい。昇降ガイド120及び走行ガイド130については
図4から
図7を参照して後で説明する。
【0025】
(搬送ロボットの構成)
次に、
図3~7を参照しながら搬送システム1の一部を構成する搬送ロボット2について説明する。
【0026】
図3は、搬送ロボット2を示す斜視図である。
図4は、搬送ロボット2が昇降する動作を説明する図であって、走行動作時の搬送ロボット2を示す正面図である。
図5は、
図4に連続する図であって、アーム31を回転させて浮かせた車輪41を退避させた状態を示す正面図である。
図6は、
図5に連続する図であって、上段及び下段のレールのどちらにもアーム31が当接した状態を示す正面図である。
図7は、
図6に連続する図であって、下段のレールよりも高く車輪41を引き上げた状態を示す正面図である。
【0027】
搬送ロボット2は、本体20と、該本体20に組み付けられた昇降機構3及び走行機構4と、を備える。昇降機構3は、搬送ロボット2が昇降領域100を垂直移動する昇降動作に用いられ、走行機構4は、搬送ロボット2が昇降領域100を水平移動する走行動作に用いられる。本体20は、昇降機構3及び走行機構4の動作を制御する制御部を備えている。
【0028】
昇降機構3は、回転可能に構成されたアームプレート30と、アームプレート30を回転駆動するアーム駆動部32とを備えている。アームプレート30は、搬送ロボット2の第1側(例えば左側)と第2側(例えば右側)とに少なくとも一つずつ設けられる。アームプレート30は、本実施形態における回転体の一例である。各々のアームプレート30は、少なくとも一つのアーム31を備える。図示した例では、各々のアームプレート30が、卍状(Swastika shape)に形成され、アームプレート30の回転中心Oを通る回転軸の時計回りに90度ずつ等間隔に配置された四本のアーム31を備える。
【0029】
本体20の左側に取り付けられたアームプレート30(第1回転体の一例)と、本体20の右側に取り付けられたアームプレート30(第2回転体の一例)とは、左右対称に形成され、互いに逆向きに回転する。本体20の左側は第1側の一例であり、右側が第2側の一例である。右側を第1側とし、左側を第2側としてもよい。各々のアーム31の先端には、レールと当接可能な当接部34A~34Dが設けられる。
【0030】
図3では、当接部34A~34Dが円盤状に形成され、アーム31の回転軸と平行な回転軸を有するローラで構成されている。後述する昇降動作(
図4から
図7参照)において、アームプレート30が回転するとき、当接部34A~34Dがレールの上面と摺接しながらレールの幅方向に僅かに移動する。当接部34A~34Dに回転可能なローラを設ければ、ローラが転動することにより当接部34A~34Dとレールとの間の摩擦を低減して塵埃の発生を抑えることができる。
【0031】
走行機構4は、レール上を走行可能な少なくとも一対の車輪41と、車輪41を回転駆動する車輪駆動部42と、車輪41の舵角を変更する転舵駆動部43と、を備える。
図3では、本体20が略方形の平板状に形成され、本体20の四隅にアームプレート30及び車輪41が一つずつ取り付けられる。つまり、搬送ロボット2が、左右一対のアームプレート30を二組備え、左右一対の車輪41を二組備える。
【0032】
アームプレート30及び車輪41の構成は図示した例に限定されない。搬送ロボット2は、一対のアームプレート30を一組だけ備えてもよいし、三組以上備えてもよい。搬送ロボット2は、一対の車輪41を一組だけ備えてもよいし、三組以上備えてもよい。
【0033】
図3では、各々のアームプレート30に対応してアーム駆動部32が一つずつ設けられ、各々の車輪41に対応して車輪駆動部42が一つずつ設けられている。一つのアーム駆動部32が複数のアームプレート30をまとめて駆動するように構成してもよい。同様に、一つの車輪駆動部42が複数の車輪41をまとめて駆動するように構成してもよい。
【0034】
図3では、各々の車輪41に対応して転舵駆動部43が一つずつ設けられる。転舵駆動部43の構成は図示した例に限定されない。複数の車輪41に対応して一つの転舵駆動部43が設けられるように構成してもよい。転舵駆動部43は、略直方体に形成され、本体20と車輪駆動部42との間を接続している。
【0035】
転舵駆動部43の下面の中心に設けられた出力軸は、車輪駆動部42の上面の中心から偏心した位置に固定される。車輪駆動部42の出力軸は、水平方向に延在し、車輪41の車軸に固定される。車輪41は、車輪駆動部42の上面の中心から見て転舵駆動部43の出力軸とは反対側に位置する。つまり、転舵駆動部43の出力軸から見た車輪41は、車輪駆動部42の上面の中心よりもさらに離れた位置にある。
【0036】
四輪にそれぞれ設けられた転舵駆動部43は、鉛直軸回りに車輪駆動部42を回転させ、車輪駆動部42ごと直下にある車輪41の舵角を変更できる。前輪及び後輪の舵角がともにゼロであれば、搬送ロボット2が真っ直ぐ走行する。一方、前輪及び後輪の少なくとも一方の舵角がゼロでなければ、搬送ロボット2が曲がりながら走行する。いずれにせよ、搬送ロボット2が真っ直ぐ走行したり、カーブを曲がったりするとき、左右の前輪は、舵角が等しく互いに平行であり、左右の後輪は、舵角が等しく互いに平行である。
【0037】
本実施形態の搬送ロボット2は、左右の前輪の舵角を個別に変更可能、かつ左右の後輪の舵角を個別に変更可能である。換言すると、左右の前輪が平行ではなく直交し、左右の後輪が平行ではなく直交し、略方形の本体20の対角に位置した車輪41が平行になるように操舵できる。この状態で本体20の対角に位置した車輪41を互いに逆向きに回転させると、本体20の中心を軸にして、搬送ロボット2が独楽のように360度旋回する。四輪の舵角を個別に変更できる本実施形態の搬送ロボット2は、前進することなくその場で360度旋回できるため、前述した方向転換スペースのような狭い場所でも方向転換できる。転舵駆動部43は、車輪41の舵角を変更することにより、車輪41がレール102L,102Rに干渉しないように、各々の車輪41を退避させることができる。車輪41の退避については
図4及び
図5を参照して後で説明する。
【0038】
図3では、搬送ロボット2の昇降機構3が第1被ガイド部35をさらに備え、走行機構4が第2被ガイド部45をさらに備える。第1被ガイド部35は、搬送ロボット2が昇降領域100のレール間を昇降する昇降動作において、昇降領域100の昇降ガイド120に当接することにより搬送ロボット2の左側又は右側への移動を規制する。同様に、第2被ガイド部45は、搬送ロボット2が走行する走行動作において、走行ガイド130に当接することにより搬送ロボット2の左側又は右側への移動を規制する。
【0039】
図3では、第1被ガイド部35が、円盤状に形成された回転可能なローラであり、各々のアーム31に付設される。第1被ガイド部35は、例えば、回転中心Oと当接部34A~34Dと双方から等距離の曲げ部に配置され、アーム31の回転軸と平行な回転軸を有する。
【0040】
図3では、第2被ガイド部45が、円盤状に形成された回転可能なローラであり、各々の車輪41に付設される。搬送ロボット2が左側へ移動することを規制する第2被ガイド部45は、左側の車輪41に付設されて該車輪41よりも左側に突出する。同様に、搬送ロボット2が右側へ移動することを規制する第2被ガイド部45は、右側の車輪41に付設されて該車輪41よりも右側に突出する。この第2被ガイド部45は、必ずしも回転可能なローラである必要はなく、円形の部材であればよい。
【0041】
図3では、搬送ロボット2が、本体20の上に取り付けられたトレイリフト機構23をさらに備える。トレイリフト機構23は、上面にトレイを載置するための荷台と、適切な荷台を上下に移動させる昇降機構(図示しない)と、を有する。このトレイリフト機構23により、例えば、下段のレール101L,101Rに待機中の搬送ロボット2が、上段のレールの高さまでトレイを持ち上げたり、上段のレールの高さからトレイを受け取ったりすることができる。
【0042】
続いて、
図4から
図7を参照して
図3に示された搬送ロボット2が昇降領域100を昇降する動作について説明する。ただし、
図4から
図7は、細部の形状を模式的に示しているため、アームの形状等が
図3と異なる場合がある。走行動作における搬送ロボット2は、
図4に示すように、左側の車輪41が直下にある左側のレール101Lから浮いておらず当該レールに当接し、右側の車輪41が直下の右側のレール101Rから浮いておらず当該レールに当接する。
【0043】
車輪41を含む走行機構4に付設された第2被ガイド部45は、左右方向において昇降領域100の走行ガイド130に対向している。アームプレート30は、各々のアーム31の当接部34A~34Dが本体20よりも第1側又は第2側に位置することが可能なように本体20に設けられる。アーム31の当接部34A~34Dは、レール102L,102Rから離間している。
【0044】
昇降動作において搬送ロボット2がレール101L,101Rから一段上のレール102L,102Rに上昇する場合、まず、アームプレート30を回転させる。アームプレート30に取り付けられた各アーム31は、アームプレートの回転に従って、当接部34A~34Dが回転中心Oを軸とした円形の軌跡を描くように回転する。すなわち、アーム31の回転中心とアームプレート30の回転中心とは同心となる。
【0045】
回転中心Oを基準にした当接部34Aの高さは、正弦波の変位量で表され、アーム31の回転角に応じて周期的に変化する。当接部34Aの高さが低くなる向き(紙面手前から見て反時計回り)にアーム31が回転すると、当接部34Aが下方に移動して、
図5に示すように、やがて、直下のレール102Lと当接する。アーム31がさらに回転すると、下方へ向かう当接部34Aの移動がレール102Lに阻まれて、当接部34Aが下方へ移動できなくなる。
【0046】
このとき回転中心Oは、当接部34Aに対して相対的に上方へ移動する。当接部34Aがそれ以上は下方へ移動できなくなると、その分だけ回転中心Oが上方へ移動する。回転中心Oを有するアーム駆動部32は、本体20に固定されるため、回転中心Oとともに本体20と該本体20に固定された走行機構4が上方へ移動する。
【0047】
つまり、この状態でさらにアーム31を回転させれば、下方へ移動しようとする当接部34Aでレール102L,102Rを押圧し、その反力によって車輪41をレール101L,101Rから浮かせることができる。次いで、
図5に示すように、舵角可変機構を用いて左側の車輪41を左側のレール102Lよりも右側に退避させ、右側の車輪41を右側のレール102Rよりも左側に退避させる。
【0048】
前述したように、転舵駆動部43の出力軸は車輪41から離れた位置において車輪駆動部42の上面に固定される。転舵駆動部43の出力軸から見て車輪41が左右方向外側に位置している状態で舵角を180度変化させれば、車輪41が転舵駆動部43の出力軸回りに公転し、当該軸から見て180度反対側、すなわち左右方向内側に移動する。転舵駆動部43は、舵角可変機構の一例であり、車輪41の公転半径に応じて車輪間の距離を短縮できる。この結果、昇降動作の際に車輪がレールと干渉することを防ぐ。
【0049】
アーム31をさらに回転させ、レール102L,102Rを足場にして本体20と共に車輪41を引き上げる。
図6に示すように、参照符号L1,R1で示すアーム31をさらに回転させると、レール102L,102Rよりも上段のレール103L,103Rに参照符号L2,R2で示す他のアーム31が当接する。前述した上下のレール102Lの上面とレール103Lの上面との間隔は、当接部34の高さを表す正弦波の振幅(最大変位量)と略同一か振幅よりも僅かに小さい。
【0050】
本実施形態の搬送ロボット2は、本体20の第1側(例えば、左側)に少なくとも一つずつ設けられた第1及び第2アームL1,L2と、本体20の第2側(例えば右側)に少なくとも一つずつ設けられた第3及び第4アームR1,R2と、を備える。第1及び第2アームL1,L2のいずれか一方(例えば第1アームL1)が当該アームの回転中心Oよりも下側に位置した下段のレール102Lに当接可能な状態において、第1及び第2アームL1,L2のいずれか他方(例えば第2アームL2)が当該アームの回転中心Oよりも上側に位置した上段のレール103Lに当接可能であり、第3及び第4アームR1,R2のいずれか一方(例えば第3アームR1)が当該アームの回転中心Oよりも下側に位置した下段のレール102Rに当接可能な状態において、第3及び第4アームR1,R2のいずれか他方(例えば第4アームR2)が当該アームの回転中心Oよりも上側に位置した上段のレール103Rに当接可能である。
【0051】
図6に示した例では、本体20の左側に設けられた紙面奥行き方向に前後二枚のアームプレート30の各々が、第1及び第2アームL1,L2を備える。本体20の右側に設けられた紙面奥行き方向に前後二枚のアームプレート30の各々が、第3及び第4アームR1,R2を備える。
【0052】
図6に示した例では、レール102Lとレール103Lとの間に、搬送ロボット2の左側への移動を規制する昇降ガイド120が設けられる。同様に、レール102Rとレール103Rとの間に、搬送ロボット2の右側への移動を規制する昇降ガイド120が設けられる。左側への移動を規制する昇降ガイド120は、例えば、第1被ガイド部35の移動軌跡上に配置され、上側に向かうに従い右側に向かう傾斜面に形成される。傾斜面は、レール102Lの内縁とレール103Lの内縁とを含む仮想面に対して例えば45度傾斜する。右側への移動を規制する昇降ガイド120は、左側への移動を規制する昇降ガイド120と左右対称に形成される。
【0053】
図5に示した状態から
図6に示した状態に移るとき、アーム31に設けられた第1被ガイド部35が昇降領域100に設けられた昇降ガイド120に当接し、搬送ロボット2が左右一対のレール103L,103Rから等距離になるように案内される。この際、第1被ガイド部35と昇降ガイド120との接触部が支点となり、アームプレート30の回転運動に伴って、レール上のアームL1,R1の各当接部34Aが本体20側に摺動し、本体20とともに車輪41が引き上げられる。搬送ロボット2は、左右一対のレール103L,103Rから等距離になるように案内されるため、アームL2,R2の当接部34A,34Bが所望の位置にて各レール103L,103Rに接触可能となる。
【0054】
図6に示された状態から第2アームL2及び第4アームR2をさらに回転させると、自重を支える足場がレール102L,102Rから該レール102L,102Rよりも上段のレール103L,103Rに切り替わる。レール103L,103Rを足場にしてアーム31が本体20と共に車輪41をより高く引き上げることができる。
【0055】
また、レール102L,102Rから各アーム31の当接部34Aが離間した後は、第1被ガイド部35と昇降ガイド120との接触部を支点として、アームプレート30の回転運動に伴って、当接部34Aがレール103L,103R上を本体20側から離れる方向に摺動し、本体20と共に車輪41が引き上げられる。
【0056】
図7に示すように、下段のレール102L,102Rよりも高く車輪41を引き上げると、舵角可変機構を用いて下段のレール102L,102Rの直上に車輪41を移動させてから、アーム31を逆回転させて上段のレール103L,103Rからアーム31を離間させると、車輪41がレール102L,102Rに着地し、再び走行動作になる。
【0057】
以上の手順により、レール101L,101Rの延在方向に対して任意の場所において、レール101L,101Rから該レール101L,101Rよりも上段のレール102L,102Rに車輪41を引き上げて搬送ロボット2を昇降領域100の任意の場所で上昇させることができる。搬送ロボット2は、同様の手順により、下段のレール101L,101Rではなく方向転換スペース140のような平坦な場所から上段のレール102L,102Rに移動することもできる。
【0058】
図4から
図7を参照して説明した一連の動作を逆順で行えば、レール102L,102Rから該レール102L,102Rよりも下段のレール101L,101Rに車輪41を下して搬送ロボット2を下降させることができる。すなわち、走行動作から昇降動作に切り替えて、搬送ロボット2が昇降領域100を下降する場合、まず、アーム31を回転させて車輪41を浮かせる。
【0059】
次いで、
図7に示すように、車輪41を退避させる。上段のレール103L,103Rにぶら下がりながら下段のレール102L,102Rにアーム31を近づけると、
図6に示すように、回転中心Oよりも上側のレール103L,103Rにアーム31(第2及び第4アームL2,R2)が当接し、回転中心Oよりも下側のレール102L,102Rにアーム31(第1及び第3アームL1,R1)が当接する。
【0060】
図6に示された状態から第1及び第3アームL1,R1をさらに回転させると、
図5に示すように、自重を支える足場が上段のレール103L,103Rから下段のレール102L,102Rに切り替わる。
図4に示すように、レール102L,102Rを足場にして車輪41をレール101L,101Rの高さまで下す。
【0061】
退避させていた車輪41をレール101L,101Rの直上に移動させ、
図4に示すように、アーム31をさらに回転させてレール102L,102Rから離間させ、車輪41をレール101L,101Rに着地させる。
【0062】
以上の手順により、レール102L,102Rの任意の場所においてレール102L,102Rから該レール102L,102Rよりも下段のレール101L,101Rに車輪41を下して搬送ロボット2を下降させることができる。搬送ロボット2は、同様の手順により、下段のレール101L,101Rではなく方向転換スペース140のような平坦な場所に着地することもできる。
【0063】
(構造体の構成)
次に、
図8及び
図9を参照しながら搬送システム1の一部を構成する構造体10について説明する。
【0064】
図8は、構造体10の各ゾーンを示す概略説明図である。
図9は、搬送ロボット2が構造体10に位置する各地点を示す概略説明図である。
【0065】
図8に示すように、構造体10は、搬送ロボット2を厨房KとホールHとの間に往復移動させるための立体的構造物である。構造体10は、厨房K側とホールHのテイクアウト用受取場R側とを連通させる搬送路Lと、搬送路Lの上流側としての厨房K側において分岐される搬送ロボット2が待機可能な物品搬送元ゾーンとしての第1待機ゾーンWZ1及び第2待機ゾーンWZ2と、搬送路Lの下流側としてのテイクアウト用受取場R側から分岐される物品搬送先ゾーンとしての第1荷下ろしゾーンRZ1、物品搬送先ゾーンとしての第2荷下ろしゾーンRZ2及びトレイ回収ゾーンTZと、を備える。
【0066】
ここでは、第1待機ゾーンWZ1、第2待機ゾーンWZ2、第1荷下ろしゾーンRZ1、第2荷下ろしゾーンRZ2及びトレイ回収ゾーンTZは、いずれも昇降領域100に属する。
【0067】
搬送路Lは、搬送ロボット2が往復移動可能な単一の搬送路である。後述する一方の搬送ロボットとしての第1搬送ロボット21及び他方の搬送ロボットとしての第2搬送ロボット22は、搬送路Lを通じて同時にそれぞれ寿司パックPの搬送及びトレイTの回収を行うことができない。すなわち、同時に第1搬送ロボット21及び第2搬送ロボット22にそれぞれ寿司パックPの搬送及びトレイTの回収を行わせると、第1搬送ロボット21及び第2搬送ロボット22は、互いに干渉してしまう。
【0068】
また、搬送路Lは、上流側から下流側へ向かって順に分割される厨房側昇降ゾーンKLZ、厨房側交差ゾーンKCZ、フロア走行ゾーンFRZ、テイクアウト用受取場側交差ゾーンRCZ、第1テイクアウト用受取場側昇降ゾーンRLZ1、第2テイクアウト用受取場側昇降ゾーンRLZ2及び第3テイクアウト用受取場側昇降ゾーンRLZ3を有する。
【0069】
ここでは、厨房側昇降ゾーンKLZ、第1テイクアウト用受取場側昇降ゾーンRLZ1、第2テイクアウト用受取場側昇降ゾーンRLZ2及び第3テイクアウト用受取場側昇降ゾーンRLZ3は、いずれも昇降領域100に属する。
【0070】
一方、厨房側交差ゾーンKCZ、フロア走行ゾーンFRZ及びテイクアウト用受取場側交差ゾーンRCZは、いずれも、搬送ロボット2が昇降不能な非昇降領域200に属する。すなわち、フロア走行ゾーンFRZ及びテイクアウト用受取場側交差ゾーンRCZには、一対のレールのみが設けられる。そして、厨房側交差ゾーンKCZのレールの左端とフロア走行ゾーンFRZのレールの右端とが連通するとともに、厨房側交差ゾーンKCZのレールの右端とフロア走行ゾーンFRZのレール左端とが連通する。これにより、搬送ロボット2を、連通されるレールに沿って走行させることができる。
【0071】
厨房側昇降ゾーンKLZは、仕切壁WよりもホールH側に位置するように仕切壁Wと隣接するとともに上下方向に沿って延在して設けられる。厨房側昇降ゾーンKLZは、下端が第1待機ゾーンWZ1及び第2待機ゾーンWZ2と連通するとともに、上端が厨房側交差ゾーンKCZと連通する。
【0072】
厨房側昇降ゾーンKLZの下端が第1待機ゾーンWZ1と連通するとは、厨房側昇降ゾーンKLZの二対の下段のレールと第1待機ゾーンWZ1の上段のレール及び下段のレールとがそれぞれ連通することである。一方、厨房側昇降ゾーンKLZの下端が第2待機ゾーンWZ2と連通するとは、厨房側昇降ゾーンKLZの最下段のレールと第2待機ゾーンWZ2の上段のレールとが搬送ロボット2が両レール間を昇降可能に上下に間隔を空けて配列されることである。同様に、厨房側昇降ゾーンKLZの上端が厨房側交差ゾーンKCZと連通するとは、厨房側昇降ゾーンKLZの最上段のレールと厨房側交差ゾーンKCZのレールとが搬送ロボット2が両レール間を昇降可能に上下に間隔を空けて配列されることである。
【0073】
図9に示すように、第1待機ゾーンWZ1は、厨房KとホールHとを仕切る仕切壁Wを貫通して厨房K側に位置するように設けられる。第1待機ゾーンWZ1は、上から下へ向かって順に配列される搬送元載置部A、第1載積地点としての上段のレール及び第1充電地点としての下段のレールと、搬送ロボット2が下段のレールに位置する際に搬送ロボット2を充電可能な第1充電部BAT1と、を有する。
【0074】
搬送元載置部Aは、寿司パックPを載置可能であるように間隔を空けて設けられる一対の板状部材である。搬送元載置部Aには、搬送元載置部Aへの寿司パックPの載置状況を検出する搬送元載置状況検出センサS1が設けられる。搬送元載置状況検出センサS1は、例えば、荷重センサから構成される。
【0075】
また、搬送元載置部Aの上方には、搬送ロボット2の荷台に載置される寿司パックPの高さが所定の高さを超えたか否かを検出する高さオーバー検出センサS2が設けられる。高さオーバー検出センサS2は、例えば、レーザ光反射センサから構成される。
【0076】
そして、搬送ロボット2が下段のレールから上段のレールへ上昇すると、搬送ロボット2の荷台が一対の搬送元載置部A間を通り抜けて上昇し、寿司パックPを搬送元載置部Aから持ち上げて搬送することができる。一方、搬送ロボット2が上段のレールから下段のレールへ下降すると、搬送ロボット2は、第1充電部BAT1によって充電される。
【0077】
第2待機ゾーンWZ2は、厨房側昇降ゾーンKLZの下方(具体的には、真下)に設けられる。第2待機ゾーンWZ2は、上から下へ向かって順に配列される上段のレール及び第2充電地点(又は、トレイ戻し地点)としての下段のレールと、搬送ロボット2が下段のレールに位置する際に搬送ロボット2を充電可能な第2充電部BAT2と、を有する。
【0078】
第1待機ゾーンWZ1の下方(具体的には、真下)には、第2待機ゾーンWZ2と隣接するようにトレイ戻りゾーンTBZが設けられる。トレイ戻りゾーンTBZには、トレイ戻り地点が設けられる。
【0079】
第2待機ゾーンWZ2及びトレイ戻りゾーンTBZには、トレイTを摺動させることが可能であるように間隔を空けて設けられる一対の傾斜部PLが設けられる。そして、搬送ロボット2が厨房側昇降ゾーンKLZの下端の最下段のレールから第2待機ゾーンWZ2の下段のレールへ下降すると、搬送ロボット2が一対の傾斜部PLを通り抜けるとともに、搬送ロボット2の荷台に載置されたトレイTが傾斜部PLに沿って摺動してトレイ戻り地点に戻る。一方、搬送ロボット2が上段のレールから下段のレールへ下降すると、搬送ロボット2は、第2充電部BAT2によって充電される。
【0080】
厨房側交差ゾーンKCZは、厨房側昇降ゾーンKLZとフロア走行ゾーンFRZとを連通させるゾーンである。厨房側交差ゾーンKCZは、厨房側昇降ゾーンKLZの上方(具体的には、真上)に位置するように天井付近に設けられる。
【0081】
フロア走行ゾーンFRZは、厨房側交差ゾーンKCZとテイクアウト用受取場側交差ゾーンRCZとを連通させるゾーンである。フロア走行ゾーンFRZは、ホールH内の客席を避けるように天井付近に設けられる。
図8では、フロア走行ゾーンFRZは、直線状として描かれているが、これに限定されるものではなく、例えば、天井付近にある配管や通気口等を避けながら湾曲して設けられてもよい。
【0082】
テイクアウト用受取場側交差ゾーンRCZは、フロア走行ゾーンFRZと第1テイクアウト用受取場側昇降ゾーンRLZ1と連通させるゾーンである。テイクアウト用受取場側交差ゾーンRCZは、第1テイクアウト用受取場側昇降ゾーンRLZ1の上方(具体的には、真上)に位置するように天井付近に設けられる。
【0083】
第1テイクアウト用受取場側昇降ゾーンRLZ1は、テイクアウト用受取場Rと隣接するとともに上下方向に沿って延在して設けられる。第1テイクアウト用受取場側昇降ゾーンRLZ1は、下端が第2荷下ろしゾーンRZ2及び第2テイクアウト用受取場側昇降ゾーンRLZ2と連通するとともに、上端がテイクアウト用受取場側交差ゾーンRCZと連通する。
【0084】
第1テイクアウト用受取場側昇降ゾーンRLZ1の下端が第2荷下ろしゾーンRZ2と連通するとは、第1テイクアウト用受取場側昇降ゾーンRLZ1の二対の下段のレールと第2荷下ろしゾーンRZ2の上段のレール及び下段のレールとがそれぞれ連通することである。一方、第1テイクアウト用受取場側昇降ゾーンRLZ1の下端が第2テイクアウト用受取場側昇降ゾーンRLZ2と連通するとは、第1テイクアウト用受取場側昇降ゾーンRLZ1の最下段のレールと第2テイクアウト用受取場側昇降ゾーンRLZ2の上段のレールとが搬送ロボット2が両レール間を昇降可能に上下に間隔を空けて配列されることである。同様に、第1テイクアウト用受取場側昇降ゾーンRLZ1の上端がテイクアウト用受取場側交差ゾーンRCZと連通するとは、第1テイクアウト用受取場側昇降ゾーンRLZ1の最上段のレールとテイクアウト用受取場側交差ゾーンRCZのレールとが搬送ロボット2が両レール間を昇降可能に上下に間隔を空けて配列されることである。
【0085】
第2テイクアウト用受取場側昇降ゾーンRLZ2は、第1テイクアウト用受取場側昇降ゾーンRLZ1の下方(具体的には、真下)に設けられる。第2テイクアウト用受取場側昇降ゾーンRLZ2は、第1テイクアウト用受取場側昇降ゾーンRLZ1、第1荷下ろしゾーンRZ1及び第3テイクアウト用受取場側昇降ゾーンRLZ3と連通する。
【0086】
第2テイクアウト用受取場側昇降ゾーンRLZ2と第1荷下ろしゾーンRZ1とが連通するとは、第2テイクアウト用受取場側昇降ゾーンRLZ2の上段のレール及び下段のレールと第1荷下ろしゾーンRZ1の上段のレール及び下段のレールとがそれぞれ連通することである。一方、第2テイクアウト用受取場側昇降ゾーンRLZ2が第3テイクアウト用受取場側昇降ゾーンRLZ3と連通するとは、第2テイクアウト用受取場側昇降ゾーンRLZ2の下段のレールと第3テイクアウト用受取場側昇降ゾーンRLZ3の上段のレールとが搬送ロボット2が両レール間を昇降可能に上下に間隔を空けて配列されることである。
【0087】
第3テイクアウト用受取場側昇降ゾーンRLZ3は、第2テイクアウト用受取場側昇降ゾーンRLZ2の下方(具体的には、真下)に設けられる。第3テイクアウト用受取場側昇降ゾーンRLZ3は、第2テイクアウト用受取場側昇降ゾーンRLZ2及びトレイ回収ゾーンTZと連通する。
【0088】
第3テイクアウト用受取場側昇降ゾーンRLZ3とトレイ回収ゾーンTZとが連通するとは、第3テイクアウト用受取場側昇降ゾーンRLZ3の上段のレール及び下段のレールとトレイ回収ゾーンTZの上段のレール及び下段のレールとがそれぞれ連通することである。
【0089】
図9に示すように、第1荷下ろしゾーンRZ1は、第2テイクアウト用受取場側昇降ゾーンRLZ2とテイクアウト用受取場Rの下段とを連通させるゾーンである。第1荷下ろしゾーンRZ1は、上から下へ向かって順に配列される搬送先載置部としての第1搬送先載置部B1、第1搬入地点としての上段のレール及び第1荷下ろし地点としての下段のレールを有する。
【0090】
第1搬送先載置部B1は、寿司パックPを載置可能であるように間隔を空けて設けられる一対の板状部材である。第1搬送先載置部B1には、第1搬送先載置部B1への寿司パックPの載置状況を検出する載置状況検出部としての第1搬送先載置状況検出センサS3が設けられる。第1搬送先載置状況検出センサS3は、例えば、荷重センサから構成される。
【0091】
搬送ロボット2が第1荷下ろしゾーンRZ1の上段のレールを走行すると、搬送ロボット2の荷台に載置される寿司パックPは、第1搬送先載置部B1と接触しないように第1搬送先載置部B1の上方において移動する。これにより、搬送ロボット2は、寿司パックPを第1荷下ろしゾーンRZ1へ搬入することができる。
【0092】
そして、搬送ロボット2が第1荷下ろしゾーンRZ1の上段のレールから第1荷下ろしゾーンRZ1の下段のレールへ下降すると、搬送ロボット2の荷台に載置される寿司パックPは、荷台から離間して第1搬送先載置部B1に載置される。
【0093】
図9に示すように、第2荷下ろしゾーンRZ2は、第1荷下ろしゾーンRZ1の上方(具体的には、真上)に設けられる。第2荷下ろしゾーンRZ2は、第1テイクアウト用受取場側昇降ゾーンRLZ1とテイクアウト用受取場Rの上段とを連通させるゾーンである。第2荷下ろしゾーンRZ2は、上から下へ向かって順に配列される搬送先載置部としての第2搬送先載置部B2、第2搬入地点としての上段のレール及び第2荷下ろし地点としての下段のレールを有する。
【0094】
第2搬送先載置部B2は、寿司パックPを載置可能であるように間隔を空けて設けられる一対の板状部材である。第2搬送先載置部B2には、第2搬送先載置部B2への寿司パックPの載置状況を検出する載置状況検出部としての第2搬送先載置状況検出センサS4が設けられる。第2搬送先載置状況検出センサS4は、例えば、荷重センサから構成される。
【0095】
搬送ロボット2が第2荷下ろしゾーンRZ2の上段のレールを走行すると、搬送ロボット2の荷台に載置される寿司パックPは、第2搬送先載置部B2と接触しないように第2搬送先載置部B2の上方において移動する。これにより、搬送ロボット2は、寿司パックPを第2荷下ろしゾーンRZ2へ搬入することができる。
【0096】
そして、搬送ロボット2が第2荷下ろしゾーンRZ2の上段のレールから第2荷下ろしゾーンRZ2の下段のレールへ下降すると、搬送ロボット2の荷台に載置される寿司パックPは、荷台から離間して第2搬送先載置部B2に載置される。
【0097】
図9に示すように、トレイ回収ゾーンTZは、テイクアウト用受取場R及び第1荷下ろしゾーンRZ1の両方の下方に設けられる。トレイ回収ゾーンTZは、上から下へ向かって順に配列されるトレイ載置部B3、第2載積地点としての上段のレール及び下段のレールを有する。
【0098】
トレイ載置部B3は、トレイTを載置可能であるように間隔を空けて設けられる一対の板状部材である。トレイ載置部B3には、トレイ載置部B3への空きのトレイTの載置状況を検出するトレイ検出部としてのトレイ検出センサS5が設けられる。トレイ検出センサS5は、例えば、荷重センサから構成される。
【0099】
搬送ロボット2がトレイ回収ゾーンTZの下段のレールを走行すると、搬送ロボット2は、空きのトレイTの真下に潜り込むことができる。そして、搬送ロボット2がトレイ回収ゾーンTZの下段のレールからトレイ回収ゾーンTZの上段のレールへ上昇すると、搬送ロボット2の荷台が一対のトレイ載置部B3間を通り抜けて上昇し、空きのトレイTをトレイ載置部B3から持ち上げて回収することができる。
【0100】
このように、構造体10を立体的に厨房K及びホールHの両方に設けることにより、客席のレイアウトに影響を与えることなく、寿司パックPを搬送ロボット2によって厨房KからホールHへ搬送することができる。
【0101】
(搬送システムの他の構成)
次に、
図1、
図8から
図10を参照しながら搬送システム1の他の構成について説明する。
【0102】
図10は、コントローラ7及びコントローラ7に接続(又は通信)される主要構成を示すブロック図である。
【0103】
図1、
図8から
図10に示すように、搬送システム1は、搬送ロボット2の位置を検出する位置検出部としての位置検出センサS6と、搬送ロボット2のオン/オフや一時的な停止等を操作する操作部5と、所定の情報を報知する報知部6と、搬送ロボット2の各動作を制御するコントローラ7と、をさらに備える。
【0104】
位置検出センサS6は、第1搬送ロボット21の位置を検出する第1位置検出センサと、第2搬送ロボット22の位置を検出する第2位置検出センサと、を有する。
【0105】
第1位置検出センサは、第1搬送ロボット21に搭載される読取部としてのカメラ(図示しない)と、構造体10の各ゾーンに設けられカメラが読取可能な二次元バーコード(すなわち、QRコード/登録商標)付きのタグTGとから構成される。
【0106】
同様に、第2位置検出センサは、第2搬送ロボット22に搭載される読取部としてのカメラ(図示しない)と、構造体10の各ゾーンに設けられカメラが読取可能な二次元バーコード(すなわち、QRコード)付きのタグTGとから構成される。
【0107】
第1位置検出センサ及び第2位置検出センサに用いられる二次元バーコード(すなわち、QRコード)付きのタグTGは、共通する。なお、位置の検出精度を向上させる観点から、一つのゾーンに所定の間隔を空けて複数のタグTGを設けることが好ましい。
【0108】
本実施形態では、操作部5は、操作ボタンから構成されているが、これに限定されるものではなく、例えば、タッチ操作可能な表示パネルから構成されてもよい。
【0109】
操作部5は、厨房Kに設けられ第1搬送ロボット21及び第2搬送ロボット22の両方を操作する第1操作部51と、ホールHに設けられ第1搬送ロボット21及び第2搬送ロボット22の両方を操作する第2操作部52と、を有する。これにより、厨房Kにいる従業員及びホールHにいる従業員は、いずれも第1搬送ロボット21及び第2搬送ロボット22のオン/オフや一時的な停止等を操作することができる。
【0110】
例えば、ホールHにいる従業員が、第1搬送先載置部B1又は第2搬送先載置部B2に異物が存在したことを視認した場合に、第2操作部52を操作することにより第1搬送ロボット21又は第2搬送ロボット22の動作を一時的に停止させることができる。
【0111】
本実施形態では、報知部6は、報知ライトから構成されているが、これに限定されるものではなく、例えば、報知ブザーや視認可能な表示パネル等から構成されてもよい。そして、報知部6が表示パネルから構成される場合に、操作部5もタッチ可能な同一の表示パネルから構成される。
【0112】
報知部6は、厨房Kに設けられる第1報知部61と、ホールHに設けられる第2報知部62と、を有する。
【0113】
搬送ロボット2の荷台に載置される寿司パックPの高さが所定の高さを超えたことが高さオーバー検出センサS2によって検出された場合に、第1報知部61は、その情報を厨房Kにいる従業員に報知する。これにより、従業員は、高さオーバーの寿司パックPを迅速に荷台から取り外すことができる。
【0114】
一方、寿司パックPが第1搬送先載置部B1又は第2搬送先載置部B2に到着したことが第1搬送先載置状況検出センサS3又は第2搬送先載置状況検出センサS4によって検出された場合に、第2報知部62は、その情報をホールHにいる従業員に報知する。これにより、従業員は、到着した寿司パックPを迅速に第1搬送先載置部B1又は第2搬送先載置部B2からテイクアウト用受取場Rへ移し替えることができる。
【0115】
コントローラ7は、各センサS1~S6、操作部5、報知部6、第1搬送ロボット21及び第2搬送ロボット22とは接続(又は、通信)される。コントローラ7は、第1搬送ロボット21及び第2搬送ロボット22の各動作(具体的には、走行動作、昇降動作、転舵動作及び停止動作等)を制御する制御部である。
【0116】
コントローラ7は、中央演算装置(CPU)、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)及び入出力インタフェース(I/Oインタフェース)701,702を備えたマイクロコンピュータで構成される。また、コントローラ7は、複数のマイクロコンピュータで構成することも可能である。
【0117】
コントローラ7は、互いに電気的に接続される入力インタフェース701、出力インタフェース702、記憶部703、判定部704、第1行先特定部705、第2行先特定部706、第1移動経路特定部707、第2移動経路特定部708、第1動作制御部709、第2動作制御部710及び報知信号生成部711を有する。
【0118】
入力インタフェースは、各センサS1~S6及び操作部5からの出力信号が入力されるものである。
【0119】
第1行先特定部705、第1移動経路特定部707及び第1動作制御部709によってそれぞれ生成された第1特定信号、第1移動経路信号及び第1動作制御信号は、出力インタフェース702を介して第1搬送ロボット21へ出力される。第2行先特定部706、第2移動経路特定部708及び第2動作制御部710によってそれぞれ生成された第2特定信号、第2移動経路信号及び第2動作制御信号は、出力インタフェース702を介して第2搬送ロボット22へ出力される。報知信号生成部711によって生成された報知信号は、出力インタフェース702を介して報知部6(具体的には、第2報知部62)へ出力される。
【0120】
記憶部703は、第1行先特定部705、第2行先特定部706、第1移動経路特定部707、第2移動経路特定部708、第1動作制御部709、第2動作制御部710及び報知信号生成部711において実行される処理プログラム及びアルゴリズムプログラムを記憶している。また、記憶部703は、各センサS1~S6からの出力結果を一時的に記憶する。本実施形態では、記憶部703は、コントローラ7に内蔵されているが、これに限定されるものではなく、例えば、コントローラ7とは別体に設けられてもよい。
【0121】
判定部704は、第1搬送ロボット21及び第2搬送ロボット22の各動作処理に必要な判定を行う。
【0122】
第1行先特定部705及び第2行先特定部706は、それぞれ第1搬送ロボット21の行先及び第2搬送ロボット22の行先を特定する。第1移動経路特定部707及び第2移動経路特定部708は、それぞれ第1搬送ロボット21及び第2搬送ロボット22の移動経路を特定する。第1動作制御部709及び第2動作制御部710は、それぞれ第1搬送ロボット21の各動作及び第2搬送ロボット22の各動作を特定する。報知信号生成部711は、報知部6への報知信号を生成する。なお、これらの詳細については後述する。
【0123】
(搬送ロボットの動作制御処理)
次に、
図1、
図8、
図9、
図11から
図22を参照しながら搬送ロボット2の動作制御処理について説明する。
【0124】
図11は、搬送ロボット2の動作制御処理を示すフローチャートである。
図12は、第1搬送ロボット21が第1待機ゾーンWZ1の下段のレールに位置する状態を示す状態説明図である。
図13は、第1搬送ロボット21が第1待機ゾーンWZ1の下段のレールから第1待機ゾーンWZ1の上段のレールへ上昇する状態を示す状態説明図である。
図14は、第1搬送ロボット21が第1待機ゾーンWZ1の上段のレールから第1荷下ろしゾーンRZ1の上段のレールへ移動する状態を示す状態説明図である。
図15は、第2搬送ロボット22が第2待機ゾーンWZ2から第1待機ゾーンWZ1の下段のレールへ移動する状態を示す状態説明図である。
図16は、第1搬送ロボット21が第1荷下ろしゾーンRZ1の上段のレールから第1荷下ろしゾーンRZ1の下段のレールへ下降する状態を示す状態説明図である。
図17は、第1搬送ロボット21が第2待機ゾーンWZ2へ移動する状態を示す状態説明図である。
図18は、第2搬送ロボット22が第1待機ゾーンWZ1の下段のレールから第1待機ゾーンWZ1の上段のレールへ移動する状態を示す状態説明図である。
図19は、第2搬送ロボット22が第1待機ゾーンWZ1の上段のレールから第2荷下ろしゾーンRZ2の上段のレールへ移動する状態を示す状態説明図である。
図20は、第1搬送ロボット21が第1待機ゾーンWZ1の下段のレールへ移動する状態を示す状態説明図である。
図21は、第2搬送ロボット22が第2荷下ろしゾーンRZ2の上段のレールから第2荷下ろしゾーンRZ2の下段のレールへ下降する状態を示す状態説明図である。
図22は、第2搬送ロボット22が第2待機ゾーンWZ2へ移動する状態を示す状態説明図である。
【0125】
操作部5が従業員によってオフからオンへ切り替えられると、搬送ロボット2の動作制御処理が開始される。なお、搬送ロボット2の動作制御処理が開始されると、第1位置検出センサ及び第2位置検出センサは、それぞれ第1搬送ロボット21の位置及び第2搬送ロボット22の位置をリアルタイムに検出する。
【0126】
図1、
図8、
図9及び
図11に示すように、まず、ステップS101において、搬送元載置状況検出センサS1は、搬送元載置部Aへの寿司パックPの載置状況を検出する。そして、搬送元載置状況検出センサS1は、検出結果が含まれる出力信号を入力インタフェース701を介して記憶部703及び判定部704へ出力し、ステップS102へ進む。
【0127】
次に、ステップS102において、判定部704は、搬送元載置状況検出センサS1からの出力信号に基づいて、搬送元載置部Aに寿司パックPが載置されたか否かを判定する。
【0128】
そして、ステップS102において、搬送元載置部Aに寿司パックPが載置された場合(Yesの場合)に、判定部704は、その旨を通知する通知信号を第1動作制御部709へ出力し、ステップS103に進む。一方、ステップS102において、搬送元載置部Aに寿司パックPが載置されていない場合(Noの場合)に、ステップS101に戻る。
【0129】
次に、ステップS103において、第1動作制御部709は、判定部704からの通知信号及び第1位置検出センサからの出力信号に基づいて、第1待機ゾーンWZ1の下段のレールに位置する第1搬送ロボット21(
図12参照)に寿司パックPを搬送元載置部Aから持ち上げさせるための動作制御信号を生成する。そして、第1動作制御部709は、生成した動作制御信号を第1搬送ロボット21及び第1行先特定部705へ出力し、ステップS104に進む。
【0130】
そして、
図13に示すように、ステップS103において、第1搬送ロボット21は、第1動作制御部709からの動作制御信号に基づいて、第1待機ゾーンWZ1の下段のレールから第1待機ゾーンWZ1の上段のレールへ上昇する。これにより、第1搬送ロボット21は、寿司パックPを自動的に搬送元載置部Aから持ち上げる(すなわち、寿司パックPを搬送元載置部Aから第1搬送ロボット21の荷台へ移し替える)ことができる。この結果、寿司パックPが搬送元載置部Aから第1搬送ロボット21の荷台へ移し替えられる際に、従業員が第1搬送ロボット21に直接触れることがないため、寿司パックPの搬送の衛生面に優れている。
【0131】
次に、ステップS104において、第1行先特定部705は、第1動作制御部709からの動作制御信号等に基づいて、第1搬送ロボット21の行先(すなわち、第1荷下ろしゾーンRZ1の上段のレールである搬送先)を特定する。そして、第1行先特定部705は、特定した第1搬送ロボット21の搬送先の情報が含まれる出力信号を第1移動経路特定部707へ出力し、ステップS105に進む。なお、第1搬送ロボット21の搬送先特定処理(ステップS104)の詳細については後述する。
【0132】
次に、ステップS105において、第1移動経路特定部707は、第1行先特定部705からの出力信号に含まれる第1搬送ロボット21の搬送先の情報及び第1位置検出センサからの出力信号に基づいて、第1搬送ロボット21の移動経路を特定する。そして、第1移動経路特定部707は、特定した第1搬送ロボット21の移動経路の情報が含まれる出力信号を第1動作制御部709へ出力する。
【0133】
そして、ステップS105において、第1動作制御部709は、第1移動経路特定部707からの出力信号に含まれる第1搬送ロボット21の移動経路の情報に基づいて、第1搬送ロボット21を特定したその移動経路に沿って第1搬送ロボット21の搬送先へ移動させるための動作制御信号を生成する。そして、第1動作制御部709は、生成した動作制御信号を第1搬送ロボット21及び第2行先特定部706へ出力し、ステップS106に進む。
【0134】
そして、本実施形態では、ステップS105において、第1搬送ロボット21は、第1動作制御部709からの動作制御信号に基づいて、第1待機ゾーンWZ1の上段のレールから移動経路(すなわち、搬送経路)を経由して第1荷下ろしゾーンRZ1の上段のレールへ移動(昇降及び走行)する(
図14参照)。
【0135】
次に、ステップS106において、第2行先特定部706は、第1動作制御部709からの動作制御信号に基づいて、第2搬送ロボット22の行先を特定する。そして、第2行先特定部706は、特定した第2搬送ロボット22の行先の情報が含まれる出力信号を第2移動経路特定部708へ出力する。
【0136】
そして、ステップS106において、第2移動経路特定部708は、第2行先特定部706からの出力信号に含まれる第2搬送ロボット22の行先の情報及び第2位置検出センサからの出力信号に基づいて、第2搬送ロボット22の移動経路を特定する。そして、第2移動経路特定部708は、特定した第2搬送ロボット22の移動経路の情報が含まれる出力信号を第2動作制御部710へ出力する。
【0137】
そして、ステップS106において、第2動作制御部110は、第2移動経路特定部708からの出力信号に含まれる第2搬送ロボット22の移動経路の情報に基づいて、第2搬送ロボット22を特定したその移動経路に沿って第2待機ゾーンWZ2の下段のレールから第1待機ゾーンWZ1の下段のレールへ移動させるための動作制御信号を生成する。そして、第2動作制御部710は、生成した動作制御信号を第2搬送ロボット22へ出力し、ステップS107に進む。
【0138】
そして、ステップS106において、
図15に示すように、第2搬送ロボット22は、第2動作制御部710からの動作制御信号に基づいて、第2待機ゾーンWZ2の下段のレールから移動経路に沿って第1待機ゾーンの下段のレールへ移動(昇降及び走行)する。これにより、第2搬送ロボット22が搬送元載置部Aに載置された寿司パックPを持ち上げるスタンドバイは、できているため、寿司パックPの搬送の迅速化を図ることができる。
【0139】
次に、ステップS107において、搬送元載置状況検出センサS1は、搬送元載置部Aへの寿司パックPの載置状況を検出する。そして、搬送元載置状況検出センサS1は、検出結果が含まれる出力信号を入力インタフェース701を介して記憶部703及び判定部704へ出力し、ステップS108へ進む。
【0140】
次に、ステップS108において、判定部704は、搬送元載置状況検出センサS1からの出力信号に基づいて、搬送元載置部Aに寿司パックPが載置されたか否かを判定する。
【0141】
そして、ステップS108において、搬送元載置部Aに寿司パックPが載置された場合(Yesの場合)に、判定部704は、その旨を通知する通知信号を第2動作制御部710へ出力し、ステップS109に進む。一方、ステップS108において、搬送元載置部Aに寿司パックPが載置されていない場合(Noの場合)に、ステップS107に戻るとともにステップS110に進む。
【0142】
次に、ステップS110において、第1動作制御部709は、第1位置検出センサからの出力信号(すなわち、第1搬送ロボット21が第1荷下ろしゾーンRZ1の上段のレールに到着したことを示す出力信号)に基づいて、寿司パックPを第1搬送ロボット21の荷台から第1搬送先載置部B1に載置させるための動作制御信号を生成する。そして、第1動作制御部709は、生成した動作制御信号を第1搬送ロボット21へ出力し、ステップS111に進む。
【0143】
そして、
図16に示すように、ステップS110において、第1搬送ロボット21は、第1動作制御部709からの動作制御信号に基づいて、第1荷下ろしゾーンRZ1の上段のレールから第1荷下ろしゾーンRZ1の下段のレールへ下降する。これにより、第1搬送ロボット21は、寿司パックPを自動的に第1搬送ロボット21の荷台から第1搬送先載置部B1へ載置させる(移し替える)ことができる。この結果、寿司パックPが第1搬送ロボット21の荷台から第1搬送先載置部B1へ移し替えられる際に、従業員が第1搬送ロボット21に直接触れることがないため、寿司パックPの搬送の衛生面に優れている。
【0144】
そして、ステップS110において、第1搬送先載置部B1に寿司パックPが載置された場合に、第1搬送先載置状況検出センサS3は、その旨を示す出力信号を報知信号生成部711へ出力する。
【0145】
そして、ステップS110において、報知信号生成部711は、第1搬送先載置状況検出センサS3からの出力信号に基づいて、第1搬送先載置部B1に寿司パックPが載置されたことを報知させるための報知信号を生成する。そして、報知信号生成部711は、生成した報知信号を第2報知部62へ出力する。
【0146】
そして、ステップS110において、第2報知部62は、報知信号生成部711からの報知信号に基づいて、報知を行う。これにより、寿司パックPを第1搬送先載置部B1からテイクアウト用受取場Rへ移し替えることを、ホールHにいる従業員に促すことができる。
【0147】
次に、ステップS111において、第1行先特定部705は、第1搬送ロボット21の行先(すなわち、第2待機ゾーンWZ2の下段のレールである撤収先)を特定する。そして、第1行先特定部705は、特定した第1搬送ロボット21の撤収先の情報が含まれる出力信号を第1移動経路特定部707へ出力し、ステップS112に進む。なお、第1搬送ロボット21の撤収先特定処理(ステップS111)の詳細については後述する。
【0148】
次に、ステップS112において、第1移動経路特定部707は、第1行先特定部705からの出力信号及び第1位置検出センサからの出力信号に基づいて、第1搬送ロボット21の移動経路を特定する。そして、第1移動経路特定部707は、特定した第1搬送ロボット21の移動経路の情報が含まれる出力信号を第1動作制御部709へ出力する。
【0149】
そして、ステップS112において、第1動作制御部709は、第1移動経路特定部707からの出力信号に含まれる第1搬送ロボット21の移動経路の情報に基づいて、第1搬送ロボット21を特定したその移動経路に沿って第2待機ゾーンWZ2の下段のレールへ移動させるための動作制御信号を生成する。そして、第1動作制御部709は、生成した動作制御信号を第1搬送ロボット21へ出力する。
【0150】
そして、
図17に示すように、ステップS112において、第1搬送ロボット21は、第1動作制御部709からの動作制御信号に基づいて、第2待機ゾーンWZ2の下段のレールへ移動する。これにより、第1搬送ロボット21が第2待機ゾーンWZ2の下段のレールへ移動すると、第1搬送ロボット21は、第2充電部BAT2によって充電される。そして、搬送ロボット2の動作制御処理が終了する。
【0151】
一方、ステップS109において、第2動作制御部710は、判定部704からの通知信号及び第2位置検出センサからの出力信号に基づいて、第1待機ゾーンWZ1の下段のレールに位置する第2搬送ロボット22に寿司パックPを搬送元載置部Aから持ち上げさせるための動作制御信号を生成する。そして、第2動作制御部710は、生成した動作制御信号を第2搬送ロボット22及び第2行先特定部706へ出力し、ステップS113に進む。
【0152】
そして、ステップS109において、第2搬送ロボット22は、第2動作制御部710からの動作制御信号に基づいて、第1待機ゾーンWZ1の下段のレールから第1待機ゾーンWZ1の上段のレールへ上昇する。これにより、
図18に示すように、第2搬送ロボット22は、寿司パックPを自動的に搬送元載置部Aから持ち上げる(すなわち、寿司パックPを搬送元載置部Aから第2搬送ロボット22の荷台へ移し替える)ことができる。この結果、寿司パックPが搬送元載置部Aから第2搬送ロボット22の荷台へ移し替えられる際に、従業員が第2搬送ロボット22に直接触れることがないため、寿司パックPの搬送の衛生面に優れている。
【0153】
次に、ステップS113において、第2行先特定部706は、第2動作制御部710からの動作制御信号等に基づいて、第2搬送ロボット22の行先(すなわち、第2荷下ろしゾーンRZ2の上段のレールである搬送先)を特定する。そして、第2行先特定部706は、特定した第2搬送ロボット22の搬送先の情報が含まれる出力信号を第2移動経路特定部708へ出力し、ステップS114に進む。なお、第2搬送ロボット22の搬送先特定処理(ステップS113)は、第1搬送ロボット21の搬送先特定処理(ステップS104)と同様であるため、その説明を省略する。
【0154】
次に、ステップS114において、第2移動経路特定部708は、第2行先特定部706からの出力信号に含まれる第2搬送ロボット22の搬送先の情報、第1位置検出センサからの出力信号及び第2位置検出センサからの出力信号に基づいて、第2搬送ロボット22の移動経路を特定する。そして、第2移動経路特定部708は、特定した第2搬送ロボット22の移動経路の情報が含まれる出力信号を第2動作制御部710へ出力する。
【0155】
そして、ステップS114において、第2動作制御部710は、第2移動経路特定部708からの出力信号に含まれる第2搬送ロボット22の移動経路の情報に基づいて、第2搬送ロボット22を特定したその移動経路に沿って第2搬送ロボット22の搬送先へ移動させるための動作制御信号を生成する。そして、第2動作制御部710は、生成した動作制御信号を第2搬送ロボット22へ出力し、ステップS117に進む。
【0156】
そして、
図19に示すように、ステップS114において、第2搬送ロボット22は、第2動作制御部710からの動作制御信号に基づいて、第1待機ゾーンWZ1の上段のレールから移動経路(すなわち、搬送経路)を経由して第2荷下ろしゾーンRZ2の上段のレールへ移動(昇降及び走行)する。
【0157】
次に、ステップS115において、第1動作制御部709は、第1位置検出センサからの出力信号(すなわち、第1搬送ロボット21が第1荷下ろしゾーンRZ1の上段のレールに到着したことを示す出力信号)に基づいて、寿司パックPを第1搬送ロボット21の荷台から第1搬送先載置部B1に載置させるための動作制御信号を生成する。そして、第1動作制御部709は、生成した動作制御信号を第1搬送ロボット21へ出力し、ステップS116に進む。
【0158】
そして、ステップS115において、第1搬送ロボット21は、第1動作制御部709からの動作制御信号に基づいて、第1荷下ろしゾーンRZ1の上段のレールから第1荷下ろしゾーンRZ1の下段のレールへ下降する。これにより、第1搬送ロボット21は、寿司パックPを自動的に第1搬送ロボット21の荷台から第1搬送先載置部B1へ載置させる(移し替える)ことができる。この結果、寿司パックPが第2搬送ロボット22の荷台から第1搬送先載置部B1へ移し替えられる際に、従業員が第1搬送ロボット21に直接触れることがないため、寿司パックPの搬送の衛生面に優れている。
【0159】
そして、ステップS115において、第1搬送先載置部B1に寿司パックPが載置された場合に、第1搬送先載置状況検出センサS3は、その旨を示す出力信号を報知信号生成部711へ出力する。
【0160】
そして、ステップS115において、報知信号生成部711は、第1搬送先載置状況検出センサS3からの出力信号に基づいて、第1搬送先載置部B1に寿司パックPが載置されたことを報知させるための報知信号を生成する。そして、報知信号生成部711は、生成した報知信号を第2報知部62へ出力する。
【0161】
そして、ステップS115において、第2報知部62は、報知信号生成部711からの報知信号に基づいて、報知を行う。これにより、寿司パックPを第1搬送先載置部B1からテイクアウト用受取場Rへ移し替えることを、ホールHにいる従業員に促すことができる。
【0162】
次に、ステップS116において、第1行先特定部705は、第1搬送ロボット21の行先(すなわち、第1待機ゾーンWZ1の下段のレールである撤収先)を特定する。そして、第1行先特定部705は、特定した第1搬送ロボット21の撤収先の情報が含まれる出力信号を第1移動経路特定部707へ出力し、ステップS112に進む。なお、第1搬送ロボット21の撤収先特定処理(ステップS116)は、第1搬送ロボット21の撤収先特定処理(ステップS111)と同様であるため、その説明を省略する。
【0163】
次に、ステップS117において、第1移動経路特定部707は、第1行先特定部705からの出力信号及び第1位置検出センサからの出力信号に基づいて、第1搬送ロボット21の移動経路を特定する。そして、第1移動経路特定部707は、特定した第1搬送ロボット21の移動経路の情報が含まれる出力信号を第1動作制御部709へ出力する。
【0164】
そして、ステップS117において、第1動作制御部709は、第1移動経路特定部707からの出力信号に含まれる第1搬送ロボット21の移動経路の情報に基づいて、第1搬送ロボット21を特定したその移動経路に沿って第1待機ゾーンWZ1の下段のレールへ移動させるための動作制御信号を生成する。そして、第1動作制御部709は、生成した動作制御信号を第1搬送ロボット21へ出力する。
【0165】
そして、
図20に示すように、ステップS117において、第1搬送ロボット21は、第1動作制御部709からの動作制御信号に基づいて、第1待機ゾーンWZ1の下段のレールへ移動する。これにより、撤収時の第1搬送ロボット21を優先的に第1待機ゾーンWZ1の下段のレールへ移動させることができるため、第1搬送ロボット21が搬送元載置部Aに載置された寿司パックPを持ち上げるスタンドバイは、できている。この結果、寿司パックPの搬送の迅速化を図ることができる。また、第1搬送ロボット21が第1待機ゾーンWZ1の下段のレールへ移動すると、第1搬送ロボット21は、第1充電部BAT1によって充電される。
【0166】
次に、ステップS118において、第2動作制御部710は、第2位置検出センサからの出力信号(すなわち、第2搬送ロボット22が第2荷下ろしゾーンRZ2の上段のレールに到着したことを示す出力信号)に基づいて、寿司パックPを第2搬送ロボット22の荷台から第2搬送先載置部B2に載置させるための動作制御信号を生成する。そして、第2動作制御部710は、生成した動作制御信号を第2搬送ロボット22へ出力し、ステップS119に進む。
【0167】
そして、
図21に示すように、ステップS118において、第2搬送ロボット22は、第2動作制御部710からの動作制御信号に基づいて、第2荷下ろしゾーンRZ2の上段のレールから第2荷下ろしゾーンRZ2の下段のレールへ下降する。これにより、第2搬送ロボット22は、寿司パックPを自動的に第2搬送ロボット22の荷台から第2搬送先載置部B2へ載置させる(移し替える)ことができる。この結果、寿司パックPが第2搬送ロボット22の荷台から第2搬送先載置部B2へ移し替えられる際に、従業員が第2搬送ロボット22に直接触れることがないため、寿司パックPの搬送の衛生面に優れている。
【0168】
そして、ステップS118において、第2搬送先載置部B2に寿司パックPが載置された場合に、第2搬送先載置状況検出センサS4は、その旨を示す出力信号を報知信号生成部711へ出力する。
【0169】
そして、ステップS118において、報知信号生成部711は、第2搬送先載置状況検出センサS4からの出力信号に基づいて、第2搬送先載置部B2に寿司パックPが載置されたことを報知させるための報知信号を生成する。そして、報知信号生成部711は、生成した報知信号を第2報知部62へ出力する。
【0170】
そして、ステップS118において、第2報知部62は、報知信号生成部711からの報知信号に基づいて、報知を行う。これにより、寿司パックPを第2搬送先載置部B2からテイクアウト用受取場Rへ移し替えることを、ホールHにいる従業員に促すことができる。
【0171】
次に、ステップS119において、第2行先特定部706は、第2搬送ロボット22の行先(すなわち、第2待機ゾーンWZ2の下段のレールである撤収先)を特定する。そして、第2行先特定部706は、特定した第2搬送ロボット22の撤収先の情報が含まれる出力信号を第2移動経路特定部708へ出力し、ステップS120に進む。なお、第2搬送ロボット22の撤収先特定処理(ステップS119)は、第1搬送ロボット21の撤収先特定処理(ステップS111)と同様であるため、その説明を省略する。
【0172】
次に、ステップS120において、第2移動経路特定部708は、第2行先特定部706からの出力信号及び第2位置検出センサからの出力信号に基づいて、第2搬送ロボット22の移動経路を特定する。そして、第2移動経路特定部708は、特定した第2搬送ロボット22の移動経路の情報が含まれる出力信号を第2動作制御部710へ出力する。
【0173】
そして、ステップS120において、第2動作制御部710は、第2移動経路特定部708からの出力信号に含まれる第2搬送ロボット22の移動経路の情報に基づいて、第2搬送ロボット22を特定したその移動経路に沿って第2待機ゾーンWZ2の下段のレールへ移動させるための動作制御信号を生成する。そして、第2動作制御部710は、生成した動作制御信号を第2搬送ロボット22へ出力する。
【0174】
そして、
図22に示すように、ステップS120において、第2搬送ロボット22は、第2動作制御部710からの動作制御信号に基づいて、第2待機ゾーンWZ2の下段のレールへ移動する。これにより、第2搬送ロボット22が第2待機ゾーンWZ2の下段のレールへ移動すると、第2搬送ロボット22は、第2充電部BAT2によって充電される。そして、搬送ロボット2の動作制御処理が終了する。
【0175】
本実施形態では、コントローラ7は、第1位置検出センサ及び第2位置検出センサからの出力信号に基づいて、第1搬送ロボット21及び第2搬送ロボット22を、同一の時点に同一のゾーンに位置させないようにそれぞれ制御する。
【0176】
これにより、移動時の第1搬送ロボット21と移動時の第2搬送ロボット22との干渉を抑制することができる。
【0177】
また、本実施形態では、コントローラ7は、第1位置検出センサ及び第2位置検出センサからの出力信号に基づいて、第1搬送ロボット21が搬送時にあると判定した場合に、撤収時の第2搬送ロボット22を一時的にトレイ回収ゾーンTZ又は第3テイクアウト用受取場側昇降ゾーンRLZ3へ移動させるように第1搬送ロボット21及び第2搬送ロボット22を制御する。
【0178】
これにより、第2搬送ロボット22の撤収よりも第1搬送ロボット21の搬送を優先して、撤収時の第2搬送ロボット22を一時的にトレイ回収ゾーンTZ又は第3テイクアウト用受取場側昇降ゾーンRLZ3へ移動させることで、寿司パックPの搬送の効率化を図ることができる。
【0179】
しかしながら、コントローラ7は、これに限定されるものではなく、例えば、第1位置検出センサ及び第2位置検出センサからの出力信号に基づいて、第1搬送ロボット21が撤収時にあると判定した場合に、搬送時の第2搬送ロボット22を一時的に第2待機ゾーンWZ2へ移動させるように第1搬送ロボット21及び第2搬送ロボット22を制御してもよい。
【0180】
また、本実施形態では、コントローラ7は、搬送ロボット2にレール間を昇降させるように搬送ロボット2を制御することにより、搬送ロボット2の荷台と各載置部との間の寿司パックPの移し替えを実現している。このため、搬送ロボット2の荷台のみを昇降させる昇降機構を設ける必要がなく、搬送ロボット2の構造の簡易化を図ることができる。
【0181】
しかしながら、コントローラ7は、これに限定されるものではなく、例えば、搬送ロボット2の荷台を昇降させる昇降機構を制御することで、搬送ロボット2の荷台と各載置部との間の寿司パックPの移し替えを実現してもよい。
【0182】
(第1搬送ロボットの搬送先特定処理)
次に、
図1、
図8、
図9、
図23及び
図24を参照しながら第1搬送ロボット21の搬送先特定処理について説明する。
【0183】
図23は、第1搬送ロボット21の搬送先特定処理を示すフローチャートである。
図24は、第1搬送ロボット21がテイクアウト用受取場側交差ゾーンRCZへ移動して待機している状態を示す状態説明図である。
【0184】
図1、
図8、
図9及び
図23に示すように、まず、ステップS1041において、第1搬送先載置状況検出センサS3及び第2搬送先載置状況検出センサS4は、第1搬送先載置部B1への寿司パックPの載置状況及び第2搬送先載置部B2への寿司パックPの載置状況をそれぞれ検出する。そして、第1搬送先載置状況検出センサS3及び第2搬送先載置状況検出センサS4は、検出結果が含まれる出力信号を入力インタフェース701を介して記憶部703及び判定部704へ出力し、ステップS1042へ進む。
【0185】
次に、ステップS1042において、判定部704は、第1搬送先載置状況検出センサS3からの出力信号に基づいて、第1搬送先載置部B1に寿司パックPが載置されたか否かを判定する。
【0186】
そして、ステップS1042において、第1搬送先載置部B1に寿司パックPが載置されていない場合(Yesの場合)、すなわち、第1搬送先載置部B1が空きである場合に、判定部704は、その旨を通知する通知信号を第1行先特定部705へ出力し、ステップS1043に進む。一方、第1搬送先載置部B1に寿司パックPが載置された場合(Noの場合)、すなわち、第1搬送先載置部B1が空きでない場合に、ステップS1044に進む。
【0187】
次に、ステップS1043において、第1行先特定部705は、判定部704からの通知信号に基づいて、第1荷下ろしゾーンRZ1の上段のレールを第1搬送ロボット21の搬送先として特定する。そして、第1行先特定部705は、特定した第1搬送ロボット21の搬送先(すなわち、第1荷下ろしゾーンRZ1の上段のレール)の情報が含まれる出力信号を第1移動経路特定部707へ出力する。そして、第1搬送ロボット21の搬送先特定処理を終了して
図11に示す搬送ロボット2の動作制御処理に戻る。
【0188】
一方、ステップS1044において、判定部704は、第2搬送先載置状況検出センサS4からの出力信号に基づいて、第2搬送先載置部B2に寿司パックPが載置されたか否かを判定する。
【0189】
そして、ステップS1044において、第2搬送先載置部B2に寿司パックPが載置されていない場合(Yesの場合)、すなわち、第2搬送先載置部B2が空きである場合に、判定部704は、その旨を通知する通知信号を第1行先特定部705へ出力し、ステップS1045に進む。一方、第2搬送先載置部B2に寿司パックPが載置された場合(Noの場合)、すなわち、第2搬送先載置部B2が空きでない場合に、その旨を通知する通知信号を第1行先特定部705へ出力し、ステップS1046に進む。
【0190】
次に、ステップS1045において、第1行先特定部705は、判定部704からの通知信号(すなわち、第2搬送先載置部B2が空きであることを通知する通知信号)に基づいて、第2荷下ろしゾーンRZ2の上段のレールを第1搬送ロボット21の搬送先として特定する。そして、第1行先特定部705は、特定した第1搬送ロボット21の搬送先(すなわち、第2荷下ろしゾーンRZ2の上段のレール)の情報が含まれる出力信号を第1移動経路特定部707へ出力する。そして、第1搬送ロボット21の搬送先特定処理を終了して
図11に示す搬送ロボット2の動作制御処理に戻る。
【0191】
一方、ステップS1046において、第1行先特定部705は、判定部704からの通知信号(すなわち、第2搬送先載置部B2が空きでないことを通知する通知信号)に基づいて、所定のゾーン(例えば、テイクアウト用受取場側交差ゾーンRCZ)を第1搬送ロボット21の行先として特定する。そして、第1行先特定部705は、特定した第1搬送ロボット21の行先(すなわち、テイクアウト用受取場側交差ゾーンRCZ)の情報が含まれる出力信号を第1移動経路特定部707へ出力し、ステップS1047に進む。
【0192】
次に、ステップS1047において、第1移動経路特定部707は、第1行先特定部705からの出力信号及び第1位置検出センサからの出力信号に基づいて、第1搬送ロボット21の移動経路を特定する。そして、第1移動経路特定部707は、特定した第1搬送ロボット21の移動経路の情報が含まれる出力信号を第1動作制御部709へ出力する。
【0193】
そして、ステップS1047において、第1動作制御部709は、第1移動経路特定部707からの出力信号に含まれる第1搬送ロボット21の移動経路の情報に基づいて、第1搬送ロボット21を特定したその移動経路に沿って第1搬送ロボット21の行先へ移動させるための動作制御信号を生成する。そして、第1動作制御部709は、生成した動作制御信号を第1搬送ロボット21へ出力し、ステップS1041に戻る。
【0194】
そして、
図24に示すように、ステップS1047において、第1搬送ロボット21は、第1動作制御部709からの動作制御信号に基づいて、第1待機ゾーンWZ1の上段のレールから移動経路(すなわち、搬送経路)を経由してテイクアウト用受取場側交差ゾーンRCZへ移動(昇降及び走行)し、第1搬送先載置部B1又は第2搬送先載置部B2が空きとなるまでにテイクアウト用受取場側交差ゾーンRCZで待機する。これにより、搬送先の確保困難による第1搬送ロボット21の制御エラーを抑制することができる。
【0195】
このような第1搬送ロボット21の搬送先特定処理によれば、第1搬送先載置部B1及び第2搬送先載置部B2の両方が空きである場合に、第1荷下ろしゾーンRZ1の上段のレールを優先的に第1搬送ロボット21の搬送先として特定することができる。このため、搬送時の第1搬送ロボット21を優先的に第1荷下ろしゾーンRZ1の上段のレールへ移動させることができる。この結果、搬送先の特定不能による制御エラーを抑制することができる。
【0196】
(第1搬送ロボットの撤収先特定処理)
次に、
図1、
図8、
図9、
図25及び
図26を参照しながら第1搬送ロボット21の撤収先特定処理について説明する。
【0197】
図25は、第1搬送ロボット21の撤収先特定処理を示すフローチャートである。
図26は、第1搬送ロボット21が第1荷下ろしゾーンRZ1の下段のレールからトレイ回収ゾーンの下段のレールを経由してトレイ回収ゾーンの上段のレールへ移動する状態を示す状態説明図である。
【0198】
図1、
図8、
図9及び
図25に示すように、まず、ステップS1111において、第1搬送先載置状況検出センサS3は、第1搬送先載置部B1への寿司パックPの載置状況を検出する。そして、第1搬送先載置状況検出センサS3は、検出結果が含まれる出力信号を入力インタフェース701を介して記憶部703及び判定部704へ出力し、ステップS1112に進む。
【0199】
次に、ステップS1112において、判定部704は、第1搬送先載置状況検出センサS3からの出力信号に基づいて、第1搬送先載置部B1から寿司パックPが受け取られたか否かを判定する。
【0200】
そして、第1搬送先載置部B1から寿司パックPが受け取られた場合(Yesの場合)にステップS1113に進む。一方、第1搬送先載置部B1から寿司パックPが受け取られていない場合(Noの場合)にステップS1111に戻る。
【0201】
次に、ステップS1113において、トレイ検出センサS5は、トレイ載置部B3への空きのトレイTの載置状況を検出する。そして、トレイ検出センサS5は、検出結果が含まれる出力信号を記憶部703及び判定部704へ出力し、ステップS1114へ進む。
【0202】
次に、ステップS1114において、判定部704は、トレイ検出センサS5からの出力信号に基づいて、トレイ載置部B3に空きのトレイTが載置されたか否かを検出する。
【0203】
そして、ステップS1114において、トレイ載置部B3に空きのトレイTが載置された場合(Yesの場合)に、判定部704は、その旨を通知する通知信号を第1行先特定部705へ出力し、ステップS1115に進む。一方、ステップS1114において、トレイ載置部B3に空きのトレイTが載置されていない場合(Noの場合)に、ステップS1115及びステップS1116を飛ばしてステップS1117に進む。
【0204】
次に、ステップS1115において、第1行先特定部705は、判定部704からの通知信号に基づいて、第1搬送ロボット21の行先(すなわち、トレイ回収ゾーンTZの上段のレールである行先)を特定する。そして、第1行先特定部705は、特定した第1搬送ロボット21の行先の情報が含まれる出力信号を第1移動経路特定部707へ出力する。
【0205】
そして、ステップS1115において、第1移動経路特定部707は、第1行先特定部705からの出力信号及び第1位置検出センサからの出力信号に基づいて、第1搬送ロボット21の移動経路(すなわち、トレイ回収ゾーンTZの下段のレールを経由する移動経路)を特定する。そして、第1移動経路特定部707は、特定した第1搬送ロボット21の移動経路の情報が含まれる出力信号を第1動作制御部709へ出力する。
【0206】
そして、ステップS1115において、第1動作制御部709は、第1移動経路特定部707からの出力信号に含まれる第1搬送ロボット21の移動経路の情報に基づいて、第1搬送ロボット21を特定したその移動経路に沿ってトレイ回収ゾーンTZの上段のレールへ移動させるための動作制御信号を生成する。そして、第1動作制御部709は、生成した動作制御信号を第1搬送ロボット21及び第1行先特定部705へ出力し、ステップS1116に進む。
【0207】
そして、
図26に示すように、ステップS1115において、第1搬送ロボット21は、第1動作制御部709からの動作制御信号に基づいて、第1荷下ろしゾーンRZ1の下段のレールからトレイ回収ゾーンTZの下段のレールを経由してトレイ回収ゾーンTZの上段のレールへ移動する。これにより、第1搬送ロボット21は、空きのトレイTを自動的にトレイ載置部B3から持ち上げる(すなわち、空きのトレイTをトレイ載置部B3から第1搬送ロボット21の荷台へ移し替える)ことができる。この結果、空きのトレイTがトレイ載置部B3から第1搬送ロボット21の荷台へ移し替えられる際に、従業員が第1搬送ロボット21に直接触れることがないため、空きのトレイTの回収の衛生面に優れている。
【0208】
次に、ステップS1116おいて、第1行先特定部705は、第1動作制御部709からの動作制御信号に基づいて、第1搬送ロボット21の行先(すなわち、第2待機ゾーンWZ2の下段のレールである撤収先)を特定する。そして、第1行先特定部705は、特定した第1搬送ロボット21の行先の情報が含まれる出力信号を第1移動経路特定部707へ出力する。
【0209】
そして、ステップS1116において、第1移動経路特定部707は、第1行先特定部705からの出力信号及び第1位置検出センサからの出力信号に基づいて、第1搬送ロボット21の移動経路を特定する。そして、第1移動経路特定部707は、特定した第1搬送ロボット21の移動経路の情報が含まれる出力信号を第1動作制御部709へ出力する。
【0210】
そして、ステップS1116において、第1動作制御部709は、第1移動経路特定部707からの出力信号に含まれる第1搬送ロボット21の移動経路の情報に基づいて、第1搬送ロボット21を特定したその移動経路に沿って第2待機ゾーンWZ2の下段のレールへ移動させるための動作制御信号を生成する。そして、第1動作制御部709は、生成した動作制御信号を第1搬送ロボット21へ出力し、ステップS1117に進む。
【0211】
そして、
図27に示すように、ステップS1116において、第1搬送ロボット21は、第1動作制御部709からの動作制御信号に基づいて、トレイ回収ゾーンTZの上段のレールから第2待機ゾーンWZ2の下段のレールへ移動する。これにより、荷台に載置された空きのトレイTを傾斜部PLに沿って摺動させてトレイ戻り地点に戻すことができる。
【0212】
次に、ステップS1117において、判定部704は、第1位置検出センサからの出力信号及び第2位置検出センサからの出力信号に基づいて、第1待機ゾーンWZ1が空きであるか否かを判定する。
【0213】
そして、第1待機ゾーンWZ1が空きである場合(Yesの場合)に、判定部704は、その旨を通知する通知信号を第1行先特定部705へ出力し、ステップS1118に進む。一方、第1待機ゾーンWZ1が空きでない場合(Noの場合)に、判定部704は、その旨を通知する通知信号を第1行先特定部705へ出力し、ステップS1119に進む。
【0214】
次に、ステップS1118において、第1行先特定部705は、判定部704からの通知信号(すなわち、第1待機ゾーンWZ1が空きであることを通知する通知信号)に基づいて、第1待機ゾーンWZ1の下段のレールを第1搬送ロボット21の撤収先として特定する。そして、第1行先特定部705は、特定した第1搬送ロボット21の撤収先の情報が含まれる出力信号を第1移動経路特定部707へ出力する。そして、第1搬送ロボット21の撤収先特定処理を終了して
図11に示す搬送ロボット2の動作制御処理に戻る。
【0215】
一方、ステップS1119において、第1行先特定部705は、判定部704からの通知信号(すなわち、第1待機ゾーンWZ1が空きでないことを通知する通知信号)に基づいて、第2待機ゾーンWZ2の下段のレールを第1搬送ロボット21の撤収先として特定する。そして、第1行先特定部705は、特定した第1搬送ロボット21の撤収先の情報が含まれる出力信号を第1移動経路特定部707へ出力する。そして、第1搬送ロボット21の撤収先特定処理を終了して
図11に示す搬送ロボット2の動作制御処理に戻る。
【0216】
このような第1搬送ロボット21の撤収先特定処理によれば、第1搬送先載置部B1から寿司パックPが受け取られたことをトリガーとして、第1搬送ロボット21の撤収先特定処理を行い、第1搬送ロボット21を自動的に特定された撤収先へ撤収させることができる。
【0217】
また、第1待機ゾーンWZ1の下段のレール及び第2待機ゾーンWZ2の下段のレールの両方が空きである場合に、第1待機ゾーンWZ1の下段のレールを優先的に第1搬送ロボット21の撤収先として特定することができる。このため、撤収時の第1搬送ロボット21を優先的に第1待機ゾーンWZ1の下段のレールへ移動させることができる。この結果、第1搬送ロボット21が搬送元載置部Aに載置された寿司パックPを持ち上げるスタンドバイは、できているため、寿司パックPの搬送の迅速化を図ることができる。
【0218】
また、本実施形態では、第1搬送ロボット21の撤収先特定処理は、第1搬送先載置部B1から寿司パックPが受け取られたことをトリガーとして行われているが、これに限定されるものではなく、例えば、第1搬送先載置部B1に寿司パックPが載置されたことをトリガーとして行われてもよい。この場合、ステップS111におけるステップS1111及びステップS1112を省略することができる。
【0219】
(作用効果)
次に、本実施形態による作用効果について説明する。
【0220】
本実施形態に係る搬送システム1は、レールが間隔を空けて複数対配列される昇降領域100を有する構造体10と、寿司パックPを載置可能な荷台を有し、構造体10では、走行動作時において間隔を空けて複数対配列されるレールのうちの走行用レールを走行するとともに昇降動作時において昇降領域100に間隔を空けて複数対配列される各レール間を昇降する搬送ロボット2と、を備える搬送システム1であって、搬送ロボット2の各動作を制御するコントローラ7を備え、昇降領域100には、搬送ロボット2によって搬送される寿司パックPを載置可能な第1搬送先載置部B1及び第2搬送先載置部B2をそれぞれ有する第1荷下ろしゾーンRZ1及び第2荷下ろしゾーンRZ2が設けられ、コントローラ7は、荷台が下降するように第1荷下ろしゾーンRZ1又は第2荷下ろしゾーンRZ2に位置する搬送ロボット2を制御することにより、寿司パックPを第1搬送先載置部B1又は第2搬送先載置部B2に載置させる。
【0221】
また、本実施形態に係る搬送ロボット2の制御方法は、寿司パックPを載置可能な荷台を有し、レールが間隔を空けて複数対配列される昇降領域100を有する構造体10では、走行動作時において間隔を空けて複数対配列されるレールのうちの走行用レールを走行するとともに昇降動作時において昇降領域100に間隔を空けて複数対配列される各レール間を昇降する搬送ロボット2の制御方法であって、昇降領域100には、搬送ロボット2によって搬送される寿司パックPを載置可能な第1搬送先載置部B1及び第2搬送先載置部B2をそれぞれ有する第1荷下ろしゾーンRZ1及び第2荷下ろしゾーンRZ2が設けられ、第1荷下ろしゾーンRZ1又は第2荷下ろしゾーンRZ2に位置する搬送ロボット2の荷台を下降させることにより、寿司パックPを第1搬送先載置部B1又は第2搬送先載置部B2に載置させるステップを含む。
【0222】
また、本実施形態に係るプログラムは、寿司パックPを載置可能な荷台を有し、レールが間隔を空けて複数対配列される昇降領域100を有する構造体10では、走行動作時において間隔を空けて複数対配列されるレールのうちの走行用レールを走行するとともに昇降動作時において昇降領域100に間隔を空けて複数対配列される各レール間を昇降する搬送ロボット2を制御するコントローラ7が実行可能なプログラムであって、昇降領域100には、搬送ロボット2によって搬送される寿司パックPを載置可能な第1搬送先載置部B1及び第2搬送先載置部B2をそれぞれ有する第1荷下ろしゾーンRZ1及び第2荷下ろしゾーンRZ2が設けられ、第1荷下ろしゾーンRZ1又は第2荷下ろしゾーンRZ2に位置する搬送ロボット2の荷台を下降させることにより、寿司パックPを第1搬送先載置部B1又は第2搬送先載置部B2に載置させる手順をコントローラ7に実行させる。
【0223】
これらの構成によれば、搬送ロボット2は、寿司パックPを自動的に搬送ロボット2の荷台から第1搬送先載置部B1又は第2搬送先載置部B2へ載置させる(移し替える)ことができる。この結果、寿司パックPが搬送ロボット2の荷台から第1搬送先載置部B1又は第2搬送先載置部B2へ移し替えられる際に、従業員が搬送ロボット2に直接触れることがないため、寿司パックPの搬送の衛生面に優れている。
【0224】
また、本実施形態では、搬送システム1は、第1搬送先載置部B1への寿司パックPの載置状況及び第2搬送先載置部B2への寿司パックPの載置状況を検出する第1搬送先載置状況検出センサS3及び第2搬送先載置状況検出センサS4をさらに備え、構造体10は、第1待機ゾーンWZ1をさらに有し、第1搬送先載置部B1への寿司パックPの載置又は第2搬送先載置部B2への寿司パックPの載置が第1搬送先載置状況検出センサS3及び第2搬送先載置状況検出センサS4によって検出された場合に、コントローラ7は、搬送ロボット2を第1荷下ろしゾーンRZ1又は第2荷下ろしゾーンRZ2から第1待機ゾーンWZ1へ撤収させるように制御する。
【0225】
この構成によれば、第1搬送先載置部B1又は第2搬送先載置部B2に寿司パックPが載置されたことをトリガーとして、搬送ロボット2を自動的に第1待機ゾーンWZ1へ撤収させることができる。
【0226】
また、本実施形態では、搬送先載置部は、搬送路Lの下流側から分岐される第1搬送先載置部B1及び第2搬送先載置部B2を有し、第1搬送先載置部B1及び第2搬送先載置部B2の両方への寿司パックPの未載置が第1搬送先載置状況検出センサS3及び第2搬送先載置状況検出センサS4によって検出された場合に、コントローラ7は、寿司パックPを優先的に第1搬送先載置部B1に載置させるように搬送時の搬送ロボット2を制御する。
【0227】
この構成によれば、第1搬送先載置部B1及び第2搬送先載置部B2の両方が空きである場合に、搬送時の第1搬送ロボット21を優先的に第1荷下ろしゾーンRZ1へ移動させることができるため、搬送先の特定不能による制御エラーを抑制することができる。
【0228】
また、本実施形態では、第1搬送先載置部B1及び第2搬送先載置部B2の両方への寿司パックPの載置が第1搬送先載置状況検出センサS3及び第2搬送先載置状況検出センサS4によって検出された場合に、コントローラ7は、搬送時の搬送ロボット2の動作を一時的に停止させるように制御する。
【0229】
この構成によれば、搬送先の確保困難による搬送ロボット2の制御エラーを抑制することができる。
【0230】
また、本実施形態では、第1待機ゾーンWT1は、昇降領域100に設けられ寿司パックPを載置可能な搬送元載置部Aを有し、コントローラ7は、第1待機ゾーンWT1に位置する搬送ロボット2の荷台を上昇させることにより、寿司パックPを搬送元載置部Aから持ち上げる。
【0231】
この構成によれば、搬送ロボット2は、寿司パックPを自動的に搬送元載置部Aから持ち上げる(すなわち、寿司パックPを搬送元載置部Aから第1搬送ロボット21の荷台へ移し替える)ことができる。この結果、寿司パックPが搬送元載置部Aから第1搬送ロボット21の荷台へ移し替えられる際に、従業員が第1搬送ロボット21に直接触れることがないため、寿司パックPの搬送の衛生面に優れている。
【0232】
また、本実施形態では、搬送システム1は、搬送ロボット2の位置を検出する位置検出センサS6をさらに備え、コントローラ7は、位置検出センサS6からの検出結果に基づいて、搬送ロボット2の動作を制御する。
【0233】
この構成によれば、搬送ロボット2の各動作を精度よく制御することができる。
【0234】
また、本実施形態では、構造体10は、搬送路Lの上流側において分岐され搬送ロボット2が待機可能な第1待機ゾーンWZ1及び第2待機ゾーンWZ2を有し、位置検出センサS6が搬送ロボット2が第1待機ゾーンWZ1及び第2待機ゾーンWZ2の両方に待機していないと検出した場合に、コントローラ7は、撤収時の搬送ロボット2を優先的に第1待機ゾーンWZ1へ移動させるように制御する。
【0235】
この構成によれば、撤収時の第1搬送ロボット21を優先的に第1待機ゾーンWZ1へ移動させるため、第1搬送ロボット21が第1待機ゾーンWZ1に載置された寿司パックPを持ち上げるスタンドバイは、できている。この結果、寿司パックPの搬送の迅速化を図ることができる。
【0236】
また、本実施形態では、搬送路Lは、複数のゾーンに分割され、コントローラ7は、位置検出センサS6からの検出結果に基づいて、同一の時点に第1搬送ロボット21及び第2搬送ロボット22を同一のゾーンに位置させないように制御する。
【0237】
この構成によれば、移動時の第1搬送ロボット21と移動時の第2搬送ロボット22との干渉を抑制することができる。
【0238】
また、本実施形態では、構造体10は、搬送路Lの下流側から分岐されるトレイ回収ゾーンTZをさらに有し、コントローラ7は、位置検出センサS6からの検出結果に基づいて、第1搬送ロボット21が搬送時にあると判定した場合に、撤収時の第2搬送ロボット22を一時的にトレイ回収ゾーンTZへ移動させるように第1搬送ロボット21及び第2搬送ロボット22を制御する。
【0239】
この構成によれば、第2搬送ロボット22の撤収よりも第1搬送ロボット21の搬送を優先して、撤収時の第2搬送ロボット22を一時的にトレイ回収ゾーンTZ又は第3テイクアウト用受取場側昇降ゾーンRLZ3へ移動させることで、寿司パックPの搬送の効率化を図ることができる。
【0240】
また、本実施形態では、構造体10は、搬送路Lの下流側から分岐されるトレイ回収ゾーンTZをさらに有し、トレイ回収ゾーンTZにトレイTが載置されたか否かを検出するトレイ検出センサS5をさらに備え、トレイ回収ゾーンTZへのトレイTの載置がトレイ検出センサS5によって検出された場合に、コントローラ7は、搬送ロボット2をトレイ回収ゾーンTZへ移動させてトレイTを回収するように制御する。
【0241】
この構成によれば、搬送ロボット2は、空きのトレイTを自動的にトレイ回収ゾーンTZから持ち上げる(すなわち、空きのトレイTをトレイ回収ゾーンTZから第1搬送ロボット21の荷台へ移し替える)ことができる。この結果、空きのトレイTがトレイ回収ゾーンTZから第1搬送ロボット21の荷台へ移し替えられる際に、従業員が第1搬送ロボット21に直接触れることがないため、空きのトレイTの回収の衛生面に優れている。
【0242】
(変形例)
次に、
図27から
図29を参照しながら変形例に係る搬送システム1について説明する。なお、変形例では、上述した実施形態と同様の点については省略し、主に上述した実施形態と相違する点について説明する。
【0243】
図27は、変形例に係る構造体10を示す概略側面図である。
図28は、変形例に係る構造体10を示す概略平面図である。
図29は、変形例のコントローラ7及びコントローラ7に接続(又は通信)される主要構成を示すブロック図である。
【0244】
上述した実施形態では、搬送システム1は、テイクアウト用の寿司パックPが載置される搬送ロボット2を、構造体10内において移動させることによって寿司パックPを厨房KからホールHへ提供するのに対し、本変形例では、搬送システム1は、店内用の寿司(具体的には、寿司が載置される皿)が載置される搬送ロボット2を構造体10内に移動させることによって、顧客により注文された寿司を厨房KからホールHの客席へ提供する(
図27及び
図28参照)。
【0245】
図27から
図29に示すように、本変形例に係る搬送システム1は、構造体10、搬送ロボット2、コントローラ7及び各センサS1~S6に加え、それぞれ複数の客席KS1,KS2に設けられる複数の注文入力部としてのタッチパネルODを備える。
【0246】
構造体10は、上流側から下流側に向かって順に厨房K側に設けられる物品搬送元としての第1昇降領域100Aと、客席KS1と隣接するようにホールH側に設けられる搬送先載置地点としての第2昇降領域100Bと、客席KS2に設けられる搬送先載置地点としての第3昇降領域100Cと、第1昇降領域100A、第2昇降領域100B及び第3昇降領域100Cを連通させる非昇降領域としての走行領域200と、を有する。
【0247】
なお、搬送路Lは、走行領域200によって構成される。第2昇降領域100B及び第3昇降領域100Cは、走行領域200から分岐される。
【0248】
第1昇降領域100Aの最も上段のレールの上方には、搬送元載置部Aが設けられる。第2昇降領域100Bの最も上段のレールの上方及び第3昇降領域100Cの最も上段のレールの上方には、それぞれ第1搬送先載置部B1及び第2搬送先載置部B2が設けられる。
【0249】
走行領域200は、一対の上段のレールと、一対の上段のレールと離間して設けられる一対の下段のレールと、それぞれ第2昇降領域100B及び第3昇降領域100Cと連通する複数の連通箇所に設けられる複数の転舵部300A,300Bと、を有する。なお、走行領域200において、一対の上段のレールと一対の下段のレールとは、両者の間に中段のレールがないため、搬送ロボット2が両レール間を昇降不能に設けられる(
図27参照)。
【0250】
走行領域200における一対の上段のレールは、顧客が視認可能に設けられるとともに、走行領域200における一対の下段のレールは、顧客が視認不能に収容部(図示しない)等によって取り囲まれて設けられる。
【0251】
そして、搬送ロボット2は、転舵部300A又は転舵部300Bにおいて、転舵することにより、第2昇降領域100B又は第3昇降領域100Cに対し出入りを行うことができる。このため、搬送ロボット2を第2昇降領域100B又は第3昇降領域100Cへ移動させて、搬送ロボット2の荷台に載置された寿司を第1搬送先載置部B1又は第2搬送先載置部B2に載置させることができる。
【0252】
図29に示すように、コントローラ7は、各センサS1~S6、複数のタッチパネルOD、搬送ロボット2とは接続(又は、通信)される。コントローラ7は、搬送ロボット2の各動作(具体的には、走行動作、昇降動作、転舵動作及び停止動作等)を制御する制御部である。
【0253】
コントローラ7は、入力インタフェース701、出力インタフェース702、記憶部703、判定部704、行先特定部705A、移動経路特定部707A及び動作制御部709Aを有する。
【0254】
次に、
図30を参照しながら変形例の搬送ロボット2の動作制御処理について説明する。なお、変形例では、上述した実施形態と同様の点については省略し、主に上述した実施形態と相違する点について説明する。
【0255】
図30は、変形例の搬送ロボット2の動作制御処理を示すフローチャートである。
【0256】
搬送ロボット2がオフからオンに切り替えられてから、注文がタッチパネルODによって入力されると、搬送ロボット2の動作制御処理が開始される。なお、搬送ロボット2の動作制御処理が開始されると、位置検出センサS6は、搬送ロボット2の位置をリアルタイムに検出する。
【0257】
図29及び
図30に示すように、まず、ステップS201において、搬送元載置状況検出センサS1は、搬送元載置部Aへの寿司の載置状況を検出する。そして、搬送元載置状況検出センサS1は、検出結果が含まれる出力信号を入力インタフェース701を介して記憶部703及び判定部704へ出力し、ステップS202へ進む。
【0258】
次に、ステップS202において、判定部704は、搬送元載置状況検出センサS1からの出力信号に基づいて、搬送元載置部Aに寿司が載置されたか否かを判定する。
【0259】
そして、ステップS202において、搬送元載置部Aに寿司が載置された場合(Yesの場合)に、判定部704は、その旨を通知する通知信号を動作制御部709Aへ出力し、ステップS203に進む。一方、ステップS202において、搬送元載置部Aに寿司が載置されていない場合(Noの場合)に、ステップS201に戻る。
【0260】
次に、ステップS203において、動作制御部709Aは、判定部704からの通知信号及び位置検出センサS6からの出力信号に基づいて、第1昇降領域100Aの下段のレールに位置する搬送ロボット2に寿司を搬送元載置部Aから持ち上げさせるための動作制御信号を生成する。そして、動作制御部709Aは、生成した動作制御信号を搬送ロボット2及び行先特定部705Aへ出力し、ステップS204に進む。
【0261】
そして、ステップS203において、搬送ロボット2は、動作制御部709Aからの動作制御信号に基づいて、第1昇降領域100Aの下段のレールから第1昇降領域100Aの最も上段のレールへ上昇する。これにより、搬送ロボット2は、寿司を自動的に搬送元載置部Aから持ち上げる(すなわち、寿司を搬送元載置部Aから搬送ロボット2の荷台へ移し替える)ことができる。この結果、寿司が搬送元載置部Aから搬送ロボット2の荷台へ移し替えられる際に、従業員が搬送ロボット2に直接触れることがないため、寿司の搬送の衛生面に優れている。
【0262】
次に、ステップS204において、行先特定部705Aは、動作制御部709Aからの動作制御信号及びタッチパネルODからの出力信号(すなわち、注文が入力されたことを通知する出力信号)等に基づいて、搬送ロボット2の行先(例えば、第2昇降領域100Bの最も上段のレールである搬送先)を特定する。そして、行先特定部705Aは、特定した搬送ロボット2の搬送先の情報が含まれる出力信号を移動経路特定部707Aへ出力し、ステップS205に進む。
【0263】
次に、ステップS205において、移動経路特定部707Aは、行先特定部705Aからの出力信号に含まれる搬送ロボット2の搬送先の情報及び位置検出センサS6からの出力信号に基づいて、搬送ロボット2の移動経路を特定する。そして、移動経路特定部707Aは、特定した搬送ロボット2の移動経路の情報が含まれる出力信号を動作制御部709Aへ出力する。
【0264】
そして、ステップS205において、動作制御部709Aは、移動経路特定部707Aからの出力信号に含まれる搬送ロボット2の移動経路の情報に基づいて、搬送ロボット2を特定したその移動経路に沿って搬送ロボット2の搬送先へ移動させるための動作制御信号を生成する。そして、動作制御部709Aは、生成した動作制御信号を搬送ロボット2へ出力し、ステップS106に進む。
【0265】
そして、ステップS205において、搬送ロボット2は、動作制御部709Aからの動作制御信号に基づいて、第1昇降領域100Aの最も上段のレールから移動経路(すなわち、搬送経路)を経由して第2昇降領域100Bの最も上段のレールへ移動(転舵、昇降及び走行)する。
【0266】
次に、ステップS206において、動作制御部709Aは、位置検出センサS6からの出力信号(すなわち、搬送ロボット2が第2昇降領域100Bの最も上段のレールに到着したことを示す出力信号)に基づいて、寿司を搬送ロボット2の荷台から第1搬送先載置部B1に載置させるための動作制御信号を生成する。そして、動作制御部709Aは、生成した動作制御信号を搬送ロボット2へ出力し、ステップS207に進む。
【0267】
そして、ステップS206において、搬送ロボット2は、動作制御部709Aからの動作制御信号に基づいて、第2昇降領域100Bの最も上段のレールから第2昇降領域100Bの下段のレールへ下降する。これにより、搬送ロボット2は、寿司を自動的に搬送ロボット2の荷台から第1搬送先載置部B1(すなわち、注文が入力されたタッチパネルODと対応する搬送先載置地点)へ載置させる(移し替える)ことができる。この結果、寿司が搬送ロボット2の荷台から第1搬送先載置部B1へ移し替えられる際に、顧客が搬送ロボット2に直接触れることがないため、寿司の搬送の衛生面に優れている。
【0268】
そして、ステップS206において、第1搬送先載置部B1に寿司が載置された場合に、搬送先載置状況検出センサS3は、その旨を示す出力信号を行先特定部705Aへ出力する。
【0269】
次に、ステップS207において、行先特定部705Aは、搬送ロボット2の行先(すなわち、第1昇降領域100Aの下段のレールである撤収先)を特定する。そして、行先特定部705Aは、特定した搬送ロボット2の撤収先の情報が含まれる出力信号を移動経路特定部707Aへ出力し、ステップS208に進む。
【0270】
次に、ステップS208において、移動経路特定部707Aは、行先特定部705Aからの出力信号及び位置検出センサS6からの出力信号に基づいて、搬送ロボット2の移動経路を特定する。そして、移動経路特定部707Aは、特定した搬送ロボット2の移動経路の情報が含まれる出力信号を動作制御部709Aへ出力する。
【0271】
そして、ステップS208において、動作制御部709Aは、移動経路特定部707Aからの出力信号に含まれる搬送ロボット2の移動経路の情報に基づいて、搬送ロボット2を特定したその移動経路に沿って第1昇降領域100Aの下段のレールへ移動させるための動作制御信号を生成する。そして、動作制御部709Aは、生成した動作制御信号を搬送ロボット2へ出力する。
【0272】
そして、ステップS208において、搬送ロボット2は、動作制御部709Aからの動作制御信号に基づいて、第2昇降領域100Bの下段のレールから第1昇降領域100Aの下段のレールへ移動する。そして、変形例の搬送ロボット2の動作制御処理が終了する。
【0273】
本変形例では、コントローラ7は、搬送ロボット2に寿司の搬送のみを行わせるように搬送ロボット2を制御しているが、これに限定されるものではなく、例えば、搬送ロボット2に寿司の搬送及び使用済の食器としての空き皿の回収の両方を行わせるように搬送ロボット2を制御してもよい。
【0274】
この場合に、コントローラ7は、搬送ロボット2を走行領域200における上段のレールに沿って走行させることで寿司の搬送を行うとともに、搬送ロボット2を走行領域200における下段のレールに沿って走行させることで空き皿の回収を行うように搬送ロボット2を制御する。これにより、寿司の搬送及び空き皿の回収が搬送ロボット2を同一のレールに走行させることによって行われるものに比べ、搬送システム1の衛生性及び美観性を向上させることができる。
【0275】
以上、本実施形態及び各変形例について説明したが、上述した実施形態及び各変形例は、本発明の適用例を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上述した実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
【符号の説明】
【0276】
1 搬送システム
2 搬送ロボット
7 コントローラ
10 構造体
21 第1搬送ロボット(一方の搬送ロボット)
22 第2搬送ロボット(他方の搬送ロボット)
100 昇降領域
100B 第2昇降領域(搬送先載置地点)
100C 第3昇降領域(搬送先載置地点)
A 搬送元載置部
L 搬送路
P 寿司パック
T トレイ
B1 第1搬送先載置部(搬送先載置部)
B2 第2搬送先載置部(搬送先載置部)
S3 第1搬送先載置状況検出センサ(載置状況検出部)
S4 第2搬送先載置状況検出センサ(載置状況検出部)
S6 位置検出部
RZ1 第1荷下ろしゾーン(物品搬送先ゾーン)
RZ2 第2荷下ろしゾーン(物品搬送先ゾーン)
TZ トレイ回収ゾーン
WZ1 第1待機ゾーン(物品搬送元ゾーン)
WZ2 第2待機ゾーン