(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023137095
(43)【公開日】2023-09-29
(54)【発明の名称】来店予約システム、予約枠制御方法及び来店管理システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/02 20120101AFI20230922BHJP
G06Q 40/02 20230101ALI20230922BHJP
【FI】
G06Q10/02
G06Q40/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022043115
(22)【出願日】2022-03-17
(71)【出願人】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115417
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 弘一
(72)【発明者】
【氏名】山本 陽菜
【テーマコード(参考)】
5L049
5L055
【Fターム(参考)】
5L049AA03
5L055BB42
(57)【要約】
【課題】顧客と店舗にとって効率的なサービスを提供する来店予約システム及び予約枠制御方法、来店管理システムを提供する。
【解決手段】顧客の予約処理を行う来店予約システムは、伝票の種類ごとの所要時間として予め設定された第1の時間と予約枠における予約状況が登録された予約状況情報とを記憶する記憶部と、顧客の伝票の種類と伝票の数との情報をWEB伝票システムから取得する情報取得部と、情報取得部で取得した伝票の種類に対応する第1の時間と伝票の数とから顧客の取引の総所要時間である第2の時間を算出する算出部と、予約状況情報を参照し第2の時間から顧客が予約可能な受付予約枠を検索する検索部と、検索部で検索された受付予約枠を顧客の端末に表示させる表示制御部と、顧客の端末に表示された受付予約枠から顧客によって選択された選択予約枠を予約状況情報に登録する登録部と、を備える。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
顧客の端末及び、顧客が店舗で実施予定の取引内容を示す伝票を作成するWEB伝票システムと接続され、店舗への来店を受け付ける時間が時間帯で区切られた予約枠を用いて前記顧客の予約処理を行う来店予約システムであって、
伝票の種類ごとの所要時間として予め設定された第1の時間と、予約枠における予約状況が登録された予約状況情報とを記憶する記憶部と、
前記顧客の伝票の種類と伝票の数との情報をWEB伝票システムから取得する情報取得部と、
前記情報取得部で取得した前記伝票の種類に対応する前記第1の時間と前記伝票の数とから前記顧客の取引の総所要時間である第2の時間を算出する算出部と、
前記予約状況情報を参照し前記第2の時間から前記顧客が予約可能な受付予約枠を検索する検索部と、
前記検索部で検索された前記受付予約枠を前記顧客の端末に表示させる表示制御部と、
前記顧客の端末に表示された前記受付予約枠から前記顧客によって選択された選択予約枠を前記予約状況情報に登録する登録部と、
を備える来店予約システム。
【請求項2】
前記伝票の種類に対応する前記第1の時間は、顧客の年齢に対応した複数の値が設定され、
前記情報取得部は、前記顧客の年齢の情報をさらに取得し、
前記算出部は、前記情報取得部で取得した前記顧客の前記年齢と前記伝票の種類とに対応する前記第1の時間を用いて前記第2の時間を算出する
請求項1に記載の来店予約システム。
【請求項3】
前記伝票の種類に対応する前記第1の時間は、顧客が個人であるか法人であるかによって異なる値が設定され、
前記情報取得部は、前記顧客が個人か法人のいずれであるかを示す属性の情報をさらに取得し、
前記算出部は、前記情報取得部で取得した前記顧客の前記属性と前記伝票の種類とに対応する前記第1の時間を用いて前記第2の時間を算出する
請求項1に記載の来店予約システム。
【請求項4】
前記第1の時間は、顧客の過去の来店時に該当する伝票の種類の取引に要した時間から算出された値であり、顧客ごとに設定され、
前記情報取得部は、前記顧客に設定された前記第1の時間に対応付けられる識別情報をさらに取得し、
前記算出部は、前記情報取得部で取得した前記識別情報と前記伝票の種類とに対応する前記第1の時間を用いて前記第2の時間を算出する
請求項1に記載の来店予約システム。
【請求項5】
前記記憶部は、店員の勤務スケジュール情報と、店員の顧客対応のスキルを店員ごとに記憶したスキル情報と、前記スキルごとに設定された値である時間補正値とをさらに記憶し、
前記算出部は、顧客対応を行う店員を前記勤務スケジュール情報から抽出し、前記顧客対応を行う店員の前記スキルを前記スキル情報から特定し、特定した前記スキルに対応する前記時間補正値を特定し、特定した前記時間補正値と前記第1の時間と前記伝票の数とから前記第2の時間を算出し、
前記検索部は、前記第2の時間から前記顧客対応を行う店員が勤務予定の予約枠における前記受付予約枠を検索する
請求項1に記載の来店予約システム。
【請求項6】
来店予約された顧客対応を行う店員を決定する店員配置部をさらに備え、
前記記憶部は、店員の勤務スケジュール情報と、店員の顧客対応のスキルを店員ごとに記憶したスキル情報とをさらに記憶し、
前記登録部は、顧客の前記第2の時間を前記予約状況情報にさらに登録し、
前記店員配置部は、前記予約状況情報から特定の予約枠に予約された複数の顧客の前記第2の時間を特定し、前記勤務スケジュール情報から前記特定の予約枠で顧客対応を行う複数の店員を抽出し、前記複数の店員の前記スキルを前記スキル情報から特定して、前記複数の顧客のうち前記第2の時間が長い顧客を前記複数の店員のうち前記スキルが高い店員が対応するように決定する
請求項1~4のいずれか一項に記載の来店予約システム。
【請求項7】
来店予約された顧客対応を行う店員を決定する店員配置部をさらに備え、
前記記憶部は、店員の勤務スケジュール情報をさらに記憶し、
前記登録部は、顧客の前記第2の時間を前記予約状況情報にさらに登録し、
前記店員配置部は、前記予約状況情報から特定の予約枠に予約された複数の顧客の前記第2の時間を特定し、前記勤務スケジュール情報から前記特定の予約枠で顧客対応を行う複数の店員を抽出し、連続する2つの予約枠において、前記特定の予約枠で前記第2の時間が最も長い顧客を対応する第1の店員と、他方の予約枠で前記第2の時間が最も長い顧客を対応する第2の店員とが別となるように決定する
請求項1~4のいずれか一項に記載の来店予約システム。
【請求項8】
顧客の端末及び、顧客が店舗で実施予定の取引内容を示す伝票を作成するWEB伝票システムと接続され、店舗への来店を受け付ける時間が時間帯で区切られた予約枠を用いて前記顧客の予約処理を行う来店予約システムにおける予約枠の制御方法であって、
前記来店予約システムは、
伝票の種類ごとの所要時間として予め設定された第1の時間と、予約枠における予約状況が登録された予約状況情報とを記憶部に記憶するステップと、
前記顧客の伝票の種類と伝票の数との情報をWEB伝票システムから取得するステップと、
取得した前記伝票の種類に対応する前記第1の時間と前記伝票の数とから前記顧客の取引の総所要時間である第2の時間を算出するステップと、
前記予約状況情報を参照し前記第2の時間から前記顧客が予約可能な受付予約枠を検索するステップと、
検索された前記受付予約枠を前記顧客の端末に表示させるステップと、
前記顧客の端末に表示された前記受付予約枠から前記顧客によって選択された選択予約枠を前記予約状況情報に登録するステップと、
を含む処理を制御部に実行させる予約枠制御方法。
【請求項9】
顧客が店舗で実施予定の取引内容を示す伝票を作成するWEB伝票システム及び、店舗への来店を受け付ける時間が時間帯で区切られた予約枠を用いて前記顧客の予約処理を行う来店予約システムからなり、顧客の端末と接続される来店管理システムであって、
前記WEB伝票システムは、
前記顧客の端末から伝票の作成に係る情報を取得する入力受付部と、
前記入力受付部で取得した情報から伝票を作成し、前記顧客の伝票の種類と伝票の数とを含む情報を前記来店予約システムに提供する伝票作成部とを備え、
前記来店予約システムは、
伝票の種類ごとの所要時間として予め設定された第1の時間と、予約枠における予約状況が登録された予約状況情報とを記憶する記憶部と、
前記顧客の前記伝票の種類と前記伝票の数との情報を前記WEB伝票システムから取得する情報取得部と、
前記情報取得部で取得した前記伝票の種類に対応する前記第1の時間と前記伝票の数とから前記顧客の取引の総所要時間である第2の時間を算出する算出部と、
前記予約状況情報を参照し前記第2の時間から前記顧客が予約可能な受付予約枠を検索する検索部と、
前記検索部で検索された前記受付予約枠を前記顧客の端末に表示させる表示制御部と、
前記顧客の端末に表示された前記受付予約枠から前記顧客によって選択された選択予約枠を前記予約状況情報に登録する登録部と、
を備える来店管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は来店予約システム、予約枠制御方法及び来店管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、顧客の端末から金融機関の来店を予約できる予約システムがある。
【0003】
例えば、下記特許文献1では顧客が属性や来店目的、来店希望店舗を入力すると、入力された情報に基づいて、顧客に予約カレンダを表示する予約システムが開示されている。予約カレンダは日付や曜日、各時間帯を1つの予約枠として予約枠ごとの予約の可否の情報を含んでいる。顧客は表示された予約カレンダにおける予約枠から予約したい枠を選択することで予約を行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記特許文献では来店時の顧客対応にかかる所要時間を考慮せずに予約を受け付けている。顧客が複数の伝票を持参したり、対応が難しい取引であったりすると、顧客対応が予約枠の時間よりも長くかかることがある。そのため、対応時間が長い場合は、他の顧客の待ち時間が増え、顧客の店舗利用の満足度が低くなる可能性がある。逆に、顧客の持参する伝票が少なかったり、対応が簡単な取引であったりすると、予約枠よりも短い時間で顧客対応が終了することがある。そのため、対応時間が短い場合は、時間が余ってしまい、実際に対応可能な人数よりも少ない数の顧客しか対応できない可能性がある。このように、予約枠で想定している時間と、実際の顧客対応にかかる時間の差が大きいと顧客や店舗にとって不都合が生じる場合があった。
【0006】
そこで本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、予約枠で想定している時間と実際の顧客対応にかかる時間の差を小さくし、顧客と店舗にとって効率的なサービスを提供する来店予約システム及び予約枠制御方法、来店管理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、顧客の端末及び、顧客が店舗で実施予定の取引内容を示す伝票を作成するWEB伝票システムと接続され、店舗への来店を受け付ける時間が時間帯で区切られた予約枠を用いて顧客の予約処理を行う来店予約システムであって、伝票の種類ごとの所要時間として予め設定された第1の時間と、予約枠における予約状況が登録された予約状況情報とを記憶する記憶部と、顧客の伝票の種類と伝票の数との情報をWEB伝票システムから取得する情報取得部と、情報取得部で取得した伝票の種類に対応する第1の時間と伝票の数とから顧客の取引の総所要時間である第2の時間を算出する算出部と、予約状況情報を参照し第2の時間から顧客が予約可能な受付予約枠を検索する検索部と、検索部で検索された受付予約枠を顧客の端末に表示させる表示制御部と、顧客の端末に表示された受付予約枠から顧客によって選択された選択予約枠を予約状況情報に登録する登録部と、を備える来店予約システムが提供される。
【0008】
伝票の種類に対応する第1の時間は、顧客の年齢に対応した複数の値が設定され、情報取得部は、顧客の年齢の情報をさらに取得し、算出部は、情報取得部で取得した顧客の年齢と伝票の種類とに対応する第1の時間を用いて第2の時間を算出してもよい。
【0009】
伝票の種類に対応する第1の時間は、顧客が個人であるか法人であるかによって異なる値が設定され、情報取得部は、顧客が個人か法人のいずれであるかを示す属性の情報をさらに取得し、算出部は、情報取得部で取得した顧客の属性と伝票の種類とに対応する第1の時間を用いて第2の時間を算出してもよい。
【0010】
第1の時間は、顧客の過去の来店時に該当する伝票の種類の取引に要した時間から算出された値であり、顧客ごとに設定され、情報取得部は、顧客に設定された第1の時間に対応付けられる識別情報をさらに取得し、算出部は、情報取得部で取得した識別情報と伝票の種類とに対応する第1の時間を用いて第2の時間を算出してもよい。
【0011】
記憶部は、店員の勤務スケジュール情報と、店員の顧客対応のスキルを店員ごとに記憶したスキル情報と、スキルごとに設定された値である時間補正値とをさらに記憶し、算出部は、顧客対応を行う店員を勤務スケジュール情報から抽出し、顧客対応を行う店員のスキルをスキル情報から特定し、特定したスキルに対応する時間補正値を特定し、特定した時間補正値と第1の時間と伝票の数とから第2の時間を算出し、検索部は、第2の時間から顧客対応を行う店員が勤務予定の予約枠における受付予約枠を検索してもよい。
【0012】
来店予約された顧客対応を行う店員を決定する店員配置部をさらに備え、記憶部は、店員の勤務スケジュール情報と、店員の顧客対応のスキルを店員ごとに記憶したスキル情報とをさらに記憶し、登録部は、顧客の第2の時間を予約状況情報にさらに登録し、店員配置部は、予約状況情報から特定の予約枠に予約された複数の顧客の第2の時間を特定し、勤務スケジュール情報から特定の予約枠で顧客対応を行う複数の店員を抽出し、複数の店員のスキルをスキル情報から特定して、複数の顧客のうち第2の時間が長い顧客を複数の店員のうちスキルが高い店員が対応するように決定してもよい。
【0013】
来店予約された顧客対応を行う店員を決定する店員配置部をさらに備え、記憶部は、店員の勤務スケジュール情報をさらに記憶し、登録部は、顧客の第2の時間を予約状況情報にさらに登録し、店員配置部は、予約状況情報から特定の予約枠に予約された複数の顧客の第2の時間を特定し、勤務スケジュール情報から特定の予約枠で顧客対応を行う複数の店員を抽出し、連続する2つの予約枠において、特定の予約枠で第2の時間が最も長い顧客を対応する第1の店員と、他方の予約枠で第2の時間が最も長い顧客を対応する第2の店員と、が別となるように決定してもよい。
【0014】
また、課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、顧客の端末及び、顧客が店舗で実施予定の取引内容を示す伝票を作成するWEB伝票システムと接続され、店舗への来店を受け付ける時間が時間帯で区切られた予約枠を用いて顧客の予約処理を行う来店予約システムにおける予約枠の制御方法であって、来店予約システムは、伝票の種類ごとの所要時間として予め設定された第1の時間と、予約枠における予約状況が登録された予約状況情報とを記憶部に記憶するステップと、顧客の伝票の種類と伝票の数との情報をWEB伝票システムから取得するステップと、取得した伝票の種類に対応する第1の時間と伝票の数とから顧客の取引の総所要時間である第2の時間を算出するステップと、予約状況情報を参照し第2の時間から顧客が予約可能な受付予約枠を検索するステップと、検索された受付予約枠を顧客の端末に表示させるステップと、顧客の端末に表示された受付予約枠から顧客によって選択された選択予約枠を予約状況情報に登録するステップと、を含む処理を制御部に実行させる予約枠制御方法が提供される。
【0015】
また、課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、顧客が店舗で実施予定の取引内容を示す伝票を作成するWEB伝票システム及び、店舗への来店を受け付ける時間が時間帯で区切られた予約枠を用いて顧客の予約処理を行う来店予約システムからなり、顧客の端末と接続される来店管理システムであって、WEB伝票システムは、顧客の端末から伝票の作成に係る情報を取得する入力受付部と、入力受付部で取得した情報から伝票を作成し、顧客の伝票の種類と伝票の数とを含む情報を来店予約システムに提供する伝票作成部とを備え、来店予約システムは、伝票の種類ごとの所要時間として予め設定された第1の時間と、予約枠における予約状況が登録された予約状況情報とを記憶する記憶部と、顧客の伝票の種類と伝票の数との情報をWEB伝票システムから取得する情報取得部と、情報取得部で取得した伝票の種類に対応する第1の時間と伝票の数とから顧客の取引の総所要時間である第2の時間を算出する算出部と、予約状況情報を参照し第2の時間から顧客が予約可能な受付予約枠を検索する検索部と、検索部で検索された受付予約枠を顧客の端末に表示させる表示制御部と、顧客の端末に表示された受付予約枠から顧客によって選択された選択予約枠を予約状況情報に登録する登録部と、を備える来店管理システムが提供される。
【発明の効果】
【0016】
顧客対応にかかる所要時間を考慮して予約を行うので顧客と店舗にとって効率的なサービスを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】第1~5の実施形態に係る予約システムの概要を説明するための説明図である。
【
図2】第1~5の実施形態に係る顧客端末1の構成例を示す図である。
【
図3】第1~5の実施形態に係るWEB伝票システム2の構成例を示す図である。
【
図4】第1~4の実施形態に係る来店予約システム3の構成例を示す図である。
【
図5】第1及び第3~5の実施形態に係る単位対応時間情報3801の一例を示す図である。
【
図6】第1~4の実施形態に係る予約状況情報3802の一例を示す図である。
【
図7】第1~5の実施形態に係る顧客端末1に表示される予約画面131の一例を示す図である。
【
図8】第1~5の実施形態に係る動作処理の一例を示すフローチャートである。
【
図9】第1の実施形態に係る算出部340の動作処理の一例を示すフローチャートである。
【
図10】第2の実施形態に係る年齢別単位対応時間情報3811の一例を示す図である。
【
図11】第2の実施形態に係る算出部341の動作処理の一例を示すフローチャートである。
【
図12】第2の実施形態に係る所属別単位対応時間情報3812の一例を示す図である。
【
図13】第2の実施形態の変形例に係る算出部341の動作処理の一例を示すフローチャートである。
【
図14】第3の実施形態に係る過去の来店情報3821の一例を示す図である。
【
図15】第3の実施形態に係る顧客別単位対応時間情報3822の一例を示す図である。
【
図16】第3の実施形態に係る算出部342の動作処理の一例を示すフローチャートである。
【
図17】第4の実施形態に係る店員の勤務スケジュール情報3831の一例を示す図である。
【
図18】第4の実施形態に係る店員のスキル情報3832の一例を示す図である。
【
図19】第4の実施形態に係る店員のスキル別時間補正値情報3833の一例を示す図である。
【
図20】第4の実施形態に係る店員のスキル別時間補正値情報3834の一例を示す図である。
【
図21】第4の実施形態に係る算出部343の動作処理の一例を示すフローチャートである。
【
図22】第5の実施形態に係る来店予約システム3の構成例を示す図である。
【
図23】第5の実施形態に係る店員の勤務スケジュール情報3841の一例を示す図である。
【
図24】第5の実施形態に係る店員のスキル情報3842の一例を示す図である。
【
図25】第5の実施形態に係る店員割当部390の動作処理の一例を示すフローチャートである。
【
図26】第5の実施形態に係る予約状況情報3843の一例を示す図である。
【
図27】第5の実施形態に係る予約状況情報3844の一例を示す図である。
【
図28】第5の実施形態に係る店員割当部390の動作処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0019】
<1.第1の実施形態>
<1.1 概要>
図1は、本実施形態に係る予約システムの概要を説明する図である。
図1に示すように、本実施形態に係る来店予約システム3はインターネット4を通じて顧客端末1及びWEB伝票システム2と通信可能に接続されている。WEB伝票システム2、及び来店予約システム3は、金融機関のデータセンターやクラウド環境に設置されている。
【0020】
顧客端末1は来店を希望する顧客が使用する通信端末であり、例えばPC(Personal Computer)又は、スマートフォンやタブレット等の携帯端末である。顧客は顧客端末1上で動作するブラウザ等を通じてWEB伝票システム2及び来店予約システム3からサービスを受け、WEB伝票の作成や来店予約のための操作を行う。
【0021】
WEB伝票システム2は、WEB伝票を作成するアプリケーションを顧客端末1に提供するシステムである。WEB伝票システム2の機能はWEBアプリケーションで実現される。WEB伝票システム2は、WEB伝票の作成画面を顧客端末1に表示させ、顧客端末1からの入力結果を反映したWEB伝票を作成する。WEB伝票とは、金融機関での取引時に顧客が提出する伝票をWEB上で作成したものである。顧客が顧客端末1に表示されたWEB伝票の作成画面に従って伝票の種類を選択し、必要な情報(口座番号や金額、氏名等)を顧客端末1から入力すると、WEB伝票システム2は顧客の入力結果を反映したWEB伝票を作成する。ここで伝票の種類とは、金融機関で行われる取引の種類であり、入金、出金、振込、振替等である。WEB伝票を印刷した印刷物には二次元コードが一緒に印刷される。金融機関の店頭では、取引処理を行う端末によって顧客が来店時に持参する印刷物の二次元コードが読み取られ、WEB伝票の情報が取得される。二次元コードには顧客のWEB伝票の情報の全部若しくは一部、又はこのWEB伝票の情報を取得することのできる検索コード等が含まれている。ここで、WEB伝票の情報とは、例えば、伝票の種類や伝票の数、顧客の氏名、口座番号、金額等である。また、WEB伝票システム2は来店予約システム3と通信を行い、来店予約システム3が顧客の来店予約を行う際に必要なWEB伝票の情報を来店予約システム3に送信する。WEB伝票システム2はWEB伝票の情報の全てを来店予約システム3に送信せずに、WEB伝票の情報の一部のみを送信してもよい。WEB伝票システム2は、例えば、伝票の種類と伝票の数の情報を来店予約システム3に送信する。伝票の種類や伝票の数は、どの伝票の種類が何件あるかという情報であってよく、例えば、入金が2件という情報である。
【0022】
来店予約システム3は、来店予約を行うアプリケーションを顧客端末1に提供するシステムである。来店予約システム3の機能はWEBアプリケーションで実現される。来店予約システム3は、WEB伝票システム2から取得したWEB伝票の情報に基づき、顧客の対応にかかる所要時間を算出し、予約可能な時間帯を顧客端末1に表示させる。
【0023】
<1.2 構成>
図2は、本実施形態における顧客端末1の構成例を示すブロック図である。
図2に示すように、顧客端末1は通信部11、入力部12、出力部13、WEBブラウザ部14、記憶部15、印刷部16を有する。
【0024】
通信部11は、インターネット4を通じてWEB伝票システム2や来店予約システム3と通信を行う。通信部11は、例えば、有線LAN(Local Area Network)、無線LAN、光通信回線、携帯電話回線等のネットワークに接続するためのインターフェースである。
【0025】
入力部12は、WEB伝票の作成及び来店予約時に、顧客による情報の入力や予約枠の選択等の操作を受け付ける。入力部12は、例えば、キーボードやマウス、タッチパッド等の入力デバイスを有する。
【0026】
出力部13は、WEB伝票システム2や来店予約システム3から受信した画面を表示する。出力部13は、例えば、モニタやディスプレイ等の出力デバイスを有する。
【0027】
WEBブラウザ部14は、WEB伝票システム2、来店予約システム3から提供されるWEBアプリケーションを動作させる。
【0028】
記憶部15は、WEB伝票システム2で作成したWEB伝票のデータ等を記憶する。記憶部15は、例えば、ハードディスクドライブやフラッシュメモリ等のような不揮発性の情報記憶媒体である。
【0029】
印刷部16は、顧客端末1に接続されたプリンターにWEB伝票を印刷させる。以降の実施形態では顧客端末1としてPCを想定した説明を行うが、顧客端末1が携帯端末である場合は印刷部16を有さなくてもよい。
【0030】
図3は、本実施形態におけるWEB伝票システム2の構成例を示すブロック図である。
図3に示すように、WEB伝票システム2は、通信部21、制御部22を有し、さらに、制御部22は、表示制御部23、入力受付部24、伝票作成部25を有する。
【0031】
通信部21は、インターネット4を通じて顧客端末1や来店予約システム3と通信を行う。通信部21は、例えば、有線LAN(Local Area Network)、無線LAN、光通信回線、携帯電話回線等のネットワークに接続するためのインターフェースである。
【0032】
制御部22は、CPU、ROM、RAMを有しており、演算処理装置及び制御装置として機能し、各種プログラムに従ってWEB伝票システム2の動作全般を制御する。制御部22は、表示制御部23、入力受付部24、伝票作成部25が実行する各種処理を統括的に制御する。なお、制御部22は、その他の処理を実行しても良い。
【0033】
表示制御部23は、WEB伝票の作成に関するWEB画面を顧客端末1に表示させる。
【0034】
入力受付部24は、顧客端末1からの情報入力を受け付ける。具体的には、顧客が顧客端末1を操作して入力された情報が顧客端末1から送信され、WEB伝票システム2の通信部21で受信すると、入力受付部24が入力として受け付ける。
【0035】
伝票作成部25は、顧客端末1から入力された情報に基づいてWEB伝票を作成する。
【0036】
図4は、本実施形態における来店予約システム3の構成例を示すブロック図である。
図4に示すように、来店予約システム3は、通信部310、制御部320、記憶部380を有し、さらに、制御部320は、情報取得部330、算出部340、検索部350、表示制御部360、登録部370を有する。
【0037】
通信部310は、インターネット4を通じて顧客端末1やWEB伝票システム2と通信を行う。通信部310は、例えば、有線LAN(Local Area Network)、無線LAN、光通信回線、携帯電話回線等のネットワークに接続するためのインターフェースである。
【0038】
制御部320は、CPU、ROM、RAMを有しており、演算処理装置及び制御装置として機能し、各種プログラムに従って来店予約システム3の動作全般を制御する。制御部320は、情報取得部330、算出部340、検索部350、表示制御部360、登録部370が実行する各種処理を統括的に制御する。なお、制御部320は、その他の処理を実行しても良い。
【0039】
情報取得部330は、WEB伝票システム2からWEB伝票の情報を取得する。
【0040】
算出部340は、情報取得部330が取得したWEB伝票の情報と、伝票の種類に対応して設定された単位対応時間(第1の時間)から、顧客対応にかかる所要時間である総対応時間(第2の時間)を算出する。単位対応時間とは、伝票1件あたりの顧客対応に必要な時間である。本実施形態では単位対応時間は伝票の種類別に設定されている。また、総対応時間は、顧客の伝票全ての顧客対応に必要な時間である。総対応時間は、例えば、顧客のWEB伝票が入金2件であった場合、入金2件分の顧客対応に必要な時間である。総対応時間は、WEB伝票の情報と単位対応時間から算出される。算出部340は、例えば、情報取得部330から入金が2件というWEB伝票の情報を取得した場合であり、伝票の種類である入金に対応する単位対応時間が5分と設定されている場合、総対応時間を5×2=10分と算出する。算出部340は、算出した結果を検索部350に出力する。また、算出部340は、例えば、情報取得部330から入金が1件と出金が2件というWEB伝票の情報を取得した場合であり、入金に対応する単位対応時間が5分、出金に対応する単位対応時間が8分と設定されている場合、総対応時間を5+8×2=21分と算出する。
【0041】
検索部350は、算出部340で算出された総対応時間から、顧客が予約可能な予約枠(受付予約枠)を検索する。本実施形態では、営業時間が時間帯で区切られた予約枠が設定されており、検索部350は顧客が予約可能な予約枠を検索する。例えば、営業時間9時00分~15時00分まで30分ごとに区切られた予約枠が設定されており、検索部350は予約状況情報3802を参照し、顧客の予約を入れられる予約枠を検索する。検索部350は、全ての予約枠から来店予約を行いたい顧客が予約可能な予約枠を検索する。予約可能な予約枠とは、予約枠の時間(30分)からその予約枠に予約された顧客の総対応時間を引いた時間である残時間が、来店予約を行いたい顧客の総対応時間以上である予約枠である。算出部340で算出された総対応時間が10分の場合、検索部350は残時間が10分以上である予約枠を検索する。
【0042】
表示制御部360は、来店予約を行うためのWEB画面を顧客端末1に表示させる。表示制御部360は、例えば、検索部350で検索された結果に基づき、顧客が予約可能な予約枠を顧客端末1に表示させる。
【0043】
登録部370は、顧客が選択した予約枠(選択予約枠)を顧客の予約枠として予約状況情報3802に登録する。登録部370は、例えば、顧客が予約画面に表示された予約枠から7日の9時00分~の予約枠を選択した場合、登録部370は予約状況情報3802に日付、予約枠、顧客の氏名、総対応時間を登録することで顧客の予約を登録する。
【0044】
記憶部380は、各種情報等を記憶している。記憶部380は、例えば、単位対応時間情報3801や予約状況情報3802を記憶している。記憶部380は、例えば、ハードディスクドライブやフラッシュメモリ等のような不揮発性の情報記憶媒体である。
【0045】
図5は、単位対応時間情報3801の一例を示している。単位対応時間情報3801では、伝票の種類別に単位対応時間が設定されている。
図5の例では、伝票の種類に対応する単位対応時間が、入金は5分、出金は8分、振込は10分、振替は10分と設定されている。算出部340は、顧客のWEB伝票の情報と、WEB伝票の情報に含まれる伝票の種類に対応する単位対応時間とから、総対応時間を算出する。具体的には、算出部340は、入金が2件というWEB伝票の情報を取得した場合、単位対応時間情報3801から入金に対応する単位対応時間を5分と特定する。そして、算出部340は、特定した単位対応時間である5分に伝票の数である2件をかけて、総対応時間を10分と算出する。
【0046】
図6は、店舗の予約状況を示す予約状況情報3802の一例を示している。予約状況情報3802には各顧客の予約情報である、日付、予約枠(30分)、顧客の氏名等の顧客の識別情報、総対応時間が記録されている。
図6では、簡略化のため顧客の氏名はアルファベットで記載されている。検索部350は、算出部340で算出された総対応時間から、予約状況情報3802を参照して、顧客が予約可能な予約枠を検索する。検索部350は、例えば、予約枠の時間(30分)からその予約枠に予約された顧客の総対応時間を引いた残時間が、来店予約を行いたい顧客の総対応時間以上である予約枠を予約可能な予約枠として検索する。
図6の例では、2022年3月7日の9時00分~9時30分の予約枠には顧客Bの予約が入っており、顧客Bの総対応時間は10分なので、この予約枠の残時間は20分である。また、11時00分~11時30分の予約枠には顧客Eと顧客Fの予約が入っており、両者の総対応時間の合計は25分であるので、この予約枠の残時間は5分である。来店予約を行いたい顧客の総対応時間が10分である場合は、9時00分~9時30分の予約枠は残時間が10分以上のため予約可能な予約枠であるが、11時00分~11時30分の予約枠は残時間が10分未満のため予約不可能な予約枠である。
【0047】
以上、本実施形態による顧客端末1、WEB伝票システム2、来店予約システム3の構成の一例について説明した。なお、本実施形態における各構成は
図2~
図6に示す例に限定されない。
【0048】
ここで、顧客端末1に表示される予約画面について説明する。
【0049】
図7は予約画面の一例であり、検索部350で検索された結果に基づいて顧客の予約可能な予約枠が表示された予約画面131の例である。予約画面131では予約可能な予約枠が○、予約不可能な予約枠が×で示されている。顧客は○で示された予約枠の中から予約を希望する予約枠を選択する。
【0050】
<1.3 動作処理>
続いて、本実施形態における来店予約システム3の動作処理及び関連する一連の処理について
図8を参照して説明する。
図8は、本実施形態における顧客端末1、WEB伝票システム2、来店予約システム3の動作処理の一例を示すフローチャートである。
【0051】
図8に示すように、まず、顧客端末1は顧客の操作に従ってWEBブラウザ部14を立ち上げ、WEB伝票システム2に接続する(ステップS101)。
【0052】
WEB伝票システム2の表示制御部23は顧客端末1にWEB伝票の作成画面を表示させる。表示制御部23は、例えば、伝票の種類を選択するフォームや顧客の氏名、金額、口座番号等を入力するフォームを顧客端末1に表示させる(ステップS102)。
【0053】
顧客端末1は、顧客によるWEB伝票の作成に必要な情報(伝票の種類や顧客の氏名、口座番号等)の入力を入力部12で受け付け、入力された情報を通信部11を通じてWEB伝票システム2に送信する(ステップS103)。
【0054】
ステップS102及びステップS103は適宜繰り返され得る。まずWEB伝票システム2は伝票の種類を選択するフォームを顧客端末1に表示させる。顧客端末1は顧客が表示されたフォームから希望する伝票の種類を選択する操作を受け付ける。この時、複数の伝票の種類が顧客によって選択されてもよい。WEB伝票システム2は、さらに顧客の選択した伝票の種類に応じた入力フォームを顧客端末1に表示させる。WEB伝票システム2は、例えば、伝票の種類が入金や出金の場合は、支店名や口座番号、金額等の入力フォーム、伝票の種類が振込や振替の場合は、支店名や口座番号、金額、振込や振替先の口座番号等の入力フォームを表示させる。WEB伝票システム2は、顧客の選択した伝票の種類が複数の場合は複数の入力フォームを表示させる。
【0055】
WEB伝票システム2の伝票作成部25は顧客の入力情報に基づいてWEB伝票を作成する(ステップS104)。
【0056】
また、WEB伝票システム2の表示制御部23は来店予約システム3に接続する画面を顧客端末1に表示させる(ステップS105)。例えば、表示制御部23は来店予約システム3に接続するためのURLを含むリンクを生成し、顧客端末1に表示させる。このリンクには、顧客の作成したWEB伝票を特定するための伝票番号が含まれていてもよい。伝票番号は、例えば、URLのパラメーターとして所定の書式で記載される。
【0057】
顧客端末1は、顧客の操作に従って来店予約システム3に接続する。顧客端末1は、例えば、来店予約システム3に接続する画面に表示されたリンクが顧客によって選択されると、来店予約システム3に接続する(ステップS106)。
【0058】
来店予約システム3は、接続された顧客端末1とWEB伝票システム2との通信で作成されたWEB伝票の情報を、WEB伝票システム2に要求する(ステップS107)。来店予約システム3は、例えば、顧客端末1が来店予約システム3に接続する際に用いられたリンクにパラメーターとして含まれる伝票番号を指定してWEB伝票の情報をWEB伝票システム2に要求する。
【0059】
WEB伝票システム2は、来店予約システム3から要求されたWEB伝票の情報を来店予約システム3に送信する(ステップS108)。WEB伝票システム2は、例えば、伝票作成部25で来店予約システム3から指定された伝票番号でWEB伝票を特定し、WEB伝票の情報を、通信部21を通じて来店予約システム3に送信する。
【0060】
来店予約システム3の情報取得部330は、WEB伝票システム2からWEB伝票の情報を取得する(ステップS109)。
【0061】
次に算出部340は、WEB伝票の情報と伝票の種類別に設定された単位対応時間から、総対応時間を算出し、算出結果を検索部350に出力する(ステップS110)。算出部340における総対応時間の詳細な算出方法は後述する。
【0062】
検索部350は、算出部340から取得した総対応時間に基づいて、顧客が予約可能な予約枠を検索する(ステップS111)。
【0063】
表示制御部360は、検索部350の検索結果に基づいて顧客が予約可能な予約枠を顧客端末1に表示させる(ステップS112)。
【0064】
顧客端末1は、出力部13に表示された予約可能な予約枠から希望の予約枠を顧客が選択する操作を入力部12で受け付け、入力情報を、通信部11を通じてWEB伝票システム2に送信する(ステップS113)。
【0065】
来店予約システム3の登録部370は、顧客が選択した予約枠を顧客の予約枠として予約状況情報3802に登録する(ステップS114)。
【0066】
ここで、算出部340による総対応時間の算出方法を説明する。
図9は、算出部340による総対応時間の算出方法を示すフローチャートである。まず算出部340は、情報取得部330で取得したWEB伝票の情報から、伝票の種類と数の情報を取得する(ステップS201)。次に、算出部340は、記憶部380に記憶されている単位対応時間情報3801から、伝票の種類に対応する単位対応時間を特定する(ステップS202)。そして、算出部340は、特定した単位対応時間と伝票の数から総対応時間を算出する(ステップS203)。
【0067】
以上、本実施形態による来店予約システム3の動作処理の一例について説明した。なお、
図8に示す処理は一例であって本実施形態はこれに限定されない。
【0068】
来店予約システム3の動作処理の説明では、来店予約システム3が、顧客端末1からの接続を受け付けるとWEB伝票システム2にWEB伝票の情報を要求する例を示した。しかし、この例に限られず、来店予約システム3からの要求がなくともWEB伝票システム2が顧客のWEB伝票の情報を来店予約システム3に送信してもよい。例えば、顧客端末1が来店予約システム3に接続したことを、顧客端末1からWEB伝票システム2に通知されると、その通知に基づいてWEB伝票システム2が来店予約システム3にWEB伝票の情報を送信してもよい。
【0069】
以上説明した実施形態によれば、顧客が来店を予約する場合に顧客の対応にかかる所要時間を考慮して予約を行う。そのため、予約枠で想定している時間と実際の顧客対応にかかる時間の差を小さくし、顧客と店舗にとって効率的なサービスを提供することができる。また、WEB伝票の情報はWEB伝票システム2から来店予約システム3に自動的に送られるため、顧客は煩わしい操作をする必要がない。そして、WEB伝票を作成した後に続けて来店予約システム3に接続することで、顧客が来店予約を忘れることを防ぐことができる。
【0070】
<2.第2の実施形態>
次に、第2の実施形態について説明する。上述した第1の実施形態では、単位対応時間は伝票の種類別に設定されていたが、本発明はこれに限定されず、さらに顧客の属性別に設定されることができる。
【0071】
<2.1 構成>
第2の実施形態における構成は、来店予約システム3が算出部340、記憶部380の代わりに、算出部341、記憶部381を備える点で第1の実施形態と相違する。また、記憶部381は、単位対応時間情報3801の代わりに、
図10の例で示す年齢別単位対応時間情報3811を記憶している点で第1の実施形態と相違する。
【0072】
図10は、年齢別単位対応時間情報3811の例であり、単位対応時間が伝票の種類と顧客の属性である年齢別に設定されている。例えば、伝票の種類が入金の場合では、顧客の年齢が74歳以下の場合は5分、顧客の年齢が75歳以上の場合は7分と単位対応時間が設定されている。他の伝票の種類も同様に、顧客の年齢が74歳以下である場合と75歳以上である場合で異なる単位対応時間が設定されている。高齢の顧客の場合は、店員による説明に時間を要する等、来店時の対応時間が長くなることが考えられる。そのため、単位対応時間は、74歳以下の顧客よりも75歳以上の顧客の単位対応時間が長く設定されている。
【0073】
<2.2 動作処理>
第2の実施形態における動作処理は、第1の実施形態で
図8を用いて説明した動作処理と同様であるが、
図8のステップS110で行う総対応時間の算出方法が第1の実施形態と異なる。
【0074】
図8に示すフローチャートのステップS109において、来店予約システム3の情報取得部330は顧客の年齢を含むWEB伝票の情報を取得する。
【0075】
次にステップS110において、算出部341は
図10の年齢別単位対応時間情報3811に示す単位対応時間を用いて総対応時間を算出する。
図11は、算出部341による総対応時間の算出方法を示すフローチャートである。まず算出部341は、情報取得部330で取得したWEB伝票の情報から、伝票の種類と数、顧客の年齢の情報を取得する(ステップS301)。次に、算出部341は、記憶部381に記憶されている年齢別単位対応時間情報3811から、伝票の種類と顧客の年齢に対応する単位対応時間を特定する(ステップS302)。具体的には、算出部341は、顧客の年齢が74歳以下の場合は
図10に示す74歳以下の列に記載の単位対応時間、75歳以上の場合は75歳以上の列に記載の単位対応時間から伝票の種類に対応する単位対応時間を特定する。そして、算出部341は、特定した単位対応時間と伝票の数から総対応時間を算出する(ステップS303)。算出部341は、例えば、顧客の年齢が70歳で伝票の種類が入金、伝票の数が2件というWEB伝票の情報を取得した場合、単位対応時間を5分と特定し、総対応時間を5×2=10分と算出する。また、算出部341は、例えば、顧客の年齢が75歳で、伝票の種類が入金、伝票の数が2件というWEB伝票の情報を取得した場合、単位対応時間を7分と特定し、総対応時間を7×2=14分と算出する。
【0076】
<2.3 変形例>
上記の第2の実施形態では顧客の属性である年齢別に単位対応時間が設定される例を説明したが、単位対応時間は、顧客の属性である所属別に設定されることもできる。所属とは顧客が個人であるか法人であるかの情報である。本変形例では、記憶部381は年齢別単位対応時間情報3811の代わりに
図12の例で示す所属別単位対応時間情報3812を記憶している。
【0077】
図12は、所属別単位対応時間情報3812の例であり、単位対応時間が伝票の種類と、顧客の所属(個人、法人)別に設定されている。例えば、伝票の種類が入金の場合では、顧客が個人の場合は5分、顧客が法人の場合は3分と単位対応時間が設定されている。他の伝票の種類も同様に、顧客が個人である場合と法人である場合で異なる単位対応時間が設定されている。法人の顧客の場合は、頻繁に店舗を訪れるため店舗の利用に慣れており、店員による対応時間が短くなることが考えられる。そのため、法人の顧客の方が個人の顧客よりも単位対応時間が短く設定されている。
【0078】
ここで、本変形例における動作処理を説明する。
図8に示すフローチャートのステップS109において、来店予約システム3の情報取得部330は顧客の所属を含むWEB伝票の情報を取得する。
【0079】
次にステップS110において、算出部341は
図12の所属別単位対応時間情報3812に示す単位対応時間を用いて総対応時間を算出する。
図13は、算出部341による総対応時間の算出方法を示すフローチャートである。まず算出部341は、情報取得部330で取得したWEB伝票の情報から、伝票の種類と数、顧客の所属の情報を取得する(ステップS401)。次に、算出部341は、記憶部381に記憶されている所属別単位対応時間情報3812から、伝票の種類と顧客の所属に対応する単位対応時間を特定する(ステップS402)。具体的には、算出部341は、顧客の所属が個人の場合は
図12に示す個人の列に記載の単位対応時間、法人の場合は法人の列に記載の単位対応時間から伝票の種類に対応する単位対応時間を特定する。そして、算出部341は、特定した単位対応時間と伝票の数から総対応時間を算出する(ステップS403)。算出部341は、例えば、顧客の所属が個人で伝票の種類が入金、伝票の数が2件というWEB伝票の情報を取得した場合、単位対応時間を5分と特定し、総対応時間を5×2=10分と算出する。また、算出部341は、例えば、顧客の所属が法人で、伝票の種類が入金、伝票の数が2件というWEB伝票の情報を取得した場合、単位対応時間を3分と特定し、総対応時間を3×2=6分と算出する。
【0080】
また、第2の実施形態とその変形例では、算出部341が顧客の属性として年齢か所属のうち片方の情報を用いて総対応時間を算出する例を示したが、両方を用いてもよいし、記憶部381は
図10の例で示す年齢別単位対応時間情報3811と、
図12の例で示す所属別単位対応時間情報3812の両方を記憶していてもよい。この場合は、来店予約システム3の情報取得部330は顧客の年齢と所属を含むWEB伝票の情報を取得する。算出部341は、情報取得部330で取得したWEB伝票の情報から、伝票の種類と数、顧客の年齢と所属の情報を取得する。そして算出部341は、年齢別単位対応時間情報3811と、所属別単位対応時間情報3812を用いて総対応時間を算出する。例えば、算出部341は、顧客の年齢が74歳以下である場合には顧客の所属に基づいて、所属別単位対応時間情報3812の単位対応時間を用いて総対応時間を算出する。また、算出部341は、顧客の年齢が75歳以上である場合には年齢別単位対応時間情報3811の単位対応時間を用いて総対応時間を算出する。顧客が高齢の場合は対応時間が長くなることが考えられる。そのため、算出部341は、顧客の年齢が75歳以上の場合は所属に関わらず年齢別単位対応時間情報3811の単位対応時間を用いて総対応時間を算出する。
【0081】
以上説明した第2の実施形態では、顧客の属性(年齢、所属)によって異なる単位対応時間が設定されており、算出部341は年齢別単位対応時間情報3811、所属別単位対応時間情報3812を用いて総対応時間を算出する。このように顧客の属性別に異なる単位対応時間が設定されることで、算出した総対応時間と実際の対応時間の差を小さくすることができる。
【0082】
図10に示す年齢別単位対応時間情報3811の例では顧客の年齢を74歳以下と75歳以上で分けたが、この例に限定されず適当な年齢が設定されてよい。また、
図10、
図12の両方において単位対応時間は適宜設定されてよい。
図10、
図12の例では年齢別単位対応時間情報3811と所属別単位対応時間情報3812を分けて記載したが、年齢別単位対応時間情報3811と所属別単位対応時間情報3812は同じデータシートとして記憶部381に記憶されてもよい。
【0083】
銀行のシステム等から顧客の個人情報データを取得できる場合、来店予約システム3は、WEB伝票の情報に含まれる口座番号等の情報を取得し、口座番号等の情報から紐づけて個人情報データである顧客の年齢や所属の情報を銀行のシステム等から取得することができる。また、WEB伝票作成時にWEB伝票システム2が顧客端末1に顧客の年齢や所属を入力させるフォームを表示させてもよい。そしてWEB伝票システム2は、取得した顧客の年齢や所属の情報を含むWEB伝票の情報を来店予約システム3に送信してもよい。来店予約システム3はWEB伝票システム2から取得したWEB伝票の情報から顧客の年齢や所属の情報を取得することができる。
【0084】
<3.第3の実施形態>
次に、第3の実施形態について説明する。第2の実施形態では、顧客の年齢や顧客の所属別に単位対応時間が設定されていた。第3の実施形態では、対象の顧客が過去の来店時の取引に要した時間から単位対応時間が設定される。
【0085】
<3.1 構成>
第3の実施形態における構成は、来店予約システム3が算出部340、記憶部380の代わりに、算出部342、記憶部382を有する点で第1の実施形態と相違する。また、記憶部382は
図14の例で示す過去の来店情報3821及び
図15の例で示す顧客別単位対応時間情報3822をさらに記憶している。
【0086】
図14は、過去の来店情報3821の例であり、ある顧客Aが過去に来店した際の伝票の種類と数、及び対応にかかった所要時間を示している。例えば2021年1月2日に来店した際は、入金が2件で対応には12分要したことを示されている。また、2021年2月8日に来店した際は、出金が1件と振込が2件で25分、2021年3月7日に来店した際は、出金が3件と振込が1件で35分要したことを示されている。
【0087】
図15は、顧客別単位対応時間情報3822の例であり、顧客Aの過去の来店情報3821から設定された、顧客Aの顧客別単位対応時間情報3822の例を示している。顧客別単位対応時間情報3822は顧客別に記憶されている。そして顧客別単位対応時間情報3822は、口座番号等の顧客を識別する識別情報及び伝票の種類に対応して設定された単位対応時間の情報を含んでいる。
図15の顧客Aの顧客別単位対応時間情報3822の例では、伝票の種類に対応する単位対応時間がそれぞれ、入金は6分、出金は9分、振込は8分と設定されている。これらの単位対応時間は顧客の過去の来店情報3821から設定される。
図14の例では、顧客Aが2021年1月2日の来店時に、入金2件で12分の所要時間がかかっているため入金1件あたりの対応時間は6分と算出される。よって
図15の例では、入金に対応する単位対応時間は6分と設定されている。また、
図14の例では、2021年2月8日と2021年3月7日の来店時にそれぞれ、出金1件と振込2件で25分、出金3件と振込1件で35分の所要時間がかかっている。両者のデータを用いた連立方程式から、出金1件には9分、振込8分の対応時間かかると算出される。よって
図15の例では、出金に対応する単位対応時間は9分、振込に対応する単位対応時間は8分と設定されている。過去の来店情報3821のデータが多い場合は、来店日が新しい2つのデータを用いた連立方程式から単位対応時間が算出される。また、顧客Aは過去に振替の取引を行っていないため振替に対応する単位対応時間はデータなしと設定されている。顧客別単位対応時間情報3822は、口座番号等の顧客の識別情報と紐づけられており、顧客の識別情報から対象の顧客の顧客別単位対応時間情報3822が抽出される。
【0088】
<3.2 動作処理>
第3の実施形態における動作処理は第1の実施形態で
図8を用いて説明した動作と同様であるが、
図8のステップS110で行う総対応時間の算出方法が第1の実施形態と異なる。
【0089】
ステップS109において、来店予約システム3の情報取得部330は、口座番号等の顧客の識別情報を含むWEB伝票の情報を取得する。次にステップS110において、算出部342は顧客の識別情報から紐づけられる顧客別単位対応時間情報3822を用いて総対応時間を算出する。
図16は、算出部342による総対応時間の算出方法を示すフローチャートである。まず算出部342は、情報取得部330で取得したWEB伝票の情報から、伝票の種類と数、顧客の識別情報を取得する(ステップS501)。次に、算出部342は、記憶部382に記憶されている顧客別単位対応時間情報3822から、伝票の種類に対応する単位対応時間を特定する(ステップS502)。具体的には、算出部342は、情報取得部330から取得した顧客の識別情報に紐づけられる顧客別単位対応時間情報3822を参照して単位対応時間を特定する。そして、算出部342は、特定した単位対応時間と伝票の数から総対応時間を算出する(ステップS503)。算出部342は、例えば、顧客Aの入金が2件というWEB伝票の情報を取得した場合、単位対応時間を6分と特定し、総対応時間を6×2=12分と算出する。
図15の例では振替に対応する単位対応時間のデータは記憶されていない。そのため、WEB伝票の情報に振替が含まれる場合は、算出部342は、
図5に示す単位対応時間を用いて総対応時間を算出する。
【0090】
また、顧客の来店情報及び顧客別単位対応時間情報3822は、顧客が1回以上来店した後でないと取得できない。そのため、顧客の識別情報に紐づけられる顧客別単位対応時間情報3822が存在しない場合は、算出部342は、
図5に示す単位対応時間情報3801を用いて総対応時間を算出する。
【0091】
ここで、顧客別単位対応時間情報3822は適宜更新され得る。例えば、来店予約システム3は、銀行のシステム等から顧客が来店した時の対応時間の情報を随時受信してもよい。例えば、来店予約システム3は、顧客が来店する度に銀行のシステムから顧客の対応時間の情報を受信し、来店予約システム3の記憶部382で記憶される過去の来店情報3821に記憶する。顧客が来店を繰り返すと記憶部382に記憶される過去の来店情報3821のデータ増えるため、来店予約システム3は顧客別単位対応時間情報3822を適宜更新する。更新するタイミングは、顧客の対応時間の情報を受信する度でもよいし、予め定められた頻度でもよい。顧客別単位対応時間情報3822の更新は、算出部342で行うことができる。算出部342は、過去の来店情報3821を用いて伝票の種類に対応する単位対応時間を算出し、顧客別単位対応時間情報3822の更新を行う。伝票の種類に対応する単位対応時間の算出に用いるデータは、顧客の来店日が新しいデータでもよい。例えば、伝票の種類が1種類の来店日のデータがあれば、算出部342は、最も来店日が新しいデータを用いて単位対応時間を算出する。また、連立方程式を解かないと単位対応時間が求められない場合は、算出部342は来店日が新しい、連立方程式が解ける分のデータを用いて単位対応時間を算出する。
【0092】
以上、説明した第3の実施形態では、顧客の過去の来店情報3821に基づいて伝票の種類に対応した単位対応時間が顧客別に設定される。実際の来店時のデータを用いて単位対応時間が設定されるため、算出部342は、顧客の特性を反映して総対応時間を算出することができる。
【0093】
<4.第4の実施形態>
次に、第4の実施形態について説明する。第4の実施形態では店舗で顧客対応を行う店員の能力を考慮して総対応時間を算出する。
【0094】
<4.1 構成>
第4の実施形態における構成は、来店予約システム3が、算出部340、検索部350、記憶部380の代わりに、算出部343、検索部353、記憶部383を有する点で第1の実施形態と相違する。また、記憶部383は、
図17の例で示す店員の勤務スケジュール情報3831(勤務スケジュール情報)、
図18の例で示す店員のスキル情報3832(スキル情報)、
図19、
図20の例で示す店員のスキル別時間補正値情報3833、店員のスキル別時間補正値情報3834をさらに記憶している。
【0095】
図17は、店員の勤務スケジュール情報3831の例であり、予約枠毎に顧客対応を行う店員が誰であるかを記憶している。例えば、
図17の例では、3月7日の9時00分~12時00分までは店員aが顧客対応を行い、12時00分~15時00分は店員cが顧客対応を行うことが示されている。
【0096】
図18は、店員のスキル情報3832の例であり、店員ごとに顧客対応のスキルを記憶している。
図18の例では、顧客対応のスキルを「低い」、「普通」、「高い」の3レベルに分けており、スキルが「低い」は1、「普通」は2、「高い」は3として店員ごとにスキルが記憶されている。
図18の例では、店員aのスキルは1、店員bのスキルは1、店員cのスキルは2である。
【0097】
図19は、店員のスキル別時間補正値情報3833の例であり、店員のスキルに対応した時間補正値が設定されている。時間補正値とは、店員の顧客対応のスキルに応じた値であり、第4の実施形態において総対応時間を算出する際に用いられる値である。
図19の例では、店員のスキルが1であれば時間補正値は1.2が設定され、店員のスキルが2であれば時間補正値は1が設定され、店員のスキルが3であれば時間補正値は0.8が設定されている。
【0098】
図20は、店員のスキル別時間補正値情報3834の例であり、店員のスキルの平均に対応した時間補正値が設定されている。
図20の例では、店員のスキルの平均が1以上1.5未満であれば時間補正値は1.2が設定され、店員のスキルの平均が1.5以上2.5未満であれば時間補正値は1が設定され、店員のスキルの平均が2.5以上3以下であれば時間補正値は0.8が設定されている。
【0099】
<4.2 動作処理>
第4の実施形態における動作は第1の実施形態で
図8を用いて説明した動作と同様であるが、
図8のステップS110で行う総対応時間の算出方法及びS111で行う予約可能な予約枠の検索方法が第1の実施形態と異なる。
【0100】
まずステップS109において、来店予約システム3の情報取得部330はWEB伝票の情報を取得する。
【0101】
次にステップS110において、算出部343は、
図5に示す単位対応時間及び、
図19に示す店員のスキル別時間補正値情報3833を用いて総対応時間を算出する。
図21は、算出部343による総対応時間の算出方法を示すフローチャートである。まず算出部343は、情報取得部330で取得したWEB伝票の情報から、伝票の種類と数を取得する(ステップS601)。次に、算出部343は、記憶部383に記憶している店員の勤務スケジュール情報3831から顧客対応を行う店員を抽出する(ステップS602)。ここでは、算出部343は、予約枠の検索を行う予約枠全てから顧客対応を行う店員を抽出する。例えば、算出部343は、3月7日(月)から3月11日(金)の予約枠で予約枠の検索を行う場合、
図17の店員の勤務スケジュールから、3月7日(月)から3月11日(金)までで顧客対応を行う店員である店員a、店員b、店員cを抽出する。そして、算出部343は、店員のスキル情報3832から、ステップS602で抽出した店員のスキルを特定する(ステップS603)。例えば、算出部343は、各店員のスキルを、店員aは1、店員bは1、店員cは2と特定する。続いて、算出部343は、伝票の種類と数、単位対応時間情報3801から、仮の総対応時間を算出する(ステップS604)。算出部343は、例えば、入金が2件というWEB伝票の情報を取得した場合、単位対応時間を5分と特定し、仮の総対応時間を5×2=10分と算出する。そして、算出部343は、仮の総対応時間と、店員のスキルに対応した時間補正値から、店員ごとに総対応時間を算出する(ステップS605)。ここでは総対応時間は仮の総対応時間に時間補正値をかけて算出される。例えば、店員aは、スキルが1なので時間補正値は1.2である。そのため算出部343は、店員aに対応する総対応時間を10×1.2=12分と算出する。店員bについても同様に、算出部343は、店員bに対応する総対応時間を12分と算出する。店員cはスキルが2なので時間補正値は1である。そのため、算出部343は、店員cに対応する総対応時間を10×1=10分と算出する。
【0102】
次に、
図8のステップS111において、検索部353は店員ごとに算出された総対応時間を用いて予約可能な予約枠の検索を行う。具体的には、検索部353は、各予約枠について、顧客対応を行う店員に対応して算出された総対応時間を用いて検索を行う。検索部353は、例えば、3月7日(月)の9時00分~12時00分の予約枠では、店員aに対応した総対応時間である12分を用いて、12時00分~15時00分の予約枠では店員cに対応した総対応時間である10分を用いて検索を行う。
【0103】
また、算出部343は、店員のスキル別時間補正値情報3833を用いずに総対応時間を算出してもよい。その場合は、店員のスキルにそれぞれ数値が設定されており、算出部343はその数値を用いて総対応時間を算出する。例えば、店員のスキルが「低い」には1.5、「普通」には1、「高い」には0.5という数値が店員のスキルに対応して設定される。算出部343は、総対応時間を算出する際に、仮の総対応時間に店員のスキルに応じた数値をかけて総対応時間を算出する。
【0104】
ここまで各予約枠で顧客対応を行う店員が1人の場合を説明したが、店員が2人以上の場合も考えられる。店員が2人以上の場合は、算出部343は、店員のスキルの平均値を求めて、平均値に応じた時間補正値を用いて総対応時間を算出する。
図21のステップS602において、例えば、算出部343は、店員の勤務スケジュール情報3831から顧客対応を行う店員である、店員a、店員b、店員cを抽出する。そしてステップS603において、算出部343は、
図18の店員のスキル情報3832から店員のスキルをそれぞれ店員aは1、店員bは1、店員cは2と特定する。ここで、店員a、店員b、店員cの3人ともが顧客対応を行う枠があるとする。その場合、算出部343は、3人のスキルの平均値を(1+1+2)÷3=1.3のように求める。次に、算出部343は、
図20の例で示す店員のスキル別時間補正値情報3834を参照して、店員のスキルの平均値に対応する時間補正値を特定する。
図20では店員のスキルの平均値が1.3の場合、時間補正値は1.2である。そして、算出部343は、仮の総対応時間と、特定した時間補正値とから総対応時間を算出する。総対応時間は、仮の総対応時間に特定した時間補正値をかけて算出される。算出部343は、例えば、仮の総対応時間が10分の場合、総対応時間を10×1.2=12分と算出する。よって、店員a、店員b、店員cの3人が顧客対応を行う予約枠において、検索部353は、総対応時間を12分として予約可能な予約枠の検索を行う。
【0105】
上記の例では店員のスキルを「低い」、「普通」、「高い」の3レベルに分けたが、レベル分けの数は3に限らない。また、
図18の例で示した時間補正値の数値はこの例に限定されず適宜設定されてよい。
【0106】
以上説明した第4の実施形態では、算出部343は店員のスキルに基づいて総対応時間を算出する。顧客の対応時間は顧客の属性によって変化し得るが、対応する店員のスキルによっても変化し得ると考えられる。例えば初心者の店員(店員スキルが「低い」)は対応時間が長くなり、逆にベテランの店員(店員スキルが「高い」)は対応時間が短くなることが考えられる。そのため、店員のスキルを考慮して総対応時間を算出することで、総対応時間と実際の対応時間の差を小さくすることができる。
【0107】
<5.第5の実施形態>
次に、第5の実施形態について説明する。第5の実施形態では顧客対応を行う店員が複数いる場合に、第1~4の実施形態で算出された総対応時間を用いて店員の割当を行う。
【0108】
<5.1 構成>
図22は、第5の実施形態における来店予約システム3の構成を示している。第5の実施形態における来店予約システム3は、店員割当部390、記憶部384を有する点で第1~第4の実施形態と相違する。その他の構成は第1~第4の構成と同様である。
図22の例では、来店予約システム3が算出部340を有する例が示されているが、算出部340は実施例1~4に記載の算出部340、341、342、343のいずれであってもよい。また、
図22の例では来店予約システム3が検索部350を有する例が示されているが、検索部350は実施例1~4に記載の検索部350、353のいずれであってもよい。
【0109】
記憶部384は、第1~第4の実施形態のいずれで来店予約が行われるかによって第1~第4の実施形態の記憶部である記憶部380、記憶部381、記憶部382、記憶部383と同様の情報を記憶する。しかし、記憶部384は少なくとも店員の勤務スケジュール情報3841、店員のスキル情報3842、予約状況情報3843を記憶する。
【0110】
店員割当部390は、予約枠に予約された顧客の対応を行う店員を決定する。例えば、ある予約枠に顧客L、顧客Mが予約されており、その枠で顧客対応を行う店員が店員a、店員cだとすると、店員割当部390は、どの店員がどの顧客の対応を行うかを決定する。
【0111】
図23は、第5の実施形態における店員の勤務スケジュール情報3841の例である。店員の勤務スケジュール情報3841は、予約枠毎に顧客対応を行う店員が誰であるかを記憶している。
【0112】
図24は、第5の実施形態における店員のスキル情報3842の例であり、店員ごとの顧客対応のスキルを記憶している。店員のスキル情報3842は、例えば、スキルを「低い」、「普通」、「高い」の3レベルに分けて、スキルが「低い」は1、「普通」は2、「高い」は3として店員ごとにスキルを記憶している。
図24の例では、店員のスキル情報3842は店員a~eのスキルを記憶している。
【0113】
<5.2 動作処理>
第5の実施形態における動作は、
図8に示すステップS114の後に店員の割当を行う点で第1~第4の実施形態と相違する。来店予約を行う動作であるステップS101~ステップS114は第1~第4の実施形態の動作で行うことができる。店員割当の方法について
図25を用いて以下に説明する。
【0114】
店員割当の1つの方法としては、顧客の予約における総対応時間と店員のスキルに基づいて店員割当が行われる。具体的には、まず店員割当部390は、記憶部384に記憶している店員の勤務スケジュール情報3841から、特定の予約枠において顧客対応予定の店員を抽出する(ステップS701)。特定の予約枠とは、店員の割当を行う予約枠である。店員割当部390は、例えば、3月14日の9時00分~の予約枠の店員割当を行う場合、
図23に示される店員の勤務スケジュール情報3841から、特定の予約枠である3月14日の9時00分~の予約枠における勤務予定の店員aと店員cを抽出する。次に、店員割当部390は、抽出した店員のスキルを店員のスキル情報3842から特定する(ステップS702)。店員割当部390は、例えば、
図24に示される店員のスキル情報3842から店員aのスキルは1、店員cのスキルは2と特定する。続いて店員割当部390は、特定の予約枠において、予約の入っている顧客と、各顧客の総対応時間を予約状況情報3843から特定する(ステップS703)。
図26は予約状況情報3843の例である。
図26の例では3月14日の9時00分~の予約枠において、顧客Lと顧客Mの予約が入っている。店員割当部390は、例えば、
図26に示される予約状況情報3843から、顧客Lの総対応時間は20分、顧客Mの総対応時間は10分と特定する。
図26では店員と記載された列のデータに顧客を対応する店員が示されているが、このデータは店員割当後に記憶されるため、ステップS703の時点では店員と記載された列のデータは記憶されていない。その後、店員割当部390は、特定した店員のスキルと総対応時間から、顧客を対応する店員を決定する(ステップS704)。ここでは、店員割当部390は、総対応時間が長い顧客をスキルの高い店員が対応するように店員を割当てる。例えば、3月14日の9時00分~の予約枠においては、店員cの方が店員aよりもスキルが高く、総対応時間は顧客Lの方が顧客Mよりも長い。そのため、店員割当部390は、顧客Lを担当するのは店員c、顧客Mを担当するのは店員aと決定する。決定した割当は、予約状況情報3843に記憶される(ステップS705)。
図26の例では、店員と記載された列に決定した割当のデータが記憶される。
【0115】
店員割当の他の例としては、店員ごとに対応する顧客の総対応時間の偏りを少なくするように、予約における総対応時間に基づいて店員割当を行われる。つまり一人の店員が総対応時間の長い顧客ばかり、もしくは短い顧客ばかりを対応しないようにする。具体的には、まず店員割当部390は、記憶部384に記憶している店員の勤務スケジュール情報3841から、特定の予約枠において顧客対応予定の店員を抽出する(ステップS801)。店員割当部390は、例えば、3月14日の9時30分~の予約枠の店員割当を行う場合、
図23に示される店員の勤務スケジュール情報3841から特定の予約枠である3月14日の9時30分~の予約枠における顧客対応予定の店員aと店員cを抽出する。次に、店員割当部390は、予約状況情報3844から特定の予約枠において予約の入っている顧客と、各顧客の総対応時間を特定する(ステップS802)。
図27は予約状況情報3844の例である。
図27の例では3月14日の9時30分~の予約枠において、顧客Nと顧客Оの予約が入っている。店員割当部390は、例えば、
図27に示される予約状況情報3844から、顧客Nの総対応時間は25分、顧客Oの総対応時間は5分と特定する。
図27では店員と記載された列のデータに顧客を対応する店員が示されているが、このデータは店員割当後に記憶されるため、ステップS802の時点では店員と記載された列のデータは記憶されていない。その後、店員割当部390は、特定した店員と総対応時間から、顧客を対応する店員を決定する(ステップS803)。ここでは、店員割当部390は、連続する2つの予約枠において、一方の予約枠で第2の時間が最も長い顧客を対応する店員(第1の店員)と、他方の予約枠で第2の時間が最も長い顧客を対応する店員(第2の店員)が別となるように店員を決定する。例えば、3月14日の9時00分~の予約枠において店員cの担当する顧客Lの総対応時間は、店員aの担当する顧客Mの総対応時間よりも長い。そのため、店員割当部390は、9時30分~の予約枠では、店員aが総対応時間の長い顧客を対応するように決定する。つまり、店員割当部390は、総対応時間が長い顧客Nを店員aが担当し、総対応時間が短い顧客Оを店員cが担当するように決定する。決定した割当は、予約状況情報3844に記憶される(ステップS804)。
図27の例では、店員と記載された列に決定した割当のデータが記憶される。また、店員割当部390は1日の最初の予約枠は前の予約枠がないので、ランダムに店員を割当ててもよい。
【0116】
以上、説明した第5の実施形態では算出部340~343で算出した総対応時間を用いて店員の割当を行うことで、効率的な人員割当を行うことができる。総対応時間が長い顧客は対応が難しい可能性があるため、スキルの高い人が担当することで、スムーズに対応を行うことが可能となる。また、店員ごとに対応する顧客の総対応時間の偏りを少なくすることで店員の負荷軽減が期待できる。
【0117】
<補足>
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0118】
本実施例では予約枠を30分ごとに設定し顧客の予約可能な予約枠を検索する例を示した。例えば、顧客の伝票の数が多く総対応時間が30分以上であると算出された場合は、予約可能な連続する2つの予約枠があるかを検索してもよい。
【0119】
本実施例ではWEB伝票システム2と来店予約システム3を別のシステムとして説明したが、WEB伝票システム2と来店予約システム3の機能を来店管理システムとして同じシステムで行ってもよい。
【符号の説明】
【0120】
1 顧客端末
2 WEB伝票システム
3 来店予約システム
4 インターネット