(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023137118
(43)【公開日】2023-09-29
(54)【発明の名称】処理装置、処理方法及び処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20230922BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022043150
(22)【出願日】2022-03-17
(71)【出願人】
【識別番号】399035766
【氏名又は名称】エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】吉澤 雄輝
(72)【発明者】
【氏名】大貫 明人
(72)【発明者】
【氏名】友田 光哉
(72)【発明者】
【氏名】今田 晴菜
(72)【発明者】
【氏名】稲富 梨奈
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC12
(57)【要約】
【課題】仮想現実空間での会議中に、意味が不明である用語が出てきた場合でも、ユーザが用語の意味を理解することができる。
【解決手段】サーバ装置10は、会議が可能である第1の仮想現実空間を構築して、ユーザが使用するユーザ端末に提供する構築部132と、用語の説明依頼をユーザ端末から受け付けると、用語を検索する検索部133と、検索部133による用語の検索結果を基に、ユーザ端末に提供された第1の仮想現実空間に、用語を説明する情報を出力させる出力部134と、ユーザ端末から用語を表現する第2の仮想現実空間への移動要求を受け付けると、ユーザ端末に提供する仮想現実空間を、第1の仮想現実空間から第2の仮想現実空間に切り替える切り替え部135と、を有する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
会議が可能である第1の仮想現実空間を構築して、ユーザが使用するユーザ端末に提供する構築部と、
用語の説明依頼を前記ユーザ端末から受け付けると、前記用語を検索する検索部と、
前記検索部による前記用語の検索結果を基に、前記ユーザ端末に提供された前記第1の仮想現実空間に、前記用語を説明する情報を出力させる出力部と、
前記ユーザ端末から前記用語を表現する第2の仮想現実空間への移動要求を受け付けると、前記ユーザ端末に提供する仮想現実空間を、前記第1の仮想現実空間から前記第2の仮想現実空間に切り替える切り替え部と、
を有することを特徴とする処理装置。
【請求項2】
前記切り替え部は、仮想現実空間を提供する他のシステムと連携して、前記ユーザ端末に提供する仮想現実空間を、前記第1の仮想現実空間から前記第2の仮想現実空間に移動することを特徴とする請求項1に記載の処理装置。
【請求項3】
前記切り替え部は、前記第2の仮想現実空間を構築して前記ユーザ端末に提供することを特徴とする請求項1に記載の処理装置。
【請求項4】
前記用語は、前記会議に参加するユーザが発した音声または前記会議に参加するユーザが作成したテキストに含まれる用語であることを特徴とする請求項1~3のいずれか一つに記載の処理装置。
【請求項5】
処理装置が実行する処理方法であって、
会議が可能である第1の仮想現実空間を構築して、ユーザが使用するユーザ端末に提供する工程と、
用語の説明依頼を前記ユーザ端末から受け付けると、前記用語を検索する工程と、
前記検索する工程における前記用語の検索結果を基に、前記ユーザ端末に提供された前記第1の仮想現実空間に、前記用語を説明する情報を出力させる工程と、
前記ユーザ端末から前記用語を表現する第2の仮想現実空間への移動要求を受け付けると、前記ユーザ端末に提供する仮想現実空間を、前記第1の仮想現実空間から前記第2の仮想現実空間に切り替える工程と、
を含んだことを特徴とする処理方法。
【請求項6】
会議が可能である第1の仮想現実空間を構築して、ユーザが使用するユーザ端末に提供するステップと、
用語の説明依頼を前記ユーザ端末から受け付けると、前記用語を検索するステップと、
前記検索するステップにおける前記用語の検索結果を基に、前記ユーザ端末に提供された前記第1の仮想現実空間に、前記用語を説明する情報を出力させるステップと、
前記ユーザ端末から前記用語を表現する第2の仮想現実空間への移動要求を受け付けると、前記ユーザ端末に提供する仮想現実空間を、前記第1の仮想現実空間から前記第2の仮想現実空間に切り替えるステップと、
をコンピュータに実行させるための処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、処理装置、処理方法及び処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年では、アプリケーションやブラウザを介して接続するWeb会議サービスが広く普及している。これらのサービスでは、会議サービスを提供する設備がネットワーク上に設置されており、利用者は、端末上で動作するアプリケーションやブラウザを用いて会議に参加する。さらに、会議室を表現した仮想現実(VR:Virtual Reality)空間を構築し、VR空間上での会議を可能とする技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
会議中に、例えば、年齢層が自分よりも下の人との会話の中で、意味が分からない固有名詞及び用語(以降、用語とする。)が出てくる場合がある。このように、会議中に、その世代にしか分からない用語が使用されると、他の世代ではその用語の意味が分からない場合があった。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、仮想現実空間での会議中に、意味が不明である用語が出てきた場合でも、ユーザが用語の意味を理解することができる処理装置、処理方法及び処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る処理装置は、会議が可能である第1の仮想現実空間を構築して、ユーザが使用するユーザ端末に提供する構築部と、用語の説明依頼をユーザ端末から受け付けると、用語を検索する検索部と、検索部による用語の検索結果を基に、ユーザ端末に提供された第1の仮想現実空間に用語を説明する情報を出力させる出力部と、ユーザ端末から用語を表現する第2の仮想現実空間への移動要求を受け付けると、ユーザ端末に提供する仮想現実空間を、第1の仮想現実空間から第2の仮想現実空間に切り替える切り替え部と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、仮想現実空間での会議中に、意味が不明である用語が出てきた場合でも、ユーザが用語の意味を理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施の形態に係る通信システムの構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、
図1に示すサーバ装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、サーバ装置がユーザ端末に提供するVR空間を説明する図である。
【
図4】
図4は、サーバ装置がユーザ端末に提供するVR空間を説明する図である。
【
図5】
図5は、実施の形態に係る通信システムにおける通信処理の処理手順の一例を示すシーケンス図である。
【
図6】
図6は、プログラムを実行するコンピュータを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本願に係る処理装置、処理方法及び処理プログラムの実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態により本願に係る処理装置及び処理方法が限定されるものではない。
【0010】
[実施の形態]
まず、実施の形態について説明する。実施の形態では、会議が可能であるVR空間(会議VR空間)をユーザに提供する通信システムについて説明する。
【0011】
例えば年齢層が自分よりも下の人との会議中に、意味が分からない用語があった場合、ユーザは、ユーザ端末を介して、意味が分からない用語の説明を依頼する。通信システムでは、意味が分からない用語の説明をユーザから依頼された場合、依頼元のユーザのユーザ端末に、その用語の意味を説明する情報を会議VR空間上で出力させる。これとともに、通信システムでは、依頼元のユーザが、ユーザ端末を介して、その用語を表現するVR空間に移動可能とする。このように、ユーザは、用語の説明を受けるだけではなく、用語を表現したVR空間を体感することで、用語の意味を適切に理解することができる。
【0012】
[通信システムの構成]
実施の形態に係る通信システムの構成を説明する。
図1は、実施の形態に係る通信システムの構成の一例を示すブロック図である。
【0013】
図1に示すように、実施の形態に係る通信システムは、ユーザAが使用するユーザ端末20Aと、ユーザBが使用する20Bと、VR提供事業者のサーバ装置10(処理装置)とを有する。なお、
図1に示す構成は一例にすぎず、具体的な構成や各装置の数は特に限定されない。また、ユーザ端末20A,20Bをユーザ端末20と総称することがある。
【0014】
サーバ装置10は、会議が可能である会議VR空間(第1の仮想現実空間)をユーザに提供するVR提供事業者のサーバ装置である。例えば、サーバ装置10は、仮想空間上に会議室を表現する会議VR空間を構築し、その会議VR空間に、各ユーザのアバターを配置する。サーバ装置10は、他のユーザが使用するユーザ端末20に、各ユーザが発した音声を送信し、出力させる。また、サーバ装置10は、他のユーザ端末20に、会議に参加するユーザが作成したテキストを送信し、出力させる。これによって、サーバ装置10は、各ユーザ端末20を介して、VR空間上での会議を各ユーザに提供する。
【0015】
サーバ装置10は、会議中のユーザから、ユーザ端末20を介して、意味が分からない用語の説明を依頼された場合、依頼元のユーザのユーザ端末20に、その用語の意味を説明するデータを送信して、出力させる。さらに、サーバ装置10は、依頼元のユーザのユーザ端末20に提供するVR空間を、会議VR空間から、その用語を表現するVR空間(第2の仮想現実空間、以降、第2のVR空間とする。)に切り替える。これによって、依頼元のユーザは、その用語を表現するVR空間に移動することができる。
【0016】
ユーザ端末20は、ノートPC(Personal Computer)やデスクトップPC等の情報処理装置電子や、タブレット、スマートフォン等のスマートデバイスである。ユーザ端末20は、ネットワークNを介して、サーバ装置10に接続し、サーバ装置10が構築したVR空間の提供を受ける。例えば、ユーザは、例えばVRゴーグルを装着し、ユーザ端末20を操作することで、会議VR空間及び第2のVR空間を体感することができる。
【0017】
[サーバ装置]
次に、サーバ装置10について説明する。
図2は、
図1に示すサーバ装置10の構成の一例を示すブロック図である。
図2に示すように、サーバ装置10は、各種情報に関する通信を制御する通信部11、制御部13による各種処理に必要なデータおよびプログラムを格納する記憶部12、及び、種々の処理を実行する制御部13を有する。
【0018】
通信部11は、ネットワーク等を介して接続された他の装置との間で、各種情報を送受信する通信インタフェースである。通信部11は、NIC(Network Interface Card)等で実現され、LAN(Local Area Network)やインターネットなどの電気通信回線を介した他の装置と制御部13(後述)との間の通信を行う。
【0019】
例えば、通信部11は、ネットワークNを介して、ユーザ端末20から、会議VR空間への入室要求を受信する。また、通信部11は、ユーザ端末20間で音声及びデータが通信可能となるように、ネットワークNを介して、ユーザ端末20から送信された音声、テキスト等の各種データを受信し、他のユーザ端末20に送信する。また、通信部11は、ユーザ端末20から用語の説明依頼を示す情報を受信する。通信部11は、用語を説明する情報をユーザ端末20に送信する。通信部11は、ユーザ端末20から、用語を表現する第2のVR空間への移動要求を受信する。
【0020】
記憶部12は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等の記憶装置である。なお、記憶部12は、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ、NVSRAM(Non Volatile Static Random Access Memory)等のデータを書き換え可能な半導体メモリであってもよい。記憶部12は、サーバ装置10で実行されるOS(Operating System)や各種プログラムを記憶する。さらに、記憶部12は、プログラムの実行で用いられる各種情報を記憶する。記憶部12は、構築用情報121、ユーザ情報122及び連携情報123を記憶する。
【0021】
構築用情報121は、VR空間を仮想空間上で構築するために要する情報である。構築用情報121は、会議VR空間を仮想空間上で構築するための、画像処理条件や画像処理プログラムを含む。また、構築用情報121は、VR空間で表現したい会議室の内装、机、椅子、ホワイトボード等を、定点或いは360°で撮影した写真、或いは、これらの写真を画像処理して構築したVR空間の画像を含む。構築用情報121は、例えば、VR空間が、CG(Computer Graphics)で構築される場合には、VR空間で表現したい会議室内部を再現した画像である。
【0022】
ユーザ情報122は、会議VR空間の入室者として登録されている各ユーザに関する情報である。ユーザ情報122は、例えば、ユーザのIDと、各ユーザIDに対応付けられた入室履歴等を含む。
【0023】
連携情報123は、サーバ装置10が連携する他のシステム(連携システム)に関する情報である。連携情報123は、例えば、VR空間を提供する連携システムのURLである。
【0024】
制御部13は、サーバ装置10全体を制御する。制御部13は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)等の電子回路や、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路である。また、制御部13は、各種の処理手順を規定したプログラムや制御データを格納するための内部メモリを有し、内部メモリを用いて各処理を実行する。また、制御部13は、各種のプログラムが動作することにより各種の処理部として機能する。制御部13は、受付部131、構築部132、検索部133、出力部134及び切り替え部135を有する。
【0025】
受付部131は、ユーザ端末20から、ユーザの会議VR空間への入室を受け付ける。また、受付部131は、会議VR空間に入室しているユーザが使用するユーザ端末20から、用語の説明依頼を受け付ける。例えば、受付部131は、ユーザの音声を認識し、用語の説明依頼の有無を判定する。受付部131は、ユーザ端末20から、用語を表現する第2のVR空間への移動要求を受け付ける。
【0026】
構築部132は、画像或いはCGを用いて、会議室を表現した会議VR空間を仮想空間上に構築する。
図3及び
図4は、サーバ装置10がユーザ端末20に提供するVR空間を説明する図である。
【0027】
構築部132は、ユーザの会議VR空間への入室を受け付けると、構築用情報121を取得して、入室を受け付けた会議VR空間V1を仮想空間上に構築する(
図3の(1))。そして、構築部132は、構築したVR空間をユーザ端末20に提供する。構築部132は、会議VR空間V1に、入室した各ユーザA~CのアバターUa,Ub,Ucを配置する。また、構築部132は、実際の会議室と同様に、ホワイトボードB1を会議VR空間V1に配置する。
【0028】
検索部133は、受付部131がユーザ端末20から用語の説明依頼を受け付けると、説明を依頼された用語について、例えば、ネットワークを検索する。検索部133は、例えば、用語の意味が載っているサイトのうち、ネットワーク上で閲覧数が多いサイトを優先的に検索し、検索したサイトの、用語の意味の記載箇所をコピーする。なお、サーバ装置10は、世代ごとの用語辞典(例えば、若者言葉用語辞典)を有し、検索部133は用語の説明依頼を受け付けたユーザの世代とは異なる世代の用語辞典を検索してもよい。
【0029】
出力部134は、検索部133による用語の検索結果を基に、ユーザ端末20に提供する会議VR空間に、用語を説明する情報を出力させる。
【0030】
ユーザB(アバターUb)が「スポッチャ」について発言した際、ユーザAがユーザ端末20Aを介して、サーバ装置10に、「スポッチャの意味を教えて」と音声で依頼した場合を例に説明する。
【0031】
この場合、検索部133は、「スポッチャ」を検索する。そして、出力部134は、会議VR空間V1のホワイトボードB1に、「スポッチャ」の説明を表示させる(
図3の(2))。この場合、出力部134は、ホワイトボードB1の、例えば領域R1に、説明情報の検索元に応じて、情報性レベルを示してもよい。出力部134は、例えば、星の数を5段階表示することで、検索元の情報性レベルを示す。出力部134は、情報検索元が新聞社である場合には、情報性が標準レベルより高いと判定し、4つの星を表示する。また、出力部134は、情報検索元が個人のブログ等の場合には、情報性が標準レベルより低いと判定し、1つの星を表示する。
【0032】
出力部134は、会議VR空間V1に、「スポッチャ」を表現する第2のVR空間への移動指示が可能である移動ボタンT1を表示させる。ユーザAは、ユーザ端末20Aを介して移動ボタンT1を選択することで、「スポッチャ」を表現する第2のVR空間への移動をサーバ装置10に要求する。
【0033】
切り替え部135は、受付部131が、ユーザ端末20から、用語を表現する第2のVR空間への移動要求を受け付けると、ユーザ端末20に提供するVR空間を、会議VR空間から第2のVR空間に切り替える。
【0034】
具体的には、移動ボタンT1の選択により、受付部131が、ユーザ端末20Aから、「スポッチャ」を表現する第2のVR空間への移動要求を受け付ける。この場合、切り替え部135は、ユーザ端末20Aに提供するVR空間を、会議VR空間から、仮想空間上に構築されたスポッチャ空間V2(
図3の(4))に切り替える。ユーザAは、移動ボタンT1を押すだけで、仮想空間上でスポッチャ空間V2に移動することができる(
図3の(3),(4))。そして、
図4のスポッチャ空間V3に示すように、ユーザAは、仮想空間上で、スポッチャを体験、見学することもできる(
図4の(5))。
【0035】
なお、切り替え部135は、説明対象が物である場合には、その物を配置した第2のVR空間に切り替えてもよい。説明依頼対象の用語は、会議に参加するユーザが発した音声に含まれる用語のほか、会議に参加するユーザが作成したテキストに含まれる用語の場合もある。
【0036】
切り替え部135は、VR空間を提供する連携システムと連携して、ユーザ端末20に提供するVR空間を、会議VR空間から第2のVR空間に移動する。切り替え部135は、例えば、Google ストリートビュー(登録商標)などの他のシステムのアプリケーションと連動する。
【0037】
そして、切り替え部135は、一時的に、他のシステムのアプリケーションの仮想空間のうち、用語を表現する仮想空間へ移動する。または、切り替え部135は、一時的に、他のシステムのアプリケーションの仮想空間で、用語を表現する物を再現する。この場合、移動ボタンは、連携システムURLが提供するVR空間のうち、用語を表現したVR空間、また、用語を表現する物を再現した仮想空間に遷移が可能となるように設定される。また、切り替え部135は、第2のVR空間を自装置で構築してユーザ端末20に提供してもよい。
【0038】
出力部134は、戻るボタンを第2のVR空間に表示させる。この戻るボタンの選択により、受付部131が、ユーザ端末20Aから、第2のVR空間から、元の会議VR空間への移動要求を受け付ける。この場合、切り替え部135は、ユーザ端末20Aに提供するVR空間を、第2のVR空間から、会議VR空間に戻す。ユーザは、戻るボタンを押すだけで、会議VR空間に戻ることができる。
【0039】
[通信処理の処理手順]
図5は、実施の形態に係る通信システムにおける通信処理の処理手順の一例を示すシーケンス図である。
図5では、例えば、ユーザ端末20A,20Bとの間で、VR空間上での会議を行う場合を例に説明する。
【0040】
図5に示すように、サーバ装置10は、ユーザ端末20A,20Bから会議VR空間への入室申し込みを受け付けると、入室を受け付けた会議VR空間を仮想空間上に構築し(ステップS1)、ユーザ端末20A,20Bに提供する(ステップS2,S3)。
【0041】
サーバ装置10は、ユーザ端末20A,20Bから送信された音声、テキスト等の各種データを受信し、他のユーザ端末20A,20Bに会議情報として送信する(ステップS4,S5)。例えば、サーバ装置10は、ユーザ端末20Bから、音声データを受信すると(ステップS6)、ユーザ端末20Aに音声データを送信し(ステップS7)、出力させる。
【0042】
この際、ユーザAが、ユーザ端末20Aを介して、ユーザBが発した用語の説明をサーバ装置10に依頼した場合(ステップS8,S9)、サーバ装置10は、説明を依頼された用語について、例えば、ネットワークを検索する(ステップS10)。
【0043】
サーバ装置10は、検索処理(ステップS10)の検索結果を基に、用語を説明する情報をユーザ端末20Aに送信し(ステップS11)、ユーザ端末20Aに提供された会議VR空間に、用語を説明する情報を出力させる(ステップS12)。
【0044】
続いて、ユーザ端末20Aは、移動ボタンがユーザAによって選択されたか否かを判定する(ステップS13)。移動ボタンがユーザAに選択されることによって、ユーザ端末20Aは、この用語を表現する第2のVR空間への移動をサーバ装置10に指示する。移動ボタンがユーザAによって選択されていない場合(ステップS13:No)、ユーザ端末20Aは、サーバ装置10による会議VR空間の提供を継続する。
【0045】
これに対し、移動ボタンがユーザAによって選択された場合(ステップS13;Yes)、ユーザ端末20Aは、第2のVR空間への移動をサーバ装置10に要求する(ステップS14)。
【0046】
サーバ装置10は、ユーザ端末20から、用語を表現する第2のVR空間への移動要求を受け付けると、ユーザ端末20に提供するVR空間を、会議VR空間から第2のVR空間に切り替え(ステップS15)、第2のVR区間をユーザ端末20Aに提供する(ステップS16)。
【0047】
続いて、ユーザ端末20Aは、戻るボタンが選択されたか否かを判定する(ステップS17)。戻るボタンが選択された場合(ステップS17:Yes)、ユーザ端末20Aは、ユーザAに提供されるVR空間を、第2のVR空間から元の会議VR空間に戻す(ステップS18)。この際、ユーザ端末20Aは、第2のVR空間から、元の会議VR空間への移動要求をサーバ装置10に送信することで、サーバ装置10から、元の会議VR空間の提供を受ける。また、戻るボタンが選択されていない場合(ステップS17:No)、ユーザ端末20Aは、ステップS17に戻る。
【0048】
[実施の形態の効果]
このように、実施の形態に係るサーバ装置10は、意味が分からない用語の説明をユーザ端末20から依頼された場合、依頼元のユーザのユーザ端末20に、その用語の意味を説明する情報を会議VR空間上で出力させる。これによって、依頼元のユーザは、会議VR空間上で、意味が分かない用語の説明を受けることができる。
【0049】
さらに、サーバ装置10は、依頼元のユーザが、ユーザ端末20を介して、その用語を表現するVR空間に移動可能とする。この結果、依頼元のユーザは、移動ボタンを選択するだけで、用語を表現したVR空間に移動することができ、用語を表現したVR空間を実際に体験、見学することができる。この結果、依頼元のユーザは、説明を依頼した用語の意味を、適切に理解することができる。
【0050】
このサーバ装置10によれば、例えば、高齢のユーザが、若年層である他のユーザとの会議中に、意味が分からない言葉があった場合であっても、この用語を表現したVR空間を体感することで、用語の意味を適切かつ迅速に認識することができる。この結果、会議VR空間上での会議を円滑に進めることができる。
【0051】
[システム構成等]
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。さらに、各装置にて行なわれる各処理機能は、その全部または任意の一部が、CPUやGPU及び当該CPUやGPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
【0052】
また、本実施形態において説明した各処理のうち、自動的におこなわれるものとして説明した処理の全部または一部を手動的におこなうこともでき、あるいは、手動的におこなわれるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的におこなうこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0053】
[プログラム]
また、上記実施形態において説明したサーバ装置10が実行する処理をコンピュータが実行可能な言語で記述したプログラムを作成することもできる。例えば、実施形態におけるサーバ装置10が実行する処理をコンピュータが実行可能な言語で記述したプログラムを作成することもできる。この場合、コンピュータがプログラムを実行することにより、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。さらに、かかるプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータに読み込ませて実行することにより上記実施形態と同様の処理を実現してもよい。
【0054】
図6は、プログラムを実行するコンピュータを示す図である。
図6に例示するように、コンピュータ1000は、例えば、メモリ1010と、CPU1020と、ハードディスクドライブインタフェース1030と、ディスクドライブインタフェース1040と、シリアルポートインタフェース1050と、ビデオアダプタ1060と、ネットワークインタフェース1070とを有し、これらの各部はバス1080によって接続される。
【0055】
メモリ1010は、
図6に例示するように、ROM(Read Only Memory)1011及びRAM1012を含む。ROM1011は、例えば、BIOS(Basic Input Output System)等のブートプログラムを記憶する。ハードディスクドライブインタフェース1030は、
図6に例示するように、ハードディスクドライブ1090に接続される。ディスクドライブインタフェース1040は、ディスクドライブ1100に接続される。例えば磁気ディスクや光ディスク等の着脱可能な記憶媒体が、ディスクドライブ1100に挿入される。シリアルポートインタフェース1050は、例えばマウス1110、キーボード1120に接続される。ビデオアダプタ1060は、例えばディスプレイ1130に接続される。
【0056】
ここで、
図6に例示するように、ハードディスクドライブ1090は、例えば、OS1091、アプリケーションプログラム1092、プログラムモジュール1093、プログラムデータ1094を記憶する。すなわち、上記の、プログラムは、コンピュータ1000によって実行される指令が記述されたプログラムモジュールとして、例えばハードディスクドライブ1090に記憶される。
【0057】
また、上記実施形態で説明した各種データは、プログラムデータとして、例えばメモリ1010やハードディスクドライブ1090に記憶される。そして、CPU1020が、メモリ1010やハードディスクドライブ1090に記憶されたプログラムモジュール1093やプログラムデータ1094を必要に応じてRAM1012に読み出し、各種処理手順を実行する。
【0058】
なお、プログラムに係るプログラムモジュール1093やプログラムデータ1094は、ハードディスクドライブ1090に記憶される場合に限られず、例えば着脱可能な記憶媒体に記憶され、ディスクドライブ等を介してCPU1020によって読み出されてもよい。あるいは、プログラムに係るプログラムモジュール1093やプログラムデータ1094は、ネットワーク(LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等)を介して接続された他のコンピュータに記憶され、ネットワークインタフェース1070を介してCPU1020によって読み出されてもよい。
【0059】
上記の実施形態やその変形は、本願が開示する技術に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0060】
10 サーバ装置
11 通信部
12 記憶部
13 制御部
20A,20B ユーザ端末
121 構築用情報
122 ユーザ情報
123 連携情報
131 受付部
132 構築部
133 検索部
134 出力部
135 切り替え部