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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023137128
(43)【公開日】2023-09-29
(54)【発明の名称】樹脂組成物の製造方法
(51)【国際特許分類】
   B29B 17/02 20060101AFI20230922BHJP
   C08L 101/00 20060101ALI20230922BHJP
   C08L 69/00 20060101ALI20230922BHJP
   C08L 67/00 20060101ALI20230922BHJP
   C08L 25/06 20060101ALI20230922BHJP
   C08J 3/215 20060101ALI20230922BHJP
【FI】
B29B17/02 ZAB
C08L101/00
C08L69/00
C08L67/00
C08L25/06
C08J3/215
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022043165
(22)【出願日】2022-03-17
(71)【出願人】
【識別番号】594137579
【氏名又は名称】三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000109
【氏名又は名称】弁理士法人特許事務所サイクス
(72)【発明者】
【氏名】山中 康史
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 隆行
(72)【発明者】
【氏名】樋渡 有希
【テーマコード(参考)】
4F070
4F401
4J002
【Fターム(参考)】
4F070AA18
4F070AA47
4F070AA50
4F070AB11
4F070AB26
4F070AC04
4F070AC16
4F070AC22
4F070AC28
4F070AC37
4F070AC40
4F070AD02
4F070AE01
4F070AE03
4F070AE04
4F070AE17
4F070FA03
4F070FA17
4F070FB06
4F070FC06
4F401AA09
4F401AA11
4F401AA23
4F401AA28
4F401AB01
4F401AB06
4F401AB07
4F401AB10
4F401AD08
4F401AD20
4F401BA13
4F401CA14
4F401CA23
4F401CA25
4F401CA30
4F401CA34
4F401CA48
4F401CB18
4F401CB32
4F401FA01Y
4F401FA02Y
4F401FA10X
4J002AA01W
4J002BC02X
4J002CF06X
4J002CG01X
4J002GC00
4J002GG01
4J002GL00
4J002GM00
4J002GN00
(57)【要約】
【課題】 熱可塑性樹脂を含むリサイクル品等の熱可塑性樹脂を含む成形品を用いて得られる樹脂組成物であって、金属異物が少なく、絶縁破壊強さに優れた成形品を提供可能な樹脂組成物の製造方法の提供。
【解決手段】 (1)熱可塑性樹脂を含む成形品の破砕品を溶融し、ポリマーフィルターおよび/またはスクリーンメッシュを通過させた熱可塑性樹脂材料(A)に対し、金属含有量を低減する処理をして、熱可塑性樹脂材料(B)を得ること、(2)熱可塑性樹脂材料(B)と、他の成分をポリマーフィルターおよび/またはスクリーンメッシュを備えた押出機に投入して溶融混練を行うことを含む、樹脂組成物の製造方法。
【選択図】 なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(1)熱可塑性樹脂を含む成形品の破砕品を溶融し、ポリマーフィルターおよび/またはスクリーンメッシュを通過させた熱可塑性樹脂材料(A)に対し、金属含有量を低減する処理をして、熱可塑性樹脂材料(B)を得ること、
(2)前記熱可塑性樹脂材料(B)と、他の成分をポリマーフィルターおよび/またはスクリーンメッシュを備えた押出機に投入して溶融混練を行うこと
を含む、樹脂組成物の製造方法。
【請求項2】
前記(1)における熱可塑性樹脂が、ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート樹脂、および、ポリエチレンテレフタレート樹脂の少なくとも1種を含む、請求項1に記載の樹脂組成物の製造方法。
【請求項3】
前記(2)における他の成分が、バージンポリエステル樹脂を含む、請求項1または2に記載の樹脂組成物の製造方法。
【請求項4】
前記(2)における他の成分が、非繊維状充填剤を含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の樹脂組成物の製造方法。
【請求項5】
前記(2)において、スクリーンメッシュを備えた押出機を用い、前記スクリーンメッシュの目開きが40~500μmである、請求項1~4のいずれか1項に記載の樹脂組成物の製造方法。
【請求項6】
前記(1)における金属含有量を低減する処理は、マグネットバー、マグネットロールセパレーター、および、金属検知機の少なくとも1つから選択される処理である、請求項1~5のいずれか1項に記載の樹脂組成物の製造方法。
【請求項7】
さらに、前記(2)において、溶融混練を行って得られた樹脂材料に対し金属含有量を低減する処理をすることを含む、請求項1~6のいずれか1項に記載の樹脂組成物の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は樹脂組成物の製造方法に関する。特に、熱可塑性樹脂のリサイクル品を用いた樹脂組成物の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、熱可塑性樹脂を種々の成形品に成形することが行われている。一方で、近年、資源の再利用が強く要求されるようになっており、熱可塑性樹脂をリサイクルすることについても、検討されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-080428号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、熱可塑性樹脂のリサイクル品には、通常、樹脂添加剤等の熱可塑性樹脂以外の成分が含まれている。熱可塑性樹脂のリサイクル品に金属成分が含まれていると、かかるリサイクル品由来の熱可塑性樹脂から成形される新たな成形品に様々な悪影響を及ぼしてしまう。特に、新たな成形品の絶縁破壊強さが劣ると、絶縁性が求められる用途に用いる場合に深刻な影響を及ぼす。
本発明は、かかる課題を解決することを目的とするものであって、熱可塑性樹脂を含むリサイクル品等の熱可塑性樹脂を含む成形品を用いて得られる樹脂組成物であって、金属異物が少なく、絶縁破壊強さに優れた成形品を提供可能な樹脂組成物の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題のもと、本発明者が検討を行った結果、熱可塑性樹脂のリサイクル品等をポリマーフィルターおよび/またはスクリーンメッシュを通過させた熱可塑性樹脂材料に対して、金属含有量を低減する処理を所定のタイミングで行うことにより、上記課題を解決しうることを見出した。
具体的には、下記手段により、上記課題は解決された。
<1>(1)熱可塑性樹脂を含む成形品の破砕品を溶融し、ポリマーフィルターおよび/またはスクリーンメッシュを通過させた熱可塑性樹脂材料(A)に対し、金属含有量を低減する処理をして、熱可塑性樹脂材料(B)を得ること、
(2)前記熱可塑性樹脂材料(B)と、他の成分をポリマーフィルターおよび/またはスクリーンメッシュを備えた押出機に投入して溶融混練を行うこと
を含む、樹脂組成物の製造方法。
<2>前記(1)における熱可塑性樹脂が、ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート樹脂、および、ポリエチレンテレフタレート樹脂の少なくとも1種を含む、<1>に記載の樹脂組成物の製造方法。
<3>前記(2)における他の成分が、バージンポリエステル樹脂を含む、<1>または<2>に記載の樹脂組成物の製造方法。
<4>前記(2)における他の成分が、非繊維状充填剤を含む、<1>~<3>のいずれか1つに記載の樹脂組成物の製造方法。
<5>前記(2)において、スクリーンメッシュを備えた押出機を用い、前記スクリーンメッシュの目開きが40~500μmである、<1>~<4>のいずれか1つに記載の樹脂組成物の製造方法。
<6>前記(1)における金属含有量を低減する処理は、マグネットバー、マグネットロールセパレーター、および、金属検知機の少なくとも1つから選択される処理である、<1>~<5>のいずれか1つに記載の樹脂組成物の製造方法。
<7>さらに、前記(2)において、溶融混練を行って得られた樹脂材料に対し金属含有量を低減する処理をすることを含む、<1>~<6>のいずれか1つに記載の樹脂組成物の製造方法。
【発明の効果】
【0006】
本発明により、熱可塑性樹脂を含むリサイクル品等の熱可塑性樹脂を含む成形品を用いて得られる樹脂組成物であって、金属異物が少なく、絶縁破壊強さに優れた成形品を提供可能になった。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明を実施するための形態(以下、単に「本実施形態」という)について詳細に説明する。なお、以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明は本実施形態のみに限定されない。
なお、本明細書において「~」とはその前後に記載される数値を下限値および上限値として含む意味で使用される。
本明細書において、各種物性値および特性値は、特に述べない限り、23℃におけるものとする。
本明細書において「工程」との語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の作用が達成されれば、本用語に含まれる。
本明細書で示す規格で説明される測定方法等が年度によって異なる場合、特に述べない限り、2021年1月1日時点における規格に基づくものとする。
【0008】
本実施形態の樹脂組成物の製造方法は、(1)熱可塑性樹脂を含む成形品の破砕品を溶融し、ポリマーフィルターおよび/またはスクリーンメッシュを通過させた熱可塑性樹脂材料(A)に対し、金属含有量を低減する処理をして、熱可塑性樹脂材料(B)を得ること、(2)前記熱可塑性樹脂材料(B)と、他の成分をポリマーフィルターおよび/またはスクリーンメッシュを備えた押出機に投入して溶融混練を行うことを含む。このような構成とすることにより、熱可塑性樹脂を含むリサイクル品等を用いて得られる樹脂組成物であって、金属異物が少なく、絶縁破壊強さに優れた成形品を提供可能になる。好ましくは、強化繊維を実質的に含まない樹脂組成物について、金属異物が少なく、絶縁破壊強さに優れた成形品を提供可能になる。さらに、生産安定性に優れた樹脂組成物の提供が可能になる。
以下、本実施形態の樹脂組成物の製造方法について詳細に説明する。
【0009】
<工程(1)>
本実施形態においては、(1)熱可塑性樹脂を含む成形品の破砕品を溶融し、ポリマーフィルターおよび/またはスクリーンメッシュを通過させた熱可塑性樹脂材料(A)を用いる。
熱可塑性樹脂を含む成形品の破砕品とは、バージンの熱可塑性樹脂または非バージンの熱可塑性樹脂に対し何かしらの成形加工を施された後のものの破砕品を意味する。熱可塑性樹脂を含む成形品の破砕品には、熱可塑性樹脂のリサイクル品(回収品、マテリアルリサイクル品、ケミカルリサイクル品等を含む)、不合格品、熱可塑性樹脂成形の際の端材などが含まれる。このような熱可塑性樹脂を含む成形品の破砕品には、通常、樹脂添加剤等の熱可塑性樹脂以外の成分が含まれている。特に、熱可塑性樹脂を含む成形品には、金属異物が多く含まれているケースもある。本実施形態においては、熱可塑性樹脂を含む成形品の破砕品を溶融し、ポリマーフィルターおよび/またはスクリーンメッシュを通過させた熱可塑性樹脂材料(A)を用いることにより、金属異物を減らすことができる。また、金属異物となり得ないような小さな金属成分も、新しく得られる成形品の絶縁破壊強さには悪影響を及ぼし得る。本実施形態の製造方法においては、このような金属成分も除去できる。
【0010】
破砕品のサイズは特に定めるものでは無いが、例えば、破砕品の50質量%以上、さらには70質量%以上、特には90質量%以上について、最も長い部位が、20.0mm以下であることが好ましく、8.0mm以下であることがより好ましく、また、1.0mm以上であることが好ましく、2.0mm以上であることがより好ましい。破砕品には粉砕品も含まれる。
【0011】
破砕品の溶融とは、通常は、熱可塑性樹脂が溶融している状態を意味し、破砕品に含まれるすべての成分が溶融していることを意味するものではない。
破砕品の溶融は、例えば、押出機に投入して行うことができる。また、ポリマーフィルターおよび/またはスクリーンメッシュの通過は、押出機の出口付近に、ポリマーフィルターおよび/またはスクリーンメッシュを設けることによって行うことができる。
得られる熱可塑性樹脂材料(A)の形態の一例は、ペレットである。
上記方法により得られた熱可塑性樹脂材料(A)は、異物がある程度除去されたものとなる。
【0012】
ポリマーフィルターとは、溶融したポリマーをろ過するものであり、具体的には、リーフディスクフィルター、キャンドルフィルターおよびパックフィルターが例示される。
ポリマーフィルターの平均孔径は、1μm以上であることが好ましく、5μm以上であることがより好ましく、前記下限値以上とすることにより、過剰な樹脂圧力を生じさせないため、生産性が向上する傾向にある。また、ポリマーフィルターの平均孔径は、200μm以下であることが好ましく、190μm以下であることがより好ましい。前記上限値以下とすることにより、より微細な異物を除去することができる傾向にある。
また、スクリーンメッシュは、銅メッシュやSUS(ステンレス鋼)メッシュなどが例示される。スクリーンメッシュの目開きは、20μm以上であることが好ましく、25μm以上であることがより好ましく、前記下限値以上とすることにより、過剰な樹脂圧力を生じさせないため、生産性が向上する傾向にある。また、スクリーンメッシュの目開きは、500μm以下であることが好ましく、300μm以下であることがより好ましい。前記上限値以下とすることにより、より微細な異物を除去することができる傾向にある。
【0013】
本実施形態においては、ポリマーフィルターおよび/またはスクリーンメッシュの通過は、いずれか一方のみを通過させてもよいし、両方を通過させてもよい。さらには、ポリマーフィルターのみを2回以上通過させてもよいし、スクリーンメッシュのみを2回以上通過させてもよい。さらには、これらを組み合わせて通過させてもよい。ポリマーフィルターおよび/またはスクリーンメッシュについて、合計で2回以上通過させる場合、平均孔径または目開きの大きいものから順に通過させるとよい。
本実施形態においては、前記破砕品の溶融物について、少なくとも1回スクリーンメッシュを通過させることが好ましい。
【0014】
一方、熱可塑性樹脂材料(A)に含まれる熱可塑性樹脂としては、ポリスチレン系樹脂;ポリカーボネート樹脂;ポリエステル樹脂(熱可塑性ポリエステル樹脂);ポリアミド樹脂;ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、環状シクロオレフィン樹脂等のポリオレフィン樹脂;ポリアセタール樹脂;ポリイミド樹脂;ポリエーテルイミド樹脂;ポリウレタン樹脂;ポリフェニレンエーテル樹脂;ポリフェニレンサルファイド樹脂;ポリスルホン樹脂;ポリメタクリレート樹脂;等が例示される。
本実施形態においては、熱可塑性樹脂材料(A)に含まれる熱可塑性樹脂としては、スチレン系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリオレフィン樹脂、および、アクリル樹脂の少なくとも1種を含むことが好ましく、ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂の少なくとも1種を含むことがより好ましく、ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、および、ポリエチレンテレフタレート樹脂の少なくとも1種を含むことがさらに好ましく、ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート樹脂、および、ポリエチレンテレフタレート樹脂の少なくとも1種を含むことが特に好ましい。
【0015】
上記熱可塑性樹脂の詳細は、特開2022-008175号公報の段落0010~段落0052の記載、特開2022-28718号公報の段落0016~段落0043の記載を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
【0016】
熱可塑性樹脂材料(A)に含まれる熱可塑性樹脂の量は、熱可塑性樹脂材料(A)中、10質量%以上であることが好ましく、50質量%以上であることがより好ましく、80質量%以上であることがさらに好ましく、90質量%以上であってもよい。前記熱可塑性樹脂材料(A)に含まれる熱可塑性樹脂は1種のみでもよいし、2種以上であってもよい。2種以上の場合は、合計量が上記範囲となることが好ましい。
【0017】
また、上述の通り、上記熱可塑性樹脂材料(A)には、通常、強化材や樹脂添加剤等のその他の成分が含まれている。
強化材の詳細は、特開2022-011052号公報の段落0056~段落0061の記載を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。熱可塑性樹脂材料(A)に含まれる強化繊維の量は、熱可塑性樹脂材料(A)中、50質量%以下であることが好ましく、実質的に含まない構成であってもよい。実質的に含まないとは、例えば、意図的に配合されていない場合を意味し、通常、熱可塑性樹脂材料(A)の3質量%以下である。
また、樹脂添加剤としては、安定剤、離型剤、難燃剤、紫外線吸収剤、染料、顔料、帯電防止剤、防曇剤、アンチブロッキング剤、流動性改良剤、可塑剤、分散剤、抗菌剤などが例示される。これらの合計量は、熱可塑性樹脂材料(A)に含まれる熱可塑性樹脂の合計100質量部に対し、0.1質量部以上、10質量部未満であることが好ましい。
本実施形態においては、樹脂添加剤は1種のみ含んでいてもよいし、2種以上含んでいてもよい。2種以上含む場合、合計量が上記範囲となることが好ましい。
【0018】
本実施形態においては、破砕品に含まれる熱可塑性樹脂は、通常、熱可塑性樹脂材料(A)に含まれる熱可塑性樹脂と同じである。また、本実施形態においては、破砕品に含まれるその他の成分は、通常、熱可塑性樹脂材料(A)に含まれる他の成分と同じである。しかしながら、ポリマーフィルターおよび/またはスクリーンメッシュを通過させることにより、その一部の成分が取り除かれる。
【0019】
次に、本実施形態の製造方法は、(1)熱可塑性樹脂材料(A)に対し、金属含有量を低減する処理をして、熱可塑性樹脂材料(B)を得ることを含む。前記低減される金属は、主に、鉄、銅、アルニウム、SUS等である。特に、ポリマーフィルターおよび/またはスクリーンメッシュを通過させた後の熱可塑性樹脂材(A)に対して、マグネットバー、マグネットロールセパレーター、および、金属検知機の少なくとも1つにより処理することにより、ポリマーフィルターおよび/またはスクリーンメッシュでは除去できなかった金属異物や、より後の工程、例えば冷却、ペレタイズ、包装などにおいて混入した金属異物を除去することができる。
金属含有量を低減する処理は、マグネットバー、マグネットロールセパレーター、および、金属検知機の少なくとも1つの処理によって行われることが好ましい。マグネットバー、マグネットロールセパレーター、および、金属検知機は、いずれか1つの処理のみを行ってもよいし、2つ以上の処理を組み合わせて行ってもよい。本実施形態における(1)では、少なくとも、マグネットバーによる処理を行うことが好ましい。
熱可塑性樹脂材料(A)に対する金属含有量を低減する処理は、例えば、ペレット状の熱可塑性樹脂材料(A)に対して、これらの処理を行うとよい。
【0020】
本実施形態においては、熱可塑性樹脂材料(B)に含まれる熱可塑性樹脂は、通常、熱可塑性樹脂材料(A)に含まれる熱可塑性樹脂と同じである。また、本実施形態においては、熱可塑性樹脂材料(B)に含まれるその他の成分は、通常、熱可塑性樹脂材料(A)に含まれる他の成分と同じである。しかしながら、マグネットバー、マグネットロールセパレーター、および、金属検知機などの少なくとも1つにより金属含有量を低減する処理により、その一部の成分が取り除かれる。
【0021】
<工程(2)>
次いで、本実施形態の製造方法は、(2)前記熱可塑性樹脂材料(B)と、他の成分をポリマーフィルターおよび/またはスクリーンメッシュを備えた押出機に投入して溶融混練を行うことを含む。熱可塑性樹脂材料(A)に対し、金属含有量を低減する処理をした熱可塑性樹脂材料(B)に他の成分を押出機に投入して溶融混練を行うにより、金属異物量が低減された樹脂組成物が得られる。
【0022】
他の成分としては、熱可塑性樹脂、充填剤(好ましくは非繊維状充填剤)、樹脂添加剤が例示される。本実施形態においては、少なくとも、熱可塑性樹脂を添加するのが好ましい。
また、他の成分として添加される熱可塑性樹脂としては、バージン熱可塑性樹脂であっても、非バージン熱可塑性樹脂であってもよいが、バージン熱可塑性樹脂であることが好ましい。
他の成分として添加される熱可塑性樹脂としては、また、ポリスチレン系樹脂;ポリカーボネート樹脂;ポリエステル樹脂(熱可塑性ポリエステル樹脂);ポリアミド樹脂;ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、環状シクロオレフィン樹脂等のポリオレフィン樹脂;ポリアセタール樹脂;ポリイミド樹脂;ポリエーテルイミド樹脂;ポリウレタン樹脂;ポリフェニレンエーテル樹脂;ポリフェニレンサルファイド樹脂;ポリスルホン樹脂;ポリメタクリレート樹脂;等が例示される。
本実施形態においては、他の成分として添加される熱可塑性樹脂としては、ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリオレフィン樹脂、および、アクリル樹脂の少なくとも1種が好ましく、ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂の少なくとも1種がより好ましく、ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート樹脂、および、ポリブチレンテレフタレート樹脂の少なくとも1種がさらに好ましい。
特には、前記他の成分として添加される熱可塑性樹脂は、バージンポリスチレン系樹脂、バージンポリカーボネート樹脂、および、バージンポリエステル樹脂の少なくとも1種を添加するとが一層好ましい。
特に、前記他の成分として添加される熱可塑性樹脂は、バージンポリエステル樹脂を含むことが好ましく、バージンポリブチレンテレフタレート樹脂を含むことがより好ましい。
【0023】
上記熱可塑性樹脂の詳細は、特開2022-008175号公報の段落0010~段落0052の記載、特開2022-28718号公報の段落0016~段落0043の記載を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
【0024】
非繊維状充填剤は、繊維以外の形状の無機充填剤を意味し、板状充填剤または粒子状無機充填剤が好ましく、粒子状充填剤がより好ましい。また、非繊維状充填剤は、非繊維状無機充填剤であることが好ましい。非繊維状無機充填剤としては、タルク、炭酸カルシウムが好ましい。
非繊維状充填剤は、例えば、特開2016-132772号公報の段落0113~0116の記載を参酌でき、この内容は本明細書に組み込まれる。
【0025】
本実施形態においては、他の成分として添加される熱可塑性樹脂の量は、熱可塑性樹脂材料(B)100質量部に対し、10質量部以上であることが好ましく、30質量部以上であることがより好ましく、60質量部以上であることがさらに好ましく、70質量部以上であることが一層好ましく、また、1000質量部以下であることが好ましく、900質量部以下であることがより好ましく、800質量部以下であることがさらに好ましく、さらには、700質量部以下、600質量部以下、500質量部以下、400質量部以下、300質量部以下、250質量部以下、200質量部以下、100質量部以下、95質量部以下、90質量部以下であってもよい。
本実施形態においては、他の成分として添加される熱可塑性樹脂は1種のみ投入してもよいし、2種以上投入してもよい。2種以上投入する場合、合計量が上記範囲となることが好ましい。
【0026】
一方、樹脂添加剤としては、反応性化合物、安定剤、離型剤、難燃剤、紫外線吸収剤、染料、顔料、帯電防止剤、防曇剤、アンチブロッキング剤、流動性改良剤、可塑剤、分散剤、抗菌剤などが例示される。これらの合計量は、熱可塑性樹脂材料(B)および前記他の成分として配合される熱可塑性樹脂の合計100質量部に対し、0.1質量部以上であることが好ましく、また、80質量部未満であることが好ましく、60質量部以下であることがより好ましく、40質量部以下であることがさらに好ましく、25質量部以下であることが一層好ましく、10質量部未満であることがより一層好ましい。
本実施形態においては、樹脂添加剤は1種のみ投入してもよいし、2種以上投入してもよい。2種以上投入する場合、合計量が上記範囲となることが好ましい。
【0027】
一方、溶融混練は、樹脂組成物の一般的な溶融混練方法に従って行うことができる。例えば、熱可塑性樹脂材料(B)、他の成分を溶融混練することによって得られる。一部の成分は、熱可塑性樹脂でマスターバッチ化して配合してもよい。この時の熱可塑性樹脂は、バージンの熱可塑性樹脂または非バージンの熱可塑性樹脂であり、バージンの熱可塑性樹脂であることが好ましい。また、熱可塑性樹脂材料(B)を用いてマスターバッチ化してもよい。
【0028】
押出機には、各成分をあらかじめ混合して一度に供給してもよいし、各成分を予め混合することなく、ないしはその一部のみを予め混合し、フィーダーを用いて押出機に供給してもよい。押出機は、一軸押出機であっても、二軸押出機であってもよい。
溶融混練に際しての加熱温度は、熱可塑性樹脂の溶融温度を考慮して定められるが、通常、170~350℃の範囲から適宜選ぶことができる。
押出機から押し出された材料(以下、「熱可塑性樹脂材料(C)」ということがある)は、そのまま成形してもよいし、一旦、ペレット化してもよい。本実施形態においては、熱可塑性樹脂材料(C)を一旦ペレット化することが好ましい。
【0029】
本実施形態の製造方法は、また、押出機がポリマーフィルターおよび/またはスクリーンメッシュを備えている。すなわち、熱可塑性樹脂材料(B)と他の成分を押出機で溶融混練した後、押出機がポリマーフィルターおよび/またはスクリーンメッシュを通過させる。このような構成とすることにより、金属成分に由来する異物を除去することができる。
ポリマーフィルターおよびスクリーンメッシュの通過の詳細は、前記(1)におけるポリマーフィルターおよび/またはスクリーンメッシュの通過と同じである。但し、前記(1)におけるポリマーフィルターの平均孔径およびスクリーンメッシュの目開きよりも、大きいものを用いることが好ましい。このような構成とすることにより、工程(2)において、熱可塑性樹脂以外の他の成分を配合しても、効果的に異物を除去することができる。工程(2)におけるスクリーンメッシュの目開きは、工程(1)におけるスクリーンメッシュの目開きよりも、20~200μm大きいことが好ましい。
工程(2)における、スクリーンメッシュの目開きは、40μm以上であることが好ましく、45μm以上であることがより好ましく、前記下限値以上とすることにより、過剰な樹脂圧力を生じさせないため、生産性が向上する傾向にある。また、スクリーンメッシュの目開きは、500μm以下であることが好ましく、300μm以下であることがより好ましい。前記上限値以下とすることにより、より微細な異物を除去することができる傾向にある。
【0030】
<工程(3)>
本実施形態の製造方法は、(3)前記熱可塑性樹脂材料(C)に対し、金属含有量を低減する処理を行うことを含むことが好ましい。このように溶融混練後の樹脂材料(C)において、さらに、金属含有量を低減することを行うことにより、熱可塑性樹脂材料(B)には含まれず、熱可塑性樹脂材料(C)に含まれる金属成分なども取り除くことが可能になる。
【0031】
前記(3)において、金属含有量を低減する処理は、マグネットバー、マグネットロールセパレーター、および、金属検知機の少なくとも1つから選択される処理であることが好ましい。前記低減される金属は、主に、鉄、銅、アルニウム、SUS等である。
前記(3)において、マグネットバー、マグネットロールセパレーター、および、金属検知機は、いずれか1つの処理のみを行ってもよいし、2つ以上の処理を組み合わせて行ってもよい。
本実施形態では、少なくとも、マグネットロールセパレーターによる処理を行うことが好ましい。このような構成とすることにより、絶縁破壊強さが向上する傾向にある。
本実施形態においては、特に、上記(1)で、マグネットバーを用い、(3)において、マグネットロールセパレーターを用いることが好ましい。このような構成とすることにより、絶縁破壊強さが向上する傾向にある。
【0032】
熱可塑性樹脂材料(C)に対する金属含有量を低減する処理は、例えば、ペレット状の熱可塑性樹脂材料(C)に対して行うとよい。また、熱可塑性樹脂材料(C)を成形してから、成形品に対し、金属含有量を低減する処理を行ってもよい。好ましくは、前記ペレット状の熱可塑性樹脂材料(C)に対して、これらの処理を行うことである。
【0033】
本実施形態の製造方法によって得られる樹脂組成物は、熱可塑性樹脂を含む。熱可塑性樹脂は、前記熱可塑性樹脂を含む成形品の破砕品由来のもの、および、上記(2)で他の成分として添加されてもよい熱可塑性樹脂を含む。前記樹脂組成物における熱可塑性樹脂の割合は、80質量%以上であることが好ましく、85質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることがさらに好ましい。
さらに、本実施形態の製造方法によって得られる樹脂組成物においては、熱可塑性樹脂として、ポリスチレン系樹脂と、ポリカーボネート樹脂と、ポリエステル樹脂(好ましくはポリブチレンテレフタレート樹脂とポリエチレンテレフタレート樹脂)を含むことが好ましい。
【0034】
本実施形態の樹脂組成物は、熱可塑性樹脂に加えて、非繊維状充填剤や樹脂添加剤を含んでいてもよい。非繊維状充填剤は、上記(2)における非繊維強化充填剤と同様のものが例示される。
樹脂組成物中の非繊維状充填剤の含有量は、樹脂組成物に含まれる熱可塑性樹脂100質量部に対し、0.1質量部以上であることが好ましく、また、100質量部以下であることが好ましく、80質量部以下であることがより好ましく、30質量部以下であることがさらに好ましい。
前記樹脂組成物が非繊維状無機充填剤を含む場合、その含有量は、樹脂組成物の0.1質量%以上であることが好ましく、また、樹脂組成物の15.0質量%以下であることが好ましく、7.0質量%以下であることがより好ましい。
本実施形態において樹脂組成物は、非繊維状無機充填剤を1種のみ含んでいてもよいし、2種以上含んでいてもよい。2種以上含む場合、合計量が上記範囲となることが好ましい。
また、前記樹脂組成物に含まれる強化繊維の量は、樹脂組成物中、20質量%未満であることが好ましく、10質量%以下であることがより好ましく、実質的に含まない構成であってもよい。実質的に含まないとは、例えば、意図的に配合されていない場合を意味し、通常、樹脂組成物の3質量%以下である。
【0035】
上記した樹脂組成物(例えば、ペレット)は、各種の成形法で成形して、新たな成形品とされる。新たな成形品の形状としては、特に制限はなく、成形品の用途、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、フィルム状、ロッド状、円筒状、環状、円形状、楕円形状、多角形形状、異形品、中空品、枠状、箱状、パネル状、ボタン状のもの等が挙げられる。
【0036】
新たな成形品を成形する方法としては、特に制限されず、従来公知の成形法を採用でき、例えば、射出成形法、射出圧縮成形法、押出成形法、異形押出法、トランスファー成形法、中空成形法、ガスアシスト中空成形法、ブロー成形法、押出ブロー成形、IMC(インモールドコ-ティング成形)成形法、回転成形法、多層成形法、2色成形法、インサート成形法、サンドイッチ成形法、発泡成形法、加圧成形法等が挙げられる。特に、本実施形態の樹脂組成物は、射出成形法、射出圧縮成形法、押出成形法で得られる成形品に適している。しかしながら、本実施形態の製造方法で得られる樹脂組成物がこれらの方法で得られた成形品に限定されるものではないことは言うまでもない。
【0037】
本実施形態における新たな成形品は、電気電子機器/部品、OA機器/部品、情報端末機器/部品、機械部品、家電製品、車輌部品、建築部材、各種容器、レジャー用品・雑貨類、照明機器などに好ましく用いられる。
【実施例0038】
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。
実施例で用いた測定機器等が廃番等により入手困難な場合、他の同等の性能を有する機器を用いて測定することができる。
【0039】
1.原料
以下の原料を用いた。
【表1】
【0040】
【表2】
【0041】
2.実施例1、比較例1~4
<工程(1)>
表1に示す回収熱可塑性樹脂(破砕品)を表3に示す割合(表3は、質量部で示す)で、タンブラーミキサーで均一に混合した後、二軸押出機を使用し、シリンダー設定温度190~300℃で溶融混練し、押出機の出口に取り付けた表3に示す工程(1)-1の目開きを有するメッシュを通過させた後、水槽にて急冷し、ペレタイザーを用いてペレット化し、ペレット状の熱可塑性樹脂材料(A)得た。
得られたペレット状の熱可塑性材料(A)を、表3の工程(1)-2に示すとおり、マグネットバー(1)、および、マグネットバー(2)のいずれか1つ以上で処理した。表3において、「適用」はその処理を行ったことを意味し、「非適用」はその処理を行っていないことを意味する。各処理は、行う場合、マグネットバー(1)、マグネットバー(2)の順に行った。すなわち、実施例1では、マグネットバー(1)、マグネットバー(2)の順に処理を行った。また、マグネットバー(1)は磁力定格10000ガウスの格子状マグネットバーを、マグネットバー(2)は磁力定格10000ガウスの格子状マグネットバーを用いた。このようにして、金属含有量を低減した熱可塑性樹脂材料(B)を得た。
【0042】
<工程(2)>
次いで、得られた熱可塑性樹脂材料(B)と、表1または表2に示すバージンポリブチレンテレフタレート樹脂、バージンポリカーボネート樹脂、アクリロニトリルースチレン共重合体、非繊維状充填剤(無機充填剤-2、無機充填剤-3)、反応性化合物、安定剤、離型剤、カーボンブラックマスターバッチを表3に示す割合で、タンブラーミキサーで均一に混合した後、二軸押出機(日本製鋼所社製「TEX54αII」)を使用し、シリンダー設定温度260℃、スクリュー回転数400rpm、吐出量600kg/hrの条件で溶融混練した。無機充填剤-1(ガラス繊維)は、サイドフィードにて投入した。溶融混練後、水槽にて急冷し、ペレタイザーを用いてペレット化し、ペレット状の熱可塑性樹脂材料(C)を得た。
なお、実施例1において、上記押出機には、表3の工程(2)の目開きを有するスクリーンメッシュを設けた。
【0043】
<工程(3)>
前記得られたペレット状の熱可塑性樹脂材料(C)について、表3の工程(3)に示すとおり、マグネットロールセパレーター(MRS)で処理した(比較例については、MRS処理を行っていない)。表3において、「適用」はその処理を行ったことを意味し、「非適用」はその処理を行っていないことを意味する。また、MRSはダイカ社製DDR500(磁力定格9000ガウス)を用いた。得られた樹脂組成物(ペレット)について、以下の評価を行った。
得られた樹脂組成物(ペレット)について、以下の評価を行った。
【0044】
<生産安定性>
工程(3)における生産安定性を2段階で評価した。
A:安定的な連続生産が可能であり、生産安定性が良好である。
B:安定的な連続生産が不可能であり、生産安定性が不良である。
安定的な連続生産が不可能とは、生産中に異物によるメッシュの閉塞やストランド断線などが生じていることを示している。
【0045】
<金属異物>
上記で得られたペレット状の熱可塑性樹脂材料(C)1tについて、10000ガウスの棒磁石をペレットに触れさせて、金属異物、および、金属異物を内包したペレットを検出し、目視で金属異物の数と大きさを確認した。最大長が300μm以上の金属異物をカウントした。
【0046】
<絶縁破壊強さ(n10のミニマム値)>
得られたペレット状の熱可塑性樹脂材料(C)を120℃で6時間乾燥後、日精樹脂工業社製射出成形機「NEX80-9E」を使用して、シリンダー温度260℃、金型温度80℃の条件で、試験片(厚さ1mm、大きさ100mm×100mmのシート)を製造した。
上記で製造した試験片(厚さ1mm、大きさ100mm×100mmのシート)について、ヤマヨ試験器社製絶縁破壊試験装置YST-243-100RHOにて、23℃油中、短時間法(2kV/sec)、電極は直径6mmの円柱と直径25mmの円柱の組合せで絶縁破壊電圧を10回測定し、最小値をn10のミニマム値とした。
【0047】
【表3】
【0048】
上記結果から明らかなとおり、本発明の製造方法においては、金属異物が少なく、かつ、絶縁破壊強さが高かった(実施例1)。