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特開2023-137135端末装置、端末制御方法、および端末制御プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023137135
(43)【公開日】2023-09-29
(54)【発明の名称】端末装置、端末制御方法、および端末制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/04886 20220101AFI20230922BHJP
【FI】
G06F3/0488 160
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022043175
(22)【出願日】2022-03-17
(71)【出願人】
【識別番号】319013263
【氏名又は名称】ヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】友成 愛
(72)【発明者】
【氏名】西 紗記子
【テーマコード(参考)】
5E555
【Fターム(参考)】
5E555AA14
5E555BA04
5E555BB04
5E555BC19
5E555CA13
5E555CA22
5E555CB16
5E555CB44
5E555CB55
5E555CB57
5E555CC19
5E555DB20
5E555DB41
5E555DC13
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】ユーザビリティが向上する入力インターフェイスを提供する端末装置を提供すること。
【解決手段】端末装置100は、代表文字表示部と、切換部と、グループ表示と、入力制御部と、を有する。代表文字表示部は、複数の入力文字グループのうち、いずれか1つの入力文字グループの代表文字を第1領域に表示する。切換部は、第1領域に対して第1のスワイプ操作が入力された場合、第1のスワイプ操作の操作方向に応じて、第1領域に表示する入力文字グループの代表文字を切り換える。グループ表示は、第1領域に対して第1の選択操作が入力された場合、第1領域に表示された代表文字を含む入力文字グループに含まれる文字を、第1領域を中心とする第2領域に表示させる。入力制御部は、第1の選択操作に続けて第2のスワイプ操作が入力された場合、グループ表示部が表示させた文字のうち、第2のスワイプ操作の方向に位置する文字を入力文字として決定する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の入力文字グループのうち、いずれか1つの前記入力文字グループの代表文字を第1領域に表示する代表文字表示部と、
前記第1領域に対して第1のスワイプ操作が入力された場合、前記第1のスワイプ操作の操作方向に応じて、前記第1領域に表示する前記入力文字グループの前記代表文字を切り換える切換部と、
前記第1領域に対して第1の選択操作が入力された場合、前記第1領域に表示された前記代表文字を含む前記入力文字グループに含まれる文字を、前記第1領域を中心とする第2領域に表示させるグループ表示部と、
前記第1の選択操作に続けて第2のスワイプ操作が入力された場合、前記グループ表示部が表示させた文字のうち、前記第2のスワイプ操作の方向に位置する文字を入力文字として決定する入力制御部と、
を備えることを特徴とする端末装置。
【請求項2】
前記グループ表示部は、前記第1領域の中央に前記代表文字を表示し、
前記入力制御部は、前記第1の選択操作に続けて、第2の選択操作が入力された場合、前記代表文字を入力文字として決定する
ことを特徴とする請求項1に記載の端末装置。
【請求項3】
前記グループ表示部は、前記第1領域を中心とする第2領域において、前記入力文字グループに含まれる文字のうち、あ段の文字を中央に、い段の文字を左側に、う段の文字を上側に、え段の文字を右側に、お段の文字を下側にそれぞれ表示させる
ことを特徴とする請求項2に記載の端末装置。
【請求項4】
前記切換部は、前記第1領域に対してフリック操作が入力された場合、前記フリック操作の方向および速さに応じて、前記第1領域に表示する前記入力文字グループの前記代表文字を切り換える
ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1つに記載の端末装置。
【請求項5】
前記入力文字グループは、日本語の五十音の各行に含まれる文字のグループである
ことを特徴とする請求項1~4のいずれか1つに記載の端末装置。
【請求項6】
前記代表文字は、前記入力文字グループのうち、日本語の五十音のあ段の文字である
ことを特徴とする請求項1~5のいずれか1つに記載の端末装置。
【請求項7】
前記第1の選択操作は、長押し操作である
ことを特徴とする請求項1~6のいずれか1つに記載の端末装置。
【請求項8】
当該端末装置は、腕時計型の端末装置である
ことを特徴とする請求項1~7のいずれか1つ記載の端末装置。
【請求項9】
コンピュータが、
複数の入力文字グループのうち、いずれか1つの前記入力文字グループの代表文字を第1領域に表示する代表文字表示ステップと、
前記第1領域に対して第1のスワイプ操作が入力された場合、前記第1のスワイプ操作の操作方向に応じて、前記第1領域に表示する前記入力文字グループの前記代表文字を切り換える切換ステップと、
前記第1領域に対して第1の選択操作が入力された場合、前記第1領域に表示された前記代表文字を含む前記入力文字グループに含まれる文字を、前記第1領域を中心とする第2領域に表示させるグループ表示ステップと、
前記第1の選択操作に続けて第2のスワイプ操作が入力された場合、前記グループ表示ステップにおいて表示させた文字のうち、前記第2のスワイプ操作の方向に位置する文字を入力文字として決定する入力制御ステップと、
を実行することを特徴とする端末制御方法。
【請求項10】
コンピュータに、
複数の入力文字グループのうち、いずれか1つの前記入力文字グループの代表文字を第1領域に表示する代表文字表示ステップと、
前記第1領域に対して第1のスワイプ操作が入力された場合、前記第1のスワイプ操作の操作方向に応じて、前記第1領域に表示する前記入力文字グループの前記代表文字を切り換える切換ステップと、
前記第1領域に対して第1の選択操作が入力された場合、前記第1領域に表示された前記代表文字を含む前記入力文字グループに含まれる文字を、前記第1領域を中心とする第2領域に表示させるグループ表示ステップと、
前記第1の選択操作に続けて第2のスワイプ操作が入力された場合、前記グループ表示ステップにおいて表示させた文字のうち、前記第2のスワイプ操作の方向に位置する文字を入力文字として決定する入力制御ステップと、
を実行させることを特徴とする端末制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端末装置、端末制御方法、および端末制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、タッチパネル式の液晶ディスプレイを搭載する端末装置として、例えば、腕時計型の端末装置であるスマートウォッチが普及している(例えば、特許文献1参照)。タッチパネル面上を指等でタッチすることにより、文字入力操作等の各種操作をユーザから受け付ける。
【0003】
上記のような、タッチパネル式の液晶ディスプレイを搭載する端末装置では、例えば、物理的なキーボードや文字入力ボタンに代わって、文字入力に関する各種操作を受け付けるための操作エリアを表示する。
【0004】
かかる操作エリアは、日本語の五十音の「あ」段に対応する文字入力を受け付けるための10個の日本語入力エリア、および、削除操作や改行操作等を受け付けるエリアを組み合わせた全20個のエリアによって構成されていることが一般的である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2020-102229号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記の従来技術は、ユーザビリティの高い入力インターフェイスであるとは限らなかった。特に、表示画面の小さい腕時計型の端末装置では、上記のような20個のエリアから成る操作エリアや、文字入力エリアを表示した場合、ユーザにとって扱いにくいものとなる。このため、上記の従来技術は、ユーザビリティの高い入力インターフェイスであるとは限らなかった。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、ユーザビリティが向上する入力インターフェイスを提供する端末装置、端末制御方法、および端末制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の一態様に係る端末装置は、複数の入力文字グループのうち、いずれか1つの前記入力文字グループの代表文字を第1領域に表示する代表文字表示部と、前記第1領域に対して第1のスワイプ操作が入力された場合、前記第1のスワイプ操作の操作方向に応じて、前記第1領域に表示する前記入力文字グループの前記代表文字を切り換える切換部と、前記第1領域に対して第1の選択操作が入力された場合、前記第1領域に表示された前記代表文字を含む前記入力文字グループに含まれる文字を、前記第1領域を中心とする第2領域に表示させるグループ表示部と、前記第1の選択操作に続けて第2のスワイプ操作が入力された場合、前記グループ表示部が表示させた文字のうち、前記第2のスワイプ操作の方向に位置する文字を入力文字として決定する入力制御部と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ユーザビリティが向上する入力インターフェイスを提供する端末装置、端末制御方法、および端末制御プログラムを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、実施形態にかかる文字入力処理の一例を示す図である。
図2図2は、実施形態にかかる端末装置の構成例を示す図である。
図3図3は、実施形態にかかる端末装置による文字入力処理を示すフローチャートである。
図4図4は、端末装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に本願にかかる端末装置、端末制御方法、および端末制御プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について、図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態により本願にかかる端末装置、端末制御方法、および端末制御プログラムが限定されるものではない。
【0012】
〔1.文字入力処理〕
まず、図1を用いて、実施形態にかかる文字入力処理について説明する。図1は、実施形態にかかる文字入力処理の一例を示す図である。実施形態にかかる文字入力処理は、図1に示した端末装置100によって行われる。端末装置100は、例えばウェアラブル型端末やタブレット型端末等の端末装置であり、液晶ディスプレイ等の表示部110を有する。かかる端末装置100は、タッチパネルが採用されており、表示部110上を指等でタッチされることにより各種操作を受け付ける。実施形態にかかる端末装置100は、ユーザによって選択された領域に応じて、文字を入力するためのインターフェイスを表示することで、ユーザからの文字入力を受け付ける。この点について、図1を用いて説明する。
【0013】
まず、本実施形態において、端末装置100は、ウェアラブル型端末の一種である腕時計型の端末装置(スマートウォッチ等と呼ばれる)であるものとする。ここで、端末装置100は、ユーザから文字入力を受け付ける文字入力モードに切り替えられたとする。かかる場合に、端末装置100は、ユーザから受け付けた文字を入力文字として表示する入力欄V1、および、入力欄V1において文字が入力される位置を示すカーソルC1を表示部110に表示する。
【0014】
また、端末装置100は、ユーザによって文字入力に関する各種操作が行われる操作領域を表示する。具体的には、端末装置100は、領域R1~領域R11を含む操作領域を表示部110に表示する。
【0015】
図1の(a)の例では、端末装置100は、文字入力に用いられる領域である第1領域R1と、第1領域R1の左に位置する文字を表示する領域R2と、第1領域R1の右に位置する文字を表示する領域R3と、濁音および半濁音の入力に関する領域R4と、小文字の入力に関する領域R5と、入力欄V1に表示された文字を1文字削除させるための領域R6と、空白文字を入力するための領域R7と、入力欄V1に表示された文字を入力文字として確定させる領域R8と、日本語入力と数字入力とを切り替えさせる領域R9と、日本語入力とアルファベット入力とを切り替えさせる領域R10と、候補文字列に関する領域R11と、を含む操作領域を表示する。また、端末装置100は、図1(a)に示すように、第1領域R1に代表文字として「あ」を初期表示する。
【0016】
なお、以下において、日本語の五十音の「あ」行から「わ」行までの各行に含まれる文字のグループを「入力文字グループ」と記載する。また、日本語の五十音の「あ」段の文字である「あ」、「か」、「さ」、「た」、「な」、「は」、「ま」、「や」、「ら」、「わ」を各入力文字グループの「代表文字」と記載する。
【0017】
このような状態において、端末装置100は、ユーザから第1領域R1に対してスワイプ操作を受け付けた場合に、スワイプ操作の操作方向に応じて、第1領域R1の表示する入力文字グループの代表文字を切り換える。
【0018】
例えば、ユーザが、代表文字である「あ」が表示される第1領域R1に対してスワイプ操作を入力したものとする。かかる場合に、端末装置100は、図1の(b)に示すように、第1領域R1の表示する入力文字グループの代表文字を「あ」から「か」切り換える。なお、端末装置100は、「あ」、「か」、「さ」、「た」、「な」、「は」、「ま」、「や」、「ら」、「わ」の順に並ぶ各行の代表文字を、フリック操作の方向および速さに応じて切り替えてもよい。例えば、フリック操作が遅い場合、端末装置100は、フリック操作の速さに応じて、代表文字を1~3文字(「あ」を「か」、「さ」、または「た」)に切り換える。また、フリック操作が速い場合、端末装置100は、ユーザが停止するまで定速または徐々に減速して、「あ」から「わ」の順に繰り返し文字を切り替え続けてもよい。そして、ユーザは、入力文字グループの中から、入力したい文字を含む入力文字グループの代表文字が第1領域R1に表示されるように端末装置100を操作する。
【0019】
入力したい文字を含む入力文字グループの代表文字が第1領域R1に表示された状態において、端末装置100は、ユーザから第1領域R1に対して長押し操作を受け付けた場合に、第1領域R1の表示された代表文字を含む入力文字グループに含まれる文字を、第1領域R1の表示位置の中心とする第2領域に表示する。
【0020】
例えば、図1の(a)に示すように、ユーザが、代表文字である「あ」が表示される第1領域R1を長押ししたものとする。かかる場合に、端末装置100は、図1の(c)に示すように、第1領域R1の表示位置を中心とする第2領域に五十音の「あ」行に含まれる文字を表示する。このとき、端末装置100は、第2領域において、入力文字グループである「あ」行に含まれる文字のうち、あ段の文字である「あ」を中央の領域R12に、い段の文字である「い」を領域R12の左側の領域R13に、う段の文字である「う」を領域R12の上側の領域R14に、え段の文字である「え」を領域R12の右側の領域R15に、お段の文字である「お」を領域R12の下側の領域R16にそれぞれ表示させる。
【0021】
ここで、ユーザが、「あ」が表示される領域R12に対する長押し操作を継続したものとする。かかる場合に、端末装置100は、領域R12に表示されている「あ」を入力文字として決定する。
【0022】
一方、領域R12~領域R16を含む第2領域において、「あ」に対応する領域からスワイプ操作が入力されて、「い」、「う」、「え」、「お」のいずれかに対応する領域が選択された場合に、端末装置100は、スワイプ操作により選択された文字を入力文字として決定する。例えば、図1の(c)に示すように、ユーザが、第2領域において、「あ」に対応する領域R12から「い」に対応する領域R13に向かってスワイプ操作を入力した場合、スワイプ操作により選択された「い」を入力文字として決定し、入力欄V1に表示する。
【0023】
このように、実施形態にかかる端末装置100は、スワイプ操作で第1領域R1に表示される代表文字を切り換えた後、第1領域R1の代表文字が長押し操作で選択されることにより、第1領域R1を中心とする第2領域に代表文字を含む入力文字グループを表示し、その後の長押し操作またはスワイプ操作により選択された文字を入力文字として決定する。これにより、端末装置100は、より少ないスペースでの文字入力を可能とすることができるため、ユーザビリティの高い入力インターフェイスを提供することができる。
【0024】
〔2.端末装置の構成〕
次に、図2を用いて、実施形態にかかる端末装置100について説明する。図2は、実施形態にかかる端末装置100の構成例を示す図である。端末装置100は、タッチパネルが採用された情報処理装置であり、例えば、ウェアラブル端末や、タブレット型端末や、ノート型PC(Personal Computer)や、携帯電話機や、PDA(Personal Digital Assistant)等である。端末装置100は、図2に示すように、表示部110と、入力部120と、制御部130と、を有する。
【0025】
表示部110は、各情報を表示するための表示デバイスである。例えば、表示部110は、液晶ディスプレイ等によって実現される。入力部120は、ユーザから各種操作を受け付ける入力デバイスである。なお、実施形態にかかる端末装置100にはタッチパネルが採用されているので、表示部110と入力部120の一部とは一体化されている。
【0026】
制御部130は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、内部の記憶装置に記憶されているプログラム(端末制御プログラムの一例に相当)がRAM(Random Access Memory)等の内部メモリを作業領域として実行されることにより実現される。
【0027】
かかる制御部130は、図2に示すように、受付部131と、表示制御部132と、入力制御部133と、を有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部130の内部構成は、図2に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。
【0028】
受付部131は、入力部120を介してユーザから各種操作を受け付ける。具体的には、受付部131は、後述する表示制御部132によって表示された領域(例えば、領域R1~R16)に表示される文字を指定する操作、各種入力候補の選択を確定する操作等の各種ユーザ操作(例えば、長押し操作、スワイプ操作、フリック操作等)を受け付ける。
【0029】
表示制御部132は、受付部131によって受け付けられた操作に応じて、文字入力に関する各種操作が行われる操作領域の表示や、操作領域への所定の文字の表示を行う。例えば、表示制御部132は、受付部131により端末装置100が文字入力モードに切り替えられた旨の情報が受け付けられると、図1(a)に示すような第1領域R1~領域R11を表示部110に表示する。このような、表示制御部132は、代表文字表示部132aと、切換部132bと、グループ表示132cと、を有する。
【0030】
代表文字表示部132aは、複数の入力文字グループのうち、いずれか1つの入力文字グループの代表文字を第1領域R1に表示する。
【0031】
入力文字グループは、日本語の五十音の各行に含まれる文字のグループであり、「あ」行、「か」行、「さ」行、「た」行、「な」行、「は」行、「ま」行、「や」行、「ら」行、「わ」行にそれぞれ含まれる文字グループである。ただし、アルファベットや他の言語、数字、記号等を任意のグループに分けたものを入力文字グループとして用いてもよい。
【0032】
代表文字は、入力文字グループのうち、日本語の五十音のあ段の文字であり、「あ」、「か」、「さ」、「た」、「な」、「は」、「ま」、「や」、「ら」、または「わ」である。例えば、「あ」行の入力文字グループは、「あ」、「い」、「う」、「え」、および「お」の5文字を含み、この入力文字グループの代表文字は「あ」である。
【0033】
切換部132bは、第1領域R1に対して第1のスワイプ操作が入力された場合、第1のスワイプ操作の操作方向に応じて、第1領域R1に表示する入力文字グループの代表文字を切り換える。切換部132bは、「あ」、「か」、「さ」、「た」、「な」、「は」、「ま」、「や」、「ら」、「わ」の10文字の代表文字をこの順に切り換える。切換部132bは、第1領域R1に「あ」が表示されている状態で、左方向にスワイプ操作が入力された場合、第1領域R1に表示されている文字を「あ」から「か」に切り換える。また、切換部132bは、第1領域R1に「あ」が表示されている状態で、右方向にスワイプ操作が入力された場合、第1領域R1に表示されている文字を「あ」から「わ」に切り換える。また、切換部132bは、フリック操作の方向および速度に応じて、フリック操作の操作方向に切り換える文字数を増大させてもよい。例えば、切換部132bは、フリック操作の速度が第1の閾値以下の場合、第1領域R1に表示する代表文字を1文字切り換え、フリック操作の速度が第2の閾値以下の場合、第1領域R1に表示する代表文字を2文字切り換え、フリック操作の速度が第3の閾値以下の場合、第1領域R1に表示する代表文字を3文字切り換える。また、切換部132bは、フリック操作の速度が第3の閾値より大きい場合、一定の速さ、または徐々に減速するように、第1領域R1においてフリック操作の方向に文字を切り換え続ける制御を行ってもよい。また、切換部132bは、フリック操作の加速度に応じて、フリック操作の操作方向に切り換える文字数を制御してもよい。
【0034】
グループ表示132cは、第1領域R1に対して第1の選択操作が入力された場合、第1領域R1に表示された代表文字を含む入力文字グループに含まれる文字を、第1領域R1を中心とする第2領域に表示させる。第1の選択操作は、例えば長押し操作であるが、ダブルタップ等であってもよい。グループ表示132cは、第1領域R1を中心とする第2領域において、入力文字グループに含まれる文字のうち、代表文字であるあ段の文字を中央に、い段の文字を左側に、う段の文字を上側に、え段の文字を右側に、お段の文字を下側にそれぞれ表示させる。グループ表示132cは、第1領域R1に「あ」が表示されている状態で、第1の選択操作が入力された場合、あ段の文字である「あ」を中央の領域R12に、い段の文字である「い」を領域R12の左側の領域R13に、う段の文字である「う」を領域R12の上側の領域R14に、え段の文字である「え」を領域R12の右側の領域R15に、お段の文字である「お」を領域R12の下側の領域R16にそれぞれ表示させる。ただし、グループ表示132cが入力文字グループに含まれる文字を表示する態様は特に限定されない。例えば、グループ表示132cは、第1領域R1を中心とする5つの方向に配置される領域に「あ」~「お」の5文字を表示してもよい。この場合、第2の選択操作に替えてスワイプ操作で「あ」~「お」のいずれかの文字を選択することができる。
【0035】
入力制御部133は、第1の選択操作に続けて第2のスワイプ操作が入力された場合、グループ表示132cが表示させた文字のうち、第2のスワイプ操作の方向に位置する文字を入力文字として決定する。入力制御部133は、第2領域において、「あ」に対応する領域R12から「い」に対応する領域R13に向かってスワイプ操作が入力された場合、スワイプ操作に位置する「い」を入力文字として決定する。また、入力制御部133は、第1の選択操作に続けて、第2の選択操作が入力された場合、代表文字を入力文字として決定する。第2の選択操作は、例えば長押し操作であるが、ダブルタップ等であってもよい。入力制御部133は、第1の選択操作によりグループ表示132cが入力文字グループに含まれる文字を第2領域に表示させた後、そのまま継続して第2の選択操作が入力された場合、中央の領域R12に表示されている「あ」を入力文字として決定する。
【0036】
〔3.文字入力処理手順〕
次に、図3を用いて、実施形態にかかる端末装置100による文字入力処理について説明する。図3は、実施形態にかかる端末装置による文字入力処理を示すフローチャートである。
【0037】
まず、端末装置100が文字入力モードに切り替えられたことにより、代表文字表示部132aは、図1(a)に示す第1領域R1に「あ」を表示する(ステップS1)。
【0038】
続いて、表示制御部132は、受付部131により第1領域R1に対する操作入力が行われたか否かを判定する(ステップS2)。
【0039】
表示制御部132が、第1領域R1に対する操作入力が行われたと判定した場合(ステップS2:Yes)、表示制御部132は、受付部131が受け付けた操作入力がスワイプ操作(第1のスワイプ操作)であるか否かを判定する(ステップS3)。
【0040】
表示制御部132が、操作入力がスワイプ操作であると判定した場合(ステップS3:Yes)、切換部132bは、図1の(b)に示すように、スワイプ操作の方向に応じて、第1領域R1に表示される代表文字を切り換える(ステップS4)。その後、ステップS2に戻り、処理が継続される。
【0041】
ステップS3において、表示制御部132が、操作入力がスワイプ操作ではないと判定した場合(ステップS3:No)、表示制御部132は、受付部131が受け付けた操作入力が長押し操作であるか否かを判定する(ステップS5)。
【0042】
表示制御部132が、操作入力が長押し操作であると判定した場合(ステップS5:Yes)、グループ表示132cは、図1の(c)に示すように、第1領域R1に表示された代表文字を含む入力文字グループに含まれる文字を表示させる(ステップS6)。
【0043】
続いて、表示制御部132は、グループ表示132cが入力文字グループに含まれる文字を表示させた後も長押し操作が継続されているか否かを判定する(ステップS7)。
【0044】
表示制御部132が、長押し操作が継続されていると判定した場合(ステップS7:Yes)、入力制御部133は、領域R12に位置する代表文字を入力文字として決定し(ステップS8)、入力欄V1に表示させる。その後、ステップS1に戻り、処理が継続される。
【0045】
なお、再度ステップS1の処理を行う際に、第1領域R1に初期表示として代表文字である「あ」を表示してもよいが、ステップS5の長押し操作が入力される前に表示していた代表文字を再度表示させてもよい。
【0046】
ステップS5において、表示制御部132が、操作入力が長押し操作ではないと判定した場合(ステップS5:No)、ステップS2に戻り、処理が継続される。
【0047】
ステップS7において、表示制御部132が、長押し操作が継続されていないと判定した場合(ステップS7:No)、表示制御部132は、長押し操作の後にスワイプ操作(第2のスワイプ操作)が入力されたか否かを判定する(ステップS9)。
【0048】
表示制御部132が、スワイプ操作が入力されたと判定した場合(ステップS9:Yes)、入力制御部133は、スワイプ操作の方向に位置する文字を入力文字として決定し(ステップS10)、入力欄V1に表示させる。その後、ステップS1に戻り、処理が継続される。
【0049】
ステップS9において、表示制御部132が、スワイプ操作が入力されていないと判定した場合(ステップS9:No)、ステップS2に戻り、処理が継続される。
【0050】
ステップS2において、表示制御部132が、第1領域R1に対する操作入力が行われていないと判定した場合(ステップS2:No)、表示制御部132は、第1領域R1以外のその他の領域R2~R11に対する操作入力が行われたか否かを判定する(ステップS11)。
【0051】
表示制御部132が、その他の領域に対する操作入力が行われたと判定した場合(ステップS11:Yes)、表示制御部132は、領域R8に対する確定操作が行われたか否かを判定する(ステップS12)。
【0052】
表示制御部132が、確定操作が行われたと判定した場合(ステップS12:Yes)、表示制御部132は、入力した文字を確定させ、文字入力を終了する。
【0053】
ステップS11において、表示制御部132が、その他の領域に対する操作入力が行われていないと判定した場合(ステップS11:No)、ステップS1に戻り、処理が継続される。
【0054】
ステップS12において、表示制御部132が、確定操作が行われていないと判定した場合(ステップS12:No)、表示制御部132は、操作入力が行われた領域に応じた処理を実行する。一例として、領域R4に操作入力が行われた場合、カーソルC1の左側に位置する文字に濁点をつける。その後、ステップS1に戻り、処理が継続される。
【0055】
〔4.ハードウェア構成〕
上述してきた実施形態にかかる端末装置100は、例えば、図4に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。図4は、端末装置100の機能を実現するコンピュータ1000の一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU1100、RAM1200、ROM1300、HDD1400、通信インターフェイス(I/F)1500、入出力インターフェイス(I/F)1600、およびメディアインターフェイス(I/F)1700を有する。
【0056】
CPU1100は、ROM1300またはHDD1400に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM1300は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
【0057】
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、および、かかるプログラムによって使用されるデータ等を格納する。通信インターフェイス1500は、通信網50を介して他の機器からデータを受信してCPU1100へ送り、CPU1100が生成したデータを通信網50を介して他の機器へ送信する。
【0058】
CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、および、キーボードやマウス等の入力装置を制御する。CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU1100は、生成したデータを入出力インターフェイス1600を介して出力装置へ出力する。
【0059】
メディアインターフェイス1700は、記録媒体1800に格納されたプログラムまたはデータを読み取り、RAM1200を介してCPU1100に提供する。CPU1100は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス1700を介して記録媒体1800からRAM1200上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体1800は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
【0060】
例えば、コンピュータ1000が実施形態にかかる端末装置100として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部130の機能を実現する。コンピュータ1000のCPU1100は、これらのプログラムを記録媒体1800から読み取って実行するが、他の例として、他の装置から通信網50を介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0061】
〔5.その他〕
また、上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0062】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0063】
また、上述してきた各実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0064】
〔6.効果〕
実施形態にかかる端末装置100は、代表文字表示部132aと、切換部132bと、グループ表示132cと、入力制御部133と、を有する。代表文字表示部132aは、複数の入力文字グループのうち、いずれか1つの入力文字グループの代表文字を第1領域に表示する。切換部132bは、第1領域に対して第1のスワイプ操作が入力された場合、第1のスワイプ操作の操作方向に応じて、第1領域に表示する入力文字グループの代表文字を切り換える。グループ表示132cは、第1領域に対して第1の選択操作が入力された場合、第1領域に表示された代表文字を含む入力文字グループに含まれる文字を、第1領域を中心とする第2領域に表示させる。入力制御部133は、第1の選択操作に続けて第2のスワイプ操作が入力された場合、グループ表示132cが表示させた文字のうち、第2のスワイプ操作の方向に位置する文字を入力文字として決定する。
【0065】
このように、実施形態にかかる端末装置100において、代表文字表示部132aは、いずれか1つの入力文字グループの代表文字を第1領域に表示することにより、より少ないスペースでの文字入力を可能とすることができるため、ユーザビリティの高い入力インターフェイスを提供することができる。
【0066】
また、切換部132bは、第1のスワイプ操作の操作方向に応じて、第1領域に表示する入力文字グループの代表文字を切り換えることにより、より少ないスペースでの文字入力を可能とすることができるため、ユーザビリティの高い入力インターフェイスを提供することができる。
【0067】
また、グループ表示132cは、グループ表示132cは、第1領域に表示された代表文字を含む入力文字グループに含まれる文字を、第1領域を中心とする第2領域に表示させることにより、より少ないスペースでの文字入力を可能とすることができるため、ユーザビリティの高い入力インターフェイスを提供することができる。
【0068】
また、入力制御部133は、第2のスワイプ操作の方向に位置する文字を入力文字として決定することにより、より少ないスペースでの文字入力を可能とすることができるため、ユーザビリティの高い入力インターフェイスを提供することができる。
【0069】
また、グループ表示132cは、第1領域の中央に代表文字を表示し、入力制御部133は、第1の選択操作に続けて、第2の選択操作が入力された場合、代表文字を入力文字として決定することにより、より少ないスペースでの文字入力を可能とすることができるため、ユーザビリティの高い入力インターフェイスを提供することができる。
【0070】
また、グループ表示132cは、第1領域を中心とする第2領域において、入力文字グループに含まれる文字のうち、あ段の文字を中央に、い段の文字を左側に、う段の文字を上側に、え段の文字を右側に、お段の文字を下側にそれぞれ表示させることにより、より少ないスペースでの文字入力を可能とすることができるため、ユーザビリティの高い入力インターフェイスを提供することができる。
【0071】
また、切換部132bは、第1領域に対してフリック操作が入力された場合、フリック操作の方向および速さに応じて、第1領域に表示する入力文字グループの代表文字を切り換えることにより、代表文字を素早く切り換えることができ、ユーザビリティの高い入力インターフェイスを提供することができる。
【0072】
また、入力文字グループは、日本語の五十音の各行に含まれる文字のグループであることにより、日本語の入力を迅速に行うことができる。
【0073】
また、代表文字は、入力文字グループのうち、日本語の五十音のあ段の文字であることにより、日本語の入力を迅速に行うことができる。
【0074】
また、端末装置100は、腕時計型の端末装置であることにより、より少ないスペースでの文字入力においても、ユーザビリティの高い入力インターフェイスを提供することができる。
【0075】
これにより、実施形態にかかる端末装置100は、容易かつ正確な文字入力を行わすことができる。
【0076】
また、上記してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、取得部は、取得手段や取得回路に読み替えることができる。
【0077】
以上、上記実施形態を用いて本発明を説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。上記実施形態に多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者には明らかである。また、そのような変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【符号の説明】
【0078】
100 端末装置
110 表示部
120 入力部
130 制御部
131 受付部
132 表示制御部
132a 代表文字表示部
132b 切換部
132c グループ表示
133 入力制御部
図1
図2
図3
図4