(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023137209
(43)【公開日】2023-09-29
(54)【発明の名称】包装用容器
(51)【国際特許分類】
B65D 1/26 20060101AFI20230922BHJP
B65D 1/46 20060101ALI20230922BHJP
【FI】
B65D1/26 120
B65D1/46
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022043302
(22)【出願日】2022-03-18
(71)【出願人】
【識別番号】396000422
【氏名又は名称】リスパック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】池田 昌弘
【テーマコード(参考)】
3E033
【Fターム(参考)】
3E033AA09
3E033BA16
3E033BA18
3E033BA22
3E033CA02
3E033CA05
3E033DA08
3E033DC02
3E033EA06
3E033EA07
3E033FA04
3E033GA03
(57)【要約】
【課題】
座屈強度の向上とデザイン性の向上を実現した包装用容器を提供する。
【解決手段】
合成樹脂製シートから構成され、底面120、及び側面130を備えた包装用容器100であって、側面130は、底面120から上方へ向けて立ち上がると共に、底面120に対して垂直に交わる垂直軸Pに対して傾斜しており、さらに、側面130には、上下方向に複数の凹凸模様部160が形成されており、さらに、側面130には、深さが0.5mmから4.0mmである凹凸模様部160が上下方向に複数形成されており、隣接する上方の凹凸模様部160の一部は、隣接する下方の凹凸模様部160の一部と、垂直軸P上において、上下方向に重なっていることを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
合成樹脂製シートから構成され、底面、及び側面を備えた包装用容器であって、
前記側面は、前記底面から上方へ向けて立ち上がると共に、前記底面に対して垂直に交わる垂直軸に対して傾斜しており、
さらに、前記側面には、深さが0.5mmから4.0mmである凹凸模様部が上下方向に複数形成されており、
隣接する上方の前記凹凸模様部の一部は、隣接する下方の前記凹凸模様部の一部と、前記垂直軸上において、上下方向に重なっていることを特徴とする包装用容器。
【請求項2】
前記合成樹脂製シートの肉厚は、0.15mmから0.85mmであることを特徴とする請求項1に記載の包装用容器。
【請求項3】
前記側面は、前記垂直軸に対して0°より大きく45°より小さい角度で傾斜していることを特徴とする請求項1又は2に記載の包装用容器。
【請求項4】
前記凹凸模様部は、前記包装用容器の周方向に複数設けられていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の包装用容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、包装用容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、惣菜や薬味等の食品を収容する包装用容器が、スーパーやコンビニエンスストア等で使用されている。
【0003】
例えば、特許文献1から3に示す包装用容器は、合成樹脂製シートから構成され、底面、側面を備えている。そして、近年では、環境負荷軽減の取り組みの一つとして、包装用容器を薄肉化して、包装用容器を構成する素材の量を減らす試みがされている。ただ、薄肉化すると、包装用容器の強度が弱くなるため、特許文献1から3に示す包装用容器では、複数のポッチや凹凸模様などの凹凸部を側面に設けて、座屈強度を向上させていた。ただ、これらの凹凸部は、傾斜する側面の表面に、浅く設けられているのみであり、座屈強度の向上に限界があった。また、凹凸部は浅いため、凹凸部を模様として利用する場合は、平面的なデザインとなりがちであり、デザイン性にも限界があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第5002305号
【特許文献2】特許第6850082号
【特許文献3】特許第6053142号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本願発明は、上記問題に鑑み、座屈強度の向上とデザイン性の向上を実現した包装用容器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本願発明の請求項1に係る包装用容器は、合成樹脂製シートから構成され、底面、及び側面を備えた包装用容器であって、前記側面は、前記底面から上方へ向けて立ち上がると共に、前記底面に対して垂直に交わる垂直軸に対して傾斜しており、さらに、前記側面には、深さが0.5mmから4.0mmである凹凸模様部が上下方向に複数形成されており、隣接する上方の前記凹凸模様部の一部は、隣接する下方の前記凹凸模様部の一部と、前記垂直軸上において、上下方向に重なっていることを特徴とする。
【0007】
上記特徴によれば、上下に隣接する凹凸模様部の一部が互いに上下方向に重なっているので、上下方向からの押圧力に対してより強固に耐えることができ、座屈強度を向上させることができる。さらに、上下に隣接する凹凸模様部の一部が互いに上下方向に重なるので、より深く立体的な造詣が可能となり、デザイン性が向上するのである。また、凹凸模様部は一定の深さがあるため、剛性を高く維持すると共に、割り型等の可動型により包装用容器の側面に対してほぼ垂直方向に離型できるため、金型から離型し易い。
【0008】
さらに、本願発明の請求項2に係る包装用容器は、前記合成樹脂製シートの肉厚は、0.15mmから0.85mmであることを特徴とする。
【0009】
上記特徴によれば、合成樹脂製シートの厚さを比較的薄くしても、包装用容器は凹凸模様部を備えているので、座屈強度が向上し、十分な強度を維持できるのである。
【0010】
さらに、本願発明の請求項3に係る包装用容器は、前記側面は、前記垂直軸に対して0°より大きく45°より小さい角度で傾斜していることを特徴とする。
【0011】
上記特徴によれば、包装用容器の積み重ね、いわゆるスタックが難しくなるのを避けると共に、側壁表面の凹凸模様部によるデザインを、利用者に見せやすい。
【0012】
さらに、本願発明の請求項4に係る包装用容器は、前記凹凸模様部は、前記包装用容器の周方向に複数設けられていることを特徴とする。
【0013】
上記特徴によれば、側面130の表面は、上下左右に広がる凹凸模様部によって、面的に補強され、座屈強度が更に向上する。
【発明の効果】
【0014】
本願発明の包装用容器は、座屈強度の向上とデザイン性の向上を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】(a)は、本願発明の実施形態1に係る包装用容器の全体斜視図、(b)は、包装用容器の側面図である。
【
図2】(a)は、
図1のA―A端面図、(b)は、凹凸模様部周辺を拡大したA-A端面図(c)は、凹凸模様部周辺を拡大した側面図である。
【
図3】(a)は、本願発明の実施形態2に係る包装用容器の全体斜視図、(b)は、包装用容器の側面図である。
【
図4】(a)は、
図3のB―B端面図、(b)は、凹凸模様部周辺を拡大したB-B端面図、(c)は、凹凸模様部周辺を拡大した側面図である。
【
図5】(a)は、本願発明の実施形態3に係る包装用容器の全体斜視図、(b)は、包装用容器の側面図である。
【
図6】(a)は、
図5のC―C端面図、(b)は、凹凸模様部周辺を拡大したC-C端面図、(c)は、凹凸模様部周辺を拡大した側面図である。
【符号の説明】
【0016】
100 包装用容器
120 底面
130 側面
160 凹凸模様部
P 垂直軸
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に、本願発明の各実施形態について、図面を用いて説明する。なお、本明細書において、「上方」とは、包装用容器の開口面を上にして水平面上に載置した際に、鉛直方向における上方に向かう方向のことであり、「下方」とは鉛直方向における下方に向かう方向のことである。
【0018】
<実施形態1>
図1及び
図2には、本願発明の包装用容器100を示す。なお、
図1(a)は、包装用容器100の全体斜視図、
図1(b)は、包装用容器100の側面図、
図2(a)は、A―A端面図、
図2(b)は、凹凸模様部160周辺を拡大したA-A端面図、
図2(c)は、凹凸模様部160周辺を拡大した側面図である。
【0019】
図1及び
図2に示すように、包装用容器100は、合成樹脂製シートから成形され、上方に開口した深皿型形状であり、平面視略四角形状の平坦で水平方向に広がる底面120と、当該底面120から上方へ立ち上がる側面130と、当該側面130の先端131から外側へ延出する平坦なフランジ140と、側面130の先端131とフランジ140の間において、外側へ向けて凹状の嵌合部150とを備える。この嵌合部150は、任意で設けるもので、蓋体を嵌合させて包装用容器100を密封できる。また、包装用容器100の上方は開口しているので、内部に食品等を収容することが出来る。
【0020】
底面120は平坦面となっており、包装用容器100の保管や運搬時に、水平な設置面に載置される部分となる。そして、
図2(a)に示すように、側面130は、底面120に対して垂直に交わる垂直軸P(すなわち、鉛直軸)に対して角度αで傾斜している。この角度αは、0°より大きく、45°よりも小さくなっている(0°<α<45°)。角度αを、0°よりも大きくするのは(0°<α)、包装用容器100の積み重ね、いわゆるスタックが難しくなるのを避けるためである。また、角度αを45°よりも小さくするのは(α<45°)、側面130を出来るだけ立ち上げ、側面130表面の凹凸模様部160によるデザインを、利用者に見せやすくするためである。さらに、包装用容器100の積み重ねのし易さとデザインの見易さのみならず、座屈強度の向上を考慮して、角度αは、3°から20°(3°≦α≦20°)、又は、3°から30°(3°≦α≦30°)とするのが最適である。
【0021】
また、側面130には、上下方向に複数の凹凸模様部160が設けられている。この凹凸模様部160は、側面130の表面から内側へ凹んだ凹部161と、側面130の表面と同一平面の凸部162から構成されている。そして、側面視で略長方形状の凸部162の周囲を凹部161が囲むように配置されており、凹凸模様部160は、側面視でブロック形状のデザインを備えている。また、凹凸模様部160は、凹凸形状をしているので、側面130を補強して包装用容器100の座屈強度を向上させている。なお、凹凸模様部160は、凹凸形状をしていれば、側面視でブロック形状に限定されず、任意の形状であってもよい。
【0022】
さらに、
図2(b)に示すように、隣接する上方の凹凸模様部160の一部(例えば、
図2(b)で示すN1)は、隣接する下方の凹凸模様部160の一部(例えば、
図2(b)で示すM1)と、垂直軸P上において、上下方向に重なっている。そのため、上下に隣接する凹凸模様部160の一部が互いに上下方向に重なっているので、上下方向からの押圧力に対してより強固に耐えることができ、座屈強度を向上させることができる。さらに、上下に隣接する凹凸模様部160の一部が互いに上下方向に重なるので、より深く立体的な造詣が可能となり、デザイン性が向上するのである。
【0023】
特に、隣接する上方の凹凸模様部160の最も内側の部分N1が、隣接する下方の凹凸模様部160の一部(
図2(b)で示すM1)と、垂直軸P上において上下方向に重なり、さらに、隣接する下方の凹凸模様部160の最も外側の部分M2が、隣接する上方の凹凸模様部160の一部(
図2(b)で示すN2)と、垂直軸P上において上下方向に重なっている。そのため、上下の凹凸模様部160がより多くの範囲で上下に重なることから、座屈強度を更に向上させると共に、デザイン性を更に向上させている。
【0024】
また、
図2(b)に示すように、凹凸模様部160の深さD1は、垂直軸Pに直角に交わる水平軸Q上において、凹凸模様部160の最も外側の部分N3から最も内側の部分N1の長さとなる。そして、凹凸模様部160の深さD1は、任意の大きさに設定することができるが、剛性を高く維持すると共に離型のし易さから、0.5mmから4.0mm(ミリメートル)が最適である(0.5mm≦深さD1≦4.0mm)。深さD1が0.5mm未満になると、凹凸模様部160の剛性が低くなり十分な座屈強度を得ることができず、深さD1が4.0mmより大きくなると、割り型等の可動型(図示しない)から抜けにくくなる。
【0025】
また、隣接する上方の凹凸模様部160の最も内側の部分N1から、隣接する下方の凹凸模様部160の最も外側の部分M2において、隣接する上下の凹凸模様部160が互いに重なる範囲の長さはD2となっている。この長さD2は、水平軸Q上における長さとなっている。そして、隣接する上下の凹凸模様部160が互いに重なる範囲の長さD2は、凹凸模様部160の深さD1の3分の1以上の大きさとなっている(長さD2≧深さD1×1/3)。そのため、上下の凹凸模様部160がより多くの範囲で上下に重なることから、座屈強度を更に向上させると共に、デザイン性を更に向上させている。なお、隣接する上下の凹凸模様部160が互いに重なる範囲の長さD2は、凹凸模様部160の深さD1以下となっている(1/3×D1≦D2≦D1)。
【0026】
また、複数の凹凸模様部160が、包装用容器100の周方向(言い換えると、水平方向又は横方向)に沿って連続して設けられている。このように、凹凸模様部160が、側面130の上下方向及び横方向に複数設けられていることで、側面130の表面は、上下左右に広がる凹凸模様部160によって、面的に補強され、座屈強度が更に向上するのである。
【0027】
なお、包装用容器100は、厚さが約0.1mmから1.00mm程度のシート状の合成樹脂製の素材を用いて、シート成形(例えば、真空成形、圧空成形、熱盤成形)されたものであり、例えば、包装用容器100の素材としては、ポリスチレン、ポリプロピレン、A-垂直軸PET、ポリ乳酸や、これらを二軸延伸させたもの、紙や金属などを用いることができる。なお、包装用容器100をシート成形する際は、包装用容器100の上下に配置される金型と、包装用容器100の側方に配置されて側面130を成形する金型とを組み合わせて、シート成形されている。
【0028】
また、包装用容器100を構成する合成樹脂製シートは、厚さが約0.15mmから0.85mmの比較的薄いシートが最適である(0.15mm≦厚さ≦0.85mm)。合成樹脂製シートの厚さが、0.15mm未満だと、包装用容器100の剛性が低くなりすぎ、0.85mmより大きいと、包装用容器100の重量の軽減や薄肉化が出来なくなる。そして、本願発明では、合成樹脂製シートの厚さを比較的薄くしても、包装用容器100は凹凸模様部160を備えているので、座屈強度が向上し、十分な強度を維持できるのである。
【0029】
上方の凹凸模様部160の一方部N1から他方部N2と、隣接する下方の凹凸模様部160の一方部M1から他方部M2とが、垂直軸P上において上下方向に重なっているが、これに限定されず、上方の凹凸模様部160の任意の部分と、下方の凹凸模様部160の任意の部分とが、垂直軸P上において上下方向に重なってもよい。
【0030】
<実施形態2>
次に、
図3及び
図4には、本願発明の実施形態2に係る包装用容器100Aを示す。なお、実施形態2の包装用容器100Aに係る構成は、実施形態1に係る包装用容器100と、凹凸模様部(160A1、160A2)の構成が異なるだけで、他の構成は実施形態1に係る包装用容器100と基本的に同一なので、詳細な説明は省略する。なお、
図3(a)は、包装用容器100Aの全体斜視図、
図3(b)は、包装用容器100Aの側面図、
図4(a)は、B―B端面図、
図3(b)は、凹凸模様部(160A1、160A2)周辺を拡大したB-B端面図、
図4(c)は、凹凸模様部(160A1、160A2)周辺を拡大した側面図である。
【0031】
図3及び
図4に示すように、側面130Aには、上下方向に凹凸模様部160A1及び凹凸模様部160A2が設けられている。上側の凹凸模様部160A1は、側面130Aの表面から内側へ凹んだ凹部161A1と、側面130Aの表面と同じ高さの凸部162A1から構成されている。そして、凹凸模様部160A1は、側面視で略楕円形状のデザインとなっている。また、下側の凹凸模様部160A2は、側面130Aの表面から内側へ凹んだ凹部161A2と、側面130Aの表面と同じ高さの凸部162A2から構成されている。そして、凹凸模様部160A2は、側面視で四角錐形状のデザインとなっている。なお、凹凸模様部160A1及び凹凸模様部160A2は、凹凸形状をしているので、側面130Aを補強して包装用容器100Aの座屈強度を向上させている。
【0032】
さらに、
図4(b)に示すように、隣接する上方の凹凸模様部160A1の一部(例えば、
図4(b)で示すN1)は、隣接する下方の凹凸模様部160A2の一部(例えば、
図4(b)で示すM1)と、垂直軸P上において、上下方向に重なっている。そのため、上下に隣接する凹凸模様部160A1及び凹凸模様部160A2の一部が互いに上下方向に重なっているので、上下方向からの押圧力に対してより強固に耐えることができ、座屈強度を向上させることができる。さらに、上下に隣接する凹凸模様部(160A1、160A2)の一部が互いに上下方向に重なるので、より深く立体的な造詣が可能となり、デザイン性が向上するのである。
【0033】
特に、隣接する上方の凹凸模様部160A1の最も内側の部分N1が、隣接する下方の凹凸模様部160A2の一部(
図4(b)で示すM1)と、垂直軸P上において上下方向に重なり、さらに、隣接する下方の凹凸模様部160A2の最も外側の部分M2が、隣接する上方の凹凸模様部160A1の一部(
図4(b)で示すN2)と、垂直軸P上において上下方向に重なっている。そのため、上下の凹凸模様部160A1と凹凸模様部160A2がより多くの範囲で上下に重なることから、座屈強度を更に向上させると共に、デザイン性を更に向上させている。
【0034】
また、
図4(b)に示すように、隣接する上方の凹凸模様部160A2の一部(例えば、
図4(b)で示すN3)は、隣接する下方の凹凸模様部160A2の一部(例えば、
図4(b)で示すM3)と、垂直軸P上において、上下方向に重なっている。そのため、上下に隣接する凹凸模様部160A2の一部が互いに上下方向に重なっているので、上下方向からの押圧力に対してより強固に耐えることができ、座屈強度を向上させることができる。さらに、上下に隣接する凹凸模様部160A2の一部が互いに上下方向に重なるので、より深く立体的な造詣が可能となり、デザイン性が向上するのである。
【0035】
特に、隣接する上方の凹凸模様部160A2の最も内側の部分N3が、隣接する下方の凹凸模様部160A2の一部(
図4(b)で示すM3)と、垂直軸P上において上下方向に重なり、さらに、隣接する下方の凹凸模様部160A2の最も外側の部分M4が、隣接する上方の凹凸模様部160A2の一部(
図4(b)で示すN4)と、垂直軸P上において上下方向に重なっている。そのため、上下の凹凸模様部160A2がより多くの範囲で上下に重なることから、座屈強度を更に向上させると共に、デザイン性を更に向上させている。
【0036】
<実施形態3>
次に、
図5及び
図6には、本願発明の実施形態3に係る包装用容器100Bを示す。なお、実施形態3の包装用容器100Bに係る構成は、実施形態1に係る包装用容器100と、凹凸模様部160Bの構成が異なるだけで、他の構成は実施形態1に係る包装用容器100と基本的に同一なので、詳細な説明は省略する。なお、
図5(a)は、包装用容器100Bの全体斜視図、
図5(b)は、包装用容器100Bの側面図、
図6(a)は、C―C端面図、
図6(b)は、凹凸模様部160B周辺を拡大したC-C端面図、
図6(c)は、凹凸模様部160B周辺を拡大した側面図である。
【0037】
図5及び
図6に示すように、側面130Bには、上下方向に複数の凹凸模様部160Bが設けられている。凹凸模様部160Bは、側面130Bの表面から内側へ凹んだ凹部161Bと、側面130Bの表面と同じ高さの凸部162Bから構成されている。そして、凹凸模様部160Bは、側面視で斜めに傾斜した帯形状のデザインとなっている。なお、凹凸模様部160Bは、凹凸形状をしているので、側面130Bを補強して包装用容器100Bの座屈強度を向上させている。
【0038】
さらに、
図6(b)に示すように、隣接する上方の凹凸模様部160Bの一部(例えば、
図6(b)で示すN1)は、隣接する下方の凹凸模様部160Bの一部(例えば、
図6(b)で示すM1)と、垂直軸P上において、上下方向に重なっている。そのため、上下に隣接する凹凸模様部160Bの一部が互いに上下方向に重なっているので、上下方向からの押圧力に対してより強固に耐えることができ、座屈強度を向上させることができる。さらに、上下に隣接する凹凸模様部160Bの一部が互いに上下方向に重なるので、より深く立体的な造詣が可能となり、デザイン性が向上するのである。
【0039】
特に、隣接する上方の凹凸模様部160Bの最も内側の部分N1が、隣接する下方の凹凸模様部160Bの一部(
図6(b)で示すM1)と、垂直軸P上において上下方向に重なり、さらに、隣接する下方の凹凸模様部160Bの最も外側の部分M2が、隣接する上方の凹凸模様部160Bの一部(
図6(b)で示すN2)と、垂直軸P上において上下方向に重なっている。そのため、上下の凹凸模様部160Bが互いにより多くの範囲で上下に重なることから、座屈強度を更に向上させると共に、デザイン性を更に向上させている。
【0040】
なお、本願発明の包装用容器は、上記の実施例に限定されず、特許請求の範囲に記載された範囲、実施形態の範囲で、種々の変形例、組み合わせが可能であり、これらの変形例、組み合わせもその権利範囲に含むものである。