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特開2023-137223部品データ管理装置および部品データ管理方法ならびに部品データ管理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023137223
(43)【公開日】2023-09-29
(54)【発明の名称】部品データ管理装置および部品データ管理方法ならびに部品データ管理プログラム
(51)【国際特許分類】
   H05K 13/08 20060101AFI20230922BHJP
   H05K 13/00 20060101ALI20230922BHJP
【FI】
H05K13/08 Z
H05K13/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022043331
(22)【出願日】2022-03-18
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106116
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100131495
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 健児
(72)【発明者】
【氏名】横井 敬明
(72)【発明者】
【氏名】田中 淳樹
(72)【発明者】
【氏名】生田 直史
(72)【発明者】
【氏名】山口 達也
(72)【発明者】
【氏名】譚 隕林
(72)【発明者】
【氏名】岩田 維里
【テーマコード(参考)】
5E353
【Fターム(参考)】
5E353CC04
5E353CC05
5E353CC08
5E353CC17
5E353EE53
5E353EE54
5E353KK01
5E353KK11
5E353KK21
5E353LL01
5E353LL02
5E353LL04
5E353LL06
5E353QQ05
(57)【要約】
【課題】これから生産に使用する部品データが適正か否かを容易に判断することができる部品データ管理装置および部品データ管理方法ならびに部品データ管理プログラムを提供する。
【解決手段】部品の部品情報に部品を基板に実装するための部品実装装置M2,M3の動作条件である複数の動作パラメータを紐付けした部品データ13aを管理する部品データ管理装置(生産管理装置3)は、部品データ13aの変更履歴情報13bに基づいて、これから生産される実装基板の生産データ12aにおいて設定されている部品に関係する情報を抽出する情報抽出部16と、抽出した部品に関係する情報を出力する出力部17と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
部品の部品情報に前記部品を基板に実装するための部品実装装置の動作条件である複数の動作パラメータを紐付けした部品データを管理する部品データ管理装置であって、
前記部品データの変更履歴情報に基づいて、これから生産される実装基板の生産データにおいて設定されている部品に関係する情報を抽出する情報抽出部と、
抽出した前記部品に関係する情報を出力する出力部と、を備える、部品データ管理装置。
【請求項2】
前記出力部は、前記部品実装装置の動作開始前に前記部品に関係する情報を表示部に表示させる、請求項1に記載の部品データ管理装置。
【請求項3】
前記出力部によって出力された情報に基づいて、前記生産データにおいて設定されている前記部品の前記動作パラメータを承認するか否かを要求する承認要求部を、さらに備える、請求項1または2に記載の部品データ管理装置。
【請求項4】
前記変更履歴情報には、少なくとも変更された前記動作パラメータと変更回数を含み、
前記情報抽出部は、所定期間の前記変更回数が所定回数以上の部品の前記部品に関係する情報を抽出する、請求項1から3のいずれかひとつに記載の部品データ管理装置。
【請求項5】
前記変更履歴情報には、前記動作パラメータの変更履歴を含み、
前記情報抽出部は、特定の動作パラメータ毎に関係する情報を抽出する、請求項1から4のいずれかひとつに記載の部品データ管理装置。
【請求項6】
前記部品に関係する情報には、前記情報抽出部が前記部品データを使用した生産実績情報に基づいて抽出した生産実績を含み、
各々の前記部品データについて前記生産実績を分析する分析部を、さらに備え、
前記出力部は、前記部品に関係する情報に合わせて前記分析部による分析結果を出力する、請求項1から5のいずれかひとつに記載の部品データ管理装置。
【請求項7】
前記分析部は、前記生産実績から信頼度を算出し、
前記出力部は、前記部品に関係する情報に合わせて前記信頼度を出力する、請求項6に記載の部品データ管理装置。
【請求項8】
前記部品の形状毎または前記動作パラメータ毎の前記生産実績の変更傾向に基づいて、前記部品データの修正を提案する修正提案部を、さらに備える、請求項1から7のいずれかひとつに記載の部品データ管理装置。
【請求項9】
前記修正提案部は、前記部品の形状または前記動作パラメータが類似する前記部品に対して前記部品データの修正を提案する、請求項8に記載の部品データ管理装置。
【請求項10】
前記動作パラメータには、前記部品を吸着するためのノズルパラメータ、前記ノズルで吸着する際の吸着に関する吸着パラメータ、前記部品の形状を認識するための認識パラメータ、前記部品を実装するための実装パラメータの少なくともいずれかを含む、請求項1から9に記載の部品データ管理装置。
【請求項11】
部品の部品情報に前記部品を基板に実装するための部品実装装置の動作条件である複数の動作パラメータを紐付けした部品データを管理する部品データ管理方法であって、
前記部品データの変更履歴情報に基づいて、これから生産される実装基板の生産データにおいて設定されている部品に関係する情報を抽出し、
抽出した前記部品に関係する情報を出力することを含む、部品データ管理方法。
【請求項12】
請求項10に記載の部品データ管理方法をコンピュータに実行させるための部品データ管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、部品を基板に実装する部品実装装置で使用する部品データを管理する部品データ管理装置および部品データ管理方法ならびに部品データ管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
基板に部品を実装する部品実装装置は、部品の基板装着、ノズルの部品吸着、部品の撮影などに関する動作条件を含む多数の動作パラメータに基づいて、部品実装動作が制御される。この動作パラメータは、部品の形状などの情報を含む部品情報に紐付けた部品データとして、部品毎に適正な値が設定される。特許文献1には、部品データの変更履歴と実装作業中に生じた実装ミスを記憶しておき、過去の部品データと過去の実装ミスを関連付けて表示部に表示するシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014-93336号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1を含む従来技術では、過去に生産で使用した部品データとその部品データを使用した場合の過去の実装ミスの関係を参照して適正状態に復元することはできるものの、これから生産に使用する部品データの動作パラメータが適正か否かを判断することはできず、さらなる改善の余地があった。
【0005】
そこで本発明は、これから生産に使用する部品データが適正か否かを容易に判断することができる部品データ管理装置および部品データ管理方法ならびに部品データ管理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の部品データ管理装置は、部品の部品情報に前記部品を基板に実装するための部品実装装置の動作条件である複数の動作パラメータを紐付けした部品データを管理する部品データ管理装置であって、前記部品データの変更履歴情報に基づいて、これから生産される実装基板の生産データにおいて設定されている部品に関係する情報を抽出する情報抽出部と、抽出した前記部品に関係する情報を出力する出力部と、を備える。
【0007】
本発明の部品データ管理方法は、部品の部品情報に前記部品を基板に実装するための部品実装装置の動作条件である複数の動作パラメータを紐付けした部品データを管理する部品データ管理方法であって、前記部品データの変更履歴情報に基づいて、これから生産される実装基板の生産データにおいて設定されている部品に関係する情報を抽出し、抽出した前記部品に関係する情報を出力することを含む。
【0008】
本発明の部品データ管理プログラムは、請求項10に記載の部品データ管理方法をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、これから生産に使用する部品データが適正か否かを容易に判断することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施の形態の部品実装システムの構成説明図
図2】本発明の一実施の形態の部品実装システムの構成を示すブロック図
図3】本発明の一実施の形態の部品実装システムで使用される部品データの例を示す図
図4】本発明の一実施の形態の生産管理装置の表示部に表示された(a)部品データ変更履歴情報表示画面の例を示す図(b)部品データ変更履歴情報(詳細)表示画面の例を示す図
図5】本発明の一実施の形態の生産管理装置の表示部に表示された動作パラメータ承認設定画面の例を示す図
図6】本発明の一実施の形態の生産管理装置の表示部に表示された部品データ実績分析結果表示画面の例を示す図
図7】本発明の一実施の形態の生産管理装置の表示部に表示された(a)動作パラメータ変更履歴情報表示画面の例を示す図(b)動作パラメータ変更履歴情報(詳細)表示画面の例を示す図
図8】本発明の一実施の形態の部品データ管理方法のフロー図
図9】本発明の一実施の形態の生産管理装置の表示部に表示された類似部品予測結果表示画面の例を示す図
図10】本発明の一実施の形態の生産管理装置の表示部に表示された動作パラメータ承認設定画面の他の実施例を示す図
図11】本発明の一実施の形態の部品データ管理方法の他の実施例のフロー図
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に図面を用いて、本発明の一実施の形態を詳細に説明する。以下で述べる構成、形状等は説明のための例示であって、部品実装システム、部品実装ライン、部品実装装置、生産管理装置(部品データ管理装置)の仕様に応じ、適宜変更が可能である。以下では、全ての図面において対応する要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0012】
まず図1を参照して、部品実装システム1の構成を説明する。部品実装システム1は、印刷装置M1、複数の部品実装装置M2,M3などを連結して構成される1本の部品実装ラインL1を備えている。部品実装ラインL1は、印刷装置M1、部品実装装置M2,M3によって基板を順に搬送しながら実装基板を生産する機能を有している。なお、部品実装システム1が備える部品実装ラインL1は1本である必要はなく、2本以上であってもよい。また、部品実装ラインL1を構成する部品実装装置M2,M3は2台である必要はなく、1台、または3台以上であってもよい。
【0013】
部品実装ラインL1を構成する各装置は、通信ネットワーク2を介して生産管理装置3に接続されている。生産管理装置3は、部品実装ラインL1が備える各装置の稼働に必要なデータやパラメータを作成し、各装置に送信する機能を有している。また、各装置より稼動状況、作業履歴などのデータが、生産管理装置3に送信される。また、生産管理装置3は、部品実装ラインL1の各装置で使用される部品データ、生産データなどを作成し、管理する機能を有している。
【0014】
次に図1を参照して、部品実装ラインL1の構成について説明する。印刷装置M1は、基板に部品接合用のクリームはんだをスクリーン印刷するはんだ印刷作業を行う機能を有している。部品実装装置M2,M3は、はんだ印刷後の基板に対して部品を装着する部品実装作業を行う機能を有している。
【0015】
部品実装装置M2,M3は、基板に装着される部品毎に設定される部品データに含まれる動作パラメータに基づいて、フィーダが供給する部品を実装ヘッドが有するノズルで真空吸着によって取り出し、部品認識カメラでノズルが保持する部品の状態を撮像し、基板の実装位置に指定された実装角度で装着する。部品実装装置M2,M3は複数のセンサを備えており、ノズルが部品を吸着する吸着動作、部品認識カメラが取り出された部品を撮像して認識する部品認識動作など、部品実装作業における作業ミスや動作エラーなどが監視されている。
【0016】
次に図2を参照して、生産管理装置3(部品データ管理装置)を備える部品実装システム1の構成について説明する。ここでは、生産管理装置3が備える複数の機能のち、部品実装装置M2,M3で使用された部品データや生産実績を収集し、管理する機能に関する構成を中心に説明する。生産管理装置3には、入力部4、表示部5、通信部6が接続されている。生産管理装置3は、生産管理記憶部11、データ収集部15、情報抽出部16、出力部17、承認要求部18、分析部19、修正提案部20、制御部(図示せず)を備えている。
【0017】
入力部4は、キーボード、タッチパネル、マウスなどの入力装置であり、操作コマンドやデータ入力時などに用いられる。表示部5は液晶パネルなどの表示装置であり、生産管理記憶部11が記憶する各種データを表示する他、入力部4による操作のための操作画面、入力画面などの各種情報を表示する。制御部は、例えばCPU(中央演算処理装置)であり、生産管理装置3全体を制御する。生産管理記憶部11は、例えば、半導体メモリ又はハードディスクドライブである記憶装置であり、生産ライブラリ12、部品ライブラリ13、生産実績情報14などを記憶している。
【0018】
図2において、生産ライブラリ12には、部品実装装置M2,M3による実装基板の生産で使用される生産データ12aが、実装基板の生産機種名毎に記憶されている。生産データ12aには、基板に実装される部品を特定する部品名、当該部品を部品ライブラリ13の部品データ13aと関連付ける部品コード、当該部品の基板における実装位置、実装角度、部品実装装置M2,M3において当該部品を供給するフィーダの位置を示す部品配置、実装ヘッドにおいて当該部品を吸着するノズルの位置を示すノズル配置などが含まれている。
【0019】
ここで図3を参照して、部品ライブラリ13に含まれる部品データ13aの例について説明する。部品ライブラリ13には、部品の部品情報21に動作パラメータ22を紐付けした複数の部品データ13aが記憶されている。動作パラメータ22は、部品を基板に実装するための部品実装装置M2,M3の動作条件である。部品データは、部品コードによって生産ライブラリ12の生産データ12aに関連付けられている。部品データ13aには、大分類項目として部品情報21、動作パラメータ22が規定されている。
【0020】
部品情報21は、当該部品に固有の属性を示す情報である。ここでは、中分類項目として、「品名」21a、「形状」21b、「サイズ」21c、「部品パラメータ」21dが例示されている。「品名」21aは、当該部品を特定するための品番情報であり、部品メーカや自社が管理するために付与した「品番」が小分類項目として規定されている。「形状」21bは、当該部品の形状に関する情報であり、当該部品の外形形状を、矩形、円柱状などの形状区分によって示す「形状」、部品の形状を示す図面、画像情報を特定する情報などが小分類項目として規定されている。
【0021】
「サイズ」21cには、小分類項目として当該部品のサイズを示す「外形寸法」、当該部品に形成された接続用の電極(リード)の数や位置(間隔)を示す「電極位置」などが規定されている。「部品パラメータ」21dは当該部品の属性情報であり、小分類項目として当該部品の種類を示す「部品種別」、当該部品の外形における方向性の有無を示す「極性有無」、極性有りの場合に当該部品に付されるマークの形状などを示す「極性マーク」、極性マーク有りの場合に当該マークの位置を示す「マーク位置」などが規定されている。
【0022】
図3において、動作パラメータ22は、当該部品データ13aに規定される部品を対象として、部品実装作業を実行する際に部品実装装置M2,M3を制御するために用いられる制御パラメータ(動作条件)である。ここでは、中分類項目として、「ノズル設定」22a、「スピードパラメータ」22b、「認識」22c、「吸着」22d、「装着」22eが例示されている。
【0023】
「ノズル設定」22aは、当該部品を吸着保持する際に用いられる吸着ノズルに関するデータであり、小分類項目として選択可能な吸着ノズルの種類を特定する「ノズル」が規定されている。「ノズル」のデータとしては、種類の他に開口径、識別子等であってもよい。「スピードパラメータ」22bは、当該部品を吸着ノズルによって取り出して基板に装着する作業動作における吸着ノズルの移動速度に関する制御パラメータである。これらの制御パラメータには、小分類項目として部品を吸着して保持する際の「吸着速度」、「吸着保持時間」、保持した部品を基板に装着する際の「装着速度」、「装着保持時間」などが含まれる。
【0024】
図3において、「認識」22cは、部品供給部から吸着ノズルによって取り出された部品を部品認識カメラによって撮像して認識する認識処理の実行に関するパラメータである。これらのパラメータには、小分類項目として撮像に使用されるカメラの種類を特定する「カメラ種別」、撮像に際して使用される照明のモードを示す「照明モード」、撮像により取得された画像を認識する際の「認識速度」などが含まれる。
【0025】
「吸着」22dは、部品供給部から吸着ノズルによって部品を取り出す際の吸着動作に関する制御パラメータである。これらの制御パラメータには、小分類項目として、吸着ノズルを部品に着地させる際の吸着位置オフセットを示す「吸着位置X」、「吸着位置Y」などが含まれる。「装着」22eは、部品を吸着ノズルによって吸着保持した実装ヘッドを基板に移動させて、吸着ノズルに昇降動作を行わせて部品を基板に装着する装着動作に関する制御パラメータである。これらの制御パラメータには、小分類項目として、吸着ノズルを下降させて部品を基板に着地させる際に部品を基板に押し付ける荷重である「装着荷重」などが含まれている。
【0026】
図3において、動作パラメータ22は、「品名」21aが同じ、すなわち部品情報21が同じ部品であっても、部品実装装置M2,M3の品種や基板の材質や基板の電極形状などが変わったり、実装品質や実装ミス率を改善したりするために変更されることがある。動作パラメータ22は、生産管理装置3における生産データ12aの作成時や、部品実装装置M2,M3におけるエラー発生時の改善活動において変更、修正される。当該部品の動作パラメータ22を変更すると、部品情報21は変えずに変更後の動作パラメータ22を紐づけた部品データ13aが作成(更新)される。この際、部品データ13aの部品コードに新たなコードを付与することで、修正前の動作パラメータ22と区別される。
【0027】
このように、動作パラメータ22には、部品を吸着するためのノズルパラメータ(ノズル設定22a)、吸着ノズルで吸着する際の吸着に関する吸着パラメータ(吸着22d)、部品の形状を認識するための認識パラメータ(認識22c)、部品を実装するための実装パラメータ(装着22e)などが含まれている。
【0028】
図2において、データ収集部15は、部品実装装置M2,M3による部品実装作業の実績を収集し、使用された部品データ13aを特定する情報(部品コードなど)と紐づけて、生産実績情報14として生産管理記憶部11に記憶させる。部品実装作業の実績には、生産開始日時、生産終了日時、生産枚数、部品吸着回数、部品装着回数、作業ミスの回数、動作エラーの回数とその内容などの情報が含まれる。また、データ収集部15は、部品実装装置M2,M3において修正された部品データ13aの情報を収集し、変更履歴情報13bとして生産管理記憶部11に記憶させる。すなわち、変更履歴情報13bには、変更された動作パラメータ22と変更回数(変更履歴)などが含まれている。
【0029】
図2において、情報抽出部16は、生産データ12aに基づいて、変更履歴情報13b、生産実績情報14の中から、これから部品実装ラインL1において生産される実装基板に実装される部品に関係する情報(以下、「実装対象部品情報」と称する。)を抽出する。例えば、情報抽出部16は、実装対象部品情報として、その部品データ13aを使用した実装回数、吸着ミスの回数、認識ミスの回数などの生産実績を抽出する。また、情報抽出部16は、その部品の所定期間(例えば、直近の1か月間)の部品データ13aの変更回数が所定回数(例えば、3回)以上の部品の部品に関係する情報(実装対象部品情報)を抽出する。
【0030】
また、情報抽出部16は、これから生産される実装基板に実装される予定であるが、実装実績が無い新規部品の部品に関係する情報(実装対象部品情報)を抽出する。このように、情報抽出部16は、部品データ13aの変更履歴情報13bに基づいて、これから生産される実装基板の生産データ12aにおいて設定されている部品に関係する情報(実装対象部品情報)を抽出する。また、情報抽出部16は、部品毎に各種の情報を抽出する他、所定期間に所定回数以上変更されたなどの特定の動作パラメータ22毎に関係する情報を抽出する。
【0031】
図2において、分析部19は、抽出された実装対象部品情報に基づいて、各々の部品データ13aについて生産実績を分析する。例えば、分析部19は、実装回数、吸着ミスや認識ミスが発生した回数に基づいて、ミス率を算出する。このように算出されたミス率は、その部品データ13aを使用した場合に正常に部品を実装することができる信頼度を表す指標となる。この例では、ミス率が低いほど信頼度が高いことになる。
【0032】
このように、分析部19は、生産実績から信頼度(ミス率)を算出する。なお、信頼度はミス率の他に、部品データ13aが設定されてから変更されるまでの時間、実装回数等を考慮してもよい。すなわち、部品データ13aが設定されてから変更されるまでの時間が長いことや実装回数が多いことで信頼度を増加させてもよい。また、ミス率、部品データ13aが設定されてから変更させるまでの時間、実装回数のいずれかの組み合わせによって信頼度を算出してもよい。
【0033】
修正提案部20は、生産データ12a、部品データ13aの変更履歴情報13b、生産実績情報14に基づいて、これから生産される実装基板に実装される実装対象部品の部品データ13aとして設定されている動作パラメータ22よりも、信頼度が高くなる(ミス率が低くなる)動作パラメータ22を推定して、部品データ13aの修正を提案する。
【0034】
例えば、修正提案部20は、所定期間の生産実績に基づいて、実装回数が所定回数以上(例えば、50000回以上)の部品データ13aのうち、ミス率が最も低い部品データ13aの動作パラメータ22を修正案として提案する。また、修正提案部20は、部品の形状(部品情報21)毎または動作パラメータ22毎の生産実績の変更傾向を機械学習して、部品の形状または動作パラメータ22が類似して信頼度がより高い部品がある場合は、その部品の動作パラメータ22に基づいて、部品データ13aの修正を提案する。
【0035】
なお、本実施形態に関わる機械学習としては、様々な手法を用いてよいが、例えば、状態の観測結果から選択した行動に対するフィードバックを得ることにより、最も多くのフィードバックを得ることができる行動を学習する強化学習が用いられる。より具体的に説明すると、部品データ13aに対して修正前後のミス率に基づいて変更された動作パラメータ22に対して報酬を設定することで、より生産に適した動作パラメータ22を使用することができる。報酬を与える動作パラメータ22は変更されたパラメータだけであってもよいし、変更されていないパラメータも含めてもよい。
【0036】
図2において、出力部17は、部品実装ラインL1の段取り替え後、部品実装装置M2,M3の動作開始前に、情報抽出部16が抽出した部品に関係する情報、分析部19による分析結果、修正提案部20による部品データ13aの修正提案などを表示部5などに出力(表示)させる。承認要求部18は、出力部17によって出力された情報に基づいて、生産データ12aにおいて設定されている部品の動作パラメータ22を承認するか否かを、管理者が入力部4を使用して入力するように要求する。承認要求部18は、管理者が設定されている部品の動作パラメータ22を生産で使用することを否認する(承認しない)場合は、管理者が選択または修正した動作パラメータ22に基づいて、生産データ12aと部品データ13aを更新させる。
【0037】
次に、図4図7を参照して、出力部17が表示部5に表示させた各種情報について説明する。図4(a)は、情報抽出部16が抽出した、これから生産される実装基板の生産データ12aにおいて設定されている実装対象部品に関係する実装対象部品情報を表示する部品データ変更履歴情報表示画面30である。ここでは、2021年11月1日から2021年12月15日の期間に部品データ13aが変更された回数が多い部品の実装対象部品情報が順番に並べて表示されている。
【0038】
部品データ変更履歴情報表示画面30には、期間表示欄31、変更履歴表示枠32、詳細表示ボタン33、設定情報表示ボタン34、終了ボタン35が配置されている。期間表示欄31には、変更履歴と生産実績の抽出期間が表示される。変更履歴表示枠32には、抽出された実装対象部品情報が表示される。変更履歴表示枠32には、部品名毎に、変更回数、実装回数、吸着ミス回数、認識ミス回数が表示されている。変更回数は、その部品の部品データ13aが抽出期間に変更された回数である。実装回数は、その部品が抽出期間に基板に実装された回数の合計である。吸着ミス回数は、その部品を吸着できい吸着ミスが発生した回数の抽出期間の合計である。認識ミス回数は、部品認識カメラがその部品を認識できない認識ミスが発生した回数の抽出期間の合計である。
【0039】
図4(a)において、詳細表示ボタン33が入力部4により操作されると、変更履歴表示枠32において選択されている部品名の部品(ここでは、「D0024」)の部品データ変更履歴情報(詳細)表示画面36が表示される(図4(b))。設定情報表示ボタン34が操作されると、選択されている部品の動作パラメータ承認設定画面41(図5)が表示される。終了ボタン35が操作されると、出力部17による表示処理が終了される。
【0040】
次に図4(b)を参照して、図4(a)に示す部品データ変更履歴情報表示画面30において、詳細表示ボタン33が操作され、出力部17が表示部5に表示させた部品データ変更履歴情報(詳細)表示画面36について説明する。部品データ変更履歴情報(詳細)表示画面36には、部品名表示欄37、変更詳細履歴表示枠38、詳細表示ボタン39、戻るボタン40が配置されている。部品名表示欄37には、変更詳細履歴表示枠38に実装対象部品情報の詳細が表示されている部品の部品名が表示される。
【0041】
変更詳細履歴表示枠38には、部品データ13aが変更された日時(変更日時)の順番に、その部品データ13aでの実装回数、吸着ミス回数、認識ミス回数が表示されている。詳細表示ボタン39が操作されると、変更詳細履歴表示枠38において選択されている変更日時(ここでは、「11月10日 22時30分」)に変更された部品データ13aの動作パラメータ22を表示する動作パラメータ表示画面(図示省略)が表示される。戻るボタン40が操作されると、前に表示されていた部品データ変更履歴情報表示画面30が表示される(表示が戻る)。
【0042】
次に図5を参照して、図4(a)に示す部品データ変更履歴情報表示画面30において設定情報表示ボタン34が操作され、出力部17と承認要求部18が表示部5に表示させた動作パラメータ承認設定画面41について説明する。動作パラメータ承認設定画面41には、部品名表示欄42、動作パラメータ表示枠43、分析結果表示ボタン44、承認ボタン45、変更ボタン46、否認ボタン47、戻るボタン48が表示されている。
【0043】
部品名表示欄42には、動作パラメータ表示枠43に表示されている動作パラメータ22に対応する部品の部品名が表示されている。動作パラメータ表示枠43には、動作パラメータ22の項目毎に、設定値表示欄43a、推奨値表示欄43bが設けられている。設定値表示欄43aには、これから生産される実装基板の生産データ12aにおいて設定されている部品データ13aの動作パラメータ22(設定値)が表示されている。推奨値表示欄43bには、修正提案部20によって提案された動作パラメータ22(推奨値)が表示されている。
【0044】
図5において、動作パラメータ表示枠43では、動作パラメータ22が設定値と推奨値で異なる項目が視覚的に認識できるように表示されている。この例では、設定値と推奨値が異なる動作パラメータ22の項目(装着速度、吸着位置自動ティーチ)の枠が点線で囲われて表示されている。また、動作パラメータ表示枠43には、修正提案部20が予測した動作パラメータ22を設定値から推奨値に変更した場合の改善率43c(例えば、ミス率の削減率)が表示されている。なお、改善率43cを表示する他に、信頼度や現在のミス率と推奨値のミス率とを表示してもよいし、改善率43c、ミス率または信頼度のいずれかのうちで2つ以上を組み合わせて表示してもよい。
【0045】
分析結果表示ボタン44が操作されると、部品名表示欄42に表示されている部品の部品データ実績分析結果表示画面50(図6)が表示される。承認ボタン45が操作されると、承認要求部18は動作パラメータ22を設定値に設定する(現在の設定から変更しない)。変更ボタン46が操作されると、承認要求部18は動作パラメータ22を推奨値に変更して、生産データ12aと部品データ13aを更新させる。否認ボタン47が操作されると、管理者が部品データ13aの動作パラメータ22などを修正するための動作パラメータ修正画面(図示省略)が表示される。戻るボタン48が操作されると、動作パラメータ22は変更されず、表示が前に表示されていた部品データ変更履歴情報(詳細)表示画面36に戻る。
【0046】
次に図6を参照して、図5に示す動作パラメータ承認設定画面41において、分析結果表示ボタン44が操作され、出力部17が表示部5に表示させた部品データ実績分析結果表示画面50について説明する。部品データ実績分析結果表示画面50には、分析部19による部品データ13aの分析結果が表示されている。管理者は、部品データ実績分析結果表示画面50に表示される分析結果を参照して、動作パラメータ承認設定画面41において部品データ13aの設定値を承認するか否かを判断する。部品データ実績分析結果表示画面50には、部品名表示欄51、期間表示欄52、解析結果表示枠53、戻るボタン54が配置されている。
【0047】
部品名表示欄51には、分析対象の部品の部品名が表示される。期間表示欄52には、変更履歴と生産実績を分析した期間が表示される。解析結果表示枠53には、横軸に部品データ13aを特定する変更タイミングを、縦軸に実装回数とミス率を表示するグラフが分析結果として表示されている。この例では、部品名が「D0024」の部品の部品データ13aは、2021年11月1日から2021年12月15日の間に9回変更されている。解析結果表示枠53において、実装回数の実績は棒グラフで、吸着ミスのミス率は折れ線グラフで、認識ミスのミス率は点グラフで表示されている。戻るボタン54が操作されると、前に表示されていた動作パラメータ承認設定画面41に表示が戻る。
【0048】
次に図7(a)を参照して、動作パラメータ変更履歴情報表示画面60について説明する。動作パラメータ変更履歴情報表示画面60は、これから生産される実装基板の生産データ12aにおいて設定されている部品の部品データ13aの動作パラメータ22が変更された回数を情報抽出部16が抽出し、出力部17が表示部5に表示させたものである。動作パラメータ変更履歴情報表示画面60には、期間表示欄61、変更履歴表示枠62、詳細表示ボタン63、終了ボタン64が配置されている。期間表示欄61には、生産実績を抽出した期間が表示される。
【0049】
変更履歴表示枠62には、動作パラメータ22の項目毎に、変更回数の抽出期間の合計が表示されている。ここでは、変更回数が多い順番に並べて表示されている。詳細表示ボタン63が操作されると、変更履歴表示枠62において選択されている動作パラメータ22(ここでは、「装着速度」)の動作パラメータ変更履歴情報(詳細)表示画面65が表示される(図7(b))。終了ボタン64が操作されると、出力部17による表示処理が終了される。
【0050】
次に図7(b)を参照して、動作パラメータ変更履歴情報(詳細)表示画面65について説明する。動作パラメータ変更履歴情報(詳細)表示画面65には、動作パラメータ表示欄66、変更詳細履歴表示枠67、詳細表示ボタン68、戻るボタン69が配置されている。動作パラメータ表示欄66には、変更詳細履歴表示枠67に詳細履歴が表示されている部品において変更された動作パラメータ22の項目名が表示される。
【0051】
変更詳細履歴表示枠67には、動作パラメータ22が変更された日時(変更日時)の順番に、その部品の部品名、吸着ミス回数、認識ミス回数が表示されている。詳細表示ボタン68が操作されると、変更詳細履歴表示枠67において選択されている変更日時(ここでは、「11月2日 8時12分」)に動作パラメータ22(装着速度)が変更された部品名「D0024」の部品の動作パラメータ表示画面(図示省略)が表示される。戻るボタン69が操作されると、前に表示されていた動作パラメータ変更履歴情報表示画面60に表示が戻る。
【0052】
次に図8のフローに沿って、実装基板の生産開始前に、部品データ13aの変更履歴情報13bと生産実績情報14に基づいて、これから生産される実装基板の生産データ12aにおいて設定されている部品の部品データ13aが適正か否かを判断する部品データ管理方法(部品データ管理プログラム)について説明する。まず、生産データ作成支援装置(図示省略)などを使用して、これから生産される実装基板の生産データ12aや部品データ13aが作成される(ST1:生産データ作成工程)。
【0053】
次いでデータ収集部15は、部品データ13aの変更履歴(変更履歴情報13b)、部品実装装置M2,M3における部品実装作業の実績(生産実績情報14)を収集する(ST2:データ収集工程)。なお、データ収集工程(ST2)は、生産データ作成工程(ST1)の前に実施されてもよい。即ち、ST1とST2とを逆にしても、本実施形態は成立する。
【0054】
図8において、次いで情報抽出部16は、部品データ13aの変更履歴情報13b、生産実績情報14に基づいて、これから生産される実装基板の生産データ12aにおいて設定されている部品に関係する情報(実装対象部品情報)を抽出する(ST3:情報抽出工程)。次いで分析部19は、実装対象部品情報に基づいて、所定期間に部品データ13aが変更された回数や、部品の実装回数、吸着ミスや認識ミスの発生回数などの生産実績を分析する(ST4:分析工程)。
【0055】
図8において、分析の結果、所定期間に所定回数以上変更された部品データ13aがなかった場合(ST4においてNo)、分析部19は、さらにその部品のミス率などの信頼度を算出する(ST5:信頼度算出工程)。信頼度が所定値より小さい(ミス率が所定値より大きい)場合(ST6においてNo)、出力部17は生産データ12aにおいて設定されているその部品の部品データ13aの動作パラメータ22を承認するか否かを入力するための動作パラメータ承認設定画面41(図5)を表示部5に表示させる(ST7)。
【0056】
また、分析の結果、所定期間に所定回数以上変更された部品データ13aがあった場合も(ST4においてYes)、動作パラメータ承認設定画面41が表示される(ST7)。現在設定されている部品データ13a(設定値)を承認する場合(ST8においてYes)、または、信頼度が所定値以上(ミス率が所定値以下)であった場合(ST6においてYes)、現在の設定で生産データ12aが確定される(ST9)。
【0057】
図8において、現在設定されている部品データ13aを否認する場合(ST8においてNo)、否認通知が出力される(ST10)。例えば、作業者が部品実装装置M2,M3のタッチパネルで動作パラメータ22の確認を行い、否認ボタン47を操作して否認した場合は、生産管理装置3の表示部5にその旨が表示され、管理者もしくは作業者による部品データ13aの修正作業などが行われる。
【0058】
このように、本実施の形態の部品データ管理方法は、部品データ13aの変更が多い部品がある場合は、実装基板の生産開始前(部品実装装置M2,M3の動作開始前)にその部品に関係する情報(実装対象部品情報)を表示部5に表示し(ST7)、管理者に部品データ13aの承認を要求している(ST8)。これによって、これから生産に使用する部品データ13aが適正か否かを容易に判断し、部品データ13aを修正することにより、実装基板の生産中に吸着ミスや認識ミスが多発して生産が停止することを防止することができる。
【0059】
なお、上記は、部品データ13aが適正か否かを実装基板の生産開始前に確認する形態で説明したが、一定期間にミスが多発する部品の部品データ13aを管理者が定期的に確認し、修正するようにしてもよい。すなわち、生産データ作成工程(ST1)とは無関係に定期的にデータ収集工程(ST2)を実行し、生産実績がある全ての部品について分析工程(ST4)を実行し、ミスが多発している部品の情報を情報抽出部16が抽出して、出力部17が表示部5に表示させる。さらに、修正提案部20が表示部5に部品データ13aの修正を提案し、管理者による判断を要求するようにしてもよい。
【0060】
次に図9図11を参照して、実装対象部品の部品データ13aが適正か否かを判断する部品データ管理方法(部品データ管理プログラム)の他の実施例について説明する。他の実施例の部品データ管理方法は、分析部19が実装対象部品の信頼度ではなく他の部品との類似度を予測し、生産実績がない新規部品について、部品データ13aを承認するか否かを要求するところが図8に示す部品データ管理方法と異なる。以下、図8の部品データ管理方法と同じ工程には同じ符号を付して、詳細な説明は省略する。
【0061】
図9は、分析部19が算出した実装対象部品に類似する類似部品のミス率を、出力部17が表示部5に表示させた類似部品予測結果表示画面70である。類似部品予測結果表示画面70には、期間表示欄71、ミス率表示枠72、設定情報表示ボタン73、終了ボタン74が配置されている。期間表示欄71は、分析部19が類似部品のミス率の算出に使用した変更履歴情報13bと生産実績情報14の期間が表示されている。ミス率表示枠72には、部品名毎に、ミス率の予測値が順番に表示されている。
【0062】
ここで言う算出とは設定された期間において、実装対象部品の形状に類似する部品を抽出し、抽出した部品のミス率を算出することを指す。実装対象部品に類似しているかは、部品の縦幅、横幅、高さ、部品形状、部品種別、およびメーカ(ロット番号)等の少なくともいずれかひとつが考慮される。
【0063】
設定情報表示ボタン73が操作されると、ミス率表示枠72において選択された部品名の部品(ここでは、「D6024」)の動作パラメータ承認設定画面80(図10)が表示される。終了ボタン74が操作されると、出力部17による表示処理が終了される。
【0064】
次に図10を参照して、動作パラメータ承認設定画面80について説明する。動作パラメータ承認設定画面80には、部品名表示欄81、類似部品名表示欄82、動作パラメータ表示枠83、承認ボタン84、変更ボタン85、否認ボタン86、戻るボタン87が表示されている。
【0065】
部品名表示欄81と類似部品名表示欄82には、動作パラメータ表示枠43に表示されている動作パラメータ22に対応する部品の部品名が表示されている。動作パラメータ表示枠83には、動作パラメータ22の項目毎に、設定値表示欄83a、類似値表示欄83bが設けられている。設定値表示欄83aには、これから生産される実装基板の生産データ12aにおいて設定されている新規部品の部品データ13aの動作パラメータ22(設定値)が表示されている。類似値表示欄83bには、修正提案部20によって部品の形状または動作パラメータ22が類似していると判断された生産実績がある類似部品の動作パラメータ22(類似値)が表示されている。
【0066】
図10において、動作パラメータ表示枠83では、動作パラメータ22が設定値と類似値で異なる項目が視覚的に認識できるように表示されている。また、動作パラメータ表示枠83には、分析部19が予測した設定値のミス率83c(信頼度)と類似値のミス率83cが表示されている。
【0067】
承認ボタン84が操作されると、承認要求部18は動作パラメータ22を設定値に設定する(現在の設定から変更しない)。変更ボタン85が操作されると、承認要求部18は動作パラメータ22を類似値に変更して、生産データ12aと部品データ13aを更新させる。否認ボタン86が操作されると、管理者が部品データ13aの動作パラメータ22などを修正するための動作パラメータ修正画面(図示省略)が表示される。戻るボタン87が操作されると、動作パラメータ22は変更されず、前に表示されていた類似部品予測結果表示画面70に表示が戻る。
【0068】
次に図11のフローに沿って、部品データ管理方法(部品データ管理プログラム)の他の実施例について説明する。まず、生産データ作成工程(ST1)、データ収集工程(ST2)が実行される。次いで情報抽出部16は、生産実績がない新規部品に関係する情報(実装対象部品情報)を抽出する(ST11)。次いで分析部19は、変更履歴情報13bと生産実績情報14に基づいて、新規部品と形状または動作パラメータ22が一致または類似する部品の情報から新規部品と他の部品の類似度を予測する(ST12)。
【0069】
新規部品と形状又は動作パラメータ22が一致又は類似する類似部品は、形状や動作パラメータ22の値が所定の範囲内に含まれる、もしくは設定状態が一致するものを指す。なお、所定期間において、抽出した類似部品の動作パラメータ22が複数存在する場合は、上述した信頼度を用いて信頼度が高いものを優先的に表示させてもよい。
【0070】
次いで出力部17は、動作パラメータ承認設定画面80(図10)を表示させる(ST13)。現在設定されている新規部品の部品データ13aを承認する場合(ST8においてYes)、現在の設定で生産データ12aが確定される(ST9)。現在設定されている新規部品の部品データ13aを否認する場合(ST8においてNo)、否認通知が出力される(ST10)。
【0071】
このように、本実施の形態の部品データ管理方法では、実装対象部品情報(実装対象部品に関係する情報)を抽出し(ST3、ST11)、抽出した実装対象部品情報が出力される(ST7、ST13)。これによって、これから生産に使用する生産データ12aにおいて設定されている部品データ13aが適正か否かを容易に判断することができる。
【0072】
上記説明したように、生産管理装置3は、部品データ13aの変更履歴情報13bに基づいて、これから生産される実装基板の生産データ12aにおいて設定されている部品に関係する情報(実装対象部品情報)を抽出する情報抽出部16と、抽出した実装対象部品情報を出力する出力部17と、を備え、部品情報21に複数の動作パラメータ22を紐付けした部品データ13aを管理する部品データ管理装置である。部品データ管理装置では、これから生産に使用する生産データ12aにおいて設定されている部品データ13aが適正か否かを容易に判断することができる。
【産業上の利用可能性】
【0073】
本発明の部品データ管理装置および部品データ管理方法ならびに部品データ管理プログラムは、これから生産に使用する部品データが適正か否かを容易に判断することができるという効果を有し、部品を基板に実装する分野において有用である。
【符号の説明】
【0074】
1 部品実装システム
3 生産管理装置(部品データ管理装置)
M2,M3 部品実装装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11