IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ヤフー株式会社の特許一覧

特開2023-137240情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラム
<>
  • 特開-情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラム 図1
  • 特開-情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラム 図2
  • 特開-情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラム 図3
  • 特開-情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラム 図4
  • 特開-情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラム 図5
  • 特開-情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラム 図6
  • 特開-情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラム 図7
  • 特開-情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラム 図8
  • 特開-情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラム 図9
  • 特開-情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラム 図10
  • 特開-情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラム 図11
  • 特開-情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラム 図12
  • 特開-情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラム 図13
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023137240
(43)【公開日】2023-09-29
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0241 20230101AFI20230922BHJP
【FI】
G06Q30/02 446
G06Q30/02 444
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022043354
(22)【出願日】2022-03-18
(71)【出願人】
【識別番号】319013263
【氏名又は名称】ヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】坪内 孝太
(72)【発明者】
【氏名】日暮 立
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 潤一
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB08
(57)【要約】
【課題】合成対象となる広告を適切に取捨選択すること。
【解決手段】本願に係る情報処理装置は、配信部と、学習部とを有する。配信部は、主たる第1の広告の一部に従たる第2の広告を合成して生成した合成広告を配信する。学習部は、合成広告の配信結果に基づいて、第1の広告と第2の広告とを合成する際の相性の特徴をモデルに学習させる。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
主たる第1の広告の一部に従たる第2の広告を合成して生成した合成広告を配信する配信部と、
前記合成広告の配信結果に基づいて、前記第1の広告と前記第2の広告とを合成する際の相性の特徴をモデルに学習させる学習部と、
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記学習部は、
前記第1の広告および前記第2の広告に関する情報と、前記第1の広告の広告主による前記第2の広告の受入に対する承認結果および前記合成広告の広告効果に基づくスコアとの対応関係をモデルに学習させる
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記学習部により学習された学習済みモデルの出力に基づいて、前記第1の広告および前記第2の広告を選択する選択部
をさらに有することを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
主たる第1の広告の一部に従たる第2の広告を合成して生成した合成広告を配信する配信工程と、
前記合成広告の配信結果に基づいて、前記第1の広告と前記第2の広告とを合成する際の相性の特徴をモデルに学習させる学習工程と
を含むことを特徴とする情報処理方法。
【請求項5】
コンピュータに、
主たる第1の広告の一部に従たる第2の広告を合成して生成した合成広告を配信する配信手順と、
前記合成広告の配信結果に基づいて、前記第1の広告と前記第2の広告とを合成する際の相性の特徴をモデルに学習させる学習手順と
を実行させることを特徴とする情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、インターネットを介した広告配信が盛んに行われている。たとえば、従来の広告配信では、ウェブページの所定の位置に設けられている広告枠に対して、企業や商品などを宣伝するための静止画像や、動画像や、テキストなどの広告コンテンツが表示される。そして、従来の広告配信では、かかる広告コンテンツがクリックされた場合、広告対象を紹介する広告主のウェブページやコンテンツなどのランディングページへ遷移させる。
【0003】
また、従来の広告配信では、広告効果を高めることを目的として、ユーザの嗜好や、性別や、年齢や、住所や、職業などのユーザ情報に対応する広告を選択的に配信するターゲティング配信が行われる場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010-136332号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、広告主目線で複数の広告を合成した合成広告の配信を試みる場合、合成対象となる広告の適切な取捨選択が求められる。
【0006】
本願は、上記に鑑みてなされたものであって、合成対象となる広告を適切に取捨選択できる情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願に係る情報処理装置は、配信部と、学習部とを有する。配信部は、主たる第1の広告の一部に従たる第2の広告を合成して生成した合成広告を配信する。学習部は、合成広告の配信結果に基づいて、第1の広告と第2の広告とを合成する際の相性の特徴をモデルに学習させる。
【発明の効果】
【0008】
実施形態の態様の1つによれば、合成対象となる広告を適切に取捨選択できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施形態に係る合成広告の配信方法の概要を示す図である。
図2図2は、実施形態に係る広告選択方法(その1)の概要を示す図である。
図3図3は、実施形態に係る広告選択方法(その2)の概要を示す図である。
図4図4は、実施形態に係る広告選択方法(その3)の概要を示す図である。
図5図5は、実施形態に係る合成広告の配信方法の発展型の概要を示す図である。
図6図6は、実施形態に係る情報処理装置の構成例を示す図である。
図7図7は、実施形態に係る広告情報の一例を示す図である。
図8図8は、実施形態に係る配信結果情報の一例を示す図である。
図9図9は、実施形態に係る業種対応情報の一例を示す図である。
図10図10は、実施形態に係る合成広告の配信手順(その1)の一例を示すフローチャートである。
図11図11は、実施形態に係る合成広告の配信手順(その2)の一例を示すフローチャートである。
図12図12は、実施形態に係る合成広告の配信手順(その3)の一例を示すフローチャートである。
図13図13は、実施形態に係る情報処理装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本願に係る情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下に説明する複数の実施形態により本願に係る情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムが限定されるものではない。また、以下に説明する複数の実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。また、以下に説明する複数の実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0011】
[1.情報処理の概要]
(1-1.合成広告の配信方法)
図1を用いて、実施形態にかかる情報処理の一例を説明する。図1は、実施形態に係る合成広告の配信方法の概要を示す図である。なお、図1では、サービス利用者であるユーザ(たとえば、ユーザU1)からの要求に応じて所定のサービスに関するウェブページを提供する際、ウェブページの所定の位置に設けられている広告枠に対して広告コンテンツを表示する場合の情報処理の一例について説明する。なお、実施形態に係る情報処理は、広告媒体がウェブページである場合に限られず、広告媒体が電子メールである場合にも同様に適用できる。
【0012】
図1に示す例において、情報処理システムSYSは、ユーザ端末10と、情報処理装置100とを有する。ユーザ端末10と、情報処理装置100とは、有線または無線によりネットワークN(たとえば、図6参照)に接続される。ユーザ端末10と、情報処理装置100は、ネットワークNを介して相互に通信できる。なお、図1に示す例には特に限定される必要はなく、情報処理システムSYSは、図1に示す場合よりも多くのユーザ端末10や、情報処理装置100を含んでいてもよい。
【0013】
図1に示すユーザ端末10は、情報処理装置100から提供される各種サービスの利用者であるユーザU1によって使用される情報処理端末である。ユーザ端末10の典型例としては、スマートフォンが該当するが、タブレット型端末や、ノート型PC(Personal Computer)や、デスクトップPCや、携帯電話機や、PDA(Personal Digital Assistant)などにより実現されてもよい。図1の例では、ユーザ端末10として、スマートフォンが示されている。なお、以下の説明では、ユーザ端末10をユーザU1と言い換えて表記する場合がある。つまり、ユーザU1をユーザ端末10と読み替えることができる。また、以下の説明において、情報処理装置100から提供される各種サービスの利用者を単に「ユーザ」と称する場合がある。
【0014】
また、ユーザ端末10は、LTE(Long Term Evolution)、4G(4th Generation)、5G(5th Generation:第5世代移動通信システム)などの無線通信網や、Bluetooth(登録商標)、無線LAN(Local Area Network)などの近距離無線通信を介してネットワークNに接続するための通信ユニットを有する。ユーザUは、通信ユニットを有するユーザ端末10を操作して情報処理装置100にアクセスし、各種サービスの情報を閲覧する。
【0015】
また、ユーザ端末10は、情報処理装置100により提供される各種サービスを利用するための情報を、ウェブブラウザやアプリケーションにより表示できる。このとき、ユーザ端末10は、ウェブブラウザやアプリケーションなどによる情報の表示処理を実現するための制御情報を情報処理装置100から受け取った場合には、受け取った制御情報に従って表示処理を実現する。
【0016】
図1に示す情報処理装置100は、ユーザUに対して各種サービスを提供する情報処理装置である。情報処理装置100は、典型的にはサーバ装置であるが、メインフレームやワークステーションなどにより実現されてもよい。情報処理装置100がサーバ装置で実現される場合、単独のサーバにより実現されてもよいし、複数のサーバ装置及び複数のストレージ装置が協働して動作するクラウドシステムなどにより実現されてもよい。
【0017】
なお、情報処理装置100は、各種サービスの利用者が使用するユーザ端末10に制御情報を配信する配信装置として機能してもよい。ここで、制御情報は、例えば、JavaScript(登録商標)などのスクリプト言語やCSS(Cascading Style Sheets)などのスタイルシート言語により記述される。なお、情報処理装置100から配信されるアプリケーションそのものを制御情報とみなしてもよい。
【0018】
また、情報処理装置100が提供する各種サービスには、各種アプリケーションに対応するAPI(Application Programming Interface)サービスや、各種オンラインサービスが含まれていてもよい。各種オンラインサービスには、Q&Aサービスや、インターネット接続や、検索サービスや、SNS(Social Networking Service)や、電子商取引サービスや、電子決済サービスや、オンラインゲームや、オンラインバンキングサービスや、オンライントレーディングサービスや、宿泊予約サービスや、チケット予約サービスや、動画配信サービスや、音楽配信サービスや、ニュース配信サービスや、地図情報サービスや、ルート検索サービスや、経路案内サービスや、路線情報サービスや、運行情報サービスや、天気情報サービスなどのサービスが含まれ得る。
【0019】
また、情報処理装置100は、広告コンテンツを配信する装置としても機能する。情報処理装置100は、広告主から入稿された広告コンテンツを管理するとともに、広告の配信結果(配信履歴)に関する情報を管理する。たとえば、情報処理装置100は、ユーザからの要求に応じて提供する各種サービスのウェブページに設けられている広告枠に対して、広告主から入稿された広告コンテンツを表示する。
【0020】
ところで、ウェブページに設けられている広告枠は、RTB(Real-Time Bidding)などの所定の入札方法により、広告の入札が行われる。そして、広告枠を落札した広告主の広告が広告枠に表示される。このため、資金力がなく、価格競争力が弱い広告主の広告は、ユーザによる広告接触の機会が少なくなってしまう。このような事情に鑑み、実施形態に係る情報処理装置100は、広告主目線で広告配信の在り方を改善することを目的として、広告主が異なる複数の広告を合成した合成広告を広告枠に表示する。以下、実施形態に係る情報処理について、この情報処理が実施される際に想定される流れに沿って具体的に説明する。
【0021】
たとえば、ユーザ端末10は、ユーザUの操作に従って、所定のサービスへのアクセス要求を情報処理装置100に送信する(ステップS11)。
【0022】
情報処理装置100は、ユーザ端末10から所定のサービスへのアクセス要求を受信すると、主たる広告である第1の広告(以下、「主たる広告」と称する。)と、従たる広告である第2の広告(以下、「従たる広告」と称する。)とを選択する(ステップS12)。主たる広告は、合成広告を構成する広告の一部分であり、広告の一部に従たる広告を受け入れる側の広告である。従たる広告は、合成広告を構成する広告の一部分であり、主たる広告の一部へ挿入される側の広告である。
【0023】
たとえば、情報処理装置100は、広告ごとに予め設定される広告種別の情報に基づいて、合成対象となる複数の広告の中から、主たる広告および従たる広告を選択する。広告種別は、広告を入稿する際に広告主により設定される。図1に示すように、広告種別には、「通常広告」、「寄生許容広告」、及び、「寄生希望広告」の3つの種別が含まれる。「通常広告」は、合成広告ではなく、従来通りの広告として配信を希望する場合に、広告主により選択される種別である。「寄生許容広告」は、合成広告として、他の広告主の広告の合成を許容する場合に、広告主により選択される種別である。「寄生許容広告」が設定されている広告は、主たる広告として取り扱われる。「寄生希望広告」は、合成広告として、他の広告主の広告への合成を希望する場合に、広告主により選択される種別である。「寄生希望広告」が設定されている広告は、従たる広告として取り扱われる。
【0024】
情報処理装置100は、広告種別が「寄生許容広告」である広告の中から主たる広告を1つ選択する。また、情報処理装置100は、広告種別が「寄生希望広告」である広告の中から従たる広告を1つ選択する。図1では、主たる広告として「広告A」が選択され、従たる広告として「広告B」が選択される例が示されている。なお、情報勝利装置100は、合成広告を生成する際、従たる広告を複数選択してもよく、主たる広告に対して組み合わせて合成広告を生成するために、少なくとも1つの従たる広告が選択されることを意味する。
【0025】
広告選択後、情報処理装置100は、主たる広告の一部に、従たる広告を合成した合成広告を生成する(ステップS13)。情報処理装置100が生成する合成広告は、従たる広告である第2の広告よりも、主たる広告が大きく表示される。なお、主たる広告に対する従たる広告のレイアウトや表示サイズは任意に決定できるが、少なくとも主たる広告の広告対象がユーザに認識可能な状態であることを条件とする。図1では、主たる広告として選択された広告Aの一部に、従たる広告として選択された広告Bが合成された合成広告AD_aが例示されている。
【0026】
合成広告の生成後、情報処理装置100は、生成した合成広告をユーザ端末10に配信する(ステップS14)。ユーザ端末10は、情報処理装置100から配信された合成広告を、所定のサービスに対応するウェブページに設けられている広告枠に表示する。
【0027】
上述してきたように、情報処理装置100は、主たる広告および従たる広告をそれぞれ選択し、主たる広告の一部に従たる広告を合成した合成広告を生成し、生成した合成広告を配信する。このようなことから、情報処理装置100は、広告主目線で広告配信の在り方を改善できる。すなわち、情報処理装置100は、価格競争力が弱い広告主の広告が従たる広告として、価格競争力が強い主たる広告の一部に合成して配信することにより、従たる広告について所定の成果を得られる可能性を高めることができる。
【0028】
また、情報処理装置100は、合成広告の配信結果を分析して、合成広告の広告効果を示す指標値が所定の基準未満である広告の組合せを避けて、主たる広告および従たる広告を選択してもよい。また、情報処理装置100は、合成広告の配信結果を分析して、合成広告の広告効果を示す指標値が所定の基準以上である広告の組合せを優先して、主たる広告および従たる広告を選択してもよい。これにより、情報処理装置100は、従たる広告について所定の成果を得られる可能性をさらに高めることができる。なお、情報処理装置100は、広告を選択する際、ニューラルネットワークやベクトル検索以外にも、最適化問題として広告の選択を行ってもよい。たとえば、情報処理装置100は、主たる広告および従たる広告の予算や、クリック率(CTR:Click Through Rate)実績などを制約条件として組み合わせた最適化を行ってもよい。
【0029】
また、情報処理装置100は、組合せを回避すべき広告の組合せに関する情報を加味して、主たる広告および従たる広告を選択してもよい。たとえば、組合せを回避すべき広告の組合せとして、自動車の広告とアルコール飲料の広告との組合せが例示される。これにより、情報処理装置100は、合成広告を配信する際に不適切な広告表現を避けることができる。
【0030】
また、情報処理装置100は、広告主の競合関係を示す情報を加味して、主たる広告および従たる広告を選択してもよい。これにより、情報処理装置100は、合成広告を配信する際、たとえば、主たる広告の広告主が提供する商品やサービスなどの取引対象についての市場シェアが侵食されないように配慮できる。
【0031】
また、情報処理装置100は、配信先において合成広告が選択された場合(クリックされた場合)、合成広告に紐付く各広告主に対する課金額を決定してもよい。たとえば、情報処理装置100は、主たる広告の広告主のみに対して課金してもよい。この場合、情報処理装置100は、主たる広告の広告主に対する課金額を「通常」の広告に対応するクリック単価よりも安くしてもよい。また、情報処理装置100は、合成広告を構成する主たる広告と従たる広告のうち、クリックされた側の広告に対応する広告主に対して課金してもよい。この場合、情報処理装置100は、主たる広告のクリック単価と、従たる広告のクリック単価を合算した金額を、合成広告の表示サイズに応じて按分し、按分した金額を課金額に決定してもよい。これにより、情報処理装置100は、合成広告に合わせた課金処理を実現できる。
【0032】
(1-2.広告選択方法(その1))
また、情報処理装置100は、広告主により予め設定される広告種別に基づいて、広告を選択する例には特に限定される必要はない。たとえば、情報処理装置100は、主たる広告の候補となる広告に関する情報と、従たる広告の候補となる広告に関する情報とを入力し、それらを合成した合成広告により取得される広告効果の推定値を出力する学習済みモデルの出力に基づいて、広告選択を実行してもよい。以下、図2を用いて、実施形態に係る広告選択方法(その1)の概要を説明する。図2は、実施形態に係る広告選択方法(その1)の概要を示す図である。
【0033】
図2に示すように、情報処理装置100は、学習済みモデルである広告効果推定モデルM-1の出力に基づいて、主たる広告および従たる広告を選択する(ステップS21)。情報処理装置100は、合成広告の配信結果に基づいて、主たる広告と従たる広告とを合成する際の相性の特徴をモデルに学習させる。これにより、情報処理装置100は、合成対象となる主たる広告および従たる広告に関する情報を入力し、それらを合成した合成広告により取得される広告効果の推定値を出力する学習済みモデルである広告効果推定モデルM-1を生成する。以下、広告効果推定モデルM-1を生成するための学習について説明する。
【0034】
たとえば、情報処理装置100は、主たる広告および従たる広告に関する情報と、主たる広告の広告主による従たる広告の受入に対する承認結果および合成広告の広告効果に基づくスコアとの対応関係をモデルに学習させる。
【0035】
主たる広告および従たる広告に関する情報は、広告に関する情報であれば、任意の情報であってよい。たとえば、広告に関する情報は、広告に係る文章として表示されるタイトルや、広告が表示される広告ページ(ウェブページ)の内容を要約したディスクリプションや、広告素材として使用される画像や動画像などの広告の内容に関する情報であってもよい。また、広告に関する情報は、広告主が企業であれば、資本金や従業員数などの情報であってもよく、上場企業であれば、株価の情報であってもよい。
【0036】
主たる広告の広告主による従たる広告の受入に対する承認結果は、主たる広告の広告主が、主たる広告の一部に従たる広告を受け入れることを承認したか、それとも否認したかを示す情報の履歴である。また、合成広告の広告効果は、広告効果を示す所定の指標に基づいて特定される。広告効果を示す所定の指標として、顧客獲得単価(CPA:Cost Per Acquisition)や、クリック単価(CPC:Cost Per Click)や、クリック率(CTR:Click Through Rate)や、コンバージョン数や、コンバージョン率(CVR:Conversion Rate)や、PV(Page View)などの任意の指標を採用できる。
【0037】
たとえば、情報処理装置100の管理者は、主たる広告の広告主による従たる広告の受入の承認結果と、合成広告の広告効果を示す指標値とを反映したスコアを予め設定する。具体的には、管理者は、従たる広告の受入が承認され、指標値が大きいほどスコアが高くなり、従たる広告の受入が否認された場合、スコアが低くなるようにスコアの設定を行う。そして、管理者は、主たる広告および従たる広告に関する情報の組合せと、設定したスコアとを対応付けて、学習用データサンプルDTを作成する。
【0038】
情報処理装置100は、作成された学習用データサンプルを用いて、主たる広告および従たる広告に関する情報と、主たる広告の広告主による従たる広告の受入に対する承認結果および合成広告の広告効果に基づくスコアとの対応関係をモデルに学習させる。情報処理装置100は、ニューラルネットワークなどの任意のネットワークを学習用モデルとして、上述の対応関係をモデルに学習させることができる。また、ニューラルネットワークを学習用モデルとして利用する場合、情報処理装置100は、ニューラルネットワークを構成する各層のノード間でスコア(値)が伝搬される際に考慮される重み(接続係数)の値を調整する学習処理を行う。たとえば、情報処理装置100は、バックプロパゲーション(誤差逆伝播法)などの任意の手法を用いて、学習用モデルからの出力と、入力に対応する正解(正解データ)との誤差が少なくなるように、パラメータ(接続係数)を最適化(補正)する処理を行う。なお、情報処理装置100は、バックプロパゲーションの手法を用いる場合、所定の損失(ロス)関数を最小化するように学習処理を実行することで、学習用モデルからの出力と、入力に対応する正解(正解データ)との誤差が少なくなるようにパラメータ(接続係数)を補正できる。
【0039】
情報処理装置100は、上述の学習処理により、合成対象となる主たる広告および従たる広告に関する情報を入力し、それらを合成した合成広告により取得される広告効果の推定値を出力する学習済みモデルである広告効果推定モデルM-1を生成できる。
【0040】
情報処理装置100は、合成対象となる主たる広告および従たる広告の全ての組合せを広告効果推定モデルM-1に入力し、広告効果推定モデルM-1から各組合せについて出力される広告効果の推定値に基づいて、合成対象として選択する主たる広告および従たる広告を決定する。たとえば、情報処理装置100は、広告効果の推定値が最も大きい組合せを構成する主たる広告および従たる広告を合成対象に決定する。図2では、主たる広告として「広告A」が選択され、従たる広告として「広告B」が選択される例が示されている。
【0041】
そして、情報処理装置100は、広告効果推定モデルM-1からの出力に基づいて、合成対象として選択した主たる広告と従たる広告とを用いて合成広告を生成する(ステップS22)。たとえば、情報処理装置100は、合成対象として選択した主たる広告および従たる広告を用いて、主たる広告の一部に、従たる広告を合成した合成広告を生成する。図2では、主たる広告として選択された広告Aの一部に、従たる広告として選択された広告Bが合成された合成広告AD_aが例示されている。
【0042】
上述してきたように、情報処理装置100は、合成対象として選択した主たる広告と従たる広告とを合成した合成広告により得られる広告効果を推定でき、実効性の高い合成広告の配信を実現できる。
【0043】
(1-3.広告選択方法(その2))
また、情報処理装置100は、合成対象となる主たる広告および従たる広告の広告主に関する情報を入力し、主たる広告および従たる広告をそれぞれベクトル化する学習済みモデルの出力に基づいて、広告選択を実行してもよい。以下、図3を用いて、実施形態に係る広告選択方法(その2)の概要を説明する。図3は、実施形態に係る広告選択方法(その2)の概要を示す図である。
【0044】
図3に示すように、情報処理装置100は、学習済みモデルである広告ベクトル出力モデルM-2の出力に基づいて、主たる広告および従たる広告を選択する(ステップS31)。情報処理装置100は、合成広告を構成する各広告の広告主に関する情報と、合成広告の配信結果とに基づいて、各広告をベクトル化するモデルに学習させる。これにより、情報処理装置100は、合成対象となる主たる広告および従たる広告に関する情報を入力し、主たる広告に関する情報の特徴をベクトル化した特徴ベクトル、及び、従たる広告に関する情報の特徴をベクトル化した特徴ベクトルをそれぞれ出力する学習済みモデルである広告ベクトル出力モデルM-2を生成する。以下、広告ベクトル出力モデルM-2を生成するための学習について説明する。
【0045】
たとえば、情報処理装置100の管理者は、主たる広告および従たる広告の広告主に関する情報と、主たる広告の広告主による従たる広告の受入に対する承認結果および合成広告の広告効果に基づくスコアを設定する。
【0046】
主たる広告および従たる広告の広告主に関する情報は、広告に関する情報であれば、任意の情報であってよい。たとえば、広告主が企業であれば、資本金や従業員数などの情報であってもよく、上場企業であれば、株価の情報であってもよい。なお、スコアを設定する際、主たる広告および従たる広告の広告主に関する情報を用いてもよい。この場合、広告に関する情報は、広告に係る文章として表示されるタイトルや、広告が表示される広告ページ(ウェブページ)の内容を要約したディスクリプションや、広告素材として使用される画像や動画像などの広告の内容に関する情報であってもよい。
【0047】
主たる広告の広告主による従たる広告の受入に対する承認結果は、主たる広告の広告主が、主たる広告の一部に従たる広告を受け入れることを承認したか、それとも否認したかを示す情報の履歴である。また、合成広告の広告効果は、広告効果を示す所定の指標に基づいて特定される。広告効果を示す所定の指標として、顧客獲得単価(CPA:Cost Per Acquisition)や、クリック単価(CPC:Cost Per Click)や、クリック率(CTR:Click Through Rate)や、コンバージョン数や、コンバージョン率(CVR:Conversion Rate)や、PV(Page View)などの任意の指標を採用できる。
【0048】
たとえば、情報処理装置100の管理者は、主たる広告の広告主による従たる広告の受入の承認結果と、合成広告の広告効果を示す指標値とを反映したスコアを予め設定する。具体的には、管理者は、従たる広告の受入が承認され、指標値が大きいほどスコアが高くなり、従たる広告の受入が否認された場合、スコアが低くなるようにスコアの設定を行う。そして、管理者は、主たる広告および従たる広告の広告主に関する情報の組合せと、設定したスコアとを対応付けて、学習用データサンプルDTを作成する。
【0049】
情報処理装置100は、作成された学習用データサンプルDTを用いて、主たる広告および従たる広告の広告主に関する情報の組合せに対して設定されたスコアが大きいほど、主たる広告の広告主に対応する特徴ベクトルと、従たる広告の広告主に対応する特徴ベクトルとの間の類似度が小さいベクトルとして出力されるようにモデルを学習する。具体的には、情報処理装置100は、学習用データサンプルDTにおける設定スコアが大きいほど、主たる広告に対応する特徴ベクトルと従たる広告に対応する特徴ベクトルとの間のコサイン類似度が小さくなるように、各特徴ベクトルを出力するモデルを学習する。
【0050】
たとえば、情報処理装置100は、ニューラルネットワークなどの任意のネットワークを学習用モデルとして利用する場合、ニューラルネットワークを構成する各層のノード間でスコア(値)が伝搬される際に考慮される重み(接続係数)の値を調整する学習処理を行う。たとえば、情報処理装置100は、バックプロパゲーション(誤差逆伝播法)などの任意の手法を用いて、学習用モデルからの出力と、入力に対応する正解(正解データ)との誤差が少なくなるように、パラメータ(接続係数)を最適化(補正)する処理を行う。つまり、情報処理装置100は、学習用データサンプルDTにおける設定スコアが大きいほど、主たる広告に対応する特徴ベクトルと従たる広告に対応する特徴ベクトルとの間のコサイン類似度が小さくなるように、パラメータ(接続係数)を最適化する処理を行う。なお、情報処理装置100は、バックプロパゲーションの手法を用いる場合、所定の損失(ロス)関数を最小化するように学習処理を実行することで、学習用モデルからの出力と、入力に対応する正解(正解データ)との誤差が少なくなるようにパラメータ(接続係数)を補正できる。
【0051】
情報処理装置100は、上述の学習処理により、合成広告を構成する各広告の広告主に関する情報と、合成広告の配信結果とに基づいて、各広告をベクトル化する学習済みモデルである広告ベクトル出力モデルM-2を生成できる。
【0052】
情報処理装置100は、合成対象となる主たる広告および従たる広告の組合せごとに、広告主に関する情報を広告ベクトル出力モデルM-2に入力し、広告ベクトル出力モデルM-2から出力される特徴ベクトル間の類似度に基づいて、合成対象として選択する主たる広告および従たる広告を決定する。たとえば、情報処理装置100は、特徴ベクトル間の類似度が最も小さい主たる広告および従たる広告を合成対象に決定する。図3では、主たる広告として「広告A」が選択され、従たる広告として「広告B」が選択される例が示されている。
【0053】
そして、情報処理装置100は、合成対象として選択した主たる広告と従たる広告とを用いて合成広告を生成する(ステップS32)。たとえば、情報処理装置100は、合成対象として選択した主たる広告および従たる広告を用いて、主たる広告の一部に、従たる広告を合成した合成広告を生成する。図3では、主たる広告として選択された広告Aの一部に、従たる広告として選択された広告Bが合成された合成広告AD_aが例示されている。
【0054】
また、情報処理装置100は、広告主の規模が近いほど、合成広告を構成する各広告に対応するベクトル間の類似度が小さくなるようにモデルを学習してもよい。たとえば、情報処理装置100の管理者は、学習用データサンプルDTを作成する際、広告主である企業の規模(資本金や従業員数、株価など)を設定スコアに反映させる。具体的には、管理者は、広告主である企業の規模が近いほど、設定スコアが小さくなるように調整する。そして、情報処理装置100は、広告主の規模が反映された学習用データサンプルDTを用いて学習処理を行う。
【0055】
また、情報処理装置100は、合成広告が選択されるほど(クリックされるほど)、合成広告を構成する各広告に対応するベクトル間の類似度が小さくなるようにモデルを学習してもよい。たとえば、情報処理装置100の管理者は、学習用データサンプルDTを作成する際、広告効果を示す指標値(クリック率やコンバージョン率など)を設定スコアに反映させる。具体的には、管理者は、広告効果の指標値が大きいほど、設定スコアが小さくなるように調整する。そして、情報処理装置100は、広告主の規模が反映された学習用データサンプルDTを用いて学習処理を行う。
【0056】
上述してきたように、情報処理装置100は、合成対象として選択した主たる広告の広告主と従たる広告の広告主との間の類似性を検証でき、実効性の高い合成広告の配信を実現できる。すなわち、情報処理装置100は、規模が異なる各広告主の広告を合成対象として選択することにより、ユーザに対する合成広告のアピール力を高めることができ、高い広告効果を期待できる。また、情報処理装置100は、広告効果が高い広告主の組合せに合致する広告を合成対象として選択することにより、高い広告効果を期待できる。
【0057】
(1-4.広告選択方法(その3))
また、情報処理装置100は、広告選択方法(その1)で説明した広告種別によらず、合成対象となる複数の広告の中から、予め規定される選択ルールに従い、主たる広告および従たる広告を自動選択してもよい。以下、図4を用いて、実施形態に係る広告選択方法(その3)の概要を説明する。図4は、実施形態に係る広告選択方法(その3)の概要を示す図である。
【0058】
図4に示すように、情報処理装置100は、主たる広告の一部に従たる広告を合成することにより生成した合成広告の配信結果に基づいて、合成対象となる複数の広告の中から、主たる広告および従たる広告を自動的に選択する(ステップS41)。
【0059】
図4では、合成広告の配信結果として、主たる広告Aと従たる広告Bとで構成される合成広告の広告効果を示すクリック率が閾値TH1以上であることが例示されている。また、図4では、主たる広告Aの広告対象が属する対象カテゴリがカテゴリCT1であり、従たる広告Bの広告対象が属する対象カテゴリがカテゴリCT2であることが示されている。また、図4では、合成広告の配信結果として、主たる広告Cと従たる広告Dとで構成される合成広告の広告効果を示すクリック率が閾値TH1未満であることが例示されている。また、図4では、主たる広告Cの広告対象が属する対象カテゴリがカテゴリCT3であり、従たる広告Dの広告対象が属する対象カテゴリがカテゴリCT4であることが示されている。
【0060】
情報処理装置100は、合成広告の広告効果を示す指標値が所定の基準に満たない合成広告を構成する広告の組合せを避けて、主たる広告および従たる広告を選択する。具体的には、情報処理装置100は、まず、合成対象となる主たる広告および従たる広告を選択するための対象カテゴリを特定する。たとえば、図4に示す場合、情報処理装置100は、クリック率が閾値TH1以上であった合成広告を構成する広告Aの広告対象が属するカテゴリCT1を主たる広告を選択するための対象カテゴリとして特定し、同じく広告Bの広告対象が属するカテゴリCT2を従たる広告を選択するための対象カテゴリとして特定する。
【0061】
次に、情報処理装置100は、対象カテゴリに属する複数の広告の中から、所定の条件を満たす主たる広告および従たる広告を取得する。たとえば、情報処理装置100は、各広告に紐付く広告費の大きさに基づいて、第1の広告および第2の広告を選択してもよい。図4に示す場合、情報処理装置100は、広告対象がカテゴリCT1に属する複数の広告の中から、広告費の大きさが閾値TH2以上であるという条件を満たす広告を主たる広告としてランダムに選択する。また、図4に示す場合、情報処理装置100は、広告対象がカテゴリCT2に属する複数の広告の中から、広告費の大きさが閾値TH2未満であるという条件を満たす広告を従たる広告としてランダムに選択する。
【0062】
また、情報処理装置100は、各広告の広告主が認知されている度合い(以下、「認知度」と称する。)を示す情報に基づいて、主たる広告および従たる広告を選択してもよい。図4に示す場合、情報処理装置100は、広告対象がカテゴリCT1に属する複数の広告の中から、認知度が閾値TH3以上であるという条件を満たす広告を主たる広告としてランダムに選択する。また、図4に示す場合、情報処理装置100は、広告対象がカテゴリCT2に属する複数の広告の中から、認知度が閾値TH3未満であるという条件を満たす広告を従たる広告としてランダムに選択する。
【0063】
そして、情報処理装置100は、ステップS41で選択した主たる広告と従たる広告とを用いて合成広告を生成する(ステップS42)。たとえば、情報処理装置100は、合成対象として選択した主たる広告および従たる広告を用いて、主たる広告の一部に、従たる広告を合成した合成広告を生成する。図4では、主たる広告として選択された広告Aの一部に、従たる広告として選択された広告Bが合成された合成広告AD_aが例示されている。
【0064】
また、情報処理装置100は、組合せを回避すべき広告の組合せに関する情報を加味して、主たる広告および従たる広告を選択してもよい。これにより、情報処理装置100は、合成広告を配信する際に不適切な広告表現を避けることができる。
【0065】
また、情報処理装置100は、広告主の競合関係を示す情報を加味して、主たる広告および従たる広告を選択してもよい。これにより、情報処理装置100は、合成広告を配信する際、たとえば、主たる広告の広告主が提供する商品やサービスなどの取引対象についての市場シェアが侵食されないように配慮できる。
【0066】
(1-5.合成広告の配信方法の発展型について)
また、情報処理装置100は、他の広告主により入稿された広告の中から、他の広告主とは異なる広告主に関する情報を伝達するための広告を選択し、選択された各広告を合成することにより生成された合成広告を配信してもよい。これにより、情報処理装置100は、既存の広告配信の在り方に囚われることなく、新規な広告配信を実現できる。以下、図5を用いて、実施形態に係る合成広告の配信方法の発展型の概要を説明する。図5は、実施形態に係る合成広告の配信方法の発展型の概要を示す図である。
【0067】
図5に示すように、広告主U2_Dは、広告主端末20を用いて、合成広告生成要求を情報処理装置100に送信する(ステップS51)。図5では、広告主U2_Dが営む事業の業種が、「業種X4」である例が示されている。なお、業種は、任意の粒度で設定できる。
【0068】
図5に示す広告主端末20は、情報処理装置100から提供される各種サービスの利用者である広告主U2_Dによって使用される情報処理端末である。広告主端末20として、スマートフォンや、タブレット型端末や、ノート型PC(Personal Computer)や、デスクトップPCや、携帯電話機や、PDA(Personal Digital Assistant)などが想定される。図5の例では、広告主端末20として、スマートフォンが示されている。なお、以下の説明では、広告主端末20を広告主U2_Dと言い換えて表記する場合がある。つまり、広告主U2_Dを広告主端末20と読み替えることができる。
【0069】
また、広告主端末20は、LTE(Long Term Evolution)、4G(4th Generation)、5G(5th Generation:第5世代移動通信システム)などの無線通信網や、Bluetooth(登録商標)、無線LAN(Local Area Network)などの近距離無線通信を介してネットワークN(図6参照)に接続するための通信ユニットを有する。広告主U2_Dは、通信ユニットを有する広告主端末20を操作して情報処理装置100にアクセスし、各種サービスを利用する。
【0070】
また、広告主端末20は、情報処理装置100により提供される各種サービスを利用するための情報を、ウェブブラウザやアプリケーションにより表示できる。このとき、広告主端末20は、ウェブブラウザやアプリケーションなどによる情報の表示処理を実現するための制御情報を情報処理装置100から受け取った場合には、受け取った制御情報に従って表示処理を実現する。
【0071】
一方、情報処理装置100は、広告主U2_Dから合成広告生成要求を受信すると、合成広告の生成を要求する要求元の広告主U2_Dに関する情報を伝達するための合成広告を生成するための素材として、要求元の広告主U2_Dとは異なる他の広告主により入稿された広告の中から複数の広告を選択する(ステップS52)。たとえば、情報処理装置100は、予め規定される業種の対応関係に基づいて、合成広告の生成を要求する要求元の広告主に対応する業種に対応付けられている関連業種を特定する。図5には、業種の対応関係を示す業種対応情報が示されている。図5に示す業種対応情報によれば、広告主U2_Aが営む事業の業種が「業種X1」であり、広告主U2_Bが営む事業の業種が「業種X2」であり、広告主U2_Cが営む事業の業種が「業種X3」であり、広告主U2_Dが営む事業の業種が「業種X4」である例が示されている。図5に示す場合、情報処理装置100は、予め規定される業種の対応関係を示す業種対応情報を参照し、合成広告の生成を要求する要求元の広告主U2_Dに対応する業種:「業種X4」に対応付けられている関連業種として、「業種X1,業種X2」を特定することになる。
【0072】
続いて、情報処理装置100は、特定した業種に紐付く広告主により入力された広告の中から、合成対象となる広告を選択する。図5によれば、合成広告の生成を要求する要求元の広告主U2_Dとは異なる他の広告主である広告主U2_Aや、広告主U2_Bや、広告主U2_Cにより広告が入稿されている例が示されている。なお、合成広告生成要求を送信した広告主U2_Dにより広告が入力されていてもよい。
【0073】
そして、図5に示す場合、情報処理装置100は、広告主U2_Dに対応する業種:「業種X4」の関連業種として特定した「業種X1」に紐付く広告主U2_Aにより入稿された広告や、広告主U2_Dに対応する業種:「業種X4」の関連業種として特定した「業種X2」に紐付く広告主U2_Bにより入稿された広告の中から、合成対象となる広告を選択する。図5に示す例では、情報処理装置100は、合成広告の生成を要求する要求元の広告主U2_Dに対応する業種に対応付けられている関連業種が複数特定されている(たとえば、業種X1および業種X2)。このため、情報処理装置100は、特定された各業種に紐付く広告主により入稿された広告の各々から、合成対象となる広告を選択する。すなわち、情報処理装置100は、「業種X1」に紐付く広告主U2_Aにより入稿された広告の中から合成対象となる広告を選択するとともに、「業種X2」に紐付く広告主U2_Bにより入稿された広告の中から合成対象となる広告を選択する。図5には、広告主U2_Aにより入稿された広告の中から「広告A-1」が選択され、広告主U2_Bにより入稿された広告の中から「広告B-1」が選択された例が示されている。なお、合成広告の生成を要求する要求元の広告主U2_Dに対応する業種に対応付けられている関連業種が1つだけ特定された場合、特定された業種に紐付く広告主により入稿された広告の中から、合成対象となる複数の広告を選択してもよい。
【0074】
また、情報処理装置100は、ステップS52で選択した各広告を合成することにより合成広告を生成する(ステップS53)。図5では、「広告A-1」と「広告B-1」とを合成した合成広告AD_bが例示されている。そして、情報処理装置100は、ステップS53で生成した合成広告をユーザU1に配信する(ステップS54)。
【0075】
また、情報処理装置100は、合成対象となる各広告の広告素材が画像である場合、GAN(Generative Adversarial Network:敵対的生成ネットワーク)を用いて合成広告を生成してもよい。
【0076】
また、情報処理装置100は、合成広告生成要求を送信した広告主U2_Dが所定の成果を獲得した場合、所定の成果に応じた報酬を、広告主U2_Dに関する情報を伝達するための広告として選択された「広告A-1」の広告主U2_Aと「広告B-1」の広告主U2_Bに対して還元してもよい。
【0077】
また、情報処理装置100は、合成広告の配信先であるユーザ属性(コンテキスト)に応じて、選択する広告を変更してもよい。また、情報処理装置100は、合成広告を選択(クリック)したユーザ属性(コンテキスト)に応じて、ユーザに配信するランディングページを変更してもよい。
【0078】
なお、図5では、情報処理装置100が、広告主の業種に対応関係に基づいて、合成広告の生成を要求する要求元の広告主に対応する業種に対応付けられている関連業種を特定し、特定した業種に紐付く広告主により入力された広告の中から、合成対象となる広告を選択する情報処理の一例を説明したが、この場合には特に限定される必要はない。業種は、広告主の対応関係を特定できる情報の一例であり、業種以外の情報であっても広告主の対応関係を特定できる情報であれば、任意の情報を用いて処理を実行できる。たとえば、情報処理装置100は、広告主ごとに任意に設定されるカテゴリに基づく処理を行ってもよい。具体的には、情報処理装置100が、広告主ごとに予め設定されるカテゴリの対応関係に基づいて、合成広告の生成を要求する要求元の広告主に対応するカテゴリに対応付けられている関連カテゴリを特定し、特定した関連カテゴリに紐付く広告主により入力された広告の中から、合成対象となる広告を選択できる。また、情報処理装置100は、関連カテゴリが複数特定された場合、特定された各関連カテゴリに紐付く広告主により入稿された広告の各々から、合成対象となる広告を選択できる。
【0079】
[2.情報処理装置の構成]
図6を用いて、実施形態に係る情報処理装置100について説明する。図6は、実施形態に係る情報処理装置の構成例を示す図である。図6に示すように、情報処理装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを有する。
【0080】
(通信部110について)
通信部110は、たとえば、NIC(Network Interface Card)などによって実現される。通信部110は、ネットワークNと有線または無線で接続される。情報処理装置100は、ネットワークNを介して、ユーザ端末10および広告主端末20との間で情報の送受信を行う。
【0081】
(記憶部120について)
記憶部120は、たとえば、RAM(Random Access Memory)や、フラッシュメモリなどの半導体メモリ素子、またはハードディスクや、光ディスクなどの記憶装置によって実現される。記憶部120は、広告情報記憶部121と、配信結果情報記憶部122と、広告効果推定モデル記憶部123と、広告ベクトル出力モデル記憶部124と、業種対応情報記憶部125とを有する。
【0082】
なお、記憶部120は、図6に示す以外の情報として、合成対象となる複数の広告を選択する際に参照する情報として、組合せを回避すべき広告の組合せに関する情報や、広告主の競合関係を示す情報などを記憶できる。また、記憶部120は、図6に示す以外の情報として、合成対象となる複数の広告の中から、主たる広告および従たる広告を自動選択するために選択ルールを記憶できる。
【0083】
(広告情報記憶部121)
広告情報記憶部121は、広告に関する広告情報を記憶する。図7は、実施形態に係る広告情報の一例を示す図である。なお、図7は、実施形態に係る広告情報の一例を示しており、図7に示す以外の情報を含んでいてもよい。また、図7では、広告情報が有する複数の項目に対して概念的な情報が表示される例を示しているが、実際には、数値や文字列などの具体的な情報が記憶される。
【0084】
図7に示すように、広告情報記憶部121に記憶される広告情報は、「広告ID」の項目や、「広告主ID」の項目や、「広告詳細情報」の項目や、「カテゴリ情報」の項目や、「関連キーワード情報」の項目や、「広告種別」の項目や、「広告予算」の項目や、「認知度」や、「業種」などといった複数の項目を有する。広告情報が有するこれらの項目は、相互に対応付けられている。
【0085】
「広告ID」の項目には、広告を識別するための識別情報(広告ID)が記憶される。なお、合成広告である場合も、「広告ID」の項目には、合成広告に対して付与された1つの広告IDが記憶されていてもよい。また、合成広告である場合、「広告ID」の項目には、合成広告を構成する各広告に付与された広告IDがさらに記憶されていてもよい。
【0086】
「広告主ID」の項目には、広告を入稿した広告主を識別するための識別情報(広告主ID)が記憶される。なお、合成広告である場合、「広告主ID」の項目には、組合せ広告を構成する各広告の広告主IDが記憶されていてもよい。
【0087】
「広告詳細情報」の項目には、広告の内容に関する詳細情報が記憶される。たとえば、詳細情報としては、広告に係る文章として表示されるタイトルや、広告が表示される広告ページ(ウェブページ)の内容を要約したディスクリプションや、表示された広告に設定されるリンク先のURL(Uniformed Resource Locator)などが想定される。
【0088】
「カテゴリ情報」の項目には、広告の広告対象が属する対象カテゴリを示す情報が記憶される。対象カテゴリは、同一または類似の商品や、同一または類似のサービスを所定の粒度で取りまとめた区分で示される。
【0089】
「関連キーワード情報」の項目には、広告に関連する関連キーワードを示す情報が記憶される。たとえば、関連キーワードは、自動車に関する広告であれば、「新車」や「販売」など、検索クエリとして共起されやすいワードが語句される。
【0090】
「広告種別」の項目には、広告の入稿時に広告主により設定される広告の種別を示す情報が記憶される。広告種別には、「通常」、「寄生許容」、及び、「寄生希望」の3つの種別が含まれる。「通常」は、合成広告ではなく、従来通りの広告として配信を希望する場合に、広告主により選択される種別である。「寄生許容」は、合成広告として、他の広告主の広告の合成を許容する場合に、広告主により選択される種別である。「寄生許容」が設定されている広告は、主たる広告として取り扱われる。「寄生希望」は、合成広告として、他の広告主の広告への合成を希望する場合に、広告主により選択される種別である。「寄生希望」が設定されている広告は、従たる広告として取り扱われる。
【0091】
「広告予算」の項目には、広告の入稿時に広告主により設定される広告の予算(広告費)を示す情報が記憶される。
【0092】
「認知度」の項目には、広告主がユーザにより認知されている度合い(認知度)を示す情報が記憶される。「認知度」の項目に記憶される認知度は、たとえば、SNS(Social Networking Service)のフォロワー数や、検索サービスにおける検索数や、各広告主に関するユーザアンケートやクラウドソーシングなどの任意の方法で収集された情報に基づいて予め規定されてもよい。
【0093】
「業種」の項目には、広告主が営む事業の業種を示す情報が記憶される。業種は、広告主が営む事業を所定の粒度で取りまとめた区分で示される。
【0094】
たとえば、図7によれば、広告ID:「広告#01」で識別される広告情報の広告主は、「広告主#01」で識別される。また、図7によれば、広告ID:「広告#01」で識別される広告情報に相互に対応付けられている情報として、「広告識別情報EX01」や、「カテゴリ情報#01」や、「関連キーワード情報#01」や、「広告種別EX01」や、「広告予算EX01」や、「認知度EX01」や、「業種EX01」などが示されている。
【0095】
(配信結果情報記憶部122)
配信結果情報記憶部122は、広告の配信結果に関する配信結果情報を記憶する。図8は、実施形態に係る配信結果情報の一例を示す図である。
【0096】
なお、図8は、実施形態に係る配信結果情報の一例を示しており、図8に示す以外の情報を含んでいてもよい。たとえば、配信結果情報記憶部122は、広告主を識別するための識別情報(広告主ID)や、クリック単価(CPC:Cost Per Click)や、クリック率(CTR:Click Through Rate)や、コンバージョン数や、PV(Page View)などの広告効果を示す所定の指標値を記憶してもよい。
【0097】
また、図8では、配信結果情報が有する複数の項目に対して概念的な情報が表示される例を示しているが、実際には、各項目に対応する数値や文字列などの具体的な情報が記憶される。
【0098】
図8に示すように、配信結果情報記憶部122に記憶される配信結果情報は、「広告ID」の項目や、「表示回数」の項目や、「クリック数」の項目や、「コンバージョン率」の項目などといった複数の項目を有する。配信結果情報が有するこれらの項目は、相互に対応付けられている。
【0099】
「広告ID」の項目には、広告を識別するための識別情報(広告ID)が記憶される。なお、配信結果情報が有する「広告ID」の項目に記憶される識別情報(広告ID)は、図7に示す広告情報が有する「広告ID」の項目に記憶される識別情報(広告ID)と同一の情報であってよい。
【0100】
「表示回数」の項目には、広告が表示された回数(インプレッション数)を示す情報が記憶される。「クリック数」の項目には、広告がクリックされた回数を示す情報が記憶される。「コンバージョン率」の項目には、所定のウェブページにアクセスしたユーザのうち、所定の成果(コンバージョン)に至ったユーザの割合を示す情報が記憶される。
【0101】
たとえば、図8によれば、広告ID:「広告#01」で識別される各広告の表示回数が「表示回数EX01」であり、クリック数が「クリック数EX01」であり、コンバージョン率が「コンバージョン率EX01」であることなどが示されている。
【0102】
(広告効果推定モデル記憶部123)
広告効果推定モデル記憶部123は、合成対象となる主たる広告および従たる広告に関する情報とを入力し、それらを合成した合成広告により取得される広告効果の推定値を出力する学習済みモデルである広告効果推定モデルに関する情報を記憶する。
【0103】
広告効果推定モデル記憶部123に記憶される広告効果推定モデルに関する情報は、モデルの構成(ネットワーク構成)の情報やパラメータに関する情報など、そのモデルを構成する種々の情報が記憶される。すなわち、モデルを構成する種々の情報には、ネットワークの各層におけるノードと、各ノードが採用する関数と、ノードの接続関係と、ノード間の接続に対して設定される接続係数とを含む情報が含まれる。
【0104】
(広告ベクトル出力モデル記憶部124)
広告ベクトル出力モデル記憶部124は、合成対象となる主たる広告および従たる広告に関する情報とを入力し、主たる広告に関する情報の特徴をベクトル化した特徴ベクトル、及び、従たる広告に関する情報の特徴をベクトル化した特徴ベクトルをそれぞれ出力する学習済みモデルである広告ベクトル出力モデルに関する情報を記憶する。
【0105】
広告ベクトル出力モデル記憶部124に記憶される広告ベクトル出力モデルに関する情報は、モデルの構成(ネットワーク構成)の情報やパラメータに関する情報など、そのモデルを構成する種々の情報が記憶される。すなわち、モデルを構成する種々の情報には、ネットワークの各層におけるノードと、各ノードが採用する関数と、ノードの接続関係と、ノード間の接続に対して設定される接続係数とを含む情報が含まれる。
【0106】
(業種対応情報記憶部125)
業種対応情報記憶部125は、広告主が営む事業の業種に関連する関連業種に関する情報が予め規定された業種の対応関係を示す情報が記憶される。図9は、実施形態に係る業種対応情報の一例を示す図である。
【0107】
図9に示すように、業種対応情報記憶部125に記憶される業種対応情報は、「業種」の項目や、「関連業種」の項目といった複数の項目を有する。業種対応情報が有するこれらの項目は、相互に対応付けられている。
【0108】
「業種」の項目には、広告主が業として営む事業を所定の粒度で取りまとめた区分で示す業種を示す情報が記憶される。「関連業種」の項目には、「業種」の項目に記憶されている業種との間に一定の関連性を有する関連業種を示す情報が記憶される。
【0109】
たとえば、図9によれば、「業種1」の関連業種は、「業種4,業種5」であることが示されている。情報処理装置100は、広告主から合成広告生成要求を受け付けた場合、業種対応情報を参照することにより、広告主に対応する業種に関連する関連業種を特定できる。
【0110】
(制御部130について)
制御部130は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)などによって、情報処理装置100内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)などの集積回路により実現される。
【0111】
図6に示すように、制御部130は、選択部131と、生成部132と、配信部133と、決定部134と、学習部135とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部130の内部構成は、図6に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、制御部130が有する各処理部の接続関係は、図6に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
【0112】
(選択部131)
選択部131は、主たる広告と、従たる広告とを選択する。また、選択部131は、広告主に広告ごとに予め設定される広告種別の情報に基づいて、合成対象となる複数の広告の中から、主たる広告および従たる広告を選択できる。また、選択部131は、合成広告の広告効果を示す指標値が所定の基準未満である広告の組合せを避けて、主たる広告および従たる広告を選択できる。また、選択部131は、成広告の広告効果を示す指標値が所定の基準以上である広告の組合せを優先して、主たる広告および従たる広告を選択できる。また、選択部131は、組合せを回避すべき広告の組合せに関する情報を加味して、主たる広告および従たる広告を選択できる。また、選択部131は、広告主の競合関係を示す情報を加味して、主たる広告および従たる広告を選択できる。
【0113】
また、選択部131は、学習部135により学習された学習済みモデルの出力に基づいて、主たる広告および従たる広告を選択することもできる。たとえば、選択部131は、学習部135により学習された学習済みモデルである広告効果推定モデルからの出力に基づいて、合成対象とする主たる広告と従たる広告とを選択できる。また、たとえば、選択部131は、学習部135により学習された学習済みモデルである広告ベクトル出力モデルから出力される特徴ベクトル間の類似度に基づいて、合成対象とする主たる広告および従たる広告を選択できる。
【0114】
また、選択部131は、合成広告の配信結果に基づいて、合成対象となる複数の広告の中から、予め規定される選択ルールに従い、主たる広告および従たる広告を選択することもできる。たとえば、選択部131は、合成広告の広告効果を示す指標値が所定の基準に満たない合成広告を構成する広告の組合せを避けて、主たる広告および従たる広告を選択できる。また、たとえば、選択部131は、各広告に紐付く広告費の大きさに基づいて、主たる広告および従たる広告を選択できる。また、たとえば、選択部131は、各広告の広告主が認知されている度合いを示す情報に基づいて、主たる広告および従たる広告を選択できる。
【0115】
また、選択部131は、合成広告の生成を要求する要求元の広告主に関する情報を伝達するための合成広告を生成するための素材として、要求元の広告主とは異なる他の広告主により入稿された広告の中から複数の広告を選択することもできる。たとえば、選択部131は、広告主ごとに予め設定されるカテゴリ(たとえば、業種)の対応関係に基づいて、要求元の広告主に対応するカテゴリに対応付けられている関連カテゴリを特定し、特定した関連カテゴリに紐付く広告主により入力された広告の中から、合成対象となる広告を選択できる。また、たとえば、選択部131は、関連カテゴリが複数特定された場合、特定された各関連カテゴリに紐付く広告主により入稿された広告の各々から、合成対象となる広告を選択できる。
【0116】
(生成部132)
生成部132は、選択部131により選択された主たる広告および従たる広告に基づいて、主たる広告の一部に従たる広告を合成した合成広告を生成する。なお、生成部132は、主たる広告に対する従たる広告のレイアウトや表示サイズは任意に決定できるが、少なくとも主たる広告の広告対象がユーザに認識可能な状態であることを条件とする。
【0117】
(配信部133)
配信部133は、通信部110を通じて、生成部132により生成された合成広告を配信する。なお、配信部133は、合成広告の配信結果を収集し、収集した配信結果に関する配信結果情報を配信結果情報記憶部122に登録する。
【0118】
(決定部134)
決定部134は、合成広告が選択された場合、合成広告に紐付く各広告主に対する課金額を決定する。たとえば、決定部134は、主たる広告の広告主のみに対して課金してもよい。この場合、決定部134は、主たる広告の広告主に対する課金額を「通常」の広告に対応するクリック単価よりも安くしてもよい。また、決定部134は、合成広告を構成する主たる広告と従たる広告のうち、クリックされた側の広告に対応する広告主に対して課金してもよい。この場合、決定部134は、主たる広告のクリック単価と、従たる広告に対応するクリック単価を合算した金額を、合成広告の表示サイズに応じて按分し、按分した金額を課金額に決定してもよい。
【0119】
(学習部135)
学習部135は、合成広告の配信結果に基づいて、主たる広告と従たる広告とを合成する際の相性の特徴をモデルに学習させる。たとえば、学習部135は、主たる広告および従たる広告に関する情報と、主たる広告の広告主による従たる広告の受入に対する承認結果および合成広告の広告効果に基づくスコアとの対応関係をモデルに学習させる。これにより、学習部135は、合成対象となる主たる広告および従たる広告に関する情報とを入力し、それらを合成した合成広告により取得される広告効果の推定値を出力する学習済みモデルである広告効果推定モデルを生成する。
【0120】
主たる広告および従たる広告に関する情報は、広告に関する情報であれば、任意の情報であってよい。たとえば、広告に関する情報は、広告に係る文章として表示されるタイトルや、広告が表示される広告ページ(ウェブページ)の内容を要約したディスクリプションや、広告素材として使用される画像や動画像などの広告の内容に関する情報であってもよい。また、広告に関する情報は、広告主が企業であれば、資本金や従業員数などの情報であってもよく、上場企業であれば、株価の情報であってもよい。
【0121】
主たる広告の広告主による従たる広告の受入に対する承認結果は、主たる広告の広告主が、主たる広告の一部に従たる広告を受け入れることを承認したか、それとも否認したかを示す情報の履歴である。また、合成広告の広告効果は、広告効果を示す所定の指標に基づいて特定される。広告効果を示す所定の指標として、顧客獲得単価(CPA:Cost Per Acquisition)や、クリック単価(CPC:Cost Per Click)や、クリック率(CTR:Click Through Rate)や、コンバージョン数や、コンバージョン率(CVR:Conversion Rate)や、PV(Page View)などの任意の指標を採用できる。
【0122】
たとえば、情報処理装置100の管理者は、主たる広告の広告主による従たる広告の受入の承認結果と、合成広告の広告効果を示す指標値とを反映したスコアを予め設定する。具体的には、管理者は、従たる広告の受入が承認され、指標値が大きいほどスコアが高くなり、従たる広告の受入が否認された場合、スコアが低くなるようにスコアの設定を行う。そして、管理者は、主たる広告および従たる広告に関する情報の組合せと、設定したスコアとを対応付けて、学習用データサンプルを作成する。
【0123】
学習部135は、作成された学習用データサンプルを用いて、主たる広告および従たる広告に関する情報と、主たる広告の広告主による従たる広告の受入に対する承認結果および合成広告の広告効果に基づくスコアとの対応関係をモデルに学習させる。学習部135は、ニューラルネットワークなどの任意のネットワークを学習用モデルとして、上述の対応関係をモデルに学習させることができる。また、ニューラルネットワークを学習用モデルとして利用する場合、学習部135は、ニューラルネットワークを構成する各層のノード間でスコア(値)が伝搬される際に考慮される重み(接続係数)の値を調整する学習処理を行う。たとえば、学習部135は、バックプロパゲーション(誤差逆伝播法)などの任意の手法を用いて、学習用モデルからの出力と、入力に対応する正解(正解データ)との誤差が少なくなるように、パラメータ(接続係数)を最適化(補正)する処理を行う。なお、学習部135は、バックプロパゲーションの手法を用いる場合、所定の損失(ロス)関数を最小化するように学習処理を実行することで、学習用モデルからの出力と、入力に対応する正解(正解データ)との誤差が少なくなるようにパラメータ(接続係数)を補正できる。
【0124】
学習部135は、上述の学習処理により、合成対象となる主たる広告および従たる広告に関する情報とを入力し、それらを合成した合成広告により取得される広告効果の推定値を出力する学習済みモデルである広告効果推定モデルを生成できる。学習部135は、生成した広告効果推定モデルに関する情報を広告効果推定モデル記憶部123に登録する。
【0125】
また、学習部135は、合成広告を構成する各広告の広告主に関する情報と、合成広告の配信結果とに基づいて、各広告をベクトル化するモデルを学習する。これにより、学習部135は、合成対象となる主たる広告および従たる広告に関する情報とを入力し、主たる広告に関する情報の特徴をベクトル化した特徴ベクトル、及び、従たる広告に関する情報の特徴をベクトル化した特徴ベクトルをそれぞれ出力する学習済みモデルである広告ベクトル出力モデルを生成する。
【0126】
たとえば、学習部135は、広告主の規模が近いほど、合成広告を構成する各広告に対応するベクトル間の類似度が小さくなるようにモデルを学習できる。また、学習部135は、合成広告が選択されるほど、合成広告を構成する各広告に対応するベクトル間の類似度が小さくなるようにモデルを学習できる。
【0127】
情報処理装置100の管理者は、主たる広告および従たる広告の広告主に関する情報と、主たる広告の広告主による従たる広告の受入に対する承認結果および合成広告の広告効果に基づくスコアを設定する。
【0128】
主たる広告および従たる広告の広告主に関する情報は、広告に関する情報であれば、任意の情報であってよい。たとえば、広告主が企業であれば、資本金や従業員数などの情報であってもよく、上場企業であれば、株価の情報であってもよい。なお、スコアを設定する際、主たる広告および従たる広告の広告主に関する情報を用いてもよい。この場合、広告に関する情報は、広告に係る文章として表示されるタイトルや、広告が表示される広告ページ(ウェブページ)の内容を要約したディスクリプションや、広告素材として使用される画像や動画像などの広告の内容に関する情報であってもよい。
【0129】
主たる広告の広告主による従たる広告の受入に対する承認結果は、主たる広告の広告主が、主たる広告の一部に従たる広告を受け入れることを承認したか、それとも否認したかを示す情報の履歴である。また、合成広告の広告効果は、広告効果を示す所定の指標に基づいて特定される。広告効果を示す所定の指標として、顧客獲得単価(CPA:Cost Per Acquisition)や、クリック単価(CPC:Cost Per Click)や、クリック率(CTR:Click Through Rate)や、コンバージョン数や、コンバージョン率(CVR:Conversion Rate)や、PV(Page View)などの任意の指標を採用できる。
【0130】
たとえば、情報処理装置100の管理者は、主たる広告の広告主による従たる広告の受入の承認結果と、合成広告の広告効果を示す指標値とを反映したスコアを予め設定する。具体的には、管理者は、従たる広告の受入が承認され、指標値が大きいほどスコアが高くなり、従たる広告の受入が否認された場合、スコアが低くなるようにスコアの設定を行う。そして、管理者は、主たる広告および従たる広告の広告主に関する情報の組合せと、設定したスコアとを対応付けて、学習用データサンプルを作成する。
【0131】
学習部135は、作成された学習用データサンプルを用いて、主たる広告および従たる広告の広告主に関する情報の組合せに対して設定されたスコアが大きいほど、主たる広告の広告主に対応する特徴ベクトルと、従たる広告の広告主に対応する特徴ベクトルとの間の類似度が小さいベクトルとして出力されるようにモデルを学習する。具体的には、学習部135は、学習用データサンプルにおける設定スコアが大きいほど、主たる広告に対応する特徴ベクトルと従たる広告に対応する特徴ベクトルとの間のコサイン類似度が小さくなるように、各特徴ベクトルを出力するモデルを学習する。
【0132】
たとえば、学習部135は、ニューラルネットワークなどの任意のネットワークを学習用モデルとして利用する場合、ニューラルネットワークを構成する各層のノード間でスコア(値)が伝搬される際に考慮される重み(接続係数)の値を調整する学習処理を行う。たとえば、学習部135は、バックプロパゲーション(誤差逆伝播法)などの任意の手法を用いて、学習用モデルからの出力と、入力に対応する正解(正解データ)との誤差が少なくなるように、パラメータ(接続係数)を最適化(補正)する処理を行う。つまり、学習部135は、学習用データサンプルにおける設定スコアが大きいほど、主たる広告に対応する特徴ベクトルと従たる広告に対応する特徴ベクトルとの間のコサイン類似度が小さくなるように、パラメータ(接続係数)を最適化する処理を行う。なお、学習部135は、バックプロパゲーションの手法を用いる場合、所定の損失(ロス)関数を最小化するように学習処理を実行することで、学習用モデルからの出力と、入力に対応する正解(正解データ)との誤差が少なくなるようにパラメータ(接続係数)を補正できる。
【0133】
学習部135は、上述の学習処理により、合成広告を構成する各広告の広告主に関する情報と、合成広告の配信結果とに基づいて、各広告をベクトル化する学習済みモデルである広告ベクトル出力モデルを生成できる。学習部135は、生成した広告ベクトル出力モデルに関する情報を広告ベクトル出力モデル記憶部124に登録する。
【0134】
[3.処理手順]
(3-1.合成広告の配信手順(その1))
以下、図面を参照して、実施形態に係る情報処理装置100が実行する情報処理手順の一例について説明する。以下、図10を用いて、実施形態に係る合成広告の配信手順(その1)の一例について説明する。図10は、実施形態に係る合成広告の配信手順(その1)の一例を示すフローチャートである。図10に示す処理手順は、情報処理装置100の制御部130により実行される。図10に示す処理手順は、情報処理装置100の稼働中、繰り返し実行される。
【0135】
図10に示すように、選択部131は、合成対象となる複数の広告の中から、主たる広告および従たる広告を選択する(ステップS101)。
【0136】
また、生成部132は、選択部131により選択された主たる広告および従たる広告に基づいて、主たる広告の一部に従たる広告を合成した合成広告を生成する(ステップS102)。
【0137】
また、配信部133は、通信部110を通じて、生成部132により生成された合成広告を配信し(ステップS103)、図10に示す処理手順を終了する。
【0138】
(3-2.合成広告の配信手順(その2))
以下、図11を用いて、実施形態に係る合成広告の配信手順(その2)の一例について説明する。図11は、実施形態に係る合成広告の配信手順(その2)の一例を示すフローチャートである。図11に示す処理手順は、情報処理装置100の制御部130により実行される。図11に示す処理手順は、情報処理装置100の稼働中、繰り返し実行される。
【0139】
図11に示すように、選択部131は、合成広告の配信結果に基づいて、合成対象となる複数の広告の中から、予め規定される選択ルールに従い、主たる広告および従たる広告を選択する(ステップS201)。
【0140】
また、生成部132は、選択部131により選択された主たる広告および従たる広告に基づいて、主たる広告の一部に従たる広告を合成した合成広告を生成する(ステップS202)。
【0141】
また、配信部133は、通信部110を通じて、生成部132により生成された合成広告を配信し(ステップS203)、図11に示す処理手順を終了する。
【0142】
(3-3.合成広告の配信手順(その3))
以下、図12を用いて、実施形態に係る合成広告の配信手順(その3)の一例について説明する。図12は、実施形態に係る合成広告の配信手順(その3)の一例を示すフローチャートである。図12に示す処理手順は、情報処理装置100の制御部130により実行される。図12に示す処理手順は、情報処理装置100の稼働中、繰り返し実行される。
【0143】
図12に示すように、選択部131は、他の広告主により入稿された広告の中から、他の広告主とは異なる広告主に関する情報を伝達するための広告を複数選択する(ステップS301)。
【0144】
続いて、配信部133は、選択された各広告を合成することにより生成された合成広告を、通信部110を通じて配信し(ステップS302)、図12に示す処理手順を終了する。
【0145】
[4.変形例]
上記実施形態にかかる情報処理装置100は、上記実施形態以外にも種々の異なる形態にて実施されてよい。そこで、以下では、情報処理装置100の他の実施形態について説明する。
【0146】
(4-1.合成広告の表示態様について)
上記の実施形態において、情報処理装置100は、合成広告に対するクリック数などのユーザレスポンスを、合成広告を構成する主たる広告と従たる広告とに分けて個別に集計し、集計結果に基づいて、合成広告の表示態様を動的に変化させて配信してもよい。たとえば、情報処理装置100は、クリック数の累積数に応じて、画像の表示サイズや、画像の表示色の彩度や、画像の透明度などを動的に変更してもよい。具体的には、情報処理装置100は、主たる広告および従たる広告のうち、クリック数の累積数が多い方の広告の表示サイズを大きくしたり、表示色を濃くしたり、透明度を小さくしたりできる。
【0147】
また、上記の実施形態において、情報処理装置100は、合成広告を構成する各広告のうち、主たる広告は変更せず、従たる広告を時系列で異なる広告に変更してもよい。
【0148】
(4-2.従たる広告の入札について)
上記の実施形態において、情報処理装置100は、寄生を希望する主たる広告の選択を従たる広告の広告主から受け付けてもよい。そして、情報処理装置100は、希望が重複した場合、寄生の権利を落札するための入札を実行してもよい。
【0149】
(4-3.主たる広告の広告主に対する報酬について)
上記の実施形態において、情報処理装置100は、合成広告を構成する従たる広告が所定の成果を獲得した場合、主たる広告の広告主に対して所定の報酬をキックバックしてもよい。
【0150】
[5.ハードウェア構成]
また、上述してきた実施形態に係る情報処理装置100は、たとえば、図13に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。図13は、実施形態に係る情報処理装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
【0151】
コンピュータ1000は、出力装置1010、入力装置1020と接続され、演算装置1030、一次記憶装置1040、二次記憶装置1050、出力IF(Interface)1060、入力IF1070、ネットワークIF1080がバス1090により接続された形態を有する。
【0152】
演算装置1030は、一次記憶装置1040や二次記憶装置1050に格納されたプログラムや入力装置1020から読み出したプログラムなどに基づいて動作し、各種の処理を実行する。一次記憶装置1040は、RAMなど、演算装置1030が各種の演算に用いるデータを一次的に記憶するメモリ装置である。また、二次記憶装置1050は、演算装置1030が各種の演算に用いるデータや、各種のデータベースが登録される記憶装置であり、ROM(Read Only Memory)、HDD、フラッシュメモリ等により実現される。
【0153】
出力IF1060は、モニタやプリンタといった各種の情報を出力する出力装置1010に対し、出力対象となる情報を送信するためのインターフェイスであり、たとえば、USB(Universal Serial Bus)やDVI(Digital Visual Interface)、HDMI(登録商標)(High Definition Multimedia Interface)といった規格のコネクタにより実現される。また、入力IF1070は、マウス、キーボード、およびスキャナなどといった各種の入力装置1020から情報を受信するためのインターフェイスであり、たとえば、USBなどにより実現される。
【0154】
なお、入力装置1020は、たとえば、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)などの光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリなどから情報を読み出す装置であってもよい。また、入力装置1020は、USBメモリなどの外付け記憶媒体であってもよい。
【0155】
ネットワークIF1080は、ネットワークNを介して他の機器からデータを受信して演算装置1030へ送り、また、ネットワークNを介して演算装置1030が生成したデータを他の機器へ送信する。
【0156】
演算装置1030は、出力IF1060や入力IF1070を介して、出力装置1010や入力装置1020の制御を行う。たとえば、演算装置1030は、入力装置1020や二次記憶装置1050からプログラムを一次記憶装置1040上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。
【0157】
たとえば、コンピュータ1000が上記の実施形態に係る情報処理装置100として機能する場合、コンピュータ1000の演算装置1030は、一次記憶装置1040上にロードされたプログラム(たとえば、情報処理プログラム)を実行することにより、制御部130と同様の機能を実現する。すなわち、演算装置1030は、一次記憶装置1040上にロードされたプログラム(たとえば、情報処理プログラム)との協働により、上記の実施形態に係る情報処理装置100による処理を実現する。
【0158】
[6.その他]
上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0159】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0160】
また、上述してきた各実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0161】
[7.効果]
実施形態に係る情報処理装置100は、配信部133と、学習部135とを有する。配信部133は、主たる第1の広告の一部に従たる第2の広告を合成して生成した合成広告を配信する。学習部135は、合成広告の配信結果に基づいて、第1の広告と第2の広告とを合成する際の相性の特徴をモデルに学習させる。
【0162】
また、実施形態に係る情報処理装置100において、学習部135は、第1の広告および第2の広告に関する情報と、第1の広告の広告主による第2の広告の受入に対する承認結果および合成広告の広告効果に基づくスコアとの対応関係をモデルに学習させる。
【0163】
また、実施形態に係る情報処理装置100は、学習部135により学習された学習済みモデルの出力に基づいて、第1の広告および第2の広告を選択する選択部132をさらに有する。
【0164】
このようなことから、実施形態に係る情報処理装置100は、上述した各部により実行される処理、又は各部のうちのいずれかの組合せにより、合成対象として選択した主たる広告と従たる広告とを合成した合成広告により得られる広告効果を推定でき、合成対象となる広告の適切に取捨選択できる。この結果、特に、主たる広告に寄生する従たる広告にとって、実効性の高い合成広告の配信を実現できる。
【0165】
以上、本願の実施形態をいくつかの図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0166】
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、制御部は、制御手段や制御回路に読み替えることができる。
【符号の説明】
【0167】
10 ユーザ端末
20 広告主端末
100 情報処理装置
110 通信部
120 記憶部
121 広告情報記憶部
122 配信結果情報記憶部
123 広告効果推定モデル記憶部
124 広告ベクトル出力モデル記憶部
125 業種対応情報記憶部
130 制御部
131 選択部
132 生成部
133 配信部
134 決定部
135 学習部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13