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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023137255
(43)【公開日】2023-09-29
(54)【発明の名称】衛生用薄葉紙収納容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 83/08 20060101AFI20230922BHJP
   A47K 10/20 20060101ALI20230922BHJP
   A47K 10/42 20060101ALI20230922BHJP
   A47K 7/00 20060101ALI20230922BHJP
【FI】
B65D83/08 C
A47K10/20 A
A47K10/42 B
A47K7/00 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022043377
(22)【出願日】2022-03-18
(71)【出願人】
【識別番号】390029148
【氏名又は名称】大王製紙株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090033
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 博司
(74)【代理人】
【識別番号】100093045
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 良男
(72)【発明者】
【氏名】長野 真季
【テーマコード(参考)】
3E014
【Fターム(参考)】
3E014LC01
3E014LC03
(57)【要約】
【課題】内部に収納する衛生用薄葉紙の量に応じて大きさを調整することができる衛生用薄葉紙収納容器を実現する。
【解決手段】内部に収納された衛生用薄葉紙Pを取り出す取出孔113aを有する容器本体10と、容器本体10の取出孔113aを開閉自在とする開閉蓋2と、を備えた衛生用薄葉紙収納容器1であって、容器本体10にはその容器本体10の底部12bに複数枚の衛生用薄葉紙Pが層状に積層された状態で収納されるように構成されており、容器本体10にはその容器本体10の底部12bに対して開閉蓋2を接離させる方向に伸縮する蛇腹部120が設けられているようにした。この蛇腹部120を有している衛生用薄葉紙収納容器1は、蛇腹部120を収縮させて小型化することや、蛇腹部120を伸長させて大型化することができる。このように衛生用薄葉紙収納容器1は、内部に収納する衛生用薄葉紙Pの量に応じて大きさを調整することができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に衛生用薄葉紙が収納され、前記衛生用薄葉紙を取り出す取出口を有する容器本体と、
前記容器本体の前記取出口を開閉自在とし、前記容器本体を密閉することができる蓋体と、
を備えた衛生用薄葉紙収納容器であって、
前記容器本体には、その容器本体の底部に対して前記蓋体を接離させる方向に伸縮する蛇腹部が設けられており、
前記容器本体の前記底部に複数枚の前記衛生用薄葉紙が層状に積層された状態で収納されるように構成されていることを特徴とする衛生用薄葉紙収納容器。
【請求項2】
前記蛇腹部は、当該衛生用薄葉紙収納容器における前記蛇腹部よりも上側に位置する部分の自重によって収縮するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の衛生用薄葉紙収納容器。
【請求項3】
前記蓋体を前記容器本体の前記底部に向けて近接させるように付勢することで、前記蛇腹部を収縮させる収縮部材が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の衛生用薄葉紙収納容器。
【請求項4】
当該衛生用薄葉紙収納容器における前記取出口側の内面には、前記容器本体に収納されている前記衛生用薄葉紙の最上層部分に当接し、前記取出口と前記衛生用薄葉紙を所定の間隔に保持する間隔保持部材が設けられていることを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の衛生用薄葉紙収納容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウェットシートやウェットティッシュ等の衛生用薄葉紙を収納する衛生用薄葉紙収納容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、家屋の床やトイレ、或いは人体などを拭くための衛生用薄葉紙を収納する衛生用薄葉紙収納容器が知られている。
このような衛生用薄葉紙収納容器として、内部に収納されたシート材が減少した場合にもシート材を取出し易いように、底蓋を上方に持ち上げることができるようにし、取出孔とシート材との距離が遠くならないよう構成されたものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014-65510号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1の収納容器は、内部に収納されたシート材が減少した場合でも、収納容器の大きさを小さくすることはできない。また、その収納容器の大きさをそれ以上大きくすることもできない。
つまり、上記特許文献1の収納容器は、その内部に収納する衛生用薄葉紙の量に応じて収納容器自体の大きさを変えることができないものであった。
【0005】
本発明の目的は、内部に収納する衛生用薄葉紙の量に応じて大きさを調整することができる衛生用薄葉紙収納容器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、
内部に衛生用薄葉紙が収納され、前記衛生用薄葉紙を取り出す取出口を有する容器本体と、
前記容器本体の前記取出口を開閉自在とし、前記容器本体を密閉することができる蓋体と、
を備えた衛生用薄葉紙収納容器であって、
前記容器本体には、その容器本体の底部に対して前記蓋体を接離させる方向に伸縮する蛇腹部が設けられており、
前記容器本体の前記底部に複数枚の前記衛生用薄葉紙が層状に積層された状態で収納されるように構成されていることを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の衛生用薄葉紙収納容器において、
前記蛇腹部は、当該衛生用薄葉紙収納容器における前記蛇腹部よりも上側に位置する部分の自重によって収縮するように構成されていることを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の衛生用薄葉紙収納容器において、
前記蓋体を前記容器本体の前記底部に向けて近接させるように付勢することで、前記蛇腹部を収縮させる収縮部材が設けられていることを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項1~3のいずれか一項に記載の衛生用薄葉紙収納容器において、
当該衛生用薄葉紙収納容器における前記取出口側の内面には、前記容器本体に収納されている前記衛生用薄葉紙の最上層部分に当接し、前記取出口と前記衛生用薄葉紙を所定の間隔に保持する間隔保持部材が設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、内部に収納する衛生用薄葉紙の量に応じて大きさを調整することができる衛生用薄葉紙収納容器が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本実施形態の衛生用薄葉紙収納容器を示す斜視図である。
図2】本実施形態の衛生用薄葉紙収納容器の蓋体が開いた状態を示す斜視図である。
図3】本実施形態の衛生用薄葉紙収納容器の蓋体が開いた状態を示す背面斜視図である。
図4】本実施形態の衛生用薄葉紙収納容器の容器本体上部が開いた状態を示す斜視図である。
図5図1のV-V線における断面図である。
図6】衛生用薄葉紙収納容器の断面図であって蛇腹部を収縮させた状態を示している。
図7】衛生用薄葉紙収納容器の断面図であって蛇腹部を伸長させた状態を示している。
図8】衛生用薄葉紙収納容器の変形例1を示す説明図である。
図9】衛生用薄葉紙収納容器の変形例2を示す説明図である。
図10】実施形態2の衛生用薄葉紙収納容器の閉蓋状態を示す斜視図である。
図11】実施形態2の衛生用薄葉紙収納容器の開蓋状態を示す斜視図である。
図12図10のXII-XII線における断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して、本発明に係る衛生用薄葉紙収納容器の実施形態について詳細に説明する。但し、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
【0013】
以下においては、各図に示すように、X軸、Y軸及びZ軸並びに前後方向、左右方向及び上下方向を定めて説明する。すなわち、衛生用薄葉紙収納容器の蓋体が備えられた側を「上」、その反対側を「下」、容器本体と蓋体とが接続されている側を「後」、その反対側を「前」、前側から見て右手側を「右」、左手側を「左」とし、前後方向に沿った軸をX軸、左右方向に沿った軸をY軸、上下方向に沿った軸をZ軸とする。
なお、容器本体上部が容器本体下部に対して回動した場合、容器本体上部の向く方向が変わるが、図1に示すように、容器本体上部と容器本体下部とが組み合わさり、収納空間Sが閉塞された状態を基準として方向を定めて説明する。
【0014】
[実施形態1の構成]
(全体構成)
衛生用薄葉紙収納容器1は、例えば、図1から図5に示すように、内部に収納された衛生用薄葉紙Pを取り出す取出口である取出孔113aを有する容器本体10と、容器本体10に回動自在に取り付けられ、取出孔113aを開閉する蓋体である開閉蓋2と、開閉蓋2が取出孔113aを閉塞する閉蓋状態と、開閉蓋2が取出孔113aを開放する開蓋状態とに切り替えるボタン部3等を備えている。
その開閉蓋2が取出孔113aを閉塞した状態(図1参照)で、容器本体10が密閉されるようになっている。
この衛生用薄葉紙収納容器1の内部に衛生用薄葉紙Pが収納される収納空間Sが形成されている。
特に、衛生用薄葉紙収納容器1の容器本体10(容器本体下部12)には、上下方向に伸縮する蛇腹部120が設けられており、収納空間Sの容積を変更可能にしている。
【0015】
(衛生用薄葉紙)
衛生用薄葉紙Pとしては、例えば、小型のウェットシート(ウェットティッシュ)等が交互に折り重ねられた状態で積層され、1枚のウェットシート(ウェットティッシュ)等を引き出した際に次のウェットシート(ウェットティッシュ)等も引き出されるように形成された、所謂ポップアップ式のシートが用いられる。この衛生用薄葉紙Pには所定の薬液が含浸されている。
そして、図5に示すように、複数枚の衛生用薄葉紙Pが、容器本体10(容器本体下部12)の底部12bに層状に積層された状態で収納されるようになっている。
【0016】
(容器本体)
容器本体10は、例えば、図1から図5に示すように、全体として、前後方向及び上下方向に比して左右方向に長い略直方体状に形成されており、これが上下方向中央部よりも上側において上下に二分され、容器本体10の上部を構成する容器本体上部11と、容器本体10の下部を構成する容器本体下部12とで形成されている。
容器本体下部12は、後述するように、容器本体下部12の上縁開口をなす上縁部12aと、容器本体10の底をなす底部12bと、上縁部12aと底部12bの間に配設されている蛇腹部120と、を有している。
容器本体上部11と容器本体下部12(上縁部12a)とは容器本体10の後面部において、接続部13によって接続されている。
容器本体上部11と、容器本体下部12と、接続部13とは、射出成形(2色成形)等の方法によって一体的に形成されている。
【0017】
容器本体10は、例えば、図1から図4に示すように、容器本体上部11と容器本体下部12とが組み合わさり、内部の収納空間Sが閉塞された状態で、全体が、前後方向に好ましくは60mmから150mm、さらに好ましくは80mmから100mm、左右方向に好ましくは80mmから200mm、さらに好ましくは145mmから165mmの大きさとなるように形成されている。
なお、容器本体10の上下方向の大きさは、伸縮する蛇腹部120によって調整可能とされ、例えば、最小で35mm、最大で200mmに変形することができる。
【0018】
(接続部)
衛生用薄葉紙収納容器1は、例えば、図3及び図4に示すように、容器本体上部11と容器本体下部12(の上縁部12a)とを接続する接続部13を支点として回動するように形成されている。これによって、図4に示すように、収納空間Sが外部に露出された状態とすることができる。
また、収納空間Sを閉塞する際には、使用者は、容器本体上部11を上記とは反対に回動させればよい。
この接続部13は、容器本体10の他の部分と比較して薄くなるように形成されているため曲がりやすく、接続部13を支点として、容器本体上部11を容器本体下部12に対して回動させやすくなっている。
なお、生産性は低下するものの、容器本体上部11と容器本体下部12とを別体として形成の上、これらをヒンジ等によって回動自在に接続することも可能である。
【0019】
(容器本体上部)
容器本体上部11は、例えば、図1から図5に示すように、その下側が略矩形状の開口部となった略直方体状に形成され、上面を形成する天面部111の中央部付近に、下方に凹状となる凹部112が形成されており、その凹部112内の中央部には収納空間Sの衛生用薄葉紙Pを取り出すための取出孔113aを有する取出部113が設けられている。
さらに、凹部112の後端部には、付勢部材114が収納される収納凹部115が形成されている。
また、容器本体上部11の下端部(開口部)には、図4に示すように、環状の外縁部116と、外縁部116よりも内側に設けられ、外縁部116よりも下方に突出した環状の内縁部117と、が形成されている。
また、容器本体上部11の前面の下端部には、収納空間Sを露出する際に把持する取手部118が形成されている。
【0020】
(容器本体上部の材質)
容器本体上部11は、硬質な材料である硬質材料によって形成されている。硬質材料としては、例えば、PE(ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)、POM(ポリアセタール)、ABS(Acrylonitrile Butadiene Styrene)樹脂等の硬質プラスチックを用いることができる。
また、後述する弾性材料によって形成された部分と、硬質材料によって形成された部分は、射出成形(2色成形)によって一体的に形成されていることが望ましい。
【0021】
(凹部)
凹部112は、例えば、図2に示すように、天面部111の平面視における中央部付近に形成されている。図2においては、凹部112の形状が、平面視において容器本体上部11の前端部に達する曲線状の略矩形となる場合について図示しているが、凹部112の具体的形状はこれに限られない。
【0022】
凹部112の上下方向の深さは、天面部111から見て、5mmから20mmであることが好ましい。また、平面視における大きさは、内部に取出部113を形成可能であれば、特に限定されないが、前後方向に40mmから80mm、左右方向に40mmから120mmであることが好ましい。
【0023】
(取出部)
取出部113は、凹部112の平面視における中央部付近に形成されており、弾性材料で形成された部分である。取出部113の略中央には、略球面状に盛り上がった膨出部分113bが形成されており、その膨出部分113bに取出孔113aが設けられている。
また、取出孔113aの縁には、取出部113の中央部に向かって、その手前側の縁から突き出している3つの突片113cが設けられている。
【0024】
取出部113は、例えば、上下方向の厚みが0.5mmから2.0mmの膜状に形成されていることが望ましい。また、取出部113等を形成する弾性材料としては、例えば、シリコンゴム又はスチレン-ブタジエン系、ポリエステル系、ポリエチレン系もしくはウレタン系等のTPE(Thermoplastic Elastomers;熱可塑性エラストマー)等の弾性を有する材料を用いることができ、硬度が20から90であることが望ましい。弾性材料の硬度が上記の値よりも低くなると、柔らかすぎて成形が難しく、成形効率が悪くなる点から望ましくない。また、弾性材料の硬度が上記の値よりも高くなると、衛生用薄葉紙Pを取り出すための取出孔113aが形成された取出部113が硬くなり、抵抗が掛かりすぎて、シートが1枚ずつ取り出しにくくなる点、また、シートを引っ張り出す際に収納空間Sにまで指を入れ難くなる点から望ましくない。
なお、上記硬度は、JIS K 6253(タイプAデュロメータ)によって測定されたものである。
【0025】
(取出孔)
取出孔113aは、取出部113の平面視における中央部に形成された、収納空間Sに繋がる孔(取出口)である。
例えば、図2においては、取出孔113aは、三角形の各辺が内側に円弧状に突出した形状を有し、各頂点と重心点を結ぶように3本のスリットが重心点で交わる略逆Y字状となっている。また、3本のスリットのうち、前後方向に延在するスリットの幅は他のスリットの幅に比べて広くなっている。なお、スリットの本数はこれより少数でも多数でもよく、例えば、十字型に2本のスリットを入れることにより取出孔113aを形成するようにしてもよい。
【0026】
取出部113は、取出孔113aの周囲が弾性材料によって形成されていることで、衛生用薄葉紙Pに対して適切な抵抗を掛けることができ、収納空間Sに収納された衛生用薄葉紙Pが引き出された後に、次の衛生用薄葉紙Pを保持する機能を果たす。
【0027】
(突片)
突片113cは、取出孔113aから引き出される衛生用薄葉紙Pが摺接する箇所であり、取出孔113aから引き出される衛生用薄葉紙Pに対して適切な抵抗を掛けるために設けられている。
具体的には、使用者が衛生用薄葉紙収納容器1の開閉蓋2を開放して衛生用薄葉紙Pを取り出す場合、衛生用薄葉紙収納容器1の後ろ側に起立された姿勢の開閉蓋2が衛生用薄葉紙Pを取り出す動作の妨げにならないように、使用者は衛生用薄葉紙収納容器1の前面側から手を伸ばし、衛生用薄葉紙Pを取出孔113aから引き出すようにするので、取出孔113aから引き出される衛生用薄葉紙Pは手前側の縁の突片113cと摺接するようになる。
このとき、取出孔113aから手前側に引き出される衛生用薄葉紙Pに対し、手前側の縁から後方へ向かって突き出している突片113cが摺接することで、突片113cが衛生用薄葉紙Pに対して適切な抵抗を掛けて、衛生用薄葉紙Pが取出孔113aから引き出されすぎてしまわないようにすることができる。
【0028】
すなわち、手前側の縁から後方へ向かって突き出している突片113cは、取出孔113aから手前側に引き出される衛生用薄葉紙Pに対して適切な摩擦力を付与し、引き出して使用する衛生用薄葉紙Pに続いて引き出される次の衛生用薄葉紙Pが取出孔113aから引き出されすぎてしまわないようにする機能を有している。
そして、使用する衛生用薄葉紙Pに続いて引き出された次の衛生用薄葉紙Pは、その端部が適正な長さで引き出された状態で、取出孔113aに保持されるようになる。
【0029】
また、このようにして取出孔113aに保持されている衛生用薄葉紙Pの端部は、手前側の突片113cを含む3つの突片で支持されている。
衛生用薄葉紙Pの端部を保持する取出孔113aは、取出部113の膨出部分113bに設けられているので、各突片113cの先端側は膨出部分113bの周囲の基面である取出部113よりも高い位置にある。そして、衛生用薄葉紙Pの端部は、このような突片113cによって、周囲よりも高い位置で支持されて取出孔113aに保持されているので、その衛生用薄葉紙Pを摘まみやすくなっている。
【0030】
(付勢部材)
付勢部材114は、例えば、図2に示すように、弾性材料で形成された帯状の部材である。付勢部材114の一端は凹部112の後方に固定され、付勢部材114の他端は開閉蓋2の挿入部23(後述)に固定されている。
この付勢部材114は、開閉蓋2を起立させる開放方向へと付勢しており、使用者がボタン部3を押圧した際に、開閉蓋2を容器本体上部11との接続部分を回転軸として回転させるようにして押し上げて起立させる。
【0031】
付勢部材114は、幅が好ましくは2mm~30mm、さらに好ましくは8mm~10mm、厚みが好ましくは0.5mm~3.0mm、さらに好ましくは1.0mm~2.0mmの帯状となるように形成されている。
付勢部材114がこのような大きさに形成されていることで、開閉蓋2の開放時に、無理なく開閉蓋2を押し上げることが可能であり、かつ、開閉蓋2の閉塞時に、付勢部材114を収納凹部115内に容易に折り曲げて収納することができる。
【0032】
また、図2に示すように、付勢部材114を、何ら力を加えられていない状態において伸びた状態となるように形成することで、例えば、図5に示すように、開閉蓋2が閉じられて付勢部材114が折り曲げられた際に、図2に示す状態に戻ろうとする力が生じるようにする。
これにより、開閉蓋2と容器本体上部11との接続部分を回転軸として、付勢部材114が開閉蓋2を後方へ回転させるように付勢することが可能になる。
【0033】
(収納凹部)
収納凹部115は、例えば、図5に示すように、開閉蓋2の閉塞時において、付勢部材114が下方へと押し込められた際に、付勢部材114の折り曲げられた部分を収納するための凹部である。
収納凹部115は、図2に示すように、凹部112内の取出部113の後方かつ、付勢部材114の前方付近において、凹部112よりも更に下方に凹状となるように形成される。
収納凹部115の形状は特に限定されないが、例えば、前後方向に比して左右方向に長い略直方体状であり、開閉蓋2を閉塞した際に、開閉蓋2によって押し込められ、折り曲げられた付勢部材114を収納できるだけの空間を有していればよい。
【0034】
(外縁部・内縁部)
外縁部116は、例えば、図4図5に示すように環状であり、容器本体上部11の下端部に形成されている。
内縁部117は、例えば、図4図5に示すように環状であり、容器本体上部11の下端部において外縁部116よりも内側に設けられ、外縁部116よりも下方に突出している。この内縁部117は、収納空間Sの閉塞時に、後述する容器本体下部12の凹溝部121に入り込むように形成されている。
【0035】
(取手部)
取手部118は、例えば、図1から図5に示すように、容器本体上部11の前面の中央部において、容器本体上部11と一体的に、その前面からアーチ状に突出して形成されており、容器本体10の前面との間に指を引っ掛けることができる隙間aが形成されるようになっている。収納空間Sを露出する際は、取手部118を把持し、接続部13を支点として容器本体上部11を回動させる。
また、取手部118の内面には2つの係止部1181が設けられている。
【0036】
なお、取手部118の形状は、アーチ状に突出する形状でなくとも、容器本体上部11の前面から突出し、前面との間に隙間aを有する形状であれば、どのような形状であってもよい。
また、取手部118は、容器本体上部11と容器本体下部12が係合した状態では、容器本体下部12に設けられた係合突起123(後述)と前後方向に重なるようになっている。これにより、係合突起123が正面から見えない構造となっている。
【0037】
(係止部)
係止部1181は、例えば、図4図5に示すように、取手部118の内面に左右方向に沿って所定の間隔で2つ設けられており、収納空間Sの閉塞時に容器本体下部12の係合突起123に係合し、閉塞状態を維持するように形成されている。
2つの係止部1181が設けられる間隔は、任意であるが、一般的な使用者の指幅程度であればよい。具体的には、5mmから25mmの間で離されて形成され、より好ましくは、18mmから25mmの間で離されて形成されている。
なお、係止部1181の数は、2つに限らず、取手部118の内面の左右方向の中央部から左右に離れた位置に各々設けられていればよく、例えば、左右にそれぞれ2つずつ(合計4つ)設けられていてもよい。
【0038】
(容器本体下部)
容器本体下部12は、例えば、図4に示すように、その上側が略矩形状の開口部となった上縁部12aと、その下側が略矩形状の底面となった底部12bと、上縁部12aと底部12bの間に配設されている伸縮可能な蛇腹部120と、を有している。
容器本体下部12の上縁部12aの縁には、環状の凹溝部121が形成されている。
また、容器本体下部12の上縁部12aの前面の中央部付近には、上縁部12aと一体的に形成され、前方に突出する係合突起123が設けられている。
また、容器本体下部12の底部12bには、収納空間Sに収納した衛生用薄葉紙Pを取出孔113aから取り出す際の滑り止めとなる滑り止め部122が形成されている。
【0039】
(容器本体下部の材質)
容器本体下部12の上縁部12aと底部12bは、容器本体上部11に用いられているのと同様の硬質材料で形成されており、容器本体下部12の蛇腹部120は、取出部113などに用いられているのと同様の弾性材料で形成されている。
【0040】
(凹溝部)
凹溝部121は、例えば、図4に示すように環状であり、収納空間Sを閉塞する際に、容器本体上部11の内縁部117が係合するように、容器本体下部12の上縁部12aに形成されており、外周壁部1211と、内周壁部1212と、を備える。
【0041】
(外周壁部・内周壁部)
外周壁部1211は、容器本体下部12の外周壁面として形成され、収納空間Sを閉塞する際は、容器本体上部11の外縁部116に当接する。
内周壁部1212は、容器本体下部12の内周壁面として形成され、図4に示すように、外周壁部1211よりも上方に突出するように、後面の左右方向の両端部に設けられた第1ガイド部1212aと、後面側に複数設けられた第2ガイド部1212bと、を備える。
そして、外周壁部1211と内周壁部1212の間に容器本体上部11の内縁部117が摺接することで収納空間Sの密閉性が維持されるようになっている。
【0042】
(第1・第2ガイド部)
第1ガイド部1212aは、図4に示すように、容器本体下部12の後面の左右方向両端部に、それぞれ左面又は右面に亘るように設けられ、外周壁部1211及び第2ガイド部1212bよりも上下方向の高さが高い。
第2ガイド部1212bは、波状であり、容器本体下部12の後面に左右方向に沿って複数設けられ、外周壁部1211よりも上下方向の高さが高いが、第1ガイド部1212aよりは低い。
【0043】
(係合突起)
係合突起123は、例えば、図4に示すように、容器本体下部12(上縁部12a)の前面の上端部略中央部において、上縁部12aと一体的に形成されて、前方に突出した突起部であり、収納空間Sの閉塞時において、2つの係止部1181が係合される。
係合突起123は、左右方向の長さが、2つの係止部1181の間隔よりも長くなるように形成される。
【0044】
(滑り止め部)
滑り止め部122は、容器本体下部12の底部12bにおいて、周囲を硬質材料に囲われた弾性材料によって形成され、例えば、図4に示すように、矩形の対向する頂点を結ぶような2本の直線が重心点で交わり、2本の直線のなす角のうち、左右方向に伸びるように形成された2つの角に円弧を描いたような形状を有する。
また、上記2本の直線の4つの端部は円状になっており、容器本体下部12の底部12bから円状部分が外面側に露出するようになっている(図5参照)。容器本体下部12(底部12b)の外面側に露出した円状部分の弾性材料のみが収納容器1を載置する載置面に接するようになっており、収納容器1を載置面に設置する際の滑り止めとなる載置部1221としての役割を果たすようになっている。
【0045】
(蛇腹部)
蛇腹部120は、前述したシリコンゴムなどの弾性材料を用いて形成された容器本体10(容器本体下部12)の一部であり、上下方向に伸縮可能な所謂アコーディオン構造を有している。
この蛇腹部120は、容器本体10(容器本体下部12)の底部12bに対して開閉蓋2を接離させる方向に伸縮する。
この蛇腹部120が容器本体下部12に設けられていることで、容器本体10の形状を上下方向に収縮させたり伸長させたりする変更が可能になっている。
なお、蛇腹部120は弾性材料を用いて形成されていることが好ましく、弾性材料を用いて形成された蛇腹部120であれば好適に伸縮することは勿論であるが、硬質材料を用いて蛇腹部120を形成してもよい。例えば硬質材料を用いる場合、蛇腹部120の厚みを比較的薄く、0.1mmから0.5mmの厚みに形成するようにすれば上下方向に伸縮させることが可能になる。
【0046】
(開閉蓋)
開閉蓋2は、例えば、図1から図5に示すように、容器本体上部11の凹部112の後方に回動自在に取り付けられた部材であり、扁平な曲線状の略矩形形状を呈している。
開閉蓋2は、閉蓋状態における前側に開閉蓋側係止部21を備え、その開閉蓋2の下面側に開閉蓋側密閉環部22と、付勢部材114が挿入される挿入部23と、を備える。
また、開閉蓋2は、閉蓋時の平面視における形状が容器本体上部11の凹部112の平面視における形状のうち、ボタン部3が備えられた部分を除いた形状と略同一となるように形成されており、閉蓋時において、凹部112に嵌め込むことができ、また天面部111と面一となるように形成されている。
【0047】
(開閉蓋の材質)
開閉蓋2は、容器本体上部11において用いられるのと同様の硬質材料によって形成されている。
【0048】
(開閉蓋側係止部)
開閉蓋側係止部21は、例えば、図2図3に示すように、開閉蓋2の前方に突出する爪状の部分である。そして、ボタン部3に形成されるボタン側係止部313(後述)と係合することによって、開閉蓋2が閉蓋状態で係止される。また、使用者がボタン部3を押圧した際には、開閉蓋側係止部21とボタン側係止部313との係合が外れ、付勢部材114によって生じる付勢力によって、開閉蓋2が開蓋状態となるように形成されている。
なお、開蓋された開閉蓋2を、開蓋時とは反対に回動させて、開閉蓋側係止部21とボタン側係止部313(後述)と係合することによって、開閉蓋2を閉蓋することができる。
【0049】
なお、開閉蓋側係止部21の形状は、ボタン側係止部313に係合することによって、開閉蓋2を閉蓋状態で係止するとともに、使用者がボタン部3を押圧した際には、開閉蓋側係止部21とボタン側係止部313との係合が外れるものであれば任意であり、図2図3に示したような爪状には限られない。
【0050】
(開閉蓋側密閉環部)
開閉蓋側密閉環部22は、例えば、図2に示すように、略矩形環状を呈しており、開閉蓋2の閉蓋時において下方へ突出し、図5に示すように、開閉蓋側密閉環部22の縁が、容器本体上部11に形成された取出部113の外周と接触するように、開閉蓋2の下面側略中央部に形成されている。
【0051】
(挿入部)
挿入部23は、例えば、図2及び図5に示すように、開閉蓋2の後端部に付勢部材114を挿入して固定するものである。
【0052】
(ボタン部)
ボタン部3は、例えば、図5に示すように、容器本体10(容器本体上部11)に設けられているボタン取付部32と、ボタン取付部32に取り付けられたボタン31と、ボタン31とボタン取付部32との間に弾性変形可能に介装されているボタン弾性部材33と、を有している。
ボタン31とボタン取付部32は、容器本体10において用いられているのと同様の硬質材料で形成されており、ボタン弾性部材33は、取出部113や付勢部材114などと同様の弾性材料で形成されている。
このボタン部3のボタン31を使用者が押圧した際、ボタン31による開閉蓋2の係止が外れ、開閉蓋2が付勢部材114の付勢力によって押し上げられて開蓋されるようになっている。
また、開蓋された開閉蓋2を開蓋時とは反対に回動させて、開閉蓋2をボタン31に係止させることによって、開閉蓋2を閉蓋することができる。
【0053】
(ボタン取付部)
ボタン取付部32は、例えば、図5に示すように、容器本体上部11の凹部112の前側におけるボタン部3が備えられる部分に設けられた、ボタン31の取り付け箇所である。
ボタン取付部32の左右両側には、後述するボタン31のボタン軸312(軸部312b)が挿し込まれる軸穴(図示省略)が形成されている。
また、ボタン取付部32には、後述するボタン弾性部材33の先端部が突き当てられている当接面部32aが設けられている。この当接面部32aは、ボタン取付部32に取り付けられたボタン31の下面と対向している。
【0054】
(ボタン)
ボタン31は、例えば、図3図5に示すように、ボタン取付部32とは独立して形成された部材であり、使用者に押圧される上面部311と、ボタン31の左右両側に設けられているボタン軸312,312と、開閉蓋2の開閉蓋側係止部21と係合することで開閉蓋2を閉蓋状態で係止するボタン側係止部313と、ボタン弾性部材33をボタン31の下面側で支持している弾性部材支持部314,314とを備えている。
【0055】
(上面部)
上面部311は、例えば、図1図5に示すように、平面視において後方の基端部311b側が直線状、前方の先端部311a側が円弧状を呈するように形成され、先端部311aが凹部112から前方に突出するように形成されている。
そして、上面部311の先端部311aと容器本体上部11との間には隙間bが形成されている。
上面部311の大きさは、凹部112のうち開閉蓋2によって覆われていない部分の大きさに応じて定まるが、前後方向に最も長い部分で10mmから30mm、左右方向に最も長い部分で30mmから100mmの長さを有することが望ましい。
なお、ボタン31の先端部311a側が直線状を呈するように形成されていてもよい。
【0056】
また、上面部311は、基端部311b側から先端部311a側に向かって下方に傾斜するように形成されている。
この上面部311の傾斜角度は、6度~10度であることが好ましい。
なお、上面部311の傾斜角度は、基端部311b側と先端部311a側で異なっていてもよく、例えば、基端部311b側の傾斜角度が6度~8度で、先端部311a側の傾斜角度が8度~10度であるように、2段階の傾斜を形成するようにしてもよい。
【0057】
(ボタン軸)
ボタン軸312は、例えば、図5に示すように、上面部311の下面に設けられている基部312aと、基部312aから外側に延出して設けられている軸部312bとを有しており、ボタン31の左右に一対設けられている。
一対のボタン軸312は、左右対称に設けられており、各軸部312bは同じ軸線に沿って、互いに離間する方向に延出している
このボタン軸312の軸部312bがボタン取付部32の軸穴(図示省略)に挿し込まれて、ボタン31がボタン取付部32に回動可能に軸支されている。
【0058】
(ボタン側係止部)
ボタン側係止部313は、例えば、図3図5に示すように、ボタン31の後方に形成された窪みであり、開閉蓋2に形成された開閉蓋側係止部21がボタン側係止部313に係合することによって、開閉蓋2を閉蓋状態で係止するように形成されている。
また、使用者がボタン部3を押圧した際には、開閉蓋側係止部21の係合が外れ、付勢部材114によって生じる付勢力によって、開閉蓋2が押し上げられて開蓋するようになっている。
なお、ボタン側係止部313の形状は、開閉蓋2を閉蓋状態で係止するとともに、使用者がボタン部3を押圧した際には、ボタン側係止部313と開閉蓋側係止部21との係合が外れるものであれば任意であり、図示したような窪みには限られず、例えば、開閉蓋側係止部21が係合する爪部であってもよい。
【0059】
(弾性部材支持部)
弾性部材支持部314は、例えば、図5に示すように、上面部311の下面から下方に突出するように設けられている板状の突片であり、前後に間隔をあけて一対設けられている。
この一対の弾性部材支持部314,314の間にボタン弾性部材33が配されている。
【0060】
(ボタン弾性部材)
ボタン弾性部材33は、弾性材料で形成された弾性変形可能な板状の部材である。
このボタン弾性部材33の上端側が一対の弾性部材支持部314,314の間に挟まれて支持された態様で、ボタン弾性部材33がボタン31の下面に配されている。
そして、一対の弾性部材支持部314,314によってボタン弾性部材33を支持しているボタン31がボタン取付部32に取り付けられた状態で、ボタン弾性部材33の自由端である先端部がボタン取付部32の当接面部32aに突き当てられるようになっている。
特に、ボタン弾性部材33の上端側が一対の弾性部材支持部314,314によって支持されていることで、ボタン弾性部材33の下端側の先端部が、ボタン取付部32の当接面部32aに安定した姿勢で突き当たるようになっている。
【0061】
(蛇腹部の伸縮による収納容器の変形)
図5に示したように、衛生用薄葉紙収納容器1の内部の収納空間Sには、複数枚の衛生用薄葉紙Pが、容器本体10(容器本体下部12)の底部12bに層状に積層された状態で収納されている。
この衛生用薄葉紙収納容器1の開閉蓋2を開蓋すると、上層側の衛生用薄葉紙Pの端が取出部113に保持されており、その衛生用薄葉紙Pを摘まんで引き出し易くなっているので、衛生用薄葉紙収納容器1に収納されている衛生用薄葉紙Pを好適に使用することができる。
そして、衛生用薄葉紙収納容器1に収納されている衛生用薄葉紙Pを引き出して使うほど、衛生用薄葉紙収納容器1に収納されている衛生用薄葉紙Pの量が減少していく。
【0062】
衛生用薄葉紙Pを引き出して使用するにつれて、衛生用薄葉紙収納容器1の内部に収納している衛生用薄葉紙Pが減少した際には、図6に示すように、蛇腹部120を収縮させて衛生用薄葉紙収納容器1を小型化することができる。
このように、蛇腹部120を収縮させて衛生用薄葉紙収納容器1を小型化することで、衛生用薄葉紙収納容器1に収納されている衛生用薄葉紙Pの上層部分と取出部113とを近接させることができるので、衛生用薄葉紙Pをより一層引き出し易くなる。
換言すると、蛇腹部120を収縮させて衛生用薄葉紙収納容器1を小型化することで、衛生用薄葉紙収納容器1に収納されている衛生用薄葉紙Pの上層部分と取出部113とを近接させるようにして、衛生用薄葉紙Pの上層部分と取出部113との間隔を所定の寸法に維持することができ、衛生用薄葉紙Pの引き出し易さを安定させることができる。
【0063】
また、蛇腹部120を収縮させて衛生用薄葉紙収納容器1を小型化することで、収納空間Sの容積を減少させることができるので、無駄に大きな収納空間Sに衛生用薄葉紙Pの薬液が蒸散するのを抑えることができ、衛生用薄葉紙Pが乾燥するのを抑えることができる。
また、収納していた衛生用薄葉紙Pを使い切った場合、新たな衛生用薄葉紙Pに詰め替えるまでの間、蛇腹部120を目いっぱい収縮させるようにすれば、空の状態の衛生用薄葉紙収納容器1をコンパクトにして保管することができる。
【0064】
また、衛生用薄葉紙収納容器1の内部に収納する衛生用薄葉紙Pを増量するような場合には、図7に示すように、蛇腹部120を伸長させて衛生用薄葉紙収納容器1を大型化することができる。
このように、蛇腹部120を伸長させて衛生用薄葉紙収納容器1を大型化して収納空間Sの容積を増大させれば、その内部により多くの枚数の衛生用薄葉紙Pを収納することができるので、例えば、衛生用薄葉紙Pを詰め替える頻度を減らすことができる。
勿論、衛生用薄葉紙収納容器1を大型化して大容量化した場合でも、衛生用薄葉紙収納容器1に収納されている衛生用薄葉紙Pの量が減少した際には、その都度蛇腹部120を収縮させて衛生用薄葉紙収納容器1を小型化していくようにすればよい。
【0065】
[実施形態の効果]
本実施形態の衛生用薄葉紙収納容器は、内部に衛生用薄葉紙Pが収納され、その衛生用薄葉紙Pを取り出す取出口である取出孔113aを有する容器本体10と、容器本体10の取出孔113aを開閉自在とし、容器本体10を密閉することができる蓋体である開閉蓋2と、を備えた衛生用薄葉紙収納容器1であって、容器本体10にはその容器本体10(容器本体下部12)の底部12bに対して開閉蓋2を接離させる方向に伸縮する蛇腹部120が設けられており、その容器本体10の底部12bに複数枚の衛生用薄葉紙Pが層状に積層された状態で収納されるように構成されているようにした。
【0066】
本実施形態の衛生用薄葉紙収納容器1は、このような構成を有しており、容器本体10に設けられている蛇腹部120を上下方向に伸縮させるようにして、容器本体10の形状を上下方向に収縮させたり伸長させたりする変更が可能になっている。
具体的には、蛇腹部120を収縮させて衛生用薄葉紙収納容器1を小型化することや、蛇腹部120を伸長させて衛生用薄葉紙収納容器1を大型化することができる。
そして、この衛生用薄葉紙収納容器1は、内部に収納する衛生用薄葉紙Pの量に応じて大きさを調整することができる。
【0067】
(変形例1)
衛生用薄葉紙収納容器1は、蓋体である開閉蓋2を容器本体10(容器本体下部12)の底部12bに向けて近接させるように付勢することで、蛇腹部120を収縮させる収縮部材50を備えていてもよい。
例えば、図8に示すように、容器本体上部11の内面に設けられている係着部51と、容器本体下部12の内面に設けられている係着部52とに掛け渡された態様で、収縮部材50が衛生用薄葉紙収納容器1に設けられている。
収縮部材50は、例えばコイルバネであり、開閉蓋2(容器本体上部11)を容器本体下部12の底部12bに向けて近接させるように付勢している。
つまり、収縮部材50の収縮力で、開閉蓋2(容器本体上部11)を容器本体下部12の底部12bに向けて近接させるように付勢している
ここでは収縮部材50としてコイルバネを例示したが、ゴムなどの弾性部材を用いて開閉蓋2(容器本体上部11)を容器本体下部12の底部12bに向けて近接させるように付勢してもよい。
このような収縮部材50を備えている衛生用薄葉紙収納容器1であれば、ユーザーが蛇腹部120を押圧することなく、収縮部材50の収縮力で蛇腹部120を収縮させるようにして衛生用薄葉紙収納容器1を小型化するとともに、内部に収納されている衛生用薄葉紙Pの上層部分を取出部113に近接させることができる。
なお、衛生用薄葉紙Pを詰め替える際に、容器本体下部12から容器本体上部11を回動させて開く場合には、収縮部材50を係着部51,52から外すようにすればよい。
【0068】
特に、本実施形態では、当該衛生用薄葉紙収納容器1における取出孔113a(取出部113)側の内面には、容器本体10に収納されている衛生用薄葉紙Pの最上層部分に当接し、取出孔113a(取出部113)と衛生用薄葉紙Pを所定の間隔に保持する間隔保持部材60が設けられている。
ここでは、取出部113の近傍であって、容器本体上部11の内側に間隔保持部材60が設けられている。
本実施形態の間隔保持部材60は、略J字形状を呈する棒状あるいは板状の部材であって、下端側の滑らかな曲線状部分あるいは曲面状部分が衛生用薄葉紙Pの最上層部分に当接するようになっている。
このような間隔保持部材60が設けられていれば、衛生用薄葉紙Pの上層部分を取出部113に近接させ過ぎてしまい、取出孔113aから衛生用薄葉紙Pが引き出し難くなってしまうことを防ぐことができる。
【0069】
(変形例2)
衛生用薄葉紙収納容器1の蛇腹部120は、開閉蓋2などの自重によって収縮するように構成されていてもよい。
本実施形態の場合、衛生用薄葉紙収納容器1の蛇腹部120は、開閉蓋2および容器本体上部11の自重によって収縮するように構成されている。
具体的には、この蛇腹部120は、衛生用薄葉紙収納容器1における蛇腹部120よりも上側に位置する部分の自重によって収縮するように構成されている。
例えば、蛇腹部120をより柔らかい材料で形成したり、より薄く形成したりすることで、その蛇腹部120がつぶれるように収縮し易くすれば、前述した収縮部材50を用いることなく、蛇腹部120を収縮させるようにして衛生用薄葉紙収納容器1を小型化するとともに、内部に収納されている衛生用薄葉紙Pの上層部分を取出部113に近接させることができる。
本実施形態において、開閉蓋2や容器本体上部11の自重によって収縮する蛇腹部120を備えている衛生用薄葉紙収納容器1には、図9に示すように、容器本体10に収納されている衛生用薄葉紙Pの最上層部分に当接し、取出孔113a(取出部113)と衛生用薄葉紙Pを所定の間隔に保持する間隔保持部材60を設けている。
なお、間隔保持部材60を用いずに、衛生用薄葉紙Pの上層部分を取出部113に近接させるようにしてもよい。
【0070】
(他の実施形態)
図1図9に基づいて説明した衛生用薄葉紙収納容器1は、所謂ポップアップ式のシートを収納するタイプのものであったが、下記実施形態2のように、1枚のシートを取り出した際に次のシートが引き出されないタイプの衛生用薄葉紙Pを収納する衛生用薄葉紙収納容器1に本発明を適用してもよい。
【0071】
[実施形態2の構成]
(全体構成)
衛生用薄葉紙収納容器1は、例えば、図10から図12に示すように、内部に収納された衛生用薄葉紙Pを取り出す取出口である開口部10kを有する容器本体10と、容器本体10の開口部10kを開閉自在とし、容器本体10を密閉することができる蓋体2等を備えている。
衛生用薄葉紙収納容器1は、容器本体10に対し蓋体2が閉じられた状態で、その内部の衛生用薄葉紙Pを収容する筐体状の容器であり、この衛生用薄葉紙収納容器1の内部に衛生用薄葉紙Pが収納される収納空間Sが形成されている。
特に、衛生用薄葉紙収納容器1の容器本体10には、上下方向に伸縮する蛇腹部100が設けられており、収納空間Sの容積を変更可能にしている。
【0072】
(衛生用薄葉紙)
実施形態2の衛生用薄葉紙Pは、例えば、小型のウェットシート(ウェットティッシュ)等が所定のサイズに折り畳まれたものが積層されたものであって、衛生用薄葉紙Pを1枚ずつ取り出せるように積層したものが用いられる。この衛生用薄葉紙Pには所定の薬液が含浸されている。
そして、図12に示すように、複数枚の衛生用薄葉紙Pが、容器本体10の容器底部10bに層状に積層された状態で収納されるようになっている。
【0073】
(容器本体および蓋体)
容器本体10と蓋体2とは別体の成形体であり、後述する回動部210を介して回動可能に連結されて衛生用薄葉紙収納容器1を成している。
容器本体10は、有底角筒形状に形成されており、容器本体10の上縁開口である開口部10kを有する容器上縁部10aと、容器本体10の底をなす容器底部10bと、容器上縁部10aと容器底部10bの間に配設されている蛇腹部100と、を有している。
蓋体2は、後述するように、容器本体10を密閉することができる形状を有している。
この蓋体2を開いた状態で、容器本体10(容器上縁部10a)の開口部10kから衛生用薄葉紙Pを取り出すことができる。
容器本体10と蓋体2はそれぞれ、PP(ポリプロピレン)、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)、PE(ポリエチレン)、PPとPEの混合体などの樹脂材料を用い、ブロー成形、射出成形(コールドランナー、ホットランナー)など一般的な製造方法によって成形される。
なお、容器本体10における容器上縁部10aと容器底部10bは比較的厚く成形され、容器本体10における蛇腹部100は比較的薄い厚さに成形されている。
容器上縁部10aと容器底部10bを比較的厚く成形することで、収納容器としての堅牢性が得られる。
蛇腹部100を比較的薄い厚さに成形し、例えば0.1mmから0.5mmの厚みに成形することで、蛇腹部100を比較的柔らかくすることができ、その蛇腹部100が伸縮変形し易くなる。
また、容器本体10と蓋体2とで構成されている衛生用薄葉紙収納容器1は、前後方向に好ましくは90mmから150mm、さらに好ましくは100mmから120mm、左右方向に好ましくは100mmから200mm、さらに好ましくは140mmから160mmの大きさとなるように形成されている。
なお、衛生用薄葉紙収納容器1の上下方向の大きさは、伸縮する蛇腹部100によって調整可能とされ、例えば、最小で35mm、最大で200mmに変形することができる。
【0074】
(蛇腹部)
蛇腹部100は、容器本体10の一部であり、上下方向に伸縮可能な所謂アコーディオン構造を有している。
この蛇腹部100は、容器本体10の容器底部10bに対して蓋体2を接離させる方向に伸縮する。
この蛇腹部100が容器本体10に設けられていることで、容器本体10の形状を上下方向に収縮させたり伸長させたりする変更が可能になっている。
なお、蛇腹部100は、前述した樹脂材料を用いて容器上縁部10aおよび容器底部10bと一体成型されていることに限らず、シリコンゴムなどの弾性材料を用いて形成されていてもよい。蛇腹部100が、シリコンゴムなどの弾性材料で形成されていれば、より好適に伸縮変形させることができる。
【0075】
(回動部)
容器本体10(容器上縁部10a)の後面側の開口部10kの近傍には、容器ヒンジ部10hが形成されており、蓋体2の後面側には、蓋ヒンジ部2hが形成されている。
この収納容器では、一対の容器ヒンジ部10hの間に蓋ヒンジ部2hが挟まれて軸着されている。
例えば、容器ヒンジ部10hの軸穴に蓋ヒンジ部2hの軸突起を係入して、容器ヒンジ部10hと蓋ヒンジ部2hとを組み付けることによって、容器ヒンジ部10hと蓋ヒンジ部2hとが連結されてなる回動部210が構成される。
この回動部210を介して、蓋体2が容器本体10(容器上縁部10a)に対して回動可能に配設されている。
【0076】
(付勢部材)
容器本体10(容器上縁部10a)と蓋体2の間であって、回動部210近傍の収納容器の内側には、例えば、樹脂製の板バネである付勢部材30が配設されている。
具体的には、容器本体10(容器上縁部10a)の後面内側の開口部10k近傍に設けられているバネ固定部3aに付勢部材30の一端部が固定され、蓋体2の後面内側に設けられているバネ固定部3bに付勢部材30の他端部が固定された態様で、付勢部材30が衛生用薄葉紙収納容器1内に配設されている。
この付勢部材30が蓋体2を容器本体10から離間させる方向に付勢することで、蓋体2が回動部210を軸心に回動するように押し上げられて開口部10kが開くようになっている。
【0077】
(係合部・係止部)
容器本体10(容器上縁部10a)の前面側の開口部10kの近傍には、係合部16が形成されており、蓋体2の前面側には、係止部2aが形成されている。その係止部2aの両側には押上突起2bが設けられている。
そして、蓋体2の前面側が容器本体10の前面部分に接触された際に、係合部16が係止部2aと係合することにより、蓋体2が容器本体10側に係着されて、開口部10kを閉じるようになっている。
【0078】
また、容器本体10(容器上縁部10a)の前面側であって係合部16の近傍には、前方に突出する挟持部15が設けられており、挟持部15には、係合解除部材17がその配置を変更可能に軸支されて配設されている。
そして、係合解除部材17と挟持部15を挟持すると、係合解除部材17の一端部17aが挟持部15に近接する方向に揺動する。このように係合解除部材17を揺動させるようにその配置を変更させると、係合解除部材17の他端部17bが蓋体2の押上突起2bを押し上げて、係止部2aと係合部16の係合が解除されるようになっている。
つまり、係合解除部材17と挟持部15を挟持して、係合解除部材17を揺動させることにより、係止部2aと係合部16の係合を解除すると、付勢部材30の付勢力によって、蓋体2が押し上げられて開くようになっている。
【0079】
また、容器本体10(容器上縁部10a)の開口部10kの周縁部5には、容器本体10に対し蓋体2が閉じられた際に、蓋体2の周縁部4(インナーリング)が嵌入する溝部6が形成されている。
容器本体10の周縁部5の溝部6に、蓋体2の周縁部4が嵌入した際、溝部6の内面に周縁部4の外面が密着するようになっている。
そして、容器本体10の開口部10kを閉じるように蓋体2を閉め、蓋体2の周縁部4が溝部6に嵌入した際、開口部10kの全周に亘って溝部6の内面と周縁部4の外面が密着することで、容器本体10と蓋体2の間を密封することができるので、衛生用薄葉紙収納容器1の密閉性を確保することができる。
【0080】
特に、インナーリングとして機能し、溝部6に嵌入される周縁部4は、柔軟性を有することが好ましい。周縁部4の柔軟性が高いほど、溝部6と周縁部4の嵌合性は向上し、容器の密閉性が高くなる。
【0081】
[他の実施形態の効果]
実施形態2の衛生用薄葉紙収納容器1は、このような構成を有しており、容器本体10に設けられている蛇腹部100を上下方向に伸縮させるようにして、容器本体10の形状を上下方向に収縮させたり伸長させたりする変更が可能になっている。
具体的には、蛇腹部100を収縮させて衛生用薄葉紙収納容器1を小型化することや、蛇腹部100を伸長させて衛生用薄葉紙収納容器1を大型化することができる。
そして、この衛生用薄葉紙収納容器1は、内部に収納する衛生用薄葉紙Pの量に応じて大きさを調整することができる。
例えば、蛇腹部100が、衛生用薄葉紙収納容器1における蛇腹部100よりも上側に位置する部分の自重によって収縮するように構成されていれば、ユーザーが蛇腹部100を押圧することなく、その内部に収納されている衛生用薄葉紙Pの量に対応させるように衛生用薄葉紙収納容器1を小型化させることができる。
なお、実施形態2の衛生用薄葉紙収納容器1にも、収縮部材50や間隔保持部材60を配設するようにしてもよい。
【0082】
以上のように、本実施形態の衛生用薄葉紙収納容器1は、内部に収納する衛生用薄葉紙Pの量に応じて大きさを調整することができる。
【0083】
なお、本発明の適用は上述した実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0084】
1 衛生用薄葉紙収納容器
2 開閉蓋(蓋体)
10 容器本体
11 容器本体上部
12 容器本体下部
12a 上縁部
12b 底部
120 蛇腹部
113 取出部
113a 取出孔(取出口)
50 収縮部材
51、52 係着部
60 間隔保持部材
10k 開口部(取出口)
10a 容器上縁部
10b 容器底部
100 蛇腹部
P 衛生用薄葉紙
S 収納空間
図1
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