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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023137269
(43)【公開日】2023-09-29
(54)【発明の名称】組立式ベッド
(51)【国際特許分類】
   A47C 20/08 20060101AFI20230922BHJP
   A47C 19/00 20060101ALI20230922BHJP
   A47C 20/04 20060101ALI20230922BHJP
   A61G 7/05 20060101ALI20230922BHJP
【FI】
A47C20/08 Z
A47C19/00 B
A47C20/04 Z
A61G7/05
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022043394
(22)【出願日】2022-03-18
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り (1)展示会 第48回国際福祉機器展、令和3年11月10日~令和3年11月12日 (2)ウェブサイト https://youtu.be/6bYa1srTMWo、令和3年11月15日 (3)ウェブサイト https://youtu.be/UrrTNO93LQw、令和3年10月28日 (4)ウェブサイト https://youtu.be/KmjJladL4Uo、令和3年12月7日
(71)【出願人】
【識別番号】599139442
【氏名又は名称】株式会社プラッツ
(74)【代理人】
【識別番号】100114661
【弁理士】
【氏名又は名称】内野 美洋
(72)【発明者】
【氏名】清本 太郎
【テーマコード(参考)】
4C040
【Fターム(参考)】
4C040AA30
4C040GG20
(57)【要約】      (修正有)
【課題】組立式ベッドの組立作業や分解作業の作業性を向上させること。
【解決手段】異なる部材を組立ててベッドを形成する組立式ベッドにおいて、一方の部材の嵌合凸部に他方の部材の嵌合孔を挿通可能とするとともに、嵌合凸部の先端部に係止体を設け、係止体は、嵌合孔の半径方向内側に向けて弾性変形することで嵌合凸部に嵌合孔を挿通させることができ、挿通後には嵌合孔の半径方向外側に向けて弾性変形(復元)することで嵌合凸部から嵌合孔が離脱しない構造とすることにした。また、係止体は、嵌合凸部に装着される基端部の外周に、嵌合孔よりも大きくて嵌合孔の半径方向内側に向けて弾性変形する先端部を基端部の外周方向に向けて間隔をあけて形成することにした。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
異なる部材を組立ててベッドを形成する組立式ベッドにおいて、
一方の部材の嵌合凸部に他方の部材の嵌合孔を挿通可能とするとともに、嵌合凸部の先端部に係止体を設け、係止体は、嵌合孔の半径方向内側に向けて弾性変形することで嵌合凸部に嵌合孔を挿通させることができ、挿通後には嵌合孔の半径方向外側に向けて弾性変形(復元)することで嵌合凸部から嵌合孔が離脱しない構造としたことを特徴とする組立式ベッド。
【請求項2】
前記嵌合凸部を軸状に形成するとともに、前記嵌合孔を嵌合凸部の外周で回転可能に形成したことを特徴とする請求項1に記載の組立式ベッド。
【請求項3】
前記係止体は、嵌合凸部に装着される基端部の外周に、嵌合孔よりも大きくて嵌合孔の半径方向内側に向けて弾性変形する先端部を基端部の外周方向に向けて間隔をあけて形成したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の組立式ベッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、異なる部材を組立ててベッドを形成する組立式ベッドに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、ベッドは、搬送を容易にするために、基台や架台などの異なる部材に分離して構成されており、設置場所等で異なる部材を組立ててベッドを形成する組立式ベッドとなっている(たとえば、特許文献1参照。)。
【0003】
この組立式ベッドでは、部材ごとに搬送され、設置場所等で異なる部材を組立てて設置される。また、ベッドを別の設置場所等に移動する場合などでは、既存の設置場所等で組立式ベッドを一旦部材ごとに分解した後に、別の設置場所等で再度異なる部材を組立てて設置される。
【0004】
そして、組立式ベッドでは、異なる部材を組立てる際に、一方の部材の嵌合凸部に他方の部材の嵌合孔を挿通させて異なる部材を連結させ、その後、一方の部材が他方の部材から脱落しないように割りピンやネジやナットなどの部品を嵌合凸部や嵌合孔に取付けていた。
【0005】
また、異なる部材に分解する際には、嵌合凸部や嵌合孔に取付けた部品を取外し、その後、一方の部材の嵌合凸部から他方の部材の嵌合孔を取外していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実開平5-20662号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところが、上記従来の組立式ベッドでは、組立て時に異なる部材を連結させた後に部品を取付けなければならず、また、分解時に部品を取外した後に異なる部材に分離しなければならず、組立て作業や分解作業に要する手間や時間がかかり、作業性が良好なものではなかった。
【0008】
しかも、分解時等に取外した部品を紛失してしまったり、破損させてしまうおそれがあった。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そこで、請求項1に係る本発明では、異なる部材を組立ててベッドを形成する組立式ベッドにおいて、一方の部材の嵌合凸部に他方の部材の嵌合孔を挿通可能とするとともに、嵌合凸部の先端部に係止体を設け、係止体は、嵌合孔の半径方向内側に向けて弾性変形することで嵌合凸部に嵌合孔を挿通させることができ、挿通後には嵌合孔の半径方向外側に向けて弾性変形(復元)することで嵌合凸部から嵌合孔が離脱しない構造とすることにした。
【0010】
また、請求項2に係る本発明では、前記請求項1に係る本発明において、前記嵌合凸部を軸状に形成するとともに、前記嵌合孔を嵌合凸部の外周で回転可能に形成することにした。
【0011】
また、請求項3に係る本発明では、前記請求項1又は請求項2に係る本発明において、前記係止体は、嵌合凸部に装着される基端部の外周に、嵌合孔よりも大きくて嵌合孔の半径方向内側に向けて弾性変形する先端部を基端部の外周方向に向けて間隔をあけて形成することにした。
【発明の効果】
【0012】
そして、本発明では、以下に記載する効果を奏する。
【0013】
すなわち、本発明では、異なる部材を組立ててベッドを形成する組立式ベッドにおいて、一方の部材の嵌合凸部に他方の部材の嵌合孔を挿通可能とするとともに、嵌合凸部の先端部に係止体を設け、係止体は、嵌合孔の半径方向内側に向けて弾性変形することで嵌合凸部に嵌合孔を挿通させることができ、挿通後には嵌合孔の半径方向外側に向けて弾性変形(復元)することで嵌合凸部から嵌合孔が離脱しない構造とすることにしているために、組立式ベッドの組立時又は分解時等に部材に他の部品を取付けたり取外したりすることなく異なる部材を組立て又は分解等することができるので、他の部品を紛失や破損することなく組立式ベッドの組立作業や分解作業等に要する手間や時間を減少させることができ、作業性を向上させることができる。
【0014】
特に、前記嵌合凸部を軸状に形成するとともに、前記嵌合孔を嵌合凸部の外周で回転可能に形成することにした場合には、回転時に作用する回転方向の力が係止体にかかることが無く、一方の部材に対して他方の部材が回転する部分にも係止体を適用することができる。
【0015】
また、前記係止体の嵌合凸部に装着される基端部の外周に、嵌合孔よりも大きくて嵌合孔の半径方向内側に向けて弾性変形する先端部を基端部の外周方向に向けて間隔をあけて形成することにした場合には、一方の部材から他方の部材を脱着する際の力を軽減することができ、より一層作業性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明に係る組立式ベッドを示す平面図(a)、側面図(b)。
図2】組立式ベッドの昇降機構を示す平面図(a)、側面断面図(b)。
図3】組立式ベッドの上半身及び下半身起倒機構を示す平面図(a)、側面断面図(b)。
図4】組立式ベッドの上半身起倒機構を示す側面拡大断面図。
図5】組立式ベッドの下半身起倒機構を示す側面拡大断面図。
図6】係止体を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に、本発明に係る組立式ベッドの具体的な構成について図面を参照しながら説明する。
【0018】
図1図3に示すように、組立式ベッド1は、基台2の上部に支持台3を着脱可能(組立及び分離可能)に設けるとともに、支持台3の上部に横臥者の身体を支持する受台4を着脱可能(組立及び分離可能)に設けている。基台2と支持台3との間には、基台2に対して支持台3(受台4)を昇降させるための昇降機構5が設けられている。また、支持台3と受台4との間には、支持台3に対して上半身側の受台4を起倒させるための上半身起倒機構6が設けられているとともに、支持台3に対して下半身側の受台4を起倒させるための下半身起倒機構7が設けられている。なお、ここでは、便宜的に、組立式ベッド1に横臥する者の足側(図1中における右側)を前側とし、頭側(図1中における左側)を後側として説明する。
【0019】
基台2は、前後方向に伸延する左右一対の基台フレーム8,9の前端下部及び後端下部にキャスター10,11を取付けて移動可能とするとともに、左右の基台フレーム8,9の前部間及び後部間に左右方向に伸延する連結フレーム12,13を取付け(固定し)ている。
【0020】
支持台3は、前後方向に伸延する左右一対の支持台フレーム14,15の前端部間及び後端部間にボード(フットボード16及びヘッドボード17)を着脱可能に取付けるとともに、左右の支持台フレーム14,15の中途部間に左右方向に伸延する連結フレーム18を取付け(固定し)ている。
【0021】
受台4は、主に横臥者の尻の荷重を受ける(横臥者の尻を下方から支える)ための尻部受台19と、主に横臥者の上半身(尻よりも上側)の荷重を受ける(横臥者の上半身を下方から支える)ための上半身受台20と、主に横臥者の下半身(尻よりも下側)の荷重を受ける(横臥者の下半身を下方から支える)ための下半身受台とで構成している。この下半身受台は、主に横臥者の大腿の荷重を受ける(横臥者の大腿を下方から支える)ための大腿部受台21と、主に横臥者の下腿の荷重を受ける(横臥者の下腿を下方から支える)ための下腿部受台22とに分割して構成している。
【0022】
尻部受台19は、支持台3(支持台フレーム14,15)の概略中央上部に水平状に固定されている。
【0023】
上半身受台20は、支持台3(支持台フレーム14,15)の後側(尻部受台19よりも後側)上部に前端部を上下回動自在に枢着することによって支持台3や尻部受台19に対して起倒可能に設けられている。なお、この上半身受台20は、主に横臥者の肩(肩甲骨)よりも下側の背中(背骨)の荷重を受ける(横臥者の肩(肩甲骨)よりも下側の背中(背骨)を下方から支える)ための背部受台と、主に横臥者の肩(肩甲骨)から上側の肩及び頭の荷重を受ける(横臥者の肩(肩甲骨)から上側の肩及び頭を下方から支える)ための肩部受台とに分割して構成してもよい。
【0024】
下半身受台は、支持台3(支持台フレーム14,15)の尻部受台19よりも前側上部に大腿部受台21の後端部を上下回動自在に枢着している。これにより、大腿部受台21は、支持台3や尻部受台19に対して起倒可能となっている。また、下半身受台は、大腿部受台21の前端部に下腿部受台22の後端部を上下回動自在に枢着している。これにより、下腿部受台22は、支持台3や尻部受台19に対して大腿部受台21とともに起倒するとともに、大腿部受台21に対して起倒可能(自由に屈曲可能)となっている。なお、下腿部受台22は、後端部が大腿部受台21の前端部とともに動き、前端部が支持台3(支持台フレーム14,15)の上面に沿って動くようになっている。
【0025】
昇降機構5は、基台フレーム8,9の中途部間内側に左右方向に伸延する基台側移動フレーム23を基台フレーム8,9に沿って前後移動可能に取付けるとともに、支持台フレーム14,15の中途部間内側に左右方向に伸延する支持台側移動フレーム24を支持台フレーム14,15に沿って前後移動可能に取付けている。
【0026】
また、昇降機構5は、基台2の後側の連結フレーム13と基台側移動フレーム23に左右一対のクロスバー25,26の下端部を左右に間隔をあけて上下回動自在に取付けるとともに、支持台3の後側の連結フレーム18と支持台側移動フレーム24にクロスバー25,26の上端部を左右に間隔をあけて上下回動自在に取付けている。クロスバー25,26は、中央部で上下回動自在に連結されている。
【0027】
さらに、昇降機構5は、基台2の前側の連結フレーム12の中央部と支持台側移動フレーム24の中央部との間にアクチュエーター27を上下回動自在に取付けている。なお、アクチュエーター27は、モーターとロッドで構成しており、モーター側(基端部側)が連結フレーム12に上下回動自在に取付けられ、ロッド側(先端部側)が支持台側移動フレーム24に上下回動自在に取付けられている。
【0028】
そして、昇降機構5は、アクチュエーター27のロッドを伸縮させることで、基台2に対して支持台3(受台4)を上下に昇降させることができるようになっている。なお、昇降機構5は、基台2に対して支持台3(受台4)を上下に昇降させることができればよく、上記構成に限定されるものではない。
【0029】
ここで、昇降機構5のアクチュエーター27の下方には、アクチュエーター27を下方から保護する(下方からの力が上方のアクチュエーター27に直接かからないように保護する)ための保護体28を設けている。保護体28は、連結フレーム12の下部に前方に向けて水平に伸延させた状態で取付けられている。これにより、組立式ベッド1の組立時や分解時や搬送時等において、キャスター10,11を取付ける前の基台フレーム8,9を床に載置してもアクチュエーター27に床からの力が直接かかることがなく、アクチュエーター27の破損や故障を防止することができ、また、基台フレーム8,9にキャスター10,11を取付けて組立式ベッド1を移動させる際において、床の段差部を乗り越えた時にアクチュエーター27が床の段差部に衝突して破損したり故障してしまうのを防止することができる。
【0030】
上半身起倒機構6は、支持台フレーム14,15の後側中途部間に左右方向に伸延するとともに中央部を前側下方に向けて湾曲させた支持フレーム29を取付け、支持フレーム29の中央部に前側上方へ向けて伸延する支持アーム30,31を左右に間隔をあけて取付けている。左右の支持アーム30,31の間には、前後方向に伸延する可動体32の基端部(前端部)が上下回動自在に軸支されており、可動体32の先端部(後端部)には、左右にローラー33,34が回動自在に軸支されている。この可動体32に軸支された左右のローラー33,34は、上半身受台20の下部に上半身受台20に沿って転動可能に当接されている。
【0031】
また、上半身起倒機構6は、支持台フレーム14,15の後端部間に左右方向に伸延する支持フレーム35を取付け、支持フレーム35の中央部に下方へ向けて伸延する支持体36を取付けている。
【0032】
さらに、上半身起倒機構6は、支持体36の前側下部と可動体32の下側中途部との間にアクチュエーター37を上下回動自在に取付けている。なお、アクチュエーター37は、モーターとロッドで構成しており、モーター側(基端部側)が支持体36に上下回動自在に取付けられ、ロッド側(先端部側)が可動体32に上下回動自在に取付けられている。
【0033】
そして、上半身起倒機構6は、アクチュエーター37のロッドを伸縮させることで、図4に示すように、支持台3に対して上半身受台20を上下に起倒させることができるようになっている。なお、上半身起倒機構6は、支持台3に対して上半身受台20を上下に起倒させることができればよく、上記構成に限定されるものではない。
【0034】
ここで、上半身起倒機構6のアクチュエーター37の下方には、アクチュエーター37を下方から保護する(下方からの力が上方のアクチュエーター37に直接かからないように保護する)ための保護体38を設けている。保護体38は、基端部が支持体36の前側下部に前側上方に向けて屈曲させた状態で取付けられており、先端部が支持フレーム29の中央後部に取付けられている。このように、保護体38は、アクチュエーター37の基端部に直接的に連結された支持体36とアクチュエーター37の先端部に支持アーム30,31及び可動体32を介して間接的に連結された支持フレーム29との間に架設されている。これにより、組立式ベッド1の組立時や分解時や搬送時等において、支持台3(上半身起倒機構6)を床に載置してもアクチュエーター37に床からの力が直接かかることがなく、アクチュエーター37の破損や故障を防止することができる。しかも、アクチュエーター37の可動(伸縮)時にアクチュエーター37の基端部側に連結された支持体36とアクチュエーター37の先端部側に連結された支持フレーム29との間で引張力が作用しても保護体38で引張力を吸収することができ、支持体36や支持フレーム29の変形や破損や可動するアクチュエーター37の故障を防止することができる。
【0035】
下半身起動機構7は、支持台フレーム14,15の中途部前側間に左右方向に伸延する支持フレーム39を取付け、支持フレーム39の中央部に前側上方へ向けて伸延する支持アーム40,41を左右に間隔をあけて取付けている。左右の支持アーム40,41の間には、前後方向に伸延する可動体42の基端部(後端部)が上下回動自在に軸支されており、可動体42の先端部(前端部)には、左右にローラー43,44が回動自在に軸支されている。この可動体42に軸支された左右のローラー43,44は、大腿部受台21の下部に大腿部受台21に沿って転動可能に当接されている。
【0036】
また、下半身起倒機構7は、支持台フレーム14,15の中途部後側間に左右方向に伸延する支持フレーム45を取付け、支持フレーム45の中央部に下方へ向けて伸延する支持体46を取付けている。
【0037】
さらに、下半身起倒機構7は、支持体46の前側下部と可動体42の下側後部との間にアクチュエーター47を上下回動自在に取付けている。なお、アクチュエーター47は、モーターとロッドで構成しており、モーター側(基端部側)が支持体46に上下回動自在に取付けられ、ロッド側(先端部側)が可動体42に上下回動自在に取付けられている。
【0038】
そして、下半身起倒機構7は、アクチュエーター47のロッドを伸縮させることで、図5に示すように、支持台3に対して下半身受台(大腿部受台21及び下腿部受台22)を上下に起倒させることができるようになっている。なお、下半身起倒機構7は、支持台3に対して下半身受台(大腿部受台21及び下腿部受台22)を上下に起倒させることができればよく、上記構成に限定されるものではない。
【0039】
ここで、下半身起倒機構7のアクチュエーター47の下方には、アクチュエーター47を下方から保護する(下方からの力が上方のアクチュエーター47に直接かからないように保護する)ための保護体48を設けている。保護体48は、基端部が支持体46の前側下部に前側上方に向けて左右に分岐して屈曲させた状態で取付けられており、二股状の先端部が支持フレーム39の中央後部に左右に間隔をあけて取付けられている。このように、保護体48は、アクチュエーター47を挟んで二股状に分岐させることでアクチュエーター47の上下回動の支障にならないようにしており、アクチュエーター47の基端部に直接的に連結された支持体46とアクチュエーター47の先端部に支持アーム40,41及び可動体42を介して間接的に連結された支持フレーム39との間に架設されている。これにより、組立式ベッド1の組立時や分解時や搬送時等において、支持台3(下半身起倒機構7)を床に載置してもアクチュエーター47に床からの力が直接かかることがなく、アクチュエーター47の破損や故障を防止することができる。しかも、アクチュエーター47の可動(伸縮)時にアクチュエーター47の基端部側に連結された支持体46とアクチュエーター47の先端部側に連結された支持フレーム39との間で引張力が作用しても保護体48で引張力を吸収することができ、支持体46や支持フレーム39の変形や破損や可動するアクチュエーター47の故障を防止することができる。
【0040】
なお、上記保護体28,38,48は、上方のアクチュエーター27,37,47を下方から保護するようにしているが、これに限られず、上方の可動しない部材や可動する部材を下方から保護することができればよい。
【0041】
上記組立式ベッド1では、工場内で製造する際に、たとえば、基台2に昇降機構5を取付けた基台ユニットと、支持台3に上半身起倒機構6と下半身起倒機構7とを取付けた支持台ユニットと、受台4(尻部受台19と上半身受台20と大腿部受台21と下腿部受台22)と、ヘッドボード17と、フットボード16とに分けて製造され、出荷後の設置時にこれらを組立てて使用され、移動時等には一旦分解した後に再び組立てて使用される。
【0042】
そして、上記組立式ベッド1では、基台ユニットに支持台ユニットを組み付けたり、支持台ユニットの支持台フレーム14,15に大腿部受台21を組み付けるといった、異なる部材を組立ててベッドを形成する組み付け部分(嵌合部分)に容易に組み付けられるようにするための嵌合構造を用いている。
【0043】
たとえば、図6(a)及び(b)に示すように、支持台フレーム14に大腿部受台21を組み付ける部分では、支持台フレーム14の上部に支持ブラケット49が取付けられており、支持ブラケット49に左右方向に伸延する円筒軸状の嵌合凸部50の基端部が取付けられている。嵌合凸部50の先端外周部には、円環状の溝51が形成されており、溝51には、円環状の弾性を有する素材からなる係止体52が着脱自在に装着されている。
【0044】
また、大腿部受台21の左側前端部に支持ブラケット53が取付けられており、支持ブラケット53に左右方向に貫通し嵌合凸部50の外周で回転可能な嵌合孔54が形成されている。
【0045】
そして、嵌合凸部50に嵌合孔54を係止体52の弾性力に抗して挿通させることで、支持台フレーム14に大腿部受台21を組み付けることができるようになっている。組み付け後には、係止体52によって嵌合孔54が嵌合凸部50から離脱しないように保持されるようになっている。
【0046】
このように、係止体52は、嵌合孔54の半径方向内側に向けて弾性変形することで嵌合凸部50に嵌合孔54を挿通させることができ、挿通後には嵌合孔54の半径方向外側に向けて弾性変形(復元)することで嵌合凸部50の軸線方向外側から嵌合孔54を被覆して嵌合凸部50から嵌合孔54が離脱しない構造となっている。なお、係止体52は、嵌合孔54の半径方向内側に向けて弾性変形することができればよく、素材は、樹脂や金属やゴムなどを用いることができる。
【0047】
なお、係止体52は、嵌合凸部50に装着することができればよく、図6(c)及び(d)に示すように、嵌合凸部50に形成したネジ穴55に係止体56に形成したネジ57を螺着する構成であってもよい。
【0048】
また、係止体52は、図6(e)及び(f)に示すようなOリング形状であってもよく、図6(g)及び(h)に示す係止体58のようにCリング形状であってもよい。また、図6(i)及び(j)に示す係止体59のように、係止体59の嵌合凸部50に装着される円環状の基端部59aの外周に、嵌合孔54よりも大きくて嵌合孔54の半径方向内側に向けて弾性変形する先端部59bを基端部59aの外周方向に向けて間隔をあけて形成したものであってもよい。さらに、係止体56は、図6(k)及び(l)に示すような円板形状であってもよく、図6(m)及び(n)に示す係止体60のように、係止体60の嵌合凸部50に装着される円板状の基端部60aの外周に、嵌合孔54よりも大きくて嵌合孔54の半径方向内側に向けて弾性変形する先端部60bを基端部60aの外周方向に向けて間隔をあけて形成したものであってもよい。
【0049】
以上に説明したように、上記組立式ベッド1は、上方の部材(アクチュエーター27,37,47)を下方から保護するための保護体28,38,48を設けた構成となっている。
【0050】
そのため、上記構成の組立式ベッド1では、組立式ベッド1の組立時や分解時や搬送時等に部材(アクチュエーター27,37,47)が床に直接当接するのではなく保護体28,38,48が床に先に当接することになり、保護体28,38,48の上方の部材(アクチュエーター27,37,47)に床からの力が直接かかることがなく、部材(アクチュエーター27,37,47)の破損を防止することができる。
【0051】
また、上記組立式ベッド1は、保護体28,38,48が可動する上方の部材(アクチュエーター27,37,47)を下方から保護する構成となっている。
【0052】
そのため、上記構成の組立式ベッド1では、可動する部材(アクチュエーター27,37,47)の破損や故障を防止することができる。
【0053】
また、上記組立式ベッド1は、可動する部材(アクチュエーター37,47)の基端部に直接的又は間接的に連結した部材(ここでは、直接的に連結した支持体36,46)と可動する部材(アクチュエーター37,47)の先端部に直接的又は間接的に連結した部材(ここでは、間接的に連結した支持フレーム29,39)との間に保護体38,48を架設した構成となっている。
【0054】
そのため、上記構成の組立式ベッド1では、可動する部材(アクチュエーター37,47)の可動時に基端部と先端部との間で引張力が作用しても保護体38,48で引張力を吸収することができ、部材の変形(支持体36,46や支持フレーム29,39)や破損や可動する部材(アクチュエーター37,47)の故障を防止することができる。
【0055】
また、上記組立式ベッド1は、一方の部材(支持体フレーム14)の嵌合凸部50に他方の部材(大腿部受台21)の嵌合孔54を挿通可能とするとともに、嵌合凸部50の先端部に係止体52,56,58,59,60を設け、係止体52,56,58,59,60は、嵌合孔54の半径方向内側に向けて弾性変形することで嵌合凸部50に嵌合孔54を挿通させることができ、挿通後には嵌合孔54の半径方向外側に向けて弾性変形(復元)することで嵌合凸部50から嵌合孔54が離脱しない構成となっている。
【0056】
そのため、上記構成の組立式ベッド1では、組立式ベッド1の組立時又は分解時等に部材に他の部品を取付けたり取外したりすることなく異なる部材を組立て又は分解等することができるので、他の部品を紛失や破損することなく組立式ベッド1の組立作業や分解作業等に要する手間や時間を減少させることができ、作業性を向上させることができる。
【0057】
また、上記組立式ベッド1は、嵌合凸部50を軸状に形成するとともに、嵌合孔54を嵌合凸部50の外周で回転可能に形成した構成となっている。
【0058】
そのため、上記構成の組立式ベッド1では、回転時に作用する回転方向の力が係止体52,56,58,59,60にかかることが無く、一方の部材に対して他方の部材が回転する部分にも係止体52,56,58,59,60を適用することができる。
【0059】
また、上記組立式ベッド1は、係止体59,60の嵌合凸部50に装着される基端部59a,60aの外周に、嵌合孔54よりも大きくて嵌合孔54の半径方向内側に向けて弾性変形する先端部59b,60bを基端部59a,60aの外周方向に向けて間隔をあけて形成した構成となっている。
【0060】
そのため、上記構成の組立式ベッド1では、一方の部材から他方の部材を脱着する際の力を軽減することができ、より一層作業性を向上させることができる。
【符号の説明】
【0061】
1 組立式ベッド 2 基台
3 支持台 4 受台
5 昇降機構 6 上半身起倒機構
7 下半身起倒機構 8,9 基台フレーム
10,11 キャスター 12,13 連結フレーム
14,15 支持台フレーム 16 フットボード
17 ヘッドボード 18 連結フレーム
19 尻部受台 20 上半身受台
21 大腿部受台 22 下腿部受台
23 基台側移動フレーム 24 支持台側移動フレーム
25,26 クロスバー 27 アクチュエーター
28 保護体 29 支持フレーム
30,31 支持アーム 32 可動体
33,34 ローラー 35 支持フレーム
36 支持体 37 アクチュエーター
38 保護体 39 支持フレーム
40,41 支持アーム 42 可動体
43,44 ローラー 45 支持フレーム
46 支持体 47 アクチュエーター
48 保護体 49 支持ブラケット
50 嵌合凸部 51 溝
52 係止体 53 支持ブラケット
54 嵌合孔 55 ネジ穴
56 係止体 57 ネジ
58 係止体 59 係止体
59a 基端部 59b 先端部
60 係止体 60a 基端部
60b 先端部
図1
図2
図3
図4
図5
図6