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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023137291
(43)【公開日】2023-09-29
(54)【発明の名称】ガスクロマトグラフ装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 30/86 20060101AFI20230922BHJP
【FI】
G01N30/86 T
G01N30/86 V
G01N30/86 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022043426
(22)【出願日】2022-03-18
(71)【出願人】
【識別番号】000001993
【氏名又は名称】株式会社島津製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100141852
【弁理士】
【氏名又は名称】吉本 力
(72)【発明者】
【氏名】木本 泰裕
(72)【発明者】
【氏名】山根 雅史
(72)【発明者】
【氏名】増田 真吾
(57)【要約】
【課題】保守モードを事前に設定することができ、その後は装置本体に対する簡単な操作で部品の保守を進めることができるガスクロマトグラフ装置を提供する。
【解決手段】ガスクロマトグラフ装置は、通信部80と、設定処理部114と、第一操作受付部52と、保守処理部116とを備える。通信部80は、外部と通信する。設定処理部114は、通信部80を介する外部からの入力に応じて、複数の保守モードのうちのいずれか一つをデフォルトの保守モードに設定する。第一操作受付部52は、筐体20に設けられ、デフォルトの保守モードに対応する保守シーケンスを進行させるための進行操作を受け付ける。保守処理部116は、進行操作が第一操作受付部52で受け付けられるたびに、保守シーケンスを段階的に進行させる。第一操作受付部52は、複数の保守モードのうちのいずれがデフォルトの保守モードに設定された場合でも共通に用いられる。
【選択図】 図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体に設けられた部品に対する複数の保守モードを設定可能なガスクロマトグラフ装置であって、
外部と通信する通信部と、
前記通信部を介する外部からの入力に応じて、前記複数の保守モードのうちのいずれか一つをデフォルトの保守モードに設定する設定処理部と、
前記筐体に設けられ、前記デフォルトの保守モードに対応する保守シーケンスを進行させるための進行操作を受け付ける第一操作受付部と、
前記進行操作が前記第一操作受付部で受け付けられるたびに、前記保守シーケンスを段階的に進行させる保守処理部とを備え、
前記第一操作受付部は、前記複数の保守モードのうちのいずれが前記デフォルトの保守モードに設定された場合でも共通に用いられる、ガスクロマトグラフ装置。
【請求項2】
前記保守シーケンスの進行状況を報知する報知処理部をさらに備える、請求項1に記載のガスクロマトグラフ装置。
【請求項3】
前記複数の保守モードには、前記進行操作を前記第一操作受付部で受け付けることでガスの供給を停止する保守モードと、前記進行操作を前記第一操作受付部で受け付けることなく自動でガスの供給を停止する保守モードとが含まれる、請求項1又は2に記載のガスクロマトグラフ装置。
【請求項4】
前記筐体には、前記第一操作受付部が一つだけ設けられる、請求項1から3のいずれか一項に記載のガスクロマトグラフ装置。
【請求項5】
前記筐体に設けられ、前記保守シーケンスの進行をキャンセルするためのキャンセル操作を受け付ける第二操作受付部をさらに備える、請求項1から4のいずれか一項に記載のガスクロマトグラフ装置。
【請求項6】
前記保守処理部は、前記保守シーケンス中に前記キャンセル操作が前記第二操作受付部で受け付けられると、当該保守シーケンスの進行をキャンセルし、続いて前記進行操作が前記第一操作受付部で受け付けられると、前記保守シーケンスを最初から開始する、請求項5に記載のガスクロマトグラフ装置。
【請求項7】
前記保守シーケンスには、前記部品を冷却する冷却処理が含まれ、
前記保守処理部は、前記冷却処理後に前記キャンセル操作が前記第二操作受付部で受け付けられるとき、そのキャンセル操作を無効にする、請求項6に記載のガスクロマトグラフ装置。
【請求項8】
前記部品は、試料導入部、カラム又は検出器である、請求項1から7のいずれか一項に記載のガスクロマトグラフ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の保守モードを設定可能なガスクロマトグラフ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、下記特許文献1で開示されるようなガスクロマトグラフ装置は、保守モードの一例として、カラムを交換するために自動でカラムを冷却するモードを有している。ガスクロマトグラフ装置の中には、当該ガスクロマトグラフ装置とネットワークを介して接続される情報処理端末への操作により、複数の保守モードのいずれかを選択して実行できるようになっているものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10-48190号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ガスクロマトグラフ装置の保守の際には、複数の工程を実施する必要があり、この複数の工程には、情報処理端末への操作及びガスクロマトグラフ装置が備える部品の交換等が含まれる。情報処理端末への操作は、具体的に、情報処理端末に表示される画面であって、複数の工程を進めるための画面である保守画面への操作である。
【0005】
このようなガスクロマトグラフ装置の保守の際には、保守を実施する者が情報処理端末及びガスクロマトグラフ装置の間を往復する必要が生じるため、手間である。
【0006】
そこで、ガスクロマトグラフ装置に携帯型の情報処理端末を直接接続し、当該ガスクロマトグラフ装置の近くで情報処理端末に表示される保守画面に対する操作を行いながら、保守を行うことも考えられる。しかしながら、保守モードを変更することは比較的少なく、保守のたびに情報処理端末をガスクロマトグラフに接続する作業も煩雑である。
【0007】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、保守モードを事前に設定することができ、その後は装置本体に対する簡単な操作で部品の保守を行うことができるガスクロマトグラフ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の態様は、筐体に設けられた部品に対する複数の保守モードを設定可能なガスクロマトグラフ装置であって、通信部と、設定処理部と、第一操作受付部と、保守処理部とを備える。前記通信部は、外部と通信する。前記設定処理部は、前記通信部を介する外部からの入力に応じて、前記複数の保守モードのうちのいずれか一つをデフォルトの保守モードに設定する。前記第一操作受付部は、前記筐体に設けられ、前記デフォルトの保守モードに対応する保守シーケンスを進行させるための進行操作を受け付ける。前記保守処理部は、前記進行操作が前記第一操作受付部で受け付けられるたびに、前記保守シーケンスを段階的に進行させる。前記第一操作受付部は、前記複数の保守モードのうちのいずれが前記デフォルトの保守モードに設定された場合でも共通に用いられる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、保守モードを事前に設定することができ、その後は装置本体に対する簡単な操作で部品の保守を進めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本実施形態のガスクロマトグラフシステムの一例を示すブロック図である。
図2】本実施形態のガスクロマトグラフ装置の構造の一例を示す概略断面図である。
図3】本実施形態の試料導入部の構造の一例を示す概略断面図である。
図4】本実施形態のガスクロマトグラフ装置の電気的構成の一例を示すブロック図である。
図5】本実施形態のガスクロマトグラフ装置の電気的構成の具体例を示す機能ブロック図である。
図6】本実施形態のガスクロマログラフ装置の進行動作の一例を示すフロー図である。
図7】本実施形態のガスクロマログラフ装置のキャンセル動作の一例を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
1.ガスクロマトグラフ装置の周辺構成
図1は、本実施形態のガスクロマトグラフシステム10の一例を示すブロック図である。図1に示すように、ガスクロマトグラフシステム10は、ガスクロマトグラフ装置12及びユーザ端末14を含む。
【0012】
ガスクロマトグラフ装置12は、気体試料(試料ガス)に含まれる成分を成分別に分離し、必要に応じて、各種成分を検出するための装置である。
【0013】
ユーザ端末14は、少なくともCPU、外部と通信を行うための通信部及び不揮発性メモリ等を備える装置であって、デスクトップPC(Personal Computer)、ノート(ラップトップ)PC、スマートフォン又はタブレットPC等である。
【0014】
ガスクロマトグラフ装置12及びユーザ端末14は、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)又はインターネットのようなネットワーク16を介して接続される。また、ガスクロマトグラフ装置12及びユーザ端末14は、有線又は無線で通信可能に直接接続されてもよい。
【0015】
また、ガスクロマトグラフシステム10、具体的には、ガスクロマトグラフ装置12には、設定端末18が有線又は無線で通信可能に直接接続されることがある。設定端末18は、ユーザ端末14と同様の装置であって、ガスクロマトグラフ装置12に関する設定項目を設定するために用いられる。
【0016】
たとえば、サービスマンによりガスクロマトグラフ装置12が保守される際は、設定端末18がガスクロマトグラフ装置12と接続される。なお、設定端末18は、所定のネットワークを介してガスクロマトグラフ装置12に接続されてもよい。
【0017】
2.ガスクロマトグラフ装置の構成
図2は、本実施形態のガスクロマトグラフ装置12の構造の一例を示す概略断面図である。ガスクロマトグラフ装置12は、カラムオーブン22、試料導入部24、カラム26及び検出器28を備え、これらは、筐体20内に設けられる。試料導入部24、カラム26及び検出器28については、具体的に、カラムオーブン22に設けられる。
【0018】
試料導入部24は、キャリアガス及び試料ガスをカラム26に導入するための試料導入ユニット(SPL)である。試料導入部24には、試料が供給されるが、その試料は液体であってもよいし、気体であってもよい。すなわち、試料導入部24には、液体試料又は試料ガスが供給される。試料導入部24に液体試料が供給される場合は、その液体試料が気化され、試料ガスとしてカラム26に導入される。
【0019】
また、試料導入部24内には、ガス供給流路30及びスプリット流路32が連通している。ガス供給流路30は、試料導入部24内にキャリアガスを供給するための流路である。また、ガス供給流路30には、電気的に制御可能なバルブ34が設けられ、キャリアガスの供給の停止を適宜に行うことができる。
【0020】
スプリット流路32は、スプリット導入法によりカラム26内にキャリアガス及び試料ガスを導入する際に、試料導入部24内のガス(キャリアガス及び試料ガスの混合ガス)の一部を所定のスプリット比で外部に排出するための流路である。
【0021】
検出器28は、カラム26によって分離された各種成分を順次検出するために設けられる。検出器28は、例えば、水素炎イオン化検出器(FID)により構成される。
【0022】
また、カラムオーブン22外には、給気口36及び排気口38を開閉する開閉機構40が設けられる。開閉機構40には、給気口36を開閉する給気フラップ42及び排気口38を開閉する排気フラップ44が含まれる。さらに、カラムオーブン22内には、ファン46、ヒータ48及び温度センサ50が設けられる。
【0023】
カラムオーブン22内を加熱する際は、給気フラップ42及び排気フラップ44は閉状態とされ、ファン46の回転及びヒータ48の発熱が行われる。ヒータ48により加熱された空気は、カラムオーブン22内を循環するため、カラムオーブン22内が加熱される。また、これに併せて試料導入部24、カラム26及び検出器28も同様に加熱される。
【0024】
カラムオーブン22内を冷却する際は、給気フラップ42及び排気フラップ44は開状態とされ、ファン46の回転が行われる。給気口36から取り込まれた空気がカラムオーブン22内を循環し、その空気が排気口38から排出されることで、カラムオーブン22は冷却される。また、これに併せて試料導入部24、カラム26及び検出器28も同様に冷却される。
【0025】
温度センサ50は、汎用の温度センサであり、カラムオーブン22内の温度をモニタリングするために設けられる。
【0026】
さらに、本実施形態では、ガスクロマトグラフ装置12の筐体20、具体的には、筐体20の外側には、第一操作受付部52、第二操作受付部54及び報知部56が設けられる。
【0027】
第一操作受付部52は、ガスクロマトグラフ装置12の保守に係る所定の操作を受け付けるために設けられる。第一操作受付部52は、ボタンとしての役割を担うのであれば特に限定されない。
【0028】
第一操作受付部52としては、たとえば、機械式のボタン、感圧式のボタン又は静電容量式のボタン等を用いることができる。また、第一操作受付部52としては、ソフトウェア的に再現されたボタンを表示するタッチパネルディスプレイが用いられても良い。
【0029】
第二操作受付部54は、第一操作受付部52と同様に、ガスクロマトグラフ装置12の保守に係る所定の操作を受け付けるために設けられ、ボタンとしての役割を担うのであれば特に限定されない。
【0030】
報知部56は、ガスクロマトグラフ装置12の保守の進行状況を報知するために設けられる。ガスクロマトグラフ装置12の保守の進行状況を視覚的に報知する場合、報知部56としては、LED(light emitting diode)又はディスプレイ等の発光部材を用いることができる。
【0031】
また、ガスクロマトグラフ装置12の保守の進行状況を聴覚的に報知する場合、報知部56としては、スピーカ等の発音部材を用いることができる。さらに、この場合、報知部56は、筐体20内に設けられても良い。なお、ガスクロマトグラフ装置12の保守の進行状況の報知が可能であれば、報知部56は特に限定されない。
【0032】
図3は、本実施形態の試料導入部24の構造の一例を示す概略断面図である。試料導入部24の本体60は、中空状に形成されることにより、内部に試料気化室62が形成されている。図3に示す例では、本体60が第一本体60a及び第二本体60bに分割されている。
【0033】
ガス供給流路30は、第一本体60aから試料気化室62に連通し、スプリット流路32は第二本体60bから試料気化室62に連通している。本体60内には、例えば円筒形状からなるガラス製のインサート64が、円環形状のシールリング66により保持された状態で配置される。
【0034】
第一本体60aと第二本体60bとは、第一本体60aが挿通されているシールキャップ68が第二本体60bに締め付けられることで連結される。インサート64の交換などは、シールキャップ68を取り外して試料気化室62を開放することにより可能とされる。
【0035】
カラム26は、そのカラム26が挿通されているカラムキャップ70が第二本体60bにおける第一本体60a側とは反対側の端部に締め付けられることにより、本体60に取り付けられる。カラム26が本体60に取り付けられているとき、そのカラム26は、試料気化室62内、具体的には、インサート64内に配置された状態で保持される。
【0036】
このようなカラムキャップ70は、検出器28にも設けられており、当該カラムキャップ70を取り外すことにより、カラム26や検出器28の交換が可能とされる。
【0037】
試料は、ニードル72を介して試料導入部24に供給される。ニードル72は、セプタムキャップ76の開口を介してセプタム74に挿し込まれる。ニードル72はセプタム74を貫通し、そのニードル72の先端から試料が供給される。
【0038】
なお、試料の供給に伴いセプタム74に形成された孔は、セプタム74の弾力性により、閉塞される。また、セプタムキャップ76は、本体60に対して着脱可能であるため、セプタムキャップ76を取り外すことにより、セプタム74の交換が可能とされる。
【0039】
3.ガスクロマトグラフ装置の電気的構成
図4は、本実施形態のガスクロマトグラフ装置12の電気的構成の一例を示すブロック図である。ガスクロマトグラフ装置12は、検出器28及びバルブ34等以外に通信部80及び制御部100等を備える。
【0040】
また、制御部100、検出器28、バルブ34、開閉機構40、ファン46、ヒータ48、温度センサ50、第一操作受付部52、第二操作受付部54、報知部56及び通信部80の各々は、バス等の回路82を介して、互いに電気的に接続される。
【0041】
通信部80は、通信モジュールないしネットワーク16に有線又は無線で接続するための通信回路を含み、制御部100の指示により、外部と直接又はネットワーク16を介して通信を行う。
【0042】
なお、通信部80は、外部記憶媒体と通信可能であっても良い。ここでの外部記憶媒体には、たとえば、USB(Universal Serial Bus)メモリ又はSD(Secure Digital)メモリカード等の半導体メディア、CD(Compact Disc)又はDVD(Digital Versatile Disc)などの光ディスクメディアが挙げられる。
【0043】
制御部100は、ガスクロマトグラフ装置12の全体的な制御を担う。制御部100は、CPU(Central Processing Unit)102を備える。また、制御部100は、CPU102が直接的にアクセス可能なRAM(Random Access Memory)104及び記憶部106を備える。
【0044】
RAM104は、CPU102のワーク領域及びバッファ領域として用いられる。記憶部106は、不揮発性メモリであり、たとえば、記憶部106としてHDD(Hard Disc Drive)又はSSD(Solid State Drive)等が用いられる。
【0045】
記憶部106には、ガスクロマトグラフ装置12を制御するための制御プログラム及び制御プログラムの実行に必要とされるデータ(実行用データ)等が記憶される。なお、記憶部106がRAM104を含むように構成されてもよい。
【0046】
4.保守モードについて
本実施形態のガスクロマトグラフ装置12は、筐体20に設けられた部品に対する複数の保守モードを設定可能である。筐体20に設けられた部品は、具体的に、保守対象の部品(保守部品)を指し、保守部品には、試料導入部24、カラム26又は検出器28等が挙げられる。
【0047】
複数の保守モードのうちのいずれか一つは、デフォルトの保守モードに設定される。デフォルトの保守モードは、外部からの入力に応じて設定される。たとえば、設定端末18が操作されることで、デフォルトの保守モードが設定される。デフォルトの保守モードとは、保守を行う前に事前に設定される保守モードである。
【0048】
また、たとえば、ユーザ端末14が操作されることでデフォルトの保守モードが設定されてもよい。さらに、通信部80と外部記憶媒体とが通信可能に接続された際に、外部記憶媒体から設定情報が取得されることで、デフォルトの保守モードが設定されてもよい。
【0049】
複数の保守モードのそれぞれについては、対応する保守シーケンスが存在する。保守シーケンスについては、保守部品を冷却する冷却処理及びキャリアガスの供給を停止するガス停止処理が含まれる。デフォルトの保守モードに対応する保守シーケンス(デフォルトシーケンス)は、進行又は進行のキャンセルを任意のタイミングで行うことができる。
【0050】
本実施形態では、第一操作受付部52は、具体的に、進行操作を受け付ける。進行操作とは、デフォルトシーケンスを進行させるための操作である。デフォルトシーケンスは、進行操作が第一操作受付部52で受け付けられるたびに、段階的に進行される。
【0051】
進行操作には、指を第一操作受付部52に近づける動作が少なくとも含まれる。たとえば、第一操作受付部52として、静電容量式のボタン又はタッチパネルディスプレイ等が用いられる場合、進行操作には、指を第一操作受付部52に近づける動作だけが含まれても良いし、それに加えて、指を第一操作受付部52に触れる動作が含まれても良い。また、第一操作受付部52として、機械式のボタン又は感圧式のボタン等が用いられる場合、進行操作は、指を第一操作受付部52に近づける動作、指を第一操作受付部52に触れる動作及び指で第一操作受付部52を押圧する動作が含まれる。
【0052】
本実施形態では、第二操作受付部54は、具体的に、キャンセル操作を受け付ける。キャンセル操作とは、デフォルトシーケンスの進行をキャンセルするための操作である。また、第二操作受付部54は、第一操作受付部52と同様の構成であるため、キャンセル操作についても進行操作と同様の操作により行うことができる。
【0053】
第一操作受付部52については、複数の保守モードのうちのいずれがデフォルトの保守モードに設定された場合でも共通に用いられる。すなわち、複数の保守モードが、それぞれ異なる第一操作受付部52の操作により進行するのではなく、共通の第一操作受付部52の操作により進行する。ただし、各保守モードに対応する保守シーケンスにおいて、段階的に進行される処理の数は異なる場合があるため、デフォルトシーケンスとして設定される保守シーケンスに応じて、当該デフォルトシーケンスが終了するまでに第一操作受付部52が操作される回数は異なる場合がある。
【0054】
また、本実施形態における報知部56は、具体的に、デフォルトシーケンスの進行状況を報知する。デフォルトシーケンスの進行状況については、段階的に進行される複数の処理のそれぞれが識別可能に報知される。
【0055】
たとえば、デフォルトシーケンスの進行状況を聴覚的に報知するのであれば、報知部56からその進行状況に応じた単なる音が発せられてもよいし、音声メッセージが発せられてもよい。また、たとえば、デフォルトシーケンスの進行状況を視覚的に報知するのであれば、報知部56からその進行状況に応じた色の光が発せられてもよいし、報知部56の発光パターンをその進行状況に応じて変化させてもよいし、報知部56で進行状況に応じたメッセージを表示するようにしてもよい。
【0056】
複数の保守モードには、進行操作を第一操作受付部52で受け付けることでキャリアガスの供給を停止する保守モード(手動停止モード)と、進行操作を第一操作受付部52で受け付けることなく自動でキャリアガスの供給を停止する保守モード(自動停止モード)とが含まれる。以下、手動停止モードがデフォルトの保守モードに設定された場合を例に挙げて、一連の流れについて説明する。
【0057】
第一操作受付部52で進行操作が受け付けられ、デフォルトシーケンスが開始されると、保守部品を冷却する冷却処理が実行される。本実施形態では、冷却処理が実行されると、開閉機構40及びファン46等が適宜に制御され、試料導入部24、カラム26及び検出器28が冷却される。
【0058】
保守部品の冷却が完了すると、次の進行操作の受け付けが可能である旨が報知部56により報知される。保守部品の冷却が完了したかどうかの判断は、温度センサ50の検知温度に基づいて行われる。なお、保守部品の冷却方法については、特に限定されてない。また、保守部品の冷却が完了したか否かの判断方法についても、特に限定されない。
【0059】
次の進行操作が第一操作受付部52で受け付けられると、ガス停止処理が実行される。本実施形態では、ガス停止処理が実行されると、バルブ34が開状態から閉状態に切り替わり、キャリアガスの供給が停止される。これに併せて、報知部56は、保守部品の交換が可能である旨を報知する。なお、保守部品の交換は、保守部品自体の交換及び保守部品を構成する一部の部材の交換を指す。
【0060】
保守部品の交換が完了され、さらに次の進行操作が第一操作受付部52で受け付けられると、デフォルトシーケンスが終了され、ガスクロマトグラフ装置12はデフォルトシーケンスが開始される前の状態に戻る。
【0061】
自動停止モードに対応する保守シーケンスは、手動停止モードに対応する保守シーケンスと一部の処理を除き同様である。手動停止モードとは異なる点として、自動停止モードがデフォルトの保守モードに設定された場合、デフォルトシーケンスが開始されると、冷却処理の実行後、第一操作受付部52で進行操作を受け付けることなく、ガス停止処理が実行される。
【0062】
本実施形態では、デフォルトシーケンス中にキャンセル操作が第二操作受付部54で受け付けられると、そのデフォルトシーケンスの進行がキャンセルされ、ガスクロマトグラフ装置12は、そのデフォルトシーケンスが開始される前の状態に戻る。
【0063】
したがって、本実施形態では、デフォルトシーケンス中にキャンセル操作が第二操作受付部54で受け付けられると、そのデフォルトシーケンスの進行がキャンセルされ、続いて進行操作が第一操作受付部52で受け付けられると、そのデフォルトシーケンスが最初から開始される。ただし、冷却処理が実行された後において、キャンセル操作が第二操作受付部54で受け付けられるとき、そのキャンセル操作は無効にされる。
【0064】
また、本実施形態では、デフォルトシーケンスが終了したことに応じて、ガス漏れの有無が判断されてもよい。デフォルトシーケンスが終了すると、バルブ34が閉状態から開状態に切り替わり、キャリアガスの供給が開始され、ガス漏れの有無が判断される。ガス漏れの有無の判断については、気圧センサ(図示は省略)を用いて行われるが、その方法は特に限定されない。
【0065】
ガス漏れが検出された場合は、デフォルトシーケンスが途中から開始される。手動停止モードがデフォルトの保守モードに設定されている場合は、冷却処理の実行直後、すなわち、ガス停止処理が実行される前から開始され、進行操作が第一操作受付部52で受け付けられることによりガス停止処理が実行される。自動停止モードがデフォルトの保守モードに設定されている場合は、ガス停止処理の実行直後から開始される。また、ガス漏れが検出された場合は、その旨が報知部56により報知されてもよい。
【0066】
さらに、本実施形態では、ガスクロマトグラフ装置12の筐体20に第一操作受付部52が一つだけ設けられる場合を例に挙げたが、この第一操作受付部52は、複数設けられても良い。ガスクロマトグラフ装置12の筐体20に複数の第一操作受付部52が設けられるのであれば、各第一操作受付部52は、互いに異なるタイミングで進行操作を受け付ける。
【0067】
また、本実施形態では、検出器28として、質量分析装置のような減圧を要する検出器が用いられる場合、キャリアガスの供給が停止されたことによる悪影響を抑制するため、キャリアガスの供給が停止される時間は、短い方が好ましい。したがって、このような場合、保守部品の交換の直前にキャリアガスの供給を停止することができる手動停止モードをデフォルトの保守モードに設定するのが好ましい。
【0068】
さらにまた、本実施形態では、デフォルトシーケンスが開始される際、外気等により保守部品が既に冷却されている場合、冷却処理の実行が省略されてもよい。保守部品が既に冷却されているかどうかの判断は、温度センサ50の検知温度に基づいて行われる。なお、保守部品の冷却が完了したか否かの判断方法は、特に限定されない。
【0069】
また、本実施形態のガスクロマトグラフ装置12は、質量分析装置(図示は省略)と互いに接続することが可能であり、これにより、カラム26で分離される各種成分をその質量分析装置に導入することが可能とされる。
【0070】
ガスクロマトグラフ装置12及び上記質量分析装置のそれぞれには、互いに電気的に接続するための接続コネクタが設けられる。そのため、ガスクロマトグラフ装置12では、接続コネクタを介する信号の有無に基づいて、質量分析装置の接続の有無を判断することができる。
【0071】
したがって、ガスクロマトグラフ装置12が質量分析装置に対して接続されている場合は、手動停止モードがデフォルトの保守モードに設定され、ガスクロマトグラフ装置12が質量分析装置に対して分離されている場合は、自動停止モードがデフォルトの保守モードに設定されるようにしてもよい。
【0072】
また、本実施形態では、デフォルトシーケンスの進行又は進行のキャンセルは、ユーザ端末14にインストールされているソフトウェア上でも可能とされる。
【0073】
5.ガスクロマトグラフ装置の電気的構成の具体例
図5は、本実施形態のガスクロマトグラフ装置12の電気的構成の具体例を示す機能ブロック図である。なお、図5では、RAM104等の図示は省略する。
【0074】
記憶部106には、設定データ108、シーケンスデータ110及び報知用データ112等が記憶される。設定データ108は、ガスクロマトグラフ装置12に関する設定項目の設定を示すデータである。設定データ108には、少なくともデフォルトの保守モードの設定を示すデータが含まれる。
【0075】
シーケンスデータ110は、保守モードに対応する保守シーケンスを示すデータである。本実施形態のガスクロマトグラフ装置12は、複数の保守モードを設定可能であるため、記憶部106には、複数のシーケンスデータ110が記憶される。ただし、複数のシーケンスデータ110が記憶部106に記憶されるのではなく、複数の保守モードの中から選択されたデフォルトの保守モードに対応する保守シーケンスが、記憶部106に記憶されてもよい。
【0076】
報知用データ112は、デフォルトシーケンスの進行状況を報知する際に用いられるデータである。報知用データ112としては、たとえば、音声データ、ランプの発光パターンを示すデータ、メッセージを示すデータが用いられる。
【0077】
制御部100は、CPU102(図4参照)がプログラムを実行することにより、設定処理部114、保守処理部116及び報知処理部118等として機能する。
【0078】
設定処理部114は、通信部80を介する外部からの入力に応じて、複数の保守モードのうちのいずれか一つをデフォルトの保守モードに設定する。
【0079】
保守処理部116は、進行操作が第一操作受付部52で受け付けられるたびに、デフォルトシーケンスを段階的に進行させる。
【0080】
また、保守処理部116は、デフォルトシーケンス中にキャンセル操作が第二操作受付部54で受け付けられると、そのデフォルトシーケンスの進行をキャンセルし、続いて進行操作が第一操作受付部52で受け付けられると、そのデフォルトシーケンスを最初から開始する。
【0081】
さらに、保守処理部116は、冷却処理後にキャンセル操作が第二操作受付部54で受け付けられるとき、そのキャンセル操作を無効にする。
【0082】
なお、保守処理部116は、冷却処理及びガス停止処理等の実行に伴い、バルブ34、開閉機構40、ファン46及びヒータ48等を制御する。
【0083】
報知処理部118は、デフォルトシーケンスの進行状況を、報知部56を用いて報知する。
【0084】
6.フロー
図6は、本実施形態のガスクロマトグラフ装置12の進行動作の一例を示すフロー図である。ここでの進行動作は、デフォルトシーケンスの進行に係るガスクロマトグラフ装置12の動作である。また、図6は、手動停止モードがデフォルトの保守モードに設定されている場合のガスクロマトグラフ装置12の進行動作を示す。
【0085】
進行操作を第一操作受付部52で受け付けると、進行動作が開始され、ステップS1では、冷却処理を実行する。ステップS2では、次の進行操作の受け付けが可能である旨を報知部56で報知する。
【0086】
ステップS3では、進行操作を第一操作受付部52で受け付けたかどうかを判断する。ステップS3で“NO”であれば、つまり、進行操作を第一操作受付部52で受け付けていないのであれば、ステップS2に戻り、報知部56による報知が継続される。一方で、ステップS2で“YES”であれば、つまり、進行操作を第一操作受付部52で受け付けたのであれば、ステップS4でガス停止処理を実行し、ステップS5に進む。
【0087】
ステップS5では、保守部品の交換が可能である旨を報知部56で報知し、ステップS6に進む。
【0088】
ステップS6では、進行操作を第一操作受付部52で受け付けたかどうかを判断する。ステップS6で“NO”であれば、つまり、進行操作を第一操作受付部52で受け付けていないのであれば、ステップS5に戻り、報知部56による報知が継続される。一方で、ステップS6で“YES”であれば、つまり、進行操作を第一操作受付部52で受け付けたのであれば、進行動作を終了する。
【0089】
なお、自動停止モードがデフォルトの保守モードに設定されているのであれば、ステップS2、ステップS3については、省略される。
【0090】
図7は、本実施形態のガスクロマトグラフ装置12のキャンセル動作の一例を示すフロー図である。ここでのキャンセル動作は、デフォルトシーケンスの進行のキャンセルに係るガスクロマトグラフ装置12の動作である。
【0091】
デフォルトシーケンスの進行中は、ステップS10で、キャンセル操作を第二操作受付部54で受け付けたかどうかを判断する。ステップS10で“NO”であれば、つまり、キャンセル操作を第二操作受付部54で受け付けていないのであれば、ステップS14に進む。一方で、ステップS10で“YES”であれば、つまり、キャンセル操作を第二操作受付部54で受け付けたのであれば、ステップS11に進む。
【0092】
ステップS11では、冷却処理前かどうかを判断する。ステップS11で“NO”であれば、つまり、冷却処理後であれば、ステップS13に進む。一方で、ステップS11で“YES”であれば、つまり、冷却処理前であれば、ステップS12に進む。
【0093】
ステップS12では、デフォルトシーケンスの進行をキャンセルする。つまり、図6に示すようなフローの進行がキャンセルされる。ステップS12でデフォルトシーケンスの進行がキャンセルされると、キャンセル動作が終了する。
【0094】
ステップS13では、キャンセル操作を無効にし、ステップS14では、デフォルトシーケンスが終了したかどうかを判断する。ステップS14で“NO”であれば、つまり、デフォルトシーケンスが終了していないのであれば、ステップS10に戻る。一方で、ステップS14で“YES”であれば、つまり、デフォルトシーケンスが終了したのであれば、キャンセル動作を終了する。
【0095】
なお、本実施形態で挙げた具体的な構成等は一例であり、実際の製品に応じて適宜変更することが可能である。さらに、本実施形態で示したフロー図の各ステップは、同じ結果が得られるのであれば、処理される順番は適宜変更することが可能である。
【0096】
7.態様
上述した複数の例示的な実施形態は、以下の態様の具体例であることが当業者により理解される。
【0097】
(第1項)一態様に係るガスクロマトグラフ装置は、
筐体に設けられた部品に対する複数の保守モードを設定可能なガスクロマトグラフ装置であって、
外部と通信する通信部と、
前記通信部を介する外部からの入力に応じて、前記複数の保守モードのうちのいずれか一つをデフォルトの保守モードに設定する設定処理部と、
前記筐体に設けられ、前記デフォルトの保守モードに対応する保守シーケンスを進行させるための進行操作を受け付ける第一操作受付部と、
前記進行操作が前記第一操作受付部で受け付けられるたびに、前記保守シーケンスを段階的に進行させる保守処理部とを備え、
前記第一操作受付部は、前記複数の保守モードのうちのいずれが前記デフォルトの保守モードに設定された場合でも共通に用いられてもよい。
【0098】
第1項に記載のガスクロマトグラフ装置によれば、複数の保守モードのうちのいずれか一つをデフォルトの保守モードに事前に設定することができる。また、保守モードの設定後は、複数の保守モードで共通に用いられる第一操作受付部を用いた進行操作により、保守シーケンスを段階的に進行させることができるため、装置本体に対する簡単な操作で部品の保守を進めることができる。
【0099】
(第2項)第1項に記載のガスクロマトグラフ装置において、
前記保守シーケンスの進行状況を報知する報知処理部をさらに備えてもよい。
【0100】
第2項に記載のガスクロマトグラフ装置によれば、保守シーケンスの進行状況を報知に基づいて確認しながら、部品の保守を確実に進めることができる。
【0101】
(第3項)第1項又は第2項に記載のガスクロマトグラフ装置において、
前記複数の保守モードには、前記進行操作を前記第一操作受付部で受け付けることでガスの供給を停止する保守モードと、前記進行操作を前記第一操作受付部で受け付けることなく自動でガスの供給を停止する保守モードとが含まれてもよい。
【0102】
第3項に記載のガスクロマトグラフ装置によれば、ガスクロマトグラフ装置の部品を保守する際に、デフォルトの保守モードとして設定された保守モードに応じて、キャリアガスの供給が手動又は自動で停止される。したがって、ガスクロマトグラフ装置を構成する部品やガスクロマトグラフ装置に接続される装置の特性に合わせて保守モードを選択することにより、最適な保守モードをデフォルトの保守モードとして設定することができる。
【0103】
(第4項)第1項から第3項のいずれか一項に記載のガスクロマトグラフ装置において、
前記筐体には、前記第一操作受付部が一つだけ設けられてもよい。
【0104】
第4項に記載のガスクロマトグラフ装置によれば、保守シーケンスが一つの第一操作受付部に対する進行操作で進められるため、装置本体に対するより簡単な操作で部品の保守を進めることができる。また、このことから、ガスクロマトグラフ装置の保守に不慣れな者でも簡単に保守シーケンスを進めることができる。
【0105】
(第5項)第1項から第4項のいずれか一項に記載のガスクロマトグラフ装置において、
前記筐体に設けられ、前記保守シーケンスの進行をキャンセルするためのキャンセル操作を受け付ける第二操作受付部をさらに備えてもよい。
【0106】
第5項に記載のガスクロマトグラフ装置によれば、必要に応じて第二操作受付部を操作することにより、保守シーケンスの進行をキャンセルすることができる。
【0107】
(第6項)第5項に記載のガスクロマトグラフ装置において、
前記保守処理部は、前記保守シーケンス中に前記キャンセル操作が前記第二操作受付部で受け付けられると、当該保守シーケンスの進行をキャンセルし、続いて前記進行操作が前記第一操作受付部で受け付けられると、前記保守シーケンスを最初から開始してもよい。
【0108】
第6項に記載のガスクロマトグラフ装置によれば、保守シーケンスの進行をキャンセルした後に、その保守シーケンスを最初から開始することができる。
【0109】
(第7項)第6項に記載のガスクロマトグラフ装置において、
前記保守シーケンスには、前記部品を冷却する冷却処理が含まれ、
前記保守処理部は、前記冷却処理後に前記キャンセル操作が前記第二操作受付部で受け付けられるとき、そのキャンセル操作を無効にしてもよい。
【0110】
第7項に記載のガスクロマトグラフ装置によれば、冷却処理の実行後に保守シーケンスが誤ってキャンセルされるのを防止することができる。言い換えると、保守シーケンスの誤ったキャンセルに伴う、繰り返しの冷却処理の実行を防止することができる。
【0111】
(第8項)第1項から第7項のいずれか一項に記載のガスクロマトグラフ装置において、
前記部品は、試料導入部、カラム又は検出器であってもよい。
【0112】
第8項に記載のガスクロマトグラフ装置によれば、試料導入部、検出器又はカラムの保守を装置本体に対する簡単な操作で進めることができる。
【符号の説明】
【0113】
12 ガスクロマトグラフ装置
20 筐体
24 試料導入部
26 カラム
28 検出器
52 第一操作受付部
54 第二操作受付部
80 通信部
114 設定処理部
116 保守処理部
118 報知処理部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7