特開 2023-137347 バルーンカテーテルおよびバルーンの形状付け方法

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】公開特許公報(A)

(11)【公開番号】P2023137347

(43)【公開日】2023-09-29

(54)【発明の名称】バルーンカテーテルおよびバルーンの形状付け方法

(51)【国際特許分類】

   A61M 25/10 20130101AFI20230922BHJP

【ＦＩ】

A61M25/10 512

A61M25/10 510

A61M25/10 502

【審査請求】未請求

【請求項の数】9

【出願形態】ＯＬ

(21)【出願番号】P 2022043513

(22)【出願日】2022-03-18

(71)【出願人】

【識別番号】000109543

【氏名又は名称】テルモ株式会社

(74)【代理人】

【識別番号】110000671

【氏名又は名称】ＩＢＣ一番町弁理士法人

(72)【発明者】

【氏名】濃沼 直貴

【テーマコード（参考）】

4C267

【Ｆターム（参考）】

4C267AA05

4C267AA07

4C267AA28

4C267BB12

4C267BB28

4C267BB40

4C267CC09

4C267CC20

4C267CC21

4C267CC22

4C267CC26

4C267FF10

4C267HH02

(57)【要約】

【課題】バルーンを複数回に亘って拡縮操作しても拡縮操作前のプロファイルまで収縮可能なバルーンカテーテルを提供する。
【解決手段】バルーンカテーテル１００のバルーン１４０は、周方向に形成される本体部１４５と、本体部に連続して、本体部に巻回される羽根部１５０と、を有する。また、本体部および羽根部の間に位置する谷部１５１における膜厚Ｗ１は、羽根部の頂点部１５２における膜厚Ｗ２よりも厚い。
【選択図】図２Ｂ

【特許請求の範囲】

【請求項1】

長尺のシャフトと、
前記シャフトに接続されたバルーンと、を有し、
前記バルーンは、
周方向に形成される本体部と、
前記本体部に連続して、前記本体部に巻回される羽根部と、を有し、
前記本体部および前記羽根部の間に位置する谷部における膜厚は、前記羽根部の頂点部における膜厚よりも厚い、バルーンカテーテル。

【請求項2】

前記本体部および前記羽根部の間に位置する前記谷部における硬度は、前記羽根部の前記頂点部における硬度よりも高い、請求項１に記載のバルーンカテーテル。

【請求項3】

バルーンカテーテルに用いられるバルーンの形状付けを行う形状付け方法であって、
金型を所定の形状付け温度まで加熱する加熱工程と、
加熱された前記金型を閉じて、前記金型の凸部を前記バルーンに接触させ、予め決められた時間、前記金型の移動を停止する接触工程と、
前記接触工程で停止した前記金型を移動し、前記金型を閉じて、前記バルーンに形状付けを行う形状付け工程と、を有する、形状付け方法。

【請求項4】

前記形状付け工程を行う際に、前記バルーンを０．５～４．０ＭＰａで加圧した状態で形状付けを行う、請求項３に記載の形状付け方法。

【請求項5】

前記接触工程を行う際に、前記バルーンを０．５～４．０ＭＰａで加圧した状態で、前記金型の前記凸部を前記バルーンに接触させる、請求項３に記載の形状付け方法。

【請求項6】

前記接触工程の前に、前記バルーンを０．１～０．２ＭＰａで加圧する予備加圧工程をさらに有する、請求項３～５のいずれか１項に記載の形状付け方法。

【請求項7】

前記加熱工程において、前記金型を９０～１４０度まで加熱する、請求項３～６のいずれか１項に記載の形状付け方法。

【請求項8】

前記形状付け工程において、３０秒～２４０秒だけ前記バルーンに熱を加える、請求項３～７のいずれか１項に記載の形状付け方法。

【請求項9】

前記接触工程において、前記金型の移動を停止する時間は５～２０秒である、請求項３～８のいずれか１項に記載の形状付け方法。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、バルーンカテーテルおよびバルーンの形状付け方法に関する。

【背景技術】

【0002】

医療分野において、生体管腔内に形成された病変部（狭窄部など）を拡張させる手技に用いられるバルーンカテーテルが広く知られている。バルーンカテーテルは、長尺なシャフトと、シャフトの先端側に設けられて径方向に拡張可能なバルーンとを備え、収縮されているバルーンを、細い生体管腔を経由して病変部まで到達させた後に拡張させて病変部を押し広げることができる。

【0003】

下記特許文献１には、一般的なバルーンカテーテルの製造方法が開示されている。バルーンは、予め管状パリソンを延伸ブロー成形で予備成形しておき、この予備成形したバルーンを膨張させる工程と、バルーンの膨張収縮部の周囲に配置された複数の押圧部材により膨張収縮部を径方向内側の所定位置まで移動させて押し潰すことで膨張収縮部の一部に羽根部を形成する工程と、を含んでいる。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0004】

【特許文献1】特開２０１３－５６０７０号公報

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0005】

バルーンカテーテルを使用した手技では、生体管腔内で一度拡張した後に収縮させ、異なる位置の病変部まで移動させた後に再度拡張させるなど、バルーンを複数回に亘って拡縮操作することがある。

【0006】

しかし、バルーンは、折り畳んだ状態から拡張した状態へ、または拡張した状態から折り畳んだ状態へと変形が繰り返し行われると、収縮して折り畳んだ際に、バルーンが拡張前のプロファイルまで小径化され難くなることがある。そのため、バルーンカテーテルは、バルーン通過性（リクロス性）が低下することがある。

【0007】

本発明は、上記課題の解決を図るものであり、バルーンを複数回に亘って拡縮操作しても拡縮操作前のプロファイルまで収縮可能なバルーンカテーテルおよびバルーンの形状付け方法を提供することを目的とする。

【課題を解決するための手段】

【0008】

上記目的を達成する本発明に係るバルーンカテーテルは、長尺のシャフトと、前記シャフトに接続されたバルーンと、を有し、前記バルーンは、周方向に形成される本体部と、前記本体部に連続して、前記本体部に巻回される羽根部と、を有する。また、前記本体部および前記羽根部の間に位置する谷部における膜厚は、前記羽根部の頂点部における膜厚よりも厚い。

【0009】

また、上記目的を達成する本発明に係るバルーンの形状付け方法は、バルーンカテーテルに用いられるバルーン単体の形状付けを行う形状付け方法である。バルーンの形状付け方法は、金型を所定の形状付け温度まで加熱する加熱工程と、加熱された前記金型を閉じて、前記金型の凸部を前記バルーンに接触させ、予め決められた時間、前記金型の移動を停止する接触工程と、前記接触工程で停止した前記金型を移動し、前記金型を閉じて前記バルーンに形状付けを行う形状付け工程と、を有する。

【発明の効果】

【0010】

上述のバルーンカテーテルによれば、本体部および羽根部の間に位置する谷部に形状を強くつけることによって、バルーンを複数回に亘って拡縮操作してもバルーンの羽根部の形状が取れにくくなる。したがって、バルーンを複数回に亘って拡縮操作しても拡縮操作前のプロファイルまで収縮可能なバルーンカテーテルを提供することができる。

【0011】

また、上述の形状付け方法によれば、所定の温度まで加熱された金型の凸部がバルーンに接触することによって、凸部が接触した箇所に折り目が強く形成される。このため、バルーンを複数回に亘って拡縮操作してもバルーンの羽根部の形状が取れにくくなる。したがって、バルーンを複数回に亘って拡縮操作しても拡縮操作前のプロファイルまで収縮可能なバルーンの製造方法を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【0012】

【図1】本実施形態に係るバルーンカテーテルの概略構成図である。

【図2A】本実施形態に係るバルーンカテーテルの先端部周辺の断面図である。

【図2B】本実施形態に係るバルーンの軸直交断面図である。

【図3A】本実施形態に係るバルーンの形状付け方法を実施する形状付けシステムの機能ブロック図である。

【図3B】本実施形態に係る形状付け方法で用いる形状付け装置の概略構成図である。

【図4A】金型開放時における形状付け装置の部分拡大図である。

【図4B】接触工程終了時における形状付け装置の部分拡大図である。

【図4C】閉塞工程終了時における形状付け装置の部分拡大図である。

【図5】本実施形態に係る形状付け方法の工程順序を示すフローチャートである。

【図6】本実施形態に係る形状付け方法の形状付け工程において実施される処理手順を示すフローチャートである。

【図7】本実施形態に係るバルーンの形状付け方法のタイミングチャートである。

【発明を実施するための形態】

【0013】

以下、添付した図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。なお、以下の記載は特許請求の範囲に記載される技術的範囲や用語の意義を限定するものではない。また、図面の寸法比率は説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。

【0014】

まず、図１、図２Ａ、および図２Ｂを参照して、本実施形態に係るバルーン１４０の形状付け方法で形状付けされるバルーン１４０を備えたバルーンカテーテル１００の構成について説明する。

【0015】

図１は、本実施形態に係るバルーンカテーテル１００の概略構成図である。図２Ａは、本実施形態に係るバルーンカテーテル１００の先端部周辺の断面図である。図２Ｂは、本実施形態に係るバルーン１４０の軸直交断面図である。

【0016】

バルーンカテーテル１００は、図１、図２Ａ、図２Ｂに示すように、シャフト１１０の先端側に配置されたバルーン１４０を生体管腔に形成された狭窄部などの病変部において拡張させることにより、病変部を押し広げて治療する医療デバイスである。

【0017】

バルーンカテーテル１００は、例えば、冠動脈の狭窄部を広げるために使用されるＰＴＣＡ拡張用バルーンカテーテルとして構成することができる。但し、バルーンカテーテル１００は、例えば、他の血管、胆管、気管、食道、その他消化管、尿道、耳鼻内腔、その他の臓器などの生体器官内に形成された狭窄部の治療および改善を目的として使用されるものとして構成することも可能である。

【0018】

以下の説明において、バルーン１４０を配置した側をバルーンカテーテル１００の「先端側」とし、ハブ１６０を配置した側をバルーンカテーテル１００の「基端側」とし、シャフト１１０が延伸する方向を「軸方向」とする。また、「先端部」とは、特に言及しない限り、先端（最先端）およびその周辺を含む一定の範囲を意味し、「基端部」とは、基端（最基端）およびその周辺を含む一定の範囲を意味する。

【0019】

バルーンカテーテル１００は、シャフト１１０の先端部側寄りにガイドワイヤＧが導出されるガイドワイヤポート１１１が設けられた、いわゆる「ラピッドエクスチェンジ型のカテーテルデバイス」として構成している。なお、バルーンカテーテル１００は、ガイドワイヤルーメン１２１がシャフト１１０の先端から基端に亘って延在するように形成された、いわゆる「オーバーザワイヤ型のカテーテルデバイス」として構成することもできる。

【0020】

バルーンカテーテル１００は、図１、図２Ａに示すように、軸方向に延在するシャフト１１０と、シャフト１１０の先端に設けられるバルーン１４０と、シャフト１１０の基端に設けられるハブ１６０と、を有する。

【0021】

シャフト１１０は、図１、図２Ａに示すように、ガイドワイヤＧが挿通されるガイドワイヤルーメン１２１が形成された内管１２０と、内管１２０との間に加圧媒体が流通可能な加圧媒体ルーメン１３１を形成する外管１３０と、を有する。シャフト１１０は、内管１２０が外管１３０に内挿されることにより、内管１２０および外管１３０が同心状に配置された二重管構造を有する。

【0022】

内管１２０の先端部には、溶着などの公知の方法によって、バルーン１４０が液密・気密に接合されている。図２Ａに示すように、バルーン１４０の先端部は内管１２０に接合されており、バルーン１４０の基端部は外管１３０に接合されている。

【0023】

バルーン１４０は、図２Ａに示すように、内管１２０との間に加圧媒体が流入可能な空間部１４１を有する。バルーン１４０は、空間部１４１内に加圧媒体が流入されると拡張する。バルーンカテーテル１００は、バルーン１４０が拡張した際、一部を生体管腔に形成された狭窄部に対して押し付けることにより、狭窄部を押し広げて拡張させる。

【0024】

バルーン１４０は、図２Ｂに示すように、周方向に形成される本体部１４５と、本体部１４５に連続して、本体部１４５に巻回される羽根部１５０と、を有する。本体部１４５は、図２Ｂに示すように、膜が重なり合わない１重構造からなる。羽根部１５０は、図２Ｂに示すように、膜が重なり合う２重構造からなる。

【0025】

本体部１４５および羽根部１５０の間に位置する谷部１５１における膜厚Ｗ１は、羽根部１５０の頂点部１５２における膜厚Ｗ２よりも厚い。この構成は、後述する形状付け方法によって形成される。谷部１５１における膜厚Ｗ１は、頂点部１５２における膜厚Ｗ２よりも、例えば１０～２０％厚いことが好ましい。

【0026】

このように、本体部１４５および羽根部１５０の間に位置する谷部１５１における膜厚Ｗ１は、羽根部１５０の頂点部１５２における膜厚Ｗ２よりも厚く構成されることによって、バルーン１４０を複数回に亘って拡縮操作してもバルーン１４０の羽根部１５０の形状が取れにくくなる。

【0027】

また、本実施形態に係るバルーン１４０において、本体部１４５および羽根部１５０の間に位置する谷部１５１における硬度は、羽根部１５０の頂点部１５２における硬度よりも高いことが好ましい。この構成によれば、バルーン１４０を複数回に亘って拡縮操作してもバルーン１４０の羽根部１５０の形状が取れにくくなる。

【0028】

内管１２０の先端には、例えば、バルーンカテーテル１００の先端が生体器官（血管の内壁など）に接触した際に生体器官に損傷が生じるのを防止する先端チップ（図示は省略）を取り付けることができる。先端チップは、例えば、内管１２０よりも柔軟な樹脂材料で構成することができる。

【0029】

内管１２０には、造影マーカー部（図示は省略）を設けることができる。造影マーカー部は、例えば、内管１２０においてバルーン１４０の先端側との境界を示す位置と、内管１２０においてバルーン１４０の基端側との境界を示す位置に配置することができる。

【0030】

内管１２０の内径としては、例えば０．４０ｍｍとすることができ、内管１２０の外径としては例えば０．５８ｍｍとすることができる。また、内管１２０の厚みとしては、例えば０．０８～０．１０ｍｍとすることができる。

【0031】

内管１２０および外管１３０を構成する材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン－プロピレン共重合体、エチレン－酢酸ビニル共重合体などのポリオレフィン、軟質ポリ塩化ビニルなどの熱可塑性樹脂、シリコーンゴム、ラテックスゴムなどの各種ゴム類、ポリウレタンエラストマー、ポリアミドエラストマー、ポリエステルエラストマーなどの各種エラストマー、ポリアミド、結晶性ポリエチレン、結晶性ポリプロピレンなどの結晶性プラスチックを用いることができる。これらの材料中に、例えば、ヘパリン、プロスタグランジン、ウロキナーゼ、アルギニン誘導体などの抗血栓性物質を配合し、抗血栓性を有する材料とすることも可能である。

【0032】

バルーン１４０を構成する材料としては、例えば、有機高分子材料を用いることができる。具体的には、ポリオレフィン（例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、エチレン－プロピレン共重合体、エチレン－酢酸ビニル共重合体、アイオノマー、或いはこれら二種以上の混合物など）、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリアミドエラストマー、ポリウレタン、ポリウレタンエラストマー、ポリイミド、フッ素樹脂などの高分子材料、或いはこれらの混合物、或いは上記２種以上の高分子材料などの弾性樹脂材料を用いることができ、中でもポリアミド系樹脂を主材料として好適に用いることができる。

【0033】

バルーン１４０は、上述の弾性樹脂材料で構成されるパリソン（管状部材）を公知の延伸ブロー成形（例えば２軸延伸ブロー成形）により予備成形し、後述する本実施形態に係る形状付け工程Ｓ０５を施すことによって製造される。

【0034】

ハブ１６０は、図１に示すように、シャフト１１０の基端部に設けられる。ハブ１６０は、加圧媒体を供給するためのインデフレーターなどの供給装置（図示省略）と液密・気密に接続可能である。

【0035】

バルーン１４０の拡張に使用される加圧媒体（例えば、生理食塩水、造影剤など）は、ハブ１６０の内部空間（内腔）を介してシャフト１１０の加圧媒体ルーメン１３１内へ流入させることができる。加圧媒体は、加圧媒体ルーメン１３１を経由してバルーン１４０の空間部１４１へ供給される。

【0036】

また、バルーン１４０は、その外表面を被覆するコーティングを形成することができる。コーティングは、例えば、バルーン１４０の摺動性を向上させる親水性コート層や、所定の薬剤を含有した薬剤コート層で構成することができる。親水性コート層や薬剤コート層を形成する具体的な材料は特に限定されない。

【0037】

次に、図３Ａ～図７を参照して、本実施形態に係るバルーン１４０の形状付け方法について説明する。バルーン１４０の形状付け方法は、図３Ａに示す形状付けシステム３００により実施することができる。

【0038】

図３Ａは、本実施形態に係るバルーン１４０の形状付け方法を実施する形状付けシステム３００の機能ブロック図である。図３Ｂは、本実施形態に係る形状付け方法で用いる形状付け装置２００の概略構成図である。図４Ａは、金型２１０開放時における形状付け装置２００の部分拡大図である。図４Ｂは、接触工程Ｓ０４終了時における形状付け装置２００の部分拡大図である。図４Ｃは、閉塞工程Ｓ０５２終了時における形状付け装置２００の部分拡大図である。図５は、本実施形態に係る形状付け方法の工程順序を示すフローチャートである。図６は、本実施形態に係る形状付け方法の形状付け工程Ｓ０５において実施される処理手順を示すフローチャートである。図７は、本実施形態に係るバルーン１４０の形状付け方法のタイミングチャートである。

【0039】

本実施形態では、バルーン１４０をシャフト１１０に接合せず、バルーン１４０単体で形状付けする方法について開示する。なお、バルーン１４０の形状付け方法は、バルーン１４０をシャフト１１０に接合した状態で形状付けすることもできる。

【0040】

まず、本実施形態に係るバルーン１４０の形状付け方法が実施可能な形状付けシステム３００の構成について説明する。

【0041】

形状付けシステム３００に含まれる形状付け装置２００は、金型２１０を所定方向に移動させてバルーン１４０の一部を挟み込んで所定の形状付けをするための装置である。形状付け装置２００は、図３Ａおよび図３Ｂに示すように、バルーン１４０に所定の形状付けを行う複数（図３Ｂでは３つ）の金型２１０と、金型２１０を所定方向に移動させる移動部２２０と、移動部２２０を駆動させるための駆動部２３０と、を有する。形状付け装置２００は、図４Ａ、図４Ｂ、および図４Ｃに示すように、移動部２２０により移動して後述のキャビティＳが開放または閉塞可能な開閉式の金型２１０を備えた装置である。

【0042】

形状付けシステム３００は、図３Ａに示すように、金型２１０の金型温度を加熱する加熱部２４０と、加圧または減圧動作を行ってバルーン１４０の内圧を所定圧力に調整する圧力調整部２５０と、金型２１０に冷却用媒体を付与する媒体供給部２６０と、システムを構成する各部の駆動を統括的に制御する制御部２７０と、を有する。形状付けシステム３００は、作業者の操作に基づく駆動指示または所定の制御プログラムに従い、例えば図７に示すタイミングチャートに沿って各部を駆動制御しながらバルーン１４０に所定の形状付けを行う。なお、形状付けシステム３００は、図３Ａに示す構成に限定されず、必要に応じて他の構成要件を追加してもよいし、一部省いてもよい。

【0043】

次に、図３Ｂ、図４Ａ、図４Ｂ、および図４Ｃを参照して、形状付け装置２００の構成について詳述する。

【0044】

３つの金型２１０は、互いに略同等の形状を有し、後述の配置工程Ｓ０２で配置されるバルーン１４０の外周を囲うようにバルーン１４０の径方向に移動可能に設けられる。金型２１０は、図３Ｂに示すように、金型２１０の外周面が移動部２２０の内周面と当接した状態で移動することにより回転しつつ接近し、まず予備加圧されたバルーン１４０に金型２１０の凸部２１１が接触し（図４Ｂ参照）、その後隣接する金型２１０同士が一部接触する（図４Ｃ参照）。これにより、バルーン１４０を所望の形状とする成形用空間であるキャビティＳが形成される。バルーン１４０は、一部が金型２１０に挟み込まれた状態で後述の形状付け工程Ｓ０５が実施されると、キャビティＳの形状に沿った羽根部１５０が形成される。

【0045】

移動部２２０は、金型２１０の一部と嵌合可能な内周形状を有するカム形状をなしており、金型２１０の外周に配置される。移動部２２０は、バルーン１４０を形状付けする際、内周面が金型２１０の外周面と当接した状態で所定方向に回転（例えば図３Ｂにおける時計回り）し、金型２１０を回転させつつ径方向の内方に移動させる。移動部２２０の内周面の一部は、バルーン１４０が形状付けされるときの状態まで、金型２１０の外周面の一部と接触し続けるため、金型２１０をスムーズに移動させることができ、かつ均等な力でバルーン１４０に形状付けすることができる。

【0046】

駆動部２３０は、移動部２２０を所定方向に移動（回転）させる。駆動部２３０は、金型２１０のキャビティＳを開放または閉塞する際に駆動する。駆動部２３０は、移動部２２０を駆動させることができる限りにおいて、任意の構成を採用することができる。

【0047】

なお、形状付け装置２００は、バルーン１４０に所定の形状付けが可能な構成を有していればよく、上述した構成に限定されない。したがって、形状付け装置２００は、金型２１０を開閉式としたが、例えば金型を複数の分割部分で構成し、形状付け後のバルーン１４０を取り出す際に、各分割部分を分割して取り出すような形態（一例として、特開２００３－６２０８０号に開示される金型）としてもよい。すなわち、金型２１０は、開閉式または分割式の何れでもよいし、これら以外の形式でもよい。

【0048】

次に、本実施形態に係るバルーン１４０の形状付け方法について説明する。バルーン１４０の形状付け方法は、図５に示すように、金型２１０を所定の形状付け温度まで加熱する加熱工程Ｓ０１と、バルーン１４０に形状付けするためのキャビティＳを有する金型２１０にバルーン１４０を配置する配置工程Ｓ０２と、バルーン１４０を予備加圧する予備加圧工程Ｓ０３と、金型２１０を閉じて金型２１０の凸部２１１を予備加圧されたバルーン１４０に接触させ、所定の時間（例えば５～２０秒間）だけ金型の移動を停止する接触工程Ｓ０４と、金型２１０に配置されたバルーン１４０に所定の形状付けを行う形状付け工程Ｓ０５と、を有する。なお、予備加圧工程Ｓ０３、接触工程Ｓ０４、および形状付け工程Ｓ０５は、連続的に行われてもよいし、不連続で行われてもよい。

【0049】

加熱工程Ｓ０１は、金型２１０を所定の温度（図７では１４０℃）に加熱する工程である。図７では、加熱工程Ｓ０１が終了して、金型２１０の温度が１４０℃になったときを、スタート（０秒）としている。

【0050】

加熱工程Ｓ０１において、所定の温度（形状付け温度）は、バルーン１４０の構成材料やサイズなどに応じて適宜設定可能である。例えば、バルーン１４０の構成材料となる弾性樹脂材料としてポリアミド系樹脂を主材料として、肉厚が１０～６０μｍの場合、形状付け温度は、温度を９０℃以上１４０℃以下の範囲に設定することが好ましい。

【0051】

配置工程Ｓ０２は、１４０℃に加熱された金型２１０を開放した状態でバルーン１４０を配置する工程である。このとき、金型２１０はバルーン１４０に接触しない程度に開いた状態となっている。

【0052】

配置されるバルーン１４０は、事前に予備成形されており、略円筒形状をなす。配置工程Ｓ０２では、バルーン１４０は、加圧しない状態で金型２１０の内方に配置される。

【0053】

予備加圧工程Ｓ０３は、バルーン１４０を０．１～０．２ＭＰａ（図７では０．２ＭＰａ）に加圧して、バルーン１４０を予備的に加圧する。この予備加圧工程Ｓ０３によって、バルーン１４０が径方向の外方に膨張して張った状態で、後述の接触工程Ｓ０４の際に、３つの金型２１０の凸部２１１をバルーン１４０の所望の箇所に均一の間隔で接触させることができる。なお、予備加圧工程Ｓ０３においてバルーン１４０を加圧する圧力は、０．１～０．２ＭＰａに限定されない。

【0054】

接触工程Ｓ０４は、金型２１０を図４Ａから図４Ｂの状態まで閉じて、金型２１０の凸部２１１をバルーン１４０に接触させ、５～２０秒だけ金型２１０の移動を停止して、図４Ｂの状態を維持する工程である。接触工程Ｓ０４において、金型２１０の凸部２１１が最初にバルーン１４０に接触することによって、接触した箇所がバルーン１４０の本体部１４５および羽根部１５０の間に位置する谷部１５１になる。そして、予備加圧された０．１～０．２ＭＰａのバルーン１４０では、凸部２１１が接触した箇所が熱収縮して強く形状が付けられる。このため、バルーン１４０を複数回に亘って拡縮操作してもバルーン１４０の羽根部１５０の形状が取れにくくなる。また、凸部２１１が接触して熱収縮する箇所は、本体部１４５および羽根部１５０の間に位置する谷部１５１に相当し、当該箇所の膜厚Ｗ１がバルーン１４０の他の箇所よりも厚くなる。なお、金型２１０の移動を停止する時間は、５～２０秒に限定されない。

【0055】

形状付け工程Ｓ０５は、バルーン１４０に図２Ｂに示す所定の形状付けを行う工程である。

【0056】

形状付け工程Ｓ０５は、図６に示すように、バルーン１４０を０．５～４．０ＭＰａ（図７では２．０ＭＰａ）まで本加圧する本加圧工程Ｓ０５１と、高温の金型２１０を図４Ｂに示す状態から図４Ｃに示す状態まで閉じる閉塞工程Ｓ０５２と、金型温度を所定温度以下まで冷却する冷却工程Ｓ０５３と、バルーン１４０を加圧するときの圧力よりも低い圧力まで減圧してバルーン１４０を収縮させる減圧工程Ｓ０５４と、金型２１０が所定のガラス転移温度まで冷却された後に金型２１０を開放する開放工程Ｓ０５５と、を有する。

【0057】

本加圧工程Ｓ０５１および閉塞工程Ｓ０５２は、同時に行われることが好ましい。図７の符号Ａで示すように、本加圧工程Ｓ０５１において、バルーン１４０に対する圧力を０．５～４．０ＭＰａに増加させつつ、閉塞工程Ｓ０５２において、金型２１０を図４Ｂに示す状態から図４Ｃに示す状態に閉じる。なお、本加圧工程Ｓ０５１および閉塞工程Ｓ０５２の順序は、本発明の効果を備える限りにおいて、適宜変更できる。

【0058】

閉塞工程Ｓ０５２では、１４０℃に加熱された金型２１０を所定の時間（図７では３０秒）だけ、０．５～４．０ＭＰａに加圧されたバルーン１４０に熱を付与することによって形状付けを行う。

【0059】

ここで、例えば、本加圧工程Ｓ０５１を行うことなく、形状付けを行うと、バルーン１４０の本体部１４５および羽根部１５０の間に位置する谷部１５１以外（すなわち、本体部１４５）もバルーンの自由度が高いため、高温の金型２１０に触れると、熱収縮で膜厚が増えてしまい、治療でバルーン１４０を膨張させる際に、好適に膨張しない可能性がある。

【0060】

これに対して、本実施形態では、バルーン１４０に対して、０．５～４．０ＭＰａ加圧した状態で、金型２１０によって形状付けを行う。このため、図４Ｃに示すように、バルーン１４０を金型２１０に接触した状態で、バルーン１４０の自由度が低下して、バルーン１４０の熱収縮が抑制された状態で形状付けが行われる。このため、手技の際に好適にバルーン１４０を膨張させることができる。

【0061】

また、形状付け時間は、バルーン１４０の構成材料やサイズなどに応じて適宜設定可能である。例えば、バルーン１４０の構成材料となる弾性樹脂材料としてポリアミド系樹脂を主材料として、肉厚が１０～６０μｍの場合、形状付け温度に達した状態からバルーン１４０を加圧する時間（形状付け時間）は、１５秒以上３００秒以下であることが好ましく、３０秒以上２４０秒以下であることがより好ましい。ここで、例えば、形状付け時間が１５秒未満である場合、バルーン１４０に対して強固に形状付けができない可能性がある。また、形状付け時間が３００秒より長い場合、形状付け後の配向バランスが崩れて、バルーン１４０の耐圧性、バルーンコンプライアンスが維持できなくなる可能性がある。なお、形状付け時間が１５秒未満の場合、および３００秒より長い場合も本発明に含まれるものとする。

【0062】

バルーン１４０は、閉塞工程Ｓ０５２において、図４Ｃに示すように、外周面の一部に複数の羽根部１５０が形状付けされる。

【0063】

冷却工程Ｓ０５３は、金型温度を所定温度まで冷却する工程である。冷却工程Ｓ０５３は、バルーン１４０の羽根部１５０の形状を強固に記憶させることができる。冷却工程Ｓ０５３は、金型２１０を所定温度まで冷却できればよい。冷却工程Ｓ０５３は、例えば、金型２１０の加熱を停止して自然冷却して所定温度まで冷却されるまで待機する処理、金型２１０に空気、水などの冷却用媒体を金型２１０の内部または外部に付与（金型２１０のキャビティＳ内への流入または金型２１０の外周面への吹き付け）して金型２１０を冷却する処理、金型２１０の一部を開放して冷却する処理などが挙げられる。但し、冷却工程Ｓ０５３は、金型２１０の金型温度が所定温度まで冷却可能であれば、例示した処理内容に限定されない。

【0064】

減圧工程Ｓ０５４は、バルーン１４０を加圧するときの圧力よりも低い圧力まで減圧し収縮させる処理である。減圧工程Ｓ０５４は、主に羽根部１５０に強固に形状付けをし、羽根部１５０をラッピングする際に小径となるように巻き癖を付けることができる。

【0065】

開放工程Ｓ０５５では、バルーン１４０を構成する弾性樹脂材料のガラス転移温度以下まで冷却した後、金型２１０を開放する。バルーン１４０は、ガラス転移温度以下まで冷却されると、開放工程Ｓ０５５時の利点に加えて、羽根部１５０の形状を強固に記憶することができる。このため、冷却工程Ｓ０５３は、金型温度をガラス転移温度まで冷却する処理とすることが好ましい。冷却処理の目標冷却温度となるガラス転移温度は、バルーン１４０を構成する弾性樹脂材料のうちの何れかの材料のガラス転移温度であればよい。

【0066】

開放工程Ｓ０５５は、金型２１０を開放（キャビティＳを開放）してバルーン１４０を取り出す工程である。開放工程Ｓ０５５は、金型２１０がガラス転移温度まで冷却された後に実施される。これにより、バルーン１４０は、離型温度よりも低くなるので体積膨張が少なく安定した状態となり、金型２１０の内周面に張り付くことなく金型２１０から取り出すことができる。そのため、バルーン１４０は、表面が損傷したり皺が発生したりせず、耐圧性能を安定させることができる。

【0067】

なお、「離型温度」とは、金型２１０に対するバルーン１４０の張り付きが低減され、バルーン１４０を金型２１０から容易に離脱可能となる温度である。離型温度は、金型２１０やバルーン１４０の材質によって適宜決定されるが、例えば６０℃以上７０℃以下である。

【0068】

開放工程Ｓ０５５は、バルーン１４０の構成材料を、金型２１０との張り付きが抑制可能な材料とした場合、形状付け工程Ｓ０５に含まれなくてもよい。

【0069】

上述したバルーン１４０の形状付け方法は、上述した工程以外の他の工程が含まれてもよい。形状付け工程Ｓ０５は、本加圧工程Ｓ０５１、閉塞工程Ｓ０５２、冷却工程Ｓ０５３、減圧工程Ｓ０５４、および開放工程Ｓ０５５以外の他の処理が含まれてもよい。また、図５、図６に示す各工程や各処理については、例示的な順序でステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。よって、図５、図６に示す各フローチャートについて、本発明の処理に矛盾が生じない限り、順序を入れ替えることも可能である。

【0070】

次に、本実施形態に係るバルーン１４０の形状付け方法の動作手順について説明する。バルーン１４０の形状付け方法は、図７に示すタイミングチャートに沿って図５や図６に示す各工程や処理を実施することができる。

【0071】

まず作業者は、加熱工程Ｓ０１を行う。作業者は、金型２１０の温度を所定の温度（例えば９０～１４０℃）に加熱する。

【0072】

次に作業者は、配置工程Ｓ０２を行う。作業者は、予備成形したバルーン１４０を準備し、開放した状態の金型２１０に配置させる。

【0073】

次に作業者は、予備加圧工程Ｓ０３を行う。作業者は、バルーン１４０を０．１～０．２ＭＰａで加圧して、バルーン１４０を予備的に加圧する。

【0074】

次に作業者は、接触工程Ｓ０４を行う。作業者は、金型２１０を図４Ａから図４Ｂの状態まで閉じて、金型２１０の凸部２１１をバルーン１４０に接触させ、図４Ｂの状態を５～２０秒だけ維持する。この結果、金型２１０の凸部２１１が最初にバルーン１４０に接触することによって、接触した箇所がバルーン１４０の本体部１４５および羽根部１５０の間に位置する谷部１５１になる。そして、予備加圧された０．１～０．２ＭＰａのバルーンでは、凸部２１１が接触した箇所が熱収縮して、強く形状が付けられる。

【0075】

次に作業者は、形状付け工程Ｓ０５を実施するにあたり、まず本加圧工程Ｓ０５１および閉塞工程Ｓ０５２を行う。作業者は、バルーン１４０に対する圧力を０．５～４．０ＭＰａに増加させつつ、金型２１０を図４Ｂに示す状態から図４Ｃに示す状態に閉じる。そして、１４０℃に加熱された金型２１０を所定の時間だけ、０．５～４．０ＭＰａに加圧されたバルーン１４０に熱を付与することによって形状付けを行う。

【0076】

次に作業者は、冷却工程Ｓ０５３を行う。これにより、金型２１０の金型温度は、形状付け温度から所定温度まで冷却される。冷却処理では、媒体供給部２６０を駆動して冷却用媒体（例えば水や冷却空気）を金型２１０に供給して冷却することができる。

【0077】

次に作業者は、減圧工程Ｓ０５４を行う。この結果、バルーン１４０を加圧するときの圧力よりも低い圧力まで減圧し収縮させる。

【0078】

次に作業者は、金型２１０の金型温度がガラス転移温度以下になると、開放工程Ｓ０５５を行う。開放工程Ｓ０５５では、金型２１０を開放してバルーン１４０を取り出す。開放工程Ｓ０５５において、金型２１０は、金型温度がバルーン１４０を構成する弾性樹脂材料のガラス転移温度以下まで冷却されているため、容易にバルーン１４０を離脱させることができる。これにより、バルーン１４０の形状付け工程Ｓ０５は終了する。

【0079】

形状付け工程Ｓ０５が終了したバルーン１４０は、公知の方法によりシャフト１１０の先端部に拡縮可能に接合することができる。シャフト１１０の先端部にバルーン１４０を接合した後、所定の工程（羽根部折り畳み工程やハブ取付け工程など）を経て、バルーンカテーテル１００は製造される。

【0080】

以上説明したように、本実施形態に係るバルーンカテーテル１００は、長尺のシャフト１１０と、シャフト１１０に接続されたバルーン１４０と、を有する。バルーン１４０は、周方向に形成される本体部１４５と、本体部１４５に連続して、本体部１４５に巻回される羽根部１５０と、を有する。本体部１４５および羽根部１５０の間に位置する谷部１５１における膜厚Ｗ１は、羽根部１５０の頂点部１５２における膜厚Ｗ２よりも厚い。このように構成されたバルーンカテーテル１００によれば、本体部１４５および羽根部１５０の間に位置する谷部１５１に形状を強くつけることによって、バルーン１４０を複数回に亘って拡縮操作してもバルーン１４０の羽根部１５０の形状が取れにくくなる。したがって、バルーン１４０を複数回に亘って拡縮操作しても拡縮操作前のプロファイルまで収縮可能なバルーンカテーテル１００を提供することができる。

【0081】

また、本体部１４５および羽根部１５０の間に位置する谷部１５１における硬度は、羽根部１５０の頂点部１５２における硬度よりも高い。このように構成されたバルーンカテーテル１００によれば、本体部１４５および羽根部１５０の間に位置する谷部１５１における硬度は、羽根部１５０の頂点部１５２における硬度よりも高いため、バルーン１４０を複数回に亘って拡縮操作してもバルーン１４０の羽根部１５０の形状が取れにくくなる。したがって、バルーン１４０を複数回に亘って拡縮操作しても拡縮操作前のプロファイルまで収縮可能となる。

【0082】

また、以上説明したように、本実施形態に係るバルーン１４０の形状付け方法は、の形状付けを行うバルーン１４０の形状付け方法である。形状付け方法は、金型２１０を所定の形状付け温度まで加熱する加熱工程Ｓ０１と、加熱された金型２１０を閉じて、金型２１０の凸部２１１をバルーン１４０に接触させ、予め決められた時間、金型２１０の移動を停止する接触工程Ｓ０４と、接触工程Ｓ０４で停止した金型２１０を移動し、金型２１０を閉じてバルーン１４０に形状付けを行う形状付け工程Ｓ０５と、を有する。この形状付け方法によれば、所定の温度まで加熱された金型２１０の凸部２１１がバルーン１４０に接触することによって、凸部２１１が接触した箇所に折り目が強く形成される。このため、バルーン１４０を複数回に亘って拡縮操作してもバルーン１４０の羽根部１５０の形状が取れにくくなる。したがって、バルーン１４０を複数回に亘って拡縮操作しても拡縮操作前のプロファイルまで収縮可能なバルーン１４０の製造方法を提供することができる。

【0083】

また、形状付け工程Ｓ０５を行う際に、バルーン１４０を０．５～４．０ＭＰａで加圧した状態で形状付け（本加圧工程Ｓ０５１）を行う。この形状付け方法によれば、バルーン１４０を金型２１０に接触した状態で、バルーン１４０の自由度が低下して、バルーン１４０の熱収縮が抑制された状態で形状付けが行われる。このため、手技の際に好適にバルーン１４０を膨張させることができる。

【0084】

また、形状付け方法は、接触工程Ｓ０４の前に、バルーン１４０を０．１～０．２ＭＰａで加圧する予備加圧工程Ｓ０３をさらに有する。この形状付け方法によれば、バルーン１４０が径方向の外方に膨張して、接触工程Ｓ０４の際に、３つの金型２１０の凸部２１１をバルーン１４０の所望の箇所に均一の間隔で接触させることができる。

【0085】

また、加熱工程Ｓ０１において、金型２１０を９０～１４０度まで加熱する。この形状付け方法によれば、バルーン１４０を好適に形状付けすることができる。

【0086】

また、形状付け工程Ｓ０５において、３０秒～２４０秒だけバルーン１４０に熱を加える。この形状付け方法によれば、バルーン１４０を好適に形状付けすることができる。

【0087】

以上、実施形態を通じて本発明に係るバルーン１４０の形状付け方法を説明したが、本発明は明細書内で説明した工程のみに限定されるものでなく、特許請求の範囲の記載に基づいて適宜変更することが可能である。

【0088】

例えば、上述した実施形態では、形状付け方法は、本加圧工程Ｓ０５１を有したが、本加圧工程Ｓ０５１を有していなくてもよい。

【0089】

また、上述した実施形態では、形状付け方法は、予備加圧工程Ｓ０３を有したが、予備加圧工程Ｓ０３を有していなくてもよい。

【0090】

また、上述した実施形態では、形状付け工程Ｓ０５を行う際に、バルーン１４０を０．５～４．０ＭＰａで加圧した状態で形状付けを行った。しかしながら、接触工程Ｓ０４を行う際に、バルーン１４０を０．５～４．０ＭＰａで加圧した状態で、金型２１０の凸部２１１をバルーン１４０に接触させてもよい。この形状付け方法によれば、バルーン１４０を確実に膨張させた状態で、形状付けを行うことができる。

【符号の説明】

【0091】

１００ バルーンカテーテル、
１１０ シャフト、
１２０ 内管、
１３０ 外管、
１４０ バルーン、
１４５ 本体部、
１５０ 羽根部、
１５１ 谷部、
１５２ 頂点部、
１６０ ハブ、
２００ 形状付け装置、
２１０ 金型、
２１１ 凸部、
２２０ 移動部、
２３０ 駆動部、
２４０ 加熱部、
２５０ 圧力調整部、
２６０ 媒体供給部、
２７０ 制御部、
３００ 形状付けシステム、
Ｓ キャビティ、
Ｓ０１ 加熱工程、
Ｓ０２ 配置工程、
Ｓ０３ 予備加圧工程、
Ｓ０４ 接触工程、
Ｓ０５ 形状付け工程、
Ｓ０５１ 本加圧工程、
Ｓ０５２ 閉塞工程、
Ｓ０５３ 冷却工程、
Ｓ０５４ 減圧工程、
Ｓ０５５ 開放工程、
Ｗ１、Ｗ２ 膜厚。

【図1】

【図2A】

【図2B】

【図3A】

【図3B】

【図4A】

【図4B】

【図4C】

【図5】

【図6】

【図7】