(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023137400
(43)【公開日】2023-09-29
(54)【発明の名称】注意喚起装置
(51)【国際特許分類】
G08B 21/24 20060101AFI20230922BHJP
G08G 1/16 20060101ALI20230922BHJP
E01F 9/559 20160101ALI20230922BHJP
G08B 21/02 20060101ALI20230922BHJP
G08B 5/00 20060101ALI20230922BHJP
【FI】
G08B21/24
G08G1/16 D
E01F9/559
G08B21/02
G08B5/00 T
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022043601
(22)【出願日】2022-03-18
(71)【出願人】
【識別番号】000003609
【氏名又は名称】株式会社豊田中央研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100160691
【弁理士】
【氏名又は名称】田邊 淳也
(72)【発明者】
【氏名】西村 安弘
(72)【発明者】
【氏名】木村 好克
【テーマコード(参考)】
2D064
5C083
5C086
5H181
【Fターム(参考)】
2D064AA21
2D064EB05
2D064EB33
2D064FA00
2D064GA00
5C083AA02
5C083DD05
5C083HH03
5C083HH23
5C083JJ19
5C083JJ21
5C083JJ30
5C086AA53
5C086AA54
5C086BA17
5C086CA25
5C086CA28
5C086CB36
5C086EA40
5C086EA45
5C086FA12
5C086FA16
5C086GA10
5H181AA21
5H181BB04
5H181CC04
5H181CC07
5H181LL08
5H181LL15
(57)【要約】
【課題】 注意喚起装置において、設置の自由度を向上させる技術を提供する。
【解決手段】 注意喚起装置は、物体を検出する検出部と、光と音とを含む、対象者に注意を喚起するための複数種類の警告手段のうちの少なくとも1つを発生させる警告部とのうちの少なくとも一方を含んで構成される、複数のモジュールと、複数のモジュールを互いに接続する接続部であって、複数のモジュールを互いに着脱可能に接続する接続部と、を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体が接近している対象者に対して注意を喚起する注意喚起装置であって、
前記物体を検出する検出部と、光と音とを含む、前記対象者に注意を喚起するための複数種類の警告手段のうちの少なくとも1つを発生させる警告部とのうちの少なくとも一方を含んで構成される、複数のモジュールと、
複数のモジュールを互いに接続する接続部であって、前記複数のモジュールを互いに着脱可能に接続する接続部と、を備える、
ことを特徴とする注意喚起装置。
【請求項2】
請求項1に記載の注意喚起装置であって、
前記接続部は、モジュールのそれぞれに設けられる凸部と凹部とを含んでおり、
隣り合うモジュールは、隣り合うモジュールの一方に設けられる凸部と、隣り合うモジュールの他方に設けられる凹部とが嵌合することで、接続される、
ことを特徴とする注意喚起装置。
【請求項3】
請求項2に記載の注意喚起装置であって、
前記凸部と前記凹部とのそれぞれは、円柱状に形成されており、
隣り合うモジュールは、相対回転可能に接続される、
ことを特徴とする注意喚起装置。
【請求項4】
請求項1に記載の注意喚起装置であって、
前記複数のモジュールのそれぞれは、貫通孔が形成されており、
前記接続部は、前記複数のモジュールのそれぞれの貫通孔に挿通される柱部材を含む、
ことを特徴とする注意喚起装置。
【請求項5】
請求項4に記載の注意喚起装置であって、
前記複数のモジュールと前記柱部材とは、電気信号を相互に送受信可能なコイルを備えており、
前記検出部を含んで構成されるモジュールは、前記柱部材が備えるコイルを介して、前記警告部を含んで構成されるモジュールに前記物体の検出結果を送信する、
ことを特徴とする注意喚起装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の注意喚起装置であって、
前記接続部は、前記モジュールの内部に収容されている磁石を含んでおり、
隣接するモジュールは、隣接するモジュールの一方に設けられる磁石と、隣接するモジュールの他方に設けられる磁石とを近接させることで、接続される、
ことを特徴とする注意喚起装置。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の注意喚起装置であって、
前記検出部を含んで構成されるモジュールは、
前記物体を撮像する撮像部と、
前記撮像部の前方に配置される反射部であって、前記撮像部の前方とは異なる方向の物体を映し出す反射面を有する反射部と、
前記撮像部による、前記反射面を含む撮像画像を用いて、前記物体に関する情報を取得する取得部と、を含んでおり、
前記警告部を含んで構成されるモジュールは、前記取得部が取得した前記物体に関する情報に応じて、前記警告手段を発生させる、
ことを特徴とする注意喚起装置。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の注意喚起装置であって、
前記モジュールは、設置面に向けて光を発する発光部であって、前記注意喚起装置からの特定の距離ごとに、明るさが異なる照射領域が前記設置面に形成されるように、光を発する発光部を含んでおり、
前記検出部を含んで構成されるモジュールは、
前記照射領域とともに前記物体を撮像する撮像部と、
前記撮像部の撮像画像に含まれる前記照射領域に関する情報を用いて、前記注意喚起装置から前記物体までの距離に関する情報を取得する取得部と、を含んでおり、
前記警告部を含んで構成されるモジュールは、前記取得部が取得した前記注意喚起装置から前記物体までの距離に応じて、前記警告手段の態様を変更する、
注意喚起装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、注意喚起装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、歩行者に対して、接近する物体に関する注意を喚起する注意喚起装置が知られている(例えば、特許文献1~4)。一般的に、注意喚起装置は、歩行者が視認できない物体を検出し、歩行者に物体が接近していることを光などで通知する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-36352号公報
【特許文献2】実用新案登録3223884号公報
【特許文献3】特開2021-64178号公報
【特許文献4】特開2013-96200号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、物体を検出するためのセンサーが向けられる方向と、歩行者に向かって光を発する場合の発光部が向けられる方向とは、注意喚起装置が設置される場所によって異なる。このため、センサーが向けられる方向と発光部が向けられる方向とのいずれもが、設置される場所の状況にあった注意喚起装置を準備する必要があり、注意喚起装置の設置場所が制限されるおそれがある。
【0005】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、注意喚起装置において、設置の自由度を向上させる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
【0007】
(1)本発明の一形態によれば、物体が接近している対象者に対して注意を喚起する注意喚起装置が提供される。この注意喚起装置は、前記物体を検出する検出部と、光と音とを含む、前記対象者に注意を喚起するための複数種類の警告手段のうちの少なくとも1つを発生させる警告部とのうちの少なくとも一方を含んで構成される、複数のモジュールと、複数のモジュールを互いに接続する接続部であって、前記複数のモジュールを互いに着脱可能に接続する接続部と、を備える。
【0008】
この構成によれば、検出部と警告部とのうちの少なくとも一方を含んで構成される、複数のモジュールは、接続部によって接続されている。接続部は、複数のモジュールを互いに着脱可能に接続することができるため、注意喚起装置を設置する場所の状況に応じて、検出部を含んで構成されるモジュールと警告部を含んで構成されるモジュールとの組み合わせや組み合わせの順序などを自由に変更することができる。したがって、注意喚起装置の設置の自由度を向上させることができる。
【0009】
(2)上記形態の注意喚起装置において、前記接続部は、モジュールのそれぞれに設けられる凸部と凹部とを含んでおり、隣り合うモジュールは、隣り合うモジュールの一方に設けられる凸部と、隣り合うモジュールの他方に設けられる凹部とが嵌合することで、接
続されてもよい。この構成によれば、接続部は、モジュールのそれぞれに設けられる凸部と凹部とを含んでおり、凸部と凹部とが嵌合することで、隣り合うモジュールが接続される。これにより、隣り合うモジュールを容易に着脱可能に接続することができるため、注意喚起装置の設置の自由度を向上させることができる。
【0010】
(3)上記形態の注意喚起装置において、前記凸部と前記凹部とのそれぞれは、円柱状に形成されており、隣り合うモジュールは、相対回転可能に接続されてもよい。この構成によれば、凸部と凹部とは円柱状に形成されているため、凸部と凹部とを嵌合させた後でも、隣り合うモジュールの向きを変更することができる。したがって、注意喚起装置を設置した後でも、向きを調整することができるため、注意喚起装置の設置の自由度をさらに向上させることができる。
【0011】
(4)上記形態の注意喚起装置において、前記複数のモジュールのそれぞれは、貫通孔が形成されており、前記接続部は、前記複数のモジュールのそれぞれの貫通孔に挿通される柱部材を含んでもよい。この構成によれば、複数のモジュールは、複数のモジュールのそれぞれに形成されている貫通孔に挿通される柱部材によって接続される。これにより、複数のモジュールを容易にかつ強固に接続することができる。
【0012】
(5)上記形態の注意喚起装置において、前記複数のモジュールと前記柱部材とは、電気信号を相互に送受信可能なコイルを備えており、前記検出部を含んで構成されるモジュールは、前記柱部材が備えるコイルを介して、前記警告部を含んで構成されるモジュールに前記物体の検出結果を送信してもよい。この構成によれば、貫通孔に挿通されている柱部材は、モジュール内のコイルとの間で電気信号を送受信可能なコイルを備えている。これにより、検出モジュールは、柱部材が備えるコイルを介して、物体の検出結果を警告モジュールに送信することができるため、注意喚起装置の製造コストを低減することができる。
【0013】
(6)上記形態の注意喚起装置において、前記接続部は、前記モジュールの内部に収容されている磁石を含んでおり、隣接するモジュールは、隣接するモジュールの一方に設けられる磁石と、隣接するモジュールの他方に設けられる磁石とを近接させることで、接続されてもよい。この構成によれば、複数のモジュールは、モジュールの内部に収容される磁石を近接させることで接続される。これにより、モジュールを密閉構造とすることができるため、注意喚起装置の耐環境性を向上させることができる。
【0014】
(7)上記形態の注意喚起装置において、前記検出部を含んで構成されるモジュールは、前記物体を撮像する撮像部と、前記撮像部の前方に配置される反射部であって、前記撮像部の前方とは異なる方向の物体を映し出す反射面を有する反射部と、前記撮像部による、前記反射面を含む撮像画像を用いて、前記物体に関する情報を取得する取得部と、を含んでおり、前記警告部を含んで構成されるモジュールは、前記取得部が取得した前記物体に関する情報に応じて、前記警告手段を発生させてもよい。この構成によれば、検出部を含んで構成されるモジュールは、物体を撮像する撮像部の前方に、撮像部の前方とは異なる方向の物体を映し出す反射面を有する反射部が配置されている。これにより、撮像部が撮像する画像には、撮像部の前方の物体とともに、撮像部の前方とは異なる方向の物体とが含まれる。取得部は、反射面を含む撮像画像を用いて、少なくとも2方向のいずれかに存在する物体を検出することができる。したがって、検出部を含んで構成されるモジュールの数を少なくすることができるため、注意喚起装置の製造コストを低減することができる。
【0015】
(8)上記形態の注意喚起装置において、前記モジュールは、設置面に向けて光を発する発光部であって、前記注意喚起装置からの特定の距離ごとに、明るさが異なる照射領域
が前記設置面に形成されるように、光を発する発光部を含んでおり、前記検出部を含んで構成されるモジュールは、前記照射領域とともに前記物体を撮像する撮像部と、前記撮像部の撮像画像に含まれる前記照射領域に関する情報を用いて、前記注意喚起装置から前記物体までの距離に関する情報を取得する取得部と、を含んでおり、前記警告部を含んで構成されるモジュールは、前記取得部が取得した前記注意喚起装置から前記物体までの距離に応じて、前記警告手段の態様を変更してもよい。この構成によれば、モジュールは、注意喚起装置からの距離ごとに明るさが異なる照射領域が設置面に形成されるように、光を発する発光部を含んでいる。検出部を含んで構成されるモジュールの取得部は、撮像部の撮像画像に含まれる発光部の光に関する情報を用いて、注意喚起装置から物体までの距離に関する情報を取得し、警告部を含んで構成されるモジュールは、注意喚起装置から物体までの距離に応じて警告手段の態様を変更する。これにより、物体が接近している度合いに応じて警告手段の態様を変更することで、対象者に対してより強く、注意を喚起することができる。
【0016】
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能であり、例えば、注意喚起装置の製造方法、注意喚起装置が備える各モジュールの製造方法、注意喚起装置を含むシステム、これら装置およびシステムの制御方法等の形態で実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】第1実施形態の注意喚起装置の全体図である。
【
図2】第1実施形態の注意喚起装置の断面模式図である。
【
図3】第1実施形態の注意喚起装置の使用例を説明する図である。
【
図4】第2実施形態の注意喚起装置の断面模式図である。
【
図5】第3実施形態の注意喚起装置の断面模式図である。
【
図6】第4実施形態の注意喚起装置の全体図である。
【
図7】第4実施形態の注意喚起装置の断面模式図である。
【
図8】第4実施形態の注意喚起装置の使用例を説明する図である。
【
図9】第5実施形態の注意喚起装置の特徴を説明する第1の図である。
【
図10】第5実施形態の注意喚起装置の特徴を説明する第2の図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態の注意喚起装置の全体図である。
図2は、第1実施形態の注意喚起装置の断面模式図である。第1実施形態の注意喚起装置1は、例えば、見通しが悪い通路上に設置され、通路を歩行する第1の歩行者(対象者)に衝突するおそれがある第2の歩行者(物体)が存在する場合、第1の歩行者に第2の歩行者が接近していることを知らせて、第2の歩行者に対する注意を第1の歩行者に喚起させる。本実施形態の注意喚起装置1は、第1検出モジュール10と、第2検出モジュール20と、第1警告モジュール30と、第2警告モジュール40と、凸部11,21,31,41と、凹部12,22,32,42と、支柱50と、を備える。注意喚起装置1では、注意喚起装置1の設置面9側から、順に、第2警告モジュール40、第2検出モジュール20、第1警告モジュール30、第1検出モジュール10の順に縦積みされている。なお、本実施形態では、注意喚起装置1が検出する物体を歩行者としたが、物体は、歩行者に限定されず、自転車や車両であってもよい。また、物体が接近していることを知らされる対象者も歩行者としたが、対象者は、歩行者に限定されず、自転車や車両を運転している運転者であってもよい。
【0019】
第1検出モジュール10は、カメラ13と、制御部14と、通信部15と、受電部16と、を備える。本実施形態では、第1検出モジュール10は、カメラ13と、制御部14と、通信部15と、受電部16とが、略円柱形状を有する密閉構造のモジュールケース1
0aの内部に収容されている。
【0020】
カメラ13は、モジュールケース10aに設けられている窓10bを通して、注意喚起装置1から見て所定の第1の方向の外景を撮像可能に配置されている。カメラ13は、第1の方向の撮像画像を制御部14に送る。
【0021】
制御部14は、カメラ13から送られる第1の方向の撮像画像を解析し、撮像画像に含まれる物体を検出する。通信部15は、他の通信部との間で無線通信が可能な構成を有している。通信部15は、制御部14による物体の検出結果を第2警告モジュール40に送信する。
【0022】
受電部16は、例えば、図示しない外部電源から無線送電される電力を受電可能な構成を有する。受電部16に送電される電力は、カメラ13、制御部14、および、通信部15のそれぞれに供給される。
【0023】
第2検出モジュール20は、カメラ23と、制御部24と、通信部25と、受電部26と、を備える。本実施形態では、第2検出モジュール20は、カメラ23と、制御部24と、通信部25と、受電部26とが、略円柱形状を有する密閉構造のモジュールケース20aの内部に収容されている。
【0024】
カメラ23は、モジュールケース20aに設けられている窓20bを通して、注意喚起装置1から見て第1の方向とは異なる第2の方向の外景を撮像可能に配置されている。カメラ23は、第2の方向の撮像画像を制御部24に送る。
【0025】
制御部24は、カメラ23から送られる第2の方向の撮像画像を解析し、撮像画像に含まれる物体を検出する。通信部25は、他の通信部との間で無線通信が可能な構成を有している。通信部25は、制御部24による物体の検出結果を第1警告モジュール30に送信する。
【0026】
受電部26は、外部電源から無線送電される電力を受電可能な構成を有する。受電部26に送電される電力は、カメラ23、制御部24、および、通信部25のそれぞれに供給される。
【0027】
第1警告モジュール30は、通信部33と、制御部34と、発光部35と、受電部36と、を備える。本実施形態では、第1警告モジュール30は、通信部33と、制御部34と、発光部35と、受電部36とが、略円柱形状を有する密閉構造のモジュールケース30aの内部に収容されている。
【0028】
通信部33は、他の通信部との間で無線通信が可能な構成を有している。通信部33は、第2検出モジュール20の通信部25から送信される、第2の方向における物体の検出結果を受信する。
【0029】
制御部34は、通信部33が受信した第2の方向における物体の検出結果に応じて、発光部35の発光パターンを作成する。制御部34は、作成した発光パターンを含む発光指令を発光部35に出力する。本実施形態では、制御部34は、第2検出モジュール20によって第2の方向に物体が検出されるとき、点滅する発光パターンを含む発光指令を出力する。なお、発光パターンは、点滅に限定されず、光の明るさや色、光の点滅の周期などが含まれる。
【0030】
発光部35は、例えば、3in1タイプの白色LEDを備えており、発光部35からの
発光パターンを含む発光指令に応じて発光する。本実施形態では、発光部35は、第1の方向の歩行者の足下を照らすために常時点灯しており、制御部34から、点滅する発光パターンを含む発光指令が入力されると、点灯していた光を点滅させる。
【0031】
受電部36は、外部電源から無線送電される電力を受電可能な構成を有する。受電部36に送電される電力は、通信部33、制御部34、および、発光部35のそれぞれに供給される。
【0032】
第2警告モジュール40は、通信部43と、制御部44と、発光部45と、受電部46と、を備える。本実施形態では、第2警告モジュール40は、通信部43と、制御部44と、発光部45と、受電部46とが、略円柱形状を有する密閉構造のモジュールケース40aの内部に収容されている。
【0033】
通信部43は、他の通信部との間で無線通信が可能な構成を有している。通信部43は、第1検出モジュール10から送信される、第1の方向における物体の検出結果を受信する。
【0034】
制御部44は、通信部43が受信した第1の方向における物体の検出結果に応じて、発光部45の発光パターンを作成する。制御部44は、作成した発光パターンを含む発光指令を発光部45に出力する。本実施形態では、制御部44は、第1検出モジュール10によって第1の方向に物体が検出されるとき、点滅する発光パターンを含む発光指令を出力する。なお、発光パターンは、点滅に限定されず、光の明るさや色、光の点滅の周期などが含まれる。
【0035】
発光部45は、例えば、3in1タイプの白色LEDを備えており、発光部45からの発光パターンを含む発光指令に応じて発光する。本実施形態では、発光部45は、第1の方向に存在する歩行者の足下を照らすために常時点灯しており、制御部44から、点滅する発光パターンを含む発光指令が入力されると、点灯していた光を点滅させる。
【0036】
受電部46は、外部電源から無線送電される電力を受電可能な構成を有する。受電部46に送電される電力は、通信部43、制御部44、および、発光部45のそれぞれに供給される。
【0037】
凸部11と凹部12とは、第1検出モジュール10のモジュールケース10aに設けられる。凸部11は、モジュールケース10aの鉛直方向の上側に設けられ、凹部12は、モジュールケース10aの鉛直方向の下側に設けられる。本実施形態では、凸部11と凹部12とは、円柱状に形成されている。注意喚起装置1は、鉛直方向の最も上側に配置される頭頂部55を備えており、凸部11は、頭頂部55に設けられている凹部55aに嵌合している。
【0038】
凸部21と凹部22とは、第2検出モジュール20のモジュールケース20aに設けられる。凸部21は、モジュールケース20aの鉛直方向の上側に設けられ、凹部22は、モジュールケース20aの鉛直方向の下側に設けられる。本実施形態では、凸部21と凹部22とは、円柱状に形成されている。
【0039】
凸部31と凹部32とは、第1警告モジュール30のモジュールケース30aに設けられる。凸部31は、モジュールケース30aの鉛直方向の上側に設けられ、凹部32は、モジュールケース30aの鉛直方向の下側に設けられる。本実施形態では、凸部31と凹部32とは、円柱状に形成されている。凸部31は、第1検出モジュール10の凹部12に嵌合している。これにより、第1警告モジュール30と第1検出モジュール10とは、
接続した状態で相対回転可能である。凹部32は、第2検出モジュール20の凸部21に嵌合している。これにより、第1警告モジュール30と第2検出モジュール20とは、接続した状態で相対回転可能である。
【0040】
凸部41と凹部42とは、第2警告モジュール40のモジュールケース40aに設けられる。凸部41は、モジュールケース40aの鉛直方向の上側に設けられ、凹部42は、モジュールケース40aの鉛直方向の下側に設けられる。本実施形態では、凸部41と凹部42とは、円柱状に形成されている。凸部41は、第2検出モジュール20の凹部22に嵌合している。これにより、第2警告モジュール40と第2検出モジュール20とは、接続した状態で相対回転可能である。凹部42は、後述する支柱50に嵌合している。これにより、第2警告モジュール40と支柱50とは、接続した状態で相対回転可能である。
【0041】
支柱50は、第1検出モジュール10などが設置面9から所定の高さに位置するように、第1検出モジュール10などを支持する。支柱50の鉛直方向の上側には、第2警告モジュール40の凹部42に嵌合する、円板形状の円板部51が設けられている。
【0042】
図3は、第1実施形態の注意喚起装置の使用例を説明する図である。
図3は、道路R1において、曲がり角T1に向かって別々の方向のそれぞれから歩行者P1,P2が歩いている状態を示している。
図3では、注意喚起装置1は、曲がり角T1において、歩行者P1と歩行者P2とのそれぞれを検出可能な位置に設置されている。
図3の状況では、歩行者P1と歩行者P2との間には壁W1があるため、歩行者P1と歩行者P2とは、互いに相手を視認できない。
【0043】
図3の状況では、第1検出モジュール10のカメラ13は、第1の方向D1に向けられており、領域A1に入っている歩行者P1を撮像する。第2検出モジュール20のカメラ23は、第2の方向D2に向けられており、領域A2に入っている歩行者P2を撮像する。第1警告モジュール30の発光部35は、第1の方向D1に向けられており、領域A1を照らす。第2警告モジュール40の発光部45は、第2の方向D2に向けられており、領域A2を照らす。
【0044】
第1検出モジュール10によって歩行者P1を検出すると、第2警告モジュール40の発光部45が点滅(
図3の符号IL2)し、領域A2内の歩行者P2に、歩行者P1が接近していることを通知する。これにより、歩行者P1に対する注意を歩行者P2に喚起することができる。第2検出モジュール20によって歩行者P2を検出すると、第1警告モジュール30の発光部35が点滅(
図3の符号IL1)し、領域A1内の歩行者P1に、歩行者P2がいることを通知する。これにより、歩行者P2に対する注意を歩行者P1に喚起することができる。
【0045】
以上説明した、本実施形態の注意喚起装置1によれば、歩行者を検出する第1検出モジュール10と第2検出モジュール20と、発光することで歩行者に注意を喚起する第1警告モジュール30と第2警告モジュール40とは、凸部11,21,31,41と凹部12,22,32,42とによって接続されている。凸部11,21,31,41と凹部12,22,32,42とは、嵌合することでモジュール同士を接続しているため、注意喚起装置1を設置する場所の状況に応じて、隣り合うモジュールを容易に着脱し、検出モジュールと警告モジュールとの組み合わせや組み合わせの順序などを自由に変更することができる。したがって、注意喚起装置1の設置の自由度を向上させることができる。
【0046】
また、本実施形態の注意喚起装置1によれば、凸部11,21,31,41と凹部12,22,32,42とは円柱状に形成されているため、凸部と凹部とを嵌合させた後でも
、隣り合うモジュールの向きを変更することができる。したがって、注意喚起装置1を設置した後でも、カメラ13,23が撮像可能な方向や、発光部35,45が光を照射する方向を調整することができるため、注意喚起装置1の設置の自由度をさらに向上させることができる。
【0047】
また、本実施形態の注意喚起装置1によれば、検出モジュール10,20は、カメラや制御部などを内部に収容するモジュールケース10a,20aが密閉構造を有している。警告モジュール30,40は、通信部や発光部など内部に収容するモジュールケース30a,40aが密閉構造を有している。これにより、注意喚起装置1の耐環境性を向上させることができる。
【0048】
<第2実施形態>
図4は、第2実施形態の注意喚起装置の断面模式図である。第2実施形態の注意喚起装置2は、第1実施形態の注意喚起装置1(
図1)と比較すると、接続部の構成が異なる。
【0049】
第2実施形態の注意喚起装置2は、第1検出モジュール10と、第2検出モジュール20と、第1警告モジュール30と、第2警告モジュール40と、支柱60と、を備える。本実施形態では、第1検出モジュール10と、第2検出モジュール20と、第1警告モジュール30と、第2警告モジュール40とのそれぞれには、軸心方向に貫通する貫通孔10c,20c,30c,40cのそれぞれが形成されている。
【0050】
第1検出モジュール10は、カメラ13と、制御部14と、通信部15と、受電部16と、を備える。通信部15と受電部16とのそれぞれは、
図4に示すように、貫通孔10cの周りに配置されており、それぞれコイルを含んでいる。本実施形態では、通信部15のコイルは、モジュールケース10a内の鉛直方向の上側に配置され、受電部16のコイルは、モジュールケース10a内の鉛直方向の下側に配置されている。
【0051】
第2検出モジュール20は、カメラ23と、制御部24と、通信部25と、受電部26と、を備える。通信部25と受電部26とのそれぞれは、
図4に示すように、貫通孔20cの周りに配置されており、それぞれコイルを含んでいる。本実施形態では、通信部25のコイルは、モジュールケース20a内の鉛直方向の上側に配置され、受電部26のコイルは、モジュールケース20a内の鉛直方向の下側に配置されている。
【0052】
第1警告モジュール30は、通信部33と、制御部34と、発光部35と、受電部36と、を備える。通信部33と受電部36とのそれぞれは、
図4に示すように、貫通孔30cの周りに配置されており、それぞれコイルを含んでいる。本実施形態では、通信部33のコイルは、モジュールケース30a内の鉛直方向の上側に配置され、受電部36のコイルは、モジュールケース30a内の鉛直方向の下側に配置されている。
【0053】
第2警告モジュール40は、通信部43と、制御部44と、発光部45と、受電部46と、を備える。通信部43と受電部46とのそれぞれは、
図4に示すように、貫通孔40cの周りに配置されており、それぞれコイルを含んでいる。本実施形態では、通信部43のコイルは、モジュールケース40a内の鉛直方向の上側に配置され、受電部46のコイルは、モジュールケース40a内の鉛直方向の下側に配置されている。
【0054】
支柱60は、中空状の略柱部材である。支柱60は、柱状部61と、フランジ部62と、を備える。支柱60は、第1検出モジュール10などが設置面9から所定の高さに位置するように、第1検出モジュール10などを支持する。
【0055】
柱状部61は、第1検出モジュール10の貫通孔10cと、第2検出モジュール20の
貫通孔20cと、第1警告モジュール30の貫通孔30cと、第2警告モジュール40の貫通孔40cとのそれぞれに挿通されている。柱状部61の内部には、複数のコイル61a,61b,61c,61d,61e,61f,61g,61hが配置されている。
【0056】
コイル61aとコイル61bとのそれぞれは、第1検出モジュール10の受電部16のコイルと通信部15のコイルとのそれぞれの内側に配置されている。コイル61cとコイル61dとのそれぞれは、第1警告モジュール30の受電部36のコイルと通信部33のコイルとのそれぞれの内側に配置されている。コイル61eとコイル61fとのそれぞれは、第2検出モジュール20の受電部26のコイルと通信部25のコイルとのそれぞれの内側に配置されている。コイル61gとコイル61hとのそれぞれは、第2警告モジュール40の受電部46のコイルと通信部43のコイルとのそれぞれの内側に配置されている。
【0057】
コイル61b,61d,61f,61hは、柱状部61の内部において、電気的に接続されている(符号E1)。これにより、コイル61b,61d,61f,61hを介して、各モジュールの通信部間での電気信号のやり取りが行われる。コイル61a,61c,61e,61gは、柱状部61の内部において、電気的に接続されている(符号E2)。コイル61a,61c,61e,61gを接続する電気配線E2は、図示しない外部電源とも接続されている。これにより、各モジュールの受電部には、電気配線E2とコイル61a,61c,61e,61gとを介して、電力が供給される。
【0058】
フランジ部62は、柱状部61の外側に設けられている。フランジ部62は、柱状部61に挿通される第2警告モジュール40の鉛直方向の下側に接触する。これにより、フランジ部62は、縦積みされている複数のモジュールを支持することができる。
【0059】
本実施形態の注意喚起装置2では、各モジュールの鉛直方向が同じ長さとなっている。これにより、柱状部61に挿通されるモジュールの順序を入れ替えたり、モジュールの数を増減させたりしても、柱状部61に内蔵されている複数のコイルが、各モジュールが備える通信部や受電部のコイルの内側に位置する。これにより、柱状部61のコイルと各モジュールのコイルとの間の電磁誘導によって、各モジュール間での情報の送受信や、各モジュールへの送電を行うことができる。
【0060】
以上説明した、本実施形態の注意喚起装置2によれば、第1検出モジュール10と第2検出モジュール20と第1警告モジュール30と第2警告モジュール40とは、それぞれに形成されている貫通孔10c,20c,30c,40cに挿通される柱状部61によって接続される。これにより、第1検出モジュール10と第2検出モジュール20と第1警告モジュール30と第2警告モジュール40とを容易にかつ強固に接続することができる。
【0061】
また、本実施形態の注意喚起装置2によれば、貫通孔10c,20c,30c,40cに挿通されている柱状部61は、モジュール内の通信部や受電部が有するコイルとの間で電気信号を送受信可能な複数のコイル61a,61b,61c,61d,61e,61f,61g,61hを備えている。これにより、第1検出モジュール10と第2検出モジュール20は、柱状部61が備えるコイル61b,61d,61f,61hを介して、物体の検出結果を第1警告モジュール30と第2警告モジュール40とに送信することができる。第1検出モジュール10と第2検出モジュール20と第1警告モジュール30と第2警告モジュール40とは、柱状部61が備えるコイル61a,61c,61e,61gを介して、外部電源から供給される電力を受電することができる。したがって、無線通信や無線送電のための構成を備える場合に比べ、注意喚起装置2の製造コストを低減することができる。
【0062】
また、本実施形態の注意喚起装置2によれば、検出モジュール10,20は、カメラや制御部などを内部に収容するモジュールケース10a,20aが密閉構造を有している。警告モジュール30,40は、通信部や発光部など内部に収容するモジュールケース30a,40aが密閉構造を有している。注意喚起装置2は、このように、各モジュールのそれぞれが密閉構造を有したまま、柱状部61によって接続することができる。これにより、注意喚起装置2の耐環境性を向上させることができる。
【0063】
<第3実施形態>
図5は、第3実施形態の注意喚起装置3の断面模式図である。第3実施形態の注意喚起装置3は、第1実施形態の注意喚起装置1(
図1)と比較すると、接続部の構成が異なる。
【0064】
第3実施形態の注意喚起装置3は、第1検出モジュール10と、第2検出モジュール20と、第1警告モジュール30と、第2警告モジュール40と、支柱70と、を備える。本実施形態では、第1検出モジュール10と、第2検出モジュール20と、第1警告モジュール30と、第2警告モジュール40とのそれぞれは、円柱状に形成されている。
【0065】
第1検出モジュール10は、カメラ13と、制御部14と、通信部15と、2つのコイル17a,17bと、を備える。本実施形態の第1検出モジュール10では、密閉構造のモジュールケース10aの内部に、カメラ13と、制御部14と、通信部15と、2つのコイル17a,17bとが、収容されている。コイル17aは、環状に形成されており、モジュールケース10a内の鉛直方向の下側に設けられる。コイル17bは、環状に形成されており、モジュールケース10a内の鉛直方向の上側に設けられる。コイル17aとコイル17bとは、電気的に接続されている(符号E10)。モジュールケース10aの内部において、2つのコイル17a,17bのそれぞれの内側に、磁石18a,18bが配置されている。
【0066】
第2検出モジュール20は、カメラ23と、制御部24と、通信部25と、2つのコイル27a,27bと、を備える。本実施形態の第2検出モジュール20では、密閉構造のモジュールケース20aの内部に、カメラ23と、制御部24と、通信部25と、2つのコイル27a,27bとが、収容されている。本実施形態では、コイル27aは、環状に形成されており、モジュールケース20a内の鉛直方向の下側に設けられる。コイル27bは、環状に形成されており、モジュールケース20a内の鉛直方向の上側に設けられる。コイル27aとコイル27bとは、電気的に接続されている(符号E20)。モジュールケース20aの内部において、2つのコイル27a,27bのそれぞれの内側に、磁石28a,28bが配置されている。
【0067】
第1警告モジュール30は、通信部33と、制御部34と、発光部35と、2つのコイル37a,37bと、を備える。本実施形態の第1警告モジュール30では、密閉構造のモジュールケース30aの内部に、通信部33と、制御部34と、発光部35と、2つのコイル37a,37bとが、収容されている。本実施形態では、コイル37aは、環状に形成されており、モジュールケース30a内の鉛直方向の下側に設けられる。コイル37bは、環状に形成されており、モジュールケース30a内の鉛直方向の上側に設けられる。コイル37aとコイル37bとは、電気的に接続されている(符号E30)。モジュールケース30aの内部において、2つのコイル37a,37bのそれぞれの内側に、磁石38a,38bが配置されている。
【0068】
第2警告モジュール40は、通信部43と、制御部44と、発光部45と、2つのコイル47a,47bと、を備える。本実施形態の第2警告モジュール40では、密閉構造の
モジュールケース40aの内部に、通信部43と、制御部44と、発光部45と、2つのコイル47a,47bとが、収容されている。本実施形態では、コイル47aは、環状に形成されており、モジュールケース40a内の鉛直方向の下側に設けられる。コイル47bは、環状に形成されており、モジュールケース40a内の鉛直方向の上側に設けられる。コイル47aとコイル47bとは、電気的に接続されている(符号E40)。モジュールケース40aの内部において、2つのコイル47a,47bのそれぞれの内側に、磁石48a,48bが配置されている。
【0069】
支柱70は、柱状部71と、載置台72と、を備える。柱状部71は、注意喚起装置3を設置面9上に設置したとき、鉛直方向に延伸するように設置される。載置台72は、柱状部71の端部に設けられる。載置台72の大きさは、第2警告モジュール40などの大きさとほぼ同じである。載置台72の内部には、環状に形成されているコイル73と、コイル73の内側に配置されている磁石74とが埋め込まれている。コイル73は、外部電源と電気的に接続されている。
【0070】
注意喚起装置3では、各モジュールに収容されている磁石と載置台72に埋め込まれている磁石74とを用いて、各モジュールと支柱70とが接続される。具体的には、載置台72の磁石74と第2警告モジュール40の磁石48aとが近接することで、支柱70と第2警告モジュール40とが相対回転可能に接続される。第2警告モジュール40の磁石48bと第2検出モジュール20の磁石28aとが近接することで、第2警告モジュール40と第2検出モジュール20とが相対回転可能に接続される。第2検出モジュール20の磁石28bと第1警告モジュール30の磁石38aとが近接することで、第2検出モジュール20と第1警告モジュール30とが相対回転可能に接続される。第1警告モジュール30の磁石38bと第1検出モジュール10の磁石18aとが近接することで、第1警告モジュール30と第1検出モジュール10とが相対回転可能に接続される。
【0071】
注意喚起装置3では、各モジュールに収容されているコイルと載置台72に埋め込まれているコイル73とを用いて、支柱70から各モジュールへの送電を行う。具体的には、載置台72のコイル73は、第2警告モジュール40のコイル47aに電力を供給する。第2警告モジュール40のコイル47bは、第2検出モジュール20のコイル27aに、載置台72から供給された電力の一部を供給する。第2検出モジュール20のコイル27bは、第1警告モジュール30のコイル37aに、第2警告モジュール40から供給された電力の一部を供給する。第1警告モジュール30のコイル37bは、第1検出モジュール10のコイル17aに、第2検出モジュール20から供給された電力の一部を供給する。
【0072】
以上説明した、本実施形態の注意喚起装置3によれば、第1検出モジュール10と第2検出モジュール20と第1警告モジュール30と第2警告モジュール40とは、モジュールの内部に収容される磁石18a,18b,28a,28b,38a,38b,48a,48bを近接させることで接続される。これにより、モジュールを密閉構造とすることができるため、注意喚起装置3の耐環境性を向上させることができる。
【0073】
また、本実施形態の注意喚起装置3によれば、複数のモジュール間では、互いに近傍に設置されるコイル17a,17b,27a,27b,37a,37b,47a,47bを用いて、通信を行う。これにより、したがって、無線通信のための構成を備える場合に比べ、注意喚起装置3の製造コストを低減することができる。
【0074】
<第4実施形態>
図6は、第4実施形態の注意喚起装置の全体図である。第4実施形態の注意喚起装置4は、第1実施形態の注意喚起装置1(
図1)と比較すると、検出モジュールの構成が異な
る。
【0075】
本実施形態の注意喚起装置4は、検出モジュール80と、3つの警告モジュール100,200,300と、検出モジュール80と3つの警告モジュール100,200,300とを接続する接続部と、を備える。注意喚起装置4は、1つの検出モジュール80によって3つの方向における物体を検出し、検出結果に応じて、3つの警告モジュールの少なくとも1つによって、物体に対する注意を歩行者に喚起する。
【0076】
図7は、第4実施形態の注意喚起装置の断面模式図である。
図7に示す検出モジュール80の断面は、注意喚起装置4を設置面9に設置したときの水平方向の断面を示している。検出モジュール80は、カメラ81と、プリズムミラー82と、制御部14と、通信部15と、受電部16と、を備える。本実施形態では、検出モジュール80は、カメラ81と、プリズムミラー82と、制御部14と、通信部15と、受電部16とが、モジュールケース80aの内部に収容されている。
【0077】
検出モジュール80のモジュールケース80aは、開口部80bを有する。カメラ81は、開口部80bに接続されているカメラ台80c上に設置されており、開口部80bを通して、注意喚起装置4の外景を撮像可能となっている。
【0078】
プリズムミラー82は、カメラ81の前方に配置されている。プリズムミラー82は、
図7に示すように、水平方向の断面が、1つの角度が直角の三角形状を有している。本実施形態では、プリズムミラー82は、角度が直角となっている角部82aを挟んだ2つの面82b,82cが光を反射する鏡面となっている。これにより、
図7に示すように、カメラ81には、カメラ81が向いている方向からの光Lg1と、鏡面82b,82cとのそれぞれで反射する光Lg2,Lg3が届く。したがって、カメラ81は、カメラ81が向いている方向(前方)の外景と、カメラ81から見て左右方向の外景とを同時に撮像することができる。カメラ81は、撮像した3つの方向(前方、および、左右方向)の撮像画像を制御部14に送る。制御部14は、カメラ81から送られる3つの方向の撮像画像を解析し、撮像画像に含まれる物体を検出する。
【0079】
図8は、第4実施形態の注意喚起装置の使用例を説明する図である。
図8は、道路R2において、三差路T2に向かって歩行者P3,P4,P5が歩いている状態を示している。
図8では、注意喚起装置4は、三差路T2において、カメラ81の前方で歩行者P3を認識できる位置であり、かつ、プリズムミラー82を用いて歩行者P4,P5を認識できる位置に設置されている。
図8に示すように、道路R2には壁W2,W3があるため、歩行者P3は、歩行者P4,P5を視認できない。注意喚起装置4では、3つの警告モジュール100,200,300のそれぞれが備える発光部100a,200a,300aは、歩行者P3,P4,P5のそれぞれに向けて発光するように、方向が調整されている(
図6参照)。
【0080】
図8に示す状況において、注意喚起装置4は、上述したように、プリズムミラー82を備える1つの検出モジュール80で、領域A3,A4,A5の歩行者の接近を検出することができる。注意喚起装置4は、例えば、検出モジュール80が歩行者P3の接近を検出すると、2つの警告モジュール200,300の発光部200a,300aが発光し(白抜き矢印IL4,IL5)、歩行者P3が接近していることに対する注意を歩行者P4と歩行者P5とのそれぞれに喚起する。また、注意喚起装置4は、検出モジュール80が歩行者P4および歩行者P5の少なくとも一方の接近を検出すると、警告モジュール100の発光部100aが発光し(白抜き矢印IL3)、歩行者P4および歩行者P5の少なくとも一方が接近していることに対する注意を歩行者P3に喚起する。
【0081】
以上説明した、本実施形態の注意喚起装置4によれば、検出モジュール80は、歩行者を撮像するカメラ81の前方に、カメラ81の前方とは異なるカメラ81から見て左右方向の歩行者を映し出す鏡面82b,82cを有するプリズムミラー82が配置されている。これにより、カメラ81が撮像する画像には、カメラ81の前方にいる歩行者とともに、カメラ81の左右方向にいる歩行者が含まれるため、制御部14は、鏡面82b,82cを含む撮像画像を用いて左右方向のいずれかに存在する歩行者も検出することができる。したがって、カメラ81から見て前方と左右方向とのそれぞれに向けて検出モジュールを3つ備える必要がないため、検出モジュールの数が少なくなり、注意喚起装置4の製造コストを低減することができる。
【0082】
<第5実施形態>
図9は、第5実施形態の注意喚起装置の特徴を説明する第1の図である。第5実施形態の注意喚起装置5は、第1実施形態の注意喚起装置1(
図1)と比較すると、警告モジュールの機能が異なる。
【0083】
本実施形態の注意喚起装置5は、第1検出モジュール10と、第2検出モジュール20と、第1警告モジュール30と、第2警告モジュール40と、凸部11,21,31,41と、凹部12,22,32,42と、支柱50と、を備える。本実施形態では、注意喚起装置5が備える第1警告モジュール30が備える発光部35と、第2警告モジュール40が備える発光部45とのそれぞれは、歩行者までの距離を検出するための光を発光する。以下、第2警告モジュール40の発光部45によって、歩行者までの距離を検出するための発光について詳細を説明するが、第1警告モジュール30の発光部35による場合でも同様である。
【0084】
図9(a)は、注意喚起装置5を上方から見た図であって、
図9(b)は、注意喚起装置5を側方から見た図であって、第2警告モジュール40が備える発光部45が発光している状態を示している。発光部45は、注意喚起装置5からの特定の距離ごとに、明るさが異なる照射領域A6が設置面9に形成されるように発光する。例えば、
図9に示すように、照射領域A6は、注意喚起装置5から1m離れるごとに明るさが暗くなるように発光部45の光の明るさを調整している。具体的には、発光部35の構成が、5列に並べられているLEDが鉛直方向に5段並べられている場合、最上段のLEDの列によって、注意喚起装置5から5m先までの設置面9を照らし(
図9(b)の符号5a)、上から2段目のLEDの列によって、注意喚起装置5から4m先までの設置面9を照らす(
図9(b)の符号5b)。上から3段目のLEDの列によって、注意喚起装置5から3m先までの設置面9を照らし(
図9(b)の符号5c)、上から4段目のLEDの列によって、注意喚起装置5から2m先までの設置面9を照らす(
図9(b)の符号5d)。最下段のLEDの列によって、注意喚起装置5から1m先までの設置面9を照らす(
図9(b)の符号5e)。このように、発光部45によって設置面9を照らすことで、互いの光が重なりあい、
図9のような明暗を有する照射領域A6が形成される。なお、
図9(a)では、ドットの密度が高いほど、明るいことを示している。
【0085】
図10は、第5実施形態の注意喚起装置の特徴を説明する第2の図である。第2検出モジュール20は、第2警告モジュール40の発光部45によって明るくなっている領域に入っている歩行者Pdを発光部45による照明とともに撮像する。
図10(a)と
図10(b)にそれぞれ示している撮像画像Ci1,Ci2は、発光部45による距離を表す照明に対して、歩行者Pdの位置が異なる状態を示している。
図10(a)の状態では、検出対象の歩行者Pdは、発光部45による照射領域A6の外側にいるため、第2検出モジュール20が歩行者Pdの接近を検出しても、第1警告モジュール30は、注意喚起装置5から見て第1の方向にいる別の歩行者に、歩行者Pdに対する注意を喚起するように、発光する。
【0086】
一方、
図10(b)の状態では、検出対象の歩行者Pdは、発光部35による照射領域A6の内側にいることから、発光部45による照明の明るさを利用して、注意喚起装置5から歩行者Pdまでの距離を検出することができる。例えば、
図10(b)の状態の場合、
図9で示した距離と照明の明るさとの関係から、歩行者Pdは、注意喚起装置5から3m程度の位置を移動していることがわかる。第1警告モジュール30は、歩行者Pdまでの距離に応じて、発光部45の発光パターンを変更し、注意喚起装置5から見て第1の方向にいる別の歩行者が、注意喚起のレベルを変更することを促す。例えば、
図10(a)の状態であれば、発光部45は、照明の明るさを増すだけである一方、
図10(b)の状態であれば、発光色を変えたり、点滅したりすることで、より一層の注意を払うように促す。
【0087】
以上説明した、本実施形態の注意喚起装置5によれば、第2警告モジュール40の発光部45は、注意喚起装置5からの特定の距離ごとに、明るさが異なる照射領域A6が設置面9に形成されるように発光する。第2検出モジュール20の制御部24は、カメラ23の撮像画像に含まれる発光部45の光に関する情報を用いて、注意喚起装置5から歩行者Pdまでの距離に関する情報を取得する。第1警告モジュール30は、注意喚起装置5から歩行者Pdまでの距離に応じて、発光色を変えたり、点滅したりする。注意喚起装置5では、同様に、第1警告モジュール30による照明の明暗に応じて、第1検出モジュール10が歩行者Pdまでの距離に関する情報を取得し、第2警告モジュール40が発光態様を変更する。これにより、歩行者Pdが接近している度合いに応じて発光態様を変更することで、より強く、歩行者に注意を喚起することができる。
【0088】
<本実施形態の変形例>
本発明は上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
【0089】
[変形例1]
上述の実施形態では、注意喚起装置は、検出モジュールは、カメラで注意喚起装置の外景を撮像し、制御部において撮像画像を解析することで、物体を検出するとした。注意喚起装置が物体を検出する方法は、これに限定されず、レーザレーダ、赤外線、音波などを使って検出してもよい。
【0090】
[変形例2]
上述の実施形態では、歩行者に、物体が接近していることを知らせる方法として、LEDによる発光であるとした。しかしながら、歩行者に対する警告手段は、これに限定されない。例えば、スピーカーを利用した音であってもよいし、光と音とを併用してもよい。
【0091】
[変形例3]
上述の実施形態では、検出モジュールは、物体を検出する制御部(検出部)を備え、警告モジュールは、歩行者に注意を喚起するために発光する発光部(警告部)を備えるとした。しかしながら、1つのモジュールが、物体を検出する検出部と、歩行者に注意を喚起するために警告する警告部とを含んでもよい。
【0092】
[変形例4]
第2実施形態では、モジュール同士は、凸部と凹部との篏合によって接続されるとした。第2実施形態の凸部の内部と凹部の周囲とのそれぞれに、第3実施形態の磁石を設置することで、モジュールの接続力を高めることができる。
【0093】
[変形例5]
第3実施形態では、モジュール間の通信は、複数のモジュールのそれぞれが備える通信部による無線通信で行うとした。モジュール間の通信は、コイルによる電磁誘導を利用して行ってもよい。また、複数のモジュールのそれぞれが備える1つのコイルを用いて、受電用信号と通信信号とを重複させて、電力の受け取りと情報の相互やり取りとを行ってもよい。なお、第3実施形態のモジュールケース内において、磁石とコイルとの位置関係は、逆であってもよい。
【0094】
[変形例6]
第5実施形態では、歩行者までの距離を検出するための照明は、第1警告モジュール30と第2警告モジュール40とのそれぞれが備える発光部35、45によって行われるとした。しかしながら、第1検出モジュール10と、第2検出モジュール20とのそれぞれが、距離を検出するために発光する発光部を備えていてもよい。
【0095】
以上、実施形態、変形例に基づき本態様について説明してきたが、上記した態様の実施の形態は、本態様の理解を容易にするためのものであり、本態様を限定するものではない。本態様は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本態様にはその等価物が含まれる。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することができる。
【符号の説明】
【0096】
1,2,3,4,5…注意喚起装置
10…第1検出モジュール
10c,20c,30c,40c…貫通孔
11,21,31,41…凸部
12,22,32,42…凹部
13,23,81…カメラ
14,24…制御部
15,16,25,26,33,36,43,46…コイル
18a,18b,28a,28b,38a,38b,48a,48b…磁石
20…第2検出モジュール
30…第1警告モジュール
35,45…発光部
40…第1警告モジュール
50,60,70…支柱
82…プリズムミラー
82b,82c…鏡面
P1,P2,P3,P4,P5,Pd…歩行者