(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023137409
(43)【公開日】2023-09-29
(54)【発明の名称】遊技システム、各台装置及び獲得可能数報知方法
(51)【国際特許分類】
A63F 5/04 20060101AFI20230922BHJP
【FI】
A63F5/04 682
A63F5/04 683
A63F5/04 620
A63F5/04 684
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022043615
(22)【出願日】2022-03-18
(71)【出願人】
【識別番号】000001432
【氏名又は名称】グローリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114306
【弁理士】
【氏名又は名称】中辻 史郎
(74)【代理人】
【識別番号】100148655
【弁理士】
【氏名又は名称】諏訪 淳一
(72)【発明者】
【氏名】岡本 創
【テーマコード(参考)】
2C182
2C518
【Fターム(参考)】
2C182EA16
2C182EB01
2C182EB03
2C518AD06
2C518AD08
2C518CA08
(57)【要約】
【課題】遊技客の利便性を向上させることを課題とする。
【解決手段】(a)に示すように、遊技に使用したメダル数と獲得したメダル数の累計は、500ゲーム目では-1000枚であり、2500ゲーム目では0枚である。(b)に示すように、500ゲーム目での最大獲得枚数は3400であり、スマートスロット機20の上部に設置される台ランプ11に「最大3400枚」と表示される。また、(c)に示すように、2500ゲーム目では、台ランプ11に「最大2400枚」と表示される。有利区間が設定されているスマートスロット機20では、(d)に示すように、2500ゲーム目において有利区間が残り500ゲームの場合、スマートスロット機20の純増数が3ならば、最大獲得枚数は1500枚(3×500)となり、(e)に示すように、台ランプ11に「最大1500枚」と表示される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技店に設置され、所定の状態移行後の遊技継続条件が設定された遊技機と、該遊技機と通信可能に接続された各台装置とを有する遊技システムであって、
前記各台装置は、
前記遊技機にて所定の状態移行後の遊技履歴情報を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された遊技履歴情報及び前記遊技継続条件に基づいて、遊技再開から遊技を開始して状態移行されるまでの間に獲得可能な遊技媒体数を算定する算定手段と、
前記遊技媒体数を所定の表示部に表示制御する表示制御手段と
を備えたことを特徴とする遊技システム。
【請求項2】
前記遊技継続条件は、
最大獲得枚数及び/又は遊技継続回数に係る条件であることを特徴とする請求項1に記載の遊技システム。
【請求項3】
前記遊技継続条件は、
通常区間から有利区間に状態移行した時点からの最大獲得枚数及び遊技継続回数であることを特徴とする請求項1に記載の遊技システム。
【請求項4】
前記表示制御手段は、
前記各台装置に設けられた表示部及び/又は前記遊技機に対応して設けられた台ランプに前記遊技媒体数を表示制御することを特徴とする請求項1~3のいずれか一つに記載の遊技システム。
【請求項5】
前記表示制御手段は、
前記遊技機を含む遊技島の島端に設けられた表示部及び/又は前記遊技店に設けられた表示装置に対して、前記遊技機の識別情報及び前記遊技媒体数を対応付けて表示制御することを特徴とする請求項1~4のいずれか一つに記載の遊技システム。
【請求項6】
前記各台装置は、
前記算定手段により算定された獲得可能な遊技媒体数が所定数以上である場合に、所定の管理装置に対して遊技媒体数を通知する通知手段をさらに備え、
前記管理装置は、
事前登録された遊技客により所持された携帯端末に対して、前記遊技媒体数及び前記遊技機の識別情報を報知する
ことを特徴とする請求項1~5のいずれか一つに記載の遊技システム。
【請求項7】
遊技店に設置され、所定の状態移行後の遊技継続条件が設定された遊技機通信可能に接続された各台装置であって、
前記遊技機にて所定の状態移行後の遊技履歴情報を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された遊技履歴情報及び前記遊技継続条件に基づいて、遊技再開から遊技を開始して状態移行されるまでの間に獲得可能な遊技媒体数を算定する算定手段と、
前記遊技媒体数を所定の表示部に表示制御する表示制御手段と
を備えたことを特徴とする各台装置。
【請求項8】
遊技店に設置され、所定の状態移行後の遊技継続条件が設定された遊技機と、該遊技機と通信可能に接続された各台装置とを有する遊技システムにおける獲得可能数報知方法であって、
前記各台装置が、前記遊技機にて所定の状態移行後の遊技履歴情報を記憶部に記憶する格納工程と、
前記各台装置が、前記記憶部に記憶された遊技履歴情報及び前記遊技継続条件に基づいて、遊技再開から遊技を開始して状態移行されるまでの間に獲得可能な遊技媒体数を算定する算定工程と、
前記各台装置が、前記遊技媒体数を所定の表示部に表示制御する表示制御工程と
を含むことを特徴とする獲得可能数報知方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技客の利便性を向上させることができる遊技システム、各台装置及び獲得可能数報知方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技店には、スロット機、パチスロ機等と呼ばれる回胴式遊技機(以下、「スロット機」と言う)が設置されることが多い。かかるスロット機では、遊技客が例えば3枚のメダルを投入し、スタートレバーを操作することによって、3つのドラムが回転する。遊技客が3つのストップボタンを押して各ドラムを停止させたならば、ドラムの所定のライン上の図柄組み合わせに応じてメダルが払い出されることになる。このように、スロット機では、遊技客がメダルを投入してから、メダルが払い出されるまでを1ゲームとして遊技される。
【0003】
ここで、かかるスロット機には、アシスト遊技を実行することが可能な有利区間が設けられる場合がある(例えば、特許文献1を参照)。スロット機が所定の条件を満たしたらならば有利区間に移行し、有利区間において所定のゲーム数(例えば、3000ゲーム)を消化するか、又は、有利区間に移行してから所定のメダル数(例えば、2400枚)を払い出したならば、アシスト遊技を実行することができない通常区間に移行する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、有利区間の獲得可能メダル数が「2400枚」であるスロット機Xにて遊技客Aが遊技を行い、有利区間中に「2000枚」のメダルを獲得して遊技を終了したとする。この場合に、他の遊技客Bが有利区間を引き継いで当該スロット機Xで遊技したならば、「400枚」のメダルを獲得した時点で有利区間の終了条件を満たし、通常区間に移行するため、他の遊技客Bの期待感を損ねる結果となる。
【0006】
同様に、有利区間のゲーム数が「3000ゲーム」であるスロット機Xにて遊技客Aが遊技を行い、有利区間移行後「2500ゲーム」を消化して遊技を終了したとする。この場合に、他の遊技客Bが有利区間を引き継いで当該スロット機Xで遊技したならば、「500ゲーム」の遊技を行った時点で有利区間の終了条件を満たし、通常区間に移行するため、他の遊技客Bの期待感を損ねる結果となる。
【0007】
このため、スロット機の有利区間の条件を踏まえた獲得可能メダル数に関する遊技客の利便性を向上させるかが重要な課題となっている。かかる課題は、有利区間が設けられるパチンコ機、継続ゲーム数のみが規定される遊技機にも共通する課題である。
【0008】
本発明は、上記従来技術の課題を解決するためになされたものであって、遊技客の利便性を向上させることができる遊技システム、各台装置及び獲得可能数報知方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、本発明は、遊技店に設置され、所定の状態移行後の遊技継続条件が設定された遊技機と、該遊技機と通信可能に接続された各台装置とを有する遊技システムであって、前記各台装置は、前記遊技機にて所定の状態移行後の遊技履歴情報を記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された遊技履歴情報及び前記遊技継続条件に基づいて、遊技再開から遊技を開始して状態移行されるまでの間に獲得可能な遊技媒体数を算定する算定手段と、前記遊技媒体数を所定の表示部に表示制御する表示制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、上記発明において、前記遊技継続条件は、最大獲得枚数及び/又は遊技継続回数に係る条件であることを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、上記発明において、前記遊技継続条件は、通常区間から有利区間に状態移行した時点からの最大獲得枚数及び遊技継続回数であることを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、上記発明において、前記表示制御手段は、前記各台装置に設けられた表示部及び/又は前記遊技機に対応して設けられた台ランプに前記遊技媒体数を表示制御することを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、上記発明において、前記表示制御手段は、前記遊技機を含む遊技島の島端に設けられた表示部及び/又は前記遊技店に設けられた表示装置に対して、前記遊技機の識別情報及び前記遊技媒体数を対応付けて表示制御することを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、上記発明において、前記各台装置は、前記算定手段により算定された獲得可能な遊技媒体数が所定数以上である場合に、所定の管理装置に対して遊技媒体数を通知する通知手段をさらに備え、前記管理装置は、事前登録された遊技客により所持された携帯端末に対して、前記遊技媒体数及び前記遊技機の識別情報を報知することを特徴とする。
【0015】
また、本発明は、遊技店に設置され、所定の状態移行後の遊技継続条件が設定された遊技機通信可能に接続された各台装置であって、前記遊技機にて所定の状態移行後の遊技履歴情報を記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された遊技履歴情報及び前記遊技継続条件に基づいて、遊技再開から遊技を開始して状態移行されるまでの間に獲得可能な遊技媒体数を算定する算定手段と、前記遊技媒体数を所定の表示部に表示制御する表示制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0016】
また、本発明は、遊技店に設置され、所定の状態移行後の遊技継続条件が設定された遊技機と、該遊技機と通信可能に接続された各台装置とを有する遊技システムにおける獲得可能数報知方法であって、前記各台装置が、前記遊技機にて所定の状態移行後の遊技履歴情報を記憶部に記憶する格納工程と、前記各台装置が、前記記憶部に記憶された遊技履歴情報及び前記遊技継続条件に基づいて、遊技再開から遊技を開始して状態移行されるまでの間に獲得可能な遊技媒体数を算定する算定工程と、前記各台装置が、前記遊技媒体数を所定の表示部に表示制御する表示制御工程とを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、遊技客の利便性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】
図1は、実施形態1に係る遊技システムの概要の説明図である。
【
図2】
図2は、実施形態1に係る遊技システムのシステム構成を示す図である。
【
図3】
図3は、
図2に示したスマートスロット機及びメダルユニットの外観構成を示す図である。
【
図4】
図4は、
図2に示したメダルユニットの構成を示す図である。
【
図5】
図5は、
図4に示した自装置状態データ及び有価価値データの一例を示す図である。
【
図6】
図6は、
図4に示した設定データ、差枚数データ、残ゲーム数データ及び最大獲得枚数データの一例を示す図である。
【
図8】
図8は、
図7に示したカード管理データ、装置管理データ及び会員管理データの一例を示す図である。
【
図9】
図9は、
図7に示した設定管理データ及び最大獲得枚数データの一例を示す図である。
【
図10】
図10は、実施形態1に係る最大獲得枚数の表示に関する処理手順を示すフローチャートである。
【
図11】
図11は、実施形態2に係る遊技システムの概要の説明図である。
【
図12】
図12は、実施形態2に係るリセット条件の一例を示す図である。
【
図13】
図13は、実施形態3に係る遊技システムの概要の説明図である。
【
図14】
図14は、実施形態3に係る台ランプ点灯条件の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
[実施形態1]
以下に、本実施形態1に係る遊技システム、各台装置及び獲得可能数報知方法の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施形態1では、封入式のスマートスロット機からなる遊技機と、メダルユニットからなる各台装置とを通信可能に併設した遊技システムに本発明を適用した場合を示すこととする。
【0020】
<実施形態1に係る遊技システムの概要>
まず、本実施形態1に係る遊技システムの概要について説明する。
図1は、本実施形態1に係る遊技システムの概要を説明するための説明図である。
図1に示すスマートスロット機20は、メダルを装置外部に払い出さない封入式の回胴式遊技機である。
【0021】
図1(a)に示すように、遊技に使用したメダル数(マイナス値)と獲得したメダル数(プラス値)の累計は、ゲームの進行によって推移する。例えば、500ゲーム目では-1000枚であり、2500ゲーム目では0枚である。
【0022】
スマートスロット機20には、所定のゲーム数内で獲得できるメダル数の上限数(例えば、2400枚)が設定されており、この上限数から遊技に使用したメダル数と獲得したメダル数の累計を差し引いた数(以下、「差枚数」と言う)が、その時点におけるスマートスロット機20において獲得可能な最大枚数(以下、「最大獲得枚数」と言う)となる。
【0023】
図1(b)に示すように、500ゲーム目での最大獲得枚数は3400であり、スマートスロット機20の上部に設置される台ランプ11に「最大3400枚」と表示される。また、
図1(c)に示すように、2500ゲーム目では、台ランプ11に「最大2400枚」と表示される。
【0024】
また、所定のゲーム数(例えば、3000ゲーム)において大当たりなどの特賞を獲得しやすくした有利区間が設定されているスマートスロット機20もあるが、この有利区間が終了すると、最大獲得枚数はリセットされる。スマートスロット機20に設定された上限数の2400枚に到達するより先に、有利区間が終了してしまう場合もあるため、この場合は、有利区間の残りゲーム数とスマートスロット機20の純増数を用いて最大獲得枚数を算出する。
【0025】
例えば、
図1(d)に示すように、2500ゲーム目において有利区間が残り500ゲームの場合、スマートスロット機20の純増数が3ならば、最大獲得枚数は1500枚(3×500)となり、
図1(e)に示すように、台ランプ11に「最大1500枚」と表示される。
【0026】
このように、本実施形態1に係る遊技システムでは、有利区間の設定の有無に応じて最大獲得枚数を算出し、表示するよう構成したので、遊技客の利便性を向上させることができる。
【0027】
<実施形態1に係るシステム構成>
次に、本実施形態1に係る遊技システムのシステム構成について説明する。
図2は、本実施形態1に係る遊技システムのシステム構成を示す図である。
図2に示すように、遊技店には、複数のスマートスロット機20と、各スマートスロット機20にそれぞれ対応して設けられたメダルユニット10とが設置される。メダルユニット10は、島コントローラ30を介して店内のネットワークである通信回線と接続される。通信回線には、島コントローラ30、管理装置50、賞品管理装置60及び精算機70が接続される。
【0028】
スマートスロット機20は、記憶部に記憶した遊技メダル数に基づいてスロット遊技を提供する封入式の遊技機であり、装置外部から現物のメダルを受け付けず、装置外部に現物のメダルを払い出さない。このスマートスロット機20には、マックスBETボタンが設けられており、このマックスBETボタンが押下操作されたならば、遊技メダル数から3枚が減算され、BET数が設定される。遊技客が、この状態でスタートレバーを操作したならば、3つのドラムが回転し、ストップボタンが押下操作されたならばドラムが順次停止する。回胴上に所定の図柄組み合わせが停止したならば、この図柄組み合わせに応じた賞メダル数が遊技メダル数に加算される。
【0029】
また、スマートスロット機20は、メダルユニット10に対して遊技メダル数及びBET枚数を通知する。また、スマートスロット機20は、メダルユニット10に対して、セーフデータ及びアウトデータ、特賞データ等を通知する。セーフデータは、所定枚数の賞メダルが発生した場合に出力されるデータである。アウトデータは、遊技に使用されたBET枚数が所定枚数に達する度に出力されるデータである。特賞データは、大当たりが発生した場合に出力されるデータである。これらのセーフデータ及びアウトデータ、特賞データ等は、メダルユニット10から管理装置50に送信される。
【0030】
メダルユニット10は、入金の受付、遊技メダル数の貸し出し、管理装置50との通信を行う。メダルユニット10は、遊技客により投入された紙幣を受け付けたならば、この紙幣の金額を含む入金通知データを管理装置50に送信し、管理装置50が管理するプリペイド価値に金額に応じた数を加算させる。そして、所定のメダル貸操作がなされたならば、メダル貸要求を管理装置50に送信し、管理装置50が管理するプリペイド価値を減算させて、減算されたプリペイド価値に対応する数の遊技メダル数を加算するようスマートスロット機20に指示する。
【0031】
また、メダルユニット10は、カードの挿入を受け付けたならば、管理装置50にカード挿入通知データを送信する。また、メダルユニット10は、管理装置50からプリペイド価値、持メダル数を含むデータを受信したならば、受信したプリペイド価値、持玉数を記憶する。そして、持メダル数を記憶したならば、メダルユニット10は、管理装置50に対して持メダル減算要求データを送信することで、管理装置50が管理する持メダル数をゼロにクリアする。
【0032】
また、メダルユニット10は、持メダル再プレイ操作を受け付けると、自装置に記憶した持メダル数から所定数を減算し、減算した持メダル数に対応する数の遊技メダル数を加算するようスマートスロット機20に指示する。
【0033】
また、メダルユニット10は、カード返却操作を受け付けたならば、自装置が管理する持メダル数を含む持メダル加算要求データを管理装置50に送信し、管理装置50に持メダル数を加算させた後、カード排出通知データを管理装置50に送信し、カードを排出制御する。
【0034】
また、メダルユニット10は、管理装置50から上限数、有利区間ゲーム数及び純増数を受け取ったならば、設定データに記憶する。メダルユニット10は、スマートスロット機20から受信したセーフデータ及びアウトデータ並びに設定データの上限数を用いて差枚数を算出し、差枚数データに記憶する。
【0035】
また、メダルユニット10は、設定データに有利区間ゲーム数が設定されている場合に、有利区間が終了するまでの残りゲーム数を算出して残ゲーム数データに記憶する。メダルユニット10は、設定データに有利区間ゲーム数が設定されていない場合は、残ゲーム数データに0を記憶する。
【0036】
また、メダルユニット10は、残ゲーム数データが0であれば、差枚数データを最大獲得枚数データに記憶する。メダルユニット10は、残ゲーム数データが0でなければ、残ゲーム数データと設定データの純増数を用いて有利区間残枚数を算出し、この有利区間残枚数と差枚数データとで小さい方の数を最大獲得枚数データに記憶する。
【0037】
また、メダルユニット10は、最大獲得枚数データが更新されたならば、この最大獲得枚数データを台ランプに表示するとともに、管理装置50に通知する。
【0038】
島コントローラ30は、遊技島に設けられた一群のスマートスロット機20及びメダルユニット10を束ねる中継装置である。
【0039】
管理装置50は、カードのプリペイド価値及び持メダル数等をカードデータとして、遊技店に会員登録された会員の情報を会員管理データとして管理する装置である。管理装置50は、メダルユニット10からカード挿入通知データを受信したならば、挿入されたカードのカードIDとメダルユニット10の装置IDとを関連づけて管理し、該カードIDに関連づけられたプリペイド価値及び持メダル数をメダルユニット10に送信する。
【0040】
また、管理装置50は、メダルユニット10から持メダル減算要求データを受信した場合には、持メダル数をゼロクリアする。また、管理装置50は、メダルユニット10から持メダル加算要求データを受信した場合には、持メダル加算要求データに含まれる持メダル数を自装置が管理する持メダル数に加算する。
【0041】
また、管理装置50は、メダルユニット10からメダル貸要求データを受信したならば、カードIDに関連付けられたプリペイド価値を所定値減算し、メダル貸許可データをメダルユニット10に送信する。管理装置50は、メダルユニット10から貯メダル再プレイ要求データを受信したならば、貯メダル再プレイ要求データに示されたカードIDに関連づけられた貯メダル数から所定数を減算し、減算後の貯メダル数を含む貯メダル再プレイデータをメダルユニット10に送信する。
【0042】
また、管理装置50は、賞品管理装置60からカードIDを受信したならば、このカードIDに関連付けられた持メダル数及び貯メダル数を賞品管理装置60に対して通知する。さらに、精算機70からカードIDを受信したならば、このカードIDに関連付けられたプリペイド価値を精算機70に対して通知する。
【0043】
また、管理装置50は、メダルユニット10から通知された入金、カード挿入及びカード排出などの動作の履歴を蓄積し、閉店後など所定のタイミングで集計等の処理を行う。また、管理装置50は、賞品管理装置60による賞品交換や、精算機80による精算などに係る動作の履歴を蓄積し、閉店後など所定のタイミングで集計等の処理を行う。
【0044】
また、管理装置50は、スマートスロット機20に対する上限数、有利区間ゲーム数及び純増数を受け付けたならば、このスマートスロット機20に対応付けられたメダルユニット10のユニットIDと関連付けて設定管理データに記憶するとともに、このメダルユニット10に対して通知する。
【0045】
また、管理装置50は、メダルユニット10から最大獲得枚数を受け取ったならば、このメダルユニット10のユニットIDと関連付けて最大獲得枚数データに記憶する。
【0046】
賞品管理装置60は、遊技店内の賞品交換カウンタに併設された賞品交換用の端末装置であり持メダル数及び貯メダル数を賞品に交換する賞品交換処理を行う。この賞品管理装置60には、カードからカードIDを読み取るカードリーダ及び賞品を払い出す賞品払出装置が接続されている。賞品管理装置60は、一般カード又会員カードからカードIDを読み出した場合(若しくは、携帯端末等からカードIDに対応する識別データを読み出した場合)には、カードIDを管理装置50に送信して、該カードIDの持メダル数を要求する。また、貯メダル数を賞品交換する場合は、管理装置50に対して貯メダル数を要求する。
【0047】
精算機70は、プリペイド価値が対応付けられたカードが挿入されると、このカードのカードIDを管理装置50に送信し、該カードに関連付けられたプリペイド価値を取得し、取得したプリペイド価値に相当する現金の払出を行う。
【0048】
<スマートスロット機20及びメダルユニット10の外観構成>
次に、スマートスロット機20及びメダルユニット10の外観構成について説明する。
図3は、
図2に示したスマートスロット機20及びメダルユニット10の外観構成を示す図である。
【0049】
図3に示すように、スマートスロット機20は、従前のスロット機と異なり、上皿及び下皿が設けられていない。封入式の遊技機であり、メダルが装置外部に払い出されないためである。また、従前のスロット機と異なり、50枚貯留するクレジットという概念が存在せず、クレジット表示部が存在しない。クレジットに代えて、50枚という制約の無い遊技メダル枚数を記憶し、遊技メダル枚数を表示する表示部が設けられている。
【0050】
スマートスロット機20の表面には、ドラム21a、21b、21c(以下、「ドラム21」と総称する)と、遊技メダル数表示部22と、マックスBETボタン23と、スタートレバー24、ストップボタン25a、25b、25c(以下、「ストップボタン25」と総称する)と、BET枚数表示部26と、計数ボタン27とが設けられている。なお、ここでは説明の便宜上図示省略するが、演出等を表示する液晶表示部及び賞メダル数表示部を設けることもできる。
【0051】
ドラム21は、図柄が印刷された回胴であり、BET枚数が3枚賭けられた状態でスタートレバー24が操作されたことを条件に回転制御される。また、ストップボタン25が押下されたことを条件に停止制御される。
【0052】
遊技メダル数表示部22は、スマートスロット機20の内部に記憶した遊技メダル枚数を表示する表示部である。マックスBETボタン23は、遊技メダル数3枚を賭けるためのボタンである。マックスBETボタン23が押下操作されたならば、BET枚数表示部26にBET枚数が表示される。遊技メダル枚数が3枚以上存在する状態でマックスBETボタン23が押下操作されたならば、BET枚数表示部26に「3」が表示される。遊技メダル枚数が2枚存在する状態でマックスBETボタン23が押下操作されたならば、BET枚数表示部26に「2」が表示され、遊技メダル枚数が2枚存在する状態でマックスBETボタン23が押下操作されたならば、BET枚数表示部26に「2」が表示される。なお、BETを解除するためのBET払出ボタンについては図示省略している。
【0053】
スタートレバー24は、遊技メダル枚数のうちの3枚がBETされていることを条件として、ドラム21を回転制御するためのレバーである。ここでは、スマートスロット機20が3枚賭けの専用機であることとしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、1枚賭け、2枚賭けの状態においてスタートレバー24を操作された場合に、ドラム21を回転制御することもできる。
【0054】
ストップボタン25は、ドラム21を停止させるためのボタンであり、ストップボタン25aが押下されたならばドラム21aが停止制御され、ストップボタン25bが押下されたならばドラム21bが停止制御され、ストップボタン25cが押下されたならばドラム21cが停止制御される。
【0055】
計数ボタン27は、スマートスロット機20に記憶された遊技メダル数をメダルユニット10に記憶される持メダル数に移行させるためのボタンである。この計数ボタン27が長押しされると、長押しされている間遊技メダル数がインクリメントされ、計数ボタン27が離された時点で特定される遊技メダル数が持メダル数に移行される。
【0056】
次に、メダルユニット10について説明する。
図3に示すように、メダルユニット10は、スマートスロット機20の上部に設置された台ランプ11と接続され、メダルユニット10の表面には、紙幣挿入口12、表示操作部13及びカード挿入口14が設けられている。
【0057】
台ランプ11は、スマートスロット機20の状態及びメダルユニット10の状態を表示する状態表示ランプである。紙幣挿入口12は、紙幣を投入するための挿入口である。この紙幣挿入口12に投入された紙幣はビルバリと呼ばれる紙幣処理装置に搬送され、収納される。
【0058】
表示操作部13は、表示及び操作入力を行う液晶パネル等からなる入力デバイス兼表示デバイスである。この表示操作部13に対する操作により、持メダル数から遊技メダル数に移行させる持メダル数再プレイ操作などを行うことができる。
【0059】
カード挿入口14は、一般カード又は会員カードの挿入を受け付ける挿入口である。なお、紙幣を投入してメダル貸しされた遊技メダルにより持メダル数が獲得された場合には、図示しない装置内部に貯留したカードに持メダル数を関連付けてカード挿入口14から返却される。
【0060】
<メダルユニット10の構成>
次に、
図2に示したメダルユニット10の構成について説明する。
図4は、
図2に示したメダルユニット10の構成を示す図である。
図4に示すように、メダルユニット10は、台ランプ11と接続され、表示操作部13、リーダライタ14a、通信部15、通信部16、記憶部17及び制御部18を有する。なお、台ランプ11及び表示操作部13についてはすでに説明したため、ここではその説明を省略する。
【0061】
リーダライタ14aは、カード挿入口14から挿入されたカードに記憶されたカードIDを読み取る処理部である。なお、オフライン運用に備えて、カードにプリペイド価値及び持メダル数を書き込むこともできるが、管理装置50に記憶されたデータが正となる。
【0062】
通信部15は、通信回線を介して管理装置50等と通信するための通信インタフェース部である。通信部16は、SC基板と呼ばれる基板を介してスマートスロット機20と通信するためのインタフェース部である。
【0063】
記憶部17は、不揮発性メモリ又はハードディスク装置等からなる記憶デバイスであり、自装置状態データ17a、カードID17b、有価価値データ17c、設定データ17d、差枚数データ17e、残ゲーム数データ17f及び最大獲得枚数データ17gを記憶する。カードID17bは、カードを一意に特定するカードIDを示す。
【0064】
自装置状態データ17aは、メダルユニット10の状態を示すデータである。この自装置状態データ17aには、ユニットID、遊技機ID、遊技種等を含む。ユニットIDは、メダルユニット10を遊技店内で一意に識別するための識別情報である。遊技種は、メダルユニット10に設定されたレートを示すデータである。遊技店内で複数のレートの遊技メダルを扱う場合には、20円レートの遊技メダルに「メダル1」、10円レートの遊技メダルに「メダル2」、5円レートの遊技メダルに「メダル3」のように、レート毎に遊技種名を設定して管理している。メダルユニット10は、これらの遊技種から遊技に使用するレートを選択して、遊技種として記憶する。遊技種は、メダルユニット10が設置された区画毎に固定した遊技種を用いることとしてもよいし、遊技客の操作により変更可能としてもよい。
【0065】
有価価値データ17cは、プリペイド価値、持メダル数、遊技メダル数を示すデータである。設定データ17dは、自装置に対応付けられているスマートスロット機20での上限数、有利区間ゲーム数、純増数を示すデータである。
【0066】
差枚数データ17eは、差枚数を示すデータである。残ゲーム数データ17fは、有利区間が設定されている場合に、有利区間が終了するまでの残りゲーム数を示すデータである。最大獲得枚数データ17gは、最大獲得枚数を示すデータである。
【0067】
制御部18は、メダルユニット10の全体制御を行う制御部であり、データ管理部18a、メダル貸出処理部18b、持メダル処理部18c、設定管理部18d、差枚数管理部18e、有利区間管理部18f及び最大獲得枚数管理部18gを有する。実際には、これらのプログラムをCPU(Central Processing Unit)にロードして実行することにより、データ管理部18a、メダル貸出処理部18b、持メダル処理部18c、設定管理部18d、差枚数管理部18e、有利区間管理部18f及び最大獲得枚数管理部18gにそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
【0068】
データ管理部18aは、有価価値データ17cを用いて、プリペイド価値、持メダル数、遊技メダル数等の管理を行う処理部である。ここでは、説明の便宜上その説明を省略したが、実際には、メダルユニット10が取り扱わない他の貸出レートの持メダル数についても管理する。なお、データ管理部18aは、貯玉及び貯メダルのデータを管理することもできる。
【0069】
メダル貸出処理部18bは、新たに紙幣が投入された場合又はプリペイド価値が残存している状態で表示操作部13からメダル貸し操作を受け付けた場合に、メダルの貸出処理を行う処理部である。このメダル貸出処理部18bは、従前のメダル貸し機のように現物のメダルを払い出すのではなく、例えば1000円分に相当するメダル数を遊技メダル数に加算するようスマートスロット機20に指示する。
【0070】
持メダル処理部18cは、持メダルに関する処理を行う処理部である。具体的には、表示操作部13から持メダルの払出操作を受け付けたならば、持メダル数のうちの所定数(例えば、50枚)を減算した後、50枚の遊技メダル数を加算するようにスマートスロット機20に指示する。
【0071】
設定管理部18dは、設定データ17dを管理する処理部である。設定管理部18dは、管理装置50から上限数、有利区間ゲーム数及び純増数を受け取ったならば、設定データ17dに記憶する。
【0072】
差枚数管理部18eは、差枚数データ17eを管理する処理部である。差枚数管理部18eは、スマートスロット機20から受信したセーフデータ及びアウトデータ並びに設定データ17dの上限数を用いて差枚数を算出し、差枚数データ17eに記憶する。
【0073】
有利区間管理部18fは、残ゲーム数データ17fを管理する処理部である。有利区間管理部18fは、設定データ17dに有利区間ゲーム数が設定されている場合に、有利区間が終了するまでの残りゲーム数を算出して残ゲーム数データ17fに記憶する。有利区間管理部18fは、設定データ17dに有利区間ゲーム数が設定されていない場合は、残ゲーム数データ17fに0を記憶する。
【0074】
最大獲得枚数管理部18gは、最大獲得枚数データ17gを管理する処理部である。最大獲得枚数管理部18gは、残ゲーム数データ17fが0であれば、差枚数データ17eを最大獲得枚数データ17gに記憶する。最大獲得枚数管理部18gは、残ゲーム数データ17fが0でなければ、残ゲーム数データ17fと設定データ17dの純増数を用いて有利区間残枚数を算出し、この有利区間残枚数と差枚数データ17eとで小さい方の数を最大獲得枚数データ17gに記憶する。最大獲得枚数管理部18gは、最大獲得枚数データ17gが更新されたならば、この最大獲得枚数データ17gを台ランプ11に表示するとともに、管理装置50に通知する。
【0075】
次に、
図4に示したメダルユニット10の記憶部17が記憶するデータの一例について説明する。
図5及び
図6は、
図4に示した自装置状態データ17a、有価価値データ17c、設定データ17d、差枚数データ17e、残ゲーム数データ17f及び最大獲得枚数データ17gの一例を示す図である。
【0076】
図5(a)に示す自装置状態データ17aは、メダルユニット10のユニットIDが「A101」であり、自装置に対応付けられているスマートスロット機20の遊技機IDが「B201」、メダルユニット10の遊技種として「メダル1」が設定された状態を示している。
【0077】
図5(b)に示す有価価値データ17cは、プリペイド価値が「0」度数、持メダル数が「0」枚、遊技メダル数が「1000」枚の状態であることを示している。
【0078】
図6(a)に示す設定データ17dは、上限数が「2400」枚、有利区間ゲーム数が「3000」ゲーム、純増数が「3」枚の状態であることを示している。
図6(b)に示す差枚数データ17eは、差枚数が「2400」枚の状態であることを示している。
【0079】
図6(c)に示す残ゲーム数データ17fは、残ゲーム数が「500」ゲームの状態であることを示している。
図6(d)に示す最大獲得枚数データ17gは、最大獲得枚数が「1500」枚の状態であることを示している。
【0080】
<管理装置50の構成>
次に、
図2に示した管理装置50の構成について説明する。
図7は、
図2に示した管理装置50の構成を示す図である。
図7に示すように、管理装置50は、表示部51及び入力部52と接続され、外部ネットワーク通信部53、店舗ネットワーク通信部54、記憶部55及び制御部56を有する。
【0081】
表示部51は、液晶パネルやディスプレイ装置等の表示デバイスである。入力部52は、キーボードやマウス等の入力デバイスである。外部ネットワーク通信部53は、外部ネットワークを介して図示しない認証鍵管理センタとデータ通信するためのインタフェース部である。店舗ネットワーク通信部54は、遊技店内において通信回線を介して島コントローラ30、賞品管理装置60及び精算機70とデータ通信するためのインタフェース部である。
【0082】
記憶部55は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等の記憶デバイスであり、カード管理データ55a、装置管理データ55b、会員管理データ55c、設定管理データ55d及び最大獲得枚数データ55eを記憶する。
【0083】
カード管理データ55aは、カードIDにプリペイド価値の残高や持玉及び持メダルの残高等を関連付けたデータである。装置管理データ55bは、遊技店に設置された装置に関するデータである。この装置管理データ55bは、ユニットID、設置場所、遊技機ID、スマートスロット機20の機種データ等を含んでいる。会員管理データ55cは、会員に対して発行した会員カードのカードIDに対して、会員の氏名、貯玉及び貯メダルの情報等を関連付けたデータである。
【0084】
設定管理データ55dは、各メダルユニット10に対応付けられているスマートスロット機20での上限数、有利区間ゲーム数、純増数を示すデータである。最大獲得枚数データ55eは、各メダルユニット10に対応付けられているスマートスロット機20での最大獲得枚数を示すデータである。
【0085】
制御部56は、管理装置50の全体制御を行う制御部であり、カード管理部56a、装置管理部56b、会員管理部56c、設定管理部56d及び最大獲得枚数管理部56eを有する。実際には、これらのプログラムをCPUにロードして実行することにより、カード管理部56a、装置管理部56b、会員管理部56c、設定管理部56d及び最大獲得枚数管理部56eにそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
【0086】
カード管理部56aは、カード管理データ55aの管理を行う処理部である。カード管理部56aは、メダルユニット10、賞品管理装置60及び精算機70と通信して、カードIDに対応付けられたプリペイド価値及び持メダルの残高を更新する。また、カード管理部56aは、メダルユニット10からカード挿入通知を受信した場合には、該カードに関連づけられた有価価値及び持メダルの残高を通知する。
【0087】
装置管理部56bは、装置管理データ55bの管理を行う処理部である。装置管理部56bは、メダルユニット10から取得したユニットID、設置場所及び遊技機IDに基づいて、装置管理データ55bを生成及び更新する。
【0088】
会員管理部56cは、会員管理データ55cの管理を行う処理部である。会員管理部56cは、賞品管理装置60と通信して、カードIDに関連付けられた持メダルの残高を更新する。また、会員管理部56cは、会員登録要求を受け付けた場合には、会員管理データ55cに会員を追加する更新を行う。
【0089】
設定管理部56dは、設定管理データ55dの管理を行う処理部である。設定管理部56dは、スマートスロット機20に対する上限数、有利区間ゲーム数及び純増数を入力部52から受け付けたならば、このスマートスロット機20に対応付けられたメダルユニット10のユニットIDと関連付けて設定管理データ55dに記憶するとともに、このメダルユニット10に対して通知する。
【0090】
最大獲得枚数管理部56eは、最大獲得枚数データ55eの管理を行う処理部である。最大獲得枚数管理部56eは、メダルユニット10から最大獲得枚数を受け取ったならば、このメダルユニット10のユニットIDと関連付けて最大獲得枚数データ55eに記憶する。
【0091】
次に、
図7に示した管理装置50の記憶部55が記憶するデータの一例について説明する。
図8及び
図9は、
図7に示したカード管理データ55a、装置管理データ55b、会員管理データ55c、設定管理データ55d及び最大獲得枚数データ55eの一例を示す図である。
【0092】
図8(a)に示すカード管理データ55aでは、カードID「1001」にプリペイド価値「0」度数、各レートの持玉の残高「0」玉、各レートの持メダルの残高「0」枚、使用先ユニットID「A101」が対応付けられている。すなわち、カードID「1001」のカードは、ユニットID「A101」のメダルユニット10に挿入されており、持メダルについてはメダルユニット10に管理が移っている。このため、各レートの持メダルの残高はゼロである。
【0093】
また、カード管理データ55aでは、カードID「2001」にプリペイド価値「3000」度数、持玉として、玉1の持玉の残高「1500」玉、玉2の持玉の残高「2500」玉、玉3の持玉の残高「0」玉と、持メダルとして、メダル1の持メダルの残高「2000」枚、メダル2の持メダルの残高「500」枚、メダル3の持メダルの残高「0」枚とが対応付けられているが、使用先ユニットIDの対応付けはされていない。すなわち、カードID「2001」のカードは、メダルユニット10に挿入されておらず、持玉の管理が管理装置50により行われている。
【0094】
図8(b)に示す装置管理データ55bは、ユニットID「A101」のメダルユニット10の設置場所が「島1-1」、接続されたスマートスロット機20の遊技機IDが「B201」、遊技台番号が「11」、遊技種が「メダル1」、接続されたスマートスロット機20の機種が「EV01」、製造番号が「a」であることを示している。また、このスマートスロット機20が使用中の状態にあることも示している。
【0095】
また、装置管理データ55bは、ユニットID「A201」のメダルユニット10の設置場所が「島2-1」、接続されたスマートスロット機20の遊技機IDが「B506」、遊技台番号が「21」、遊技種が「メダル3」、接続されたスマートスロット機20の機種が「DX03」、製造番号が「g」であることを示している。また、このスマートスロット機20が使用中の状態にあることも示している。
【0096】
図8(c)に示す会員管理データ55cは、カードIDに対応付けられた、氏名、貯玉、貯メダル等を示している。具体的には、会員管理データ55cは、カードID「2005」に対して、氏名「特許太郎」、「玉1」の貯玉の残高「1500」玉、「玉2」の貯玉の残高「200」玉、「玉3」の貯玉の残高「0」玉、「メダル1」の貯メダルの残高「1000」枚、「メダル2」の貯メダルの残高「500」枚、「メダル3」の貯メダルの残高「0」枚を対応付けている。
【0097】
図9(a)に示す設定管理データ55dは、ユニットID「A101」に対して、上限数「2400」枚、有利区間ゲーム数「3000」ゲーム、純増数「3」枚を関連付け、ユニットID「A201」に対して、上限数「2400」枚、有利区間ゲーム数「3000」ゲーム、純増数「2.5」枚を関連付けている。
【0098】
図9(b)に示す最大獲得枚数データ55eは、ユニットID「A101」に対して最大獲得枚数「1500」枚を関連付け、ユニットID「A201」に対して最大獲得枚数「2400」枚を関連付けている。
【0099】
<実施形態1に係る最大獲得枚数の表示に関する処理手順>
次に、本実施形態1に係る最大獲得枚数の表示に関する処理手順について説明する。
図10は、本実施形態1に係る最大獲得枚数の表示に関する処理手順を示すフローチャートである。
【0100】
まず、スマートスロット機20において遊技が開始されたならば(ステップS101;Yes)、スマートスロット機20から受信したセーフデータ及びアウトデータ並びに設定データ17dの上限数を用いて差枚数を算出し、差枚数データ17eに記憶する(ステップS102)。
【0101】
有利区間が設定されていない、すなわち、設定データ17dに有利区間ゲーム数が設定されていないならば(ステップS103;No)、差枚数データ17eの差枚数を最大獲得枚数として(ステップS107)、この最大獲得枚数を台ランプ11に表示し(ステップS108)、そのまま処理を終了する。
【0102】
有利区間が設定されている、すなわち、設定データ17dに有利区間ゲーム数が設定されているならば(ステップS103;Yes)、残ゲーム数データ17fと設定データ17dの純増数を用いて有利区間残枚数を算出する(ステップS104)。
【0103】
算出した有利区間残枚数が差枚数データ17eの差枚数以上であれば(ステップS105;No)、差枚数データ17eの差枚数を最大獲得枚数として(ステップS107)、この最大獲得枚数を台ランプ11に表示し(ステップS108)、そのまま処理を終了する。
【0104】
算出した有利区間残枚数が差枚数データ17eの差枚数未満であれば(ステップS105;Yes)、有利区間残枚数を最大獲得枚数として(ステップS106)、この最大獲得枚数を台ランプ11に表示し(ステップS108)、処理を終了する。
【0105】
上述してきたように、本実施形態1に係る遊技システムでは、有利区間の設定の有無に応じて最大獲得枚数を算出し、表示するよう構成したので、遊技客の利便性を向上させることができる。
【0106】
なお、上記の実施形態1では、最大獲得枚数を台ランプに表示する構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、メダルユニットの表示制御部及び/又はデジタルサイネージなどの表示装置に表示するよう構成することもできる。また、遊技店に配設されたホールコンピュータと呼ばれる装置の表示部に表示するよう構成することもできる。
【0107】
また、上記の実施形態1では、メダルユニットにおいて最大獲得枚数を算出する構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、管理装置において最大獲得枚数を算出するよう構成することもできる。
【0108】
また、上記の実施形態1では、最大獲得枚数を台ランプに表示する構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、有利区間の残ゲーム数を台ランプ等に表示するよう構成することもできる。
【0109】
また、上記の実施形態1では、最大獲得枚数を台ランプに表示する構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技機等の情報を発信するサイトの会員又は店舗会員が所持するスマートフォン等の携帯端末に対して、最大獲得枚数が所定数(例えば、5000枚)以上の遊技機がある場合に、その旨を通知するよう構成することもできる。また、最大獲得枚数を遊技店の従業員が所持する端末装置にその旨を通知することもできる。これにより、従業員が特定の人物にその事実を通知することができる。また、スマートスロット機での最大獲得枚数が少ない場合に、従業員が閉店後のスマートスロット機の設定変更又はリセットの必要性を把握することができる。スマートスロット機の設定変更又はリセットにより、翌営業日にスマートスロット機で遊技する遊技客の期待感又は遊技店への信頼度を損ねる事態を防ぐことができる。
【0110】
また、上記の実施形態1では、最大獲得枚数を台ランプに常時表示する構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、店舗が設定した条件に応じて最大獲得枚数を台ランプに表示するよう構成することもできる。この条件は、最大獲得枚数が所定数(例えば、5000枚)以上の場合、又は、メダルユニットに会員カードが挿入された場合などである。
【0111】
また、上記の実施形態1では、メダルを装置外部に払い出さない封入式の回胴式遊技機を対象とした構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、メダルを装置外部に払い出す従来の回胴式遊技機を対象とするよう構成することもできる。
【0112】
[実施形態2]
ところで、上記の実施形態1では、有利区間の設定の有無に応じて最大獲得枚数を算出して表示する構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。有利区間の終了時には最大獲得枚数がリセットされるが、このリセットを行う条件を設定できるよう構成することもできる。本実施形態2では、最大獲得枚数をリセットする条件を設定できる遊技システムについて説明する。
【0113】
<実施形態2に係る遊技システムの概要>
まず、本実施形態2に係る遊技システムの概要について説明する。
図11は、本実施形態2に係る遊技システムの概要の説明図である。
【0114】
本実施形態2に係る遊技システムでは、
図11(a)に示すように、遊技に使用したメダル数(マイナス値)と獲得したメダル数(プラス値)の累計がゲームの進行によって推移する。例えば、500ゲーム目では-1000枚であり、この場合には、
図11(b)に示すように、最大獲得枚数が3400枚、有利区間ゲーム数が500ゲームであることが台ランプ11に表示される。
【0115】
一方、3000ゲーム目でも-1000枚であるものの、この時点で有利区間が終了するために最大獲得枚数がリセットされ、
図11(c)に示すように、最大獲得枚数が2400枚、有利区間ゲーム数が0ゲームであることが台ランプ11に表示される。このほか、本実施形態2に係る遊技システムでは、スマートスロット機の電源OFFの検知によりリセットする等のリセット条件を設定することができる。
【0116】
<実施形態2に係るリセット条件の一例>
次に、本実施形態2に係るリセット条件の一例について説明する。
図12は、本実施形態2に係るリセット条件の一例を示す図である。
【0117】
図12に示すように、リセット条件には設定変更があり、その際のメダルユニットでの対応には4種類がある。1つ目は、閉店中にスマートスロット機の電源OFFを検知後、クリア信号を台ランプ等に通知する。2つ目は、閉店中に従業員によるリモコン等の操作により、クリア信号を台ランプ等に通知する。3つ目は、管理装置からクリア信号を受信し、クリア信号を台ランプ等に通知する。4つ目は、設定変更中モードに入ったならば、クリア信号を台ランプ等に通知する。
【0118】
また、有利区間規定ゲーム数到達、又は、差枚数2400枚到達した場合に、これを検知したならば、台ランプ等は自動的にクリアする。
【0119】
また、大当り、AT(アシスタントタイム)、ART(アシストリプレイタイム)、CZ(チャンスゾーン)突入、CZ終了、その他の設定を検知したならば、台ランプ等は自動的にクリアする。ただし、管理装置において機種毎にクリア条件を設定可能とする。なお、その他の設定とは、機種毎に規定された特殊条件である。
【0120】
上述してきたように、本実施形態2に係る遊技システムでは、最大獲得枚数をリセットする条件を設定するよう構成したので、遊技店における遊技機の管理の利便性を向上させることができる。
【0121】
なお、上記の実施形態2では、有利区間ゲーム数の表示において、1ゲーム毎にゲーム数を表示する構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、所定のゲーム数毎(例えば、10ゲーム毎)に表示するよう構成することもできる。
【0122】
また、上記の実施形態2では、有利区間ゲーム数の表示において、1ゲーム毎にゲーム数を表示する構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、リセット後の所定のゲーム数(例えば、5ゲーム)は有利区間に参入しないよう、スマートスロット機毎に設定できるよう構成することもできる。
【0123】
また、上記の実施形態2では、メダルを装置外部に払い出さない封入式の回胴式遊技機に対してリセット条件を設定する構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、メダルを装置外部に払い出す従来の回胴式遊技機を対象としてリセット条件を設定するよう構成することもできる。なお、封入式の回胴式遊技機と従来の回胴式遊技機に対する設定を区分して設定できるよう構成することもできる。
【0124】
[実施形態3]
ところで、上記の実施形態1では、有利区間の設定の有無に応じて最大獲得枚数を台ランプに表示する構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、所定のゲーム数等の条件に基づいて台ランプを点灯するよう構成することもできる。本実施形態3では、台ランプを点灯する条件を設定できる遊技システムについて説明する。
【0125】
<実施形態3に係る遊技システムの概要>
まず、本実施形態3に係る遊技システムの概要について説明する。
図13は、本実施形態3に係る遊技システムの概要の説明図である。
【0126】
本実施形態3に係る遊技システムでは、
図13に示すように、営業中に天井まで50ゲーム以下になった場合に、台ランプを点灯する設定になっている。例えば、台番号11の遊技機は天井まで70ゲームであるため、台ランプは点灯しない。台番号12の遊技機は天井まで50ゲームであるため、台ランプは点灯する。台番号13の遊技機は天井まで100ゲームであるため、台ランプは点灯しない。台番号14の遊技機は天井まで40ゲームであるため、台ランプは点灯する。
【0127】
このように、所定のゲーム数等の条件に基づいて台ランプが点灯するため、この台ランプの点灯を確認することにより、設定されたゲーム数の状態を遊技機毎に認識することができる。これにより、閉店前の時間帯などにおいて、遊技機付近の清掃等の閉店前作業を効率的に行うことが可能となる。
【0128】
<実施形態3に係る台ランプ点灯条件の一例>
次に、本実施形態3に係る台ランプ点灯条件の一例について説明する。
図14は、本実施形態3に係る台ランプ点灯条件の一例を示す図である。
【0129】
図14に示すように、台ランプ点灯条件には閉店中の場合と営業中の場合がある。閉店中の場合は、天井まで残り100ゲーム以内、又は、吸い込み数が1000枚以上の場合である。この場合には、従業員は台ランプのリセット処理を行うことになる。
【0130】
営業中の場合は、天井まで残り50ゲーム以内の場合である。閉店前の時間帯において台ランプが点灯した遊技機で遊技中の遊技客は、しばらく遊技を継続すると思われる。このため、従業員が清掃等の閉店前作業を行う場合は、この遊技機から離れた島から作業を行うことになる。
【0131】
上述してきたように、本実施形態3に係る遊技システムでは、所定のゲーム数等の条件に基づいて台ランプを点灯するよう構成したので、遊技店における遊技機の管理の利便性及び業務の効率化を図ることができる。
【0132】
なお、上記の実施形態3では、所定のゲーム数等の条件に基づいて台ランプを点灯する構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、設定した条件に該当する遊技機の台番号を管理装置において管理し、表示及び印字をできるよう構成することもできる。この際、表示及び印字の内容を選択できるよう構成することもできる。
【0133】
また、上記の各実施形態で図示した各構成は機能概略的なものであり、必ずしも物理的に図示の構成をされていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。
【産業上の利用可能性】
【0134】
本発明に係る遊技システム、各台装置及び獲得可能数報知方法は、遊技客の利便性を向上させる場合に適している。
【符号の説明】
【0135】
10 メダルユニット
11 台ランプ
12 紙幣挿入口
13 表示操作部
14 カード挿入口
14a リーダライタ
15,16 通信部
17 記憶部
17a 自装置状態データ
17b カードID
17c 有価価値データ
17d 設定データ
17e 差枚数データ
17f 残ゲーム数データ
17g 最大獲得枚数データ
18 制御部
18a データ管理部
18b メダル貸出処理部
18c 持メダル処理部
18d 設定管理部
18e 差枚数管理部
18f 有利区間管理部
18g 最大獲得枚数管理部
20 スマートスロット機
21、21a、21b、21c ドラム
22 遊技メダル数表示部
23 マックスBETボタン
24 スタートレバー
25、25a、25b、25c ストップボタン
26 BET枚数表示部
27 計数ボタン
30 島コントローラ
50 管理装置
51 表示部
52 入力部
53 外部ネットワーク通信部
54 店舗ネットワーク通信部
55 記憶部
55a カード管理データ
55b 装置管理データ
55c 会員管理データ
55d 設定管理データ
55e 最大獲得枚数データ
56 制御部
56a カード管理部
56b 装置管理部
56c 会員管理部
56d 設定管理部
56e 最大獲得枚数管理部
60 賞品管理装置
70 精算機