(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023137510
(43)【公開日】2023-09-29
(54)【発明の名称】基板処理装置および監視方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/304 20060101AFI20230922BHJP
H01L 21/306 20060101ALI20230922BHJP
H01L 21/027 20060101ALI20230922BHJP
B05C 11/08 20060101ALI20230922BHJP
B05C 11/00 20060101ALI20230922BHJP
【FI】
H01L21/304 643A
H01L21/306 R
H01L21/30 562
H01L21/30 569
B05C11/08
B05C11/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022043753
(22)【出願日】2022-03-18
(71)【出願人】
【識別番号】000207551
【氏名又は名称】株式会社SCREENホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】100088672
【弁理士】
【氏名又は名称】吉竹 英俊
(74)【代理人】
【識別番号】100088845
【弁理士】
【氏名又は名称】有田 貴弘
(72)【発明者】
【氏名】清水 進二
(72)【発明者】
【氏名】山田 亮
(72)【発明者】
【氏名】増井 達哉
(72)【発明者】
【氏名】出羽 裕一
(72)【発明者】
【氏名】宮脇 美和
【テーマコード(参考)】
4F042
5F043
5F146
5F157
【Fターム(参考)】
4F042AA02
4F042AA06
4F042AB00
4F042DE01
4F042DH09
4F042EB05
4F042EB09
4F042EB13
4F042EB17
5F043DD13
5F043DD30
5F043EE07
5F043EE08
5F043EE27
5F146LA04
5F146LA05
5F146LA19
5F157AB02
5F157AB14
5F157AB33
5F157AB90
5F157BB23
5F157CF32
5F157CF42
5F157CF70
5F157CF74
(57)【要約】
【課題】液滴の影響を抑制してより高い精度で監視対象物を監視することができる技術を提供する。
【解決手段】基板処理装置は、チャンバー10と、基板保持部20と、ノズル30と、カメラ70と、制御部9とを備える。基板保持部20は、チャンバー10内において基板Wを保持する。ノズル30は、基板保持部20によって保持された基板Wに向けて処理液を吐出する。カメラ70は、チャンバー10内の監視対象物を含む撮像領域を撮像して、撮像画像データを生成する。制御部9は、撮像画像データに液滴が含まれているときに、撮像画像データのうち液滴を示す液滴領域の少なくとも一部を除いた領域を用いて、監視対象物を監視する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
チャンバーと、
前記チャンバー内において基板を保持する基板保持部と、
前記基板保持部によって保持された前記基板に向けて処理液を吐出するノズルと、
前記チャンバー内の監視対象物を含む撮像領域を撮像して、撮像画像データを生成するカメラと、
前記撮像画像データに液滴が含まれているときに、前記撮像画像データのうち前記液滴を示す液滴領域の少なくとも一部を除いた領域を用いて、前記監視対象物を監視する制御部と
を備える、基板処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の基板処理装置であって、
前記撮像画像データにおいて互いに異なる物体の表面に対応した第1領域および第2領域を示す領域データを記憶する記憶部をさらに備え、
前記制御部は、前記第1領域内に前記液滴が含まれているときには、前記撮像画像データのうち前記液滴領域の輪郭領域を除いた領域を用いて前記監視対象物を監視し、前記第2領域内に前記液滴が含まれているときには、前記撮像画像データのうち前記液滴領域の全体を除いた領域を用いて前記監視対象物を監視する、基板処理装置。
【請求項3】
請求項1に記載の基板処理装置であって、
前記制御部は、親水面に付着している前記液滴については、前記撮像画像データのうち前記液滴領域の輪郭領域を除き、かつ、前記親水面よりも濡れ性が低い疎水面に付着した前記液滴については、前記撮像画像データのうち前記液滴領域の全体を除いた領域を用いて、前記監視対象物を監視する、基板処理装置。
【請求項4】
請求項3に記載の基板処理装置であって、
前記撮像画像データにおいて前記親水面および前記疎水面にそれぞれ対応した第1領域および第2領域を示す領域データを記憶する記憶部をさらに備え、
前記制御部は、前記領域データに基づいて前記液滴が付着している表面が前記親水面であるのか、前記疎水面であるのかを判定する、基板処理装置。
【請求項5】
請求項4に記載の基板処理装置であって、
前記制御部は、前記基板処理装置の稼働時間、前記基板の処理枚数または経過時間を示す経時関連値に基づいて、前記領域データを更新する、基板処理装置。
【請求項6】
請求項3に記載の基板処理装置であって、
前記制御部は、前記液滴が付着した表面が前記親水面であるのか、前記疎水面であるのかを前記撮像画像データに基づいて判定する、基板処理装置。
【請求項7】
請求項6に記載の基板処理装置であって、
前記制御部は、前記撮像画像データに基づいて前記液滴領域のサイズを算出し、前記液滴領域のサイズがしきい値以上であるときに、前記表面が親水面であると判定し、前記液滴のサイズが前記しきい値未満であるときに、前記表面が疎水面であると判定する、基板処理装置。
【請求項8】
請求項6または請求項7に記載の基板処理装置であって、
前記制御部は、学習済みモデルを用いて前記表面が前記親水面であるのか前記疎水面であるのかを判定する、基板処理装置。
【請求項9】
請求項1から請求項8のいずれか一つに記載の基板処理装置であって、
前記カメラと前記撮像領域との間に設けられた親水性かつ透明なカメラガードをさらに備え、
前記制御部は、前記カメラガードに前記液滴が付着しているか否かを、前記撮像画像データに基づいて判定し、前記カメラガードに前記液滴が付着しているときには、前記カメラガードに付着した前記液滴を示す前記液滴領域の輪郭領域を前記撮像画像データから除いた領域を用いて、前記監視対象物を監視する、基板処理装置。
【請求項10】
請求項1から請求項8のいずれか一つに記載の基板処理装置であって、
前記カメラと前記撮像領域との間に設けられた疎水性かつ透明なカメラガードをさらに備え、
前記制御部は、前記カメラガードに前記液滴が付着しているか否かを、前記撮像画像データに基づいて判定し、前記カメラガードに前記液滴が付着しているときには、前記カメラガードに付着した前記液滴を示す前記液滴領域の全体を前記撮像画像データから除いた領域を用いて、前記監視対象物を監視する、基板処理装置。
【請求項11】
請求項1から請求項8のいずれか一つに記載の基板処理装置であって、
前記カメラと前記撮像領域との間に設けられた透明なカメラガードと、
前記カメラガードに付着した前記液滴の少なくとも一部を除去する除去動作を行う液滴除去部と
をさらに備え、
前記撮像画像データに前記液滴が含まれているときに、前記液滴除去部が前記除去動作を行い、前記制御部は、前記除去動作の後に前記カメラによって撮像された前記撮像画像データに基づいて、前記監視対象物を監視する、基板処理装置。
【請求項12】
基板を保持する基板保持部と、前記基板保持部によって保持された前記基板に向けて処理液を吐出するノズルとを収容するチャンバー内の監視対象物を含む撮像領域を、カメラが撮像して、撮像画像データを生成する撮像工程と、
前記撮像画像データに液滴が含まれているか否かを判定する液滴判定工程と、
前記撮像画像データに前記液滴が含まれているときに、前記撮像画像データのうち前記液滴を示す液滴領域の少なくとも一部を除いた領域を用いて、前記監視対象物を監視する監視工程と
を備える、監視方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、基板処理装置および監視方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、半導体デバイスなどの製造工程においては、基板に対して純水、フォトレジスト液およびエッチング液などの種々の処理液を供給して、洗浄処理およびレジスト塗布処理などの種々の基板処理を行っている。これらの処理液を使用した基板処理を行う装置としては、基板保持部が基板を水平姿勢で回転させつつ、その基板の表面にノズルから処理液を吐出する基板処理装置が広く用いられている。
【0003】
このような基板処理装置においては、ノズルの位置が適切であるか否かの監視が行われる。例えば特許文献1では、カメラなどの撮像手段を設けて、ノズルの位置を監視している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
基板に対する処理を適切に行うためには、ノズルのみならず、より多くの監視対象を監視することが望ましい。
【0006】
例えば、基板処理装置には、基板の周縁から飛散する処理液を受け止めるためのガードが設けられる。ガードは筒状の形状を有しており、基板の周縁を取り囲む。ガードは昇降可能に設けられており、基板の搬出入時には、ガードは下降している。これにより、基板処理装置に基板を搬出入するための搬送ロボットと、ガードとの衝突を回避することができる。処理液を基板の表面に供給する際には、ガードは上昇する。ガードの上昇により、ガードの上端周縁部が基板よりも上方に位置する。このため、基板の周縁から飛散した処理液がガードの内周面で受け止められる。
【0007】
もし異常が発生してガードが適切な位置に移動できなければ、ガードと搬送ロボットとの衝突を適切に回避することができなくなったり、あるいは、処理液を適切にガードで受け止めることができなくなったりする。
【0008】
そこで、カメラが、ガードを含む撮像領域を撮像して、撮像画像データを生成し、画像処理部が撮像画像データに基づいて、ガードの位置を監視することが考えられる。しかしながら、処理液の液滴がガードの外周面などに付着すると、撮像画像データを用いた監視精度が低下するおそれがある。
【0009】
また、ノズルに液滴が付着しても撮像画像データを用いたノズルの位置監視の精度が低下するおそれがある。
【0010】
そこで、本開示は、液滴の影響を抑制してより高い精度で監視対象物を監視することができる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
第1の態様は、基板処理装置であって、チャンバーと、前記チャンバー内において基板を保持する基板保持部と、前記基板保持部によって保持された前記基板に向けて処理液を吐出するノズルと、前記チャンバー内の監視対象物を含む撮像領域を撮像して、撮像画像データを生成するカメラと、前記撮像画像データに液滴が含まれているときに、前記撮像画像データのうち前記液滴を示す液滴領域の少なくとも一部を除いた領域を用いて、前記監視対象物を監視する制御部とを備える。
【0012】
第2の態様は、第1の態様にかかる基板処理装置であって、前記撮像画像データにおいて互いに異なる物体の表面に対応した第1領域および第2領域を示す領域データを記憶する記憶部をさらに備え、前記制御部は、前記第1領域内に前記液滴が含まれているときには、前記撮像画像データのうち前記液滴領域の輪郭領域を除いた領域を用いて前記監視対象物を監視し、前記第2領域内に前記液滴が含まれているときには、前記撮像画像データのうち前記液滴領域の全体を除いた領域を用いて前記監視対象物を監視する。
【0013】
第3の態様は、第1の態様にかかる基板処理装置であって、前記制御部は、親水面に付着している前記液滴については、前記撮像画像データのうち前記液滴領域の輪郭領域を除き、かつ、前記親水面よりも濡れ性が低い疎水面に付着した前記液滴については、前記撮像画像データのうち前記液滴領域の全体を除いた領域を用いて、前記監視対象物を監視する。
【0014】
第4の態様は、第3の態様にかかる基板処理装置であって、前記撮像画像データにおいて前記親水面および前記疎水面にそれぞれ対応した第1領域および第2領域を示す領域データを記憶する記憶部をさらに備え、前記制御部は、前記領域データに基づいて前記液滴が付着している表面が前記親水面であるのか、前記疎水面であるのかを判定する。
【0015】
第5の態様は、第4の態様にかかる基板処理装置であって、前記制御部は、前記基板処理装置の稼働時間、前記基板の処理枚数または経過時間を示す経時関連値に基づいて、前記領域データを更新する。
【0016】
第6の態様は、第3の態様にかかる基板処理装置であって、前記制御部は、前記液滴が付着した表面が前記親水面であるのか、前記疎水面であるのかを前記撮像画像データに基づいて判定する。
【0017】
第7の態様は、第6の態様にかかる基板処理装置であって、前記制御部は、前記撮像画像データに基づいて前記液滴領域のサイズを算出し、前記液滴領域のサイズがしきい値以上であるときに、前記表面が親水面であると判定し、前記液滴のサイズが前記しきい値未満であるときに、前記表面が疎水面であると判定する。
【0018】
第8の態様は、第6または第7の態様にかかる基板処理装置であって、前記制御部は、学習済みモデルを用いて前記表面が前記親水面であるのか前記疎水面であるのかを判定する。
【0019】
第9の態様は、第1から第8のいずれか一つの態様にかかる基板処理装置であって、前記カメラと前記撮像領域との間に設けられた親水性かつ透明なカメラガードをさらに備え、前記制御部は、前記カメラガードに前記液滴が付着しているか否かを、前記撮像画像データに基づいて判定し、前記カメラガードに前記液滴が付着しているときには、前記カメラガードに付着した前記液滴を示す前記液滴領域の輪郭領域を前記撮像画像データから除いた領域を用いて、前記監視対象物を監視する。
【0020】
第10の態様は、第1から第8のいずれか一つの態様にかかる基板処理装置であって、前記カメラと前記撮像領域との間に設けられた疎水性かつ透明なカメラガードをさらに備え、前記制御部は、前記カメラガードに前記液滴が付着しているか否かを、前記撮像画像データに基づいて判定し、前記カメラガードに前記液滴が付着しているときには、前記カメラガードに付着した前記液滴を示す前記液滴領域の全体を前記撮像画像データから除いた領域を用いて、前記監視対象物を監視する。
【0021】
第11の態様は、第1から第8のいずれか一つの態様にかかる基板処理装置であって、前記カメラと前記撮像領域との間に設けられた透明なカメラガードと、前記カメラガードに付着した前記液滴の少なくとも一部を除去する除去動作を行う液滴除去部とをさらに備え、前記撮像画像データに前記液滴が含まれているときに、前記液滴除去部が前記除去動作を行い、前記制御部は、前記除去動作の後に前記カメラによって撮像された前記撮像画像データに基づいて、前記監視対象物を監視する。
【0022】
第12の態様は、監視方法であって、基板を保持する基板保持部と、前記基板保持部によって保持された前記基板に向けて処理液を吐出するノズルとを収容するチャンバー内の監視対象物を含む撮像領域を、カメラが撮像して、撮像画像データを生成する撮像工程と、前記撮像画像データに液滴が含まれているか否かを判定する液滴判定工程と、前記撮像画像データに前記液滴が含まれているときに、前記撮像画像データのうち前記液滴を示す液滴領域の少なくとも一部を除いた領域を用いて、前記監視対象物を監視する監視工程とを備える。
【発明の効果】
【0023】
第1、第2および第12の態様によれば、液滴領域の少なくとも一部が用いられないので、より高い精度で監視対象物を監視することができる。
【0024】
第3の態様によれば、濡れ性が低い疎水面上の液滴は盛り上がった状態で位置するので、レンズとして機能する。よって、液滴を通じた疎水面の像には視覚的な歪みが生じる。第3の態様では、液滴領域の全てが削除されるので、歪みに起因した監視精度の低下を回避することができる。
【0025】
一方で、濡れ性が高い親水面上の液滴は薄く広がった状態で位置する。平面視における液滴の輪郭部分よりも内側の内側部分では、その液面が平坦であるので、レンズとしてほとんど機能せず、液滴の内側部分を通じた親水面の像には視覚的な歪みがほとんど生じない。第3の態様では、液滴領域の輪郭領域を除き、その内側領域を用いるので、より多くの画素値に基づいて監視を行うことができる。
【0026】
第4の態様によれば、簡易な処理で表面の濡れ性を判定できる。
【0027】
第5の態様によれば、経時変化に対応して、適切に液滴領域の削除範囲を決定することができる。
【0028】
第6の態様によれば、撮像画像データに基づいて表面の濡れ性を判定するので、ユーザは事前に濡れ性に関するデータを設定する必要がない。
【0029】
第7の態様によれば、比較的に軽い処理負荷で濡れ性を判定できる。
【0030】
第8の態様によれば、高い精度で濡れ性を判定することができる。
【0031】
第9の態様によれば、親水性のカメラガードに液滴が付着しているときには、液滴は薄く広がった状態で位置する。液滴領域の内側領域を用いることで、より多くの画素数を用いることできるので、より高い精度で監視対象物を監視することができる。
【0032】
第10の態様によれば、疎水性のカメラガードに液滴が付着しているときには、液滴は厚く盛り上がった状態で位置する。撮像画像データのうち液滴領域の全体を除いた領域を用いることで、液滴領域による視覚的な歪みの影響を回避することができるので、より高い精度で監視対象物を監視することができる。
【0033】
第11の態様によれば、カメラガードに液滴が付着しているときには、液滴を除去するので、液滴の影響を少なくして監視対象物を監視することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1】基板処理装置の構成の一例を概略的に示す平面図である。
【
図2】第1の実施の形態にかかる処理ユニットの構成の一例を概略的に示す平面図である。
【
図3】第1の実施の形態にかかる処理ユニットの構成の一例を概略的に示す縦断面図である。
【
図4】制御部の内部構成の一例を概略的に示す機能ブロック図である。
【
図5】基板処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図6】カメラが撮像領域を撮像して生成した撮像画像の一例を概略的に示す図である。
【
図7】処理ユニットによる監視処理の一例を示すフローチャートである。
【
図8】監視工程の具体的な一例を示すフローチャートである。
【
図9】撮像画像および参照画像に対する液滴削除工程を行う様子の一例を概略的に示す図である。
【
図10】スピンベースの上面および外ガードの外周面上の液滴の一例を概略的に示す断面図である。
【
図11】第2の実施の形態にかかる液滴削除工程の具体的な一例を示すフローチャートである。
【
図12】撮像画像および参照画像に対する液滴削除工程を行う様子の一例を概略的に示す図である。
【
図13】領域データの更新の一例を示すフローチャートである。
【
図14】サイズに基づいた削除範囲の決定方法の一例を示すフローチャートである。
【
図15】学習済みモデルを用いた削除範囲の決定方法の一例を示すフローチャートである。
【
図16】第3の実施の形態にかかる処理ユニットの構成の一例を概略的に示す縦断面図である。
【
図17】第1カメラ位置でカメラが撮像したときの撮像画像の一例を概略的に示す図である。
【
図18】第2カメラ位置でカメラが撮像したときの撮像画像の一例を概略的に示す図である。
【
図19】第3の実施の形態にかかる液滴削除工程の具体的な一例を示すフローチャートである。
【
図20】第4の実施の形態にかかる処理ユニットの構成の一例を概略的に示す縦断面図である。
【
図21】第4の実施の形態にかかる処理ユニットの動作の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、添付される図面を参照しながら実施の形態について説明する。なお、図面は概略的に示されるものであり、説明の便宜のため、適宜、構成の省略、または、構成の簡略化がなされるものである。また、図面に示される構成の大きさおよび位置の相互関係は、必ずしも正確に記載されるものではなく、適宜変更され得るものである。
【0036】
また、以下に示される説明では、同様の構成要素には同じ符号を付して図示し、それらの名称と機能とについても同様のものとする。したがって、それらについての詳細な説明を、重複を避けるために省略する場合がある。
【0037】
また、以下に記載される説明において、「第1」または「第2」などの序数が用いられる場合があっても、これらの用語は、実施の形態の内容を理解することを容易にするために便宜上用いられるものであり、これらの序数によって生じ得る順序に限定されるものではない。
【0038】
相対的または絶対的な位置関係を示す表現(例えば「一方向に」「一方向に沿って」「平行」「直交」「中心」「同心」「同軸」など)が用いられる場合、該表現は、特に断らない限り、その位置関係を厳密に表すのみならず、公差もしくは同程度の機能が得られる範囲で相対的に角度または距離に関して変位された状態も表すものとする。等しい状態であることを示す表現(例えば「同一」「等しい」「均質」など)が用いられる場合、該表現は、特に断らない限り、定量的に厳密に等しい状態を表すのみならず、公差もしくは同程度の機能が得られる差が存在する状態も表すものとする。形状を示す表現(例えば、「四角形状」または「円筒形状」など)が用いられる場合、該表現は、特に断らない限り、幾何学的に厳密にその形状を表すのみならず、同程度の効果が得られる範囲で、例えば凹凸や面取りなどを有する形状も表すものとする。一の構成要素を「備える」「具える」「具備する」「含む」または「有する」という表現が用いられる場合、該表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的表現ではない。「A,BおよびCの少なくともいずれか一つ」という表現が用いられる場合、該表現は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、A,BおよびCのうち任意の2つ、ならびに、A,BおよびCの全てを含む。
【0039】
<第1の実施の形態>
<基板処理装置の全体構成>
図1は、基板処理装置100の構成の一例を概略的に示す平面図である。基板処理装置100は、処理対象である基板Wを1枚ずつ処理する枚葉式の処理装置である。基板処理装置100は、基板Wに対して、薬液と、純水などのリンス液とを用いて液処理を行った後、乾燥処理を行う。基板Wは、例えば、半導体基板であって、円板形状を有する。上記の薬液としては、例えば、アンモニアと過酸化水素水との混合液(SC1)、塩酸と過酸化水素水との混合水溶液(SC2)、または、DHF液(希フッ酸)などが用いられる。以下の説明では、薬液、リンス液および有機溶剤などを総称して「処理液」とする。なお、洗浄処理のみならず、不要な膜を除去するための薬液、または、エッチングのための薬液なども「処理液」に含まれるものとする。
【0040】
基板処理装置100は、複数の処理ユニット1と、ロードポートLPと、インデクサロボット102と、主搬送ロボット103と、制御部9とを含む。
【0041】
ロードポートLPは、基板処理装置100と外部との間で基板Wの搬出入を行うためのインターフェース部である。ロードポートLPには、未処理の複数の基板Wを収容した収容器(キャリアとも呼ばれる)が外部から搬入される。ロードポートLPは複数のキャリアを保持することができる。各基板Wは後述のように基板処理装置100によってキャリアから取り出されて処理され、再びキャリアに収容される。処理済みの複数の基板Wを収容したキャリアはロードポートLPから外部に搬出される。
【0042】
インデクサロボット102は、ロードポートLPに保持された各キャリアと、主搬送ロボット103との間で基板Wを搬送する。主搬送ロボット103は各処理ユニット1とインデクサロボット102との間で基板Wを搬送する。
【0043】
処理ユニット1は、1枚の基板Wに対して液処理および乾燥処理を行う。本実施の形態に関する基板処理装置100には、同様の構成である12個の処理ユニット1が配置されている。具体的には、それぞれが鉛直方向に積層された3個の処理ユニット1を含む4つのタワーが、主搬送ロボット103の周囲を取り囲むようにして配置されている。
図1では、3段に重ねられた処理ユニット1の1つが概略的に示されている。なお、基板処理装置100における処理ユニット1の数量は、12個に限定されるものではなく、適宜変更されてもよい。
【0044】
主搬送ロボット103は、処理ユニット1が積層された4個のタワーの中央に設置されている。主搬送ロボット103は、インデクサロボット102から受け取る処理対象の基板Wをそれぞれの処理ユニット1内に搬入する。また、主搬送ロボット103は、それぞれの処理ユニット1から処理済みの基板Wを搬出してインデクサロボット102に渡す。制御部9は、基板処理装置100のそれぞれの構成要素の動作を制御する。
【0045】
以下、基板処理装置100に搭載された12個の処理ユニット1のうちの1つについて説明する。
【0046】
<処理ユニット>
図2は、第1の実施の形態にかかる処理ユニット1の構成の一例を概略的に示す平面図である。
図3は、第1の実施の形態にかかる処理ユニット1の構成の一例を概略的に示す縦断面図である。
【0047】
図2および
図3の例では、処理ユニット1は、基板保持部20と、第1ノズル30と、第2ノズル60と、第3ノズル65と、ガード部40と、カメラ70とを含む。
【0048】
図2および
図3の例では、処理ユニット1はチャンバー10も含んでいる。チャンバー10は、鉛直方向に沿う側壁11、側壁11によって囲まれた空間の上側を閉塞する天井壁12および下側を閉塞する床壁13を含む。側壁11、天井壁12および床壁13によって囲まれた空間に処理空間が形成される。チャンバー10の側壁11の一部には、主搬送ロボット103が基板Wを搬出入するための搬出入口およびその搬出入口を開閉するシャッターが設けられる(いずれも図示省略)。チャンバー10は、基板保持部20、第1ノズル30、第2ノズル60、第3ノズル65およびガード部40を収容する。
【0049】
図3の例では、チャンバー10の天井壁12には、基板処理装置100が設置されているクリーンルーム内の空気をさらに清浄化してチャンバー10内の処理空間に供給するためのファンフィルタユニット(FFU)14が取り付けられている。ファンフィルタユニット14は、クリーンルーム内の空気を取り込んでチャンバー10内に送り出すためのファンおよびフィルタ(例えばHEPA(High Efficiency Particulate Air)フィルタ)を含んでおり、チャンバー10内の処理空間に清浄空気のダウンフローを形成する。ファンフィルタユニット14から供給された清浄空気を均一に分散するために、多数の吹出し孔を穿設したパンチングプレートを天井壁12の直下に設けても良い。
【0050】
基板保持部20は、基板Wを水平姿勢(法線が鉛直方向に沿う姿勢)に保持し、基板Wを回転軸線CXのまわりで回転させる(
図3を参照)。回転軸線CXは、鉛直方向に沿い、かつ、基板Wの中心部を通る軸である。基板保持部20はスピンチャックとも呼ばれる。なお、
図2では、基板Wを保持していない状態での基板保持部20が示されている。
【0051】
図2および
図3の例では、基板保持部20は、水平姿勢で設けられた円板形状のスピンベース21を含む。円板形状のスピンベース21の外径は、基板保持部20に保持される円形の基板Wの径よりも若干大きい(
図3を参照)。よって、スピンベース21は、保持すべき基板Wの下面の全面と鉛直方向において対向する上面21aを有している。ここでは一例として、スピンベース21の上面21aの濡れ性は高い。言い換えれば、上面21aは親水面である。ここでいう親水面の接触角は例えば45度程度未満である。
【0052】
図2および
図3の例では、スピンベース21の上面21aの周縁部には複数(本実施形態では4つ)のチャックピン26が立設されている。複数のチャックピン26は、円形の基板Wの周縁に対応する円周上に沿って等間隔に配置される。各チャックピン26は、基板Wの周縁に当接する保持位置と、基板Wの周縁から離れた開放位置との間で駆動可能に設けられている。複数のチャックピン26は、スピンベース21内に収容された図示省略のリンク機構によって連動して駆動される。基板保持部20は、複数のチャックピン26をそれぞれの保持位置で停止させることにより、基板Wをスピンベース21の上方で上面21aに近接した水平姿勢にて保持することができるとともに(
図3参照)、複数のチャックピン26をそれぞれの開放位置で停止させることにより、基板Wの保持を解除することができる。
【0053】
図3の例では、スピンベース21の下面には、回転軸線CXに沿って延びる回転軸24の上端が連結される。スピンベース21の下方には、回転軸24を回転させるスピンモータ22が設けられる。スピンモータ22は、回転軸24を回転軸線CXのまわりで回転させることで、スピンベース21を水平面内にて回転させる。これにより、チャックピン26によって保持された基板Wも回転軸線CXのまわりで回転する。
【0054】
図3の例では、スピンモータ22および回転軸24の周囲を取り囲むように筒状のカバー部材23が設けられている。カバー部材23は、その下端がチャンバー10の床壁13に固定され、上端がスピンベース21の直下にまで到達している。
図3の例では、カバー部材23の上端部には、カバー部材23から外方へほぼ水平に張り出し、さらに下方に屈曲して延びる鍔状部材25が設けられている。
【0055】
第1ノズル30は基板Wに向かって処理液を吐出して、基板Wに処理液を供給する。
図2の例では、第1ノズル30はノズルアーム32の先端に取り付けられている。ノズルアーム32は水平に延在しており、その基端はノズル支持柱33に連結されている。ノズル支持柱33は鉛直方向に沿って延在し、図示を省略するアーム駆動用のモータによって鉛直方向に沿った軸のまわりで回動可能に設けられる。ノズル支持柱33が回動することにより、
図2中の矢印AR34にて示すように、第1ノズル30は基板保持部20よりも鉛直上方の空間内でノズル処理位置とノズル待機位置との間を円弧状に移動する。ノズル処理位置とは、第1ノズル30が基板Wに処理液を吐出するときの位置であり、例えば基板Wの中央部と鉛直方向において対向する位置である。ノズル待機位置とは、第1ノズル30が基板Wに処理液を吐出しないときの位置であり、例えば基板Wの周縁よりも径方向外側の位置である。ここでいう径方向とは、回転軸線CXについての径方向である。
図2では、ノズル待機位置に位置する第1ノズル30が示されており、
図3では、ノズル処理位置に位置する第1ノズル30が示されている。
【0056】
図3に例示されるように、第1ノズル30は供給管34を介して処理液供給源36に接続される。処理液供給源36は、処理液を貯留するタンクを含む。供給管34にはバルブ35が設けられている。バルブ35が開くことにより、処理液は処理液供給源36から供給管34を通じて第1ノズル30に供給され、第1ノズル30の下端面に形成された吐出口から吐出される。なお、第1ノズル30は、複数種の処理液(少なくとも純水を含む)が供給されるように構成されてもよい。
【0057】
第2ノズル60はノズルアーム62の先端に取り付けられ、ノズルアーム62の基端はノズル支持柱63に連結される。不図示のアーム駆動用のモータがノズル支持柱63を回動させることにより、第2ノズル60は、矢印AR64にて示すように、基板保持部20よりも鉛直上方の空間を円弧状に移動する。同様に、第3ノズル65はノズルアーム67の先端に取り付けられ、ノズルアーム67の基端はノズル支持柱68に連結される。不図示のアーム駆動用のモータがノズル支持柱68を回動させることにより、第3ノズル65は、矢印AR69にて示すように、基板保持部20よりも鉛直上方の空間を円弧状に移動する。
【0058】
第2ノズル60および第3ノズル65の各々も、第1ノズル30と同様に供給管(図示省略)を介して処理液供給源(図示省略)に接続される。各供給管にはバルブが設けられ、バルブが開閉することで処理液の供給/停止が切り替えられる。なお、処理ユニット1に設けられるノズルの数は3つに限定されるものではなく、1つ以上であれば良い。
【0059】
処理ユニット1は、液処理において、基板保持部20によって基板Wを回転させつつ、例えば第1ノズル30から処理液を基板Wの上面に向けて吐出させる。基板Wの上面に着液した処理液は回転に伴う遠心力を受けて基板Wの上面を広がり、基板Wの周縁から飛散する。この液処理により、処理液の種類に応じた処理を基板Wの上面に対して行うことができる。
【0060】
ガード部40は、基板Wの周縁から飛散する処理液を受け止めるための部材である。ガード部40は、基板保持部20を囲む筒状形状を有しており、例えば、互いに独立して昇降可能な複数のガードを含む。ガードは処理カップとも呼ばれ得る。
図3の例では、複数のガードとして内ガード41、中ガード42および外ガード43が示されている。各ガード41~43は、基板保持部20の周囲を取り囲み、回転軸線CXに対してほぼ回転対称となる形状を有する。
【0061】
図3の例では、内ガード41は、底部44と、内壁部45と、外壁部46と、第1案内部47と、中壁部48とを一体的に含む。底部44は平面視円環状の形状を有する。内壁部45および外壁部46は円筒形状を有し、それぞれ、底部44の内周縁および外周縁に立設される。第1案内部47は、内壁部45と外壁部46との間において底部44に立設される円筒状の筒状部47aと、筒状部47aの上端から鉛直上方へ向かうにつれて回転軸線CXに近づく傾斜部47bとを有している。中壁部48は円筒形状を有し、第1案内部47と外壁部46との間において底部44に立設される。
【0062】
ガード41~43が上昇した状態(
図3の仮想線を参照)では、基板Wの周縁から飛散した処理液は第1案内部47の内周面で受け止められ、該内周面に沿って流下して廃棄溝49で受け止められる。廃棄溝49は、内壁部45、第1案内部47および底部44によって形成される円環状の溝である。廃棄溝49には、処理液を排出するとともに、廃棄溝49内を強制的に排気するための図示省略の排気液機構が接続される。
【0063】
中ガード42は、第2案内部52と、第2案内部52に連結された円筒状の処理液分離壁53とを一体的に含んでいる。第2案内部52は、円筒状の筒状部52aと、筒状部52aの上端から鉛直上方に向かうにつれて回転軸線CXに近づく傾斜部52bとを有する。傾斜部52bは内ガード41の傾斜部47bよりも鉛直上方に位置し、傾斜部47bと鉛直方向において重なるように設けられる。筒状部52aは円環状の内側回収溝50に収容される。内側回収溝50とは、第1案内部47、中壁部48および底部44によって形成された溝である。
【0064】
ガード42,43のみが上昇した状態では、基板Wの周縁からの処理液は第2案内部52の内周面で受け止められ、該内周面に沿って流下して内側回収溝50で受け止められる。
【0065】
処理液分離壁53は円筒形状を有し、その上端が第2案内部52に連結されている。処理液分離壁53は円環状の外側回収溝51内に収容される。外側回収溝51とは、中壁部48、外壁部46および底部44によって形成された溝である。
【0066】
外ガード43は中ガード42よりも外側に位置しており、処理液を外側回収溝51に導く第3案内部としての機能を有する。外ガード43は、円筒状の筒状部43aと、筒状部43aの上端から鉛直上方に向かうにつれて回転軸線CXに近づく傾斜部43bとを一体的に含む。筒状部43aは外側回収溝51内に収容され、傾斜部43bは傾斜部52bよりも鉛直上方に位置し、傾斜部52bと上下方向に重なるように設けられる。
【0067】
外ガード43のみが上昇した状態では、基板Wの周縁からの処理液は外ガード43の内周面で受け止められ、該内周面に沿って流下して外側回収溝51で受け止められる。
【0068】
内側回収溝50および外側回収溝51には、処理液を、処理ユニット1の外部に設けられた回収タンクに回収するための回収機構(いずれも図示省略)が接続される。
【0069】
内ガード41、中ガード42および外ガード43は例えばフッ素系樹脂などの樹脂によって形成されている。ここでは一例として、内ガード41、中ガード42および外ガード43の表面の濡れ性はスピンベース21の上面21aの濡れ性よりも低い。言い換えれば、各ガード41~43の表面は疎水面である。ここでいう疎水面とは、その接触角が例えば45度程度よりも大きい面をいう。なお、疎水面および親水面を区別する接触角の値は必ずしも45度に限らず、ユーザが適宜に決定すればよい。
【0070】
ガード41~43はガード昇降機構55によって昇降可能である。ガード昇降機構55はガード41~43が互いに衝突しないように、それぞれのガード処理位置とガード待機位置との間でガード41~43を昇降させる。ガード処理位置とは、昇降対象となる対象ガードの上端周縁部が基板Wの上面よりも上方となる位置であり、ガード待機位置とは、対象ガードの上端周縁部がスピンベース21の上面21aよりも下方となる位置である。ここでいう上端周縁部とは、対象ガードの上端開口を形成する環状の部分である。
図3の例では、ガード41~43がガード待機位置に位置している。ガード昇降機構55は例えばボールねじ機構およびモータまたはエアシリンダを有する。
【0071】
仕切板15は、ガード部40の周囲においてチャンバー10の内側空間を上下に仕切るように設けられている。仕切板15には、厚さ方向に貫通する不図示の貫通穴および切り欠きが形成されていてもよく、本実施形態ではノズル支持柱33、ノズル支持柱63およびノズル支持柱68をそれぞれ通すための貫通穴が形成される。仕切板15の外周端はチャンバー10の側壁11に連結されている。また、仕切板15のガード部40を取り囲む内周縁は外ガード43の外径よりも大きな径の円形形状となるように形成されている。よって、仕切板15が外ガード43の昇降の障害となることはない。
【0072】
図3の例では、チャンバー10の側壁11の一部であって、床壁13の近傍には排気ダクト18が設けられている。排気ダクト18は図示省略の排気機構に連通接続される。チャンバー10内を流下した清浄空気のうち、ガード部40と仕切板15と間を通過した空気は排気ダクト18から装置外に排出される。
【0073】
カメラ70は、チャンバー10内の監視対象物の状態を監視するために用いられる。監視対象物は、例えば、基板保持部20、第1ノズル30、第2ノズル60、第3ノズル65およびガード部40の少なくともいずれか一つを含む。カメラ70は、監視対象物を含む撮像領域を撮像して、撮像画像データ(以下、単に撮像画像と呼ぶ)を生成し、該撮像画像を制御部9に出力する。制御部9は、後に詳述するように、撮像画像に基づいて監視対象物の状態を監視する。
【0074】
カメラ70は、例えばCCD(Charge Coupled Device)もしくはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)などの固体撮像素子と、レンズなどの光学系とを含む。
図3の例では、カメラ70は、基板保持部20によって保持された基板Wよりも鉛直上方の撮像位置に設置される。
図3の例では、撮像位置は、仕切板15よりも鉛直上方、かつ、ガード部40に対して径方向外側に設定される。ここでいう径方向とは、回転軸線CXについての径方向である。
【0075】
図3の例では、チャンバー10の側壁11には、カメラ70を収容するための凹状部(以下、凹状壁部111と呼ぶ)が形成されている。凹状壁部111は、側壁11のうち他の部分に対して外側に凹む形状を有している。カメラ70は凹状壁部111の内部に収容されている。
図3の例では、撮像方向におけるカメラ70の前方には、透明なカメラガード72が設けられている。カメラガード72は、カメラ70が検出する光の波長について高い透光性を有する透明部材である。このため、カメラ70はカメラガード72を通じて処理空間内の撮像領域を撮像することができる。言い換えれば、カメラガード72はカメラ70と撮像領域との間に設けられる。カメラ70の検出波長範囲におけるカメラガード72の透過率は例えば60%以上、好ましくは80%以上である。カメラガード72は、例えば、石英ガラスなどの透明材料によって形成される。
図3の例では、カメラガード72は板状の形状を有しており、側壁11の凹状壁部111とともにカメラ70の収容空間を形成する。カメラガード72が設けられることにより、処理空間内の処理液および処理液の揮発成分からカメラ70を保護することができる。
【0076】
カメラ70の撮像領域には、例えば、基板保持部20およびガード部40の一部が含まれる。
図3の例では、カメラ70は撮像位置から斜め下方に撮像領域を撮像する。言い換えれば、カメラ70の撮像方向は、水平方向から鉛直下方に傾斜している。
【0077】
図3の例では、仕切板15よりも鉛直上方の位置に、照明部71が設けられている。具体的な一例として、照明部71も凹状壁部111の内部に設けられている。チャンバー10内が暗室である場合、カメラ70が撮像を行う際に照明部71が撮像領域を照射するように、制御部9が照明部71を制御してもよい。照明部71からの照明光はカメラガード72を透過して処理空間内に照射される。
【0078】
制御部9のハードウェアとしての構成は一般的なコンピュータと同一である。すなわち、制御部9は、各種演算処理を行うCPUなどのデータ処理部と、基本プログラムを記憶する読み出し専用のメモリであるROM(Read Only Memory)などの非一時的な記憶部と、各種情報を記憶する読み書き自在のメモリであるRAM(Random Access Memory)などの一時的な記憶部とを備えて構成される。制御部9のCPUが所定の処理プログラムを実行することによって、基板処理装置100の各動作機構が制御部9に制御され、基板処理装置100における処理が進行する。なお、制御部9はその機能の実現にソフトウェアが不要な専用のハードウェア回路によって実現されてもよい。
【0079】
図4は、制御部9の内部構成の一例を概略的に示す機能ブロック図である。
図4に示されるように、制御部9は、処理制御部91と、監視処理部92とを含んでいる。
【0080】
処理制御部91は処理ユニット1の各構成を制御する。より具体的には、処理制御部91は、スピンモータ22、バルブ35などの各種バルブ、ノズル支持柱33,63,68の各々を回動させるアーム駆動用のモータ、ガード昇降機構55、ファンフィルタユニット14およびカメラ70を制御する。処理制御部91がこれらの構成を所定の手順に沿って制御することにより、処理ユニット1は基板Wに対する処理を行うことができる。
【0081】
<基板処理の流れの一例>
ここで、基板Wに対する処理の具体的な流れの一例について簡単に述べる。
図5は、基板処理の流れの一例を示すフローチャートである。初期的には、ガード41~43はそれぞれガード待機位置で停止し、ノズル30,60,65はそれぞれノズル待機位置で停止する。なお、制御部9は各構成を制御して後述の所定の動作を実行させるものの、以下では、動作の主体として各構成自体を採用して説明する。
【0082】
まず、主搬送ロボット103が未処理の基板Wを処理ユニット1に搬入し、基板保持部20が基板Wを保持する(ステップS1:搬入保持工程)。初期的にはガード部40はガード待機位置で停止しているので、基板Wの搬入時において、主搬送ロボット103のハンドとガード部40との衝突を回避することができる。基板Wが基板保持部20に渡されると、複数のチャックピン26がそれぞれの保持位置に移動することにより、複数のチャックピン26が基板Wを保持する。
【0083】
次に、スピンモータ22が基板Wの回転を開始する(ステップS2:回転開始工程)。具体的には、スピンモータ22がスピンベース21を回転させることにより、基板保持部20に保持された基板Wを回転させる。
【0084】
次に、処理ユニット1は基板Wに対して種々の液処理を行う(ステップS3:液処理工程)。例えば、処理ユニット1は薬液処理を行う。まず、ガード昇降機構55はガード41~43のうち薬液に応じたガードをガード処理位置に上昇させる。薬液用のガードは特に制限されないものの、例えば外ガード43であってもよい。この場合、ガード昇降機構55は内ガード41および中ガード42をそれぞれのガード待機位置で停止させ、外ガード43をガード処理位置に上昇させる。
【0085】
次に、処理ユニット1は薬液を基板Wに供給する。ここでは、第1ノズル30が処理液を供給するものとする。具体的には、アーム駆動用のモータが第1ノズル30をノズル処理位置に移動させ、バルブ35が開いて第1ノズル30から薬液を基板Wに向けて吐出させる。これにより、薬液が回転中の基板Wの上面を広がって、基板Wの周縁から飛散する。このとき、薬液が基板Wの上面に作用し、薬液に応じた処理(例えば洗浄処理)が基板Wに対して行われる。基板Wの周縁から飛散した薬液は、ガード部40(例えば外ガード43)の内周面で受け止められる。薬液処理が十分に行われると、処理ユニット1は薬液の供給を停止する。
【0086】
次に、処理ユニット1は基板Wに対してリンス処理を行う。ガード昇降機構55は、必要に応じて、ガード部40の昇降状態を調整する。つまり、リンス液用のガードが薬液用のガードと相違する場合には、ガード昇降機構55はガード41~43のうちリンス液に応じたガードをガード処理位置に移動させる。リンス液用のガードは特に制限されないものの、内ガード41であってもよい。この場合、ガード昇降機構55はガード41~43をそれぞれのガード処理位置に上昇させる。
【0087】
次に、第1ノズル30はリンス液を基板Wの上面に向けて吐出する。リンス液は例えば純水である。リンス液は回転中の基板Wの上面を広がって基板W上の薬液を押し流しつつ、基板Wの周縁から飛散する。基板Wの周縁から飛散した処理液(主としてリンス液)はガード部40(例えば内ガード41)の内周面で受け止められる。リンス処理が十分に行われると、処理ユニット1はリンス液の供給を停止する。
【0088】
処理ユニット1は必要に応じて、基板Wに対して、高い揮発性を有するイソプロピルアルコールなどの揮発性のリンス液を供給してもよい。なお、揮発性のリンス液用のガードが上述のリンス液用のガードと相違する場合には、ガード昇降機構55はガード41~43のうち揮発性のリンス液に応じたガードをガード処理位置に移動させるとよい。リンス処理が終了すると、第1ノズル30はノズル待機位置に移動する。
【0089】
次に、処理ユニット1は基板Wに対して乾燥処理を行う(ステップS4:乾燥工程)。例えばスピンモータ22は基板Wの回転速度を増加させて、基板Wを乾燥させる(いわゆるスピンドライ)。乾燥処理においても、基板Wの周縁から飛散する処理液はガード部40の内周面で受け止められる。乾燥処理が十分に行われると、スピンモータ22は基板Wの回転を停止させる。
【0090】
次に、ガード昇降機構55はガード部40をガード待機位置に下降させる(ステップS5:ガード下降工程)。つまり、ガード昇降機構55はガード41~43をそれぞれのガード待機位置に下降させる。
【0091】
次に、基板保持部20が基板Wの保持を解除し、主搬送ロボット103が処理済みの基板Wを処理ユニット1から取り出す(ステップS6:保持解除搬出工程)。基板Wの搬出時にはガード部40はガード待機位置で停止しているので、主搬送ロボット103のハンドとガード部40との衝突を回避することができる。
【0092】
以上のように、処理ユニット1内の各種の構成要素が適切に作動することにより、基板Wに対する処理が行われる。例えば基板保持部20が基板Wを保持したり、あるいは、保持を解除したりする。また、第1ノズル30がノズル処理位置とノズル待機位置との間で移動し、ノズル処理位置で処理液を基板Wに向けて吐出する。ガード部40の各ガード41~43は各工程に応じた高さ位置に移動する。
【0093】
<監視処理>
上記の構成要素が適切に作動することにより、基板Wに対する処理が行われる。逆に言えば、上記構成要素の少なくとも一つが適切に作動できなければ、基板Wに対する処理が損なわれ得る。そこで、処理ユニット1は上記構成要素の少なくとも一つを監視対象物とし、該監視対象物の状態を監視する。
【0094】
さて、上述の基板処理の動作から明らかなように、液処理工程においては、回転中の基板Wに向けて処理液が吐出される。したがって、処理液は基板Wで飛散する。この処理液はおおむねガード部40で受け止められるものの、処理液がガード部40で跳ね返って他の構成要素に付着する可能性があり、また、基板Wの上面で処理液が跳ね返って、他の構成要素(例えば外ガード43の外周面)に付着したりする可能性もある。液滴が付着すると、撮像画像にも液滴が含まれ、この液滴が監視対象物の監視精度を低下させるおそれがある。
【0095】
以下では、監視対象物の一例として外ガード43を採用して説明する。
図6は、カメラ70が撮像領域を撮像して生成した撮像画像の一例を概略的に示す図である。
図6の撮像画像には、基板保持部20によって保持された基板Wの上面の全面が含まれている。言い換えれば、カメラ70は、基板Wの全体が撮像領域に含まれる位置に設けられる。
図6の例では、基板保持部20が基板Wを保持しており、かつ、外ガード43がガード待機位置で停止している。カメラ70は斜め下方に撮像領域を撮像するので、平面視円形状の基板Wは撮像画面において楕円形状を有しており、同様に、平面視円形状の外ガード43の上端周縁は撮像画像において楕円に沿う形状を有する。
図6の例では、外ガード43の上端周縁が沿う仮想的な楕円E1も示されている。
【0096】
このような撮像画像は、例えば、ガード下降工程(ステップS5)において外ガード43がガード待機位置に下降した状態で、カメラ70が撮像領域を撮像することで得られる。ガード下降工程において外ガード43が適切にガード待機位置に下降できれば、次の保持解除搬出工程(ステップS6)において、主搬送ロボット103のハンドとガード部40との衝突を適切に回避することができる。一方、外ガード43が異常によりガード待機位置に下降できなければ、保持解除搬出工程において、主搬送ロボット103のハンドとガード部40とが衝突し得る。そこで、監視処理部92は撮像画像に基づいて外ガード43の位置を監視する。
【0097】
ところで、
図6の撮像画像においては、スピンベース21の上面21aおよび外ガード43の外周面に液滴L1が付着している。例えば、ガード下降工程の前の液処理工程(ステップS3)において、処理液がスピンベース21の上面21aおよび外ガード43の外周面に付着することにより、ガード下降工程においても、液滴L1がスピンベース21の上面21aおよび外ガード43の外周面に残留する。ここでは、スピンベース21の上面21aは、濡れ性の高い面であるので、液滴L1はスピンベース21の上面21aにおいて比較的に薄く広がった状態で位置している。またここでは、外ガード43の外周面は上面21aよりも濡れ性の低い面であるので、液滴L1は外ガード43の外周面において比較的に厚く盛り上がった状態で位置している。
【0098】
監視対象物である外ガード43自体あるいはその周囲に液滴L1が存在していると、この液滴L1を含んだ撮像画像に基づく監視の精度が低下し得る。
【0099】
そこで、監視処理部92は、後に詳述するように、撮像画像に液滴L1が含まれているときに、液滴L1を示す液滴領域RL1の少なくとも一部を撮像画像から削除して除去画像データを生成し、該除去画像データに基づいて監視対象物の状態を監視する。つまり、監視処理部92は、後に詳述するように、撮像画像のうち液滴領域RL1の少なくとも一部を除いた領域を用いて、監視対象物の状態を監視する。
【0100】
この監視処理を説明するにあたって、まず液滴L1がない状態での外ガード43の監視アルゴリズムの一例について概説する。
図6の例では、撮像画像にガード判定領域R1が設定されている。ガード判定領域R1は、外ガード43の監視に用いられる領域であり、外ガード43の少なくとも一部を含む。
図6の例では、ガード判定領域R1は、正常にガード待機位置に位置する外ガード43の上端周縁の一部を含む領域に設定される。
図6の例では、ガード判定領域R1として複数(図では2つ)のガード判定領域R11,R12が設定されている。ガード判定領域R11,R12の各々は、撮像領域において外ガード43の上端周縁のうち楕円E1の長軸LA1よりも下側の一部を含むように設定されている。また、ガード判定領域R11,R12は楕円E1の短軸SA1に対して互いに反対側に設定される。
【0101】
各ガード判定領域R11,R12内の上側領域には、スピンベース21の上面21aの一部が含まれ、各ガード判定領域R11,R12内の下側領域には、外ガード43の外周面の一部が含まれている。
図6の例では、ガード判定領域R11には液滴L1が含まれておらず、ガード判定領域R12に液滴L1が含まれている。
【0102】
ここでは、ガード位置判定用の参照画像M1が記憶部94に予め記憶される。参照画像M1とは、液滴L1が付着しておらず、かつ、外ガード43が正常にガード待機位置で位置している画像である。このような参照画像M1は、例えば、液滴L1が付着しておらず、外ガード43が正常にガード待機位置で位置するときにカメラ70が撮像した撮像画像に基づいて生成される。
図6では、参照画像M1として、ガード判定領域R11,R12にそれぞれ対応した参照画像M11,M12が示されている。参照画像M11はガード判定領域R11と同じ領域の画像であり、参照画像M12はガード判定領域R12と同じ領域の画像である。
【0103】
ここでは、液滴L1が含まれていないガード判定領域R11に着目して、液滴L1がないときの外ガード43の監視アルゴリズムの一例を概説する。外ガード43が正常にガード待機位置に位置している場合、ガード判定領域R11と参照画像M11との類似度は高くなる(
図6参照)。一方で、撮像画像において外ガード43がガード待機位置よりも高い位置に位置している場合、ガード判定領域R11と参照画像M11との類似度は低下してしまう。逆に言えば、該類似度が高い場合には、外ガード43は正常にガード待機位置に位置していると判定することができ、該類似度が低い場合には、外ガード43に異常が生じている、と判定することができる。
【0104】
そこで、監視処理部92は、撮像画像に液滴L1が含まれていないときには、後述のように、ガード判定領域R11と参照画像M11との類似度、および、ガード判定領域R12と参照画像M12との類似度を算出する。そして、監視処理部92は両類似度が所定のガードしきい値以上であるときに、外ガード43が正常にガード待機位置に位置していると判定し、類似度の少なくともいずれか一方がガードしきい値未満であるときに、外ガード43に関する異常が生じていると判定する。
【0105】
一方、液滴L1が撮像画像に含まれている場合には、たとえ外ガード43が正常にガード待機位置で停止していても、類似度が低下する場合がある。例えば、
図6のガード判定領域R12には液滴L1が含まれている。この場合、外ガード43が正常にガード待機位置に位置していても、ガード判定領域R12と参照画像M12との類似度は低下する。なぜなら、ガード判定領域R12には液滴L1が含まれるのに対して、参照画像M12には液滴L1が含まれていないからである。つまり、この差異が類似度の低下を招く。
【0106】
そこで、本実施の形態では、監視処理部92は、撮像画像に液滴L1が含まれるときには、後述のように、撮像画像のうち、該液滴L1を示す液滴領域RL1の少なくとも一部を除いた領域を用いて、監視対象物の状態を監視する。
【0107】
図7は、処理ユニット1による監視処理の一例を示すフローチャートである。
図7に例示されるように、カメラ70は、監視対象物の一例である外ガード43を含む撮像領域を撮像して撮像画像を生成し、該撮像画像を制御部9に出力する(ステップS11:撮像工程)。ここでは、撮像工程はガード下降工程(ステップS5)の終了後に行われる。すなわち、制御部9がガード昇降機構55に制御信号を出力した後に、カメラ70が撮像領域を撮像する。ガード昇降機構55がガード41~43を正常にそれぞれのガード待機位置に移動させることができれば、撮像画像には、正常にガード待機位置に位置する外ガード43が含まれる(
図6参照)。
【0108】
次に、監視処理部92は、撮像工程で得られた撮像画像に液滴L1が含まれているか否かを判定する(ステップS12:液滴判定工程)。ここでは、監視処理部92はガード判定領域R11,R12に基づいて外ガード43の状態を監視するので、ガード判定領域R11,R12に液滴L1が含まれるか否かを判定してもよい。以下では、監視処理部92はガード判定領域R11,R12における液滴L1の有無を判定する。監視処理部92は、例えば、以下に説明する画像処理を撮像画像に対して行うことにより、液滴L1の有無を判定してもよい。
【0109】
まず、監視処理部92は撮像画像に対してキャニー法などのエッジ検出処理を行って、エッジ画像を生成する。このエッジ画像は例えば二値画像であり、例えば、エッジを示す画素の画素値が大きな値を有し、エッジを示していない画素の画素値が小さな値を有する。撮像画像に液滴L1が含まれていない場合には、エッジ画像には液滴L1のエッジは含まれず、基板Wなどの物体のエッジ(以下、背景エッジと呼ぶ)が含まれる。一方で、撮像画像に液滴L1が含まれている場合、エッジ画像には、液滴L1のエッジおよび背景エッジの両方が含まれる。
【0110】
次に、監視処理部92は、エッジ画像とエッジ背景画像との差分画像を求める。エッジ背景画像とは、液滴L1のエッジを含まず、背景エッジを含むエッジ画像である。エッジ背景画像は予め設定されて、例えば記憶部94に記憶される。このようなエッジ背景画像は、例えば、液滴L1を含まず、基板保持部20が基板Wを保持し、かつ、外ガード43が正常にガード待機位置で位置する状態でカメラ70が撮像した撮像画像に対してエッジ検出を行うことで、得られる。エッジ画像とエッジ背景画像との差分画像では、背景エッジがおおむねキャンセルされ、液滴L1のエッジが残る。
【0111】
液滴L1のエッジは閉曲線を形成するので、ここでは、差分画像における閉曲線状のエッジの有無により、液滴L1の有無を判定する。すなわち、監視処理部92は差分画像において、閉曲線を形成するエッジが存在するか否かを判定する。具体的には、監視処理部92は差分画像に対して輪郭追跡を行って各エッジをラベリングしつつ、エッジの曲線形状を求める。監視処理部92は、閉曲線状のエッジが存在するか否かを判定し、閉曲線状のエッジが存在するときに、液滴L1が含まれていると判定し、閉曲線状のエッジが存在しないときに、液滴L1が含まれていないと判定する。つまり、閉曲線状のエッジに囲まれる領域が液滴領域RL1である。監視処理部92は、複数の閉曲線状のエッジを検出したときには、それぞれのエッジで囲まれた領域を液滴領域RL1とする。
【0112】
次に、監視処理部92は、液滴領域RL1の少なくとも一部がガード判定領域R11,R12の少なくともいずれか一方に含まれているか否かを判定する。監視処理部92は、ガード判定領域R11,R12のいずれかに液滴領域RL1の少なくとも一部が含まれているときには、ガード判定領域R1に液滴L1が含まれていると判定する。
【0113】
なお、監視処理部92は上記アルゴリズム以外のアルゴリズムにより、撮像画像における液滴L1の有無を判定してもよい。例えば、監視処理部92は学習済みモデルを用いて、撮像画像に液滴L1が含まれているか否かを判定してもよい。このような学習済みモデルは、例えば、深層学習などの機械学習によって生成される。学習済みモデルは、撮像画像を、液滴L1を含むカテゴリ、および、液滴L1を含まないカテゴリに分類する。該学習済みモデルは、液滴L1を含む複数の学習画像データと、液滴L1を含まない複数の学習画像データと、該学習画像データに対する正しいカテゴリ(ラベル)とを含む複数の教師データで、学習モデルが機械学習することにより、生成される。
【0114】
次に、監視処理部92は、液滴L1の有無の判定結果に応じたアルゴリズムで、撮像画像に基づいて外ガード43の状態を監視する(ステップS13:監視工程)。
【0115】
図8は、監視工程の具体的な一例を示すフローチャートである。監視処理部92は上述のように、撮像画像(ここではガード判定領域R1)に液滴L1が含まれているか否かを判定する(ステップS131)。液滴L1が含まれていないときには、監視処理部92は撮像画像のガード判定領域R1と参照画像M1との比較により、外ガード43を監視する(ステップS132)。
【0116】
具体的には、監視処理部92は、ガード判定領域R11と参照画像M11との類似度、および、ガード判定領域R12と参照画像M12との類似度を算出し、各類似度と所定のガードしきい値とを比較する。類似度は特に限定されないものの、例えば、画素値の差分の二乗和(Sum of Squared Difference)、画素値の差分の絶対値の和(Sum of Absolute Difference)、正規化相互相関および零平均正規化相互相関などの公知の類似度であってもよい。ガードしきい値は実験またはシミュレーションにより予め設定され、例えば記憶部94に記憶される。
【0117】
監視処理部92は、類似度の両方がガードしきい値以上であるときに、外ガード43が正常にガード待機位置に位置していると判定し、類似度の少なくともいずれか一方がガードしきい値未満であるときに、外ガード43に関して異常が生じていると判定する。異常が生じていると判定したときには、処理制御部91は適宜に基板Wに対する処理を中断してもよい。例えば主搬送ロボット103による基板Wの搬出を中断してもよい。これにより、主搬送ロボット103と外ガード43との衝突を避けることができる。また、処理制御部91は不図示のディスプレイなどの報知部に異常を報知させてもよい。これにより、作業員は異常を認識することができる。
【0118】
一方、ステップS131にて液滴L1が含まれていると判定したときには、監視処理部92は、撮像画像のうち、液滴L1を示す液滴領域RL1の少なくとも一部を除いた領域を用いて、外ガード43の状態を監視する。具体的な一例として、監視処理部92は液滴領域RL1を撮像画像から削除して、除去画像データ(以下、除去画像と呼ぶ)を生成する(ステップS133:液滴削除工程)。ここでいう領域の削除とは、該領域内の各画素の画素値を規定値とすることを含む。例えば、監視処理部92は撮像画像のうち液滴領域RL1に属する画素の画素値を全てゼロとする。
【0119】
図9は、撮像画像および参照画像に対する液滴削除工程を行う様子の一例を概略的に示す図である。
図6の例では、ガード判定領域R11に液滴L1が含まれておらず、ガード判定領域R12に液滴L1が含まれているので、
図9の例では、液滴削除の対象としてガード判定領域R12および参照画像M12が示されている。
【0120】
監視処理部92はガード判定領域R12内の液滴領域RL1を削除して、除去画像DR12を生成する。
図9の例では、除去画像DR12において、削除済みの領域が黒塗りで示されている。また、監視処理部92は、液滴領域RL1と同じ領域を参照画像M12からも削除して、除去参照画像データ(以下、除去参照画像と呼ぶ)DM12を生成する。この除去参照画像DM12においても、液滴領域RL1と同じ領域の画素の画素値は上記規定値(例えばゼロ)となる。
【0121】
図6の例では、ガード判定領域R11には液滴L1が含まれていないので、ガード判定領域R11および参照画像M11に対しては液滴領域の削除を行わない。
【0122】
次に、監視処理部92は削除後の撮像画像に基づいて、外ガード43の位置を監視する(ステップS134)。より具体的には、監視処理部92は、ガード判定領域R11と参照画像M11との比較、および、除去画像DR12と除去参照画像DM12との比較に基づいて、外ガード43の位置を監視する。例えば、まず、監視処理部92はガード判定領域R11と参照画像M11との類似度および除去画像DR12と除去参照画像DM12との類似度を算出する。次に、監視処理部92は類似度の両方が所定のガードしきい値以上であるか否かを判定する。監視処理部92は、類似度の両方がガードしきい値以上であるときに、外ガード43が正常にガード待機位置に位置していると判定し、類似度の少なくとも一方がガードしきい値未満であるときに、外ガード43に関して異常が生じていると判定する。
【0123】
以上のように、監視処理部92は、撮像画像に液滴L1が含まれているときには、撮像画像のうち液滴領域RL1を除いた領域を用いて、監視対象物の状態を監視する。上述の例では、監視処理部92は、ガード判定領域R12から液滴領域RL1を削除した除去画像DR12と、参照画像M12から液滴領域RL1を削除した除去参照画像DM12との比較に基づいて、外ガード43を監視する。除去画像DR12と除去参照画像DM12との比較では、液滴領域RL1内の画素値が用いられないので、液滴L1は比較結果である類似度に影響を及ぼしにくい。つまり、監視処理部92は、液滴の影響を抑制してより高い精度で監視対象物の状態を監視することができる。
【0124】
<第2の実施の形態>
第2の実施の形態にかかる基板処理装置100の構成の一例は第1の実施の形態と同様である。ただし、第2の実施の形態では、制御部9は、液滴L1が付着している表面の濡れ性に応じて、液滴領域RL1の削除範囲を変更する。ここでは、スピンベース21の上面21aは濡れ性の高い親水面であり、外ガード43の外周面は上面21aよりも濡れ性の低い疎水面である。
【0125】
図10は、スピンベース21の上面21aおよび外ガード43の外周面上の液滴L1の一例を概略的に示す断面図である。外ガード43の外周面の濡れ性は低いので、液滴L1は表面張力により、厚く盛り上がった状態で外ガード43の外周面に位置している。ここで、液滴L1は無色透明である。この場合、厚く盛り上がった状態の液滴L1はレンズとして機能する。このため、液滴L1を通じて視認される外ガード43の外周面の像には歪みが生じる。よって、濡れ性の低い表面に付着した液滴L1を示す液滴領域RL1を外ガード43の監視に用いると、その監視精度が低下し得る。したがって、濡れ性の低い表面に該当する液滴領域RL1については、その全体を削除することが望ましい。
【0126】
これに対して、スピンベース21の上面21aの濡れ性は外ガード43の外周面の濡れ性よりも高いので、
図10に例示されるように、液滴L1は上面21aで薄く広がっている。このような液滴L1の平面視における輪郭部分L1aはレンズとして機能し得るものの、輪郭部分L1aの内側の内側部分L1bの液面は比較的に平坦であるので、内側部分L1bはレンズとして機能しにくい。このため、輪郭部分L1aを通じて視認されるスピンベース21の上面21aの像には歪みが生じ得るものの、内側部分L1bを通じて視認されるスピンベース21の上面21aの像には歪みがほとんど生じない。よって、濡れ性の高い表面に付着した液滴L1を示す液滴領域RL1については、その輪郭領域RL1aのみを削除することが望ましい(
図12も参照)。
【0127】
そこで、第2の実施の形態においては、制御部9は、液滴L1が付着した表面の濡れ性に応じて、液滴領域RL1の削除範囲を異ならせる。
【0128】
ここでは一例として、記憶部94に予め領域データが記録される。領域データは、撮像画像のうち互いに異なる物体の表面に対応した第1領域および第2領域を示すデータである。第1領域は、濡れ性の高い親水面に対応した領域であり、第2領域は、濡れ性の低い疎水面に対応した領域である。より具体的な一例として、第1領域は、スピンベース21の上面21aを含み、第2領域は、外ガード43の外周面を含む。領域データは、第1領域に属する画素群を示すデータおよび第2領域に属する画素群を示すデータによって構成されてもよい。このような領域データは、予めオペレータによって設定されてもよい。以下では、第1領域を親水領域とも呼び、第2領域を疎水領域とも呼ぶ。
【0129】
第2の実施の形態にかかる監視処理の一例は
図7および
図8のフローチャートと同様である。ただし、ステップS133の液滴削除工程の具体的な一例が第1の実施の形態と相違する。
図11は、第2の実施の形態にかかる液滴削除工程の具体的な一例を示すフローチャートである。
【0130】
まず、監視処理部92は、ある液滴領域RL1が親水領域に含まれているのか、疎水領域に含まれているのかを判定する(ステップS21)。言い換えれば、監視処理部92は液滴L1が付着している表面が親水面であるのか、疎水面であるのかを判定する。より具体的な一例として、監視処理部92は記憶部94から領域データを読み出し、該領域データが示す親水領域および疎水領域の各々と液滴領域RL1とを比較して判定を行う。監視処理部92は、該液滴領域RL1が親水領域に含まれているときには、該液滴領域RL1の輪郭領域RL1aを削除範囲に決定する(ステップS22)。ここでは一例として、スピンベース21の上面21aに含まれる液滴領域RL1の削除範囲が輪郭領域RL1aに決定される(
図12も参照)。なお、輪郭領域RLaの幅は例えばシミュレーションまたは実験により、予め規定され得る。一方で、監視処理部92は、該液滴領域RL1が疎水領域に含まれているときには、該液滴領域RL1の全体を削除範囲に決定する(ステップS23)。ここでは一例として、外ガード43の外周面に含まれる液滴領域RL1の削除範囲がその液滴領域RL1の全体に決定される(
図12も参照)。
【0131】
次に、監視処理部92は、撮像画像のうちガード判定領域R1に含まれる全ての液滴領域RL1について削除範囲を決定したか否かを判定する(ステップS24)。
【0132】
全ての液滴領域RL1の削除範囲が決定していなければ、監視処理部92は、次の液滴領域RL1について、ステップS21~S24を行う。
【0133】
全ての液滴領域RL1の削除範囲が決定しているときには、監視処理部92は、全ての液滴領域RL1の削除範囲を撮像画像から削除して除去画像データを生成する(ステップS25)。また、監視処理部92は全ての液滴領域RL1の削除範囲と同じ領域を参照画像M1から削除する。
【0134】
図12は、撮像画像および参照画像に対する液滴削除工程を行う様子の一例を概略的に示す図である。
図6の例では、ガード判定領域R11に液滴L1が含まれておらず、ガード判定領域R12に液滴L1が含まれているので、
図12の例では、液滴削除の対象としてガード判定領域R12と参照画像M12が示されている。
【0135】
ガード判定領域R12のうちスピンベース21の上面21aは、濡れ性が高い親水領域に相当するので、除去画像DR12の親水領域においては液滴領域RL1の輪郭領域RL1aが削除される。一方で、液滴領域RL1の内側領域RL1bは削除されずに残っている。この内側領域RL1bには液滴L1が含まれているものの、内側領域RL1bの液滴L1はレンズとしてあまり機能しないので、液滴L1を通じて視認されるスピンベース21の上面21aの像にはあまり歪みが生じず、上面21aがそのまま映る。
【0136】
ガード判定領域R12のうち外ガード43の外周面は、濡れ性が低い疎水領域に相当するので、除去画像DR12の疎水領域においては液滴領域RL1の全体が削除される。
【0137】
除去参照画像DM12についても、親水領域において液滴領域RL1の輪郭領域RL1aと同じ領域が削除され、疎水領域において液滴領域RL1の全体と同じ領域が削除される。
【0138】
次に第1の実施の形態と同様に、監視処理部92は、除去後の撮像画像に基づいて外ガード43の位置を監視する(ステップS134)。具体的には、監視処理部92は、ガード判定領域R11と参照画像M11との比較、および、除去画像DR12と除去参照画像DM12との比較により、外ガード43の位置を監視する。
【0139】
以上のように、監視処理部92は、親水面に付着している液滴L1を示す液滴領域RL1については、撮像画像(より具体的にはガード判定領域R1)のうち、輪郭領域RL1aを除いた領域を用いて、外ガード43を監視する。逆に言えば、監視処理部92は液滴領域RL1の内側領域RL1bをも用いて、外ガード43の位置を監視する。つまり、無色透明な液滴L1の液面が平坦である内側領域RL1bでは、外ガード43の外周面がほぼそのまま映るので、監視処理部92は内側領域RL1bをも用いて、外ガード43の位置を監視する。このため、ガード判定領域R1内のより多くの適切な画素値に基づいて、外ガード43の位置を監視することができ、より高い精度で外ガード43の位置を監視することができる。より具体的には、より多くの適切な画素値の比較により、除去画像DR12と除去参照画像DM12との類似度を算出できるので、より高い精度で類似度を算出することができ、ひいては、より高い精度で外ガード43の位置を監視することができる。
【0140】
その一方で、監視処理部92は、濡れ性の低い疎水面に付着した液滴L1を示す液滴領域RL1については、撮像画像(より具体的にはガード判定領域R1)のうち、液滴領域RL1の全体を除いた領域を用いて、外ガード43の位置を監視する。これにより、外ガード43の外周面の像が歪んでいる液滴領域RL1による類似度の低下を回避することができ、より高い精度で類似度を算出することができる。よって、より高い精度で外ガード43の位置を監視することができる。
【0141】
しかも上述の例では、監視処理部92は領域データに基づいて表面の濡れ性を判定している。これによれば、監視処理部92はより簡易な処理で表面の濡れ性を判定することができる。
【0142】
<経時変化>
スピンベース21の上面21aの濡れ性および外ガード43の外周面の濡れ性は時間の経過とともに変化する場合がある。例えば、スピンベース21の上面21aおよび外ガード43の外周面に処理液が付着することにより、濡れ性が徐々に変化し得る。濡れ性は、処理液の種類、スピンベース21の上面21aの材質および外ガード43の外周面の材質によって、高まったり、あるいは、低下したりする。
【0143】
このような濡れ性の経時的な変化は、実験またはシミュレーションにより、予め測定することができる。そこで、監視処理部92は経時的な変化に応じて領域データを更新してもよい。
【0144】
図13は、領域データの更新の一例を示すフローチャートである。まず、監視処理部92は、基板処理装置100の稼働時間などの経時関連値を取得する(ステップS31)。ここでいう稼働時間とは、基板処理装置100が動作している累積時間である。このような累積時間は、例えば、公知なタイマ回路に基づいて測定される。経時関連値は、基板処理装置100の稼働時間の他、経過時間および基板Wの処理枚数の少なくともいずれかを含んでもよい。ここでいう経過時間とは、基板処理装置100が動作しているか否かに関わらず、経過した時間である。基板Wの処理枚数は、基板処理装置100が処理を完了した基板Wの枚数である。例えば制御部9は、インデクサロボット102が基板Wを取り出すたびに、処理枚数をインクリメントすることで、処理枚数を測定できる。
【0145】
次に、監視処理部92は経時関連値に基づいて領域データを更新する。具体的には、監視処理部92は、経時関連値が所定の経時しきい値以上であるか否かを判定する(ステップS32)。経時しきい値は例えばシミュレーションまたは実験により、予め設定されて記憶部94に記憶される。経時関連値が経時しきい値未満であるときには、監視処理部92は再びステップS31を実行する。
【0146】
経時関連値が所定の経時しきい値以上であるときには、監視処理部92は領域データを更新する(ステップS33)。より具体的な一例として、外ガード43の外周面の濡れ性が時間の経過とともに高まる場合には、監視処理部92は次のように領域データを更新するように動作が規定される。すなわち、監視処理部92は、経時関連値が経時しきい値以上であるときには、領域データにおいて、外ガード43の外周面を示す領域を疎水領域から親水領域に変更する。一方、スピンベース21の上面21aの濡れ性が時間の経過とともに低下する場合には、監視処理部92は次のように領域データを更新するように動作が規定される。すなわち、監視処理部92は、経時関連値が経時しきい値以上であるときには、領域データにおいて、スピンベース21の上面21aを示す領域を親水領域から疎水領域に変更する。なお、経時しきい値としては、撮像画像における各物体の表面に応じて異なる値が採用されてもよい。
【0147】
以上のように、監視処理部92は、撮像領域に含まれる物体の表面の濡れ性の経時変化に応じて、領域データを更新する。これによれば、監視処理部92は、経時変化に対応して、適切に液滴領域RL1の削除範囲を決定することができる。
【0148】
<濡れ性判定>
上述の例では、撮像領域内の物体の表面の濡れ性を示す領域データは予め設定され、記憶部94に記憶された。しかしながら、必ずしもこれに限らない。監視処理部92は以下に述べるように、撮像画像に基づいて濡れ性の高低を判定してもよい。
【0149】
さて、
図10から理解できるように、濡れ性が低い表面上の液滴L1は厚く盛り上がった状態で位置する。濡れ性が低い表面では、球状の液滴L1はあまり広がれず、該表面に供給される液の量が多い場合、複数の液滴L1が細かく分離して存在することになる。つまり、濡れ性の低い表面での液滴L1の平面視のサイズは比較的に小さい。一方で、濡れ性が高い表面上の液滴L1は薄く大きく広がるので、その平面視のサイズは比較的に大きい。
【0150】
そこで、監視処理部92は撮像画像に基づいて液滴L1のサイズを求め、液滴L1が付着した表面の濡れ性を該サイズに基づいて判定してもよい。言い換えれば、監視処理部92は液滴L1のサイズに基づいて液滴領域RL1の削除範囲を決定してもよい。
【0151】
図14は、サイズに基づいた削除範囲の決定方法の一例を示すフローチャートである。まず、監視処理部92は、撮像画像に基づいて液滴領域RL1のサイズを求める(ステップS41)。具体的には、監視処理部92は、液滴領域RL1を構成する画素の画素数を液滴領域RL1のサイズとして求める。
【0152】
次に、監視処理部92は液滴領域RL1のサイズが所定の濡れ性しきい値(第1しきい値に相当)以上であるか否かを判定する(ステップS42)。濡れ性しきい値は例えば予め設定され、記憶部94に記憶される。
【0153】
一方で、液滴領域RL1のサイズが濡れ性しきい値以上であるときには、監視処理部92は、液滴領域RL1の削除範囲を輪郭領域RL1aに決定する(ステップS43)。つまり、サイズが濡れ性しきい値以上であるときには、液滴領域RL1は濡れ性の高い親水領域内であると考えられるので、削除範囲を輪郭領域RL1aに決定する。
【0154】
液滴領域RL1のサイズが濡れ性しきい値未満であるときには、監視処理部92は、液滴領域RL1の削除範囲を液滴領域RL1の全体に決定する(ステップS44)。つまり、サイズが濡れ性しきい値未満であるときには、液滴領域RL1は濡れ性の低い疎水領域内であると考えられるので、削除範囲を液滴領域RL1の全体に決定する。
【0155】
これによれば、監視処理部92が撮像画像に基づいて自動的に液滴領域RL1の削除範囲を決定することができる。オペレータは表面の濡れ性を予め設定する必要がないので、事前の領域データの設定をより簡易にすることができる。
【0156】
なお、撮像画像における各物体の位置は事前にある程度決定することができるので、撮像画像内の各物体の領域を示す領域データを予め設定してもよい。この領域データでは、撮像画像における各物体の領域が設定されるものの、その領域における濡れ性の情報は含まれない。
図6の例に即して説明すると、領域データは、スピンベース21の上面21aを示す領域と、外ガード43の外周面を示す領域とを含む。ただし、領域データはこれらの領域の濡れ性についての情報を含まない。
【0157】
監視処理部92は、領域データで示されたある物体の表面(例えばスピンベース21の上面21a)上の複数の液滴領域RL1の少なくともいずれか一つのサイズが濡れ性しきい値以上であるときに、該表面上の複数の液滴領域RL1の削除範囲を輪郭領域RL1aに決定してもよい。監視処理部92は、領域データで示された別の物体の表面(例えば外ガード43の外周面)上の複数の液滴領域RL1の全てのサイズが濡れ性しきい値未満であるときに、該表面の複数の液滴領域RL1の削除範囲を、各液滴領域RL1の全体に決定してもよい。
【0158】
上述の例では、監視処理部92は液滴領域RL1のサイズに基づいて濡れ性を判定しているので、監視処理部92は比較的に軽い処理負荷で濡れ性を判定することができる。
【0159】
しかしながら、削除範囲の決定方法は必ずしも上述の例に限らない。例えば、監視処理部92は学習済みモデルを用いて、撮像画像に基づいて各物体の表面の濡れ性を判定してもよい。学習済みモデルは、例えば、スピンベース21の上面21aに液滴L1を含む複数の撮像画像(学習画像データ)とそのラベル(濡れ性についての正解カテゴリ)とを有する複数の教師データと、外ガード43の外周面に液滴L1を含む複数の撮像画像およびラベルを有する複数の教師データを用いて学習モデルが学習することによって、生成される。学習済みモデルを用いることにより、高い精度で濡れ性を判定することができる。
【0160】
図15は、学習済みモデルを用いた削除範囲の決定方法の一例を示すフローチャートである。監視処理部92は、学習済みモデルを用いた分類処理を行う(ステップS51)。例えば、監視処理部92は撮像画像のうち物体の表面毎に分類処理を行う。例えば、監視処理部92は、スピンベース21の上面21aに該当する領域に液滴領域RL1が含まれるときには、学習済みモデルを用いて該領域を親水カテゴリおよび疎水カテゴリの一方に分類する。同様に、監視処理部92は、外ガード43の外周面に該当する領域に液滴領域RL1が含まれるときには、学習済みモデルを用いて該領域を親水カテゴリおよび疎水カテゴリの一方に分類する。つまり、分類のカテゴリとしては、複数の表面(ここではスピンベース21の上面21aおよび外ガード43の外周面)のそれぞれに対して親水および疎水を示すカテゴリが用意される。
【0161】
監視処理部92はカテゴリを判定し、カテゴリに応じて液滴領域RL1の削除範囲を決定する(ステップS52)。具体的には、監視処理部92は親水面に付着している液滴L1については、その液滴領域RL1の輪郭領域RL1aを削除範囲に決定し、疎水面に付着している液滴L1については、その液滴領域RL1の全体を削除範囲に決定する。
【0162】
<第3の実施の形態>
処理ユニット1において、カメラガード72の表面に液滴L1が付着する場合がある。例えば、チャンバー10内の処理液の揮発成分が、カメラガード72の表面(具体的には処理空間側の表面)で冷却されて凝結し、液滴L1がカメラガード72の表面に付着する場合がある。そこで、第3の実施の形態では、カメラガード72の液滴L1に起因した監視処理の精度低下を抑制する。
【0163】
図16は、第3の実施の形態にかかる処理ユニット1の構成の一例を概略的に示す縦断面図である。以下では、第3の実施の形態にかかる処理ユニット1を処理ユニット1Aと呼ぶ。処理ユニット1Aは、第1および第2の実施の形態にかかる処理ユニット1と比較して、カメラ変位部73をさらに含んでいる。
【0164】
カメラ変位部73は例えばモータを含んでおり、カメラ70を第1カメラ位置と第2カメラ位置との間で変位させる。例えば、カメラ変位部73はカメラ70を回転させてもよい。この場合、第1カメラ位置および第2カメラ位置はカメラ70の回転軸線を中心とした角度で表される。カメラ70の可動角度範囲は、例えば数度から数十度程度に設定される。ここでは一例として、カメラ変位部73は水平な回動軸線のまわりでカメラ70を回転させる。カメラ変位部73がカメラ70を回転させることにより、カメラ70の撮像方向はカメラ70の回転軸線のまわりで所定の角度範囲内で旋回する。
【0165】
カメラ70は第1カメラ位置で撮像領域を撮像した後、第2カメラ位置でも撮像領域を撮像する。第1カメラ位置および第2カメラ位置は互いに相違するので、第1カメラ位置における撮像領域と第2カメラ位置における撮像領域は互いに相違する。
【0166】
図17は、第1カメラ位置でカメラ70が撮像したときの撮像画像の一例を概略的に示す図であり、
図18は、第2カメラ位置でカメラ70が撮像したときの撮像画像の一例を概略的に示す図である。
図17および
図18では、カメラガード72の表面に液滴L1が付着したときの撮像画像を示している。
【0167】
カメラ70の回転軸線は水平に延びており、ここでは、第2カメラ位置における撮像方向は第1カメラ位置における撮像方向よりも下方を向く。よって、
図18の撮像画像内の各物体は、
図17の撮像画像の各物体に対して上側に平行移動したものとなる。ただし、その平行移動量は、カメラ70と物体との間の距離に依存する。具体的には、当該距離が大きいほど、物体の平行移動量は大きい。つまり、カメラ70からの距離が遠いほど、平行移動量は大きい。
図16に示されるように、カメラ70とカメラガード72との間の距離はカメラ70と処理空間内の他の物体との間の距離に比べて最も短いので、カメラガード72に付着した液滴L1の平行移動量は最も小さくなる。具体的には、基板W、基板保持部20および外ガード43の撮像画像内の位置は、
図17の撮像画像と
図18の撮像画像との間において大きく変化しているものの、液滴領域RL1の撮像画像内の位置の変化はこれらに比べて小さい。
【0168】
逆に言えば、第1カメラ位置および第2カメラ位置での撮像画像の液滴L1の位置どうしの差が比較的に小さければ、液滴L1はカメラガード72に付着している、と考えることができる。一方、第1カメラ位置および第2カメラ位置での撮像画像の液滴L1の位置どうしの差が比較的に大きければ、液滴L1はカメラガード72とは別の物体に付着している、と考えることができる。
【0169】
第3の実施の形態にかかる監視処理の一例は
図7および
図8のフローチャートと同様である。ただし、ステップS11の撮像工程においては、第1カメラ位置および第2カメラ位置の各々において、カメラ70が撮像領域を撮像して撮像画像を生成する。また、ステップS132の液滴削除工程の具体的な一例は第1の実施の形態と相違する。
図19は、第3の実施の形態にかかる液滴削除工程の具体的な一例を示すフローチャートである。
【0170】
まず、監視処理部92は、カメラガード72に液滴L1が付着しているのか否かを撮像画像に基づいて判定する(ステップS61)。具体的には、監視処理部92は、第1カメラ位置での撮像画像における液滴領域RL1と、第2カメラ位置での撮像画像における液滴領域RL1との位置の差に基づいて、液滴L1がカメラガード72に付着しているか否かを判定する。ここでは、カメラ変位部73は水平な回転軸線まわりでカメラ70を回転させるので、撮像画像内の物体は縦方向に移動する。そこで、監視処理部92は、両撮像画像において同じ液滴L1に対応する液滴領域RL1どうしの、縦方向の位置の差を求める。両撮像画像において同じ液滴L1に該当する液滴領域RL1は、例えば、マッチング処理により特定することができる。マッチング処理としては、例えばテンプレートマッチングを採用することができる。
【0171】
監視処理部92は当該位置の差と所定の位置しきい値とを比較し、当該差が位置しきい値未満であるときに、液滴L1がカメラガード72に付着していると判定する。位置しきい値は例えばシミュレーションまたは実験により予め設定されて、記憶部94に記憶される。
【0172】
カメラガード72に液滴L1が付着しているときには、監視処理部92は、カメラガード72の表面が親水面であるのか、疎水面であるのかを判定する(ステップS62)。ここでは一例として、カメラガード72の表面の濡れ性を示すガードデータが予め記憶部94に記憶される。ガードデータは、カメラガード72の表面の濡れ性が高いか低いかを示すデータ、すなわち、カメラガード72の表面が親水面であるのか、疎水面であるのかを示すデータを含んでいる。監視処理部92は記憶部94からガードデータを読み出して、カメラガード72の表面の濡れ性の高低を判定する。
【0173】
カメラガード72の表面が親水面であるときには、監視処理部92は液滴領域RL1の輪郭領域RL1aを削除範囲に決定し(ステップS63)、カメラガード72の表面が疎水面であるときには、監視処理部92は液滴領域RL1の全体を削除範囲に決定する(ステップS64)。
【0174】
ステップS61において、カメラガード72に液滴L1が付着していないときには、監視処理部92は、第2の実施の形態と同様に、領域データに応じて液滴領域RL1の削除範囲を決定するとよい。
【0175】
次に、監視処理部92は、第2の実施の形態と同様に、液滴領域RL1の削除範囲を削除した除去画像および参照画像の比較に基づいて、外ガード43の位置を監視する(ステップS134)。なお、監視工程では、第1カメラ位置での撮像画像でも、第2カメラ位置でも撮像画像でも、どちらを用いてもよい。参照画像としては、撮像画像に応じた画像を用意すればよい。
【0176】
以上のように、第3の実施の形態では、カメラガード72に液滴L1が付着しているときには、カメラガード72の濡れ性に応じて液滴領域RL1の削除範囲が決定される。このため、カメラガード72の濡れ性に応じて、より適切な精度で外ガード43を監視することができる。
【0177】
なお、監視処理部92は、第2の実施の形態の領域データと同様に、経時的にガードデータを更新してもよい。ただし、カメラガード72の濡れ性が経時的にほとんど変化しない場合、ガードデータは必ずしも必要ではない。例えば、カメラガード72が親水性である場合、監視処理部92は、カメラガード72に付着した液滴L1を示す液滴領域RL1の輪郭領域RL1aを撮像画像から削除すればよい。この場合、当然にガードデータの読み出しは行われない。同様に、カメラガード72が疎水性である場合、監視処理部92は、カメラガード72に付着した液滴L1を示す液滴領域RL1の全体を撮像画像から削除すればよい。この場合も、当然にガードデータの読み出しは行われない。
【0178】
<第4の実施の形態>
図20は、第4の実施の形態にかかる処理ユニット1の構成の一例を概略的に示す縦断面図である。以下では、第4の実施の形態にかかる処理ユニット1を処理ユニット1Bとも呼ぶ。処理ユニット1Bは処理ユニット1Aに比べて、液滴除去部74をさらに含んでいる。
【0179】
液滴除去部74はカメラガード72の表面に付着した液滴L1を除去する除去動作を行う。なお、ここでいう「除去」とは、カメラガード72の液滴L1の少なくとも一部を除けばよく、必ずしも液滴L1の全てが除かれる必要はない。
【0180】
図20の例では、液滴除去部74は、ノズル741と、ガス供給管742と、バルブ743とを含む。ノズル741はチャンバー10の処理空間内に設けられ、カメラガード72の表面に向けてガスを吐出する。ノズル741はガス供給管742を通じてガス供給源744に接続されている。ガス供給源744はガスを貯留するタンクを有しており、ガス供給管742にガスを供給する。ガスとしては、アルゴンガスなどの希ガスおよび窒素ガスの少なくとも一方を含む不活性ガスを採用することができる。ガス供給管742にはバルブ743が設けられている。バルブ743が開くと、ガス供給源744からガス供給管742を通じてノズル741にガスが供給され、ノズル741の吐出口からカメラガード72の表面に向けて吐出される。ガスがカメラガード72の表面に吹き付けられることにより、カメラガード72に付着した液滴L1が吹き飛ばされて、カメラガード72から除去される。ガスの流量は例えば50cc/min以上かつ150cc/min以下程度に設定される。
【0181】
制御部9は、撮像画像に液滴L1が含まれていると判定したときには、液滴除去部74に除去動作を行わせて、カメラガード72から液滴L1を除去する。
【0182】
図21は、第4の実施の形態にかかる処理ユニット1Bの動作の一例を示すフローチャートである。まず、カメラ70が撮像領域を撮像して、撮像画像を生成する(ステップS71)。第3の実施の形態と同様に、カメラ70は第1カメラ位置および第2カメラ位置の各々において撮像領域を撮像してもよい。
【0183】
次に、制御部9は撮像画像に液滴L1が含まれているか否かを判定する(ステップS72)。制御部9は、第1の実施の形態と同様にして液滴L1の有無を判定する。
【0184】
液滴L1が撮像画像に含まれていると判定したときには、液滴除去部74が除去動作を行う(ステップS73)。つまり、バルブ743が開いて、ガスがカメラガード72の表面に吹き付けられる。これにより、カメラガード72に付着しているかもしれない液滴L1を吹き飛ばす。要するに、液滴L1が撮像画像に含まれているときには、カメラガード72に液滴L1が付着している可能性があるので、液滴除去部74が作動する。
【0185】
次に、制御部9は所定回数だけステップS71,S72を実行したか否かを判定する(ステップS74)。まだ所定回数だけ実行していなければ、制御部9は再びステップS71を行う。所定回数は例えばシミュレーションまたは実験により予め設定されて、記憶部94に記憶される。所定回数は1であってもよい。この場合には、ステップS74は不要である。
【0186】
液滴除去部74の作動により、液滴L1が除去された場合、撮像画像において液滴L1は含まれなくなる。このため、ステップS72において撮像画像に液滴L1が含まれないと判定される。このとき、監視処理部92は液滴除去部74をこれ以上作動させることなく、撮像画像に基づいて外ガード43の位置を監視する(ステップS75)。つまり、監視処理部92は除去動作後の撮像画像に基づいて、外ガード43の位置を監視する。ここでは、液滴L1が含まれないので、監視処理部92はガード判定領域R11と参照画像M11との比較、および、ガード判定領域R12と参照画像M12との比較により、外ガード43の位置を監視する。
【0187】
一方で、所定回数だけステップS71,S72を実行したときには、除去動作後の最新の撮像画像にも液滴L1が含まれている可能性がある。ただし、液滴除去部74の作動により、カメラガード72の表面から液滴L1が除去されている可能性が高いので、液滴L1はカメラガード72以外の物体、例えばスピンベース21の上面21aまたは外ガード43の外周面に付着している可能性が高い。このため、監視処理部92は第1または第2の実施の形態と同様にして、除去動作後の撮像画像に基づいて外ガード43を監視する(ステップS75)。
【0188】
もちろん、カメラガード72に付着している可能性もゼロではないので、監視処理部92はステップS75において、第3の実施の形態と同様にして、除去動作後の撮像画像に基づいて外ガード43の位置を監視してもよい。
【0189】
以上のように、カメラガード72に液滴L1が付着している可能性が高いときには、液滴除去部74によってカメラガード72の液滴L1を除去することができる。よって、その後の監視工程において、カメラガード72による液滴L1の影響を抑制して、より高い精度で外ガード43を関することができる。
【0190】
なお、ステップS71において、カメラ70が第1カメラ位置および第2カメラ位置において撮像領域を撮像し、ステップS72において、カメラガード72に液滴L1が付着しているか否かを制御部9が両撮像画像に基づいて判定してもよい。この場合、カメラガード72に液滴L1が付着しているときに液滴除去部74が作動するので、液滴除去部74による不要な除去動作を回避することができる。
【0191】
また、上述の具体例では、液滴除去部74はガスで液滴L1を吹き飛ばしているものの、必ずしもこれに限らない。例えば、液滴除去部74は、カメラガード72の表面に沿って延びるワイパー本体と、ワイパー本体をその基端を中心に回転させてワイパー本体をカメラガード72の表面に沿って旋回させるワイパー駆動部とを含んでいてもよい。ワイパー駆動部は例えばモータを含む。これによれば、より確実にカメラガード72に付着した液滴を除去することができる。
【0192】
以上のように、基板処理装置100および監視方法は詳細に説明されたが、上記の説明は、全ての局面において、例示であって、これらがそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この開示の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。上記各実施形態および各変形例で説明した各構成は、相互に矛盾しない限り適宜組み合わせたり、省略したりすることができる。
【0193】
例えば監視対象物としては、基板保持部20、第1ノズル30、第2ノズル60、第3ノズル65、内ガード41および中ガード42の少なくともいずれか一つを採用することができる。要するに、チャンバー10内の任意の物体を監視対象物として採用することができる。
【符号の説明】
【0194】
1 処理ユニット
10 チャンバー
100 基板処理装置
20 基板保持部(スピンチャック)
30 ノズル(第1ノズル)
43 監視対象物(外ガード)
60 ノズル(第2ノズル)
65 ノズル(第3ノズル)
70 カメラ
72 カメラガード
74 液滴除去部
9 制御部
W 基板
S11 撮像工程(ステップ)
S12 液滴判定工程(ステップ)
S13 監視工程(ステップ)