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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023137520
(43)【公開日】2023-09-29
(54)【発明の名称】包装体
(51)【国際特許分類】
   B65D 77/06 20060101AFI20230922BHJP
   B65D 33/02 20060101ALI20230922BHJP
   B65D 30/16 20060101ALI20230922BHJP
   B65D 5/60 20060101ALI20230922BHJP
   B65D 5/38 20060101ALI20230922BHJP
   B65D 5/50 20060101ALI20230922BHJP
【FI】
B65D77/06 A
B65D33/02
B65D30/16 G
B65D5/60 C
B65D5/38 A
B65D5/50 101Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022043765
(22)【出願日】2022-03-18
(71)【出願人】
【識別番号】313004403
【氏名又は名称】株式会社フジシール
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼野 忠
【テーマコード(参考)】
3E060
3E064
3E067
【Fターム(参考)】
3E060AA03
3E060AB12
3E060AB32
3E060BA23
3E060CC18
3E060CC43
3E060CE05
3E060CE14
3E060CE15
3E060CE18
3E060DA05
3E060DA22
3E060EA03
3E064AA05
3E064BA24
3E064BA26
3E064BA27
3E064BA30
3E064BA36
3E064BA54
3E064BA55
3E064BB03
3E064EA05
3E064EA07
3E064FA04
3E064FA05
3E064HF03
3E064HG01
3E064HN65
3E064HS04
3E067AA03
3E067AA30
3E067AC01
3E067BA05C
3E067BA12B
3E067BA20C
3E067BB02C
3E067BB14B
3E067BB14C
3E067BC06C
3E067BC08C
3E067CA24
3E067EA06
3E067EA18
3E067EB17
3E067EB27
3E067EE40
3E067FA04
3E067FC01
3E067GC10
(57)【要約】
【課題】縦方向に起立させた状態における包装体の自立性を向上させる。
【解決手段】箱部110は、注出口13が横方向を向いた状態のパウチ容器10を載置可能な第1形態から、パウチ容器10とともに曲げられつつ注出口13が箱部110の上方に位置するように起立可能な第2形態に変形可能に構成されている。箱部110は、主面120と、側面130とを含む。主面120は、第1形態においてパウチ容器10が載置されている。側面130は、主面120の縁の一部から立設され、第1形態において注出口13と面するように位置している。箱部110は、箱部110を第1形態から第2形態に変形させる際に側面130と直交する方向に延在する仮想軸Aを中心として主面120が曲がることを可能とするための、側面130の少なくとも一部が除去された除去部140が、第2形態において形成されているように構成されている。
【選択図】図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内容物を収容し、該内容物を注出可能な注出口を有するパウチ容器と、
前記パウチ容器を収容する箱部とを備え、
前記箱部は、前記注出口が横方向を向いた状態の前記パウチ容器を載置可能な第1形態から、前記パウチ容器とともに曲げられつつ前記注出口が前記箱部の上方に位置するように起立可能な第2形態に変形可能に構成されており、
前記箱部は、
前記第1形態において前記パウチ容器が載置される主面と、
前記主面の縁の一部から立設され、前記第1形態において前記注出口と面するように位置している側面とを含み、
前記箱部は、前記箱部を前記第1形態から前記第2形態に変形させる際に前記側面と直交する方向に延在する仮想軸を中心として前記主面が曲がることを可能とするための、前記側面の少なくとも一部が除去された除去部が、前記第2形態において形成されているように構成されている、包装体。
【請求項2】
前記注出口は、前記内容物を注出するための筒状部および該筒状部の一端側を開閉する蓋部を含むスパウトで構成されており、
前記筒状部には、部分的に縮径したくびれ部が形成されており、
前記側面に、前記スパウトを挿通可能な切欠部が形成されており、
前記スパウトは、前記第2形態において前記切欠部から前記箱部の外側に延出している、請求項1に記載の包装体。
【請求項3】
前記除去部に沿う前記側面の縁に、前記第2形態において前記くびれ部と係合する円弧部が形成されており、
前記パウチ容器は、前記第2形態において前記くびれ部が前記切欠部に沿う前記側面の縁および前記円弧部と係合することにより支持されている、請求項2に記載の包装体。
【請求項4】
前記箱部の前記主面には、少なくとも1つの貫通孔が設けられている、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の包装体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装体に関する。
【背景技術】
【0002】
包装体の構成を開示した先行技術文献として、特開2019-1549号公報(特許文献1)がある。特許文献1に記載された包装体は、軟包材と、箱体とを備える。軟包材は、扁平な形状を有し、内容物を収容する。箱体は、扁平な形状を有し、軟包材を収容する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-1549号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された包装体においては、扁平形状の包装体を縦方向に起立させた場合、包装体の接地面積が小さくなることによって、包装体が倒れる可能性があるため、包装体の自立性を向上させる余地がある。
【0005】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、縦方向に起立させた状態における自立性が向上した、包装体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に基づく包装体は、パウチ容器と、箱部とを備える。パウチ容器は、内容物を収容し、内容物を注出可能な注出口を有する。箱部は、パウチ容器を収容する。箱部は、注出口が横方向を向いた状態のパウチ容器を載置可能な第1形態から、パウチ容器とともに曲げられつつ注出口が箱部の上方に位置するように起立可能な第2形態に変形可能に構成されている。箱部は、主面と、側面とを含む。主面は、第1形態においてパウチ容器が載置されている。側面は、主面の縁の一部から立設され、第1形態において注出口と面するように位置している。箱部は、箱部を第1形態から第2形態に変形させる際に側面と直交する方向に延在する仮想軸を中心として主面が曲がることを可能とするための、側面の少なくとも一部が除去された除去部が、第2形態において形成されているように構成されている。
【0007】
本発明の一形態においては、注出口は、内容物を注出するための筒状部および筒状部の一端側を開閉する蓋部を含むスパウトで構成されている。筒状部には、部分的に縮径したくびれ部が形成されている。側面に、スパウトを挿通可能な切欠部が形成されている。スパウトは、第2形態において切欠部から箱部の外側に延出している。
【0008】
本発明の一形態においては、除去部に沿う側面の縁に、第2形態においてくびれ部と係合する円弧部が形成されている。パウチ容器は、第2形態においてくびれ部が切欠部に沿う側面の縁および円弧部と係合することにより支持されている。
【0009】
本発明の一形態においては、箱部の主面には、少なくとも1つの貫通孔が設けられている。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、縦方向に起立させた状態における包装体の自立性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施の形態1に係る包装体の構成を示す斜視図である。
図2】本発明の実施の形態1に係る包装体が備えるパウチ容器の構成を示す斜視図である。
図3】本発明の実施の形態1に係る包装体が備える箱部の構成を示す斜視図である。
図4】本発明の実施の形態1に係る包装体の第1形態の構成を示す斜視図である。
図5】本発明の実施の形態1に係る包装体が備える箱部の構成を示す展開図である。
図6】本発明の実施の形態1に係る包装体が備えるパウチ容器および箱部が外箱から取り出されている途中の状態を示す斜視図である。
図7】本発明の実施の形態1に係る包装体が備える箱部の除去部が形成された状態を示す斜視図である。
図8】本発明の実施の形態1に係る包装体が備える箱部の切欠部に注出口が挿通された状態を示す斜視図である。
図9】本発明の実施の形態1に係る包装体が備えるパウチ容器および箱部が曲げられている状態を示す斜視図である。
図10図9におけるX部を拡大して箱部に対する注出口の支持状態を示す斜視図である。
図11】本発明の実施の形態1に係る包装体の第2形態の構成を示す斜視図である。
図12】本発明の実施の形態1に係る包装体の箱部の端部同士の接続を示す斜視図である。
図13】本発明の実施の形態2に係る包装体の構成を示す斜視図である。
図14】本発明の実施の形態3に係る包装体の構成を示す斜視図である。
図15】本発明の実施の形態3に係る包装体の構成を示す上面図である。
図16】実施の形態3の第1変形例に係る包装体の構成を示す上面図である。
図17】実施の形態3の第2変形例に係る包装体の構成を示す上面図である。
図18】実施の形態3の第3変形例に係る包装体の構成を示す上面図である。
図19】実施の形態3の第4変形例に係る包装体の構成を示す上面図である。
図20】実施の形態3の第5変形例に係る包装体の構成を示す上面図である。
図21】実施の形態3の第6変形例に係る包装体の構成を示す上面図である。
図22】実施の形態3の第7変形例に係る包装体の構成を示す上面図である。
図23】実施の形態3の第8変形例に係る包装体の構成を示す上面図である。
図24】実施の形態3の第9変形例に係る包装体の構成を示す上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の各実施の形態に係る包装体について図面を参照して説明する。以下の実施の形態の説明においては、図中の同一または相当部分には同一符号を付して、その説明は繰り返さない。なお、図面においては、包装体の幅方向をX方向、包装体の奥行き方向をY方向、包装体の厚み方向をZ方向とする。また、本明細書においては、外箱の有無によらず、パウチ容器および箱部を含む構成を包装体と称する。
【0013】
本発明の各実施の形態に係る包装体を詳述するにあたり、包装体の第1形態および第2形態を規定する。第1形態とは、パウチ容器の注出口が横方向を向いて配置され、箱部が寝かせられた形態をいう。第1形態における横方向とは、パウチ容器が箱部の主面に載置可能な状態における、当該主面と平行な方向をいう。第2形態とは、パウチ容器の注出口を上方に向け、横方向の場合と比較して箱部の接地面積が小さくなる縦方向に包装体を起立させつつ、包装体の一部を曲げた形態をいう。なお、第1形態においては、包装体の一部が曲げられていない状態で包装体が縦方向に起立した形態を含む。
【0014】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る包装体の構成を示す斜視図である。図2は、本発明の実施の形態1に係る包装体が備えるパウチ容器の構成を示す斜視図である。図3は、本発明の実施の形態1に係る包装体が備える箱部の構成を示す斜視図である。図4は、本発明の実施の形態1に係る包装体の第1形態の構成を示す斜視図である。
【0015】
図1図4に示すように、本発明の実施の形態1に係る包装体1は、たとえば、図示しない内容物を収容して配送する際に使用される。本実施の形態に係る包装体1は、パウチ容器10と、箱体20とを備える。
【0016】
図2に示すように、パウチ容器10は、Z方向の寸法がX方向およびY方向の寸法よりも小さい扁平形状を有している。具体的には、パウチ容器10は、構成されるシートの四方が溶着された平パウチ形状であり、パウチ容器10のみでは自立させることができない程度に厚み方向(Z方向)の厚みを薄くしつつ、上記第2形態にする際に折り曲げやすい形状を有している。なお、パウチ容器10の形状は、平パウチには限定されず、サイドガセット付きパウチ、底ガセット付きパウチなどであってもよい。パウチ容器10の形状は、上記のうち、上記第2形態にする際に折り曲げやすい平パウチ形状が好ましい。
【0017】
パウチ容器10は、内容物を収容する。パウチ容器10は、第1シート11と、第2シート12と、注出口13とを含む。
【0018】
第1シート11は、XY平面上に延在するシートである。第1シート11は、略矩形形状を有している。第2シート12は、XY平面上に延在するシートである。第2シート12は、第1シート11と対応するように略矩形形状を有している。第1シート11および第2シート12は、XY平面上の端部において互いに溶着されている。なお、パウチ容器10は、第1シート11および第2シート12からなる2枚のシートの構成に限定されず、1枚のシートから構成されていてもよい。
【0019】
第1シート11および第2シート12の各々は、ベースフィルム層およびシーラント層を含む複層シートで構成されていることが好ましい。なお、本実施の形態における第1シート11および第2シート12の各々は、包装体1の外部から後述する貫通孔121を通じてパウチ容器10に収容された内容物の残量を確認するために、透明または半透明であることが好ましい。
【0020】
ベースフィルム層の具体例としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレ-ト(PEN)若しくはポリブチレンテレフタレート(PBT)などのポリエステル、ポリエチレン(PE)若しくはポリプロピレン(PP)などのポリオレフィン、または、ナイロン-6若しくはナイロン-66などのポリアミドなどから構成される、単層または複層の延伸または未延伸フィルムが挙げられる。
【0021】
シーラント層の具体例としては、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、エチレン-プロピレン共重合体(EP)、未延伸ポリプロピレン(CPP)、エチレン-オレフィン共重合体、エチレン-アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン-メタクリル酸共重合体(EMAA)およびエチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)などから構成される、単層または複層のフィルムまたは押出し樹脂層が挙げられる。
【0022】
上述するベースフィルム層およびシーラント層は、たとえば、接着剤によるドライラミネーション、または熱接着性層を各層の間に挟んで熱により接着させるヒートラミネーションにより、積層される。
【0023】
なお、第1シート11および第2シート12の各々は、上述の層の構成に限られず、商品名およびデザインなどを表示するための印刷層を含んでいてもよい。また、第1シート11および第2シート12の各々は、表示印刷などが付されていない無地で構成されていてもよく、別途、図示しない表示印刷が施されたタックシールなどがパウチ容器10の外表面および/または内表面に貼着されていてもよい。パウチ容器10が無地で構成されている場合には、リサイクルの観点から、パウチ容器10が単一の素材により構成されていることが好ましい。
【0024】
パウチ容器10は、たとえば、X方向の幅寸法が40mm以上80mm以下であり、Y方向の奥行き寸法が80mm以上120mm以下である。
【0025】
注出口13は、その一部が第1シート11および第2シート12の間に挟まれることによって、第1シート11および第2シート12に固定されている。注出口13は、内容物を注出可能である。本実施の形態における注出口13は、たとえば、スパウト13sで構成されている。
【0026】
注出口13は、筒状部14および蓋部15を含む。筒状部14は、図示しない内容物を注出する。蓋部15は、筒状部14の一端側を開閉する。筒状部14には、部分的に縮径したくびれ部16が形成されている。
【0027】
図1に示すように、箱体20は、Z方向の寸法がX方向およびY方向の寸法よりも小さい扁平形状を有している。本実施の形態における箱体20は、外箱100と、箱部110とを備える。なお、箱体20は、パウチ容器10の商品情報を表示するものとして使用されてもよい。この場合、箱体20には、商品情報が外表面に印刷される。
【0028】
外箱100は、Y方向に沿って角筒形状を有している。外箱100の材質は、たとえば、ボール紙である。なお、外箱100の材質は、ボール紙に限定されず、樹脂材などでもよい。
【0029】
外箱100は、第1面101と、第2面102と、側面接続部103とを有する。第1面101および第2面102の各々は、XY平面上に延在し、互いに対向する略矩形形状の板状部である。側面接続部103は、第1面101および第2面102のX方向の両端において、第1面101および第2面102を接続している。
【0030】
外箱100の寸法は、たとえば、X方向において50mm以上90mm以下であり、Y方向において80mm以上120mm以下である。
【0031】
図4に示すように、箱部110は、パウチ容器10を収容する。箱部110の材質は、たとえば、ボール紙である。なお、箱部110の材質は、ボール紙に限定されず、樹脂材などでもよい。
【0032】
図3および図4に示すように、箱部110は、主面120と、側面130としての第1側面131と、第2側面132と、第3側面133と、第4側面134とを有する。主面120は、第1形態において、パウチ容器10が載置される面である。
【0033】
箱部110の主面120には、少なくとも1つの貫通孔121が設けられている。本実施の形態における貫通孔121は、第1側面131に直交する方向に沿って複数設けられている。なお、貫通孔121は、第1側面131に直交する方向に沿って1つの長孔が延在していてもよい。
【0034】
側面130としての第1側面131は、主面120の縁の一部から立設されている。本実施の形態における第1側面131は、主面120のX方向の一方側の縁から立設されている。第1側面131は、第1形態において注出口13と面するように位置している。
【0035】
第2側面132は、主面120のX方向の他方側の縁から立設されている。第2側面132は、X方向において第1側面131と対向している。第3側面133は、主面120のY方向の一方側の縁から立設されている。第4側面134は、主面120のY方向の他端側の縁から立設されている。第3側面133および第4側面134は、Y方向において互いに対向している。
【0036】
箱部110における第1側面131および第2側面132には、除去予定部141が設けられている。除去予定部141は、第1側面131および第2側面132の各々に2つ設けられている。除去予定部141は、ミシン目などによって区画されている。
【0037】
側面130としての第1側面131に、スパウト13sを挿通可能な切欠部144が形成されている。本実施の形態における切欠部144は、第1側面131における2つの除去予定部141の間に設けられている。なお、本実施の形態における切欠部144は、孔形状であるが、この構成に限定されず、第1側面の縁から連続して切り欠いた形状であってもよい。
【0038】
図5は、本発明の実施の形態1に係る包装体が備える箱部の構成を示す展開図である。なお、図5においては、簡略のため、後述する第1スリット部、第2スリット部、第1切片部および第2切片部を図示していない。
【0039】
図5に示すように、箱部110は、1枚のシートにより構成されている。箱部110は、1枚のシートを折り曲げることによって、図4に示すパウチ容器10を載置可能な形状に形成される。なお、箱部110は、1枚のシートを折り曲げる構成に限定されず、複数のシートを組み合わせることによって構成されていてもよい。
【0040】
以下、本発明の実施の形態1に係る包装体1の第1形態から第2形態へ変形する過程について説明する。
【0041】
図6は、本発明の実施の形態1に係る包装体が備えるパウチ容器および箱部が外箱から取り出されている途中の状態を示す斜視図である。図7は、本発明の実施の形態1に係る包装体が備える箱部の除去部が形成された状態を示す斜視図である。図8は、本発明の実施の形態1に係る包装体が備える箱部の切欠部に注出口が挿通された状態を示す斜視図である。図9は、本発明の実施の形態1に係る包装体が備えるパウチ容器および箱部が曲げられている状態を示す斜視図である。図10は、図9におけるX部を拡大して箱部に対する注出口の支持状態を示す斜視図である。図11は、本発明の実施の形態1に係る包装体の第2形態の構成を示す斜視図である。
【0042】
図6図11に示すように、箱部110は、注出口13が横方向を向いた状態のパウチ容器10を載置可能な第1形態から、パウチ容器10とともに曲げられつつ注出口13が箱部110の上方に位置するように起立可能な第2形態に変形可能に構成されている。
【0043】
具体的には、まず、本実施の形態における包装体1は、外箱100にパウチ容器10が収容された箱部110を入れた第1形態で家のポストなどに配送される。次に、図6に示すように、外箱100からパウチ容器10が載置された箱部110を取り出す。箱部110は、第1形態において、Z方向に厚みt1を有している。
【0044】
次に、図7に示すように、箱部110の除去予定部141を除去する。箱部110は、除去予定部141を除去することによって、側面130の少なくとも一部が除去された除去部140が、第2形態において形成されているように構成されている。除去部140は、箱部110を第1形態から第2形態に変形させる際に側面130と直交する方向に延在する仮想軸Aを中心として主面120が曲がることを可能にしている。
【0045】
なお、側面130を全て除去する場合には、主面120、第3側面133および第4側面134で構成された箱部にパウチ容器10が固定される構成であってもよい。なお、除去部140は、箱部110が第1形態を形成する際に予め除去されていてもよい。ただし、第1形態において除去部140を設ける場合には、配送時などに包装体1に加わる外部負荷に耐えうる材質または材料の厚みを有することが望ましい。
【0046】
第1側面131および第2側面132は、除去部140が形成されることによって、第1部分142および第2部分143に区画される。第1部分142は、第1側面131および第2側面132の各々のY方向の略中央に位置している。第2部分143は、除去部140を間に挟んで第1部分142の両側に位置している。
【0047】
次に、図8に示すように、パウチ容器10のスパウト13sを側面130の第1部分142に設けられた切欠部144に挿通させる。次に、図9に示すように、仮想軸Aを中心として箱部110をパウチ容器10とともに曲げる。
【0048】
図10に示すように、除去部140に沿う側面130の縁に、円弧部145が形成されている。円弧部145は、第2形態においてくびれ部16と係合する。
【0049】
図11に示すように、上述した過程によって、包装体1を第1形態から第2形態へ変形させることができる。パウチ容器10を単体で第2形態へ起立させようとした場合、パウチ容器10のみでは自立させることができず倒れたり、起立させた場合であっても、使用するにつれてパウチ容器10が首折れして保管時に嵩張ることがあるが、本実施の形態のようにパウチ容器10を箱体20に収容することによって、パウチ容器10を保管しやすくすることができる。
【0050】
第2形態の包装体1は、仮想軸Aを中心として曲げられることによって、厚み方向において第1形態の場合の箱部110の厚みt1より厚い、厚みt2を有している。これにより、第2形態の包装体1は、包装体1を縦方向に起立させた場合、第1形態と比較して厚み方向において包装体1を厚くすることができるため、自立性を向上させることができる。
【0051】
スパウト13sは、第2形態において、箱部110の上方に位置し、切欠部144から箱部110の外側に延出している。パウチ容器10は、第2形態においてくびれ部16が切欠部144に沿う側面130の縁および円弧部145と係合することにより支持されている。
【0052】
スパウト13sは、包装体1の第1形態のY方向において、パウチ容器10の略中央に設けられている。これにより、スパウト13sの位置を仮想軸Aと一致させることができる。その結果、包装体1を第2形態とした際に、スパウト13sを箱部110の上方の端に配置させることができるため、内容物を注ぎ出しやすい。
【0053】
図12は、本発明の実施の形態1に係る包装体の箱部の端部同士の接続を示す斜視図である。
【0054】
図12に示すように、包装体1は、接続手段21により箱部110の端部同士が接続されている。本実施の形態に係る接続手段21は、第4側面134および第3側面133の各々の一部同士を係止可能に構成されている。第4側面134は、第1切片部150と、第2切片部151とを有する。第3側面133は、第1スリット部152および第2スリット部153が設けられている。
【0055】
第1切片部150は、第4側面134のX方向の略中央に配置されている。第1切片部150は、第1スリット部152に一部が挿入可能に設けられている。第1スリット部152に挿入された第1切片部150の一部は、主面120まで到達し、第3側面133および第4側面134を互いに接続する。
【0056】
第2切片部151は、第1切片部150のX方向の両側に1対設けられている。第2切片部151は、第2スリット部153に挿入可能に設けられている。第2スリット部153に挿入された第2切片部151は、第3側面133および第4側面が接続された際に互いの位置関係がずれることを抑制する。
【0057】
なお、接続手段21による第3側面133および第4側面134の接続は、シールなどによって互いが接続される構成であってもよい。シールにより第3側面133および第4側面134を接続する場合、たとえば、予め箱体20の外表面における任意の位置に仮止めされたシールを、第3側面133および第4側面134を接続する際に剥がして接続に使用してもよい。
【0058】
本発明の実施の形態1に係る包装体1は、注出口13が横方向を向いた状態のパウチ容器10を載置可能な第1形態から、パウチ容器10とともに曲げられつつ注出口13が箱部110の上方に位置するように起立可能な第2形態に変形可能に構成されている。包装体1は、仮想軸Aを中心として主面120が曲がることを可能とするための除去部140が形成されていることによって、除去部140を曲げて第2形態へ変形させた際、第1形態より第2形態の包装体1を厚み方向において厚くすることができるため、第1形態と比較して、縦方向に起立させた状態における包装体1の自立性を向上させることができる。
【0059】
本発明の実施の形態1に係る包装体1は、除去部140を曲げて第2形態へ変形させた際、第1形態より第2形態の包装体1を厚み方向において厚くすることによって、第2形態の包装体1を把持しやすくすることができるため、包装体1の取り扱いを容易にすることができる。
【0060】
本発明の実施の形態1に係る包装体1は、配送用として第1形態で使用した箱部110を、第2形態におけるパウチ容器10のホルダとしての外装体に第1形態からそのまま使用することができる。これにより、包装体1は、パウチ容器10の外装体として別体のホルダや詰め替え容器などを準備する必要がないため、別体のホルダまたは詰め替え容器などに使用する樹脂の使用量を削減して省資源化に貢献することができる。
【0061】
本発明の実施の形態1に係る包装体1においては、スパウト13sが第2形態において第1側面131の切欠部144から箱部110の外側に延出していることによって、内容物を注出しやすくすることができる。
【0062】
本発明の実施の形態1に係る包装体1においては、注出口13のくびれ部16と係合する円弧部145が形成されていることによって、第2形態においてくびれ部16が切欠部144に沿う側面130の縁および円弧部145と係合することによりスパウト13sを支持することができるため、パウチ容器10を箱部110に対して安定して固定することができる。
【0063】
本発明の実施の形態1に係る包装体1においては、箱部110の主面120に複数の貫通孔121が設けられていることによって、外観視で貫通孔121からパウチ容器10を確認することができるため、パウチ容器10に収容された内容物の残量を確認することができる。また、貫通孔121に手を引っ掛けることができるため、第2形態における包装体1を持ちやすくすることができる。
【0064】
(実施の形態2)
以下、本発明の実施の形態2に係る包装体について説明する。本発明の実施の形態2に係る包装体は、箱体の構成が本発明の実施の形態1に係る包装体1と異なるため、本発明の実施の形態1に係る包装体1と同様である構成については説明を繰り返さない。
【0065】
図13は、本発明の実施の形態2に係る包装体の構成を示す斜視図である。図13に示すように、本実施の形態に係る包装体1Aは、パウチ容器10と、箱体20Aとを備える。
【0066】
箱体20Aは、箱部110Aと、平面部111とを含む。箱部110Aと平面部111とは、注出口13が位置する側の互いの端部において接続されている。平面部111は、箱部110Aに載置されたパウチ容器10を被覆可能である。
【0067】
なお、平面部111は、X方向における注出口13が位置する側とは反対側の端部において、図示しない接続手段により箱部110Aに係止可能であってもよい。接続手段は、たとえば、平面部111および箱部110Aのいずれか一方に切片部を設け、他方にスリット部を形成して、切片部とスリット部とが係止されることにより接続される構成であってもよいし、平面部111と箱部110Aとがシールによって接続される構成であってもよい。
【0068】
包装体1Aは、第1形態において、パウチ容器10を収容しつつ、箱部110Aの開放部が平面部111に被覆可能な形態を構成している。第2形態に変形させる際には、図中の二点鎖線で示す部分を切断して、箱部110Aから平面部111を切り取る。そして、箱部110Aにおける除去予定部141Aを除去し、除去部を形成した後、仮想軸Aを中心として箱部110Aをパウチ容器10とともに曲げることによって第2形態にすることができる。
【0069】
本発明の実施の形態2に係る包装体1Aにおいては、実施の形態1と同様の効果を得つつ、外箱を使用しないため、包装体1Aを廉価に構成することができる。
【0070】
(実施の形態3)
以下、本発明の実施の形態3および変形例に係る包装体について説明する。本発明の実施の形態3および変形例に係る包装体は、箱部の構成が本発明の実施の形態1に係る包装体1と異なるため、本発明の実施の形態1に係る包装体1と同様である構成については説明を繰り返さない。
【0071】
図14は、本発明の実施の形態3に係る包装体の構成を示す斜視図である。図15は、本発明の実施の形態3に係る包装体の構成を示す上面図である。なお、図14および図15においては、理解を容易にするため、パウチ容器は図示していない。
【0072】
図14および図15に示すように、本実施の形態に係る包装体1Bは、パウチ容器と、箱部110Bとを備える。
【0073】
本実施の形態に係る箱部110Bは、第1主面120Bと、第2主面122と、側面130Bとを含む。
【0074】
第1形態において、第2主面122および側面130Bには、除去予定部141Bが設けられている。側面130Bは、除去予定部141Bを除去することによって、除去部140Bが形成され、第1部分142Bと第2部分143Bとに区画される。包装体1Bを第2形態にする際には、第1主面120Bを曲げることにより、曲げられた第2主面122を重ね合わせる。これにより、図15に示すように、包装体1Bを曲げることができる。包装体1Bは、第1形態の場合の箱体20Bの厚みt1より厚い、厚みt2を有している。
【0075】
第1形態におけるY方向の除去部140Bの幅は、箱部110Bを曲げて第2主面122を重ね合わせることができるように箱部110Bの厚みの2倍以上であることが好ましい。なお、本実施の形態においては、箱部110Bを曲げた際に除去部140Bを内側に配置しているが、この構成に限定されず、除去部140Bを箱部110Bの曲げられた外側に配置してもよい。
【0076】
なお、包装体1Bは、第2形態における切欠部144が位置する側とは反対側の端部において、図示しない接続手段により箱部110Bの端部同士が係止可能であってもよい。接続手段は、たとえば、箱部110Bの端部同士のいずれか一方に切片部を設け、他方にスリット部を形成して、切片部とスリット部とが係止されることにより接続される構成であってもよいし、箱部110Bの端部同士がシールによって接続される構成であってもよい。
【0077】
図16~24は、実施の形態3の第1~第9変形例に係る包装体の構成を示す上面図である。図16~24に示すように、実施の形態3の第1~第9変形例に係る包装体は、除去部140C~140Lが設けられることによって、第1形態から三角形状または円形状などの第2形態へ箱部110C~110Lを変形させることができる。箱部110C~110Lは、第1形態の箱部110C~110Lの厚みt1より厚い、厚みt2を有していることによって、厚み方向において包装体を厚くすることができるため、自立性を向上させることができる。
【0078】
本発明の実施の形態3および変形例に係る包装体においては、除去部以外の部分において箱部110C~110Lがパウチ容器を被覆することができるため、パウチ容器を保護しつつ、縦方向に起立させた状態における包装体の自立性を向上させることができる。
【0079】
なお、今回開示した上記実施の形態はすべての点で例示であって、限定的な解釈の根拠となるものではない。したがって、本開示の技術的範囲は、上記した実施の形態のみによって解釈されるものではない。また、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。上述した実施の形態の説明において、組み合わせ可能な構成を相互に組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0080】
1,1A,1B 包装体、10 パウチ容器、11 第1シート、12 第2シート、13 注出口、13s スパウト、14 筒状部、15 蓋部、16 くびれ部、20,20A,20B 箱体、21 接続手段、100 外箱、101 第1面、102 第2面、103 側面接続部、110,110A,110B,110C,110D,110E,110F,110G,110H,110J,110K,110L 箱部、111 平面部、120 主面、120B 第1主面、121 貫通孔、122 第2主面、130,130B 側面、131 第1側面、132 第2側面、133 第3側面、134 第4側面、140,140B,140C,140D,140E,140F,140G,140H,140J,140K,140L 除去部、141,141A,141B 除去予定部、142,142B 第1部分、143,143B 第2部分、144 切欠部、145 円弧部、150 第1切片部、151 第2切片部、152 第1スリット部、153 第2スリット部、A 仮想軸。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
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図10
図11
図12
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