IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 大阪瓦斯株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-発電システム 図1
  • 特開-発電システム 図2
  • 特開-発電システム 図3
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023137601
(43)【公開日】2023-09-29
(54)【発明の名称】発電システム
(51)【国際特許分類】
   H01M 8/04303 20160101AFI20230922BHJP
   H02J 13/00 20060101ALI20230922BHJP
   H02J 3/38 20060101ALI20230922BHJP
   H01M 8/04 20160101ALI20230922BHJP
   H01M 8/04858 20160101ALI20230922BHJP
   H01M 8/04313 20160101ALI20230922BHJP
   F24D 18/00 20220101ALN20230922BHJP
【FI】
H01M8/04303
H02J13/00 311R
H02J13/00 301A
H02J3/38 170
H01M8/04 Z
H01M8/04858
H01M8/04313
F24D18/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022043867
(22)【出願日】2022-03-18
(71)【出願人】
【識別番号】000000284
【氏名又は名称】大阪瓦斯株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100154726
【弁理士】
【氏名又は名称】宮地 正浩
(72)【発明者】
【氏名】山本 碧
(72)【発明者】
【氏名】長江 悠介
(72)【発明者】
【氏名】小林 桃唯
【テーマコード(参考)】
3L122
5G064
5G066
5H127
【Fターム(参考)】
3L122AA28
3L122AA73
3L122BA44
3L122BD11
3L122EA09
3L122FA05
3L122FA09
3L122FA27
3L122FA33
3L122GA07
5G064AA01
5G064AC05
5G064CB02
5G064CB12
5G066AE09
5G066HA13
5G066HB07
5H127AB02
5H127AB23
5H127AB24
5H127AC02
5H127AC17
5H127DA11
5H127DB42
5H127DB52
5H127DC42
5H127DC49
(57)【要約】      (修正有)
【課題】燃料電池部の運転を停止させる予定停止日の変更を適切に行うことができ、電力系統が停電しても燃料電池部を非常用電源として利用できる発電システムを提供する。
【解決手段】管理装置4及び発電装置2の制御部3は、管理装置4と発電装置2との間で情報を通信する形態で、予定停止日を変更する必要があると判定すると、予定停止日を変更する予定停止日変更処理を実行自在に構成され、予定停止日が変更された場合には、制御部3が、変更後の予定停止日に燃料電池部の運転を停止させる変更後運転停止処理を実行し、変更用通信期間である場合には、発電装置2と管理装置4との間での情報の通信を第2通信部24にて行うように、通信方式を第2通信方式に切り替え、変更用通信期間ではない場合には、発電装置2と管理装置4との間での情報の通信を第1通信部23にて行うように、通信方式を第1通信方式に切り替える通信方式切替部33が備えられている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスが供給されて発電する燃料電池部、及び、その燃料電池部の運転状態を制御する制御部を有する発電装置と、
その発電装置を管理する管理装置とが備えられ、
前記制御部は、燃料電池部の運転状態に基づいて、燃料電池部の運転を停止させる予定停止日を設定する予定停止日設定処理、及び、予定停止日に燃料電池部の運転を停止させる運転停止処理を実行自在に構成され、
前記管理装置及び前記発電装置の制御部は、管理装置と発電装置との間で情報を通信する形態で、予定停止日を変更する必要があると判定すると、予定停止日を変更する予定停止日変更処理を実行自在に構成され、
前記予定停止日変更処理にて予定停止日が変更された場合には、前記制御部が、前記運転停止処理として、変更後の予定停止日に燃料電池部の運転を停止させる変更後運転停止処理を実行し、
前記発電装置と前記管理装置との間での情報の通信について、第1通信方式にて情報を通信する第1通信部と、第1通信方式よりも通信の信頼性の高い第2通信方式にて情報を通信する第2通信部とが備えられ、
前記予定停止日変更処理及び前記変更後運転停止処理に関わる情報を通信する変更用通信期間である場合には、発電装置と管理装置との間での情報の通信を第2通信部にて行うように、通信方式を第2通信方式に切り替え、
変更用通信期間ではない場合には、発電装置と管理装置との間での情報の通信を第1通信部にて行うように、通信方式を第1通信方式に切り替える通信方式切替部が備えられている発電システム。
【請求項2】
前記変更用通信期間は、台風の到来が予想できる台風到来予想期間を含む期間に設定されている請求項1に記載の発電システム。
【請求項3】
前記変更用通信期間は、前記予定停止日変更処理の実行日から変更後の予定停止日までの期間を含む期間に設定されている請求項1又は2に記載の発電システム。
【請求項4】
前記発電装置と前記管理装置との間での情報の通信を第2通信部にて行う場合には、第1通信部にて行う場合に比べて、情報量又は通信回数を少なくする通信状態調整部が備えられている請求項1~3の何れか1項に記載の発電システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガスが供給されて発電する燃料電池部、及び、その燃料電池部の運転状態を制御する制御部を有する発電装置が備えられた発電システムに関する。
【背景技術】
【0002】
発電システムやその他のガス機器が設置される各家庭等には、ガス漏洩を検出する漏洩検知機能が備えられている。この漏洩検知機能とは、ガス漏洩判定期間(例えば、30日)に亘ってガスが流れ続けたときに、ガス漏れ状態であるとして、警報やガスの供給を遮断する機能となっている。
【0003】
そのために、発電システムでは、ガス漏洩判定期間よりも短い所定期間(例えば、27日間)連続して燃料電池部が運転された場合に、制御部が、所定期間経過後の次の日を予定停止日に設定して、その予定停止日に燃料電池部の運転を停止させている。これは、燃料電池部が所定期間を超えて連続運転されることによって、誤って漏洩検知機能が作動されるのを防止して、漏洩検知機能を正常に作動させるためのものである(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
予定停止日については、所定期間連続して燃料電池部を運転しているか否かによって設定しているが、例えば、台風の到来等により電力系統に停電が発生すると予測される停電予測期間と予定停止日とが重複すると、台風の到来等により電力系統に停電したときに、燃料電池部を非常用電源として利用できなくなる。
【0005】
そこで、特許文献1に記載のシステムでは、停止予定日が停電予測期間と重複する場合に、予定停止日を停電予測期間よりも前倒した日に変更している。これにより、台風の到来等により電力系統が停電する日よりも以前に燃料電池部を運転停止させておき、台風の到来等により電力系統が停電しても、燃料電池部を非常用電源として利用できるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2021-34125号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載のシステムでは、予定停止日を停電予測期間よりも前倒した日に変更するために、発電装置を管理する管理装置が設けられ、発電装置と管理装置との間で各種の情報を通信しながら、予定停止日を変更する処理を行っている。
【0008】
しかしながら、このとき、何らかの異常によって、発電装置と管理装置との間で通信途絶が発生すると、発電装置と管理装置との間での通信が正常に行えず、予定停止日を変更する処理を適切に行えなくなる。例えば、管理装置では、停止予定日を変更するために、発電装置の状態等の各種の情報を収集する必要があるが、その情報を適切に収集できず、予定停止日を変更すべき日を設定できなかったり、予定停止日を変更すべき日を設定できても、その指示情報を発電装置に適切に通信できない等の不都合が生じることが考えられる。
【0009】
このように、発電装置と管理装置との間での通信途絶の発生により、予定停止日を変更する処理を適切に行えなくなると、発電装置と管理装置との間での通信状態を正常とするための復旧作業等を行う必要がある。しかしながら、予定停止日を変更する処理は、停電予測期間が近づいてから行われるので、停止予測期間までの期間が限られており、その期間内に復旧作業を行わなければならず、作業の煩雑化や複雑化を招くものとなる。また、予定停止日の直前に、発電装置と管理装置との間での通信途絶が発生すると、復旧作業自体が停止予測期間に間に合わず、電力系統が停電したときに、燃料電池部を非常用電源として利用できなくなる可能性もある。
【0010】
この実情に鑑み、本発明の主たる課題は、燃料電池部の運転を停止させる予定停止日の変更を適切に行うことができ、台風の到来等により電力系統が停電しても、燃料電池部を非常用電源として利用できる発電システムを提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の第1特徴構成は、ガスが供給されて発電する燃料電池部、及び、その燃料電池部の運転状態を制御する制御部を有する発電装置と、
その発電装置を管理する管理装置とが備えられ、
前記制御部は、燃料電池部の運転状態に基づいて、燃料電池部の運転を停止させる予定停止日を設定する予定停止日設定処理、及び、予定停止日に燃料電池部の運転を停止させる運転停止処理を実行自在に構成され、
前記管理装置及び前記発電装置の制御部は、管理装置と発電装置との間で情報を通信する形態で、予定停止日を変更する必要があると判定すると、予定停止日を変更する予定停止日変更処理を実行自在に構成され、
前記予定停止日変更処理にて予定停止日が変更された場合には、前記制御部が、前記運転停止処理として、変更後の予定停止日に燃料電池部の運転を停止させる変更後運転停止処理を実行し、
前記発電装置と前記管理装置との間での情報の通信について、第1通信方式にて情報を通信する第1通信部と、第1通信方式よりも通信の信頼性の高い第2通信方式にて情報を通信する第2通信部とが備えられ、
前記予定停止日変更処理及び前記変更後運転停止処理に関わる情報を通信する変更用通信期間である場合には、発電装置と管理装置との間での情報の通信を第2通信部にて行うように、通信方式を第2通信方式に切り替え、
変更用通信期間ではない場合には、発電装置と管理装置との間での情報の通信を第1通信部にて行うように、通信方式を第1通信方式に切り替える通信方式切替部が備えられている点にある。
【0012】
本構成によれば、変更用通信期間である場合には、通信方式切替部が、発電装置と管理装置との間での情報の通信を第2通信部にて行うように、通信方式を第2通信方式に切り替えるので、予定停止日変更処理及び変更後運転停止処理に関わる情報を信頼性の高い第2通信方式にて通信することができ、予定停止日変更処理及び変更後運転停止処理を適切に行うことができる。これにより、予定停止日を変更する処理だけでなく、その後、変更後の予定停止日に燃料電池部を運転停止させる処理をも適切に行うことができるので、燃料電池部の運転を停止させる予定停止日の変更を適切に行うことができ、台風の到来等により電力系統が停電しても、燃料電池部を非常用電源として利用できる。
【0013】
しかも、通信方式切替部は、常時、通信方式を第2通信方式に切り替えるのでなく、変更用通信期間ではない場合に、発電装置と管理装置との間での情報の通信を第1通信部にて行うように、通信方式を第1通信方式に切り替えている。これにより、予定停止日を変更するという特別な状況でのみ、第1通信方式よりもコストがかかる第2通信方式に切り替えることができるので、コストアップを招くことを極力回避しながら、台風の到来等により電力系統が停電しても、燃料電池部を非常用電源として利用できるという目的を達成することができる。
【0014】
本発明の第2特徴構成は、前記変更用通信期間は、台風の到来が予想できる台風到来予想期間を含む期間に設定されている点にある。
【0015】
本構成によれば、台風到来予想期間については、容易に且つ的確に予測することができるので、台風到来予想期間を含む期間を変更用通信期間に設定することで、予定停止日変更処理及び変更後運転停止処理に関わる情報を通信する可能性の高い適切な期間を簡易に設定することができる。
【0016】
本発明の第3特徴構成は、前記変更用通信期間は、前記予定停止日変更処理の実行日から変更後の予定停止日までの期間を含む期間に設定されている点にある。
【0017】
予定停止日変更処理の実行後には、変更後の予定停止日に燃料電池部を運転停止させるための変更後運転停止処理に関わる情報を通信するので、この期間に発電装置と管理装置との間での通信途絶が発生すると、予定停止日の変更が行えても、変更後の予定停止日に燃料電池部を運転停止できなくなる可能性がある。
【0018】
そこで、本構成によれば、予定停止日変更処理の実行日から変更後の予定停止日までの期間を含む期間を変更用通信期間に設定している。これにより、予定停止日変更処理の実行日から変更後の予定停止日までの期間において、発電装置と管理装置との間で変更後運転停止処理に関わる情報を正常に通信することができ、変更後の予定停止日に適切に燃料電池部を運転停止できる。
【0019】
本発明の第4特徴構成は、前記発電装置と前記管理装置との間での情報の通信を第2通信部にて行う場合には、第1通信部にて行う場合に比べて、情報量又は通信回数を少なくする通信状態調整部が備えられている点にある。
【0020】
上述の如く、第2通信方式は、第1通信方式よりもコストがかかるので、第2通信方式での通信の情報量や通信回数が増えると、それだけコストアップに繋がることになる。そこで、本構成によれば、通信状態調整部が、第2通信部にて通信を行う場合には、第1通信部にて通信を行う場合に比べて、情報量又は通信回数を少なくしている。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】発電システムの全体概略構成を示す図
図2】燃料電池発電ユニットを予定停止日に運転停止させるための動作を示すフローチャート
図3】通信方式を切り替える動作を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明に係る発電システムの実施形態について図面に基づいて説明する。
この発電システム1は、図1に示すように、発電と熱供給とを行う熱電併給装置2(発電装置に相当する)と、その熱電併給装置2を制御する制御部3とが備えられている。
【0023】
熱電併給装置2は、ガスが供給されて発電する燃料電池発電ユニット21(燃料電池部に相当する)と、燃料電池発電ユニット21の排熱にて加熱した湯水を熱消費機器に供給自在な湯水供給ユニット22とが備えられている。制御部3には、燃料電池発電ユニット21及び湯水供給ユニット22の運転状態を制御する運転状態制御部31が備えられている。
【0024】
燃料電池発電ユニット21は、商用電力系統等の電力系統と連係して電力機器等に電力を供給する連係発電運転を行うが、例えば、電力系統が停電した場合には、電力系統との連係を解除して、燃料電池発電ユニット21を運転させるための補器や他の電力機器に電力を供給する自立発電運転に切替自在に構成されている。
【0025】
湯水供給ユニット22は、例えば、燃料電池発電ユニット21の排熱を回収して加熱した湯水を貯湯する貯湯タンク等が備えられ、その貯湯タンクに貯湯されている湯水を給湯箇所や暖房装置等に供給自在に構成されている。
【0026】
運転状態制御部31は、運転要求の有無及びどのような内容の運転要求であるかに応じて、燃料電池発電ユニット21及び湯水供給ユニット22の運転開始、運転停止、及び、どのような運転を行うかを制御している。例えば、燃料電池発電ユニット21については、運転状態制御部31が、通常、燃料電池発電ユニット21を連係発電運転させており、電力系統が停電した場合には、燃料電池発電ユニット21を自立発電運転に切り替えている。運転状態制御部31は、燃料電池発電ユニット21の運転状態を制御するだけでなく、タイマー機能やカレンダー機能により、燃料電池発電ユニット21の運転開始タイミング、燃料電池発電ユニット21の運転停止タイミング、及び、燃料電池発電ユニット21の連続運転時間等も管理している。
【0027】
このような発電システム1は、例えば、各家庭等に設置されているが、各家庭等には、ガス漏洩判定期間(例えば、30日)に亘ってガスが流れ続けたときに、ガス漏れ状態であるとして、警報やガスの供給を遮断する漏洩検知機能が備えられている。そこで、この漏洩検知機能が正常に作動されるように、ガス漏洩判定期間よりも短い所定期間(例えば、27日間)連続して燃料電池発電ユニット21が運転された場合に、所定期間が経過する日を予定停止日に設定して、その予定停止日に燃料電池発電ユニット21を運転停止させる機能を有している。
【0028】
そのために、制御部3には、運転状態制御部31に加えて、燃料電池発電ユニット21を運転停止させる予定停止日を設定する予定停止日設定処理を行う予定停止日設定部32が備えられている。予定停止日設定処理では、予定停止日設定部32が、運転状態制御部31が管理している燃料電池発電ユニット21の運転開始タイミングや燃料電池発電ユニット21の連続運転時間に基づいて、その連続運転時間が所定期間(例えば、27日間)となる日を予定停止日に設定している。このとき、所定期間(例えば、27日間)中に、燃料電池発電ユニット21が設定期間(例えば、1日間)運転停止していることがあると、予定停止日設定部32が、燃料電池発電ユニット21の連続運転時間をリセットして、燃料電池発電ユニット21の連続運転時間をゼロからカウントし直して、予定停止日を更新設定している。
【0029】
このように、予定停止日設定部32が予定停止日を設定すると、運転状態制御部31が、予定停止日に燃料電池発電ユニット21の運転を停止させる運転停止処理を実行する。この運転停止処理では、予定停止日になると、運転状態制御部31が、燃料電池発電ユニット21が運転中であっても、燃料電池発電ユニット21へのガスの供給を停止させる等により、設定時間の間(例えば、7~9時間)、燃料電池発電ユニット21の運転を強制的に停止させている。運転状態制御部31は、燃料電池発電ユニット21の運転停止から設定期間(例えば、7~9時間)が経過すると、燃料電池発電ユニット21の運転を自動的に再開させている。
【0030】
台風の到来等により電力系統に停電が発生する場合がある。この場合に、電力系統に停電が発生するタイミングと燃料電池発電ユニット21を運転停止させる予定停止日とが重複すると、電力系統に停電が発生したときに、燃料電池発電ユニット21を非常用電源として利用できなくなる。
【0031】
そこで、この発電システム1には、電力系統に停電が発生するタイミングよりも以前に予定停止日を前倒して変更する機能が備えられている。この機能は、熱電併給装置2の外部からの遠隔操作にて行われており、熱電併給装置2に対して管理装置となるサーバ装置4が備えられ、サーバ装置4が、熱電併給装置2との間で各種の情報を通信する形態で、熱電併給装置2を管理している。以下、この予定停止日を前倒して変更する機能について説明する。
【0032】
熱電併給装置2には、第1通信部23と第2通信部24とが備えられており、第1通信部23及び第2通信部24の何れかを用いて、サーバ装置4との間で各種の情報を通信自在としている。それに対して、サーバ装置4には、熱電併給装置2との間で各種の情報を通信するための通信制御部41が備えられている。これにより、熱電併給装置2側の第1通信部23及び第2通信部24の何れかとサーバ装置4側の通信制御部41との間で情報の送受信を行うことで、熱電併給装置2とサーバ装置4との間で各種の情報を通信自在に構成されている。
【0033】
第1通信部23は、通信方式を第1通信方式として、通信制御部41との間で情報の送受信を行うものであり、例えば、無線ルーター等を介してWi-Fiや無線LAN回線を用いた通信方式としている。第2通信部24は、通信方式を第1通信方式よりも信頼性の高い第2通信方式として、通信制御部41との間で情報の送受信を行うものであり、例えば、LTE回線(Long Term Evolution)を用いた通信方式としている。
【0034】
熱電併給装置2とサーバ装置4との間で情報の通信を行うに当たり、熱電併給装置2には、第1通信部23及び第2通信部24に加えて、第1通信部23及び第2通信部24の何れかに切り替えて通信方式を切替自在な通信方式切替部33と、通信する情報量及び通信回数を調整する通信状態調整部34とが備えられている。
【0035】
サーバ装置4には、燃料電池発電ユニット21の予定停止日を管理する予定停止日管理部42と、台風の到来により電力系統に停電が発生する可能性がある停電予測期間を設定する停電予測期間設定処理を行う停電予測部43と、予定停止日を変更する予定停止日変更処理を行う予定停止日変更部44とが備えられている。
【0036】
予定停止日管理部42は、通信制御部41と第1通信部23及び第2通信部24の何れかとの間での予定停止日に関する予定停止日情報の通信により、予定停止日設定部32にて設定された予定停止日を取得しており、カレンダー機能等を利用して、その予定停止日がいつであるかを管理している。予定停止日設定部32にて予定停止日が更新設定されると、予定停止日管理部42は、更新した予定停止日に関する予定停止日情報を受信することで、その更新設定後の予定停止日を管理している。
【0037】
停電予測期間設定処理では、停電予測部43が、通信制御部41を介して気象関連サーバ51から各種の気象情報を取得し、その気象情報に基づいて、電力系統に停電が発生する可能性がある停電予測期間を設定している。例えば、停電予測部43は、気象情報に含まれる予測気圧が設定下限圧よりも低くなる前後数日間を台風が到来する期間であるとして、その期間を停電予測期間に設定することができる。また、停電予測部43は、気象情報に含まれる台風の予測通過経路や予測通過日時に該当する日の前後数日間を台風が到来する期間であるとして、その期間を停電予測期間に設定することができる。
【0038】
予定停止日変更処理では、予定停止日変更部44が、予定停止日管理部42にて管理している予定停止日と停電予測部43にて設定した停電予測期間とが重複するか否かを判定している。予定停止日と停電予測期間とが重複する場合には、予定停止日変更部44が、
予定停止日を変更する必要があるとして、停電予測期間よりも前倒しする状態で予定停止日を変更している。例えば、予定停止日変更部44は、停電予測期間の5日前を変更後の予定停止日として変更設定している。
【0039】
予定停止日変更部44が予定停止日変更処理の実行により予定停止日を変更すると、その変更後の予定停止日に運転停止させるための変更後予定停止日情報を、通信制御部41と第1通信部23及び第2通信部24の何れかとの間での情報の送受信により、サーバ装置4側から熱電併給装置2側に通信している。これにより、熱電併給装置2では、運転状態制御部31が、変更後予定停止日情報を取得しており、その変更後予定停止日情報に基づいて、変更後の予定停止日に燃料電池発電ユニット21の運転を停止させる変更後運転停止処理を行う。この変更後運転停止処理は、運転停止処理と同様に、変更後の予定停止日になると、運転状態制御部31が、燃料電池発電ユニット21が運転中であっても、燃料電池発電ユニット21へのガスの供給を停止させる等により、燃料電池発電ユニット21の運転を強制的に停止させている。
【0040】
このとき、燃料電池発電ユニット21の運転の再開の仕方については、運転停止処理の場合とは異なっている。燃料電池発電ユニット21を強制的に運転停止させたタイミング等の各種の情報を、通信制御部41と第1通信部23及び第2通信部24の何れかとの間での情報の送受信により、熱電併給装置2側からサーバ装置4側に通信しており、サーバ装置4が、燃料電池発電ユニット21を強制的に運転停止させてからの経過時間をカウントしている。サーバ装置4は、その燃料電池発電ユニット21を強制的に運転停止させてからの経過時間が設定期間(例えば、24時間)に達すると、運転再開させるための運転再開情報を、通信制御部41と第1通信部23及び第2通信部24の何れかとの間での情報の送受信により、サーバ装置4側から熱電併給装置2側に通信している。これにより、熱電併給装置2では、運転状態制御部31が、運転再開情報を取得しており、その運転再開情報の取得に応じて、燃料電池発電ユニット21の運転を再開させている。
【0041】
このように、熱電併給装置2とサーバ装置4とは、予定停止日情報、変更後予定停止日情報、運転再開情報等、予定停止日変更処理及び変更後運転停止処理に関わる情報を通信する形態で、予定停止日変更処理及び変更後運転停止処理を行っている。予定停止日変更処理や変更後運転停止処理を適切に行うために、予定停止日変更処理及び変更後運転停止処理に関わる情報を通信する期間を変更用通信期間と設定しており、その変更用通信期間では、第1通信部23よりも信頼性の高い第2通信部24を用いて、熱電併給装置2とサーバ装置4との間での通信を行っている。
【0042】
変更用通信期間である場合には、熱電併給装置2の通信方式切替部33が、熱電併給装置2とサーバ装置4との間での情報の通信を第2通信部24にて行うように、通信方式を第2通信方式に切り替えている。逆に、変更用通信期間ではない場合には、熱電併給装置2とサーバ装置4との間での情報の通信を第1通信部23にて行うように、通信方式を第1通信方式に切り替えている。
【0043】
上述の如く、予定停止日変更処理及び変更後運転停止処理に関わる情報を通信する期間を変更用通信期間と設定しているが、台風の到来が予想できる台風到来予想期間(例えば、6~11月)を変更用通信期間に設定することができる。このように変更用通信期間を設定することで、台風の到来により予定停止日の変更を迫られる状況下となっても、予定停止日変更処理及び変更後運転停止処理に関わる情報を信頼性の高い第2通信部24にて通信することができ、予定停止日変更処理及び変更後運転停止処理を適切に行うことができる。
【0044】
また、予定停止日変更処理の実行日から変更後の予定停止日までの期間を変更用通信期間に設定することもできる。予定停止日変更処理の実行日から変更後の予定停止日までの期間には、例えば、変更後予定停止日情報等の変更後運転停止処理を行うための情報を通信しているので、それらの情報を信頼性の高い第2通信部24にて通信することができ、変更後運転停止処理を適切に行うことができる。
【0045】
熱電併給装置2とサーバ装置4との間では、予定停止日変更処理及び変更後運転停止処理に関わる情報以外に、燃料電池発電ユニット21の発電電力等の状態に関する情報、操作履歴情報、通信履歴情報、熱電併給装置2における各種のソフト書き換え情報やパラメータ書き換え情報、ロギング情報等の各種の情報も、設定タイミングごとに(例えば、1日に1回や5分に1回等、各情報に対して設定された設定タイミング)通信している。
【0046】
熱電併給装置2の通信状態調整部34は、通信する情報量及び通信回数を調整するものであるが、熱電併給装置2とサーバ装置4との間での情報の通信を第2通信部24にて行う場合には、第1通信部23にて行う場合に比べて、情報量又は通信回数を少なくしている。
【0047】
第2通信部24にて通信を行う場合に第1通信部23にて通信を行う場合に比べて情報量又は通信回数を少なくするに当たり、通信状態調整部34は、台風到来予想期間(例えば、6~11月)よりも予定停止日変更処理の実行日から変更後の予定停止日までの期間の方が、情報量又は通信回数を少なくしている。これにより、予定停止日変更処理の実行日から変更後の予定停止日までの期間では、情報量又は通信回数を最小限に抑えることができ、コストアップを招くのを効果的に防止している。
【0048】
第1通信部23にて通信を行う場合に対して、台風到来予測期間の変更用通信期間であるとして、第2通信部24にて通信を行う場合には、例えば、通信状態調整部34が、ロギング情報の通信を中止することで、情報量又は通信回数を少なくしている。また、第1通信部23にて通信を行う場合に対して、予定停止日変更処理の実行日から変更後の予定停止日までの期間の変更用通信期間であるとして、第2通信部24にて通信を行う場合には、例えば、通信状態調整部34が、ロギング情報に加えて、熱電併給装置2における各種のソフト書き換え情報やパラメータ書き換え情報の通信を中止することで、情報量又は通信回数を最小限としている。このように、情報量が大きいものについては、その通信を中止することで、情報量又は通信回数の削減を効果的に行っている。
【0049】
以下、図2のフローチャートに基づいて、この発電システム1において燃料電池発電ユニット21を予定停止日に運転停止させるための動作について説明する。
【0050】
まず、熱電併給装置2では、予定停止日設定部32が予定停止日設定処理を行い、燃料電池発電ユニット21を運転停止させる予定停止日を設定している(ステップ#1)。サーバ装置4では、停電予測部43が停電予測期間設定処理を行い、気象情報に基づいて、電力系統に停電が発生する可能性がある停電予測期間を設定している(ステップ#2)。
【0051】
サーバ装置4では、予定停止日変更部44が、予定停止日と停電予測期間とが重複するか否かを判定している(ステップ#3)。予定停止日と停電予測期間とが重複していない場合には、予定停止日になると、熱電併給装置2において、運転状態制御部31が運転停止処理を行い、燃料電池発電ユニット21を運転停止させている(ステップ#3のNoの場合、ステップ#4のYesの場合、ステップ#5)。
【0052】
予定停止日と停電予測期間とが重複している場合には、サーバ装置4において、予定停止日変更部44が予定停止日変更処理を行い、停電予測期間よりも前倒しする状態で予定停止日を変更している(ステップ#3のYESの場合、ステップ#6)。変更後の予定停止日になると、熱電併給装置2において、運転状態制御部31が変更後運転停止処理を行い、燃料電池発電ユニット21を運転停止させている(ステップ#7のYesの場合、ステップ#8)。
【0053】
次に、図3のフローチャートに基づいて、第1通信部23と第2通信部24とを切り替える動作について説明する。
【0054】
熱電併給装置2において、通信方式切替部33が、変更用通信期間であるか否かを判定している(ステップ#11)。変更用通信期間ではない熱電併給装置2とサーバ装置4との間での情報の通信を第1通信部23にて行うように、通信方式を第1通信方式に切り替えている(ステップ#11のNoの場合、ステップ#12)。逆に、変更用通信期間である場合には、通信方式切替部33が、熱電併給装置2とサーバ装置4との間での情報の通信を第2通信部24にて行うように、通信方式を第2通信方式に切り替えている(ステップ#11のYesの場合、ステップ#13)。
【0055】
〔別実施形態〕
本発明の他の実施形態について説明する。尚、以下に説明する各実施形態の構成は、それぞれ単独で適用することに限らず、他の実施形態の構成と組み合わせて適用することも可能である。
【0056】
(1)上記実施形態では、停電予測部43が、台風の到来により電力系統に停電が発生する可能性がある停電予測期間を設定しているが、台風の到来に限らず、例えば、計画停電等、その他の要因により電力系統に停電が発生する可能性がある停電予測期間を設定することもできる。
【0057】
(2)上記実施形態では、予定停止日変更部44が、停電予測期間の5日前を変更後の予定停止日として変更設定しているが、停電予測期間よりも何日前に前倒すのかは適宜変更が可能であり、各種の条件に応じて、変更後の予定停止日を変更設定することができる。
【0058】
また、変更後の予定停止日は、停電予測期間の何日前等、一定の日付けに変更設定するだけでなく、例えば、台風の進行速度が早ければ、停電予測期間よりも前倒しする日数を増加させる等、予定停止日変更処理を行うときの各種の条件に応じて、停電予測期間に対して異なる日付けを変更後の予定停止日として変更設定することもできる。
【0059】
(3)上記実施形態では、発電装置として、燃料電池発電ユニット21と湯水供給ユニット22とを有する熱電併給装置2を例示したが、例えば、湯水供給ユニットが省略され、燃料電池部のみを有する発電装置とすることもできる。
【符号の説明】
【0060】
2 熱電併給装置(発電装置)
3 制御部
4 サーバ装置(管理装置)
21 燃料電池発電ユニット(燃料電池部)
33 通信方式切替部
34 通信状態調整部
図1
図2
図3