(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023137625
(43)【公開日】2023-09-29
(54)【発明の名称】冷蔵庫
(51)【国際特許分類】
F25D 23/10 20060101AFI20230922BHJP
F25D 19/00 20060101ALI20230922BHJP
F25D 23/00 20060101ALI20230922BHJP
【FI】
F25D23/10
F25D19/00 540Z
F25D19/00 560Z
F25D23/00 305K
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022043897
(22)【出願日】2022-03-18
(71)【出願人】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003395
【氏名又は名称】弁理士法人蔦田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】二十歩 伸孝
(57)【要約】
【課題】設置場所の自由度が高く利便性に富んだ冷蔵庫を提供する。
【課題を解決するための手段】
本実施形態の冷蔵庫1は 前面に開口する貯蔵室2が形成された冷蔵庫本体3と、冷蔵庫本体3の前側に設けられた扉4と、冷蔵庫本体3に設けられた機械室10と、機械室10に設けられた圧縮機20と、圧縮機20から吐出された冷媒が流れ貯蔵室2を冷却する冷却器22とを備え、収納棚Sに収納することができるものである。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面に開口する貯蔵室が形成された冷蔵庫本体と、前記冷蔵庫本体の前側に設けられた扉と、前記冷蔵庫本体に設けられた機械室と、前記機械室に設けられた圧縮機と、前記圧縮機から吐出された冷媒が流れ前記貯蔵室を冷却する冷却器とを備え、収納棚に収納することができる冷蔵庫。
【請求項2】
前記扉の閉扉状態における前記冷蔵庫の前後寸法が幅寸法及び上下寸法より小さい請求項1に記載の冷蔵庫。
【請求項3】
外部から電源が供給される電源線を前記冷蔵庫本体の底面前部に固定する保持具を備える請求項1又は2に記載の冷蔵庫。
【請求項4】
前記圧縮機から吐出された冷媒を放熱させる凝縮器と、回転軸に沿って送風する送風機とを備え、
前記圧縮機と前記凝縮器と前記送風機とが前記送風機の前記回転軸に沿って前記機械室に収納されている請求項1~3いずれか1項に記載の冷蔵庫。
【請求項5】
前記機械室は、前記冷蔵庫本体の幅方向一方側の後側角部に設けられ、
前記圧縮機が前記機械室の底部に設けられ、前記凝縮器及び前記送風機が前記圧縮機の上方に上下方向に並べて設けられている請求項4に記載の冷蔵庫。
【請求項6】
前記扉を回動可能に支持する扉支持部を前記冷蔵庫本体の幅方向一方側に備え、
前記圧縮機が前記扉支持部よりも前記冷蔵庫本体の幅方向外側に設けられている請求項5に記載の冷蔵庫。
【請求項7】
前記扉を回動可能に支持する扉支持部を前記冷蔵庫本体の幅方向一方側に備え、
前記貯蔵室は後部よりも前部が幅方向一方側に広がっている請求項5又は6に記載の冷蔵庫。
【請求項8】
前記機械室の前方位置に幅方向視において前記扉と重なるように設けられた前板部を備える請求項6に記載の冷蔵庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、冷蔵庫に関する。
【背景技術】
【0002】
冷蔵庫は、調理時の利便性を考慮して、通常、キッチンに設置されている。しかし、リビングや書斎などの居室で冷たい飲み物等が欲しくなるとキッチンまで取りに行かなければならない。そこで、居室にも冷蔵庫を設置する要望があるが、居室に設置場所の確保が困難なことがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、設置場所の自由度が高く利便性に富んだ冷蔵庫を提供することを目的とすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態の冷蔵庫は、前面に開口する貯蔵室が形成された冷蔵庫本体と、前記冷蔵庫本体の前側に設けられた扉と、前記冷蔵庫本体に設けられた機械室と、前記機械室に設けられた圧縮機と、前記圧縮機から吐出された冷媒が流れ前記貯蔵室を冷却する冷却器とを備え、収納棚に収納することができる冷蔵庫である。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】本発明の一実施形態の冷蔵庫を収納棚に収納した状態の正面図
【
図6】本発明の一実施形態の冷蔵庫のカバーを外した状態の背面図
【
図8】本発明の変更例1の冷蔵庫のカバーを外した状態の背面図
【
図10】(a)~(d)は本発明の変更例2の冷蔵庫の正面図
【発明を実施するための形態】
【0007】
実施形態について図面に基づき説明する。以下の実施形態は例示であり、発明の範囲はこれに限定されない。以下の実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置換、変更を行うことができる。以下の実施形態やその変形は、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【0008】
以下の説明において、左右方向、前後方向、上下方向とは、冷蔵庫を正面から見たときの方向を示し、左右方向は冷蔵庫の幅方向に相当する。また、右、左、上、下、前、後、奥、背、手前とは、特に規定がない場合には冷蔵庫を正面から見たときの位置や側などを示し、冷蔵庫の扉については閉扉状態において冷蔵庫を正面から見たときの位置や側などを示す。
【0009】
(1)冷蔵庫1の構成
本実施形態に係る冷蔵庫1は、
図1に示すように、カラーボックスと呼ばれる組立家具等の収納棚Sに収納することができる小型の冷蔵庫である。 冷蔵庫1は、内部に貯蔵室2が形成された冷蔵庫本体3と、冷蔵庫本体3の前側に設けられた扉4及び前板部30と、貯蔵室2内を冷却するための冷却機構5と、冷蔵庫1を制御する制御部6とを備える。この冷蔵庫1は、冷蔵庫の前後寸法(扉4の前面から冷蔵庫本体3の背面までの前後方向での最大長さ)が、冷蔵庫1の幅寸法(冷蔵庫本体3の左側壁から右側壁までの幅方向での最大長さ)や、冷蔵庫1の上下寸法(冷蔵庫本体3の上面から底面までの上下方向での最大長さ)より小さい薄型の冷蔵庫である。
【0010】
なお、冷蔵庫1を収納する収納棚Sには、背面や側面に冷蔵庫1に商用電源を供給する電源線24を収納棚の外部へ引き出したり、外部空気を収納棚Sへ取り込んだりする穴部を設けてもよい。
【0011】
(2)冷蔵庫本体3
冷蔵庫本体3は、鋼板製の外箱7と合成樹脂製の内箱8との間隙にウレタンフォームや真空断熱パネルなどの断熱材9を設けることで、前面が開口し内部を貯蔵室2とした断熱性を有した箱状体からなる。
【0012】
冷蔵庫本体3は、
図2に示すように、幅方向一方側(本実施形態では右側)の後側角部に前方へ凹んだ段部11が形成され、段部11の後方に圧縮機20や凝縮器21を収納する機械室10が設けられている。機械室10は、前後方向及び左右方向(幅方向)に比べて上下方向に長い空間であり、当該空間の下面、背面及び幅方向一方側面が、底板12及びカバー13によって閉塞されている。
【0013】
内箱8の内側に形成された貯蔵室2は、機械室10を設けた幅方向一方側の前端部に幅方向一方へ膨らんだ張り出し部2aが設けられている。
【0014】
具体的には、貯蔵室2の幅方向一方側の側壁2bは、曲面部2cを介して背面壁2dに接続された後部側壁2b1と、後部側壁2b1の前側に接続された拡張壁2b2と拡張壁2b2の前側に接続された前部側壁2b3とを備える。後部側壁2b1は、前方に行くほど貯蔵室2が幅方向へ広がるように幅方向の外側へ向けて傾斜している。拡張壁2b2は、後部側壁2b1と同様、前方に行くほど幅方向の外側へ向けて傾斜しているが、後部側壁2b1より前後方向に対する傾斜角度が大きく設定されている。
【0015】
貯蔵室2は、張り出し部2aが設けられているため、後部に比べて前部が幅方向一方側へ広がっている。なお、張り出し部2aは、前方から見て一部が機械室10と重なるように幅方向一方側へ突出させてもよい。また、張り出し部2aは、前方から見て機械室10と重ならないように突出させてもよい。
【0016】
(3)扉4及び前板部30
扉4は、冷蔵庫本体3の上側に設けられた上側扉取付部28及び冷蔵庫本体3の下側に設けられた下側扉取付部29によって回動自在に支持され貯蔵室2の前面開口部を開閉可能に閉塞する。本実施形態では、扉4は幅方向より上下方向に長い正面視において縦長の矩形状をなしている。
【0017】
上側扉取付部28は、
図3に示すように、冷蔵庫本体3の上面に固定された固定部28aと冷蔵庫本体3の前方において下方へ突出する上側扉支持部28bとを備える。下側扉取付部29は、
図4に示すように冷蔵庫本体3の下面に固定された固定部29aと冷蔵庫本体3の前方におい上方へ突出する下側扉支持部29bとを備える。上側扉取付部28の上側扉支持部28b及び下側扉取付部29の下側扉支持部29bは、扉4に設けられた不図示の取付孔に挿入され、扉4を回動可能に支持する。
【0018】
上側扉取付部28及び下側扉取付部29は、
図3に示すように、冷蔵庫本体3の幅方向中央部より幅方向一方側、つまり、冷蔵庫本体3の幅方向において機械室10や貯蔵室2の張り出し部2aを設けた側に寄った位置に設けられていることが好ましい。言い換えれば、扉4が機械室10の対角側から開くように冷蔵庫本体3に扉4が取り付けられている。
【0019】
冷蔵庫本体3の前側には、扉4とともに扉4の幅方向一方側に前板部30が設けられている。前板部30は、機械室10の前方に位置し、前板部30の前面が幅方向視において扉4の前面と一致するように、冷蔵庫本体3に固定されている。
【0020】
なお、前板部30の前面に後方へ凹んだ凹形状の収納部を設けたり、前板部30を冷蔵庫本体3に対して回動可能に取り付け、前板部30の内部に収納部を設けたりしてもよい。また、前板部30の前面に使用者が貯蔵室2の温度設定や冷蔵庫1の電源の入切等の各種設定を行うための操作パネルを設けてもよい。
【0021】
(4)冷却機構5
冷却機構5は、貯蔵室2を冷却するための機構であって、機械室10に設けられた圧縮機20や凝縮器21を含む冷凍サイクルから構成されている。
【0022】
冷却機構5は、高温高圧のガス状の冷媒を吐出する圧縮機20の冷媒出口から順番に、凝縮器21、ドライヤ、キャピラリーチューブ、冷却器22が順に配管接続され、冷却器22の出口側が圧縮機20の冷媒入口に接続されている。なお、機械室10の内部構造を理解しやすくするために、
図2、
図5及び
図6においてドライヤやキャピラリーチューブや冷媒用の配管、及び、電源線や電気信号線等は省略している。
【0023】
凝縮器21は、密に配置されるように蛇行するように折り曲げられた冷媒管にフィンを取り付けたフィンチューブ型の放熱器である。冷却器22は、内箱8の断熱材9側に設けられた冷媒管からなり、例えば、
図2に示すように貯蔵室2の側壁2b及び背面壁2dを形成する内箱8の側面及び背面の断熱材9側に沿って設けられている。なお、冷却器22は、貯蔵室2の天井面や底面を形成する内箱8の上面及び底面の断熱材側に設けられてもよい。
【0024】
このような冷凍サイクルでは、封入された冷媒が、圧縮機20で圧縮されて高温高圧の気体状の冷媒に変化した後、凝縮器21において放熱する。そして、凝縮器21において放熱した冷媒は、ドライヤを通ってからキャピラリーチューブへ供給され気化し易いように減圧される。そして、キャピラリーチューブにおいて減圧され液状となった冷媒は、冷却器22で気化することにより冷却器22を低温化し、内箱8を介して貯蔵室2の空気を冷却する。
【0025】
冷却器22を通過したガス冷媒は、再び圧縮機20に吸い込まれた後、圧縮機20で圧縮され凝縮器21に吐出され、一連のサイクルを繰り返す。
【0026】
なお、本実施形態では、貯蔵室2内の空気を循環させる送風機が設けられておらず、冷却器22によって冷却された冷気の自然対流を利用した直冷方式によって貯蔵室2を冷却するが、冷却器22で冷却された空気を貯蔵室2で循環させる送風機を設けて貯蔵室2を冷却してもよい。
【0027】
また、上記した冷凍サイクルにおいて、凝縮器21とキャピラリーチューブとを接続する冷媒管を外箱7の断熱材9側に設け、冷媒の放熱を行いつつ外箱7を加熱して結露を抑制してもよい。
【0028】
(5)機械室10
機械室10内部には、
図5及び
図6に示すように、防振材を介して底板12に固定された圧縮機20と、圧縮機20の上方に設けられた送風機23と、送風機23の上方に設けられた凝縮器21と、凝縮器21の上方に設けられた制御部6が収納されている。
【0029】
送風機23は、回転軸の軸方向に沿って空気が流れる軸流送風機からなり、吸込口が凝縮器21と対向するように上方を向き、吹出口が圧縮機20と対向するように下方を向くように機械室10に配置されている。
【0030】
冷蔵庫1では、圧縮機20が起動して貯蔵室2を冷却する冷却運転を開始すると送風機23が起動する。冷却運転の実行中は、凝縮器21及びドライヤに高温の冷媒が流れるとともに圧縮機20の動作熱によって機械室10の温度が上昇するが、送風機23の送風作用によって凝縮器21及び圧縮機20が冷却される。
【0031】
制御部6は、外部から電源が供給される電源線24が接続されるとともに、冷蔵庫1に設けられたセンサや圧縮機20に対する電源供給や信号通信に用いられる不図示の導線が接続されている。制御部6は、電源線24を介して外部から電源の供給を受けて圧縮機20の動作を制御することで貯蔵室2を所定温度に冷却する。
【0032】
制御部6に接続された電源線24は、機械室10の背面下部から機械室10の外側に出た後、
図4及び
図5に示すように、冷蔵庫本体3の外底面に沿わせて冷蔵庫1の前方へ引き出されるように配線されてもよい。また、電源線24は、冷蔵庫本体3の底面に設けられた保持具25によって固定され、冷蔵庫本体3の外底面の後側に設けられた左右一対の後足26の間を通って前方へ引き出され、冷蔵庫本体3の外底面の前側に設けられた左右一対の前足27の間を通って冷蔵庫1の前側へ引き出されるように配線されてもよい。
【0033】
なお、機械室10は、その少なくとも一部が扉4を支持する上側扉支持部28b及び下側扉支持部29bより幅方向外側に位置するように、幅方向一方側に偏った位置に設けることが好ましく、
図3に示すように、前方から見て機械室10が上側扉支持部28b及び下側扉支持部29bと重なるように機械室10を冷蔵庫本体3に設けることが好ましい。また、圧縮機20は、上側扉支持部28b及び下側扉支持部29bより幅方向外側に位置するように機械室10に設けられることが好ましい。
【0034】
(6)効果
本実施形態の冷蔵庫1では、収納棚Sに入れて使用する冷蔵庫であるため、設置場所の自由度が高いとともに、圧縮機20を有する冷却機構5によって貯蔵室2を冷却するため、収納棚Sに収納しても圧縮機20の重量によって冷蔵庫1が安定しやすく使い勝手を損なうことがない。
【0035】
しかも、本実施形態では、扉4の閉扉状態において冷蔵庫1の幅寸法及び上下寸法より前後寸法が小さいため、貯蔵室2の容積を確保しつつ、種々の収納棚Sへの設置が可能となる。
【0036】
本実施形態では、冷蔵庫本体3の底面に電源線24を固定する保持具25が設けられているため、電源線24を冷蔵庫本体3の底面を沿わせて前方へ引き出すことができ、収納棚Sに収納しても冷蔵庫1に容易に電源を供給することができる。また、本実施形態では、左右一対の後足26や前足27の間を通って電源線24が前方へ引き出されるように、保持具25は電源線24を保持するため、電源線24が冷蔵庫本体3の幅方向外側にはみ出ることがなく、収納棚Sに冷蔵庫1を収納する際に電源線24が邪魔にならない。
【0037】
本実施形態では、圧縮機20と凝縮器21と送風機23とが送風機23の回転軸に沿って機械室10に収納されているため、圧縮機20及び送風機23を効率的に冷却することができる。
【0038】
本実施形態では、前後方向及び左右方向に比べて上下方向に長い縦型の空間として形成された機械室10に、圧縮機20、凝縮器21及び送風機23が上下方向に並んで設けられているため、機械室10をコンパクトにすることができる。また、機械室10が冷蔵庫本体3の幅方向一方側の後側角部に設けられているため、幅方向他方側に大きな貯蔵室2を確保することができる。しかも、圧縮機20が縦型の空間の底部に設けられているため、冷蔵庫1の重心が低くなり安定性が高い。
【0039】
本実施形態では、圧縮機20が上側扉支持部28b及び下側扉支持部29bよりも冷蔵庫本体3の幅方向外側に設けられ、上側扉支持部28b及び下側扉支持部29bが冷蔵庫本体3の幅方向一方側端部から適度に内寄りに設けられているため、収納棚Sに冷蔵庫1を収納した状態であっても扉4を大きく回動させて開扉することができる。
【0040】
本実施形態では、貯蔵室2の前部が後部よりも幅方向一方側に広がっているため、貯蔵物の出し入れしやすさを確保しつつ貯蔵室2の容積を拡張することができる。
【0041】
本実施形態では、扉4の幅方向一方側に前板部30が設けられているため、冷蔵庫1の正面に凹凸が生じにくく意匠性を向上することができる。
【0042】
(7)変更例
上記の実施形態の変更例を説明する。上記の実施形態に対して、以下に説明する複数の変更例のうちいずれか1つを適用しても良いし、以下に説明する変更例のうちいずれか2つ以上を組み合わせて適用しても良い。また、以下の変更例の他にも様々な変更が可能である。なお、上記した実施形態と同一又は対応する構成には同一符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0043】
(変更例1)
上記した実施形態の冷蔵庫1では、冷蔵庫本体3の幅方向一方側の後側角部に上下方向に長い縦型の機械室10を設けたが、
図7及び
図8に示すように、前後方向及び上下方向に比べて左右方向に長い横型の機械室110を冷蔵庫本体103の後側下部に設けてもよい。
【0044】
具体的には、
図7に示すように、冷蔵庫本体103は、後下側角部に前方及び前方へ凹んだ凹部が形成され、凹部の後方に機械室110が設けられている。機械室110の上面110a及び前面110bは、外箱107の底面を構成する外箱底板107aによって区画され、機械室110の下面、左右側面及び背面は、機械室底板112、外箱7の左右の下側後部及び背面カバー113によって閉塞されている。
【0045】
機械室110の内部には、冷蔵庫幅方向の一方側(例えば、背面から見て右側)から他方側へ凝縮器21、送風機23、圧縮機20、及び制御部6が幅方向に順番に並んで設けられている。送風機23は、吸込口が凝縮器21と対向し、吹出口が圧縮機20と対向するように回転軸を幅方向に向けて機械室110に配置されている。
【0046】
冷蔵庫本体103の内側に形成された貯蔵室102には、機械室110に対応して貯蔵室102の底面後部から上方へ突出する段部131が形成されている。
【0047】
段部131は、
図7及び
図9に示すように、貯蔵室102の底壁102aから立ち上がる立壁部131aと立壁部131aの上端から後方に向けて水平に延びる水平部131bとを備える。立壁部131a及び水平部131bの左右両端が貯蔵室102の左右側壁102bに連結され、水平部131bの後端が貯蔵室102の背面壁102cに連結されている。このような段部131によって貯蔵室102は、段部131の前方に形成され前方空間102Aと、段部131の上方に形成された後方空間102Bとに区画されている。
【0048】
前方空間102A及び後方空間102Bの大きさ(容積)は任意の大きさに設定することができる。
【0049】
例えば、前方空間102Aの高さ(貯蔵室102の底壁102aから天井壁102dまでの距離)H1は、後方空間102Bの高さ(水平部131bから天井壁102dまでの距離)H2や機械室110の高さ(機械室底板112から機械室110の上面110aまでの距離)H3より大きく設けられている。後方空間102Bの高さH2は機械室110の高さH3より大きく設けられている。
【0050】
また、後方空間102Bの前後方向の大きさ(水平部131bの前端から貯蔵室102の背面壁102cまでの距離)D2は、前方空間102Aの前後方向の大きさ(貯蔵室102の開口部から立壁部131aまでの距離)D1より大きく設けられている。
【0051】
なお、後方空間102Bの高さH2は機械室110の高さH3より小さくてもよく、後方空間102Bの前後方向の大きさD2は、前方空間102Aの前後方向の大きさより小さくてもよい。
【0052】
水平部131bの後縁部には、水平部131bより下方へ凹んだ幅方向に沿って延びる凹溝状の第1樋132が設けられ、水平部131bの左右両縁部には、水平部131bより下方へ凹んだ前後方向に沿って延びる凹溝状の第2樋133が設けられている。
【0053】
また、貯蔵室102の底壁102aの左右両縁部には、底壁102aより下方へ凹んだ前後方向に沿ってのびる凹溝状の第3樋134が設けられ、底壁102aと段部131の立壁部131aとの間には、底壁102aより下方へ凹んだ幅方向に沿ってのびる凹溝状の第4樋135が設けられている。
【0054】
第1樋132は、幅方向中央部から幅方向両端部へ行くほど低くなるように傾斜し、幅方向両端部において第2樋133の後端に接続されている。第2樋133は後端部から前方へ行くほど低くなるように傾斜し、第2樋133の前端が前方に開口している。
【0055】
また、第3樋134は、前端部から後方へ行くほど低くなるように傾斜し、後端部において第4樋135に接続されている。第4樋135は、幅方向両端部から幅方向中央部へ行くほど低くなるように傾斜し、最も低くなった箇所に排水管136が接続されている。
【0056】
排水管136は第4樋135から下方へ延び断熱材9を貫通して機械室110の前側に設けられた水受け部137の上方に開口している。
【0057】
このような貯蔵室102では、貯蔵室102の左右側壁102bや背面壁102c等の貯蔵室102の内壁面に結露水が発生した場合、当該内壁面を伝って第1樋132、第2樋133,第3樋134、第4樋135に流れ込み、排水管136を通って水受け部137へ排出される。
【0058】
すなわち、第1樋132に流れ込んだ水は、第1樋132の傾斜によって左右いずれか一方へ流れた後、第2樋133に流れ込む。第2樋133に流れ込んだ水は、第2樋133の傾斜によって前方へ流れた後、立壁部131aと貯蔵室102の左右側壁102bとの角部を伝って下方へ流れ第4樋135に流れ込む。第3樋134に流れ込んだ水は、第3樋134の傾斜によって後方へ流れた後、第4樋135に流れ込む。第4樋135に流れ込んだ水は、第4樋135の傾斜によって幅方向中央部へ向かって流れた後、排水管136へ流れ込む。排水管136へ流れ込んだ水は、排水管136を通って貯蔵室102の外部に設けられた水受け部137へ排出される。
【0059】
なお、本変更例では第4樋135に排水管136を接続して貯蔵室102内で発生した水を水受け部137へ排出するように構成したが、排水管136及び水受け部137を設けずに上記のような樋132、133,134,135を設け、貯蔵室102内で発生した水を樋132、133,134,135に貯めておいてもよい。
【0060】
(変更例2)
上記した実施形態や変更例1では、扉4が幅方向より上下方向に長い正面視において縦長の扉4を1つ設ける場合について説明したが、例えば、
図10(a)(b)に示すように、上下方向より幅方向に長い正面視において横長の扉204を冷蔵庫本体3の前面に設けたり、
図10(c)(d)に示すように、左右2枚の扉214を冷蔵庫本体3の前面に設けたりしてもよい。本変更例のように扉を設けることで、テレビボードのような左右方向に細長い収納棚にも収納しやすくなる。
【0061】
(変更例3)
上記した実施形態では、機械室10内に制御部6を機械室10内に圧縮機20や凝縮器21や送風機23とともに上下に並べて設けたが、機械室10の前方に制御部6を設けてもよい。機械室10の前方における断熱材9の内部に制御部6を設けたり、機械室10の前方に設けられた前板部30の内部に制御部6を設けたりしてもよい。
【0062】
(変更例4)
上記した実施形態では、吸込口が凝縮器21と対向し、吹出口が圧縮機20と対向するように圧縮機20と凝縮器21との間に送風機23を配置したが、送風機23の吹出口側に凝縮器21及び圧縮機20を配置したり、吸込口側に凝縮器21及び圧縮機20を配置したりしてもよい。
【0063】
(変更例5)
上記した実施形態では冷蔵庫1を収納棚Sに収納して使用する場合について説明したが、例えば、冷蔵庫本体3の上面に上側扉取付部28を覆い隠すような天板を設けてサイドテーブルやベッドサイドテーブルとして使用するなど収納棚Sに収納することなく使用してもよい。
【符号の説明】
【0064】
1…冷蔵庫、2…貯蔵室、2a…張り出し部、2b…側壁、3…冷蔵庫本体、4…扉、5…冷却機構、6…制御部、7…外箱、8…内箱、9…断熱材、10…機械室、11…段部、12…底板、13…カバー、20…圧縮機、21…凝縮器、22…冷却器、23…送風機、24…電源線、25…保持具、30…前板部