(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023137663
(43)【公開日】2023-09-29
(54)【発明の名称】人感装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06T 7/254 20170101AFI20230922BHJP
G06T 7/20 20170101ALI20230922BHJP
【FI】
G06T7/254 B
G06T7/20 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022043955
(22)【出願日】2022-03-18
(71)【出願人】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100160794
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 寛明
(72)【発明者】
【氏名】山下 治一
【テーマコード(参考)】
5L096
【Fターム(参考)】
5L096BA02
5L096CA04
5L096DA02
5L096GA08
5L096HA03
(57)【要約】
【課題】高価なセンサーを使わずとも従来よりも人感の精度を高めることができる人感装置及びプログラムを提供すること。
【解決手段】実施形態の人感装置は、撮影部及び制御部を備える。撮影部は、画像を撮影する。制御部は、前記撮影部によって撮影された第1の画像と前記撮影部によって前記第1の画像よりもあとに撮影された第2の画像とが予め定められた第1の閾値以上に異なっており、前記第1の画像と前記撮影部によって前記第2の画像よりもあとに撮影された第3の画像とが予め定められた第2の閾値以上に異なっている場合、所定の装置又は前記装置の所定の構成要素をオンの状態にする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を撮影する撮影部と、
前記撮影部によって撮影された第1の画像と前記撮影部によって前記第1の画像よりもあとに撮影された第2の画像とが予め定められた第1の閾値以上に異なっており、前記第1の画像と前記撮影部によって前記第2の画像よりもあとに撮影された第3の画像とが予め定められた第2の閾値以上に異なっている場合、所定の装置又は前記装置の所定の構成要素をオンの状態にする制御部と、を備える人感装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記第3の画像と前記撮影部によって前記第3の画像よりもあとに撮影された第4の画像とが予め定められた第3の閾値以上に異なっており、前記第1の画像と前記撮影部によって前記第3の画像よりもあとに撮影された第5の画像とが予め定められた第4の閾値よりも異なっていない場合、前記所定の装置又は前記所定の構成要素をオフの状態にする、請求項1に記載の人感装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記第3の画像と前記第4の画像とが前記第3の閾値以上に異なっており、前記第3の画像と前記撮影部によって前記第4の画像よりもあとに撮影された前記第5の画像とが予め定められた第5の閾値以上に異なっており、前記第1の画像と前記第5の画像とが前記第4の閾値よりも異なっていない場合、前記所定の装置又は前記所定の構成要素をオフの状態にする、請求項2に記載の人感装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記第1の画像と前記第5の画像とが前記第4の閾値よりも異なっていない場合に前記所定の装置又は前記所定の構成要素をオフの状態にする場合、前記第5の画像を前記第1の画像とする、請求項2又は請求項3に記載の人感装置。
【請求項5】
人を検知する人感センサーをさらに備え、
前記撮影部は、人感センサーによって人が検知された場合に前記第2の画像の撮影を行う、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の人感装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記第1の画像と前記第2の画像とが前記第1の閾値以上に異なっている場合、前記所定の装置又は前記所定の構成要素をオンの状態にし、前記第1の画像と前記第3の画像とが前記第2の閾値以上に異なっている場合、前記所定の装置又は前記所定の構成要素をオンのままにし、前記第1の画像と前記第3の画像とが前記第2の閾値よりも異なっていない場合、前記所定の装置又は前記所定の構成要素をオフにする、請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の人感装置。
【請求項7】
人感装置が備えるプロセッサーを、
画像を撮影する撮影部によって撮影された第1の画像と前記撮影部によって前記第1の画像よりもあとに撮影された第2の画像とが予め定められた第1の閾値以上に異なっており、前記第1の画像と前記撮影部によって前記第2の画像よりもあとに撮影された第3の画像とが予め定められた第2の閾値以上に異なっている場合、所定をオンの状態にする制御部として機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人感装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の装置は、スイッチ又はリモートコントローラーなどを用いて電源などのオンオフを切り替える。このように、従来の装置は、電源などのオンオフの切り替えに人の手による操作が必要となり、手間である。かと言って、手間を軽減するために装置をオンにしたままでは電気代などが多くかかってしまう。
【0003】
センサーなどを用いて電源などのオンオフを切り替える手法も存在する。しかしながら、安価なセンサーを用いると精度が悪くなる。また、精度を高くしようとすると高価なセンサーが必要となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の実施形態が解決しようとする課題は、高価なセンサーを使わずとも従来よりも人感の精度を高めることができる人感装置及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の人感装置は、撮影部及び制御部を備える。撮影部は、画像を撮影する。制御部は、前記撮影部によって撮影された第1の画像と前記撮影部によって前記第1の画像よりもあとに撮影された第2の画像とが予め定められた第1の閾値以上に異なっており、前記第1の画像と前記撮影部によって前記第2の画像よりもあとに撮影された第3の画像とが予め定められた第2の閾値以上に異なっている場合、所定の装置又は前記装置の所定の構成要素をオンの状態にする。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】実施形態に係る表示装置の要部構成の一例を示すブロック図。
【
図2】実施形態に係る表示装置の外見の一例を示す斜視図。
【
図3】
図1中のプロセッサーによる処理の一例を示すフローチャート。
【
図4】
図1中のプロセッサーによる処理の一例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、実施形態に係る表示装置について図面を用いて説明する。なお、以下の実施形態の説明に用いる各図面は、各部の縮尺を適宜変更している場合がある。また、以下の実施形態の説明に用いる各図面は、説明のため、構成を省略して示している場合がある。また、各図面及び本明細書中において、同一の符号は同様の要素を示す。
【0009】
図1は、実施形態に係る表示装置100の要部構成の一例を示すブロック図である。
表示装置100は、外見を窓に似せた窓型の表示装置である。表示装置100は、例えば、部屋の壁などに設置するものである。当該部屋にいる人などは、表示装置100に表示された風景などを窓から見える風景の代わりに見ることができる。表示装置100は、一例として、プロセッサー101、ROM(read-only memory)102、RAM(random-access memory)103、補助記憶装置104、カメラ105、センサー106、表示デバイス107、入力デバイス108、スピーカー109、バス110、窓枠111及び表示面112を含む。
なお、表示装置100は、人感装置の一例である。また、表示装置100は、所定の装置の一例である。
【0010】
プロセッサー101は、表示装置100の動作に必要な演算及び制御などの処理を行うコンピューターの中枢部分であり、各種演算及び処理などを行う。プロセッサー101は、例えば、CPU(central processing unit)、MPU(micro processing unit)、SoC(system on a chip)、DSP(digital signal processor)、GPU(graphics processing unit)、ASIC(application specific integrated circuit)、PLD(programmable logic device)又はFPGA(field-programmable gate array)などである。あるいは、プロセッサー101は、これらのうちの複数を組み合わせたものである。また、プロセッサー101は、これらにハードウェアアクセラレーターなどを組み合わせたものであっても良い。プロセッサー101は、ROM102又は補助記憶装置104などに記憶されたファームウェア、システムソフトウェア及びアプリケーションソフトウェアなどのプログラムに基づいて、表示装置100の各種の機能を実現するべく各部を制御する。また、プロセッサー101は、当該プログラムに基づいて後述する処理を実行する。なお、当該プログラムの一部又は全部は、プロセッサー101の回路内に組み込まれていても良い。
【0011】
ROM102及びRAM103は、プロセッサー101を中枢としたコンピューターの主記憶装置である。
ROM102は、専らデータの読み出しに用いられる不揮発性メモリである。ROM102は、上記のプログラムのうち、例えばファームウェアなどを記憶する。また、ROM102は、プロセッサー101が各種の処理を行う上で使用するデータなども記憶する。
RAM103は、データの読み書きに用いられるメモリである。RAM103は、プロセッサー101が各種の処理を行う上で一時的に使用するデータを記憶するワークエリアなどとして利用される。RAM103は、典型的には揮発性メモリである。
【0012】
補助記憶装置104は、プロセッサー101を中枢としたコンピューターの補助記憶装置である。補助記憶装置104は、例えばEEPROM(electric erasable programmable read-only memory)、HDD(hard disk drive)又はフラッシュメモリなどである。補助記憶装置104は、上記のプログラムのうち、例えば、システムソフトウェア及びアプリケーションソフトウェアなどを記憶する。また、補助記憶装置104は、プロセッサー101が各種の処理を行う上で使用するデータ、プロセッサー101での処理によって生成されたデータ及び各種の設定値などを記憶する。
【0013】
カメラ105は、画像を撮影する。また、カメラ105は、撮影した画像データを出力する。カメラ105は、エリアセンサーカメラであっても良いしラインセンサーカメラであっても良い。なお、動画は、画像の一種である。
なお、カメラ105は、画像を撮影する撮影部の一例である。
【0014】
センサー106は、検知範囲内の人などを検知するセンサーである。センサー106の検知範囲は、例えば、表示装置100の表示面112の法線方向を中心とする範囲である。すなわち、センサー106は、表示装置100の前方にいる人などを検知する。センサー106は、赤外線センサー若しくは光センサーなどの光学センサー、超音波センサー、音感センサー、熱センサー、レーザーセンサー、LIDAR(light detection and ranging)。
センサー106は、人を検知する人感センサーの一例である。
【0015】
表示デバイス107は、表示装置100の操作者に各種情報を通知するための画面を表示する。表示デバイス107は、例えば、液晶ディスプレイ又は有機EL(electro-luminescence)ディスプレイなどのディスプレイである。なお、表示デバイス107は、所定の構成要素の一例である。
【0016】
入力デバイス108は、表示装置100の操作者による操作を受け付ける。入力デバイス108は、例えば、キーボード、キーパッド、タッチパッド、マウス又はコントローラーなどである。また、入力デバイス108は、音声入力用のデバイスであっても良い。また、表示装置100及び入力デバイス108としては、タッチパネルを用いることもできる。この場合、タッチパネルが備える表示パネルは、表示装置100として機能する。そして、タッチパネルが備える、タッチ入力によるポインティングデバイスは、入力デバイス108として機能する。
【0017】
スピーカー109は、入力される音声信号を音波として出力する。
【0018】
バス110は、コントロールバス、アドレスバス及びデータバスなどを含み、表示装置100の各部で授受される信号を伝送する。
【0019】
図2は、表示装置100の外見の一例を示す斜視図である。表示装置100は、窓枠111及び表示面112を備える。
【0020】
窓枠111は、表示装置100の外見を窓に似せるための枠である。窓枠111は、例えば、実際の窓の窓枠と見た目及び素材などが同様の窓枠である。窓枠111は、例えば、表示面112の四方を囲むように配置される。窓枠111は、例えば、表示デバイス107のベゼルである。窓枠111は、例えば、表示装置100の筐体の一部である。
【0021】
表示面112は、表示デバイス107の表示面である。表示面112は、表示装置100の外見を窓に似せるために、樹脂及びガラスなどのいずれかが表面に積層されていても良い。
【0022】
以下、実施形態に係る表示装置100の動作を
図3及び
図4などに基づいて説明する。なお、以下の動作説明における処理の内容は一例であって、同様な結果を得ることが可能な様々な処理を適宜に利用できる。
図3及び
図4は、表示装置100のプロセッサー101による処理の一例を示すフローチャートである。プロセッサー101は、例えば、ROM102又は補助記憶装置104などに記憶されたプログラムに基づいて
図3及び
図4の処理を実行する。
【0023】
表示装置100のプロセッサー101は、例えば、表示装置100の起動に伴い
図3に示す処理を開始する。
【0024】
図3のステップST11において表示装置100のプロセッサー101は、画像Aについての初期設定を行うか否かを判定する。画像Aは、
図3及び
図4のフローチャートにおいて用いられる画像のうちの1つである。プロセッサー101は、例えば、画像Aが補助記憶装置104などに記憶されているならば、初期設定が済んでいないとみなし、初期設定を行うと判定する。あるいは、プロセッサー101は、初期設定が済んでいるか否かを示すフラグなどを参照する。そして、プロセッサー101は、当該フラグなどが初期設定が済んでいないことを示すならば、初期設定を行うと判定する。また、プロセッサー101は、初期設定をやり直すことを指示する操作が入力デバイス108に対して行われた場合にも初期設定を行うと判定する。プロセッサー101は、画像Aについての初期設定を行うと判定するならば、ステップST11においてYesと判定してステップST12へと進む。
【0025】
ステップST12においてプロセッサー101は、画像Aの初期設定を行うための案内を行う。当該案内の内容は、例えば、表示装置100の前に誰も立たないようにすること又はカメラ105に誰も映らないようにすることなどである。プロセッサー101は、例えば、案内の内容を示す画像を表示デバイス107に表示させることで報知する。プロセッサー101は、例えば、案内の内容を示す音声をスピーカー109から出力させることで報知する。また、プロセッサー101は、カメラ105が撮影しているリアルタイムの動画を表示デバイス107に表示させても良い。
【0026】
プロセッサー101は、例えば、ステップST12の処理の後、所定の時間経過後にステップST13の処理を行う。
ステップST13においてプロセッサー101は、カメラ105を用いて画像を撮影する。ここで撮影される画像は、画像Aである。なお、画像Aは、静止画である。また、画像Aは、第1の画像の一例である。
【0027】
ステップST14においてプロセッサー101は、ステップST13で撮影した画像Aを補助記憶装置104などに記憶させる。なお、プロセッサー101は、既に画像Aが補助記憶装置104などに記憶されている場合、例えば、上書きして記憶する。
【0028】
対して、プロセッサー101は、画像Aについての初期設定を行うと判定しないならば、ステップST11においてNoと判定してステップST15へと進む。また、プロセッサー101は、ステップST14の処理の後、ステップST15へと進む。
【0029】
ステップST15においてプロセッサー101は、センサー106が人などを検知するのを待ち受ける。プロセッサー101は、センサー106が人などを検知したならば、ステップST15においてYesと判定してステップST16へと進む。
【0030】
ステップST16においてプロセッサー101は、カメラ105を用いて画像を撮影する。ここで撮影される画像は、画像Bである。なお、画像Bは、静止画である。また、画像Bは、第2の画像の一例である。
【0031】
以上より、プロセッサー101は、カメラ105と協働してステップST15及びステップST16の処理を行うことで、人感センサーによって人が検知された場合に第2の画像の撮影を行う撮影部の一例として機能する。
【0032】
ステップST17においてプロセッサー101は、補助記憶装置104などに記憶された画像Aを取得する。そして、プロセッサー101は、当該画像Aと、ステップST16で撮影した画像Bとを比較する。なお、当該画像Bは、最後に撮影された画像Bである。
【0033】
ステップST18においてプロセッサー101は、ステップST17の比較の結果、画像Aと画像Bとの差が予め定められた閾値TH1以上であるか否かを判定する。すなわち、プロセッサー101は、画像Bの画素のうち、画像Aの画素と異なっている数の割合が閾値TH1以上であるか否かを判定する。なお、画像Bの画素のうち、画像Aの画素と異なっている数の割合を、式で表すと、((画像Bの画素のうち、画像Aの画素と異なっている数)÷(画像Bの画素数))である。プロセッサー101は、画像Aと画像Bとの差が予め定められた閾値TH1未満であるならば、ステップST18においてNoと判定してステップST15へと戻る。対して、プロセッサー101は、画像Aと画像Bとの差が予め定められた閾値TH1以上であるならば、ステップST18においてYesと判定してステップST19へと進む。なお、閾値TH1の値は、例えば、表示装置100の使用者、管理者又は設計者などによって設定される。また、閾値TH1は、予め定められた第1の閾値の一例である。
【0034】
このように、プロセッサー101は、ステップST18においてYesと判定するまでステップST15~ステップST18を繰り返す。
【0035】
ステップST19においてプロセッサー101は、所定の時間t1待機する。プロセッサー101は、時間t1待機することで、通りすがりなど、人が一時的に表示装置100の前にいる場合に表示装置100の電源をオンにすることを防ぐ。したがって、時間t1は、そのような場合を排除するのに適した時間である。時間t1は、一例として10秒である。時間t1は、例えば、表示装置100の使用者、管理者又は設計者などによって設定される。
【0036】
ステップST20においてプロセッサー101は、カメラ105を用いて画像を撮影する。ここで撮影される画像は、画像Cである。なお、画像Cは、静止画である。また、画像Cは、第3の画像の一例である。
【0037】
ステップST21においてプロセッサー101は、補助記憶装置104などに記憶された画像Aを取得する。そして、プロセッサー101は、当該画像Aと、ステップST20で撮影した画像Cとを比較する。なお、当該画像Cは、最後に撮影された画像Cである。
【0038】
ステップST22においてプロセッサー101は、ステップST21の比較の結果、画像Aと画像Cとの差が予め定められた閾値TH2以上であるか否かを判定する。すなわち、プロセッサー101は、画像Aと画像Cとで異なっている画素の割合が閾値TH2以上であるか否かを判定する。プロセッサー101は、画像Aと画像Cとの差が予め定められた閾値TH2未満であるならば、ステップST22においてNoと判定してステップST15へと戻る。対して、プロセッサー101は、画像Aと画像Cとの差が予め定められた閾値TH2以上であるならば、ステップST22においてYesと判定してステップST23へと進む。なお、閾値TH2は、典型的には閾値TH1と同じ値である。また、閾値TH2の値は、例えば、表示装置100の使用者、管理者又は設計者などによって設定される。また、閾値TH2は、予め定められた第2の閾値の一例である。
【0039】
このように、プロセッサー101は、ステップST22においてYesと判定するまでステップST15~ステップST22を繰り返す。
【0040】
ステップST23においてプロセッサー101は、表示装置100の電源をオンにする。すなわち、プロセッサー101は、表示デバイス107に風景などの画像を表示させる。プロセッサー101は、ステップST23の処理の後、
図4のステップST24へと進む。
【0041】
以上より、プロセッサー101は、ステップST17、ステップST18、及びステップST21~ステップST23の処理を行うことで、撮影部によって撮影された第1の画像と撮影部によって第1の画像よりもあとに撮影された第2の画像とが予め定められた第1の閾値以上に異なっており、第1の画像と撮影部によって第2の画像よりもあとに撮影された第3の画像とが予め定められた第2の閾値以上に異なっている場合、所定の装置又は装置の所定の構成要素をオンの状態にする制御部の一例として機能する。
【0042】
図4のステップST24においてプロセッサー101は、
図3のステップST20で撮影した画像Cを補助記憶装置104などに記憶させる。なお、プロセッサー101は、既に画像Cが補助記憶装置104などに記憶されている場合、例えば、上書きして記憶する。
【0043】
図4のステップST25においてプロセッサー101は、カメラ105を用いて画像を撮影する。ここで撮影される画像は、画像Dである。なお、画像Dは、静止画である。また、画像Dは、第4の画像の一例である。
【0044】
ステップST26においてプロセッサー101は、補助記憶装置104などに記憶された画像Cを取得する。そして、プロセッサー101は、当該画像Cと、ステップST25で撮影した画像Dとを比較する。なお、当該画像Dは、最後に撮影された画像Dである。
【0045】
ステップST27においてプロセッサー101は、画像Cと画像Dとの差が予め定められた閾値TH3以上であるか否かを判定する。すなわち、プロセッサー101は、画像Cと画像Dとで異なっている画素の割合が閾値TH3以上であるか否かを判定する。プロセッサー101は、画像Cと画像Dとの差が予め定められた閾値TH3未満であるならば、ステップST27においてNoと判定してステップST25へと戻る。対して、プロセッサー101は、画像Cと画像Dとの差が予め定められた閾値TH3以上であるならば、ステップST27においてYesと判定してステップST28へと進む。なお、閾値TH3の値は、例えば、表示装置100の使用者、管理者又は設計者などによって設定される。また、閾値TH3は、予め定められた第3の閾値の一例である。
【0046】
このように、プロセッサー101は、ステップST27においてYesと判定するまでステップST25~ステップST27を繰り返す。
【0047】
ステップST28においてプロセッサー101は、所定の時間t2待機する。プロセッサー101は、時間t2待機することで、人が一時的に表示装置100の前から離脱したような場合に表示装置100の電源をオフにすることを防ぐ。したがって、時間t2は、そのような場合を排除するのに適した時間である。時間t2は、一例として10分である。時間t2は、例えば、表示装置100の使用者、管理者又は設計者などによって設定される。
【0048】
ステップST29においてプロセッサー101は、カメラ105を用いて画像を撮影する。ここで撮影される画像は、画像Eである。なお、画像Eは、静止画である。また、画像Eは、第5の画像の一例である。
【0049】
ステップST30においてプロセッサー101は、補助記憶装置104などに記憶された画像Cを取得する。そして、プロセッサー101は、当該画像Cと、ステップST29で撮影した画像Eとを比較する。なお、当該画像Eは、最後に撮影された画像Eである。
【0050】
ステップST31においてプロセッサー101は、画像Cと画像Eとの差が予め定められた閾値TH5以上であるか否かを判定する。プロセッサー101は、画像Cと画像Eとの差が予め定められた閾値TH5未満であるならば、ステップST31においてNoと判定してステップST25へと戻る。対して、プロセッサー101は、画像Cと画像Eとの差が予め定められた閾値TH5以上であるならば、ステップST31においてYesと判定してステップST32へと進む。なお、閾値TH5は、典型的には閾値TH3と同じ値である。また、閾値TH2の値は、例えば、表示装置100の使用者、管理者又は設計者などによって設定される。また、閾値TH5は、予め定められた第5の閾値の一例である。
【0051】
このように、プロセッサー101は、ステップST31においてYesと判定するまでステップST25~ステップST31を繰り返す。
【0052】
ステップST32においてプロセッサー101は、補助記憶装置104などに記憶された画像Aを取得する。そして、プロセッサー101は、当該画像Aと、ステップST29で撮影した画像Eとを比較する。なお、当該画像Eは、最後に撮影された画像Eである。
【0053】
ステップST33においてプロセッサー101は、画像Aと画像Eとの差が予め定められた閾値TH4以上であるか否かを判定する。プロセッサー101は、画像Aと画像Eとの差が予め定められた閾値TH4以上であるならば、ステップST33においてYesと判定してステップST25へと戻る。対して、プロセッサー101は、画像Aと画像Eとの差が予め定められた閾値TH4未満であるならば、ステップST33においてNoと判定してステップST34へと進む。なお、閾値TH4の値は、例えば、表示装置100の使用者、管理者又は設計者などによって設定される。また、閾値TH4は、予め定められた第4の閾値の一例である。
【0054】
このように、プロセッサー101は、ステップST33においてNoと判定するまでステップST25~ステップST33を繰り返す。
【0055】
ステップST34においてプロセッサー101は、表示装置100の電源をオフにする。すなわち、プロセッサー101は、表示デバイス107の表示を終了させる。
【0056】
以上より、プロセッサー101は、ステップST26、ステップST27、及びステップST32~ステップST34の処理を行うことで、第3の画像と撮影部によって第3の画像よりもあとに撮影された第4の画像とが予め定められた第3の閾値以上に異なっており、第1の画像と撮影部によって第3の画像よりもあとに撮影された第5の画像とが予め定められた第4の閾値よりも異なっていない場合、所定の装置又は所定の構成要素をオフの状態にする制御部の一例として機能する。
【0057】
また、プロセッサー101は、ステップST26、ステップST27、ステップST30、ステップST31及びステップST32~ステップST34の処理を行うことで、第3の画像と第4の画像とが第3の閾値以上に異なっており、第3の画像と撮影部によって第4の画像よりもあとに撮影された第5の画像とが予め定められた第5の閾値以上に異なっており、第1の画像と第5の画像とが第4の閾値よりも異なっていない場合、所定の装置又は所定の構成要素をオフの状態にする制御部の一例として機能する。
【0058】
ステップST35においてプロセッサー101は、ステップST20で撮影した画像Cを補助記憶装置104などに画像Aとして記憶させる。なお、プロセッサー101は、既に画像Aが補助記憶装置104などに記憶されている場合、例えば、上書きして記憶する。プロセッサー101は、ステップST35の処理の後、
図3のステップST15へと戻る。
【0059】
プロセッサー101は、ステップST35の処理を行うことで、第5の画像を第1の画像とする制御部の一例として機能する。
【0060】
実施形態の表示装置100は、画像Aと画像Bとを比較し、閾値TH1以上に異なっていることを判定する。画像Aは、人が映っていない状態で撮影された画像であり、画像Bは、人が映っているかどうか分からない画像である。したがって、表示装置100は、画像Aと画像Bとが閾値TH1以上に異なっている場合に画像Bに人が映っているとみなすことができる。すなわち、表示装置100は、画像Aと画像Bとが閾値TH1以上に異なっている場合に表示装置100の前に人がいるとみなすことができる。
【0061】
また、実施形態の表示装置100は、画像Aと画像Cとを比較し、閾値TH2以上に異なっていることを判定する。画像Aは、人が映っていない状態で撮影された画像であり、画像Cは、画像Bより後に撮影された画像であり、人が映っているかどうか分からない画像である。したがって、表示装置100は、画像Aと画像Cとが閾値TH1以上に異なっている場合に、画像Cに人が映っているとみなすことができる。さらに、表示装置100は、画像Aと画像Cとが閾値TH1以上に異なっている場合に、画像Bにおいて映っていた人が画像Cにおいてもまだ映っているとみなすことができる。対して、表示装置100は、画像Aと画像Cとが閾値TH1よりも異なっていない場合に、画像Bにおいて映っていた人が画像Cにおいて映らなくなったとみなすことができる。この場合、画像Bに映っていた人は例えば通りすがりなどである。また、実施形態の表示装置100は、画像Aと画像Cとを比較し、閾値TH2以上に異なっている場合に表示デバイス107をオンにする。したがって、実施形態の表示装置100は、人が通りすがっただけの場合などにおいて表示デバイス107をオンにすることを防ぐことができる。また、実施形態の表示装置100は、このように表示デバイス107を自動でオンにするので、スイッチを操作する手間が不要である。特に、表示装置100は、窓の代わりなどとして使用するものであるので、表示させるためにスイッチの操作が必要ないことで、窓であるという感覚が薄れてしまうことを防ぐ。実施形態の表示装置100は、このようなことを防ぐことができる。また、実施形態の表示装置100は、上記のように人を感知した場合に表示デバイス107をオンにするので、常にオンの場合よりも電気代などを低減させることができる。また、実施形態の表示装置100は、上記のように人を感知した場合に表示デバイス107をオンにするので、常にオンの場合よりも表示デバイス107などの損耗を抑えることができる。また、これにより、実施形態の表示装置100は、表示デバイス107などの寿命が長くなる。
【0062】
また、実施形態の表示装置100は、異なっている画素を数えるので、AIなどを用いた画像認識処理などは必要ない。このため、カメラ105は、画像数の低いカメラで合っても良い。また、カメラ105は、ラインセンサーカメラであっても良い。
【0063】
また、実施形態の表示装置100は、画像Cと画像Dとを比較し、閾値TH3以上に異なっていることを判定する。画像Cは、前述のように人が映っていると思われる画像である。画像Dは、画像Cより後に撮影された画像であり、人が映っているかどうか分からない画像である。したがって、表示装置100は、画像Cと画像Dとが閾値TH3以上に異なっている場合に、画像Cに映っていた人がいなくなった、あるいは人が増えたとみなすことができる。さらに、表示装置100は、画像Aと画像Eとを比較し、閾値TH4よりも異なっていないことを判定する。画像Eは、画像Cより後に撮影された画像である。したがって、表示装置100は、画像Aと画像Eとが閾値TH4よりも異なっていない場合に、画像Cに映っていた人がいなくなったとみなすことができる。また、表示装置100は、画像Aと画像Eとが閾値TH4よりも異なっていない場合に、表示デバイス107をオフにする。このように、実施形態の表示装置100は、表示装置100の前から人がいなくなった場合に表示デバイス107を自動的にオフにすることができる。このため、実施形態の表示装置100は、電気代などを低減させることができる。さらに、実施形態の表示装置100は、表示デバイス107を自動的にオフにすることで、表示デバイス107の損耗を抑えることができる。また、これにより、実施形態の表示装置100は、表示デバイス107などの寿命が長くなる。
【0064】
また、実施形態の表示装置100は、画像Cと画像Eとを比較し、閾値TH5以上に異なっていることを判定する。表示装置100は、画像Cと画像Eとが閾値TH5以上に異なっている場合に、画像Cに映っていた人がいなくなったことについて、いなくなった人が一時的にいなくなったわけではないとみなすことができる。したがって、表示装置100は、一時的に表示装置100の前から人がいなくなっただけで表示デバイス107をオフにしてしまうことを防ぐことができる。
【0065】
また、実施形態の表示装置100は、表示デバイス107をオフにする場合に画像Eを画像Aとして記憶する。これにより、実施形態の表示装置100は、画像Aを常に最新の状態に保つことができる。したがって、実施形態の表示装置100は、家具などの配置が多少変化しても誤作動しない。
【0066】
また、実施形態の表示装置100は、センサー106が人などを検知した場合に画像Bを撮影する。これにより、実施形態の表示装置100は、人がいない場合に何度も画像Bを撮影することを防ぐことができる。
【0067】
また、実施形態の表示装置100は、初期設定をやり直すことができる。これにより、表示装置100の設置位置を動かした場合又は家具などの位置が大きく変化した場合でも、実施形態の表示装置100は、正常に動作する。
【0068】
上記の実施形態は、以下のような変形も可能である。
プロセッサー101は、ステップST15の処理を行わなくても良い。この場合、プロセッサー101は、ステップST11においてNoと判定したならば、ステップST16へと進む。また、プロセッサー101は、ステップST14の処理の後、ステップST16へと進む。そして、プロセッサー101は、ステップST18においてYesと判定するまで、ステップST16~ステップST18を繰り返す。また、この場合、表示装置100は、センサー106を備えていなくても良い。
【0069】
プロセッサー101は、ステップST18においてYesと判定したならば、表示装置100の電源をオンにしても良い。その後、プロセッサー101は、ステップST22においてNoと判定したならば、表示装置100の電源をオフにする。対して、プロセッサー101は、ステップST22においてYesと判定したならば、ステップST23において表示装置100の電源をオンのままにする。
【0070】
このようにすることで、実施形態の表示装置100は、人が表示装置100の前に来てすぐに電源をオンにすることができる。また、実施形態の表示装置100は、当該人が通りすがりなどであった場合には電源をオフにするので電気代も抑えることができる。さらに、実施形態の表示装置100は、表示デバイス107の損耗を抑えることができる。また、これにより、実施形態の表示装置100は、表示デバイス107などの寿命が長くなる。
【0071】
また、プロセッサー101は、このようにする場合、第1の画像と第2の画像とが第1の閾値以上に異なっている場合、所定の装置又は所定の構成要素をオンの状態にし、第1の画像と第3の画像とが第2の閾値以上に異なっている場合、所定の装置又は所定の構成要素をオンのままにし、第1の画像と第3の画像とが第2の閾値よりも異なっていない場合、所定の装置又は所定の構成要素をオフにする制御部の一例として機能する。
【0072】
プロセッサー101は、ステップST32及びステップST33において画像Eに代えて画像Dを用いても良い。この場合、画像Dは、第5の画像の一例である。
【0073】
プロセッサー101は、ステップST35において画像Eに代えて画像Dを用いても良い。
【0074】
上記の実施形態では、表示装置100を例に説明した。しかしながら、実施形態の人感装置は、表示装置100に限らずその他の装置であっても良い。
【0075】
上記の実施形態では、表示装置100は、ステップST23及びステップST34において表示デバイス107の電源をオン又はオフの状態にした。しかしながら、実施形態の人感装置は、表示デバイス107以外の装置又は装置の構成要素などの電源をオン又はオフの状態にしても良い。また、実施形態の人感装置は、電源に限らず何らかの装置又は装置の構成要素をオン又はオフの状態にしても良い。
【0076】
プロセッサー101は、上記実施形態においてプログラムによって実現する処理の一部又は全部を、回路のハードウェア構成によって実現するものであっても良い。
【0077】
実施形態の処理を実現するプログラムは、例えば装置に記憶された状態で譲渡される。しかしながら、当該装置は、当該プログラムが記憶されない状態で譲渡されても良い。そして、当該プログラムが別途に譲渡され、当該装置へと書き込まれても良い。このときのプログラムの譲渡は、例えば、リムーバブルな記憶媒体に記録して、あるいはインターネット又はLAN(local area network)などのネットワークを介したダウンロードによって実現できる。
【0078】
以上、本発明の実施形態を説明したが、例として示したものであり、本発明の範囲を限定するものではない。本発明の実施形態は、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実施可能である。
【符号の説明】
【0079】
100 表示装置
101 プロセッサー
102 ROM
103 RAM
104 補助記憶装置
105 カメラ
106 センサー
107 表示デバイス
108 入力デバイス
109 スピーカー
110 バス
111 窓枠
112 表示面