(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023137671
(43)【公開日】2023-09-29
(54)【発明の名称】制気口ボックス及び天井ボードへの制気口ボックスの取付方法
(51)【国際特許分類】
F24F 13/06 20060101AFI20230922BHJP
E04B 9/02 20060101ALI20230922BHJP
E04B 9/06 20060101ALI20230922BHJP
F24F 13/32 20060101ALI20230922BHJP
【FI】
F24F13/06 A
E04B9/02
E04B9/06 C
F24F13/06 B
F24F13/32
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022043971
(22)【出願日】2022-03-18
(71)【出願人】
【識別番号】000001834
【氏名又は名称】三機工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090985
【弁理士】
【氏名又は名称】村田 幸雄
(74)【代理人】
【識別番号】100093388
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 喜三郎
(74)【代理人】
【識別番号】100206302
【弁理士】
【氏名又は名称】落志 雅美
(72)【発明者】
【氏名】征矢 正章
【テーマコード(参考)】
3L080
【Fターム(参考)】
3L080BA03
3L080BB01
(57)【要約】 (修正有)
【課題】建物の天井空間に制気口ボックスを設置する場合に、天井下地の貼付け工事後においては、何時でも制気ロボックスに制気ロ部材を取付けることができる制気ロボックス及び天井ボードへの制気口ボックスの取付方法を提供する。
【解決手段】角筒状中空体からなる制気口ボックス本体の一側面にダクト接続部3が、下面に気体吹出口4が設けられた制気口ボックス1であって、前記制気口ボックス本体内に前記気体吹出口に取付ける制気口部材8を前記気体吹出口から取り出し可能に収納、保管し、前記制気口ボックを天井ボード30の施工前に上階のコンクリートスラブとの間の天井裏空間に取付具7によって取付け、その後天井ボードを貼り付けた後、前記天井ボードに開口された開口部31から前記気体吹出口を介して制気口ボックス本体内に収納、保管されている制気口部材を取り出し、取り出された制気口部材を前記気体吹出口に取付ける。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
角筒状中空体からなる制気口ボックス本体(2)の一側面にダクト接続部(3)、下面に気体吹出口(4)が設けられた制気口ボックス(1)であって、
前記制気口ボックス本体(2)内に、前記気体吹出口(4)に取付ける制気口部材(8)を前記気体吹出口(4)から取り出し可能に保管してなることを特徴とする制気口ボックス。
【請求項2】
前記制気口部材(8)は矩形で、前記気体吹出口(4)から前記制気口ボックス本体(2)より取り出し又は挿入する際に、前記矩形の対角線の長いほうの長さが前記制気口ボックス本体(2)の高さよりも小さいことを特徴とする請求項1に記載の制気口ボックス。
【請求項3】
前記制気口ボックス本体(2)内に、制気口部材(8)を落下防止用のバネ(12)で吊り下げて、前記気体吹出口(4)から取り出し可能に保管したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の制気口ボックス。
【請求項4】
前記請求項1ないし3のいずれか1項に記載の制気口ボックス(1)の天井ボード(30)への取付方法であって、
前記請求項1ないし3のいずれか1項に記載の制気口ボックス(1)を天井ボード(30)の施工前に、上階のコンクリートスラブ(6)との間の天井裏空間に取付具(7)によって上下の高さを調節し取付ける工程(ステップ1)、
前記制気口ボックス(1)が、上階のコンクリートスラブ(6)との間の天井裏空間に取付具(7)によって取付けられた後、天井ボード(30)を貼り付け施工する工程(ステップ2)、
前記天井ボード(30)に、天井伏図に基づいて上記天井裏空間に取り付けられた制気口ボックス(1)の位置に開口部(31)を墨出しする工程(ステップ3)、
前記墨出しされた開口部(31)を開口する工程(ステップ4)、
前記天井ボード(30)に開口された開口部(31)から、前記気体吹出口(4)を介して、制気口ボックス本体(2)内に保管されている制気口部材(8)を取り出す工程(ステップ5)、
前記制気口ボックス本体(2)内から取り出された制気口部材(8)を、前記気体吹出口(4)に取付ける工程(ステップ6)
からなることを特徴とする天井ボードへの制気口ボックスの取付方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、事務所ビル、病院、学校等の建築物における石膏ボードなどボードを下から野縁に貼り付ける形式のボード天井に使用する制気口ボックス、及び前記制気口ボックスを用いた天井ボードへの制気口ボックスの取付方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、居室を有する建築物の天井には、石膏ボードやケイ酸カルシウム板などを居室側の天井面とする天井ボードを下から野縁に貼り付ける構成になっていて下から見上げると下地である野縁がボードに隠れている、従来から用いられるボード天井と、上のスラブからTバーを吊りTバーのフランジに正方形のパネルを載せて、かつどこでも照明や吹出口、防災器具などの設備器具を備えたパネルと交換できるようにした、下から見上げるとTバーフランジが見えるシステム天井と、主に2種類が用いられている。しかし間仕切りの頻繁な変更のない居室では、コスト面や仕上がりの美しさからボード天井がよく用いられる。
建築物の天井の天井面の上方である天井ふところには、空調用ダクトあるいは換気用ダクト(以下まとめて空調用ダクトという。)が配管され、その末端には吹出口又は吸込口(つまり制気口)を室内側に向けた制気口ボックスが配設される。
このような空調用の制気口ボックスは、天井ふところつまり天井裏に吊り下げて設置され、空調機器又は換気用ファンに接続される空調用ダクトを装着するダクト接続部と、制気口ボックスから吹出される空気を室内に吹き出す気体吹出口(あるいは室内から制気口ボックスへ吸い込む空気を通してもよい)とで構成されている。
【0003】
上記のような建築物の施工は、設計図及び施工図に基づいて、建設業者が建物の外観、内装等にかかる静的な構造体や装飾体の建設工事を担当し、居室などの居住者などの利便に関し動作する空調設備や電気設備や防災設備の設置等に関しては、それぞれ空調設備業者や電気設備業者、防災設備業者が担当する。
空調設備や空調設備や電気設備や防災設備の設置作業は、建設業者による建設作業が進み、設置対象物などが都度完成した後に、納まりや作業効率、安全等を考慮して行われる。
例えば、建物の室内における天井工事は、天井の下地施工前に、天井と上の階の床との天井裏空間内に空調用の制気口ボックスを空調設備業者が吊り込み、その後、建設業者が天井下地の野縁受け、野縁を施工し、その後天井ボードを張る。天井下地を設置する前に大きな制気口ボックスを天井ふところに設置しないと、野縁間を通らず納まらないからである。
そして該天井ボードが張られた後に、空調設備業者が天井伏図に基づいて天井ボードに開口部の墨出しをする。
その後、建設業者が天井伏図に従い、天井ボードの墨出しされた位置を開口し開口部を設ける。
そして、天井ボードに開口部が設けられた後、空調設備業者が現場室内に、気体吹出口に接続する制気口となる部材を搬入し、前記天井ボードの開口部の下から制気口のうちのシャッタ部材を差し込み、前記天井裏空間に吊り込まれた制気口ボックスの気体吹出口の上部にはめ込み、その後天井ボードの開口部を化粧塞ぎするようにフェースを取付けている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一般に、上記のような空調用配管の工事には、制気口ボックスの設置工事及び空調用ダクトであり近年接続が容易で多用されるフレキシブルダクトの設置工事と、制気口取付工事とがあるが、これらの設置工事はそれぞれ工事時期が異なる。
即ち、制気口ボックスは、天井下地の工事前に、その予定位置に仮設置され、制気口となる部材は天井下地の工事の完了後に、天井ボードに設けられた開口部から制気口ボックスの装着口に装着される。
このように、制気口ボックスが天井下地の上方に設置された後に、制気口部材が制気口ボックスの吹出口に取り付けられる。
したがって、天井工事とともに、建設工事として壁や床の仕上げ工事が並行して進み、内装が仕上がってから制気口部材を搬入するので、廊下などの搬入ルートも仕上げ工事中だと、当該室内は制気口部材の設置工事が可能であっても、制気口部材を自由には搬入できず、養生を行いつつ業者間で調整し時間を限定して搬入することになる場合がある。
【0006】
従来の制気ロボックスの取付に関しては、上記のように制気口ボックスの取付工事と制気口自体の取付工事との時間差が大きいので、現場の仮置き場を長時間占領できず、天井ボードの工事前に制気ロボックスを搬入する際に、制気ロボックスと制気口部材は同時に搬入できず、先に、制気ロボックスを搬入し、天井下地が施工される前の適当な時期に制気口部材を注文して制気口メーカから納入させることとなる。
なお、本願において、制気口部材とは、吹出口、吸込口など、空気調和設備において調和空気や室内空気等を流通させる開口部分を有して空気調和対象空間に面して設置される製品のうち、矩形のもの(例えば、形状や機能によって、HS型、VHS型と称される矩形のレジスター器具など)の総称である。
【0007】
現場への制気ロボックスと制気口部材の搬入にあたっては、同時であっても分けて搬入する場合であっても、制気口ボックスと制気口部材は別々に梱包する必要があり梱包する手間とコストが掛かっている。
また、梱包コストと輸送コストに問題があるだけでなく、工事現場においても、前述のように工事時期の違いにより、制気口ボックスと、制気口部材は、搬入の際にそれぞれその都度必要階高まで揚重リフトを使用して行う必要があり、作業効率も悪い。
その他、工事時期の隔たりにより、図面に変更が記載漏れがあったりすると、制気口ボックスに適合する制気口部材について、天井工事の仕上げを見て発注を行う際に、多数のサイズ違いの制気口部材が納入され仮置き場に積み上げることになり、発注作業での確認作業に手間がかかると共に、仮置き場から現場への搬入作業でも探し回って手間取るという問題もあった。
【0008】
さらに、制気ロボックスと制気口部材を同時に搬入する場合は、天井下地が設置され制気口部材の取付ができるまで、室内等に制気口部材を保管することが必要となり、建築工事の進捗に応じて設備業者が移動しなければならず現実的ではない。
また、制気口部材の取付工程は、制気口ボックス吊り込み工程とはだいぶ時間が空き、時間差で現場納入するため、図面に変更が記載漏れがあったりすると、制気口ボックスに適合する制気口部材の発注の際に制気口部材のサイズ間違いや、施工時の未設置等トラブルのもととなる。
【0009】
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、建設工事前に制気ロボックス及び制気口部材を搬入する際に、工場又は作業現場の荷捌きする仮置き場にて両者を照合してから制気ロボックス内に制気口部材を格納して作業現場へ搬入できる制気口ボックス、及び、前記制気ロボックスを吊り込み、天井内に設置する天井ボードへの制気口ボックスの取付方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者は上記課題を下記の手段より解決した。
〔1〕角筒状中空体からなる制気口ボックス本体2の一側面にダクト接続部3、下面に気体吹出口4が設けられた制気口ボックス1であって、
前記制気口ボックス本体2内に、前記気体吹出口4に取付ける制気口部材8を前記気体吹出口4から取り出し可能に保管してなることを特徴とする制気口ボックス。
〔2〕前記制気口部材8は矩形で、該矩形の対角線の長いほうの長さが前記気体吹出口4から前記制気口ボックス本体2より取り出し又は挿入する際に、前記制気口ボックス本体2の高さよりも小さいことを特徴とする前記〔1〕に記載の制気口ボックス。
〔3〕前記制気口ボックス本体2内に、制気口部材8を落下防止用のバネ12で吊り下げて、前記気体吹出口4から取り出し可能に保管したことを特徴とする前記〔1〕または〔2〕に記載の制気口ボックス。
【0011】
〔4〕前記〔1〕ないし〔3〕のいずれかに記載の制気口ボックス1の天井ボード30への取付方法であって、
前記〔1〕ないし〔3〕のいずれかに記載の制気口ボックス1を天井ボード30の施工前に、上階のコンクリートスラブ6との間の天井裏空間に取付具7によって上下の高さを調節し取付ける工程(ステップ1)、
前記制気口ボックス1が、上階のコンクリートスラブ6との間の天井裏空間に取付具7によって取付けられた後、天井ボード30を貼り付け施工する工程(ステップ2)、
前記天井ボード30に、天井伏図に基づいて上記天井裏空間に取り付けられた制気口ボックス1の位置に開口部31を墨出しする工程(ステップ3)、
前記墨出しされた開口部31を開口する工程(ステップ4)、
前記天井ボード30に開口された開口部31から、前記気体吹出口4を介して、制気口ボックス本体2内に保管されている制気口部材8を取り出す工程(ステップ5)、
前記制気口ボックス本体2内から取り出された制気口部材8を、前記気体吹出口4に取付ける工程(ステップ6)
からなることを特徴とする天井ボードへの制気口ボックスの取付方法。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、天井ボードの開口後は、何時でも制気ロボックスに制気ロ部材を取付けることができ設置工程に余裕が生じ、設備業者の日程調整がしやすくなり、人工の原価削減を図ることができる。
また、制気口部材の取付前の搬入がなくなり、工程短縮で原価削減となる。
さらに、制気口部材の発注漏れによる工程遅れや、制気口部材のサイズ違いによる原価押上げ等のトラブルを防げる。
そして、制気口部材が制気口ボックス本体内に落下防止用のバネで繋がれているので、落下防止が図られ、安全に搬入、作業ができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の一実施態様に係る制気口ボックスを斜め下から見た斜視図である。
【
図2】本発明の一実施態様に係る制気口ボックスの取付工程を表す斜視図である。
【
図3】本発明の一実施態様に係る制気口ボックスに制気口を取付けた状態を下から見た斜視図である。
【
図4】本発明の一実施態様に係る制気口の平面図である。
【
図5】本発明の一実施態様に係る制気口ボックスを天井ボードに形成された開口部に取り付けられた状態を示す図解的な断面図である。
【
図7】本発明にかかる制気口ボックスの取付方法の流れを説明する図である。
【
図8】本発明にかかる制気口ボックスの取付方法の説明用図面である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、
図1~6に基づいて本発明を実施するための形態を、実施例の図に基づいて説明する。
図1は本発明の一実施態様に係る制気口ボックスを斜め下から見た斜視図、
図2は本発明の一実施態様に係る制気口ボックスの取付工程を表す斜視図、
図3は本発明の一実施態様に係る制気口ボックスに制気口を取付けた状態を下から見た斜視図である。
なお、
図1~3においては、天井ボード及び天井下地が無い状態である(省略している)。
図2、
図3においては空調用ダクトを省略している状態である。
図4は本発明の一実施態様に係る制気口の平面図、
図5は制気口ボックスを天井ボードに形成された開口部に取り付けられた状態を示す図解的な断面図、
図6は
図5中の矢線Xで示す領域の拡大図である。
図1~6において、1は制気口ボックス、2は制気口ボックス本体、3はダクト接続部、4は気体吹出口、5は空調用ダクトを接続する前に取り付ける風量調整板(ダンパー)である。
制気口ボックス本体2は、角筒状中空体からなり、該制気口ボックス本体2の一側面には、空調機器又は換気用ファンに接続される空調用ダクト(図示せず)の端部に接続されるダクト接続部3が、下面にはダクト接続部3に接続された空調用ダクト(図示せず)を通ってボックスに送られてきた気体を吹出させ角筒状の気体吹出口4が設けられている。4aは、前記気体吹出口4に下端部である。気体吹出口4及び制気口ボックス本体2では、この制気口ボックス1の制気口が吸込口の場合は、気体の流れが逆になる。
【0015】
前記ダクト接続部3内には、空調機から制気口ボックス本体2に送られてくる気体(例えば温風又は冷風等)の風量を調節する風量調整板(ダンパー)5が空調用ダクトが接続される前に設けられている。
なお、制気口ボックス本体2は、鋼板製の箱体の内側にグラスウールなどの断熱材を設けたもの、あるいは、表面にアルミ箔を貼付したグラスウールボードにより製作された断熱箱体を有するものなどがある。
制気口ボックス1は、
図1に示すように、天井ボード30(
図8参照)とその上階のコンクリートスラブ6との間の天井裏空間に上下の高さを調節できるように取付具7によって取付けられる。
【0016】
図5において、8は制気口部材、9は開口枠体、10は挿入部、11は整流羽根(ホリゾンタル方向のみ)である。
本実施例で示す制気口部材8は、開口枠体9からなり、該開口枠体9の縁部9aから少し内側(20mm程度)の枠部9b上面から上方に起立した前記制気口ボックス本体2の気体吹出口4の内面に挿入される角筒状の取付部10、該取付部10の開口部に格子上の整流羽根11が設けられた構成であるが、制気口部材8は、この構成に限定されるものではなく、本発明は同様の機能を備えた制気口に用いられる部材に適用できる。
また、制気口部材8は、前記制気口ボックス本体2内に落下防止用のバネ12で繋がれている。
なお、
図1及び5においては、ダクト接続部3内に設けられている風量調整板(ダンパー)5を省略している。
【0017】
図5及び
図6において、30は天井ボード、31は天井ボード31に開口された開口部である。
図5及び
図6に示すように、制気口ボックス1が天井ボード30とその上階のコンクリートスラブ6との間の天井裏空間に、前記制気口ボックス1の気体吹出口4の下端部4aが前記天井ボード30の上面よりわずかに上のレベルの位置となるように、前記制気前記天井ボード30に開口された開口部31の上に位置するように取付具7によって上下の高さが調節され取付られている。
このように前記天井ボード30に開口された開口部31の上に位置している前記制気口ボックス1の気体吹出口4から制気口ボックス本体2内に収納、保管されている制気口部材8を、例えば養生テープや仮止めビスや金物で仮止めされているのを外して取り出し、前記気体吹出口4の下から該気体吹出口に前記制気口部材8に設けられた取付部10を挿入し、整流羽根11の下端の下に予め開口された鉄板ビス用開口から電動ドライバーにて、鉄板ビス20で気体吹出口4に制気口部材8を固定する。
これにより開口部31に、制気口ボックス1の気体吹出口4が連通状態に接続される。
また、制気口部材8の開口枠体9の縁部9aから角筒状の取付部10まで枠部9bで天井ボード30と気体吹出口4との隙間を塞いでいるので、制気口部材8以外からの気体吹出しを防ぐとともに、天井の開口部31の不整のボード端部を枠部9bで隠すことで、天井を見上げた際の意匠を美しくしている。
なお、隙間を塞ぐ合成樹脂製の保護部材(図示せず)を設けても良い。
【0018】
図7は、本発明にかかる制気口ボックスの取付方法の流れを説明する図、
図8は本発明にかかる制気口ボックスの取付方法の説明用図面である。
本発明にかかる制気口ボックス1の天井ボード30への取付方法の一実施例を、
図7及び
図8に基づいて説明する。
【0019】
(ステップ1)
制気口部材8が内部に収納、保管された制気口ボックス1を天井ボード30の施工前に、上階のコンクリートスラブ6との間の天井裏空間に取付具7によって上下の高さを調節し取付ける(
図8(a))。(空調設備工事)
(ステップ2)
前記制気口ボックス1が、上階のコンクリートスラブ6との間の天井裏空間に取付具7によって取付けられた後、天井下地である野縁受けを上階のコンクリートスラブから吊り、その下に野縁を設けて下地を完成し、野縁に対して天井ボード30を貼り付け施工する(
図8(b))。(建築工事)
(ステップ3)
前記天井ボード30に、天井伏図に基づいて上記天井裏空間に取り付けられた制気口ボックス1の位置に開口部31を墨出しする(
図8(c))。(空調設備工事) (ステップ4)
前記墨出しされた開口部31を開口する(
図8(d))。(建築工事)
(ステップ5)、
前記天井ボード30に開口された開口部31から、前記気体吹出口4を介して、制気口ボックス本体2内に保管されている制気口部材8を取り出す(
図8(e))。(以下は空調設備工事)
(ステップ6)、
前記制気口ボックス本体2内から取り出された制気口部材8を、前記気体吹出口4に取付け仕上げる(
図8(f))。
【0020】
本発明にかかる制気口ボックスの天井ボード30への取付は、制気口ボックス本体2内に、制気口部材8が収納、保管された状態で、制気口ボックス1が取り付けられているので、制気口部材8を別途搬入する必要がなく、建設現場の状況にあわせて、作業できるタイミングで施工が可能となる。
また、当該制気口ボックス1に取り付ける制気口部材8が収納、保管されているので、制気口部材8の発注漏れ、搬入のミス等のトラブルが生じることがなく施工作業が可能となる。
また、つり込み工事の際の制気口ボックス本体2内に、予め制気口部材8が落下防止用のバネ12で繋がれているので、施工完了後も地震の際の制気口落下防止が図れており、追加の工事は不要となっている。
【符号の説明】
【0021】
1:制気口ボックス
2:制気口ボックス本体
3:ダクト接続部
4:気体吹出口
5:風量調整板(ダンパー)
6:コンクリートスラブ
7:取付具
8:制気口部材
9:開口枠体
10:挿入部
11:整流羽根
12:落下防止用バネ
30:天井ボード
31:開口部