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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023137672
(43)【公開日】2023-09-29
(54)【発明の名称】固体撮像装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 27/146 20060101AFI20230922BHJP
   H01L 21/8234 20060101ALI20230922BHJP
   H01L 21/336 20060101ALI20230922BHJP
   H04N 25/70 20230101ALI20230922BHJP
【FI】
H01L27/146 A
H01L27/06 102A
H01L27/088 B
H01L27/088 C
H01L29/78 301V
H01L29/78 301X
H04N5/369
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022043972
(22)【出願日】2022-03-18
(71)【出願人】
【識別番号】316005926
【氏名又は名称】ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112955
【弁理士】
【氏名又は名称】丸島 敏一
(72)【発明者】
【氏名】盛一 正成
【テーマコード(参考)】
4M118
5C024
5F048
5F140
【Fターム(参考)】
4M118AA10
4M118AB01
4M118BA14
4M118CA02
4M118CA22
4M118DD04
4M118FA06
4M118FA27
4M118FA28
4M118FA33
4M118FA38
4M118GA02
4M118GC07
4M118GC14
4M118GD03
4M118GD04
5C024CY47
5C024GX02
5C024HX40
5F048AA01
5F048AA04
5F048AB10
5F048AC01
5F048AC10
5F048BA01
5F048BA15
5F048BB05
5F048BB19
5F048BD01
5F048BD06
5F048BE09
5F048BF02
5F048BF07
5F048BF12
5F048BF15
5F048BF16
5F048BF18
5F048BG13
5F048DA25
5F048DA27
5F140AA29
5F140AA30
5F140AA39
5F140AB01
5F140AB06
5F140BA01
5F140BA07
5F140BB05
5F140BF04
5F140BF42
5F140BF43
5F140BG12
5F140BG14
5F140CA06
5F140CB04
(57)【要約】
【課題】固体撮像装置の画素を分離するトレンチに画素トランジスタを配置する。
【解決手段】固体撮像装置は、トレンチと、画素トランジスタとを備える。トレンチは、画素を分離する。画素トランジスタは、トレンチの側面に沿ってトレンチの深さ方向に対して交差する方向にチャネル領域を形成する。画素トランジスタのゲート電極の少なくとも一部はトレンチ内に位置してもよい。画素トランジスタのソース、ドレインおよびフローティングディフュージョンのうちの少なくとも1つはトレンチの側面に位置してもよい。画素トランジスタは、駆動トランジスタ、選択トランジスタ、リセットトランジスタおよび転送トランジスタのうちの少なくとも1つを含んでもよい。
【選択図】 図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画素を分離するトレンチと、
前記トレンチの側面に沿って前記トレンチの深さ方向に対して交差する方向にチャネル領域を形成する画素トランジスタと
を具備する固体撮像装置。
【請求項2】
前記画素トランジスタのゲート電極の少なくとも一部は前記トレンチ内に位置する
請求項1記載の固体撮像装置。
【請求項3】
前記トレンチの深さ方向に対して交差する方向は、カラム方向およびロウ方向のうちの少なくとも1つを含む
請求項1記載の固体撮像装置。
【請求項4】
前記画素トランジスタは、駆動トランジスタ、選択トランジスタ、リセットトランジスタおよび転送トランジスタのうちの少なくとも1つを含む
請求項1記載の固体撮像装置。
【請求項5】
前記画素トランジスタのソース、ドレインおよびフローティングディフュージョンのうちの少なくとも1つは前記トレンチの側面に位置する
請求項1記載の固体撮像装置。
【請求項6】
前記トレンチの深さ方向の一部に埋め込まれた絶縁層をさらに具備し、
前記画素トランジスタのゲート電極の一部は、前記絶縁層上においてゲート絶縁膜を介して前記トレンチの側面上に位置する
請求項1記載の固体撮像装置。
【請求項7】
前記画素トランジスタのゲート電極の一部は、前記画素上に位置する
請求項1記載の固体撮像装置。
【請求項8】
前記画素上において前記画素トランジスタのゲート電極下に位置するスペーサ絶縁層をさらに具備する請求項7記載の固体撮像装置。
【請求項9】
互いに隣接する画素のソース、ドレインおよびフローティングディフュージョンのうちの少なくとも1つは、前記トレンチによって分離されている
請求項1記載の固体撮像装置。
【請求項10】
互いに隣接する画素間で前記トレンチによって分離されているソース、ドレインおよびフローティングディフュージョンのそれぞれに接続されたコンタクトプラグと、
前記トレンチによって分離されているソース、ドレインおよびフローティングディフュージョンのそれぞれに接続されたコンタクトプラグを介し、前記トレンチによって分離されているソース、ドレインおよびフローティングディフュージョンのそれぞれを接続する配線と
をさらに具備する請求項1記載の固体撮像装置。
【請求項11】
互いに隣接する画素間で前記トレンチによって分離されているソース、ドレインおよびフローティングディフュージョンのそれぞれに前記トレンチを跨いで接続されたコンタクトプラグをさらに具備する請求項1記載の固体撮像装置。
【請求項12】
互いに隣接する画素間で前記トレンチによって分離されているソース、ドレインおよびフローティングディフュージョンのそれぞれに前記トレンチを跨いで接続され、前記画素トランジスタのゲート電極と同一の材料で形成された台座層をさらに具備する請求項1記載の固体撮像装置。
【請求項13】
前記ソースおよびドレインのそれぞれに接続された台座層の一部は、前記トレンチ内に位置する
請求項12記載の固体撮像装置。
【請求項14】
前記画素トランジスタのゲート電極および前記台座層の材料は、不純物が導入された多結晶シリコンである
請求項12記載の固体撮像装置。
【請求項15】
前記画素トランジスタとして用いられる転送トランジスタはプレーナ構造を有し、前記転送トランジスタのゲート電極の幅方向の端部は、前記トレンチに埋め込まれた絶縁層上に位置する
請求項1記載の固体撮像装置。
【請求項16】
前記画素トランジスタとして用いられる転送トランジスタのゲート電極の幅方向の端部は、前記トレンチの側面上に位置する
請求項1記載の固体撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、固体撮像装置に関する。詳しくは、本技術は、固体撮像装置の画素トランジスタに関する。
【背景技術】
【0002】
固体撮像装置では、画素を分離するために、素子分離構造が設けられる。例えば、素子分離構造として、FDTI(Front Deep Trench Isolation)とRDTI(Rear Deep Trench Isolation)とを用いた構造が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2017/187957号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の従来技術では、FDTIによってフォトダイオードと隔てられた位置に画素トランジスタが配置される。このため、画素トランジスタの配置領域をFDTIの配置領域と別個に確保する必要があり、その分に応じて感光面の面積の減少を招くおそれがあった。
【0005】
本技術はこのような状況に鑑みて生み出されたものであり、固体撮像装置の画素を分離するトレンチに画素トランジスタを配置することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本技術は、上述の問題点を解消するためになされたものであり、その第1の側面は、画素を分離するトレンチと、上記トレンチの側面に沿って上記トレンチの深さ方向に対して交差する方向にチャネル領域を形成する画素トランジスタとを具備する。これにより、画素トランジスタのゲート電極をトレンチ内に配置しつつ、画素トランジスタがトレンチに沿って配置されるという作用をもたらす。
【0007】
また、第1の側面において、上記画素トランジスタのゲート電極の少なくとも一部は上記トレンチ内に位置する。これにより、画素トランジスタをトレンチに沿って配置しつつ、トレンチの深さ方向にゲート幅が拡大されるという作用をもたらす。
【0008】
また、第1の側面において、上記トレンチの深さ方向に対して交差する方向は、カラム方向およびロウ方向のうちの少なくとも1つを含む。これにより、カラム方向およびロウ方向に画素を分離しつつ、トレンチの側面に画素トランジスタが配置されるという作用をもたらす。
【0009】
また、第1の側面において、上記画素トランジスタは、駆動トランジスタ、選択トランジスタ、リセットトランジスタおよび転送トランジスタのうちの少なくとも1つを含む。これにより、駆動トランジスタ、選択トランジスタ、リセットトランジスタおよび転送トランジスタの画素上での専有面積の増大を抑制しつつ、ゲート幅が拡大されるという作用をもたらす。
【0010】
また、第1の側面において、上記画素トランジスタのソース、ドレインおよびフローティングディフュージョンのうちの少なくとも1つは上記トレンチの側面に位置する。これにより、画素トランジスタの動作がトレンチの側面側で実現されるという作用をもたらす。
【0011】
また、第1の側面において、上記トレンチの深さ方向の一部に埋め込まれた絶縁層をさらに具備し、上記画素トランジスタのゲート電極の一部は、上記絶縁層上においてゲート絶縁膜を介して上記トレンチの側面上に位置する。これにより、画素分離の安定性を向上させつつ、画素トランジスタのチャネル領域がトレンチの側面に形成されるという作用をもたらす。
【0012】
また、第1の側面において、上記画素トランジスタのゲート電極の一部は、上記画素上に位置する。これにより、ゲート電極のコンタクト面積が確保されるという作用をもたらす。
【0013】
また、第1の側面において、上記画素上において上記ゲート電極下に位置するスペーサ絶縁層をさらに具備する。これにより、画素上に位置するゲート電極の角部が画素から遠ざけられるという作用をもたらす。
【0014】
また、第1の側面において、互いに隣接する画素のソース、ドレインおよびフローティングディフュージョンのうちの少なくとも1つは、上記トレンチによって分離されている。これにより、互いに隣接する画素のソース、ドレインおよびフローティングディフュージョンのそれぞれのトレンチ内での接続が不要になるという作用をもたらす。
【0015】
また、第1の側面において、互いに隣接する画素間で上記トレンチによって分離されているソース、ドレインおよびフローティングディフュージョンのそれぞれに接続されたコンタクトプラグと、上記トレンチによって分離されているソース、ドレインおよびフローティングディフュージョンのそれぞれに接続されたコンタクトプラグを介し、上記トレンチによって分離されているソース、ドレインおよびフローティングディフュージョンのそれぞれを接続する配線とをさらに具備する。これにより、トレンチによって分離されているソース、ドレインおよびフローティングディフュージョンのそれぞれが接続されるという作用をもたらす。
【0016】
また、第1の側面において、互いに隣接する画素間で上記トレンチによって分離されているソース、ドレインおよびフローティングディフュージョンのそれぞれに上記トレンチを跨いで接続されたコンタクトプラグをさらに具備する。これにより、トレンチによって分離されているソース、ドレインおよびフローティングディフュージョンのそれぞれが接続されるという作用をもたらす。
【0017】
また、第1の側面において、互いに隣接する画素間で上記トレンチによって分離されているソース、ドレインおよびフローティングディフュージョンのそれぞれに上記トレンチを跨いで接続され、上記画素トランジスタのゲート電極と同一の材料で形成された台座層をさらに具備する。これにより、コンタクトプラグの形成時にコンタクトプラグの先端がトレンチ内に侵入するのが防止されるという作用をもたらす。
【0018】
また、第1の側面において、上記ソースおよびドレインのそれぞれに接続された台座層の一部は、上記トレンチ内に位置する。これにより、トレンチ内に埋め込まれたゲート電極の深さ方向のゲート幅に対応してトレンチ内のソースおよびドレインの深さ方向の幅が拡大されるという作用をもたらす。
【0019】
また、第1の側面において、上記ゲート電極および上記台座層の材料は、不純物が導入された多結晶シリコンである。これにより、フォトリソグラフィー技術およびドライエッチング技術に基づいてゲート電極および台座層を一括形成されるという作用をもたらす。
【0020】
また、第1の側面において、上記画素トランジスタとして用いられる転送トランジスタはプレーナ構造を有し、上記転送トランジスタのゲート電極の幅方向の端部は、上記トレンチに埋め込まれた絶縁層上に位置する。これにより、転送トランジスタのゲート幅の画素間の均一性が向上されるという作用をもたらす。
【0021】
また、第1の側面において、上記画素トランジスタとして用いられる転送トランジスタのゲート電極の幅方向の端部は、上記絶縁層上においてゲート絶縁膜を介して上記トレンチの側面上に位置する。これにより、転送トランジスタのチャネル領域がトレンチの側面側に拡大されるという作用をもたらす。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】第1の実施の形態に係る撮像装置の構成例を示すブロック図である。
図2】第1の実施の形態に係る固体撮像装置の構成例を示すブロック図である。
図3】第1の実施の形態に係る画素の回路構成例を示す図である。
図4】第1の実施の形態に係る画素の構成例を示す断面図である。
図5】第1の実施の形態に係る画素の構成例を拡大して示す断面図である。
図6】第1の実施の形態に係る画素の構成例をさらに拡大して示す断面図である。
図7】第2の実施の形態に係る画素の構成例を示す断面図である。
図8】第3の実施の形態に係る画素の構成例を示す断面図である。
図9】第3の実施の形態に係る画素の構成を拡大して示す断面図である。
図10】第4の実施の形態に係る画素の構成例を示す断面図である。
図11】第5の実施の形態に係る画素の回路構成例を示す図である。
図12】第5の実施の形態に係るセルの構成例を示す平面図である。
図13】第5の実施の形態に係るセルの構成例のA1-B1線の位置で切断した断面図である。
図14】第5の実施の形態に係るセルの構成例のA2-B2線の位置で切断した断面図である。
図15】第5の実施の形態に係るセルの構成例のA3-B3線の位置で切断した断面図である。
図16】第5の実施の形態に係るセルの構成例のA4-B4線の位置で切断した断面図である。
図17】第6の実施の形態に係るセルの構成例を示す平面図である。
図18】第6の実施の形態に係るセルの構成例のA1-B1線の位置で切断した断面図である。
図19】第6の実施の形態に係るセルの構成例のA2-B2線の位置で切断した断面図である。
図20】第6の実施の形態に係るセルの構成例のA3-B3線の位置で切断した断面図である。
図21】第7の実施の形態に係るセルの構成例を示す平面図である。
図22】第7の実施の形態に係るセルの構成例のA1-B1線の位置で切断した断面図である。
図23】第7の実施の形態に係るセルの構成例のA2-B2線の位置で切断した断面図である。
図24】第7の実施の形態に係るセルの構成例のA3-B3線の位置で切断した断面図である。
図25】第8の実施の形態に係るセルの構成例を示す平面図である。
図26】第9の実施の形態に係るセルの構成例を示す平面図である。
図27】第9の実施の形態に係るセルの構成例のA5-B5線の位置で切断した断面図である。
図28】第9の実施の形態に係るセルの構成例のA6-B6線の位置で切断した断面図である。
図29】第10の実施の形態に係るセルの構成例を示す平面図である。
図30】第10の実施の形態に係るセルの構成例のA7-B7線の位置で切断した断面図である。
図31】第11の実施の形態に係るセルの構成例を示す平面図である。
図32】第11の実施の形態に係るセルの構成例のA8-B8線の位置で切断した断面図である。
図33】第12の実施の形態に係る画素の回路構成例を示す図である。
図34】第13の実施の形態に係る画素の回路構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本技術を実施するための形態(以下、実施の形態と称する)について説明する。説明は以下の順序により行う。
1.第1の実施の形態(1画素1セル構造において画素トランジスタをトレンチ内に設けた例)
2.第2の実施の形態(ゲート電極下にスペーサ絶縁層を設けた例)
3.第3の実施の形態(画素トランジスタが設けられる画素分離領域をFDTIとRDTIとで構成した例)
4.第4の実施の形態(画素トランジスタが設けられる画素分離領域をFDTIとRDTIとで構成し、ゲート電極下にスペーサ絶縁層を設けた例)
5.第5の実施の形態(4画素1セル構造において画素トランジスタをトレンチ内に設けた例)
6.第6の実施の形態(画素分離領域にて分離された画素トランジスタの不純物拡散層に共通に接続されるコンタクトプラグを設けた例)
7.第7の実施の形態(画素トランジスタのゲート電極と同一の材料で形成された台座層を画素トランジスタの不純物拡散層上に設けた例)
8.第8の実施の形態(画素トランジスタをダブルアンプ構成とした例)
9.第9の実施の形態(転送トランジスタのゲート電極の幅方向の端部を画素分離領域上に配置した例)
10.第10の実施の形態(転送トランジスタのチャネル領域をトレンチの側面側に拡大した例)
11.第11の実施の形態(フローティングディフュージョン上に台座層を設けた例)
12.第12の実施の形態(画素トランジスタをトレンチ内に設けた構成を2行4列の8画素1セル構造に適用した例)
13.第13の実施の形態(画素トランジスタをトレンチ内に設けた構成を1行8列の8画素1セル構造に適用した例)
【0024】
<1.第1の実施の形態>
図1は、第1の実施の形態に係る撮像装置の構成例を示すブロック図である。
【0025】
図1において、撮像装置100は、光学系110、固体撮像装置120、撮像制御部130、画像処理部140、記憶部150、表示部160および操作部170を備える。撮像制御部130、画像処理部140、記憶部150、表示部160および操作部170は、バス180を介して互いに接続されている。
【0026】
光学系110は、被写体からの光を固体撮像装置120に入射させ、被写体の像を固体撮像装置120の受光面に結像させる。光学系110は、例えば、フォーカスレンズ、ズームレンズおよび絞りなどを備えることができる。
【0027】
固体撮像装置120は、被写体からの光を画素ごとに電気信号に変換し、その電気信号をデジタル化して出力する。固体撮像装置120は、例えば、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサである。
【0028】
撮像制御部130は、操作部170からの指令に基づいて固体撮像装置120による撮像を制御する。このとき、撮像制御部130は、固体撮像装置120の露光条件および撮像タイミングなどを制御することができる。
【0029】
画像処理部140は、固体撮像装置120からの出力に基づいて画像処理を実施する。画像処理は、例えば、ガンマ補正、ホワイトバランス処理、シャープネス処理、階調変換処理である。画像処理部140は、ソフトウェアに基づいて処理を実行するプロセッサを備えていてもよい。
【0030】
記憶部150は、固体撮像装置120で撮像された撮像画像を記憶したり、固体撮像装置120の撮像パラメータなどを記憶したりする。また、記憶部150は、ソフトウェアに基づいて撮像装置120を動作させるプログラムを記憶することができる。記憶部150は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)およびメモリカードを含んでもよい。
【0031】
表示部160は、撮像画像を表示したり、撮像操作をサポートする各種情報を表示したりする。表示部160は、液晶ディスプレイであってもよいし、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイであってもよい。
【0032】
操作部170は、撮像装置100を操作するユーザインターフェースを提供する。操作部170は、例えば、撮像装置100に設けられたボタン、ダイヤルおよびスイッチを含んでもよい。操作部170は、表示部160とともにタッチパネルで構成してもよい。
【0033】
図2は、第1の実施の形態に係る固体撮像装置の構成例を示すブロック図である。
【0034】
図2において、固体撮像装置120は、画素アレイ部210、垂直走査回路220、カラム信号処理部230、水平走査回路240および制御回路250を備える。
【0035】
画素アレイ部210は、複数の画素201を備える。画素201は、ロウ方向(水平方向とも言う)Xおよびカラム方向(垂直方向とも言う)Yに沿ってマトリックス状に配列される。
【0036】
垂直走査回路220は、読み出し対象となる画素201をカラム方向Yに走査する。垂直走査回路220は、垂直レジスタを用いて構成してもよい。
【0037】
カラム信号処理部230は、各画素201からカラム方向Yに伝送された信号を処理する。例えば、カラム信号処理部230は、各画素201からカラム方向Yに伝送された信号に基づいて、相関二重サンプリング(CDS:Correlated Double Sampling)処理を実施することができる。また、カラム信号処理部230は、各画素201からカラム方向Yに伝送された信号に基づいて、AD(Analog to Digital)変換処理を実施することができる。
【0038】
水平走査回路240は、読み出し対象となる画素201をロウ方向Xに走査する。水平走査回路240は、水平レジスタを用いて構成してもよい。
【0039】
制御回路250は、垂直走査回路220、カラム信号処理部230および水平走査回路240を制御する。例えば、制御回路250は、カラム方向Yの走査タイミング、ロウ方向Xの走査タイミングおよびカラム信号処理部230の処理タイミングを制御することができる。
【0040】
図3は、第1の実施の形態に係る画素の回路構成例を示す図である。
【0041】
図3において、画素201は、フォトダイオード211、転送トランジスタ221、リセットトランジスタ261、駆動トランジスタ262、選択トランジスタ263およびフローティングディフュージョン260を備える。
【0042】
駆動トランジスタ262と選択トランジスタ263は、直列に接続されている。フォトダイオード211のカソードは、転送トランジスタ221を介してフローティングディフュージョン260に接続されている。また、フローティングディフュージョン260は、リセットトランジスタ261を介して電源Vddに接続されている。また、電源Vddは、駆動トランジスタ262と選択トランジスタ263の直列回路を介して垂直信号線270に接続されている。駆動トランジスタ262のゲート電極はフローティングディフュージョン260に接続され、選択トランジスタ263のゲート電極はロウ選択線271に接続されている。
【0043】
転送トランジスタ221がオンすると、フォトダイオード211に蓄積された電荷がフローティングディフュージョン260に転送される。そして、選択トランジスタ263がオンすると、フローティングディフュージョン260の電位に応じて駆動トランジスタ262のソース電位が変化する。そして、駆動トランジスタ262のソース電位は、選択トランジスタ263を介して垂直信号線270に印加され、垂直信号線270を介して出力信号Voutとして伝送される。また、リセットトランジスタ261がオンすると、フローティングディフュージョン260に蓄積された電荷が排出される。
【0044】
以下、実施の形態に係る画素のレイアウトおよび断面構造について、1画素1セル構造を例にとって説明する。なお、以下の説明では、裏面照射型CMOSイメージセンサを例にとる。
【0045】
図4は、第1の実施の形態に係る画素の構成例を示す断面図、図5は、第1の実施の形態に係る画素の構成例を拡大して示す断面図、図6は、第1の実施の形態に係る画素の構成例をさらに拡大して示す断面図である。
【0046】
図4乃至図6において、半導体基板301には、画素201ごとにフォトダイオード211が形成されている。また、半導体基板301には、画素201を分離するトレンチ302が形成されている。半導体基板301は、例えば、単結晶シリコン基板を用いることができる。半導体基板301は、GaAsなどのIII-V族基板でもよい。このとき、フォトダイオード211は、トレンチ302にて画素201ごとに分離される。トレンチ302は、半導体基板301を厚さ方向に貫通するように半導体基板301の表面側から裏面側に渡って形成することができる。
【0047】
トレンチ302には絶縁層303が埋め込まれている。トレンチ302に絶縁層303が埋め込まれた画素分離領域は、FFTI(Full-thickness Front deep Trench Isolation)として用いることができる。絶縁層303は、SA-CVD(Sub Atmospheric-Chemical Vapor Deposition)にて形成することができる。絶縁層303は、例えば、シリコン酸化膜を用いることができる。絶縁層303が埋め込まれるトレンチ302の側面にP型不純物を注入し、空乏層またはピニング層をトレンチ302の側面に形成してもよい。
【0048】
また、トレンチ302の深さ方向Zの一部には、ゲート電極304の一部が埋め込まれている。このとき、ゲート電極304がトレンチ302内に埋め込まれる領域では、絶縁層303を除去することができる。ゲート電極304の材料は、例えば、不純物が導入された多結晶シリコンを用いることができる。このとき、トレンチ302内では、ゲート電極304は、絶縁層303上に位置する。ゲート電極304は、画素トランジスタに用いることができる。このとき、ゲート電極304は、トレンチ302の側面に沿ってトレンチ302の深さ方向Zに対して交差する方向にチャネル領域を形成することができる。また、画素トランジスタのゲート電極304の少なくとも一部はトレンチ302内に位置する。また、画素トランジスタのソース、ドレインおよびフローティングディフュージョンのうちの少なくとも1つはトレンチ302の側面に位置することができる。トレンチ302の深さ方向に対して交差する方向は、カラム方向Yおよびロウ方向Xのうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0049】
また、半導体基板301の表面上では、ゲート電極304の残りの一部は、画素201上に位置する。ここで言う画素201上は、裏面照射型イメージセンサの場合は受光面と反対側、表面照射型イメージセンサの場合は受光面側である。
【0050】
画素トランジスタは、図3の転送トランジスタ221、リセットトランジスタ261、駆動トランジスタ262および選択トランジスタ263のうちの少なくとも1つを含む。このとき、図4のゲート電極304は、転送トランジスタ221のゲート電極として用いてもよいし、リセットトランジスタ261のゲート電極として用いてもよい。あるいは、図4のゲート電極304は、駆動トランジスタ262のゲート電極として用いてもよいし、選択トランジスタ263のゲート電極として用いてもよい。
【0051】
例えば、図5および図6に示すように、駆動トランジスタ262のゲート電極362としてゲート電極304を用いることができる。このとき、半導体基板301の表面上では、ゲート電極362の側壁には、サイドウォール372が形成される。また、図6に示すように、トレンチ302内において、ゲート電極362は、ゲート絶縁膜363を介して、トレンチ302の側面上に位置する。このとき、カラム方向Yに電流が流れるように駆動トランジスタ262のチャネル領域がトレンチ302の側面上に形成される。
【0052】
ここで、図5に示すように、転送トランジスタ221のゲート電極321は、半導体基板301の表面上に位置してもよい。このとき、半導体基板301の表面上では、ゲート電極321の側壁には、サイドウォール322が形成される。ゲート絶縁膜363の材料は、例えば、シリコン酸化膜を用いることができる。サイドウォール322、372の材料は、例えば、シリコン酸化膜またはシリコン窒化膜を用いることができる。
【0053】
半導体基板301上には、ゲート電極362が覆われるように絶縁層308が形成されている。絶縁層308は、例えば、シリコン酸化膜を用いることができる。絶縁層308内には、図4に示すように、3層分の配線305乃至307を設けてもよい。配線305乃至307の材料は、例えば、アルミニウムまたは銅などの金属を用いることができる。
【0054】
一方、半導体基板301の裏面側には、画素201ごとにカラーフィルタ309が形成され、カラーフィルタ309上には、画素201ごとにマイクロレンズ310が形成されている。カラーフィルタ309およびマイクロレンズ310の材料は、例えば、アクリルまたはポリカーボネートなどの透明樹脂を用いることができる。
【0055】
このように、上述の第1の実施の形態では、トレンチ302の深さ方向Zに対して交差する方向に電流が流れるようにトレンチ302の側面に画素トランジスタのチャネル領域を形成する。これにより、ゲート電極304をトレンチ302内に配置しつつ、画素トランジスタをトレンチ302に沿って配置することができる。このため、画素の微細化に伴う画素トランジスタの特性の低下を抑制しつつ、画素領域における画素トランジスタの専有面積を低減させることが可能となり、画質の低下を抑制しつつ、画像の高解像度化を図ることができる。
【0056】
また、画素トランジスタのゲート電極304の少なくとも一部をトレンチ302内に埋め込むことにより、画素トランジスタをトレンチ302に沿って配置しつつ、トレンチ302の深さ方向Zにゲート幅を拡大することが可能となる。このため、画素領域における画素トランジスタの専有面積の増大を抑制しつつ、画素トランジスタの駆動力を向上させることが可能となる。
【0057】
<2.第2の実施の形態>
上述の第1の実施の形態ではゲート絶縁膜363を介してゲート電極362をトレンチ302内および画素上に設けた。この第2の実施の形態ではゲート絶縁膜363を介してゲート電極341をトレンチ302内に設けるとともに、画素上では、ゲート絶縁膜363上のスペーサ絶縁層311を介してゲート電極341を設ける。
【0058】
図7は、第2の実施の形態に係る画素の構成例を示す断面図である。
【0059】
図7において、第2の実施の形態における構成では、上述の第1の実施の形態における構成にスペーサ絶縁層311が追加されている。第2の実施の形態における画素のそれ以外の構成は、上述の第1の実施の形態における画素の構成と同様である。スペーサ絶縁層311は、画素201上においてゲート電極341下に位置する。スペーサ絶縁層311の材料は、例えば、シリコン酸化膜またはシリコン窒化膜を用いることができる。
【0060】
このように、上述の第2の実施の形態では、画素201上においてゲート電極341下にスペーサ絶縁層311を設ける。これにより、画素201上に位置するゲート電極341の角部を画素201から遠ざけることができ、ゲート電極341の角部の電界による影響を緩和することができる。
【0061】
<3.第3の実施の形態>
上述の第1の実施の形態では画素トランジスタが設けられる画素分離領域をFFTIにて構成した。この第3の実施の形態では画素トランジスタが設けられる画素分離領域をFDTIとRDTIとで構成する。
【0062】
図8は、第3の実施の形態に係る画素の構成例を示す断面図、図9は、第3の実施の形態に係る画素の構成を拡大して示す断面図である。
【0063】
図8および図9において、第3の実施の形態における構成では、上述の第1の実施の形態における絶縁層303に代えて、絶縁層313、314が設けられている。第3の実施の形態における画素のそれ以外の構成は、上述の第1の実施の形態における画素の構成と同様である。絶縁層313、314は、トレンチ302の深さ方向Zの一部に埋め込まれている。このとき、絶縁層314は、トレンチ302の深さ方向Zにおいて半導体基板301の裏面側に位置する。絶縁層313は、トレンチ302の深さ方向Zにおいてゲート電極341と絶縁層314の間に位置する。トレンチ302に絶縁層313が埋め込まれた画素分離領域は、FDTIとして用いることができる。トレンチ302に絶縁層314が埋め込まれた画素分離領域は、RDTIとして用いることができる。絶縁層313、314は、例えば、シリコン酸化膜を用いることができる。
【0064】
このように、上述の第3の実施の形態によれば、画素分離領域をFDTIとRDTIとで構成することにより、トレンチ302内に絶縁層314を埋め込む前は、半導体基板301の裏面側においてトレンチ302の側面を露出させることができる。このため、トレンチ302内に絶縁層314を埋め込む前に、半導体基板301の裏面側からトレンチ302の側面に不純物を導入することが可能となり、画素分離性を向上させることができる。
【0065】
<4.第4の実施の形態>
上述の第1の実施の形態では画素トランジスタが設けられる画素分離領域をFFTIにて構成し、ゲート絶縁膜363を介してゲート電極362をトレンチ302内および画素上に設けた。この第4の実施の形態では画素トランジスタが設けられる画素分離領域をFDTIとRDTIとで構成し、画素上では、ゲート絶縁膜363上のスペーサ絶縁層311を介してゲート電極341を設ける。
【0066】
図10は、第4の実施の形態に係る画素の構成例を示す断面図である。
【0067】
図10において、第4の実施の形態における構成では、上述の第3の実施の形態における構成に第2の実施の形態におけるスペーサ絶縁層311が追加されている。第4の実施の形態における画素のそれ以外の構成は、上述の第3の実施の形態における画素の構成と同様である。
【0068】
このように、上述の第4の実施の形態では、画素トランジスタが設けられる画素分離領域をFDTIとRDTIとで構成し、画素201上においてゲート電極341下にスペーサ絶縁層311を設ける。これにより、画素201上に位置するゲート電極341の角部を画素201から遠ざけることができ、ゲート電極341の角部の電界による影響を緩和することが可能となるとともに、画素分離性を向上させることができる。
【0069】
以下、実施の形態に係るセルの回路、レイアウトおよび断面構造について、1つのセルに4つの画素がマトリクス状に配置された4画素1セル構造を例にとって説明する。なお、以下の説明では、裏面照射型イメージセンサを例にとる。4画素1セル構造は、ベイヤ配列に用いてもよいし、クワッドベイヤ配列に用いてもよい。
<5.第5の実施の形態>
上述の第1の実施の形態では1画素1セル構造において画素トランジスタをトレンチ内に設けた。この第5の実施の形態では4画素1セル構造において画素トランジスタをトレンチ502内に設ける。
【0070】
図11は、第5の実施の形態に係る画素の回路構成例を示す図である。
【0071】
図11において、セル401は、画素431乃至434を備える。また、セル500は、転送トランジスタ421乃至424、リセットトランジスタ461、駆動トランジスタ462、選択トランジスタ463およびフローティングディフュージョン460を備える。各画素431乃至434は、フォトダイオード411乃至414を備える。
【0072】
駆動トランジスタ462と選択トランジスタ463は、直列に接続されている。各フォトダイオード411乃至414のカソードは、転送トランジスタ421乃至424をそれぞれ介してフローティングディフュージョン460に接続されている。また、フローティングディフュージョン460は、リセットトランジスタ461を介して電源Vddに接続されている。また、電源Vddは、駆動トランジスタ462と選択トランジスタ463の直列回路を介して垂直信号線470に接続されている。駆動トランジスタ462のゲート電極はフローティングディフュージョン460に接続されている。各転送トランジスタ421乃至424のゲート電極は画素選択線471乃至474に接続され、リセットトランジスタ461のゲート電極はリセット線475に接続され、選択トランジスタ463のゲート電極はロウ選択線476に接続されている。
【0073】
各転送トランジスタ421乃至424がオンすると、フォトダイオード411乃至414に蓄積された電荷がフローティングディフュージョン460にそれぞれ転送される。そして、選択トランジスタ463がオンすると、フローティングディフュージョン460の電位に応じて駆動トランジスタ462のソース電位が変化する。そして、駆動トランジスタ462のソース電位は、選択トランジスタ463を介して垂直信号線470に印加され、垂直信号線470を介して出力信号Voutとして伝送される。また、リセットトランジスタ461がオンすると、フローティングディフュージョン460に蓄積された電荷が排出される。
【0074】
4画素1セル構造では、リセットトランジスタ461、駆動トランジスタ462、選択トランジスタ463およびフローティングディフュージョン460を4つの画素431乃至434で共有することができ、図3の構成に比べて画素領域を拡大することができる。
【0075】
図12は、第5の実施の形態に係るセルの構成例を示す平面図である。図13は、第5の実施の形態に係るセルの構成例のA1-B1線の位置で切断した構成例を示す断面図である。図14は、第5の実施の形態に係るセルの構成例のA2-B2線の位置で切断した構成例を示す断面図である。図15は、第5の実施の形態に係るセルの構成例のA3-B3線の位置で切断した構成例を示す断面図である。図16は、第5の実施の形態に係るセルの構成のA4-B4線の位置で切断した構成例を示す断面図である。なお、図12では、図14のコンタクトプラグ592および593は省略した。
【0076】
図12乃至図16において、セル500は、画素431乃至434を備える。半導体基板501には、フォトダイオード411乃至414が画素431乃至434ごとに形成されている。また、半導体基板501には、画素431乃至434を分離するトレンチ502が形成されている。半導体基板501は、例えば、単結晶シリコン基板を用いることができる。このとき、フォトダイオード411乃至414は、トレンチ502にて画素431乃至434ごとに分離される。トレンチ502は、半導体基板501を厚さ方向に貫通するように半導体基板501の表面側から裏面側に渡って形成することができる。
【0077】
トレンチ502には絶縁層503が埋め込まれている。トレンチ502に絶縁層503が埋め込まれた画素分離領域は、FFTIとして用いることができる。絶縁層503は、例えば、シリコン酸化膜を用いることができる。
【0078】
また、半導体基板501には、Pウェル511が形成され、Pウェル511には、例えば、図13に示すように、Pウェル511とのコンタクトに用いられるP不純物拡散層572、573、576、577が形成されている。互いに隣接する画素間において、P不純物拡散層572、573、576および577は、トレンチ502にて分離される。これらP不純物拡散層572、573、576および577は、セル500の四隅に配置することができる。
【0079】
また、セル500の四隅には、画素ごとに分離されたコンタクトプラグ550乃至557が配置される。そして、例えば、図13に示すように、各コンタクトプラグ552,553、556および557は、P不純物拡散層572、573、576および577に接続される。トレンチ502にて分離されたP不純物拡散層は、コンタクトプラグ550乃至557を介して配線にて接続することができる。コンタクトプラグ550乃至557を接続する配線は、例えば、図4の配線305を用いることができる。
【0080】
また、Pウェル511には、例えば、図13および図15に示すように、画素トランジスタのソースまたはドレインとして用いられるN不純物拡散層582、583、586、587および589が形成されている。互いに隣接する画素間において、N不純物拡散層582、583、586、587および589はトレンチ502にて分離される。N不純物拡散層582、583、586、587および589はトレンチ502に沿って配置される。このとき、互いに隣接する画素間において、N不純物拡散層はトレンチ502を間にして対向するように配置することができる。例えば、図13に示すように、N不純物拡散層582、583は、トレンチ502を間にして対向するように配置し、図15に示すように、N不純物拡散層586および587は、トレンチ502を間にして対向するように配置することができる。
【0081】
また、セル500には、コンタクトプラグ540乃至549がトレンチ502に沿って分離して配置される。そして、例えば、図13および図15に示すように、各コンタクトプラグ546、547、549は、N不純物拡散層586、587、589に接続される。トレンチ502を間にして対向するように互いに分離されたN不純物拡散層は、コンタクトプラグ540乃至549を介して配線にてそれぞれ接続することができる。コンタクトプラグ540乃至549を接続する配線は、例えば、図4の配線305を用いることができる。
【0082】
また、Pウェル511には、フローティングディフュージョンとして用いられる不純物拡散層が画素ごとに分離して形成されている。フローティングディフュージョンとして用いられる不純物拡散層は、トレンチ502を間にして対向するように各画素の隅に配置することができる。フローティングディフュージョンとして画素ごとに分離して形成されているN不純物拡散層上には、コンタクトプラグ531乃至534が分離して配置される。コンタクトプラグ531乃至534、540乃至549および550乃至557の材料は、例えば、タングステンを用いることができる。
【0083】
また、セル500には、ゲート電極521乃至524および561乃至564が配置される。ゲート電極521乃至524は、コンタクトプラグ531乃至534の周囲に分離して画素上に配置される。このとき、ゲート電極521乃至524の幅方向の端部は、トレンチ502に埋め込まれた絶縁層503上に配置される。
【0084】
ゲート電極561乃至564は、トレンチ502上に分離して配置される。このとき、各ゲート電極561乃至564の一部は、画素上にはみ出して配置することができる。ゲート電極561乃至563は、図11のリセットトランジスタ461、駆動トランジスタ462および選択トランジスタ463に用いることができる。ゲート電極561は、コンタクトプラグ540および541とコンタクトプラグ542および543の間に配置される。ゲート電極562は、コンタクトプラグ546および547に隣接して配置される。ゲート電極563は、コンタクトプラグ548および549に隣接して配置される。また、ゲート電極562および563は、互いに隣接して配置される。
【0085】
ゲート電極564は、ダミー電極として用いることができる。セル500にタミー電極を設けることにより、素子レイアウトの対称性を向上させることができ、画素間の製造ばらつきを低減することができる。なお、ダミー電極はなくてもよい。ゲート電極521乃至524および561乃至564の材料は、例えば、多結晶シリコンを用いることができる。
【0086】
また、トレンチ502の深さ方向Zの一部には、ゲート電極561乃至564の一部が埋め込まれている。ここで、ゲート電極561乃至564がトレンチ502内に埋め込まれる領域では、絶縁層503を除去することができる。このとき、トレンチ502内では、ゲート電極561乃至564は、絶縁層503上に位置する。ここで、各ゲート電極561乃至564は、トレンチ502の深さ方向Zに対して交差する方向に電流が流れるようにトレンチ502の側面にチャネル領域を形成することができる。また、画素トランジスタのソース、ドレインまたはフローティングディフュージョンとして用いられるN不純物拡散層は、トレンチ502の側面に位置することができる。このとき、トレンチ502内において、ゲート電極561乃至564は、画素トランジスタのソース、ドレインまたはフローティングディフュージョンとして用いられるN不純物拡散層より深い位置に配置することができる。トレンチ502の深さ方向に対して交差する方向は、カラム方向Yおよびロウ方向Xのうちの少なくとも1つを含むことができる。例えば、リセットトランジスタ461はロウ方向Xに沿って配置し、駆動トランジスタ462および選択トランジスタ463はカラム方向Yに沿って配置することができる。
【0087】
また、各ゲート電極521乃至524および561乃至564上には、コンタクトプラグが配置される。例えば、図14および図16に示すように、ゲート電極562上には、コンタクトプラグ592が配置され、ゲート電極563上には、コンタクトプラグ593が配置される。
【0088】
また、半導体基板501の表面上において、各ゲート電極521乃至524および561乃至564の側壁には、サイドウォールが形成される。例えば、図16に示すように、ゲート電極562の側壁には、サイドウォール594が形成される。また、トレンチ502内において、各ゲート電極561乃至564は、ゲート絶縁膜を介して、トレンチ502の側面上に位置する。例えば、図16に示すように、トレンチ502内において、ゲート電極562は、ゲート絶縁膜591を介して、トレンチ502の側面上に位置する。ゲート絶縁膜591の材料は、例えば、シリコン酸化膜を用いることができる。サイドウォール594の材料は、例えば、シリコン酸化膜またはシリコン窒化膜を用いることができる。
【0089】
このように、上述の第5の実施の形態では、トレンチ502の深さ方向Zに対して交差する方向に電流が流れるようにトレンチ502の側面に画素トランジスタのチャネル領域を形成する。これにより、各ゲート電極561乃至564をトレンチ502内に配置しつつ、画素トランジスタをトレンチ502に沿って配置することができる。このため、画素の微細化に伴う画素トランジスタの特性の低下を抑制しつつ、画素領域における画素トランジスタの専有面積を低減させることが可能となり、画質の低下を抑制しつつ、画像の高解像度化を図ることができる。
【0090】
また、各ゲート電極561乃至564の少なくとも一部をトレンチ502内に埋め込むことにより、画素トランジスタをトレンチ502に沿って配置しつつ、トレンチ502の深さ方向Zにゲート幅を拡大することが可能となる。このため、画素領域における画素トランジスタの専有面積の増大を抑制しつつ、画素トランジスタの駆動力を向上させることが可能となる。
【0091】
また、各ゲート電極561乃至564の一部を画素上にはみ出して位置することにより、各ゲート電極561乃至564の一部をトレンチ502内に埋め込みつつ、各ゲート電極561乃至564のコンタクト面積を確保することができる。
【0092】
また、互いに隣接する画素のN不純物拡散層をトレンチ502にて分離することにより、互いに隣接する画素のソース、ドレインおよびフローティングディフュージョンのそれぞれをトレンチ502内で接続する必要がなくなり、工程数を削減することができる。
【0093】
<6.第6の実施の形態>
上述の第5の実施の形態では画素分離領域にて分離された画素トランジスタの不純物拡散層に個々に接続されたコンタクトプラグ531乃至534、540乃至549および550乃至557を設けた。この第6の実施の形態では画素分離領域にて分離された画素トランジスタの不純物拡散層に共通に接続されたコンタクトプラグ630、640乃至643、650および651を設ける。
【0094】
図17は、第6の実施の形態に係るセルの構成例を示す平面図である。図18は、第6の実施の形態に係るセルの構成例のA1-B1線の位置で切断した構成例を示す断面図である。図19は、第6の実施の形態に係るセルの構成例のA2-B2線の位置で切断した構成例を示す断面図である。図20は、第6の実施の形態に係るセルの構成例のA3-B3線の位置で切断した構成例を示す断面図である。なお、図17のA4-B4線の位置で切断したセルの構成は、図12のA4-B4線の位置で切断したセルの構成と同様である。
【0095】
図17乃至図20において、第6の実施の形態における構成では、上述の第5の実施の形態におけるセル500に代えて、セル601が設けられている。セル601では、上述の第5の実施の形態におけるコンタクトプラグ531乃至534、540乃至549および550乃至553に代えて、コンタクトプラグ630、640乃至643、650および651が設けられている。第6の実施の形態におけるセルのそれ以外の構成は、上述の第5の実施の形態におけるセルの構成と同様である。
【0096】
コンタクトプラグ630、640乃至643、650および651は、トレンチ502に沿ってトレンチ502上に配置される。このとき、各コンタクトプラグ630、640乃至643、650および651は、画素上にはみ出して配置される。
【0097】
各コンタクトプラグ650および651は、互いに隣接する4つの画素に共通にセル601の四隅に配置される。そして、各コンタクトプラグ650および651は、トレンチ502を介して分離されたP不純物拡散層にトレンチ502を跨いで接続される。例えば、図18に示すように、コンタクトプラグ650は、P不純物拡散層572および573にトレンチ502を跨いで接続され、コンタクトプラグ651は、P不純物拡散層576および577にトレンチ502を跨いで接続される。
【0098】
また、コンタクトプラグ640乃至643は、トレンチ502に沿って分離して配置される。そして、各コンタクトプラグ640乃至643は、トレンチ502を間にして対向するように配置されたN不純物拡散層にトレンチ502を跨いで接続される。例えば、図20に示すように、コンタクトプラグ642は、N不純物拡散層586および587にトレンチ502を跨いで接続される。
【0099】
また、コンタクトプラグ630は、ゲート電極521乃至524で囲まれた位置に配置される。そして、コンタクトプラグ630は、フローティングディフュージョンとして画素ごとに分離して形成されているN不純物拡散層に接続される。
【0100】
このように、上述の第6の実施の形態では、トレンチ502を間にして対向する不純物拡散層を各コンタクトプラグ630、640乃至643、650および651にてトレンチ502を跨いで接続する。これにより、工程数の増大を抑制しつつ、各コンタクトプラグ630、640乃至643、650および651と配線との接続面積を増やすことができる。
【0101】
<7.第7の実施の形態>
上述の第6の実施の形態では素分離領域にて分離された画素トランジスタの不純物拡散層に共通に接続されたコンタクトプラグ630、640乃至643、650および651を設けた。この第7の実施の形態では画素トランジスタのゲート電極と同一の材料で形成された台座層730、740乃至744、750および751を画素トランジスタの不純物拡散層上に設ける。
【0102】
図21は、第7の実施の形態に係るセルの構成例を示す平面図である。図22は、第7の実施の形態に係るセルの構成例のA1-B1線の位置で切断した構成例を示す断面図である。図23は、第7の実施の形態に係るセルの構成例のA2-B2線の位置で切断した構成例を示す断面図ある。図24は、第7の実施の形態に係るセルの構成例のA3-B3線の位置で切断した構成例を示す断面図である。なお、図21のA4-B4線の位置で切断した構成は、図12のA4-B4線の位置で切断したセルの構成と同様である。
【0103】
図21乃至図24において、第7の実施の形態における構成では、上述の第6の実施の形態におけるセル601に代えて、セル701が設けられている。セル701には、上述の第6の実施の形態におけるコンタクトプラグ630、640乃至643、650および651に代えて、台座層730、740乃至744、750および751が設けられている。また、各台座層730、740乃至744、750および751上には、コンタクトプラグが設けられる。
【0104】
台座層730、740乃至744、750および751は、トレンチ502に沿ってトレンチ502上に配置される。このとき、各台座層730、740乃至744、750および751は、画素上にはみ出して配置される。各台座層730、740乃至744、750および751は、ゲート電極561乃至564と同一の材料で形成することができる。例えば、各台座層730、740乃至744、750および751の材料は、不純物が導入された多結晶シリコンを用いることができる。
【0105】
また、トレンチ502の深さ方向Zの一部には、台座層740乃至744、750および751の一部が埋め込まれている。ここで、台座層740乃至744、750および751がトレンチ502内に埋め込まれる領域では、絶縁層503を除去することができる。このとき、トレンチ502内では、台座層740乃至744、750および751は、絶縁層503上に位置する。トレンチ502内において、各台座層740乃至744、750および751の深さ方向Zの位置は、各ゲート電極561乃至564の深さ方向Zの位置と等しくすることができる。
【0106】
トレンチ502内における台座層740乃至744の深さ方向Zの位置に合わせて、画素トランジスタのソースまたはドレインとして用いられるN不純物拡散層の深さを増大させることができる。例えば、図22および図24に示すように、図18および図20のN不純物拡散層582、583、586、587および589に代えて、N不純物拡散層782、783、786、787および789を設けることができる。N不純物拡散層782、783、786、787および789のトレンチ502内への埋め込みの深さは、N不純物拡散層582、583、586、587および589のトレンチ502内への埋め込みの深さより深くすることができる。図21乃至図24のセルのそれ以外の構成は、図17乃至図20のセルの構成と同様である。
【0107】
各台座層750および751は、互いに隣接する4つの画素に共通にセル701の四隅に配置される。そして、各台座層750および751は、トレンチ502を介して互いに隣接するように分離されたP不純物拡散層にトレンチ502を跨いで接続される。例えば、図22に示すように、台座層750は、P不純物拡散層572および573にトレンチ502を跨いで接続され、台座層751は、P不純物拡散層576および577にトレンチ502を跨いで接続される。
【0108】
また、台座層740乃至744は、トレンチ502に沿って分離して配置される。そして、各台座層740乃至744は、トレンチ502を間にして対向するように配置されたN不純物拡散層にトレンチ502を跨いで接続される。例えば、図24に示すように、台座層742は、N不純物拡散層786および787にトレンチ502を跨いで接続される。また、台座層742の側壁には、サイドウォール593が形成される。
【0109】
また、台座層730は、ゲート電極521乃至524で囲まれた位置に配置される。そして、台座層730は、フローティングディフュージョンとして画素ごとに分離して形成されているN不純物拡散層に接続される。
【0110】
このように、上述の第7の実施の形態では、コンタクトプラグが接続される台座層730、740乃至744、750および751をセル701に設ける。これにより、コンタクトプラグの形成時にコンタクトプラグの先端がトレンチ502内に侵入するのを防止することが可能となるとともに、画素トランジスタのゲート電極561乃至564の形成時に台座層730、740乃至744、750および751を形成することができる。このため、製造工程の増大を抑制しつつ、リーク電流を抑制することができる。
【0111】
また、台座層740乃至744の一部をトレンチ502内に埋め込む。これにより、トレンチ502内に埋め込まれたゲート電極561乃至563の深さ方向Zのゲート幅に対応してトレンチ502内のソースおよびドレインの深さ方向Zの幅を拡大することができる。このため、トレンチ502の側面のチャネル領域を介してソース/ドレイン間に流れる電流の迂回経路を短くすることができ、画素トランジスタのチャネル抵抗を低減することができる。この結果、画素トランジスタの相互コンダクタンスを低減することが可能となるとともに、低ノイズ化を図ることができる。
【0112】
また、ゲート電極560乃至563と同一の材料で台座層730、740乃至744、750および751を形成する。これにより、フォトリソグラフィー技術およびドライエッチング技術に基づいてゲート電極560乃至563および台座層730、740乃至744、750および751を一括形成することが可能となり、工程数の増大を抑制することができる。
【0113】
<8.第8の実施の形態>
上述の第7の実施の形態ではトレンチ502内に設けられる画素トランジスタをシングルルアンプ構成とした。この第8の実施の形態ではトレンチ502内に設けられる画素トランジスタをダブルアンプ構成とする。
【0114】
図25は、第8の実施の形態に係るセルの構成例を示す平面図である。
【0115】
図25において、第8の実施の形態における構成では、上述の第7の実施の形態におけるセル701に代えて、セル702が設けられている。セル702には、上述の第7の実施の形態におけるゲート電極562、563に代えて、ゲート電極761乃至764が設けられている。また、各ゲート電極761乃至764上には、コンタクトプラグが設けられる。第8の実施の形態におけるセルのそれ以外の構成は、上述の第7の実施の形態におけるセルの構成と同様である。
【0116】
ゲート電極761乃至764は、トレンチ502に沿ってトレンチ502上に分離して配置される。ゲート電極761および762は、駆動トランジスタ462に用いることができる。ゲート電極763および764は、選択トランジスタ463に用いることができる。図25のゲート電極761乃至764のそれ以外の構成は、図21のゲート電極562、563の構成と同様である。
【0117】
このように、上述の第8の実施の形態によれば、ゲート電極562および563に代えて、ゲート電極761乃至764をセル702に設けることにより、製造工程の煩雑化を抑制しつつ、ダブルアンプ構成を実現することが可能となる。
【0118】
<9.第9の実施の形態>
上述の第8の実施の形態では画素分離領域にて分離されたフローティングディフュージョンに共通に接続された台座層730を設けた構成において、転送トランジスタのゲート電極521乃至524の幅方向の端部を画素分離領域上に配置した。この第9の実施の形態では画素分離領域にて分離されたフローティングディフュージョンに共通に接続されたコンタクトプラグ630を設けた構成において、転送トランジスタのゲート電極521乃至524の幅方向の端部を画素分離領域上に配置する。
【0119】
図26は、第9の実施の形態に係るセルの構成例を示す平面図である。図27は、第9の実施の形態に係るセルの構成例のA5-B5線の位置で切断した構成例を示す断面図である。図28は、第9の実施の形態に係るセルの構成例のA6-B6線の位置で切断した構成例を示す断面図である。
【0120】
図26乃至図28において、第9の実施の形態における構成では、上述の第7の実施の形態におけるセル701に代えて、セル703が設けられている。セル703には、上述の第7の実施の形態における台座層730に代えて、上述の第6の実施の形態におけるコンタクトプラグ630が設けられている。第9の実施の形態におけるセルのそれ以外の構成は、上述の第6の実施の形態におけるセルの構成と同様である。
【0121】
ここで、セル703では、図11の転送トランジスタ421乃至424はプレーナ構造を有する。そして、転送トランジスタ421乃至424のゲート電極521乃至524の幅方向の端部は、トレンチ502に埋め込まれた絶縁層503上に位置する。
【0122】
ゲート電極521乃至524で囲まれた領域において、Pウェル511にはNウェル512が形成される。Nウェル512にはN不純物拡散層590が形成される。N不純物拡散層590上では、ゲート絶縁膜591が除去され、N不純物拡散層590の表面の一部が露出される。このとき、半導体基板501の表面側では、絶縁層503の一部が除去され、N不純物拡散層590の側面の一部が露出される。
【0123】
コンタクトプラグ630は、画素上にはみ出すようにして絶縁層503上に配置され、N不純物拡散層590に接続される。このとき、コンタクトプラグ630の先端は、トレンチ502内に侵入し、N不純物拡散層590の側面に接触する。
【0124】
このように、上述の第9の実施の形態によれば、ゲート電極521乃至524の幅方向の端部をトレンチ502に埋め込まれた絶縁層503上に配置することにより、ゲート電極521乃至524のゲート幅の画素間の均一性を向上させつつ、ゲート電極521乃至524を画素ごとに分離することができる。
【0125】
<10.第10の実施の形態>
上述の第9の実施の形態では転送トランジスタのゲート電極521乃至524の幅方向の端部を画素分離領域上に配置した。この第10の実施の形態では転送トランジスタのゲート電極821乃至824の幅方向の端部をトレンチ802内に埋め込み、転送トランジスタのチャネル領域をトレンチ802の側面側に拡大する。
【0126】
図29は、第10の実施の形態に係るセルの構成例を示す平面図である。図30は、第10の実施の形態に係るセルの構成例のA7-B7線の位置で切断した構成例を示す断面図である。
【0127】
図29および図30において、第10の実施の形態における構成では、上述の第9の実施の形態におけるセル703に代えて、セル801が設けられている。セル801には、上述の第9の実施の形態におけるトレンチ502、絶縁層503およびゲート電極521乃至524に代えて、トレンチ802、絶縁層803およびゲート電極821乃至824が設けられている。第10の実施の形態におけるセル801のそれ以外の構成は、上述の第9の実施の形態におけるセル703の構成と同様である。
【0128】
トレンチ802は、画素を分離するように半導体基板501に配置される。トレンチ802には絶縁層803が埋め込まれている。各ゲート電極821乃至824の幅方向の端部は、図30に示すように、トレンチ802内に配置される。ここで、各ゲート電極821乃至824の幅方向の端部のトレンチ802内への埋め込みの深さに応じて、絶縁層803が除去される。このとき、各ゲート電極821乃至824の幅方向の端部は、絶縁層803上においてゲート絶縁膜891を介してトレンチ802の側面上に位置する。ゲート電極821乃至824の幅方向の端部が配置される領域では、トレンチ802の幅は、トレンチ502の幅より拡大される。
【0129】
また、各ゲート電極821乃至824の側壁には、サイドウォール893が形成される。このとき、サイドウォール893はトレンチ802内に侵入し、トレンチ802内に埋め込まれた各ゲート電極821乃至824の絶縁性を確保することができる。
【0130】
このように、上述の第10の実施の形態によれば、各ゲート電極821乃至824の幅方向の端部をトレンチ802内に配置することにより、各転送トランジスタ421乃至424のチャネル領域をトレンチ802の側面側に拡大することが可能となる。このため、各転送トランジスタ421乃至424の画素上の占有面積の増大を抑制しつつ、各転送トランジスタ421乃至424のカットオフ特性を向上させ、転送効率を向上させることができる。
【0131】
<11.第11の実施の形態>
上述の第10の実施の形態では転送トランジスタのチャネル領域をトレンチ802の側面側に拡大した構成において、画素分離領域にて分離されたフローティングディフュージョンに共通に接続されたコンタクトプラグ630を設けた。この第11の実施の形態では転送トランジスタのチャネル領域をトレンチ802の側面側に拡大した構成において、画素分離領域にて分離されたフローティングディフュージョンに共通に接続された台座層730を設ける。
【0132】
図31は、第11の実施の形態に係るセルの構成例を示す平面図である。図32は、第11の実施の形態に係るセルの構成例のA8-B8線の位置で切断した構成例を示す断面図である。
【0133】
図31および図32において、第11の実施の形態における構成では、上述の第10の実施の形態におけるセル801に代えて、セル811が設けられている。セル811には、上述の第10の実施の形態におけるコンタクトプラグ630に代えて、上述の第7の実施の形態における台座層730が設けられている。第11の実施の形態におけるセル811のそれ以外の構成は、上述の第10の実施の形態におけるセル801の構成と同様である。
【0134】
台座層730は、画素上にはみ出すようにして絶縁層803上に配置され、N不純物拡散層590に接続される。台座層730の側壁には、サイドウォール593が形成される。台座層730上には、コンタクトプラグ830が設けられている。
【0135】
このように、上述の第11の実施の形態によれば、画素上にはみ出すようにしてN不純物拡散層590に接続された台座層730を絶縁層803上に配置することにより、コンタクトプラグ830がトレンチ802内に侵入するのを防止することができる。このため、コンタクトプラグ830とフローティングディフュージョンとの間の寄生容量を低減することができ、変換効率の低下を抑制することができる。
【0136】
上述の第5乃至第11の実施の形態では、1つのセルに4つの画素がマトリクス状に配置された4画素1セル構造を例にとったが、1つのセルに8つの画素が配置された8画素1セル構造であってもよい。
【0137】
<12.第12の実施の形態>
上述の第5の実施の形態では4画素1セル構造において画素トランジスタをトレンチ内に設けた。この第12の実施の形態では8つの画素が2行4列に渡って配置された8画素1セル構造において画素トランジスタをトレンチ内に設ける。
【0138】
図33は、第12の実施の形態に係る画素の回路構成例を示す図である。図33では、1つのセルに8つの画素が2行4列に渡って配置された8画素1セル構造を示す。
【0139】
図33において、セル901は、画素931乃至938を備える。また、セル901は、転送トランジスタ921乃至928、リセットトランジスタ461、駆動トランジスタ462、選択トランジスタ463およびフローティングディフュージョン460を備える。各画素931乃至938は、フォトダイオード911乃至918を備える。各フォトダイオード911乃至918のカソードは、転送トランジスタ921乃至928をそれぞれ介してフローティングディフュージョン460に接続されている。図33のセル901のそれ以外の構成は、図11のセル500の構成と同様である。上述の第5乃至第11の実施の形態のいずれかの構成をセル901に適用してもよい。
【0140】
このように、上述の第12の実施の形態では、8つの画素が2行4列に渡って配置された8画素1セル構造において、画素トランジスタをトレンチ内に設ける。これにより、画素領域における画素トランジスタの専有面積を低減させつつ、画素トランジスタを8つの画素931乃至938で共有することができ、4画素1セル構造に比べて画素領域を拡大することができる。
【0141】
<13.第13の実施の形態>
上述の第5の実施の形態では4画素1セル構造において画素トランジスタをトレンチ内に設けた。この第13の実施の形態では8つの画素が1行8列に渡って配置された8画素1セル構造において画素トランジスタをトレンチ内に設ける。
【0142】
図34は、第13の実施の形態に係る画素の回路構成例を示す図である。図34では、1つのセルに8つの画素が1行8列に渡って配置された8画素1セル構造を示す。
【0143】
図34において、セル902は、画素931乃至938が1行8列に渡って配置される。図34のセル902のそれ以外の構成は、図33のセル901の構成と同様である。上述の第5乃至第11の実施の形態のいずれかの構成をセル902に適用してもよい。
【0144】
このように、上述の第13の実施の形態では、8つの画素が1行8列に渡って配置された8画素1セル構造において、画素トランジスタをトレンチ内に設ける。これにより、画素領域における画素トランジスタの専有面積を低減させつつ、画素トランジスタを8つの画素931乃至938で共有することができ、4画素1セル構造に比べて画素領域を拡大することができる。
【0145】
なお、上述の実施の形態は本技術を具現化するための一例を示したものであり、実施の形態における事項と、特許請求の範囲における発明特定事項とはそれぞれ対応関係を有する。同様に、特許請求の範囲における発明特定事項と、これと同一名称を付した本技術の実施の形態における事項とはそれぞれ対応関係を有する。ただし、本技術は実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において実施の形態に種々の変形を施すことにより具現化することができる。また、本明細書に記載された効果はあくまで例示であって、限定されるものではなく、また、他の効果があってもよい。
【0146】
また、本技術は以下のような構成もとることができる。
(1)画素を分離するトレンチと、
前記トレンチの側面に沿って前記トレンチの深さ方向に対して交差する方向にチャネル領域を形成する画素トランジスタと
を具備する固体撮像装置。
(2)前記画素トランジスタのゲート電極の少なくとも一部は前記トレンチ内に位置する
前記(1)記載の固体撮像装置。
(3)前記トレンチの深さ方向に対して交差する方向は、カラム方向およびロウ方向のうちの少なくとも1つを含む
前記(1)または(2)に記載の固体撮像装置。
(4)前記画素トランジスタは、駆動トランジスタ、選択トランジスタ、リセットトランジスタおよび転送トランジスタのうちの少なくとも1つを含む
前記(1)から(3)のいずれかに記載の固体撮像装置。
(5)前記画素トランジスタのソース、ドレインおよびフローティングディフュージョンのうちの少なくとも1つは前記トレンチの側面に位置する
請求項1記載の固体撮像装置。
(6)前記トレンチの深さ方向の一部に埋め込まれた絶縁層をさらに具備し、
前記画素トランジスタのゲート電極の一部は、前記絶縁層上においてゲート絶縁膜を介して前記トレンチの側面上に位置する
前記(1)から(5)のいずれかに記載の固体撮像装置。
(7)前記画素トランジスタのゲート電極の一部は、前記画素上に位置する
前記(1)から(6)のいずれかに記載の固体撮像装置。
(8)前記画素上において前記ゲート電極下に位置するスペーサ絶縁層をさらに具備する前記(7)記載の固体撮像装置。
(9)互いに隣接する画素のソース、ドレインおよびフローティングディフュージョンのうちの少なくとも1つは、前記トレンチによって分離されている
前記(1)から(8)のいずれかに記載の固体撮像装置。
(10)互いに隣接する画素間で前記トレンチによって分離されているソース、ドレインおよびフローティングディフュージョンのそれぞれに接続されたコンタクトプラグと、
前記トレンチによって分離されているソース、ドレインおよびフローティングディフュージョンのそれぞれに接続されたコンタクトプラグを介し、前記トレンチによって分離されているソース、ドレインおよびフローティングディフュージョンのそれぞれを接続する配線と
をさらに具備する前記(1)から(9)のいずれかに記載の固体撮像装置。
(11)互いに隣接する画素間で前記トレンチによって分離されているソース、ドレインおよびフローティングディフュージョンのそれぞれに前記トレンチを跨いで接続されたコンタクトプラグをさらに具備する前記(1)から(10)のいずれかに記載の固体撮像装置。
(12)互いに隣接する画素間で前記トレンチによって分離されているソース、ドレインおよびフローティングディフュージョンのそれぞれに前記トレンチを跨いで接続され、前記画素トランジスタのゲート電極と同一の材料で形成された台座層をさらに具備する前記(1)から(11)のいずれかに記載の固体撮像装置。
(13)前記ソースおよびドレインのそれぞれに接続された台座層の一部は、前記トレンチ内に位置する
前記(12)記載の固体撮像装置。
(14)前記ゲート電極および前記台座層の材料は、不純物が導入された多結晶シリコンである
前記(12)記載の固体撮像装置。
(15)前記画素トランジスタとして用いられる転送トランジスタはプレーナ構造を有し、前記転送トランジスタのゲート電極の幅方向の端部は、前記トレンチに埋め込まれた絶縁層上に位置する
前記(1)から(14)のいずれかに記載の固体撮像装置。
(16)前記画素トランジスタとして用いられる転送トランジスタのゲート電極の幅方向の端部は、前記トレンチの側面上に位置する
前記(1)から(15)のいずれかに記載の固体撮像装置。
【符号の説明】
【0147】
201 画素
211 フォトダイオード
301 半導体基板
302 トレンチ
303、308 絶縁層
304 ゲート電極
305~307 配線
309 カラーフィルタ
310 マイクロレンズ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34