(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023137678
(43)【公開日】2023-09-29
(54)【発明の名称】印刷装置
(51)【国際特許分類】
B41J 3/36 20060101AFI20230922BHJP
B41J 21/00 20060101ALI20230922BHJP
【FI】
B41J3/36 Z
B41J21/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022043979
(22)【出願日】2022-03-18
(71)【出願人】
【識別番号】504123421
【氏名又は名称】日本プリメックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【弁理士】
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100188156
【弁理士】
【氏名又は名称】望月 義時
(74)【代理人】
【識別番号】100154070
【弁理士】
【氏名又は名称】久恒 京範
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【弁理士】
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 卓二
(72)【発明者】
【氏名】乙黒 開利
【テーマコード(参考)】
2C055
2C187
【Fターム(参考)】
2C055CC00
2C055CC01
2C187AC05
2C187AD06
2C187AE15
2C187AG07
2C187BF27
2C187BG36
2C187BG39
2C187BG40
2C187BG42
2C187CD13
2C187CD14
2C187DB23
(57)【要約】
【課題】印刷装置が印刷した内容を把握させる。
【解決手段】印刷装置1は、印刷面内において複数の情報を配置する配置位置を示し、複数の情報のうちの少なくとも一部の情報である第1情報を書き換え可能なテンプレートを記憶する記憶部17と、第1情報を書き換えるための入力情報を取得する取得部181と、テンプレートの第1情報を入力情報に基づいて書き換えることにより印刷情報を作成する作成部182と、印刷情報に対応する印刷画像を印刷媒体に印刷する印刷部13と、印刷が完了した印刷画像に対応する印刷情報のうちの少なくとも一部の情報である第2情報を外部装置に送信する送信制御部184と、を有する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷面内において複数の情報を配置する配置位置を示し、前記複数の情報のうちの少なくとも一部の情報である第1情報を書き換え可能なテンプレートを記憶する記憶部と、
前記第1情報を書き換えるための入力情報を取得する取得部と、
前記テンプレートの前記第1情報を前記入力情報に基づいて書き換えることにより印刷情報を作成する作成部と、
前記印刷情報に対応する印刷画像を印刷媒体に印刷する印刷部と、
印刷が完了した前記印刷画像に対応する前記印刷情報のうちの少なくとも一部の情報である第2情報を外部装置に送信する送信制御部と、
を有する印刷装置。
【請求項2】
前記第1情報には、対象を識別するための第1識別情報が含まれ、
前記取得部は、対象を識別するための第2識別情報を前記入力情報として取得し、
前記作成部は、前記第1情報の前記第1識別情報を、取得した前記第2識別情報に書き換えることにより前記印刷情報を作成し、
前記送信制御部は、前記第2識別情報を含む前記第2情報を前記外部装置に送信する、
請求項1に記載の印刷装置。
【請求項3】
前記記憶部は、一以上の識別情報を記憶し、
前記作成部は、取得された前記第2識別情報が前記記憶部に記憶されている前記識別情報に一致している場合に、前記第1識別情報を前記第2識別情報に書き換えることにより前記印刷情報を作成する、
請求項2に記載の印刷装置。
【請求項4】
前記取得部は、複数の前記第1情報のうちの一の第1情報に対して、当該一の第1情報を前記入力情報に基づき書き換えられた後の書換後情報を前記外部装置に送信する送信指示を取得し、
前送信制御部は、印刷が完了した前記印刷情報のうち、前記送信指示が取得されている前記一の第1情報に対応する前記書換後情報を前記第2情報として前記外部装置に送信する、
請求項1から3のいずれか一項に記載の印刷装置。
【請求項5】
前記送信制御部は、取得された前記入力情報のうちの少なくとも一部を認証用情報として前記外部装置に送信し、
前記取得部は、前記認証用情報が送信された後に前記外部装置から認証完了情報を取得し、
前記作成部は、前記認証完了情報が取得されたら、前記第1情報を前記入力情報に基づいて書き換えることにより前記印刷情報を作成する、
請求項1に記載の印刷装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷情報を送信する印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
印刷装置において印刷が完了したことを通知する技術が開示されている。特許文献1には、印字要求データの出力完了を印字装置から取得すると、印字要求を行ったユーザに印字が完了したことを通知するという技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された技術では、印字が完了したことを通知するのみであるので、どのような内容が印刷されたかを把握することができない。そのため、印刷装置が印刷した内容を把握する技術が求められていた。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、印刷装置が印刷した内容を把握させる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の態様においては、印刷面内において複数の情報を配置する配置位置を示し、前記複数の情報のうちの少なくとも一部の情報である第1情報を書き換え可能なテンプレートを記憶する記憶部と、前記第1情報を書き換えるための入力情報を取得する取得部と、前記テンプレートの前記第1情報を前記入力情報に基づいて書き換えることにより印刷情報を作成する作成部と、前記印刷情報に対応する印刷画像を印刷媒体に印刷する印刷部と、印刷が完了した前記印刷画像に対応する前記印刷情報のうちの少なくとも一部の情報である第2情報を外部装置に送信する送信制御部と、を有する印刷装置を提供する。
【0007】
前記第1情報には、対象を識別するための第1識別情報が含まれ、前記取得部は、対象を識別するための第2識別情報を前記入力情報として取得し、前記作成部は、前記第1情報の前記第1識別情報を、取得した前記第2識別情報に書き換えることにより前記印刷情報を作成し、前記送信制御部は、前記第2識別情報を含む前記第2情報を前記外部装置に送信してもよい。
【0008】
前記記憶部は、一以上の識別情報を記憶し、前記作成部は、取得された前記第2識別情報が前記記憶部に記憶されている前記識別情報に一致している場合に、前記第1識別情報を前記第2識別情報に書き換えることにより前記印刷情報を作成してもよい。
【0009】
前記取得部は、複数の前記第1情報のうちの一の第1情報に対して、当該一の第1情報を前記入力情報に基づき書き換えられた後の書換後情報を前記外部装置に送信する送信指示を取得し、前送信制御部は、印刷が完了した前記印刷情報のうち、前記送信指示が取得されている前記一の第1情報に対応する前記書換後情報を前記第2情報として前記外部装置に送信してもよい。
【0010】
前記送信制御部は、取得された前記入力情報のうちの少なくとも一部を認証用情報として前記外部装置に送信し、前記取得部は、前記認証用情報が送信された後に前記外部装置から認証完了情報を取得し、前記作成部は、前記認証完了情報が取得されたら、前記第1情報を前記入力情報に基づいて書き換えることにより前記印刷情報を作成してもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、印刷装置が印刷した内容を把握できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】ラベル発行システムの概要を説明するための図である。
【
図4】商品の値引きラベルのテンプレートの一例である。
【
図7】入庫ラベルの発行する処理を説明するための図である。
【
図8】駐車料金割引ラベルを発行する処理を説明するための図である。
【
図9】お薬手帳ラベルを発行する処理を説明するための図である。
【
図10】入退室用ラベルを発行する処理を説明するための図である。
【
図11】値引きラベルを発行するシーケンスの一例である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[ラベル発行システムの概要]
図1は、ラベル発行システムの概要を説明するための図である。ラベル発行システムは、印刷装置1と、管理装置2とを有する。ラベル発行システムは、印刷装置1に入力された情報に基づいてラベルを発行するシステムである。以下、商品の値引きラベルを発行するラベル発行システムを例に挙げて説明する。
【0014】
印刷装置1は、値引きラベルを発行するためのテンプレートを記憶している。テンプレートには、印刷面内における複数の情報の配置位置が示されている。複数の情報には、値引きする商品の商品識別情報、商品の値引き前価格、商品の値段を割り引くための割引率及び値引き後価格が含まれる。
【0015】
まず、印刷装置1は、商品の価格を値引くための値引率(例えば20%)の入力を受け付ける。続いて、印刷装置1は、バーコードリーダ12を介して商品に付されたバーコードAを読み取ることにより商品の識別情報[22761]及び値引き前の税込価格[1000]を取得する(
図1の(1))。なお、バーコードAは、ラベルに印刷されており、バーコードAが印刷されたラベルが、商品に付されている。また、ラベルには、バーコードAに加えて、ラベルが付された商品の名称、製造日、消費期限又は賞味期限、商品の値段及び商品に関する注意事項が印刷されている。
【0016】
印刷装置1は、テンプレートを商品の識別情報[22761]及び値引き前の税込価格[1000]に基づいて書き換えて、値引きラベル3を発行する(
図1の(2))。印刷装置1は、値引きする商品の識別情報[22761]と、値引き前の税込価格[1,000円]と、割引率[20%]と、値引き後価格[800円]とを印刷した値引きラベル3を発行する。値引きラベル3には、商品の識別情報[22761]と値引き後価格[800円]を表すバーコードBが印刷されている。
【0017】
印刷装置1は、値引きラベルを発行すると、発行した値引きラベル3に印刷した情報の少なくとも一部(商品の識別情報[22761]及び値引率[20%])を、事業者が管理する管理装置2に送信する(
図1の(3))。管理装置2は、例えば商品を販売する店舗に設置されたコンピュータである。また、管理装置2は、複数の店舗を管理する事業者のサーバであってもよい。
【0018】
このようにすることで、印刷装置1は、値引きラベル3を発行するために管理装置2と通信する必要がなくなり、印刷装置1と管理装置2の間の通信回数を低減でき、処理負荷を低減できる。また、管理装置2を管理する事業者は、値引きされた商品と、当該商品の値引率を把握できるようになる。
【0019】
[印刷装置1の構成]
図2は、印刷装置1の構成の模式図である。印刷装置1は、印刷部13と、デバイスコントローラI/F14と、通信部15と、ネットワークI/F16と、記憶部17と、制御部18とを有する。印刷部13、デバイスコントローラI/F14、ネットワークI/F16、記憶部17及び制御部18は、バスライン10を介して接続されている。バスライン10には、データバス、コントロールバス及びアドレスバスが含まれる。また、印刷装置1は、Wi-Fi(登録商標)及びBluetooth(登録商標)用通信モジュールを有していてもよい。
【0020】
入力装置11及びバーコードリーダ12は、印刷装置1に接続された外部入力装置である。入力装置11及びバーコードリーダ12は、デバイスコントローラI/F14を介して制御部18と接続されている。また、USB(Universal Serial Bus)メモリは、図示しないUSBポート及びデバイスコントローラI/F14を介して制御部18と接続されている。
【0021】
入力装置11は、印刷装置1に各種情報を入力するための装置である。入力装置11は、キーボード、テンキー、操作パネル及びマウスの少なくともいずれかを含む。印刷装置1を使用するユーザは、入力装置11を介して各種情報(例えば商品の値引率)を入力できる。バーコードリーダ12は、商品に付されたバーコードを読み取るバーコードリーダである。バーコードリーダ12は、バーコードだけでなく、2次元コード(例えばQRコード(登録商標))を読み取ってもよい。なお、
図1のバーコードリーダ12は、印刷装置1と有線で接続されているが、無線通信を介して接続されていてもよい。無線通信は例えばWi-Fi又はBluetoothである。
【0022】
なお、印刷装置1には、図示しないIC(integrated circuit)カードリーダが、デバイスコントローラI/F14を介して制御部18と接続されていてもよい。ICカードリーダは、ICカードを読み取ることにより、ICカードに記憶された情報を読み取ることができる。
【0023】
印刷部13は、印刷媒体である感熱紙Sに印字を行う。
図3は、印刷部13の模式図である。印刷部13は、サーマルヘッド131と、プラテンローラ132と、固定刃133と、可動刃134とを含む。
【0024】
サーマルヘッド131は、用紙ホルダ部Eに保持された感熱紙Sに印字を行うデバイスである。サーマルヘッド131は、通電を受けて発熱する複数の発熱素子を有する(不図示)。通電は、パルスで供給される。例えば、パルス幅は150~1200μ秒である。複数の発熱素子は、例えば発熱抵抗体であり、平らな基板上に所定間隔で配置されている。発熱抵抗体の抵抗値は50~1000Ωである。具体的には、発熱素子は、感熱紙Sの搬送方向と直交する方向(別言すれば、プラテンローラ132の軸方向)に所定間隔で配置されている。
【0025】
サーマルヘッド131は、感熱紙Sの表面(発色剤が塗布されている面)に接触している。サーマルヘッド131は、発熱した発熱素子によって感熱紙Sの発色剤を発色させることで印字を行う。サーマルヘッド131は、一列に並んだ複数の発熱素子の中から選択的に発熱素子を発熱させることで、感熱紙Sの所望の位置に印字を行う。
【0026】
プラテンローラ132は、搬送路においてサーマルヘッド131に対向する位置に設けられたプラテンである。プラテンローラ132は、
図3に示すように、サーマルヘッド131との間で感熱紙Sを所定の押圧で挟持している。このため、サーマルヘッド131は、プラテンローラ132との間で挟持されている感熱紙Sに印字を行う。
【0027】
プラテンローラ132は、感熱紙Sを搬送する搬送ローラとしての機能も有する。すなわち、プラテンローラ132は、回転することで、搬送方向Dに感熱紙Sを紙送りする。プラテンローラ132は、モータ(例えば、ステッピングモータ等)によって所定のギア比を介して駆動される。プラテンローラ132は、
図3に示すC方向に回転することで、印字が行われた感熱紙Sを搬送方向下流側へ搬送する。
【0028】
サーマルヘッド131の下流側には、感熱紙Sをカットする切断部が設けられている。切断部は、例えば固定刃133及び可動刃134を有し、固定刃133に対して可動刃134が、例えば感熱紙Sに対して垂直方向に進退移動することで感熱紙Sをカットする。
【0029】
通信部15は、無線通信回線を介して情報を送受信するための無線通信モジュールである。通信部15は、例えば、携帯電話網を介して管理装置2と情報を送受信する。通信部15は、ネットワークI/F16を介して制御部18と接続されている。
【0030】
記憶部17は、ROM(Read Only Memory)171、RAM(Random Access Memory)172及びハードディスク等を含む記憶媒体である。記憶部17は、制御部18が実行するプログラムを記憶する。
【0031】
記憶部17は、ラベルを発行するためのテンプレートを記憶する。テンプレートは、印刷面内において複数の情報を配置する配置位置を示すものである。また、テンプレートの複数の情報のうちの少なくとも一部の情報である第1情報は、書き換え可能である。第1情報には、対象を識別するための第1識別情報が含まれている。テンプレートは、例えばxml(Extensible Markup Language)で記述されているテキストファイルであるが、これに限定するものではない。第1識別情報により識別される対象は、例えば値引きする商品である。また、第1識別情報により識別される対象は、倉庫に入庫する物品、駐車場、患者に提供する薬、建物に進入するユーザ等であってもよい。
【0032】
図4は、商品の値引きラベルのテンプレート31の一例である。テンプレート31には、第1情報として、値引きする商品を識別するための第1商品識別情報と、第1値引き前価格情報311と、第1割引情報312と、第1値引き後価格情報313とが含まれている。第1値引き前価格情報311には、値引きする商品の値引き前の価格が入力される。第1割引情報312には、商品の価格を値引くための値引き割合が入力される。第1値引き後価格情報313には、第1値引き前価格を第1値引き割合で値引いた価格が入力される。バーコード情報314には、第1商品識別情報及び第1値引き後価格を表すバーコードが入力される。日時情報315には、ラベルを発行するときの年(西暦)、月、日、AM又はPM、及び時刻が入力される。
【0033】
また、記憶部17は、第1情報に関連付けて当該第1情報を書き換えた後の書換後情報を管理装置2に送信する送信指示を記憶する。例えば、テンプレートの作成時に一の第1情報に対して書換後情報の送信指示が入力されることにより、一の第1情報に関連付けて送信指示が記憶部17に記憶される。具体的には、一の第1情報を送信するか否かを入力するためのチェックボックスがテンプレートの作成時に表示され、ユーザは、チェックボックスにチェックを入力することで書換後情報の送信指示を入力できる。記憶部17は、チェックボックスにチェックが入力された第1情報に関連付けて送信指示を記憶する。具体例を挙げると、記憶部17は、値引きする商品の商品識別情報及び割引情報に送信指示を関連付けて記憶する。
【0034】
記憶部17は、書換後情報の送信先を記憶する。例えば、記憶部17は、テンプレートの作成時に入力された送信先を記憶する。送信先は、例えばIP(Internet Protocol)アドレス、サーバ・ドメイン、メールアドレスであるが、これに限定されない。一例を挙げると、記憶部17は、送信先として管理装置2のIPアドレスを記憶する。
【0035】
記憶部17は、複数のテンプレートを記憶してもよい。例えば、記憶部17は、各テンプレートに当該テンプレートを識別するためのテンプレート識別情報を関連付けて記憶する。記憶部17に複数のテンプレートが記憶されている場合、印刷装置1を使用するユーザは、所定の操作(例えばテンプレートに対応する数値の入力)をすることで任意のテンプレートを呼び出すことができる。
【0036】
制御部18は、例えばCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサを含む計算リソースである。制御部18は、記憶部17に記憶されたプログラムを実行することにより、取得部181、作成部182、印刷制御部183及び送信制御部184としての機能を実現する。
【0037】
取得部181は、記憶部17を参照して、複数の第1情報のうちの、一の第1情報に対して送信指示を取得する。具体的には、取得部181は、第1情報を書き換えるための入力情報を取得する前(例えばラベルを発行するためのテンプレートが記憶部17から読み込まれるとき)に、書換後情報を管理装置2に送信する送信指示を取得する。また、取得部181は、テンプレートが記憶部17から読み込まれるときに、書換後情報の送信先として記憶部17に記憶された管理装置2のIPアドレスを取得する。
【0038】
取得部181は、第1情報を書き換えるための入力情報を取得する。取得部181は、例えば入力装置11に入力された商品の価格を値引くための第2割引情報を取得する。具体的には、取得部181は、ユーザが割引率として入力装置11に入力した数値を第2割引情報として取得する。
【0039】
取得部181は、値引きする商品を識別するための第2商品識別情報と、当該商品の値引き前の価格を示す第2値引き前価格情報とを入力情報として取得する。具体的には、取得部181は、値引きする商品に張り付けられたバーコードAを読み取ることにより、第2商品識別情報として商品識別情報[22761]を、第2値引き前価格情報として税込価格[1000]を取得する(
図1参照)。
【0040】
作成部182は、テンプレート31の第1情報を入力情報に基づいて書き換えることにより印刷情報を作成する。
図5は、印刷情報32の一例の模式図である。具体的には、作成部182は、第1値引き前価格情報311を、第2値引き前価格情報321である税込価格[1000]に、第1割引情報312を、入力された第2割引情報322(例えば[20%])に書き換える。また、作成部182は、第1値引き後価格情報313を第2値引き後価格情報323に書き換える。
図5に示すとおり、第2値引き後価格情報323は、値引き前の税込価格[1000]を第2値引き割合[20%]で値引いた値引き後価格[800]円を示している。
【0041】
作成部182は、第1情報の第1商品識別情報を第2商品識別情報として取得した商品識別情報[22761]に書き換える。具体的には、作成部182は、バーコード情報314を、商品識別情報[22761]及び値引き後価格[800]を表すバーコード情報324に書き換える。そして、作成部182は、テンプレート31の日時情報315を、例えば値引きする商品のバーコードを読み取った年月日及び時刻を示す日時情報325に書き換える。
【0042】
印刷制御部183は、印刷部13を制御して印刷情報32に対応する印刷画像を感熱紙Sに印刷させる。印刷制御部183は、モータを介してプラテンローラ132及びサーマルヘッド131の動作を制御する。例えば、印刷制御部183は、プラテンローラ132による感熱紙Sの搬送距離又は搬送時間等を制御する搬送処理と、サーマルヘッド131の発熱素子に電力及び通電パルス等を供給する加熱処理とを行うことで、感熱紙Sに印字を行う。具体的には、印刷制御部183は、複数の発熱素子の中から、印刷画像に対応する位置の発熱素子を発熱させることで印刷画像を感熱紙Sに印字を行う。印刷制御部183は、印字後可動刃134を移動させて感熱紙Sをカットし、値引きラベルを発行する。このようにすることで、印刷装置1は、管理装置2と通信することなく値引きラベルを発行できる。その結果、印刷装置1と管理装置2の間の通信に係る処理を低減することができる。
【0043】
印刷制御部183は、印刷が完了した印刷情報のうちの少なくとも一部の情報を値引管理情報として記憶させる。
図6は、値引管理情報の一例を示す図である。値引管理情報は、記憶部17に記憶されている。値引管理情報には、複数の割引率それぞれに、当該割引率で割引した商品の商品識別情報(商品ID)が関連付けられている。また、各商品IDには、印刷装置1のユーザのユーザ識別情報、第2値引き前価格情報、第2値引き後価格情報及び日時情報の少なくともいずれかが関連付けられていてもよい。
【0044】
送信制御部184は、印刷が完了すると、第2情報を管理装置2に送信する。第2情報は、印刷が完了した印刷画像に対応する印刷情報のうちの少なくとも一部の情報である。例えば、送信制御部184は、印刷が完了した印刷情報のうち、送信指示が取得されている一の第1情報に対応する書換後情報を第2情報として管理装置2に送信する。送信制御部184は、値引きする商品の商品識別情報[22761]及び割引率[20%]を示す割引情報を含む第2情報を管理装置2に送信する。より具体的には、送信制御部184は、商品識別情報[22761]、第2値引き前価格情報([1000]円)及び第2値引き後価格情報([800]円)を含む第2情報を管理装置2に送信する。また、送信制御部184は、上記の情報だけでなく、印刷装置1を操作するユーザのユーザ識別情報及び日時情報を含む第2情報を送信してもよい。
【0045】
これにより、印刷装置1が値引きする商品の管理に必要な商品識別情報及び割引率を管理装置2に送信するので、管理装置2を管理する事業者は、どの商品がどのような割引率で割り引かれたかを把握できるようになる。
【0046】
複数のテンプレートが記憶部17に記憶されている場合、取得部181は、複数のテンプレートのうちの一のテンプレートを取得する。具体的には、取得部181は、複数のテンプレートのうちの、ユーザが入力装置11に行った操作(例えば数値の入力)に対応するテンプレートを取得する。続いて、作成部182は、一のテンプレートの第1情報を、取得した入力情報に基づいて書き換えることにより印刷情報を作成する。そして、送信制御部184は、一のテンプレートのテンプレート識別情報を含む第2情報を管理装置2に送信する。これにより、異なる値引きラベルを発行する際に印刷装置1と管理装置2との間で通信する必要がなく、印刷装置1のユーザが商品に応じたテンプレートを選択するだけで適切な値引きラベルを発行させることができる。
【0047】
[入庫ラベル]
印刷装置1は、値引きラベルのテンプレートと異なるテンプレートを用いることにより、上記の商品の値引きラベルだけでなく、種々のラベルを発行できる。例えば、印刷装置1は、商品を倉庫に入庫する際の入庫ラベルを発行できる。
図7は、入庫ラベルの発行する処理を説明するための図である。
【0048】
記憶部17は、入庫ラベル用テンプレートを記憶する。入庫ラベル用テンプレートの第1情報には、入庫する商品を識別するための第1商品識別情報と、当該商品を管理するための第1管理情報とが含まれる。第1管理情報には、商品の管理コード、商品の名称(製品名)、及び所定の基準を満たす商品か否かを示すフラグが含まれる。
【0049】
また、記憶部17は、入庫する商品を管理するための第2管理情報を含む入庫管理情報40を記憶する。入庫管理情報40は、一以上の商品識別情報に、当該商品識別情報に対応する第2管理情報が関連付けられている。第2管理情報には、商品の管理コード、商品の名称(製品名)、及び所定の基準を満たす商品か否かを示すフラグが含まれる。所定の基準がEU(欧州連合)の法律で定められた安全性能基準であれば、フラグはCEマークの有り(1)又は無し(0)を示すフラグである。なお、所定の基準は上記に限らない。具体例を挙げると、商品識別情報[123456789]には、第2情報として管理コード[CCC]、製品名[DDD]及びCEマーク[1]が関連付けられている。入庫管理情報40は、例えばCSV(Comma Separated Value)ファイルであるが、これに限定するものではない。
【0050】
取得部181は、入庫する商品を識別するための第2商品識別情報と、当該第2商品識別情報に対応する第2管理情報とを入力情報として取得する。具体的には、まず、取得部181は、入庫する商品に付された張り付けられたバーコード41を、バーコードリーダ12を介して読み取ることにより、当該バーコード41により表される入庫する商品を識別するための第2商品識別情報[123456789]を取得する。次に、取得部181は、記憶部17に記憶された入庫管理情報40から、取得した第2商品識別情報[123456789]に関連付けられた第2管理情報(管理コード[CCC]、製品名[DDD]及びCEマーク[1])を取得する。
【0051】
作成部182は、第1商品識別情報を取得した第2商品識別情報[123456789]に書き換え、第1管理情報を取得した第2管理情報(管理コード[CCC]、製品名[DDD]及びCEマーク[1])に基づいて書き換えることにより印刷情報42を作成する。そして、送信制御部184は、印刷情報に対応する画像の印刷が完了すると、第2商品識別情報[123456789]と、第2商品識別情報が取得された時点を示す時刻情報とを含む第2情報を、商品を管理する事業者の管理装置2に送信する。これにより、入庫処理が行われた商品のデータを管理装置2が取得できるので、管理装置2を管理する事業者は、入庫された商品の管理がしやすくなる。
【0052】
また、印刷装置1は、入庫する商品が複数ある場合、複数の商品識別情報を一のラベルに印刷してもよい。この場合、まず、取得部181は、複数の第2商品識別情報を取得する。具体的には、取得部181は、複数の商品それぞれに張り付けられたバーコードを読み取ることにより、各バーコードの第2商品識別情報を取得する。次に、取得部181は、各第2商品識別情報に関連付けられた第2管理情報を入庫管理情報40から取得する。
【0053】
作成部182は、まず、第1情報の第1商品識別情報及び第1管理情報を、複数の第2商品識別情報及び第2管理情報のそれぞれに書き換えることにより複数の印刷情報を作成する。次に、作成部182は、複数の印刷情報を一の面に配置した一の印刷情報を生成する。そして、印刷制御部183は、印刷部13を制御して複数の印刷情報を一の面に配置した一の印刷情報に対応する一の印刷画像を感熱紙Sに印刷させる。これにより、印刷装置1を使用して商品の入庫処理を行うユーザは、複数の商品のうちの一の商品にラベルを張り付けるだけでよくなるので、複数の商品それぞれにラベルを張り付ける手間を低減できる。
【0054】
送信制御部184は、一の印刷画像の印刷が完了すると、複数の第2商品識別情報と、各第2商品識別情報が取得された時刻を示す時刻情報とを含む第2情報を管理装置2に送信する。具体的には、送信制御部184は、各第2商品識別情報に当該第2商品識別情報が取得された時刻を示す時刻情報が関連付けられた第2情報を管理装置2に送信する。これにより、印刷装置1は、複数の商品の情報を一度に送信できるので、印刷装置1と管理装置2との間の通信回数を低減できる。
【0055】
[駐車料金割引ラベル]
印刷装置1は、利用時間で料金が定まるサービスの利用料金を精算するための駐車料金割引ラベルを発行できる。サービスは、例えば時間貸し駐車場(いわゆるコインパーキング)、コインロッカーである。以下、時間貸し駐車場を例に挙げて説明する。
図8は、駐車料金割引ラベルを発行する処理を説明するための図である。
【0056】
精算機Pは、駐車場の利用料金を精算するための装置である。精算機Pは、ユーザが所定の操作(例えば駐車券発行ボタンを押す操作)をすることにより、サービスを利用するための利用券である駐車券を発行する。駐車券には、ユーザが利用する駐車場を識別するための駐車場識別情報と、利用料金に関する料金情報が印刷されている。料金情報は、例えば駐車場の利用時間を割り引く割引時間又は利用料金を割り引く割引料金を示す割引情報である。具体例を挙げると、精算機Pは、バーコード51が印刷された駐車券を発行する。バーコード51には、駐車場識別情報[1234]及び割引時間が0分であることを示す割引情報[0000]が含まれている。
【0057】
店舗T1には印刷装置1aが設置され、店舗T2には印刷装置1bが設置されている。印刷装置1a及び印刷装置1bは、同じ機能を有する。印刷装置1aと印刷装置1bを区別する必要が無い場合、印刷装置1という。
【0058】
各印刷装置1に記憶されているテンプレートの第1情報には、利用時間で料金が定まるサービスを識別するための第1サービス識別情報と、当該サービスの料金に関連する第1料金情報とが含まれている。具体的には、第1サービス識別情報は、時間貸し駐車場を識別するための第1駐車場識別情報である。第1料金情報は、駐車場の利用料金を示す料金情報である。料金情報は、駐車場の割引時間を示す情報又は割引料金を示す情報である。以下、料金情報が駐車場の割引時間を示す情報である場合を例に挙げて説明する。
【0059】
印刷装置1aの取得部181は、駐車場を利用するときに発行された駐車券に印刷されたバーコード(識別子)を読み取ることにより、第2駐車場識別情報、及び当該駐車場の割引時間を示す第2割引情報を入力情報として取得する。具体例を挙げると、印刷装置1aの取得部181は、バーコード51を、バーコードリーダ12aを介して読み取ることにより、第2駐車場識別情報[1234]及び割引時間が[0分]であることを示す第2割引情報[0000]を取得する。
【0060】
印刷装置1aの取得部181は、ユーザが利用中の駐車場に対応する施設の利用状況に応じた第3料金情報を取得する。具体的には、印刷装置1aの取得部181は、ユーザが店舗T1で使用した金額に応じた割引時間を示す第3割引情報を取得する。割引時間は、使用した金額が大きいほど長くする。割引時間の具体的な値は、例えば使用した金額が三千円であれば30分、使用した金額が5千円であれば60分である。
【0061】
印刷装置1aの作成部182は、第1情報の第1サービス識別情報である第1駐車場識別情報を、第2駐車場識別情報[1234]に書き換える。印刷装置1aの作成部182は、第1料金情報を、第2料金情報及び第3料金情報に基づく第4料金情報に書き換える。具体的には、作成部182は、第1割引情報を、第2割引情報[0000]が示す割引時間[0分]に第3割引情報[0060]が示す割引時間[60分]を加えた割引時間[60分]を示す第4割引情報[0060]に書き換える。
【0062】
印刷装置1aの印刷制御部183は、作成部182が作成した印刷情報に対応する画像を印刷部13に印刷させる。これにより、バーコード52を印刷した料金管理ラベルが発行される。バーコード52を印刷した料金管理ラベルは、ユーザ又は店舗T1の店員等により駐車券に張り付けられる。
【0063】
ユーザが店舗T1と異なり、かつ駐車場に対応する店舗T2を利用した場合、店舗T2に設置された印刷装置1bは、ユーザが店舗T2で利用した金額に応じた割引時間を追加する。具体的には、印刷装置1bの取得部181は、バーコード52を、バーコードリーダ12bを介して読み取ることにより、割引時間[60分]を示す第2割引情報を取得する。続いて、印刷装置1bの取得部181は、ユーザが店舗T2で使用した金額に応じた割引時間(例えば30分)を示す第3割引情報を取得する。
【0064】
印刷装置1bの作成部182は、第3割引情報が示す割引時間[30分]に、第2割引情報が示す割引時間[60分]を加えた割引時間[90分]を示す第4割引情報[0090]に、第1割引情報を書き換える。そして、印刷装置1bの印刷部13が印刷情報に対応する画像を印刷することにより、バーコード53を印刷した料金管理ラベルが発行される。
【0065】
このようにすることで、各印刷装置1は、管理装置2と通信することなく、ユーザが各店舗で使用した金額に応じた割引時間を追加できる。そして、精算機Pは、駐車券に張り付けられたバーコード53を読み取ることにより、管理装置2と通信することなく駐車場の利用時間を90分割り引いた利用料金を精算できる。
【0066】
なお、各印刷装置1の送信制御部184は、料金管理ラベルが発行されると、精算機Pを管理する事業者の管理装置2に第2情報を送信する。第2情報には、第2駐車場識別情報[1234]と、第4料金情報[0060]と、店舗T1を識別するための施設識別情報とが含まれる。施設識別情報は、店舗T1に設置された印刷装置1aの記憶部17に記憶されている。これにより、管理装置2を管理する事業者は、駐車場を利用するユーザがどの店舗を利用しているか、利用した店舗で使用した金額を把握できるようになる。
【0067】
以上、料金情報が駐車場の割引時間を示す情報である場合を例に挙げて説明したが、料金情報は駐車場の割引料金を示す情報であってもよい。この場合、使用した金額に応じた割引料金は、例えば使用した金額が三千円であれば駐車場を30分間利用したときの料金、使用した金額が5千円であれば駐車場を60分利用したときの料金である。
【0068】
[お薬手帳ラベル]
印刷装置1は、お薬手帳に張り付けるお薬手帳ラベルを発行できる。
図9は、お薬手帳ラベルを発行する処理を説明するための図である。お薬手帳ラベルを発行する印刷装置1のテンプレートの第1情報には、薬品を識別するための情報である第1薬品識別情報と、当該薬品の調合量及び服用法を示す第1指示情報とが含まれている。薬品を識別するための情報は、例えば薬品の名前である。服用法は、例えば投薬タイミングである。
【0069】
取得部181は、お薬手帳ラベルを発行する指示を取得すると、入力情報を取得するための入力画面61を表示部であるタブレット6に表示させる。また、タブレット6は入力装置としても機能する。取得部181は、入力画面61がタブレット6に表示されている間にタブレット6を介して入力された入力情報を取得する。具体的には、取得部181は、薬品を識別するための第2薬品識別情報及び当該薬品の第2指示情報を入力情報として取得する。第2薬品識別情報は、例えば薬品の名称である。第2指示情報は、例えば、薬品の処方日数及び投薬タイミングである。
【0070】
入力画面61において、第1の薬品[薬品1]の名称、処方日数及び投薬タイミングと、第2の薬品[薬品2]の名称、処方日数及び投薬タイミングとが入力される。また、入力画面61において、薬品を処方される患者名が入力される。また、追加ボタン611がタップされると、取得部181は、新たな薬品3の入力欄を追加した新たな入力画面をタブレット6に表示させる。
【0071】
作成部182は、印刷ボタン612がタップされると、入力情報に対応する印刷情報を作成する。具体的には、作成部182は、第1情報の第1薬品識別情報を第2薬品識別情報に書き換え、第1指示情報を第2指示情報に書き換えることにより印刷情報を作成する。そして、印刷制御部183は、印刷部13を制御して印刷情報に対応する印刷画像を感熱紙Sに印刷させる。
【0072】
このように、印刷装置1は、管理装置2と通信することなく、印刷装置1から入力情報の入力を受け付けて、お薬手帳ラベルを発行できる。また、薬品を患者に提供するユーザは、予め用意されたテンプレートに必要事項を入力すれば、お薬手帳ラベルを印刷装置1に発行させることができるので、テンプレートの作成をする手間を低減できる。
【0073】
送信制御部184は、印刷が完了すると、第2薬品識別情報及び第2指示情報を含む第2情報を、薬品を管理する事業者の管理装置2に送信する。また、送信制御部184は、第2薬品識別情報及び第2指示情報に加えて、患者名及び薬品が処方された日時を示す情報を含む第2情報を管理装置2に送信してもよい。これにより、管理装置2を管理する事業者は、患者に処方された薬品を把握できる。
【0074】
[入退室用ラベル発行]
印刷装置1は、所定のユーザが所定空間に出入りする際の入退室用ラベルを発行できる。
図10は、入退室用ラベルを発行する処理を説明するための図である。所定のユーザは、例えば会社に勤める会社員である。所定空間は、例えば会社の建物である。
【0075】
印刷装置1は、例えば、会社員が会社の建物に出入りする際の入退室用ラベルを発行する。この場合、記憶部17が記憶するテンプレートの第1情報には、ユーザである会社員が会社の建物に入るための第1認証情報が含まれる。また、取得部181は、予め複数の第2認証情報を、会社員を管理するための管理装置2から取得している。第2認証情報は、例えば認証情報が発行されてから所定期間内だけ使用できるパスワードである。所定期間は適宜定めればよく、具体的な値は24時間である。例えば、取得部181は、毎日朝7時に、当日の朝7時から翌日の7時まで使用可能な複数の第2認証情報を含むcsvファイルを管理装置2から取得する。
【0076】
取得部181は、会社の建物に出入りする会社員を識別するためのユーザ識別情報を取得する。例えば、取得部181は、入力装置11であるキーボードを介して入力されたユーザ識別情報を取得する。また、取得部181は、施設に出入りするユーザが所持する識別子(バーコード及び2次元コードのいずれか)をバーコードリーダ12で読み取ることにより、ユーザ識別情報を取得してもよい。取得部181は、施設に出入りするユーザが所持するICカードをICカードリーダで読み取ることによりユーザ識別情報を取得してもよい。
【0077】
取得部181は、ユーザ識別情報を取得すると、ユーザ識別情報で識別される会社員が会社の建物に出入りすることが可能か否かを判定する。具体的には、取得部181は、一以上のユーザ識別情報を含むユーザ管理情報に、取得したユーザ識別情報が含まれているか否かを判定する。取得部181は、予めユーザ管理情報を管理装置2から取得し、記憶部17は、一以上のユーザ識別情報を含むユーザ管理情報を記憶している。ユーザ管理情報の各ユーザ識別情報には、当該ユーザ識別情報で識別される会社員の氏名が関連付けられている。
【0078】
取得部181は、取得したユーザ識別情報が、記憶部17に記憶されたユーザ管理情報に含まれるユーザ識別情報に一致しており会社員が会社の建物に出入りすることが可能である場合、当該会社員が会社の建物に入るための第2認証情報を入力情報として取得する。具体的には、取得部181は、複数の第2認証情報のうちの一の第2認証情報を、取得したユーザ識別情報で識別される会社員が会社の建物に入るための第2認証情報として取得する。取得部181は、取得したユーザ識別情報がユーザ管理情報に含まれておらず、取得したユーザ識別情報で識別されるユーザが会社の建物に出入りすることができない場合、第2認証情報を取得しない。この場合、取得部181は、取得したユーザ識別情報で識別されるユーザが施設に出入りすることができないことを示す情報をタブレット6に表示させる。
【0079】
作成部182は、取得されたユーザ識別情報が、記憶部17に記憶されているユーザ識別情報に一致している場合に、第1情報の第1認証情報を、取得された第2認証情報に書き換えることにより印刷情報を作成する。例えば、作成部182は、第1認証情報を、取得された第2認証情報に書き換えるとともに、取得したユーザ識別情報に関連付けられた氏名を含む印刷情報を作成する。具体的には、作成部182は、取得された第2認証情報と、当該第2認証情報に対応する識別子と、取得したユーザ識別情報に関連付けられた氏名と、印刷情報を作成した年月日及び時刻とを含む印刷情報を作成する。
【0080】
印刷制御部183は、印刷部13を制御して印刷情報に対応する画像を感熱紙Sに印刷させて、入退室用ラベル71を発行させる。入退室用ラベル71には、会社員の氏名[社員 次郎]、第2認証情報[X9MEPFI4]、発行年月日[2020/04/01 12:00]が印刷されている。また、第2認証情報[X9MEPFI4]に対応するバーコード72が印刷されている。ユーザは、施設の出入り口に設置されたバーコードリーダに入退室用ラベル71のバーコード72を読み取らせることにより、施設に出入りできるようになる。
【0081】
送信制御部184は、取得したユーザ識別情報と第2認証情報を関連付けた第2情報を、社員を管理する管理装置2に送信する。また、送信制御部184は、取得したユーザ識別情報と第2認証情報に、入退室用ラベルを発行した日時を関連付けた第2情報を管理装置2に送信してもよい。このようにすることで、管理装置2を管理する事業者は、どの会社員にどの第2認証情報が発行されたかを管理できるようになる。
【0082】
なお、取得部181は、会社員が会社の建物に出入りすることが可能である場合に管理装置2から一の第2認証情報を取得してもよい。具体的には、取得部181は、取得したユーザ識別情報がユーザ管理情報に含まれていると判定した場合に管理装置2から一の第2認証情報を取得する。このようにすることで、印刷装置1は、第2認証情報を記憶部17に記憶させる必要が無く、第2認証情報が不正に利用されることを抑制できるので、セキュリティが向上する。
【0083】
会社員が会社の建物に出入りする際の入退室用ラベルを発行する処理を説明したが、ユーザは会社員に限らず、出入りする施設は会社の建物に限らない。例えば、印刷装置1は、映画館、水族館、博物館、観光施設、飲食店、ライブハウス、野球場・サッカー場・陸上競技場等の種々の競技場等の施設に来場したユーザが当該施設に出入りする際の入退室用ラベルを発行してもよい。
【0084】
(変形例)
印刷装置1は、入力情報の少なくとも一部を認証用情報として外部装置に送信して、外部装置から認証完了を取得したら印刷情報を作成してもよい。具体的には、まず、送信制御部184は、取得された入力情報のうちの少なくとも一部を認証用情報として外部装置に送信する。認証情報は、社員コード、クレジットカード番号、決済バーコード番号及び金額を含む決済情報であるが、これに限定されない。外部装置は、例えば管理装置2であるが、商品購入時の決済処理を行う決済サーバであってもよい。
【0085】
取得部181は、認証用情報が送信された後に外部装置から認証完了情報を取得する。具体的には、取得部181は、認証用情報を用いて認証した外部装置が送信した認証完了情報を取得する。また、取得部181は、認証用情報を用いた認証ができなかったことを示すエラー情報を外部装置から取得した場合、認証ができなかったことを示すエラー情報を報知する。具体例を挙げると、取得部181は、エラー情報を印刷装置1に接続された表示装置に表示させたり、エラー情報を示す音を印刷装置1に設けられたスピーカに出力させたりする。
【0086】
作成部182は、認証完了情報が取得されたら、第1情報を入力情報に基づいて書き換えることにより印刷情報を作成する。これにより、印刷装置1は、認証ができていない印刷情報を作成することが無いので、未認証の印刷情報を作成せずにすむので、セキュリティが向上する。
【0087】
[印刷装置1が実行する処理]
図11は、値引きラベルを発行するシーケンスの一例である。
図11のシーケンスは、例えば印刷装置1の電源がオンになったら開始される。
【0088】
取得部181は、値引きラベルを印刷するためのテンプレートの選択を受け付ける(ステップS1)。例えば、取得部181は、記憶部17に記憶された複数のテンプレートのうち一のテンプレートの選択を受け付ける。この場合、印刷装置1を操作するユーザは、入力装置11に所定の数値を入力することで、入力した数値に対応する一のテンプレートを選択できる。
【0089】
取得部181は、記憶部17に選択されたテンプレートが記憶されているか否かを判定する(ステップS2)。取得部181は、選択されたテンプレートが記憶されていない場合(ステップS2でNo)、選択されたテンプレートの取得要求を管理装置2に送信する(ステップS3)。管理装置2は、印刷装置1からテンプレートの取得要求を取得すると、値引きラベル用のテンプレートを印刷装置1に送信する(ステップS4)。なお、通常の印刷装置1には、記憶メディアやネットワークにより、予め複数のテンプレートが記憶されている。そのため、ラベル印刷システムにおいては、選択されたテンプレートを取得するための処理(ステップS2からステップS4)が稼働することが少ないので、選択されたテンプレートを取得するための処理を省略してもよい。
【0090】
取得部181は、入力部11に入力された商品の価格を値引くための第2割引情報を取得する(ステップS5)。具体的には、取得部181は、ユーザが割引率として入力部11に入力した数値を第2割引情報として取得する。取得部181は、選択されたテンプレートを取得した後、バーコードリーダ12を介して値引きする商品に張り付けられたバーコードA(
図1を参照)を読み取る(ステップS6)。取得部181は、読み取ったバーコードAから、第2商品識別情報[22761]及び第2値引き前価格情報[1000]を入力情報として取得する。
【0091】
作成部182は、一のテンプレートの第1情報を入力情報で書き換えることにより印刷情報を作成する(ステップS7)。具体的には、作成部182は、第1情報の第1割引情報を第2割引情報に、第1値引き前価格情報を第2値引き前価格情報に、第1値引き後価格情報を第2値引き後価格情報に書き換えることにより印刷情報を作成する。印刷制御部183は、印刷部13を制御して印刷情報に対応する印刷画像を感熱紙Sに印刷させる(ステップS8)。
【0092】
送信制御部184は、印刷が完了したか否かを判定する(ステップS9)。送信制御部184は、印刷が完了していなければ(ステップS9でNo)、印刷が完了するまで所定間隔(例えば100ミリ秒)毎にステップS9を繰り返す。送信制御部184は、印刷が完了したら(ステップS9でYes)、選択を受け付けたテンプレートを識別するためのテンプレートID(識別情報)と、印刷情報のうちの一部の第2情報とを管理装置2に送信する(ステップS10)。第2情報は、値引きする商品の第2商品識別情報、第2割引率及び第2割引後価格を管理装置2に送信する。印刷装置1がテンプレートID及び第2情報を管理装置2に送信すると、ステップS1に戻り、印刷装置1及び管理装置2は、印刷装置1の電源がオンの間ステップS1からステップS10までの処理を繰り返す。
【0093】
[印刷装置1の効果]
以上説明したとおり、印刷装置1は、複数の情報のうちの一部の第1情報を書き換え可能なテンプレートを記憶している。印刷装置1は、テンプレートの第1情報を、取得した入力情報に基づいて書き換えてラベルを発行する。そして、印刷装置1は、発行したラベルに印刷された情報のうちの一部の第2情報を管理装置2に送信する。
【0094】
これにより、印刷装置1は、管理装置2と通信することなくラベルを発行し、ラベルが発行されたときに印刷された情報の一部の第2情報を送信する。そのため、印刷装置1は、ラベルを発行するために管理装置2と通信する必要が無く、印刷装置1と管理装置2の間の情報の送受信を低減できる。また、管理装置2を管理する事業者は、印刷装置1が印刷した内容を把握できるようになる。
【0095】
さらに、印刷装置1は、ステータスや印字の完了のみを通知する従来の印刷装置に対し、入力された情報、印刷の完了、及び印刷した内容を通知できるので、種々のアプリケーションに対応できる。例えば、印刷装置1にタッチパネル式のディスプレイを設ける事により、銀行・病院等の受付番号発券、映画館・遊園地等のチケットの発行(オンライン受付端末)、回転寿司受付端末、病院等の検査結果表出力端末、病院・会員制店舗の予約システムなどに適用することができる。
【0096】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【符号の説明】
【0097】
1 印刷装置
10 バスライン
11 入力装置
12 バーコードリーダ
13 印刷部
131 サーマルヘッド
132 プラテンローラ
133 固定刃
134 可動刃
14 デバイスコントローラI/F
15 通信部
16 ネットワークI/F
17 記憶部
171 ROM
172 RAM
18 制御部
181 取得部
182 作成部
183 印刷制御部
184 送信制御部
2 管理装置
6 タブレット
S 感熱紙