(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023137710
(43)【公開日】2023-09-29
(54)【発明の名称】掃除装置
(51)【国際特許分類】
A47L 9/28 20060101AFI20230922BHJP
A47L 9/02 20060101ALI20230922BHJP
【FI】
A47L9/28 Z
A47L9/28 U
A47L9/02 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022044035
(22)【出願日】2022-03-18
(71)【出願人】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092565
【弁理士】
【氏名又は名称】樺澤 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100112449
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 哲也
(74)【代理人】
【識別番号】100062764
【弁理士】
【氏名又は名称】樺澤 襄
(72)【発明者】
【氏名】矢嶋 陽介
【テーマコード(参考)】
3B057
3B061
【Fターム(参考)】
3B057DE02
3B057DE06
3B061AA06
3B061AA26
(57)【要約】
【課題】掃除時の運動量又は消費カロリに関する情報を精度よく表示させることができる掃除装置を提供する。
【解決手段】掃除装置Aは、状態検出手段17と、算出手段18と、情報伝達手段19と、を備える。状態検出手段17は、掃除対象の状態を検出する。算出手段18は、状態検出手段17の検出結果に基づき掃除時の運動量又は消費カロリを算出する。情報伝達手段19は、外部機器5に情報を伝達可能である。情報伝達手段19は、算出手段18により算出された運動量又は消費カロリに関する情報を表示手段Dに表示させるように外部機器5に伝達可能である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
掃除対象の状態を検出する状態検出手段と、
前記状態検出手段の検出結果に基づき掃除時の運動量又は消費カロリを算出する算出手段と、
外部機器に情報を伝達可能な情報伝達手段と、を備え、
前記情報伝達手段は、前記算出手段により算出された運動量又は消費カロリに関する情報を表示手段に表示させるように前記外部機器に伝達可能である
ことを特徴とする掃除装置。
【請求項2】
掃除対象の状態を検出する状態検出手段と、
外部機器に情報を伝達可能な情報伝達手段と、
前記情報伝達手段により前記外部機器に伝達された前記状態検出手段の検出結果に関する情報に基づき掃除時の運動量又は消費カロリに関する情報を表示手段に表示させるプログラムと、
を備えることを特徴とする掃除装置。
【請求項3】
掃除対象の状態を検出する状態検出手段と、
前記状態検出手段の検出結果に基づき掃除時の運動量又は消費カロリを算出する算出手段と、
前記算出手段により算出された運動量又は消費カロリに関する情報を表示する表示手段と、
を備えることを特徴とする掃除装置。
【請求項4】
掃除対象の状態を検出する状態検出手段と、
掃除時の運動量又は消費カロリに関する情報を表示手段に表示するための前記状態検出手段の検出結果に関する情報を外部機器に伝達可能な情報伝達手段と、
を備えることを特徴とする掃除装置。
【請求項5】
前記表示手段に、掃除時の運動量又は消費カロリに関する情報が所定時間毎に表示される
ことを特徴とする請求項1ないし4いずれか一記載の掃除装置。
【請求項6】
前記掃除対象と接触可能な接触部と、前記接触部を駆動する駆動部と、を有する掃除具を備え、
前記状態検出手段は、前記駆動部の消費電流又は消費電力に基づき前記掃除対象の状態を検出する
ことを特徴とする請求項1ないし5いずれか一記載の掃除装置。
【請求項7】
掃除対象の掃除用の掃除具を備え、
前記状態検出手段は、前記掃除具の種類に基づき前記掃除対象の状態を検出する
ことを特徴とする請求項1ないし6いずれか一記載の掃除装置。
【請求項8】
塵埃を掃除する吸引力を発生させる吸引源を備え、
前記状態検出手段は、前記吸引源の消費電流の変化又は消費電力の変化に基づき前記掃除対象の状態を検出する
ことを特徴とする請求項1ないし7いずれか一記載の掃除装置。
【請求項9】
前記表示手段に表示される情報は、一回の掃除期間内の運動量又は消費カロリの経時変化とそれらの累計との少なくともいずれかに関する情報を含む
ことを特徴とする請求項1ないし8いずれか一記載の掃除装置。
【請求項10】
前記表示手段に表示される情報は、直近の掃除時の運動量又は消費カロリと、記録された掃除時の運動量又は消費カロリと、に関する情報を含む
ことを特徴とする請求項1ないし9いずれか一記載の掃除装置。
【請求項11】
前記表示手段に表示される情報は、掃除対象のエリアと、そのエリアの掃除時の運動量又は消費カロリと、が関連付けられた情報を含む
ことを特徴とする請求項1ないし10いずれか一記載の掃除装置。
【請求項12】
前記表示手段に表示される運動量又は消費カロリに関する情報は、ユーザの体温変化に応じて補正されたものである
ことを特徴とする請求項1ないし11いずれか一記載の掃除装置。
【請求項13】
前記表示手段に表示される運動量又は消費カロリに関する情報は、ユーザの心拍数変化に応じて補正されたものである
ことを特徴とする請求項1ないし12いずれか一記載の掃除装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、掃除時の運動量又は消費カロリを表示手段に表示させる掃除装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電気掃除機を使用するユーザにとって、自分の掃除による運動量又は消費カロリを把握したいというニーズがある。そこで、従来、ユーザにより床面に沿って移動される吸込口体の移動状態を検出し、その移動状態の時間変化に基づき運動量又は消費カロリを算出して、表示手段に表示するものが知られている。しかしながら、掃除時の運動量又は消費カロリについては、例えば床面の種類等、掃除対象の状態によって異なることから、これらを加味してより精度よく算出することが求められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、掃除時の運動量又は消費カロリに関する情報を精度よく表示させることができる掃除装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の掃除装置は、状態検出手段と、算出手段と、情報伝達手段と、を備える。状態検出手段は、掃除対象の状態を検出する。算出手段は、状態検出手段の検出結果に基づき掃除時の運動量又は消費カロリを算出する。情報伝達手段は、外部機器に情報を伝達可能である。情報伝達手段は、算出手段により算出された運動量又は消費カロリに関する情報を表示手段に表示させるように外部機器に伝達可能である。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】第1の実施形態の掃除装置を示す斜視図である。
【
図3】(a)は同上掃除装置の掃除具の第一例を示す斜視図、(b)は同上掃除装置の掃除具の第二例を示す斜視図、(c)は同上掃除装置の掃除具の第三例を示す斜視図、(d)は同上掃除装置の掃除具の第四例を示す斜視図である。
【
図4】(a1)は同上掃除具を掃除対象に接触させていない状態を模式的に示す断面図、(a2)は同上掃除具を掃除対象に接触させた状態を模式的に示す断面図、(b1)は(a1)に対応する消費電流の時間変化の例を示すグラフ、(b2)は(a2)に対応する消費電流の時間変化の例を示すグラフである。
【
図5】(a1)は同上掃除具を掃除対象上で停止させた状態を模式的に示す断面図、(a2)は同上掃除具を掃除対象上で前進させた状態を模式的に示す断面図、(a3)は同上掃除具を掃除対象上で後進させた状態を模式的に示す断面図、(b1)は(a1)に対応する消費電流の時間変化の例を示すグラフ、(b2)は(a2)に対応する消費電流の時間変化の例を示すグラフ、(b3)は(a3)に対応する消費電流の時間変化の例を示すグラフである。
【
図6】(a1)は同上掃除対象が木床等である場合を模式的に示す断面図、(a2)は同上掃除対象が絨毯等である場合を模式的に示す断面図、(b1)は(a1)に対応する消費電流の時間変化の例を示すグラフ、(b2)は(a2)に対応する消費電流の時間変化の例を示すグラフである。
【
図7】同上掃除装置の温度センサの例を模式的に示す説明図である。
【
図8】同上掃除装置の光センサの例を示す斜視図である。
【
図9】同上掃除装置の処理の一例を示すフローチャートである。
【
図10】同上掃除装置の表示手段の一表示例を示す説明図である。
【
図11】同上掃除装置の表示手段の他の表示例を示す説明図である。
【
図12】同上掃除装置の処理の他の例を示すフローチャートである。
【
図13】同上掃除装置の表示手段のさらに他の表示例を示す説明図である。
【
図14】第2の実施形態の掃除装置を示すブロック図である。
【
図15】第3の実施形態の掃除装置を示す斜視図である。
【
図17】第3の実施形態の掃除装置を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
(第1の実施形態)
以下、第1の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0008】
図1及び
図2において、1は電気掃除機を示す。本実施形態では、電気掃除機1として、コードレス式のスティック型掃除機を例に挙げる。つまり、本実施形態の電気掃除機1は、吸引型の電気掃除機である。
【0009】
電気掃除機1は、掃除機本体10を有する。掃除機本体10には、吸引用の負圧を生じさせる電動送風機等の吸引源11が配置されている。また、掃除機本体10には、吸引源11により吸引された含塵空気から塵埃を分離捕集する分離部12が配置されている。さらに、掃除機本体10には、吸引源11等の動作を制御する本体制御手段13が配置されている。本体制御手段13としては、マイクロコンピュータが好適に用いられる。本体制御手段13は、例えば中央処理装置としてのCPUや、一時記憶装置としてのRAM、記憶装置としてのEEPROM、ROMや、入出力インタフェース等がバスを介して接続されて構成されている。
【0010】
吸引源11及び本体制御手段13は、掃除機本体10に装着された電源部14から給電を受ける被給電部である。電源部14は、商用電源等の外部電源から電力を取るコードリール装置でもよいし、一次電池、二次電池又は蓄電池等の電池でもよい。
【0011】
また、掃除機本体10には、吸引源11の動作、つまり電気掃除機1の運転のオンオフ等を操作する操作スイッチ15が配置されている。操作スイッチ15は、本体制御手段13と電気的に接続されている。操作スイッチ15の操作により吸引源11の動作のオンオフ等が本体制御手段13に設定され、その設定に応じて本体制御手段13が吸引源11の動作を制御する。つまり、操作スイッチ15の操作に応じて、電気掃除機1の運転の開始及び終了、又は、掃除の開始及び終了が設定される。
【0012】
掃除機本体10には、使用者が把持可能な把持部100が形成されている。本実施形態において、掃除機本体10は、長手状に形成され、把持部100が掃除機本体10の長手方向に沿って配置されている。好ましくは、把持部100に操作スイッチ15が配置され、把持部100を把持した手で使用者が操作スイッチ15を操作可能となっている。
【0013】
また、掃除機本体10には、分離部12の上流側に連通する本体吸込口101が形成されている。本体吸込口101に、塵埃を吸引するための風路体16が接続される。本体吸込口101に接続された風路体16が、把持部100によって操作される。図示される例では、本体吸込口101は、掃除機本体10の長手方向の一端部である前端部に配置されている。また、掃除機本体10には、吸引源11の下流側に連通する本体排気口が形成されている。分離部12で塵埃が分離された空気が本体排気口から排出される。
【0014】
本実施形態において、風路体16は、直管部である延長管160と、延長管160に着脱可能なアタッチメントである掃除具161と、を有する。掃除具161は、本体吸込口101に直接着脱可能でもよい。
【0015】
好ましくは、掃除具161は、異なる掃除対象の掃除に用いられる複数種類のものから択一的に用いる。大別して、掃除具161としては、給電により駆動される駆動部を有する駆動式のものと、給電不要の非駆動式のものと、がある。掃除具161の例としては、
図3(a)に示す吸込口体である床ブラシ1610、
図3(b)に示す吸込口体である家具ブラシ1611、
図3(c)に示す吸込口体である隙間ノズル1612、
図3(d)に示す吸込口体である布団ブラシ1613等が挙げられる。その他、任意の掃除具161を用いてよい。
【0016】
図3(a)に示す床ブラシ1610は、基本的に木床や絨毯等の一定以上の面積を有する床面等の掃除対象の掃除に適するものである。床ブラシ1610は、ケース体16100と、ケース体16100に連なる接続部16101と、を備える。ケース体16100は、掃除対象に載置される。ケース体16100は、左右方向に長手状、つまり横長に形成されている。ケース体16100の下部には、集塵口が形成されている。集塵口は、ケース体16100の長手方向である左右方向に延びて形成されている。本実施形態では、集塵口は、吸引源11(
図1に示す)の駆動による吸引力が作用して掃除対象上の塵埃を吸い込む吸込口である。接続部16101は、集塵口と連通する管部である。接続部16101が延長管160(
図1に示す)又は本体吸込口101(
図1に示す)に接続される。図示される例では、接続部16101は、ケース体16100に対して回動可能に接続される。好ましくは、床ブラシ1610は、駆動式のものである。図示される例では、床ブラシ1610は、接触部としての回転体16102と、回転体16102を駆動する駆動部16103と、が配置されたパワーブラシである。回転体16102は、回転可能に設けられ、床面等の掃除対象と接触して摩擦を生じさせる。基本的に、回転体16102は、床ブラシ1610を掃除対象に載置した状態で掃除対象と常時接触する。本実施形態において、回転体16102は、回転清掃体又は回転ブラシである。つまり、本実施形態の回転体16102は、回転により掃除対象の塵埃を掻き出す機能を有する。回転体16102は、集塵口に配置されている。これに限らず、回転体16102は、掃除対象に接触して床ブラシ1610の移動を補助する走行輪等でもよい。駆動部16103は、例えば電動機等のアクチュエータである。駆動部16103は、給電されて動作する。本実施形態において、駆動部16103は、電源部14(
図1に示す)からの給電により駆動する。駆動部16103は、接続部16101を延長管160又は本体吸込口101(
図1に示す)に接続することで掃除機本体10側と電気的に接続される。
【0017】
図3(b)に示す家具ブラシ1611は、丸ブラシ等とも呼ばれる。家具ブラシ1611は、基本的に家具や小物等の比較的小さい面積の掃除対象の掃除に適するものである。家具ブラシ1611は、円筒状又は円環状のブラシ部16110と、ブラシ部16110から傾斜状に突出する接続部16111と、を一体的に備える。ブラシ部16110は、接続部16111に対して拡大されている。ブラシ部16110は、円形状の吸込口を囲んで形成されている。ブラシ部16110の下部、つまり吸込口の周辺には、ブラシ毛161100が植毛されている。ブラシ毛161100は、掃除対象と接触する。また、接続部16111は、吸込口と連通する。接続部16111が延長管160(
図1に示す)又は本体吸込口101(
図1に示す)に接続される。接続部16111は、直管状に形成されている。本実施形態において、家具ブラシ1611は、駆動部を有しない、つまり非駆動式の吸込口体である。
【0018】
図3(c)に示す隙間ノズル1612は、つる口等とも呼ばれる。隙間ノズル1612は、基本的に家具の隙間等の狭所の床面や部屋の隅の床面等の掃除対象の縁部の掃除に適するものである。隙間ノズル1612は、吸込部16120と、接続部16121と、を一体的に備える。吸込部16120は、筒状に形成されている。吸込部16120は、接続部16121側である基端部側から先端部側へと、徐々に左右の幅が狭くなるように形成されている。吸込部16120の先端部が、吸込口となっている。接続部16121は、吸込口と連通する。接続部16121が延長管160(
図1に示す)又は本体吸込口101(
図1に示す)に接続される。接続部16121は、直管状に形成されている。本実施形態において、隙間ノズル1612は、駆動部を有しない、つまり非駆動式の吸込口体である。
【0019】
図3(d)に示す布団ブラシ1613は、基本的に表面生地とその中身とを有する布団や座布団等の一定以上の厚みを有する比較的柔らかい掃除対象の掃除に適するものである。布団ブラシ1613は、ケース体16130と、ケース体16130に連なる接続部16131と、を備える。ケース体16130は、掃除対象に載置される。ケース体16130は、左右方向に長手状、つまり横長に形成されている。ケース体16130の下部には、集塵口が形成されている。集塵口は、ケース体16130の長手方向である左右方向に延びて形成されている。本実施形態では、集塵口は、吸引源11(
図1に示す)の駆動による吸引力が作用して掃除対象上の塵埃を吸い込む吸込口である。接続部16131は、集塵口と連通する管部である。接続部16131が延長管160(
図1に示す)又は本体吸込口101(
図1に示す)に接続される。図示される例では、接続部16131は、ケース体16130に対して回動可能に接続される。布団ブラシ1613は、接触部としての叩打体を有する。叩打体は、上下動可能又は回転可能に設けられ、掃除対象を叩打して塵埃を叩き出すもので、掃除対象と接触可能である。つまり、叩打体は、布団ブラシ1613を掃除対象に載置した状態で、掃除対象と常時接触又は掃除対象と間欠的に接触する。本実施形態において、叩打体は、駆動部16134により駆動される。すなわち、本実施形態において、布団ブラシ1613は、駆動式の吸込口体である。駆動部16134は、例えば電動機等のアクチュエータである。駆動部16134は、給電されて動作する。図示される例では、駆動部16134は、電源部14(
図1に示す)からの給電により駆動する。駆動部16134は、接続部16131を延長管160又は本体吸込口101(
図1に示す)に接続することで掃除機本体10側と電気的に接続される。これに限らず、叩打体は、掃除対象上での布団ブラシ1613又はケース体16130の移動に伴い機械的に動作されてもよい。すなわち、布団ブラシ1613は、非駆動式の吸込口体でも構わない。
【0020】
そして、
図1及び
図2に示すように、電気掃除機1は、掃除時のユーザの運動量又は消費カロリに関する情報を掃除対象の状態に応じて表示可能とする掃除装置Aの少なくとも一部を構成する。なお、以下、説明を明確にするために、「掃除時のユーザの運動量又は消費カロリ」を単に「消費カロリ」と総称して説明するが、実施形態を消費カロリのみに限定することを意図するものではなく、消費カロリに代えて、運動量として消費カロリと正の相関を有する任意の指標を用いてもよい。
【0021】
本実施形態において、掃除対象の状態とは、例えば掃除対象の種類又は表面性状、掃除対象の掃除時の負荷等をいう。掃除対象の種類としては、木床、絨毯、畳、家具、小物、布団等が挙げられる。掃除対象の掃除時の負荷としては、例えば掃除具161が掃除対象に接触しているか否か、掃除対象の掃除のし易さ、つまり畳や絨毯等の掃除対象の場合にはそれらの目に沿って掃除しているか否か等、あるいは、掃除具161を掃除対象に接触した状態で前進させているか後進させているか等が挙げられる。一般に、ユーザの掃除の状態は、必ずしも決まった形ではなく、掃除対象の状態によって異なることがある。したがって、本実施形態の掃除装置Aでは、掃除対象の状態を検出することにより、その掃除時のユーザの動作や負荷を推測し、その動作や負荷に基づき消費カロリを精度よく推定して、消費カロリに関する情報を表示可能とする。例えば、上記の掃除具161の種類の場合、
図3(a)に示す床ブラシ1610、
図3(d)に示す布団ブラシ1613、
図3(b)に示す家具ブラシ1611、
図3(c)に示す隙間ブラシ1612の順に消費カロリが小さくなる。
【0022】
そこで、
図1及び
図2に示すように、本実施形態の電気掃除機1は、掃除対象の状態を検出する状態検出手段17を備える。状態検出手段17は、掃除中の掃除対象の状態、又は、電気掃除機1を使用して掃除をしている間の掃除対象の状態を検出する。例えば、状態検出手段17は、電気掃除機1が運転中であること、又は、吸引源11が動作中であること、又は、操作スイッチ15により掃除の開始操作が入力されかつ停止操作が入力されていないこと、を条件の少なくとも一つとして掃除対象の状態を検出する。
【0023】
状態検出手段17は、検出子と、検出子と電気的に接続されて検出子により検出された信号を処理して出力する処理部と、を有する検出回路又はセンサ回路が好適に用いられる。状態検出手段17の例としては、掃除具161の種類に基づき掃除対象の種類を検出するものが挙げられる。すなわち、ユーザは、掃除対象に応じて、その掃除対象の掃除に適した掃除具161を選択使用すると考えられることから、掃除具161の種類を判別することで、掃除対象の種類を間接的に判別することが可能である。
【0024】
一例として、状態検出手段17は、掃除具161の種類を判別する掃除具判別手段の機能を有する。例えば、状態検出手段17は、掃除具161に備えられる検出部を介して掃除具161の種類を判別する。検出部の例としては、電気部品が挙げられる。電気部品としては、マイクロコンピュータや検出抵抗が好適に用いられる。マイクロコンピュータの場合には、状態検出手段17によって読み取り可能な情報が掃除具161毎に予め記録され、その情報を読み取ることにより掃除具161の種類を判別可能とする。検出抵抗の場合には、掃除具161毎に異なる抵抗値に応じて、駆動式の掃除具161の種類を判別可能とする。
【0025】
また、検出部として電気部品を用いる場合、状態検出手段17は、掃除具判別手段の機能として、駆動式の掃除具161と非駆動式の掃除具161とを判別するようにしてもよい。すなわち、非駆動式の掃除具161の場合、通常掃除機本体10の電源部14と電気的に接続するための接点や配線を有していないことを利用して、状態検出手段17では、検出部として電気部品が検出される掃除具161を駆動式の掃除具161、検出部として電気部品が検出されない掃除具161を非駆動式の掃除具161と判別することも可能である。
【0026】
なお、検出部としては、電気部品に限らず、機械的構成を用いてもよい。例えば、掃除具161に応じて形状が異なる凹凸等、掃除具161の種類を機械的に検出可能な任意の構成を用いることが可能である。
【0027】
さらに、掃除具161の種類を判別する状態検出手段17の他の例として、吸引源11の消費電力又は消費電流に基づき掃除具161を判別してもよい。以下、説明を明確にするために、「消費電力又は消費電流」については、「消費電流」と総称して説明するが、実施形態を消費電流に限定することを意図するものではなく、消費電力と読み替えてよい。
【0028】
好ましくは、状態検出手段17は、吸引源11の消費電流の変化に基づき掃除具161を判別することにより、掃除対象の状態を間接的に検出する。つまり、掃除具161は、その種類によって吸込口の開口面積が異なり、吸込口の開口面積が小さいほど、又は、真空度が高いほど、吸引源11の消費電流が大きくなる。そのため、状態検出手段17は、吸引源11の消費電流が変化したことに応じて、掃除具161の種類を判別可能である。例えば、状態検出手段17は、掃除具161のいずれか、一例として床ブラシ1610を用いたときの吸引源11の消費電流を基準として処理部等に記憶し、その基準となる消費電流に対して、吸引源11の消費電流が増加したか、減少したか、維持されているか、に応じて、掃除具161の種類を判別可能である。
【0029】
また、ユーザは、掃除対象に応じて、掃除具161を装着して電気掃除機1を使用したり、掃除具161を装着せずに電気掃除機1を使用したりすることも考えられる。そのため、状態検出手段17の他の例として、掃除具161の着脱を検出する着脱検出手段の機能を有していてもよい。例えば、状態検出手段17は、掃除具161に備えられる検出部の検出の有無に応じて、掃除具161の装着の有無を判別してもよい。また、掃除具161を装着した状態では、掃除具161を装着していない状態よりも真空度が増加し、上記のように、真空度の増減に伴い吸引源11の消費電流が増減することから、状態検出手段17は、吸引源11の消費電流が変化したことに応じて、掃除具161の装着の有無を判別してもよい。
【0030】
さらに、状態検出手段17の例として、駆動式の掃除具161を用いる場合には、掃除対象の状態を、駆動部の消費電流に基づき検出してもよい。
【0031】
図4ないし
図6に、駆動式の掃除具161の例として床ブラシ1610を用いた場合を示す。例えば、駆動部16103により回転体16102を回転させた状態で、
図4(a1)に示すように床ブラシ1610を掃除対象に接触させていないとき又はユーザが床ブラシ1610で掃除をしていないときは、
図4(b1)に示すように駆動部16103の消費電流が相対的に小さく、
図4(a2)に示すように床ブラシ1610を掃除対象に接触させているときには、
図4(b2)に示すように駆動部16103の消費電流が相対的に大きい。そのため、駆動部16103の消費電流の大小に基づき、掃除対象の状態として、床ブラシ1610と掃除対象とが接触しているか否かを検出することが可能である。
【0032】
また、駆動部16103により回転体16102を回転させた状態で、
図5(a1)に示すように床ブラシ1610を、掃除対象上に停止させているとき又はユーザが掃除動作をしていないときの
図5(b1)に示す駆動部16103の消費電流と比較して、
図5(a2)に示すように床ブラシ1610を押して掃除対象上で前進させているときは、
図5(b2)に示すように駆動部16103の消費電流が相対的に小さく、
図5(a3)に示すように床ブラシ1610を引いて掃除対象上で後進させているときには、
図5(b3)に示すように駆動部16103の消費電流が相対的に大きい。特に、回転体16102を前方に回転させている場合には、床ブラシ1610を前進させたときに回転体16102の回転方向と同方向となり、床ブラシ1610を後進させたときに回転体16102の回転方向と逆方向となるため、この傾向が強い。そのため、駆動部16103の消費電流の大小に基づき、掃除対象の状態として、床ブラシ1610が掃除対象上で移動しているか停止しているか、さらには、床ブラシ1610が掃除対象上で前進しているか、停止しているか、後進しているか、つまり、ユーザが床ブラシ1610を押しているか、停止させているか、引いているか、を検出することが可能である。
【0033】
さらに、駆動部16103により回転体16102を回転させた状態で、
図6(a1)に示すように掃除対象が木床等の平坦状で接触抵抗が比較的小さい床面であるときは、
図6(b1)に示すように駆動部16103の消費電流が相対的に小さく、
図6(a2)に示すように掃除対象が絨毯等の軟質で接触抵抗が比較的大きい床面であるときは、
図6(b2)に示すように駆動部16103の消費電流が相対的に大きい。すなわち、掃除対象の接触抵抗の大小に応じて、駆動部16103の消費電流が増減される。そのため、駆動部16103の消費電流の大小に基づき、掃除対象の状態として、掃除対象の種類を検出することが可能である。
【0034】
図1及び
図2に示す状態検出手段17は、基本的に掃除機本体10に配置されているが、その他の位置に配置されていてもよい。状態検出手段17は、本体制御手段13に統合されていてもよい。
【0035】
そして、本実施形態の電気掃除機1は、状態検出手段17による掃除対象の状態の検出結果に基づき、消費カロリを算出する算出手段18を備える。算出手段18としては、マイクロコンピュータが好適に用いられる。算出手段18は、例えば中央処理装置としてのCPUや、一時記憶装置としてのRAM、記憶装置としてのEEPROM、ROMや、入出力インタフェース等がバスを介して接続されて構成されている。
【0036】
算出手段18は、記憶部等に予め設定された数式等を用いてユーザの消費カロリを算出する。一例として、算出手段18は、下記の数式を用いてユーザの消費カロリを算出する。
【0037】
(消費カロリ)=ユーザ体重(kg)×METs×運動時間(分)×0.0175
【0038】
ここで、ユーザ体重については、ユーザが掃除機本体10に設けられたスイッチやボタン等の任意の入力手段を用いて入力してもよいし、体重そのものを入力するものに限らず、入力手段を用いてユーザの性別や年齢等を入力することで、それに応じて予め記録された標準体重や平均体重等を用いてもよい。
【0039】
また、METsとは、活動強度の指標であり、安静に座っている状態を1としたとき、活動がその何倍のエネルギを消費するかを示したものである。
【0040】
本実施形態において、運動時間は、算出手段18が消費カロリを算出する単位時間をいう。
【0041】
そして、算出手段18による消費カロリの算出は、上記の数式等に対して、状態検出手段17から受け取った掃除対象の状態の検出結果に応じて補正される。本実施形態では、算出手段18は、状態検出手段17から受け取った掃除対象の状態の検出結果を示す信号を受け取ると、その信号を処理して、検出結果に応じてMETsを補正することで、掃除対象の状態に基づく消費カロリを算出する。例えば、一般的な掃除の場合、METsは3.0~3.3程度と考えられるものの、掃除対象の状態に応じて、当該数値は異なる。そこで、本実施形態の算出手段18は、掃除対象の状態に応じてMETsの値を変更することで、掃除対象の状態に応じた消費カロリを算出可能となっている。なお、算出手段18における補正は、状態検出手段17から受け取った一回分の掃除対象の状態の情報に基づいてもよいし、複数回分の掃除対象の状態の情報の平均値や最大値、最小値等の代表値に基づいてもよい。また、算出手段18における補正は、METsの値の補正に限らず、運転時間を補正したり、数式自体に補正値を加減したり乗じたりすることで実施することも可能である。また、算出手段18による消費カロリの算出は、上記のMETsを用いた数式以外の任意の数式等を用いてもよい。
【0042】
さらに、算出手段18における消費カロリの算出は、センサによるユーザの検出値に応じて補正されてもよい。センサの一例としては、ユーザの体温を検出する温度検出手段である温度センサ2が挙げられる。温度センサ2は、ユーザの体温を検出できる任意の構成としてよい。例えば、
図7に示すように、温度センサ2が、算出手段18と有線又は無線接続される環状の検出器20を備え、検出器20をユーザUが腕等の温度検出可能な位置に装着することで、検出器20によって取得したユーザUの体温を示す信号を
図1及び
図2に示す算出手段18に伝達してもよいし、ユーザが把持する把持部100に配置されて、把持部100を把持したユーザの手から体温を検出し、その体温を示す信号を算出手段18に伝達してもよい。例えば、温度センサ2の検出結果に応じて、体温変化が所定以上のユーザについては、算出手段18が、METsの値を増やしたり、数式自体を補正値により増加させたりしてよい。
【0043】
センサの他の例としては、ユーザの心拍数を検出する心拍数検出手段が挙げられる。心拍数検出手段は、任意の構成としてよいが、例えば光センサ3が挙げられる。光センサ3は、ユーザの指先の色を判別することで、ユーザの心拍数を検出し、その心拍数の検出結果を示す信号を算出手段18に伝達する。光センサ3は、
図8に示すように、ユーザが把持する把持部100に配置されている。例えば、光センサ3の検出結果に応じて、心拍数変化が所定以上のユーザについては、算出手段18が、METsの値を増やしたり、数式自体を補正値により増加させたりしてよい。
【0044】
図1及び
図2に示すように、算出手段18は、基本的に掃除機本体10に配置されているが、その他の位置に配置されていてもよい。算出手段18は、本体制御手段13に統合されていてもよい。
【0045】
好ましくは、状態検出手段17により検出された掃除対象の状態に関する情報、又は、算出手段18により算出された消費カロリに関する情報は、記録手段Mに記録される。本実施形態では、記録手段Mが電気掃除機1に設けられている例を示す。記録手段Mは、例えば不揮発性のメモリである。掃除対象の状態に関する情報とは、状態検出手段17の検出値そのものでもよいし、その検出値と相関を有するパラメータ等でもよい。同様に、消費カロリに関する情報とは、算出手段18による算出値そのものでもよいし、その算出値と相関を有するパラメータでもよい。記録手段Mへの記録は、状態検出手段17により掃除対象の状態を検出したとき、又は、算出手段18により消費カロリを算出したときに、都度行ってもよいし、所定時間毎に一括して行ってもよい。また、状態検出手段17により検出された掃除対象の状態に関する情報、又は、算出手段18により算出された消費カロリに関する情報は、すべてを記録手段Mに記録してもよいし、その中のいずれか、最大値、最小値、あるいは複数の値の平均値等の代表値のみを記録してもよい。
【0046】
好ましくは、記録手段Mに記録される消費カロリに関する情報は、その情報を算出した日時等と関連付けられる。また、記録手段Mには、温度センサ2により検出されたユーザの体温あるいは体温変化、及び/又は、光センサ3により検出されたユーザの心拍数あるいは心拍数変化が記録されてもよいし、これらが消費カロリに関する情報に関連付けられていてもよい。
【0047】
そして、本実施形態の掃除装置Aでは、算出手段18により算出された消費カロリに関する情報を、表示手段Dに表示させる。表示手段Dは、例えば液晶又は有機EL等のフラットパネルディスプレイが好適に用いられる。
【0048】
本実施形態において、表示手段Dは、外部機器5に備えられている。外部機器5は、専用のものでも汎用のものでもよいが、例えば電気掃除機1とは別体でユーザが所持する汎用のスマートフォン等の情報端末が好適に用いられる。スマートフォン等の外部機器5においては、各種の情報を入力可能な入力手段として、スイッチやボタン等の入力手段を備えていてもよいが、表示手段Dがタッチパネル機能を有することが好ましい。つまり、表示手段Dに表示されたアイコン等のGUIにユーザがタッチすることにより、そのタッチしたGUIに対応した信号が取得され、送られることにより、表示手段Dが入力手段として機能するようにすることが好ましい。
【0049】
したがって、本実施形態の掃除装置Aでは、電気掃除機1が、算出手段18により算出された消費カロリに関する情報を外部機器5に伝達する手段を備える。一例として、電気掃除機1は、情報伝達手段19を備える。情報伝達手段19は、電気掃除機1が有する情報を外部へと伝達する機能を有する。情報伝達手段19は、算出手段18により算出された消費カロリを示す数値やその数値に相関を有するパラメータ等を信号として直接伝達してもよいし、算出手段18により算出されて記録手段Mに記録された、消費カロリに関する情報を信号として伝達してもよい。
【0050】
情報伝達手段19から伝達される情報は、外部機器5において、情報取得手段50により取得される。情報取得手段50は、情報を示す信号を取得するのみの手段でもよいし、情報を示す信号を送受信可能な、つまり相互通信可能な手段でもよい。本実施形態において、情報伝達手段19及び情報取得手段50としては、例えば、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、NFC(Near Field Communication)等の公知の技術を適用することができる。なお、情報伝達手段19及び情報取得手段50は、例えば有線により情報を伝達するものでもよいし、情報伝達手段19として、電気掃除機1及び外部機器5にそれぞれ着脱可能、かつ、情報を外部機器5の情報取得手段50により読み取り可能に記録する専用又は汎用のメモリカード等の記憶手段を用いてもよい。また、情報伝達手段19及び情報取得手段50は、消費カロリに関する情報に限らず、電気掃除機1側又は外部機器5側からの各種の情報を通信可能としてよい。すなわち、本実施形態において、これら情報伝達手段19及び情報取得手段50の相互の情報のやり取りによって、電気掃除機1側と外部機器5側との一方に入力された設定や指示は、信号として他方にも送ることができるものとする。
【0051】
情報取得手段50は、取得した情報を表示制御手段51に送ることが可能となっている。表示制御手段51は、表示手段Dの表示を制御する画像処理エンジン等である。表示制御手段51は、情報取得手段50を介して取得した消費カロリに関する情報を示す信号を処理し、その情報を表示するように表示手段Dを制御する。なお、表示制御手段51により表示手段Dに表示する消費カロリに関する情報は、算出手段18により算出された消費カロリと一対一に対応していてもよいし、算出手段18により複数の単位時間毎に算出された消費カロリのいずれか、あるいはそれらの平均値や最大値、最小値等の代表値等でもよい。
【0052】
表示手段Dによる「消費カロリに関する情報」の表示態様は、消費カロリの数値でもよいし、数値の経時変化に関する情報でもよいし、数値の累計に関する情報でもよいし、それらの任意の組み合わせでもよいし、消費カロリが多い、少ない、等の、消費カロリと相関を有する表示でもよい。その表示の態様としては、文字表示でもよいし、図、グラフ、色、濃淡、キャラクタ、アニメーション等を用いたグラフィカルな表示でもよいし、それらを任意に組み合わせた表示でもよい。
【0053】
なお、表示制御手段51は、消費カロリに関する情報を所定時間毎に表示手段Dに表示させてもよい。この場合には、状態検出手段17により所定時間以下の単位時間毎に掃除対象の状態を検出し、算出手段18により所定時間以下の単位時間毎に消費カロリを算出し、情報伝達手段19により所定時間以下の単位時間毎に消費カロリに関する情報を伝達し、情報取得手段50により所定時間以下の単位時間毎に消費カロリに関する情報を取得する。「所定時間」は、予め設定されていてもよいし、ユーザが任意に設定してもよい。ユーザが設定する場合には、電気掃除機1又は外部機器5に設けられている所定時間設定手段を用いて設定するものとする。この「所定時間」を1秒以下等、短く設定することで、表示制御手段51は、消費カロリに関する情報を、表示手段Dに実質的にリアルタイム表示させることが可能になる。
【0054】
なお、状態検出手段17により掃除対象の状態を検出する単位時間、算出手段18により消費カロリを算出する単位時間、情報伝達手段19により情報を伝達する単位時間、情報取得手段50により情報を取得する単位時間のそれぞれについては、同一でもよいし、同一でなくてもよい。また、これらの処理のタイミングは必ずしもすべてが同期している必要もない。
【0055】
また、表示制御手段51は、消費カロリに関する情報を所定のタイミングで表示手段Dに一括表示させてもよい。好ましくは、掃除の終了時又は掃除の終了後のタイミングで一括表示とするが、掃除の最中でもよい。この場合、表示手段Dに表示される「消費カロリに関する情報」には、好ましくは、一回の掃除期間の消費カロリの経時変化とそれらの累計との少なくともいずれかに関する情報が含まれている。「一回の掃除期間」とは、電気掃除機1の運転開始から終了まででもよいし、操作スイッチ15により掃除開始が設定されてから掃除終了が設定されるまでの時間でもよいし、吸引源11が連続的に駆動している時間でもよい。また、電気掃除機1の運転を例えば数秒等、吸引源11が実質的に完全停止しない程度の短い所定時間以下中断した場合については、その中断前と中断後とをそれぞれ別個の「一回の掃除期間」として扱ってもよいし、それらを連続する「一回の掃除期間」として扱ってもよい。掃除の最中に一括表示をする場合には、一括表示をする時点を含む掃除期間においてその時点までの消費カロリの経時変化とそれらの累計との少なくともいずれかに関する情報を表示手段Dに表示させる。
【0056】
「一回の掃除期間」は、予め決められていてもよいし、ユーザにより任意に設定可能としてもよい。ユーザにより設定する場合には、電気掃除機1に設けられた設定手段によって、算出手段18及び情報伝達手段19等に設定し、その設定を情報伝達手段19により情報取得手段50に伝達することで、情報取得手段50及び表示制御手段51等に設定してもよいし、外部機器5に設けられた設定手段によって、情報取得手段50及び表示制御手段51等に設定し、その設定を情報取得手段50により情報伝達手段19に伝達することで、情報伝達手段19及び算出手段18等に設定してもよい。
【0057】
そして、この場合には、電気掃除機1の運転停止、又は、操作スイッチ15による停止操作、又は、吸引源11の停止、又は、電気掃除機1に設けられた表示指示手段の操作又は外部機器5に設けられた表示指示手段の操作等の所定の操作等をトリガとして、記録手段Mに記録された掃除対象の状態に基づき算出手段18により算出された消費カロリに関する情報、又は、記録手段Mに記録された消費カロリに関する情報を、表示手段Dに表示するように表示制御手段51が表示手段Dを制御する。
【0058】
さらに、表示制御手段51は、所定時間毎の表示と、一括表示と、をユーザの要求に応じて切り換えてもよい。この場合には、電気掃除機1に設けられた切換指示手段の操作又は外部機器5に設けられた切換指示手段の操作等の所定の操作をトリガとして、表示制御手段51が、表示手段Dの表示を切り換えるように制御する。
【0059】
また、表示手段Dに表示される「消費カロリに関する情報」には、消費カロリに関する情報の履歴が含まれていてもよい。消費カロリに関する情報の履歴とは、記録された消費カロリに関する情報、例えば記録手段Mに記録された過去の掃除期間における消費カロリに関する情報をいうものとする。これらの情報としては、例えば一日単位、掃除一回単位等でもよいし、記録された情報中の最大値、最小値等の代表値等でもよい。記録された消費カロリに関する情報は、単数でも複数でもよい。複数の場合、そのうちのいずれを表示手段Dに表示させるかを、電気掃除機1に設けられた選択手段又は外部機器5に設けられた選択手段によりユーザが任意に選択可能としてもよい。
【0060】
好ましくは、表示制御手段51は、記録された消費カロリに関する情報を、直近の消費カロリと比較表示させるように表示手段Dを制御する。直近の消費カロリに関する情報とは、その情報が表示手段Dに表示されている時刻から所定時間以内の掃除期間における消費カロリに関する情報をいうものとする。
【0061】
また、表示手段Dに表示される「消費カロリに関する情報」には、温度センサ2により検出された体温あるいは体温変化、及び/又は、光センサ3により検出された心拍数あるいは心拍数変化が含まれていてもよい。
【0062】
これらの情報については、表示制御手段51が、ユーザの要求に応じて任意のタイミングで表示手段Dに表示させてよい。例えば、電気掃除機1に設けられた表示設定手段又は外部機器5に設けられた表示設定手段によりユーザが任意に表示の可否を設定可能としてもよい。
【0063】
なお、上記の設定手段、表示指示手段、切換指示手段、選択手段、表示設定手段については、それぞれ電気掃除機1に設けられたボタンやスイッチ、あるいは外部機器5に設けられたボタンやスイッチ又は表示手段Dのタッチパネル機能等、任意の構成を用いてよい。
【0064】
次に、第1の実施形態の動作を説明する。
【0065】
まず、消費カロリを所定時間毎に表示手段Dに表示する場合について、
図9に示すフローチャートも参照して説明する。
【0066】
ステップS1において、掃除を開始する前に、ユーザが所定時間設定手段により所定時間を設定する。所定時間が予め設定されている場合には、このステップは不要である。
【0067】
次いで、ステップS2において、吸引源11が動作を開始する。
【0068】
この後、ステップS3において、吸引源11が停止したか否かを判断し、吸引源11が停止していないと判断した場合、ステップS4において、掃除具161が装着されているか否かを状態検出手段17により検出する。
【0069】
ステップS4において、掃除具161が装着されていることを検出した場合、ステップS5において、掃除具161が駆動式であるか否かを状態検出手段17の検出に基づき判断する。また、ステップS4において、掃除具161が装着されていることを検出しない場合又は掃除具161が装着されていないことを検出した場合、ステップS7に進む。
【0070】
ステップS5において、掃除具161が駆動式であることを検出した場合、ステップS6において、駆動部の消費電流を状態検出手段17により検出し、ステップS7に進む。
【0071】
また、ステップS5において、掃除具161が駆動式であることを検出しない場合又は駆動式でないことを検出した場合、ステップS7に進む。
【0072】
次いで、ステップS7において、所定時間が経過したか否かを判断する。
【0073】
ステップS7において、所定時間が経過したと判断しない場合又は所定時間が経過していないと判断した場合には、ステップS8において、状態検出手段17により掃除対象の状態の情報を検出して記録手段Mに記録し、ステップS3に進む。
【0074】
また、ステップS7において、所定時間が経過したと判断した場合には、ステップS9において、ステップS8で記録された掃除対象の状態の情報に基づき算出手段18により算出した消費カロリに関する情報を情報伝達手段19により情報取得手段50に伝達し、情報取得手段50からその情報を表示制御手段51に送って、表示制御手段51が消費カロリに関する情報を表示手段Dに表示させる。本実施形態では、算出手段18の算出の際には、状態検出手段17により検出された掃除対象の状態に応じて補正をする。また、算出手段18の算出の際には、必要に応じて、温度センサ2により検出したユーザの体温変化及び/又は光センサ3により検出したユーザの心拍数変化に応じて補正する。
【0075】
表示制御手段51は、
図10に示す例では、掃除中のユーザを模したキャラクタCHと数値による現在の消費カロリCAとを表示させるように表示手段Dを制御している。例えば、表示制御手段51は、状態検出手段17による掃除対象の状態の検出に基づきユーザが掃除により運動をしていると判断されるときにキャラクタCHが連動して動くように表示手段Dにアニメーション表示させてもよい。
【0076】
また、表示制御手段51は、
図11に示す例では、消費カロリに関する情報の表示を連ねることでグラフとして表示させるように表示手段Dを制御している。この表示の際、表示制御手段51は、表示手段Dに表示可能な範囲内においては、既に表示されている消費カロリに関する情報に新たに算出された消費カロリに関する情報の表示を追加していくことで、消費カロリの経時変化を表示しているとともに、それに囲まれる面積により消費カロリの累計を表示している。図示される例では、所定時間毎の消費カロリを描画することで折れ線グラフとして表示しているが、棒グラフ等の任意の表示でよい。
【0077】
また、上記の表示には、記録手段Mに記録された過去の消費カロリに関する情報を同時に表示することで、直近の消費カロリと、過去の消費カロリと、を比較可能としてもよい。
【0078】
これらの表示に限らず、表示手段Dの表示は任意に構成してよいし、そのレイアウト等も任意に設定してよい。
【0079】
そして、ステップS10において、所定時間のカウントをリセットし、ステップS3に進む。
【0080】
また、ステップS3において、吸引源11が停止したと判断した場合、制御を終了する。
【0081】
一方、消費カロリを掃除終了時に一括して表示する場合について、
図12のフローチャートを参照して説明する。
【0082】
この場合には、上記のステップS1ないしステップS8、及び、ステップS10と同様の制御をし、ステップS3において、吸引源11が停止したと判断した場合に、ステップS11において、記録手段Mに記録された状態検出手段17による検出結果に基づいて算出手段18により算出した消費カロリに関する情報の経時変化あるいは累計を表示させた後、制御を終了する。
【0083】
このように、第1の実施形態によれば、状態検出手段17による掃除対象の状態の検出結果に基づき掃除時の消費カロリを算出手段18により算出することで、掃除対象の状態によって異なる消費カロリに関する情報を、掃除対象の状態を加味して精度よく算出し、この算出した消費カロリに関する情報を表示手段Dに表示させることで、掃除時の消費カロリに関する情報を精度よく表示させることができる。
【0084】
本実施形態では、算出手段18により算出された消費カロリに関する情報を、情報伝達手段19により、表示手段Dに表示させるように外部機器5に伝達可能であるため、表示手段Dを予め備えた外部機器5を有効利用して、消費カロリに関する情報を効果的に表示可能となる。
【0085】
表示手段Dに、掃除時の消費カロリに関する情報を所定時間毎に表示する場合には、ユーザが消費カロリに関する情報をリアルタイムに参照しながら掃除をすることができるので、その情報を参照したユーザが掃除中の動作を、所望の消費カロリとなるように、リアルタイムに変えることが可能となる。
【0086】
状態検出手段17が、掃除対象と接触する掃除具161の接触部を駆動させる駆動部の消費電流に基づき掃除対象の状態を検出するため、消費電流の増減に応じて掃除対象の種類、及び、ユーザが掃除具161をどのように掃除対象上で移動させているかを検出可能となる。そのため、それぞれの運動負荷を分けて、消費カロリをより精度よく算出できる。
【0087】
また、状態検出手段17が、掃除具161の種類に基づき掃除対象の状態を検出するため、掃除具161の種類を介して、掃除対象の状態を精度よく検出でき、その検出結果に基づき消費カロリを算出できるので、消費カロリに関する情報を、より精度よく表示手段Dに表示させることができる。
【0088】
状態検出手段17が、吸引源11の消費電流の変化に基づき掃除具161の種類を検出し、その掃除具161の種類の検出に基づき掃除対象の状態を検出するため、例えば非駆動式の掃除具161等、検出部となる電気部品等を通常備えない掃除具161を用いる場合であっても、掃除具161の種類を判別でき、掃除具161の種類を介して、掃除対象の状態を精度よく検出でき、その検出結果に基づき消費カロリを算出できるので、消費カロリに関する情報を、より精度よく表示手段Dに表示させることができる。
【0089】
一例として、駆動式の掃除具161のいずれか、例えば床ブラシ1610を取り付けた状態での吸引源11の消費電流を基準とし、掃除具161の着脱及び種類の変更に伴う吸引源11の消費電流の変化を判定することで、集塵部の塵埃詰まりに起因する真空度の上昇すなわち吸引源11の消費電流の増減と、掃除具161の着脱又は種類の変更に伴う吸引源11の消費電流の増減と、を判別でき、より精度よく掃除具161の種類を判別できる。
【0090】
表示手段Dに表示される情報に、一回の掃除期間内の消費カロリの経時変化とそれらの累計との少なくともいずれかに関する情報を含むことで、掃除の終了時等のタイミングで消費カロリに関する情報を一括表示させることができ、その情報を参照したユーザに、消費カロリを意識して掃除させることが可能となる。
【0091】
また、一括表示を例えば掃除終了時等に実施することで、情報伝達手段19による消費カロリに関する情報の伝達等の際に、動作中の吸引源11により暴露しやすい電磁界の影響を受けにくくなり、安定した情報を表示手段Dに表示させることができる。
【0092】
表示手段Dに表示される情報に、直近の掃除時の消費カロリと、記録された掃除時の消費カロリと、に関する情報を含むことで、その情報を参照したユーザに、過去の掃除と直近の掃除との対比を意識させ、消費カロリの増減を意識して掃除させることが可能となる。
【0093】
温度センサ2によってユーザの体温変化を測定することで、直接熱量測定法によってユーザの体温変化に基づき消費カロリを、掃除装置Aの状況に拘らず正確に測定できる。そこで、測定した消費カロリに基づき、算出手段18により消費カロリを算出する数式を補正する等、消費カロリに関する情報をユーザの体温変化に応じて補正することで、消費カロリに関する情報を、より精度よく算出して表示手段Dに表示させることができる。
【0094】
光センサ3によってユーザの心拍数変化を測定することで、心拍数変化に基づいてMETsを直接測定できる。そこで、測定したMETsによって、算出手段18により消費カロリを算出する数式を補正する等、消費カロリに関する情報をユーザの心拍数変化に応じて補正することで、消費カロリに関する情報を、より精度よく算出して表示手段Dに表示させることができる。
【0095】
また、掃除装置Aは、掃除対象のエリア毎の消費カロリを表示手段Dに表示するモードを備えていてもよい。すなわち、表示手段Dに表示される「消費カロリに関する情報」には、掃除対象のエリアと、そのエリアの掃除時の消費カロリと、が関連付けられた情報が含まれていてもよい。
【0096】
掃除対象のエリアとは、一回の掃除においてユーザが掃除する任意の範囲でもよいし、部屋等、予め構造的に仕切られた範囲でもよい。掃除対象のエリアは、予め地図等として設定されていてもよいし、掃除時にユーザがエリア入力手段により任意に入力してもよい。エリア入力手段は、電気掃除機1に設けられていてもよいし、外部機器5に設けられていてもよい。例えば、外部機器5にエリア入力手段が設けられている場合には、表示手段Dのタッチパネル機能が好適に用いられ、外部機器5の表示手段Dに表示される部屋の地図等から、所望のエリアをユーザが設定又は選択すること等の操作によって掃除対象のエリアを入力又は選択可能である。
【0097】
そして、入力した掃除対象のエリアを掃除したときの消費カロリが、掃除対象のエリア毎に関連付けられて記録手段Mに記録される。
【0098】
掃除対象のエリア毎の消費カロリに関する情報の表示例を
図13に示す。表示手段Dには、掃除対象のエリアARが地図として表示されるとともに、そのエリアARのそれぞれにおける消費カロリに関する情報が表示される。掃除対象のエリア毎の消費カロリに関する情報を表示するモードは、掃除中又は掃除終了後等に一回の掃除期間の消費カロリに関する情報を表示するモードと任意に切り換え可能としてよい。
【0099】
なお、電気掃除機1にスイッチやボタン等としてエリア入力手段が設けられている場合には、エリア入力手段を操作したときから、次にエリア入力手段を操作するまでの間を一つの掃除対象のエリアとして設定可能である。例えば掃除開始の操作スイッチ15をエリア入力手段として用いてもよい。その間の消費カロリが、入力された掃除対象のエリアと関連付けられて記録手段Mに記録される。この場合には、掃除対象のエリア毎の消費カロリをテーブル等として表示手段Dに表示可能となる。
【0100】
このように、表示手段Dに表示される情報に、掃除対象のエリアと、そのエリアの掃除時の消費カロリと、が関連付けられた情報を含むことで、掃除対象のエリア毎の消費カロリの多寡をユーザが知ることができる。
【0101】
掃除対象のエリアと掃除時の消費カロリとが関連付けられた情報は、一回の掃除期間のものでもよいし、複数回の掃除期間の累積や過去の掃除期間の情報を含んでいてもよい。
【0102】
なお、第1の実施形態において、算出手段18による消費カロリの算出に用いられるユーザ体重は、外部機器5に導入されている他のプログラム又はアプリケーションにおいて入力又は設定されている場合、それらのプログラム又はアプリケーションから取得してもよい。
【0103】
また、消費カロリに関する情報を音声によりユーザに報知する音声報知手段を備えていてもよい。音声報知手段は、電気掃除機1に設けられていてもよいし、外部機器5に設けられていてもよい。例えば、音声報知手段は、算出手段18により算出された消費カロリを示す信号等を算出手段18から直接的又は間接的に受け取って処理し、掃除中、あるいは掃除終了後等の所定のタイミングにおいて、例えば「現在の消費カロリは〇〇kcalです」等の消費カロリやその累計の数値そのもの、あるいは消費カロリと相関を有する情報、例えば「もっと頑張ろうね」や「頑張ったね」等の任意の音声を出力するように動作する。このように、音声報知手段を備える場合には、ユーザが視覚だけでなく聴覚によっても掃除時の消費カロリに関する情報を取得でき、消費カロリの増減を意識して掃除させることが可能となる。
【0104】
さらに、記録手段Mは、外部機器5に設けられていてもよいし、外部機器5がインターネット等のネットワークに接続可能である場合には、ネットワーク上の専用又は汎用のサーバに記録手段Mが設けられて外部機器5により読み取り可能となっていてもよい。記録手段Mが、汎用のサーバに設けられている場合、好ましくは、記録手段Mに記録される消費カロリに関する情報には、ユーザの属性情報及び/又は掃除対象に関する情報が関連付けられる。記録手段Mに記録される消費カロリに関する情報は、ユーザの属性情報及び/又は掃除対象に関する情報が関連付けられる。属性情報は、任意に設定してよいが、例えばユーザの年齢、性別、居住環境等が挙げられる。ユーザの属性情報は、一ユーザにつき一種類でも複数種類でもよい。また、掃除対象に関する情報としては、木床、絨毯、畳等の掃除対象の種類、リビング、廊下、キッチン等の掃除対象の名称、及び、広さ等が挙げられる。ユーザ毎の属性情報は、記録手段Mに記録される際にユーザが属性入力手段により入力してもよいし、別途予め登録されたユーザの情報等を利用してもよい。この場合には、他のユーザ等から記録手段Mに集積された消費カロリに関する情報から、その平均値や最頻値等の代表値つまりデフォルト値を算出し、「記録された消費カロリに関する情報」として表示手段Dに表示可能としてもよい。
【0105】
この場合、好ましくは、デフォルト値は、ユーザの属性情報を加味して得られた値とする。すなわち、ユーザにより入力されたユーザの属性情報と同一又は類似する属性情報を有する他のユーザにより記録された消費カロリに関する情報をデフォルト値としてもよいし、同一又は類似する属性情報を有する他のユーザが複数いる場合には、それら他のユーザのうち、消費カロリに関する情報の平均値や最頻値等をデフォルト値としてもよい。このデフォルト値は、サーバにより算出されてもよいし、サーバから取得した値に基づき、算出手段18あるいは表示制御手段51等で算出されてもよい。
【0106】
サーバ5からの値の出力は、ユーザにより属性情報が集積されると自動的に行われてもよいし、ユーザが読み出し等の別途の操作を入力することに応じて行われてもよい。
【0107】
このように、記録手段Mをサーバに備えることで、多数のユーザの消費カロリに関する情報を集積でき、ユーザの掃除の仕方に関する情報を取得できて、有効活用できる。
【0108】
また、消費カロリに関する情報にユーザの属性情報と関連付けられていることで、ユーザの属性毎の消費カロリに関する情報を知ることができる。
【0109】
さらに、他のユーザの消費カロリに関する情報から得られたデフォルト値を表示手段Dに表示可能とすることで、デフォルト値を介して、他のユーザの掃除の仕方を知ることができる。しかも、デフォルト値を、ユーザの属性情報が同一又は類似する複数のユーザの消費カロリに関する情報から算出することで、自己と類似した属性を有する他のユーザの掃除の仕方を知ることができる。
【0110】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について
図14を参照して説明する。なお、上記の第1の実施形態と同様の構成及び作用については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0111】
本実施形態の掃除装置Aは、第1の実施形態において、算出手段18に代えて、外部機器5によって消費カロリを算出するプログラムPを備えるものである。
【0112】
プログラムPは、このプログラムPを実行可能な実行手段52を有する外部機器5にインストールされる。実行手段52としては、マイクロコンピュータが好適に用いられる。実行手段52は、例えば中央処理装置としてのCPUや、一時記憶装置としてのRAM、プログラムP等が記憶される記憶装置としてのEEPROM、ROMや、入出力インタフェース等がバスを介して接続されて構成されている。実行手段52は、表示制御手段51と統合されていてもよい。なお、外部機器5はスマートフォン等の情報端末に限らず、PC等、プログラムPを実行可能な実行手段を備える任意のものでよい。
【0113】
そして、状態検出手段17の検出結果に関する情報は、情報伝達手段19により外部機器5に伝達され、情報取得手段50により取得された情報が実行手段52に渡されて、その情報をパラメータの少なくとも一部として実行手段52によりプログラムPにしたがって消費カロリが算出され、その算出結果が表示制御手段51に渡されて、表示手段Dに表示される。
【0114】
このように、状態検出手段17による掃除対象の状態の検出結果を情報伝達手段19によって外部機器5に伝達し、その伝達された情報に基づき、外部機器5にインストールされたプログラムPを実行することによって、掃除時の消費カロリに関する情報を表示手段Dに表示させることで、掃除対象の状態によって異なる消費カロリに関する情報を、掃除対象の状態を加味して精度よく算出し、表示させることができる等、各実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0115】
また、プログラムPを実行できるものであれば、外部機器5をユーザが任意に選択できるため、ユーザが所望する様々な環境において消費カロリを表示手段Dに表示可能となる。
【0116】
なお、上記の各実施形態において、例えば情報伝達手段19及び情報取得手段50がインターネット等のネットワークに接続可能な機能を有する場合、情報伝達手段19から情報を伝達する外部機器は、ネットワーク上に配置されたサーバ等でもよい。すなわち、情報伝達手段19から情報取得手段50へと、サーバを介して間接的に情報を伝達するように構成されていてもよい。その場合、表示手段Dは、情報取得手段50を介してサーバから情報を取得可能な任意の外部機器又は表示機器等に設けられたものでよい。すなわち、表示手段Dは、情報伝達手段19により直接情報が伝達される外部機器に設けられているものに限定されない。したがって、例えば、第2の実施形態において、プログラムPは、状態検出手段17による掃除対象の状態の検出結果が情報伝達手段19により直接伝達される外部機器にインストールされているものに限らず、表示手段Dが設けられている任意の外部機器又は表示機器等にインストールされているものでもよい。
【0117】
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態について
図15及び
図16を参照して説明する。なお、上記の各実施形態と同様の構成及び作用については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0118】
本実施形態の掃除装置Aは、第1の実施形態の掃除装置Aにおいて、表示手段Dが掃除機本体10に配置されているものである。
【0119】
表示手段Dは、ユーザにより目視が容易な位置、例えば掃除機本体10の上部等に配置される。好ましくは、表示手段Dは、把持部100において、使用者に把持されない箇所、例えば操作スイッチ15の前方等に配置される。このように、表示手段Dを掃除機本体10に配置する場合には、算出手段18により算出された消費カロリを電気掃除機1の外部に伝達する必要がないため、情報伝達手段19は必須の構成ではない。
【0120】
このように、表示手段Dを電気掃除機1に備える場合であっても、状態検出手段17による掃除対象の状態の検出結果に基づき掃除時の消費カロリを算出手段18により算出することで、掃除対象の状態によって異なる消費カロリに関する情報を、掃除対象の状態を加味して精度よく算出し、この算出した消費カロリに関する情報を表示手段Dに表示させることで、掃除時の消費カロリに関する情報を精度よく表示させることができる等、第1の実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0121】
また、表示手段Dを電気掃除機1に備えることで、掃除装置Aとして、電気掃除機1のみで完結でき、外部機器が不要であるから、掃除装置Aを、より簡素に実現できる。
【0122】
(第4の実施形態)
次に、第4の実施形態について
図17及び
図18を参照して説明する。なお、上記各実施形態と同様の構成及び作用については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0123】
本実施形態の掃除装置Aは、掃除時の消費カロリに関する情報を表示手段に表示するための状態検出手段17の検出結果に関する情報を、情報伝達手段19によって外部機器に出力するものである。
【0124】
外部機器としては、例えばインターネット等のネットワークNT上に配置された外部機器であるサーバSVが用いられる。すなわち、情報伝達手段19は、無線又は有線によりネットワークNTに直接的又は間接的に接続可能な、無線LANカード等が用いられる。
【0125】
サーバSVは、通信手段6と、制御手段7と、記憶手段Mと、を備える。通信手段6は、ネットワークNTを介して情報、信号、パラメータを送受信する。制御手段7は、サーバSV全体の動作等を制御する。制御手段7は、例えば、中央処理装置としてのCPUや、一時記憶装置としてのRAM、記憶装置としてのEEPROM、ROMや、入出力インタフェース等がバスを介して接続されたマイクロコンピュータが好適に用いられる。
【0126】
そして、サーバSVに出力される状態検出手段17の検出結果に関する情報は、サーバSVの通信手段6を介して受け取られ、記録手段Mに記録される。サーバSVは、外部機器5等に対して記録手段Mに記録された状態検出手段17の検出結果に関する情報の送信用のプログラムであるWebAPIを、ユーザによりアクセス可能に公開する。
【0127】
このように、掃除時の消費カロリに関する情報を表示手段Dに表示するための状態検出手段17の検出結果に関する情報を情報伝達手段19によってサーバSVに出力することで、サーバSVにアクセス可能な外部機器5によってその情報を取得し、任意のプログラム等によって掃除時の消費カロリに関する情報を表示手段Dに表示させることが可能になるので、掃除対象の状態によって異なる消費カロリに関する情報を、掃除対象の状態を加味して精度よく算出し、表示させることができる等、各実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0128】
例えば、状態検出手段17の検出結果に関する情報を、サーバSVを介してWebAPIとして公開することにより、ユーザは、汎用のWebブラウザ等の所望する任意のプログラムによりWebAPI経由で容易に情報を取得でき、使い勝手が良好である。
【0129】
さらに、掃除装置Aは、表示させるための状態検出手段17による検出結果に関する情報を出力するのみであるから、情報を表示させるためのプログラム等の開発やメンテナンスが不要であり、簡素で安価に構成できる。
【0130】
なお、上記各実施形態において、電気掃除機1にユーザの姿勢を検出する姿勢検出センサを備えていてもよい。姿勢検出センサは、例えばジャイロセンサ、あるいは加速度センサ等が用いられる。そして、姿勢検出センサにより、掃除時のユーザの姿勢を検出し、より消費カロリを大きくする姿勢、あるいは消費カロリを抑制する姿勢に誘導するように表示手段Dに表示させるモードを備えていてもよい。そして、例えばユーザが所望する消費カロリの目標値等を掃除開始前等の任意のタイミングで設定しておき、このモードを掃除時に利用することで、消費カロリを目標値等に近づけるようにユーザの動作を補助することが可能となる。
【0131】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲をこれらの実施形態に限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0132】
A 掃除装置
D 表示手段
P プログラム
SV 外部機器であるサーバ
5 外部機器
11 吸引源
17 状態検出手段
18 算出手段
19 情報伝達手段
161 掃除具
16102 接触部としての回転体
16103,16134 駆動部