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特開2023-137720電子機器、電子機器の制御方法およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023137720
(43)【公開日】2023-09-29
(54)【発明の名称】電子機器、電子機器の制御方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/02 20060101AFI20230922BHJP
   G06F 3/023 20060101ALI20230922BHJP
【FI】
G06F3/02 520
G06F3/023 460
G06F3/02 F
G06F3/02 E
G06F3/02 510
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022044061
(22)【出願日】2022-03-18
(71)【出願人】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】宗田 天志
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 友厚
【テーマコード(参考)】
5B020
【Fターム(参考)】
5B020AA02
5B020CC06
5B020DD04
5B020DD16
5B020DD22
5B020DD42
(57)【要約】
【課題】ユーザ入力の操作性を向上させる電子機器を提供する。
【解決手段】透過領域LTとして形成され下に光が導光されることでキー入力用の記号を視認可能に表示するキー表示部14sを有する透過シート11aを、制御基板11dと、キー透過用LED11Lを設けた導光板11cと、タッチパネル11bと、を積層した上に重ねて構成したタッチパネル式操作部11を備える。キー表示部14sの入力モード切替キーKmに対応する制御基板11dの位置には、赤色(R)の背面実装型LED15Rを設ける。キー入力モード[K]ではキー透過用LED11Lをオンにして各キーの記号を表示させ、操作部11をキー入力部14Kとして機能させ、ペン(手書き)入力モード[T]ではキー透過用LED11Lをオフ、背面実装型LED15Rをオンにして入力モード切替キーKmを赤色で表示させ、操作部11をペン入力部14Tとして機能させる。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチパネルと、
前記タッチパネルに重ねられ、複数のキャラクタパターンが透過領域として形成される透過シートと、
前記透過シートの下方に配置された導光部材と、
前記導光部材に光を照射することで、前記複数のキャラクタパターンを視認させるための第1光源と、
前記導光部材の下方に配置され、前記複数のキャラクタパターンの一部を視認させるための第2光源と、
制御部と、を備え、
前記制御部は、
動作モードを切り替え可能であり、
前記第1光源の点灯と消灯および前記第2光源の点灯と消灯を前記動作モードに応じて制御する、
電子機器。
【請求項2】
前記キャラクタパターンは、キー入力用の第1パターンを含み、
前記第2光源は、前記第1パターンを視認させるための第3光源を含み、
前記制御部は、
第1の動作モードでは、前記第1光源を点灯させ、前記第3光源を消灯させるように制御し、
第2の動作モードでは、前記第1光源を消灯させ、前記第3光源を点灯させるように制御する、
請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記キャラクタパターンは、前記タッチパネルにより検出されるタッチ位置の位置ずれを補正するための複数の第2パターンを含み、
前記第2光源は、前記複数の第2パターンを各々視認させるための複数の第4光源を備え、
前記制御部は、
第3の動作モードでは、前記第1光源を消灯させ、前記第4光源を点灯させるように制御する、
請求項1に記載の電子機器。
【請求項4】
前記キャラクタパターンは、キー入力用の第1パターンを含み、
前記第2光源は、前記第1パターンを視認させるための第3光源を含み、
前記複数の第2パターンは、前記タッチパネルによりタッチ位置が検出可能な領域に対応して形成されており、
前記制御部は、
第2の動作モードでは、前記第1光源を消灯させ、前記第3光源および前記第4光源を点灯させるように制御する、
請求項3に記載の電子機器。
【請求項5】
前記制御部は、
前記第3の動作モードにおける前記第4光源の光量を、前記第2の動作モードにおける前記第4光源の光量よりも大きくするように制御する、
請求項4に記載の電子機器。
【請求項6】
前記制御部は、
前記第3の動作モードでは、前記第4光源を予め定められた順番で点灯させるように制御する、
請求項3ないし請求項5の何れか一項に記載の電子機器。
【請求項7】
前記制御部は、
前記第3の動作モードでは、前記タッチパネルにより前記第2パターンに対応するタッチ位置が検出された場合に、タッチ位置が検出された前記第2パターンに対応する前記第4光源を消灯させるように制御する、
請求項3ないし請求項6の何れか一項に記載の電子機器。
【請求項8】
前記制御部は、
前記第3の動作モードにおいて、前記タッチパネルにより前記複数の第2パターンに各々対応するタッチ位置が検出された場合、検出されるタッチ位置の補正処理を行なう、
請求項3ないし請求項7の何れか一項に記載の電子機器。
【請求項9】
前記制御部は、
前記電子機器の電池電源を交換した場合、前記電子機器の累積使用時間が予め設定された一定の時間に到達した場合、または同じキーのキー入力が予め設定された一定の回数連続して繰り返された場合のうちの少なくともいずれかの場合において、前記タッチパネルの動作モードを前記第3の動作モードに切り替える、
請求項3ないし請求項8の何れか一項に記載の電子機器。
【請求項10】
前記第1パターンは、前記第1の動作モードと前記第2の動作モードとの切り替えを指示するための切替パターンであり、
前記制御部は、
前記タッチパネルにより前記切替パターンに対応するタッチ位置が検出された場合、前記第1の動作モードと前記第2の動作モードとの切り替えを行なう、
請求項2に記載の電子機器。
【請求項11】
タッチパネルと、
前記タッチパネルに重ねられ、複数のキャラクタパターンが透過領域として形成される透過シートと、
前記透過シートの下方に配置された導光部材と、
前記導光部材に光を照射することで、前記複数のキャラクタパターンを視認させるための第1光源と、
前記導光部材の下方に配置され、前記複数のキャラクタパターンの一部を視認させるための第2光源と、
制御部と、を備えた電子機器の前記制御部により、
動作モードを切り替え、
前記第1光源の点灯と消灯および前記第2光源の点灯と消灯を前記動作モードに応じて制御する、
電子機器の制御方法。
【請求項12】
タッチパネルと、
前記タッチパネルに重ねられ、複数のキャラクタパターンが透過領域として形成される透過シートと、
前記透過シートの下方に配置された導光部材と、
前記導光部材に光を照射することで、前記複数のキャラクタパターンを視認させるための第1光源と、
前記導光部材の下方に配置され、前記複数のキャラクタパターンの一部を視認させるための第2光源と、
制御部と、を備えた電子機器の前記制御部を、
動作モードを切り替え、
前記第1光源の点灯と消灯および前記第2光源の点灯と消灯を前記動作モードに応じて制御する、
ように機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器、電子機器の制御方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えばパーソナルコンピュータ、タブレット端末など、ユーザ操作に応じた情報を入力し、入力した情報に応じて動作する電子機器が汎用されている。
【0003】
このような電子機器を対象として、従来、部品点数の多い機械的な構造のキーボードではなく、キーキャラクタパターンに対応する透過性の領域に光を透過させることでキーキャラクタパターンを表示させ、ユーザにより押下されたキーの情報を入力することを可能にする導光キーパッド及び導光キーパッドアセンブリが考えられている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2010-541130号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の導光キーパッド及び導光キーパッドアセンブリでは、キーキャラクタパターンを視認性よく表示させて、ユーザにキー入力を行わせることができるが、例えば、手書きの文字を操作性よく入力することはできない。
【0006】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたもので、ユーザ入力の操作性を向上させることが可能になる電子機器、電子機器の制御方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る電子機器は、
タッチパネルと、
前記タッチパネルに重ねられ、複数のキャラクタパターンが透過領域として形成される透過シートと、
前記透過シートの下方に配置された導光部材と、
前記導光部材に光を照射することで、前記複数のキャラクタパターンを視認させるための第1光源と、
前記導光部材の下方に配置され、前記複数のキャラクタパターンの一部を視認させるための第2光源と、
制御部と、を備え、
前記制御部は、
動作モードを切り替え可能であり、
前記第1光源の点灯と消灯および前記第2光源の点灯と消灯を前記動作モードに応じて制御する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ユーザ入力の操作性を向上させることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の電子機器、電子機器の制御方法およびプログラムの実施形態に係る電子辞書10の外観構成を示す正面図。
図2】タッチパネル式操作部11の構成を示す側面図。
図3】タッチパネル式操作部11の導光板(導光部材)11cの構成の一例を示す側面図。
図4】電子辞書10の電子回路の構成を示すブロック図。
図5】電子辞書10の動作モード設定処理を示すフローチャート。
図6】電子辞書10のキー入力モード[K]に応じたキー入力処理を示すフローチャート。
図7】電子辞書10のペン入力モード[T]に応じたペン入力処理を示すフローチャート。
図8】電子辞書10のキャリブレーションモード[C]に応じたキャリブレーション処理を示すフローチャート。
図9】他の実施形態に係る電子辞書10のペン入力モード[T]に設定された状態での外観構成を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
【0011】
図1は、本発明の電子機器、電子機器の制御方法およびプログラムの実施形態に係る電子辞書10の外観構成を示す正面図である。
【0012】
電子機器は、以下に説明する電子辞書10として構成されるだけでなく、タッチパネルを備えたPDA(personal digital assistants)、PC(personal computer)、携帯電話、電子ブック、携帯ゲーム機などとしても構成され得る。
【0013】
電子辞書10は、タッチパネル式操作部11を設けた操作部筐体と表示部(ディスプレイ)12を設けた表示部筐体とがヒンジ部13を介して展開/閉塞可能な折り畳み型筐体(クラムシェル構造)を備えて構成される。表示部12の一例として、タッチパネル式表示部が挙げられる。
【0014】
図2は、タッチパネル式操作部11の構成を示す側面図である。
【0015】
タッチパネル式操作部11は、その表面に詳細を後述する透過シート11aを備え、透過シート11aの下にタッチパネル11b、導光板(導光部材)11c、制御基板11dを積層して構成する。導光板11cの側面の近傍には、導光板11cに導光させる光を照射するキー透過用LED11L(第1光源)を設ける。
【0016】
タッチパネル11bは、透明であって、ユーザが指やペンなどでタッチした位置を検出するタッチ位置検出装置である。タッチパネル11bは、透過シート11aの上に重ねて設けてもよい。実施形態のタッチパネル11bには、抵抗膜方式を用いるがそれに限らず、静電容量方式などでもよい。
【0017】
透過シート11aは、図1に示すように、光を通さない遮光領域LBと、光を通す透過領域LTとして形成され当該シート11aの下に光が導光されることでキー入力用の文字及び図形を含む記号(キャラクタパターン。第1パターンともいう)を視認できるように表示するキー表示部14sと、同透過領域LTとして形成され各キーの境界を視認できるように表示する境界表示部14bと、同透過領域LTとして形成されタッチパネル11bにより検出されるタッチ位置の位置ずれを補正するためのキャリブレーションマーク(キャラクタパターン。第2パターンともいう)Kc1~Kc4と、当該シート11aの上部にキー入力用の記号(キャラクタパターン)として固定印刷PPされて形成される機能指定キー14dとを有する。
【0018】
キー表示部14sは、QWERTYキーもしくは50音キーに対応する文字及び図形を含む記号を視認可能に表示する。
【0019】
キー表示部14sは、タッチパネル式操作部11をキー入力部14Kとして機能させるキー入力モード[K]にするか、ペン入力部14Tとして機能させるペン入力(手書き)モード[T]にするか、の切り替えを指示する入力モード切替キーKmを有する。
【0020】
キャリブレーションマークKc1~Kc4は、タッチパネル11bによりタッチ位置が検出可能な領域の四角に対応して予め定められた位置に設けられるもので、当該キャリブレーションマークKc1~Kc4は、指やペンなどでタッチして入力が可能なペン入力エリアを示すペン入力エリア表示マークとしての役割も有する。
【0021】
透過シート11aに形成された透過領域LTのうち、入力モード切替キーKmとキャリブレーションマークKc1~Kc4に対応する制御基板11dの位置には、図2に示すように、背面実装型LED15R(第2光源)が、入力モード切替キーKm(第1パターン)に対応する位置では入力モード切替キー透過用LED(第3光源)として設けられ、キャリブレーションマークKc1~Kc4(第2パターン)に対応する位置ではキャリブレーションマーク(ペン入力エリア表示マーク)透過用LED(第4光源)として設けられる。
【0022】
ここで、第3光源とは、入力モード切替キーKmに限らず、キー表示部14sの一部のキー(キー表示部14sに含まれる何れか1つまたは複数のキー(第1パターン))に対応して設けられる背面実装型LED15Rを意味する。
【0023】
図2では、図示の便宜上、入力モード切替キーKmの下に位置する背面実装型LED(入力モード切替キー透過用LED)15Rを示し、キャリブレーションマーク(ペン入力エリア表示マーク)Kc1~Kc4の下に位置する背面実装型LED(キャリブレーションマーク透過用LED/ペン入力エリア表示マーク透過用LED)15Rは省略している。
【0024】
なお、背面実装型LED15Rは、入力モード切替キーKmまたはキャリブレーションマークKc1~Kc4の何れかに対応する位置に設ける構成としてもよい。
【0025】
背面実装型LED15Rは、その発光方向に凸状を成す発光部の直径に対応して制御基板11dに形成されたLED取付孔15Hに対し、当該発光部を制御基板11dの背面側から嵌め込むようにして実装される。本実施形態では、当該発光部の高さは、制御基板11dの厚さよりも小さい。例えば、板厚1.2~1.6mmの制御基板11dに対して、高さ0.6~1.0mmの発光部を有する背面実装型LED15Rを使用することで、LED取付孔15Hにより、背面実装型LED15Rの発光方向を広げずに真上に制限する指向性を持たせることができる。背面実装型LED15Rの発光部の高さに対して、制御基板11dの板厚が厚くLED取付孔15Hが深くなるほど、発光方向の指向性が上がるのは勿論である。
【0026】
実施形態では、キー透過用LED11Lには、無色(白色)で発光するLEDを使用し、背面実装型LED15Rには、赤色(R)で発光するLEDを使用する。
【0027】
図3は、タッチパネル式操作部11の導光板(導光部材)11cの構成の一例を示す側面図である。
【0028】
導光板(導光部材)11cは、例えば、導光のためのシボ等の加工が施されたアクリル板を用いた主導光板11cBに対し、その背面(下面)側に鏡面状の反射シート11cMを、その表面(上面)側に光拡散シート11cDを積層して成り、キー透過用LED11Lからの光が導光板11cの全域に対し効率よく均一に拡散されるよう構成される。
【0029】
この場合、制御基板11dに実装した背面実装型LED15RのLED取付孔15Hに対応する部分の反射シート11cMには、当該背面実装型LED15Rからの光を指向性よく通過させるための光通過孔11Hが形成される。
【0030】
キー表示部14s、境界表示部14bおよびキャリブレーションマーク(ペン入力エリア表示マーク)Kc1~Kc4は、図2で示したキー透過用LED11Lを点灯させることで導光板11cにより導光された光が、透過シート11aの下から照射される。照射された光は透過領域LTを透過するためキー入力用の文字や記号、各キーの境界および各マークが白色で視認できるようになる。キー透過用LED11Lを消灯させると、キー表示部14s、境界表示部14bおよびキャリブレーションマーク(ペン入力エリア表示マーク)Kc1~Kc4は視認できなくなり、機能指定キー14dが視認可能に残った状態になる。
【0031】
機能指定キー14dは、各キーに表記されている辞書コンテンツのカテゴリ([国語][英和][和英]など)や[コンテンツ一覧]をそれぞれ直接指定するためのキーである。
【0032】
一方で、キー表示部14sの入力モード切替キーKmと、キャリブレーションマーク(ペン入力エリア表示マーク)Kc1~Kc4とは、各対応する背面実装型LED15Rである入力モード切替キー透過用LEDと、キャリブレーションマーク透過用LED(ペン入力エリア表示マーク透過用LED)とを点灯させることで、各々個別に赤色(R)で視認できるようになる。
【0033】
なお、キャリブレーションマーク(ペン入力エリア表示マーク)Kc1~Kc4については、その位置に対応する導光板11cの一部の領域を除いておくことで、キー透過用LED11Lの点灯時には視認できず、キャリブレーションマーク透過用LED(ペン入力エリア表示マーク透過用LED)15Rの点灯時にのみ赤色(R)で視認できるように構成してよい。
【0034】
実施形態の電子辞書10は、図1に示すように、キー入力モード[K](第1の動作モード)と、ペン入力(手書き)モード[T](第2の動作モード)と、キャリブレーションモード[C](第3の動作モード)との3つの動作モードを有する。
【0035】
キー入力モード[K]では、図1の(A)に示すように、タッチパネル式操作部11のキー透過用LED11Lをオンにして、透過シート11aの透過領域LTであるキー表示部14sおよび境界表示部14bを機能指定キー14dと共に視認可能にすることで、タッチパネル式操作部11をキー入力部14Kとして機能させる。
【0036】
ペン入力モード[T]では、図1の(B)に示すように、タッチパネル式操作部11のキー透過用LED11Lをオフにして、機能指定キー14dを視認可能に残すと共に、背面実装型LED15Rである入力モード切替キー透過用LED(第3光源)とキャリブレーションマーク透過用LED(ペン入力エリア表示マーク透過用LED、すなわち第4光源)とをオンにして、入力モード切替キーKmおよびキャリブレーションマーク(ペン入力エリア表示マーク)Kc1~Kc4を赤色(R)で視認可能にすることで、タッチパネル式操作部11をペン入力部14Tとして機能させる。
【0037】
この場合、入力モード切替キーKmおよびキャリブレーションマーク(ペン入力エリア表示マーク)Kc1~Kc4が赤色(R)で点灯された状態となることで、電源が入った状態であることを認識できるのは勿論、タッチして入力が可能なペン入力エリアを明確に認識しつつタッチ操作(ペン入力操作)を行なうことができ、しかも、現在のペン入力モード[T]からキー入力モード[K]への切り替えも容易に行なうことができる。
【0038】
キャリブレーションモード[C]は、例えば、電子辞書10の電池電源を交換した場合、または電子辞書10の累積使用時間が予め設定された一定の時間に到達した場合、または同じキーのキー入力が予め設定された一定の回数連続して繰り返された場合、またはその組合せた場合を移行条件として移行される。後述する電子辞書10の制御部21は、同じキーのキー入力が予め設定された一定の回数連続して繰り返された場合、タッチ位置の検出精度の低下によりキーの誤入力があったと判定する。
【0039】
キャリブレーションモード[C]では、タッチパネル式操作部11のキー透過用LED11Lおよび入力モード切替キー透過用LED15Rをオフにすると共に、キャリブレーションマーク透過用LED15Rをオンにして、透過シート11aのキャリブレーションマークKc1~Kc4だけを視認可能にすることで、キャリブレーションマークKc1~Kc4に対するタッチ操作を容易且つ正確に行なわせ、電子辞書10がタッチパネル11bにより検出されるタッチ位置の位置ずれ補正を精度よくできるようにする。
【0040】
また、キー入力モード[K]およびペン入力モード[T]では、キャリブレーションマーク透過用LED15Rをオフにして、キャリブレーションモード[C]では、キャリブレーションマーク透過用LED15Rをオンにしてもよい。これにより、ユーザは、電子辞書10の動作モードがキャリブレーションモード[C]に移行したことを容易に認識することができる。
【0041】
図4は、電子辞書10の電子回路の構成を示すブロック図である。
【0042】
電子辞書10の電子回路は、コンピュータである制御部(CPU:central processing unit)21を備える。制御部21は、フラッシュROMなどの記憶部22に予め記憶された辞書制御プログラム22aに従って回路各部の動作を制御する。CPU等のプロセッサは1つでも2つ以上でもよい。
【0043】
なお、辞書制御プログラム22a及び後述する辞書データの少なくとも一方は、メモリカードなどの外部記録媒体23から記録媒体読取部24により読み取られて記憶部22に記憶されてもよいし、通信ネットワークN上のWebサーバ(ここではプログラムサーバ)30から通信部25を介してダウンロードされ記憶部22に記憶されてもよい。
【0044】
制御部21には、データおよび制御バスを介して、記憶部22、記録媒体読取部24、通信部25を接続するほか、図1および図2で示したタッチパネル式操作部11および表示部12を接続する。制御部21には、図示はしないが、音声出力部、音声入力部を接続してもよい。
【0045】
記憶部22は、本電子辞書10の全体の動作を司るシステムプログラム、通信部25を介して外部の電子機器と通信接続するための通信プログラムのほか、後述する辞書データに基づきユーザ所望の見出し語と当該見出し語に対応する訳語、語義、用例、解説などの説明情報を検索して表示させるための辞書検索プログラム、キー入力モード[K]、ペン入力モード[T]、キャリブレーションモード[C]の各動作モードに応じて電子辞書10を制御するためのプログラムを含む辞書制御プログラム22aを記憶する。
【0046】
また記憶部22には、辞書データ記憶領域22b、モードデータ記憶領域22c、キー入力データ記憶領域22d、タッチ位置データ記憶領域22eおよび作業データ記憶領域22fなど、本電子辞書10により各種の機能を実行するためのデータを記憶する記憶領域が確保される。
【0047】
辞書データ記憶領域22bには、各種の辞書コンテンツ(国語辞典/百科辞典/英和辞典/和英辞典/…)に対応する辞書データが、見出し語と当該見出し語に対応する訳語、語義、用例、解説などの説明情報とを対応付けたデータとして記憶される。
【0048】
モードデータ記憶領域22cには、辞書制御プログラム22aに従った電子辞書10の動作に応じて選択的に設定されるキー入力モード[K]またはペン入力モード[T]またはキャリブレーションモード[C]の何れかのモードデータが記憶される。
【0049】
キー入力データ記憶領域22dには、機能指定キー14dまたはキー表示部14sに対するタッチ操作に応じて、タッチパネル11bにより検出されるタッチ位置(XY座標)に対応したキーの種類を示すキー入力データが記憶される。
【0050】
タッチ位置データ記憶領域22eには、タッチパネル式操作部11に対するタッチ操作に応じてタッチパネル11bにより検出されるタッチ位置(XY座標)を示すタッチ位置データが記憶される。
【0051】
作業データ記憶領域22fには、制御部21による辞書制御プログラム22aに従った回路各部の動作の制御に伴い、ユーザ操作に応じて入力されたデータや制御部21により取得あるいは生成されるなどした各種のデータが必要に応じて一時記憶(保持)される。
【0052】
このように構成された電子辞書10は、制御部21が、記憶部22に記憶された辞書制御プログラム22aの命令に従いタッチパネル式操作部11を含む回路各部の動作を制御し、ソフトウエアとハードウエアとが協働して動作することにより、以下の動作説明で述べるような各種の機能を実現する。
【0053】
次に、実施形態の電子辞書10の動作について説明する。
【0054】
<動作モードの設定>
図5は、電子辞書10の動作モード設定処理を示すフローチャートである。
【0055】
制御部21は、入力モード切替キーKmに対するキー入力があったか否かを判定する(ステップS1)。
【0056】
入力モード切替キーKmに対するキー入力があったと判定されると(ステップS1(Yes))、制御部21は、モードデータ記憶領域22cに記憶されているモードデータに基づいて、現在の動作モードがキー入力モード[K]であるか、ペン入力モード[T]であるかを判定する(ステップS2)。
【0057】
現在の動作モードがキー入力モード[K]であると判定されると(ステップS2(キー入力モード[K])、制御部21は、動作モードをペン入力モード[T]に切り替えて設定する(ステップS3)。
【0058】
現在の動作モードがペン入力モード[T]であると判定されると(ステップS2(ペン入力モード[T])、制御部21は、動作モードをキー入力モード[K]に切り替えて設定する(ステップS4)。
【0059】
また制御部21は、前述したキャリブレーションモード[C]への移行条件を満たしたか否かを判定する(ステップS5)。
【0060】
キャリブレーションモード[C]への移行条件を満たしたと判定されると(ステップS5(Yes))、制御部21は、動作モードをキャリブレーションモード[C]に設定する(ステップS6)。
【0061】
<キー入力モード[K]>
図6は、電子辞書10のキー入力モード[K]に応じたキー入力処理を示すフローチャートである。
【0062】
制御部21により、電子辞書10の動作モードがキー入力モード[K]に設定されると、制御部21は、キー透過用LED11Lをオンにして、図1の(A)で示したように、タッチパネル式操作部11がキー入力部14Kとして機能するように、そのキー表示部14s(入力モード切替キーKmを含む)および境界表示部14bを視認可能に表示させる(ステップK1)。
【0063】
ここでは、制御部21は、入力モード切替キー透過用LED15Rをオフにして、入力モード切替キーKmを、他の各キーと同様にキー透過用LED11Lからの導光により白色で表示させた状態とする(ステップK2)。
【0064】
タッチパネル式操作部11に対するタッチ操作に応じて、タッチパネル11bにより検出されたタッチ位置に対応するタッチ位置データが制御部21に入力されると(ステップK3)、制御部21は、検出されたタッチ位置が機能指定キー14dまたはキー表示部14sに対応する位置であるか否かに基づいて、キー入力されたか否かを判定する(ステップK4)。
【0065】
キー入力されたと判定されると(ステップK4(Yes))、制御部21は、入力されたキーの内容に応じた処理を実行する(ステップK5)。
【0066】
例えば機能指定キー14dに対するタッチ操作により任意の辞書コンテンツが指定された場合には、制御部21は、当該任意の辞書コンテンツに対応する初期画面を表示部12に表示させる。また、例えば任意の辞書コンテンツに対応する見出し語を入力するための見出し語入力画面が表示部12に表示されている状態では、制御部21は、キー入力された文字を、任意の見出し語を構成する文字として見出し語入力画面の見出し語入力エリアに表示させる。また、入力モード切替キーKmに対するタッチ操作により、現在のキー入力モード[K]からペン入力(手書き)モード[T]への切り替えが指示された場合には、制御部21は、動作モードをペン入力モード[T]に設定する。
【0067】
<ペン入力(手書き)モード[T]>
図7は、電子辞書10のペン入力モード[T]に応じたペン入力処理を示すフローチャートである。
【0068】
制御部21により、電子辞書10の動作モードがペン入力モード[T]に設定されると、制御部21は、キー透過用LED11Lをオフにして、図1の(B)で示したように、タッチパネル式操作部11がペン入力部14Tとして機能するように、タッチパネル式操作部11のキー表示部14sおよび境界表示部14bが視認されない状態にすると共に、機能指定キー14dを視認可能に残した状態とする(ステップT1)。
【0069】
また制御部21は、入力モード切替キー透過用LED15Rをオンにして、入力モード切替キーKmを、赤色(R)で視認可能に残した状態とする(ステップT2)。
【0070】
この場合、ユーザは、電子辞書10の電源がオンであり、ペン入力モード[T]の状態であることを容易に認識できると共に、前述したキー入力モード[K]への切り替えの指示を容易に行なうことができる。
【0071】
なお、ペン入力モード[T]に設定された場合、制御部21は、キャリブレーションマーク透過用LED(ペン入力エリア表示マーク透過用LED)15Rをオンにして、キャリブレーションマーク(ペン入力エリア表示マーク)Kc1~Kc4を赤色(R)で表示させてよい(ステップT21)。
【0072】
この場合、ユーザは、ペン入力部14Tとして機能するタッチパネル式操作部11において、タッチして入力が可能なペン入力エリアを明確に認識しつつタッチ操作(ペン入力操作)を行なうことができる。
【0073】
タッチパネル式操作部11に対するタッチ操作(ペン入力操作)に応じて、タッチパネル11bにより検出されたタッチ位置に対応するタッチ位置データが制御部21に入力されると(ステップT3)、制御部21は、入力モード切替キーKmに対するキー入力があったか否かを判定する(ステップT4)。
【0074】
ここで、入力モード切替キーKmに対するキー入力ではなく、それ以外のペン入力エリアに対するタッチ操作(ペン入力操作)であると判定されると(ステップT4(No))、制御部21は、図1に示すように、タッチ位置に対応する軌跡yを表示部12に表示させ、例えば手書き入力される文字の字画を描画する(ステップT6)。
【0075】
一方、入力モード切替キーKmに対するキー入力であると判定された場合には(ステップT4(Yes))、制御部21は、動作モードを現在のペン入力モード[T]からキー入力モード[K]に切り替える(ステップT5)。
【0076】
<キャリブレーションモード[C]>
図8は、電子辞書10のキャリブレーションモード[C]に応じたキャリブレーション処理を示すフローチャートである。
【0077】
例えば、電子辞書10の電池電源を交換したことに応じて、制御部21により、電子辞書10の動作モードがキャリブレーションモード[C]に設定されると、制御部21は、キー透過用LED11Lおよび入力モード切替キー透過用LED15Rをオフにして、図1の(B)で示したように、タッチパネル式操作部11のキー表示部14s(入力モード切替キーKmを含む)および境界表示部14bが視認されない状態とする(ステップC1)。
【0078】
また制御部21は、キャリブレーションマーク透過用LED15Rをオンにして、キャリブレーションマークKc1~Kc4を赤色(R)で表示させる(ステップC2)。
【0079】
ここで、ユーザにより、キャリブレーションマークKc1~Kc4が順次タッチ操作されると、タッチパネル11bにより検出されたタッチ位置に対応するタッチ位置データが制御部21に入力される(ステップC3)。
【0080】
そして、4点全てのキャリブレーションマークKc1~Kc4に対するタッチ位置が検出されたと判定されると(ステップC4(Yes))、制御部21は、タッチパネル11b上で予め定められたキャリブレーションマークKc1~Kc4に対応する位置(XY座標)と、ステップC3にて検出された4点のタッチ位置(XY座標)との位置ずれに基づき、タッチパネル11bのタッチ操作に応じて検出すべきタッチ位置(XY座標)を補正する(ステップC5)。
【0081】
なお、キャリブレーションマーク透過用LED15Rは、4点のキャリブレーションマークKc1~Kc4の各々に対応する透過用LED15Rを、予め定められた順番でオンにする(点灯させる)ことで、各キャリブレーションマークKc1~Kc4に対するユーザのタッチ操作を順番に促す構成としてもよい。これにより、ユーザに正確なキャリブレーションを促すことができる。
【0082】
また、4点のキャリブレーションマーク透過用LED15Rをオンにした(点灯させた)後に、タッチ位置が検出されたキャリブレーションマークKcnに対応する透過用LED15Rはオフにする(消灯させる)構成としてもよい。これにより、より正確なキャリブレーションを実行することができる。
【0083】
キャリブレーションマーク(ペン入力エリア表示マーク)Kc1~Kc4の各々に対応して設けた背面実装型LED15R(キャリブレーションマーク透過用LED15R)は、キャリブレーションモード[C]では、キャリブレーションマークKc1~Kc4に対するユーザのタッチ操作を強く促すために、ペン入力モード[T]よりも高い光量で強く点灯し、一方、ペン入力モード[T]では、ペン入力エリアをユーザが認識可能な程度に、キャリブレーションモード[C]よりも低い光量で弱く点灯してもよい。言い換えれば、制御部21は、キャリブレーションモード[C]における各キャリブレーションマーク透過用LED15Rの光量を、ペン入力モード[T]における各キャリブレーションマーク透過用LED15Rの光量よりも大きくするように制御する。これにより、ユーザは、電子辞書10の動作モードがキャリブレーションモード[C]に移行したことを容易に認識することができ、かつペン入力モード[T]においては、キャリブレーションマーク透過用LED15Rの光がユーザのペン入力操作の妨げとなることを防止することができる。
【0084】
(実施形態のまとめ)
実施形態の電子辞書10によれば、光を通す透過領域LTとして形成され下に光が導光されることでキー入力用の文字及び図形を含む記号を視認可能に表示するキー表示部14sを有する透過シート11aを、制御基板11dと、例えば無色(白色)で発光するキー透過用LED11Lを設けた導光板11cと、タッチパネル11bと、を積層した上に重ねて構成したタッチパネル式操作部11を備える。キー表示部14sのうち、入力モード切替キーKmに対応する制御基板11dの位置には、例えば赤色(R)で発光する背面実装型LED(入力モード切替キー透過用LED)15Rを設ける。キー入力モード[K]では、キー透過用LED11Lをオンにすることでキー表示部14sである各キーの記号を白色で表示させ、タッチパネル式操作部11をキー入力部14Kとして機能させ、ペン(手書き)入力モード[T]では、キー透過用LED11Lをオフ、入力モード切替キー透過用LED15R(第3光源)をオンにすることで入力モード切替キーKmを赤色(R)で表示させ、タッチパネル式操作部11をペン入力部14Tとして機能させる。この際、タッチパネル式操作部11のペン入力エリアを主とする広い領域が電気的に明示されていなくても、入力モード切替キーKmの表示によって、ユーザは、電子辞書10の電源がオンであり、ペン入力モード[T]の状態であることを容易に認識できると共に、キー入力モード[K]への切り替えを容易に行なうことができる。
【0085】
また、実施形態の電子辞書10によれば、透過シート11aには、透過領域LTとして、タッチパネル11bによりタッチ位置が検出可能な領域の四角に対応した位置に、キャリブレーションマーク(ペン入力エリア表示マーク)Kc1~Kc4を形成し、キャリブレーションマーク(ペン入力エリア表示マーク)Kc1~Kc4に各々対応する制御基板11dの位置には、例えば赤色(R)で発光する背面実装型LEDであるキャリブレーションマーク(ペン入力エリア表示マーク)透過用LED15Rを設ける。そして、ペン入力モード[T]では、さらに、ペン入力エリア表示マーク透過用LED15Rをオンにすることでペン入力エリア表示マークKc1~Kc4を赤色(R)で表示させ、ユーザに対し、タッチして入力が可能なペン入力エリアを明確に認識させることができる。また、キャリブレーションモード[C]では、キー透過用LED11Lをオフにし、キャリブレーションマーク透過用LED15RをオンにすることでキャリブレーションマークKc1~Kc4を赤色(R)で表示させ、当該キャリブレーションマークKc1~Kc4に対するタッチ操作を容易且つ正確に行なわせることができる。また、キャリブレーションマーク透過用LED15Rだけをオンにすることで、当該キャリブレーションマークKc1~Kc4に対するタッチ操作をさらに容易且つ正確に行なわせることができる。
【0086】
よって、ユーザ入力の操作性を向上させることが可能になる。
【0087】
(他の実施形態)
図9は、他の実施形態に係る電子辞書10のペン入力モード[T]に設定された状態での外観構成を示す正面図である。
【0088】
他の実施形態の電子辞書10では、透過シート11aにおいて、透過領域LTとして形成されるキー表示部14s(図1の(A)参照)として、入力モード切替キーKmに隣接して、例えば消しゴムのマークである消去キーKEを設ける。
【0089】
そして、図2で示したように、制御基板11dには、入力モード切替キーKmと、キャリブレーションマーク(ペン入力エリア表示マーク)Kc1~Kc4との、各々に対応する背面実装型LED15Rに加えて、消去キーKEと、入力/決定(ENTER)キーKRとの、各々に対応する背面実装型LED15R(第3光源)も実装する。図9において、入力/決定(ENTER)キーKRは、リターン記号により示しているが、[ENTER]の文字であってよい。消去キーKE及び入力/決定(ENTER)キーKRは、キー表示部14sの一部である。
【0090】
ペン入力モード[T]では、制御部21は、キー透過用LED11Lをオフにすると共に、入力モード切替キーKm、キャリブレーションマーク(ペン入力エリア表示マーク)Kc1~Kc4、消去キーKE、入力/決定(ENTER)キーKR、の各々に対応する背面実装型LED15Rをオンにする。
【0091】
消去キーKEは、ペン入力モード[T]において、タッチパネル式操作部11に対するタッチ操作に応じて、表示部12にタッチ位置に対応する軌跡yを表示させる描画モード(第1ペン入力モード)に対して、消去モード(第2ペン入力モード)を設定するためのキーである。
【0092】
消去モード(第2ペン入力モード)では、制御部21は、表示部12に表示させた消去ポインタPEを、タッチパネル式操作部11に対するタッチ操作に応じて移動させ、当該表示部12に表示されている軌跡yを消去する。
【0093】
他の実施形態の電子辞書10によれば、前記実施形態と同様に、タッチパネル式操作部11のペン入力エリアを主とする広い領域が電気的に明示されていなくても、入力モード切替キーKmの表示によって、ユーザは、電子辞書10の電源がオンであり、ペン入力モード[T]の状態であることを容易に認識できると共に、前述したキー入力モード[K]への切り替えの指示を容易に行なうことができる。
【0094】
また、キャリブレーションマーク(ペン入力エリア表示マーク)Kc1~Kc4の表示によって、ユーザは、ペン入力エリアを明確に認識しつつタッチ操作(ペン入力操作)を行なうことができる。
【0095】
しかも、消去キーKEの表示によって、ユーザは、消去モードへの切り替えの指示を容易に行なうことができ、さらに、入力/決定(ENTER)キーKRの表示によって、ユーザは、例えば、タッチ操作に応じて表示部12に表示させた手書きの軌跡yの入力を決定し保存を指示するなどの操作を容易に行なうことができる。
【0096】
なお、ペン入力モード[T]においてオン(点灯)にする背面実装型LED15Rは、入力モード切替キーKm、キャリブレーションマーク(ペン入力エリア表示マーク)Kc1~Kc4、消去キーKE、入力/決定(ENTER)キーKR、の各々に対応して設けたが、これらのキーのうち、例えば、入力モード切替キーKmと消去キーKEのように、隣接する複数のキー同士の間隔が狭ければ、隣接する複数のキーを1つの背面実装型LED15Rにより表示させる構成としてもよい。
【0097】
この場合、背面実装型LED15Rを、隣接する複数のキーの境界付近に対応した位置に設け、図3で示した反射シート11cMの光通過孔11Hを当該隣接する複数のキーに跨る範囲に広げて形成することで同複数のキーを表示させる構成としてもよいし、あるいは、隣接する複数のキーのうち特定のキー(ここでは、入力モード切替キーKm)に対応して設けた背面実装型LED15Rの光量を上げることで、当該特定のキーに隣接するキー(ここでは、消去キーKE)に漏れ出る光により同隣接するキーを表示させる構成としてもよい。
【0098】
また、第3光源としての背面実装型LED15Rは、前述した入力モード切替キーKm、消去キーKE、入力/決定(ENTER)キーKRに限らず、キー表示部14sの一部のキー(キー表示部14sに含まれる何れか1つまたは複数のキー(第1パターン))に対応して設けられてもよい。この場合でも、ペン入力モード[T]において、制御部21は、キー透過用LED11Lをオフにすると共に、キー表示部14sに含まれる各キーに対応する背面実装型LED15Rをオンにする。また、前述した実施形態と同時にペン入力モード[T]において、制御部21は、第3光源に加えて第4光源をオンにしてもよく、第3光源のみをオンにしてもよい。
【0099】
前記各実施形態において、背面実装型LED15R(第3光源)を入力モード切替キーKmに対応する位置に設けない場合には、キー入力モード[K]とペン入力モード[T]との切り替えを、例えば当該背面実装型LED15Rを設けた他のキーを長押しすることにより行ってもよい。
【0100】
入力モード切替キーKmに対応する背面実装型LED15Rを設けなくても、他のキーに対応する第3光源を点灯させることで、ユーザは、電子辞書10の電源がオンであり、ペン入力モード[T]の状態であることを容易に認識できる。
【0101】
また、任意のキーの表示を背面実装型LED15R(第3光源)により行うことにより、ペン入力モード[T](第2の動作モード)で表示させたいキーを変更する場合でも、透過シート11aを共通化して利用できる。
【0102】
また、第2光源として設ける背面実装型LED15Rの点灯状態を制御することで、例えば、バッテリーが不足してきた場合に点滅させて警告するなど、新たな機能を実現することができる。
【0103】
また、タッチパネル式操作部11の特定のキーやマークに対応して設けた背面実装型LED15Rの発光色は赤色に限らず、当該キーやマークの役割に応じて異なる発光色にしてよい。
【0104】
本発明の電子機器は、実施形態として説明した電子辞書10に限らず、当該電子辞書10と同様のタッチパネル式操作部11を備えた他の電子機器にも適用可能であるのは言うまでもない。
【0105】
以上の実施形態において記載した電子辞書10による各処理の手法、すなわち、図5のフローチャートに示す動作モード設定処理、図6のフローチャートに示すキー入力モード[K]でのキー入力処理、図7のフローチャートに示すペン入力モード[T]でのペン入力処理、図8のフローチャートに示すキャリブレーションモード[C]でのキャリブレーション処理などの各手法は、何れもコンピュータに実行させることができるプログラムとして、メモリカード(ROMカード、RAMカードなど)、磁気ディスク(フロッピ(登録商標)ディスク、ハードディスクなど)、光ディスク(CD-ROM、DVDなど)、半導体メモリなどの外部記録装置の媒体に格納して配布することができる。そして、電子機器の制御部(CPU)は、この外部記録装置の媒体に記録されたプログラムを記憶装置に読み込み、この読み込んだプログラムによって動作が制御されることにより、実施形態において説明した各種の機能を実現し、前述した手法による同様の処理を実行することができる。
【0106】
また、各手法を実現するためのプログラムのデータは、プログラムコードの形態として通信ネットワーク(N)上を伝送させることができ、この通信ネットワーク(N)に接続されたコンピュータ装置(プログラムサーバ)から、前記プログラムのデータを電子機器に取り込んで記憶装置に記憶させ、前述した各種の機能を実現することもできる。
【0107】
なお、本発明は、実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、実施形態は適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、実施形態には種々の発明が含まれており、開示される複数の構成要件から選択された組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、課題が解決でき、効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【0108】
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
【0109】
[付記1]
タッチパネルと、
前記タッチパネルに重ねられ、複数のキャラクタパターンが透過領域として形成される透過シートと、
前記透過シートの下方に配置された導光部材と、
前記導光部材に光を照射することで、前記複数のキャラクタパターンを視認させるための第1光源と、
前記導光部材の下方に配置され、前記複数のキャラクタパターンの一部を視認させるための第2光源と、
制御部と、を備え、
前記制御部は、
動作モードを切り替え可能であり、
前記第1光源の点灯と消灯および前記第2光源の点灯と消灯を前記動作モードに応じて制御する、
電子機器。
【0110】
[付記2]
前記キャラクタパターンは、キー入力用の第1パターンを含み、
前記第2光源は、前記第1パターンを視認させるための第3光源を含み、
前記制御部は、
第1の動作モードでは、前記第1光源を点灯させ、前記第3光源を消灯させるように制御し、
第2の動作モードでは、前記第1光源を消灯させ、前記第3光源を点灯させるように制御する、
付記1に記載の電子機器。
【0111】
[付記3]
前記キャラクタパターンは、前記タッチパネルにより検出されるタッチ位置の位置ずれを補正するための複数の第2パターンを含み、
前記第2光源は、前記複数の第2パターンを各々視認させるための複数の第4光源を備え、
前記制御部は、
第3の動作モードでは、前記第1光源を消灯させ、前記第4光源を点灯させるように制御する、
付記1に記載の電子機器。
【0112】
[付記4]
前記キャラクタパターンは、キー入力用の第1パターンを含み、
前記第2光源は、前記第1パターンを視認させるための第3光源を含み、
前記複数の第2パターンは、前記タッチパネルによりタッチ位置が検出可能な領域に対応して形成されており、
前記制御部は、
第2の動作モードでは、前記第1光源を消灯させ、前記第3光源および前記第4光源を点灯させるように制御する、
付記3に記載の電子機器。
【0113】
[付記5]
前記制御部は、
前記第3の動作モードにおける前記第4光源の光量を、前記第2の動作モードにおける前記第4光源の光量よりも大きくするように制御する、
付記4に記載の電子機器。
【0114】
[付記6]
前記制御部は、
前記第3の動作モードでは、前記第4光源を予め定められた順番で点灯させるように制御する、
付記3ないし付記5の何れかに記載の電子機器。
【0115】
[付記7]
前記制御部は、
前記第3の動作モードでは、前記タッチパネルにより前記第2パターンに対応するタッチ位置が検出された場合に、タッチ位置が検出された前記第2パターンに対応する前記第4光源を消灯させるように制御する、
付記3ないし付記6の何れかに記載の電子機器。
【0116】
[付記8]
前記制御部は、
前記第3の動作モードにおいて、前記タッチパネルにより前記複数の第2パターンに各々対応するタッチ位置が検出された場合、検出されるタッチ位置の補正処理を行なう、
付記3ないし付記7の何れかに記載の電子機器。
【0117】
[付記9]
前記制御部は、
前記電子機器の電池電源を交換した場合、前記電子機器の累積使用時間が予め設定された一定の時間に到達した場合、または同じキーのキー入力が予め設定された一定の回数連続して繰り返された場合のうちの少なくともいずれかの場合において、前記タッチパネルの動作モードを前記第3の動作モードに切り替える、
付記3ないし付記8の何れかに記載の電子機器。
【0118】
[付記10]
前記第1パターンは、前記第1の動作モードと前記第2の動作モードとの切り替えを指示するための切替パターンであり、
前記制御部は、
前記タッチパネルにより前記切替パターンに対応するタッチ位置が検出された場合、前記第1の動作モードと前記第2の動作モードとの切り替えを行なう、
付記2に記載の電子機器。
【0119】
[付記11]
タッチパネルと、
前記タッチパネルに重ねられ、複数のキャラクタパターンが透過領域として形成される透過シートと、
前記透過シートの下方に配置された導光部材と、
前記導光部材に光を照射することで、前記複数のキャラクタパターンを視認させるための第1光源と、
前記導光部材の下方に配置され、前記複数のキャラクタパターンの一部を視認させるための第2光源と、
制御部と、を備えた電子機器の前記制御部により、
動作モードを切り替え、
前記第1光源の点灯と消灯および前記第2光源の点灯と消灯を前記動作モードに応じて制御する、
電子機器の制御方法。
【0120】
[付記12]
タッチパネルと、
前記タッチパネルに重ねられ、複数のキャラクタパターンが透過領域として形成される透過シートと、
前記透過シートの下方に配置された導光部材と、
前記導光部材に光を照射することで、前記複数のキャラクタパターンを視認させるための第1光源と、
前記導光部材の下方に配置され、前記複数のキャラクタパターンの一部を視認させるための第2光源と、
制御部と、を備えた電子機器の前記制御部を、
動作モードを切り替え、
前記第1光源の点灯と消灯および前記第2光源の点灯と消灯を前記動作モードに応じて制御する、
ように機能させるプログラム。
【符号の説明】
【0121】
10 …電子辞書(電子機器)
11 …タッチパネル式操作部
11a…透過シート
11b…タッチパネル
11c…導光板(導光部材)
11cB…主導光板
11cD…光拡散シート
11cM…反射シート
11H…光通過孔
11L…キー透過用LED(第1光源)
11d…制御基板
12 …表示部
y …軌跡
LB …遮光領域
14s…キー表示部(第1パターン)
14b…境界表示部
LT …透過領域
Km …入力モード切替キー(第1パターン)
Kc1~Kc4…キャリブレーションマーク(ペン入力エリア表示マーク)(第2パターン)
15R…背面実装型LED(第2光源:第3光源/第4光源)
15H…LED取付孔
KE …消去キー(第1パターン)
KR …入力/決定(ENTER)キー(第1パターン)
PE …消去ポインタ
(R)…赤色
14d…機能指定キー
14K…キー入力部
PP …固定印刷
14T…ペン入力部
21 …制御部(CPU)
22 …記憶部
22a…辞書制御プログラム
22c…モードデータ記憶領域
22d…キー入力データ記憶領域
22e…タッチ位置データ記憶領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9