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  • 特開-バッテリ管理装置 図1
  • 特開-バッテリ管理装置 図2
  • 特開-バッテリ管理装置 図3
  • 特開-バッテリ管理装置 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023137721
(43)【公開日】2023-09-29
(54)【発明の名称】バッテリ管理装置
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20230922BHJP
【FI】
H02J7/00 302C
H02J7/00 P
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022044062
(22)【出願日】2022-03-18
(71)【出願人】
【識別番号】000000170
【氏名又は名称】いすゞ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山根 太志
(72)【発明者】
【氏名】菊地 拓也
【テーマコード(参考)】
5G503
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503BA04
5G503BB01
5G503CA11
5G503FA06
5G503GD05
(57)【要約】
【課題】バッテリパックのID設定の利便性をより向上させることができるバッテリ管理装置を提供すること。
【解決手段】バッテリ管理装置は、車両に搭載され、並列に接続された複数のバッテリパックのそれぞれに内蔵されたバッテリ管理装置であって、バッテリパックが車両側のハーネスに接続されたときに、複数のポートのそれぞれに印加された電圧値を判定する判定部と、電圧値に基づいて、バッテリパックのIDを決定する決定部と、を有する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載され、並列に接続された複数のバッテリパックのそれぞれに内蔵されたバッテリ管理装置であって、
前記車両には、前記バッテリパックと1対1に接続されるハーネスが搭載されており、
前記ハーネスには、グランドへの接続または非接続のいずれかに設計された複数のハーネス側配線が設けられており、
前記バッテリパックには、前記複数のハーネス側配線のそれぞれに接続される複数のパック側配線が設けられており、
前記バッテリ管理装置は、
前記複数のパック側配線のそれぞれと接続される複数のポートと、
前記バッテリパックが前記ハーネスに接続されたときに、前記複数のポートのそれぞれに印加された電圧値を判定する判定部と、
前記電圧値に基づいて、前記バッテリパックのIDを決定する決定部と、を有する、
バッテリ管理装置。
【請求項2】
前記複数のハーネス側配線の前記グランドへの接続または非接続の設計は、前記複数のハーネス毎に異なっている、
請求項1に記載のバッテリ管理装置。
【請求項3】
前記IDは、二進数で表現される、
請求項1または2に記載のバッテリ管理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、バッテリ管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車において、複数のバッテリパックが並列に接続され、バッテリパック毎に搭載された複数のスレーブBMS(Battery Management System)と、それらの上位コントローラに相当する1つのマスターBMSとが、CAN(Controller Area Network)通信を行うシステムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2019-532605号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したシステムでは、マスターBMSが各バッテリパックを識別するために、各バッテリパックにIDが設定されるが、従来では、予めバッテリパック毎に決められたIDを設定しておく必要があり、利便性の点で改善の余地があった。
【0005】
本開示の一態様の目的は、バッテリパックのID設定の利便性をより向上させることができるバッテリ管理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係るバッテリ管理装置は、車両に搭載され、並列に接続された複数のバッテリパックのそれぞれに内蔵されたバッテリ管理装置であって、前記車両には、前記バッテリパックと1対1に接続されるハーネスが搭載されており、前記ハーネスには、グランドへの接続または非接続のいずれかに設計された複数のハーネス側配線が設けられており、前記バッテリパックには、前記複数のハーネス側配線のそれぞれに接続される複数のパック側配線が設けられており、前記バッテリ管理装置は、前記複数のパック側配線のそれぞれと接続される複数のポートと、前記バッテリパックが前記ハーネスに接続されたときに、前記複数のポートのそれぞれに印加された電圧値を判定する判定部と、前記電圧値に基づいて、前記バッテリパックのIDを決定する決定部と、を有する。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、バッテリパックのID設定の利便性をより向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本開示の実施の形態に係るバッテリパックシステムの構成を示す模式図
図2】本開示の実施の形態に係るバッテリパックおよびハーネスの構成を示す模式図
図3】本開示の実施の形態に係るMBMSの構成を示すブロック図
図4】本開示の実施の形態に係るMBMSの動作を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0010】
まず、本実施の形態に係るバッテリパックシステム1の構成について、図1を用いて説明する。図1は、バッテリパックシステム1の構成例を示す模式図である。
【0011】
図1に示すバッテリパックシステム1は、車両(例えば、電気自動車)に搭載される。
【0012】
バッテリパックシステム1は、1つのMBMS(Master Battery Management System)10、複数のバッテリパック20、1つのVCU(Vehicle Control Unit)30を有する。
【0013】
複数のバッテリパック20は、並列に接続されている。各バッテリパック20には、PBMS(Pack Battery Management System)21が内蔵されている。なお、図示は省略するが、各バッテリパック20には、充放電可能な二次電池、高電圧リレー(例えば、正極側リレー、負極側リレー)、抵抗器、電圧計、電流計等も含まれる。
【0014】
VCU30は、自動車の全般的な制御を行うコンピュータである。VCU30は、MBMS10の上位のコンピュータ(コントローラ)に相当する。
【0015】
MBMS10は、主に、各バッテリパック20の管理を行うコンピュータである。MBMS10は、PBMS21の上位のコンピュータ(コントローラ)に相当する。
【0016】
PBMS21は、主に、バッテリパック20の状態を監視したり、高電圧リレーの駆動を制御したりするコンピュータである。バッテリパック20の状態としては、例えば、バッテリパック20内の電流、電圧、温度や、劣化度、充電量(SOC:State Of Charge)等が挙げられる。このPBMS21は、「バッテリ管理装置」の一例に相当する。
【0017】
MBMS10と、VCU30、PBMS21のそれぞれとは、CAN(Controller Area Network)による通信を行う。各PBMS21と、MBMS10とは、CAN通信線(符号略)を介して電気的に接続される。また、MBMS10と、VCU30とは、CAN通信線(符号略)を介して電気的に接続される。
【0018】
以上、バッテリパックシステム1の構成について説明した。
【0019】
次に、本実施の形態に係るバッテリパック20およびハーネス40の構成について、図2を用いて説明する。図2は、バッテリパック20およびハーネス40の構成例を示す模式図である。
【0020】
なお、図2では複数のバッテリパック20のうちの1つのみを図示しており、以下ではその1つのバッテリパック20を例に挙げて説明するが、以下の説明は、バッテリパックシステム1に含まれるバッテリパック20全てに当てはまるものとする。
【0021】
図2に示すハーネス40は、バッテリパック20の数に応じて、車両に搭載される。すなわち、車両には、複数のハーネス40が搭載される。1つのハーネス40に対し、1つのバッテリパック20が接続される。
【0022】
図2に示すように、ハーネス40は、ハーネス側配線41~44およびコネクタ45を備えている。
【0023】
ハーネス側配線41~44の一端は、グランド(シャシGND)への接続または非接続のいずれかに設計されている。図2の例では、ハーネス側配線41、42、44それぞれの一端はグランドへ接続されるように設計されており、ハーネス側配線43の一端はグランドへ接続されないように設計されている。なお、このハーネス側配線41~44の設計は、ハーネス40毎に異なっている。
【0024】
ハーネス側配線41~44の他端は、それぞれ、ハーネス40(コネクタ45)にバッテリパック20が接続された場合に、後述するパック側配線31~34に接続される。
【0025】
コネクタ45は、バッテリパック20との接続部分である。バッテリパック20は、コネクタ45に対して着脱自在である。
【0026】
なお、図示は省略しているが、ハーネス40には、上述したCAN通信線(PBMS21とMBMS10とを接続する通信線)が含まれている。
【0027】
図2に示すように、バッテリパック20は、パック側配線31~34を備えている。パック側配線31~34の一端は、それぞれ、PBMS21に設けられたポート(入力端子)P1~P4に接続されている。パック側配線31~34の他端は、それぞれ、ハーネス40(コネクタ45)にバッテリパック20が接続された場合に、上述したハーネス側配線41~44の他端に接続される。
【0028】
また、パック側配線31~34のそれぞれには、電圧印加用の分岐配線(符号略)が連結されている。
【0029】
ハーネス40(コネクタ45)にバッテリパック20が接続された際、PBMS21のポートP1~P4のそれぞれには、例えば、5Vまたは0Vのいずれかが印加される。どちらの電圧値が印加されるかは、パック側配線31~34それぞれの接続先であるハーネス側配線41~44がグランドに接続されているか否かによって決まる。
【0030】
例えば図2の場合では、上述したとおり、ハーネス側配線41、42、44がグランドに接続されており、かつ、ハーネス側配線43がグランドに接続されていない設計となっている。よって、ハーネス側配線41、42、44のそれぞれとパック側配線31、32、34を介して接続されるポートP1、P2、P4には、5Vが印加されることになる。一方、ハーネス側配線43とパック側配線33を介して接続されるポートP3には、0Vが印加されることになる。
【0031】
上述したとおり、ハーネス側配線41~44それぞれのグランドへの接続/非接続の設計は、ハーネス40毎に異なっている。よって、PBMS21毎(バッテリパック20毎)に、ポートP1~P4に印加される電圧値の組み合わせも異なることになる。
【0032】
以上、バッテリパック20およびハーネス40の構成について説明した。
【0033】
次に、本実施の形態に係るPBMS21の構成について、図3を用いて説明する。図3は、PBMS21の構成例を示すブロック図である。
【0034】
図示は省略するが、PBMS21は、ハードウェアとして、例えば、CPU(Central Processing Unit)、コンピュータプログラムを格納したROM(Read Only Memory)、作業用メモリであるRAM(Random Access Memory)等を有する。以下に説明する機能は、CPUがROMから読み出したコンピュータプログラムをRAMにて実行することにより実現される。
【0035】
図3に示すように、PBMS21は、判定部110および決定部120を有する。
【0036】
判定部110は、バッテリパック20がハーネス40に接続されたときに、複数のポートP1~P4のそれぞれに印加された電圧値を判定する。
【0037】
例えば、上述した図2の場合では、判定部110は、ポートP1の電圧値は5Vであり、ポートP2の電圧値は5Vであり、ポートP3の電圧値は0Vであり、ポートP4の電圧値は5Vである、と判定する。
【0038】
決定部120は、判定部110により判定された各電圧値に基づいて、バッテリパック20のIDを決定する。
【0039】
例えば、上述したようにポートP1~P4それぞれの電圧値が、5V、5V、0V、5Vである場合、決定部120は、5Vを「1」に変換し、0Vを「0」に変換する。そして、決定部120は、その変換により得られた数字の列「1101」を、バッテリパック20のIDに決定する。このように、バッテリパック20のIDは、二進数で表現されることになる。
【0040】
決定部120は、決定したバッテリパック20のIDを記憶する。このIDは、PBMS21からMBMS10へ送信される情報(例えば、バッテリパック20の状態を示す情報)に付与される。これにより、MBMS10は、受信した情報がそのバッテリパック20から送信されてきたものであるか(言い換えれば、情報の送信元のバッテリパック20)を識別することができる。
【0041】
以上、PBMS21の構成について説明した。
【0042】
次に、PBMS21の動作について、図4を用いて説明する。図4は、PBMS21の動作を示すフローチャートである。
【0043】
図4に示すフローは、例えば、バッテリパック20がハーネス40(コネクタ45)に接続された際に開始される。
【0044】
まず、判定部110は、ポートP1~P4それぞれに印加された電圧値を判定する(ステップS1)。
【0045】
次に、決定部120は、各電圧値に基づいて、バッテリパック20のIDを決定し、記憶する(ステップS2)。
【0046】
以上説明したように、本実施の形態のPBMS21は、車両に搭載され、並列に接続された複数のバッテリパック20のそれぞれに内蔵されたバッテリ管理装置であって、車両には、バッテリパック30と1対1に接続されるハーネス40が搭載されており、ハーネス40には、グランドへの接続または非接続のいずれかに設計された複数のハーネス側配線41~44が設けられており、バッテリパック20には、複数のハーネス側配線41~44のそれぞれに接続される複数のパック側配線31~34が設けられており、PBMS21は、複数のパック側配線31~34のそれぞれと接続される複数のポートP1~P4と、バッテリパック20がハーネス40に接続されたときに、複数のポートP1~P4のそれぞれに印加された電圧値を判定する判定部110と、電圧値に基づいて、バッテリパック20のIDを決定する決定部120と、を有することを特徴とする。
【0047】
この特徴により、本実施の形態のPBMS21は、バッテリパック20をハーネス40に接続するだけでPBMS21が自動的にバッテリパック20のIDを認識する。よって、従来のように、予めバッテリパック20毎に決められたIDを設定する作業等を行う必要がなく、複数のバッテリパックのそれぞれにIDを設定する際の利便性をより向上させることができる。
【0048】
なお、本開示は、上記実施の形態の説明に限定されず、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の変形が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本開示のバッテリ管理装置は、複数のバッテリパックのそれぞれにIDを設定する場合に有用である。
【符号の説明】
【0050】
1 バッテリパックシステム
10 MBMS
20 バッテリパック
21 PBMS
30 VCU
31、32、33、34 パック側配線
40 ハーネス
41、42、43、44 ハーネス側配線
45 コネクタ
110 判定部
120 決定部
P1、P2、P3、P4 ポート
図1
図2
図3
図4