(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023137736
(43)【公開日】2023-09-29
(54)【発明の名称】遊技場用システム
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20230922BHJP
【FI】
A63F7/02 350Z
A63F7/02 332Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022044081
(22)【出願日】2022-03-18
(71)【出願人】
【識別番号】000108937
【氏名又は名称】ダイコク電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】弁理士法人サトー
(72)【発明者】
【氏名】小島 紹広
【テーマコード(参考)】
2C088
【Fターム(参考)】
2C088CA02
2C088CA27
2C088CA31
2C088EA49
(57)【要約】
【課題】複数の特別状態に対して共通の特別状態信号が出力される機種について、少なくとも何れか一方の特別状態、或いは遊技者にとって有利な状況となったことの報知を対象とする特定精度を高める。
【解決手段】情報表示装置は、特別状態中に発生した大当りを介して遷移した特別状態を、先に発生した特別状態と異なる第2特別状態として判定するので、複数の特別状態に対して共通の特別状態信号が出力される機種について、少なくとも何れか一方の特別状態、或いは遊技者にとって有利な状況となったことの報知を対象とする特定精度を高めた遊技場用システムを提供可能となる。
【選択図】
図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通常状態、及び当該通常状態よりも遊技者が有利となる特別状態において大当りを発生させるための単位遊技を行い、その結果に応じて大当りを発生可能な遊技機であって、前記特別状態として第1特別状態と第2特別状態とを発生可能であり、大当り状態に対応する大当り信号、及び前記第1特別状態と前記第2特別状態とに共通して対応する特別状態信号を出力する遊技機を管理対象とした遊技場システムにおいて、
前記大当り信号及び前記特別状態信号を少なくとも含む複数種類の遊技信号を入力可能な入力手段と、
前記入力手段より入力される遊技信号に基づいて、対応する遊技機の遊技状態を特定する特定手段と、
前記特定手段による遊技状態の特定状況に基づいて、前記第2特別状態を判定する判定手段と、を備え、
遊技機において、前記第1特別状態と前記第2特別状態とは何れも大当りを介して発生可能である一方、前記第2特別状態は、通常状態中に発生した大当りを介するよりも特別状態中に発生した大当りを介した方が発生し易いように構成されており、
前記判定手段は、前記大当り信号及び前記特別状態信号に基づいて、前記特別状態中に発生した大当りを介して特別状態が発生したことが特定された場合、当該大当りを介して発生した特別状態を前記第2特別状態と判定する遊技場用システム。
【請求項2】
通常状態において大当りを発生させるための単位遊技を行い、その結果に応じて大当りを発生可能な遊技機であって、通常状態よりも遊技者が有利となる特別状態として第1特別状態と第2特別状態とを発生可能であり、大当り状態に対応する大当り信号、及び前記第1特別状態と前記第2特別状態とに共通して対応する特別状態信号を出力する遊技機を管理対象とした遊技場システムにおいて、
前記大当り信号及び前記特別状態信号を少なくとも含む複数種類の遊技信号を入力可能な入力手段と、
前記入力手段より入力される遊技信号に基づいて、対応する遊技機の遊技状態を特定する特定手段と、
前記特定手段による遊技状態の特定状況に基づいて、前記第2特別状態を判定する判定手段と、を備え、
遊技機において、前記第1特別状態と前記第2特別状態とは何れも大当りを介して発生可能である一方、前記第2特別状態は、大当りを発生させるための条件が前記第1特別状態よりも遊技者にとって有利となるように構成されており、
前記判定手段は、前記大当り信号及び前記特別状態信号に基づいて、前記特別状態中に発生した大当りを介して特別状態が発生したことが特定された場合、当該大当りを介して発生した特別状態を前記第2特別状態と判定して、その第2特別状態或いは大当りに係る特別報知を報知手段に実行させる遊技場用システム。
【請求項3】
前記判定手段により前記第2特別状態が判定された場合に、その第2特別状態或いは大当りに係る特別報知を実行する報知手段を備え、
前記報知手段は、前記特別報知後から通常状態に戻るまでの間に新たに特別状態が発生しても、新たな前記特別報知を行わない請求項1又は2に記載の遊技場用システム。
【請求項4】
遊技機において、前記第1特別状態は大当りを介さずに通常状態中でも発生可能に構成されており、
前記判定手段は、前記大当り信号及び前記特別状態信号に基づいて、前記特別状態中に発生した大当りを介して特別状態が発生したことが特定された場合、当該大当りの前の前記特別状態が大当りを介さずに発生したかに関わらず、前記第2特別状態の判定を行う請求項1から3の何れか一項に記載の遊技場用システム。
【請求項5】
前記遊技場用システムにおいて、前記第1特別状態と前記第2特別状態とに共通して対応する特別状態信号を出力する前記遊技機としての第1遊技機、及び前記第1特別状態と前記第2特別状態とで区別可能な区別状態信号を出力する第2遊技機、を管理対象として含み、
前記第2特別状態を、前記判定手段による判定と前記区別状態信号との何れにより区別するかを予め設定するための設定手段を備える請求項1から4の何れか一項に記載の遊技場用システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技場用システムに関する。
【背景技術】
【0002】
遊技場に設置される遊技機には様々な特別状態が搭載されており、例えば特許文献1では、大当り後に所定回数の図柄変動を行うまで大当り確率が向上する所謂STとなる遊技機を対象として、ST突入回数やST突入率といった遊技情報を特定し、遊技者に提供することが提案されている(同文献1の段落[0316]参照)。
こうした遊技機のSTを特定する場合、ST以外に大当り確率が向上しない所謂時短状態となる場合もあるので、確変中信号や時短中信号等の状態信号によりSTか時短かを区別して上記のような遊技情報や、STの突入演出を行っていた(同文献1の段落[0170]、[0171]参照)。また、確変中信号が出力されず、STであるかに関わらず時短中信号だけが出力される遊技機を対象とした場合、STと時短とを区別できず、例えば「チャンス中」といった何れにも対応可能な表現で遊技者に遊技情報の提供や突入演出を行っていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のように特別状態の種類を区別できず、或いは係る遊技情報の表現が曖昧になるといった状況は、STと時短以外にも複数の特別状態を発生可能な遊技機について共通の問題となるが、遊技性によっては複数の特別状態に対して共通の特別状態信号が出力される場合であってもある程度区別可能な機種もあることから、この点で改良が求められていた。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、複数の特別状態に対して共通の特別状態信号が出力される機種について、少なくとも何れか一方の特別状態、或いは遊技者にとって有利な状況となったことの報知を対象とする特定精度を高めた遊技場用システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、通常状態、及び当該通常状態よりも遊技者が有利となる特別状態において大当りを発生させるための単位遊技(例えば液晶表示部13にて行う図柄変動)を行い、その結果に応じて大当りを発生可能な遊技機であって、前記特別状態として第1特別状態(例えば時短)と第2特別状態(例えばST)とを発生可能であり、大当り状態に対応する大当り信号、及び前記第1特別状態と前記第2特別状態とに共通して対応する特別状態信号を出力する遊技機を管理対象とした遊技場システムにおいて、
前記大当り信号及び前記特別状態信号を少なくとも含む複数種類の遊技信号を入力可能な入力手段(例えばI/F37を有する情報表示装置3)と、
前記入力手段より入力される遊技信号に基づいて、対応する遊技機の遊技状態を特定する特定手段(例えば情報表示装置3)と、
前記特定手段による遊技状態の特定状況に基づいて、前記第2特別状態を判定する判定手段(例えば情報表示装置3)と、を備え、
遊技機において、前記第1特別状態と前記第2特別状態とは何れも大当りを介して発生可能である一方、前記第2特別状態は、通常状態中に発生した大当りを介するよりも特別状態中に発生した大当りを介した方が発生し易いように構成されており、
前記判定手段は、前記大当り信号及び前記特別状態信号に基づいて、前記特別状態中に発生した大当りを介して特別状態が発生したことが特定された場合、当該大当りを介して発生した特別状態を前記第2特別状態と判定する(例えば
図9の「ST判定」)。
【0007】
上記構成によれば、特別状態中に発生した大当りを介して遷移した特別状態を、先に発生した特別状態と異なる第2特別状態として判定するので、複数の特別状態に対して共通の特別状態信号が出力される機種について、少なくとも何れか一方の特別状態、或いは遊技者にとって有利な状況となったことの報知を対象とする特定精度を高めた遊技場用システムを提供可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第1実施形態における遊技場用システムの概略図
【
図4】情報表示装置に表示される画面であって、(a)は大当り突入画面、(b)はチャンス突入画面、(c)はST突入画面、(d)はRUSH突入画面、を示す図
【
図5】(a)は大当り中画面、(b)はチャンス中画面、(c)はST中画面、を示す図
【
図10】RUSH判定処理の流れを示すフローチャート
【
図11】第2実施形態の情報表示装置に表示されるデータ切替画面を示す図
【
図13】確変報知抑制処理の流れを示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0009】
<第1実施形態>
以下、本発明の第1実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、遊技場用システムの全体構成を示す概略図である。遊技場内には複数の遊技機1が設置されており、それら遊技機1各々と1対1で対応して、遊技装置2及び情報表示装置3が付設されている。遊技機1、遊技装置2及び情報表示装置3は、2台ずつ中継装置4に接続され、中継装置4は、LAN5を介して管理装置6と接続されている。また、遊技場にはPOSや残高精算機(何れも図示略)も設置されており、これらPOSや残高精算機も、LAN5を介して管理装置6と接続されている。なお、
図1では図示を省略したが、実際には例えば数百台の遊技機1が管理装置6の管理対象となっている。
【0010】
管理装置6は、遊技場内の例えば事務室などに設置されており、遊技場の管理者が操作するキーボード7、モニタ8が接続されると共に、図示しないマウスやプリンタ等が接続されている。管理装置6は、遊技機側(遊技機1、遊技装置2など)から出力される遊技信号を入力することで、遊技機1毎の遊技データを遊技情報として管理する。
【0011】
遊技機1は、遊技媒体(遊技価値)を玉とするCR(カードリーダ)パチンコ機であり、盤面1aに玉を発射する発射装置を構成する操作ハンドル10、上受皿11、下受皿12を有し、盤面1aに、液晶表示部13、普図入賞口14、第1始動口15、第2始動口16、大入賞口17を有する。また、遊技機1における上受皿11上面には残高表示部11a、貸出釦11b、返却釦11cを有する。
【0012】
遊技機1は以下に示すように動作する。
(a)第1始動口15は入賞率が変動しない入賞口(所謂ヘソ入賞口)であり、第2始動口16は入賞率が変動する入賞口(所謂電チュー)である。各始動口15,16への入賞(始動入賞)に応じて大当り抽選を行い、その抽選結果を液晶表示部13にて行う図柄変動(単位遊技)にて報知し、その変動結果に応じて大当りとなる。換言すれば、始動入賞に応じて大当りを発生させるための単位遊技を行い、その結果に応じて大当りを発生可能である。
【0013】
(b)図柄変動中に始動入賞した場合には所定の保留上限値(例えば各4つ)まで図柄変動を累積的に保留し、図柄変動終了後に保留している図柄変動を開始する。なお、保留している図柄変動数(保留数)が上限値である状態で始動入賞した場合、図柄変動は保留されず、第2始動口16に保留がある場合は第1始動口15の保留に優先して保留している図柄変動を実行する。
【0014】
(c)大当り抽選の当選確率(大当り確率)は1/310で、大当りがその後確変状態(確変)となる大当り(確変大当り)となる割合である確変率は、ヘソ入賞では40%であるのに対して電チュー入賞では100%である。大当りが発生すると振分けられたラウンド(R)分だけ大入賞口17を開放する。
ここでラウンドは、ヘソ入賞では全てが4Rに振分けられる一方、電チュー入賞では10Rに60%、3Rに40%で振分けられる。なお、1Rの上限入賞数は10個、上限開放時間は30秒であり、上限入賞数または上限開放時間の何れかが満たされた場合に1Rを終了する。
【0015】
(d)確変中は大当り確率が1/70に向上すると共に始動口の入賞率が高くなる時短状態(時短)になる複合時短となり、大当り発生、或いは100回の図柄変動が行われるまで継続する所謂STとなる。一方で、確変とならない通常大当りが発生した場合、120回の図柄変動が行われるまで継続する確変ではない時短(単独時短)となり、ST終了後は20回分の単独時短となり、総じて大当り後にSTと単独時短との何れが発生しても120回の図柄変動により大当りが発生しなければ通常状態に戻る。
【0016】
(e)第2始動口16は普図入賞口14への入賞に応じて変動する普通図柄(普図)が当りとなった場合に入賞率の高い開放状態となる。この場合、普
図1回の変動時間は通常状態では30秒であり時短状態では3秒となる。また、開放時間は通常状態では0.3秒であり時短状態では5秒となる。即ち、時短状態では通常状態と比較して普図変動時間が短くなる一方、開放時間は長くなることで第2始動口16の入賞率が高くなる。
【0017】
(f)初期化条件成立(例えば大当り発生やラムクリア)後に所定数(1000回)の図柄変動を行う迄大当りとならなかった場合は所定数(1100回)の図柄変動を行う迄時短(天井時短、天時)となるが、確変にはならないので単独時短となる。ここで、天時を発生させるための図柄変動(天時S)は複合時短も含め確変中は加算対象にならないが、単独時短は確変ではないので加算対象となる。また、大当りが発生しないまま天時が終了した場合、それ以降に再度所定数(1000回)の図柄変動を行っても天時は発生しない
【0018】
また、大当り抽選同様に突然時短(突時)の抽選も行っており、当選した場合(当選確率=1/500)、所定数(1000回)の図柄変動を行う迄単独時短となる突時となる。即ち、一旦、突時が発生すれば突時が終了する図柄変動数を得れば天時Sが所定数に達するため、通常状態に戻ることなく天時へ遷移するが、突時の残り図柄変動数に関わらず天時Sが所定数に達した時点から天時が優先して発生する。
このような遊技機1以外に、確変中も加算対象となるような遊技機や、所謂ST機のような構成の単独時短が発生しない遊技機、或いは大当り確率が複数設けられ、設定により変更可能な遊技機といった例示した遊技機1以外の遊技機を管理対象としてもよい。
また、第1始動口15よりも第2始動口16の方が発生する大当りの確変率が高く、時短中は通常状態よりも第2始動口16に入賞し易くなることから、確変(ST)が通常状態中に発生した大当りを介するよりも時短中に発生した大当りを介した方が発生し易い遊技機を例示したが、例えば時短中に第1始動口15、或いは第2始動口16を対象として発生する大当りの確変率自体を向上させるといった例示した以外の構成により、時短中に発生した大当りを介した方が確変が発生し易い遊技機を管理対象としてもよい。
【0019】
遊技機側からは、遊技者による玉の打込みや各始動口15,16への始動入賞等の遊技の進行に伴って、以下の遊技信号を出力する。
・アウト信号=消費玉を回収するアウトBOXから出力される消費価値(アウト)を特定可能な信号(稼動信号)。消費(使用、打込、回収)玉10玉に対して1パルスが出力されるので、「アウト信号数×10」をアウトとして特定する。なお、遊技機1から出力される信号でもよい。
【0020】
・セーフ信号=遊技機1から出力される入賞付与価値(セーフ)を特定可能な信号。入賞に応じた払出10玉に対して1パルスが出力されるので、「セーフ信号数×10」をセーフとして特定する。なお、補給装置から出力される補給信号をセーフ信号としてもよい。また、玉を実際に払い出した際に出力される実セーフ信号と、入賞に応じて払い出しが予約された場合に出力される入賞セーフ信号とがあるが、入賞から出力までのタイムラグを極力省くため後者を採用することが望ましい。
【0021】
スタート信号=遊技機1から出力される始動入賞(S入賞)により変動(作動)する液晶表示部13(役物)におけるスタート処理(図柄変動、役物作動、単位遊技)及びスタート(スタート処理数)を特定可能な信号。図柄変動確定時に出力されるので、信号入力に応じてスタート処理を特定する。なお、始動口15,16へ入賞したことを示すS入賞信号により代用してもよい。何れにしてもスタート信号或いはこれを代用する信号は、単位遊技の実行回数を特定可能な単位遊技信号として出力される。
・大当り信号=遊技機1から出力される大当り期間を特定可能な信号。大当り中にレベル出力される状態信号なので大当り信号入力中を大当り中として特定する。
【0022】
・特別状態信号=遊技機1から出力される特別状態(甘中)を特定可能な信号。第2始動口16の入賞率が向上する特別状態中(時短中(複合時短を含む))にレベル出力される状態信号なので、特別状態信号入力中を特別状態中として特定するが、確変であるかに関わらず出力されるため確変であるかは特定不能。なお、大当り信号と特別状態信号との何れも入力していない期間を通常状態として特定する。
・確変信号=大当り確率が向上する確変中にレベル出力される状態信号。確変信号を出力する遊技機1と出力しない遊技機1とがある。
確変信号は、適宜特別状態信号と組み合わせることで後述する第1特別状態と第2特別状態とを区別可能であることから区別状態信号とも言える。また、情報表示装置3において入力される確変信号の有無を、管理装置6により設定可能となっているが、詳しくは後述する(
図8の「確変信号」の欄参照)。
【0023】
図1に示す遊技装置2は、所謂各台計数機能付の貸出機であり、遊技機1の遊技状態や遊技装置2の状態を示す状態表示灯2a、貨幣が投入される貨幣投入口21、タッチパネル式の表示部22、持玉を払出すための払出釦23、払出された玉が通過する払出ノズル24、一般カード(持玉券)や会員カードといったICカード(図示しない記録媒体)が挿入されるカード挿入口25、遊技機1の下受皿12の下方に位置する計数受皿26等を有する。
【0024】
遊技装置2は、以下に示すように動作する。
(a)貨幣を受付けすると(貨幣受付処理)と、遊技機1と遊技装置2の双方に入金額を残高に加算して表示させる。残高がある状態で遊技機1の貸出釦11bが押下(貸出操作、付与操作)されると、貸出1単位分(例えば500円)の貸出玉(対価付与価値)を遊技機1から払い出させ(対価付与処理)、レートに応じた対価分を残高から引き落とす。貨幣は複数回分の対価付与処理の対応分を受付可能である(例えば1万円まで)。
【0025】
(b)計数玉を受付けした場合は計数玉を持玉として特定し、その持玉を払出釦23の押下に応じて払戻す払戻処理を可能とし、払戻した場合にはその対価分(例えば払戻した玉数と同数)の持玉を減算する。残高や持玉が残存する状態で遊技機1の返却釦11cが押下される(発行操作を受付ける)と、遊技装置2にストックされていた残高や持玉を特定可能な一般カードを発行する。なお、持玉の一部や残高のみを発行対象とする分割発行は説明の簡略化のため不可とするが、可能としてもよい。
【0026】
(c)中継装置4とのシリアル通信(売上信号の受信)により管理装置6にて貨幣受付処理や対価付与処理、残高や持玉、貸出玉数、払戻玉数、入金額、計数玉数や貸出玉数や貸出玉の対価となる売上額、及び一般カードの受付や発行処理等の各種情報を特定可能とするが、これらをパルス信号(例えば入金1000円毎に1パルス、売上100円毎に1パルス等)にて特定可能としてもよい。
【0027】
図2は、情報表示装置3を拡大して示す正面図である。情報表示装置3は、対応する遊技機1の上側の位置に遊技機単位で設けられ、各種の遊技情報を遊技者向けに表示可能な表示画面を有する表示手段である。
情報表示装置3には、遊技者が従業員を呼出すための呼出釦29、その呼出釦29での呼出表示時や特別状態中等にイルミネーション演出を行うLEDで構成されたイルミネーション部31、及び前記表示画面として各種遊技情報等を表示する表示領域32が設けられ、その表示領域32の外面にはタッチパネル33が設けられている。
【0028】
表示領域32は、
図2に示すように正面から見て左方側のサブ表示部34と、右方側のメイン表示部35(報知手段)とに区分されている。
サブ表示部34は、例えばLEDにより「0」~「9」の数字を表示する7セグメントディスプレイにより、大当り回数やボーナス回数等を表示する複数の表示部34a,34bで構成されている。メイン表示部35は、例えばフルカラー表示可能なLCD(Liquid Cristal Display)たる液晶表示部からなり、後述する差玉グラフやキャラクタ等、数字以外にも様々な表示が可能で、又、複数の表示部35a~35dに区分して表示する等、多様な表示態様での表示が可能である。
【0029】
情報表示装置3の制御部36は、
図3の機能ブロック図で示すように、CPU36a、記憶部(例えばROM、RAM、フラッシュメモリ等)36b、I/O36c等を有するマイクロコンピュータにより構成されており、記憶部36bに記憶されているコンピュータプログラムに基づいて当該装置3全体の動作を制御する。
制御部36は、信号を入出力するI/F37を介して中継装置4に接続されており、遊技機側からの遊技信号や管理装置6からの遊技情報を、中継装置4(及びLAN5)を介して入力する。また、制御部36における各種の設定も、中継装置4を介して管理装置6にて行うことができる。
【0030】
上記したI/F37は、大当り信号及び特別状態信号並びに確変信号を少なくとも含む複数種類の遊技信号を入力可能な入力手段である。そして、制御部36は、I/F37より入力される遊技信号に基づいて、対応する遊技機1での大当り回数や遊技状態等を特定し、或いは対応する遊技機1の遊技状態を判定する。また、フラッシュメモリ等を含む記憶部36bは、遊技状態により区別される所定の情報を記憶する記憶手段に相当する。
【0031】
また、
図3に示すように、制御部36には、呼出釦29やタッチパネル33が接続されると共に、イルミネーション部31としてのLED、サブ表示部34としてのセグメント表示部、メイン表示部35としての液晶表示部等が接続されている。
制御部36は、タッチパネル33等での操作や前記遊技信号等に基づいて、イルミネーション部31、サブ表示部34、メイン表示部35の表示制御を実行することで、
図2に示す画面30や
図4、
図5に示す画面41~44,51~53,60等、様々な表示画面を表示させることができる。以下では、制御主体となる制御部36(表示手段(表示制御手段)、特定手段、特定手段、報知手段、設定手段)を単に「情報表示装置3」と称して説明を簡単化する。
【0032】
さて、本実施形態の遊技機1においては、例えば上記した時短が第1特別状態、当該時短よりも有利なSTが第2特別状態に相当するが、何れも通常状態よりも遊技者が有利な特別状態として発生可能であり、又、大当り状態に対応する大当り信号、及び時短とSTとに共通して対応する特別状態信号を出力する。
このため、従来の情報表示装置において、特別状態信号を入力したとしても(確変信号の入力がなければ)、対応する遊技機1で時短とSTとの何れか発生したかを区別できず、例えば
図4(b)に示すような「チャンス突入」画面42で両者に共通の表示が行われることとなる。このような状況は、STと時短以外にも複数の特別状態を発生可能な遊技機について共通の問題となっており、遊技状況をより的確に提示するといった観点からも課題となっている。
【0033】
そこで、本実施形態の遊技場用システムでは、遊技機1において例えば第1特別状態としての時短と第2特別状態としてのSTとは何れも大当りを介して発生可能である一方、係る第2特別状態は、通常状態中に発生した大当りを介するよりも特別状態中に発生した大当りを介した方が発生し易いように構成されており、情報表示装置3は、大当り信号及び特別状態信号に基づいて、特別状態中に発生した大当りを介して特別状態が発生したことが特定された場合、当該大当りを介して発生した特別状態を第2特別状態と判定するようになっている。
以下では、先ず「1.情報表示装置における通常表示」について説明した後、「2.各種の表示画面と設定情報」、「3.RUSH・ST判定に係るタイムチャートと判定処理の流れ」について順に説明する。
【0034】
(1.情報表示装置における通常表示)
図2に示すように、情報表示装置3は通常状態時の表示として、左側のサブ表示部34における複数の表示部34a,34bに大当り回数やスタート回数等を表示する一方、右側のメイン表示部35に、複数の表示部35a~35dを区分して表示する。
【0035】
詳細には、サブ表示部34は、
図2に例示するように、大当り回数やボーナス回数等を表示する第1サブ表示部34aと、初期化条件成立後(営業開始や特別状態の終了などにより成立)からのスタート(図柄変動)回数を表示する第2サブ表示部34bとで構成される。また、第2サブ表示部34bの下方には、対応する遊技機1の台番を示す台番表示部34cがシールとして貼付されている。
一方、メイン表示部35は、
図2に例示するように上側から順に第1メイン表示部35a、第2メイン表示部35b及び第3メイン表示部35c、並びに第4メイン表示部35dに区分されるものとする。
【0036】
第1メイン表示部35aは、対応する機種に応じた画像と大当り確率のようなスペックや遊技場からの案内や機種名等を表示する。第2メイン表示部35bは、該当期間(営業日)単位にて発生した「初当り」回数(通常状態にて発生した大当り回数)や「大当内訳」(ラウンドの大小別を表す「超」と「小」)、天井時短の発生回数や天井時短の対象となる「スタート」(天時S)等を表示する。第3メイン表示部35cは、差玉数の推移を示す所謂差玉推移グラフ、大当り単位のスタートをグラフ化した所謂スタート履歴グラフ、遊技者の持玉(獲得遊技媒体数)、大当り確率等を表示し、第4メイン表示部35dは、遊技情報表示の切替えや休憩する場合に操作する釦群を表示する。
【0037】
メイン表示部35は、少なくとも第4メイン表示部35dの部分(或いはメイン表示部35全部)にタッチパネル33が配置されたタッチパネル式のものであり、前記釦群とタッチパネル33とでタッチ操作に供される操作釦群33aが構成されている。
例えば、操作釦群33aのタッチ操作等により、上記した
図2の通常表示画面30の切替え表示を可能としており、メイン表示部35では、全部の表示部35a~35d或いは一部の表示部を統合して(例えば第2,第3メイン表示部35b,35cを統合して)、遊技情報を表示することが可能である。
【0038】
また、情報表示装置3では、対応する遊技機1の遊技状態が遷移した場合に各種突入画面や、その遷移後の遊技状態(遊技状況)に応じた画面等を、上記の如く適宜統合したメイン表示部35で切替え表示することも可能である。以下の
図4以降に示す画面41~は、係るメイン表示部35側で表示されるものとし、メイン表示部35側の部分を特化して示すものとする。
【0039】
(2.各種の表示画面と設定情報)
図4(a)~(d)は、対応する遊技機1の遊技状態が遷移した場合の突入画面41~44、
図5(a)~(c)は、遷移後の遊技状態に応じた遊技情報表示画面(状態中表示画面)51~53、
図6は、達成演出画面60の例示である。
このうち、
図4(a)~(d)の画面41~44と
図6の画面60は、第1~第4表示部35a~35dの全部を利用した画面とし、
図5(a)~(c)の画面51~53は、第3メイン表示部35c(他の表示部35a,35bも併せて示す)を利用した画面とする。
【0040】
情報表示装置3は、遊技機1の遊技状態が遷移した場合、当該遊技状態に対応する
図4の突入画面41~44(当該画面41~44のうち該当する一の画面)を所定時間(例えば6秒)表示し、その後、対応する
図5の状態中表示画面51~53(当該画面51~53のうち該当する一の画面)を表示する。
【0041】
ここで、
図4(a)及び
図5(a)は、「大当り」に対応する大当り突入画面41及び大当り中画面51、
図4(b)及び
図5(b)は、「チャンス」に対応するチャンス突入画面42及びチャンス中画面52、
図4(c)及び
図5(c)は、「ST」に対応するST突入画面43及びST中画面53、
図4(d)は、「RUSH」に対応するRUSH突入画面44である。
「チャンス」について、遊技機1では確変(第2特別状態としてのST、複合時短)と、時短(第1特別状態としての単独時短)との何れかに区別されるが、遊技信号により判定するシステム側では両者を判定できない場合もあり、その場合における何れかの状態である旨を示す状態特定となる。つまり、情報表示装置3において、入力した特別状態信号に基づき、第1特別状態と第2特別状態との何れかを区別できない場合、両者を含む特別状態として対応するチャンス突入画面42やチャンス中画面52を表示させることができる。
【0042】
「RUSH」は所謂連荘と近似する状況報知で、通常の連荘特定は2回目の大当り時だが、本実施形態のRUSHの判定は、特別状態中に発生した大当り後に特別状態となった場合となる。
つまり、本実施形態の情報表示装置3は、特定手段として特定した遊技状態の特定状況に基づき第2特別状態を判定する判定手段として構成されており、大当り信号及び特別状態信号に基づいて、特別状態中に発生した大当りを介して特別状態が発生したことを特定した場合、当該大当りを介して発生した特別状態をST(確変)と判定し併せてRUSHと判定する(以下「RUSH判定」とも称す。後述する
図9の「RUSH判定」と「ST判定」参照)。
【0043】
情報表示装置3においてRUSH判定がなされた場合、
図4のRUSH突入画面44を通常状態に戻るまでの間に1回だけ表示(例えば6秒間表示)する。このRUSH突入画面44の表示は、RUSH判定つまりは第2特別状態が判定された場合に、その第2特別状態或いは大当りに係る特別報知として実行されるものであり、当該特別報知後から通常状態に戻るまでの間に新たに特別状態が発生しても(例えば
図9の如く複数のST判定がなされても)、新たな特別報知を行わないものといえる。係るRUSH突入画面44の表示タイミングについては
図9のフローチャートで説明する。
【0044】
ここで、RUSHに関連した遊技情報を他と区別して管理する例として、例えば
図5(b)のチャンス中画面52と(c)のST中画面53とを比較すると、同図に示す「平均継続」数について、チャンス中画面52では「5.8」、ST中画面53では「15.8」と異なる回数となっている。
これは、チャンス中に対応する画面52では、STになる場合とならない場合との双方をまとめた平均継続数(大当り数÷初当り数(チャンス突入回数))を示すが、ST中に対応する画面53(後述の
図7の画面53´を含む)では、STにならない場合を排除し、STとなった場合の平均継続数としていることから、当該平均継続数をRUSHに関連して区別して管理するものといえる。
【0045】
このように、状態中表示画面51~53では平均継続回数を例示したが、以下の設定情報のところで説明するように例えばRUSHの発生割合等、他の遊技情報を対象として表示してもよいし、STとST以外とで区分しても勿論よい。
また、
図7の画面53´は、達成演出後(
図6の達成演出画面60による演出後)に、
図5のST中画面53に代えて表示されるST中画面53´を示している。
図7に示すように、ST中画面53´は、
図5のST中画面53における「ST」の表記を変更するとともに、遊技情報の背景をレインボー態様の背景表示70に変更した、ST中画面53の変形例を例示するものである。
なお、上記した
図4~
図6では汎用的な画面41~44,51~53,60を例示しているが、適宜、機種に対応した画面としてもよい。
【0046】
図8は、情報表示装置3において機種単位で設定される設定情報の一例を示している。同図に示すように、設定情報は「タイプ」「確変信号」「ST回数」「達成演出」の各設定項目を含み、夫々の設定を可能とする。
即ち「タイプ」は、「通常確変機」「ST100%」「ST100%以外」「特別状態大当り以降」のうちから、「確変信号」は、「有」「無」のうちから夫々択一的に選択され、設定される。
【0047】
「ST回数」は、遊技機1におけるSTを特定するスタートの基準値(例えば100)を定めるものである。この基準値は、第2特別状態としてのSTの開始から終了までに実行可能な単位遊技の実行回数を規定するものであり、ST回数(所定の基準回数)として予め設定することができる。情報表示装置3において、対応する遊技機1のSTが特定された場合、当該基準値にスタートが達する迄をSTと判定する。
【0048】
「達成演出」は連荘(通常状態から大当り(例えば初当り)や特別状態(例えば天時)が発生し、再び通常状態に戻るまでの間)中に行われる達成演出を行う場合の大当り数の基準値で、連荘中(初当りを含む)に当該基準値に大当り数が達すると所定の達成演出を行う。例えば、達成演出は同図に示す「10」に設定されているため、大当り数が「10」に達した場合、
図6の達成演出画面60が表示される。
【0049】
上記において確変信号を予め「有」と設定した場合、特別状態信号により特別状態を特定可能であると、確変信号によりSTや確変を区別して判定し、従来のST機のようにST回数までを「ST」とするといった他の判定方法は採用しない。つまり、信頼性の高い状態信号が出力される機種については状態信号により遊技状態を区別する一方、出力されない機種については他の遊技情報や遊技状況により間接的に遊技状態を区別している。
このように、機種(遊技機1の種類)に応じて、第2特別状態としてのST等を、区別状態信号たる確変信号と上記のRUSH判定(判定手段による判定)との何れにより区別するかを、予め確変信号の「有」「無」により設定することができる。これは、本遊技場用システムにおいて、特別状態信号を出力する機種(第1遊技機)及びこれとは別に区別状態信号を出力する機種(第2遊技機)を管理対象として含みうることを前提としている。なお、上記した各設定は、各情報表示装置3において或いは管理装置6を介して行うことができ、情報表示装置3及び管理装置6は設定手段に相当する。
以下、機種に係る設定項目の「タイプ」について詳述する。
【0050】
「通常確変機」のタイプは、大当り単位で確変かを振分けるようなST機以外の機種の場合に設定される。この場合、上記のRUSH判定は適用されず、従来の連荘判定と同様に初当りの次の大当り発生時にRUSHを特定する。なお、係るRUSHの特定は「ST100%」「ST100%以外」も同様に行われる。
【0051】
「ST100%」のタイプは、大当り後の特別状態として必ず(100%)STとなるような機種の場合に適用され、この場合、従来同様に大当り後にST回数の基準値にスタートが達するまでをSTと判定する。
「ST100%以外」のタイプは、「通常確変機」同様にSTか時短かが振分けられるような機種に対して設定され、従来同様に確変信号が「無」の場合、区分できないためSTの判定は行わず「有」の場合だけ判定される。
【0052】
「特別状態大当り以降」のタイプは、本実施形態の判定処理が適用され、後述する
図9のタイムチャート(RUSH判定、ST判定)や
図10のフローチャートに示す通り、通常状態から初当りして遷移した特別状態や、突時、天時のように通常状態から遷移した特別状態はSTと判定せずに「チャンス」と判定し(
図9のS8、S14~S17参照)、その特別状態中に発生した大当り後の特別状態をSTと判定する(S20,S25~S30参照)。以降、大当り後ST回数の基準値(例えば100)にスタートが達する迄をSTと判定する処理を繰返す(
図9では当該STと判定する処理を省略している)。
【0053】
上記の通り、本実施形態の「RUSH」は、大当りが連続的に発生する従来の連荘と近似するが、連続的に大当りが発生する期待度の高い状況を示し、「特別状態大当り以降」のタイプ以外のタイプに設定されている場合、従来と同様に2回目の大当り発生時に報知される。
【0054】
つまり、初当り後、時短とSTとの振分があり、初当り後に特別状態となっても時短であればそのまま通常状態に戻る場合もあるが、時短であればヘソ入賞よりも確変率が比較的高い電チュー入賞の頻度が高まり、大当りが発生すればその後の特別状態は連続的に大当りが発生する期待度が高まるといったSTの突入率と継続率とが異なる所謂V確ST機のような機種に対しては、そのSTに遷移した時点が遊技者にとって最も興趣が高まる時点であり、仮に初当り後に単独時短に遷移しても、その時短中に大当りすれば所謂引戻しとなってSTに遷移するため、その後のSTを称えるためにRUSH報知(
図4の画面44の表示)を行うようにしており、RUSHとは大当りだけでなく特別状態の発生により特定される場合がある状況となる。
【0055】
これは遊技機1における演出が当該機種については特別状態中に発生した大当りではなく、その後のST遷移時に行われることが多いことにも対応している。また、例えば突時や天時のような通常状態から大当りを介さず特別状態となり、当該特別状態中に大当りが発生した場合、初当りにはなるが当該初当り後の特別状態をSTと判定し、RUSH報知も行う。このように、当該機種については連荘期間中の2回目以降の特別状態をSTと判定している。
【0056】
また、当該機種の遊技機1において、上記の如く初当り後は時短やSTを一定割合で振分けること、並びに特別状態にて発生した大当り後はSTに遷移すること等を考慮しても、第2特別状態(ST)は、通常状態中に発生した大当りを介するよりも特別状態中に発生した大当りを介した方が発生し易く、又、大当りを発生させるための条件が第1特別状態(時短)よりも遊技者にとって有利となるように構成されているものといえる。
【0057】
本実施形態の情報表示装置3は、RUSHについて発生特定と突入演出とを行う構成を例示しているが、RUSHの発生回数や発生割合といった遊技情報や、RUSHとなった場合の平均大当り数(初当りからを含む、以下、同様)、平均大当り確率等、RUSHに関わる遊技情報を管理し、遊技者や遊技場管理者に報知してもよく、遊技者に報知する場合にRUSH中の画面(図示略)を別途設けて、RUSH中に当該情報を報知することが望ましい。
【0058】
(3.RUSH・ST判定に係るタイムチャートと判定処理の流れ)
図9は、本実施形態の判定処理を適用した場合における、「大当り信号」及び「特別状態信号」と「RUSH判定」及び「ST判定」との関係を示すタイムチャートである。なお、同図の図面における丸で囲った数字「1」、「2」、…は、本明細書における括弧で括った数字(1)、(2)、…に対応するものとし、(1)(4)(19)の時点にて初当りが発生した場合を想定している。
【0059】
即ち、(1)の時点にて発生した大当りが(2)の時点にて終了し、その後、特別状態となった場合、特別状態信号は大当り中にも出力されるため、同図に示すように(1)~(3)の期間出力される。この場合、特別状態信号の出力は、その特別状態の終了時点(3)で停止(OFF)するが、(1)の大当りは特別状態中に発生した大当りではないため、当該特別状態をSTとは判定しない。
また、この場合、当該特別状態が実際にはSTで、その終了時点(3)までに大当りが発生しなかった可能性もあるが、その蓋然性は低いためSTとは判定せず、例えば「チャンス」といった単独時短とSTとの双方に対応する状態と判定する。
【0060】
この後、(4)の時点にて大当りが発生すると、(5)の大当り前の特別状態は上記同様STと判定しないが、その特別状態中の(5)の時点で大当りが発生したため、(6)の時点で発生した特別状態はSTと判定し、RUSH判定をする。
本実施形態のRUSHは、その特定後の一連の状態に対応させており(以降の一連の状態を示すため)、RUSH報知は上記の如く初当り(連荘)1回につき1回まで、
図4の画面44で報知する構成とし、これ以降、何回大当りが発生しても通常状態に戻る時点(17)まで再度のRUSH報知は行わない。
【0061】
続いて、特別状態が終了する時点(17)迄、通常状態に戻らぬまま大当りが発生しているので、その間の特別状態は全てSTと判定する。ここで、(14)で発生した大当りが(4)で発生した初当りから起算して10回目の大当りとなり、達成演出の基準値(例えば10回)に大当り数が達するので、当該大当り発生時に
図6の画面60で達成演出を行う。
【0062】
また、この場合(4)~(17)の連荘期間中における大当り演出やST演出(突入画面及び状態中表示画面による演出)の他に、(6)の時点にてRUSH報知(
図4の画面44)、(14)の時点にて達成演出(
図6の画面60)といった2つの演出が行われることとなる。
なお、当該連荘期間中における突入画面及び状態中表示画面には、
図4、
図5に示した大当り突入画面41及び大当り中画面51、当該連荘期間初期に表示されるチャンス突入画面42及びチャンス中画面52、これら画面42,52と区別して表示されるST突入画面43及びST中画面53が含まれる。
【0063】
このタイムチャートでは、(17)の時点にて特別状態が終了した後、暫くして(18)の時点にて天時、或いは突時が発生した場合を想定しており、この天時、或いは突時において(19)の大当り(初当り)が発生すると、その終了後の(20)の特別状態をSTと判定し、RUSH報知も行う。
【0064】
即ち、遊技機1において、天時或いは突時といった第1特別状態は大当りを介さずに通常状態中でも発生可能に構成されていることから、天時中或いは突時中に発生した(19)の初当りを介して(20)の特別状態が発生したことが特定された場合、当該大当りの前の特別状態が大当りを介さずに発生したかに関わらず(初当りではあるものの特別状態中に発生した大当りであるため)、(20)の特別状態をSTと判定してRUSHとも判定(RUSH判定)する。当該判定後は上記した(6)以降の処理と同様の処理が行われる。
【0065】
なお、(17)や(25)にて特別状態が終了する少し前の時点でST判定がOFFとなっているが、これは
図8のST回数の基準値にST中のスタートが達したためSTが終了したと判定したことによる。この場合、遊技機1としては時短となるので時短用の図示しない突入画面や時短中画面を表示してもよい。
【0066】
図10は、RUSH判定に係る処理の流れを示すフローチャートである。同図の「S1,S2,…」は、情報表示装置3が実行する各ステップを示す符号である。
情報表示装置3は、通常待機フローとして、大当りフラグは0か(S1:YES)、大当り信号を入力したか(S2:NO)、特別状態フラグは1か(S8:NO)、特別状態信号を入力したか(S14:NO)を判定する処理を実行する。この通常待機フローでは、情報表示装置3において通常表示画面30(
図2参照)が表示される。
【0067】
情報表示装置3は、対応する遊技機1の通常状態にて初当りが発生すると、当該遊技機1から出力される大当り信号に基づき、これを入力していると判定して(S2:YES)、大当りフラグを1に設定する(S3)。また、この場合、S4にて大当り突入画面41(
図4(a)参照)を表示してから、S5にて大当り中画面51(
図5(a)参照)を表示し、特別状態フラグは0(S6:NO)であることからリターンする。
これにより、大当り中は、大当りフラグが0ではないと判定されるとともに(S1:NO)、大当り信号を入力していると判定される(S18:YES)大当りフローとなる。
【0068】
この後、情報表示装置3は、大当りが終了することに伴い、大当り信号を入力していないと判定すると(S18:NO)、大当りフラグを0に設定する(S19)。また、このとき、特別状態信号の入力があると(S20:YES)、RUSH突入フラグと特別大当りフラグとの何れも0であるため(S25:YES且つS26:NO)、特別状態フラグを1に設定し(S15)、チャンス突入画面42(S16、
図4(b)参照)を表示してからチャンス中画面52(S17、
図5(b)参照)を表示し、リターンする。
【0069】
これにより、特別状態中は、大当りフラグが0(S1:YES)、大当り信号の入力がなく(S2:NO)、特別状態フラグが1で(S8:YES)、特別状態信号の入力があると判定される(S9:YES)特別状態フローとなる。
この場合に大当りが発生し、大当り信号の入力があると(S2:YES)、上記の通り大当りフラグを1に設定して(S3)、大当り突入画面41と大当り中画面51とを順次表示する(S4とS5を順次実行する)が、特別状態フラグが1であるため(S6:YES)、特別大当りフラグを1に設定する(S7)。
【0070】
この後の、大当りフローにおいて大当りが終了した場合(S18:NO)、情報表示装置3は、大当りフラグを0に設定する(S19)。そして、この場合、特別状態信号の入力があれば(S20:YES)、RUSH突入フラグは0且つ特別大当りフラグは1であることから(S25:YES且つS26:YES)、RUSH突入フラグを1に設定して(S27)、RUSH突入画面44とST突入画面43(
図4(d)と(c))を順次表示してから(S28,S29)、ST中画面53(
図5(c))を表示する(S30)。
【0071】
こうして、再度特別状態フローに移行し、この特別状態フローにて大当りが発生したとする。この場合、その大当り終了後に特別状態信号の入力があれば(S18:NO、S19、S20:YES)、上記の如くRUSH突入フラグが1に設定されているため(S25:NO)、S26~S28を経由することなく、ST突入画面43を表示してから(S29)、ST中画面53を表示する(S30)。
【0072】
また、特別状態フローにて特別状態が終了した場合(S9:NO)、各フラグつまり特別状態フラグ、特別大当りフラグ、RUSH突入フラグ、を夫々0に設定し(S10,S11,S12)、
図2の通常表示画面30を表示して(S13)、通常待機フローに戻る。
同様に、大当り終了後に(S18:NO)、特別状態信号の入力がない場合も(S20:NO)、各フラグが夫々0に設定され(S21,S22,S23)、通常表示画面30が表示されて(S24)、通常待機フローに戻る。
【0073】
通常待機フローにて天時や突時が発生した場合(S14:YES)、情報表示装置3は、特別状態フラグを1に設定し(S15)、チャンス突入画面42(
図4(b))を表示してから(S16)、チャンス中画面52(
図5(b))を表示する(S17)。これにより移行する特別状態フローにおける処理は上記と同様の処理が行われる。ここで大当りを介さずに特別状態が発生した場合には天時や突時のような単独時短であることから図示しない時短突入画面や時短中画面を表示してもよく、更には初期化条件成立後からのスタートが天時Sに対応した基準値(例えば1000)に達しているかにより天時と突時とを区別して、各々に対応した画面を表示してもよい。
なお、
図5のST中画面53の表示中、即ち、ST中にスタートが
図8の「ST回数」の基準値「100」に達した場合には、そのST中画面53の表示を終了し、図示しない時短突入画面や時短中画面を表示するが、本フローチャートでは省略している。
【0074】
以上に説明した本実施形態によれば、次の効果を得ることができる。
遊技機1において、例えば第1特別状態としての時短と第2特別状態としてのSTとは何れも大当りを介して発生可能である一方、STは、通常状態中に発生した大当りを介するよりも特別状態中に発生した大当りを介した方が発生し易いように構成されており、対応する情報表示装置3は、大当り信号及び特別状態信号に基づいて、特別状態中に発生した大当り(例えば
図10の「特別状態フラグ」が1のときの大当り(S3~S7参照))を介して特別状態が発生したことが特定された場合(例えば「特別大当りフラグ」が1のときに特別状態信号の入力が特定された場合(S20、S25,S26等参照))、当該大当りを介して発生した特別状態をSTと判定することから(例えば
図9の「ST判定」参照)、少なくともSTを対象とした特定精度を高めることが可能となる。
【0075】
また、情報表示装置3は、大当り信号及び特別状態信号に基づいて、特別状態中に発生した大当りを介して特別状態が発生したことが特定された場合、当該大当りを介して発生した特別状態をST(確変、第2特別状態)と判定して、そのST或いは大当りに係る特別報知(例えばRUSH突入画面44やST突入画面43等の表示による報知処理)を報知手段として実行する。
これによれば、特別状態中に発生した大当り後に特別状態に遷移した場合に、例えばRUSH突入画面44等で報知を行うことができ、遊技者にとって大当り発生度の期待値が高いといった有利な状態を効果的に演出するための特定精度を向上でき、遊技の興趣を高められる。
【0076】
情報表示装置3は、例えばRUSH突入画面44の表示による特別報知後から通常状態に戻るまでの間に新たに特別状態が発生しても、新たな特別報知(同表示による特別報知)を行わない。このように、例えばRUSH突入画面44は通常状態に戻るまで1回表示されるため、これを何度も繰返すことにより遊技者が煩わしくなる思いを低減させながら、その1回の報知を効果的な報知とすることが可能となる。
【0077】
遊技機1において、例えば天時或いは突時といった第1特別状態は大当りを介さずに通常状態中でも発生可能に構成されており、情報表示装置3は、大当り信号及び特別状態信号に基づいて、特別状態中に発生した大当りを介して特別状態が発生したことが特定された場合(例えば
図9の(18)~(20)の場合)、当該大当りの前の特別状態が大当りを介さずに発生したかに関わらず、第2特別状態の判定を行う(同
図9の「RUSH判定」「ST判定」参照)。
これによれば、例えば天時或いは突時といった特別状態中に発生した大当りを介して発生した特別状態をSTとして特定するので、従来の連荘特定として2回目の大当りといった2回目の大当りを待つことなくST判定が可能となり、その特定精度を高められる。
【0078】
例えば情報表示装置3及び管理装置6は、第2特別状態としてのSTを、判定手段による判定(例えば
図10の判定処理による判定)と区別状態信号(例えば確変信号)との何れにより区別するかを予め設定するための設定手段として構成されている。これによれば、例えば時短とSTとを区分可能な区別状態信号を出力する機種であれば当該区別状態信号にて、区分不能な機種であれば上記した判定処理にて区分するようにでき、本願の判定手段による判定処理が仮に100%の精度を持たなくとも両特別状態の特定精度を高められる。
【0079】
<第2実施形態>
本願出願人が出願し公開された特許文献(特開2006-136467号公報)では、遊技機1が状態報知する報知確変と状態報知しない非報知確変とを状態信号により区別し、非報知確変はシステム側でも状態報知しない一方、非報知確変中は状態報知せず終了後に状態報知することを前提として、システム側における抽選結果に応じて非報知確変中においても状態報知することを提案している。
【0080】
具体的には、同文献の情報表示装置において、非報知確変信号の入力時に抽選を行うものとし、1/10の確率で入力開始時に、9/10の確率で入力停止時に確変回数をインクリメントし、その確変回数のインクリメントをした時点から、情報表示装置の確変ランプを点灯させて確変が発生したことを報知する。
しかしながら、このようなシステム側の抽選結果に応じて非報知確変を状態報知すると遊技性が低下する虞があり、当該状態報知を防止するために遊技機メーカが例えば確変と時短とを区別可能な区別状態信号の出力機能の搭載を敬遠することで、遊技者向けの情報表示装置だけでなく管理装置6における情報管理にまで影響を及ぼす虞がある。
【0081】
そこで、本第2実施形態の情報表示装置3は、区別状態信号(例えば確変信号)以外の遊技信号に基づいて、第2特別状態を第1特別状態と区別可能か判定する判定処理を行い、その判定処理により区別可能な場合は第2特別状態に関する第2特別情報(例えば
図11の画面110中央の「確変」情報)を報知する一方、判定処理により区別不能な場合は区別状態信号により第2特別状態であると判定可能であっても第2特別情報の報知を抑制する(例えば確変初当り回数のような「確変」情報を一時的に更新しない)ようになっている。
以下では、本第2実施形態の確変情報及び判定処理について
図11~
図13を参照しながら説明する。なお、上記した第1実施形態と共通する内容は、同一の符号を付す等して説明を省略する。
【0082】
図11は、チャンス報知中に操作釦群33aのタッチ操作に応じてチャンス中画面52から切替えられたデータ切替画面110を示している。
図11と
図2との対比から明らかなように、データ切替画面110には、第2メイン表示部35bに位置させて「スタート累計」の欄が表示されるとともに、第3メイン表示部35cに位置させて「確変」情報の欄と「連続グラフ」の欄とが左右に並べて表示される。
【0083】
このうち、「スタート累計」の欄は、通常状態だけでなく確変状態や時短状態といった特別状態であるかを問わない営業開始時点からの累計の図柄変動数(累計スタート)を示す。
「連続グラフ」の欄は、従来の所謂スランプグラフと同様の差数推移グラフを表す。
図11の差数推移グラフは、
図2の差玉推移グラフと異なり、「2日前~本日」にわたる3日間分のデータを拡大表示している。なお、差玉推移グラフについては説明の便宜上、
図11と
図2とでデータを異ならせているが、データ切替画面110でのみ表示させる(通常表示画面30での図示を省略する)等、適宜変更してもよい。
【0084】
そして、「確変」情報の欄は、同画面110における「確変初当り回数、確変大当り回数、…」の各項目について具体的な数値データ「10,19,…」で示す第2特別情報が表示される。各項目における第2特別情報の内容は次の通りである。
【0085】
「確変初当り回数」:確変となった初当り数(初当り=通常状態や時短等の低確率状態にて発生した大当り)に相当する。これは、確変後の時短中に発生する所謂引戻しを除外した大当り数を示すが、引戻しを含めてもよい。
「確変大当り回数」:確変中に発生した大当り数に相当する。この大当り数に、確変に関連した大当り数として確変となった大当り数を含めてもよい。
【0086】
「確変突入回数」:確変の発生回数に相当し、通常状態に戻る迄に複数回発生すれば発生毎に計上する。
「時短突入回数」:初当り後に時短が発生した回数に相当する。この時短の発生回数に、ST後に発生する時短や天時や突時等を含めてもよい。
【0087】
また、確変情報は「確変累計スタート」を含み、第1実施形態のような遊技状況に応じた状態特定ではなく、状態信号、例えば確変信号により確変(ST)と時短とを区別した上での情報となる。
つまり、情報表示装置3において、確変情報を確変信号により特定するため、チャンス報知(例えばチャンス中画面52を表示)しているような状態信号によらなければ確変と特定できずに確変報知を抑制した状態で、この確変情報を更新すると、その更新状況により折角チャンス報知によって確変報知を抑制しているにも関わらず、確変であるか否かを遊技者に把握される虞がある。
【0088】
本第2実施形態では、第1実施形態にて説明した例えばチャンス報知を行う初当り後の特別状態のような第1特別状態(例えば単独時短)であるか第2特別状態(例えばST)であるかを区別不能な場合における確変報知の抑制処理として、確変であるか否かに影響を受けない例えば累計スタート(第2メイン表示部35bの「スタート累計」)のような遊技情報は更新対象とするものの、影響を受ける確変情報は確変信号により更新可能であっても更新は行わず、当該抑制処理終了後に確変情報を更新するようにしている。
【0089】
係る確変情報の更新は、一連の特別状態や大当りが終了し、通常状態に戻った時点で行ってもよいが、本第2実施形態ではチャンス報知した特別状態が終了した時点(例えば次の大当り発生時やST終了後の時短特定時等)に毎回行うものとする。なお、このような更新時点を設定により切替可能としてもよい。
【0090】
ここで、確変報知の抑制処理(確変情報の報知を抑制する処理)について具体例を交えて説明する。
本来であれば確変情報に含まれる確変初当り回数と時短突入回数との合計は初当り数と一致する。従って例えば、データ切替画面110に示される「確変初当り回数10」回、「時短突入回数12」回であれば、初当り数は22回となるが、同画面110左上の「初当り数」は「23回」となっている。これは、データ切替画面110において、チャンス報知直前の大当りが「確変」と「時短」との何れであるかを反映しておらず、その分が除外されている(抑制されている)ことを示している。
【0091】
即ち、左側の表示部35bにおける「初当り数」は確変情報ではないため更新が抑制されないものの、その右側の表示部35cにおける「確変初当り回数」「時短突入回数」といった確変情報は更新が抑制される。そして、更新が抑制された確変情報は、上記の通り抑制処理終了後には更新されるので、例えば抑制処理終了後に時短である旨が示されれば時短突入回数が更新され、その更新後の時短突入回数と確変初当り回数との合計が初当り数と一致するようになる。
【0092】
確変報知の抑制処理は、データ切替画面110下側のスタート履歴グラフにも適用可能である。ここで、
図12(a)と(b)は、更新が抑制された当該スタート履歴グラフと更新後のスタート履歴グラフを対比する拡大図を示している。
【0093】
図12(a)に示すようにスタート履歴グラフの下部では、大当りの種別として例えば10Rのような出玉(差数やセーフ)が閾値に達した大当りを表す「超」と、3Rのような出玉が閾値に達しない大当りを表す「小」と、を例えば大当り中の差玉のような遊技情報により区別し且つそれら種別の表示領域の背景の色彩を相違させている。
そして、「超」と「小」の背景色は、同図(a)の符号「Re」「Bl」及び「Gr」で示すように、例えば確変大当りを赤色Re、確変大当りではない大当りを青色Bl、及び確変大当りか否かは区別できない緑色Grに設定している。
【0094】
それ故、更新が抑制された抑制状態では、同図(a)における「現在」の右隣の「小」のように、大当りの種別について「超」との区別が可能であるが、緑色Grの背景色では確変大当りか否かを区別できないように表示することができる。この後、次の大当りが発生した場合のように確変報知が終了したときには、同図(b)のように例えば赤色Re或いは青色Blの背景色で、確変大当り或いは確変大当りではない大当りを区別可能な表示態様に変更する。なお、同図(b)では通常表示画面の符号「30」を付しているが、これは、抑制処理終了後のスタート履歴グラフであることを便宜的に示すものである。
【0095】
上記の確変情報の更新を行わないのは遊技者に対して表示されるメイン表示部35上での遊技情報を対象としており、内部的な確変情報は随時更新している。
即ち、情報表示装置3は、判定処理において第1特別状態(例えば時短)と第2特別状態(例えばST或いは確変)とを区別不能な場合にあっても(
図13のS55参照)、大当りや特別状態の発生時点の確変情報(報知が抑制される第2特別情報)を、区別状態信号により第1特別状態と第2特別状態とを区別することにより、上記の抑制処理に関わらずフラッシュメモリ等の記憶部36bに記憶される所定の情報として更新し保持する(S59参照)。
【0096】
これは、確変報知の抑制処理により外部的には恰も確変情報の表示を留保するような報知態様で更新を抑制する一方、例えば停電のような不測の事態が生じた場合に備えて、内部的には確変情報を更新することにより、当該事態の解消後の情報復旧が困難になることを抑制し、復旧処理を容易にするためである。
【0097】
このような確変報知の抑制処理は、
図8の設定情報のように機種単位で行うか否かを設定可能であり、上記の通り抑制処理を行う設定と、抑制処理を行わず、確変信号に基づき遊技状況の報知をリアルタイムに行う設定との何れかを選択することができる。
上記では主に所謂V確ST機を対象とした
図8において「特別状態大当り以降」のタイプが設定された場合の例を示したが、他のタイプが設定された場合には以下のような処理となる。
【0098】
「通常確変機」や「ST100%以外」のタイプを設定した場合、確変大当りの振分を遊技状況では特定できないため、全ての大当りを対象として抑制処理を行う。もっとも、「ST100%以外」のタイプの場合、ST中のスタートが固定値であればST回数の基準値に特別状態中のスタートが達することで上記の如く時短報知する(ST終了後の時短特定時に、確変情報を更新する)。
一方、「ST100%」のタイプを設定した場合、大当り後の特別状態は全てSTとなるので、抑制処理を行わない。
【0099】
また、本実施形態では「特別状態大当り以降」のタイプを設定した場合に、初当り後の時短と、天時と、突時と、ST終了後時短(以下ST時短)とを区別せずに報知対象とすることを例示したが、何れか1つ、或いは2つ以上を区別して、或いはまとめて報知したり管理してもよい。即ち、天時と突時とは大当りを介さずに特別状態となった場合に特定でき、その内、天時は遊技機1における天時Sに対応する遊技情報を管理し、特別状態発生時に天井用の所定数(1000回)と比較することで突時と区別できる。
【0100】
一方で、初当り後の時短は、初当り後の特別状態で確変信号が出力されない場合に、ST時短は、ST特定後のST回数基準値分のスタート後に特別状態の場合に特定できる。このうち、初当り後の時短だけは確変信号が出力される前提がない限りSTと区別できないので、上記の通り他の時短と区別してもよい。
【0101】
この場合、ST時短を他と区別して例えば「ST時短」といった報知を行うと、初当り以外はSTと特定するから問題ないものの、初当り後の特別状態について、スタートがST回数の基準値に達することで「ST時短」と報知すると、初当り後に時短が発生した場合に、当該時短をSTと誤認する虞があるので、この場合は「ST時短」とは異なる例えば「時短」と報知するように区別して報知する必要があるが、抑制態様としてもよい。
【0102】
図13は、本第2実施形態の抑制処理の流れを示すフローチャートであり、第1実施形態の判定処理と重複する内容を適宜省略するものとして説明する。
情報表示装置3は、通常待機フローとして、大当りフラグは0か(S31:YES)、大当り信号を入力したか(S32:NO)、スタート信号を入力したか(S33:NO)、特別状態フラグは1か(S40:NO)、特別状態信号を入力したか(S44:NO)を判定する処理を実行する。
【0103】
情報表示装置3は、対応する遊技機1の通常状態にて初当りが発生すると、当該遊技機1から出力される大当り信号に基づき、これを入力していると判定して(S32:YES)、大当りフラグを1に設定するとともに(S49)、
図11に示すような各種確変情報を更新し(S57)、リターンする。
これにより、大当り中は、大当りフラグが0ではないと判定されるとともに(S31:NO)、大当り信号を入力していると判定される(S50:YES)大当りフローとなる。
【0104】
この後、情報表示装置3は、大当りが終了することに伴い、大当り信号を入力していないと判定すると(S50:NO)、大当りフラグを0に設定する(S51)。また、このとき、特別状態信号の入力があると(S52:YES)、特別状態フラグを1に設定して(S53)、判定用スタートを初期化する(S54)。
【0105】
そして、情報表示装置3は、第1実施形態と同様の判定処理により、遊技状況によってSTと特定できるかを判定する(S55)。即ち、S52の特別状態信号により特別状態が発生したことを特定可能な場合に、確変信号以外の遊技信号に基づいて、第1実施形態と同様にSTを時短と区別可能か判定する判定処理を行う。
【0106】
この場合、判定処理において前記RUSH突入フラグと特別大当りフラグとが何れも0であるような状況で(
図10のS25,S26参照)、STを時短と区別できないので(
図13のS55:NO)、チャンス報知し(S58)、内部的な確変情報を更新する(S59)。また、この場合、確変信号によりSTであると判定可能であっても、判定処理により区別不能なので、抑制処理として表示対象となる確変情報の更新を行わず(第2特別情報の報知を抑制し)、例えば
図12(a)のスタート履歴グラフでは、大当りの種別の背景色を、確変大当りか否かを区別できない緑色Grで表示して、リターンする。
【0107】
これにより、特別状態中は、大当りフラグが0(S31:YES)、大当り信号やスタート信号の入力がなく(S32やS33:NO)、特別状態フラグが1で(S40:YES)、特別状態信号の入力があると判定される(S41:YES)特別状態フローとなる。
この場合のチャンス報知中に、スタート信号を入力すると(S33:YES)、特別状態フラグが1、且つチャンス報知中であり時短報知中ではないので(S34:YES且つS35:NO)、判定用スタートを更新する(S36)。また、更新した判定用スタートが基準値(例えば前記基準回数分の100回)に達するまでは(S37:NO)、チャンス報知中であることから(S38:YES)、内部的な確変情報の更新は行うが(S39)、表示用の確変情報の報知を行わないことで抑制処理も行う(リターンする)。
【0108】
なお、フローチャート上、S33ではスタート信号を例示しているが、アウト信号やセーフ信号等の他の遊技信号に基づく遊技情報も同様に適用することができる。また、特別状態フラグが0で通常状態にてスタート信号を入力した場合、通常状態時のスタートを更新するが、このような本抑制処理に直接的に関連しない処理は適宜省略している。
【0109】
情報表示装置3は、上記のチャンス報知中に、大当りが発生すると(S32:YES)、大当りフラグを1に設定して(S49)、内部的な確変情報だけでなく、当該内部的に更新していた確変情報に基づき表示用の確変情報をも更新する(S57)。
このときの確変情報の更新は、例えば上記したスタート履歴グラフにおける大当りの種別の背景色を、緑色Grから青Blや赤Reに(確変か時短かを特定可能な表示色に)変更する処理も含む(
図12(b)参照)。
【0110】
この後、大当りフローにおいて大当りが終了した場合(S50:NO)、情報表示装置3は、大当りフラグを0に設定する(S51)。そして、この場合、特別状態信号の入力があれば(S52:YES)、特別状態フラグを1に設定するとともに判定用スタートを初期化して(S53、S54)、STと特定できるかを判定する(S55)。
【0111】
この場合、第1実施形態と同様、STと特定できるので(S55:YES)、ST報知を行い(S56)、抑制処理を行うことなく確変情報を更新する(S57)。なお、本第2実施形態のチャンス報知やST報知は、第1実施形態と同様、
図4(b)~(d)や
図5(b)(c)を表示する処理が行われる。
【0112】
この後の特別状態フローにおいて、スタート信号を入力した場合(S33:YES)、特別状態フラグが1で、且つST報知中であり時短報知中ではないので(S34:YES且つS35:NO)、判定用スタートが基準値に達していなければST報知のままチャンス報知中ではないので(S37:NO,S38:NO)抑制処理を行うことなく確変情報を更新するが(S48)、基準値に達すれば(S37:YES)時短報知してやはり確変情報を更新する(S47,S48)。
【0113】
係る時短報知後、スタート信号を入力した場合(S33:YES)、特別状態フラグは1だが時短報知中なので(S34:YES,S35:YES)確変情報を更新する(S48)。一方、時短が終了し、その時点では特別状態フラグは1に設定されているため(S33:NO,S40)、特別状態信号の入力が終了すると(S41:NO)、特別状態フラグを0に設定して確変情報を更新する(S42,S43)。この場合、遊技機1のスペックにより仮に判定用スタートが基準値に達することなくチャンス報知中に特別状態が終了した場合は内部的な確変情報に基づき表示対象となる確変情報を更新することになる。
【0114】
一方で、初当り後のようなチャンス報知中において、スタート信号の入力により(S33:YES)、更新された判定用スタートが基準値に達した場合(S34:YES,S35:NO、S37:YES)時短報知するが(S47)、上記の大当り発生時と同様に、それまで内部更新していた確変情報に基づいて表示用の確変情報も更新する(S48)。これにより、例えば初当り後の特別状態がSTと時短との何れだったかを、スタート履歴グラフにおける大当り種別を示す情報を更新する(
図12(a)から(b)の如く更新する)ことで報知する。
【0115】
また、通常待機フローにおいて、突時や天時が発生した場合、その特別状態信号の入力に基づいて(S44:YES)、特別状態フラグを1に設定し(S45)、遊技状況としては確変ではなく時短にしかならないので時短報知し(S46)、上記と同様に抑制処理を行うことなく確変情報を更新する(S46)。
【0116】
以上に説明した本第2実施形態によれば、次の効果を得ることができる。
情報表示装置3は、判定処理により第2特別状態(例えばST)を第1特別状態(例えば時短)と区別可能な場合は第2特別状態に関する第2特別情報(例えば確変情報)を報知し(
図13のS55,S56参照)、判定処理により区別不能な場合は区別状態信号(例えば確変信号)により第2特別状態であると判定可能であっても第2特別情報の報知を抑制する抑制処理を行う(S55,S58、S59参照)。
【0117】
このように、例えば遊技状況により確変と特定できない場合に確変信号に基づく確変情報の報知を抑制するので、遊技状況により遊技者が確変と把握できる場合には当該抑制処理を行わない一方、確変と把握でき無い場合には当該抑制処理を行うことが可能となり、必要のない抑制処理を少なくすることで遊技者が、遊技状況により確変か時短かの何れであるかを把握しているものの、システム側で報知しないことによる違和感を低減しつつ、確変を隠す遊技性を保てるので、遊技機メーカが遊技性を考慮としたとしても確変信号出力機能を搭載し易くなる。
【0118】
前記判定処理において第1特別状態と第2特別状態とを区別不能な場合に、例えば報知が抑制される第2特別情報としての確変情報を、区別状態信号としての確変信号により第2特別状態を第1特別状態と区別することにより記憶部36bに記憶される所定の情報として更新する(S55,S59参照)。
これによれば、抑制処理を行う場合、例えば報知対象とならない内部的な確変情報を更新するので、抑制処理を行っても例えば停電することで遊技状況が特定できないような不測な事態となった場合における復旧作業を容易化できる。
【0119】
前記判定処理は、通常状態中に発生した大当りを介して特別状態が発生したことが特定された場合、区別状態信号(例えば確変信号)により第2特別状態(例えばST)であると判定可能であっても区別不能と判定される(S52,S55参照)一方、特別状態中に発生した大当りを介して特別状態が発生したことが特定された場合、区別可能と判定される(
図10のS25,S26、
図13のS52,S55等参照)。
これによれば、例えば通常状態中に発生した大当り後はST(確変)に移行し難い一方、特別状態中に発生した大当り後は確変に移行し易い遊技機1を対象とした場合に効果的に状態特定した上で抑制処理を行うか否かを特定できるようになる。
【0120】
情報表示装置3は、判定処理により区別不能と判定される場合に、区別状態信号(例えば確変信号)により第1特別状態と第2特別状態とを区別可能であっても、それら第1特別状態と第2特別状態とに共通した予め設定される共通報知(例えばチャンス報知)を行う(S55,S58参照)。即ち例えば、
図4(b)のチャンス突入画面42や
図5(b)のチャンス中画面52の表示によりSTと時短とに共通する共通報知が行われることから、確変情報の報知を抑制しても、システム側において特別状態中にある程度の演出が可能となり、抑制処理をし易くなる。
【0121】
情報表示装置3は、判定処理により区別不能と判定した場合に、その判定処理の対象となった特別状態の開始から基準回数分(例えば基準値分の100回)の単位遊技が実行されるまでは、共通報知(例えばチャンス報知)を行う一方、基準回数分の単位遊技が実行された場合には当該共通報知の対象が第1特別状態(例えば時短)であった旨を報知する(S37,S47参照)。
これによれば、例えば時短が発生している場合に確変が発生したかもしれないとの期待感を持たせながら、遊技状況が少なくとも確変でない状況となった場合には、報知によりチャンス報知の対象が時短であった旨を把握させることで大当りとならなかったことに対する納得感を遊技者に与えられる。
【0122】
本発明は、上記した実施形態にのみ限定されるものではなく、以下のように変形または拡張することができる。
RUSH報知をRUSH突入画面44で行うことを例示したが、チャンスとSTとを区別すれば例えばST報知を行うだけとして必ずしもRUSH報知を行わなくともよい。また、RUSH報知を通常状態に戻るまでで1回だけ行うことを例示したが、例えば大当り発生毎に報知するといったように継続的な報知を行ってもよい。
【0123】
特別状態中に発生した大当り後に遷移する特別状態としてSTを例示したが、STではなく次回の大当りまで継続するような従来の確変状態や、例えば通常状態にて発生した大当り後の単独時短と同じ単独時短であっても、その継続する図柄変動数が異なるといったように前者よりも後者の方が遊技者にとって有利となればどのように第1特別状態と第2特別状態とを区分してもよい。
【0124】
RUSH突入時に、RUSH突入画面44によるRUSH報知だけでなくST突入画面43による突入報知を行うことを例示したが、何れか一方の報知を行うようにしてもよい。また、RUSH報知だけを行う場合、必ずしもSTを特定しなくともよい。
チャンス突入時にチャンス突入画面42を表示するといった、チャンス特定時に何らかの報知を行うことを例示したが、必ずしも行う必要はなく、通常状態から大当りや特別状態を介して通常状態に戻るまでにRUSH報知だけを報知する構成としてもよい。
【0125】
通常状態で発生した大当り後の特別状態として単独時短とSTとに双方遷移可能な遊技機1を例示したが、STに遷移しない遊技機を対象としても勿論よい。つまり、通常状態にて発生した大当り後に遷移可能な遊技状態としては第1特別状態だけでもよいし、第1特別状態と第2特別状態との双方であってもよい。
単位遊技として図柄変動を例示したが、例えばスロットマシンにおけるゲームや、所謂羽根モノにおける役物作動のように大当りを発生されるための単位遊技であればどのような単位遊技を採用してもよい。
【0126】
遊技機1上方の情報表示装置3にて表示する構成を例示したが、遊技装置2のような遊技機1間に設けられる情報表示装置や島端に設けられる集合情報表示装置に本発明を適用してもよい。
関連する設定情報は予め設定されていれば遊技場管理者が任意に設定しても、管理装置6の製造メーカにて設定しても、外部(例えばチェーン店本部や遊技機メーカ等)の管理サーバからダウンロードして設定してもよい。
【0127】
例示した全ての遊技情報は入力した信号により直接的に特定しても演算式を利用して間接的に特定してもよい。また、機種としては、メーカ単位やスペック単位等、遊技機1の種類を示せばどの様な区分としてもよい。
数値、桁数、項目等は例示であり、どのような数値を採用してもよい。また、演算式については単なる例示であり例示した演算式と同様の値を示す又は同様の意義を持つ演算値を演算するのであれば、どの様な演算式を採用してもよい。
【0128】
以下と未満についてはどちらを採用してもよく、「達していない」等の表現は以下或いは未満となった場合の何れにも対応する表現となる。以上と超過についても同様で、「達している」等の表現は双方に対応する表現となる。また、表示手段として液晶表示を例示したが、有機EL等の他の表示方法を採用してもよく、他の報知手段を用いてもよい。
【0129】
対象となる遊技機1はパチンコ遊技機だけでなくスロットマシン他も例示出来、単位遊技は所謂図柄変動やゲームとすればよいが、その他に遊技媒体を排出せずデータ上のポイントを遊技に応じて更新する所謂封入式の遊技機等も想定できるため、玉やメダル等の遊技媒体や上記ポイントを包含する遊技価値という表現を適宜使用している。また、所定数の図柄変動を行った場合に確変が終了する所謂ST機を例示したが、確変となった場合に大当りが発生するまで確変が継続する遊技機や、特別状態中に小当りの発生確率が高まる所謂小当りRUSH機能を備えた遊技機を対象としてもよい。
【0130】
情報表示装置3が行う処理の一部を管理装置6、遊技装置2、或いは中継装置4等にて行っても、情報表示装置3のみで全てを構成してもよいし、情報表示装置3ではなく例えば管理装置6や中継装置4のみで全てを構成してもよい。また、例示した構成を適宜設定に応じて採用するか否かを変更してもよいし、変形例を含む例示した構成をどのように組合わせてもよいし、適宜構成を除外してもよい。
【0131】
尚、以上に例示した実施形態からは以下の特徴を抽出することも可能である。
通常状態、及び当該通常状態よりも遊技者が有利となる特別状態において大当りを発生させるための単位遊技を行い、その結果に応じて大当りを発生可能な遊技機であって、前記特別状態として、第1特別状態と当該第1特別状態よりも有利な第2特別状態とを発生可能であり、大当り状態に対応する大当り信号、前記第1特別状態と前記第2特別状態とに共通して対応する特別状態信号、及び前記第1特別状態と前記第2特別状態とを区別可能な区別状態信号を出力する遊技機を管理対象とした遊技場システムにおいて、前記大当り信号、前記特別状態信号、及び区別状態信号を少なくとも含む複数種類の遊技信号を入力可能な入力手段と、前記入力手段より入力される遊技信号に基づいて、対応する遊技機の遊技状態を判定する判定手段と、前記判定手段により判定された遊技状態に関する情報報知を行う報知手段と、を備え、前記判定手段は、前記特別状態信号により前記特別状態が発生したことを特定可能な場合に、前記区別状態信号以外の遊技信号に基づいて、前記第2特別状態を前記第1特別状態と区別可能か判定する判定処理を行い、前記報知手段は、前記判定処理により区別可能な場合は前記第2特別状態に関する第2特別情報を報知する一方、前記判定処理により区別不能な場合は前記区別状態信号により第2特別状態であると判定可能であっても前記第2特別情報の報知を抑制する。
【0132】
遊技状態により区別される所定の情報を記憶する記憶手段を備え、前記判定処理において前記第1特別状態と前記第2特別状態とを区別不能な場合に、報知が抑制される前記第2特別情報を、前記区別状態信号により第2特別状態を前記第1特別状態と区別することにより前記記憶手段に記憶される所定の情報として更新する。
【0133】
前記判定処理は、前記通常状態中に発生した大当りを介して特別状態が発生したことが特定された場合、前記区別状態信号により第2特別状態であると判定可能であっても区別不能と判定される一方、前記特別状態中に発生した大当りを介して特別状態が発生したことが特定された場合、区別可能と判定される。
【0134】
前記報知手段は、前記判定処理により区別不能と判定される場合に、前記区別状態信号により前記第1特別状態と前記第2特別状態とを区別可能であっても、それら第1特別状態と第2特別状態とに共通した予め設定される共通報知を行う。
【0135】
遊技機において、前記第2特別状態の開始から終了までに実行可能な単位遊技の実行回数が所定の基準回数として予め設定されるとともに、当該単位遊技の実行回数を特定可能な単位遊技信号が出力され、前記判定手段は、前記判定処理により区別不能と判定した場合に、その判定処理の対象となった特別状態の開始から前記基準回数分の単位遊技が実行されるまでは、前記共通報知を行う一方、前記基準回数分の単位遊技が実行された場合には当該共通報知の対象が前記第1特別状態であった旨を報知する。
【符号の説明】
【0136】
図面中、1は遊技機(第1遊技機、第2遊技機)、3は情報表示装置(入力手段、特定手段、判定手段、報知手段、設定手段、記憶手段)、35はメイン表示部(報知手段)、36bは記憶部(記憶手段)、37はI/F(入力手段)である。