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特開2023-137743コントロールセンタ及びコントロールセンタの単位装置の誤挿入検知方法
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  • 特開-コントロールセンタ及びコントロールセンタの単位装置の誤挿入検知方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023137743
(43)【公開日】2023-09-29
(54)【発明の名称】コントロールセンタ及びコントロールセンタの単位装置の誤挿入検知方法
(51)【国際特許分類】
   H02B 1/36 20060101AFI20230922BHJP
   H02B 3/00 20060101ALI20230922BHJP
【FI】
H02B1/36
H02B3/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022044095
(22)【出願日】2022-03-18
(71)【出願人】
【識別番号】513296958
【氏名又は名称】東芝産業機器システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】弁理士法人サトー
(72)【発明者】
【氏名】酒井 優
【テーマコード(参考)】
5G016
【Fターム(参考)】
5G016AA04
5G016CD26
5G016CD32
(57)【要約】
【課題】単位装置の誤挿入を検知することで、照合作業の自動化を図り作業負担や人為的ミスの低減を図る。
【解決手段】コントロールセンタは、複数の収容室を有する筐体と、複数の収容室に挿抜可能に設けられた複数の単位装置と、筐体の各収容室に対応する位置に設けられ収容室毎に設定された情報を記録する複数のRFタグと、各単位装置に設けられRFタグに記録された情報を読み取り可能な複数のリーダと、リーダが読み取ったRFタグの情報に基づいて単位装置が挿入された収容室の正誤を判定する判定処理を実行可能な判定処理部と、判定処理の結果を報知する報知処理を実行可能な報知処理部と、を備える。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の収容室を有する筐体と、
複数の前記収容室に挿抜可能に設けられた複数の単位装置と、
前記筐体の各前記収容室に対応する位置に設けられ前記収容室毎に設定された情報を記録する複数のRFタグと、
各前記単位装置に設けられ前記RFタグに記録された情報を読み取り可能な複数のリーダと、
前記リーダが読み取った前記RFタグの情報に基づいて前記単位装置が挿入された前記収容室の正誤を判定する判定処理を実行可能な判定処理部と、
前記判定処理の結果を報知する報知処理を実行可能な報知処理部と、
を備えるコントロールセンタ。
【請求項2】
前記筐体は、複数の前記収容室を開閉する複数の扉を有し、
各前記扉は、各前記扉の前面に着脱可能に設けられる銘板を有し、
前記RFタグは、前記銘板に取付けられる、
請求項1に記載のコントロールセンタ。
【請求項3】
前記判定処理は、前記リーダが読み取った前記RFタグの情報に基づいて前記単位装置が挿入された前記収容室が誤りであると判定した場合、前記単位装置への供給電源を遮断する処理を更に含む、
請求項1又は2に記載のコントロールセンタ。
【請求項4】
前記RFタグに記録された情報は、前記単位装置を識別するための装置情報を含んでおり、
前記判定処理は、前記リーダが読み取った前記RFタグの前記単位装置を識別するための装置情報に基づいて前記単位装置が挿入された前記収容室の正誤を判定する処理を含む、
請求項3に記載のコントロールセンタ。
【請求項5】
筐体に設けられた複数の収容室に単位装置を挿入する際に、前記収容室に対する前記単位装置の誤挿入を検知する方法であって、
前記収容室毎に設定された情報を記憶する複数のRFタグを前記筐体の各前記収容室に対応する位置に設置する設置工程と、
前記単位装置を前記収容室に挿入する際に、前記単位装置に設けられた前記RFタグに記憶された情報を読み取り可能なリーダで、前記単位装置を挿入する前記収容室に対応して設けられた前記RFタグを読み取る読取工程と、
前記リーダによって前記RFタグから読み取った情報に基づいて前記単位装置が挿入された前記収容室の正誤を判定する判定工程と、
前記判定の結果を作業者に報知する報知工程と、
を備えるコントロールセンタの単位装置の誤挿入検知方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、コントロールセンタ及びコントロールセンタの単位装置の誤挿入検知方法に関する。
【背景技術】
【0002】
コントロールセンタは、筐体に設けられた複数の収容室に単位装置をそれぞれ挿抜可能に収容することができる。この場合、コントロールセンタは、単位装置の形式、形状、容量、回路仕様、回路の機能等が同じであれば、単位装置の交換や入れ替えをして使用可能である。そして、単位装置の形状が同じであれば、回路仕様や回路の機能等が異なっていても収容室に挿入ができてしまう。
【0003】
ところで、単位装置が誤挿入された状態で、単位装置に接続された負荷の運転が行われると、単位装置の回路に誤作動や破損等が生じるおそれがある。そのため、従来構成においては、単位装置の誤挿入を防ぐために作業者が巡回して単位装置の照合作業を行っていたが、作業負担や人為的ミスが課題となっていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10-201015号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明の実施形態は、単位装置の誤挿入を検知することで、照合作業の自動化を図り作業負担や人為的ミスの低減を図ることができるコントロールセンタを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態のコントロールセンタは、複数の収容室を有する筐体と、複数の前記収容室に挿抜可能に設けられた複数の単位装置と、前記筐体の各前記収容室に対応する位置に設けられ前記収容室毎に設定された情報を記録する複数のRFタグと、各前記単位装置に設けられ前記RFタグに記録された情報を読み取り可能な複数のリーダと、前記リーダが読み取った前記RFタグの情報に基づいて前記単位装置が挿入された前記収容室の正誤を判定する判定処理を実行可能な判定処理部と、前記判定処理の結果を報知する報知処理を実行可能な報知処理部と、を備える。
【0007】
実施形態のコントロールセンタの単位装置の誤挿入検知方法は、筐体に設けられた複数の収容室に単位装置を挿入する際に、前記収容室に対する前記単位装置の誤挿入を検知する方法であって、前記収容室毎に設定された情報を記憶する複数のRFタグを前記筐体の各前記収容室に対応する位置に設置する設置工程と、前記単位装置を前記収容室に挿入する際に、前記単位装置に設けられた前記RFタグに記憶された情報を読み取り可能なリーダで、前記単位装置を挿入する前記収容室に対応して設けられた前記RFタグを読み取る読取工程と、前記リーダによって前記RFタグから読み取った情報に基づいて前記単位装置が挿入された前記収容室の正誤を判定する判定工程と、前記判定の結果を作業者に報知する報知工程と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1実施形態によるコントロールセンタの構成の一例を概念的に示す図
図2】第1実施形態による単位装置の構成の一例を概念的に示すブロック図
図3】第1実施形態による単位装置を挿入可能な収容室の一例を概略的に説明する図
図4】第1実施形態による単位装置の誤挿入検知方法の工程の一例を示すフローチャート
図5】第2実施形態によるRFタグを銘板に取付けた一例を概略的に示す図
図6】第3実施形態による単位装置を挿入可能な収容室の一例を概略的に説明する図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、複数の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、複数の実施形態において実質的に同一の要素には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0010】
(第1実施形態)
図1に示す実施形態のコントロールセンタ1は、図示しない負荷としての複数のモータを制御するいわゆる閉鎖配電盤である。コントロールセンタ1は、筐体10、リーダ20、及び単位装置30、を備えている。単位装置30は、例えば図示しない負荷への電路を開閉する機能を有する。筐体10は、コントロールセンタ1の外郭を構成している。筐体10は、箱体11、収容室12、扉13、銘板14、及びRFタグ15を有している。箱体11は、例えば縦長矩形箱状に形成されている。収容室12は、例えば箱体11の上下方向に並んで複数この場合6つ設けられている。収容室12は、図示しない仕切板によって上下方向に仕切られている。収容室12は、前側が開口した矩形状に形成されている。
【0011】
複数の収容室12は、例えば縦方向の寸法が同一又は異なる寸法で構成することができ、横方向の寸法は同一の寸法で構成されている。この場合、各収容室12の縦方向の寸法は、例えば200mm~600mmの範囲内において100mm間隔の任意の寸法で設定することができる。すなわち、コントロールセンタ1は、5種類のサイズの収容室12の任意の組合せによって構成可能である。以下の説明では、複数の収容室12を、それぞれ収容室12a、12b、12c、12d、12e、12fと称する場合がある。
【0012】
扉13は、複数の収容室12に対応して複数設けられている。扉13は、収容室12の前面側に回動可能に設けられ、収容室12の前側の開口を開閉可能に構成されている。銘板14は、図1に示すように、各扉13の前面の所定の位置、例えば右側下端部付近に設けられる。銘板14は、例えば板状に構成されており、扉13に着脱可能に設けられる。この場合、銘板14は、例えばネジ部材等によって直接的又は銘板14が収容可能なケースを介して間接的に扉13に取付けられる。銘板14には、例えば銘板14が取付けられている扉13に対応した収容室12内に挿入される単位装置30に関する情報が文字や記号等によって表示されている。
【0013】
RFタグ15は、筐体10の各収容室12に対応する位置にそれぞれ設けられている。この場合、RFタグ15は、図1に示すように、例えば各扉13の前面側に外部に露出して設けられている。なお、RFタグ15は、扉13の前面側に設けられる構成に限らず、扉13の背面側に設けられていても良いし、収容室12の壁面に設けられていても良い。
【0014】
RFタグ15は、収容室12毎に設定された情報が記録されている。RFタグ15に記録された情報は、コントロールセンタ1の製造やメンテナンスを行う際に必要な情報である。この場合、RFタグ15に記録された情報には、例えばコントロールセンタ1内における各収容室12の配置に関する位置情報や各収容室12に挿入可能な各単位装置30を識別するための装置情報を含んで構成されている。位置情報は、単位装置30のコントロールセンタ1に対する配置を示すものでも良いし、他の単位装置30との相対的な位置関係を示すものであっても良い。装置情報は、例えば単位装置30の形式、形状、容量、回路仕様、及び単位装置30に接続される負荷名称等を含んでいても良い。
【0015】
リーダ20は、RFタグ15に記録された情報を読み取り可能である。リーダ20は、例えば電波や電磁界等を用いた非接触による近距離無線通信を用いて、RFタグ15に記録された情報を読み取ることができる。リーダ20は、リーダ20に対して電源を供給する図示しない電源供給部に接続されている。
【0016】
単位装置30は、全体として例えば矩形箱状に形成され、複数の収容室12内にそれぞれ挿抜可能に設けられる。単位装置30の外寸は、単位装置30が収容される収容室12の内寸よりやや小さい寸法で形成されている。単位装置30は、例えばリーダ20とは独立して電源供給部から電源が供給可能に構成されている。単位装置30は、例えば図示しない配線用遮断器や電磁開閉器を有して構成されている。配線用遮断器と扉13との間には、いわゆるインターロックが組まれており、例えば配線用遮断器がオンの状態つまり負荷が通電状態のときには扉13が開放できない構成となっている。
【0017】
単位装置30は、表示部31、記憶部32、及び制御部33を有して構成することができる。表示部31は、例えば表示パネルやモータマルチリレー等の周知の表示器によって構成され、負荷の運転状況等の各種情報を作業者に提示可能に構成されている。表示部31は、図1に示すように、単位装置30の前側に設けられており、扉13が閉じた状態で、扉13に形成された開口131から外部に露出されており、外部から視認可能である。なお、表示部31は、図示しないスピーカを有して構成することができる。スピーカは、単位装置30の周囲に対して音声を発する機能を有する。この場合、表示部31は、作業者に対して表示又は音声等で各種の情報を提示する機能を有する。
【0018】
本実施形態では、リーダ20は、図1に示すように、表示部31に設けられている。つまり、リーダ20は、単位装置30に設けられている。そして、リーダ20は、表示部31と同様に、扉13が閉じた状態で、扉13に形成された開口131から外部に露出されており、外部から視認可能である。
【0019】
記憶部32は、例えばハードディスクドライブやフラッシュメモリなどの記憶装置で構成され、追加、書き換え、又は削除が行われる予定がある各種情報を記憶可能に構成されている。記憶部32には、例えば認証用情報が記憶されている。認証用情報は、例えば対象の単位装置30を挿入可能な収容室12の位置を示す情報を含んで構成されている。この場合、図3に示すように、記憶部32に記憶された認証用情報に収容室12aを示す情報が含まれている場合、対象の単位装置30は収容室12aに挿入可能である。
【0020】
ここで、単位装置30は、例えば単位装置30の形式、形状、容量、回路仕様等が同じであれば、複数の収容室12間において単位装置30の交換や入れ替えをして使用することができる。つまり、単位装置30は、所定の条件を満たす収容室12が複数存在する場合、複数の収容室12の中から適宜選択して挿入することができる。そのため、認証用情報には、単位装置30を挿入可能な複数の収容室12の位置を示す情報を含めることができる。図3に示すように、例えば記憶部32に記憶された情報に収容室12b、12cを示す情報が含まれている場合、対象の単位装置30は収容室12b、12cに挿入可能である。なお、記憶部32は、単位装置30の外部に設置されていても良い。
【0021】
制御部33は、例えば図示しないCPUやROM及びRAM等の図示しない記憶領域を有するマイクロコンピュータを主体に構成されており、単位装置30全体の制御を司る。制御部33には、リーダ20、表示部31、及び記憶部32が電気的に接続されている。また、取得処理部34、判定処理部35、及び報知処理部36は、CPUが記憶領域に格納されているコンピュータプログラムを実行することにより仮想的に実現されている、つまりソフトウェアにより実現されている。なお、取得処理部34、判定処理部35、及び報知処理部36のうち少なくとも一部をハードウェアにより実現する構成としても良い。
【0022】
取得処理部34は、取得処理を実行することができる。取得処理は、記憶部32に記憶された情報の中から対象の単位装置30に関する認証用情報を取得する処理を含む。判定処理部35は、判定処理を実行することができる。判定処理は、リーダ20が読み取ったRFタグ15の情報に基づいて、単位装置30が挿入された収容室12の正誤を判定する処理を含む。
【0023】
また、判定処理は、リーダ20が読み取ったRFタグ15の情報に基づいて、単位装置30が挿入された収容室12が誤りであると判定した場合、単位装置30への供給電源を遮断するつまり単位装置30に接続された負荷の運転を不可にする処理を含む。一方、判定処理は、リーダ20が読み取ったRFタグ15の情報に基づいて、単位装置30が挿入された収容室12が正しいと判定した場合、単位装置30の継続使用を可能つまり単位装置30に接続された負荷の運転を可能にする処理を含む。
【0024】
報知処理部36は、報知処理を実行することができる。報知処理は、判定処理の結果を報知する処理を含む。報知処理部36は、例えば表示部31を用いて報知処理を実行することができる。報知処理部36は、表示部31を用いて報知処理を実行する場合、「OK」や「NG」等の記号や文字による表示や、図示しない表示灯の表示色や点灯パターンによる表示を行うことができる。これにより、作業者は、表示部31に表示された判定結果を確認することで、単位装置30が挿入された収容室12の正誤を容易に確認することができる。また、表示部31がスピーカを有する構成とした場合、報知処理は、スピーカを用いた音声による報知を含めることができる。
【0025】
以下では、図4を参照して、収容室12に対する単位装置30の誤挿入検知方法の一例を説明する。なお、以下の説明において、各処理部34~36で行われる処理は全て制御部33が主体となって行うものとして説明する。図4に示すように、単位装置30の誤挿入検知は、設置工程(ステップS11)、読取工程(ステップS12)、取得工程(ステップS13)、判定工程(ステップS14~S15)、及び報知工程(ステップS16)の順に処理が行われる。
【0026】
まず、ステップS11において、作業者は、複数のRFタグ15を筐体10の各収容室12に対応する位置この場合扉13に設置する。次に、制御部33は、ステップS12において、単位装置30が収容室12に挿入される際に、リーダ20でRFタグ15を読み取る。その後、制御部33は、ステップS13において、記憶部32に記憶された情報の中から対象の単位装置30に関する認証用情報例えば単位装置30を挿入可能な収容室12の位置を示す情報を取得する。
【0027】
そして、ステップS14において、制御部33は、例えばリーダ20によってRFタグ15から読み取ったコントロールセンタ1内における各収容室12の配置に関する位置情報と記憶部32から取得した単位装置30を挿入可能な収容室12の位置を示す情報とを照合して、両情報が一致するか否かを判定する。つまり、単位装置30が挿入された収容室12の正誤を判定する。
【0028】
単位装置30が挿入された収容室12が正しいと判定された場合(ステップS14でYES)、制御部33は、ステップS16に処理を移行させる。一方、単位装置30が挿入された収容室12が誤っている判定された場合(ステップS14でNO)、制御部33はステップS15に処理を移行させて、例えば配線用遮断器を制御して一次側からの電源供給を遮断して、単位装置30への供給電源を遮断し、ステップS16に処理を移行させる。
【0029】
その後、制御部33は、ステップS16において、判定結果に応じた内容の情報を表示部31に表示して、収容室12に対する単位装置30の誤挿入検知が終了される(エンド)。
【0030】
以上説明した実施形態によれば、コントロールセンタ1は、筐体10と、複数の単位装置30と、複数のRFタグ15と、複数のリーダ20と、判定処理部35と、報知処理部36と、を備える。筐体10は、複数の収容室12を有する。複数の単位装置30は、複数の収容室12に挿抜可能に設けられている。複数のRFタグ15は、筐体10の各収容室12に対応する位置に設けられ、収容室12毎に設定された情報を記録する。複数のリーダ20は、各単位装置30に設けられ、RFタグ15に記録された情報を読み取り可能である。判定処理部35は、リーダ20が読み取ったRFタグ15の情報に基づいて、単位装置30が挿入された収容室12の正誤を判定する判定処理を実行可能である。報知処理部36は、判定処理の結果を報知する報知処理を実行可能である。
【0031】
これによれば、筐体10に設けられたRFタグ15と単位装置30に設けられたリーダ20によって、収容室12に対する単位装置30の誤挿入を検知することができる。これにより、人手による単位装置の照合作業によって生じる人為的ミスを回避するとともに、照合作業の省人化によって作業負担の軽減を図ることができる。
【0032】
また、判定処理は、リーダ20が読み取ったRFタグ15の情報に基づいて、単位装置30が挿入された収容室12が誤りであると判定した場合、単位装置30への供給電源を遮断する処理を更に含む。これによれば、単位装置30の誤挿入が検知された場合に、単位装置30への供給電源を遮断して単位装置30に対応する負荷の運転を不可とすることができる。これにより、単位装置30が誤挿入された状態で誤って負荷が運転されてしまい、単位装置30の誤作動や破損等の不具合が発生することを抑制することができる。
【0033】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について図5を参照して説明する。第2実施形態のコントロールセンタ1は、RFタグ15の取付け位置が上記第1実施形態と異なる。具体的には、この第2実施形態では、RFタグ15は、扉13の前面に設けられる銘板14に取付けられている。そして、RFタグ15の取付け位置以外の構成は、上記第1実施形態と同様にすることができる。
【0034】
ここで、コントロールセンタ1内において単位装置30の配置を変更する場合、扉13に対してRFタグ15が直接取付けられていると、単位装置30の配置変更に応じて扉13の入れ替え等が必要となり、作業手間を生じるおそれがある。そこで、例えばケース内へ抜き差しすることで扉13に着脱可能な銘板14に対してRFタグ15を取り付けることで、扉13自体を変更することなく単位装置30の配置変更に対応することができる。
【0035】
このような第2実施形態によっても、上記第1実施形態と同様の作用効果を得ることができる。また、コントロールセンタ1の改造にも対応し易くなるため、コントロールセンタ1の利便性の向上をより一層図ることができる。
【0036】
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について図6を参照して説明する。本実施形態は、判定処理に用いる情報が上記各実施形態と異なる。具体的には、上記各実施形態において判定処理は、単位装置30を挿入可能な収容室12の位置に関する情報を用いていたのに対し、この第3実施形態では、判定処理は、単位装置30を識別するための装置情報によって行われる。つまり、判定処理は、リーダ20が読み取ったRFタグ15の単位装置を識別するための装置情報に基づいて、単位装置30が挿入された収容室12の正誤を判定する処理を含む。
【0037】
この場合、記憶部32に記憶された認証用情報には、単位装置30を識別するための装置情報例えば単位装置30の形式、形状、容量、回路仕様、及び単位装置30に接続される負荷名称等を含んで構成することができる。以下の説明では、複数の単位装置30を識別するための装置情報を、それぞれ30a、30b、30c、30d、30eと称する。図6に示すように、各RFタグ15には、例えば各収容室12に挿入可能な単位装置の装置情報30a~30eが記録されている。
【0038】
例えば対象の単位装置30の記憶部32に記憶された認証用情報に装置情報30aが含まれている場合、装置情報30aが記録されたRFタグ15が設けられた収容室12には対象の単位装置30が挿入可能である。そして、判定処理において、リーダ20によってRFタグ15から読み取った装置情報と記憶部32から取得した認証用情報つまり装置情報とが照合されて、両情報が一致するため、収容室12に対する対象の単位装置30の挿入は正しいと判定される。一方、例えば対象の単位装置30の記憶部32に記憶された認証用情報に装置情報30bが含まれている場合、装置情報30aが記録されたRFタグ15が設けられた収容室12には対象の単位装置30が挿入不可である。この場合、判定処理において、リーダ20によってRFタグ15から読み取った装置情報と記憶部32から取得した認証用情報つまり装置情報とが照合されて、両情報が一致しない場合、単位装置30の誤挿入が検知される。
【0039】
このような第3実施形態によれば、単位装置30を識別するための装置情報例えば単位装置30の形式、形状、容量、回路仕様等が一致する場合には、負荷の運転を可能とすることができる。これにより、例えば長時間停止することができない負荷に用いられる常用の単位装置がある場合、当該常用の単位装置のメンテナンス中に、常用の単位装置と同様の仕様で構成された予備の単位装置を常用の単位装置と入れ替えて用いることができる。結果として、単位装置30の誤挿入による不具合を回避しつつ、コントロールセンタ1の利便性の向上を図ることができる。
【0040】
なお、上記各実施形態は、相互に組み合わせることができる。また、2以上の実施形態の特徴部分のみを抽出して組み合わせることもできる。
上記実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0041】
図面中、1はコントロールセンタ、10は筐体、13は扉、14は銘板、15はRFタグ、20はリーダ、30は単位装置、35は判定処理部、36は報知処理部、を示す。
図1
図2
図3
図4
図5
図6