(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023137776
(43)【公開日】2023-09-29
(54)【発明の名称】検出システム、検出方法、及び、検出プログラム
(51)【国際特許分類】
A61B 5/16 20060101AFI20230922BHJP
A61B 5/00 20060101ALI20230922BHJP
A61B 5/11 20060101ALI20230922BHJP
A61B 5/113 20060101ALI20230922BHJP
G01S 13/52 20060101ALI20230922BHJP
【FI】
A61B5/16 110
A61B5/00 102B
A61B5/11 110
A61B5/113
G01S13/52
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022044143
(22)【出願日】2022-03-18
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】弁理士法人栄光事務所
(72)【発明者】
【氏名】安木 慎
(72)【発明者】
【氏名】植田 剛央
(72)【発明者】
【氏名】岡田 亨
(72)【発明者】
【氏名】野口 浩
(72)【発明者】
【氏名】大野 耕祐
【テーマコード(参考)】
4C038
4C117
5J070
【Fターム(参考)】
4C038PP03
4C038SS08
4C038VA04
4C038VA16
4C038VC05
4C117XA07
4C117XB18
4C117XE13
4C117XE15
4C117XE24
4C117XE29
4C117XE43
4C117XG12
4C117XG22
4C117XJ13
4C117XJ18
5J070AB17
5J070AB24
5J070AE09
5J070AF01
5J070AK13
(57)【要約】
【課題】群衆についての生体情報を活用し、群衆の状態に関する程度を表示する。
【解決手段】検出システムは、監視エリアに設置された少なくとも1つのレーダ方式のセンサと、センサから出力されるセンサデータに基づき、監視エリア内のゾーンに存在する複数の人物の生体情報を検出する生体情報検出装置と、ゾーンにおける群衆の状態に関する程度を判定するための群衆生体程度判定情報を用いて、生体情報検出装置から出力される複数の人物の生体情報に基づいて、ゾーンにおける群衆の状態に関する程度を含む群衆生体程度情報を生成する管理装置と、群衆生体程度情報に基づいて、ゾーンにおける群衆の状態に関する程度を表示する端末装置と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
監視エリアに設置された少なくとも1つのレーダ方式のセンサと、
前記センサから出力されるセンサデータに基づき、前記監視エリア内のゾーンに存在する複数の人物の生体情報を検出する生体情報検出装置と、
前記ゾーンにおける群衆の状態に関する程度を判定するための群衆生体程度判定情報を用いて、前記生体情報検出装置から出力される前記複数の人物の生体情報に基づいて、前記ゾーンにおける前記群衆の状態に関する程度を含む群衆生体程度情報を生成する管理装置と、
前記群衆生体程度情報に基づいて、前記ゾーンにおける前記群衆の状態に関する程度を表示する端末装置と、を備える、
検出システム。
【請求項2】
前記監視エリアは、前記群衆が参加するイベントの場所であり、
前記管理装置は、前記場所毎に、前記群衆生体程度判定情報を対応付けて記憶する、
請求項1に記載の検出システム。
【請求項3】
前記生体情報は、前記人物のバイタル値を含み、
前記管理装置は、前記ゾーンにおける前記群衆に含まれる前記複数の人物の前記バイタル値に基づいて、前記ゾーンにおける前記群衆のバイタル代表値を算出する、
請求項1又は2に記載の検出システム。
【請求項4】
前記管理装置は、前記ゾーンにおける前記群衆の興奮度に関する前記程度を判定するための閾値を、前記群衆生体程度判定情報に設定し、
前記群衆の興奮度は、前記群衆のバイタル代表値に基づいて算出される、
請求項3に記載の検出システム。
【請求項5】
前記管理装置は、前記ゾーンにおける前記群衆の活動度に関する前記程度を判定するための閾値を、前記群衆生体程度判定情報に設定し、
前記群衆の活動度は、前記群衆に含まれる前記複数の人物の位置の動き速度に基づいて算出される、
請求項3又は4に記載の検出システム。
【請求項6】
前記管理装置は、前記ゾーンにおける前記群衆のバイタル代表値の時間変化に関する前記程度を判定するための閾値を、前記群衆生体程度判定情報に設定する、
請求項3から5のいずれか1項に記載の検出システム。
【請求項7】
前記端末装置は、前記群衆生体程度情報が示す前記ゾーンにおける前記群衆の状態に関する前記程度を図形で表すための図形情報を、表示設定情報に設定する、
請求項1から6のいずれか1項に記載の検出システム。
【請求項8】
前記表示設定情報において、前記群衆の状態に表示設定パラメータが対応付けられており、
前記図形情報は前記表示設定パラメータの1つである、
請求項7に記載の検出システム。
【請求項9】
前記表示設定パラメータは、前記群衆の状態の推定に用いられる条件を含み、
前記端末装置は、前記群衆生体程度情報と前記表示設定パラメータの前記条件とに基づいて、前記群衆の状態を推定する、
請求項8に記載の検出システム。
【請求項10】
監視エリアに設置された少なくとも1つのレーダ方式のセンサから出力されるセンサデータに基づき、前記監視エリア内のゾーンに存在する複数の人物の生体情報を検出し、
前記ゾーンにおける群衆の状態に関する程度を判定するための群衆生体程度判定情報を用いて、前記複数の人物の生体情報に基づいて、前記ゾーンにおける前記群衆の状態に関する程度を含む群衆生体程度情報を生成し、
前記群衆生体程度情報に基づいて、前記ゾーンにおける前記群衆の状態に関する程度を表示する、
検出方法。
【請求項11】
監視エリアに設置された少なくとも1つのレーダ方式のセンサから出力されるセンサデータに基づき、前記監視エリア内のゾーンに存在する複数の人物の生体情報を検出し、
前記ゾーンにおける群衆の状態に関する程度を判定するための群衆生体程度判定情報を用いて、前記複数の人物の生体情報に基づいて、前記ゾーンにおける前記群衆の状態に関する程度を含む群衆生体程度情報を生成し、
前記群衆生体程度情報に基づいて、前記ゾーンにおける前記群衆の状態に関する程度を表示する、
ことをコンピュータに実行させる、
検出プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、検出システム、検出方法、及び、検出プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、マイクロ波帯又はミリ波帯の変調波を送信し、この送信波と物体から反射された受信波を比較して、生体の呼吸、心拍等の微小な変動を検知するバイタルセンサが知られている(例えば特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2021/039601号
【特許文献2】特開2019-152441号公報
【特許文献3】特開2016-138796号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の技術によれば、プライバシーを保ちながら、精度の高い物体検出と呼吸や心拍などの生体情報を取得することができる。しかしながら、従来の技術は、家屋などの個室空間において個々の生体情報を取得するものであり、人物が集まるイベント会場等における群衆を対象にプライバシーを保護しながら生体情報を取得することは考慮されていない。
【0005】
本開示の目的は、群衆についての生体情報を活用できる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る検出システムは、監視エリアに設置された少なくとも1つのレーダ方式のセンサと、前記センサから出力されるセンサデータに基づき、前記監視エリア内のゾーンに存在する複数の人物の生体情報を検出する生体情報検出装置と、前記ゾーンにおける群衆の状態に関する程度を判定するための群衆生体程度判定情報を用いて、前記生体情報検出装置から出力される前記複数の人物の生体情報に基づいて、前記ゾーンにおける前記群衆の状態に関する程度を含む群衆生体程度情報を生成する管理装置と、前記群衆生体程度情報に基づいて、前記ゾーンにおける前記群衆の状態に関する程度を表示する端末装置と、を備える。
【0007】
本開示の一態様に係る検出方法は、監視エリアに設置された少なくとも1つのレーダ方式のセンサから出力されるセンサデータに基づき、前記監視エリア内のゾーンに存在する複数の人物の生体情報を検出し、前記ゾーンにおける群衆の状態に関する程度を判定するための群衆生体程度判定情報を用いて、前記複数の人物の生体情報に基づいて、前記ゾーンにおける前記群衆の状態に関する程度を含む群衆生体程度情報を生成し、前記群衆生体程度情報に基づいて、前記ゾーンにおける前記群衆の状態に関する程度を表示する。
【0008】
本開示の一態様に係る検出プログラムは、監視エリアに設置された少なくとも1つのレーダ方式のセンサから出力されるセンサデータに基づき、前記監視エリア内のゾーンに存在する複数の人物の生体情報を検出し、前記ゾーンにおける群衆の状態に関する程度を判定するための群衆生体程度判定情報を用いて、前記複数の人物の生体情報に基づいて、前記ゾーンにおける前記群衆の状態に関する程度を含む群衆生体程度情報を生成し、前記群衆生体程度情報に基づいて、前記ゾーンにおける前記群衆の状態に関する程度を表示する、ことをコンピュータに実行させる。
【0009】
なお、これらの包括的又は具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム又は記録媒体で実現されてもよく、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、群衆についての生体情報を活用できる技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】実施の形態1に係る検出システムの構成例を示すブロック図
【
図2】実施の形態1に係るセンサデータの構成例を示す図
【
図3】実施の形態1に係る生体情報の構成例を示す図
【
図4】実施の形態1に係る検出システムによる群衆生体程度判定情報及び表示設定情報の設定処理の一例を示すフローチャート
【
図5】実施の形態1に係る検出システムによる監視エリアの監視処理の一例を示すフローチャート
【
図6】実施の形態1に係るイベント場所「野球観戦スタンド」の選択画面の一例を示す図
【
図7】実施の形態1に係るイベント場所「野球観戦スタンド」用の群衆生体程度判定情報の設定画面の一例を示す図
【
図8】実施の形態1に係るイベント場所「野球観戦スタンド」用の表示設定情報の設定画面の一例を示す図
【
図9】実施の形態1に係るイベント場所「野球観戦スタンド」用の変化表示設定情報の設定画面の一例を示す図
【
図10】実施の形態1に係る野球観戦スタンドの群衆の状態を監視する場合の監視画面の一例を示す図
【
図11】実施の形態1に係るイベント場所「音楽ライブイベント」の選択画面の一例を示す図
【
図12】実施の形態1に係るイベント場所「音楽ライブイベント」用の表示設定情報の設定画面の一例を示す図
【
図13】実施の形態1に係る音楽ライブイベントの群衆の状態を監視する場合の監視画面の一例を示す図
【
図14】本開示に係る各装置の機能をコンピュータプログラムにより実現するコンピュータのハードウェア構成を示す図
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を適宜参照して、本開示の実施の形態について、詳細に説明する。ただし、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、すでによく知られた事項の詳細説明及び実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。なお、添付図面及び以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらにより特許請求の記載の主題を限定することは意図されていない。
【0013】
(実施の形態1)
<システム構成>
図1は、実施の形態1に係る検出システム10の構成例を示すブロック図である。
図2は、実施の形態1に係るセンサデータ20の構成例を示す図である。
図3は、実施の形態1に係る生体情報21の構成例を示す図である。
【0014】
検出システム10は、センサ11と、生体情報検出装置12と、管理装置13と、端末装置14とを含んで構成される。また、検出システム10は、連携機器の一例として、カメラ15、マイク16、音響機器17(例えばスピーカ)、及び、照明機器18の少なくとも1つをさらに含んで構成されてよい。なお、連携機器の他の例として、空調機器、又は、映像出力機器(例えば大型スクリーン又はプロジェクタ)等が挙げられる。センサ11と、生体情報検出装置12と、管理装置13と、端末装置14と、連携機器とは、所定の通信ネットワークを通じて、データ又は情報を送受信できてよい。通信ネットワークは、有線又は無線のいずれであってもよい。
【0015】
センサ11は、監視エリア8内に複数配置されてよい。また、監視エリア8内には、センサ11によって測定される領域であるゾーン9が少なくとも1つ含まれてよい。1つのゾーン9は、1つのセンサ11によって測定されてもよいし、複数のセンサ11によって測定されてもよい。
【0016】
センサ11は、レーダ方式のセンサであり、所定の周波数帯の電波を照射し、当該センサ11のセンシング範囲に存在する物体(例えば人物1)から反射される反射波を受信する。センサ11は、照射した電波と受信した反射波とを比較して、
図2に示すセンサデータ20を生成する。センサ11は、ミリ波レーダ方式のセンサであってよい。ミリ波レーダ方式の例として、FMCW(Frequency Modulated Continuous Wave)方式、又は、ステップICW(Interrupted Continuous Wave)方式等が挙げられる。
【0017】
センサデータ20では、
図2に示すように、タイムスタンプと、検知情報と、信号情報とが対応付けられている。
【0018】
タイムスタンプは、センサデータ20を得たタイミングを示す情報である。タイムスタンプの例として、時刻情報又はフレーム番号が挙げられる。
【0019】
検知情報は、例えば、所定強度以上の反射波が得られた3次元空間上の位置(以下、反射点と称する)を示す情報、センサ11から反射点までの距離を示す情報、及び、反射点における反射強度を示す情報を含む。
【0020】
信号情報は、例えば、受信アンテナ毎のIQデータを含む。
【0021】
すなわち、センサデータ20は、センシング範囲に存在する物体(例えば人物1)の3次元空間における位置、形状、及び、時間的変化を示すデータである。よって、センサデータ20は、映像データのような解像度は有していないため、各人物1の個人を特定することはできない。つまり、センサ11により、人物1のプライバシーを保護した状態でのデータ取得が可能である。
【0022】
センサ11は、生成したセンサデータ20を管理装置13及び端末装置14へ送信する。
【0023】
生体情報検出装置12は、各センサ11から受信したセンサデータ20に基づいて、
図3に示す生体情報21を生成する。
【0024】
生体情報21では、
図3に示すように、タイムスタンプと、検出人物情報と、バイタル値情報と、信頼度情報とが対応付けられている。
【0025】
タイムスタンプは、生体情報21が生成されたタイミングを示す情報である。タイムスタンプの例として、時刻情報が挙げられる。管理装置13は、生体情報21を生成した時刻を、当該タイムスタンプとする。
【0026】
検出人物情報は、検出された人物1に関する情報である。検出人物情報は、人物IDと、人物位置と、人物姿勢を含む。人物IDは、検出された人物1を識別するためのIDである。人物位置は、人物IDが示す人物1の監視エリア8における3次元空間上の位置を示す。人物姿勢は、人物IDが示す人物1の姿勢を示す。生体情報検出装置12は、センサデータ20の検知情報に基づいて、人物位置及び人物姿勢を特定する。
【0027】
バイタル値情報は、検出された人物1の活動状態であるバイタル値に関する情報である。バイタル値の例として、呼吸数、呼吸の深さ、心拍数、血圧が挙げられる。生体情報検出装置12は、センサデータ20の検知情報の時間変化に基づいて、検出された人物1のバイタル値(例えば、呼吸数、呼吸の深さ、心拍数、血圧等)を算出する。
【0028】
信頼度情報は、バイタル値情報の信頼度(尤度)を示す情報である。生体情報検出装置12は、センサデータ20の検知情報及び信号情報に基づいて、算出されたバイタル値情報の信頼度を算出する。なお、信頼度情報は、バイタル値情報の算出源であるレーダ信号のノイズレベル比や、複数の異なるバイタル値情報候補の信頼度情報の比較結果に基づいて生成することができる。
【0029】
生体情報検出装置12は、生成した生体情報21を管理装置13及び端末装置14へ送信する。
【0030】
管理装置13は、生体情報検出装置12から受信した複数の生体情報21に基づいて、ゾーン9に存在する複数の人物1によって構成される群衆2についての群衆生体程度情報22を生成する。群衆生体程度情報22は、群衆2のバイタル値の程度(レベル)を示す情報である。群衆2のバイタル値は、当該群衆2を構成する複数の人物1のバイタル値を合成して算出され、分布を有する値であってよい。例えば、群衆2を構成する各人物1の呼吸数が10~25(回/分)の範囲内である場合、群衆2の呼吸数に関するバイタル値は、10~25(回/分)の分布を有する値であってよい。
【0031】
管理装置13は、群衆生体程度判定情報23に基づいて、群衆生体程度情報22を生成する。群衆生体程度判定情報23は、群衆2のバイタル値から程度を判定するための情報を含む。ユーザは、管理装置13を操作して、群衆生体程度判定情報23を設定できる。なお、群衆生体程度判定情報23の詳細については後述する。
【0032】
管理装置13は、生成した群衆生体程度情報22及び群衆生体程度判定情報23を端末装置14へ送信する。
【0033】
端末装置14は、生体情報検出装置12から受信した複数の生体情報21と、管理装置13から受信した群衆生体程度情報22及び群衆生体程度判定情報23とに基づいて、監視エリア8における各ゾーン9の群衆2の状態を推定し、監視画面に表示する。このとき、端末装置14は、表示設定情報24に基づいて、群衆2の状態の表示態様(例えばゾーン9の表示態様)を決定する。表示設定情報24は、群衆2の状態の表示態様の設定を含む情報である。ユーザは、端末装置14を操作して、表示設定情報24を設定できる。なお、表示設定情報24の詳細については後述する。
【0034】
このように、検出システム10は、電波を用いて人物1をセンシングするレーダ方式のセンサ11を用いて、群衆2の状態を検出する。これにより、群衆2を構成する個々の人物1のプライバシーを守りながら、群衆2の状態を検出できる。
【0035】
<設定処理フロー>
図4は、実施の形態1に係る検出システム10による群衆生体程度判定情報23及び表示設定情報24の設定処理の一例を示すフローチャートである。
【0036】
管理装置13は、群衆2が参加可能なイベント場所の選択画面を表示する。なお、選択画面の具体例については後述する。ユーザは、選択画面からイベント場所を1つ選択する(S11)。
【0037】
管理装置13は、ステップS11にて選択されたイベント場所用のデフォルトの群衆生体程度判定情報23を読み込み、表示する。ユーザは、表示された群衆生体程度判定情報23を設定する(S12)。なお、群衆生体程度判定情報23の設定方法の詳細については後述する。
【0038】
端末装置14は、ステップS11にて選択されたイベント場所用のデフォルトの表示設定情報24を表示する。ユーザは、表示された表示設定情報24を設定する(S13)。なお、表示設定情報24の設定方法の詳細については後述する。
【0039】
管理装置13は、ステップS11にて選択されたイベント場所に、ステップS12にて設定された群衆生体程度判定情報23を対応付けてストレージ1003(
図14参照)に保持する。端末装置14は、ステップS11にて選択されたイベント場所に、ステップS13にて設定された表示設定情報24を対応付けてストレージ1003に保持する(S14)。
【0040】
以上の処理により、イベント場所ごとに適切な群衆生体程度判定情報23及び表示設定情報24を対応付けてストレージ1003に保持される。
【0041】
<監視処理フロー>
図5は、実施の形態1に係る検出システム10による監視エリア8の監視処理の一例を示すフローチャートである。
【0042】
端末装置14は、イベント場所の選択画面を表示する。ユーザは、選択画面から、イベント場所を1つ選択する(S21)。
【0043】
管理装置13は、ステップS21にて選択されたイベント場所に対応付けられている群衆生体程度判定情報23をストレージ1003から取得する。端末装置14は、ステップS21にて選択されたイベント場所に対応付けられている表示設定情報24をストレージ1003から取得する(S22)。これにより、検出システム10は、イベント場所用に適切に設定された群衆生体程度判定情報23及び表示設定情報24を用いて、監視処理を行うことができる。
【0044】
管理装置13は、群衆生体程度判定情報23を用いて、生体情報検出装置12から受信した複数の生体情報21から、各ゾーン9の群衆生体程度情報22を生成する(S23)。管理装置13は、生成した各ゾーン9の群衆生体程度情報22を、端末装置14へ送信する。
【0045】
端末装置14は、生体情報検出装置12から受信した複数の生体情報21に含まれる人物位置の動き速度から、各ゾーン9の群衆2の動きを推定する(S24)。当該群衆2の動きには、歩行のような水平方向の動きに限らず、ジャンプのような垂直方向の動きも含まれる。
【0046】
端末装置14は、表示設定情報24を用いて、群衆生体程度情報22及び群衆2の動き等から、各ゾーン9の群衆2の状態を推定する(S25)。
【0047】
端末装置14は、監視画面に、各ゾーン9の群衆2の状態等を示す情報を表示する(S26)。そして、検出システム10は、処理をステップS22に戻す。
【0048】
以上の処理により、ユーザは、監視画面を見て、各ゾーン9の群衆2の状態(例えば群衆2が盛り上がっているか否か)を直感的に認識することができる。
【0049】
<イベント場所:野球観戦スタンド>
次に、イベント場所の一例である「野球観戦スタンド」の群衆2の状態を監視する場合について説明する。
【0050】
図6は、実施の形態1に係るイベント場所「野球観戦スタンド」の選択画面50Aの一例を示す図である。
【0051】
端末装置14は、
図5のステップS21において、
図6に示すイベント場所の選択画面50Aを表示する。ユーザが、イベント場所として「野球観戦スタンド」を選択すると、管理装置13は、次に示す、イベント場所「野球観戦スタンド」用の群衆生体程度判定情報23の設定画面100Aを表示する。
【0052】
<野球観戦スタンド用の設定画面>
図7は、実施の形態1に係るイベント場所「野球観戦スタンド」用の群衆生体程度判定情報23の設定画面100Aの一例を示す図である。
【0053】
イベント場所「野球観戦スタンド」用の群衆生体程度判定情報23の設定画面100Aは、
図7に示すように、監視エリアの設定領域101、バイタル代表値の設定領域102、興奮度の閾値設定領域103、活動度の閾値設定領域104、バイタル代表値の時間変化度の閾値設定領域105を含んで構成される。
【0054】
ユーザは、監視エリアの設定領域101に、野球観戦スタンドを対象とするXYZ空間(3次元空間)における、X区間とY区間とZ区間とを示す値とを入力する。検出システム10は、入力されたX区間、Y区間、及び、Z区間によって形成される3次元空間を、監視エリア8に設定する。また、管理装置13は、設定された監視エリア8を、複数のゾーン9に区分する。管理装置13は、センサ11の設置位置及びセンシング範囲に基づいて、ゾーン9の区分を決定してよい。例えば、管理装置13は、少なくとも1つのセンサ11にてセンシング可能な範囲を、1つのゾーン9としてよい。
【0055】
ユーザは、バイタル代表値の設定領域102に表示される複数のバイタル代表値の候補から、所望の1つを選択する。バイタル代表値の候補の例として、平均値、中央値、最大値、最小値、+μ(標準偏差)、-μ(標準偏差)が挙げられる。バイタル代表値は、分布を有する群衆2のバイタル値から算出される。例えば、バイタル代表値の設定領域102において「中央値」が選択された場合、管理装置13は、群衆2のバイタル値から中央値を算出し、群衆2のバイタル代表値とする。以下に述べる、興奮度及び活動度といったパラメータでは、当該群衆2のバイタル代表値が用いられる。
【0056】
ユーザは、興奮度の閾値設定領域103に含まれる閾値バー120を調整して、興奮度から当該興奮度の高低に関する群衆生体程度を決定するための閾値を決定する。興奮度の高低に関する群衆生体程度を、群衆興奮程度と称する。興奮度は、バイタル代表値の設定領域102にて選択された群衆2のバイタル代表値(例えば心拍数のバイタル代表値及び/又は呼吸数のバイタル代表値)の大きさと時間変化とに基づいて算出されてよい。例えば、群衆興奮程度として、「弛緩」、「興奮」の2段階を設定する場合、
図7に示すように、ユーザは、「弛緩」と「興奮」を区別する閾値1を設定する。設定された閾値1は数値として表示されてよい。なお、群衆興奮程度の数は2段階に限られず、3段階以上であってもよい。また、群衆興奮程度の各段階の名称はユーザが変更可能であってもよい。なお、群衆興奮程度の各段階は、群衆興奮レベルと読み替えられてもよい。
【0057】
ユーザは、活動度の閾値設定領域104に含まれる閾値バー120を調整して、活動度から当該活動度の高低に関する群衆生体程度を決定するための閾値を決定する。活動度の高低に関する群衆生体程度を、群衆活動程度と称する。活動度は、群衆2を構成する複数の人物1の人物位置の動き速度に基づいて算出されてよい。すなわち、活動度は、群衆2の動きの活発さを表すパラメータである。例えば、群衆活動程度として、「静観」、「活発」の2段階を設定する場合、
図7に示すように、ユーザは、「静観」と「活発」を区別する閾値1を設定する。設定された閾値1は数値として表示されてよい。なお、群衆活動程度の数は2段階に限られず、3段階以上であってもよい。また、群衆活動程度の各段階の名称はユーザが変更可能であってもよい。なお、群衆活動程度の各段階は、群衆活動レベルと読み替えられてもよい。
【0058】
ユーザは、バイタル代表値の時間変化度の閾値設定領域105に含まれる閾値バー120を調整して、群衆2のバイタル代表値の時間変化度から群衆2のバイタル代表値の時間変化度に関する群衆生体程度を決定するための閾値を設定する。群衆2のバイタル代表値の時間変化度に関する群衆生体程度には、上昇方向の程度と、下降方向の程度とが含まれる。上昇方向の程度を、バイタル上昇変化程度と称する。下降方向の程度を、バイタル下降変化程度と称する。例えば、バイタル上昇変化程度として、「変化なし」、「上昇」、「急上昇」の3段階を設定する場合、
図7に示すように、「変化なし」と「上昇」を区別する閾値1と、「上昇」と「急上昇」を区別する閾値2とを設定する。なお、バイタル上昇変化程度の各段階は、バイタル上昇変化レベルと読み替えられてもよい。例えば、バイタル下降変化程度として、「変化なし」、「下降」、「急下降」の3段階を設定する場合、
図7に示すように、「変化なし」と「下降」を区別する閾値1と、「下降」と「急下降」を区別する閾値2とを設定する。設定された閾値1と閾値2は数値として表示されてよい。なお、バイタル下降変化程度の各段階は、バイタル下降変化レベルと読み替えられてもよい。
【0059】
<野球観戦スタンド用の表示設定情報>
図8は、実施の形態1に係るイベント場所「野球観戦スタンド」用の表示設定情報24の設定画面200Aの一例を示す図である。
【0060】
イベント場所「野球観戦スタンド」用の表示設定情報24の設定画面200Aは、
図8に示すように、項目として、状態名と、設定名と、設定値とを有する。
【0061】
状態名は、群衆2の状態の名称を示す。
【0062】
設定名は、状態名に対応付けられる設定の名称を示す。1つの状態名に、1又は複数の設定名が対応付けられる。
【0063】
設定値は、設定名に対応付けられる値を示す。1つの設定名に、1つの設定値が対応付けられる。ただし、1つの設定名に、複数の設定値が対応付けられてもよい。設定名と設定値のセットを表示設定パラメータと称してもよい。
【0064】
<<無関心又は散漫状態>>
例えば、
図8に示すように、状態名「無関心又は散漫状態」に、設定名「興奮程度条件」、「活動程度条件」、「アイコン名」、及び、「アイコン色」が対応付けられる。
【0065】
設定名「興奮程度条件」の設定値は、群衆2の状態を「無関心又は散漫状態」と判定するための群衆興奮程度を示す。例えば、ユーザは、群衆2の状態「無関心又は散漫状態」に対応付ける設定名「興奮程度条件」の設定値として、群衆興奮程度「弛緩」を設定する。
【0066】
設定名「活動程度条件」の設定値は、群衆2の状態を「無関心又は散漫状態」と判定するための群衆活動程度を示す。例えば、ユーザは、群衆2の状態「無関心又は散漫状態」に対応付ける設定名「活動程度条件」の設定値として、群衆活動程度「活発」を設定する。
【0067】
設定名「アイコン名」の設定値は、群衆2の状態を「無関心又は散漫状態」と判定した場合に使用するアイコンのファイル名を示す。
【0068】
設定名「アイコン色」の設定値は、群衆2の状態を「無関心又は散漫状態」と判定した場合に使用するアイコンの色を示す。例えば、ユーザは、群衆2の状態「無関心又は散漫状態」に対応付ける設定名「アイコン色」の設定値として、紫色のRGB値を設定する。
【0069】
端末装置14は、監視エリア8内のあるゾーン9の群衆2について、群衆興奮程度が「興奮程度条件」の設定値が示す「弛緩」であり、群衆活動程度が「活動程度条件」の設定値が示す「活発」である場合、当該群衆2の状態を「無関心又は散漫状態」と判定する。その場合、端末装置14は、当該ゾーン9を、設定名「アイコン名」の設定値が示すファイル名のアイコンを用いて、設定名「アイコン色」の設定値が示す紫色で表示する。
【0070】
<<落ち着き状態>>
例えば、
図8に示すように、状態名「落ち着き状態」に、設定名「興奮程度条件」、「活動程度条件」、「アイコン名」、及び、「色」が対応付けられる。
【0071】
設定名「興奮程度条件」の設定値は、群衆2の状態を「落ち着き状態」と判定するための群衆興奮程度を示す。例えば、ユーザは、群衆2の状態「落ち着き状態」に対応付ける設定名「興奮程度条件」の設定値として、群衆興奮程度「弛緩」を設定する。
【0072】
設定名「活動程度条件」の設定値は、群衆2の状態を「落ち着き状態」と判定するための群衆活動程度を示す。例えば、ユーザは、群衆2の状態「落ち着き状態」に対応付ける設定名「活動程度条件」の設定値として、群衆活動程度「静観」を設定する。
【0073】
設定名「アイコン名」の設定値は、群衆2の状態を「落ち着き状態」と判定した場合に使用するアイコンのファイル名を示す。
【0074】
設定名「アイコン色」の設定値は、群衆2の状態を「落ち着き状態」と判定した場合に使用するアイコンの色を示す。例えば、ユーザは、群衆2の状態「落ち着き状態」に対応付ける設定名「アイコン色」の設定値として、青色のRGB値を設定する。
【0075】
端末装置14は、監視エリア8内のあるゾーン9の群衆2について、群衆興奮程度が「興奮程度条件」の設定値が示す「弛緩」であり、群衆活動程度が「活動程度条件」の設定値が示す「活発」である場合、当該群衆2の状態を「落ち着き状態」と判定する。その場合、端末装置14は、当該ゾーン9を、設定名「アイコン名」の設定値が示すファイル名のアイコンを用いて、設定名「アイコン色」の設定値が示す青色で表示する。
【0076】
<<緊張又は注目状態>>
例えば、
図8に示すように、状態名「緊張又は注目状態」に、設定名「興奮程度条件」、「活動程度条件」、「アイコン名」、及び、「アイコン色」が対応付けられる。
【0077】
設定名「興奮程度条件」の設定値は、群衆2の状態を「緊張又は注目状態」と判定するための群衆興奮程度を示す。例えば、ユーザは、群衆2の状態「緊張又は注目状態」に対応付ける設定名「興奮程度状態」の設定値として、群衆興奮程度「興奮」を設定する。
【0078】
設定名「活動程度条件」の設定値は、群衆2の状態を「緊張又は注目状態」と判定するための群衆活動程度を示す。例えば、ユーザは、群衆2の状態「緊張又は注目状態」に対応付ける設定名「活動程度条件」の設定値として、群衆活動程度「静観」を設定する。
【0079】
設定名「アイコン名」の設定値は、群衆2の状態を「緊張又は注目状態」と判定した場合に使用するアイコンのファイル名を示す。
【0080】
設定名「アイコン色」の設定値は、群衆2の状態を「緊張又は注目状態」と判定した場合に使用するアイコンの色を示す。例えば、ユーザは、群衆の状態「緊張又は注目状態」に対応付ける設定名「アイコン色」の設定値として、薄い赤色のRGB値を設定する。
【0081】
端末装置14は、監視エリア8内のあるゾーン9の群衆2について、群衆興奮程度が「興奮程度条件」の設定値が示す「興奮」であり、群衆活動程度が「活動程度条件」の設定値が示す「静観」である場合、当該群衆2の状態を「緊張又は注目状態」と判定する。その場合、端末装置14は、当該ゾーン9を、設定名「アイコン名」の設定値が示すファイル名のアイコンを用いて、設定名「アイコン色」の設定値が示す薄い赤色で表示する。
【0082】
<<盛り上がり状態>>
例えば、
図8に示すように、状態名「盛り上がり状態」に、設定名「興奮程度条件」、「活動程度条件」、「アイコン名」、「アイコン色」、「カメラ制御設定」、及び、「マイク制御設定」が対応付けられる。
【0083】
設定名「興奮程度条件」の設定値は、群衆2の状態を「盛り上がり状態」と判定するための群衆興奮程度を示す。例えば、ユーザは、群衆2の状態「盛り上がり状態」に対応付ける設定名「興奮程度条件」の設定値として、群衆興奮程度「興奮」を設定する。
【0084】
設定名「活動程度条件」の設定値は、群衆2の状態を「盛り上がり状態」と判定するための群衆活動程度を示す。例えば、ユーザは、群衆2の状態「盛り上がり状態」に対応付ける設定名「活動程度条件」の設定値として、群衆活動程度「活発」を設定する。
【0085】
設定名「アイコン名」の設定値は、群衆2の状態を「盛り上がり状態」と判定した場合に使用するアイコンのファイル名を示す。
【0086】
設定名「アイコン色」の設定値は、群衆2の状態を「盛り上がり状態」と判定した場合に使用するアイコンの色を示す。例えば、ユーザは、群衆2の状態「盛り上がり状態」に対応付ける設定名「アイコン色」の設定値として、赤色のRGB値を設定する。
【0087】
設定名「カメラ制御設定」の設定値は、群衆2の状態を「盛り上がり状態」と判定した場合のカメラ15の制御に関する設定を示す。例えば、ユーザは、群衆2の状態「盛り上がり状態」に対応付ける設定名「カメラ制御設定」の設定値として、カメラ15の「ON」を設定する。この場合、あるゾーン9が「盛り上がり状態」になったとき、当該ゾーン9を撮像するカメラ15が、自動的に(又はユーザの指示により)ONになる。これにより、カメラ15は、野球観戦スタンドにおいて盛り上がっている群衆2のシーンを容易に撮像できる。なお、「カメラ制御設定」が状態名「盛り上がり状態」に対応付けられているのは一例であり、「カメラ制御設定」はいずれの状態名に対応付けられてもよい。
【0088】
設定名「マイク制御設定」の設定値は、群衆2の状態を「盛り上がり状態」と判定した場合のマイク16の制御に関する設定を示す。例えば、ユーザは、群衆2の状態「盛り上がり状態」に対応付ける設定名「マイク制御設定」の設定値として、マイク16の「ON」を設定する。この場合、あるゾーン9が「盛り上がり状態」になったとき、当該ゾーン9の集音を行うマイク16が、自動的に(又はユーザの指示により)ONになる。これにより、マイク16は、野球観戦スタンドにおいて盛り上がっている群衆2の声援を容易に集音できる。なお、「マイク制御設定」が状態名「盛り上がり状態」に対応付けられているのは一例であり、「マイク制御設定」はいずれの状態名に対応付けられてもよい。
【0089】
端末装置14は、監視エリア8内のあるゾーン9の群衆2について、群衆興奮程度が「興奮程度条件」の設定値が示す「興奮」であり、群衆活動程度が「活動程度条件」の設定値が示す「活発」である場合、当該群衆2の状態を「盛り上がり状態」と判定する。その場合、端末装置14は、「盛り上がり状態」と判定した当該ゾーン9を、設定名「アイコン名」の設定値が示すファイル名のアイコンを用いて、設定名「アイコン色」の設定値が示す赤色で表示する。また、端末装置14は、「カメラ制御設定」の設定値が「ON」であるので、「盛り上がり状態」と判定した当該ゾーン9の群衆2を撮像するカメラ15をONにする制御を行う。あるいは、端末装置14は、「盛り上がり状態」と判定した当該ゾーン9にカメラ15を向ける制御を行ってもよい。また、端末装置14は、「マイク制御設定」の設定値が「ON」であるので、「盛り上がり状態」と判定した当該ゾーン9の群衆2の声援を集音するマイク16をONにする制御を行う。あるいは、端末装置14は、「盛り上がり状態」と判定した当該ゾーン9にマイク16を向ける制御を行ってもよい。
【0090】
<変化表示設定情報>
図9は、実施の形態1に係るイベント場所「野球観戦スタンド」用の変化表示設定情報の設定画面300Aの一例を示す図である。
【0091】
端末装置14は、上述した表示設定情報24の設定画面200Aに加えて、
図9に示す変化表示設定情報の設定画面300Aを表示してもよい。
【0092】
変化表示設定情報の設定画面300Aは、項目として、バイタル変化程度と、アイコン名と、サイズとを有する。
【0093】
バイタル変化程度には、上述したバイタル上昇変化程度又はバイタル下降変化程度に相当する「急上昇」、「上昇」、「変化なし」、「下降」、「急下降」が設定される。
【0094】
例えば、
図9に示す変化表示設定情報の1行目に示すように、ユーザは、バイタル変化程度「急上昇」に対して、当該バイタル変化程度「急上昇」の表示に用いるアイコン名と、当該アイコン名が示すアイコンを表示する際のサイズとを設定する。
【0095】
<野球観戦スタンド用の監視画面>
図10は、実施の形態1に係る野球観戦スタンドの群衆の状態を監視する場合の監視画面400Aの一例を示す図である。
【0096】
端末装置14は、群衆生体程度判定情報23及び表示設定情報24を用いて、群衆2のバイタル代表値から、各ゾーン9の群衆2の状態を判定する。そして、端末装置14は、判定結果に基づいて、
図10に示すように、イベント場所「野球観戦スタンド」の各ゾーン9における群衆2の状態を表す監視画面400Aを表示する。
【0097】
例えば、監視画面400Aには、球場の野球観戦スタンドの会場のマップ401Aと、センサ11の位置及びセンシング方向を表示するセンサアイコン501Aと、各ゾーン9の群衆2の状態を示すゾーンアイコン502Aとが表示される。ゾーンアイコン502Aは、当該ゾーン9における群衆2の状態を、群衆生体程度判定情報23において当該状態に対応付けられているアイコン名のファイル及びアイコン色で表示したものである。例えば、「盛り上がり状態」のゾーン9のゾーンアイコン502Aは、赤色で表示される。
【0098】
また、端末装置14は、ゾーンアイコン502A上に、変化表示設定情報においてバイタル変化程度に対応付けられているアイコン名のファイルを、当該ファイル名に対応付けられているサイズで重畳表示する。例えば、端末装置14は、群衆2のバイタル変化程度が「急上昇」しているゾーン9のゾーンアイコン502A上に、斜め上向きの矢印アイコン503Aを重畳表示する。
【0099】
これにより、ユーザは、監視画面400Aを見て、野球観戦スタンドにおける各ゾーン9の群衆2の状態及びバイタル代表値の変化を一目で把握することができる。
【0100】
また、端末装置14は、カメラ15を制御して、群衆2の状態が「盛り上がり状態」であるゾーン9を撮影することができる。また、端末装置14は、マイク16を制御して、群衆2の状態が「盛り上がり状態」であるゾーン9の声援を集音することができる。
【0101】
<イベント場所:音楽ライブイベント>
次に、イベント場所の一例である「音楽ライブイベント」の群衆2の状態を監視する場合について説明する。なお、上述したイベント場所「野球観戦スタンド」の場合と共通する内容については説明を省略する場合がある。
【0102】
図11は、実施の形態1に係るイベント場所「音楽ライブイベント」の選択画面50Bの一例を示す図である。
【0103】
端末装置14は、
図5のステップS21において、
図11に示すイベント場所の選択画面50Bを表示する。ユーザが、イベント場所として「音楽ライブイベント」を選択すると、管理装置13は、イベント場所「音楽ライブイベント」用の群衆生体程度判定情報23の設定画面を表示する。なお、当該群衆生体程度判定情報23の設定画面については、
図6と同様であってよいので、説明を省略する。
【0104】
<音楽ライブイベント用の表示設定情報>
図12は、実施の形態1に係るイベント場所「音楽ライブイベント」用の表示設定情報24の設定画面200Bの一例を示す図である。
【0105】
次に、音楽ライブイベント用の表示設定情報24の設定画面200Bについて、
図8に示した野球観戦スタンド用の表示設定情報24の設定画面200Aと異なる点についてのみ説明する。
【0106】
<<無関心又は散漫状態>>
例えば、
図12に示すように、状態名「無関心又は散漫状態」に、設定名「興奮程度条件」、「活動程度条件」、「アイコン名」、「アイコン色」、及び、「音響機器制御設定」が対応付けられる。
【0107】
設定名「音響機器制御設定」の設定値は、群衆2の状態を「無関心又は散漫状態」と判定した場合の音響機器17(例えばスピーカ)の制御に関する設定を示す。例えば、ユーザは、群衆2の状態「無関心又は散漫状態」に対応付ける設定名「音響機器制御設定」の設定値として、「ON」を設定する。この場合、あるゾーン9が「無関心又は散漫状態」になったとき、当該ゾーン9に向けて音響を出力する音響機器17が、自動的に(又はユーザの指示により)ONになる。これにより、ユーザは、あまり盛り上がっていないゾーン9に向けて音響出力を行って盛り上げることができる。なお、「音響機器制御設定」が状態名「無関心又は散漫状態」に対応付けられているのは一例であり、「音響機器制御設定」はいずれの状態名に対応付けられてもよい。
【0108】
端末装置14は、監視エリア8内のあるゾーン9の群衆2について、群衆興奮程度が「興奮程度条件」の設定値が示す「弛緩」であり、群衆活動程度が「活動程度条件」の設定値が示す「活発」である場合、当該群衆2の状態を「無関心又は散漫状態」と判定する。その場合、端末装置14は、「無関心又は散漫状態」と判定した当該ゾーン9を、設定名「アイコン名」の設定値が示すファイル名のアイコンを用いて、設定名「アイコン色」の設定値が示す紫色で表示する。また、端末装置14は、「音響機器制御設定」の設定値が「ON」であるので、「無関心又は散漫状態」と判定した当該ゾーン9向けの音響機器17の出力をONにする制御を行う。あるいは、端末装置14は、無関心又は散漫状態」と判定した当該ゾーン9向けの音響機器17の音量を変化させる(例えば大きくする)制御を行ってもよい。
【0109】
<<盛り上がり状態>>
例えば、
図12に示すように、状態名「盛り上がり状態」に、設定名「興奮程度条件」、「活動程度条件」、「アイコン名」、「アイコン色」、及び、「照明機器制御設定」が対応付けられる。
【0110】
設定名「照明機器制御設定」の設定値は、群衆2の状態を「盛り上がり状態」と判定した場合の照明機器18の制御に関する設定を示す。例えば、ユーザは、群衆2の状態「盛り上がり状態」に対応付ける設定名「照明機器制御設定」の設定値として、「ON」を設定する。この場合、あるゾーン9が「盛り上がり状態」になったとき、当該ゾーン9を照らす照明機器18が、自動的に(又はユーザの指示により)ONになる。これにより、ユーザは、盛り上がっているゾーン9を照らして、さらに盛り上げることができる。なお、「照明機器制御設定」が状態名「盛り上がり状態」に対応付けられているのは一例であり、「照明機器制御設定」はいずれの状態名に対応付けられてもよい。
【0111】
端末装置14は、監視エリア8内のあるゾーン9の群衆2について、群衆興奮程度が「興奮程度条件」の設定値が示す「興奮」であり、群衆活動程度が「活動程度条件」の設定値が示す「活発」である場合、当該群衆2の状態を「盛り上がり状態」と判定する。その場合、端末装置14は、「盛り上がり状態」と判定した当該ゾーン9を、設定名「アイコン名」の設定値が示すファイル名のアイコンを用いて、設定名「アイコン色」の設定値が示す赤色で表示する。また、端末装置14は、「照明機器制御設定」の設定値が「ON」であるので、「盛り上がり状態」と判定した当該ゾーン9を照らす照明機器18をONにする制御を行う。あるいは、端末装置14は、「盛り上がり状態」と判定した当該ゾーン9を照らす照明機器18の照明色を変化させてもよい。
【0112】
<音楽ライブイベント用の監視画面>
図13は、実施の形態1に係る音楽ライブイベントの群衆の状態を監視する場合の監視画面400Bの一例を示す図である。
【0113】
端末装置14は、群衆生体程度判定情報23及び表示設定情報24を用いて、群衆2のバイタル代表値から、各ゾーン9の群衆2の状態を判定する。そして、端末装置14は、判定結果に基づいて、
図13に示すように、イベント場所「音楽ライブイベント」の各ゾーン9における群衆2の状態を表す監視画面400Bを表示する。
【0114】
例えば、監視画面400Bには、音楽ライブイベントの会場のマップ401Bと、センサ11の位置及びセンシング方向を表示するセンサアイコン501Bと、各ゾーン9の群衆2の状態を示すゾーンアイコン502Bとが表示される。ゾーンアイコン502Bは、当該ゾーン9における群衆2の状態を、群衆生体程度判定情報23において当該状態に対応付けられているアイコン名のファイル及びアイコン色で表示したものである。例えば、「盛り上がり状態」のゾーン9のゾーンアイコン502Bは、赤色で表示される。例えば、「無関心又は散漫状態」のゾーン9のゾーンアイコンは502B、紫色で表示される。
【0115】
また、端末装置14は、ゾーンアイコン502B上に、変化表示設定情報(
図9参照)においてバイタル変化程度に対応付けられているアイコン名のファイルを、当該ファイル名に対応付けられているサイズで重畳表示する。例えば、端末装置14は、群衆2のバイタル変化程度が「急降下」しているゾーン9のゾーンアイコン502B上に、斜め下向きの矢印アイコン503Bを重畳表示する。
【0116】
これにより、ユーザは、監視画面400Bを見て、音楽ライブイベントにおける各ゾーン9の群衆2の状態及びバイタル代表値の変化を一目で把握することができる。
【0117】
また、端末装置14は、音響機器17を制御して、群衆2の状態が「無関心又は散漫状態」であるゾーン9に向けて音響を出力したり、音量を変化させたりすることができる。また、端末装置14は、照明機器18を制御して、群衆2の状態が「盛り上がり状態」であるゾーン9に照明を当てたり、照明色を変化させたりすることができる。なお、端末装置14は、多くのゾーン9において群衆2の状態が「盛り上り状態」にある場合に(つまり群衆2の状態に応じて)、会場内に設置された大型スクリーン及び/又はプロジェクタなどの映像出力機器を制御し、表示中の第1の映像コンテンツを、第1の映像コンテンツと異なる第2の映像コンテンツに変更して表示するようにしてもよい。例えば、第2の映像コンテンツは、第1の映像コンテンツよりもアニメーション効果の高い映像コンテンツであってよい。これにより、端末装置14は、群衆2の状態に応じて、映像出力機器に表示する映像コンテンツを切り替え、会場の群衆2をますます盛り上げることができる。
【0118】
<ハードウェア構成>
以上、本開示に係る実施形態について図面を参照して詳述してきたが、上述した生体情報検出装置12、管理装置13、及び、端末装置14の機能は、コンピュータプログラムにより実現され得る。
【0119】
図14は、本開示に係る各装置の機能をコンピュータプログラムにより実現するコンピュータのハードウェア構成を示す図である。
【0120】
コンピュータ1000は、プロセッサ1001、メモリ1002、ストレージ1003、入力装置1004、出力装置1005、通信装置1006、GPU(Graphics Processing Unit)1007、読取装置1008、及び、バス1009を備える。
【0121】
プロセッサ1001、メモリ1002、ストレージ1003、入力装置1004、出力装置1005、通信装置1006、GPU1007、及び、読取装置1008は、バス1009に接続され、バス1009を介して双方向にデータを送受信できる。
【0122】
プロセッサ1001は、メモリ1002に記憶されたコンピュータプログラムを実行し、上述した機能ブロックを実現する装置である。プロセッサ1001の例として、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、コントローラ、LSI(Large Scale Integration)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)が挙げられる。
【0123】
メモリ1002は、揮発性記憶媒体で構成され、コンピュータ1000が取り扱うコンピュータプログラム及びデータを記憶する装置である。ただし、メモリ1002の少なくとも一部は、不揮発性記憶媒体で構成されてもよい。
【0124】
ストレージ1003は、不揮発性記憶媒体で構成され、コンピュータ1000が取り扱うコンピュータプログラム及びデータを記憶する装置である。ストレージ1003の例として、HDD(Hard Disk Drive)、又は、SSD(Solid State Drive)が挙げられる。
【0125】
入力装置1004は、プロセッサ1001に入力するデータを受け付ける装置である。入力装置1004の例として、キーボード、マウス、タッチパッド、又は、マイクが挙げられる。
【0126】
出力装置1005は、プロセッサ1001が生成したデータを出力する装置である。出力装置1005の例として、ディスプレイ、又は、スピーカが挙げられる。
【0127】
通信装置1006は、他の装置と、通信ネットワークを介して、データを送受信する装置である。通信装置1006は、データを送信する送信部とデータを受信する受信部を含んでよい。通信装置1006は、有線通信及び無線通信の何れに対応してもよい。有線通信の例として、Ethernet(登録商標)が挙げられる。無線通信の例として、IEEE802.11、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、LTE、4G、5Gが挙げられる。
【0128】
GPU1007は、画像描写を高速に処理する装置である。なお、GPU1007は、AI(artificial intelligence)の処理(例えばディープラーニング)に利用されてもよい。
【0129】
読取装置1008は、DVD-ROM(Digital Versatile Disk Read Only Memory)又はUSB(Universal Serial Bus)メモリといった記録媒体からデータを読み取る装置である。
【0130】
本開示の内容は以下のように表現することができる。
【0131】
<A-1>
検出システム(10)は、監視エリア(8)に設置された少なくとも1つのレーダ方式のセンサ(11)と、
前記センサから出力されるセンサデータに基づき、前記監視エリア内のゾーン(9)に存在する複数の人物の生体情報(21)を検出する生体情報検出装置(12)と、
前記ゾーンにおける群衆(2)の状態に関する程度を判定するための群衆生体程度判定情報(23)を用いて、前記生体情報検出装置から出力される前記複数の人物の生体情報に基づいて、前記ゾーンにおける前記群衆の状態に関する程度を含む群衆生体程度情報(22)を生成する管理装置(13)と、
前記群衆生体程度情報に基づいて、前記ゾーンにおける前記群衆の状態に関する程度を表示する端末装置(14)と、を備える。
これにより、端末装置は、監視エリア内のゾーンにおける群衆の状態に関する程度を表示することができる。
【0132】
<A-2>
A-1に記載の検出システムにおいて、
前記監視エリアは、前記群衆が参加するイベントの場所であり、
前記管理装置は、前記場所毎に、前記群衆生体程度判定情報を対応付けて記憶する。
これにより、管理装置は、群衆が参加するイベントの場所毎に適切な群衆生体程度判定情報を記憶することができる。
【0133】
<A-3>
A-1又はA-2に記載の検出システムにおいて、
前記生体情報は、前記人物のバイタル値を含み、
前記管理装置は、前記ゾーンにおける前記群衆に含まれる前記複数の人物の前記バイタル値に基づいて、前記ゾーンにおける前記群衆のバイタル代表値を算出する。
これにより、管理装置は、ゾーンにおける群衆のバイタル代表値を算出することができる。
【0134】
<A-4>
A-3に記載の検出システムにおいて、
前記管理装置は、前記ゾーンにおける前記群衆の興奮度に関する前記程度を判定するための閾値を、前記群衆生体程度判定情報に設定し、
前記群衆の興奮度は、前記群衆のバイタル代表値に基づいて算出される。
これにより、管理装置は、ゾーンにおける群衆の興奮度に関する程度を判定するための閾値を、群衆生体程度判定情報に設定することができる。
【0135】
<A-5>
A-3又はA-4に記載の検出システムにおいて、
前記管理装置は、前記ゾーンにおける前記群衆の活動度に関する前記程度を判定するための閾値を、前記群衆生体程度判定情報に設定し、
前記群衆の活動度は、前記群衆に含まれる前記複数の人物の位置の動き速度に基づいて算出される。
これにより、管理装置は、ゾーンにおける群衆の活動度に関する程度を判定するための閾値を、群衆生体程度判定情報に設定することができる。
【0136】
<A-6>
A-3からA-5のいずれか1項に記載の検出システムにおいて、
前記管理装置は、前記ゾーンにおける前記群衆のバイタル代表値の時間変化に関する前記程度を判定するための閾値を、前記群衆生体程度判定情報に設定する。
これにより、管理装置は、ゾーンにおける前記群衆のバイタル代表値の時間変化に関する程度を判定するための閾値を、群衆生体程度判定情報に設定することができる。
【0137】
<A-7>
A-1からA-6のいずれか1項に記載の検出システムにおいて、
前記端末装置は、前記群衆生体程度情報が示す前記ゾーンにおける前記群衆の状態に関する前記程度を図形で表すための図形情報を、表示設定情報に設定する。
これにより、管理装置は、ゾーンにおける群衆の状態に関する程度を図形で表すための図形情報を、表示設定情報に設定することができる。
【0138】
<A-8>
A-7に記載の検出システムにおいて、
前記表示設定情報において、前記群衆の状態に表示設定パラメータが対応付けられており、
前記図形情報は前記表示設定パラメータの1つである。
これにより、群衆の状態に表示設定パラメータの1つである図形情報が対応付けられる。
【0139】
<A-9>
A-8に記載の検出システムにおいて、
前記表示設定パラメータは、前記群衆の状態の推定に用いられる条件を含み、
前記端末装置は、前記群衆生体程度情報と前記表示設定パラメータの前記条件とに基づいて、前記群衆の状態を推定する。
これにより、端末装置は、群衆生体程度情報と表示設定パラメータの条件とに基づいて、群衆の状態を推定することができる。
【0140】
<A-10>
検出方法は、
監視エリアに設置された少なくとも1つのレーダ方式のセンサから出力されるセンサデータに基づき、前記監視エリア内のゾーンに存在する複数の人物の生体情報を検出し、
前記ゾーンにおける群衆の状態に関する程度を判定するための群衆生体程度判定情報を用いて、前記複数の人物の生体情報に基づいて、前記ゾーンにおける前記群衆の状態に関する程度を含む群衆生体程度情報を生成し、
前記群衆生体程度情報に基づいて、前記ゾーンにおける前記群衆の状態に関する程度を表示する。
上記検出方法を行うことにより、監視エリア内のゾーンにおける群衆の状態に関する程度を、例えば端末装置に表示することができる。
【0141】
<A-11>
検出プログラムは、
監視エリアに設置された少なくとも1つのレーダ方式のセンサから出力されるセンサデータに基づき、前記監視エリア内のゾーンに存在する複数の人物の生体情報を検出し、
前記ゾーンにおける群衆の状態に関する程度を判定するための群衆生体程度判定情報を用いて、前記複数の人物の生体情報に基づいて、前記ゾーンにおける前記群衆の状態に関する程度を含む群衆生体程度情報を生成し、
前記群衆生体程度情報に基づいて、前記ゾーンにおける前記群衆の状態に関する程度を表示する、
ことをコンピュータに実行させる。
これにより、検出プログラムを実行するコンピュータは、監視エリア内のゾーンにおける群衆の状態に関する程度を表示することができる。
【0142】
また、本開示の内容は以下のように表現することができる。
【0143】
<B-1>
検出システム(10)は、
監視エリア(8)に設置された少なくとも1つのレーダ方式のセンサ(11)と、
前記センサから出力されるセンサデータに基づき、前記監視エリア内のゾーン(9)に存在する複数の人物(1)の生体情報(21)を検出する生体情報検出装置(12)と、
前記ゾーンにおける群衆の状態に関する程度を判定するための群衆生体程度判定情報(23)を用いて、前記生体情報検出装置から出力される前記複数の人物の生体情報に基づいて、前記ゾーンにおける前記群衆の状態に関する程度を含む群衆生体程度情報を生成する管理装置(13)と、
前記群衆生体程度情報に基づいて、前記ゾーンに対応する連携機器(例えばカメラ、マイク16、音響機器17又は照明機器18)を制御する端末装置と、を備える、
これにより、端末装置は、群衆生体程度情報に基づいて、ゾーンに対応する連携機器を制御することができる。
【0144】
<B-2>
B-1に記載の検出システムにおいて、
前記生体情報は、前記人物のバイタル値を含み、
前記管理装置は、前記ゾーンにおける前記群衆に含まれる前記複数の人物の前記バイタル値に基づいて、前記ゾーンにおける前記群衆のバイタル代表値を算出し、前記群衆のバイタル代表値及び前記群衆生体程度判定情報に基づいて、前記群衆生体程度情報を生成する。
これにより、管理装置は、群衆のバイタル代表値及び群衆生体程度判定情報に基づいて、群衆生体程度情報を生成することができる。
【0145】
<B-3>
B-1又はB-2に記載の検出システムにおいて、
前記連携機器はカメラ(15)であり、
前記端末装置は、前記カメラを制御して、前記群衆の状態が所定の状態であるゾーンを撮像する。
これにより、端末装置は、カメラを制御して、群衆の状態が所定の状態であるゾーンを撮像することができる。
【0146】
<B-4>
B-1からB-3のいずれか1項に記載の検出システムにおいて、
前記連携機器はマイク(16)であり、
前記端末装置は、前記マイクを制御して、前記群衆の状態が所定の状態である前記ゾーンの集音を行う。
これにより、端末装置は、マイクを制御して、群衆の状態が所定の状態であるゾーンの集音を行うことができる。
【0147】
<B-5>
B-1からB-4のいずれか1項に記載の検出システムにおいて、
前記連携機器は音響機器(17)であり、
前記端末装置は、前記音響機器を制御して、前記群衆の状態が所定の状態である前記ゾーン向けの音量を変化させる。
これにより、端末装置は、音響機器を制御して、群衆の状態が所定の状態であるゾーン向けの音量を変化させることができる。
【0148】
<B-6>
B-1からB-5のいずれか1項に記載の検出システムにおいて、
前記連携機器は照明機器(18)であり、
前記端末装置は、前記照明機器を制御して、前記群衆の状態が所定の状態である前記ゾーンを照らす前記照明機器の照明色を変化させる。
これにより、端末装置は、照明機器を制御して、群衆の状態が所定の状態であるゾーンを照らす照明機器の照明色を変化させることができる。
【0149】
<B-7>
B-1からB-5のいずれか1項に記載の検出システムにおいて、
前記連携機器は映像出力機器であり、
前記端末装置は、前記映像出力機器を制御して、前記群衆の状態に応じて映像コンテンツを変更する。
これにより、端末装置は、映像出力機器を制御して、群衆の状態に応じて映像コンテンツを変更することができる。
【0150】
<B-8>
検出方法は、
監視エリアに設置された少なくとも1つのレーダ方式のセンサから出力されるセンサデータに基づき、前記監視エリア内のゾーンに存在する複数の人物の生体情報を検出し、
前記ゾーンにおける群衆の状態に関する程度を判定するための群衆生体程度判定情報を用いて、前記複数の人物の生体情報に基づいて、前記ゾーンにおける前記群衆の状態に関する程度を含む群衆生体程度情報を生成し、
前記群衆生体程度情報に基づいて、前記ゾーンに対応する連携機器を制御する。
上記検出方法を行うことにより、群衆生体程度情報に基づいて、ゾーンに対応する連携機器を制御することができる。
【0151】
<B-9>
検出プログラムは、
監視エリアに設置された少なくとも1つのレーダ方式のセンサから出力されるセンサデータに基づき、前記監視エリア内のゾーンに存在する複数の人物の生体情報を検出し、
前記ゾーンにおける群衆の状態に関する程度を判定するための群衆生体程度判定情報を用いて、前記複数の人物の生体情報に基づいて、前記ゾーンにおける前記群衆の状態に関する程度を含む群衆生体程度情報を生成し、
前記群衆生体程度情報に基づいて、前記ゾーンに対応する連携機器を制御する、
ことをコンピュータに実行させる。
これにより、検出プログラムを実行するコンピュータは、群衆生体程度情報に基づいて、ゾーンに対応する連携機器を制御することができる。
【0152】
以上、添付図面を参照しながら実施の形態について説明したが、本開示はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例、修正例、置換例、付加例、削除例、均等例に想到し得ることは明らかであり、それらについても本開示の技術的範囲に属すると了解される。また、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した実施の形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0153】
本開示の技術は、レーダ方式のセンサを用いて人物の生体の状態を検出するシステム、方法及びプログラム等に有用である。
【符号の説明】
【0154】
1 人物
2 群衆
8 監視エリア
9 ゾーン
10 検出システム
11 センサ
12 生体情報検出装置
13 管理装置
14 端末装置
15 カメラ
16 マイク
17 音響機器
18 照明機器
20 センサデータ
21 生体情報
22 群衆生体程度情報
23 群衆生体程度判定情報
24 表示設定情報
50A、50B 選択画面
100A 群衆生体程度判定情報の設定画面
101 監視エリアの設定領域
102 バイタル代表値の設定領域
103 興奮度の閾値設定領域
104 活動度の閾値設定領域
105 バイタル代表値の時間変化度の閾値設定領域
120 閾値バー
200A、200B 表示設定情報の設定画面
300A 変化表示設定情報の設定画面
400A、400B 監視画面
401A、401B マップ
501A、501B センサアイコン
502A、502B ゾーンアイコン
503A、503B 矢印アイコン
1000 コンピュータ
1001 プロセッサ
1002 メモリ
1003 ストレージ
1004 入力装置
1005 出力装置
1006 通信装置
1007 GPU
1008 読取装置
1009 バス