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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023137807
(43)【公開日】2023-09-29
(54)【発明の名称】袋体検査装置および袋体検査方法
(51)【国際特許分類】
   G01M 3/26 20060101AFI20230922BHJP
   B65B 57/10 20060101ALI20230922BHJP
【FI】
G01M3/26 H
B65B57/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022044185
(22)【出願日】2022-03-18
(71)【出願人】
【識別番号】000004743
【氏名又は名称】日本軽金属株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100131705
【弁理士】
【氏名又は名称】新山 雄一
(74)【代理人】
【識別番号】100182925
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 明弘
(72)【発明者】
【氏名】中井川 裕和
(72)【発明者】
【氏名】椛山 陽一
【テーマコード(参考)】
2G067
【Fターム(参考)】
2G067AA47
2G067BB04
2G067BB15
2G067BB30
2G067CC01
2G067DD14
2G067EE04
(57)【要約】
【課題】収容物が収容された内袋が外袋に覆われた袋体の状態を検査可能な袋体検査装置を提供する。
【解決手段】粉状体または粒状体からなる収容物と共に気体が収容された内袋2aと、内袋2aの外側を覆う外袋2bと、を有する袋体2を検査する袋体検査装置1であって、袋体2が載置される袋体載置部20と、袋体載置部20に載置された袋体2の上面側の全体または一部に対して押圧力を付与する押圧力付与部40と、押圧力付与部40によって袋体載置部20に載置された袋体2の上面側の全体に対して押圧力を付与する際に、袋体2と押圧力付与部40との関係から得られる物理量を検出する物理量検出部としての押圧力検出部50と、押圧力付与部40によって袋体載置部20に載置された袋体2の上面側の一部に対して押圧力を付与する際に、袋体2における押圧力が付与される部分以外の部分の高さ方向の大きさH1を検出する高さ検出部60と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉状体または粒状体からなる収容物と共に気体が収容された内袋と、前記内袋の外側を覆う外袋と、を有する袋体を検査する袋体検査装置であって、
前記袋体が載置される袋体載置部と、
前記袋体載置部に対して上下方向に移動自在であり、前記袋体載置部に載置された前記袋体の上面側の全体または一部に当接する当接部材を有し、前記袋体載置部に載置された前記袋体の上面側の全体または一部に対して押圧力を付与する押圧力付与部と、
前記押圧力付与部によって前記袋体載置部に載置された前記袋体の上面側の全体に対して押圧力を付与する際に、前記袋体と前記押圧力付与部との関係から得られる物理量を検出する物理量検出部と、
前記押圧力付与部によって前記袋体載置部に載置された前記袋体の上面側の一部に対して押圧力を付与する際に、前記袋体における押圧力が付与される部分以外の部分の高さ方向の大きさを検出する高さ検出部と、を備える
袋体検査装置。
【請求項2】
前記押圧力付与部によって前記袋体載置部に載置された前記袋体の上面側の全体に対して押圧力を付与した状態で、前記物理量検出部によって検出される物理量の時間の経過による変化量に基づいて前記袋体の状態を判定する第1状態判定部と、
前記押圧力付与部によって前記袋体載置部に載置された前記袋体の上面側の一部に対して押圧力を付与した状態で、前記高さ検出部によって検出される前記袋体の高さ方向の大きさに基づいて前記袋体の状態を判定する第2状態判定部と、を備える
請求項1に記載の袋体検査装置。
【請求項3】
前記押圧力付与部は、前記袋体載置部に載置された前記袋体の上面側の全体に対して押圧力を付与している状態の前記当接部材の上下方向の位置を固定可能であり、
前記物理量検出部は、前記袋体載置部に載置された前記袋体の上面側の全体に対して付与される前記押圧力付与部の押圧力を検出する押圧力検出部であり、
前記第1状態判定部は、前記押圧力付与部によって前記袋体載置部に載置された前記袋体の上面側の全体に対して所定の押圧力を付与した状態で前記当接部材の上下方向の位置を固定した後、前記押圧力検出部によって検出される押圧力の時間の経過による変化量に基づいて、前記袋体の状態を判定する
請求項2に記載の袋体検査装置。
【請求項4】
前記押圧力付与部は、前記袋体載置部に載置された前記袋体の上面側の全体に対して前記当接部材が付与する押圧力を保持可能であり、
前記物理量検出部は、前記袋体載置部に対する前記当接部材の上下方向の位置を検出する位置検出部であり、
前記第1状態判定部は、前記押圧力付与部によって前記袋体載置部に載置された前記袋体の上面側の全体に対して付与する押圧力を保持した状態で、前記位置検出部によって検出される前記袋体載置部に対する前記当接部材の上下方向の位置の時間の経過による変化量に基づいて、前記袋体の状態を判定する
請求項2に記載の袋体検査装置。
【請求項5】
前記第1状態判定部による前記袋体の状態の判定を実行した後、前記第2状態判定部による前記袋体の状態の判定を実行する制御部を備える
請求項2乃至4のいずれか1項に記載の袋体検査装置。
【請求項6】
粉状体または粒状体からなる収容物と共に気体が収容された内袋と、前記内袋の外側を覆う外袋と、を有する袋体を検査する袋体検査方法であって、
前記袋体が載置される袋体載置部に前記袋体を載置する袋体載置工程と、
前記袋体載置部に対して上下方向に移動自在であり、前記袋体載置工程において前記袋体載置部に載置された前記袋体の上面側の全体または一部に当接する当接部材を有し、前記袋体載置部に載置された前記袋体の上面側の全体または一部に対して押圧力を付与する押圧力付与部によって前記袋体載置部に載置された前記袋体の上面側の全体に対して押圧力を付与する第1押圧力付与工程と、
前記第1押圧力付与工程によって前記袋体載置部に載置された前記袋体の上面側の全体に対して押圧力を付与する際に、前記袋体と前記押圧力付与部との関係から得られる物理量を検出する物理量検出工程と、
前記第1押圧力付与工程において前記袋体載置部に載置された前記袋体の上面側の全体に対して押圧力を付与する際に、前記物理量検出工程において検出される物理量の時間の経過による変化量に基づいて前記袋体の状態を判定する第1状態判定工程と、
前記押圧力付与部によって前記袋体載置部に載置された前記袋体の上面側の一部に対して押圧力を付与する第2押圧力付与工程と、
前記第2押圧力付与工程において前記袋体載置部に載置された前記袋体の上面側の一部に対して押圧力を付与する際に、前記袋体における押圧力が付与される部分以外の部分の高さ方向の大きさを検出する高さ検出工程と、
前記第2押圧力付与工程において前記袋体載置部に載置された前記袋体の上面側の一部に対して押圧力を付与した状態で、前記高さ検出工程において検出される前記袋体における押圧力が付与される部分以外の部分の高さに基づいて前記袋体の状態を判定する第2状態判定工程と、を備える
袋体検査方法。
【請求項7】
前記第1押圧力付与工程は、前記袋体載置部に載置された前記袋体の上面側の全体に対して所定の押圧力を付与している状態の前記当接部材の上下方向の位置を固定し、
前記物理量検出工程は、前記袋体載置部に載置された前記袋体の上面側の全体に対して付与される前記押圧力付与部の押圧力を検出し、
前記第1状態判定工程は、前記第1押圧力付与工程において前記袋体載置部に載置された前記袋体の上面側の全体に対して所定の押圧力を付与した状態で前記当接部材の上下方向の位置を固定した後、前記物理量検出工程において検出される押圧力の時間の経過による変化量に基づいて、前記袋体の状態を判定する
請求項6に記載の袋体検査方法。
【請求項8】
前記第1押圧力付与工程は、前記袋体載置部に載置された前記袋体の上面側の全体に対して付与する押圧力を保持し、
前記物理量検出工程は、前記袋体載置部に対する前記当接部材の上下方向の位置を検出し、
前記第1状態判定工程は、前記第1押圧力付与工程において前記袋体載置部に載置された前記袋体の上面側の全体に対して付与する押圧力を保持した状態で、前記物理量検出工程において検出される前記袋体載置部に対する前記当接部材の上下方向の位置の時間の経過による変化量に基づいて、前記袋体の状態を判定する
請求項6に記載の袋体検査方法。
【請求項9】
前記第2状態判定工程は、前記第1状態判定工程を実行した後に行われる
請求項6乃至8のいずれか1項に記載の袋体検査方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粉状体または粒状体からなる収容物と共に空気等の気体が封入された内袋の外側が外袋で覆われた袋体を検査するための袋体検査装置および袋体検査方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の袋体検査装置としては、包装袋に空気と共に内容物を収容した袋体を、当接部材によって押圧し、当接部材が袋体から受ける反力の変化を検出することによって、袋体の密封状態の良否を判定するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、状態の検査が求められるその他の袋体としては、粉状体または粒状体からなる収容物を内袋に収容するとともに、空気等の気体を収容した状態で内袋の口部分を熱融着等によって封止し、口部分を封止した内袋の外側を紙等の外袋で覆うものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2017-77907号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述の内袋が外袋によって覆われた袋体の検査に、従来の袋体検査装置を用いる場合には、内袋の口部分の封止が不十分でわずかに空気が漏れる袋体を検出することは可能である。しかし、内袋の口部分の封止が行われていない箇所があり、収容物の一部が内袋と外袋との間に漏出している袋体は、外観上から発見することができず、従来の袋体検査装置によって検査した場合に、当接部材の押圧力が収容物に直接的に作用することになり、当接部材が袋体から受ける反力の変化を検出することができない。このため、従来の袋体検査装置は、内袋が外袋によって覆われた袋体の検査に適用することができない。
【0006】
本発明の目的とするところは、収容物が収容された内袋が外袋に覆われた袋体の状態を検査可能な袋体検査装置および袋体検査方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る袋体検査装置は、粉状体または粒状体からなる収容物と共に気体が収容された内袋と、前記内袋の外側を覆う外袋と、を有する袋体を検査する袋体検査装置であって、前記袋体が載置される袋体載置部と、前記袋体載置部に対して上下方向に移動自在であり、前記袋体載置部に載置された前記袋体の上面側の全体または一部に当接する当接部材を有し、前記袋体載置部に載置された前記袋体の上面側の全体または一部に対して押圧力を付与する押圧力付与部と、前記押圧力付与部によって前記袋体載置部に載置された前記袋体の上面側の全体に対して押圧力を付与する際に、前記袋体と前記押圧力付与部との関係から得られる物理量を検出する物理量検出部と、前記押圧力付与部によって前記袋体載置部に載置された前記袋体の上面側の一部に対して押圧力を付与する際に、前記袋体における押圧力が付与される部分以外の部分の高さ方向の大きさを検出する高さ検出部と、を備える。
【0008】
また、本発明に係る袋体検査装置は、好ましくは、前記押圧力付与部によって前記袋体載置部に載置された前記袋体の上面側の全体に対して押圧力を付与した状態で、前記物理量検出部によって検出される物理量の時間の経過による変化量に基づいて前記袋体の状態を判定する第1状態判定部と、前記押圧力付与部によって前記袋体載置部に載置された前記袋体の上面側の一部に対して押圧力を付与した状態で、前記高さ検出部によって検出される前記袋体の高さ方向の大きさに基づいて前記袋体の状態を判定する第2状態判定部と、を備える。
【0009】
また、本発明に係る袋体検査装置は、好ましくは、前記押圧力付与部が、前記袋体載置部に載置された前記袋体の上面側の全体に対して押圧力を付与している状態の前記当接部材の上下方向の位置を固定可能であり、前記物理量検出部が、前記袋体載置部に載置された前記袋体の上面側の全体に対して付与される前記押圧力付与部の押圧力を検出する押圧力検出部であり、前記第1状態判定部が、前記押圧力付与部によって前記袋体載置部に載置された前記袋体の上面側の全体に対して所定の押圧力を付与した状態で前記当接部材の上下方向の位置を固定した後、前記押圧力検出部によって検出される押圧力の時間の経過による変化量に基づいて、前記袋体の状態を判定する。
【0010】
また、本発明に係る袋体検査装置は、好ましくは、前記押圧力付与部が、前記袋体載置部に載置された前記袋体の上面側の全体に対して前記当接部材が付与する押圧力を保持可能であり、前記物理量検出部が、前記袋体載置部に対する前記当接部材の上下方向の位置を検出する位置検出部であり、前記第1状態判定部が、前記押圧力付与部によって前記袋体載置部に載置された前記袋体の上面側の全体に対して付与する押圧力を保持した状態で、前記位置検出部によって検出される前記袋体載置部に対する前記当接部材の上下方向の位置の時間の経過による変化量に基づいて、前記袋体の状態を判定する。
【0011】
また、本発明に係る袋体検査装置は、好ましくは、前記第1状態判定部による前記袋体の状態の判定を実行した後、前記第2状態判定部による前記袋体の状態の判定を実行する制御部を備える。
【0012】
本発明に係る袋体検査方法は、粉状体または粒状体からなる収容物と共に気体が収容された内袋と、前記内袋の外側を覆う外袋と、を有する袋体を検査する袋体検査方法であって、前記袋体が載置される袋体載置部に前記袋体を載置する袋体載置工程と、前記袋体載置部に対して上下方向に移動自在であり、前記袋体載置工程において前記袋体載置部に載置された前記袋体の上面側の全体または一部に当接する当接部材を有し、前記袋体載置部に載置された前記袋体の上面側の全体または一部に対して押圧力を付与する押圧力付与部によって前記袋体載置部に載置された前記袋体の上面側の全体に対して押圧力を付与する第1押圧力付与工程と、前記第1押圧力付与工程によって前記袋体載置部に載置された前記袋体の上面側の全体に対して押圧力を付与する際に、前記袋体と前記押圧力付与部との関係から得られる物理量を検出する物理量検出工程と、前記第1押圧力付与工程において前記袋体載置部に載置された前記袋体の上面側の全体に対して押圧力を付与する際に、前記物理量検出工程において検出される物理量の時間の経過による変化量に基づいて前記袋体の状態を判定する第1状態判定工程と、前記押圧力付与部によって前記袋体載置部に載置された前記袋体の上面側の一部に対して押圧力を付与する第2押圧力付与工程と、前記第2押圧力付与工程において前記袋体載置部に載置された前記袋体の上面側の一部に対して押圧力を付与する際に、前記袋体における押圧力が付与される部分以外の部分の高さ方向の大きさを検出する高さ検出工程と、前記第2押圧力付与工程において前記袋体載置部に載置された前記袋体の上面側の一部に対して押圧力を付与した状態で、前記高さ検出工程において検出される前記袋体における押圧力が付与される部分以外の部分の高さに基づいて前記袋体の状態を判定する第2状態判定工程と、を備える。
【0013】
また、本発明に係る袋体検査方法は、好ましくは、前記第1押圧力付与工程が、前記袋体載置部に載置された前記袋体の上面側の全体に対して所定の押圧力を付与している状態の前記当接部材の上下方向の位置を固定し、前記物理量検出工程が、前記袋体載置部に載置された前記袋体の上面側の全体に対して付与される前記押圧力付与部の押圧力を検出し、前記第1状態判定工程が、前記第1押圧力付与工程において前記袋体載置部に載置された前記袋体の上面側の全体に対して所定の押圧力を付与した状態で前記当接部材の上下方向の位置を固定した後、前記物理量検出工程において検出される押圧力の時間の経過による変化量に基づいて、前記袋体の状態を判定する。
【0014】
また、本発明に係る袋体検査方法は、好ましくは、前記第1押圧力付与工程が、前記袋体載置部に載置された前記袋体の上面側の全体に対して付与する押圧力を保持し、前記物理量検出工程が、前記袋体載置部に対する前記当接部材の上下方向の位置を検出し、前記第1状態判定工程が、前記第1押圧力付与工程において前記袋体載置部に載置された前記袋体の上面側の全体に対して付与する押圧力を保持した状態で、前記物理量検出工程において検出される前記袋体載置部に対する前記当接部材の上下方向の位置の時間の経過による変化量に基づいて、前記袋体の状態を判定する。
【0015】
また、本発明に係る袋体検査方法は、好ましくは、前記第2状態判定工程が、前記第1状態判定工程を実行した後に行われる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、内袋の口部分が所定の品質で封止され、内袋から収容部および空気の漏れが生じていない良好な状態、内袋の口部分の封止が不完全で僅かに漏れが生じている不良な状態、または、内袋の口部分に封止がなされていない箇所を有する不良な状態を判別することが可能となるので、外部から視認不能な外袋の内側における収容物の収容状態の良否を確実に識別することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の一実施形態に係る袋体検査装置の正面図である。
図2】本発明の一実施形態に係る袋体検査装置の側面図である。
図3】本発明の一実施形態に係る袋体を説明する図である。
図4】本発明の一実施形態に係る袋体検査装置の制御系を示すブロック図である。
図5】本発明の一実施形態に係る袋体検査装置の状態判定処理を示すフローチャートである。
図6】本発明の一実施形態に係る袋体検査装置の第1状態判定を説明する要部側面図である。
図7】本発明の一実施形態に係る袋体検査装置の第2状態判定を説明する要部側面図である。
図8】本発明の他の実施形態に係る袋体検査装置の第1状態判定を説明する要部側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1乃至図7は、本発明の一実施形態を示すものである。図1は袋体検査装置の正面図であり、図2は袋体検査装置の側面図であり、図3は袋体を説明する図であり、図4は袋体検査装置の制御系を示すブロック図であり、図5は袋体検査装置の袋体検査処理を示すフローチャートであり、図6は袋体検査装置の第1状態判定を説明する図であり、図7は袋体検査装置の第2状態判定を説明する図である。
【0019】
本実施形態の袋体検査装置1は、粉状体または粒状体からなる収容物が収容された袋体2の状態を検査するためのものである。検査の対象となる袋体2は、収容物として、例えば25kgの水酸化アルミニウムまたはアルミナが収容されている。袋体2は、図3に示すように、収容物が直接的に収容される内袋2aと、内袋2aを外側から覆う外袋2bと、を有している。内袋2aは、例えばポリエチレン等の樹脂製の部材からなり、口部分2a1から収容物を投入し、口部分2a1を熱融着等によって封止することによって、内部に収容物と共に空気が収容される。外袋2bは、例えばクラフト紙等の紙製の部材からなり、収容物および空気を収容した内袋2aの外側全体を覆っている。袋体2は、外側から収容物が収容されている状態を視認することはできない。
【0020】
袋体検査装置1は、図1図2および図4に示すように、架台10と、検査の対象となる袋体2が載置される袋体載置部20と、袋体載置部20に載置する袋体2および袋体載置部20から除去する袋体2を搬送するための袋体搬送機構30と、袋体載置部20に載置された袋体2に押圧力を付与するための押圧力付与部40と、押圧力付与部40によって袋体2に付与された押圧力を検出するための物理量検出部としての押圧力検出部50と、袋体載置部20に載置された袋体2の所定部分の高さを検出するための高さ検出部60と、袋体搬送機構30および押圧力付与部40の動作を制御するとともに、袋体2の状態の判定を行うための制御部70と、を備えている。
【0021】
架台10は、角筒状の部材を組み付けることによって構成され、袋体載置部20、袋体搬送機構30、押圧力付与部40、押圧力検出部50および高さ検出部60を支持している。架台10は、図1および図2に示すように、それぞれ袋体検査装置1の外周側の周方向に間隔をおいて配置され、上下方向に延びる4本の柱部11と、周方向に隣り合う柱部11の上部を連結する4本の上梁部12と、周方向に隣り合う柱部11の下部を連結する4本の下梁部13を有している。
【0022】
袋体載置部20は、上面に袋体2を載置可能な載置面が形成された台状の部材である。袋体載置部20は、所定位置に袋体2が載置されていることを検出するための袋体検出部21を有している。袋体検出部21は、例えば、光電センサによって構成される。
【0023】
袋体搬送機構30は、図2に示すように、袋体2の移動する方向における袋体載置部20の両外側に配置された一対のプーリ31と、一対のプーリ31に巻き掛けられ、袋体載置部20の載置面に沿って送られる無端状のベルト32と、一対のプーリ31の一方を回転駆動させるための電動モータ33と、を有している。袋体搬送機構30は、電動モータ33を駆動させて、ベルト32を袋体載置部20の載置面に沿って送ることにより、袋体載置部20に対して搬送方向の上流側に位置する袋体2を袋体載置部20に移動させるとともに、袋体載置部20に載置された袋体2を袋体載置部20に対して搬送方向の下流側に移動させる。また、袋体搬送機構30は、袋体2を袋体載置部20に搬送して停止した後に駆動を再開させる際に検査者が操作する確認ボタンを有している。
【0024】
押圧力付与部40は、袋体載置部20に載置された袋体2の一部分に上方から当接する第1当接部材41と、第1当接部材41を上下方向に移動させるための第1駆動シリンダ42と、袋体載置部20に載置された袋体2のその他の部分に上方から当接する第2当接部材43と、第2当接部材43を上下方向に移動させるための第2駆動シリンダ44と、を備えている。
【0025】
第1当接部材41は、矩形状の板状部材からなり、第1駆動シリンダ42を介して架台10の上梁部12に上下方向に移動自在に支持されている。第1当接部材41は、袋体載置部20に載置された袋体2の上面の長手方向における、袋体2の内袋2aの底側から口部分2a1側に向かって約7割が含まれる部分に当接する。
【0026】
第1駆動シリンダ42は、例えば空気圧式のシリンダであり、シリンダチューブが架台10の上梁部12に支持され、ピストンロッドの先端部に第1当接部材41が連結されている。第1駆動シリンダ42は、伸縮動作によって第1当接部材41を上下方向に移動させるとともに、第1当接部材41を上下方向の任意の位置において固定することが可能である。
【0027】
第2当接部材43は、矩形状の板状部材からなり、第1当接部材41と隣接した位置において、第2駆動シリンダ44を介して架台10の上梁部12に上下方向に移動自在に支持されている。第2当接部材43は、袋体載置部20に載置された袋体2の上面における、袋体2の内袋2aの口部分2a1側から底側に向かって約3割が含まれる部分に当接する。
【0028】
第2駆動シリンダ44は、例えば空気圧式のシリンダであり、シリンダチューブが架台10の上梁部12に支持され、ピストンロッドの先端部に第2当接部材43が連結されている。第2駆動シリンダ44は、伸縮動作によって第2当接部材43を上下方向に移動させるとともに、第2当接部材43を上下方向の任意の位置において固定することが可能である。
【0029】
ここで、袋体載置部20に載置された袋体2は、第1当接部材41および第2当接部材43によって上面の全体が押圧される。押圧力付与部40によって袋体2に付与される押圧力は、例えば、500kgである。袋体2に付与する押圧力を決定する方法としては、複数の袋体2が積み重ねられた状態で輸送される際に、最下部に位置する袋体2に作用する荷重を基準に決定する。例えば、25kgの袋体2を20個積み重ねた状態で輸送する場合には、最下部の袋体2には、約500kgの荷重が作用する。即ち、袋体検査装置1は、押圧力付与部40によって輸送時に袋体2に作用する最大限度の荷重を袋体2に付与することで、袋体2が必要な耐破損性能を有しているか否かについての検査も行うことが可能である。
【0030】
押圧力検出部50は、上面に計測対象物を載置することによって計測対象物の重量を計測する重量計と同様の構成を有している。押圧力検出部50は、架台10の下梁部13に取り付けられ、上面に袋体載置部20が載置されている。押圧力検出部50には、袋体載置部20および袋体2の重量とともに、袋体2の上面に作用する押圧力付与部40の押圧力が入力されることになる。
【0031】
高さ検出部60は、例えば、レーザ変位センサからなり、押圧力付与部40の第2当接部材43の近傍に配置されている。高さ検出部60は、袋体載置部20に載置された袋体2の上面に、第1当接部材41の押圧力のみを付与し、袋体2の押圧力が付与されていない部分の高さH1を検出する。
【0032】
制御部70は、CPU、ROM、RAM等を有している。制御部70は、入力側に接続された装置から入力信号を受信すると、CPUが、入力信号に基づいてROMに記憶されたプログラムを読み出すとともに、入力信号によって検出された状態をRAMに記憶したり、出力側に接続された装置に出力信号を送信したりする。
【0033】
制御部70の入力側には、図4に示すように、袋体検出部21、押圧力検出部50および高さ検出部60が接続されている。
【0034】
制御部70の出力側には、図4に示すように、袋体搬送機構30、押圧力付与部40および袋体載置部20に載置された袋体2の状態を報知するための報知部71が接続されている。報知部71は、例えば、袋体2の状態が不良である旨を音声によって報知するスピーカや、袋体2の状態が不良である旨を文字情報として表示することによって報知する表示パネルである。
【0035】
また、制御部70は、図4に示すように、袋体2の内袋2aの封止された口部分2a1から僅かな空気の漏れがあるか否かの第1状態判定を行う第1状態判定部70aと、袋体2の内袋2aの口部分2a1の封止が不完全で口部分2a1が大きく開いているか否かの第2状態判定を行う第2状態判定部70bと、を有している。
【0036】
以上のように構成された袋体検査装置1は、検査対象の袋体2の内袋2aの口部分2a1が所定の品質で封止され、内袋2aに収容物および空気が漏れなく収容されているか否か判定する状態判定処理を行う。このときの制御部70の動作を、図5のフローチャートを用いて説明する。
【0037】
(ステップS1)
ステップS1において制御部70は、袋体搬送機構30を駆動させて(袋体載置工程)、ステップS2に処理を移す。
【0038】
(ステップS2)
ステップS2において制御部70は、袋体検出部21によって袋体載置部20に載置された状態の袋体2を検出したか否かを判定し(袋体載置工程)、袋体2を検出したと判定した場合にはステップS3に処理を移し、袋体2を検出したと判定しなかった場合には状態判定処理を終了する。
【0039】
(ステップS3)
ステップS2において袋体検出部21によって袋体載置部20に載置された状態の袋体2を検出したと判定した場合に、ステップS3において制御部70は、袋体搬送機構30を停止させ(袋体載置工程)、ステップS4に処理を移す。
【0040】
ここで、袋体載置部20に載置される袋体2は、内袋2aの口部分2a1が押圧力付与部40の第2当接部材43の下方に位置し、内袋2aの底部分が第1当接部材41の下方に位置する向きとなるように、袋体搬送機構30によって搬送する。
【0041】
(ステップS4)
ステップS4において制御部70は、図6に示すように、押圧力付与部40の第1当接部材41および第2当接部材43によって袋体載置部20に載置されている袋体2に所定の押圧力を付与した状態で、第1当接部材41および第2当接部材43の上下方向の位置を固定し(第1押圧力付与工程)、ステップS5に処理を移す。
【0042】
ここで、袋体載置部20に載置されている袋体2に所定の押圧力を付与する際には、まず、第1当接部材41を下降させて袋体2に押圧力を付与し、次に、第2当接部材43を下降させて袋体2に押圧力を付与する。これにより、袋体2の内袋2a内の空気が口部分2a1側に集まるため、口部分2a1の封止状態の検査を確実に行うことが可能となる。
【0043】
(ステップS5)
ステップS5において制御部70は、押圧力検出部50によって袋体2に付与される押圧力の検出し(物理量検出工程)、ステップS6に処理を移す。
【0044】
(ステップS6)
ステップS6において制御部70は、袋体2に作用する押圧力の検出を開始してから所定時間が経過したか否かを判定し(第1状態判定工程)、袋体2に作用する押圧力の検出を開始してから所定時間が経過したと判定した場合にはステップS7に処理を移し、袋体2に作用する押圧力の検出を開始してから所定時間が経過したと判定しなかった場合にはステップS5に処理を戻す。
【0045】
(ステップS7)
ステップS6において袋体2に作用する押圧力の検出を開始してから所定時間が経過したと判定した場合に、ステップS7において制御部70は、第1状態判定部70aにおいて、押圧力検出部50によって検出される押圧力の低下量が所定量以下であるか否かを判定し(第1状態判定工程)、押圧力検出部50によって検出される押圧力の低下量が所定量以下であると判定した場合にはステップS8に処理を移し、押圧力検出部50によって検出される押圧力の低下量が所定量以下であると判定しなかった場合にはステップS13に処理を移す。
【0046】
ここで、押圧力検出部50によって検出される押圧力の低下量が所定量以下である場合とは、袋体2の内袋2aの口部分2a1が所定の品質で封止され、内袋2aから収容物および空気の漏れが生じていない良好な状態、または、袋体2の内袋2aの口部分2a1の封止がなされていない箇所を有し、第1当接部材41および第2当接部材43が袋体2の収容物を押圧している不良な状態であることを示している。また、押圧力検出部50によって検出される押圧力の低下量が所定量より大きい場合とは、袋体2の内袋2aの口部分2a1の封止が不完全で僅かに漏れが生じている不良な状態であることを示している。即ち、第1状態判定部70aでは、袋体2の内袋2aから僅かに空気が漏れる不良な状態を検出することができる。しかし、第1状態判定部70aでは、袋体2の内袋2aの口部分2a1が所定の品質で封止され、内袋2aから収容物および空気の漏れが生じていない良好な状態と、袋体2の内袋2aの口部分2a1の封止が不完全で、第1当接部材41および第2当接部材43が袋体2の収容物を押圧している不良な状態と、を識別することはできない。
【0047】
(ステップS8)
ステップS7において押圧力検出部50によって検出される押圧力の低下量が所定量以下であると判定した場合に、ステップS8において制御部70は、袋体載置部20に載置されている袋体2に対する第2当接部材43による押圧力の付与を解除し(第2押圧力付与工程)、ステップS9に処理を移す。
【0048】
(ステップS9)
ステップS9において制御部70は、図7に示すように、高さ検出部60によって袋体載置部20に載置されている袋体2における第2当接部材43による押圧力の付与を解除した部分の高さH1を検出し(高さ検出工程)、ステップS10に処理を移す。
【0049】
(ステップS10)
ステップS10において制御部70は、第2状態判定部70bにおいて、高さ検出部60によって検出される袋体2の高さH1が所定高さ以上であるか否かを判定し(第2状態判定工程)、高さ検出部60によって検出される袋体2の高さH1が所定高さ以上であると判定した場合にはステップS11に処理を移し、高さ検出部60によって検出される袋体2の高さH1が所定高さ以上であると判定しなかった場合にはステップS13に処理を移す。
【0050】
ここで、高さ検出部60によって検出される袋体2の高さH1が所定高さ以上である場合とは、内袋2a内の空気が、押圧力が付与されていない部分に移動していることを示すものであり、袋体2の内袋2aの口部分2a1が所定の品質で封止され、内袋2aから収容物および空気の漏れが生じていない良好な状態であることを示している。また、高さ検出部60によって検出される袋体2の高さH1が所定高さよりも小さい場合とは、押圧力が付与されていない部分に移動する空気が内袋2aに収容されていない、袋体2の内袋2aの口部分2a1に封止がなされていない箇所を有する不良な状態であることを示している。即ち、第2状態判定部70bでは、袋体2の内袋2aの口部分2a1が所定の品質で封止され、内袋2aから収容物および空気の漏れが生じていない良好な状態と、袋体2の内袋2aの口部分2a1に封止がなされていない箇所を有する不良な状態と、を識別することができる。
【0051】
(ステップS11)
ステップS11において制御部70は、袋体搬送機構30の確認ボタンが操作されたか否かを判定し、袋体搬送機構30の確認ボタンが操作されたと判定した場合にはステップS12に処理を移し、袋体搬送機構30の確認ボタンが操作されたと判定しなかった場合にはステップS11の処理を繰り返す。
【0052】
(ステップS12)
ステップS11において袋体搬送機構30の確認ボタンが操作されたと判定した場合に、ステップS12において制御部70は、袋体搬送機構30を駆動させ、状態判定処理を終了する。
【0053】
(ステップS13)
ステップS7において押圧力検出部50によって検出される押圧力の低下量が所定以下であると判定しなかった場合、または、ステップS10において高さ検出部60によって検出される袋体2の高さH1が所定高さ以上であると判定しなかった場合に、ステップS13において制御部70は、報知部71によって袋体2の状態が不良である旨の報知をし、ステップS11に処理を移す。
【0054】
このように、本実施形態の袋体検査装置によれば、粉状体または粒状体からなる収容物と共に気体が収容された内袋2aと、内袋2aの外側を覆う外袋2bと、を有する袋体2を検査する袋体検査装置1であって、袋体2が載置される袋体載置部20と、袋体載置部20に対して上下方向に移動自在であり、袋体載置部20に載置された袋体2の上面側の全体または一部に当接する第1当接部材41および第2当接部材43を有し、袋体載置部20に載置された袋体2の上面側の全体または一部に対して押圧力を付与する押圧力付与部40と、押圧力付与部40によって袋体載置部20に載置された袋体2の上面側の全体に対して押圧力を付与する際に、袋体2と押圧力付与部40との関係から得られる物理量を検出する物理量検出部としての押圧力検出部50と、押圧力付与部40によって袋体載置部20に載置された袋体2の上面側の一部に対して押圧力を付与する際に、袋体2における押圧力が付与される部分以外の部分の高さ方向の大きさH1を検出する高さ検出部60と、を備える。
【0055】
また、本実施形態の袋体検査装置によれば、押圧力付与部40によって袋体載置部20に載置された袋体2の上面側の全体に対して押圧力を付与した状態で、物理量検出部によって検出される物理量の時間の経過による変化量に基づいて袋体2の状態を判定する第1状態判定部70aと、押圧力付与部40によって袋体載置部20に載置された袋体2の上面側の一部に対して押圧力を付与した状態で、高さ検出部60によって検出される袋体2の高さ方向の大きさH1に基づいて袋体2の状態を判定する第2状態判定部70bと、を備える。
【0056】
また、本実施形態の袋体検査方法によれば、粉状体または粒状体からなる収容物と共に気体が収容された内袋2aと、内袋2aの外側を覆う外袋2bと、を有する袋体を検査する袋体検査方法であって、袋体2が載置される袋体載置部20に袋体2を載置する袋体載置工程と、袋体載置部20に対して上下方向に移動自在であり、袋体載置工程において袋体載置部20に載置された袋体2の上面側の全体または一部に当接する第1当接部材41および第2当接部材43を有し、袋体載置部20に載置された袋体2の上面側の全体または一部に対して押圧力を付与する押圧力付与部40によって袋体載置部20に載置された袋体2の上面側の全体に対して押圧力を付与する第1押圧力付与工程と、第1押圧力付与工程によって袋体載置部20に載置された袋体2の上面側の全体に対して押圧力を付与する際に、袋体2と押圧力付与部40との関係から得られる物理量を検出する物理量検出工程と、第1押圧力付与工程において袋体載置部20に載置された袋体2の上面側の全体に対して押圧力を付与する際に、物理量検出工程において検出される物理量の時間の経過による変化量に基づいて袋体2の状態を判定する第1状態判定工程と、押圧力付与部40によって袋体載置部20に載置された袋体2の上面側の一部に対して押圧力を付与する第2押圧力付与工程と、第2押圧力付与工程において袋体載置部20に載置された袋体2の上面側の一部に対して押圧力を付与する際に、袋体2における押圧力が付与される部分以外の部分の高さ方向の大きさH1を検出する高さ検出工程と、第2押圧力付与工程において袋体載置部20に載置された袋体2の上面側の一部に対して押圧力を付与した状態で、高さ検出工程において検出される袋体2における押圧力が付与される部分以外の部分の高さH1に基づいて袋体2の状態を判定する第2状態判定工程と、を備える。
【0057】
これにより、内袋2aの口部分2a1が所定の品質で封止され、内袋2aから収容部および空気の漏れが生じていない良好な状態、内袋2aの口部分2a1の封止が不完全で僅かに漏れが生じている不良な状態、または、内袋2aの口部分2a1に封止がなされていない箇所を有する不良な状態を判別することが可能となるので、外部から視認不能な外袋2bの内側における収容物の収容状態の良否を確実に識別することが可能となる。
【0058】
また、本実施形態の袋体検査装置によれば、押圧力付与部40は、袋体載置部20に載置された袋体2の上面側の全体に対して押圧力を付与している状態の第1当接部材41および第2当接部材43の上下方向の位置を固定可能であり、物理量検出部は、袋体載置部20に載置された袋体2の上面側の全体に対して作用する押圧力付与部40の押圧力を検出する押圧力検出部50であり、第1状態判定部70aは、押圧力付与部40によって袋体載置部20に載置された袋体2の上面側の全体に対して所定の押圧力を作用させた状態で第1当接部材41および第2当接部材43の上下方向の位置を固定した後、押圧力検出部50によって検出される押圧力の時間の経過による変化量に基づいて、袋体2の状態を判定する。
【0059】
また、本実施形態の袋体検査方法によれば、第1押圧力付与工程は、袋体載置部20に載置された袋体2の上面側の全体に対して所定の押圧力を付与している状態の第1当接部材41および第2当接部材43の上下方向の位置を固定し、物理量検出工程は、袋体載置部20に載置された袋体2の上面側の全体に対して付与される押圧力付与部40の押圧力を検出し、第1状態判定工程は、第1押圧力付与工程において袋体載置部20に載置された袋体2の上面側の全体に対して所定の押圧力を付与した状態で第1当接部材41および第2当接部材43の上下方向の位置を固定した後、物理量検出工程において検出される押圧力の時間の経過による変化量に基づいて、袋体2の状態を判定する。
【0060】
これにより、袋体2に付与される押圧力の時間の経過による変化量に基づいて、袋体2の状態を判定することが可能となるので、袋体2の重量を計測する重量計等の簡単な構成によって袋体2の状態を判定することができ、製造コストの低減を図ることが可能となる。
【0061】
また、本実施形態の袋体検査装置によれば、第1状態判定部70aによる袋体2の状態の判定を実行した後、第2状態判定部70bによる袋体2の状態の判定を実行する制御部70を備える。
【0062】
また、本実施形態の袋体検査方法によれば、第2状態判定工程は、第1状態判定工程を実行した後に行われる。
【0063】
これにより、押圧力付与部40によって袋体2の上面側の全体に対して押圧力を付与する第1状態判定の後、押圧力付与部40によって袋体2の一部に対して押圧力を付与する第2状態判定を行うので、第1状態判定部70aによる判定において、内袋2aから漏れ出す空気がある場合にその空気を漏出させて、内袋2aと外袋2bとの間の隙間を無くすことができるので、第2状態判定部70bによる判定を正確に行うことが可能となる。
【0064】
図8は、本発明の他の実施形態を示すものであり、第1状態判定を説明する要部側面図である。尚、前記実施形態と同様の構成部分には同一の符号を付して示す。
【0065】
本実施形態の押圧力付与部40は、袋体載置部20に載置された袋体2の上面の全体に対して第1当接部材41および第2当接部材43が付与する押圧力を保持可能である。
【0066】
また、物理量検出部は、袋体載置部20に対する第1当接部材41および第2当接部材43の高さH2を検出するための位置検出部51である。位置検出部51は、例えば、レーザ変位センサが用いられる。
【0067】
以上のように構成された袋体検査装置1において、第1状態判定部70aは、押圧力付与部40によって袋体載置部20に載置された袋体2の上面側の全体に対して付与する押圧力を保持した状態で、位置検出部51によって検出される袋体載置部20に対する第1当接部材41および第2当接部材43の高さH2の時間の経過による変化量に基づいて、袋体2の状態を判定する。
【0068】
詳述すると、位置検出部51によって検出される第1当接部材41および第2当接部材43の高さH2の低下量が所定量以下である場合には、袋体2の内袋2aの口部分2a1が所定の品質で封止され、内袋2aから収容物および空気の漏れが生じていない良好な状態、または、袋体2の内袋2aの口部分2a1の封止がなされていない箇所を有し、第1当接部材41および第2当接部材43が袋体2の収容物を押圧している不良な状態であると判定することができる。
【0069】
また、位置検出部51によって検出される第1当接部材41および第2当接部材43の高さH2の低下量が所定量より大きい場合には、袋体2の内袋2aの口部分2a1の封止が不完全で僅かに漏れが生じている不良な状態であると判定することができる。
【0070】
このように、本実施形態の袋体検査装置および袋体検査方法によれば、前記実施形態と同様に、内袋2aの口部分2a1が所定の品質で封止され、内袋2aから収容部および空気の漏れが生じていない良好な状態、内袋2aの口部分2a1の封止が不完全で僅かに漏れが生じている不良な状態、または、内袋2aの口部分2a1に封止がなされていない箇所を有する不良な状態を判別することが可能となるので、外部から視認不能な外袋2bの内側における収容物の収容状態の良否を確実に識別することが可能となる。
【0071】
また、本実施形態の袋体検査装置によれば、押圧力付与部40は、袋体載置部20に載置された袋体2の上面側の全体に対して第1当接部材41および第2当接部材43が付与する押圧力を保持可能であり、物理量検出部は、袋体載置部20に対する第1当接部材41および第2当接部材43の上下方向の位置を検出する位置検出部51であり、第1状態判定部70aは、押圧力付与部40によって袋体載置部20に載置された袋体2の上面側の全体に対して付与する押圧力を保持した状態で、位置検出部51によって検出される袋体載置部20に対する第1当接部材41および第2当接部材43の高さH2の時間の経過による変化量に基づいて、袋体2の状態を判定する。
【0072】
また、本実施形態の袋体検査方法によれば、第1押圧力付与工程は、袋体載置部20に載置された袋体2の上面側の全体に対して付与する押圧力を保持し、物理量検出工程は、袋体載置部20に対する第1当接部材41および第2当接部材43の上下方向の位置を検出し、第1状態判定工程は、第1押圧力付与工程によって袋体載置部20に載置された袋体2の上面側の全体に対して付与する押圧力を保持した状態で、物理量検出部によって検出される袋体載置部20に対する第1当接部材41および第2当接部材43の高さH2の時間の経過による変化量に基づいて、袋体2の状態を判定する。
【0073】
これにより、前記実施形態で示した押圧力検出部50を必要とすることなく、所定の押圧力で袋体2を押圧する第1当接部材41および第2当接部材43の袋体載置部20に対する高さH2を、小型の部品である位置検出部51によって検出することによって袋体2の状態を判定することができるので、袋体検査装置1の小型化を図ることが可能となる。
【0074】
尚、前記実施形態では、押圧力付与部40によって袋体載置部20に載置された袋体2の上面側の全体に対して押圧力を付与した状態で、物理量検出部によって検出される物理量の時間の経過による変化量に基づいて袋体2の状態を判定する第1状態判定部70aと、押圧力付与部40によって袋体載置部20に載置された袋体2の上面側の一部に対して押圧力を付与した状態で、高さ検出部60によって検出される袋体2の高さ方向の大きさH1に基づいて袋体2の状態を判定する第2状態判定部70bと、を備えるものを示したが、これに限られるものではない。押圧力付与部40によって袋体載置部20に載置された袋体2の上面側の全体に対して押圧力を付与した状態で、物理量検出部によって検出される物理量の時間の経過による変化量に基づいて検査を行う検査者が袋体2の状態を判定し、押圧力付与部40によって袋体載置部20に載置された袋体2の上面側の一部に対して押圧力を付与した状態で、高さ検出部60によって検出される袋体2の高さ方向の大きさH1に基づいて検査者が袋体2の状態を判定するようにしてもよい。
【0075】
また、前記実施形態では、水酸化アルミニウムまたはアルミナが収容された袋体の状態を検査するものを示したが、収容物は粉状体または粒状体であればよく、水酸化アルミニウムやアルミナに限られるものではない。
【符号の説明】
【0076】
1 袋体検査装置
2 袋体
2a 内袋
2b 外袋
20 袋体載置部
40 押圧力付与部
41 第1当接部材
43 第2当接部材
50 押圧力検出部
51 位置検出部
60 高さ検出部
70 制御部
70a 第1状態判定部
70b 第2状態判定部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8