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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023137808
(43)【公開日】2023-09-29
(54)【発明の名称】ディスク装置
(51)【国際特許分類】
   G11B 17/038 20060101AFI20230922BHJP
   G11B 33/12 20060101ALI20230922BHJP
   G11B 5/012 20060101ALI20230922BHJP
   G11B 19/20 20060101ALI20230922BHJP
【FI】
G11B17/038
G11B33/12 301
G11B33/12 302
G11B33/12 313C
G11B5/012
G11B19/20 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022044186
(22)【出願日】2022-03-18
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】317011920
【氏名又は名称】東芝デバイス&ストレージ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岡本 真
(57)【要約】
【課題】体積当たりの記憶容量を増大させることができるディスク装置を提供する。
【解決手段】一つの実施形態に係るディスク装置は、複数の磁気ディスクと、スピンドルモータと、筐体とを備える。前記磁気ディスクは、記録面を有し、前記記録面と交差する軸方向に互いに間隔を介して並べられる。前記スピンドルモータは、前記磁気ディスクを保持し、当該磁気ディスクを前記軸方向に延びる第1の回転軸まわりに回転させる。前記筐体は、前記スピンドルモータが取り付けられるとともに前記磁気ディスクから前記軸方向に離間した第1の壁と、前記第1の壁に設けられる外面と、前記第1の壁から突出するとともに前記磁気ディスクを囲む第2の壁と、を有する。前記軸方向における前記内面と前記外面との間の最大の距離は、前記軸方向における前記筐体の最大の寸法の1.5%以上且つ8%以下である。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれが記録面を有し、前記記録面と交差する軸方向に互いに間隔を介して並べられた、複数の磁気ディスクと、
前記複数の磁気ディスクを保持し、当該複数の磁気ディスクを前記軸方向に延びる第1の回転軸まわりに回転させるよう構成された、スピンドルモータと、
前記スピンドルモータが取り付けられるとともに前記複数の磁気ディスクから前記軸方向に離間した第1の壁と、前記第1の壁に設けられるとともに前記記録面に向く内面と、前記第1の壁に設けられるとともに前記内面の反対側に位置する外面と、前記第1の壁から突出するとともに前記軸方向と直交する方向において前記複数の磁気ディスクを囲む第2の壁と、を有し、前記複数の磁気ディスクを収容する、筐体と、
を具備し、
前記軸方向における前記内面と前記外面との間の最大の距離は、前記軸方向における前記筐体の最大の寸法の1.5%以上且つ8%以下である、
ディスク装置。
【請求項2】
前記複数の磁気ディスクのそれぞれの直径は、80mm以上且つ100mm以下であり、
前記軸方向における前記筐体の最大の寸法は、26.2mm以上である、
請求項1のディスク装置。
【請求項3】
前記軸方向における前記筐体の最大の寸法は、42mmより長く且つ54mm以下である、
請求項2のディスク装置。
【請求項4】
前記複数の磁気ディスクの数は、20枚以上である、
請求項1乃至請求項3のいずれか一つのディスク装置。
【請求項5】
前記スピンドルモータは、前記第1の壁に取り付けられた固定子と、前記複数の磁気ディスクを保持するとともに前記固定子に対して前記第1の回転軸まわりに回転するよう構成された回転子と、前記回転子を前記第1の回転軸まわりに回転可能に支持する軸受と、を有し、
前記固定子は、前記第1の回転軸を囲むコイルを有し、
前記固定子又は前記回転子は、前記第1の回転軸に沿って延びるシャフトを有し、
前記シャフトの直径は、5mm以上且つ10mm以下であり、
前記軸受と前記コイルとは軸方向に並ぶ、
請求項1乃至請求項4のいずれか一つのディスク装置。
【請求項6】
前記軸方向における前記コイルの寸法は、前記軸方向における前記筐体の最大の寸法の三分の一以下である、
請求項5のディスク装置。
【請求項7】
前記スピンドルモータは、前記第1の回転軸を囲むコイルを有し、
前記軸方向における前記コイルの寸法は、前記軸方向における前記筐体の最大の寸法の三分の一以下である、
請求項1乃至請求項4のいずれか一つのディスク装置。
【請求項8】
前記第2の壁は、第1の面と、前記第1の面と前記軸方向に並ぶ第2の面と、前記第1の面と前記第2の面との間の境界線と、を有し、
前記境界線と、前記第1の壁に設けられた前記軸方向における前記筐体の第1の端と、の間の前記軸方向における距離は、27mm以上且つ40mm以下である、
請求項1乃至請求項7のいずれか一つのディスク装置。
【請求項9】
前記第2の壁は、前記第1の端の反対側に位置する第2の端を有し、
前記第1の面は、前記第1の端と前記境界線との間に設けられるとともに前記筐体の外部に露出した第1の斜面を有し、
前記第2の面は、前記第2の端と前記境界線との間に設けられるとともに前記筐体の外部に露出した第2の斜面を有し、
前記第1の斜面と前記第2の斜面とは、前記境界線に近いほど前記第1の回転軸から離間するように前記第1の回転軸に対して傾斜する、
請求項8のディスク装置。
【請求項10】
前記第1の回転軸と前記第1の斜面との間の角度の絶対値は、前記第1の回転軸と前記第2の斜面との間の角度の絶対値よりも大きく、
前記筐体は、前記第2の端に固定されるカバーを有する、
請求項9のディスク装置。
【請求項11】
前記複数の磁気ディスクは、第1の磁気ディスクと、前記第1の磁気ディスクよりも前記第1の壁から離間した第2の磁気ディスクと、を有し、
前記第1の磁気ディスクの直径は、前記第2の磁気ディスクの直径よりも短く、
前記第2の壁は、前記第1の回転軸まわりに延びるとともに前記第1の磁気ディスクに面する第1の内面と、前記第1の回転軸まわりに延びるとともに前記第2の磁気ディスクに面する第2の内面と、を有し、
前記第1の内面の直径は、前記第2の内面の直径よりも短い、
請求項1乃至請求項10のいずれか一つのディスク装置。
【請求項12】
前記第2の壁は、前記軸方向における前記第1の内面の端と、前記軸方向における前記第2の内面の端と、の間に設けられ、前記第1の内面が向く方向及び前記第2の内面が向く方向と交差する方向に向く、接続面を有する、
請求項11のディスク装置。
【請求項13】
前記磁気ディスクに対して情報を読み書きするよう構成された複数の磁気ヘッドと、
それぞれがアームを有し、前記軸方向に延びるとともに前記第1の回転軸から当該第1の回転軸と直交する方向に離間した第2の回転軸まわりにそれぞれが個別に回転可能な、複数のキャリッジと、
それぞれが前記複数のキャリッジのうち対応する一つの前記アームに取り付けられ、それぞれが前記複数の磁気ヘッドのうち対応する一つを保持する、複数のサスペンションと、
をさらに具備する請求項1乃至請求項12のいずれか一つのディスク装置。
【請求項14】
前記磁気ディスクに対して情報を読み書きするよう構成された複数の磁気ヘッドと、
前記軸方向に互いに間隔を介して並べられた複数のアームを有し、前記軸方向に延びるとともに前記第1の回転軸から当該第1の回転軸と直交する方向に離間した第2の回転軸まわりに回転可能な、キャリッジと、
それぞれが前記複数のアームのうち対応する一つに取り付けられ、それぞれが前記複数の磁気ヘッドのうち対応する一つを保持する、複数のサスペンションと、
それぞれが前記複数の磁気ディスクのうち隣り合う二つの間に配置された複数のスペーサと、
をさらに具備し、
前記複数のアームは、第1のアームと、前記第1のアームよりも前記第1の壁から離間した第2のアームと、を有し、
前記軸方向における前記第1のアームの寸法は、前記軸方向における前記第2のアームの寸法よりも長い、
請求項1乃至請求項10のいずれか一つのディスク装置。
【請求項15】
前記複数の磁気ディスクは、第1の磁気ディスクと、前記第1の磁気ディスクよりも前記第1の壁から離間した第2の磁気ディスクと、を有し、
前記軸方向における前記第1の磁気ディスクの寸法は、前記軸方向における前記第2の磁気ディスクの寸法よりも長い、
請求項14のディスク装置。
【請求項16】
前記複数のスペーサは、第1のスペーサと、前記第1のスペーサよりも前記第1の壁から離間した第2のスペーサと、を有し、
前記軸方向における前記第1のスペーサの寸法は、前記軸方向における前記第2のスペーサの寸法よりも短い、
請求項14又は請求項15のディスク装置。
【請求項17】
前記磁気ディスクに対して情報を読み書きするよう構成された複数の磁気ヘッドと、
前記軸方向に互いに間隔を介して並べられた複数のアームを有し、前記軸方向に延びるとともに前記第1の回転軸から当該第1の回転軸と直交する方向に離間した第2の回転軸まわりに回転可能な、キャリッジと、
それぞれが前記複数のアームのうち対応する一つに取り付けられ、それぞれが前記複数の磁気ヘッドのうち対応する一つを保持する、複数のサスペンションと、
それぞれが前記複数の磁気ディスクのうち隣り合う二つの間に配置された複数のスペーサと、
をさらに具備し、
前記複数の磁気ディスクは、第1の磁気ディスクと、前記第1の磁気ディスクよりも前記第1の壁から離間した第2の磁気ディスクと、を有し、
前記軸方向における前記第1の磁気ディスクの寸法は、前記軸方向における前記第2の磁気ディスクの寸法よりも長い、
請求項1乃至請求項10のいずれか一つのディスク装置。
【請求項18】
前記磁気ディスクに対して情報を読み書きするよう構成された複数の磁気ヘッドと、
前記軸方向に互いに間隔を介して並べられた複数のアームを有し、前記軸方向に延びるとともに前記第1の回転軸から当該第1の回転軸と直交する方向に離間した第2の回転軸まわりに回転可能な、キャリッジと、
それぞれが前記複数のアームのうち対応する一つに取り付けられ、それぞれが前記複数の磁気ヘッドのうち対応する一つを保持する、複数のサスペンションと、
それぞれが前記複数の磁気ディスクのうち隣り合う二つの間に配置された複数のスペーサと、
をさらに具備し、
前記複数のスペーサは、第1のスペーサと、前記第1のスペーサよりも前記第1の壁から離間した第2のスペーサと、を有し、
前記軸方向における前記第1のスペーサの寸法は、前記軸方向における前記第2のスペーサの寸法よりも短い、
請求項1乃至請求項10のいずれか一つのディスク装置。
【請求項19】
前記磁気ディスクに対して情報を読み書きするよう構成された複数の磁気ヘッドと、
前記第1の回転軸から離間するとともに、前記磁気ディスクから離間した位置に前記複数の磁気ヘッドを保持するよう構成され、前記軸方向に並べられた、複数のランプと、
をさらに具備する請求項1乃至請求項10のいずれか一つのディスク装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、ディスク装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ハードディスクドライブのようなディスク装置は、複数の磁気ディスクを有する。一般的に、ディスク装置に搭載される磁気ディスクの数が増加すると、当該ディスク装置の記憶容量も増加する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第6490123号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
所望の記憶容量を得るために、複数のディスク装置が用意されることがある。この場合、ディスク装置の体積当たりの記憶容量が大きいほど、用意されるディスク装置の数は低減され得る。
【0005】
本発明が解決する課題の一例は、体積当たりの記憶容量を増大させることができるディスク装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一つの実施形態に係るディスク装置は、複数の磁気ディスクと、スピンドルモータと、筐体とを備える。前記複数の磁気ディスクは、それぞれが記録面を有し、前記記録面と交差する軸方向に互いに間隔を介して並べられる。前記スピンドルモータは、前記複数の磁気ディスクを保持し、当該複数の磁気ディスクを前記軸方向に延びる第1の回転軸まわりに回転させるよう構成される。前記筐体は、前記スピンドルモータが取り付けられるとともに前記複数の磁気ディスクから前記軸方向に離間した第1の壁と、前記第1の壁に設けられるとともに前記記録面に向く内面と、前記第1の壁に設けられるとともに前記内面の反対側に位置する外面と、前記第1の壁から突出するとともに前記軸方向と直交する方向において前記複数の磁気ディスクを囲む第2の壁と、を有し、前記複数の磁気ディスクを収容する。前記軸方向における前記内面と前記外面との間の最大の距離は、前記軸方向における前記筐体の最大の寸法の1.5%以上且つ8%以下である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、第1の実施形態に係るハードディスクドライブ(HDD)を示す例示的な平面図である。
図2図2は、第1の実施形態のHDDを図1のF2-F2線に沿って示す例示的な断面図である。
図3図3は、第1の実施形態のランプロード機構を示す例示的な斜視図である。
図4図4は、第1の実施形態のHDDの一部を概略的に示す例示的な断面図である。
図5図5は、第1の実施形態のHDDの他の一部を概略的に示す例示的な断面図である。
図6図6は、第2の実施形態に係るHDDの一部を概略的に示す例示的な断面図である。
図7図7は、第3の実施形態に係るHDDの一部を示す例示的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(第1の実施形態)
以下に、第1の実施形態について、図1乃至図5を参照して説明する。なお、本明細書において、実施形態に係る構成要素及び当該要素の説明が、複数の表現で記載されることがある。構成要素及びその説明は、一例であり、本明細書の表現によって限定されない。構成要素は、本明細書におけるものとは異なる名称でも特定され得る。また、構成要素は、本明細書の表現とは異なる表現によっても説明され得る。
【0009】
図1は、第1の実施形態に係るハードディスクドライブ(HDD)10を示す例示的な平面図である。HDD10は、ディスク装置の一例であり、電子機器、記憶装置、外部記憶装置、又は磁気ディスク装置とも称され得る。
【0010】
各図面に示されるように、本明細書において、便宜上、X軸、Y軸及びZ軸が定義される。X軸とY軸とZ軸とは、互いに直交する。X軸は、HDD10の幅に沿って設けられる。Y軸は、HDD10の長さに沿って設けられる。Z軸は、HDD10の厚さに沿って設けられる。
【0011】
さらに、本明細書において、X方向、Y方向及びZ方向が定義される。X方向は、X軸に沿う方向であって、X軸の矢印が示す+X方向と、X軸の矢印の反対方向である-X方向とを含む。Y方向は、Y軸に沿う方向であって、Y軸の矢印が示す+Y方向と、Y軸の矢印の反対方向である-Y方向とを含む。Z方向は、Z軸に沿う方向であって、Z軸の矢印が示す+Z方向と、Z軸の矢印の反対方向である-Z方向とを含む。
【0012】
図2は、第1の実施形態のHDD10を図1のF2-F2線に沿って示す例示的な断面図である。HDD10は、図1に示す筐体11、複数の磁気ディスク12、スピンドルモータ13、複数の磁気ヘッド14、複数のアクチュエータアセンブリ15、複数のボイスコイルモータ(VCM)16、複数のランプロード機構17、及びフレキシブルプリント回路板(FPC)18と、図2に示すプリント回路板(PCB)19とを有する。磁気ディスク12は、プラッタ又はメディアとも称され得る。磁気ヘッド14は、スライダとも称され得る。ランプロード機構17は、ランプの一例である。
【0013】
筐体11の内部に、内室Sが設けられる。筐体11は、磁気ディスク12、スピンドルモータ13、磁気ヘッド14、アクチュエータアセンブリ15、VCM16、ランプロード機構17、及びFPC18を内室Sに収容する。
【0014】
図2に示すように、筐体11は、ベース21と、カバー22とを有する。なお、筐体11は、この例に限られない。また、図1は、説明のため、カバー22を省略して筐体11を示している。
【0015】
ベース21は、例えばアルミニウム合金のような金属材料によって作られ、+Z方向に開放された略直方体の箱状に形成される。ベース21は、底壁25と側壁26とを有する。底壁25は、第1の壁の一例である。側壁26は、第2の壁の一例である。
【0016】
底壁25は、X-Y平面に沿って広がる略矩形(四角形)の板状に形成されている。側壁26は、底壁25の縁から略+Z方向に突出し、略矩形の枠状に形成されている。底壁25と側壁26とは、一体に形成されている。底壁25は、内面25aと、外面25bとを有する。
【0017】
内面25aは、底壁25に設けられたベース21の内面である。内面25aは、全体として略+Z方向に向く。なお、内面25aは、例えば複数の凹凸が設けられ、当該凹凸において+Z方向と異なる方向に向いても良い。
【0018】
外面25bは、底壁25に設けられたベース21の外面である。すなわち、外面25bは、筐体11の外部に露出される。外面25bは、内面25aの反対側に位置する。外面25bは、全体として略-Z方向に向く。なお、外面25bは、例えば複数の凹凸が設けられ、当該凹凸において-Z方向と異なる方向に向いても良い。
【0019】
外面25bに、-Z方向における筐体11の端11aが設けられる。端11aは、第1の端の一例である。端11aは、-Z方向におけるHDD10の端でもある。なお、端11aは、この例に限られない。
【0020】
側壁26は、端面26aを有する。端面26aは、第2の端の一例である。端面26aは、+Z方向における側壁26の端に設けられる。端面26aは、ベース21において、底壁25の外面25b(端11a)の反対側に位置する。端面26aは、略平坦に形成され、略+Z方向に向く。
【0021】
カバー22は、例えば、アルミニウム合金のような金属材料によって作られる。カバー22は、例えば、溶接によって側壁26の端面26aに固定される。カバー22は、例えば、ネジによって側壁26に固定される内カバーと、当該内カバーを覆うとともに溶接によって端面26aに固定される外カバーと、を有しても良い。
【0022】
内室Sは、例えば、底壁25と、側壁26と、カバー22とにより形成(規定、区画)される。内室Sは、気密に封止されている。なお、内室Sと筐体11の外部との間で、僅かな気体の移動が可能であっても良い。
【0023】
内室Sに、空気とは異なる気体が充填される。例えば、空気よりも密度が低い低密度ガスや、反応性の低い不活性ガス等が、内室Sに充填される。本実施形態では、ヘリウムが内室Sに充填される。なお、他の流体が内室Sに充填されても良い。
【0024】
複数の磁気ディスク12は、X-Y平面に沿って広がる円盤状に形成される。本実施形態において、複数の磁気ディスク12のそれぞれの直径Ddは、例えば、約3.5インチであり、具体的には80mm以上且つ100mm以下に設定される。なお、磁気ディスク12の直径Ddは、この例に限られない。複数の磁気ディスク12のそれぞれは、少なくとも一つの記録面12aと、外縁12bと、を有する。
【0025】
記録面12aは、磁気ディスク12の上面及び下面の少なくとも一方に設けられる。言い換えると、複数の記録面12aはそれぞれ、略+Z方向に向く磁気ディスク12の表面、又は略-Z方向に向く磁気ディスク12の表面である。
【0026】
記録面12aは、X-Y平面に沿って広がる略平坦な面である。記録面12aに、磁気ディスク12の磁気記録層が設けられる。なお、記録面12aの一部に、磁気記録層が設けられなくても良い。外縁12bは、磁気ディスク12の外周面である。
【0027】
複数の磁気ディスク12は、Z方向に互いに間隔を介して並べられる。Z方向は、記録面12aと交差する方向であり、軸方向の一例である。隣り合う二つの磁気ディスク12うち一方の+Z方向に向く記録面12aと、当該二つの磁気ディスク12のうち他方の-Z方向に向く記録面12aとは、間隔を介して向かい合う。
【0028】
複数の磁気ディスク12の数は、例えば、20枚以上である。図2の例において、HDD10は、20枚の磁気ディスク12を有する。なお、複数の磁気ディスク12の数は、この例に限られない。
【0029】
複数の磁気ディスク12は、Z方向において、カバー22と底壁25との間に位置する。カバー22及び底壁25は、複数の磁気ディスク12からZ方向に離間している。複数の磁気ディスク12の-Z方向に向く記録面12aと、底壁25の内面25aとは、間隔を介して向かい合う。
【0030】
側壁26は、Z方向と直交する方向において、複数の磁気ディスク12を囲む。側壁26は、複数の磁気ディスク12から離間している。側壁26は、シュラウド26bを有する。シュラウド26bは、磁気ディスク12の外縁12bに沿って延びる略円筒状の曲面であり、略一定の隙間を介して外縁12bに向く。
【0031】
スピンドルモータ13は、複数の磁気ディスク12を保持する。スピンドルモータ13は、複数の磁気ディスク12を第1の回転軸Ax1まわりに回転させる。第1の回転軸Ax1は、Z方向(+Z方向及び-Z方向)に延びる仮想的な軸である。
【0032】
本明細書において、軸方向、径方向及び周方向が定義される。軸方向は、第1の回転軸Ax1に沿う方向であり、第1の回転軸Ax1に沿う一方向及び他方向を含む。軸方向は、Z方向に等しい。径方向は、第1の回転軸Ax1と直交する方向であり、第1の回転軸Ax1と直交する複数の方向を含む。周方向は、第1の回転軸Ax1まわりに回転する方向であり、第1の回転軸Ax1まわりに時計回りに回転する方向と反時計回りに回転する方向とを含む。
【0033】
第1の回転軸Ax1は、スピンドルモータ13による回転の中心であり、磁気ディスク12及びスピンドルモータ13の中心軸でもある。なお、磁気ディスク12の中心軸及びスピンドルモータ13の中心軸は、スピンドルモータ13による回転の中心と異なっても良い。スピンドルモータ13は、固定子31と、回転子32と、軸受33と、複数のスペーサ34とを有する。
【0034】
固定子31は、底壁25に取り付けられる。固定子31は、例えば、スリーブ41と、複数のコイル42と、複数のコア43と、シャフト44とを有する。なお、固定子31は、この例に限られない。
【0035】
スリーブ41は、第1の回転軸Ax1を囲むとともにZ方向に延びる略円筒状に形成される。スリーブ41は、底壁25の内面25aから+Z方向に突出している。なお、スリーブ41は、底壁25と異なる部品であっても良い。
【0036】
複数のコイル42のそれぞれは、複数のコア43のうち対応する一つに巻きつけられる。コイル42及びコア43は、磁極を形成する。複数のコイル42及び複数のコア43は、径方向においてスリーブ41の外側に位置し、周方向に略等間隔に配置される。言い換えると、コイル42は、第1の回転軸Ax1を囲む。
【0037】
シャフト44は、第1の回転軸Ax1に沿ってZ方向に延びる略円柱状に形成される。シャフト44は、スリーブ41の内側に嵌め込まれ、筐体11に取り付けられる。本実施形態において、シャフト44の直径Dsは、5mm以上且つ10mm以下に設定される。なお、シャフト44の直径Dsは、この例に限られない。
【0038】
回転子32は、筐体11及び固定子31に対して第1の回転軸Ax1まわりに回転する。回転子32は、ハブ45と、磁石46と、クランプ47とを有する。なお、回転子32は、この例に限られない。
【0039】
ハブ45は、第1の回転軸Ax1を囲むとともにZ方向に延びる略円筒状に形成される。ハブ45は、外面45aと、第1の内面45bと、第2の内面45cと、フランジ45dとを有する。
【0040】
外面45aは、径方向の外側に向く略円筒状に形成される。第1の内面45b及び第2の内面45cは、外面45aの反対側に位置し、径方向の内側に向く略円筒状に形成される。第1の内面45bは、複数のコイル42及び複数のコア43を囲む。第2の内面45cは、第1の内面45bよりも底壁25から離間している。第2の内面45cは、シャフト44に面する。フランジ45dは、外面45aの-Z方向における端部から、径方向の外側に突出している。
【0041】
磁石46は、ヨークとともに、第1の内面45bに設けられる。磁石46は、径方向において複数のコイル42及び複数のコア43の外側に位置する。複数のコイル42及び複数のコア43が形成する磁極と、磁石46の磁極とは、向かい合う。
【0042】
クランプ47は、+Z方向におけるハブ45の端部に取り付けられる。このため、フランジ45dとクランプ47とは、Z方向に互いに離間している。クランプ47の一部は、ハブ45の外面45aから径方向の外側へ突出している。クランプ47は、例えばバネにより、フランジ45dに向かって付勢される。
【0043】
軸受33は、例えば、流体軸受である。軸受33は、例えば、二つの支持部材48を有する。二つの支持部材48は、例えば、Z方向に互いに離間した位置で、シャフト44に取り付けられる。
【0044】
二つの支持部材48のそれぞれは、例えば、略円錐状の支持面48aを有する。支持面48aは、ハブ45に設けられた支持面45eに面する。ハブ45の支持面45eは、支持部材48の支持面48aに対応した略円錐状の曲面である。
【0045】
ハブ45の支持面45eと支持部材48の支持面48aとの間に、潤滑油が充填されている。このため、軸受33は、潤滑油を介して、回転子32を第1の回転軸Ax1まわりに回転可能に支持する。支持面45eには、動圧を発生させる溝が設けられる。なお、軸受33は、この例に限られない。
【0046】
Z方向において、軸受33は、カバー22とコイル42との間に位置する。軸受33とコイル42とは、軸方向に並んでいる。なお、軸受33とコイル42とは、例えば、径方向に並んでも良い。
【0047】
複数のスペーサ34のそれぞれは、複数の磁気ディスク12のうち隣り合う二つの間に配置される。言い換えると、複数の磁気ディスク12と複数のスペーサ34とは、Z方向に交互に配置される。このため、複数のスペーサ34は、複数の磁気ディスク12の間の間隔を保つ。
【0048】
ハブ45の外面45aは、複数の磁気ディスク12及び複数のスペーサ34の内側に配置され、複数の磁気ディスク12及び複数のスペーサ34に向く。回転子32は、複数の磁気ディスク12及び複数のスペーサ34を、ハブ45のフランジ45dとクランプ47との間に保持する。
【0049】
図1に示す複数の磁気ヘッド14のそれぞれは、複数の磁気ディスク12のうち対応する一つの記録面12aに対して、情報の記録及び再生を行う。言い換えると、磁気ヘッド14は、磁気ディスク12の記録面12aに対して情報を読み書きする。複数の磁気ヘッド14のそれぞれは、複数のアクチュエータアセンブリ15のうち対応する一つに搭載される。
【0050】
複数のアクチュエータアセンブリ15は、磁気ディスク12から離間した位置に配置された支持軸51に、回転可能に支持される。支持軸51は、例えば、底壁25の内面25aから略+Z方向に延びている。複数のアクチュエータアセンブリ15は、Z方向に並べられる。
【0051】
複数のアクチュエータアセンブリ15は、アクチュエータアセンブリ15A,15Bと個別に称され得る。アクチュエータアセンブリ15Aは、アクチュエータアセンブリ15Bよりも底壁25に近い。アクチュエータアセンブリ15Bは、アクチュエータアセンブリ15Aよりもカバー22に近い。
【0052】
複数のアクチュエータアセンブリ15A,15Bは、第1の回転軸Ax1から径方向に離間した第2の回転軸Ax2まわりに個別に回転することができる。すなわち、HDD10は、いわゆるマルチアクチュエータを有する。なお、HDD10は、単一のアクチュエータアセンブリ15を有しても良い。
【0053】
第2の回転軸Ax2は、略Z方向(+Z方向及び-Z方向)に延びる仮想的な軸である。このため、第1の回転軸Ax1と第2の回転軸Ax2とは、略平行に配置される。第2の回転軸Ax2は、例えば、アクチュエータアセンブリ15の回転の中心であり、支持軸51の中心軸でもある。
【0054】
複数のVCM16のそれぞれは、複数のアクチュエータアセンブリ15A,15Bのうち対応する一つを第2の回転軸Ax2まわりに回転させ、所望の位置に配置する。複数のVCM16のそれぞれは、複数のアクチュエータアセンブリ15A,15Bを互いに異なる角速度且つ互いに異なる方向に回転させることができる。
【0055】
図3は、第1の実施形態のランプロード機構17を示す例示的な斜視図である。複数のランプロード機構17は、例えば合成樹脂により作られ、Z方向に並べられる。本実施形態において、複数のアクチュエータアセンブリ15の数と、複数のVCM16の数と、複数のランプロード機構17の数とは、互いに等しいが、この例に限られない。
【0056】
複数のランプロード機構17は、第1の回転軸Ax1から径方向に離間した位置に配置される。複数のランプロード機構17のそれぞれは、VCM16によるアクチュエータアセンブリ15の回転により対応する磁気ヘッド14が磁気ディスク12の最外周に移動したとき、対応する磁気ヘッド14を磁気ディスク12から離間した位置に保持する。
【0057】
図1に示す複数のアクチュエータアセンブリ15A,15Bのそれぞれは、キャリッジ55と、複数のヘッドサスペンションアセンブリ(サスペンション)56とを有する。すなわち、HDD10は、複数のキャリッジ55を有する。サスペンション56は、ヘッドジンバルアセンブリ(HGA)とも称され得る。
【0058】
キャリッジ55は、例えばアルミニウム合金のような金属材料によって作られる。なお、キャリッジ55の材料は、この例に限られない。複数のキャリッジ55のそれぞれは、アクチュエータブロック61と、複数のアーム62とを有する。
【0059】
アクチュエータブロック61は、例えば、軸受を介して、支持軸51に回転可能に支持される。このため、複数のキャリッジ55は、第2の回転軸Ax2まわりに個別に回転することができる。
【0060】
アクチュエータアセンブリ15Aに含まれるアクチュエータブロック61は、アクチュエータブロック61Aと称され得る。アクチュエータアセンブリ15Bに含まれるアクチュエータブロック61は、アクチュエータブロック61Bと称され得る。アクチュエータブロック61Aは、底壁25とアクチュエータブロック61Bとの間に位置する。アクチュエータブロック61Bは、カバー22とアクチュエータブロック61Aとの間に位置する。
【0061】
複数のアーム62は、アクチュエータブロック61から、第2の回転軸Ax2と略直交する方向に突出している。複数のアーム62は、Z方向に間隔を介して並べられる。アーム62はそれぞれ、隣り合う磁気ディスク12の間に進入可能な板状に形成される。複数のアーム62は、略平行に延びている。
【0062】
アクチュエータブロック61A,61Bから突出した突起に、対応するVCM16のボイスコイルが設けられる。VCM16は、一対のヨークと、当該ヨークの間に配置されたボイスコイルと、ヨークに設けられた磁石と、を有する。
【0063】
複数のサスペンション56のそれぞれは、対応するキャリッジ55のアーム62の先端部分に取り付けられ、当該アーム62から突出する。これにより、複数のサスペンション56は、Z方向に間隔を介して配置される。複数のサスペンション56のそれぞれは、ベースプレート65と、ロードビーム66と、フレキシャ67とを有する。
【0064】
ベースプレート65及びロードビーム66は、例えば、ステンレスにより作られる。なお、ベースプレート65及びロードビーム66は、他の材料により作られても良いし、互いに異なる材料で作られても良い。
【0065】
ベースプレート65は、板状に形成され、アーム62の先端部に取り付けられる。ロードビーム66は、ベースプレート65の先端部に取り付けられ、ベースプレート65から第2の回転軸Ax2と略直交する方向に突出している。
【0066】
ロードビーム66は、ベースプレート65よりも薄く、X-Y平面に沿って広がる板状に形成される。すなわち、ロードビーム66は、ベースプレート65に片持ち梁状に支持されており、ベースプレート65に取り付けられた一方の端部を支点として撓むことができる。
【0067】
フレキシャ67は、細長い帯状に形成される。なお、フレキシャ67の形状は、この例に限られない。フレキシャ67は、例えば、ステンレス等の金属板(裏打ち層)と、金属板上に形成された絶縁層と、絶縁層上に形成され複数の配線(配線パターン)を有する導電層と、導電層を覆う保護層(絶縁層)と、を有する積層板である。
【0068】
フレキシャ67は、ベースプレート65及びロードビーム66に取り付けられる。フレキシャ67の一方の端部に、ロードビーム66上に位置するとともに変位可能なジンバル部(弾性支持部)が設けられる。磁気ヘッド14は、当該ジンバル部に保持される。フレキシャ67の他方の端部は、FPC18に接続される。これにより、FPC18は、フレキシャ67の配線を介して、磁気ヘッド14に電気的に接続される。
【0069】
FPC18の一方の端部は、上述のように、フレキシャ67に接続される。FPC18の他方の端部は、例えば、底壁25に設けられたコネクタを介して、PCB19に電気的に接続される。
【0070】
図2に示すPCB19は、筐体11の外部に位置し、底壁25に取り付けられる。PCB19に、例えば、HDD10の全体を制御するコントローラと、ホストコンピュータに接続されるインターフェースコネクタとが搭載される。PCB19は、FPC18及びフレキシャ67を介して、磁気ヘッド14に電気的に接続される。
【0071】
本実施形態において、底壁25の最大の厚さDbは、筐体11の最大の厚さDhの1.5%以上且つ8%以下に設定される。底壁25の最大の厚さDbは、Z方向における底壁25の内面25aと外面25bとの間の最大の距離である。筐体11の最大の厚さDhは、Z方向における筐体11の最大の寸法である。本実施形態において、筐体11の最大の厚さDhは、Z方向におけるHDD10の最大の寸法に等しい。
【0072】
筐体11の最大の厚さDhは、26.2mm以上に設定される。Small Form Factor Committeeにより策定された3.5インチハードディスクドライブのフォームファクタであるSFF-8300は、Z方向におけるHDDの寸法について、複数の最大寸法(以下、規定寸法と称する)を設定している。SFF-8300に定められる一つの規定寸法は、26.10mmである。すなわち、本実施形態における筐体11の最大の厚さDhは、当該規定寸法よりも大きい。
【0073】
さらに具体的には、本実施形態の筐体11の最大の厚さDhは、42mmより長く且つ54mm以下に設定される。SFF-8300に定められる他の一つの規定寸法は、42.00mmである。すなわち、本実施形態における筐体11の最大の厚さDhは、当該規定寸法よりも大きい。
【0074】
例えば、底壁25の最大の厚さDbは、約3.5mmに設定される。一方、筐体11の最大の厚さDhは、約54mmに設定される。このため、厚さDbは、厚さDhの約6.5%となる。なお、厚さDb,Dhは、この例に限られない。
【0075】
本実施形態において、Z方向におけるコイル42の寸法Dcは、筐体11の最大の厚さDhの三分の一以下に設定される。例えば、コイル42の寸法Dcは、約14mmに設定される。このため、寸法Dcは、厚さDhの約26%となる。また、コイル42の寸法Dcは、Z方向における5枚の磁気ディスク12の寸法(厚さ)と4つのスペーサ34の寸法(厚さ)との合計よりも長い。
【0076】
Z方向におけるコイル42の寸法Dcが上記例に設定されることで、コイル42の大きさが筐体11に対してコンパクトになる。また、カバー22とコイル42との間に位置する軸受33の二つの支持部材48の間の距離が、比較的長く設定されることができ、軸受33が回転子32を安定的に支持できる。また、底壁25の厚さも比較的長く(厚く)設定されることができ、底壁25及びスリーブ41がシャフト44を安定的に支持できる。なお、寸法Dcは、上記例に限られない。
【0077】
図4は、第1の実施形態のHDD10の一部を概略的に示す例示的な断面図である。図4に示すように、本実施形態の複数の磁気ディスク12は、複数の第1の磁気ディスク71と、複数の第2の磁気ディスク72とを含む。
【0078】
複数の第1の磁気ディスク71は、複数の磁気ディスク12のうち二つ以上の磁気ディスク12である。複数の第2の磁気ディスク72は、複数の磁気ディスク12のうち他の二つ以上の磁気ディスク12である。第1の磁気ディスク71と第2の磁気ディスク72とは、位置及び直径を除いて互いに等しい。
【0079】
複数の第2の磁気ディスク72は、複数の第1の磁気ディスク71よりも底壁25から離間している。複数の第1の磁気ディスク71のそれぞれの直径Dd1は、複数の第2の磁気ディスク72のそれぞれの直径Dd2よりも短い。例えば、直径Dd1は、直径Dd2よりも1mm短い。
【0080】
図5は、第1の実施形態のHDD10の他の一部を概略的に示す例示的な断面図である。図5に示すように、複数の第1の磁気ディスク71のそれぞれのZ方向における寸法(厚さ)Td1は、複数の第2の磁気ディスク72のそれぞれのZ方向における寸法(厚さ)Td2よりも長い(厚い)。なお、第1の磁気ディスク71及び第2の磁気ディスク72の直径及び厚さは、この例に限られない。
【0081】
図4に示すように、筐体11の側壁26は、外面26cと、パーティングライン26dとをさらに有する。パーティングライン26dは、境界線の一例である。外面26cは、シュラウド26bの反対側に位置し、筐体11の外部に露出されている。パーティングライン26dは、外面26cに設けられる。パーティングライン26dは、例えば、ベース21の製造時に、当該ベース21が金型から外されるときに形成される。なお、境界線は、このように形成されるパーティングライン26dに限られない。パーティングライン26dは、Z方向と交差する方向に延びている。
【0082】
外面26cは、第1の斜面26eと平面26fとを有する。第1の斜面26eは、第1の面及び第1の斜面の一例である。第1の斜面26eと平面26fとは、Z方向に並ぶ。パーティングライン26dは、第1の斜面26eと平面26fとの間の境界線である。言い換えると、パーティングライン26dは、非連続な二つの面の間の境界線である。
【0083】
第1の斜面26eは、筐体11の端11aとパーティングライン26dとの間に設けられる。平面26fは、側壁26の端面26aとパーティングライン26dとの間に設けられる。
【0084】
第1の斜面26eは、パーティングライン26dに近いほど第1の回転軸Ax1から離間するように、第1の回転軸Ax1に対して傾斜している。平面26fは、Z方向に延びている。
【0085】
シュラウド26bは、第1のシュラウド26gと、第2のシュラウド26hと、段差26iとを有する。第1のシュラウド26gは、第1の内面の一例である。第2のシュラウド26hは、第2の内面の一例である。段差26iは、接続面の一例である。
【0086】
第1のシュラウド26g及び第2のシュラウド26hのそれぞれは、第1の回転軸Ax1まわりに延びる略円筒状の曲面である。第1のシュラウド26gは、第1の磁気ディスク71の外縁12bに面する。第2のシュラウド26hは、第1のシュラウド26gよりも底壁25から離間している。第2のシュラウド26hは、第2の磁気ディスク72の外縁12bに面する。
【0087】
第1のシュラウド26gの直径Di1は、第2のシュラウド26hの直径Di2よりも短い。第1のシュラウド26gと第1の磁気ディスク71の外縁12bとの間の距離は、第2のシュラウド26hと第2の磁気ディスク72の外縁12bとの間の距離に略等しい。
【0088】
段差26iは、+Z方向における第1のシュラウド26gの端と、-Z方向における第2のシュラウド26hの端と、の間に設けられる。段差26iは、おおよそ+Z方向に向く。言い換えると、段差26iは、第1のシュラウド26gが向く方向及び第2のシュラウド26hが向く方向と交差する方向に向く。
【0089】
図5に示すように、複数のアーム62は、複数の第1のアーム75と複数の第2のアーム76とを含む。複数の第1のアーム75は、複数のアーム62のうち二つ以上のアーム62である。複数の第2のアーム76は、複数のアーム62のうち他の二つ以上のアーム62である。第1のアーム75と第2のアーム76とは、位置及び厚さを除いて互いに等しい。
【0090】
複数の第2のアーム76は、複数の第1のアーム75よりも、底壁25から離間している。複数の第1のアーム75のそれぞれのZ方向における寸法(厚さ)Ta1は、複数の第2のアーム76のそれぞれのZ方向における寸法(厚さ)Ta2よりも長い(厚い)。なお、第1のアーム75及び第2のアーム76の厚さは、この例に限られない。
【0091】
複数のスペーサ34は、複数の第1のスペーサ77と複数の第2のスペーサ78とを含む。複数の第1のスペーサ77は、複数のスペーサ34のうち二つ以上のスペーサ34である。複数の第2のスペーサ78は、複数のスペーサ34のうち他の二つ以上のスペーサ34である。第1のスペーサ77と第2のスペーサ78とは、位置及び厚さを除いて互いに等しい。
【0092】
複数の第2のスペーサ78は、複数の第1のスペーサ77よりも、底壁25から離間している。複数の第1のスペーサ77のそれぞれのZ方向における寸法(厚さ)Ts1は、複数の第2のスペーサ78のそれぞれのZ方向における寸法(厚さ)Ts2よりも短い(薄い)。なお、第1のスペーサ77及び第2のスペーサ78の厚さは、この例に限られない。
【0093】
従来の一般的なHDDにおいて、Z方向における当該HDDの最大の厚さは、SFF-8300に準拠して26.10mm以下に設定される。例えば、Z方向における従来のHDDの厚さは、約1インチに設定される。
【0094】
例えばサーバのような装置に、Z方向に並べられた二つの従来のHDDが搭載されることがある。この場合、二つの従来のHDDのそれぞれは、底壁及びカバーを有する。すなわち、二つの底壁及び二つのカバーが存在する。さらに、二つの従来のHDDの間には、隙間が存在する。
【0095】
一方、本実施形態のHDD10の筐体11のZ方向における最大の厚さDhは、約2インチに設定される。すなわち、本実施形態のHDD10のZ方向における厚さDhは、従来のHDDのZ方向における厚さの約二倍に設定される。このため、本実施形態のHDD10は、サーバにおける二つの従来のHDDを収容可能なスペース(スロット)に収容され得る。言い換えると、サーバは、二つの従来のHDDの代わりに、一つの本実施形態のHDD10を有し得る。
【0096】
本実施形態のHDD10は、一つの底壁25と一つのカバー22とを有する。また、一つのHDD10に、二つの従来のHDDの間に設けられた隙間は存在しない。このため、本実施形態のHDD10において磁気ディスク12を収容可能なZ方向における空間(内室S)の大きさは、二つの従来のHDDにおいて磁気ディスクを収容可能なZ方向における空間の大きさの合計よりも大きい。
【0097】
以上より、本実施形態のHDD10は、二つの従来のHDDよりも多くの磁気ディスク12を有し得る。例えば、二つの従来のHDDのそれぞれが9枚の磁気ディスクを搭載可能であると仮定する。本実施形態のHDD10は、上述のように、底壁25及びカバー22の数が少なく、隙間が存在しないため、18枚よりも多くの磁気ディスク12を有し得る。従って、本実施形態のHDD10の記憶容量は、二つの従来のHDDの記憶容量の総計よりも多くなり得る。
【0098】
HDD10は、一つのPCB19を有する。一方、二つの従来のHDDは、合計で二つのPCBを有する。このため、本実施形態のHDD10は、記憶容量当たりのPCB19に搭載されるコントローラの数を低減でき、電力消費を低減できる。
【0099】
以上説明された第1の実施形態に係るHDD10において、筐体11は、底壁25と、内面25aと、外面25bと、側壁26とを有する。底壁25は、スピンドルモータ13が取り付けられるとともに複数の磁気ディスク12からZ方向に離間している。内面25aは、底壁25に設けられるとともに磁気ディスク12の記録面12aに向く。外面25bは、底壁25に設けられるとともに内面25aの反対側に位置する。側壁26は、底壁25から突出するとともにZ方向と直交する方向において複数の磁気ディスク12を囲む。Z方向における内面25aと外面25bとの間の最大の距離(厚さDb)は、Z方向における筐体11の最大の寸法(厚さDh)の1.5%以上且つ8%以下である。これにより、厚さDhに対する厚さDbの割合が小さくなり、筐体11は、収容可能な磁気ディスク12の枚数を増大させることができる。従って、本実施形態のHDD10は、当該HDD10の体積当たりの記憶容量を増大させることができる。
【0100】
複数の磁気ディスク12のそれぞれの直径Ddは、80mm以上且つ100mm以下である。すなわち、複数の磁気ディスク12の直径Ddは、約3.5インチである。筐体11の最大の厚さDhは、26.2mm以上である。すなわち、筐体11の最大の厚さDhは、SFF-8300におけるZ方向の最大寸法の一つ26.10mmより長い。従って、本実施形態のHDD10は、SFF-8300におけるZ方向の最大寸法に制限されず、筐体11に収容可能な磁気ディスク12の枚数を増やすことができる。
【0101】
筐体11の最大の厚さDhは、42mmより長く且つ54mm以下である。すなわち、筐体11の最大の厚さDhは、SFF-8300におけるZ方向の最大寸法のうち他の一つ42.00mmより長い。また、筐体11の最大の厚さDhは、約2インチであると言える。すなわち、本実施形態のHDD10は、Z方向において、SFF8300におけるZ方向の最大寸法が26.10mm(約1インチ)である一つのフォームファクタに対応する従来のHDDの約二倍の寸法を有する。従って、本実施形態のHDD10は、それぞれに従来のHDDが収容される二つのスロットに収容されることが可能であり、二つの従来のHDDと置換され得る。二つの従来のHDDが二つのスロットに収容される場合、二つの従来のHDDのそれぞれの筐体の底壁及びカバーの厚さと、二つの従来のHDDの間の隙間と、がHDDの占有空間当たりの記憶容量を制限する。しかし、本実施形態のHDD10における底壁25の数は一つであり、上記隙間は不要である。このため、本実施形態のHDD10は、当該HDD10の占有空間当たりの記憶容量を増大させることができる。
【0102】
複数の磁気ディスク12の数は、20枚以上である。これにより、HDD10は、記憶容量を増大させることができる。また、Z方向におけるHDD10の寸法が二つの従来のHDDの寸法の約二倍である場合、従来のHDDにおける磁気ディスク12の枚数は一般的に9枚以下であるため、本実施形態のHDD10は、当該HDD10の体積当たりの記憶容量を増大させることができる。
【0103】
シャフト44の直径Dsは、5mm以上且つ10mm以下である。一般的に、従来のHDDのスピンドルモータにおけるシャフトの直径は、4mm以下である。このため、本実施形態のHDD10は、シャフト44の剛性を向上させ、回転子32が振動することを抑制できる。一方で、シャフト44の直径Dsが大きいと、シャフト44とコイル42との間の距離が縮まる。しかし、本実施形態において、軸受33とコイル42とがZ方向に並ぶ。このため、HDD10は、軸受33がコイル42と干渉することを抑制できる。
【0104】
Z方向におけるコイル42の寸法Dcは、筐体11の最大の厚さDhの三分の一以下である。言い換えると、筐体11の最大の厚さDhは、コイル42の寸法Dcの三倍以上である。これにより、筐体11の最大の厚さDhが大きくなり、筐体11は、収容可能な磁気ディスク12の枚数を増大させることができる。従って、本実施形態のHDD10は、当該HDD10の体積当たりの記憶容量を増大させることができる。また、本実施形態のHDD10は、軸受33とコイル42とをZ方向に並ぶように配置しても、軸受33で支持される回転子32の長さを比較的長くすることができ、回転子32が振動することを抑制できる。
【0105】
複数の磁気ディスク12は、第1の磁気ディスク71と、当該第1の磁気ディスク71よりも底壁25から離間した第2の磁気ディスク72と、を有する。第1の磁気ディスク71の直径Dd1は、第2の磁気ディスク72の直径Dd2よりも短い。側壁26は、第1の回転軸Ax1まわりに延びるとともに第1の磁気ディスク71に面する第1のシュラウド26gと、第1の回転軸Ax1まわりに延びるとともに第2の磁気ディスク72に面する第2のシュラウド26hと、を有する。第1のシュラウド26gの直径Di1は、第2のシュラウド26hの直径Di2よりも短い。これにより、本実施形態のHDD10は、側壁26の外面25bに第1の斜面26eが設けられたとしても、側壁26が底壁25の近傍において薄くなることを抑制できる。
【0106】
複数のキャリッジ55は、それぞれがアーム62を有し、Z方向に延びるとともに第1の回転軸Ax1から当該第1の回転軸Ax1と直交する方向に離間した第2の回転軸Ax2まわりにそれぞれが個別に回転可能である。すなわち、本実施形態のHDD10は、いわゆるマルチアクチュエータを有する。これにより、HDD10は、キャリッジ55が重くなることを抑制でき、ひいては所定の駆動電流に対するキャリッジ55の角加速度が低下することを抑制できる。さらに、HDD10は、複数の磁気ディスク12が第1の磁気ディスク71と第2の磁気ディスク72とを含む場合、キャリッジ55(アクチュエータアセンブリ15)の回転制御が複雑化することを抑制できる。また、HDD10の検査時間が短縮され得る。
【0107】
複数のアーム62は、第1のアーム75と、当該第1のアーム75よりも底壁25から離間した第2のアーム76と、を有する。Z方向における第1のアーム75の寸法Ta1は、Z方向における第2のアーム76の寸法Ta2よりも長い。複数の磁気ディスク12は、第1の磁気ディスク71と、当該第1の磁気ディスク71よりも底壁25から離間した第2の磁気ディスク72と、を有する。Z方向における第1の磁気ディスク71の寸法Td1は、Z方向における第2の磁気ディスク72の寸法Td2よりも長い。複数のスペーサ34は、第1のスペーサ77と、当該第1のスペーサ77よりも底壁25から離間した第2のスペーサ78と、を有する。Z方向における第1のスペーサ77の寸法Ts1は、Z方向における第2のスペーサ78の寸法Ts2よりも短い。一般的に、Z方向における磁気ディスク12の位置は、底壁25から離間するほど誤差が大きくなる。本実施形態のHDD10は、上記寸法の設定により、底壁25から離間した位置におけるアーム62と磁気ディスク12との間の距離を大きく設定することができ、ひいてはアーム62と磁気ディスク12とが過剰に接近することを抑制できる。
【0108】
複数のランプロード機構17は、第1の回転軸Ax1から離間するとともに、磁気ディスク12から離間した位置に複数の磁気ヘッド14を保持するように構成され、Z方向に並べられる。これにより、本実施形態のHDD10は、個々のランプロード機構17が大型化することを抑制でき、ひいてはランプロード機構17の寸法精度が低下することを抑制できる。
【0109】
(第2の実施形態)
以下に、第2の実施形態について、図6を参照して説明する。なお、以下の複数の実施形態の説明において、既に説明された構成要素と同様の機能を持つ構成要素は、当該既述の構成要素と同じ符号が付され、さらに説明が省略される場合がある。また、同じ符号が付された複数の構成要素は、全ての機能及び性質が共通するとは限らず、各実施形態に応じた異なる機能及び性質を有していても良い。
【0110】
図6は、第2の実施形態に係るHDD10の一部を概略的に示す例示的な断面図である。図6に示すように、第2の実施形態のベース21は、側壁26の代わりに側壁126を有する。側壁126は、第2の壁の一例である。側壁126は、以下に説明する点を除き、第1の実施形態の側壁26に実質的に等しい。
【0111】
側壁126は、平面26fの代わりに、第2の斜面126fを有する。第2の斜面126fは、第2の面及び第2の斜面の一例である。第1の斜面26eと第2の斜面126fとは、Z方向に並ぶ。パーティングライン26dは、第1の斜面26eと第2の斜面126fとの間の境界線である。
【0112】
第2の斜面126fは、側壁26の端面26aとパーティングライン26dとの間に設けられる。第2の斜面126fは、パーティングライン26dに近いほど第1の回転軸Ax1から離間するように、第1の回転軸Ax1に対して傾斜している。
【0113】
第1の回転軸Ax1と第1の斜面26eとの間の角度θ1の絶対値は、第1の回転軸Ax1と第2の斜面126fとの間の角度θ2の絶対値よりも大きい。図6は、説明のため、第1の回転軸Ax1と平行なZ軸と第1の斜面26eとの間の角度を角度θ1として示し、Z軸と第2の斜面126fとの間の角度を角度θ2として示す。
【0114】
第2の実施形態において、パーティングライン26dと筐体11の端11aとの間のZ方向における距離Dpは、27mm以上且つ40mm以下に設定される。言い換えると、パーティングライン26dは、側壁26の端面26aから、Z方向において14mm以上且つ27mm以下離間している。
【0115】
図6の例において、側壁126は第2のシュラウド26h及び段差26iを有さず、複数の磁気ディスク12は第2の磁気ディスク72を含まない。しかし、側壁126は第2のシュラウド26hを有しても良いし、複数の磁気ディスク12は第2の磁気ディスク72を含んでも良い。
【0116】
以上説明された第2の実施形態のHDD10において、側壁126は、第1の斜面26eと、第2の斜面126fと、パーティングライン26dとを有する。第2の斜面126fは、第1の斜面26eとZ方向に並ぶ。パーティングライン26dは、第1の斜面26eと第2の斜面126fとの間の境界線である。パーティングライン26dと、底壁25に設けられたZ方向における筐体11の端11aと、の間のZ方向における距離Dpは、27mm以上且つ40mm以下である。一般的に、パーティングライン26dと端11aとの間には、金型からの取り外しを容易にする第1の斜面26eが設けられる。パーティングライン26dが端11aから遠いと、第1の斜面26eにより側壁126が底壁25の近傍において薄くなる。しかし、本実施形態のHDD10は、パーティングライン26dが上記位置に設けられることで、側壁126が底壁25の近傍において薄くなることを抑制できる。
【0117】
側壁126は、端面26aを有する。端面26aは、端11aの反対側に位置する。第1の斜面26eは、端11aとパーティングライン26dとの間に設けられるとともに、筐体11の外部に露出している。第2の斜面126fは、端面26aとパーティングライン26dとの間に設けられるとともに、筐体11の外部に露出している。第1の斜面26eと第2の斜面126fとは、パーティングライン26dに近いほど第1の回転軸Ax1から離間するように当該第1の回転軸Ax1に対して傾斜している。これにより、筐体11の製造時に、筐体11は、金型から容易に取り外されることができる。
【0118】
第1の回転軸Ax1と第1の斜面26eとの間の角度θ1の絶対値は、第1の回転軸Ax1と第2の斜面126fとの間の角度θ2の絶対値よりも大きい。筐体11は、端面26aに固定されるカバー22を有する。第1の回転軸Ax1と第2の斜面126fとの間の角度θ2が小さいため、カバー22が固定される端面26aは、カバー22が固定されることが可能な大きさを保つことができる。従って、本実施形態のHDD10は、カバー22と端面26aとを互いに十分な強度で固定することができる。
【0119】
(第3の実施形態)
以下に、第3の実施形態について、図7を参照して説明する。図7は、第3の実施形態に係るHDD10の一部を示す例示的な断面図である。図7に示すように、第3の実施形態のHDD10は、軸受33、シャフト44、及びハブ45の代わりに、軸受233、シャフト244、及びハブ245を有する。軸受233、シャフト244、及びハブ245は、以下に説明する点を除き、軸受33、シャフト44、及びハブ45に実質的に等しい。
【0120】
シャフト244の直径Dsは、第1の実施形態のシャフト44の直径Dsよりも短い。このため、シャフト244は、コイル42から離間している。シャフト244は、軸受233を介して回転子32を支持可能な剛性を有する。
【0121】
ハブ245は、第2の内面45cの代わりに、第2の内面245cを有する。第2の内面245cは、複数のコイル42とシャフト244との間においても、シャフト244に面する。
【0122】
軸受233は、径方向において、シャフト244とコイル42との間に位置する。言い換えると、軸受233とコイル42とは、径方向に並ぶ。軸受233の二つの支持部材48のうち一方は、シャフト244とコイル42との間に位置する。
【0123】
以上説明された第3の実施形態のHDD10において、軸受233は、径方向において、シャフト244とコイル42との間に位置する。これにより、軸受233で支持される回転子32の長さを比較的長くすることができ、回転子32が振動することを抑制できる。
【0124】
以上の説明において、抑制は、例えば、事象、作用、若しくは影響の発生を防ぐこと、又は事象、作用、若しくは影響の度合いを低減させること、として定義される。
【0125】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0126】
10…ハードディスクドライブ(HDD)、11…筐体、11a…端、12…磁気ディスク、12a…記録面、13…スピンドルモータ、14…磁気ヘッド、17…ランプロード機構、22…カバー、25…底壁、25a…内面、25b…外面、26…側壁、26a…端面、26d…パーティングライン、26e…第1の斜面、26g…第1のシュラウド、26h…第2のシュラウド、26i…段差、31…固定子、32…回転子、33…軸受、34…スペーサ、42…コイル、44…シャフト、55…キャリッジ、56…サスペンション、62…アーム、71…第1の磁気ディスク、72…第2の磁気ディスク、75…第1のアーム、76…第2のアーム、77…第1のスペーサ、78…第2のスペーサ、126…側壁、126f…第2の斜面、Ax1…第1の回転軸、Ax2…第2の回転軸、Dd,Ds,Dd1,Dd2,Di1,Di2…直径、Db,Dh…厚さ、Dc…寸法、Dp…距離、Ta1,Ta2,Td1,Td2,Ts1,Ts2…寸法、θ1,θ2…角度。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7