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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023013781
(43)【公開日】2023-01-26
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20230119BHJP
   B41J 29/00 20060101ALI20230119BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20230119BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20230119BHJP
【FI】
H04N1/00 C
B41J29/00 C
B41J29/38 104
G03G21/00 398
G03G21/00 502
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021118195
(22)【出願日】2021-07-16
(71)【出願人】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100174104
【弁理士】
【氏名又は名称】奥田 康一
(72)【発明者】
【氏名】バッタ アンキト
【テーマコード(参考)】
2C061
2H270
5C062
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AP03
2C061AP04
2C061AP07
2C061AQ06
2C061HJ10
2C061HK11
2C061HN04
2C061HN15
2C061HQ20
2C061HT06
2H270KA46
2H270LA66
2H270MA35
2H270MB55
2H270ME02
2H270MF19
2H270MF25
2H270MG03
2H270MH19
2H270ZC03
2H270ZC04
2H270ZC06
5C062AA05
5C062AB22
5C062AB38
5C062AB40
5C062AB49
5C062AC04
5C062AC34
5C062AC48
5C062AE01
(57)【要約】
【課題】入出力の仕様が異なるコントローラ制御部とエンジン制御部とで情報を受け渡すことができるようにする。
【解決手段】画像データを取得するコントローラ制御部と、印刷処理を行うエンジン制御部と、前記コントローラ制御部とエンジン制御部との間を中継する中継部とを備え、前記中継部は、前記コントローラ制御部と通信可能な第1の入出力部を介して前記コントローラ制御部から前記画像データとコマンドを受信し、受信した前記画像データと前記コマンドを、前記エンジン制御部と通信可能な第2の入出力部を介して前記エンジン制御部に送信し、前記エンジン制御部は、前記中継部を介して受信した前記画像データと前記コマンドに基づいて前記印刷処理を行う。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データを取得するコントローラ制御部と、
印刷処理を行うエンジン制御部と、
前記コントローラ制御部と前記エンジン制御部との間を中継する中継部と
を備え、
前記中継部は、前記コントローラ制御部と通信可能な第1の入出力部を介して前記コントローラ制御部から前記画像データとコマンドを受信し、受信した前記画像データと前記コマンドを、前記エンジン制御部と通信可能な第2の入出力部を介して前記エンジン制御部に送信し、
前記エンジン制御部は、
前記中継部を介して受信した前記画像データと前記コマンドに基づいて前記印刷処理を行う
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
スリープ機能と、
前記コントローラ制御部から前記エンジン制御部へ、第1の値又は第2の値を示すスリープ復帰条件信号を通知する為のスリープ復帰条件信号線と
を備え、
スリープ復帰時に、前記エンジン制御部は、前記コントローラ制御部から通知された前記スリープ復帰条件信号が前記第1の値を示す場合、前記印刷処理の為のウォーミングアップを実施せず、前記スリープ復帰条件信号が前記第2の値を示す場合、前記ウォーミングアップを実施する
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
スリープ復帰時に、前記コントローラ制御部から前記エンジン制御部に通知された前記スリープ復帰条件信号が前記第1の値を示す場合、前記中継部の復帰処理と並行して、前記エンジン制御部が前記ウォーミングアップを実施する
ことを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記ウォーミングアップは、
定着器の温度を所定温度まで加熱する動作である
ことを特徴とする請求項2又は3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記中継部は、
前記第1の入出力部を介して前記コントローラ制御部から前記コマンドを受信し、受信した前記コマンドを、前記第2の入出力部を介して前記エンジン制御部に送信するコマンド制御部と、
前記第1の入出力部を介して前記コントローラ制御部から前記画像データを受信し、受信した前記画像データを、前記第2の入出力部を介して前記エンジン制御部に送信する印刷制御部と
を有する
ことを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記コマンド制御部は、
前記コントローラ制御部から受信した前記コマンドが、正常なコマンドでない場合、当該コマンドを前記エンジン制御部に送信しない
ことを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記コントローラ制御部が実装されたコントローラ基板と、
前記エンジン制御部が実装されたエンジン基板と
を備え、
前記中継部は、
前記コントローラ基板と前記エンジン基板のどちらかに実装されている
ことを特徴とする請求項1~6のいずれかに記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、プリンタなどの画像形成装置では、画像形成部の制御を行うエンジン制御部と、当該エンジン制御部に画像データとコマンドを送信するコントローラ制御部とを備え、それぞれが独立して起動するように構成されている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-55650号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、コントローラ制御部とエンジン制御部とを独立して起動させる為には、コントローラ制御部とエンジン制御部とを別々のハードウェアによって実装することになるが、コントローラ制御部とエンジン制御部とでハードウェアの仕様(具体的には入出力の仕様)が異なっていると、コントローラ制御部とエンジン制御部との間で各種情報(画像データとコマンドなど)を直接受け渡すことができない。
【0005】
この為、従来の画像形成装置では、コントローラ制御部側とエンジン制御部側とでハードウェアの仕様(具体的には入出力の仕様)を合わせなければならないという問題を有していた。
【0006】
本発明は以上の点を考慮したものであり、入出力の仕様が異なるコントローラ制御部とエンジン制御部とで情報を受け渡すことができるようにした画像形成装置を提案しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の画像形成装置は、画像データを取得するコントローラ制御部と、印刷処理を行うエンジン制御部と、前記コントローラ制御部と前記エンジン制御部との間を中継する中継部とを備え、前記中継部は、前記コントローラ制御部と通信可能な第1の入出力部を介して前記コントローラ制御部から前記画像データとコマンドを受信し、受信した前記画像データと前記コマンドを、前記エンジン制御部と通信可能な第2の入出力部を介して前記エンジン制御部に送信し、前記エンジン制御部は、前記中継部を介して受信した前記画像データと前記コマンドに基づいて前記印刷処理を行う。
【0008】
こうすることで、入出力の仕様が異なるコントローラ制御部とエンジン制御部とが、中継部を介して通信可能となる。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、入出力の仕様が異なるコントローラ制御部とエンジン制御部とで情報を受け渡すことができるようにした画像形成装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】第1の実施の形態による画像形成システムの構成を示す図である。
図2】第1の実施の形態による中継FWの役割を示す図である。
図3】第1の実施の形態の画像形成システムによる印刷時の動作手順を示すフローチャートである。
図4】第2の実施の形態による画像形成システムの構成を示す図である。
図5】第2の実施の形態の画像形成装置によるスリープ復帰時の動作手順を示すフローチャートである。
図6】第2の実施の形態の画像形成印刷によるスリープ復帰時の動作のタイミングチャートである。
図7】第1の実施の形態の画像形成装置によるスリープ復帰時の動作のタイミングチャートである。
図8】第2の実施の形態の画像形成装置によるスリープ復帰条件信号の設定手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、発明を実施するための形態(以下、これを実施の形態と呼ぶ)について、図面を用いて詳細に説明する。
【0012】
[1.第1の実施の形態]
[1-1.画像形成システムの構成と動作]
図1に、第1の実施の形態による画像形成システム1の構成を示す。この図1に示すように、画像形成システム1は、HostPC100と、画像形成装置200とで構成されている。尚、図1では、画像形成装置200のハードウェア構成と機能構成を示す一方で、HostPC100の構成については省略している。この理由は、HostPC100の構成が一般的なコンピュータ構成の為である。
【0013】
HostPC100は、画像形成装置200とUSB(Universal Serial Bus)接続又はネットワーク接続されていて、画像形成装置200へ画像データを送信するようになっている。尚、画像データは、印刷ジョブとして、HostPC100から画像形成装置200へ送信される。
【0014】
画像形成装置200は、コントローラ基板210とエンジン基板220とを有している。コントローラ基板210には、CPU(Central Processing Unit)211と、ROM(Read Only Memory)212と、RAM(Random Access Memory)213と、USBI/F部214と、ネットワークI/F部215とが設けられている。
【0015】
CPU211は、図示しない不揮発性メモリ(もしくはROM212)に格納されているプログラムの1つであるコントローラFW(Controller Unit Firmware)216をRAM213に読み出して実行する。コントローラFW216を実行することで、CPU211は、画像形成装置200全体を制御する。具体的には、このコントローラFW216には、コントローラ制御部217が含まれていて、コントローラ制御部217は、例えば、USBI/F部214又はネットワークI/F部215を介してHostPC100から画像データを受け取り、当該画像データとコマンドを、エンジン基板220側に送るようになっている。
【0016】
一方、エンジン基板220には、2つのCPU221、222と、ROM223と、RAM224とが設けられている。1つ目のCPU221は、図示しない不揮発性メモリ(もしくはROM223)に格納されているプログラムの1つであるエンジンFW(Printer Unit Firmware)225をRAM224に読み出して実行する。エンジンFW225を実行することで、CPU221は、画像形成手段としてのプリントヘッド226を制御する。具体的には、このエンジンFW225には、エンジン制御部227が含まれていて、エンジン制御部227は、例えば、コントローラ基板210側から送られてきた画像データとコマンドを受け取り、受け取ったコマンドに基づいて、受け取った画像データをプリントヘッド226に転送して印刷処理を開始するようになっている。
【0017】
上述のように、画像形成装置200では、コントローラ制御部217とエンジン制御部227とが別々のハードウェア(コントローラ基板210側のCPU211とエンジン基板220側のCPU221)により実装されていて、コントローラ制御部217とエンジン制御部227とが独立した構成となっている。
【0018】
この為、画像形成装置200では、コントローラ基板210側のコントローラ制御部217と、エンジン基板220側のエンジン制御部227との間で画像データとコマンドの受け渡しを行わなければならない。しかしながら、画像形成装置200では、コントローラ制御部217側とエンジン制御部227側とでハードウェアの仕様(具体的には入出力の仕様)が異なり、直接画像データとコマンドを受け渡す為の入出力ポートなどを有していない。この為、画像形成装置200では、コントローラ制御部217とエンジン制御部227との間で、画像データとコマンドを直接受け渡すことができない。
【0019】
そこで、画像形成装置200には、コントローラ制御部217側とエンジン制御部227側の入出力の仕様の違いを吸収してコントローラ制御部217とエンジン制御部227の間を中継する(つまりコントローラFW216とエンジンFW225の間を中継する)為の中継FW(Relay Firmware)228が用意されている。
【0020】
この中継FW228は、エンジン基板220に設けられた2つ目のCPU222により実行される。中継FW228を実行することで、CPU222は、コントローラFW216とエンジンFW225の間を中継する。
【0021】
具体的には、図2に示すように、中継FW228は、コントローラFW216と通信する為の入出力ポート240~240と、エンジンFW225と通信する為の入出力ポート241~241とを制御する。
【0022】
入出力ポート240~240は、コントローラFW216側の入出力の仕様に合わせた入出力ポートであり、中継FW228を実行するCPU222(図1)を、コントローラFW216を実行するCPU211(図1)と接続し、中継FW228とコントローラFW216との間で通信する為の入出力ポートである。また入出力ポート241~241は、エンジン制御部227側の入出力の仕様に合わせた入出力ポートであり、中継FW228を実行するCPU222(図1)を、エンジンFW225を実行するCPU221(図1)と接続し、中継FW228とエンジンFW225との間で通信する為の入出力ポートである。
【0023】
中継FW228は、入出力ポート240~240を制御してコントローラFW216から画像データ及びコマンドを受け取り、その後、受け取った画像データ及びコマンドを、入出力ポート241~241を制御してエンジンFW225に送ることで、コントローラFW216とエンジンFW225の間(つまりコントローラ制御部217とエンジン制御部227の間)を中継するようになっている。
【0024】
さらに詳しく説明すると、この中継FW228には、図1に示すように、コマンド制御部229と印刷制御部230とを有するプロトコル部231が含まれている。さらにプロトコル部231のコマンド制御部229には、コントローラ制御部217とコマンド制御部229との間、及びコマンド制御部229とエンジン制御部227との間でコマンドの送受信を行う為のコマンド転送用デバイスドライバ(図示せず)が含まれている。コマンド制御部229は、このコマンド転送用デバイスドライバにより、コマンドをコントローラ制御部217から受信したり、エンジン制御部227に送信したりする。
【0025】
一方、プロトコル部231の印刷制御部230には、コントローラ制御部217と印刷制御部230との間、及び印刷制御部230とエンジン制御部227との間で画像データの送受信を行う為の画像データ転送用デバイスドライバ(図示せず)が含まれている。印刷制御部230は、この画像データ転送用デバイスドライバにより、画像データをコントローラ制御部217から受信したり、エンジン制御部227に送信したりする。
【0026】
尚、中継FW228では、コントローラFW216から受信したコマンド及び画像データを変換したりせずに、同一のコマンド及び画像データとして、エンジンFW225に送信するようになっている。
【0027】
画像形成システム1の構成は、以上のようになっている。ここで、画像形成システム1による印刷時の動作について説明する。
【0028】
画像形成システム1では、HostPC100が、USB接続又はネットワーク接続されている画像形成装置200へ画像データを送信する。画像形成装置200のコントローラ制御部217は、USBI/F部214又はネットワークI/F部215を介してHostPC100から画像データを受け取り、RAM213に書き込む。つづけてコントローラ制御部217は、当該画像データとコマンドを中継FW228へ転送する為の転送準備を行う。
【0029】
転送準備完了後、コントローラ制御部217は、中継FW228へコマンドを転送する(画像データの転送については後述する)。ここで、中継FW228のコマンド制御部229は、コマンド転送用デバイスドライバを介してコントローラ制御部217からコマンドを受信する。
【0030】
コマンド制御部229は、コントローラ制御部217からコマンドを受信すると、当該コマンドの解析を開始する。解析完了後、コマンド制御部229は、当該コマンドを、コマンド転送用デバイスドライバを介してエンジンFW225のエンジン制御部227に送信する。このようにして、コマンド制御部229は、コントローラ制御部217から受信したコマンドをエンジン制御部227に転送する。
【0031】
尚、コントローラ制御部217からエンジン制御部227へ渡される全てのコマンドが、コマンド制御部229による転送対象となっている。コントローラ制御部217からエンジン制御部227へ渡されるコマンドとしては、例えば、エンジン制御部227に印刷処理を開始させる為の印刷プロセス開始要求コマンド、エンジン制御部227に印刷ジョブをキャンセルさせる為のジョブキャンセルコマンド、エンジン制御部227をスリープモードに移行させる為のスリープ移行要求コマンド、エンジン制御部227をスリープモードから復帰させる為のスリープ復帰要求コマンド、エンジン制御部227をリセットする為のリセット用コマンドなどがある。
【0032】
尚、スリープモードとは、画像形成装置200の一部(例えば図示しない節電時稼働部)を除いて動作を停止させることで、画像形成装置200の消費電力を抑える機能である。この為、コントローラFW216、エンジンFW225、中継FW228は、それぞれスリープモード時には動作しない。
【0033】
エンジン制御部227は、コマンド制御部229からコマンドを受信すると、コントローラ制御部217に応答する必要がある場合には、応答コマンドを中継FW228のコマンド制御部229に送信する。このとき、コマンド制御部229は、コマンド転送用デバイスドライバを介してエンジン制御部227から応答コマンドを受信する。
【0034】
コマンド制御部229は、エンジン制御部227から応答コマンドを受信すると、当該応答コマンドの解析を開始する。解析完了後、コマンド制御部229は、当該応答コマンドを、コマンド転送用デバイスドライバを介してコントローラFW216のコントローラ制御部217に送信する。このようにして、コマンド制御部229は、エンジン制御部227から受信した応答コマンドをコントローラ制御部217に転送する。
【0035】
尚、コマンド制御部229は、コントローラ制御部217から受信したコマンドの解析結果完了後、当該コマンドをエンジン制御部227に転送せずに、自ら応答コマンドをコントローラ制御部217に送信する場合もある。
【0036】
またコントローラ制御部217は、上述したコマンドの転送と並列して、中継FW228へ画像データを転送する。このとき、中継FW228の印刷制御部230は、画像データ転送用デバイスドライバを介してコントローラ制御部217から画像データを受信し、RAM224の所定の領域(中継FW228が利用する領域)へ書き込む。
【0037】
つづけて印刷制御部230は、RAM224から画像データを読み出し、画像データ転送用デバイスドライバを介してエンジンFW225のエンジン制御部227に送信する。
【0038】
エンジン制御部227は、印刷制御部230から受信した画像データを、RAM224の所定の領域(エンジンFW225が利用する領域)へ書き込む。そして、エンジン制御部227は、コマンド制御部229から受信したコマンドに基づいて、RAM224から画像データを読み出し、当該画像データをプリントヘッド226に転送して印刷処理を開始する。画像形成システム1の動作は、以上のようになっている。
【0039】
[1-2.画像形成システムによる印刷時の動作手順]
次に、画像形成システム1による印刷時の動作手順について、図3に示すフローチャートを用いて説明する。尚、画像形成システム1による印刷時の動作については上述した為、ここでは主に印刷時の動作の全体的な流れについて説明する。
【0040】
まず図3に示すステップSP1において、HostPC100が、USB接続又はネットワーク接続されている画像形成装置200へ画像データを送信する。つづくステップSP2において、画像形成装置200のコントローラ制御部217は、USBI/F部214又はネットワークI/F部215を介して画像データを受け取り、RAM213に書き込む。
【0041】
つづくステップSP3において、コントローラ制御部217は、画像データとコマンドを中継FW228へ転送する為の転送準備を行う。コントローラ制御部217は、転送準備が完了すると、つづくステップSP4で肯定結果を得てステップSP5に移り、中継FW228のコマンド制御部229へコマンドの転送を開始する。
【0042】
つづくステップSP6において、中継FW228のコマンド制御部229は、コマンド転送用デバイスドライバを介してコントローラ制御部217からコマンドを受信し、当該コマンドの解析処理を開始する。尚、コマンドの解析処理では、中継FW228に送られてきたコマンドの構成(具体的にはバイト構成)が、想定される構成(あらかじめ決められたバイト構成)と一致しているか否かの解析を行っている。つまり、コマンド制御部229は、コントローラ制御部217から受信したコマンドが、正常なコマンドであるか否かの解析を行っている。
【0043】
コマンド制御部229は、コマンドの解析処理が完了すると、つづくステップSP7で肯定結果を得てステップSP8に移り、当該コマンドを、コマンド転送用デバイスドライバを介してエンジンFW225のエンジン制御部227に送信する。尚、コマンド制御部229は、コントローラ制御部217から送られてきたコマンドの解析処理を行った結果、当該コマンドが想定される構成と一致していなかった場合(つまり正常なコマンドではなかった場合)、当該コマンドをエンジン制御部227には送信せず、例えば、コントローラ制御部217からコマンドが再送されるのを待ち受ける。
【0044】
ステップSP9において、コントローラ制御部217は、中継FW228へ画像データの転送を開始する。ここで、中継FW228の印刷制御部230は、コマンド転送用デバイスドライバを介してコントローラ制御部217から画像データを受信し、RAM224の中継FW228が利用する領域へ書き込む。尚、このステップSP9は、上述したステップSP5(コマンドの転送)と並列して行われる。
【0045】
つづくステップ10において、中継FW228の印刷制御部230は、RAM224から画像データを読み出し、つづくステップSP11において、画像データ転送用デバイスドライバを介してエンジンFW225のエンジン制御部227に送信する。エンジン制御部227は、印刷制御部230から受信した画像データを、RAM224のエンジンFW225が利用する領域へ書き込む。画像データの書き込みが完了すると、つづくステップSP12で肯定結果を得て移るステップSP13において、エンジン制御部227は、コマンド制御部229から受信したコマンドに基づいて、RAM224から画像データを読み出し、当該画像データをプリントヘッド226に転送する。
【0046】
つづくステップSP14において、プリントヘッド226は、エンジン制御部227から転送されてきた画像データに基づいて印刷処理を開始する。プリントヘッド226による印刷処理が完了すると、つづくステップSP15で肯定結果が得られることで、画像形成システム1による印刷時の一連の動作が終了する。画像形成システム1による印刷時の動作の全体的な流れは、以上のようになっている。
【0047】
[1-3.まとめと効果]
ここまで説明したように、第1の実施の形態では、画像形成装置200に、画像データを取得するコントローラ制御部217と、印刷処理を行うエンジン制御部227と、前記コントローラ制御部217とエンジン制御部227との間を中継する中継部としてのプロトコル部231(コマンド制御部229及び印刷制御部230)とを設け、プロトコル部231は、コントローラ制御部217と通信可能な第1の入出力部としての入出力ポート240~240を介してコントローラ制御部217から画像データとコマンドを受信し、受信した画像データとコマンドを、エンジン制御部227と通信可能な第2の入出力部としての入出力ポート241~241を介してエンジン制御部227に送信し、エンジン制御部227は、プロトコル部231を介して受信した画像データとコマンドに基づいて印刷処理を行うようにした。
【0048】
こうすることで、画像形成装置200では、ハードウェアの仕様が異なるコントローラ制御部217とエンジン制御部227とが、プロトコル部231を介して通信可能となる。かくして、画像形成装置200では、ハードウェアの仕様が異なるコントローラ制御部217とエンジン制御部227とで通信できるようになる。
【0049】
この為、画像形成装置200では、エンジン基板220側にプロトコル部231を実装することで、例えば、エンジン基板220とは別のメーカーによって製造されたコントローラ基板210と、エンジン基板220との間で画像データとコマンドを受け渡すことができるようになる。
【0050】
尚、本実施の形態では、エンジン基板220側に中継部としてのプロトコル部231を実装したが、これに限らず、コントローラ基板210側にプロトコル部231を実装するようにしてもよい。
【0051】
[2.第2の実施の形態]
次に、第2の実施の形態について説明する。この第2の実施の形態は、画像形成装置200の構成と動作が第1の実施の形態とは異なる実施の形態である。よって、ここでは主に画像形成装置200の構成と動作について説明する。尚、第1の実施の形態と区別する為に、第2の実施の形態の画像形成システム1を画像形成システム1x、画像形成装置200を画像形成装置200xとする。
【0052】
[2-1.画像形成システムの構成]
図4に、第2の実施の形態による画像形成システム1xの構成を示す。尚、図4では、図1に示す第1の実施の形態の画像形成システム1と同一部分については同一符号を付してある。
【0053】
この図4に示すように、画像形成システム1xは、HostPC100と、画像形成装置200xとで構成されている。第2の実施の形態の画像形成装置200xは、第1の実施の形態の画像形成装置200に、コントローラ基板210側のCPU211(つまりコントローラFW216を実行するCPU211)と、エンジン基板220側のCPU221(つまりエンジンFW225を実行するCPU221)とを直接繋ぐスリープ復帰条件信号線300を追加したものである。スリープ復帰条件信号線300以外の構成については、画像形成装置200xと画像形成装置200とで同一の為、詳しい説明は省略する。
【0054】
尚、図4では、画像形成装置200xのエンジン基板220に定着器301が接続されているが、図1では、この定着器301については省略している。つまり、定着器301は、画像形成装置200と画像形成装置200xとの両方に設けられている。この定着器301は、エンジン制御部227によって制御され、プリントヘッド226による印刷処理により画像が転写された媒体を加圧及び加熱することで、当該媒体に画像を定着する装置である。
【0055】
画像形成装置200xに新たに追加されたスリープ復帰条件信号線300は、HIGH又はLOWで表されるスリープ復帰条件信号を、コントローラFW216からエンジンFW225へ通知する為の1本の信号線であり、画像データやコマンドなどの情報を送受信することはできない。
【0056】
画像形成装置200xでは、このスリープ復帰条件信号がLOWに設定されている場合、起動時(つまりスリープ復帰時)に定着器301のメカイニシャル(ウォーミングアップ)を実施するようになっている。一方で、このスリープ復帰条件信号がHIGHに設定されている場合、画像形成装置200xでは、起動時(スリープ復帰時)に定着器301のメカイニシャル(ウォーミングアップ)を実施しないようになっている。画像形成システム1xの構成は、以上のようになっている。
【0057】
ここで、上述したメカイニシャルについて簡単に説明する。メカイニシャルとは、画像形成装置200xの電源ON時や図示しない装置カバーの開閉時に行われる初期動作のことである。具体的には、このメカイニシャルは、エンジンFW225によって制御される図示しないセンサやモータが故障していないか、消耗品の交換時期になったか、非正規品が使われていないかなどを検出して、画像形成装置200xが印刷できる状態であるかを判断する為に行われる動作である。
【0058】
またメカイニシャル(ウォーミングアップ)は、メカイニシャルに含まれる動作の1つであり、定着器301の温度を待機温度まで加熱する動作である。
【0059】
つまり、画像形成装置200xでは、スリープ復帰条件信号がLOWに設定されている場合には、定着器301の温度を待機温度まで加熱する動作であるメカイニシャル(ウォーミングアップ)を実施し、スリープ復帰条件信号がHIGHに設定されている場合には、定着器301の温度を待機温度まで加熱する動作であるメカイニシャル(ウォーミングアップ)を実施しないようになっている。
【0060】
具体的には、画像形成装置200xの起動時にスリープ復帰条件信号がLOWであれば、その後、エンジンが起動したとき(つまりエンジン基板220に電流が供給されてCPU221、222が起動したとき)に、エンジン制御部227がメカイニシャル(ウォーミングアップ)を開始し、スリープ復帰条件信号がHIGHであれば、エンジンが起動したときに、エンジン制御部227がメカイニシャル(ウォーミングアップ)を開始しないようになっている。
【0061】
[2-2.画像形成装置によるスリープ復帰時の動作手順]
次に、画像形成装置200xによるスリープ復帰時の動作手順について、図5に示すフローチャートを用いて説明する。
【0062】
図5に示すステップSP21において、画像形成装置200xが起動する。ここで、スリープ復帰条件信号がLOWに設定されている場合、つづくステップSP22からステップSP23に移り、図示しない節電時稼働部によりコントローラが起動される(つまりコントローラFW216を実行するCPU211が起動される)。つづくステップSP24において、CPU211によりコントローラFW216の復帰処理が開始される。
【0063】
コントローラFW216の復帰処理が開始された直後、つづくステップSP25において、図示しない節電時稼働部によりエンジンが起動される(つまりエンジン基板220に電流が供給されてCPU221、222が起動される)。つづくステップSP26において、エンジン制御部227は、スリープ復帰条件信号がLOWに設定されていることから、定着器301のメカイニシャル(ウォーミングアップ)を開始する。
【0064】
またステップSP25、SP26と並列して、ステップSP27において、CPU222により中継FW228の復帰処理が開始される。ここで、コントローラFW216の復帰処理は、中継FW228の復帰処理が開始してから終了するまで中断される。中継FW228の復帰処理が終了すると、つづくステップSP28において、コントローラFW216の復帰処理が再開され、中継FW228を介して、コントローラ制御部217とエンジン制御部227との間でのコマンドの送受信が開始される。
【0065】
つづくステップSP34において、コントローラFW216の復帰処理が終了することで、画像形成装置200xによるスリープ復帰時の一連の動作が終了する。
【0066】
また一方で、スリープ復帰条件信号がHIGHに設定されている場合、ステップSP22からステップSP29に移り、図示しない節電時稼働部によりコントローラが起動され、つづくステップSP30において、CPU211によりコントローラFW216の復帰処理が開始される。
【0067】
コントローラFW216の復帰処理が開始された直後、つづくステップSP31において、図示しない節電時稼働部によりエンジンが起動される。このとき、エンジン制御部227は、スリープ復帰条件信号がHIGHに設定されていることから、定着器301のメカイニシャル(ウォーミングアップ)を実施しない。
【0068】
またステップSP31と並列して、ステップSP32において、CPU222により中継FW228の復帰処理が開始される。ここで、コントローラFW216の復帰処理は、中継FW228の復帰処理が開始してから終了するまで中断される。中継FW228の復帰処理が終了すると、つづくステップSP33において、コントローラFW216の復帰処理が再開され、中継FW228を介して、コントローラ制御部217とエンジン制御部227との間でコマンドの送受信が開始される。
【0069】
つづくステップSP34において、コントローラFW216の復帰処理が終了することで、画像形成装置200xによるスリープ復帰時の一連の動作が終了する。画像形成装置200xによるスリープ復帰時の動作手順は、以上のようになっている。
【0070】
ここで、画像形成装置200xによるスリープ復帰時の動作のタイミングチャートを図6に示す。尚、この図6は、スリープ復帰条件信号がLOWに設定されている場合のタイミングチャートである。
【0071】
図6のタイミングチャートに示すように、まず時刻t0で画像形成装置200xが起動してコントローラFW216の復帰処理が開始される。その後、時刻t1で、コントローラFW216の復帰処理が中断され、エンジンが起動されるとともに、中継FW228の復帰処理が開始され、エンジン制御部227により定着器301のメカイニシャル(ウォーミングアップ)が開始される。尚、エンジン全体の起動には、1秒程度の時間を要する。
【0072】
その後、時刻t2で中継FW228の復帰処理が終了することにともなって、コントローラFW216の復帰処理が再開され、時刻t3でコントローラFW216の復帰処理が終了する。ここで、定着器301のメカイニシャル(ウォーミングアップ)は、コントローラFW216の復帰処理が終了するよりも前の時点で終了する。よって、画像形成装置200xは、全体として、コントローラFW216の復帰処理が終了した時刻t3で、スリープモードから復帰する。
【0073】
次に、比較対象として、第1の実施の形態の画像形成装置200(図1)によるスリープ復帰時の動作のタイミングチャートを図7に示す。画像形成装置200では、スリープ復帰条件信号線300を有していない為、中継FW228の復帰処理が完了した後、中継FW228を介して、コントローラ制御部217からエンジン制御部227へ定着器301のメカイニシャル(ウォーミングアップ)を開始させるコマンドが送られるようになっている。
【0074】
この場合、図7のタイミングチャートに示すように、まず時刻t0で画像形成装置200が起動してコントローラFW216の復帰処理が開始される。その後、時刻t1で、コントローラFW216の復帰処理が中断され、エンジンが起動されるとともに、中継FW228の復帰処理が開始される。この時点では、エンジン制御部227は、定着器301のメカイニシャル(ウォーミングアップ)を実施すべきかどうか判断できない。この為、この時点では、定着器301のメカイニシャル(ウォーミングアップ)は開始されない。
【0075】
その後、時刻t2で中継FW228の復帰処理が終了することにともなって、コントローラFW216の復帰処理が再開される。ここで、中継FW228を介して、コントローラ制御部217からエンジン制御部227へ定着器301のメカイニシャル(ウォーミングアップ)を開始させるコマンドが送られることで、定着器301のメカイニシャル(ウォーミングアップ)が開始される。
【0076】
その後、時刻t3でコントローラFW216の復帰処理は終了するが、画像形成装置200では、定着器301のメカイニシャル(ウォーミングアップ)を開始する時刻が画像形成装置200xよりも遅い為、この時点でまだ定着器301のメカイニシャル(ウォーミングアップ)が終了せず、最終的に時刻t3よりも後の時刻t4で終了する。よって、画像形成装置200は、全体として、定着器301のメカイニシャル(ウォーミングアップ)が終了した時刻t4で、スリープモードから復帰する。
【0077】
図6図7のタイミングチャートから明らかなように、第2の実施の形態の画像形成装置200xでは、エンジン起動時に、中継FW228の復帰処理と並行して、定着器301のメカイニシャル(ウォーミングアップ)を実施することができるので、スリープから復帰する時間(スリープ復帰時間と呼ぶ)を画像形成装置200と比較して大幅に短縮することができる。
【0078】
尚、本実施の形態では、画像形成装置200xのスリープ復帰時に、中継FW228の復帰処理と並行して、定着器301のメカイニシャル(ウォーミングアップ)を実施することで、スリープ復帰時間を短縮するようにしたが、これに限らず、例えば、画像形成装置200xの電源オン時に、中継FW228の起動処理と並行して、定着器301のメカイニシャル(ウォーミングアップ)を実施することで、起動時間を短縮することも可能である。
【0079】
[2-3.スリープ復帰条件信号の設定手順]
次に、ユーザによるスリープ復帰条件信号の設定手順について、図8に示すフローチャートを用いて説明する。
【0080】
図8に示すステップSP41において、ユーザは、画像形成装置200xを起動させる。つづくステップSP42において、ユーザは、画像形成装置200xの図示しない操作部としてのパネルを操作して、起動時のウォーミングアップ設定を行う。
【0081】
このウォーミングアップ設定で起動時にメカイニシャル(ウォーミングアップ)を実施するとユーザが設定した場合、ステップSP43からステップSP44へと移り、画像形成装置200xのコントローラ制御部216が、次回起動時のスリープ復帰条件信号をLOWに設定する。つづくステップSP46において、コントローラ制御部216は、スリープ復帰条件信号の設定を示す設定情報を、例えば、画像形成装置200xに設けられている図示しない不揮発性メモリに記憶することで保存し、スリープ復帰条件信号の設定動作を終了する。
【0082】
また一方で、ウォーミングアップ設定で起動時にメカイニシャル(ウォーミングアップ)を実施しないとユーザが設定した場合、ステップSP43からステップSP45へと移り、画像形成装置200xのコントローラ制御部216が、次回起動時のスリープ復帰条件信号をHIGHに設定する。つづくステップSP46において、コントローラ制御部216は、スリープ復帰条件信号の設定情報を、例えば、図示しない不揮発性メモリに記憶することで保存し、スリープ復帰条件信号の設定動作を終了する。
【0083】
そして、コントローラ制御部216は、次回起動時に、図示しない不揮発性メモリから、スリープ復帰条件信号の設定情報を読み出し、当該設定情報に基づいて、スリープ復帰条件信号を設定する。
【0084】
このように、画像形成装置200xでは、ユーザが起動時のウォーミングアップ設定を行うことで、起動時に定着器301のメカイニシャル(ウォーミングアップ)を実施するかしないか選択できるようになっている。
【0085】
[2-4.まとめと効果]
ここまで説明したように、第2の実施の形態では、スリープ機能を有する画像形成装置200xに、コントローラ制御部217からエンジン制御部227へ、第1の値としてのHIGH又は第2の値としてのLOWとなる2値信号としてのスリープ復帰条件信号を通知する為のスリープ復帰条件信号線300を設けた。そして、画像形成装置200xでは、スリープ復帰時に、コントローラ制御部217からエンジン制御部227へスリープ復帰条件信号が通知され、スリープ復帰条件信号がLOWである場合に、エンジン制御部227が、中継FW228の復帰処理(つまりプロトコル部231の復帰処理)と並行して、定着器301のメカイニシャル(ウォーミングアップ)を実施するようにした。
【0086】
このように、画像形成装置200xでは、中継FW228の復帰処理が終了する前の時点で、スリープ復帰条件信号線300を介して、コントローラ制御部217からエンジン制御部227へスリープ復帰条件信号を通知して、エンジン制御部227に定着器301のメカイニシャル(ウォーミングアップ)を開始させることができる。
【0087】
これにより、画像形成装置200xは、中継FW228の復帰処理が終了した後、中継FW228を介して、コントローラ制御部217からエンジン制御部227へ定着器301のメカイニシャル(ウォーミングアップ)を実施するコマンドを通知することでエンジン制御部227に定着器301のメカイニシャル(ウォーミングアップ)を実施させる場合と比較して、スリープ復帰時間を大幅に短縮することができる。
【0088】
またスリープ復帰条件信号は、HIGH又はLOWとなる2値信号である為、コントローラ制御部217を実行するCPU211と、エンジン制御部227を実行するCPU221とを、2値信号を送信可能な1本の信号線で繋ぐだけでよく、中継FW228のような中継部を必要としないという利点を有する。
【0089】
さらに画像形成装置200xでは、ユーザが、定着器301のメカイニシャル(ウォーミングアップ)を起動時に実施するかどうか選択できるようにしたことにより、起動時に定着器301のメカイニシャル(ウォーミングアップ)を実施しないように設定することもできる。
【0090】
尚、本実施の形態では、スリープ復帰条件信号がLOWである場合に、エンジン制御部227が、印刷処理の為のウォーミングアップとして、定着器301を待機温度まで加熱させる動作を行うようにしたが、これに限らず、印刷処理の為のウォーミングアップに含まれる他の動作を、定着器301を加熱させる動作と並列して行うなどしてもよい。
【0091】
[3.他の実施の形態]
[3-1.他の実施の形態1]
尚、上述した第1の実施の形態では、印刷制御部230とエンジン制御部227とが、RAM224上の別々の領域を利用することで、印刷制御部230とエンジン制御部227とでRAM224を共用するようにした。これに限らず、例えば、エンジン基板220上に、印刷制御部230が利用するRAMと、エンジン制御部227が利用するRAMとを別々に実装するようにしてもよい。第2の実施の形態についても同様である。
【0092】
[3-2.他の実施の形態2]
また上述した第1の実施の形態では、エンジン基板220側に、中継FW228を実行するCPU222を設けるようにしたが、コントローラ基板210側に、中継FW228を実行するCPU222を設けてもよく、またコントローラ基板210及びエンジン基板220とは別に中継基板を設け、当該中継基板に、中継FW228を実行するCPU222を設けるなどしてもよい。第2の実施の形態についても同様である。
【0093】
[3-3.他の実施の形態3]
さらに上述した第2の実施の形態では、画像形成装置200x上で、ユーザがパネルを操作することにより、起動時に定着器301のメカイニシャル(ウォーミングアップ)を実行するか否か(つまりスリープ復帰条件信号をHIGHにするかLOWにするか)設定できるようにした。これに限らず、例えば、HostPC100にインストールされているプリンタドライバの設定画面上で、ユーザが画像形成装置200xの起動時に定着器301のメカイニシャル(ウォーミングアップ)を実行するか否か設定できるようにしてもよい。またこれに限らず、例えば、HostPC100にインストールされているWebブラウザにより、画像形成装置200xがネットワークを介して提供する設定用ページを表示させ、当該設定用ページ上で、ユーザが画像形成装置200xの起動時に定着器301のメカイニシャル(ウォーミングアップ)を実行するか否か設定できるようにしてもよい。
【0094】
[3-4.他の実施の形態4]
さらに上述した第1及び第2の実施の形態では、スリープモード時には、コントローラFW216と、エンジンFW225と、中継FW228のそれぞれが起動していないとしたが、これに限らず、これらのうちコントローラFW216についてはスリープモード時に起動するようになっていてもよい。
【0095】
[3-5.他の実施の形態5]
さらに上述した各実施の形態では、HostPC100と画像形成装置200(200x)とで構成される画像形成システム1(1x)に本発明を適用したが、HostPC100の代わりに、スマートフォンやタブレットなどを用いる画像形成システムにも適用できる。また画像形成システム1(1x)に含まれる画像形成装置200(200x)としては、プリンタ、コピー機、ファクシミリ、複合機などを用いることができる。
【0096】
[3-6.他の実施の形態6]
さらに本発明は、上述した各実施の形態に限定されるものではない。すなわち本発明は、上述した各実施の形態の一部または全部を任意に組み合わせた実施の形態や、一部を抽出した実施の形態にもその適用範囲が及ぶものである。
【産業上の利用可能性】
【0097】
本発明は、例えば、コントローラ制御部とエンジン制御部とを備える画像形成装置で広く利用することができる。
【符号の説明】
【0098】
1、1x……画像形成システム、100……HostPC、200、200x……画像形成装置、210……コントローラ基板、211……CPU、214……USBI/F部、215……ネットワークI/F部、216……コントローラFW、217……コントローラ制御部、220……エンジン基板、221、222……CPU、225……エンジンFW、226……プリントヘッド、227……エンジン制御部、228……中継FW、229……コマンド制御部、230……印刷制御部、231……プロトコル部、240、241……入出力ポート、300……スリープ復帰条件信号線、301……定着器。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8