(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023137828
(43)【公開日】2023-09-29
(54)【発明の名称】棒状化粧料繰出容器
(51)【国際特許分類】
A45D 40/04 20060101AFI20230922BHJP
【FI】
A45D40/04 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022044220
(22)【出願日】2022-03-18
(71)【出願人】
【識別番号】591147339
【氏名又は名称】株式会社トキワ
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100182006
【弁理士】
【氏名又は名称】湯本 譲司
(72)【発明者】
【氏名】久我 渉
(57)【要約】
【課題】棒状化粧料を衝撃から保護すると共に容器のコンパクト化を図る。
【解決手段】先端側ジョイント部材3aの後端の第一板状部3eの軸心と後端側ジョイント部材3bの先端の第二板状部3mの軸心とを軸状の接続部3cにより接続し、第一板状部3e及び第二板状部3mの少なくとも一方の接続部3c周りに、始端及び終端を有して軸線方向に貫通し弾性を持たせるためのスリット3q,3sを設けることにより板バネ部3r,3tを構成する。棒状化粧料繰出容器100を落下させて棒状化粧料Mを前進させようとする衝撃が作用すると、移動体8は、雌螺子部材6、スリーブ5を介して、先端側ジョイント部材3aに軸線方向に係合しているため、平面的な板バネ部3r,3tが、軸線方向に伸縮して衝撃を吸収する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状の容器本体と、
前記容器本体の軸線方向の一方端となる先端側に配置され、棒状化粧料を繰り出し/繰り戻し可能に収容している棒状化粧料カートリッジと、
前記容器本体の軸線方向の他方端となる後端側に配置されたジョイント部材と、を備え、
前記棒状化粧料カートリッジは、
内部で前記棒状化粧料が摺動し、前記容器本体に対して相対回転可能とされた筒状のスリーブと、
前記スリーブに対して相対回転可能に係合し、内周面に雌螺子突起が設けられた筒状の雌螺子部材と、
前記雌螺子部材の前記雌螺子突起と螺合する雄螺子突起が外周面に設けられると共に、前記スリーブと同期回転可能とされ、前記棒状化粧料を把持する移動体と、を備え、
前記ジョイント部材は、
先端側に位置する筒部の筒孔の後端が、板状の第一板状部により閉じられると共に、前記雌螺子部材と同期回転可能とされ、前記スリーブに軸線方向に着脱可能に係合する先端側ジョイント部材と、
後端側に位置する筒部の筒孔の先端が、板状の第二板状部により閉じられると共に、前記容器本体の後端部に同期回転可能且つ軸線方向に係合する後端側ジョイント部材と、
前記第一板状部の軸心と前記第二板状部の軸心とを接続する軸状の接続部と、を備え、
前記第一板状部及び前記第二板状部の少なくとも一方の前記接続部周りに、始端及び終端を有して軸線方向に貫通し弾性を持たせるためのスリットが設けられることにより、板バネ部が構成され、
前記容器本体の内面と前記ジョイント部材の前記板バネ部より先端側の外面との間には、前記板バネ部による前記先端側ジョイント部材の軸線方向の移動を許容する隙間が設けられていることを特徴とする棒状化粧料繰出容器。
【請求項2】
前記ジョイント部材の前記第一板状部、前記第二板状部の前記接続部周りに、始端及び終端を有して軸線方向に貫通し弾性を持たせるための第一スリット、第二スリットがそれぞれ設けられることにより、第一板バネ部、第二板バネ部がそれぞれ構成され、
前記容器本体の内面と前記ジョイント部材の前記第一板バネ部より先端側の外面との間には、前記第一板バネ部及び前記第二板バネ部による前記先端側ジョイント部材の移動を許容する隙間が設けられていることを特徴とする請求項1記載の棒状化粧料繰出容器。
【請求項3】
前記容器本体と前記先端側ジョイント部材とは、前記後端側ジョイント部材と同様に同期回転可能に係合していることを特徴とする請求項1又は2記載の棒状化粧料繰出容器。
【請求項4】
棒状化粧料が出没可能な開口を有する先筒と、
前記棒状化粧料を把持し前記先筒と同期回転可能且つ軸線方向に移動可能な芯チャック、筒状に構成され、外周面に雄螺子突起が設けられると共に、その先端を閉じるよう板状の板状部が設けられた雄螺子部、前記芯チャックの後端面の軸心と前記雄螺子部の前記板状部の軸心を接続する軸状の接続部を有する移動体と、
前記移動体の前記雄螺子部の前記雄螺子突起と螺合する雌螺子突起が内周面に設けられた筒状の雌螺子部材と、
前記先筒と相対回転可能とされ内部に前記雌螺子部材が同期回転可能に収容されている容器本体と、を備え、
前記板状部の前記接続部周りに、始端及び終端を有して軸線方向に貫通し弾性を持たせるためのスリットが設けられることにより、板バネ部が構成されていることを特徴とする棒状化粧料繰出容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、棒状化粧料を繰り出す棒状化粧料繰出容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の棒状化粧料繰出容器にあっては、落下等で容器に衝撃が作用すると、内部の棒状化粧料にも伝わり、棒状化粧料が折れてしまうことがあった。そこで、棒状化粧料に作用する衝撃を吸収するための構成として、以下の特許文献1のように、樹脂バネやコイルバネを用いるものが知られている。この樹脂バネやコイルバネは、容器内部に設けられ、容器に衝撃が作用した際の棒状化粧料の軸線方向への衝撃を吸収する役割を担っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、これら樹脂バネやコイルバネを設けた容器では、バネを収容するスペースが必要となる分、容器が軸線方向に長くなるが、よりコンパクトな容器も求められている。
【0005】
そこで、本発明は、棒状化粧料を衝撃から保護できると共に、コンパクト化が図られる棒状化粧料繰出容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明による棒状化粧料繰出容器は、筒状の容器本体と、容器本体の軸線方向の一方端となる先端側に配置され、棒状化粧料を繰り出し/繰り戻し可能に収容している棒状化粧料カートリッジと、容器本体の軸線方向の他方端となる後端側に配置されたジョイント部材と、を備え、棒状化粧料カートリッジは、内部で棒状化粧料が摺動し、容器本体に対して相対回転可能とされた筒状のスリーブと、スリーブに対して相対回転可能に係合し、内周面に雌螺子突起が設けられた筒状の雌螺子部材と、雌螺子部材の雌螺子突起と螺合する雄螺子突起が外周面に設けられると共に、スリーブと同期回転可能とされ、棒状化粧料を把持する移動体と、を備え、ジョイント部材は、先端側に位置する筒部の筒孔の後端が、板状の第一板状部により閉じられると共に、雌螺子部材と同期回転可能とされ、スリーブに軸線方向に着脱可能に係合する先端側ジョイント部材と、後端側に位置する筒部の筒孔の先端が、板状の第二板状部により閉じられると共に、容器本体の後端部に同期回転可能且つ軸線方向に係合する後端側ジョイント部材と、第一板状部の軸心と第二板状部の軸心とを接続する軸状の接続部と、を備え、第一板状部及び第二板状部の少なくとも一方の接続部周りに、始端及び終端を有して軸線方向に貫通し弾性を持たせるためのスリットが設けられることにより、板バネ部が構成され、容器本体の内面とジョイント部材の板バネ部より先端側の外面との間には、板バネ部による先端側ジョイント部材の軸線方向の移動を許容する隙間が設けられていることを特徴としている。
【0007】
このような棒状化粧料繰出容器によれば、棒状化粧料カートリッジを構成するスリーブと容器本体とが相対回転されると、スリーブと、棒状化粧料カートリッジを構成し棒状化粧料を把持する移動体とが同期回転可能な一方で、容器本体とジョイント部材の後端側ジョイント部材とが同期回転可能、ジョイント部材の先端側ジョイント部材と、棒状化粧料カートリッジを構成する雌螺子部材とが同期回転可能で、雌螺子部材の雌螺子突起と移動体の雄螺子突起とが螺合しているため、移動体が軸線方向に移動し、棒状化粧料が繰り出し/繰り戻しされて使用/収容可能とされる。ここで、先端側ジョイント部材の後端の第一板状部の軸心と後端側ジョイント部材の先端の第二板状部の軸心とは、軸状の接続部により接続され、第一板状部及び第二板状部の少なくとも一方の接続部周りに、始端及び終端を有して軸線方向に貫通し弾性を持たせるためのスリットが設けられることにより、板バネ部が構成されている。このため、棒状化粧料繰出容器を例えば落下させて棒状化粧料を前進させようとする衝撃が作用すると、移動体は、雌螺子部材、スリーブを介して、先端側ジョイント部材に軸線方向に係合していると共に、容器本体の内面とジョイント部材の板バネ部より先端側の外面との間に、板バネ部による先端側ジョイント部材の軸線方向の移動を許容する隙間が設けられている結果、板バネ部は、軸線方向に伸縮して衝撃を吸収し、棒状化粧料を衝撃から保護できると共に、平面的な板バネ部のため、コンパクト化が図られる。
【0008】
ここで、ジョイント部材の第一板状部、第二板状部の接続部周りに、始端及び終端を有して軸線方向に貫通し弾性を持たせるための第一スリット、第二スリットがそれぞれ設けられることにより、第一板バネ部、第二板バネ部がそれぞれ構成され、容器本体の内面とジョイント部材の第一板バネ部より先端側の外面との間には、第一板バネ部及び第二板バネ部による先端側ジョイント部材の移動を許容する隙間が設けられていると、第一板バネ部及び第二板バネ部により、1つの板バネ部の場合に比して軸線方向に長くすることなく、棒状化粧料をより好適に保護することができる。
【0009】
また、容器本体と先端側ジョイント部材とは、後端側ジョイント部材と同様に同期回転可能に係合していると、先端側ジョイント部材と後端側ジョイント部材との回転方向の捩れが確実に防止される。
【0010】
また、本発明による棒状化粧料繰出容器は、棒状化粧料が出没可能な開口を有する先筒と、棒状化粧料を把持し先筒と同期回転可能且つ軸線方向に移動可能な芯チャック、筒状に構成され、外周面に雄螺子突起が設けられると共に、その先端を閉じるよう板状の板状部が設けられた雄螺子部、芯チャックの後端面の軸心と雄螺子部の板状部の軸心を接続する軸状の接続部を有する移動体と、移動体の雄螺子部の雄螺子突起と螺合する雌螺子突起が内周面に設けられた筒状の雌螺子部材と、先筒と相対回転可能とされ内部に雌螺子部材が同期回転可能に収容されている容器本体と、を備え、板状部の接続部周りに、始端及び終端を有して軸線方向に貫通し弾性を持たせるためのスリットが設けられることにより、板バネ部が構成されていることを特徴としている。
【0011】
このような棒状化粧料繰出容器によれば、先筒と容器本体が相対回転されると、先筒と、移動体を構成し棒状化粧料を把持する芯チャックとが同期回転可能な一方で、容器本体と雌螺子部材とが同期回転可能で、雌螺子部材の雌螺子突起と、移動体を構成し接続部を介して芯チャックに接続された雄螺子部の雄螺子突起とが螺合しているため、移動体が軸線方向に移動し、棒状化粧料が先筒の開口から出没される。ここで、芯チャックの後端面の軸心と雄螺子部の先端の板状部の軸心とは接続部により接続され、板状部の接続部周りに、始端及び終端を有して軸線方向に貫通し弾性を持たせるためのスリットが設けられることにより、板バネ部が構成されている。このため、棒状化粧料繰出容器を例えば落下させて棒状化粧料を前進させようとする衝撃が作用すると、芯チャックの前進に伴い板バネ部が伸長し、軸線方向に伸縮して衝撃を吸収し、棒状化粧料を衝撃から保護できると共に、平面的な板バネ部のため、コンパクト化が図られる。
【発明の効果】
【0012】
このように本発明によれば、棒状化粧料を衝撃から保護できると共に、コンパクト化が図られる棒状化粧料繰出容器を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る棒状化粧料繰出容器を示す縦断面図である。
【
図6】
図1中の棒状化粧料カートリッジを示す側面図である。
【
図7】
図2中の棒状化粧料カートリッジを示す側面図である。
【
図8】
図6中のVIII-VIII線に沿う断面図である。
【
図17】
図2中のジョイント部材を示す側面図である。
【
図21】
図17中のXXI-XXI線に沿う断面斜視図である。
【
図26】本発明の第2実施形態に係る棒状化粧料繰出容器を示す縦断面図である。
【
図28】
図27中のXXVIII-XXVIII線に沿う断面図である。
【
図36】
図34中のXXXVI-XXXVI線に沿う断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明による棒状化粧料繰出容器の好適な実施形態について
図1~
図36を参照しながら説明する。
図1~
図25は、本発明の第1実施形態を、
図26~
図36は、本発明の第2実施形態を各々示すものであり、各図において、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0015】
【0016】
図1及び
図2に示すように、本実施形態の棒状化粧料繰出容器100は、容器本体1と、容器本体1の軸線方向の一方端となる先端側(図示左側)に配置され、棒状化粧料Mを繰り出し/繰り戻し可能に収容している棒状化粧料カートリッジ2と、容器本体1の軸線方向の他方端となる後端側(図示右側)に配置されたジョイント部材3と、ジョイント部材3の後端部側に配置された塗布具4と、を備えている。棒状化粧料Mは、ここでは、アイブロウとされ、塗布具4は、化粧料が塗布された眉を整えるブラシとされているが、棒状化粧料Mとしては、例えばアイライナー等の他の棒状化粧料を用いることができ、塗布具4としては、例えばコーム等の他の塗布具を用いることもできる。
【0017】
容器本体1は、
図3~
図5に示すように、先端部が縮径された段付き円筒状に構成され、先端部の外周面には、フロントキャップ9(
図1及び
図2参照)を着脱可能に装着するためのダボ1aが周方向に沿って複数離間配置され、後端部の内周面には、ジョイント部材3の後端側ジョイント部材3b(詳しくは後述)を回転方向に係合すると共に軸線方向に係合するための係合溝1bが一対対向して形成されている。この係合溝1bは、径方向視略鍵穴形状をなし、係合部となる径方向視略円形の円形部1cが狭通路1dを介して後方へ開放された溝とされている。容器本体1の内周面の係合溝1bより先端側には、径方向視長方形状をなし、ジョイント部材3の先端側ジョイント部材3a(詳しくは後述)を回転方向に係合するための係合溝1eが一対対向して形成されている。この係合溝1eの先端側部分は、先端側ジョイント部材3aの軸線方向の移動(前進/後退)を許容する隙間S1(
図1参照)とされている。
【0018】
棒状化粧料カートリッジ2は、
図6~
図8に示すように、内部で棒状化粧料Mが摺動し、容器本体1に対して相対回転可能とされたスリーブ5と、スリーブ5内に配置され、スリーブ5に対して相対回転可能で、内周面に雌螺子突起6aが設けられた雌螺子部材6と、スリーブ5内に配置され、雌螺子部材6の雌螺子突起6aと螺合する雄螺子突起8bが外周面に設けられると共に、スリーブ5と同期回転可能とされ、棒状化粧料Mを把持し軸線方向に延在する移動体8と、を備えている。棒状化粧料Mは、ここでは、扁平形状の棒状化粧料Mが用いられている。
【0019】
スリーブ5は、
図9及び
図10に示すように、容器本体1の先端面よりさらに前方へ突出し指で摘まれる大径部5aと、大径部5aの後端に段差面を介して連設され容器本体1及びジョイント部材3の先端側ジョイント部材3a内に収容される小径部5bと、を有する(
図1及び
図2参照)。大径部5aの後端は円筒状であり、先端に行くに従い、扁平形状の棒状化粧料Mに合わせるように略長円筒状(略楕円筒状)に縮径していく形状となっている。スリーブ5の先端面は、ここでは、軸線に対して傾く傾斜面とされている。
【0020】
スリーブ5の筒孔は、
図10に示すように、その前半部が、棒状化粧料M及び移動体8において棒状化粧料Mを把持する芯チャック8a(詳しくは後述)を収容する収容領域とされ、その後半部が、前半部より多少大径とされ雌螺子部材6を収容する収容領域とされる(
図1及び
図2も参照)。
【0021】
スリーブ5の前半部の筒孔は、先端の開口5hから後方へ向かって延び棒状化粧料Mの摺動を可能とする扁平形状の棒状化粧料孔5cとされる。この棒状化粧料孔5cの周囲の対向する位置(ここでは扁平形状の長軸を挟む位置)には、開口5hから後方へ所定長離れた位置からスリーブ5の雌螺子部材6の収容領域まで、移動体8の後述する把持片8d(
図15参照)を収容し摺動を可能とする把持片溝5dが対向して一対連設されている。これらの棒状化粧料孔5c及び当該棒状化粧料孔5cの周囲の把持片溝5dにより、棒状化粧料M及び把持片8dが摺動する進退孔5eが構成されている。
【0022】
また、
図9及び
図10に示すように、スリーブ5の後端部の外周面には、ジョイント部材3の先端側ジョイント部材3aに軸線方向に係合するための凹部5fが円環状に設けられている(
図1も参照)。また、スリーブ5の凹部5fより先端側の内周面には、雌螺子部材6を軸線方向に係合するための係合凹部5gが円環状に設けられている(
図1も参照)。
【0023】
雌螺子部材6は、
図11~
図14に示すように、略円筒状に構成され、先端の内周面に、移動体8の雄螺子突起8b(詳しくは後述)に螺合するための雌螺子突起6aが一対対向して設けられている。
【0024】
雌螺子部材6の後端部の外周面には鍔部6bが設けられており、鍔部6bより後側の外周面には、軸線方向に沿って延びるリブ6cが、ジョイント部材3の先端側ジョイント部材3aを回転方向に係合するものとして、周方向に沿って複数並設されている。雌螺子部材6の鍔部6bより先端側には、軸線を挟む180°対称位置に、片持ちバネ状の弾性部6dが形成されている。弾性部6dは、周壁に穿設され内外を連通するコの字状割溝6gにより形成され、成形材である合成樹脂等の可撓性に従って板バネの役割を果たし、雌螺子部材6の径方向に弾性変形可能とされている。この弾性部6dの表面には、スリーブ5との回転抵抗となるダボ6eが設けられている。雌螺子部材6の弾性部6dより先端側の外周面には、スリーブ5の係合凹部5gに軸線方向に係合するための係合凸部6fが円環状に設けられている。
【0025】
移動体8は、
図15に示すように、棒状化粧料Mの後端部を支持するための芯チャック8aと、芯チャック8aより後側に軸線方向に螺旋状に延びる雄螺子突起(雄螺子)8bが設けられている。
【0026】
芯チャック8aは、その外形が棒状化粧料Mの外形に略一致し棒状化粧料Mの後端面を突き当てるための基部8cと、この基部8cにおける外周面の対向位置に先端側に向かって突出するように設けられ、基部8cに突き当てられた棒状化粧料Mの後端部を相互間に挟んで把持する把持片8dと、を備える。
【0027】
この移動体8は、
図8に示すように、後端側から雌螺子部材6に内挿され、移動体8の雄螺子突起8bが雌螺子部材6の雌螺子突起6aに螺合して、移動体8の芯チャック8aの基部8cの後端面が、雌螺子部材6の先端面に突き当たる移動体8の後退限まで螺子込まれる。
【0028】
この移動体8及び雌螺子部材6は、スリーブ5の後端から内挿され、移動体8は、芯チャック8aがスリーブ5の進退孔5eに進入し、スリーブ5に対して軸線周りに同期回転可能且つ軸線方向に移動可能とされる。
【0029】
また、雌螺子部材6は、その係合凸部6fが、スリーブ5の係合凹部5gに軸線方向に係合することにより、スリーブ5に対して軸線方向に移動不能且つ軸線周りに回転可能に装着される。そして、棒状化粧料Mがスリーブ5の開口5hから挿入され、移動体8の芯チャック8aの基部8cに突き当てられ、把持片8d,8d同士の間に後端部が嵌め込まれて把持されることにより、
図6~
図8に示す棒状化粧料カートリッジ2が得られる。
【0030】
図16~
図21に示すように、ジョイント部材3は、先端側の先端側ジョイント部材3aと、後端側の後端側ジョイント部材3bと、先端側ジョイント部材3aと後端側の後端側ジョイント部材3bとを接続する接続部3cと、を備えている。
【0031】
先端側ジョイント部材3aは、先端側に位置する筒部3dの筒孔の後端が、板状の第一板状部3eにより閉じられている。筒部3dの第一板状部3eより前側には、軸線を挟む180°対称位置に、片持ちバネ状の弾性部3fが形成されている。弾性部3fは、周壁に穿設され内外を連通するコの字状割溝3gにより形成され、成形材である合成樹脂等の可撓性に従って板バネの役割を果たし、先端側ジョイント部材3aの径方向に弾性変形可能とされている。この弾性部3fの表面には、容器本体1の係合溝1eに回転方向に係合する係合凸部3hが一対対向して形成されている。また、この一対の弾性部3fを含む周方向の四等配の位置の裏面には、軸線方向に延び、雌螺子部材6のリブ6cに回転方向に係合する突条3iが形成されている。また、先端側ジョイント部材3aの弾性部3fより先端側の内面には、スリーブ5の円環状の凹部5fに軸線方向に着脱可能に係合する(強く引くと係合が解除される)ダボ3jが四等配の位置に設けられている。
【0032】
後端側ジョイント部材3bは、後端側に位置する筒部3kの筒孔の先端が、板状の第二板状部3mにより閉じられている。筒部3kの第二板状部3mより後側には、軸線を挟む180°対称位置に、容器本体1の係合溝1bの円形部1cに回転方向に係合すると共に軸線方向に係合するダボ3nが形成されている。筒部3kのダボ3nより後側の外周面には、容器本体1に突き当てるための鍔部3oが形成され、鍔部3oより後側の外周面には、リアキャップ10(
図1及び
図2参照)を着脱可能に装着するためのダボ3pが周方向に沿って複数離間配置されている。
【0033】
接続部3cは、第一板状部3eの軸心と第二板状部3mの軸心とを接続している。第一板状部3eの接続部3c周りには、
図18、
図21及び
図22に示すように、始端及び終端を有して軸線方向に貫通し弾性を持たせるための第一スリット3qが設けられている。この第一スリット3qが第一板状部3eに設けられることにより、第一板バネ部3rが構成されている。第一スリット3qは、特に
図22に示すように、2つのC字状のスリットが同心上にありC字状のスリットが互いに反対方向を向いているものである。
【0034】
第二板状部3mの接続部3c周りには、
図19に示すように、始端及び終端を有して軸線方向に貫通し弾性を持たせるための第二スリット3sが設けられている。この第二スリット3sが第二板状部3mに設けられることにより、第二板バネ部3tが構成されている。第二スリット3sは、第一スリット3qを軸線同一方向視において180°回転したものである。
【0035】
このジョイント部材3は、
図1及び
図2を参照すれば、先端側ジョイント部材3aから容器本体1の後端の開口へ挿入され、後端側ジョイント部材3bの鍔部3oを容器本体1の後端面に突き当てることにより、後端側ジョイント部材3bのダボ3nが容器本体1の係合溝1bの円形部1cに狭通路1dを介して進入することにより、容器本体1に回転方向に係合すると共に軸線方向に係合し同期回転可能に装着される。
【0036】
先端側ジョイント部材3aの弾性部3fは弾性により内側へ撓みながら、弾性部3fの表面の係合凸部3hが容器本体1の係合溝1eに進入し、弾性部3fが弾性復帰して係合凸部3hが係合溝1eに回転方向に係合し、容器本体1と同期回転可能とされる。
【0037】
このとき、容器本体1の内面である係合溝1eの先端面と、先端側ジョイント部材3aの外面である係合凸部3hの先端面との間には、先端側ジョイント部材3aの軸線方向の移動を許容する隙間S1が形成される。
【0038】
また、容器本体1の先端部の段差部1fの軸線方向の内面とジョイント部材3の先端側ジョイント部材3aの先端面との間にも、隙間S1と同様に、先端側ジョイント部材3aの軸線方向の移動を許容する隙間S2が形成される。
【0039】
そして、後端側ジョイント部材3bの筒部3kの筒孔には、塗布具ホルダ11が挿入されて固定され、塗布具ホルダ11には、塗布具4が装着されている。この状態で、リアキャップ10の内周面に形成された環状凹部10aが、後端側ジョイント部材3bのダボ3pに軸線方向に係合することにより、リアキャップ10が塗布具4を覆うように着脱可能に装着されている。
【0040】
この状態で、
図6~
図8に示す棒状化粧料カートリッジ2は、
図1及び
図2を参照すれば、後端側から容器本体1の先端の開口へ挿入されて先端側ジョイント部材3aに内挿され、スリーブ5の大径部5aと小径部5bとの間の段差面が、容器本体1の先端面に突き当てられ、スリーブ5の円環状の凹部5fが、先端側ジョイント部材3aのダボ3jに軸線方向に係合することにより、スリーブ5は先端側ジョイント部材3aに相対回転可能且つ着脱可能に装着されている。
【0041】
この状態で、雌螺子部材6のリブ6cに、先端側ジョイント部材3aの弾性部3fを含む周方向の四等配の位置の裏面の突条3i(
図20参照)が回転方向に係合することにより、雌螺子部材6は、先端側ジョイント部材3aに同期回転可能とされている。なお、雌螺子部材6の後端面に周方向に沿って後方へ突出する複数の凸部を設け、この凸部に回転方向に係合する凹部を先端側ジョイント部材3aに周方向に沿って複数設けることにより、雌螺子部材6と先端側ジョイント部材3aとを同期回転可能としても良い。
【0042】
そして、フロントキャップ9の内周面に形成された環状凹部9aが、容器本体1のダボ1aに軸線方向に係合することにより、フロントキャップ9が棒状化粧料カートリッジ2の先端部を覆うように着脱可能に装着されている。
【0043】
このような棒状化粧料繰出容器100によれば、スリーブ5の大径部5aを持ってスリーブ5と容器本体1とが相対回転されると、スリーブ5と移動体8とが同期回転可能な一方で、容器本体1とジョイント部材3の後端側ジョイント部材3bとが同期回転可能、ジョイント部材3の先端側ジョイント部材3aと雌螺子部材6とが同期回転可能で、雌螺子部材6の雌螺子突起6aと移動体8の雄螺子突起8bとが螺合しているため、移動体8が軸線方向に移動し、棒状化粧料Mが繰り出し/繰り戻しされて使用/収容可能とされる。
【0044】
ここで、特に本実施形態においては、先端側ジョイント部材3aの後端の第一板状部3eの軸心と後端側ジョイント部材3bの先端の第二板状部3mの軸心とは、軸状の接続部3cにより接続され、第一板状部3e、第二板状部3mの接続部3c周りに、始端及び終端を有して軸線方向に貫通し弾性を持たせるための第一スリット3q、第二スリット3sがそれぞれ設けられることにより、第一板バネ部3r、第二板バネ部3tがそれぞれ構成されている。このため、棒状化粧料繰出容器100を例えば落下させて棒状化粧料Mを前進させようとする衝撃が作用すると、移動体8は、雌螺子部材6、スリーブ5を介して、先端側ジョイント部材3aに軸線方向に係合していると共に、容器本体1の内面とジョイント部材3の第一板バネ部3rより先端側の外面との間に、第一板バネ部3r及び第二板バネ部3tによる先端側ジョイント部材3aの移動を許容する隙間S1,S2が設けられている結果、第一板バネ部3r及び第二板バネ部3tは、軸線方向に伸縮して衝撃を吸収し、棒状化粧料Mを衝撃から保護できると共に、平面的な板バネ部3r,3tのため、コンパクト化が図られる。特に、2つの板バネ部3r,3tを用いているため、棒状化粧料Mをより好適に保護できる。
【0045】
また、本実施形態によれば、容器本体1と先端側ジョイント部材3aとは、後端側ジョイント部材3bと同様に同期回転可能に係合しているため、先端側ジョイント部材3aと後端側ジョイント部材3bとの回転方向の捩れが確実に防止されている。
【0046】
また、本実施形態によれば、
図1及び
図2に示すように、棒状化粧料カートリッジ2が容器本体1に装着されている通常の状態にあっては、後端側ジョイント部材3bを持って容器本体1からジョイント部材3を軸線方向後方へ引き抜き離脱させようとしても、先端側ジョイント部材3aの弾性部3fの裏面の突条3iの内面が、雌螺子部材6の後端部の外周面に対面していて、弾性部3fが内側へ撓むことができないため、先端側ジョイント部材3aの弾性部3fの表面の係合凸部3hと容器本体1の係合溝1eとの軸線方向の係合を解除することができず、ジョイント部材3を軸線方向後方へ引き抜き容器本体1から離脱させることはできない。ここで、棒状化粧料カートリッジ2のスリーブ5の大径部5aを持って容器本体1から棒状化粧料カートリッジ2を前方へ強い力で引き抜くと、スリーブ5の円環状の凹部5fとジョイント部材3の先端側ジョイント部材3aのダボ3jとの軸線方向の係合を解除することができ、棒状化粧料カートリッジ2を容器本体1から取り出すことができる。この状態で、後端側ジョイント部材3bを持って容器本体1からジョイント部材3を軸線方向後方へ引き抜き離脱させようとすると、先端側ジョイント部材3aの弾性部3fが内側に撓み、弾性部3fの表面の係合凸部3hと容器本体1の係合溝1eとの軸線方向の係合を解除できると共に、後端側ジョイント部材3bのダボ3nの容器本体1の円形部1cに対する軸線方向の係合を、狭通路1dを通して解除でき、ジョイント部材3を軸線方向後方へ引き抜き容器本体1から離脱させることができる。すなわち、棒状化粧料繰出容器100を、容器本体1、棒状化粧料カートリッジ2、ジョイント部材3に分解することができる。
【0047】
なお、本実施形態においては、特に好ましいとして、ジョイント部材3の第一板状部3e、第二板状部3mの両方の接続部3c周りに、始端及び終端を有して軸線方向に貫通し弾性を持たせるための第一スリット3q、第二スリット3sをそれぞれ設けることにより、第一板バネ部3r、第二板バネ部3tをそれぞれ構成するようにしているが、第一板状部3e又は第二板状部3mの何れか一方の接続部3c周りに、始端及び終端を有して軸線方向に貫通し弾性を持たせるためのスリット3q又はスリット3sを設けることにより、板バネ部3r又は板バネ部3tを構成し、棒状化粧料Mを衝撃から保護すると共に、コンパクト化を図るようにしても良い。
【0048】
【0049】
図23に示す板バネ部12は、接続部(軸心)周りに、始端及び終端を有して軸線方向に貫通する渦巻状のスリット15を備えている。
【0050】
図24に示す板バネ部13は、接続部(軸心)周りに、始端及び終端を有して軸線方向に貫通する略C字状のスリット16を備えている。
【0051】
図25に示す板バネ部14は、接続部(軸心)周りに、始端及び終端を有して軸線方向に貫通する雷文状(角形の渦巻文状)のスリット17を備えている。
【0052】
これら
図23~
図25に示す板バネ部12~14を用いても、
図18、
図19、
図22で説明した板バネ部3r,3tとほぼ同様な作用・効果を奏するのはいうまでもない。
【0053】
【0054】
図26に示すように、棒状化粧料繰出容器200は、後側に容器本体21を、前側に先筒22を外観形状として備えている。容器本体21及び先筒22内には、棒状化粧料Mを把持して軸線方向に移動可能な移動体23を収容すると共に、容器本体21内に移動体23を軸線方向に移動させるための雌螺子部材24を収容している。
【0055】
容器本体21は、
図27及び
図28に示すように、円筒状に構成され、先端部21aが、これより後方の本体部21bより縮径された形状を呈している。先端部21aの外周面には、キャップ25(
図26参照)を着脱可能に装着するためのダボ21cが周方向に沿って複数離間配置されている。容器本体21の先端部21aと本体部21bとの境界部の内周面には、先筒22を装着するための凸部21dが円環状に形成されている。容器本体21の後端部の内周面には、雌螺子部材24を軸線方向に移動不能且つ同期回転可能に嵌合する嵌合部21eが形成されている。
【0056】
先筒22は、
図29及び
図30に示すように、略円筒状に構成され、軸線方向中程の段差面22aを介して前側の前半部が多少大径とされた大径部22bとされ、後半部が容器本体21及び雌螺子部材24内に挿入される挿入部22cとされる。
【0057】
先筒22の大径部22bは先細とされ、先筒22の筒孔は、先端の開口22dから後方へ向かって延び棒状化粧料Mの摺動を可能とする断面円形形状の棒状化粧料孔22eとされる。この棒状化粧料孔22eの周囲の四等配の位置には、開口22dから後方へ所定長離れた位置から先筒22の後端まで、移動体23の後述する把持片23e(
図33~
図35参照)を収容し摺動を可能とする把持片溝22fが連設されている。これらの棒状化粧料孔22e及び当該棒状化粧料孔22eの周囲の把持片溝22fにより、棒状化粧料M及び把持片23eが摺動する進退孔22gが構成されている。
【0058】
先筒22の挿入部22cの外周面の段差面22a寄りの位置には、Oリング26を装着するためのOリング溝22hが形成され、Oリング溝22hより後側には、容器本体21の円環状の凸部21dに軸線方向に係合する凹部22iが円環状に形成されている。
【0059】
雌螺子部材24は、
図31及び
図32に示すように、有底略円筒状に構成され、後半部の内周面が縮径されると共に、この縮径部分に、移動体23の雄螺子突起23h(詳しくは後述)に螺合するための雌螺子突起24aが軸線方向に延びるように螺旋状に設けられている。雌螺子部材24の有底部24bは容器本体21の筒孔の後端を閉じる蓋とされ、有底部24bの前側に連設される後端部は、容器本体21の嵌合部21eに嵌合する嵌合部24cとされている。
【0060】
移動体23は、
図33~
図36に示すように、棒状化粧料Mの後端部を支持するための芯チャック23aと、芯チャック23aの軸線方向後方に位置し軸線方向に延在する雄螺子部23bと、芯チャック23aと雄螺子部23bとを接続する接続部23cと、を備えている。
【0061】
芯チャック23aは、その外形が棒状化粧料Mの外形に略一致し棒状化粧料Mの後端面を突き当てるための基部23dと、この基部23dにおける外周面の四等配の位置に先端側に向かって突出するように設けられ、基部23dに突き当てられた棒状化粧料Mの後端部を相互間に挟んで把持する把持片23eと、を備える。
【0062】
雄螺子部23bは、略円筒状の筒部23fを備え(
図26参照)、筒部23fの筒孔の先端が、閉じられるよう板状の板状部23gが設けられている。筒部23fの後端部には、雌螺子突起24aに螺合する雄螺子突起23hが、円弧面上で不連続に複数個(ここでは、一対が対向して位置し、対向するさらに一対が90°回転方向にずれると共に前後方向にずれて位置して全部で4個)が突設されている。
【0063】
接続部23cは、芯チャック23aの基部23dの後端面の軸心と雄螺子部23bの板状部23gの軸心とを接続している。
図33及び
図36に示すように、板状部23gの接続部23c周りには、始端及び終端を有して軸線方向に貫通し弾性を持たせるためのスリット23iが設けられている。このスリット23iが板状部23gに設けられることにより、板バネ部23jが構成されている。スリット23iは、略C字状のスリットの内側又は外側に、回転方向にずれるように小又は大の略C字状のスリットを有するものである。
【0064】
このように構成された移動体23は、
図26を参照すれば、後端側から雌螺子部材24に内挿され、移動体23の雄螺子突起23hが雌螺子部材24の雌螺子突起24aに螺合して、移動体23の雄螺子部23bの後端面が、雌螺子部材24の有底部24bに突き当たる後退限まで螺子込まれる。
【0065】
移動体23が装着された雌螺子部材24は、先端側から容器本体21に内挿され、雌螺子部材24の嵌合部24cが、容器本体21の嵌合部21eに嵌合することにより、容器本体21の後端が雌螺子部材24の有底部24bにより蓋された状態で、雌螺子部材24は容器本体21に軸線方向に移動不能且つ同期回転可能に装着される。
【0066】
先筒22は、その挿入部22cが、後端側から容器本体21に内挿され、先筒22の把持片溝22fに移動体23の芯チャック23aの把持片23eが進入するようにして先筒22が押し込まれ、先筒22の段差面22aが容器本体21の先端面に突き当てられ、先筒22の凹部22iが容器本体21の凸部21dに軸線方向に係合することにより、先筒22は容器本体21に軸線方向に移動不能且つ相対回転可能に装着される。
【0067】
そして、キャップ25の内周面に形成された環状凹部25aが、容器本体21のダボ21cに軸線方向に係合することにより、キャップ25が先筒22の先端部を覆うように着脱可能に装着される。
【0068】
このような棒状化粧料繰出容器200によれば、先筒22の大径部22bを持って先筒22と容器本体21とが相対回転されると、先筒22と芯チャック23a(移動体23)とが同期回転可能な一方で、容器本体21と雌螺子部材24とが同期回転可能で、雌螺子部材24の雌螺子突起24aと雄螺子部23bの雄螺子突起23hとが螺合しているため、移動体23が軸線方向に移動し、棒状化粧料Mが先筒22の開口22dから出没されて使用/収容可能とされる。
【0069】
ここで、特に本実施形態においては、芯チャック23aの基部23dの後端面の軸心と雄螺子部23bの先端の板状部23gの軸心とは接続部23cにより接続され、板状部23gの接続部23c周りに、始端及び終端を有して軸線方向に貫通し弾性を持たせるためのスリット23iが設けられることにより、板バネ部23jが構成されている。このため、棒状化粧料繰出容器200を例えば落下させて棒状化粧料Mを前進させようとする衝撃が作用すると、芯チャック23aの前進に伴い板バネ部23jが伸長し、軸線方向に伸縮して衝撃を吸収し、棒状化粧料Mを衝撃から保護できると共に、平面的な板バネ部23jのため、コンパクト化が図られる。
【0070】
以上、本発明をその実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、例えば、
図22~
図25で説明した板バネ部を第2実施形態で用いても良く、第2実施形態で用いた板バネ部を第1実施形態で用いても良い。また、板バネ部は、これらに限定されるものではなく、板状部の接続部周りに、始端及び終端を有して軸線方向に貫通し弾性を持たせるためのスリットが設けられていれば良い。または、コイルバネに使用される丸棒状の材料を渦巻きバネのような形状にして用いても良い。
【0071】
また、棒状化粧料Mは、扁平形状や丸棒状に限定されず、断面雫状や角棒状等であっても良い。また、容器も角形状等であっても良く、形状は限定されない。
【0072】
また、雌螺子突起、雄螺子突起は、連続していても、不連続であっても良い。
【符号の説明】
【0073】
1,21…容器本体、2…棒状化粧料カートリッジ、3…ジョイント部材、3a…先端側ジョイント部材、3b…後端側ジョイント部材、3c,23c…接続部、3e…第一板状部、3m…第二板状部、3q…第一スリット、3r…第一板バネ部、3s…第二スリット、3t…第二板バネ部、5…スリーブ、6,24…雌螺子部材、6a,24a…雌螺子突起、8b,23h…雄螺子突起、8,23…移動体、12,13,14…板バネ部、15,16,17…スリット、22…先筒、22d…開口、23a…芯チャック、23b…雄螺子部、23g…板状部、23i…スリット、23j…板バネ部、100,200…棒状化粧料繰出容器、M…棒状化粧料、S1,S2…隙間。