(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023137834
(43)【公開日】2023-09-29
(54)【発明の名称】通信制御装置および通信制御方法
(51)【国際特許分類】
G01C 21/26 20060101AFI20230922BHJP
H04W 4/02 20180101ALI20230922BHJP
H04W 4/48 20180101ALI20230922BHJP
H04M 1/00 20060101ALI20230922BHJP
【FI】
G01C21/26 A
H04W4/02
H04W4/48
H04M1/00 Q
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022044227
(22)【出願日】2022-03-18
(71)【出願人】
【識別番号】308036402
【氏名又は名称】株式会社JVCケンウッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】箱石 和也
【テーマコード(参考)】
2F129
5K067
5K127
【Fターム(参考)】
2F129AA03
2F129BB03
2F129BB26
2F129FF02
2F129FF12
2F129FF15
2F129FF19
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2F129FF42
2F129FF43
2F129FF52
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2F129HH20
2F129HH21
2F129HH35
5K067AA21
5K067EE02
5K067FF03
5K067FF05
5K127AA36
5K127BA03
5K127BA10
5K127DA13
5K127GA12
5K127GB35
5K127JA14
5K127JA24
(57)【要約】
【課題】特定の車内に設置して使用すべき車載機器の通信機能を適切に制御すること。
【解決手段】制御部20は、車載機器10の現在位置の周辺の道路交通情報を取得する道路交通情報取得部22と、道路交通情報取得部22によって取得された道路交通情報に基づいて、車載機器10の現在位置が交通障害区域であるか否かを判定する判定部24と、判定部24の判定結果から、車載機器10の現在位置が交通障害区域であると判定される場合、車載機器10が移動しない状態における広域の無線通信による外部の機器との通信または近距離無線通信による携帯情報端末との通信の使用可能時間を交通障害区域でないと判定される場合より延長する通信制御部28とを備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信制御装置の現在位置の周辺の道路交通情報を取得する道路交通情報取得部と、
前記道路交通情報取得部によって取得された前記道路交通情報に基づいて、前記通信制御装置の現在位置が交通障害区域であるか否かを判定する判定部と、
前記判定部の判定結果から、前記通信制御装置の現在位置が交通障害区域であると判定される場合、前記通信制御装置が移動しない状態における広域の無線通信による外部の機器との通信または近距離無線通信による携帯情報端末との通信の使用可能時間を前記通信制御装置の現在位置が交通障害区域でないと判定される場合より延長する通信制御部と、
を備える、通信制御装置。
【請求項2】
前記通信制御装置の加速度を示す加速度情報を取得する加速度情報取得部、
を備え、
前記判定部は、前記加速度情報取得部によって取得された前記加速度情報に基づいて、前記通信制御装置が移動状態であるか否かを判定し、
前記通信制御部は、前記通信制御装置が移動状態でなく、前記通信制御装置の現在位置が交通障害区域であると判定される場合、広域の無線通信による前記外部の機器との通信または近距離無線通信による前記携帯情報端末との通信の使用可能時間を第一時間にし、前記通信制御装置の現在位置が交通障害区域であると判定される場合、広域の無線通信による前記外部の機器との通信または近距離無線通信による前記携帯情報端末との通信の使用可能時間を前記通信制御装置の現在位置が交通障害区域でないと判定される場合より延長する、
請求項1に記載の通信制御装置。
【請求項3】
前記通信制御装置の現在位置を示す位置情報と所定の駐車区域の位置情報とを取得する位置情報報取得部、
を備え、
前記判定部は、前記位置情報報取得部によって取得された前記位置情報に基づいて、前記通信制御装置の現在位置が所定の駐車区域の位置と同じであるか否かを判定し、
前記通信制御部は、前記通信制御装置の現在位置が交通障害区域であり、所定の駐車区域の位置と同じであると判定される場合、広域の無線通信による外部の機器との通信または近距離無線通信による携帯情報端末との通信の使用可能時間を前記通信制御装置の現在位置が交通障害区域でないと判定される場合より延長しない、
請求項2に記載の通信制御装置。
【請求項4】
前記通信制御部は、前記通信制御装置の前回終了時から現在までの期間に所定の移動状態があると判定される場合、広域の無線通信による外部の機器との通信または近距離無線通信による携帯情報端末との通信を不可にする、
請求項2または3に記載の通信制御装置。
【請求項5】
通信制御装置の現在位置の周辺の道路交通情報を取得する道路交通情報取得ステップと、
前記道路交通情報取得ステップによって取得された前記道路交通情報に基づいて、前記通信制御装置の現在位置が交通障害区域であるか否かを判定する判定ステップと、
前記判定ステップの判定結果から、前記通信制御装置の現在位置が交通障害区域であると判定される場合、広域の無線通信による外部の機器との通信または近距離無線通信による携帯情報端末との通信の使用可能時間を第一時間にし、前記通信制御装置の現在位置が交通障害区域であると判定される場合、前記通信制御装置が移動しない状態における広域の無線通信による前記外部の機器との通信または近距離無線通信による前記携帯情報端末との通信の使用可能時間を前記通信制御装置の現在位置が交通障害区域でないと判定される場合より延長する通信制御ステップと、
を含む、通信制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信制御装置および通信制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
移動体に配置可能な無線通信装置において、ユーザにより移動体外に持ち出されて使用されているか否かを監視制御する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
車内だけで使用される車載用の無線通信装置において、車両の停車中は、無線通信の使用可能時間に制限が設けられることがある。例えば、車両が停車した状態で所定時間を経過すると、無線通信の接続が停止される。しかしながら、渋滞、事故、災害、悪天候、車両故障、交通規制などの交通障害の発生より、長時間にわたって停車することを余儀なくされることがある。このような場合は、正規の利用であるにも関わらず、無線通信の利用が制限される。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、特定の車内に設置して使用すべき車載機器の通信機能を適切に制御することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る通信制御装置は、通信制御装置の現在位置の周辺の道路交通情報を取得する道路交通情報取得部と、前記道路交通情報取得部によって取得された前記道路交通情報に基づいて、前記通信制御装置の現在位置が交通障害区域であるか否かを判定する判定部と、前記判定部の判定結果から、前記通信制御装置の現在位置が交通障害区域であると判定される場合、前記通信制御装置が移動しない状態における広域の無線通信による外部の機器との通信または近距離無線通信による携帯情報端末との通信の使用可能時間を前記通信制御装置の現在位置が交通障害区域でないと判定される場合より延長する通信制御部とを備える。
【0007】
本発明に係る通信制御方法は、通信制御装置の現在位置の周辺の道路交通情報を取得する道路交通情報取得ステップと、前記道路交通情報取得ステップによって取得された前記道路交通情報に基づいて、前記通信制御装置の現在位置が交通障害区域であるか否かを判定する判定ステップと、前記判定ステップの判定結果から、前記通信制御装置の現在位置が交通障害区域であると判定される場合、広域の無線通信による外部の機器との通信または近距離無線通信による携帯情報端末との通信の使用可能時間を第一時間にし、前記通信制御装置の現在位置が交通障害区域であると判定される場合、前記通信制御装置が移動しない状態における広域の無線通信による前記外部の機器との通信または近距離無線通信による前記携帯情報端末との通信の使用可能時間を前記通信制御装置の現在位置が交通障害区域でないと判定される場合より延長する通信制御ステップと、を含む。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、車載機器の通信機能を適切に制御することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、第一実施形態に係る通信制御装置を有する車載機器の構成例を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、第一実施形態に係る通信制御装置における処理の流れを示すフローチャートである。
【
図3】
図3は、第二実施形態に係る通信制御装置を有する車載機器の構成例を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、第二実施形態に係る通信制御装置における処理の流れを示すフローチャートである。
【
図5】
図5は、第三実施形態に係る通信制御装置を有する車載機器の構成例を示すブロック図である。
【
図6】
図6は、第三実施形態に係る通信制御装置における処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る通信制御装置および通信制御方法の実施形態を詳細に説明する。なお、以下の実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0011】
[第一実施形態]
<車載機器>
図1は、第一実施形態に係る制御部20を有する車載機器10の構成例を示すブロック図である。車載機器10は、インターネットまたは携帯電話回線などの通信網を用いた通信機能を有する機器である。車載機器10は、例えば、可搬型で車両に持ち込んで使用されるドライブレコーダー、ナビゲーション装置または車両用無線通信装置等である。車載機器10は、例えば、車両にあらかじめ設置されているドライブレコーダー、ナビゲーション装置と、可搬型の通信装置として実装されていてもよい。車載機器10は、例えば、ドライブレコーダーおよびナビゲーションなどの機能を有していない、車両にあらかじめ設置されている通信装置として実装されていてもよい。本実施形態では、車載機器10は、可搬型で車両に持ち込んで使用されるドライブレコーダーとして説明する。
【0012】
車載機器10は、車両に搭載されており、交通障害区域外で車両が停止している状態における広域の無線通信による外部の機器との通信または近距離無線通信による携帯情報端末との通信の使用可能時間を第一時間T1にし、車両に搭載されており、交通障害区域で車両が停止している状態における広域の無線通信による外部の機器との通信または近距離無線通信による携帯情報端末との使用可能時間を第一時間T1より延長された第二時間T2(T1<T2)にする。車載機器10は、車両に搭載されていない場合、広域の無線通信による外部の機器との通信または近距離無線通信による携帯情報端末との通信を不可にする。
【0013】
車載機器10は、GPS(Global Positioning System)受信機11と、加速度センサ12と、記憶部13と、近距離通信部181と広域通信部182とを含む通信部18と、制御部(通信制御装置)20とを有する。また、車載機器10は、GPS受信機11と、加速度センサ12とを動作させるためのバッテリー電源を内蔵してもよい。
【0014】
第一時間T1は、例えば、30分間である。第二時間T2は、第一時間T1より延長された時間である。第二時間T2は、例えば、1時間である。
【0015】
本実施形態では、車載機器10は、車両に搭載されており、交通障害区域外で車両が停止している状態の場合、近距離通信部181によって接続された携帯情報端末の広域通信部182を介した通信の使用可能時間を第一時間T1とし、車両に搭載されており、交通障害区域で車両が停止している場合、通信の使用可能時間を第二時間T2にする。
【0016】
携帯情報端末は、搭乗者が使用する、例えば、スマートフォン、タブレット、ノート型パーソナルコンピュータ、携帯用ゲーム機などの通信機能を有する情報端末である。
【0017】
GPS受信機11は、車載機器10の現在位置を検出する。GPS受信機11は、ナビと共用するものでもよい。GPS受信機11は、取得した現在位置情報を制御部20の位置情報取得部21へ出力する。
【0018】
加速度センサ12は、車載機器10に対して生じる加速度を検出するセンサである。加速度センサ12は、検出結果を制御部20の加速度取得部23に出力する。加速度センサ12は、例えば3軸方向の加速度を検出するセンサである。3軸方向とは、車載機器10の前後方向、左右方向、および上下方向である。
【0019】
記憶部13は、例えば、所定時間間隔(任意に設定可能)で、取得された車載機器10の位置情報や判定部24によって判定された判定結果、車載機器10の動作履歴などを記憶する記憶装置である。記憶部13は、例えば、所定の駐車区域(店舗や自宅、勤務先、無人時間貸し駐車などの駐車場)の位置情報を記憶してもよい。記憶部13は、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリなどの半導体メモリ素子、または、メモリカードなどの記録部である。または、図示しない通信装置を介して無線接続される外部記録部であってもよい。
【0020】
通信部18は、近距離無線通信または広域無線通信を行う。本実施形態では、通信部18は、近距離通信部181と広域通信部182とを含む。
【0021】
近距離通信部181は、近距離無線通信を行う通信ユニットである。近距離通信部181は、図示しない携帯情報端末との間で情報の通信を行う。近距離通信部181は、例えば、WiFi(登録商標)などの通信モジュールで構成され、携帯情報端末に対して、近距離通信部181を介して広域の無線通信を提供する。言い換えると、近距離通信部181と広域通信部182とは、携帯情報端末に対して、無線LAN(Local Area Network)ルータとして機能する。近距離通信部181は、携帯情報端末の通信部とは予めペアリング等を行い互いに通信可能な状態で使用する。
【0022】
広域通信部182は、広域の無線通信を行う通信ユニットである。広域通信部182は、インターネットまたは携帯電話回線などいずれの方法で通信を行ってもよい。広域通信部182は、制御部20の広域通信制御部282によって通信を制御される。広域通信部182は、近距離通信部181を介して車載機器10と接続された携帯情報端末に対して、広域の無線通信を提供する。
【0023】
<通信制御装置>
制御部20は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などで構成された演算処理装置(制御装置)である。制御部20は、記憶されているプログラムをメモリにロードして、プログラムに含まれる命令を実行する。制御部20には図示しない内部メモリが含まれ、内部メモリは制御部20におけるデータの一時記憶などに用いられる。このため、制御部20は、車載機器10による通信制御方法を実行させる。また、制御部20は、本発明にかかるプログラムを動作させるコンピュータである。
【0024】
制御部20は、車両に搭載されており、交通障害区域外で車両が停止している状態の場合、広域の無線通信による外部の機器との通信または近距離無線通信による携帯情報端末との通信の使用可能時間を第一時間T1にし、車両に搭載されており、交通障害区域で車両が停止している状態の場合、広域の無線通信による外部の機器との通信または近距離無線通信による携帯情報端末との通信の使用可能時間を第一時間T1より延長された第二時間T2にする。本実施形態では、制御部20は、車載機器10が車両に搭載されており、交通障害区域外で車両が停止している状態の場合、近距離通信部181によって接続された携帯情報端末の広域通信部182を介した通信の使用可能時間を第一時間T1にし、車載機器10が車両に搭載されており、交通障害区域で車両が停止している状態の場合、通信の使用可能時間を第二時間T2にする。
【0025】
制御部20は、位置情報取得部21と、道路交通情報取得部22と、加速度取得部23と、判定部24と、近距離通信制御部281と広域通信制御部282とを含む通信制御部28とを有する。
【0026】
位置情報取得部21は、GPS受信機11が受信した電波に基づいて、車載機器10の現在位置の位置情報を公知の方法によって算出する。位置情報取得部21は、車載機器10の現在位置を示す位置情報と所定の駐車区域の位置情報とを取得する。
【0027】
道路交通情報取得部22は、交通障害区域であるか否かを判定可能な情報を取得する。道路交通情報取得部22は、例えば、渋滞情報、規制情報、事故情報、故障車両情報、天候情報、災害情報および工事情報の少なくともいずれかを含む道路交通情報を取得する。道路交通情報取得部22は、長時間にわたって停車することを余儀なくされる原因となり得る道路交通情報を取得する。道路交通情報取得部22は、例えば、ナビゲーションシステムから道路交通情報を取得する。道路交通情報取得部22は、例えば、通信部18を介して、外部の装置から道路交通情報を取得する。
【0028】
加速度取得部23は、加速度センサ12の検出結果から、車載機器10に加わる加速度を示す加速度情報を取得する。
【0029】
判定部24は、車載機器10が交通障害区域に存在するか否かを判定する。より詳しくは、判定部24は、位置情報取得部21によって取得された位置情報と、道路交通情報取得部22によって取得された道路交通情報とに基づいて、車載機器10の現在位置が交通障害区域に位置するか否かを判定する。判定部24は、車載機器10の現在位置に対応する、渋滞情報、規制情報、事故情報、故障車両情報、天候情報、災害情報および工事情報の少なくともいずれかが取得された場合、交通障害区域に位置すると判定する。
【0030】
判定部24は、車載機器10の現在の移動状態を判定する。より詳しくは、判定部24は、加速度取得部23によって取得された加速度情報から、移動状態であるか否かを判定する。例えば、車載機器10の加速度パターンが走行中の車両の加速度パターンと類似する場合、車載機器10は車両の走行による移動状態(車載機器10は走行中の車両に搭載されている状態)であると判定される。例えば、車載機器10の加速度パターンが歩行の加速度パターンと類似する場合、車載機器10は歩行による移動状態(車載機器10は歩行で持ち運ばれている状態)であると判定される。例えば、車載機器10の加速度パターンが停止状態の加速度パターンと類似する場合、車載機器10は移動状態でない(停止状態)と判定される。加速度パターンは、例えば、加速時・減速時・定常時における速度の大きさや変化の状態、振動の大きさや変化の状態などによって示されてもよい。記憶された走行中の車両や歩行などの移動状態の特徴を示す標準的な加速度パターンと加速度取得部23によって取得された加速度情報に基づく加速度パターンとを比較して、類似するか否かを判定してもよい。
【0031】
判定部24は、現在より前の所定期間における車載機器10の所定の移動状態の有無を判定してもよい。例えば、車載機器10の前回終了時から現在までの期間において、記憶部13に記憶された加速度情報と、加速度取得部23によって取得された加速度情報とに基づいて、車載機器10に車両の走行とは異なる移動状態(歩行による移動状態など)があると判定される場合、車載機器10が車両から持ち出されたと判定される。例えば、車載機器10を車外に持ち出す際は、ユーザが車載機器10の動作を一旦終了させて、車載機器10を車両から取り外して、歩行により車載機器10を持ち運ぶので、車載機器10の前回終了時から現在までの期間において、歩行による移動状態の有無を判定してもよい。
【0032】
判定部24は、車載機器10の現在位置と所定の駐車区域の位置とが同じであるか否かを判定する。より詳しくは、判定部24は、記憶部13に記憶された位置情報と、位置情報取得部21によって取得された位置情報とに基づいて、車載機器10の現在位置と所定の駐車区域の位置とが同じであるか否かを判定する。例えば、車載機器10が所定の駐車区域である自宅の駐車場に位置する場合、車載機器10の現在位置と所定の駐車区域の位置とが同じであると判定される。例えば、車載機器10が所定の駐車区域ではない道路に位置する場合、車載機器10の現在位置と所定の駐車区域の位置とが同じでないと判定される。
【0033】
所定の駐車区域は、例えば、道路とは別の位置にある店舗や自宅、勤務先、無人時間貸し駐車(コインパーキング)などの駐車場であり、駐車区域の種別(店舗や無人時間貸し駐車の駐車場など)や個別の駐車区域(自宅や勤務先の駐車場など)を任意に設定してもよい。所定の駐車区域の位置情報は、記憶部13に予め記憶しても、車載機器10の現在位置から周辺の駐車区域を探索して取得してもよい。
【0034】
通信制御部28は、近距離通信部181または広域通信部182を制御する。通信制御部28は、判定部24の判定結果から、車載機器10の現在位置が交通障害区域であると判定される場合、車載機器10が移動しない状態における広域の無線通信による外部の機器との通信または近距離無線通信による携帯情報端末との通信の使用可能時間を車載機器10の現在位置が交通障害区域でないと判定される場合より延長する。より詳しくは、通信制御部28は、判定部24の判定結果から、車載機器10が移動状態でなく、車載機器10が車内で使用され、車載機器10が交通障害区域に存在すると判定される場合、広域の無線通信による外部の機器との通信または近距離無線通信による携帯情報端末との通信の使用可能時間を交通障害区域でないと判定される場合より延長して第二時間T2にする。通信制御部28は、判定部24の判定結果から、車載機器10が移動状態でなく、車載機器10が車内で使用され、交通障害区域以外に存在すると判定される場合、広域の無線通信による外部の機器との通信または近距離無線通信による携帯情報端末との通信の使用可能時間を第一時間T1にする。さらに、通信制御部28は、車載機器10が車両から持ち出されたと判定される場合、広域の無線通信による外部の機器との通信または近距離無線通信による携帯情報端末との通信を不可にする。
【0035】
通信制御部28は、車載機器10の現在位置が交通障害区域であり、所定の駐車区域の位置と同じであると判定される場合、広域の無線通信による外部の機器との通信または近距離無線通信による携帯情報端末との通信の使用可能時間を車載機器10の現在位置が交通障害区域でないと判定される場合より延長しないようにしてもよい。
【0036】
通信制御部28は、近距離通信制御部281と広域通信制御部282とを含む。
【0037】
近距離通信制御部281は、近距離通信部181を制御して、携帯情報端末との間の近距離通信を制御する。より詳しくは、近距離通信制御部281は、近距離通信部181から所定範囲内に位置する携帯情報端末の通信部とペアリング等を行い互いに通信可能な状態にするよう制御する。
【0038】
広域通信制御部282は、判定部24の判定結果に基づいて、広域通信部182を制御して、通信網を介した広域の無線通信を制御する。より詳しくは、広域通信制御部282は、判定部24の判定結果から、車載機器10が移動状態でなく、車載機器10が車内で使用され、車載機器10が交通障害区域に存在すると判定される場合、広域通信部182を介した携帯情報端末と外部の機器との通信の使用可能時間を第二時間T2にする。
【0039】
広域通信制御部282は、車載機器10が移動状態でなく、車載機器10が車内で使用され、交通障害区域以外に存在すると判定される場合、広域の無線通信による外部の機器との通信または近距離無線通信による携帯情報端末との通信の使用可能時間を第一時間T1にする。本実施形態では、広域通信制御部282は、判定部24の判定結果から、車載機器10が移動状態でなく、車載機器10が車内で使用され、交通障害区域以外に存在すると判定される場合、広域の無線通信による外部の機器との通信または近距離無線通信による携帯情報端末との通信の使用可能時間を第一時間T1にする。
【0040】
広域通信制御部282は、車載機器10が車両から持ち出されたと判定される場合、広域の無線通信による外部の機器との通信または近距離無線通信による携帯情報端末との通信を不可にする。本実施形態では、広域通信制御部282は、判定部24の判定結果から、車載機器10が移動状態でなく、車載機器10の前回終了時から現在までの期間において、車載機器10に車両の走行による移動状態とは異なる所定の移動状態(徒歩による移動状態など)があると判定される場合、広域の無線通信による外部の機器との通信または近距離無線通信による携帯情報端末との通信を不可にする。所定の移動状態が、歩行による移動状態である場合、特定の車内に設置して使用すべき車載機器を、車外に持ち出して使用するおそれがあるからである。
【0041】
広域通信制御部282は、判定部24によって車載機器10が走行中の車両で使用されていると判定される場合、無線LANルータとしての無線通信機能の使用可能時間を第一時間T1にするように制御する。広域通信制御部282は、判定部24によって、車載機器10が移動状態でなく、車載機器10が車内で使用され、車載機器10が交通障害区域に位置する判定された場合、無線LANルータとしての無線通信機能の使用可能時間を第二時間T2にするように制御する。広域通信制御部282は、判定部24によって車載機器10が車両から持ち出されていると判定された場合、無線LANルータとしての無線通信機能を使用不可にするように制御する。
【0042】
広域通信制御部282は、判定部24によって車載機器10の現在位置が交通障害区域であり、所定の駐車区域の位置と同じであると判定される場合、広域の無線通信による外部の機器との通信または近距離無線通信による携帯情報端末との通信の使用可能時間を車載機器10の現在位置が交通障害区域でないと判定される場合より延長しないようにしてもよい。
【0043】
<制御部における処理>
次に、
図2を用いて、制御部20における処理の流れについて説明する。
図2は、第一実施形態に係る制御部20における処理の流れを示すフローチャートである。車載機器10が起動されると、
図2に示すフローチャートの処理が開始される。例えば、車載機器10を搭載している車両のエンジンが始動するなど車両が利用可能になった場合や、運転者の操作によって車載機器10の動作が開始されたときなどである。
【0044】
制御部20は、車載機器10の現在の状態が移動状態(車両の走行による移動状態)であるか否かを判定する(ステップS101)。より詳しくは、制御部20は、判定部24によって、加速度取得部23によって取得された加速度情報から、移動状態であるか否かを判定する。制御部20は、移動状態であると判定しない場合(ステップS101でNo)、ステップS102に進む。制御部20は、移動状態であると判定する場合(ステップS101でYes)、ステップS106に進む。
【0045】
例えば、車載機器10が停止中の車両に搭載されている場合、または、車載機器10が車両から持ち出されて自宅などに設置されている場合、ステップS101でNoと判定される。車載機器10が走行中の車両に搭載されて移動状態である場合、ステップS101でYesと判定される。
【0046】
移動状態であると判定しない場合(ステップS101でNo)、制御部20は、車載機器10の前回終了時から現在までの期間において、車載機器10は所定の移動状態があるか否かを判定する(ステップS102)。より詳しくは、制御部20は、判定部24によって、記憶部13に記憶された車載機器10の加速度情報と、加速度取得部23によって取得された加速度情報とに基づいて、車載機器10の前回終了時から現在までの期間において、車載機器10に所定の移動状態(歩行による移動状態など)があるか否かを判定する。制御部20は、車載機器10に所定の移動状態があると判定する場合(ステップS102でYes)、ステップS110に進む。制御部20は、車載機器10に所定の移動状態があると判定しない場合(ステップS102でNo)、ステップS103に進む。
【0047】
例えば、車載機器10が車両から持ち出されている場合、ステップS102でYesと判定される。例えば、車載機器10が車両から持ち出されていない場合、ステップS102でNoと判定される。
【0048】
制御部20は、交通障害区域であるか否かを判定する(ステップS103)。より詳しくは、制御部20は、判定部24によって、位置情報取得部21によって取得された位置情報と、道路交通情報取得部22によって取得された道路交通情報とに基づいて、車載機器10の現在位置が交通障害区域に位置するか否かを判定する。制御部20は、交通障害区域であると判定する場合(ステップS103でYes)、ステップS104に進む。制御部20は、交通障害区域であると判定しない場合(ステップS103でNo)、ステップS106に進む。
【0049】
交通障害区域であると判定する場合(ステップS103でYes)、制御部20は、車載機器10の現在位置が所定の駐車区域の位置と同じであるか否かを判定する(ステップS104)。より詳しくは、制御部20は、判定部24によって、記憶部13に記憶された位置情報と、位置情報取得部21によって取得された位置情報とに基づいて、車載機器10の現在位置が所定の駐車区域(自宅の駐車場など)の位置と同じであるか否かを判定する。制御部20は、車載機器10の現在位置が所定の駐車区域の位置と同じであると判定する場合(ステップS104でYes)、ステップS106に進む。制御部20は、車載機器10の現在位置が所定の駐車区域の位置と同じであると判定しない場合(ステップS104でNo)、ステップS105に進む。
【0050】
所定の駐車区域の位置と同じであると判定しない場合(ステップS104でNo)、使用可能時間を第二時間T2(T1<T2)に設定する(ステップS105)。より詳しくは、制御部20は、広域通信制御部282によって、広域通信部182による外部の機器との通信の使用可能時間を第二時間T2にする。言い換えると、制御部20は、広域通信制御部282によって、無線LANルータとしての無線通信機能の使用可能時間を第二時間T2に制限するように制御する。制御部20は、ステップS107に進む。
【0051】
使用可能時間を第一時間T1に設定する(ステップS106)。より詳しくは、制御部20は、広域通信制御部282によって、広域通信部182による外部の機器との通信の使用可能時間を第一時間T1にする。言い換えると、制御部20は、広域通信制御部282によって、無線LANルータとしての無線通信機能の使用可能時間を第一時間T1に制限するように制御する。制御部20は、ステップS107に進む。
【0052】
制御部20は、通信を可能に制御する(ステップS107)。より詳しくは、制御部20は、広域通信制御部282によって、広域通信部182による外部の機器との通信を可能にする。制御部20は、広域通信制御部282によって、無線LANルータとしての無線通信機能を開始するように制御する。これにより、例えば、車載機器10が車両に搭載された状態では、無線LANルータとしての無線通信機能が利用可能になる。制御部20は、判定部24によって判定される車載機器10の状態の判定結果が変更されるごとに、車載機器10の状態に応じて設定される使用可能時間のタイマをリセットする。例えば、判定部24が所定の時間間隔(1分間隔など。任意に設定可能)で処理を繰り返し、今回(現在)の車載機器10の状態が前回とは異なると判定する場合、制御部20は、前回の状態に対応して設定された使用可能時間のタイマをリセットし、改めて今回の状態に対応した使用可能時間を設定する。使用可能時間のタイマは、車載機器10が移動中(搭載された車両が走行中)も含め常時稼働させる。使用可能時間のタイマは、車載機器10の移動または停止(搭載された車両の走行または停止)の状態ごとに、停止または稼働してもよい。搭乗者は、車載機器10を介して、車内に持ち込んだ携帯情報端末で広域の無線通信を行う。制御部20は、ステップS108に進む。
【0053】
制御部20は、使用可能時間を超過したか否かを判定する(ステップS108)。より詳しくは、制御部20は、使用可能時間のタイマが、ステップS105またはステップS106において設定された使用可能時間を超過したか否かを判定する。制御部20は、使用可能時間を超過したと判定する場合(ステップS108でYes)、ステップS109へ進む。制御部20は、使用可能時間を超過したと判定しない場合(ステップS108でNo)、ステップS101の処理を再度実行する。
【0054】
制御部20は、車載機器10の現在の状態が移動状態(車両の走行による移動状態)であるか否かを判定する(ステップS109)。より詳しくは、制御部20は、判定部24によって、加速度取得部23によって取得された加速度情報から、移動状態であるか否かを判定する。制御部20は、移動状態であると判定しない場合(ステップS109でNo)、ステップS110に進む。制御部20は、移動状態であると判定する場合(ステップS109でYes)、ステップS101の処理を再度実行する。
【0055】
車載機器10に所定の移動状態があると判定する場合(ステップS102でYes)、広域の無線通信による外部の機器との通信または近距離無線通信による携帯情報端末との通信を不可にする(ステップS110)。より詳しくは、制御部20は、広域通信制御部282によって、広域通信部182による外部の機器との通信を不可にする。言い換えると、制御部20は、広域通信制御部282によって、無線LANルータとしての無線通信機能を使用不可にするように制御する。これにより、例えば、車載機器10が車両から持ち出された状態では、無線LANルータとしての無線通信機能が制限、停止される。制御部20は、ステップS111に進む。
【0056】
制御部20は、車載機器10の動作が終了したか否かを判定する(ステップS111)。例えば、制御部20は、運転者の操作によって車載機器10の電源が停止され、車載機器10の動作が終了したか否かを判定する。制御部20は、車載機器10の動作が終了したと判定する場合(ステップS111でYes)、全ての処理を終了(エンド)する。制御部20は、車載機器10の動作が終了したと判定しない場合(ステップS111でNo)、ステップS101の処理を再度実行する。
【0057】
<効果>
上述したように、本実施形態では、車載機器10の現在位置が交通障害区域であると判定される場合、広域の無線通信を行う広域通信部182を介した携帯情報端末と外部の機器との通信の使用可能時間を第一時間T1より延長された第二時間T2に延長することができる。また、本実施形態によれば、車載機器10が交通障害区域で使用される場合、携帯情報端末による車載機器10を介した広域の無線通信の通信網の使用可能時間を延長することができる。このようにして、本実施形態は、車載機器10の通信機能を適切に制御することができる。
【0058】
本実施形態では、車載機器10が車内で使用され、交通障害区域で車両が停止している状態であっても、車載機器10が所定の駐車区域に存在すると判定される場合(ユーザが故意に自宅の駐車場で使用する場合など)は、広域の無線通信による外部の機器との通信または近距離無線通信による携帯情報端末との通信の使用可能時間を第一時間T1にすることができる。
【0059】
本実施形態では、車載機器10が車内で使用され、車両が停止している状態で、交通障害区域以外に存在すると判定される場合、広域の無線通信による外部の機器との通信または近距離無線通信による携帯情報端末との通信の使用可能時間を第一時間T1にすることができる。
【0060】
本実施形態では、車載機器10が移動状態であると判定される場合、交通障害区域以外に存在すると判定される場合、交通障害区域内の所定の駐車区域に存在すると判定される場合についても、広域の無線通信による外部の機器との通信または近距離無線通信による携帯情報端末との通信の使用可能時間を第一時間T1に設定しているが、第二時間T2より短い時間であれば、各々の場合における第一時間T1を任意の異なる時間に設定してもよい。
【0061】
本実施形態では、車載機器10が車両から持ち出された場合に、携帯情報端末による車載機器10を介した広域の無線通信の通信網の使用を制限することができる。
【0062】
本実施形態では、加速度情報に基づいて車載機器10が移動状態であるか否かを判定する。本実施形態によれば、車載機器10が車両から持ち出されたか、または、移動しているかを所定の移動状態の有無によって判定することができる。
【0063】
本実施形態によれば、渋滞などにより長時間にわたって停車することを余儀なくされている場合に、広域の無線通信による外部の機器との通信または近距離無線通信による携帯情報端末との通信の使用可能時間を通常よりも延長することができる。
【0064】
[第二実施形態]
図3、
図4を参照しながら、本実施形態に係る車載機器10Aについて説明する。
図3は、第二実施形態に係る制御部20Aを有する車載機器10Aの構成例を示すブロック図である。
図4は、第二実施形態に係る制御部20Aにおける処理の流れを示すフローチャートである。車載機器10Aは、基本的な構成は第一実施形態の車載機器10と同様である。以下の説明においては、車載機器10と同様の構成要素には、同一の符号または対応する符号を付し、その詳細な説明は省略する。車載機器10Aは、制御部20Aが電源情報取得部26Aを有する点と、記憶部13Aと判定部24Aと通信制御部28Aとが第一実施形態と異なる。
【0065】
車載機器10Aは、車両に搭載され、車両が停止している状態の場合、広域の無線通信による外部の機器との通信または近距離無線通信による携帯情報端末との通信の使用可能時間を第一時間T1にし、車両に搭載され、車両が停止している状態で、車載機器10Aの電源の入り切り回数が閾値以下である場合、広域の無線通信による外部の機器との通信または近距離無線通信による携帯情報端末との使用可能時間を第一時間T1以下の第三時間T3(T3≦T1)にする。車載機器10Aは、車両に搭載されていない場合、広域の無線通信による外部の機器との通信または近距離無線通信による携帯情報端末との通信を不可にする。
【0066】
第三時間T3は、第一時間T1以下の時間である。第三時間T3は、例えば、20分間である。
【0067】
本実施形態では、車載機器10Aは、車両に搭載され、車両が停止している状態の場合、近距離通信部181によって接続された携帯情報端末の広域通信部182を介した通信の使用可能時間を第一時間T1とし、車両に搭載され、車両が停止している状態で、電源の入り切り回数が閾値以下である場合、通信の使用可能時間を第三時間T3にする。
【0068】
記憶部13Aは、車載機器10の電源を入り切りした回数を示す電源カウンタを記憶する。
【0069】
制御部20Aは、位置情報取得部21と、加速度取得部23と、判定部24と、電源情報取得部26Aと、近距離通信制御部281Aと広域通信制御部282Aとを含む通信制御部28Aとを有する。
【0070】
制御部20Aは、車両に搭載され、車両が停止している状態の場合、広域の無線通信による外部の機器との通信または近距離無線通信による携帯情報端末との通信の使用可能時間を第一時間T1にし、車両に搭載され、車両が停止している状態で、電源カウンタが閾値以下である場合、広域の無線通信による外部の機器との通信または近距離無線通信による携帯情報端末との通信の使用可能時間を第一時間T1以下の第三時間T3にする。本実施形態では、制御部20Aは、車載機器10Aが車両に搭載され、車両が停止している状態の場合、近距離通信部181によって接続された携帯情報端末の広域通信部182を介した通信の使用可能時間を第一時間T1にし、車載機器10Aが車両に搭載され、車両が停止している状態で、電源カウンタが閾値以下である場合、通信の使用可能時間を第三時間T3にする。
【0071】
電源情報取得部26Aは、車載機器10Aの電源の入り切り情報を取得する。電源情報取得部26Aは、車載機器10Aの電源が入り切りされた回数を電源カウンタとしてカウントする。取得部26Aは、例えば、車載機器10Aの再起動された回数を電源カウンタとしてカウントしてもよい。取得部26Aは、例えば、車載機器10Aの動作が終了しない状態における車載機器10Aの広域の無線通信による外部の機器との通信または近距離無線通信による携帯情報端末との通信の接続の入り切り回数を電源カウンタとしてカウントしてもよい。
【0072】
判定部24Aは、電源情報取得部26Aによって取得された電源の入り切りを示す情報に基づいて、電源の入り切り回数が閾値以下であるか否かを判定する。判定部24Aは、所定期間における電源の入り切り回数が閾値以下であるか否かを判定する。より詳しくは、判定部24Aは、記憶部13Aに記憶された電源カウンタが閾値以下であるか否かを判定する。
【0073】
例えば、判定部24Aは、連続する15分間での電源の入り切り回数が3回以下であるか否かを判定する。車載機器10Aの通信状態が良好であるにもかかわらず、短期間での電源の入り切り回数が過度である場合、通信の使用可能時間を繰り返しリセットして、使用可能時間を不当に延長しているおそれがあるからである。閾値は、所定期間における電源の入り切り回数で示され、使用状況などを加味して任意に設定してもよい。
【0074】
通信制御部28Aは、判定部24Aの判定結果から、電源カウンタが閾値以下である場合、広域の無線通信による外部の機器との通信または近距離無線通信による携帯情報端末との通信を可能にする。通信制御部28Aは、判定部24Aの判定結果から、車載機器10Aが車内で使用され、車両が停止している状態で、電源カウンタが閾値以下であると判定される場合、広域の無線通信による外部の機器との通信または近距離無線通信による携帯情報端末との通信の使用可能時間を第一時間T1以下の第三時間T3(T3≦T1)にする。
【0075】
通信制御部28Aは、判定部24Aの判定結果から、電源カウンタが閾値より大きい場合、広域の無線通信による外部の機器との通信または近距離無線通信による携帯情報端末との通信を不可にする。
【0076】
通信制御部28Aは、車載機器10Aが移動状態でなく、電源カウンタが閾値より大きいと判定される場合、広域の無線通信による外部の機器との通信または近距離無線通信による携帯情報端末との通信を不可にしてもよい。
【0077】
通信制御部28Aは、車載機器10Aの現在位置が所定の駐車区域の位置と同じであり、電源カウンタが閾値より大きいと判定される場合、広域の無線通信による外部の機器との通信または近距離無線通信による携帯情報端末との通信を不可にしてもよい。
【0078】
広域通信制御部282Aは、判定部24Aの判定結果から、電源カウンタが閾値より大きいと判定される場合、広域通信部182を介した携帯情報端末と外部の機器との通信を不可にする。
【0079】
広域通信制御部282Aは、車載機器10Aが車内で使用され、車両が停止している状態で、言い換えると、車両が移動状態でなく、電源カウンタが閾値以下であると判定される場合、広域の無線通信による外部の機器との通信または近距離無線通信による携帯情報端末との通信の使用可能時間を第三時間T3にする。
【0080】
広域通信制御部282Aは、判定部24Aによって電源カウンタが閾値より大きいと判定される場合、無線LANルータとしての無線通信機能の使用を不可にするように制御する。広域通信制御部282Aは、判定部24Aによって電源カウンタが閾値以下である判定された場合、無線LANルータとしての無線通信機能の使用可能時間を第三時間T3にするように制御する。
【0081】
広域通信制御部282Aは、車載機器10Aが移動状態でなく、電源カウンタが閾値より大きいと判定される場合、広域の無線通信による外部の機器との通信または近距離無線通信による携帯情報端末との通信を不可にしてもよい。
【0082】
広域通信制御部282Aは、車載機器10Aの現在位置が所定の駐車区域の位置と同じであり、電源カウンタが閾値より大きいと判定される場合、広域の無線通信による外部の機器との通信または近距離無線通信による携帯情報端末との通信を不可にしてもよい。
【0083】
次に、
図4を用いて、制御部20Aにおける処理の流れについて説明する。ステップS121、ステップS122、ステップS125、ステップS126ないしステップS130における処理は、
図2に示すフローチャートのステップS101、ステップS102、ステップS106、ステップS107ないしステップS111と同様の処理を行う。
【0084】
制御部20Aは、電源カウンタが閾値以下であるか否かを判定する(ステップS123)。より詳しくは、制御部20Aは、電源カウンタが閾値以下であると判定する場合(ステップS123でYes)、ステップS124に進む。制御部20Aは、電源カウンタが閾値以下であると判定しない場合(ステップS123でNo)、ステップS129に進む。
【0085】
電源カウンタが閾値以下であると判定する場合(ステップS123でYes)、使用可能時間を第三時間T3(T3≦T1)に設定する(ステップS124)。より詳しくは、制御部20Aは、広域通信制御部282によって、広域通信部182による外部の機器との通信の使用可能時間を第三時間T3にする。言い換えると、制御部20Aは、広域通信制御部282によって、無線LANルータとしての無線通信機能の使用可能時間を第三時間T3にするように制御する。制御部20Aは、ステップS126に進む。
【0086】
上述したように、本実施形態では、所定期間における電源の入り切り回数が閾値以下である場合、広域の無線通信を行う広域通信部182を介した携帯情報端末と外部の機器との通信の使用可能時間を第一時間T1以下の第三時間T3に延長することができる。本実施形態では、所定期間における電源の入り切り回数が閾値より大きい場合、広域の無線通信を行う広域通信部182を介した携帯情報端末と外部の機器との通信を不可にすることができる。
【0087】
本実施形態によれば、電源を入り切りすることにより、使用可能時間が不当に延長されることを規制することができる。
【0088】
[第三実施形態]
図5、
図6を参照しながら、本実施形態に係る車載機器10Bについて説明する。
図5は、第三実施形態に係る制御部20Bを有する車載機器10Bの構成例を示すブロック図である。
図6は、第三実施形態に係る制御部20Bにおける処理の流れを示すフローチャートである。車載機器10Bは、基本的な構成は第一実施形態の車載機器10および第二実施形態の車載機器10Aと同様である。車載機器10Bは、第一実施形態と第二実施形態とを組み合わせた機能を有する。
【0089】
電源情報取得部26Bは、電源情報取得部26Aと同様に構成されている。
【0090】
判定部24Bは、判定部24および判定部24Aを組み合わせて構成されている。
【0091】
通信制御部28Bは、通信制御部28および通信制御部28Aを組み合わせて構成されている。
【0092】
次に、
図6を用いて、制御部20Bにおける処理の流れについて説明する。ステップS131ないしステップS134、ステップS136、ステップS138、ステップS139ないしステップS143における処理は、
図2に示すフローチャートのステップS101ないしステップS104、ステップS105、ステップS106、ステップS107ないしステップS111と同様の処理を行う。ステップS135、ステップS137の処理は、
図4に示すフローチャートのステップS123、ステップS124と同様の処理を行う。
【0093】
上述したように、本実施形態では、車載機器10Bが車内で使用され、移動状態でなく、車載機器10Bの現在位置が交通障害区域であり、所定の駐車区域でないと判定される場合、広域の無線通信を行う広域通信部182を介した携帯情報端末と外部の機器との通信の使用可能時間を第二時間T2に延長することができる。本実施形態では、車載機器10Bが車内で使用され、移動状態でなく、所定期間における電源の入り切り回数が閾値以下である場合、広域の無線通信を行う広域通信部182を介した携帯情報端末と外部の機器との通信の使用可能時間を第一時間T1以下の第三時間T3にすることができる。本実施形態では、車載機器10Bが車内で使用され、移動状態であると判定される場合、広域の無線通信による外部の機器との通信または近距離無線通信による携帯情報端末との通信の使用可能時間を第一時間T1にすることができる。本実施形態では、車載機器10Bが車内で使用され、移動状態でなく、所定期間における電源の入り切り回数が閾値より大きい場合、広域の無線通信を行う広域通信部182を介した携帯情報端末と外部の機器との通信を不可にすることができる。このようにして、本実施形態は、車載機器10Bの通信機能を適切に制御することができる。
【0094】
これまで本発明に係る車載機器について説明したが、上述した実施形態以外にも種々の異なる形態にて実施されてよい。
【0095】
図示した車載機器の各構成要素は、機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていなくてもよい。すなわち、各装置の具体的形態は、図示のものに限られず、各装置の処理負担や使用状況などに応じて、その全部または一部を任意の単位で機能的または物理的に分散または統合してもよい。
【0096】
車載機器の構成は、例えば、ソフトウェアとして、メモリにロードされたプログラムなどによって実現される。上記実施形態では、これらのハードウェアまたはソフトウェアの連携によって実現される機能ブロックとして説明した。すなわち、これらの機能ブロックについては、ハードウェアのみ、ソフトウェアのみ、または、それらの組み合わせによって種々の形で実現できる。
【0097】
上記した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものを含む。さらに、上記した構成は適宜組み合わせが可能である。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲において構成の種々の省略、置換または変更が可能である。
【0098】
上記の車載機器10の無線LANルータとしての無線通信機能は、車載機器10とは別体の通信装置であってもよい。別体の通信装置は、近距離通信部181、広域通信部182、近距離通信制御部281および広域通信制御部282の機能を有する。車載機器10と別体の通信装置とは、近距離通信によって通信可能である。
【0099】
上記の車載機器10は、近距離無線通信を行う機能を有していなくてもよい。この場合、車載機器10は、無線LANルータとしての無線通信機能を備えない。車載機器10が車両から持ち出されたときに、車載機器10の通信を不可にする。
【0100】
上記では、通信制御部28は、判定部24の判定結果に応じて、広域通信部182を制御するものとして説明したが、近距離通信部181を制御してもよい。より詳しくは、近距離通信制御部281は、判定部24の判定結果から、車載機器10が車内で使用され、車両が停止している状態で、交通障害区域以外に存在すると判定される場合、近距離通信部181を介した携帯情報端末と車載機器10との通信の使用可能時間を第一時間T1にする。近距離通信制御部281は、判定部24の判定結果から、車載機器10が車内で使用され、車両が停止している状態で、交通障害区域に存在すると判定される場合、近距離通信部181を介した携帯情報端末と車載機器10との通信の使用可能時間を第二時間T2にする。
【0101】
第二時間T2は、交通障害の種類に応じて変えてもよい。第二時間T2は、例えば、災害または悪天候である場合、その他の原因による渋滞に比べて長くしてもよい。災害または悪天候による交通障害では、停車時間が長くなることが多いためである。第二時間T2は、例えば、災害または悪天候である場合、その他の原因による渋滞に比べて短くしてもよい。災害または悪天候による交通障害では停車時間が長くなるので、通信を間欠的に使用可能にすることによって、電源の消耗を防ぐためである。
【符号の説明】
【0102】
10 車載機器
11 GPS受信機
12 加速度センサ
13 記憶部
18 通信部
181 近距離通信部
182 広域通信部
20 制御部(通信制御装置)
21 位置情報取得部
22 道路交通情報取得部
23 加速度取得部
24 判定部
28 通信制御部
281 近距離通信制御部
282 広域通信制御部