(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023137854
(43)【公開日】2023-09-29
(54)【発明の名称】超音波探傷装置、超音波探傷装置の調整方法及び鋼管の超音波探傷方法
(51)【国際特許分類】
G01N 29/275 20060101AFI20230922BHJP
【FI】
G01N29/275
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022044261
(22)【出願日】2022-03-18
(71)【出願人】
【識別番号】000006655
【氏名又は名称】日本製鉄株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】592244376
【氏名又は名称】日鉄テクノロジー株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】522111079
【氏名又は名称】有限会社エムアイシステム
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100140774
【弁理士】
【氏名又は名称】大浪 一徳
(74)【代理人】
【識別番号】100134359
【弁理士】
【氏名又は名称】勝俣 智夫
(74)【代理人】
【識別番号】100188592
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100217249
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 耕一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100221279
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 健吾
(74)【代理人】
【識別番号】100207686
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 恭宏
(74)【代理人】
【識別番号】100224812
【弁理士】
【氏名又は名称】井口 翔太
(72)【発明者】
【氏名】石塚 裕也
(72)【発明者】
【氏名】小谷 浩生
(72)【発明者】
【氏名】春名 和幸
(72)【発明者】
【氏名】福田 耕治
(72)【発明者】
【氏名】西岡 智裕
(72)【発明者】
【氏名】京屋 昌男
(72)【発明者】
【氏名】櫻井 裕久
(72)【発明者】
【氏名】松本 佳之
【テーマコード(参考)】
2G047
【Fターム(参考)】
2G047AA07
2G047AB01
2G047AD16
2G047AD19
2G047BA02
2G047BC09
2G047EA04
2G047GA14
2G047GG28
(57)【要約】
【課題】内部欠陥の探傷能力を向上することが可能な超音波探傷装置を提供する。
【解決手段】鋼管10を通過させるための貫通孔21を有するプローブブロック2と、プローブブロック2の貫通孔21の内面21aに配設され、貫通孔21を通過中の鋼管10の外周面10cに向けて超音波を発信可能な複数の超音波探傷子3と、プローブブロック2に内蔵されて超音波探傷子3の姿勢を調整する調整部7とが備えられ、調整部7は、鋼管10に対する超音波の照射方向を、鋼管10の通過方向と直交する方向に沿って変更可能とするものである、超音波探傷装置1を採用する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鋼管を通過させるための貫通孔を有するプローブブロックと、
前記プローブブロックの前記貫通孔の内面に配設され、前記貫通孔を通過中の前記鋼管の外周面に向けて超音波を発信可能な複数の超音波探傷子と、
前記プローブブロックに内蔵されて前記超音波探傷子の姿勢を調整する調整部と、
が備えられ、
前記調整部は、前記鋼管に対する前記超音波の照射方向を、前記鋼管の通過方向と直交する方向に沿って変更可能とするものである、超音波探傷装置。
【請求項2】
前記超音波探傷子から発信された前記超音波の焦点位置が、前記鋼管の内周面に位置するように、前記超音波探傷子が前記プローブブロックに配設されている、請求項1に記載の超音波探傷装置。
【請求項3】
鋼管を通過させるための貫通孔を有するプローブブロックと、
前記プローブブロックの前記貫通孔の内面に配設され、前記貫通孔を通過中の前記鋼管の外周面に向けて超音波を発信可能な複数の超音波探傷子と、が備えられ、
前記超音波探傷子から発信された前記超音波の焦点位置が、前記鋼管の内周面に位置するように、前記超音波探傷子が前記プローブブロックに配設されている、超音波探傷装置。
【請求項4】
前記プローブブロックの鋼管の通過方向の入側及び出側に、前記貫通孔内における前記鋼管の通過位置を固定するガイド部材が備えられ、
少なくとも入側の前記ガイド部材が、前記プローブブロックの前記貫通孔に隣接して配置されている、請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載の超音波探傷装置。
【請求項5】
前記貫通孔の内面と前記鋼管との間の間隙に水を供給する水供給部が更に備えられ、
前記プローブブロックの鋼管の通過方向の入側には、前記貫通孔から排出された水を導くための整流壁が、前記貫通孔の入側の開口部を囲むように設けられている、請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載の超音波探傷装置。
【請求項6】
前記整流壁の表面に、多孔質材が積層されている、請求項5に記載の超音波探傷装置。
【請求項7】
鋼管を通過させるための貫通孔を有するプローブブロックと、
前記プローブブロックの前記貫通孔の内面に配設され、前記貫通孔を通過中の前記鋼管の外周面に向けて超音波を発信可能な複数の超音波探傷子と、を備えた超音波探傷装置の調整方法であって、
前記プローブブロックの前記貫通孔に、表面に模擬欠陥部が設けられた中空筒状の鋼材からなるテストピースを挿入する段階と、
前記超音波探傷子によって前記模擬欠陥部に対する探傷を行う段階と、
前記模擬欠陥部を探傷した際における前記超音波探傷子の出力信号の信号対雑音比が最大になるように、前記テストピースに対する前記超音波の照射方向を、前記テストピースの長手方向と直交する方向に沿って調整する段階と、を備えた超音波探傷装置の調整方法。
【請求項8】
請求項7に記載の超音波探傷装置の調整方法によって調整されたプローブブロック及び超音波探傷子を用い、
前記プローブブロックの貫通孔に鋼管を通過させつつ、前記超音波探傷子によって、前記鋼管の内部欠陥の探傷を行う、鋼管の超音波探傷方法。
【請求項9】
前記超音波探傷子から発信する超音波の焦点位置を、前記鋼管の内周面に位置させた状態で、前記鋼管の内部欠陥の探傷を行う、請求項8に記載の鋼管の超音波探傷方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波探傷装置、超音波探傷装置の調整方法及び鋼管の超音波探傷方法に関する。
【背景技術】
【0002】
鋼材の内部欠陥を非破壊で検出する方法として超音波探傷法が知られている。超音波探傷法は、超音波探傷子を被検体である鋼材の一面に対向させ、超音波探傷子において発生させた超音波を鋼材内部に入射させ、この超音波を鋼材中に伝播させ、内部欠陥または鋼材の他面での超音波の反射波をエコーとして検出することで、鋼材内部の内部欠陥を計測しようとするものである。
【0003】
図12(a)に、棒鋼材に対して超音波探傷法を適用した場合の断面模式図を示す。超音波探傷子303から出射されて棒鋼材410の内部に入射した超音波Sは、棒鋼材の内部から表面410aに当たった際に当該表面410aが反射面となって棒鋼材410の内部にて反射し、その反射波は更に別の表面において再反射する。超音波Sの通過範囲内に内部欠陥があると、一部の超音波Sが内部欠陥において反射し、その反射波が超音波探傷子303によって受信されることで内部欠陥を検出する。
【0004】
棒鋼材410の場合、
図12(a)に示すように、棒鋼材410の内部からの超音波Sの照射方向に対して棒鋼材410の表面410aの形状が凹曲面になるため、棒鋼材410の内部を伝播する超音波Sは反射する毎に収束される。そのため、棒鋼材410に対して超音波探傷を行うと、内部欠陥によるシグナルと、バックグラウンドのノイズレベルとの比である信号対雑音比(以下、S/N比という)が比較的高くなって探傷能力が向上する。棒鋼材410の表面410aの近傍に内部欠陥が存在する場合は、内部欠陥と表面410aとの距離が近いため、S/N比が比較的低くなって内部欠陥が検出しにくくなるが、最近の技術力の向上によって、表面410aに加工した深さ0.1mmの微小な欠陥でもS/N比が高く探傷可能となっている。
【0005】
一方、
図12(b)には、鋼管310に対して超音波探傷法を適用した場合の断面模式図を示す。超音波探傷子303から出射されて鋼管310の肉厚部310aの内部に入射した超音波Sは、鋼管310の内周面310bが反射面となって肉厚部310aの内部にて反射し、その反射波は鋼管310の外周面310cにおいて再反射する。鋼管310の場合は、超音波Sが最初に反射する面である内周面310bが、超音波Sの照射方向に対して凸曲面となるため、鋼管310の内部を伝播する超音波Sはこの凸曲面にて発散される。このため、鋼管310に対して超音波探傷を行うと、棒鋼材410の場合と比較してS/N比が低くなる。よって、鋼管310の肉厚部310aの内部欠陥の探傷能力は、表面310b、310cから深さ0.2mmの人工欠陥の探傷が限界であり、超音波探傷においては棒鋼材410よりも一般的にS/N比が低下し、反射エコーが大きくなる比較的大きな寸法の欠陥しか検出できなくなる。
【0006】
ところで、最近では、自動車分野における部品軽量化の要請により、中実部材に代えて中空部材の採用が積極的になっている。例えば、自動車のドライブシャフトは、従来まで棒鋼材を加工して得られた中実部材が採用されていたが、最近の軽量化の要請により、鋼管を加工して得られた中空部材が採用されつつある。中空部材は、軽量である反面、中空部を有するため、強度や疲労特性に対する要求がより一層厳しくなりつつある。従って、鋼管肉厚部における内部欠陥の探傷能力の向上が望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、鋼管の内部欠陥の探傷能力を向上させることが可能な、超音波探傷装置、超音波探傷装置の調整方法及び鋼管の超音波探傷方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、本発明者らが鋭意検討したところ、鋼管に対する超音波の照射方向を最適化することで、鋼管の内部欠陥の探傷能力を向上させることが可能であると見出した。そこで本発明は、以下の構成を採用することとする。
[1] 鋼管を通過させるための貫通孔を有するプローブブロックと、
前記プローブブロックの前記貫通孔の内面に配設され、前記貫通孔を通過中の前記鋼管の外周面に向けて超音波を発信可能な複数の超音波探傷子と、
前記プローブブロックに内蔵されて前記超音波探傷子の姿勢を調整する調整部と、が備えられ、
前記調整部は、前記鋼管に対する前記超音波の照射方向を、前記鋼管の通過方向と直交する方向に沿って変更可能とするものである、超音波探傷装置。
[2] 前記超音波探傷子から発信された前記超音波の焦点位置が前記鋼管の内周面に位置するように、前記超音波探傷子が前記プローブブロックに配設されている、[1]に記載の超音波探傷装置。
[3] 鋼管を通過させるための貫通孔を有するプローブブロックと、
前記プローブブロックの前記貫通孔の内面に配設され、前記貫通孔を通過中の前記鋼管の外周面に向けて超音波を発信可能な複数の超音波探傷子と、が備えられ、
前記超音波探傷子から発信された前記超音波の焦点位置が、前記鋼管の内周面に位置するように、前記超音波探傷子が前記プローブブロックに配設されている、超音波探傷装置。
[4] 前記プローブブロックの鋼管の通過方向の入側及び出側に、前記貫通孔内における前記鋼管の通過位置を固定するガイド部材が備えられ、
少なくとも入側の前記ガイド部材が、前記プローブブロックの前記貫通孔に隣接して配置されている、[1]乃至[3]の何れか一項に記載の超音波探傷装置。
[5] 前記貫通孔の内面と前記鋼管との間の間隙に水を供給する水供給部が更に備えられ、
前記プローブブロックの鋼管の通過方向の入側には、前記貫通孔から排出された水を導くための整流壁が、前記貫通孔の入側の開口部を囲むように設けられている、[1]乃至[4]の何れか一項に記載の超音波探傷装置。
[6] 前記整流壁の表面に、多孔質材が積層されている、[5]に記載の超音波探傷装置。
[7] 鋼管を通過させるための貫通孔を有するプローブブロックと、
前記プローブブロックの前記貫通孔の内面に配設され、前記貫通孔を通過中の前記鋼管の外周面に向けて超音波を発信可能な複数の超音波探傷子と、を備えた超音波探傷装置の調整方法であって、
前記プローブブロックの前記貫通孔に、表面に模擬欠陥部が設けられた中空筒状の鋼材からなるテストピースを挿入する段階と、
前記超音波探傷子によって前記模擬欠陥部に対する探傷を行う段階と、
前記模擬欠陥部を探傷した際における前記超音波探傷子の出力信号の信号対雑音比が最大になるように、前記テストピースに対する前記超音波の照射方向を、前記テストピースの長手方向と直交する方向に沿って調整する段階と、を備えた超音波探傷装置の調整方法。
[8] [7]に記載の超音波探傷装置の調整方法によって調整されたプローブブロック及び超音波探傷子を用い、
前記プローブブロックの貫通孔に鋼管を通過させつつ、前記超音波探傷子によって、前記鋼管の内部欠陥の探傷を行う、鋼管の超音波探傷方法。
[9] 前記超音波探傷子から発信する超音波の焦点位置を、前記鋼管の内周面に位置させた状態で、前記鋼管の内部欠陥の探傷を行う、[8]に記載の鋼管の超音波探傷方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明の超音波探傷装置によれば、超音波探傷子の姿勢を調整する調整部が備えられ、調整部は、鋼管に対する超音波の照射位置を、鋼管の通過方向と直交する方向に沿って変更可能とするものであるため、鋼管の外面に対する超音波の照射方向を適切な方向に設定することが可能になり、これにより、超音波探傷装置における探傷能力を向上させることができる。
また、本発明の超音波探傷装置によれば、超音波探傷子から発信された超音波の焦点位置が鋼管の内周面に位置するように、超音波探傷子がプローブブロックに配設されるので、鋼管の肉厚部の内部に入射された超音波の発散が抑制され、これにより、内部欠陥を探傷した際の出力信号の信号対雑音比(以下、S/N比という)が高くなり、超音波探傷装置における内部欠陥の探傷能力を向上させることができる。
また、本発明の超音波探傷装置によれば、プローブブロックの鋼管の通過方向の入側及び出側にガイド部材が備えられ、少なくとも入側のガイド部材がプローブブロックの貫通孔に隣接して配置されているので、貫通孔内を通過する際の鋼管の先端の自重による撓み量が小さくなり、プローブブロックに対して鋼管を安定して通過させることができる。これにより、内部欠陥の信号強度が向上しS/N比をより向上できる。
また、本発明の超音波探傷装置によれば、貫通孔の内面と鋼管との間の間隙に水を供給する水供給部が備えられ、更に、プローブブロックの鋼管の通過方向の入側に、貫通孔から排出された水を導くための整流壁が貫通孔の入側の開口部を囲むように設けられているので、貫通孔から排出された水が整流壁を伝って集められる。これにより、超音波探傷装置に複数の鋼管を連続供給する際に、後行の鋼管の中空部に水が浸入するおそれが少なくなり、ノイズが低減しS/N比をより向上できる。
また、本発明の超音波探傷装置によれば、整流壁の表面に多孔質材が積層されているので、貫通孔から排出された水が整流壁を伝って集められる際に多孔質材に保持されるようになり、後行の鋼管の中空部に水が浸入するおそれが極めて少なくなり、ノイズが低減しS/N比をより向上できる。
【0011】
次に、本発明の超音波探傷装置の調整方法によれば、プローブブロックの貫通孔に、表面に模擬欠陥部が設けられた中空筒状の鋼材からなるテストピースを挿入し、模擬欠陥部を探傷した際の超音波探傷子の出力信号の信号対雑音比が最大になるように、テストピースに対する超音波の照射方向を、テストピースの長手方向と直交する方向に沿って調整するので、超音波探傷装置における内部欠陥の探傷能力を向上させることができる。
【0012】
次に、本発明の鋼管の超音波探傷方法によれば、先に記載の超音波探傷装置の調整方法によって調整されたプローブブロック及び超音波探傷子を用いて、プローブブロックの貫通孔に鋼管を通過させつつ、超音波探傷子によって、鋼管の内部欠陥の探傷を行うので、内部欠陥の探傷能力を向上させることができる。特に、従来方法では、鋼管において、S/N比が比較的良好な条件で探傷できる人工欠陥の寸法が、深さ0.2mmの比較的深い人工欠陥であったが、本発明によれば、同程度のS/N比で深さ0.1mmの浅い(微小な)人工欠陥でも高いS/N比で探傷することが可能であり、鋼管の内部欠陥の探傷性能を大幅に向上させることができる。
また、本発明の鋼管の超音波探傷方法によれば、超音波探傷子から発信する超音波の焦点位置を、鋼管の内周面に位置させた状態で、鋼管の内部欠陥の探傷を行うので、鋼管の肉厚部の内部に入射された超音波の発散が抑制され、内部欠陥を探傷した際の出力信号のS/N比が高くなり、探傷能力を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は本発明の実施形態である超音波探傷装置を示す側面模式図。
【
図2】
図2は本発明の実施形態である超音波探傷装置に備えられたプローブブロックを示す断面模式図。
【
図3】
図3はプローブブロックを示す図であって、(a)は正面模式図であり、(b)は
図2のA-A’線に対応する断面模式図であり、(c)はプローブブロック内に配設された超音波探傷子を示す断面模式図。
【
図4】
図4はプローブブロック内に配設された超音波探傷子を示す拡大断面模式図。
【
図5】
図5は鋼管と超音波の焦点位置との関係を説明する断面模式図。
【
図6】
図6は、本発明の実施形態である超音波探傷装置の調整方法を説明する図であって、(a)はテストピースの全体図であり、(b)はプローブブロックの貫通孔にテストピースを挿入した状態を示す断面模式図。
【
図7】
図7は、
図6(b)のB-B’線に対応する断面図であって、プローブブロックの貫通孔にテストピースを挿入した状態を示す断面模式図。
【
図8】
図8は、プローブブロックの貫通孔にテストピースを挿入した状態で、超音波探傷子の向きを調整する状態を説明する断面模式図。
【
図9】
図9は本発明の実施形態である超音波探傷装置の別の例を示す側面模式図。
【
図10】
図10は本発明の実施形態である超音波探傷装置の更に別の例を示す側面模式図。
【
図11】
図11は、
図10に示す超音波探傷装置に備えられたプローブブロックを示す断面模式図。
【
図12】
図12は、鋼材内部において超音波が伝搬する様子を説明する模式図であって、(a)は鋼材が棒線材の場合を示す断面模式図であり、(b)は鋼材が鋼管の場合を示す断面模式図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態である超音波探傷装置、超音波探傷装置の調整方法及び鋼管の超音波探傷方法について説明する。
【0015】
(超音波探傷装置及び鋼管の超音波探傷方法)
図1に、本実施形態の超音波探傷装置1の側面模式図を示し、また、
図2及び
図3には、超音波探傷装置1に備えられたプローブブロック2を示す。
図1に示すように、本実施形態の超音波探傷装置1は、貫通孔21を有するプローブブロック2と、プローブブロック2の貫通孔21の内面21aに配設された複数の超音波探傷子3と、鋼管10をプローブブロック2に搬送する入側の搬送ロール4と、プローブブロック2を通過した鋼管10を搬送する出側の搬送ロール5と、が備えられている。更に、プローブブロック2の入側及び出側には、ガイド部材6が配置されている。なお、
図1(a)は、鋼管10がプローブブロック2を通過前の段階を示し、
図1(b)は鋼管10がプローブブロック2を通過中の段階を示している。
【0016】
図1に示すように、プローブブロック2は、貫通孔21の中心を通る軸Lを中心に回転可能とされている。また、プローブブロック2の貫通孔21には、図示しない水供給部から水が供給されるようになっている。
【0017】
図2及び
図3に示すように、プローブブロック2は、例えば、外形が円筒形状とされており、その内部には長手方向に沿って貫通孔21が設けられている。貫通孔21には、測定対象の鋼管10が通過するようになっている。また、貫通孔21の内面21aには、凹部21bが設けられており、凹部21b内に超音波探傷子3が配設されている。なお、
図3に示す例では、4個の超音波探傷子3が貫通孔21の内面21aの周方向に沿って配置されている。超音波探傷子3の数は複数であればよく、4個に限定されるものではない。
【0018】
また、
図2及び
図3に示すように、プローブブロック2には、水の導水管21cが設けられている。導水管21cは、プローブブロック2の外面2aと、貫通孔21の内面21aとの間を貫通している。プローブブロック2の外部に設置された図示略の水供給部及び導水管21cを介して、水が貫通孔21に供給されるようになっている。
【0019】
なお、プローブブロック2は、プローブブロック2に備えられた超音波探傷子3とともに、後述する調整方法を実施するために、超音波探傷装置1に対して着脱自在とされている。
【0020】
超音波探傷子3はそれぞれ、貫通孔21を通過する鋼管10に向けて超音波を発信するとともに、鋼管10から反射されたエコーを受信し、その受信信号を出力信号として出力する。内部欠陥を検知すると、出力信号には内部欠陥に由来するピークが出現する。このピークを解析することで、鋼管10の肉厚部10aにおける内部欠陥の位置を判定できるようになっている。超音波探傷子3には図示略の超音波の発信部と受信部とが備えられ、これら発信部と受信部は貫通孔21側に向けられている。
【0021】
また、
図2及び
図3に示すように、プローブブロック2には、超音波探傷子3の姿勢を調整する調整部7が内蔵されている。調整部7は、超音波探傷子3の取り付け角度を調整するものである。すなわち、
図2及び
図3に示すように、調整部7は、貫通孔21に沿ってプローブブロック2を貫通する長尺のロッド7aと、ロッド7aの一方の端部7bに設けられた操作部7cと、から構成されている。ロッド7aは、例えば、貫通孔21の軸Lと平行となるように配置されている。操作部7c及びロッド7aはともにロッド7aの軸回りに回動自在とされている。また、ロッド7aの他端7dには超音波探傷子3が接続されており、ロッド7aの回動に伴って超音波探傷子3も回動自在とされている。これにより、超音波探傷子3は、貫通孔21を通過する鋼管に対して、超音波の照射角度を変更することが可能になる。
図4には、調整部7によって超音波探傷子3の姿勢が変更される様子を示している。操作部7cを回動させることによって超音波探傷子3が回動し、これにより鋼管10に対する超音波の照射方向が、鋼管10の通過方向と直交する方向に沿って変更されるようになる。
【0022】
また、
図5(b)に示すように、超音波探傷子3は、超音波探傷子3から発信された超音波の焦点位置Fが、鋼管10の内周面10bに位置するように、プローブブロック2に配設されていることが好ましい。具体的には、超音波探傷子3の発信部から鋼管10の内周面10bまでの距離を、超音波探傷子3における超音波の焦点距離に一致させるように、超音波探傷子3をプローブブロック2の凹部21bに配置するとよい。
【0023】
図1に示すように、ガイド部材6は、プローブブロック2の入側と出側とにそれぞれ配置されており、鋼管10を案内するためのガイド孔6aを有する。鋼管10がプローブブロック2の貫通孔21を通過する際には、入側及び出側のガイド部材6によって貫通孔21内における通過位置が位置決めされる。これにより、搬送中の鋼管10と超音波探傷子3との距離を一定に保つことができ、内部欠陥の探傷を安定して行うことが可能になる。
【0024】
次に、本実施形態の鋼管の超音波探傷方法について説明する。
図1(a)に示すように、プローブブロック2の入側に鋼管10を配置し、入側の搬送ロール4によって鋼管10をプローブブロック2に接近させる。なお、プローブブロック2における超音波探傷子3の姿勢は、予めテストピース31を用いて調整しておく。テストピース31を用いた超音波探傷子3の調整方法については後述する。
【0025】
次いで、入側のガイド部材6によって鋼管10を案内させつつ、プローブブロック2の貫通孔21に鋼管10を挿入する。また、導水管21cを介して貫通孔21に水を供給し、貫通孔21の内面21aと鋼管10の外周面10cとの間の間隙に水の層を形成する。そして、軸Lを中心にしてプローブブロック2を回転させながら、超音波探傷子3による探傷を開始する。超音波探傷子3から発信された超音波は、水の層を介して鋼管10の肉厚部10aに入射され、内部欠陥の探傷がなされる。鋼管10を移動させながらプローブブロック2を回転させることで、鋼管10の外周面10cにおける超音波探傷子3の軌跡が螺旋状の軌跡となり、鋼管10の肉厚部10aの全体に対して超音波探傷子3による探傷が行なわれる。
【0026】
プローブブロック2に配設された超音波探傷子3の姿勢は、予めテストピース31によって最適な角度になるように調整されているので、内部欠陥のS/N比が高い条件での鋼管10の探傷が可能になる。
【0027】
また、
図5(b)に示すように、超音波探傷子3から発信する超音波の焦点位置Fは、鋼管10の内周面10bに位置させた状態で、鋼管10の内部欠陥の探傷を行うことが好ましい。鋼管10の肉厚部10aに超音波を入射させると、鋼管10の内周面10bが最初の反射面となって超音波を反射させるが、この内周面10bは超音波の照射方向に対して凸曲面であるため、超音波は内周面10bにて発散しやすい。従来は、
図5(a)に示すように、超音波の焦点位置Fを鋼管10の外周面10cに位置させていたため、超音波が内周面10bに到達する頃には超音波が広がっており、内周面10bによってより広く発散されていた。しかし、
図5(b)に示す本実施形態のように、超音波の焦点位置Fを、鋼管10の内周面10bに位置させることで、内周面10bにおける超音波の照射範囲が小さくなって、超音波の反射に伴う発散が抑制される。これにより、超音波探傷子3の出力信号のS/N比が向上して、内部欠陥の探傷能力をより向上できる。
【0028】
次に、プローブブロック2における超音波探傷子3の姿勢の調整方法について説明する。
本実施形態の超音波探傷装置1の調整方法は、プローブブロック2の貫通孔21に、表面に模擬欠陥部31aが設けられた中空筒状の鋼材からなるテストピース31を挿入する段階と、超音波探傷子3によって模擬欠陥部31aに対する探傷を行う段階と、模擬欠陥部31aを探傷した際の超音波探傷子3の出力信号の信号対雑音比が最大になるように、テストピース31に対する超音波の照射方向を、テストピース31の長手方向と直交する方向に沿って調整する段階と、を有する。
以下、詳細を説明する。
【0029】
本実施形態の超音波探傷装置1の調整方法では、
図6(a)に示すテストピース31を用いる。テストピース31は、中空筒状の鋼材32と、この鋼材32の下側の端部に取り付けられた固定ロッド33と、上側の端部に取り付けられた操作ロッド34とから構成されている。中空筒状の鋼材32は、測定対象の鋼管10を模擬したものであり、外周面及び内周面にそれぞれ、模擬欠陥部31aが設けられている。模擬欠陥部31aは、深さ0.1mmの凹部であり、鋼材32の長手方向(L方向)に延在する凹部と、周方向(C方向)に延在する凹部の2種類の凹部がある。これにより、鋼管10のL方向またはC方向に延在する内部欠陥を模擬できるようになっている。模擬欠陥部31aの位置は、テストピース31をプローブブロック2に挿入した際に、超音波探傷子3と対向するように予め位置決めされている。
【0030】
次に、テストピース31をプローブブロック2の貫通孔21に挿入する。プローブブロック2は、予め、超音波探傷装置1から取り外しておく。
図6(b)及び
図7に示すように、プローブブロック2の貫通孔21の軸Lが垂直方向を向くように、また、調整部7の操作部7cが上側になるように、プローブブロック2を基台30の所定の位置に設置する。次いで、プローブブロック2の上方からテストピース31を貫通孔21に挿入し、テストピース31の固定ロッド33の先端を基台30の凹部30aに挿入する。これにより、プローブブロック2に対してテストピース31が位置決めされた状態で貫通孔21内に配置される。
図7には、
図6(b)のB-B’線における断面図を示す。プローブブロック2の貫通孔21の軸Lが垂直方向を向くように配置し、テストピース31の長手方向が垂直方向に向くようにしてテストピース31を挿入することで、テストピース31を撓ませずに、貫通孔21の中心にテストピース31を安定して保持することができ、全ての超音波探傷子3の位置合わせを適切に行うことが可能になる。
【0031】
次いで、貫通孔21内を水で満たし、プローブブロック2の貫通孔21の内面21aとテストピース31の鋼材32の外周面との間に水層を形成する。
【0032】
次いで、
図8(a)に示すように、超音波探傷子3(3a)を作動させて、模擬欠陥部31aの探傷を行い、出力信号を出力させる。超音波探傷子3aの出力信号には、模擬欠陥部31aに由来するピークが現れる。このピーク高さ及びバックグラウンドのノイズレベルから、信号対雑音比(S/N比)を求める。
【0033】
ここで、超音波探傷子3の取り付け角度が適切でないために、超音波探傷子3の向きが適切な方向を向いていない場合には、出力信号のS/N比が小さくなるので、S/N比を見ながら超音波探傷子3aの向きを適切な方向に合わせる必要がある。その場合は、プローブブロック2の操作部7cを操作することにより、超音波探傷子3aによるテストピース31に対する超音波の照射方向を、テストピース31の長手方向と直交する方向に沿って調整する。そして、超音波探傷子3aの取り付け角度を出力信号のS/N比が最大になる角度に合わせ、超音波探傷子3aを固定する。このような操作を、全ての超音波探傷子3に対して行う。
図8(b)には、別の超音波探傷子3bの位置調整を行う様子を示している。
【0034】
以上のように、模擬欠陥部31aを探傷した際における超音波探傷子3の出力信号のS/N比が最大になるように、テストピース31に対する超音波探傷子3による超音波の照射方向を調整することで、超音波探傷子3を最適な位置に設置することができるようになる。
【0035】
また、超音波探傷子3の位置調整は、所定の数の鋼管10を検査する毎に、または、所定の期間毎に、実施することが好ましい。これにより、常に、超音波探傷子3を最適な位置に設置できる。
【0036】
以上説明したように、本実施形態の超音波探傷装置1によれば、超音波探傷子3の姿勢を調整する調整部7が備えられており、この調整部7は、鋼管10に対する超音波の照射位置を、鋼管10の通過方向と直交する方向に沿って変更可能とするものであるため、鋼管10の外面に対する超音波の照射方向を適切な方向に設定することが可能になり、これにより、超音波探傷装置1における探傷能力を向上させることができる。
【0037】
また、本実施形態の超音波探傷装置1によれば、超音波探傷子3から発信された超音波の焦点位置が鋼管10の内周面10bに位置するように、超音波探傷子3がプローブブロック2に配設されるので、鋼管10の肉厚部10aの内部に入射された超音波の発散が抑制され、これにより、内部欠陥を探傷した際の出力信号のS/N比が高くなり、超音波探傷装置1における内部欠陥の探傷能力を向上できる。
【0038】
また、本実施形態の超音波探傷装置1の調整方法によれば、プローブブロック2の貫通孔21に、表面に模擬欠陥部31aが設けられた中空筒状の鋼材32からなるテストピース31を挿入し、模擬欠陥部31aを探傷した際の超音波探傷子3の出力信号の信号対雑音比が最大になるように、テストピース31に対する超音波の照射方向を、テストピース31の長手方向と直交する方向に沿って調整するので、超音波探傷装置1における内部欠陥の探傷能力を向上させることができる。
【0039】
更に、本実施形態の鋼管の超音波探傷方法によれば、先に記載の超音波探傷装置1の調整方法によって調整されたプローブブロック2及び超音波探傷子3を用いて、プローブブロック2の貫通孔21に鋼管10を通過させつつ、超音波探傷子3によって、鋼管10の内部欠陥の探傷を行うので、より探傷能力を向上させられる。特に、従来方法では、鋼管において、S/N比が比較的良好な条件で探傷できる人工欠陥の寸法が、深さ0.2mmの比較的深い人工欠陥であったが、本発明によれば、同程度のS/N比で深さ0.1mmの浅い(微小な)人工欠陥を探傷することが可能であり、鋼管の内部欠陥の探傷能力を大幅に向上させることができる。
【0040】
また、本実施形態の鋼管の超音波探傷方法によれば、超音波探傷子3から発信する超音波の焦点位置Fを、鋼管10の内周面10bに位置させた状態で、鋼管10の内部欠陥の探傷を行うので、鋼管10の肉厚部10aの内部に入射された超音波の発散が抑制され、内部欠陥を探傷した際の出力信号のS/N比が高くなり、内部欠陥の探傷能力をより向上できる。
【0041】
実際に、本実施形態の鋼管の超音波探傷方法を実際の鋼管の検査ラインにおいて2ヶ月に渡って実施したところでは、鋼管表面に加工した深さ0.1mmの人工欠陥を検出した際の出力信号のS/N比が10dB以上となり、また、鋼管表面に加工した深さ0.2mmの人工欠陥を検出した際の出力信号のS/N比が、本発明の調整方法を適用しない場合は10dBであったのに対し、本発明の調整方法を適用した場合はS/N比が15dB以上となり、大幅な探傷性能の向上が見られた。
【0042】
次に、本実施形態の超音波探傷装置の変形例を
図9~
図11を参照して説明する。
図9には、別の例の超音波探傷装置101を示す。
図1に示した超音波探傷装置1に対する、
図9の超音波探傷装置101の変更点は、入側のガイド部材106の形状を変更し、ガイド部材106をプローブブロック2に隣接して配置した点である。
【0043】
図9に示す入側のガイド部材106は、ガイド孔106aを有するリング状の本体部106bと、本体部106bから突出した突出部106cとを有する。突出部106cにもガイド孔106aが連通している。突出部106cはプローブブロック2側に向けられている。そして突出部106cがプローブブロック2の入側の貫通孔21の近くに配置されており、これによりガイド部材106がプローブブロック2に対して隣接して位置される。
【0044】
また、
図9に示す出側のガイド部材107についても、ガイド孔107aを有するリング状の本体部107bと、本体部107bから突出した突出部107cとを有する。突出部107cにもガイド孔107aが連通している。突出部107cはプローブブロック2側に向けられている。出側のガイド部材107は、入側のガイド部材106に比べてプローブブロック2からやや離れているが、入側のガイド部材106と同様にプローブブロック2に隣接して配置してもよい。
【0045】
入側のガイド部材106をプローブブロック2の貫通孔21に隣接して配置することで、貫通孔21内を通過する際の鋼管10の先端の自重による撓み量が小さくなり、プローブブロック2に対して鋼管10を安定して通過させることができる。これにより、内部欠陥の信号強度が向上しS/N比をより向上できる。
また、ガイド部材106に突出部106cを設けることで、プローブブロック2に挿入直前の鋼管10の先端を突出部106cによって遮蔽することができ、これにより、貫通孔21から排出される水の飛沫が鋼管10の中空部に侵入することを予防でき、ノイズの低減によりS/N比を向上させることができる。
【0046】
図10には、更に別の例の超音波探傷装置201を示す。また、
図11には、
図10の超音波探傷装置201に備えられたプローブブロック202を示す。
図1または
図9に示した超音波探傷装置1、101に対する、
図10の超音波探傷装置201の変更点は、プローブブロック202に、整流壁41と多孔質材42を備えさせた点である。
【0047】
図10及び
図11に示すプローブブロック202の鋼管10の入側には、貫通孔21から排出された水を導くためのリング状の整流壁41が、貫通孔21を囲むようにプローブブロック202の入側の面202bの外縁部から突出して設けられている。整流壁41は、プローブブロック202の入側の面202bから入側の搬送ロール4側に向けて突出している。これにより、貫通孔21が、整流壁41によって囲まれる。また、整流壁41の内面には、多孔質材42が積層されている。多孔質材42としては、例えば、樹脂製のものを例示でき、より具体的には発泡樹脂を例示できる。また、多孔質材42は樹脂製に限らず、金属製でもよい。
【0048】
図10に示す超音波探傷装置201では、プローブブロック202の入側に、貫通孔21から排出された水を導くための整流壁41が貫通孔21の入側の開口部を囲むように設けられているので、
図11中の矢印Cに示すように、貫通孔21から排出された水が整流壁41を伝って集められ、整流壁41の最も低い位置から下方に流下する。これにより、超音波探傷装置201に複数の鋼管10を連続供給する際に、後行の鋼管10の中空部に水が浸入するおそれが少なくなり、鋼管10のノイズを低減しS/N比をより向上させることができる。
【0049】
また、整流壁41の表面に多孔質材42を積層することで、貫通孔21から排出された水が整流壁41を伝って集められる際に多孔質材42に保持されるようになり、後行の鋼管10の中空部に水が浸入するおそれが極めて少なくなり、鋼管10のノイズを低減しS/N比をより向上させることができる。
【符号の説明】
【0050】
1、101、201…超音波探傷装置、2、202…プローブブロック、3…超音波探傷子、6、106、107…ガイド部材、7…調整部、10…鋼管、10a…鋼管の肉厚部、10b…鋼管の内周面、10c…鋼管の外周面、21…貫通孔、21a…貫通孔の内面、31…テストピース、31a…模擬欠陥部、32…中空筒状の鋼材、41…整流壁、42…多孔質材、F…超音波の焦点位置。