(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023137862
(43)【公開日】2023-09-29
(54)【発明の名称】ゴミ箱
(51)【国際特許分類】
E03C 1/262 20060101AFI20230922BHJP
【FI】
E03C1/262 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022044272
(22)【出願日】2022-03-18
(71)【出願人】
【識別番号】000157212
【氏名又は名称】丸一株式会社
(72)【発明者】
【氏名】早川 聡
(72)【発明者】
【氏名】北谷 咲乃
【テーマコード(参考)】
2D061
【Fターム(参考)】
2D061DA01
2D061DE03
2D061DE30
(57)【要約】
【課題】
浴室の捕集部材など清掃する必要がある清掃対象の部材について、付着した塵芥を容易且つ確実に廃棄できる浴室用のゴミ箱を提供する。
【解決手段】
ゴミ箱を、塵芥の収納部と、前記塵芥が付着した清掃対象の部材を配置可能な配置部と、前記配置部に設けた前記収納部内に連通する廃棄口と、から構成する。
また、前記清掃対象の部材を載置することで前記配置部に配置する載置部を備えて構成する。また、前記載置部は傾斜面から構成する。また、前記傾斜面は曲面により構成する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
塵芥の収納部と、
前記塵芥が付着した清掃対象の部材を配置可能な配置部と、
前記配置部に設けた前記収納部内に連通する廃棄口と、
から構成されたことを特徴とするゴミ箱。
【請求項2】
前記清掃対象の部材を係止することで前記配置部に配置する係止部を備えて構成したことを特徴とする請求項1に記載のゴミ箱。
【請求項3】
前記清掃対象の部材を載置することで前記配置部に配置する載置部を備えて構成したことを特徴とする請求項1に記載のゴミ箱。
【請求項4】
前記載置部は傾斜面から構成されることを特徴とする請求項3に記載のゴミ箱。
【請求項5】
前記傾斜面は曲面により構成されることを特徴とする請求項4に記載のゴミ箱。
【請求項6】
前記配置部に前記清掃対象の部材を配置した状態で洗浄可能に構成したことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一つに記載の前記ゴミ箱。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浴室に用いられるゴミ箱及びゴミ箱を用いた捕集部材など清掃対象となる部材の清掃方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
浴室を使用することにより、毛髪や身体を洗った際の湯垢等の塵芥が発生する。浴室の洗い場でこれらが発生した場合、塵芥はシャワー等によって洗い流されて浴室の排水口まで流される。浴室の排水口には塵芥を捕集するための捕集部材が配置されており、排水中の塵芥は下水側に排出されることなく捕集部材に捕集される。
【0003】
特許文献1に記載された捕集部材は、浴室の排水口に配置され、排水中に含まれる毛髪等を捕集する捕集部材であって、毛髪等を捕集する捕集部と、捕集部に形成された流出孔と、捕集部で渦流が発生するように、排水を捕集部へ流入させる流入路と、流入路を挟んで形成された上面が一つの平面に収まる隆起部とを備え、前記隆起部の上面はオーバーフロー孔を備えてなる。
上記捕集部材を浴室の排水口に配置した上で浴室を使用すると、排水が排水口に流入する。排水口に流入した排水は、捕集部材の内部を、渦流を生じながら流れるため、排水に混入した塵芥は捕集部の中心部分に集められる。このため、捕集部材の清掃の際に塵芥を捕集部から容易に取り出すことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載したような捕集部材は、使用することで捕集部や捕集部材表面に塵芥が付着する。尚、本発明では捕集部に塵芥を捕集した場合も、捕集部の表面に塵芥が付着した状態の一つの形態であることから「捕集部材の表面に塵芥が付着する」と表現する。長期間捕集部材を使用することで、塵芥が捕集部材に大量に付着した場合には捕集部材を清掃する必要が生じるが、捕集部材の清掃によって取り除かれる塵芥を処分する方法が問題となる。捕集部材は塵芥が流出しないように排水口に取り付けられた部材のため、捕集部材から取り除いた塵芥を浴室の洗い場上に廃棄することや排水口に洗い流すことは不具合である。簡単な処分方法としてはゴミ箱等に塵芥を廃棄する方法であるが、通常浴室内にはゴミ箱が用意されていない。このため、特許文献1に記載のような捕集部材に塵芥が付着した捕集部材を清掃する場合、浴室外に捕集部材を持ち出す必要がある。捕集部等に付着した塵芥は捕集部材が濡れた状態では容易に取り除くことができるが、濡れた状態の捕集部材を浴室外に持ち出すと水滴が落ち床面を汚してしまうという問題がある。捕集部材が乾燥した状態となってから浴室外に持ち出すと床面に水滴が落ちることは無いが、塵芥が捕集部材に強固に貼り付き取り除き難くなるという問題がある。
また、浴室内にゴミ箱を用意した場合でも、片手で捕集部材を持ちながらもう片手で塵芥を摘まむ等して取り除きゴミ箱に廃棄するのは手間であるし、毛髪や湯垢などからなる塵芥に触れるのは不快で不衛生である。また、塵芥を摘まんでゴミ箱に移す際に塵芥を落としてしまい、再び摘まみ上げる等の手間が増える場合もある。
浴室内であればシャワー等の水流で捕集部材に付着した塵芥を洗い流すことも考えられるが、捕集部材を洗浄することで生じた、塵芥の混入した洗浄水を洗い場の床上に流すのは不具合である。浴室内にゴミ箱を用意し、洗浄水がゴミ箱内部に流入するようにすれば洗浄水が洗い場の床上に流れる不具合は解消できるが、片手で捕集部材を把持しつつもう片手でシャワーヘッドを持ち、更に同時に捕集部材の洗浄水がゴミ箱内に流入するように捕集部材やシャワーの位置・方向・水量調整などの作業を行うことは困難である。
上記説明では塵芥を捕集する捕集部材を、清掃対象の部材として説明したが、同様の問題は捕集部材だけではなく、浴室の清掃が必要になる部材全般について生じる問題である。
本発明は上記問題点に鑑み発明されたものであって、浴室の捕集部材など清掃する必要がある清掃対象の部材について、付着した塵芥を容易且つ確実に廃棄できる浴室用のゴミ箱を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
手段1.本発明は、塵芥の収納部と、前記塵芥が付着した清掃対象の部材を配置可能な配置部と、前記配置部に設けた前記収納部内に連通する廃棄口と、
から構成されたことを特徴とするゴミ箱である。
【0007】
手段2.本発明は、前記清掃対象の部材を係止することで前記配置部に配置する係止部を備えて構成したことを特徴とする請求項1に記載のゴミ箱である。
【0008】
手段3.本発明は、前記清掃対象の部材を載置することで前記配置部に配置する載置部を備えて構成したことを特徴とする請求項1に記載のゴミ箱である。
【0009】
手段4.本発明は、前記載置部は傾斜面から構成されることを特徴とする請求項3に記載のゴミ箱である。
【0010】
手段5.本発明は、前記傾斜面は曲面により構成されることを特徴とする請求項4に記載のゴミ箱である。
【0011】
手段6.本発明は、前記配置部に前記清掃対象の部材を配置した状態で洗浄可能に構成したことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一つに記載の前記ゴミ箱である。
【0012】
前記手段によれば、浴室内に用意したゴミ箱に、捕集部材など清掃対象の部材を配置可能な配置部を設け、この配置部に清掃対象の部材を配置した状態で清掃することで、清掃対象の部材に付着した塵芥を、廃棄口を介して容易且つ確実にゴミ箱の収納部に収納させることができる。
特に浴室内に用意したゴミ箱の配置部に清掃対象の部材を配置した状態で洗浄用の水や洗剤を浴びせると、清掃対象の部材が濡れた状態となるので清掃対象の部材の塵芥が捕集部材表面から分離し、洗い流すことで容易な清掃が可能となる。塵芥は洗浄水などと共にそのまま廃棄口を介してゴミ箱の収納部に流入し収納部内に収納されるため、清掃作業者が清掃対象の部材に手を触れることや、清掃対象の部材に付着した塵芥を摘まむことなく清掃対象の部材の清掃を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図10】
図8のB-B位置で切断した状態の斜視図である。
【
図11】捕集部材の(a)斜視図、(b)平面図、(c)側面図である。
【
図12】実施例に係るゴミ箱の、載置部に捕集部材を載置した断面図である。
【
図14】
図12の、ゴミ箱のみC-C位置で切断した断面図である。
【
図15】係止部を備えた実施例を示す断面図である。
【
図16】
図15の実施例の係止部に捕集部材を係止した状態を示す断面図である。
【
図17】カバー部を備えた実施例を示す断面図である。
【
図18】
図17の実施例の、廃棄口を露出した状態の断面図である。
【
図19】他の捕集部材の(a)斜視図、(b)平面図、(c)側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本発明の実施例について、図面を参照しつつ説明する。
尚、本実施例の説明では、清掃対象の部材として浴室の排水口に配置される捕集部材12を用いて説明する。
図1乃至
図14に示した、本発明の実施例のゴミ箱1は、浴室で使用されるゴミ箱1であって、以下に記載するゴミ箱上部1a、ゴミ箱下部1bから構成される。尚、ゴミ箱1に関する説明では、
図5に示したゴミ箱1の断面図の上方を上、下方を下、左側を前方、右側を後方として説明する。
ゴミ箱上部1aは樹脂素材からなり、
図7に示したように下方が解放された箱体であって、箱体の上方には段落0015にて記載する浴室の排水口の捕集部材12を配置可能な配置部4を備えてなる。本実施例の配置部4は、
図1、
図5等に示したように、箱体の上縁から少し落ちくぼんだ位置であって、前後にそれぞれ備えられた、中心方向ほど下方に向かう2つの対向する傾斜面と、傾斜面の側方の壁面とからなる。2つの傾斜面の交差部分に、
図2のように略スリット状、正確には平面視前後に狭く左右に長い楕円形状を成し、ゴミ箱上部1aを上下に貫通することでゴミ箱1として組み立てた時に内外を連通する廃棄口3を設けてなる。
また2つの傾斜面は、
図5にあるように、前方側の傾斜面が後方側の傾斜面に比べて側面視において長くなるように構成されている。また、前方側の傾斜面は平坦面ではなく、
図6に示したように、その断面は若干下方に窪んだ曲面を描くように構成されている。
捕集部材12を清掃する際は、段落0018等で後述するように、前方側の傾斜面に捕集部材12を載置して清掃を行う。即ち、本実施例では前方側の傾斜面が載置部6であり、本実施例のゴミ箱1は配置部4に載置部6を備えた浴室用のゴミ箱1である。
ゴミ箱下部1bは樹脂素材からなり、
図9、
図10に示したように上方が解放された箱体であって、箱体の上方の解放部分は前記ゴミ箱上部1aの下方の解放部分と着脱自在に嵌合するように構成されてなる。また、下方の底面は
図9、
図10から明らかなように傾斜を備えてなり、この傾斜に案内される最も低い部分に複数の小孔からなる排出部7を備えてなる。収納部2の内部に塵芥を含んだ洗浄水が流入すると、洗浄水を排出部7から排出しつつ、塵芥は捕集して収納部2外に流出しないように構成されてなる。
また、ゴミ箱下部1bの背面(後方側の壁面)には防水磁石シート8を貼着してなる。
前記したゴミ箱上部1aの下方の解放部分を、前記したゴミ箱下部1bの上方の解放部分に嵌合させることで、上方に配置部4を備え、この配置部4に廃棄口3を設け、内部に廃棄口3に連通する塵芥の収納部2を備えた本実施例の浴室用のゴミ箱1が完成する。
図4に示したように、ゴミ箱1の側面視は上辺が下辺よりも幅広な直角台形を成す。
【0015】
次に、本実施例のゴミ箱1が使用される浴室について説明する。
本実施例のゴミ箱1が使用される浴室には洗い場と浴槽が隣接して配設されている。また、洗い場と浴槽からなる浴室空間は、天井と、浴室空間の四方を囲むように壁面が設けられてなり、更に洗い場と浴槽との両方に接する壁面にカウンター、水栓、シャワーなどの一般的な入浴関連器具が設けられてなる。
浴室空間の壁面は、表面は防水仕様の壁紙等によって覆われてなるが、壁面内部の素材に鉄の合金等からなる金属板が使用されており、本実施例の浴室のゴミ箱1は、防水磁石シート8の効果によって浴室壁面に取り付けることができる。
また、洗い場は若干の傾斜を備えてなり、傾斜の最下端となる位置に平面視円形の排水口を備えてなり、洗い場に生じた排水はこの排水口から床下配管を介し下水側に排出される。
排水口には、洗い場からの排水に混入した塵芥がそのまま床下配管や下水側の配管に流出することが無いように、段落0016に記載する塵芥の捕集部材12が備えられる。
【0016】
以下に、上記した浴室の洗い場の排水口に備えられる清掃対象の部材としての捕集部材12について説明する。
清掃対象の部材としての捕集部材12は、
図11に示したように、平面視円形の円盤状の部材であって、外縁部分を形成する環状部12aと、環状部12a内に複数設けられたリブから排水中の塵芥を捕集する捕集部12bと、環状部12aの外側面に設けられた溝部12cとからなる。
【0017】
ここで、上記した各部材の一部寸法について説明する。
段落0015に記載した浴室の洗い場の排水口の内径は約103ミリメートルであり、段落0016に記載した排水口に備えられる捕集部材12の外径は約102ミリメートルである。
この浴室の排水口の内径約103ミリメートルと捕集部材12の外径約102ミリメートルは、規格等によって定められた寸法ではないが、浴室や排水機器のメーカーにおいて多くの排水口及び捕集部材12に採用されている所謂標準寸法である。
本実施例のゴミ箱1の配置部4は上記した捕集部材12の標準寸法に基づいて設計されている。具体的には、
図2のXで示した、ゴミ箱1の配置部4の横幅であり載置部6である前方側の傾斜面の横幅は、捕集部材12の外径の標準寸法より若干大きい約110ミリメートルに設計されており、これによって標準寸法の外径を有する捕集部材12であれば収納できるように構成されている。
また、
図5のYで示した、ゴミ箱1の載置部6である前方側の傾斜面の前後の幅は、捕集部材12の標準寸法の半径より若干大きい約55ミリメートルである。このため、標準寸法の外径を有する捕集部材12であれば前方側の傾斜面上に捕集部材12の半分以上の部分を載置することができるように設計されている。
【0018】
上記のように構成したゴミ箱1を用いることで、以下のようにして、浴室にて捕集部材12等清掃対象の部材を洗浄することが可能である。
段落0014に記載した本発明のゴミ箱1は、ゴミ箱上部1aとゴミ箱下部1bを嵌合させた状態で、段落0015に記載した浴室のシャワーが備えられた壁面に、防水磁石シート8を利用して取り付けられている。
清掃の為に、洗い場の排水口から塵芥の付着した捕集部材12を操作によって脱着し、ゴミ箱1の載置部6である前方側の傾斜面に捕集部材12を、捕集部12bの上面が下方、即ち傾斜面の上面を向くようにして配置すると、
図12、
図13に示したように各部の寸法の関係から前方側の傾斜面上に捕集部材12の中心を含む半分以上の部分を載置することができる。捕集部材12の中心部分、即ち重心も傾斜面上に位置することから捕集部材12が傾斜面から落下することはない。また、傾斜面上に捕集部材12を配置したとき、前方側の傾斜面は
図6に図示したように若干の円弧を備えており、平坦面である捕集部材12の捕集部12bとの間には
図14に示したように隙間を生じている。
この状態より、捕集部材12裏面にシャワー等の水流を浴びせることで、捕集部材12表面、特に捕集部12bに付着した塵芥は洗い流され、傾斜面と捕集部12bの間の隙間を流路として通過し、傾斜面に沿って廃棄口3を介し収納部2内に流入される。収納部2内に流れ込んだ洗浄水は収納部2底面の傾斜に沿って流れ排出部7から排出されるが、洗浄水中の塵芥特に細長い毛髪等は排出部7にて捕集され、収納部2内に留まり、流出することは無い。
このようにして、本実施例のゴミ箱1を使用することで、清掃作業者は塵芥を摘まむ等塵芥に触れることなく捕集部材12を洗浄することができ、衛生的である。
また、作業の際、清掃作業者は捕集部材12を傾斜面上に載置すれば廃棄口3の上流側に捕集部材12を位置させることができる。捕集部材12を把持しながら廃棄口3の上流側に位置させる必要がなくなり、シャワー操作のみ行うだけで、塵芥が混入した捕集部材12の洗浄水を、確実にゴミ箱1の収納部2に流入させることができる。
【0019】
尚、本実施例のゴミ箱1は、上記のように清掃対象の部材を配置して清掃するのに好適となるよう構成されているが、浴室内で生じた塵芥をそのまま捨てる、通常のゴミ箱1としての使用法もある。
例えば試供品のシャンプーやコンディショナー、化粧品の小袋など、浴室内で使用し使用後は直ちに塵芥となる使い捨ての品物について、使用後に不要となった小袋等を、廃棄口3を介して収納部2内に捨てるなど通常のゴミ箱1として使用することも、もちろん可能である。
この場合、浴室から出ることなく塵芥を処分できるため好適である。
また、廃棄口3も完全なスリット状ではなく楕円形状であるため、上記した使用後の小袋のような薄い塵芥だけでなく、ある程度大きなまたは球形状等立体的な塵芥も廃棄口3から廃棄することができる。
また、上記した使い捨ての品物等について、使用するまでは載置部6上に載置しておき、使用して塵芥となった後は直ちに廃棄口3から廃棄する、といった使用方法もある。石鹸や容器に入ったシャンプーなど常時使用される品物に比べ、使い捨ての品物は使用すれば無くなるため浴室に常時置かれることは無い。このため、使い捨ての品物を浴室内に持ち込んでも、浴室内での置き場が決まっていない場合が多く、適当に置いては紛失する、または使用しようとした時に置き場所を忘れて使用できない、といった問題が起きることがあるが、上記のように使用するまでは載置部6上に載置しておき、使用後はそのまま廃棄口3から廃棄すれば紛失や処分に困ることが無くなる。
【0020】
使用により一定量収納部2内に塵芥が溜まった場合は、ゴミ箱1をゴミ箱上部1aとゴミ箱下部1bに分離させ内部の塵芥を取り出して処分することで支障なくゴミ箱1を使用することができる。
【0021】
本発明の実施例は以上であるが、本発明は上記実施例に限定される物ではなく主旨を変更しない範囲において自由に変更が可能である。
例えば、
図15に示したように、上方を廃棄口3として解放した箱体と、廃棄口3よりも上方に棒状体からなる係止部5を設け、この係止部5に捕集部材12など清掃対象の部材を係止させる構成のゴミ箱1としても良い。この場合、
図16に示したように係止部5に清掃対象の部材を係止した状態で、段落0018と同様にシャワーの水流を当てて洗浄することで、捕集部材12に付着した塵芥を洗い流し、塵芥を含んだ水流を、廃棄口3を介してゴミ箱1の収納部2内に流入させ、塵芥を収納させることができる。この
図15のゴミ箱1の場合、係止部5から廃棄口3までの、係止部5に清掃対象の部材を係止させることで清掃対象の部材が配置される空間が配置部4である。
この
図15の実施例でも、廃棄口3の上流側となる配置部4の位置に捕集部材12など清掃対象の部材を配置しシャワー等から水流を浴びせることで、清掃対象の部材を洗浄することが可能になる。清掃対象の部材に付着した塵芥を含んだ排水は確実に廃棄口3から収納部2内に流入させることができる。またこの際清掃作業者は清掃対象の部材を把持しながら作業する必要が無いため容易に作業を行うことができ、また捕集部材12に付着した塵芥を摘まむ必要も無いため衛生的である。
【0022】
また、上記
図1の実施例では、収納部2の上方に傾斜面を配置し、廃棄口3をスリット状に近い楕円形状としたことで、塵芥を収納する収納部2内を視認し難くし意匠性を高める機能も備えているが、
図17に示した実施例のように、ゴミ箱1にカバー部材11を備え、収納部2内を完全に塵芥を廃棄する際や捕集部材12の清掃の際のみ配置部4や廃棄口3を露出するようにしても良い。
図17の実施例のゴミ箱1は、ゴミ箱本体13とカバー部材11とからなり、ゴミ箱本体13は防水磁石シート8を備えないこと、下端近傍の左右の側面に回動部9を備えること、過剰な回転を防止するストッパー10を備えること以外は
図1に示したゴミ箱1の実施例と同じ構成である。
カバー部材11は上面と左右の側面及び背面に壁面を備え、ゴミ箱1を使用しない
図17の状態ではカバー部材11の各壁面はゴミ箱本体13を覆うように配置されて廃棄口3が露出することを防止している。またカバー部材11の背面に防水磁石シート8を備える。また左右の側面はゴミ箱本体13の回動部9を回動可能に軸支してなる。
ゴミ箱1の使用時には、
図18に示したように、ゴミ箱本体13を、回動部9を回転の軸として前方に回転させることでゴミ箱1の前面に配置部4や廃棄口3を露出させ、
図1に示したゴミ箱1の実施例と同様の方法で清掃対象の部材の清掃や塵芥の廃棄を行うことができる。
【0023】
尚、本実施例の説明において、清掃対象の部材として
図11に示した円盤状の捕集部材12を例示したが、本発明のゴミ箱1に使用できる清掃対象の部材は
図11に図示した形状の捕集部材12に限定されるものではなく、例えば特許文献1に記載の捕集部材12や、
図19に図示した、外縁部分を形成する環状部12aと、環状部12a内に複数の小孔を設けたすり鉢状の捕集部12bと、環状部12aの外側面に設けられた溝部12cと、環状部12aに設けた取手部12dとからなる捕集部材12等であっても良い。また捕集部材12以外の部材、例えば髭剃り等であっても良い。
【符号の説明】
【0024】
1 ゴミ箱 1a ゴミ箱上部
1b ゴミ箱下部 2 収納部
3 廃棄口 4 配置部
5 係止部 6 載置部
7 排出部 8 防水磁石シート
9 回動部 10 ストッパー
11 カバー部材 12 捕集部材
12a 環状部 12b 捕集部
12c 溝部 12d 取手部
13 ゴミ箱本体