(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023137916
(43)【公開日】2023-09-29
(54)【発明の名称】システム天井の点検口表示構造
(51)【国際特許分類】
E04F 19/08 20060101AFI20230922BHJP
E04B 9/00 20060101ALI20230922BHJP
E04B 9/18 20060101ALI20230922BHJP
E04B 9/12 20060101ALI20230922BHJP
【FI】
E04F19/08 101G
E04B9/00 H
E04B9/18 B
E04B9/12
E04B9/18 T
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022044356
(22)【出願日】2022-03-18
(71)【出願人】
【識別番号】000001834
【氏名又は名称】三機工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090985
【弁理士】
【氏名又は名称】村田 幸雄
(74)【代理人】
【識別番号】100093388
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 喜三郎
(74)【代理人】
【識別番号】100093506
【弁理士】
【氏名又は名称】小野寺 洋二
(74)【代理人】
【識別番号】100206302
【弁理士】
【氏名又は名称】落志 雅美
(72)【発明者】
【氏名】筒井 僚
(57)【要約】 (修正有)
【課題】天井パネルの入れ違いが生じても、所望の点検口となる特定開口の天井パネルを容易に識別可能としたシステム天井の点検口表示構造を提供する。
【解決手段】上階スラブから吊り下げられて平面に対して平行配置された複数のメインTバー2と、複数のメインTバーの配列面内に交差配置された複数のクロスTバー3の交叉で形成される複数の開口部7を持つ天井グリッド1を有する。メインTバーとクロスTバーの交叉で形成される複数の開口部に天井パネル8が着脱可能に嵌め込まれている。メインTバーとクロスTバーは、天井下面の長手方向に沿ってスリット2a、3aを有する。システム天井の平面に設置されて設備にアクセスする特定の天井パネルが嵌めこまれた特定開口を構成するメインTバーとクロスTバーのスリットの一方又は双方に、特定開口であることの目印となる樹脂チューブ片4a、4bを挿入留置してある。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
天井グリッドと上階スラブの間の空間に空調機器、照明機器等の設備を設置したシステム天井の前記設備の点検を行うための点検口表示構造であって、
前記システム天井は、前記上階スラブから吊り下げられて天井レベルの水平面に対して平行配置された複数のメインTバーと、
前記複数のメインTバーの配列面内に交差配置された複数のクロスTバーの交叉で形成される複数の開口部を持つ天井グリッドを有し、
前記メインTバーと前記クロスTバーの交叉で形成される前記複数の開口部に天井パネルが着脱可能に嵌め込まれてなり、
前記メインTバーと前記クロスTバーは、下面の長手方向に沿ってスリットを有し、
前記システム天井の平面に設置されて前記設備にアクセスする特定の天井パネルが嵌めこまれた前記特定開口を構成する前記メインTバーと前記クロスTバーの前記スリットの一方又は双方に、前記特定開口であることの目印となる樹脂チューブ片を挿入留置してなることを特徴とするシステム天井の点検口表示構造。
【請求項2】
前記メインTバーと前記クロスTバーの前記スリットに挿入留置される前記樹脂チューブ片は一つで、当該樹脂チューブ片に前記特定開口にアクセスする天井パネルであることを目視で識別できるマーキングを有することを特徴とする請求項1に記載のシステム天井の点検口表示構造。
【請求項3】
前記メインTバーと前記クロスTバーの前記スリットに前記樹脂チューブ片を挿入留置する位置が2ヶ所あり、当該位置が前記特定開口の天井パネルの4辺の異なる辺にあることを特徴とする請求項1に記載のシステム天井の点検口表示構造。
【請求項4】
前記メインTバーと前記クロスTバーの前記スリットに前記樹脂チューブ片を挿入留置する位置が、前記スリットが交叉するコーナー部に近接する位置で前記特定開口の天井パネルを共に臨んで隣接する位置であることを特徴とする請求項2に記載のシステム天井の点検口表示構造。
【請求項5】
前記メインTバーと前記クロスTバーの前記スリットに挿入留置する前記樹脂チューブ片の表面に、点検対象となる設備の種類ごとに決められた黒色及び白色を含む色彩を有することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のシステム天井の点検口表示構造。
【請求項6】
前記メインTバーと前記クロスTバーの前記スリットに挿入留置する前記樹脂チューブ片の外周面に、点検対象となる設備の種類ごとに決められた目視で識別できる黒色及び白色を含む1又は複数色のリングを有することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のシステム天井の点検口表示構造。
【請求項7】
前記メインTバーと前記クロスTバーの前記スリットに挿入留置する前記樹脂チューブ片の外表面に、対応する設備の種類ごとに決められた目視で識別できる黒色及び白色を含む1又は複数色のドットを有することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のシステム天井の点検口表示構造。
【請求項8】
前記メインTバーと前記クロスTバーの前記スリットに挿入留置する前記樹脂チューブ片の外表面に、対応する設備の種類ごとに決められた目視で識別できる黒色及び白色を含む1又は複数色の蛍光色を塗布していることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のシステム天井の点検口表示構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、天井裏に、空調機器や照明機器等の設備を設置したシステム天井の点検口表示構造に関する。
【背景技術】
【0002】
事務所ビルなどに採用されるシステム天井は、天井裏に空調機器(ダンパ、バルブ、プルボックス等)や各種の防災防犯センサ、照明機器、放送機器等の設備及びその動作のための配管や配線を設置したもので、所謂吊り天井の一つである。システム天井の中でも特にグリッド天井と呼ばれる天井では一般に、縦断面略逆T字状をした天井下地構造材により多数の格子状(グリッド状)の枠組を形成し、この枠組みの天井下地材のフランジに天井パネル(天井ボードとも言う)を下から嵌め込んで天井パネルの縁を載置して構成される。
【0003】
通常、天井パネルは同形同寸法の矩形状とされ、上記した格子状枠で形成される同形同寸法の開口に、矩形状の天井パネルの長辺よりさらに枠組みの対角線が長いことを利用して下からはめ込まれて取り付けられる構造とされる場合がある。
このような構造とされた天井の裏面に設置された設備を定期的に、あるいは必要に応じて点検や修理の作業を行う際に、通常は、該当する設備に当該設備にアクセスできる位置にある天井パネルを取り外し、その取り外しで出来た開口から対象設備の点検や整備が行われる。
【0004】
天井パネルを張り終えた天井を見上げると、何れの天井パネルも特徴がなく、天井面が一様な外観となるように仕上げるのが、建築意匠的な美観が備わることとなり施工に携わる技術者の誇りである。したがって、点検口である天井パネルに異様な形状や目印をつけることは避けられ、現実には目立たない大きさの小さなシールなどを該当する点検口の天井パネルに貼付している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開昭61-198434号公報
【特許文献2】特開2013-204397号公報
【特許文献3】特開2003-41705号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
天井工事が竣工した際の設備担当者と、その後天井内機器や配管配線の盛替え工事や点検作業の際の設備担当者とは全く別であるのが普通であり、かつ天井内機器も空調設備、防災設備、防犯設備、照明設備など多岐にわたり各工事担当会社も異なるため、このような一様な外観の天井を構成する天井パネルの、どのパネルの裏側に点検対象となる特定の設備があるのかを知ることは難しい。
すなわち、特定機器や設備ごとの点検口を多数の天井パネルの中から特定することは極めて困難である。たとえ目的の機器のフェースが天井面に見えていてもその横が点検口として適切で実際にあるかというと実は、他の機器や配管配線が設置されていてパネルが上に持ち上がらず開けることができなかったり、開いても目指す機器などにアクセスができなかったりする場合が多くあるからである。やみくもに天井パネルを外して目的の点検対象を確認することは作業効率を低下させるだけでなく、天井パネルの損傷を招き兼ねない。
【0007】
上記の点検口となる天井パネルを特定するための方法として、当該特定パネルの表面の一部に、例えばそのコーナー部に目立たない大きさのシールなどを貼付してマーキングをしているのが一般的である。
しかし、天井パネルは同形かつ同サイズであるのが普通なので、設備の点検作業外の補修等のために複数の天井パネルを取り外し、その後の再嵌め込み作業の際に天井パネルに入れ替わりが生じる可能性がある。
すなわち、マーキングした天井パネルが本来の開口位置ではないところに、は嵌め込まれてしまうことがある。
【0008】
その結果、点検作業の際に点検口でない位置の天井パネルを取り外してしまい、目的の点検口を見い出すまで、無駄な作業を強いられることになる。このような無駄を解消するのが当該分野の解決課題の一つになっている。
【0009】
この課題に関連すると考えられる従来技術として、特許文献1、特許文献2、特許文献3を挙げることができる。
特許文献1は、点検口となる天井パネルを保護する外周枠の一部を格子枠のフランジから垂れ下がるようにして下から見やすくし、点検口の位置であることを示すシステム天井の点検口構造を開示する。
点検口の天井パネルは、薄い枠体に嵌め込まれ、他の天井パネルと見た目は異なるが、寸法はほぼ同寸なので、複数の天井パネルを天井グリッドから外してしまうと、従来の技術と同様に、再嵌め込み作業の際に点検口部分の天井グリッドに他の天井パネルに入れ替わりが生じる可能性がある。
【0010】
特許文献2は、点検口に対応する天井パネルを、2辺に対面する並行する2本のTバーの上部フランジにそれぞれ金具を跨がせて支軸を設けて開閉できるように軸支し、点検口の天井パネルだけ枠を有することから天井を下から見て点検口の位置する天井パネルが判別できるようにした構造を開示する。点検口の天井パネルを特製しなければならない。
なお、特許文献3には、Tバーの下側中央に沿って溝を有する天井グリッドが記載されている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の目的は、上記した課題を解決し、天井パネルの入れ違いが生じても所望の点検口となる特定の天井パネルを容易に識別可能としたシステム天井の点検口表示構造を提供することにある。
【0012】
本発明に係るシステム天井の点検口表示構造の代表的な構成を以下に記載する。以下では、本発明の構造の理解を容易にするために、後述する実施の形態で説明する実施例における参照符号を併記するが、本発明はこの参照符号で特定される構成に限定されるものでないことは言うまでも無い。
【0013】
本発明に係るシステム天井の点検口表示構造は、天井グリッドと上階スラブの間の空間に空調機器、照明機器等の設備を設置したシステム天井の前記設備の点検を行うための点検口表示構造であって、
(1)このシステム天井は、上階スラブから吊り下げられて天井レベルの水平面に対して平行配置された複数のメインTバー2と、複数のメインTバー2の配列面内に交差配置された複数のクロスTバー3の交叉で形成される複数の開口部7を持つ天井グリッド1を有する。
メインTバー2とクロスTバー3の交叉で形成される複数の開口部7に天井パネル8が着脱可能に嵌め込まれている。
メインTバー2とクロスTバー3は、天井下面の長手方向に沿ってスリット2a、3aを有する。
システム天井の平面に設置されて設備にアクセスする特定の天井パネル8が嵌めこまれた特定開口を構成するメインTバー2とクロスTバー3のスリット2a、3aの一方又は双方に、特定開口であることの目印となる樹脂チューブ片4a、4bを挿入留置してあることを特徴とする。
【0014】
(2)メインTバー2とクロスTバー3のスリット2a、3aに挿入留置される樹脂チューブ片4a、4bは、その何れか一つで、当該樹脂チューブ片に特定開口にアクセスする天井パネルであることを目視で識別できるマーキングを有することを特徴とする。
【0015】
(3)あるいは、メインTバー2とクロスTバー3のスリット2a、3aに樹脂チューブ片4a、4bを挿入留置する位置が2ヶ所であり、当該位置が特定の天井パネル8の4辺の異なる辺にあることを特徴とする。
【0016】
(4)樹脂チューブ片4a、4bを挿入留置する位置が2ヶ所の場合、メインTバー2とクロスTバー3のスリットに樹脂チューブ片4a、4bを挿入留置する位置が、スリット2a、3aが交叉するコーナーに近接する位置で特定開口の天井パネルを共に臨んで隣接する位置にあることを特徴とする。
【0017】
(5)メインTバー2とクロスTバー3のスリットに挿入留置する樹脂チューブ片4a、4bの表面に、点検対応となる設備の種類ごとに決められた黒色及び白色を含む色彩を有することを特徴とする。
【0018】
(6)メインTバー2と前記クロスTバー3のスリットに挿入留置する樹脂チューブ片4a、4bの外周面に、対応する設備の種類ごとに決められた目視で識別できる黒色及び白色を含む1又は複数色のリング9を有することを特徴とする。
【0019】
(7)メインTバー2とクロスTバー3のスリットに挿入留置する樹脂チューブ片4a、4bの外表面に、対応する設備の種類ごとに決められた目視で識別できる黒色及び白色を含む1又は複数色のドットを有することを特徴とする。
【0020】
(8)メインTバー2とクロスTバー3のスリットに挿入留置する樹脂チューブ片4a,4bの外表面に、対応する設備の種類ごとに決められた目視で識別できる黒色及び白色を含む1又は複数色の蛍光色を塗布していることを特徴とする。
【0021】
本発明は上記の構成に限定されるものではなく、本発明の技術思想の範囲内で種々の変更が可能である。例えば、スリットの無いTバーで天井グリッドを組んだものの場合には、樹脂チューブ片に代えて樹脂粘着テープ等をTバーの所定位置に添付することで同様の効果を得ることができる。
【発明の効果】
【0022】
点検口に対応する特定開口の天井パネルに差し替えが生じても、Tバーに挿入留置された目印(樹脂チューブ片)は移動しないため、点検口の確認に誤りが生じない。これにより、点検等の迅速な作業が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明に係るシステム天井の点検口表示構造を適用する天井グリッドの要部説明図
【
図2】
図1に示した本発明に係る天井グリッドを構成するTバーのスリットに挿入留置された樹脂チューブ片の説明図
【
図3】
図1に示した本発明に係る天井グリッドを構成するメインTバーとクロスTバーの交差部の構成を説明する部分図
【
図4】本発明に係るシステム天井の点検口表示のための樹脂チューブ片をTバーのスリットに(a)挿入する作業の様子と、(b)挿入留置される樹脂チューブ片の構成例を説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、実施例の図面を用いて、本発明に係るシステム天井の点検口表示構造の一実施例を説明する。
【0025】
図1は本発明に係るシステム天井の点検口表示構造を適用する天井グリッドの要部説明図である。天井グリッド1は複数のメインTバー2と、このメインTバー2に交差して固定された複数のクロスTバー3で構成される。
本実施例では、二つのTバー(メインTバー2とクロスTバー3)は直角に交差したものとして図示してあるが、必ずしも直角交差に限らない。また、図ではメインTバー2とクロスTバー3とが同寸法で下面が同レベルに見えるがそれも必ずしも同寸でなくてもレベル違いでも構わない。
図1の(a)は下から見上げた天井の下面(部屋に露呈される表面)を示す。
【0026】
メインTバー2とクロスTバー3の交叉で形成される開口部7に天井パネル8が装着される。この天井パネル8の装着は、部屋の上方で上階のスラブに吊るし下げて組みつけた天井グリッド1に対して、天井パネル8を下側から裏面に差し入れ、その4辺をTバーの“肩”(下部フランジの上縁)に載置して設置される。通常、この天井パネルは、下側から上方に押し上げることで取り外すことができる。
【0027】
図1(b)はクロスTバー3の構造例を、スリットを上側に向けて示した
図1(a)のA―A線で断面した部分図で、クロスTバー3の“T”字の横棒に相当する部分の頂面にスリット3aが長手方向に形成されている。
参照符号3bは縦板部、3cは天井スラブ接続部を示す。
また、
図1(c)はメインTバー2の構造例をスリットを上側に向けて示した
図1(b)と同様の部分図で、メインTバー2の“T”字の横棒に相当する部分の頂面にスリット2aが長手方向に形成されている。同様に、参照符号2bは縦板部、2cは天井スラブ接続部を示す。
クロスTバー3のスリット3aと、メインTバー2のスリット2aの形状が若干異なるのは、両スリットの内部スペースが異なる場合もあることを示している。
【0028】
図1の(a)の太矢印Bで示した開口部7のコーナー部付近に示された参照符号4a、4bは樹脂チューブ片を示す。樹脂チューブ片はビニール絶縁チューブなどの可撓性管体を用いるのが好ましい。
また、管体に限らず、空洞のない可撓性の樹脂棒でもよい。詳しくは
図2で説明する。
【0029】
図2は本発明に係る天井グリッドを構成するTバーのスリットに挿入留置された樹脂チューブ片の一例を説明するもので、
図2(a)は横断面を、
図2(b)はスリットを下からみた部分図である。
図1と同一部分には同一参照符号を付してある。
図2(a)と
図2(b)から明らかなように、Tバー(メインTバー2、クロスTバー3)の下端にスリット2a(3a)を有する内部空間に樹脂チューブ片4a(4b)が挿入留置されている。
【0030】
この実施例における樹脂チューブ片4a(4b)は、一部の表面周りに一本のカラーリング9が付されている。このカラーリング9は前記開口部7の天井裏に設置されている設備に対応した色彩とされている。
この開口を特定開口と称する。なお、このリングの色彩は黒色、白色を含めた複数が使用できる。また、色彩とは別にリングの数、あるいは色と数の組み合わせで識別できるようにしてもよい。カラーリング9の付与は粘着テープの巻回、あるいはマジックインクの描画でもよい。例えば、ダンパーなら緑色、バルブなら赤色とする。
【0031】
使用する樹脂チューブ片4a(4b)を一個のみとする場合には、これに追加して矢印などで所定の天井パネルを示す方向マークを付記するのが好ましい。
また、カラーリング9に限らず、色彩や数を異ならせたドットマークをチューブ片の表面に付してもよい。
また、カラーリング9として、内部にある機器などを表現するのに、夜間の点検や更新工事を想定した蛍光色で何色かを用いて表現するのが好ましい。
【0032】
図3は
図1に示した本発明に係る天井グリッドを構成するメインTバーとクロスTバーの交差部の構成を説明する部分図である。
メインTバー2とクロスTバー3に有する縦板部2b、3b、天井スラブ接続部2c、3cは図示を省略してある。
所定の点検口を示すために2個の樹脂チューブ片を用いる場合、
図3に示したコーナー部に近い位置(収納スペース5a、5b)に、それぞれ樹脂チューブ片を挿入留置することで、2つの樹脂チューブ片が共通に臨む天井パネルが、所定の点検口のある特定開口の天井パネルとなる。
2つの樹脂チューブ片を特定開口の天井パネルを支持する4辺の異なる辺に設けることで、上記と同様の効果が得られるが、コーナー部に近接して設けることで点検口対応の天井パネルの認定がし易い。
【0033】
図4は本発明に係るシステム天井の点検口となる特定開口の表示のための樹脂チューブ片をTバーのスリットに(a)挿入する作業の様子と、(b)挿入留置される樹脂チューブ片の構成例を説明する図である。
メインTバー2とクロスTバー3Tバーのスリット2a、3aに樹脂チューブ片4を挿入するときは、樹脂チューブ片4を手指6でC→、←C→方向に挟んで圧縮し、押し潰して矢印Dに示したようにスリット2a、3aの内部に押し込んで挿入留置する。スリット2a、3aの内部に押し込んで挿入留置した状態が、前記した
図2に示されている。
【0034】
この例では、樹脂チューブ片4には、その一部の周囲にカラーリング9がマジックインク等で描画されている。このカラーリング9の描画に代えてカラーの粘着テープなどを巻回してもよい。
また、この種の樹脂チューブは、黒色、白色、透明を含めて様々な色の体色を持ったものが市販されているので、これを樹脂チューブ片4の色による点検口対応の天井パネルの指定にそのまま利用することもできる。
【0035】
樹脂チューブ片4に代えて、空洞の無い可撓性の樹脂棒でもよいことは前記の通りである。発泡ポリエチレン丸棒や発泡スチロールシリンダー(ポール)などを使用することもできる。
【符号の説明】
【0036】
1・・・天井グリッド
2・・・メインTバー
2a・・・スリット
3・・・クロスTバー
3a・・・スリット
4・・・樹脂チューブ片(目印)
4a,4b・・・樹脂チューブ片
5・・・収容スペース
6・・・手指
7・・・開口部
8・・・天井パネル
9・・・カラーリング