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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023138026
(43)【公開日】2023-09-29
(54)【発明の名称】拡張基板
(51)【国際特許分類】
   G06F 11/30 20060101AFI20230922BHJP
   G06F 11/07 20060101ALI20230922BHJP
   G06F 11/34 20060101ALI20230922BHJP
   G06F 11/32 20060101ALI20230922BHJP
   G05B 19/042 20060101ALI20230922BHJP
【FI】
G06F11/30 140D
G06F11/07 166
G06F11/34 176
G06F11/32 170
G05B19/042
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022044507
(22)【出願日】2022-03-18
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100118843
【弁理士】
【氏名又は名称】赤岡 明
(72)【発明者】
【氏名】柳野 麻理子
【テーマコード(参考)】
5B042
5H220
【Fターム(参考)】
5B042GB07
5B042JJ29
5B042MA05
5B042MA06
5B042MA08
5B042MA10
5B042MA14
5B042MC40
5B042NN03
5H220AA04
5H220BB09
5H220CC09
5H220CX01
5H220CX04
5H220JJ12
5H220JJ16
5H220JJ22
5H220JJ26
5H220KK01
5H220KK02
(57)【要約】
【課題】情報処理装置のログ情報やエラー情報を容易かつ低コストに読み出すことができる拡張基板を提供する。
【解決手段】本開示の拡張基板は、情報処理装置に接続される拡張基板であって、情報処理装置のメイン基板から第1の通信インターフェースを介して情報処理装置のログ情報を受信する第1の受信部と、ログ情報を拡張基板から着脱可能な不揮発性メモリに記憶させる第1の保存部と、ログ情報と予め設定された閾値とを比較することによって、情報処理装置の異常診断を行う第1の診断部と、第1の診断部によって異常と判定された場合に、エラー情報を不揮発性メモリに記憶させる第2の保存部とを備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置に接続される拡張基板であって、
前記情報処理装置のメイン基板から第1の通信インターフェースを介して前記情報処理装置のログ情報を受信する第1の受信部と、
前記ログ情報を前記拡張基板から着脱可能な不揮発性メモリに記憶させる第1の保存部と、
前記ログ情報と予め設定された閾値とを比較することによって、前記情報処理装置の異常診断を行う第1の診断部と、
前記第1の診断部によって異常と判定された場合に、エラー情報を前記不揮発性メモリに記憶させる第2の保存部とを備える、拡張基板。
【請求項2】
外部の機器との間でコマンドおよびデータを送受信する第2の通信インターフェースをさらに備える、請求項1に記載の拡張基板。
【請求項3】
前記不揮発性メモリに記憶された前記ログ情報および前記エラー情報のいずれかまたは両方を前記第2の通信インターフェースを介して外部の機器に送信する送信部をさらに備える、請求項2に記載の拡張基板。
【請求項4】
前記予め設定された閾値を前記第2の通信インターフェースを介して外部の機器から変更する変更部をさらに備える、請求項2または3に記載の拡張基板。
【請求項5】
前記第2の通信インターフェースを介して他の情報処理装置のメイン基板から前記他の情報処理装置のログ情報およびエラー情報のいずれかまたは両方を受信する第2の受信部と、
前記他の情報処理装置の前記ログ情報および前記エラー情報のいずれかまたは両方と、前記不揮発性メモリに記憶されている前記情報処理装置の前記ログ情報および前記エラー情報のいずれかまたは両方とを比較して、前記情報処理装置の異常診断を行う第2の診断部とをさらに備える、請求項2~4のいずれか一項に記載の拡張基板。
【請求項6】
前記ログ情報と予め設定された複数段階の閾値との比較結果に基づいて、予め設定された複数の処理の中から1つを選択して実行する実行部をさらに備える、請求項1~5のいずれか一項に記載の拡張基板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、拡張基板に係り、特に情報処理装置に接続される拡張基板に関する。
【背景技術】
【0002】
工場内で使用される産業用コンピュータ等の情報処理装置には、異常発生時の原因究明を容易にするために、各種のログ情報を出力する機能が搭載されている。しかしながら、産業用コンピュータの一般的な運用形態では、液晶ディスプレイ等の表示装置やキーボード等の入力装置は接続されず、サーバー室内に設けられたラックに複数台の産業用コンピュータの筐体のみが収容される。そして、その中の一台に何らかの異常が発生した場合には、当該一台にユーザーが表示装置と入力装置を接続し、ログ情報やエラー情報を読み出すことによって、異常の原因を調べることになる。そのため、異常発生時の原因究明に取りかかる前段階で、多くの手間を要することになる。
【0003】
特許文献1には、複数台の産業用コンピュータをネットワーク経由で診断用コンピュータに常時接続する構成が記載されている。このように構成すれば、産業用コンピュータに表示装置や入力装置を接続することなく、ユーザーは診断用コンピュータからログ情報やエラー情報を読み出すことができる。しかしながら、複数台の産業用コンピュータをネットワーク経由で診断用コンピュータに常時接続する構成は、高コストとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2002/61514号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示は、上記のような課題を解決するためのものであり、情報処理装置のログ情報やエラー情報を容易かつ低コストに読み出すことができる拡張基板を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本開示に係る拡張基板は、情報処理装置に接続される拡張基板であって、情報処理装置のメイン基板から第1の通信インターフェースを介して情報処理装置のログ情報を受信する第1の受信部と、ログ情報を拡張基板から着脱可能な不揮発性メモリに記憶させる第1の保存部と、ログ情報と予め設定された閾値とを比較することによって、情報処理装置の異常診断を行う第1の診断部と、第1の診断部によって異常と判定された場合に、エラー情報を不揮発性メモリに記憶させる第2の保存部とを備える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施の形態1に係る拡張基板が接続された産業用コンピュータの構成を示す図。
図2】実施の形態1に係る拡張基板の機能的な構成を示すブロック図。
図3】実施の形態1に係る拡張基板の動作を説明するフローチャート。
図4】実施の形態2に係る拡張基板が接続された産業用コンピュータの構成を示す図。
図5】実施の形態2に係る拡張基板の機能的な構成を示すブロック図。
図6】実施の形態3に係る拡張基板が接続された産業用コンピュータの構成を示す図。
図7】実施の形態3に係る拡張基板の機能的な構成を示すブロック図。
図8】実施の形態4に係る拡張基板が接続された産業用コンピュータの構成を示す図。
図9】実施の形態4に係る拡張基板の機能的な構成を示すブロック図。
図10】実施の形態5に係る拡張基板が接続された産業用コンピュータの構成を示す図。
図11】実施の形態5に係る拡張基板の機能的な構成を示すブロック図。
図12】実施の形態5に係る拡張基板の動作を説明するフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下では、図面を参照しながら、本開示の実施の形態について、本開示に係る拡張基板を産業用コンピュータに接続した例に基づいて説明する。ただし、本開示に係る拡張基板の適用可能な範囲は、産業用コンピュータに限定されるものではない。また、図面において同一または対応する要素には同じ参照符号を付して、詳細な説明は適宜省略する。
【0009】
(実施の形態1)
図1は、本開示の実施の形態1に係る拡張基板10が接続された産業用コンピュータ100の構成を示す図である。産業用コンピュータ100は、工場内で使用されるPLC(Programable Logic Controller)等の産業用コントローラを制御するためのコンピュータである。先述したように、一般的な運用形態では、産業用コンピュータ100の筐体には、表示装置や入力装置は接続されておらず、サーバー室内に設けられたラックに複数台の産業用コンピュータ100の筐体のみが収容されている。そして、その中の一台に何らかの異常が発生した場合には、当該一台に表示装置と入力装置を接続し、ユーザーがログ情報やエラー情報を読み出すことによって、異常の原因を調べることになる。
【0010】
産業用コンピュータ100の筐体101内には、メイン基板102が収容されている。メイン基板102上には、CPU103および内部通信インターフェース104が実装されており、CPU103と内部通信インターフェース104とは、バス105によって互いに通信可能に接続されている。CPU103は、産業用コンピュータ100の動作を制御する制御部として機能する。内部通信インターフェース104は、後述する拡張基板10との間で各種のコマンドおよびデータを送受信するためのインターフェースである。内部通信インターフェース104の規格は、特に限定されるものではないが、一例として、PCI Expressである。
【0011】
また、産業用コンピュータ100の筐体101内には、ストレージドライブ106と、温度センサー107と、空冷ファン108と、電源ユニット109と、バッテリ110とが収容されており、これらもバス105に接続されている。ストレージドライブ106は、HDD(Hard Disk Drive)やSDD(Solid State Disk)等の周知の記憶装置であり、S.M.A.R.T情報を生成する自己診断機能を有している。温度センサー107は、産業用コンピュータ100の筐体101内の温度を検出する。空冷ファン108は、産業用コンピュータ100の筐体101内を冷却する。電源ユニット109は、図示しない外部電源から供給される交流電力を産業用コンピュータ100の動作に必要な直流電力に変換する。バッテリ110は、図示しない外部電源からの電力供給が遮断された際に、産業用コンピュータ100の機能を維持するための電源である。
【0012】
また、産業用コンピュータ100の筐体101内に設けられた拡張スロット111には、本実施の形態1に係る拡張基板10が挿入される。したがって、拡張基板10は産業用コンピュータ100の筐体101内に収容される。ただし、拡張基板10は産業用コンピュータ100の外部に置かれてもよい。拡張基板10上には、CPU11と、内部通信インターフェース12と、拡張基板10から着脱可能な不揮発性メモリ13とが実装されており、これらはバス14によって互いに通信可能に接続されている。CPU11は、拡張基板10の動作を制御する制御部として機能する。内部通信インターフェース12は、メイン基板102との間で各種のコマンドおよびデータを送受信するためのインターフェースである。内部通信インターフェース12の規格は、特に限定されるものではないが、一例として、PCI Expressである。
【0013】
不揮発性メモリ13には、メイン基板102から受信される産業用コンピュータ100のログ情報と、当該ログ情報に基づいて生成されるエラー情報とが記憶される。不揮発性メモリ13の種類は、特に限定されるものではないが、一例として、SDメモリーカードである。ログ情報の種類は、特に限定されるものではないが、例えば、ストレージドライブ106の自己診断機能によって生成されるS.M.A.R.T情報、温度センサー107等の各種のセンサーによって検出される情報に基づいて生成されるRAS(Reliability, Availability and Serviceability)情報(具体的には、筐体101内の温度上昇、電源ユニット10の電圧の低下、空冷ファン108の停止、バッテリ110の電圧の低下、図示しないメモリの異常等)、あるいはOSのシステムログ等である。また、拡張基板10上には、発光ダイオード(LED)15と、液晶ディスプレイ(LCD)16と、入出力ポート(I/O)17とが実装されている。
【0014】
図2は、本実施の形態1に係る拡張基板10の機能的な構成を示すブロック図である。拡張基板10は、第1の受信部11aと、第1の保存部11bと、第1の診断部11cと、第2の保存部11dとを含んでおり、これらはCPU11がプログラム制御されることによって実現される。また、上述したように、拡張基板10は、内部通信インターフェース12と、不揮発性メモリ13と、LED15およびLCD16とを備えている。
【0015】
第1の受信部11aは、産業用コンピュータ100のメイン基板102から内部通信インターフェース12を介して、産業用コンピュータ100のログ情報を受信する。第1の保存部11bは、第1の受信部11aによって受信された産業用コンピュータ100のログ情報を不揮発性メモリ13に記憶させる。第1の診断部11cは、産業用コンピュータ100のログ情報と、CPU11の内部メモリ11eに記憶されている予め設定された閾値とを比較することによって、産業用コンピュータ100の異常診断を行う。LED15は、第1の診断部11cによって異常と判定された場合に、異常の発生を報知する報知部として機能する。第2の保存部11dは、第1の診断部11cによって異常と判定された場合に、エラー情報を不揮発性メモリ13に記憶させる。LCD16は、エラー情報を表示する表示部として機能する。
【0016】
次に、本実施の形態1に係る拡張基板10の動作について、図3のフローチャートを参照して説明する。産業用コンピュータ100の動作中、拡張基板10は、図3のフローチャートの処理を予め設定された時間間隔、例えば1時間間隔で繰り返し実行する。
【0017】
ステップS101において、拡張基板10の第1の受信部11aは、産業用コンピュータ100のメイン基板102から内部通信インターフェース12を介して、産業用コンピュータ100のログ情報を1つ受信する。詳細には、第1の受信部11aは、受信することを意図する複数のログ情報の中から1つを選択し、当該1つのログ情報の送信要求コマンドを、内部通信インターフェース12を介してメイン基板102に送信する。これを受信したメイン基板102のCPU103は、当該送信要求コマンドに対応する1つのログ情報を産業用コンピュータ100の筐体101内に収容されている各種の装置、例えばストレージドライブ106や温度センサー107等から取得し、内部通信インターフェース104を介して拡張基板10に送信する。
【0018】
ステップS102において、拡張基板10の第1の保存部11bは、上記のステップS101で受信された1つのログ情報を不揮発性メモリ13に記憶させる。例えば、ストレージドライブ106によって生成されたS.M.A.R.T情報の場合、項目名、現在値および最悪値を記憶させる。また、例えば、温度センサー107によって検出された筐体101内の温度情報の場合、当該温度の数値を記憶させる。
【0019】
ステップS103において、拡張基板10の第1の診断部11cは、上記のステップS101で受信された1つのログ情報と、当該ログ情報に対応して予め設定された閾値とを比較することによって、産業用コンピュータ100の異常診断を行う。例えば、ストレージドライブ106によって生成されたS.M.A.R.T情報の場合、各項目について予め設定された閾値がCPU11の内部メモリ11eに記憶されている。第1の診断部11cは、上記のステップ101で受信されたS.M.A.R.T情報の1つの項目について、当該項目の現在値または最悪値と、内部メモリ11eに記憶されている当該項目に対応する閾値とを比較して、比較結果に基づいて正常または異常を判定する。具体的には、現在値または最悪値が閾値を下回っていれば、閾値を超えているので、異常であると判定する。
【0020】
また、例えば、温度センサー107によって検出された筐体101内の温度情報の場合、筐体101内の温度について予め設定された閾値がCPU11の内部メモリ11eに記憶されている。第1の診断部11cは、上記のステップ101で受信された温度情報について、当該温度の数値と内部メモリ11eに記憶されている閾値とを比較して、比較結果に基づいて正常または異常を判定する。具体的には、温度の数値が閾値を上回っていれば、閾値を超えているので、異常であると判定する。
【0021】
上記のステップS103で1つのログ情報について異常であると判定された場合(S103=異常)、処理フローはステップS104に進む。一方、上記のステップS103で1つのログ情報について正常である判定された場合(S103=正常)、処理フローはステップS107に進む。
【0022】
ステップS104において、第1の診断部11cは、報知部としてのLED15を点滅させることによって、異常の発生を報知する。
【0023】
ステップS105において、第2の保存部11dは、上記のステップS103で異常と判定された1つのログ情報についてのエラー情報を不揮発性メモリ13に記憶させる。例えば、ストレージドライブ106によって生成されたS.M.A.R.T情報の場合、異常と判定された項目の項目名、現在値、最悪値、および予め設定された閾値を記憶させる。また、例えば、温度センサー107によって検出された筐体101内の温度情報の場合、異常と判定された温度の数値、および予め設定された閾値を記憶させる。
【0024】
ステップS106において、第1の診断部11cは、上記のステップS103で異常と判定された1つのログ情報についてのエラー情報を表示部としてのLCD16に表示させる。例えば、ストレージドライブ106によって生成されたS.M.A.R.T情報の場合、異常と判定された項目の項目名、現在値、最悪値、および予め設定された閾値を表示させる。また、例えば、温度センサー107によって検出された筐体101内の温度情報の場合、異常と判定された温度の数値、および予め設定された閾値を表示させる。
【0025】
ステップS107において、第1の受信部11aは、産業用コンピュータ100のメイン基板102から、意図するログ情報をすべて受信したか否かを判定する。意図するログ情報をすべて受信していないと判定された場合(S107=NO)、処理フローは上記のステップS101に戻り、次のログ情報の受信が開始される。一方、意図するログ情報をすべて受信したと判定された場合(S107=YES)、処理フローは終了する。
【0026】
以上説明したように、本実施の形態1に係る拡張基板10は、産業用コンピュータ100の拡張スロット111に挿入されることにより、産業用コンピュータ100の内部に搭載される。拡張基板10は、産業用コンピュータ100のメイン基板102から内部通信インターフェース12を介して、産業用コンピュータ100のログ情報を受信するする第1の受信部11aと、ログ情報を拡張基板10から着脱可能な不揮発性メモリ13に記憶させる第1の保存部11bと、ログ情報と予め設定された閾値とを比較することによって、産業用コンピュータ100の異常診断を行う第1の診断部11cと、第1の診断部11cによって異常と判定された場合に、エラー情報を不揮発性メモリ13に記憶させる第2の保存部11dとを含んでいる。
【0027】
上記の特徴により、本実施の形態1に係る拡張基板10が搭載された産業用コンピュータ100では、ログ情報やエラー情報を読み出すために、表示装置や入力装置を接続する必要がない。また、産業用コンピュータ100をネットワーク経由で外部の診断用コンピュータに常時接続しておく必要もない。本実施の形態1に係る拡張基板10が搭載された産業用コンピュータ100では、異常発生時に不揮発性メモリ13を拡張基板10から取り外し、当該不揮発性メモリ13をユーザーが通常使用しているパーソナルコンピュータ等に接続することによって、ログ情報やエラー情報を読み出すことができる。したがって、本実施の形態1に係る拡張基板10によれば、産業用コンピュータ100のログ情報やエラー情報を容易かつ低コストに読み出すことができる。
【0028】
(実施の形態2)
図4は、本開示の実施の形態2に係る拡張基板210が接続された産業用コンピュータ200の構成を示す図である。拡張基板210は、実施の形態1のCPU11に代えて、CPU211を備えている。また、拡張基板210は、産業用コンピュータ200の外部の機器との間でコマンドおよびデータを送受信するための外部通信インターフェース218を備えている。外部通信インターフェース218の規格は、特に限定されるものではないが、例えば、LANカード、Wi-Fi、またはBluetooth等である。
【0029】
図5は、本実施の形態2に係る拡張基板210の機能的な構成を示すブロック図である。拡張基板210は、実施の形態1の拡張基板10の機能構成に加えて、送信部211fを含んでおり、送信部211fはCPU211がプログラム制御されることによって実現される。また、上述したように、拡張基板210は、外部通信インターフェース218を備えている。
【0030】
拡張基板210の送信部211fは、不揮発性メモリ13に記憶されたログ情報およびエラー情報のいずれかまたは両方を、外部通信インターフェース218を介して産業用コンピュータ200の外部の機器に送信する。外部の機器は、特に限定されるものではないが、一例として、産業用コンピュータ200によって制御されるPLC等の産業用コントローラである。産業用コントローラは、複数の産業用コンピュータのログ情報やエラー情報を収集することにより、異常診断の際の最適な閾値の算出や、他の産業用コンピュータとの差異を解析することができる。
(実施の形態3)
図6は、本開示の実施の形態3に係る拡張基板310が接続された産業用コンピュータ300の構成を示す図である。拡張基板310は、実施の形態1のCPU11に代えて、CPU311を備えている。また、拡張基板310は、実施の形態2と同様に、産業用コンピュータ300の外部の機器との間でコマンドおよびデータを送受信するための外部通信インターフェース218を備えている。
【0031】
図7は、本実施の形態3に係る拡張基板310の機能的な構成を示すブロック図である。拡張基板310は、実施の形態1の拡張基板10の機能構成に加えて、変更部311gを含んでおり、変更部311gはCPU311がプログラム制御されることによって実現される。また、上述したように、拡張基板310は、外部通信インターフェース218を備えている。
【0032】
拡張基板310の変更部311gは、図示しない外部の機器から外部通信インターフェース218を介して受信される情報に基づいて、CPU311の内部メモリ11eに記憶されている予め設定された閾値を変更する。外部の機器は、特に限定されるものではないが、一例として、キーボードである。これにより、ユーザーは産業用コンピュータ300の異常診断時の閾値をキーボードによって外部から自由に変更することができる。
(実施の形態4)
図8は、本開示の実施の形態4に係る拡張基板410が接続された産業用コンピュータ400の構成を示す図である。拡張基板410は、実施の形態1のCPU11に代えて、CPU411を備えている。また、拡張基板410は、実施の形態2、3と同様に、産業用コンピュータ400の外部の機器との間でコマンドおよびデータを送受信するための外部通信インターフェース218を備えている。
【0033】
図9は、本実施の形態4に係る拡張基板410の機能的な構成を示すブロック図である。拡張基板410は、実施の形態1の拡張基板10の機能構成に加えて、第2の受信部411hおよび第2の診断部411iを含んでおり、これらはCPU411がプログラム制御されることによって実現される。
【0034】
拡張基板410の第2の受信部411hは、外部通信インターフェース218を介して、他の産業用コンピュータのメイン基板から当該他の産業用コンピュータのログ情報を受信する。拡張基板410の第2の診断部411iは、他の産業用コンピュータのログ情報およびエラー情報のいずれかまたは両方と、不揮発性メモリ13に記憶されている自己の産業用コンピュータ500のログ情報およびエラー情報のいずれかまたは両方とを比較して、自己の産業用コンピュータ400の異常診断を行う。これにより、自己の産業用コンピュータ400のログ情報やエラー情報と他の産業用コンピュータのログ情報やエラー情報との比較に基づいて、自己の産業用コンピュータ400の異常診断を行うことができる。
(実施の形態5)
図10は、本開示の実施の形態5に係る拡張基板510が接続された産業用コンピュータ500の構成を示す図である。拡張基板510は、実施の形態1のCPU11に代えて、CPU511を備えている。
【0035】
図11は、本実施の形態5に係る拡張基板510の機能的な構成を示すブロック図である。拡張基板510は、実施の形態1の拡張基板10の機能構成に加えて、実行部511jを含んでおり、実行部511jはCPU511がプログラム制御されることによって実現される。実行部511jは、産業用コンピュータ500のログ情報と、複数段階の閾値との比較結果に基づいて、予め設定された複数の処理の中から1つを選択して実行する。
【0036】
詳細には、産業用コンピュータ500の動作中、拡張基板510は、図12のフローチャートの処理を予め設定された時間間隔、例えば1時間間隔で繰り返し実行する。また、複数段階の閾値は、具体的には第1~第3の閾値であり、それらの大小関係は、第1の閾値>第2の閾値>第3の閾値である。
【0037】
ステップ501~ステップ506までの処理は、実施の形態1のステップS101~ステップS106までの処理と同様である。
【0038】
ステップS507において、拡張基板510の実行部511jは、ステップS501で受信された1つのログ情報と、当該ログ情報に対応して予め設定された第1の閾値とを比較する。例えば、温度センサー107によって検出された筐体101内の温度情報の場合、実行部511jは、当該温度情報と内部メモリ11eに記憶されている第1の閾値とを比較する。温度情報が第1の閾値以上である場合には、処理フローはステップS508に進む。一方、温度情報が第1の閾値未満である場合には、処理フローはステップS509に進む。
【0039】
ステップS508において、実行部511jは、筐体101内の温度異常が重度であると判断し、産業用コンピュータ500を強制停止させる。詳細には、実行部511jは、内部通信インターフェース12を介して、メイン基板102に強制停止要求を送信する。その後、処理フローはステップS513に進む。
【0040】
ステップS509において、拡張基板510の実行部511jは、ステップS501で受信された1つのログ情報と、当該ログ情報に対応して予め設定された第2の閾値とを比較する。温度センサー107によって検出された筐体101内の温度情報の場合、温度情報が第2の閾値以上である場合には、処理フローはステップS510に進む。一方、温度情報が第2の閾値未満である場合には、処理フローはステップS511に進む。
【0041】
ステップS511において、実行部511jは、筐体101内の温度異常が中程度であると判断し、産業用コンピュータ500を省エネモードに移行させる。詳細には、実行部511jは、内部通信インターフェース12を介して、メイン基板102に省エネモードへの移行要求を送信する。その後、処理フローはステップS513に進む。
【0042】
ステップS511において、拡張基板510の実行部511jは、ステップS501で受信された1つのログ情報と、当該ログ情報に対応して予め設定された第3の閾値とを比較する。温度センサー107によって検出された筐体101内の温度情報の場合、温度情報が第3の閾値以上である場合には、処理フローはステップS512に進む。一方、温度情報が第2の閾値未満である場合には、処理フローはステップS513に進む。
【0043】
ステップS512において、実行部511jは、筐体101内の温度異常が軽度であると判断し、産業用コンピュータ500の筐体101内に収容されている空冷ファン108の回転数を上昇させる。詳細には、実行部511jは、内部通信インターフェース12を介して、メイン基板102に空冷ファンの回転数の上昇要求を送信する。その後、処理フローはステップS513に進む。
【0044】
ステップS513の処理は、実施の形態1のステップS107の処理と同様である。
【0045】
以上説明したように、本実施の形態5に係る拡張基板510の実行部511jは、産業用コンピュータ500のメイン基板102から受信されたログ情報と、予め設定された複数段階の閾値との比較結果に基づいて、予め設定された複数の処理の中から1つを選択して実行する。これにより、産業用コンピュータ500の異常発生時において、異常の程度に応じて種々の対応策を講じることができる。
【0046】
本開示の幾つかの実施の形態を説明したが、これらの実施の形態は例として提示したものであり、開示の範囲を限定することは意図していない、これらの実施の形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、開示の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、組み合わせを行うことができる。これら実施の形態やその変形は、開示の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された開示とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0047】
10 拡張基板
11 CPU
11a 第1の受信部
11b 第1の保存部
11c 第1の診断部
11d 第2の保存部
12 内部通信インターフェース(第1の通信インターフェース)
13 不揮発性メモリ
14 バス
15 発光ダイオード
16 液晶ディスプレイ
17 入出力ポート
100 産業用コンピュータ(情報処理装置)
101 筐体
102 メイン基板
103 CPU
104 内部通信インターフェース(第1の通信インターフェース)
105 バス
106 ストレージドライブ
107 温度センサー
108 空冷ファン
109 電源ユニット
110 バッテリ
111 拡張スロット
200 産業用コンピュータ(情報処理装置)
210 拡張基板
211 CPU
211f 送信部
218 外部通信インターフェース(第2の通信インターフェース)
300 産業用コンピュータ(情報処理装置)
311 CPU
311g 変更部
400 産業用コンピュータ(情報処理装置)
410 拡張基板
411 CPU
411h 第2の受信部
411i 第2の診断部
500 産業用コンピュータ(情報処理装置)
510 拡張基板
511 CPU
511j 実行部
図1
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図12