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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023138051
(43)【公開日】2023-09-29
(54)【発明の名称】蓄電素子ユニット
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/233 20210101AFI20230922BHJP
   H01M 50/224 20210101ALI20230922BHJP
   H01M 50/227 20210101ALI20230922BHJP
   H01M 50/231 20210101ALI20230922BHJP
   H01M 50/209 20210101ALI20230922BHJP
【FI】
H01M50/233
H01M50/224
H01M50/227
H01M50/231
H01M50/209
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022044541
(22)【出願日】2022-03-18
(71)【出願人】
【識別番号】000002174
【氏名又は名称】積水化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100120617
【弁理士】
【氏名又は名称】浅野 真理
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100210790
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大策
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 康宏
(72)【発明者】
【氏名】竹井 英俊
(72)【発明者】
【氏名】仲村 命
(72)【発明者】
【氏名】長友 昭義
【テーマコード(参考)】
5H040
【Fターム(参考)】
5H040AS01
5H040AT03
5H040AT06
5H040AY05
5H040CC20
(57)【要約】
【課題】収納箱の内部が視認されない蓄電素子ユニットを提供する。
【解決手段】蓄電素子ユニットは、複数の壁部を有する収納箱と、収納箱に収納される複数の蓄電素子モジュールと、を備える。複数の壁部は、第1壁部と、第1壁部に接続される第2壁部と、を含む。第1壁部は、樹脂板本体部と、樹脂板本体部の縁部から樹脂板本体部に交差する方向に延び出す接続部と、を有する第1樹脂板を含む。第2壁部は、樹脂板本体部に非平行な第2樹脂板を含む。接続部の少なくとも一部が、第2樹脂板の厚み方向において第2樹脂板の一部に重なる。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の壁部を有する収納箱と、
前記収納箱に収納される複数の蓄電素子モジュールと、を備える、蓄電素子ユニットであって、
前記複数の壁部は、第1壁部と、前記第1壁部に接続される第2壁部と、を含み、
前記第1壁部は、樹脂板本体部と、前記樹脂板本体部の縁部から前記樹脂板本体部に交差する方向に延び出す接続部と、を有する第1樹脂板を含み、
前記第2壁部は、前記樹脂板本体部に非平行な第2樹脂板を含み、
前記接続部の少なくとも一部が、前記第2樹脂板の厚み方向において前記第2樹脂板の一部に重なる、蓄電素子ユニット。
【請求項2】
前記第1壁部は、前記第1樹脂板と、前記樹脂板本体部に重なる第1金属板と、を含む第1積層体から構成され、
前記第2壁部は、前記第2樹脂板と、前記第2樹脂板に重なる第2金属板と、を含む第2積層体から構成され、
前記第1金属板と前記第2金属板との位置関係が固定されることによって、前記第2壁部が前記第1壁部に接続される、請求項1に記載の蓄電素子ユニット。
【請求項3】
前記接続部は、縁部に前記樹脂板本体部の厚みよりも小さな厚みを有する薄板接続部を有し、
前記第2樹脂板は、縁部に前記第2樹脂板の厚みの最大値よりも小さな厚みを有する薄板部を有し、
前記薄板接続部の少なくとも一部が、前記第2樹脂板の厚み方向において前記薄板部の少なくとも一部に重なり、
前記第2樹脂板の厚み方向に直交する方向において、前記薄板接続部は前記第2樹脂板の一部と向かい合い、前記薄板部は前記接続部の一部と向かい合う、請求項1または2に記載の蓄電素子ユニット。
【請求項4】
前記接続部の少なくとも一部が、前記収納箱の外側から、前記第2樹脂板の一部に重なる、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の蓄電素子ユニット。
【請求項5】
前記第2樹脂板は、前記樹脂板本体部に垂直な方向において、前記第1樹脂板から離間している、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の蓄電素子ユニット。
【請求項6】
前記複数の壁部は、底壁部と、前記底壁部と向かい合う上壁部と、前記底壁部及び前記上壁部に接続する複数の側壁部と、を含み、
前記複数の側壁部の一つが前記第1壁部をなし、前記複数の側壁部の他の一つが前記第2壁部をなす、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の蓄電素子ユニット。
【請求項7】
前記底壁部は、一対の長辺と、前記一対の長辺に交差する方向に延伸する一対の短辺と、を有し、
前記複数の側壁部は、前記底壁部の前記一対の長辺に接続する一対の第1側壁部と、前記底壁部の前記一対の短辺に接続する一対の第2側壁部と、を含み、
前記一対の第1側壁部の各々が、前記第1樹脂板を含む前記第1壁部をなし、前記一対の第2側壁部の各々が、前記第2樹脂板を含む前記第2壁部をなし、
前記一対の第1側壁部の前記第1樹脂板は、前記一対の長辺の延びる方向における前記樹脂板本体部の両側の縁部から延び出す一対の前記接続部を有し、
前記一対の接続部の各々の少なくとも一部が、前記収納箱の外側から、前記第2樹脂板の一部に重なる、請求項6に記載の蓄電素子ユニット。
【請求項8】
前記収納箱に設けられて前記複数の側壁部のいずれか一つを覆う、化粧パネルをさらに備え、
前記化粧パネルは、少なくとも第1化粧壁部と第2化粧壁部とを含む複数の化粧壁部を有し、
前記第1化粧壁部は、化粧壁部本体部と、前記化粧壁部本体部の縁部から前記化粧壁部本体部に交差する方向に延び出す化粧接続部と、を有し、
前記第2化粧壁部は、前記化粧壁部本体部に非平行であり、
前記化粧接続部の少なくとも一部が、前記第2化粧壁部の厚み方向において前記第2化粧壁部の一部に重なる、請求項6または7に記載の蓄電素子ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、蓄電素子ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1に開示されているように、複数の蓄電素子モジュールを有した蓄電素子ユニットが知られている。蓄電素子ユニットは、複数の蓄電素子モジュールとともに、該蓄電素子モジュールを収納する収納箱を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-5027号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
蓄電素子ユニットの収納箱を、複数の部材から構成することが求められる場合があった。蓄電素子ユニットの収納箱を、複数の部材から構成する場合に、蓄電素子ユニットの美観の向上などの観点から、複数の部材同士の隙間から収納箱の内部が視認されない蓄電素子ユニットが求められていた。
【0005】
本開示は、このような事情を考慮してなされたもので、収納箱の内部が視認されない蓄電素子ユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示による蓄電素子ユニットは、
複数の壁部を有する収納箱と、
前記収納箱に収納される複数の蓄電素子モジュールと、を備える、蓄電素子ユニットであって、
前記複数の壁部は、第1壁部と、前記第1壁部に接続される第2壁部と、を含み、
前記第1壁部は、樹脂板本体部と、前記樹脂板本体部の縁部から前記樹脂板本体部に交差する方向に延び出す接続部と、を有する第1樹脂板を含み、
前記第2壁部は、前記樹脂板本体部に非平行な第2樹脂板を含み、
前記接続部の少なくとも一部が、前記第2樹脂板の厚み方向において前記第2樹脂板の一部に重なる。
【0007】
本開示による蓄電素子ユニットにおいて、
前記第1壁部は、前記第1樹脂板と、前記樹脂板本体部に重なる第1金属板と、を含む第1積層体から構成され、
前記第2壁部は、前記第2樹脂板と、前記第2樹脂板に重なる第2金属板と、を含む第2積層体から構成され、
前記第1金属板と前記第2金属板との位置関係が固定されることによって、前記第2壁部が前記第1壁部に接続されてもよい。
【0008】
本開示による蓄電素子ユニットにおいて、
前記接続部は、縁部に前記樹脂板本体部の厚みよりも小さな厚みを有する薄板接続部を有し、
前記第2樹脂板は、縁部に前記第2樹脂板の厚みの最大値よりも小さな厚みを有する薄板部を有し、
前記薄板接続部の少なくとも一部が、前記第2樹脂板の厚み方向において前記薄板部の少なくとも一部に重なり、
前記第2樹脂板の厚み方向に直交する方向において、前記薄板接続部は前記第2樹脂板の一部と向かい合い、前記薄板部は前記接続部の一部と向かい合ってもよい。
【0009】
本開示による蓄電素子ユニットにおいて、
前記接続部の少なくとも一部が、前記収納箱の外側から、前記第2樹脂板の一部に重なってもよい。
【0010】
本開示による蓄電素子ユニットにおいて、
前記第2樹脂板は、前記樹脂板本体部に垂直な方向において、前記第1樹脂板から離間していてもよい。
【0011】
本開示による蓄電素子ユニットにおいて、
前記複数の壁部は、底壁部と、前記底壁部と向かい合う上壁部と、前記底壁部及び前記上壁部に接続する複数の側壁部と、を含み、
前記複数の側壁部の一つが前記第1壁部をなし、前記複数の側壁部の他の一つが前記第2壁部をなしてもよい。
【0012】
本開示による蓄電素子ユニットにおいて、
前記底壁部は、一対の長辺と、前記一対の長辺に交差する方向に延伸する一対の短辺と、を有し、
前記複数の側壁部は、前記底壁部の前記一対の長辺に接続する一対の第1側壁部と、前記底壁部の前記一対の短辺に接続する一対の第2側壁部と、を含み、
前記一対の第1側壁部の各々が、前記第1樹脂板を含む前記第1壁部をなし、前記一対の第2側壁部の各々が、前記第2樹脂板を含む前記第2壁部をなし、
前記一対の第1側壁部の前記第1樹脂板は、前記一対の長辺の延びる方向における前記樹脂板本体部の両側の縁部から延び出す一対の前記接続部を有し、
前記一対の接続部の各々の少なくとも一部が、前記収納箱の外側から、前記第2樹脂板の一部に重なってもよい。
【0013】
本開示による蓄電素子ユニットにおいて、
前記収納箱に設けられて前記複数の側壁部のいずれか一つを覆う、化粧パネルをさらに備え、
前記化粧パネルは、少なくとも第1化粧壁部と第2化粧壁部とを含む複数の化粧壁部を有し、
前記第1化粧壁部は、化粧壁部本体部と、前記化粧壁部本体部の縁部から前記化粧壁部本体部に交差する方向に延び出す化粧接続部と、を有し、
前記第2化粧壁部は、前記化粧壁部本体部に非平行であり、
前記化粧接続部の少なくとも一部が、前記第2化粧壁部の厚み方向において前記第2化粧壁部の一部に重なってもよい。
【発明の効果】
【0014】
本開示によれば、収納箱の内部が視認されない蓄電素子ユニットを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、一実施の形態を説明するための図であって、蓄電素子ユニットを示す斜視図である。
図2図2は、図1の蓄電素子ユニットの内部を示す斜視図である。
図3図3は、図1の蓄電素子ユニットの収納箱の第1側壁部を示す斜視図である。
図4図4は、図1の蓄電素子ユニットの収納箱の上壁部を示す斜視図である。
図5図5は、図1の蓄電素子ユニットの収納箱を示す斜視図である。
図6図6は、図3の第1側壁部の樹脂板を示す斜視図である。
図7図7は、図3のA-A線に沿った第1側壁部の断面の一部を示す部分断面図である。
図8図8は、図3の第1側壁部を構成する積層体に含まれる樹脂板及び金属板を示す側面図である。
図9図9は、図1のB-B線に沿った第1壁部の第1樹脂板及び第2壁部の第2樹脂板の一部を示す部分断面図である。
図10図10は、図1のB-B線に沿った第1壁部の第1樹脂板及び第2壁部の第2樹脂板の一部を示す部分断面図である。
図11図11は、第1樹脂板及び第2樹脂板の特徴の効果を説明するための図である。
図12図12は、第1樹脂板及び第2樹脂板の特徴の効果を説明するための図である。
図13図13は、図4の上壁部の樹脂板を示す斜視図である。
図14図14は、図4の上壁部の金属板を示す斜視図である。
図15図15は、図1のC-C線に沿った第1化粧壁部及び第2化粧壁部の断面の一部を示す部分断面図である。
図16図16は、図1の蓄電素子ユニットの収納箱内に配置された蓄電素子モジュール組合体及び蓄電素子モジュールを示す斜視図である。
図17図17は、図16の蓄電素子モジュール組合体に含まれる蓄電素子モジュールを示す斜視図である。
図18図18は、図17の蓄電素子モジュールに含まれる積層された複数のセルを示す斜視図である。
図19図19は、図18に示された一つのセルを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図1乃至図19を参照し、本開示に係る蓄電素子ユニットの実施形態の一例について詳細に説明する。
【0017】
以下、図面に示された具体例を参照して本開示の一実施の形態について説明する。なお、本件明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺及び縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。
【0018】
図1乃至図19は、本開示による一実施の形態を説明するための図である。このうち、図1は、蓄電素子ユニット10を示す斜視図であり、図2は、蓄電素子ユニット10の内部を示す斜視図である。なお、図2では、後述する上壁部13b、及び化粧パネル19を取り外した状態の蓄電素子ユニット10を示している。また、図2においては、後述する側壁部13cについては樹脂板91の図示を省略している。
【0019】
なお、図面間での方向関係を明確化するため、いくつかの図面には、第1方向DA、第2方向DB及び第3方向DCを図面間で共通する方向として矢印で示している。矢印の先端側が、各方向DA,DB,DCの一側SA1,SB1,SC1となる。また、図面の紙面に垂直な方向に沿って紙面の手前に向かう矢印を、例えば図8に示すように、円の中にXを設けた記号により示した。また、図面の紙面に垂直な方向に沿って紙面の奥に向かう矢印を、例えば図9に示すように、円の中に点を設けた記号により示した。さらに、収納箱11に収納される部品(例えば蓄電素子モジュール組合体15や蓄電素子モジュール20)等を示す図では、収納箱11に収納された状態での方向及び向きを示している。同様に、蓄電素子モジュール20に含まれる各部品(例えば、後述するセル30及びケース18)等を示す図では、収納箱11に収納された蓄電素子モジュール20に組み込まれた状態での方向及び向きを示している。
【0020】
図示された例において、第1方向DA、第2方向DB及び第3方向DCは、互いに垂直な関係にある。また、第1方向DAは鉛直方向と平行になっている。第1方向DAにおける一側SA1は、鉛直方向における下側となり、第1方向DAにおける一側とは反対側となる他側は、鉛直方向における上側となっている。
【0021】
蓄電素子ユニット10は、充放電が可能な二次電池ユニットとして用いられる。図示された蓄電素子ユニット10は、例えば、住宅や公共施設等の建物に適用され、建物の配線と電気的に接続されて建物内に設置された電気装置の電源として機能する。
【0022】
図1及び図2に示すように、蓄電素子ユニット10は、収納箱11と、収納箱11内に収納される複数の蓄電素子モジュール20と、を備えている。図1及び図2に示す蓄電素子ユニット10は、収納箱11内に収納される制御モジュール14をさらに備えている。
【0023】
まず、収納箱11について説明する。収納箱11は、複数の壁部13を有する。壁部13は、制御モジュール14及び蓄電素子モジュール20の配置空間を形成している。図2に示す例において、収納箱11は、隣接する壁部12同士を接続するフレーム部12をさらに有している。壁部13は、制御モジュール14及び蓄電素子モジュール20の配置空間を閉鎖している。
【0024】
複数の壁部13は、第1壁部13dと、第1壁部13dに接続される第2壁部13eと、を含む。第1壁部13dと第2壁部13eとは、第1壁部13d及び第2壁部13e以外の壁部13を介さずに、互いに接続される。複数の壁部13に含まれる二つの壁部13であって、他の壁部13を介さずに互いに接続されている任意の二つの壁部13を、第1壁部13d及び第2壁部13eとみなし得る。
【0025】
本実施の形態において、収納箱11の複数の壁部13は、底壁部13aと、底壁部13aと向かい合う上壁部13bと、底壁部13a及び上壁部13bに接続する複数の側壁部13cと、を含む。図1に示す例において、収納箱11は、略直方体の形状を有するとともに、壁部13として、底壁部13a、上壁部13b及び4つの側壁部13cを有する。この場合、複数の側壁部13cの一つが第1壁部13dをなし、複数の側壁部13cの他の一つが第2壁部13eをなし得る。
【0026】
底壁部13aは、一対の長辺131と、一対の長辺131に交差する方向に延伸する一対の短辺132と、を有する。本実施の形態において、底壁部13aは、第1方向DAにおける一側SA1に位置する、略長方形の略板状の壁部13である。上壁部13bは、第1方向DAにおいて底壁部13aと向かい合う、略長方形の略板状の壁部13である。そして、底壁部13a及び上壁部13bが、それぞれ、第3方向DCに延伸する一対の長辺131と、第3方向DCに直交する第2方向DBに延伸する一対の短辺132と、を有する。4つの側壁部13cは、それぞれ、底壁部13aの一辺に位置する縁部及び上壁部13bの一辺に位置する縁部と接続する、略長方形の略板状の壁部13である。
【0027】
本実施の形態において、複数の側壁部13cは、底壁部13aの一対の長辺131に接続する一対の第1側壁部13c1と、底壁部13aの一対の短辺132に接続する一対の第2側壁部13c2と、を含む。第1側壁部13c1は、他の壁部13を介さずに、底壁部13aの長辺131に接続される。第2側壁部13c2は、他の壁部13を介さずに、底壁部13aの短辺132に接続される。図1及び図2に示す例において、一対の第1側壁部13c1は、第2方向DBにおいて向かい合い、且つ底壁部13aの長辺131の延伸する方向(第3方向DC)に平行な、一対の側壁部13cである。また、一対の第2側壁部13c2は、第3方向DCにおいて向かい合い、且つ底壁部13aの短辺132の延伸する方向(第2方向DB)に平行な、一対の側壁部13cである。この場合、一対の第1側壁部13c1の少なくとも一方が第1壁部13dをなし、一対の第2側壁部13c2の少なくとも一方が第1壁部13dをなしてもよい。また、一対の第1側壁部13c1の少なくとも一方が第1壁部13dをなし、一対の第2側壁部13c2の少なくとも一方が第1壁部13dをなしてもよい。
【0028】
本実施の形態においては、複数の壁部13が第1壁部13d及び第2壁部13eを含む蓄電素子ユニット10の一例として、一対の第1側壁部13c1の各々が第1壁部13dをなし、一対の第2側壁部13c2の各々が第2壁部13eをなす蓄電素子ユニット10について説明する。
【0029】
図2に示す例において、複数の壁部13はそれぞれ、全体として略板状の、独立した部材である。そして、複数の壁部13はそれぞれ、壁部13の縁部において、直接、又は後述するフレーム部12を介して、隣接する他の壁部13の縁部と接続される。複数の壁部13の縁部同士の接続によって、複数の蓄電素子モジュール20を収納する収納空間を有する収納箱11が形成されている。
【0030】
壁部13の構造について説明する。まず、壁部13の構造の一例として、側壁部13cの構造について説明する。側壁部13cの構造に関する説明は、矛盾しない限り、底壁部13a及び上壁部13bについても適用され得る。図3は、側壁部13cの一つを、収納箱11の内側から見た様子を示す斜視図である。図3は、一対の第1側壁部13c1のうち、第2方向DBにおいて一側SB1とは反対側に位置する第1側壁部13c1を、収納箱11の内側(第2方向DBにおいて一側SB1とは反対側)から見た様子を示している。図4は、上壁部13bを、収納箱11の内側(第1方向DAにおける一側SA1)から見た様子を示す斜視図である。図5は、収納箱11のうち、上壁部13b及び第1側壁部13c1のうち一つ(第2方向DBにおいて一側SB1とは反対側に位置する第1側壁部13c1)を除いた壁部13と、壁部13同士を接続するフレーム部12と、を示す図である。なお、図5においては、側壁部13cについて樹脂板91の図示を省略している。
【0031】
複数の壁部13の少なくとも一つは、樹脂板91と金属板92とを含む積層体90から構成される。複数の壁部13の少なくとも一つが樹脂板91と金属板92とを含む積層体90から構成される限り、他の壁部13の構造は、特に限られない。他の壁部13の各々は、後述する樹脂板91及び金属板92のいずれか一方からなる単層体または積層体から構成されてもよいし、樹脂板91と金属板92とから構成される積層体から構成されてもよい。すなわち、他の壁部13の各々は、樹脂板91からなる単層体であってもよいし、金属板92からなる単層体であってもよいし、樹脂板91と金属板92とから構成される積層体であってもよい。収納箱11の強度を確保する観点からは、複数の壁部13の各々が、金属板92を含むことが好ましい。
【0032】
本実施の形態において、複数の壁部13のうち少なくとも複数の側壁部13cは、積層体90から構成される。すなわち、複数の壁部13に含まれる複数の側壁部13cの全てが、樹脂板91と金属板92とを含む積層体90から構成される。本実施の形態においては、上壁部13b及び4つの側壁部13cが樹脂板91と金属板92とから構成される積層体90である。本実施の形態において、底壁部13aは、2つの金属板92から構成される積層体である。なお、本明細書中における樹脂板91と金属板92とを含む積層体90を構成する樹脂板91に関する説明は、矛盾しない限り、樹脂板91を含むが金属板92を含まない単層体または積層体における樹脂板91にも適用される。また、本明細書中における樹脂板91と金属板92とを含む積層体90を構成する金属板92に関する説明は、矛盾しない限り、金属板92を含むが樹脂板91を含まない単層体または積層体における金属板92にも適用される。
【0033】
樹脂板91と金属板92とから構成される積層体90である壁部13の構造について、図3に示す第1側壁部13c1を例としてさらに詳細に説明する。図3に示す例において、側壁部13cは、樹脂板91と、樹脂板91よりも収納箱11の内側に位置する金属板92と、から構成される積層体90である。
【0034】
図6は、図3に示す側壁部13cに含まれる樹脂板91を示す斜視図である。図6に示す例において、側壁部13cに含まれる樹脂板91は、略板状の形状を有する。
【0035】
上述したように、本実施の形態においては、一対の第1側壁部13c1の各々が第1壁部13dをなし、一対の第2側壁部13c2の各々が第2壁部13eをなす。特に、一対の第1側壁部13c1の各々が、第1樹脂板911を含む第1壁部13dをなし、一対の第2側壁部13c2の各々が、第2樹脂板912を含む第2壁部13eをなす。
【0036】
第1壁部13dは、樹脂板91として、樹脂板本体部911aと樹脂板本体部911aの縁部から樹脂板本体部911aに交差する方向に延び出す接続部911bとを有する第1樹脂板911を含む。図3及び図6に示す例において、第1壁部13dは、金属板92として第1金属板921を有している。また、第1壁部13dは、積層体90である第1積層体901から構成されている。図3及び図6に示す例において、第1壁部13dは、第1樹脂板911と、樹脂板本体部911aに重なる第1金属板921と、を含む第1積層体901から構成されている。
【0037】
第2壁部13eは、樹脂板91として、第1壁部13dの樹脂板本体部911aに非平行な第2樹脂板912を含む。本実施の形態において、第2樹脂板912は、樹脂板本体部911aに垂直である。本実施の形態において、第2樹脂板912は、接続部911bに平行である。本実施の形態において、第2樹脂板912は、第1方向DA及び第2方向DBに平行な略長方形の略板状の部材である。本実施の形態において、第2壁部13eは、金属板92として第2金属板922を有している。また、第2壁部13eは、積層体90である第2積層体902から構成されている。本実施の形態において、第2壁部13eは、第2樹脂板912と、第2樹脂板912に重なる第2金属板922と、を含む第2積層体902から構成されている。
【0038】
図6に示す例において、側壁部13cに含まれる樹脂板91には、樹脂板91と金属板92との固定に使用される、後述するねじ穴95が設けられている。ねじ穴95は、第1樹脂板911の樹脂板本体部911aに設けられている。図6に示す例においては、樹脂板91の、収納箱11の内側に位置する面に、収納箱11の内側に向かって延伸する突起部95aが設けられている。そして、ねじ穴95は、突起部95aに設けられている。ねじ穴95は、樹脂板91を貫通していない。
【0039】
樹脂板91には、図6に示す側壁部13cの樹脂板91のように、樹脂板91から突出するリブ93が設けられてもよい。リブ93は、例えば、収納箱11が有する複数の壁部13の樹脂板91の、少なくともいずれか一つに設けられる。また、リブ93は、樹脂板91に、収納箱11の内側又は外側に向かって突出するように設けられる。図6に示す例において、リブ93は、収納箱11の内側に向かって突出するように設けられている。一例として、収納箱11が有する複数の壁部13に含まれる樹脂板91の全てに、内側向きのリブ93が設けられている。
【0040】
図6に示す例において、リブ93は、第1方向DAに延伸する部分と、第1方向DAに垂直な方向に延伸する部分とを有する格子状の形状を有している。また、一例として、リブ93は、樹脂板91と一体的に設けられた樹脂材料から構成される。
【0041】
樹脂板91にリブ93が設けられていることによって、樹脂板91の強度を向上し、収納箱11の、さらには蓄電素子ユニット10の強度を向上させ得る。
【0042】
次に、金属板92について説明する。金属板92は、平板状の本体部92aを有する。金属板92は、本体部92aとともに、本体部92aを樹脂板91に対して連結する部分を有してもよい。金属板92が本体部92aを樹脂板91に対して連結する部分を有さず、本体部92aが樹脂板91に直接接続されていてもよい。本実施の形態において、側壁部13cに含まれる金属板92は、本体部92aを樹脂板91に対して連結する部分を有しない。側壁部13cを構成する積層体90において、金属板92の本体部92aは、樹脂板91に接続されている。一例として、本実施の形態において、側壁部13cに含まれる金属板92の本体部92aは、樹脂板91のリブ93に接する。また、図3に示す例において、側壁部13cに含まれる金属板92には、樹脂板91と金属板92との固定に使用される、後述する貫通孔94が設けられている。貫通孔94は、金属板92の本体部92aに設けられている。
【0043】
図7は、図3のA-A線に沿った壁部13の断面の一部を示す図である。図3及び図7に示すように、積層体90に含まれる樹脂板91と金属板92とは、ねじ96を用いて互いに対して固定される。ねじ96は、頭部96bと、頭部96bから延び出す軸部96aとを有する。この場合、樹脂板91に、ねじ96の軸部96aが通される複数の貫通孔94または複数の貫通孔94を通された軸部96aがねじ留めされる複数のねじ穴95の一方が設けられる。また、金属板92に、複数の貫通孔94または複数のねじ穴95の他方が設けられる。すなわち、金属板92に、複数の貫通孔94または複数のねじ穴95のうち、樹脂板91に設けられる一方とは異なる他方が設けられる。
【0044】
図3及び図6に示す壁部13では、樹脂板91に、複数のねじ穴95が設けられ、金属板92に、複数の貫通孔94が設けられている。特に、図3及び図6に示す第1壁部13dをなす第1側壁部13c1においては、上述のように、第1樹脂板911の樹脂板本体部911aにねじ穴95が設けられている。また、本実施の形態における、第2壁部13eをなす第2側壁部13c2においては、第2樹脂板912にねじ穴95が設けられている。また、第1壁部13dである第1側壁部13c1、及び第2壁部13eをなす第2側壁部13c2のいずれにおいても、金属板92の本体部92aに貫通孔94が設けられている。
【0045】
貫通孔94とねじ穴95とを重ね、ねじ96の軸部96aを、貫通孔94を通してねじ穴95にねじ留めすることで、樹脂板91と金属板92とを互いに対して固定できる。複数の貫通孔94及び複数のねじ穴95の数は、樹脂板91と金属板92とを互いに対して固定できる限り、特に限られない。一例として、一つの壁部13の樹脂板91又は金属板92に設けられる複数の貫通孔94の数は、9個以上12個以下である。また、一つの壁部13の樹脂板91又は金属板92に設けられる複数のねじ穴95の数は、9個以上12個以下である。図3及び図6において、樹脂板91には9個のねじ穴95が設けられている。また、図3及び図6において、金属板92には9個のねじ穴95が設けられている。
【0046】
図8は、図3に示す第1側壁部13c1を構成する積層体90に含まれる樹脂板91及び金属板92を、収納箱11の内側(第2方向DBにおいて一側SB1とは反対側)から見た様子を示す側面図である。図8における貫通孔94の大きさと金属板92の大きさとの寸法比は、図示と理解のしやすさの便宜上、実物の寸法比から変更されている。図8においては、図3及び図6には図示されている、樹脂板91及び金属板92に設けられた貫通孔94以外の孔や突起の図示は省略している。
【0047】
図8に示す例において、複数の貫通孔94は、一つの基準貫通孔94aと、複数の幅広貫通孔94bとを含む。図8において、基準貫通孔94aは、円形の断面を有する。複数の幅広貫通孔94bの各々は、幅広貫通孔94bの各々と基準貫通孔94aとが並ぶ方向において、基準貫通孔94aの直径d1よりも大きな幅を有する。例えば、図8の符号A1を付した幅広貫通孔94bと基準貫通孔94aとは、第1方向DAにおいて並んでいる。そして、符号A1を付した幅広貫通孔94bの、幅広貫通孔94bと基準貫通孔94aとが並ぶ第2方向DBにおける幅d2は、基準貫通孔94aの直径d1よりも大きい。また、図8の符号A2を付した幅広貫通孔94bと基準貫通孔94aとは、第1方向DA、第2方向DB及び第3方向DCのいずれの方向に対しても非平行な、方向DDにおいて並んでいる。そして、符号A2を付した幅広貫通孔94bの、幅広貫通孔94bと基準貫通孔94aとが並ぶ方向DDにおける幅d3は、基準貫通孔94aの直径d1よりも大きい。なお、図示はしないが、基準貫通孔94aの断面が円形でない場合、基準貫通孔94aの直径d1は、基準貫通孔94aの最大幅と定義されてもよい。
【0048】
本実施の形態において、基準貫通孔94aは、基準貫通孔94aに通された軸部96aの位置を固定する。基準貫通孔94aは、基準貫通孔94aに通された軸部96aの、基準貫通孔94aに対する相対位置を固定する。一例として、基準貫通孔94aの直径d1は、ねじ96の軸線方向に垂直な方向における軸部96aの最大幅と等しい。この場合、軸部96aを基準貫通孔94aに通した際に、基準貫通孔94a内において軸部96aが金属板92に接することによって、軸部96aの基準貫通孔94aに対する相対位置が固定される。図示はしないが、基準貫通孔94aは、ねじ96の軸部96aが通される部分を有するとともに、ねじ96の頭部96bの少なくとも一部と噛み合う部分を有してもよい。この場合、基準貫通孔94aの当該一部とねじ96の頭部96bの少なくとも一部とが噛み合うことによって、軸部96aの基準貫通孔94aに対する相対位置が固定され得る。
【0049】
一例として、積層体90から構成される壁部13は、第1延伸方向に延伸する一対の第1辺13fと、第1延伸方向に直交する第2延伸方向に延伸する一対の第2辺13gとを有する。図8に示す例において、積層体90から構成される壁部13である第1側壁部13c1は、第1延伸方向として第3方向DCに延伸する一対の第1辺13fと、第2延伸方向として第1方向DAに延伸する一対の第2辺13gとを有する。
【0050】
ここで、複数の幅広貫通孔94bは、第1幅広貫通孔94cと、第2幅広貫通孔94dと、第3幅広貫通孔94eと、を含む。第1幅広貫通孔94cと基準貫通孔94aとは、第1延伸方向に並ぶ。第2幅広貫通孔94dと基準貫通孔94aとは、第2延伸方向に並ぶ。第3幅広貫通孔94eと基準貫通孔94aとは、第1延伸方向及び第2延伸方向における位置が異なる。換言すれば、第3幅広貫通孔94eは、第1幅広貫通孔94cにも第2幅広貫通孔94dにも該当しない。図8に示す例においては、基準貫通孔94aとともに第3方向DCに並ぶ、2つの第1幅広貫通孔94cが設けられている。また、基準貫通孔94aとともに第1方向DAに並ぶ、2つの第2幅広貫通孔94dが設けられている。また、基準貫通孔94aとは第3方向DC及び第1方向DAにおける位置が異なる、4つの第3幅広貫通孔94eが設けられている。
【0051】
第1幅広貫通孔94cは、第1延伸方向において基準貫通孔94aの直径d1よりも大きな幅を有する。換言すれば、図8に示す第1延伸方向における第1幅広貫通孔94cの幅d4は、基準貫通孔94aの直径d1よりも大きい。図8において、第1延伸方向における第1幅広貫通孔94cの幅d4は、第2延伸方向における第1幅広貫通孔94cの幅よりも大きい。図8において、第1幅広貫通孔94cは、第1延伸方向に延伸する角丸長方形の形状を有する。
【0052】
第2幅広貫通孔94dは、第2延伸方向において基準貫通孔94aの直径d1よりも大きな幅を有する。換言すれば、図8に示す第2延伸方向における第2幅広貫通孔94dの幅d5は、基準貫通孔94aの直径d1よりも大きい。図8において、第2延伸方向における第2幅広貫通孔94dの幅d5は、第2延伸方向における第2幅広貫通孔94dの幅よりも大きい。図8において、第2幅広貫通孔94dは、第2延伸方向に延伸する角丸長方形の形状を有する。
【0053】
第3幅広貫通孔94eは、基準貫通孔94aの直径d1よりも大きな直径を有する。換言すれば、図8に示す第3幅広貫通孔94eの直径d6は、基準貫通孔94aの直径d1よりも大きい。図8において、第3幅広貫通孔94eは、円形の断面を有する。なお、図示はしないが、第3幅広貫通孔94eの断面が円形でない場合、第3幅広貫通孔94eの直径d6は、第3幅広貫通孔94eの最大幅と定義されてもよい。
【0054】
本実施の形態では、側壁部13cにおいて、基準貫通孔94aは、底壁部13aよりも上壁部13bに近い位置に設けられている。図8に示す例において、第1側壁部13c1の金属板92の本体部92aに設けられた基準貫通孔94aは、底壁部13aの長辺131よりも、上壁部13bの長辺131に近い位置に設けられている。また、図示はしないが、第2側壁部13c2の金属板92の本体部92aに設けられた基準貫通孔94aは、底壁部13aの短辺132よりも、上壁部13bの短辺132に近い位置に設けられている。
【0055】
本実施の形態における、上述した貫通孔94の特徴の効果について説明する。上述したように、本実施の形態において、複数の壁部13の少なくとも一つは、樹脂板91と金属板92とを含む積層体90から構成されている。樹脂板91には、ねじ96の軸部96aが通される複数の貫通孔94または複数の貫通孔94を通された軸部96aがねじ留めされる複数のねじ穴95の一方が設けられる。また、金属板92には、複数の貫通孔94または複数のねじ穴95の他方が設けられる。貫通孔94とねじ穴95とを重ね、ねじ96の軸部96aを、貫通孔94を通してねじ穴95にねじ留めすることで、樹脂板91と金属板92とを互いに対して固定して、積層体90を形成できる。
【0056】
ここで、一般に、樹脂板91を構成する樹脂と、金属板92を構成する金属とは、熱膨張率が異なる。特に、樹脂板91を構成する樹脂は、金属板92を構成する金属よりも、熱膨張率が大きい。このため、収納箱の内部に収容された蓄電素子モジュール20の発熱などによって壁部13が加熱されたときに、樹脂板91は、金属板92の熱膨張する量よりも大きな量だけ、熱膨張すると考えられる。
【0057】
ここで仮に、ねじ96を用いて樹脂板91と金属板92とを固定した際に、貫通孔94の各々に通された軸部96aが貫通孔94の内部においてずれる余地がなく、貫通孔94の各々に対する軸部96aの各々の相対位置が固定されている場合について考える。この場合に、壁部13が加熱されて樹脂板91が熱膨張すると、貫通孔94の各々に対する軸部96aの各々の相対位置が固定されているために、熱膨張した樹脂板91に歪みが生じ得る。
【0058】
これに対して、本実施の形態において、複数の貫通孔94は、一つの基準貫通孔94aと、複数の幅広貫通孔94bとを含む。複数の幅広貫通孔94bの各々は、幅広貫通孔94bの各々と基準貫通孔94aとが並ぶ方向において、基準貫通孔94aの直径d1よりも大きな幅を有する。この場合、幅広貫通孔94bの各々に通された軸部96aが、当該軸部96aが通された幅広貫通孔94bの内部において、当該幅広貫通孔94bと基準貫通孔94aとが並ぶ方向にずれることが許容される。このため、樹脂板91が、図8の符号A3を付した放射状の複数の矢印の方向に沿って、基準貫通孔94aを中心として広がるように熱膨張するときに、熱膨張に応じて幅広貫通孔94bの内部において軸部96aがずれることが許容される。これによって、熱膨張した樹脂板91に歪みが生じることを抑制できる。これによって、熱膨張した樹脂板91に塑性変形やひび割れなどが生じることを効果的に抑制できる。
【0059】
また、本実施の形態において、基準貫通孔94aは、基準貫通孔94aに通された軸部96aの位置を固定する。これによって、樹脂板91が熱膨張によって広がる起点となる位置(図8の符号A3を付した複数の矢印を延長した場合に、複数の矢印が交差する位置)を、基準貫通孔94aの位置に定めることができる。
【0060】
また、本実施の形態において、複数の幅広貫通孔94bは、第1幅広貫通孔94cと、第2幅広貫通孔94dと、第3幅広貫通孔94eと、を含む。第1幅広貫通孔94cと基準貫通孔94aとは、一対の第1辺13fの延伸する第1延伸方向に並ぶ。第2幅広貫通孔94dと基準貫通孔94aとは、一対の第2辺13gの延伸する第2延伸方向に並ぶ。第3幅広貫通孔94eと基準貫通孔94aとは、第1延伸方向及び第2延伸方向における位置が異なる。第1幅広貫通孔94cは、第1延伸方向において基準貫通孔94aの直径d1よりも大きな幅を有する。第2幅広貫通孔94dは、第2延伸方向において基準貫通孔94aの直径d1よりも大きな幅を有する。第3幅広貫通孔94eは、基準貫通孔94aの直径d1よりも大きな直径を有する。このように複数の幅広貫通孔94bを設計することによって、複数の幅広貫通孔94bの形状を、樹脂板91又は金属板92を加工することによって形成することが容易な形状にできる。例えば、複数の幅広貫通孔94bとして、図8に示すように、第1辺13fの延伸する方向(第1延伸方向)に延伸する第1幅広貫通孔94cと、第2辺13gの延伸する方向(第2延伸方向)に延伸する第2幅広貫通孔94dと、円形の断面を有する第3幅広貫通孔94eと、を形成することで、複数の幅広貫通孔94bが設けられた金属板92を作製できる。これらの図8に示す幅広貫通孔94bは、例えば、第1辺13fの延伸する方向(第1延伸方向)及び第2辺13gの延伸する方向(第2延伸方向)とは異なる方向に延伸する貫通孔94と比較して、樹脂板91又は金属板92を加工することによって形成することが容易である。
【0061】
特に、本実施の形態において、第1延伸方向における第1幅広貫通孔94cの幅d4は、第2延伸方向における第1幅広貫通孔94cの幅よりも大きい。これによって、第1幅広貫通孔94cに通された軸部96aが、第1幅広貫通孔94cの内部において、第2延伸方向よりも第1延伸方向にずれやすくなる。また、第2延伸方向における第2幅広貫通孔94dの幅d5は、第2延伸方向における第2幅広貫通孔94dの幅よりも大きい。これによって、第2幅広貫通孔94dに通された軸部96aが、第2幅広貫通孔94dの内部において、第1延伸方向よりも第2延伸方向にずれやすくなる。以上より、本実施の形態における第1幅広貫通孔94c及び第2幅広貫通孔94dによれば、第1幅広貫通孔94cに通された軸部96aのずれる方向を第1延伸方向に誘導し且つ第2幅広貫通孔94dに通された軸部96aのずれる方向を第2延伸方向に誘導することで、樹脂板91が熱膨張によって広がる方向を誘導できる。これによって、樹脂板91が熱膨張する際に、樹脂板91を均一に膨張させて、樹脂板91の歪みを抑制し得る。
【0062】
また、本実施の形態において、複数の壁部13のうち少なくとも複数の側壁部13cは、積層体90から構成される。これによって、複数の側壁部13cを樹脂板91と金属板92とを含む積層体90から構成しつつ、側壁部13cにおける樹脂板91の歪みを抑制し得る。
【0063】
また、本実施の形態の側壁部13cにおいて、基準貫通孔94aは、底壁部13aよりも上壁部13bに近い位置に設けられている。この特徴によって、以下の効果が得られる。上述したように、複数の幅広貫通孔94bの各々は、幅広貫通孔94bの各々と基準貫通孔94aとが並ぶ方向において、基準貫通孔94aの直径d1よりも大きな幅を有する。このため、基準貫通孔94aに通された軸部96aは、幅広貫通孔94bに通された軸部96aよりも、位置ずれの余地が小さい。特に、図8に示す壁部13においては、基準貫通孔94aに通された軸部96aは、上下方向(第1方向DA)における幅が基準貫通孔94aの直径d1よりも大きい第2幅広貫通孔94d及び第3幅広貫通孔94eよりも、上下方向における位置ずれの余地が小さい。これにより、樹脂板91は、基準貫通孔94aの位置において、基準貫通孔94aに通された軸部96aを介して、金属板92に支持される。ここで、基準貫通孔94aを、底壁部13aよりも上壁部13bに近い位置に設けることによって、樹脂板91が金属板92に支持される位置を、底壁部13aよりも上壁部13bに近い位置にできる。これによって、上壁部13bよりも底壁部13aに近い位置で樹脂板91が金属板92に支持される場合よりも、重力の作用によって、より安定的に樹脂板91を金属板92に支持させ得る。
【0064】
また、図3及び図6に示す壁部13においては、樹脂板91に、複数のねじ穴95が設けられ、金属板92に、複数の貫通孔94が設けられている。この特徴によって、以下の効果が得られる。本実施の形態の、樹脂板91と金属板92とを含む積層体90から構成される壁部13において、樹脂板91は、収納箱11の外側から金属板92を覆っている。ここで、樹脂板91に、複数のねじ穴95が設けられ、金属板92に、複数の貫通孔94が設けられていることによって、壁部13においてねじ96の頭部96bが露出する側を、収納箱11の内側とすることができる。これにより、ねじ96の頭部96bが収納箱11の外側に露出することを抑制し、蓄電素子ユニット10の美観を向上できる。
【0065】
次に、複数の壁部13が互いに接続される態様について説明する。本実施の形態においては、隣接する壁部12同士は、後述するフレーム部12を介して互いに接続される。複数の壁部13が互いに接続される態様の一例として、第1壁部13dをなす第1側壁部13c1と、第2壁部13eをなす第2側壁部13c2とが接続される態様について説明する。
【0066】
本実施の形態においては、第1壁部13dの第1金属板921と第2壁部13eの第2金属板922との位置関係が固定されることによって、第2壁部13eが第1壁部13dに接続される。本実施の形態においては、第1金属板921及び第2金属板922が、ともにフレーム部12に固定されることによって、第1金属板921と第2金属板922との位置関係が固定されて、第1壁部13dと第2壁部13eとがフレーム部12を介して互いに接続される。
【0067】
第1金属板921及び第2金属板922は、フレーム部12に直接接続されることでフレーム部12に固定されてもよいし、図示しない連結部材を介してフレーム部12に連結されることによってフレーム部12に固定されてもよい。図3に示す例において、第1金属板921には、連結貫通孔92hが設けられている。この場合、第1金属板921は、連結貫通孔92hを通したねじやリベットなどを連結部材に固定し、当該連結部材をフレーム部12に固定することによって、フレーム部12に固定できる。図示はしないが、第1金属板921と同様に、第2金属板922にも連結貫通孔92hが設けられていてもよい。この場合、第2金属板922は、第1金属板921と同様に、連結貫通孔92hを通したねじやリベットなどを連結部材に固定し、当該連結部材をフレーム部12に固定することによって、フレーム部12に固定できる。
【0068】
図3及び図6に示すように、第1樹脂板911及び第2樹脂板912などの樹脂板91は、金属板92と重ならない位置に、挿入突起部91cを有してもよい。また、図5に示すように、フレーム部12は、フレーム貫通孔12cを有してもよい。この場合、第1金属板921及び第2金属板922などの金属板92がフレーム部12に固定される際に、挿入突起部91cをフレーム貫通孔12cに挿入することによって、第1壁部13d及び第2壁部13eなどの壁部13を、より安定的にフレーム部12に支持させることができる。
【0069】
第1金属板921と第2金属板922との位置関係が固定されることによって、第1金属板921とともに第1積層体901を構成する第1樹脂板911と、第2金属板922とともに第2積層体902を構成する第2樹脂板912との位置関係が固定される。
【0070】
図9は、図1のB-B線に沿った第1壁部13d及び第2壁部13eの断面のうち、第1樹脂板911の縁部及び第2樹脂板912の縁部の周辺の一部を示す図である。特に図9は、第1壁部13dをなす一対の第1側壁部13c1のうち、第2方向DBにおいて一側SB1とは反対側に位置する第1側壁部13c1の縁部と、第2壁部13eをなす一対の第2側壁部13c2のうち、第3方向DCにおいて一側SB1とは反対側に位置する第2側壁部13c2の縁部と、の周辺の一部を示す図である。
【0071】
図3図6及び図9に示し且つ上述したように、第1樹脂板911は、樹脂板本体部911aと樹脂板本体部911aの縁部から樹脂板本体部911aに交差する方向に延び出す接続部911bとを有する。図3図6及び図9に示す例において、接続部911bは、樹脂板本体部911aに垂直な方向(第2方向DB)に延び出している。図3及び図6に示す例において、樹脂板本体部911aは、第1方向DA及び第3方向DCに平行な略長方形の略板状の部分である。接続部911bは、第1方向DA及び第2方向DBに平行な方向である。
【0072】
図9に示す例において、接続部911bの縁部と第2樹脂板912の縁部とは、樹脂板本体部911aに垂直な方向(第2方向DB)において向かい合っている。ここで、接続部911bの縁部と第2樹脂板912の縁部とは、互いに対して直接接合されてはいない。図9に示す例においては、第1金属板921と第2金属板922との位置関係が固定されることによって、第1樹脂板911と第2樹脂板912との位置関係が固定されて、接続部911bの縁部と第2樹脂板912の縁部との位置関係が維持されている。接続部911bの縁部と第2樹脂板912の縁部とが互いに対して直接接合されていないことによって、接続部911bの縁部と第2樹脂板912の縁部とが接触した状態において、接続部911bの縁部と第2樹脂板912の縁部とが互いに対してずれることが許容される。このため、樹脂板91が熱膨張して接続部911bの縁部と第2樹脂板912の縁部とが接触した場合に、縁部同士の間にずれを生じさせて、接続部911bの縁部と第2樹脂板912の縁部とが互いに押し合う力を低減できる。これによって、壁部13が加熱されて樹脂板91が熱膨張した際に、接続部911bの縁部と第2樹脂板912の縁部とが互いに押し合う力によって樹脂板91が歪むことを抑制できる。
【0073】
図9に示す例において、第2樹脂板912は、樹脂板本体部911aに垂直な方向(第2方向DB)において、第1樹脂板911から離間している。このため、樹脂板91が熱膨張するときに、接続部911bの縁部と第2樹脂板912の縁部との接触を抑制し得る。また、仮に、接続部911bの縁部と第2樹脂板912の縁部とが接触した場合であっても、接続部911bの縁部と第2樹脂板912の縁部とが互いに押し合う力を、より効果的に低減できる。これによって、樹脂板91が熱膨張するときに、接続部911bの縁部と第2樹脂板912の縁部とが互いに押し合うことで樹脂板91が歪むことを、効果的に抑制し得る。
【0074】
特に、本実施の形態においては、上述した基準貫通孔94a及び幅広貫通孔94bの作用により、樹脂板91が熱膨張によって広がることが許容されている。この場合に、熱膨張によって広がった接続部911bの縁部と第2樹脂板912の縁部との接触を抑制し得る。また、仮に熱膨張によって広がった接続部911bの縁部と第2樹脂板912の縁部とが接触した場合であっても、接続部911bの縁部と第2樹脂板912の縁部とが互いに押し合う力を低減できる。
【0075】
ここで、接続部911bの少なくとも一部は、第2樹脂板912の厚み方向において第2樹脂板912の一部に重なる。図9に示す例においては、接続部911bの一部が、第2樹脂板912の厚み方向である第3方向DCにおいて第2樹脂板912の一部に重なる。図3に示す例において、接続部911bは、接続部911bが設けられた樹脂板本体部911aの縁部が延伸する方向(第1方向DA)に延伸している。接続部911bは、接続部911bが設けられた樹脂板本体部911aの縁部が延伸する範囲の全体にわたって延伸している。接続部911bが重なる第2樹脂板912の縁部は、接続部911bが延伸する方向(第1方向DA)に延伸している。そして、接続部911bの一部は、接続部911bが重なる第2樹脂板912の縁部が延伸する範囲の全体にわたって、当該縁部に重なっている。
【0076】
図9に示す例において、接続部911bは、縁部に樹脂板本体部911aの厚みt1よりも小さな厚みt2を有する薄板接続部911cを有する。また、第2樹脂板912は、縁部に第2樹脂板912の厚みの最大値t3よりも小さな厚みt4を有する薄板部912aを有する。薄板接続部911cの少なくとも一部が、第2樹脂板912の厚み方向(第3方向DC)において薄板部912aの少なくとも一部に重なる。そして、第2樹脂板912の厚み方向に直交する方向において、薄板接続部911cは第2樹脂板912の一部と向かい合い、薄板部912aは接続部911bの一部と向かい合う。図9に示す例では、樹脂板本体部911aの厚み方向(第2方向DB)において、薄板接続部911cが第2樹脂板912の一部と向かい合い、薄板部912aが接続部911bの一部と向かい合う。
【0077】
図9に示す例において、薄板接続部911cは、接続部911bの延伸する方向(第1方向DA)に、接続部911bが延伸する範囲の全体にわたって延伸している。また、薄板部912aは、薄板部912aが設けられる第2樹脂板912の縁部が延伸する方向(第1方向DA)に、当該縁部が延伸する範囲の全体にわたって延伸している。そして、薄板接続部911cの一部は、薄板部912aが延伸する範囲の全体にわたって、薄板部912aに重なっている。
【0078】
接続部911bの少なくとも一部は、収納箱11の外側から第2樹脂板912の一部に重なってもよく、収納箱11の内側から第2樹脂板912の一部に重なってもよい。図9に示す例においては、接続部911bの一部が、収納箱11の外側から、第2樹脂板912の一部に重なっている。図9に示す例においては、薄板接続部911cの一部が、収納箱11の外側から、薄板部912aの一部に重なっている。
【0079】
ここで、上述したように、本実施の形態においては、一対の第1側壁部13c1の各々が、第1樹脂板911を含む第1壁部13dをなし、一対の第2側壁部13c2の各々が、第2樹脂板912を含む第2壁部13eをなしている。図10は、本実施の形態に係る一対の第1側壁部13c1の各々に含まれる第1樹脂板911、及び一対の第2側壁部13c2の各々に含まれる第2樹脂板912の、図1のB-B線に沿った断面を示す図である。図10における第1樹脂板911及び第2樹脂板912に含まれる要素の寸法比は、図示と理解のしやすさの便宜上、実物の寸法比から変更されている。図10においては、金属板92や、樹脂板91に設けられるリブ93などの、第1樹脂板911及び第2樹脂板912以外の要素については図示を省略している。
【0080】
本実施の形態においては、図10に示すように、一対の第1側壁部13c1の第1樹脂板911は、接続部911bとして、底壁部13aの一対の長辺131の延びる方向(第3方向DC)における樹脂板本体部911aの両側の縁部から延び出す一対の接続部911bを有する。また、一対の接続部911bの各々の少なくとも一部が、収納箱11の外側から、第2樹脂板912の一部に重なっている。
【0081】
本実施の形態における、上述した第1樹脂板911及び第2樹脂板912の特徴の効果について説明する。上述したように、樹脂板91が熱膨張した際に樹脂板91が歪むことを抑制することなどを目的として、第1樹脂板911と第2樹脂板912とを直接接合しないようにすることが求められる場合がある。特に、接続部911bの縁部と第2樹脂板912の縁部とを、互いに対して直接接合しないようにすることが求められる場合がある。特に、第2樹脂板912を、樹脂板本体部911aに垂直な方向(第2方向DB)において、第1樹脂板911から離間させることが求められる場合がある。ここで、本実施の形態において、接続部911bの少なくとも一部は、第2樹脂板912の厚み方向において第2樹脂板912の一部に重なる。これによって、蓄電素子ユニット10の使用者が、収納箱11の外側から収納箱11を視認した際に、接続部911bが第2樹脂板912に重なっている部分においては、接続部911bの縁部と第2樹脂板912の縁部との間から収納箱11の内部が見えてしまうことを抑制できる。これによって、第1樹脂板911と第2樹脂板912とが直接接合していない場合、特に接続部911bの縁部と第2樹脂板912の縁部とが互いに対して直接接合していない場合であっても、接続部911bの縁部と第2樹脂板912の縁部との間から収納箱11の内部が見えてしまうことを抑制できる。これによって、蓄電素子ユニット10の美観を向上できる。また、接続部911bの縁部と第2樹脂板912の縁部との間から収納箱11の内部に異物などが侵入することを抑制できる。
【0082】
また、本実施の形態においては、薄板接続部911cの少なくとも一部が、第2樹脂板912の厚み方向(第3方向DC)において薄板部912aの少なくとも一部に重なっている。そして、第2樹脂板912の厚み方向に直交する方向において、薄板接続部911cは第2樹脂板912の一部と向かい合い、薄板部912aは接続部911bの一部と向かい合っている。これによって、接続部911bの少なくとも一部を第2樹脂板912の一部に重ねつつ、図9に示す接続部911bと第2樹脂板912とが重なる部分における収納箱11の厚みt5を小さくできる。特に、接続部911bと第2樹脂板912とが重なる部分における収納箱11の厚みt5を、樹脂板本体部911aの厚みt1以下、且つ第2樹脂板912の厚みの最大値t3以下にできる。
【0083】
また、本実施の形態においては、接続部911bの少なくとも一部が、収納箱11の外側から、第2樹脂板912の一部に重なる。この特徴の効果について、図11を参照して説明する。図11は、本実施の形態の第1樹脂板911及び第2樹脂板912の特徴の効果を説明するための図である。
【0084】
図11は、図10に示す第1樹脂板911及び第2樹脂板912とは異なる形態を有する、第1樹脂板911及び第2樹脂板912の断面図に相当する。図11に示す第1樹脂板911及び第2樹脂板912は、接続部911bの一部が、収納箱11の内側から、第2樹脂板912の一部に重なっている点でのみ、図10に示す第1樹脂板911及び第2樹脂板912とは異なっている。図11における第1樹脂板911及び第2樹脂板912に含まれる要素の寸法比は、図示と理解のしやすさの便宜上、実物の寸法比から変更されている。図11においては、金属板92や、樹脂板91に設けられるリブ93などの、第1樹脂板911及び第2樹脂板912以外の要素については図示を省略している。なお、図11に示した第1樹脂板911及び第2樹脂板912を有する蓄電素子ユニット10も、本発明の蓄電素子ユニット10の範囲に含まれ得る。
【0085】
図11に示す例において、樹脂板本体部911aが熱膨張によって広がる場合について考える。この場合、図11に示す、第2樹脂板912の厚み方向(第3方向DC)における樹脂板本体部911aの寸法w5が増加する。これによって、第2樹脂板912の厚み方向において接続部911bの一部と第2樹脂板912の一部とが接触して、互いに押し合い得る。このため、接続部911bの縁部と第2樹脂板912の縁部とが互いに押し合う力によって樹脂板91が歪み得る。
【0086】
これに対して、本実施の形態においては、樹脂板本体部911aが熱膨張によって広がり、寸法w5が増加するとき、接続部911bは、第2樹脂板912の厚み方向において第2樹脂板912から離れるように移動すると考えられる。これによって、第2樹脂板912の厚み方向において接続部911bの一部と第2樹脂板912の一部とが接触して互いに押し合うことを抑制し得る。このため、接続部911bの縁部と第2樹脂板912の縁部とが互いに押し合う力によって樹脂板91が歪むことを抑制し得る。
【0087】
また、本実施の形態においては、一対の第1側壁部13c1の各々が、第1樹脂板911を含む第1壁部13dをなし、一対の第2側壁部13c2の各々が、第2樹脂板912を含む第2壁部13eをなしている。そして、一対の第1側壁部13c1の第1樹脂板911は、接続部911bとして、底壁部13aの一対の長辺131の延びる方向(第3方向DC)における樹脂板本体部911aの両側の縁部から延び出す一対の接続部911bを有する。また、一対の接続部911bの各々の少なくとも一部が、収納箱11の外側から、第2樹脂板912の一部に重なっている。この特徴の効果について、図12を参照して説明する。図12は、本実施の形態の第1樹脂板911及び第2樹脂板912の特徴の効果を説明するための図である。
【0088】
図12は、図10に示す第1樹脂板911及び第2樹脂板912とは異なる形態を有する、第1樹脂板911及び第2樹脂板912の断面図に相当する。図12に示す第1樹脂板911及び第2樹脂板912は、一対の第1側壁部13c1の各々が第2壁部13eをなし、一対の第2側壁部13c2の各々が第1壁部13dをなす点でのみ、図10に示す第1樹脂板911及び第2樹脂板912とは異なっている。図12における第1樹脂板911及び第2樹脂板912に含まれる要素の寸法比は、図示と理解のしやすさの便宜上、実物の寸法比から変更されている。図12においては、金属板92や、樹脂板91に設けられるリブ93などの、第1樹脂板911及び第2樹脂板912以外の要素については図示を省略している。なお、図12に示した第1樹脂板911及び第2樹脂板912を有する蓄電素子ユニット10も、本発明の蓄電素子ユニット10の範囲に含まれ得る。
【0089】
図10においても図12においても、一対の接続部911bの各々の少なくとも一部が、収納箱11の外側から、第2樹脂板912の一部に重なっている。この場合、第2樹脂板912の縁部は、樹脂板本体部911aの厚み方向において、第1樹脂板911の一部と向かい合う。ここで、図10に示す例においては、底壁部13aの短辺132に接続する一対の第2側壁部13c2の各々が、第2樹脂板912を含む第2壁部13eをなす。その一方で、図12に示す例においては、底壁部13aの長辺131に接続する一対の第1側壁部13c1の各々が、第2樹脂板912を含む第2壁部13eをなす。このため、図10に示す例においては、図12に示す例よりも、樹脂板本体部911aの厚み方向における第2樹脂板912の寸法w6が、小さくなる。このために、第2樹脂板912が加熱されて熱膨張する際の、第2樹脂板912の寸法w6の増加量も、図10に示す例のほうが、図12に示す例よりも、小さくなる。このため、図10に示す例では、図12に示す例と比べて、第2樹脂板912が熱膨張する際に、第2樹脂板912の縁部が樹脂板本体部911aの厚み方向において第1樹脂板911と接触し、第1樹脂板911と第2樹脂板912とが互いに押し合うことが、抑制され易い。以上より、図10に示す例では、接続部911bの縁部と第2樹脂板912の縁部とが互いに押し合う力によって樹脂板91が歪むことを、より効果的に抑制し得る。
【0090】
次に、本実施の形態における上壁部13bについて説明する。上壁部13bの説明においては、上述した側壁部13cと共通する説明は適宜省略する。図13は、上壁部13bに含まれる樹脂板91を示す斜視図である。
【0091】
図4及び図13に示す例において、上壁部13bに含まれる樹脂板91は、上壁部13bと接続する壁部13に含まれる樹脂板91の一部に重なる、接続部911bに相当するような部分を有しない。このため、図4に示す上壁部13bは、第1壁部13dをなさない。また、上壁部13bに含まれる樹脂板91には、上壁部13bと接続する壁部13に含まれる樹脂板91の接続部911bが重なる部分を有しない。このため、図4に示す上壁部13bは、第2壁部13eをなさない。図示はしないが、上壁部13bは、第1壁部13d及び第2壁部13eのいずれか一方をなしてもよい。この場合、上壁部13bに接続する複数の側壁部13cのうち少なくともいずれか一つが、第1壁部13d及び第2壁部13eのいずれか一方をなす。
【0092】
図14は、上壁部13bに含まれる金属板92を示す斜視図である。図14に示す上壁部13bに含まれる金属板92は、本体部92aを含むとともに、本体部92aから起立した起立部92e及び樹脂板91と接続される部分を含む、連結部92dを有してもよい。図14に示す例において、金属板92は、第1方向DA及び第2方向DBに平行な平板状の、第2方向DBに延伸する起立部92eを含む、複数の連結部92dを有する。複数の連結部92dの起立部92eは、第3方向DCにおいて互いに向かい合う。図14に示す例において、金属板92は、2つの連結部92dを有する。
【0093】
図14に示す例において、連結部92dは、起立部92eのうち本体部92aが位置する側の端部に接続し、本体部92aに平行な平板状の第1接続部92fをさらに有する。そして、連結部92dは、第1接続部92fにおいて本体部92aと接続される。連結部92dの第1接続部92fと本体部92aとは、例えば溶接、リベット止め又はバーリングカシメによって接続される。また、図14に示す例において、連結部92dは、起立部92eのうち本体部92aが位置する側とは反対側の端部に接続し、樹脂板本体部911aに平行な平板状の第2接続部92gをさらに有する。そして、連結部92dのうち第2接続部92gが、図13に示す上壁部13bの樹脂板91と接続される部分となっている。
【0094】
連結部92dは、本体部92aを構成する金属材料と同様の金属材料から構成することができる。連結部92dは、例えば、平板状の金属材料が折られて形成されてもよい。
【0095】
なお、金属板92が樹脂板91とともに上壁部13bを構成する積層体90に含まれる場合において、金属板92は、連結部92dを有しなくてもよい。この場合、上壁部13bを構成する積層体90において、樹脂板91の樹脂板本体部911aと金属板92の本体部92aとが接触してもよい。
【0096】
図4図13及び図14に示す上壁部13bにおいては、樹脂板91に、金属板92とのねじ留めに使用される貫通孔94が設けられている。図4図13及び図14に示す上壁部13bにおいては、金属板92に、樹脂板91とのねじ留めに使用されるねじ穴95が設けられている。特に、金属板92の第2接続部92gに、樹脂板91とのねじ留めに使用されるねじ穴95が設けられている。
【0097】
図4図13及び図14に示す上壁部13bにおいては、貫通孔94とねじ穴95とを重ね、ねじ96の軸部96aを、貫通孔94を通してねじ穴95にねじ留めすることで、樹脂板91と金属板92とを互いに対して固定できる。特に、樹脂板91に貫通孔94が設けられ、金属板92にねじ穴95が設けられていることによって、フレーム部12に固定された金属板92に樹脂板91を重ねた状態で、収納箱11の外側から、ねじ96の軸部96aを、貫通孔94を通してねじ穴95にねじ留めできる。
【0098】
図3及び図8に示す側壁部13cの金属板92に設けられる複数の貫通孔94に関する説明は、矛盾しない限り、図13に示す上壁部13bの樹脂板91に設けられる複数の貫通孔94についても適用され得る。例えば、図13に示す上壁部13bの樹脂板91に設けられる複数の貫通孔94は、一つの基準貫通孔94aと、複数の幅広貫通孔94bとを含んでもよい。また、図6に示す側壁部13cの樹脂板91に設けられる複数のねじ穴95に関する説明は、矛盾しない限り、図14に示す上壁部13bの金属板92に設けられる複数のねじ穴95についても適用され得る。
【0099】
次に、底壁部13aについて説明する。図5に示す例において、底壁部13aは、2つの金属板92から構成される積層体である。図5に示す例において、底壁部13aは、外側金属板923と、外側金属板923よりも収納箱11の内側(第1方向DAの一側SA1とは反対側)に位置する内側金属板924と、を含む。図5に示す例において、外側金属板923は、平板状の外側金属板本体部923aと、外側金属板本体部923aに対して折れた折れ部923bとを有している。
【0100】
図示はしないが、底壁部13aは、樹脂板91と金属板92とを含む積層体90から構成されてもよい。この場合、樹脂板91と金属板92とを含む積層体90から構成される側壁部13cの構造に関する説明は、矛盾しない限り、樹脂板91と金属板92とを含む積層体90から構成される底壁部13aについても適用され得る。
【0101】
次に、フレーム部12について説明する。フレーム部12は、隣接する壁部13同士を接続する部材である。図5において、フレーム部12は、略直方体の形状を有する収納箱11の辺を構成している。図5に示す例において、複数の壁部13のうち一の壁部13は、一の縁部を有し、一の壁部13に隣接する他の壁部13は、当該一の縁部と近接する他の縁部を有する。そして、フレーム部12は、断面L字状の形状を有しており、当該一の縁部と当該他の縁部とが、断面L字状のフレーム部12を介して接続される。図5に示す例において、フレーム部12は、平板状の第1部分121と、第1部分121に直交するとともに第1部分121に接続する平板状の第2部分122とを有し、これによって断面L字状の形状となっている。そして、第1部分121及び第2部分122の一方に当該一の縁部が接続し、第1部分121及び第2部分122の他方に当該他の縁部が接続することによって、隣接する壁部13同士が接続される。
【0102】
本実施の形態においては、図5に示すように、フレーム部12は、上壁部13bと4つの側壁部13cのそれぞれとを接続するとともに、4つの側壁部13cのうち隣接するもの同士を接続する。図5に示す例において、フレーム部12は上壁部13bと4つの側壁部13cとの間に延びる長方形の枠状の第1フレーム部12aと、4つの側壁部13cのうち隣接するもの同士の間にそれぞれ延びる、4つの棒状の第2フレーム部12bとを有する。第1フレーム部12aと、4つの第2フレーム部12bのそれぞれとは、上壁部13bの角の位置において互いに対して固定されている。図5に示す例において、上述したフレーム貫通孔12cは、第1フレーム部12a及び第2フレーム部12bのそれぞれに設けられている。
【0103】
なお、図5に示す例においては、底壁部13aと4つの側壁部13cのそれぞれとの間には、フレーム部12は設けられていない。図5に示す例においては、底壁部13aの外側金属板923が折れ部923bを有し、底壁部13aと4つの側壁部13cのそれぞれとは、折れ部923bを利用して、互いに対して固定されている。すなわち、4つの側壁部13cのそれぞれは、折れ部923bに固定されている。
【0104】
図1に示すように、蓄電素子ユニット10は、収納箱11に設けられて複数の側壁部13cのいずれか一つを覆う、化粧パネル19をさらに備えてもよい。化粧パネル19は、当該一つの側壁部13c及び当該一つの側壁部13c上に設けられた構成要素を保護する部材である。
【0105】
化粧パネル19は、少なくとも第1化粧壁部19bと第2化粧壁部19cとを含む複数の化粧壁部19aを有する。複数の化粧壁部19aの材料は、樹脂材料である。複数の化粧壁部19aの材料は、壁部13の樹脂板91の材料と同様の樹脂材料であってもよい。複数の化粧壁部19aに含まれる二つの化粧壁部19aであって、他の化粧壁部19aを介さずに互いに接続されている任意の二つの化粧壁部19aを、第1化粧壁部19b及び第2化粧壁部19cとみなし得る。
【0106】
図1に示す例において、化粧パネル19は、複数の化粧壁部19aとして、本体化粧壁部19dと、複数の接続化粧壁部19eとを有する。本体化粧壁部19dは、化粧パネル19が覆う側壁部13cに平行な、略板状の化粧壁部19aである。接続化粧壁部19eは、本体化粧壁部19dに垂直な、本体化粧壁部19dと収納箱11とを連結する略板状の化粧壁部19aである。図1に示す例において、化粧パネル19は、三つの接続化粧壁部19eを有する。三つの接続化粧壁部19eの一つは、本体化粧壁部19dの第2方向DBにおける一側SB1の縁部と収納箱11との間に位置する。三つの接続化粧壁部19eの別の一つは、本体化粧壁部19dの第2方向DBにおける一側SB1とは反対側の縁部と収納箱11との間に位置する。三つの接続化粧壁部19eの別の一つは、接続化粧壁部19eと、本体化粧壁部19dの第1方向DAにおける一側SA1とは反対側の縁部と収納箱11との間に位置する。この場合、本体化粧壁部19d及び三つの接続化粧壁部19eの一つが第1化粧壁部19bをなし、他の一つが第2化粧壁部19cをなし得る。
【0107】
本実施の形態においては、複数の化粧壁部19aが第1化粧壁部19bと第2化粧壁部19cとを含む化粧パネル19の一例として、本体化粧壁部19dの第1方向DAにおける一側SA1とは反対側(図1における上側)の縁部と収納箱11との間に位置する接続化粧壁部19eが第1化粧壁部19bをなし、本体化粧壁部19dが第2化粧壁部19cをなす化粧パネル19について説明する。
【0108】
図15は、図1のC-C線に沿った第1化粧壁部19b及び第2化粧壁部19cの断面のうち、第1化粧壁部19bの縁部及び第2化粧壁部19cの縁部の周辺の一部を示す図である。図15に示す例において、第1化粧壁部19bには、化粧壁ねじ穴19gが設けられている。化粧壁ねじ穴19gは、第1化粧壁部19bの縁部から離れた位置に設けられている。図15に示す例において、第1化粧壁部19bは、化粧壁突起部19fを有し、化粧壁突起部19fに化粧壁ねじ穴19gが設けられている。また、図15に示す例において、第2化粧壁部19cは、先端部に化粧壁貫通孔19hが設けられた化粧壁連結部19iを有している。図15に示す例において、化粧壁連結部19iは、第2化粧壁部19cの縁部から離れた位置から延び出した突起状の部分である。図15に示す例においては、化粧壁貫通孔19hと化粧壁ねじ穴19gとを重ね、ねじ19jの軸部を、化粧壁貫通孔19hを通して化粧壁ねじ穴19gにねじ留めすることで、第1化粧壁部19bと第2化粧壁部19cとの位置関係が固定されている。このため、図15に示す例においては、第1化粧壁部19bと第2化粧壁部19cとの位置関係が固定されているものの、第1化粧壁部19bの縁部と第2化粧壁部19cの縁部とは、互いに対して直接接合されていない。
【0109】
第1化粧壁部19bの縁部と第2化粧壁部19cの縁部とが互いに対して直接接合されていないことによって、化粧壁部19aが熱膨張した場合に、縁部同士の間にずれを生じさせて、第1化粧壁部19bの縁部と第2化粧壁部19cの縁部とが互いに押し合う力を低減できる。これによって、化粧壁部19aが歪むことを抑制できる。これによって、熱膨張した化粧壁部19aに塑性変形やひび割れなどが生じることを効果的に抑制できる。
【0110】
図15に示す例において、第1化粧壁部19bは、化粧壁部本体部19b1と、化粧壁部本体部19b1の縁部から化粧壁部本体部19b1に交差する方向に延び出す化粧接続部19b2と、を有する。図15に示す例において、化粧接続部19b2は、化粧壁部本体部19b1に垂直な方向(第1方向DA)に延び出している。また、第2化粧壁部19cは、化粧壁部本体部19b1に非平行である。図15に示す例において、第2化粧壁部19cは、化粧壁部本体部19b1に垂直である。図15に示す例において、第2化粧壁部19cは、第2化粧壁部19cに平行である。そして、化粧接続部19b2の少なくとも一部は、第2化粧壁部19cの厚み方向において第2化粧壁部19cの一部に重なる。図15に示す例においては、化粧接続部19b2の一部が、第2化粧壁部19cの厚み方向(第3方向DC)において第2化粧壁部19cの一部に重なっている。
【0111】
化粧接続部19b2の少なくとも一部が、第2化粧壁部19cの厚み方向において第2化粧壁部19cの一部に重なることで、以下の効果が得られる。上述したように、化粧壁部19aが熱膨張した際に化粧壁部19aが歪むことを抑制することなどを目的として、第1化粧壁部19bの縁部と第2化粧壁部19cの縁部とを直接接合しないようにすることが求められる場合がある。ここで、本実施の形態においては、化粧接続部19b2の少なくとも一部が、第2化粧壁部19cの厚み方向において第2化粧壁部19cの一部に重なる。これによって、蓄電素子ユニット10の使用者が、蓄電素子ユニット10の外側から化粧パネル19を視認した際に、化粧接続部19b2が第2化粧壁部19cに重なっている部分においては、第1化粧壁部19bの縁部と第2化粧壁部19cの縁部との間から、収納箱11の化粧パネル19によって覆われている部分が見えてしまうことを抑制できる。これによって、第1化粧壁部19bの縁部と第2化粧壁部19cの縁部とが直接接合していない場合であっても、第1化粧壁部19bの縁部と第2化粧壁部19cの縁部との間から収納箱11の化粧パネル19によって覆われている部分が見えてしまうことを抑制できる。これによって、蓄電素子ユニット10の美観を向上できる。また、第1化粧壁部19bの縁部と第2化粧壁部19cの縁部との間から収納箱11と化粧パネル19との間に異物などが侵入することを抑制できる。
【0112】
上述した第1樹脂板911の樹脂板本体部911a及び接続部911bに関する説明は、矛盾しない限り、第1化粧壁部19bの化粧壁部本体部19b1及び化粧接続部19b2についても適用される。また、上述した第2樹脂板912の、接続部911bの少なくとも一部が重なる部分に関する説明は、矛盾しない限り、第2化粧壁部19cの、化粧接続部19b2の少なくとも一部が重なる部分についても適用される。
【0113】
次に、制御モジュール14について説明する。制御モジュール14は、例えば、複数の蓄電素子モジュール20の充電及び放電を制御する機能、蓄電素子モジュール20の充電状態(例えば充電量)を監視する機能、蓄電素子モジュール20の異常の有無を監視する機能の一以上を有する。また、制御モジュール14は、蓄電素子ユニット10の外部に設置された制御装置に、蓄電素子モジュール20の充電状態や異常の有無の監視結果などの情報を、送信するようにしてもよい。また、制御モジュール14は、蓄電素子ユニット10の外部の配線(例えば、建物の配線)と、蓄電素子モジュール20と、の間の電気的接続及び遮断を切り替える開閉器を有するようにしてもよい。
【0114】
図16は、複数の蓄電素子モジュール20を、収納箱11に収納された状態にて示す図である。図16に示すように、蓄電素子ユニット10は、二つの蓄電素子モジュール組合体15を有している。蓄電素子モジュール組合体15は、第1方向DAに積み重ねられた複数の蓄電素子モジュール20を有している。二つの蓄電素子モジュール組合体15は、第1方向DAと非平行な第2方向DBに並べて配列されている。
【0115】
図示された例において、第1の蓄電素子モジュール組合体15Aは、第1方向DAに積み重ねられた三つの蓄電素子モジュール20を有する。第2の蓄電素子モジュール組合体15Bは、第1の蓄電素子モジュール組合体15Aに第2方向DBにおける一側SB1から隣接している。図2に示すように、第2の蓄電素子モジュール組合体15Bは、第1方向DAにおける一側SA1から制御モジュール14を支持している。図17は、蓄電素子モジュール組合体15に含まれる一つの蓄電素子モジュール20を示している。蓄電素子ユニット10に含まれる複数の蓄電素子モジュール20は、互いに異なる構成を有していても良いし、互いに同一の構成を有していても良い。ただし、汎用性を向上させる観点から、複数の蓄電素子モジュール20は、互いに同一の構成を有することが好ましく、少なくとも互いに同一の部品(例えば、後述するセル30及びケース18)を含むことが好ましい。図示された例において、複数の蓄電素子モジュール20は、互いに同一の構成を有している。
【0116】
蓄電素子モジュール20の各々は、複数のセル30と、複数のセル30を収納するケース18と、を有する。セル30は、蓄電素子として取り扱われる最小単位である。セル30は、種々の型式を採用することができ、例えばリチウムイオン二次電池とすることができる。図18は、一つの蓄電素子モジュール20に含まれる複数のセル30を示しており、図19は、一つのセル30を示している。一つの蓄電素子モジュール20に含まれる複数のセル30は、互いに同一の構成を有していても良いし、或いは、互いに異なる構成を有していてもよい。
【0117】
図18及び図19に示すように、セル30は、偏平形状を有している。セル30は、平面視において(第1方向DAからの観察において)、略矩形形状を有している。セル30は、第2方向DBに短手方向を有し、第3方向DCに長手方向を有している。複数のセル30は、積層方向に積層されている。図示された例において、セル30の積層方向は、第1方向DAと平行になっている。セル30は、中央に位置する中央部31Cと、中央部31Cを取り囲む周縁部31Eと、を有している。中央部31Cの厚みは、周縁部31Eの厚みよりも厚くなっている。図示された例において、セル30は、中央部31Cにおいて、第1方向DAにおけるいずれか一方の側に向けて膨出している。複数のセル30は、中央部31Cが少なくとも部分的に互いに第1方向DAに対面するよう、積層されている。図19に示されたセル30は、正極板及び負極板を含む複数の電極板32と、複数の電極板32を収容する外装体33と、電極板32と電気的に接続して外装体33の外部まで延び出したタブ35と、を有している。セル30は、一対のタブ35を有している。一対のタブ35は、それぞれ正極端子または負極端子として機能する。
【0118】
セル30は、第2方向DBにおける中心を通過する第1方向DA及び第3方向DCに沿った面を基準面として概ね対称的な構成を有している。また、セル30は、第3方向DCにおける中心を通過する第1方向DA及び第2方向DBに沿った面を基準面として概ね対称的な構成を有している。
【0119】
一つの蓄電素子モジュール20に含まれる多数のセル30は、互いのタブ35同士が電気的に接続されることによって、直列接続または並列接続により、互いに電気的に接続している。多数のセル30のタブ35は、一例として、図示しない電極部材を用いて互いに電気的に接続される。セル30の数量や接続を直列と並列で適宜設定することで、一つのセル30からの出力を、所望の電圧及び所望の容量とすることができる。図示された例では、一つの蓄電素子モジュール20が16個のセル30を含んでいる。とりわけ図18に示された例において、並列接続された二つのセル30が、8組直列接続されている。
【0120】
図17に示すように、蓄電素子モジュール20は、複数のセルを収納するためのケース18を有している。ケース18は、内面において複数のセルを収納する収納空間を画成する。ケース18は、ケース本体40及びカバー60を有している。カバー60は、ケース本体40に取り外し可能となっている。
【0121】
蓄電素子ユニット10に含まれるケース18の各々が有するケース本体40及びカバー60は、例えば絶縁性の材料を用いて形成される。カバー60は、全体として、絶縁性の樹脂材料から一体的に成形され得る。ケース本体40は、全体として、絶縁性の樹脂材料から一体的に成形され得る。
【0122】
一例として、蓄電素子ユニット10に含まれるケース18の各々は、樹脂材料から構成される。図17に示すような、ケース本体40及びカバー60を有するケース18において、ケース本体40及びカバー60は、樹脂材料から構成される。ケース18を構成する樹脂材料は、例えば樹脂板91の材料と同様の樹脂材料である。
【0123】
本実施の形態の蓄電素子ユニット10においては、樹脂板91と金属板92とを互いに対して固定する際にねじ96の軸部96aが通される複数の貫通孔94が、一つの基準貫通孔94aと、複数の幅広貫通孔94bとを含む。これによって、樹脂板91の熱膨張に応じて幅広貫通孔94bの内部において軸部96aがずれることが許容される。これによって、熱膨張した樹脂板91に歪みが生じることを抑制できる。以上より、本実施の形態の蓄電素子ユニット10によれば、収納箱11の材料として樹脂を用いつつ、樹脂の熱膨張を許容できる。特に、収納箱11の壁部13の一部として樹脂板91を用いつつ、樹脂板91の熱膨張を許容できる。
【0124】
また、本実施の形態に係る蓄電素子ユニット10においては、収納箱11を複数の部材から構成する。特に、本実施の形態に係る蓄電素子ユニット10において、収納箱11は、複数の壁部13を備える。ここで、本実施の形態に係る蓄電素子ユニット10においては、接続部911bの少なくとも一部が、第2樹脂板912の厚み方向において第2樹脂板912の一部に重なる。これによって、第1壁部13dと第2壁部13eとの間から収納箱11の内部が見えてしまうことを抑制し、蓄電素子ユニット10の美観を向上できる。特に、蓄電素子ユニット10において、樹脂板91が熱膨張した際に樹脂板91が歪むことを抑制することなどを目的として、第1樹脂板911と第2樹脂板912とを直接接合しないようにすることが求められる場合がある。ここで、本実施の形態に係る蓄電素子ユニット10によれば、第1樹脂板911と第2樹脂板912とが直接接合していない場合であっても、接続部911bの縁部と第2樹脂板912の縁部との間から収納箱11の内部が見えてしまうことを抑制し、蓄電素子ユニット10の美観を向上できる。
【0125】
以上より、本実施の形態に係る蓄電素子ユニット10によれば、樹脂板91が熱膨張した際に樹脂板91が歪むことを抑制しつつ、樹脂板91同士の隙間から収納箱11の内部が見えてしまうことを抑制して、蓄電素子ユニット10の美観を向上できる。
【0126】
本発明の態様は、上述した実施形態に限定されるものではなく、当業者が想到しうる種々の変形も含むものであり、本発明の効果も上述した内容に限定されない。すなわち、特許請求の範囲に規定された内容及びその均等物から導き出される本発明の概念的な思想と趣旨を逸脱しない範囲で種々の追加、変更及び部分的削除が可能である。
【符号の説明】
【0127】
10 蓄電素子ユニット
11 収納箱
12 フレーム部
13 壁部
13a 底壁部
13b 上壁部
13c 側壁部
91 樹脂板
92 金属板
図1
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