(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023138061
(43)【公開日】2023-09-29
(54)【発明の名称】サーバ装置、プログラム、及び取引履歴収集方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0201 20230101AFI20230922BHJP
【FI】
G06Q30/02 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022044553
(22)【出願日】2022-03-18
(71)【出願人】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】河崎 誠
(72)【発明者】
【氏名】山田 陽一朗
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 康嗣
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB02
(57)【要約】
【課題】顧客に関する情報を含む取引の履歴を収集することができるサーバ装置、プログラム、及び取引履歴収集方法を提供する。
【解決手段】サーバ装置は、更新手段と、取得手段と、第1推定手段と、第1生成手段と、を備える。更新手段は、取引情報が有する商品販売情報と、属性情報とに基づいて、商品ごとに当該商品を購入した顧客の属性別のスコアが登録された購買統計マスタを更新する。取得手段は、取引情報を取得する。第1推定手段は、購買統計マスタに基づいて、取得手段が取得した取引情報の商品販売情報により顧客の属性を示す属性情報を推定する。第1生成手段は、取得手段が取得した取引情報の商品販売情報に含まれる商品を、第1推定手段が推定した属性情報が示す属性の顧客が購入したことを示す推定取引履歴情報を生成する。
【選択図】
図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
顧客に販売した商品を示す商品販売情報を含む取引情報に顧客の属性を示す属性情報が含まれている場合に、当該取引情報が有する前記商品販売情報と、前記属性情報とに基づいて、商品ごとに当該商品を購入した顧客の属性別のスコアが登録された購買統計マスタを更新する更新手段と、
顧客に販売した商品を示す商品販売情報を含む取引情報を取得する取得手段と、
前記購買統計マスタに基づいて、前記取得手段が取得した前記取引情報の前記商品販売情報により顧客の属性を示す属性情報を推定する第1推定手段と、
前記取得手段が取得した前記取引情報の前記商品販売情報に含まれる商品を、前記第1推定手段が推定した前記属性情報が示す属性の顧客が購入したことを示す推定取引履歴情報を生成する第1生成手段と、
を備えるサーバ装置。
【請求項2】
前記第1推定手段は、前記購買統計マスタに商品ごとに登録された顧客の属性別のスコアに基づいて、前記取引情報の前記商品販売情報に含まれる商品ごとに集計することにより前記属性情報を推定する、
請求項1に記載のサーバ装置。
【請求項3】
商品ごとに当該商品を購入した顧客の購買の特徴が登録された商品別顧客判定マスタに基づいて、前記取得手段が取得した前記取引情報の前記商品販売情報から顧客の購買の特徴を推定する第2推定手段を更に備え、
前記第1生成手段は、前記取得手段が取得した前記取引情報の前記商品販売情報に含まれる商品を、前記第1推定手段が推定した前記属性情報が示す属性と、前記第2推定手段が推定した購買の特徴とを有する顧客が購入したことを示す前記推定取引履歴情報を生成する、
請求項1又は2に記載のサーバ装置。
【請求項4】
前記第2推定手段は、商品ごとに当該商品を購入した顧客の世帯構成が登録された前記商品別顧客判定マスタに基づいて、前記取得手段が取得した前記取引情報の前記商品販売情報に適合する前記世帯構成であると推定する、
請求項3に記載のサーバ装置。
【請求項5】
前記第2推定手段は、商品ごとに当該商品を購入した顧客の商品を購入する購買傾向が登録された前記商品別顧客判定マスタと、前記取得手段が取得した前記取引情報の前記商品販売情報と、に基づいて、購買傾向を推定する、
請求項3又は請求項4に記載のサーバ装置。
【請求項6】
前記取引情報に含まれる前記属性情報と前記第1推定手段が推定した前記属性情報との何れか一方の前記属性情報と、前記第2推定手段が推定した顧客の購買の特徴とを有する顧客マスタを生成する第2生成手段を備える、
請求項3から請求項5の何れか一項に記載のサーバ装置。
【請求項7】
商品の購入者と、当該商品の使用者とが一致している場合が多いかを示す購買顧客分類を有する店舗マスタを更に備え、
前記第1生成手段は、前記取得手段が取得した前記取引情報の前記商品販売情報に含まれる商品を、前記購買顧客分類の店舗で、前記第1推定手段が推定した前記属性情報が示す属性の顧客が購入したことを示す前記推定取引履歴情報を生成する、
請求項1から請求項6の何れか一項に記載のサーバ装置。
【請求項8】
前記第1生成手段が生成した前記推定取引履歴情報をデータベースに登録する登録手段を更に備える、
請求項1から請求項7の何れか一項に記載のサーバ装置。
【請求項9】
コンピュータを、
顧客に販売した商品を示す商品販売情報を含む取引情報に顧客の属性を示す属性情報が含まれている場合に、当該取引情報が有する前記商品販売情報と、前記属性情報とに基づいて、商品ごとに当該商品を購入した顧客の属性別のスコアが登録された購買統計マスタを更新する更新手段と、
顧客に販売した商品を示す商品販売情報を含む取引情報を取得する取得手段と、
前記購買統計マスタに基づいて、前記取得手段が取得した前記取引情報の前記商品販売情報により顧客の属性を示す属性情報を推定する第1推定手段と、
前記取得手段が取得した前記取引情報の前記商品販売情報に含まれる商品を、前記第1推定手段が推定した前記属性情報が示す属性の顧客が購入したことを示す推定取引履歴情報を生成する第1生成手段と、
して機能させるためのプログラム。
【請求項10】
顧客に販売した商品を示す商品販売情報を含む取引情報に顧客の属性を示す属性情報が含まれている場合に、当該取引情報が有する前記商品販売情報と、前記属性情報とに基づいて、商品ごとに当該商品を購入した顧客の属性別のスコアが登録された購買統計マスタを更新する更新ステップと、
顧客に販売した商品を示す商品販売情報を含む取引情報を取得する取得ステップと、
前記購買統計マスタに基づいて、前記取得ステップで取得された前記取引情報の前記商品販売情報により顧客の属性を示す属性情報を推定する第1推定ステップと、
前記取得ステップで取得された前記取引情報の前記商品販売情報に含まれる商品を、前記第1推定ステップで推定された前記属性情報が示す属性の顧客が購入したことを示す推定取引履歴情報を生成する第1生成ステップと、
を含む取引履歴収集方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、サーバ装置、プログラム、及び取引履歴収集方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、取引管理システムは、小売店などで行われた取引の内容を示す取引情報を収集する。管理者は、取引管理システムが収集した取引情報に基づいて、どのような顧客がどのような商品を購入しているのか等の分析を行っている。そして、分析結果は、マーケティング活動の重要な指標となっている。そのため、取引情報には、顧客の年代や性別などの顧客に関する情報が含まれていることが好ましい。
【0003】
しかしながら、近年、個人情報の厳格な取り扱いが求められている。そのため、顧客に関する情報を含む取引の履歴を収集することが困難になっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、顧客に関する情報を含む取引の履歴を収集することができるサーバ装置、プログラム、及び取引履歴収集方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態のサーバ装置は、更新手段と、取得手段と、第1推定手段と、第1生成手段と、を備える。前記更新手段は、顧客に販売した商品を示す商品販売情報を含む取引情報に顧客の属性を示す属性情報が含まれている場合に、当該取引情報が有する前記商品販売情報と、前記属性情報とに基づいて、商品ごとに当該商品を購入した顧客の属性別のスコアが登録された購買統計マスタを更新する。前記取得手段は、顧客に販売した商品を示す商品販売情報を含む取引情報を取得する。前記第1推定手段は、前記購買統計マスタに基づいて、前記取得手段が取得した前記取引情報の前記商品販売情報により顧客の属性を示す属性情報を推定する。前記第1生成手段は、前記取得手段が取得した前記取引情報の前記商品販売情報に含まれる商品を、前記第1推定手段が推定した前記属性情報が示す属性の顧客が購入したことを示す推定取引履歴情報を生成する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】
図1は、本実施形態に係る取引管理システムの構成の一例を説明する説明図である。
【
図2】
図2は、単純取引情報のデータ構成の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、識別取引情報のデータ構成の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、詳細取引情報のデータ装置の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、管理サーバのハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、店舗マスタのデータ構成の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、商品別顧客判定マスタのデータ構成の一例を示す図である。
【
図8】
図8は、購買統計マスタのデータ構成の一例を示す図である。
【
図9】
図9は、顧客特徴マスタのデータ構成の一例を示す図である。
【
図10】
図10は、推定取引履歴情報のデータ構成の一例を示す図である。
【
図11】
図11は、管理サーバの特徴的な機能構成の一例を示すブロック図である。
【
図12】
図12は、本実施形態に係る管理サーバが実行する出力処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、添付図面を参照して、サーバ装置、プログラム、及び取引履歴収集方法の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は、サーバ装置、プログラム、及び取引履歴収集方法の一実施形態であって、その構成や仕様等を限定するものではない。本実施形態のサーバ装置は、例えば取引管理システム1を管理する管理サーバ30への適用例である。
【0008】
図1は、本実施形態に係る取引管理システム1の構成の一例を説明する説明図である。取引管理システム1は、複数台のPOS(Point Of Sales)端末10と、複数台の店舗サーバ20と、管理サーバ30とを備える。POS端末10と、店舗サーバ20とは、店舗内ネットワークなどを介して通信可能に接続される。また、店舗サーバ20と、管理サーバ30とは、ネットワークを介して通信可能に接続される。
【0009】
POS端末10は、小売店の店舗などに設置される販売データ処理装置である。更に詳しくは、POS端末10は、販売対象の商品を登録する商品登録処理と、商品登録処理により登録された商品の会計処理とを実行する。また、POS端末10は、会員カード等を読み取ることにより、顧客を識別するための顧客識別情報を取得してもよい。また、POS端末10は、商品登録処理と会計処理とに基づいて、取引内容を示す取引情報を生成する。そして、POS端末10は、取引情報を店舗サーバ20に送信する。
【0010】
なお、POS端末10は、商品登録処理と会計処理とを顧客が操作するフルセルフタイプの装置であってもよい。また、POS端末10は、商品登録処理を店員が操作し会計処理を顧客が操作するセミセルフにおいて、登録装置であってもよいし、会計装置であってもよい。また、商品登録処理を顧客が保有する顧客携帯端末又は店舗が貸出する貸出携帯端末の操作により行い、会計処理を顧客が会計装置の操作により行うセルフスキャニングシステムにおいて、POS端末10は、顧客携帯端末、貸出携帯端末または会計装置であってもよい。
【0011】
店舗サーバ20は、店舗に設置されたPOS端末10を管理する。店舗サーバ20は、パーソナルコンピュータや、クラウドコンピューティング等の情報処理装置である。また、店舗サーバ20は、一台の情報処理装置に限らず、複数台の情報処理装置により構成されていてもよい。店舗サーバ20は、店舗において顧客との取引が行われた場合に、取引情報を管理サーバ30に送信する。
【0012】
管理サーバ30は、パーソナルコンピュータや、クラウドコンピューティング等のサーバ装置である。また、管理サーバ30は、一台のサーバ装置に限らず、複数台のサーバ装置により構成されていてもよい。管理サーバ30は、ネットワークを介して接続された複数台の店舗サーバ20から取引情報を収集する。
【0013】
ここで、取引情報には、単純取引情報と、識別取引情報と、詳細取引情報との分類がある。
図2は、単純取引情報のデータ構成の一例を示す図である。単純取引情報は、取引コードと、商品販売情報とを有する。取引コードは、取引を識別するための識別情報である。商品販売情報は、取引で販売された商品の商品情報である。商品情報には、商品コード、商品名称、単価などの顧客が購入した商品に関する情報である。商品コードは、商品を特定するための識別情報である。商品名称は、商品の名称を示す情報である。単価は、商品の単価を示す情報である。
【0014】
図3は、識別取引情報のデータ構成の一例を示す図である。識別取引情報は、顧客コードと、取引コードと、商品販売情報とを有する。顧客コードは、顧客を特定するための識別情報であって、取引で商品を購入した顧客を示す情報である。
【0015】
図4は、詳細取引情報のデータ装置の一例を示す図である。詳細取引情報は、顧客コードと、顧客情報と、取引コードと、商品販売情報とを有する。顧客情報は、取引で商品を購入した顧客に関する情報である。顧客情報は、属性情報と、顧客特徴情報とを有する。属性情報は、顧客の性別や年代などの顧客の属性を示す情報である。購買特徴情報は、顧客の購買の特徴を示す情報である。例えば、購買特徴情報は、顧客の世帯構成を示す世帯構成情報や、顧客が購入する商品の傾向を示す購買傾向情報などである。
【0016】
また、管理サーバ30は、収集した取引情報に基づいて、顧客に関する情報を推定する。そして、管理サーバ30は、取引情報と、推定した顧客に関する情報とを含むデータベースを生成する。
【0017】
次に、管理サーバ30のハードウェア構成について説明する。
【0018】
図5は、管理サーバ30のハードウェア構成の一例を示す図である。管理サーバ30は、制御部310、記憶部320、通信部330、表示部340、及び操作部350を備える。これら各部は、データバスやアドレスバス等のシステムバス360を介して相互に接続している。
【0019】
制御部310は、管理サーバ30の全体の動作を制御し、管理サーバ30が有する各種の機能を実現するコンピュータである。制御部310は、プロセッサと、ROM(Read Only Memory)と、RAM(Random Access Memory)とを備える。プロセッサは、CPU(Central Processing Unit)などの管理サーバ30の動作を制御する処理回路である。ROMは、各種プログラムやデータを記憶する記憶媒体である。RAMは、各種プログラムや各種データを一時的に記憶する記憶媒体である。そして、プロセッサは、RAMをワークエリア(作業領域)としてROM又は記憶部320等に格納されたプログラムを実行する。
【0020】
記憶部320は、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)などの記憶装置である。記憶部320は、制御プログラム321、取引情報マスタ322、商品マスタ323、店舗マスタ324、商品別顧客判定マスタ325、購買統計マスタ326、顧客詳細マスタ327、及び推定取引履歴マスタ328を記憶する。なお、取引情報マスタ322、商品マスタ323、店舗マスタ324、商品別顧客判定マスタ325、購買統計マスタ326、顧客詳細マスタ327、及び推定取引履歴マスタ328の全部又は一部は、管理サーバ30に限らず、他の装置に記憶されていてもよい。
【0021】
制御プログラム321は、オペレーティングシステムや、管理サーバ30が備えている機能を発揮させるためのプログラムである。制御プログラム321には、本実施形態に係る特徴的な機能を発揮させるプログラムが含まれる。
【0022】
取引情報マスタ322は、複数の店舗サーバ20から送信された取引情報を記憶するデータベースである。
【0023】
商品マスタ323は、複数の商品について、それぞれの商品に関する情報を有する。商品マスタ323は、商品コード、GPコード、部門コード、クラスコード、カテゴリコード、及びカテゴリ名称等の情報が関連付けられる。商品コードは、商品を識別するための識別情報である。GP(group)コードは、商品が属するグループを示す情報である。部門コードは、商品が属する部門を示す情報である。クラスコードは、商品が属するクラスを示す情報である。カテゴリコードは、商品のカテゴリを示す情報である。カテゴリ名称は、商品のカテゴリを示す名称である。
【0024】
図6は、店舗マスタ324のデータ構成の一例を示す図である。店舗マスタ324は、各店舗のそれぞれの情報である。また、店舗マスタ324は、商品の購入者と、商品の使用者とが一致している場合が多いかを示す購買顧客分類を有する。
【0025】
例えば、店舗マスタ324は、企業コード、地域(大区分)、地域(中区分)、都道府県、地域(小区分)、市区町村、企業名、屋号、店舗コード、店舗名、営業業態、営業時間、立地区分、購買顧客分類、及び取引情報分類等の情報を有する。
【0026】
企業コードは、店舗を運営する企業を識別するための識別情報である。地域(大区分)、地域(中区分)、都道府県、地域(小区分)、及び市区町村は、店舗の所在地を示す情報である。すなわち、地域(大区分)は、店舗がある広域な地域を示す情報である。地域(中区分)は、店舗がある中域な地域を示す情報である。都道府県は、店舗がある都道府県を示す情報である。地域(小区分)は、店舗がある中域な小域を示す情報である。
市区町村は、店舗がある市区町村を示す情報である。
【0027】
企業名は、店舗を運営する企業の名称を示す情報である。屋号は、複数の店舗で使用されるグループ名称などである。店舗コードは、店舗を識別するための識別情報である。店舗名は、個々の店舗を示す名称である。営業業態は、店舗の営業形態を示す情報である。例えば、営業業態は、コンビニエンスストア、スーパーマーケット、ドラッグストアなどの業態である。営業時間は、店舗が開店している営業時間を示す情報である。立地区分は、店舗が立地している区分を示す情報である。例えば、立地区分は、住宅街、駅前、オフィス街、郊外、繁華街、テナントなどの区分である。
【0028】
購買顧客分類は、店舗で購買する顧客と、商品を使用する者との関係を示す分類である。例えば、コンビニエンスストアでは、顧客は、自分が使用する商品を購入する。スーパーマーケットでは、顧客は、家族が使用する商品を購入する。購買顧客分類は、このような関係を示す分類である。分類には、一致、不一致、不明がある。一致は、店舗で購買する顧客と、商品を使用する者とが一致することを示す。不一致は、店舗で購買する顧客と、商品を使用する者とが不一致であることを示す。不明は、一致である、不一致であるかが不明であることを示す。取引情報分類は、店舗の店舗サーバ20から送信される商品情報の分類を示す情報である。すなわち、取引情報分類は、単純取引情報と、識別取引情報と、詳細取引情報との何れを店舗サーバ20が送信するのかを示す情報である。
【0029】
図7は、商品別顧客判定マスタ325のデータ構成の一例を示す図である。商品別顧客判定マスタ325は、商品ごとに商品を購入した顧客の購買の特徴が登録された情報である。商品別顧客判定マスタ325は、企業コード、商品特定情報、判定条件、及び判定結果が関連付けられている。管理サーバ30は、企業コードにより特定される企業から、商品特定情報により特定される商品を、判定条件に示された条件を満たすように購買された場合に、判定結果に示された購買の特徴を有する顧客であると判定する。
【0030】
企業コードは、店舗を運営する企業を示す識別情報である。商品特定情報は、商品を特定するための情報である。例えば、商品特定情報は、企業コード、GPコード、部門コード、クラスコード、商品コード、及び商品名称を有する。GPコードは、商品が属するグループを示す情報である。部門コードは、商品が属する部門を示す識別情報である。クラスコードは、商品が属するクラスを示す識別情報である。商品コードは、商品を識別するための識別情報である。また、商品コードは、店舗ごとの独自の識別情報であってもよいし、複数の店舗で使用される識別情報であってもよい。商品名称は、商品の名称である。
【0031】
判定条件は、顧客の購買の特徴に該当するか否かの条件である。例えば、判定条件は、価格、及び個数を有する。価格は、商品の価格の条件である。個数は、商品の個数の条件である。判定結果は、判定条件が満たされた場合の顧客の購買の特徴である。例えば、判定結果は、世帯構成、及び購買傾向を有する。世帯構成は、顧客の世帯構成である。例えば、世帯構成は、複数世帯、単身世帯などである。また、世帯構成は、複数世帯、単身世帯に限らず、子持ちや3世代であってよいし、3人家族などの人数を示すものであってもよい。購買傾向は、顧客が商品を購入する傾向である。例えば、購買傾向は、「お得」「こだわり」「簡便」「嗜好品」などである。
【0032】
図8は、購買統計マスタ326のデータ構成の一例を示す図である。購買統計マスタ326は、商品ごとに商品を購入した顧客の属性別のスコアが登録された情報である。購買統計マスタ326は、商品特定情報と、対象フラグと、顧客属性スコアとが関連付けられている。商品特定情報は、対象となる商品を特定するための情報である。商品特定情報は、商品コード、部門コード、GPコード、及び商品名称を有する。商品コードは、商品を特定するための識別情報である。部門コードは、商品が属する部門を示す識別情報である。GPコードは、商品が属するグループを示す情報である。商品名称は、商品の名称である。
【0033】
対象フラグは、関連付けられた商品が推定対象であるか否かを示す情報である。顧客属性スコアは、関連付けられた商品を購入した顧客の属性ごとのスコアを示す情報である。例えば、顧客属性スコアには、性別合計、年代別合計、女性の年代別、及び男性の年代別のスコアがある。性別合計は、性別ごとのスコアである。年代別合計は、性別で区別しない、年代ごとのスコアである。女性の年代別は、女性の年代ごとのスコアである。男性の年代別は、男性の年代ごとのスコアである。顧客属性スコアは、関連付けられた商品を購入した顧客の属性に応じてカウントアップする。例えば、管理サーバ30は、商品名称「AAA」について、性別「男性」で年代「30代」の顧客が3個購入したことを示す詳細取引情報を取得した場合に、商品名称「AAA」に関連付けられた性別合計の「男性」、年代別合計の「30代」、男性の年代別の「30代」を3ずつカウントアップする。また、年代別の不明は、年代が不明な顧客が購入した回数を示す。このように、顧客属性スコアは、各属性の顧客が購入した回数を示す。なお、顧客属性スコアは、性別合計、年代別合計、女性の年代別、及び男性の年代別に限らず、他の属性別のスコアを有していてもよいし、性別合計、年代別合計、女性の年代別、及び男性の年代別の何れかを有していなくてもよい。
【0034】
図9は、顧客詳細マスタ327のデータ構成の一例を示す図である。顧客詳細マスタ327は、顧客の属性と特徴とを有するデータベースである。顧客詳細マスタ327は、顧客マスタの一例である。顧客詳細マスタ327は、企業コード、顧客コード、マスタ属性、推定属性、世帯構成、及び購買傾向スコアが関連付けられている。企業コードは、顧客に商品を販売した店舗を運営する企業を示す識別情報である。顧客コードは、顧客を特定するための識別情報である。
【0035】
マスタ属性は、詳細取引情報から取得した顧客の属性を示す情報である。推定属性は、推定された顧客の属性を示す情報である。例えば、推定属性は、識別取引情報が有する商品販売情報と購買統計マスタ326とに基づいて推定される。
【0036】
世帯構成は、関連付けられた顧客について推定された顧客の世帯構成を示す情報である。例えば、世帯構成は、単身世帯を示す単身と、複数世帯を示す複数との何れかが登録される。例えば、世帯構成は、識別取引情報が有する商品販売情報と商品別顧客判定マスタ325とに基づいて推定される。
図9に示す顧客コード「123456」の顧客は、「単身」であることを示している。なお、世帯構成は、単身や複数に限らず、子供がいることを示す子持ちや、2親等が同居していることを示す三世代等であってもよい。
【0037】
購買傾向スコアは、関連付けられた顧客の購買傾向のスコアである。例えば、購買傾向スコアは、関連付けられた顧客が購入した商品の応じた項目がカウントアップされる。
図9に示す顧客コード「123456」の顧客は、購買傾向スコアにおいて、「簡便」の商品を91個購入し、「こだわり」の商品を130個購入し、「お得」の商品を5個購入し、「嗜好品」の商品を31個購入したことを示している。
【0038】
図10は、推定取引履歴マスタ328のデータ構成の一例を示す図である。推定取引履歴マスタ328は、推定取引履歴情報が蓄積されるデータベースである。推定取引履歴情報は、取引を行った顧客に関する情報の一部分を推定した情報である。推定取引履歴情報は、取引店舗情報、顧客内容情報、及び対象商品情報を有する。
【0039】
取引店舗情報は、取引情報の取引が行われた店舗に関する情報である。例えば、取引店舗情報は、営業業態、取引日時、地域(大区分)、地域(中区分)、都道府県、地域(小区分)、立地条件などの情報を有する。なお、
図10に示す取引店舗情報は、一例であって、これら情報の全てを有していなくても良いし、これら以外の情報を有していてもよい。
【0040】
顧客内容情報は、取引情報の取引を行った顧客に関する情報である。例えば、顧客内容情報は、性別、年代、世帯構成、及び購買傾向などの情報を有する。なお、
図10に示す顧客内容情報は、一例であって、これら情報の全てを有していなくても良いし、これら以外の情報を有していてもよい。
【0041】
対象商品情報は、取引情報の取引の対象となる商品に関する情報である。例えば、対象商品情報は、カテゴリコード、カテゴリ名称、商品コード、商品名称、単価、及び取引点数などの情報を有する。なお、
図10に示す対象商品情報は、一例であって、これら情報の全てを有していなくても良いし、これら以外の情報を有していてもよい。
【0042】
通信部330は、ネットワークを介して、外部装置との通信を実行するインタフェースである。例えば、通信部330は、店舗サーバ20との通信を実行する。
【0043】
表示部340は、各種画像を表示する表示装置である。例えば、表示部340は、液晶ディスプレイである。
【0044】
操作部350は、各種操作を受け付けるキーボード、マウスやタッチパネルなどの入力装置である。
【0045】
次に、管理サーバ30が備える各装置の特徴的な機能について説明する。
【0046】
図11は、管理サーバ30の特徴的な機能構成の一例を示すブロック図である。管理サーバ30の制御部310は、記憶部320の制御プログラム321をRAMに展開し、制御プログラム321に従って動作することで、
図11に示す各機能部をRAM上に生成する。具体的には、管理サーバ30の制御部310は、機能部として、取引情報取得部3101、店舗マスタ登録部3102、顧客詳細マスタ登録部3103、購買統計更新部3104、顧客属性推定部3105、顧客特徴推定部3106、推定取引履歴生成部3107、及び推定取引履歴出力部3108を備える。
【0047】
取引情報取得部3101は、顧客に販売した商品を示す商品販売情報を含む取引情報を取得する。取引情報取得部3101は、取得手段の一例である。更に詳しくは、取引情報取得部3101は、複数の店舗サーバ20から取引情報を受信する。また、取引情報取得部3101は、受信した取引情報を取引情報マスタ322に登録する。
【0048】
店舗マスタ登録部3102は、店舗マスタ324の各項目に項目内容を登録する。更に詳しくは、店舗マスタ登録部3102は、
図6に示す店舗マスタ324の地域(大区分)、地域(中区分)、都道府県、地域(小区分)、市区町村、企業名、屋号、店舗コード、店舗名、営業業態、営業時間、立地区分、購買顧客分類、及び取引情報分類を登録する。例えば、店舗マスタ登録部3102は、管理サーバ30の管理者などの操作により指定された内容を登録する。
【0049】
顧客詳細マスタ登録部3103は、商品別顧客判定マスタ325の各項目に項目内容を登録する。更に詳しくは、顧客詳細マスタ登録部3103は、
図7に示す商品別顧客判定マスタ325の企業コード、商品特定情報の各項目、判定条件の各項目、及び判定結果の各項目を登録する。
【0050】
購買統計更新部3104は、顧客に販売した商品を示す商品販売情報を含む取引情報に顧客の属性を示す属性情報が含まれている場合に、取引情報が有する商品販売情報と、属性情報とに基づいて、商品ごとに商品を購入した顧客の属性別のスコアが登録された購買統計マスタ326を更新する。購買統計更新部3104は、更新手段の一例である。更に詳しくは、購買統計更新部3104は、取引情報取得部3101が取得した取引情報が詳細取引情報の場合に、購買統計マスタ326の顧客属性スコアを更新する。購買統計更新部3104は、詳細取引情報の商品販売情報に含まれる商品コードと、詳細取引情報に含まれる属性情報と、に適合する顧客属性スコアの項目の値を、購入点数に応じた値だけ増加させる。
【0051】
顧客属性推定部3105は、商品ごとに商品を購入した顧客の属性別のスコアが登録された購買統計マスタ326に基づいて、取引情報取得部3101が取得した取引情報の商品販売情報により顧客の属性を示す属性情報を推定する。顧客属性推定部3105は、第1推定手段の一例である。
【0052】
更に詳しくは、顧客属性推定部3105は、取引情報取得部3101が取得した取引情報が詳細取引情報の場合、詳細取引情報が有する属性情報を、顧客詳細マスタ327のマスタ属性に登録する。
【0053】
顧客属性推定部3105は、取引情報取得部3101が取得した取引情報が識別取引情報又は単純取引情報の場合、識別取引情報又は単純取引情報が有する商品販売情報、及び購買統計マスタ326に基づいて、顧客の属性を推定する。顧客属性推定部3105は、商品販売情報から商品コードを抽出する。顧客属性推定部3105は、購買統計マスタ326において、抽出した商品コードにより特定される商品の対象フラグが推定対象を示している場合に、顧客属性として性別と年代とを推定する。例えば、顧客属性推定部3105は、購買統計マスタ326の顧客属性の性別のうち、顧客属性スコアが高い方の性別であると推定する。また、顧客属性推定部3105は、購買統計マスタ326の顧客属性の年代のうち、最も顧客属性スコアが高い年代であると推定する。そして、顧客属性推定部3105は、商品販売情報に含まれる各商品コードに対して上述の処理を実行する。
【0054】
また、商品販売情報は、複数の商品コードを有している場合がある。この場合、顧客属性推定部3105は、購買統計マスタ326に商品ごとに登録された顧客の属性別のスコアである顧客属性スコアに基づいて、取引情報の商品販売情報に含まれる商品ごとに集計することにより属性情報を推定する。すなわち、顧客属性推定部3105は、統計学的手法により顧客の属性として性別及び年代を推定する。例えば、顧客属性推定部3105は、商品販売情報において、推定結果が男性となる商品コードが3つあり、推定結果が女性となる商品コードが2つある場合、男性であると推定する。なお、顧客属性推定部3105は、商品コードの数に限らず、他の方法で顧客の属性を推定してもよい。そして、顧客属性推定部3105は、推定した顧客の属性を示す属性情報を、顧客詳細マスタ327の推定属性に登録する。
【0055】
また、顧客属性推定部3105は、商品販売情報に含まれる一部の商品コードにより顧客属性を推定してもよい。例えば、顧客属性推定部3105は、商品販売情報に顧客属性の推定の指標となる商品の商品コードが含まれている場合、指標となる商品の商品コードについて推定した性別や年代により顧客の属性を推定してもよい。
【0056】
顧客特徴推定部3106は、商品ごとに商品を購入した顧客の購買の特徴が登録された商品別顧客判定マスタ325に基づいて、取引情報取得部3101が取得した取引情報の商品販売情報から顧客の購買の特徴を推定する。顧客特徴推定部3106は、第2推定手段の一例である。
【0057】
更に詳しくは、顧客特徴推定部3106は、商品ごとに商品を購入した顧客の世帯構成が登録された商品別顧客判定マスタ325に基づいて、取引情報取得部3101が取得した取引情報の商品販売情報に適合する世帯構成であると推定する。すなわち、顧客特徴推定部3106は、取引情報の商品販売情報と、商品別顧客判定マスタ325とを比較して、判定条件を満たしている商品コードを抽出する。そして、顧客特徴推定部3106は、推定対象の顧客について、抽出した商品コードに関連付けられた世帯構成であると推定する。
【0058】
なお、顧客特徴推定部3106は、判定条件を満たしている商品コードを複数抽出した場合に、統計学的手法により顧客の世帯構成を推定する。例えば、顧客特徴推定部3106は、単身と複数とが複数ある場合には、判定条件を満たしている商品コードの数が多い方に該当すると判定する。そして、顧客特徴推定部3106は、推定結果を顧客詳細マスタ327に登録する。
【0059】
また、顧客特徴推定部3106は、商品ごとに商品を購入した顧客の商品を購入する購買傾向が登録された商品別顧客判定マスタ325と、取引情報取得部3101が取得した取引情報の商品販売情報と、に基づいて、購買傾向を推定する。すなわち、顧客特徴推定部3106は、取引情報の商品販売情報に含まれる各商品コードについて、商品マスタ323に登録された各購買傾向の判定条件を満たしているか否かを判定する。そして、顧客特徴推定部3106は、購買傾向の種類ごとに、判定条件を満たしている商品コードの数を数える。顧客特徴推定部3106は、購買傾向の種別である「お得」と「こだわり」と「簡便」と「嗜好品」とに適合する商品の商品コードの数をそれぞれ集計する。そして、顧客特徴推定部3106は、購買傾向の種別ごとの商品コードの数を、購買傾向スコアとして顧客詳細マスタ327に加算する。
【0060】
このように、顧客特徴推定部3106は、推定結果を商品マスタ323に登録する。言い換えると、顧客特徴推定部3106は、取引情報に含まれる属性情報と顧客属性推定部3105が推定した属性情報との何れか一方の属性情報と、顧客特徴推定部3106が推定した顧客の購買の特徴とを有する顧客詳細マスタ327を生成する。顧客特徴推定部3106は、第2生成手段の一例である。
【0061】
推定取引履歴生成部3107は、取引情報取得部3101が取得した取引情報の商品販売情報に含まれる商品を、顧客属性推定部3105が推定した属性情報が示す属性の顧客が購入したことを示す推定取引履歴情報を生成する。推定取引履歴生成部3107は、第1生成手段の一例である。すなわち、推定取引履歴生成部3107は、少なくとも、取引情報取得部3101が取得した取引情報の商品販売情報に含まれる商品を、顧客属性推定部3105が推定した属性情報が示す属性の顧客が購入したことを示す推定取引履歴情報を生成する。
【0062】
また、推定取引履歴生成部3107は、取引情報取得部3101が取得した取引情報の商品販売情報に含まれる商品を、顧客属性推定部3105が推定した属性情報が示す属性と、顧客特徴推定部3106が推定した購買の特徴とを有する顧客が購入したことを示す推定取引履歴情報を生成してもよい。
【0063】
また、推定取引履歴生成部3107は、取引情報取得部3101が取得した取引情報の商品販売情報に含まれる商品を、商品の購入者と商品の使用者とが一致している場合が多いかを示す購買顧客分類の店舗で、顧客属性推定部3105が推定した属性情報が示す属性の顧客が購入したことを示す推定取引履歴情報を生成してもよい。
【0064】
更に詳しくは、推定取引履歴生成部3107は、商品マスタ323、店舗マスタ324、商品別顧客判定マスタ325、購買統計マスタ326、顧客詳細マスタ327に基づいて、取引情報における顧客に関する情報の一部分を推定した取引の履歴である推定取引履歴情報を生成する。そして、推定取引履歴生成部3107は、生成した推定取引履歴情報をデータベースである推定取引履歴マスタ328に登録する。推定取引履歴生成部3107は、登録手段の一例である。
【0065】
推定取引履歴出力部3108は、推定取引履歴生成部3107が生成した推定取引履歴情報を出力する。更に詳しくは、推定取引履歴出力部3108は、推定取引履歴マスタ328から推定取引履歴情報を抽出する。そして、推定取引履歴出力部3108は、抽出した推定取引履歴情報を出力する。例えば、推定取引履歴出力部3108は、ネットワークを介して、他の装置に送信する。なお、推定取引履歴出力部3108は、送信に限らず、他の記憶媒体に記憶させることにより出力してもよいし、印字することにより出力してもよいし、他の方法により出力してもよい。
【0066】
また、推定取引履歴出力部3108は、推定取引履歴マスタ328が有する推定取引履歴情報のうち、出力する推定取引履歴情報の条件の指定を受け付けてもよい。例えば、推定取引履歴出力部3108は、推定取引履歴情報の一又は複数の項目の指定を出力条件として受け付けてもよい。例えば、推定取引履歴出力部3108は、営業業態において「スーパーマーケット」の指定を受け付けてもよい。この場合、推定取引履歴出力部3108は、営業業態が「スーパーマーケット」の推定取引履歴情報を出力する。
【0067】
次に、管理サーバ30が実行する出力処理について説明する。ここで、
図12は、本実施形態に係る管理サーバ30が実行する出力処理の一例を示すフローチャートである。
【0068】
取引情報取得部3101は、店舗サーバ20から取引情報を受信したか否かを判定する(ステップS1)。取引情報を受信していない場合に(ステップS1;No)、取引情報取得部3101は、待機する。
【0069】
取引情報を受信した場合に(ステップS1;Yes)、取引情報取得部3101は、受信した取引情報を取引情報マスタ322に登録する(ステップS2)。
【0070】
取引情報取得部3101は、取引情報マスタ322に詳細取引情報を登録したか否かを判定する(ステップS3)。すなわち、取引情報取得部3101は、取引情報マスタ322に登録した取引情報に、顧客コードと、顧客情報との両方が含まれているか否かを判定する。
【0071】
詳細取引情報を登録した場合に(ステップS3;Yes)、購買統計更新部3104は、詳細取引情報に基づいて、商品別顧客判定マスタ325の顧客属性スコアを更新する(ステップS4)。更に詳しくは、顧客属性推定部3105は、詳細取引情報に含まれる商品販売情報の商品コードと、詳細取引情報に含まれる属性情報とに基づいて、顧客属性スコアの適合する項目をカウントアップする。
【0072】
顧客特徴推定部3106は、詳細取引情報に基づいて、各種情報を顧客詳細マスタ327に登録する(ステップS5)。すなわち、顧客特徴推定部3106は、詳細取引情報が有する属性情報を顧客詳細マスタ327のマスタ属性に登録する。また、顧客特徴推定部3106は、詳細取引情報が有する商品販売情報と商品別顧客判定マスタ325とに基づいて推定した世帯構成を顧客詳細マスタ327に登録する。また、顧客特徴推定部3106は、詳細取引情報が有する商品販売情報と商品別顧客判定マスタ325とに基づいて推定した購買傾向スコアを顧客詳細マスタ327に登録する。
【0073】
推定取引履歴生成部3107は、推定取引履歴情報を推定取引履歴マスタ328に登録する(ステップS6)。すなわち、推定取引履歴生成部3107は、詳細取引情報を送信した店舗サーバ20の店舗を示す取引店舗情報を店舗マスタ324から取得する。また、推定取引履歴生成部3107は、詳細取引情報が有する顧客コードに関連付けられたマスタ属性と、世帯構成と、購買傾向スコアのうち最もスコアが高い購買傾向と、を顧客詳細マスタ327から取得する。また、推定取引履歴生成部3107は、詳細取引情報が有する商品販売情報に含まれる商品コードに関連付けられた情報を商品マスタ323から取得する。そして、推定取引履歴生成部3107は、取得した情報を用いて生成した推定取引履歴情報を推定取引履歴マスタ328に登録する。
【0074】
詳細取引情報を登録していない場合に(ステップS3;No)、取引情報取得部3101は、取引情報マスタ322に識別取引情報を登録したか否かを判定する(ステップS7)。すなわち、取引情報取得部3101は、取引情報マスタ322に登録した取引情報に、顧客情報が含まれず、且つ顧客コードが含まれているか否かを判定する。
【0075】
識別取引情報を登録した場合に(ステップS7;Yes)、顧客特徴推定部3106は、識別取引情報に基づいて、各種情報を顧客詳細マスタ327に登録する(ステップS8)。すなわち、顧客特徴推定部3106は、商品別顧客判定マスタ325の顧客属性スコアと、識別取引情報が有する商品販売情報に含まれる商品コードとに基づいて推定した顧客属性を顧客詳細マスタ327の推定属性に登録する。また、顧客特徴推定部3106は、識別取引情報が有する商品販売情報と商品別顧客判定マスタ325とに基づいて推定した世帯構成を顧客詳細マスタ327に登録する。また、顧客特徴推定部3106は、識別取引情報が有する商品販売情報と商品別顧客判定マスタ325とに基づいて推定した購買傾向スコアを顧客詳細マスタ327に登録する。
【0076】
推定取引履歴生成部3107は、推定取引履歴情報を推定取引履歴マスタ328に登録する(ステップS9)。すなわち、推定取引履歴生成部3107は、識別取引情報を送信した店舗サーバ20の店舗を示す取引店舗情報を店舗マスタ324から取得する。また、推定取引履歴生成部3107は、識別取引情報が有する顧客コードに関連付けられた推定属性と、世帯構成と、購買傾向スコアのうち最もスコアが高い購買傾向と、を顧客詳細マスタ327から取得する。また、推定取引履歴生成部3107は、識別取引情報が有する商品販売情報に含まれる商品コードに関連付けられた情報を商品マスタ323から取得する。そして、推定取引履歴生成部3107は、取得した情報を用いて生成した推定取引履歴情報を推定取引履歴マスタ328に登録する。
【0077】
識別取引情報を登録していない場合に(ステップS7;No)、推定取引履歴生成部3107は、推定取引履歴情報を推定取引履歴マスタ328に登録する(ステップS10)。ここで、取引情報マスタ322に識別取引情報が登録されていない場合、取引情報取得部3101は、顧客情報と、顧客コードとの両方が含まれていない単純取引情報を取引情報マスタ322に登録している。そこで、推定取引履歴生成部3107は、単純取引情報を送信した店舗サーバ20の店舗を示す取引店舗情報を店舗マスタ324から取得する。また、推定取引履歴生成部3107は、単純取引情報が有する商品販売情報と、商品別顧客判定マスタ325とに基づいて、性別、年代、世帯構成、及び購買傾向を取得する。また、推定取引履歴生成部3107は、単純取引情報が有する商品販売情報に含まれる商品コードに関連付けられた情報を商品マスタ323から取得する。そして、推定取引履歴生成部3107は、取得した情報を用いて生成した推定取引履歴情報を推定取引履歴マスタ328に登録する。
【0078】
推定取引履歴出力部3108は、推定取引履歴情報を出力する操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS11)。出力する操作を受け付けていない場合に(ステップS11;No)、推定取引履歴出力部3108は、ステップS1に移行する。
【0079】
出力する操作を受け付けた場合に(ステップS11;Yes)、推定取引履歴出力部3108は、推定取引履歴を出力する(ステップS12)。
【0080】
以上により、管理サーバ30は、出力処理を終了する。
【0081】
以上のように、本実施形態に係る管理サーバ30は、詳細取引情報を取得した場合に、取引情報が有する商品販売情報と、属性情報とに基づいて、商品ごとに商品を購入した顧客の属性別のスコアが登録された購買統計マスタ326を更新する。また、管理サーバ30は、取引情報を取得した場合に、購買統計マスタ326に基づいて、取引情報の商品販売情報により顧客の属性を推定する。そして、管理サーバ30は、取引情報の商品販売情報に含まれる商品を、推定した属性情報が示す属性の顧客が購入したことを示す推定取引履歴情報を生成する。よって、管理サーバ30は、顧客に関する情報を含む取引の履歴を収集することができる。
【0082】
また、顧客属性推定部3105は、購買統計マスタ326に商品ごとに登録された顧客の属性別のスコアである顧客属性スコアに基づいて、取引情報の商品販売情報に含まれる商品ごとに集計することにより属性情報を推定する。よって、管理サーバ30は、取引情報に顧客の属性を示す属性情報が含まれていなくても、顧客の属性を推定することができる。したがって、管理サーバ30は、取引情報に顧客の属性を示す属性情報が含まれていなくても、推定した顧客の属性を含む推定取引履歴情報を生成することができる。
【0083】
また、顧客特徴推定部3106は、商品ごとに商品を購入した顧客の購買の特徴が登録された商品別顧客判定マスタ325に基づいて、取引情報取得部3101が取得した取引情報の商品販売情報から顧客の購買の特徴を推定する。また、推定取引履歴生成部3107は、取引情報取得部3101が取得した取引情報の商品販売情報に含まれる商品を、顧客属性推定部3105が推定した属性情報が示す属性と、顧客特徴推定部3106が推定した購買の特徴とを有する顧客が購入したことを示す推定取引履歴情報を生成する。よって、管理サーバ30は、顧客の購買の特徴を推定し、推定した顧客の購買の特徴を含む推定取引履歴情報を生成することができる。
【0084】
また、顧客特徴推定部3106は、商品ごとに商品を購入した顧客の世帯構成が登録された商品別顧客判定マスタ325に基づいて、取引情報取得部3101が取得した取引情報の商品販売情報に適合する世帯構成であると推定する。よって、管理サーバ30は、顧客の購買の特徴として、顧客の世帯構成を推定することができる。したがって、管理サーバ30は、推定した顧客の世帯構成を含む推定取引履歴情報を生成することができる。
【0085】
また、顧客特徴推定部3106は、商品ごとに商品を購入した顧客の世帯構成が登録された商品別顧客判定マスタ325に基づいて、取引情報取得部3101が取得した取引情報の商品販売情報に適合する世帯構成であると推定する。よって、管理サーバ30は、顧客の購買の特徴として、「簡便」「こだわり」「お得」「嗜好品」などの商品の特徴ごとの分類において、顧客が商品を購入する傾向を示す購買傾向を推定することができる。したがって、管理サーバ30は、推定した顧客の購買傾向を含む推定取引履歴情報を生成することができる。
【0086】
顧客特徴推定部3106は、取引情報に含まれる属性情報と顧客属性推定部3105が推定した属性情報との何れか一方の属性情報と、顧客特徴推定部3106が推定した顧客の購買の特徴とを有する顧客詳細マスタ327を生成する。よって、管理サーバ30は、取引情報に属性情報が含まれていなくても、生成した顧客詳細マスタ327に基づいて、属性情報と顧客の購買の特徴とを含む推定取引履歴情報を生成することができる。さらに、管理サーバ30は、事前に顧客詳細マスタ327を生成することで、推定取引履歴情報を生成する毎に、属性情報と顧客の購買の特徴とを推定する場合よりも簡易に、推定取引履歴情報を生成することができる。
【0087】
また、推定取引履歴生成部3107は、取引情報取得部3101が取得した取引情報の商品販売情報に含まれる商品を、商品の購入者と商品の使用者とが一致している場合が多いかを示す購買顧客分類の店舗で、顧客属性推定部3105が推定した属性情報が示す属性の顧客が購入したことを示す推定取引履歴情報を生成する。よって、管理サーバ30は、商品の購入者と、当該商品の使用者とが一致している場合が多いかを示す購買顧客分類を含む推定取引履歴情報を生成することができる。したがって、推定取引履歴情報をマーケティングなどに利用する場合に、推定取引履歴情報が示す顧客が自身の好みに従って購入した商品であるか否かを識別することができる。
【0088】
また、推定取引履歴生成部3107は、生成した推定取引履歴情報をデータベースである推定取引履歴マスタ328に登録する。よって、管理サーバ30は、推定取引履歴情報を蓄積することができる。したがって、管理サーバ30は、マーケティングなどにおいて統計的に解析するためのデータを生成することができる。
【0089】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0090】
上記実施形態や変形例の各装置で実行されるプログラムは、各装置が備える記憶媒体(ROM又は記憶部)に予め組み込んで提供するものとするが、これに限らないものとする。例えば、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。さらに、記憶媒体は、コンピュータ或いは組み込みシステムと独立した媒体に限らず、LANやインターネット等により伝達されたプログラムをダウンロードして記憶又は一時記憶した記憶媒体も含まれる。
【0091】
また、上記実施形態や変形例の各装置で実行されるプログラムをインターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよいし、インターネット等のネットワーク経由で提供又は配布するように構成してもよい。
【符号の説明】
【0092】
1 取引管理システム
10 POS(Point Of Sales)端末
20 店舗サーバ
30 管理サーバ
310 制御部
320 記憶部
321 制御プログラム
322 取引情報マスタ
323 商品マスタ
324 店舗マスタ
325 商品別顧客判定マスタ
326 購買統計マスタ
327 顧客詳細マスタ
328 推定取引履歴マスタ
330 通信部
340 表示部
350 操作部
360 システムバス
3101 取引情報取得部
3102 店舗マスタ登録部
3103 顧客詳細マスタ登録部
3104 購買統計更新部
3105 顧客属性推定部
3106 顧客特徴推定部
3107 推定取引履歴生成部
3108 推定取引履歴出力部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0093】