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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023138101
(43)【公開日】2023-09-29
(54)【発明の名称】シリコーンフォーム
(51)【国際特許分類】
   C08J 9/04 20060101AFI20230922BHJP
【FI】
C08J9/04 101
C08J9/04 CFH
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022044603
(22)【出願日】2022-03-18
(71)【出願人】
【識別番号】000119232
【氏名又は名称】株式会社イノアックコーポレーション
(71)【出願人】
【識別番号】000127307
【氏名又は名称】株式会社イノアック技術研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100105315
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 温
(74)【代理人】
【識別番号】100132137
【弁理士】
【氏名又は名称】佐々木 謙一郎
(72)【発明者】
【氏名】菊地 敦紀
【テーマコード(参考)】
4F074
【Fターム(参考)】
4F074AA90
4F074AD16
4F074AG10
4F074AH04
4F074BA32
4F074BA33
4F074CA12
4F074CB52
4F074CC04Y
4F074CC04Z
4F074DA02
4F074DA18
4F074DA23
4F074DA32
4F074DA35
4F074DA37
4F074DA47
(57)【要約】
【課題】 優れた性能を有するシリコーンフォームを提供する。
【解決手段】 本発明のある態様は、フォーム状のシリコーン樹脂と、難燃剤とを含むシリコーンフォームであり、300℃重量減少率が5.0重量%以下である、シリコーンフォームである。
【選択図】 なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フォーム状のシリコーン樹脂と、難燃剤とを含み、
下記方法によって測定される300℃重量減少率が5.0重量%以下である、シリコーンフォーム。
(方法)
示差熱・熱重量同時測定器(TG/DTA)を用い、乾燥空気気流下(流速:250mL/min)にて、昇温速度を10℃/minとして300℃まで昇温を行い、[1-(300℃時点のサンプル重量/昇温開始前のサンプル重量)]×100、として300℃重量減少率(重量%)を算出する。
【請求項2】
フォーム状のシリコーン樹脂と、
下記方法によって測定される300℃重量減少率が20重量%以下である難燃剤と
を含む、シリコーンフォーム。
(方法)
示差熱・熱重量同時測定器(TG/DTA)を用い、乾燥空気気流下(流速:250mL/min)にて、昇温速度を10℃/minとして300℃まで昇温を行い、[1-(300℃時点のサンプル重量/昇温開始前のサンプル重量)]×100として、300℃重量減少率(重量%)を算出する。
【請求項3】
フォーム状のシリコーン樹脂と、ハロゲン系難燃剤とを含む、シリコーンフォーム。
【請求項4】
シート状であり、厚みが0.1~10mmである、請求項1~3のいずれか一項に記載のシリコーンフォーム。
【請求項5】
断熱材である、請求項1~4のいずれか一項に記載のシリコーンフォーム。
【請求項6】
車載用である、請求項1~5のいずれか一項に記載のシリコーンフォーム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シリコーンフォームに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車等の分野においては、狭い空間にて装置が駆動することから、各装置に熱によるダメージが加わる或いは発火することがある。そのため、自動車等の部品を熱から保護する断熱材が求められている。
【0003】
特許文献1には、水酸化アルミニウム等を用いたシリコーンフォームによって、車両の床裏に配置される排気管周囲のフロアトンネルやエンジンルームを熱から保護する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-190307号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来技術に係るシリコーンフォームは、十分な性能を満たすものではなかった。
【0006】
そこで、本発明は、優れた性能を有するシリコーンフォームを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、鋭意研究を行い、特定のシリコーンフォームが前記課題を解決可能であることを見出し、本発明を完成させた。即ち、本発明は下記の通りである。
【0008】
本発明のある態様は、
フォーム状のシリコーン樹脂と、難燃剤とを含み、
下記方法によって測定される300℃重量減少率が5.0重量%以下である、シリコーンフォームである。
(方法)
示差熱・熱重量同時測定器(TG/DTA)を用い、乾燥空気気流下(流速:250mL/min)にて、昇温速度を10℃/minとして300℃まで昇温を行い、[1-(300℃時点のサンプル重量/昇温開始前のサンプル重量)]×100、として300℃重量減少率(重量%)を算出する。
【0009】
本発明の別の態様は、
フォーム状のシリコーン樹脂と、
下記方法によって測定される300℃重量減少率が20重量%以下である難燃剤と
を含む、シリコーンフォームである。
(方法)
示差熱・熱重量同時測定器(TG/DTA)を用い、乾燥空気気流下(流速:250mL/min)にて、昇温速度を10℃/minとして300℃まで昇温を行い、[1-(300℃時点のサンプル重量/昇温開始前のサンプル重量)]×100として、300℃重量減少率(重量%)を算出する。
【0010】
本発明の更に別の態様は、
フォーム状のシリコーン樹脂と、ハロゲン系難燃剤とを含む、シリコーンフォームである。
【0011】
シリコーンフォームは、シート状であってもよい。
シリコーンフォームは、断熱材であってもよい。
シリコーンフォームは、車載用であってもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、優れた性能を有するシリコーンフォームを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本明細書中、数値範囲の説明における「a~b」との表記は、特に断らない限り、a以上b以下であることを表す。
【0014】
本明細書中、複数の上限値と複数の下限値とが別々に記載されている場合、これらの上限値と下限値とを自由に組み合わせて設定可能な全ての数値範囲が本明細書に記載されているものとする。
【0015】
本明細書中、ある化合物が記載されている場合、その異性体も同時に記載されているものとする。
【0016】
以下、本発明の実施形態について、詳細に説明する。
【0017】
<<<シリコーンフォーム>>>
本形態に係るシリコーンフォームは、フォーム状のシリコーン樹脂を含む。
換言すると、本形態に係るシリコーンフォームは、フォームの骨格部分を構成する成分として、シリコーン樹脂を含む。
また、本形態に係るシリコーンフォームは、難燃剤を含むことが好ましい。
本形態に係るシリコーンフォームは、その他の成分を含んでいてもよい。
以下、各成分について説明する。
【0018】
<<シリコーン樹脂>>
シリコーンフォームを形成するシリコーン樹脂は、オルガノポリシロキサンを主鎖として有する樹脂であり、特に限定されない。
【0019】
ここで、フォーム状のシリコーン樹脂としては、特に限定されず、種々の方法によって製造されたものとすることができる。フォーム状のシリコーン樹脂としては、例えば、固体状原料タイプのシリコーン樹脂(ミラブルシリコーン樹脂等)や、液体状原料タイプのシリコーン樹脂(2液型シリコーン樹脂等)が挙げられる。
【0020】
ミラブルシリコーン樹脂は、オルガノポリシロキサンを主原料とし、各種添加剤(充填剤、分散剤、加硫剤等)を配合して混練し、熱硬化させて得られるシリコーン樹脂である。添加剤として発泡剤(化学発泡剤)を使用することで、フォーム状のシリコーン樹脂とすることができる。
【0021】
2液型シリコーン樹脂は、例えば、所定の反応性基(水酸基、ビニル基等)を有するオルガノポリシロキサンと、SiH基を有するポリシロキサンと、の反応生成物であり、より具体的には、「ヒドロキシ基末端ポリジメチルシロキサン等のシラノール基含有オルガノポリシロキサン又は水酸基含有化合物(発泡助剤)と、両末端及び側鎖にSiH基を有するメチルハイドロジェンポリシロキサン等のオルガノハイドロジェンポリシロキサンと、の反応生成物」や、「両末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖されたジメチルポリシロキサン等のビニル基含有オルガノポリシロキサンと両末端及び側鎖にSiH基を有するメチルハイドロジェンポリシロキサン等のオルガノハイドロジェンポリシロキサンとの反応生成物」等が挙げられる。
【0022】
フォーム状のシリコーン樹脂は、1液型シリコーン樹脂により形成されていてもよい。1液型シリコーン樹脂は、末端にシラノール基を有するオルガノポリシロキサンを含む主成分に、架橋成分としての架橋性シリル基含有低分子化合物を含む組成物から得られるシリコーン樹脂である。
【0023】
シリコーン樹脂は、2液型シリコーン樹脂であることが好ましい。
【0024】
シリコーン樹脂は、変性されていてもよい。
【0025】
<<難燃剤>>
難燃剤は、所定の性質を満たす難燃剤(難燃剤1)を含むことが好ましい。
【0026】
また別の観点では、難燃剤は、所定の材質を満たす難燃剤(難燃剤2)を含むことが好ましい。
【0027】
難燃剤1と難燃剤2とは、同じ難燃剤であってもよいし、異なる難燃剤であってもよい。
【0028】
難燃剤は、難燃剤1以外の難燃剤(300℃重量減少率が20重量%超である難燃剤)を含んでいてもよい。
【0029】
難燃剤は、難燃剤2以外の難燃剤(ハロゲン系難燃剤以外の難燃剤)を含んでいてもよい。
【0030】
<難燃剤1>
難燃剤1は、下記方法によって測定される300℃重量減少率が20重量%以下(好ましくは10重量%以下、より好ましくは5重量%以下、更に好ましくは1重量%未満)である難燃剤である。
【0031】
(方法)
示差熱・熱重量同時測定器(TG/DTA)を用い、乾燥空気気流下(流速:250mL/min)にて、昇温速度を10℃/minとして300℃まで昇温を行い、[1-(300℃時点のサンプル重量/昇温開始前のサンプル重量)]×100として、300℃重量減少率(重量%)を算出する。
【0032】
シリコーンフォームが難燃剤1を含むことにより、優れたクッション性を維持しつつも幅広い温度域において難燃作用等が奏される。
【0033】
このような性質を満たす難燃剤としては、有機系でも無機系でもよく、例えば、ハロゲン系難燃剤、赤リン、リン酸エステル、リン酸塩系難燃剤、ホウ素系難燃剤、アンチモン系難燃剤、炭酸塩、金属酸化物等から選択可能であり、ハロゲン系難燃剤、リン酸エステル、リン酸塩系難燃剤、炭酸塩、金属酸化物から選択されることが好ましく、ハロゲン系難燃剤(特に、臭素系難燃剤)から選択されることがより好ましい。
【0034】
難燃剤1は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0035】
シリコーンフォーム中のシリコーン樹脂の含有量を100質量部とした際に、難燃剤1の含有量は、0.1質量部以上、0.2質量部以上、0.5質量部以上、1質量部以上、2質量部以上、又は、3質量部以上であることが好ましく、50質量部以下、40質量部以下、30質量部以下、20質量部以下、15質量部以下、10質量部以下であることが好ましい。
【0036】
別の観点では、シリコーンフォーム中の難燃剤全体の含有量を100質量部とした際に、難燃剤1の含有量は、例えば、10質量部以上、20質量部以上、30質量部以上、40質量部以上、50質量部以上、60質量部以上、70質量部以上、80質量部以上、90質量部以上、95質量部以上、又は、99質量部以上であることが好ましい。
換言すると、シリコーンフォーム中の難燃剤全体の含有量を100質量部とした際に、難燃剤1以外の難燃剤(300℃重量減少率が20重量%超である難燃剤)の含有量は、90質量部以下、80質量部以下、70質量部以下、60質量部以下、50質量部以下、40質量部以下、30質量部以下、20質量部以下、10質量部以下、5質量部以下、1質量部以下、又は、0.1質量部以下であることが好ましい。
【0037】
<難燃剤2>
難燃剤2は、ハロゲン系難燃剤である。
【0038】
シリコーンフォームが難燃剤2を含むことにより、優れたクッション性を維持しつつも幅広い温度域において難燃作用等が奏される。
【0039】
ハロゲン系難燃剤としては、臭素系難燃剤、塩素系難燃剤等が挙げられる。
【0040】
臭素系難燃剤としては、テトラブロモビスフェノールA(TBBA)及びその誘導体[TBBAエポキシオリゴマー、TBBAカーボネートオリゴマー、TBBA-ビス(ジブロモプロピルエーテル)、TBBA-ビス(アリールエーテル)等]、ペンタブロモジフェニルエーテル、オクタブロモジフェニルエーテル、デカブロモジフェニルエーテル、ビストリブロモフェノキシエタン、エチレンビステトラブロモフタルイミド、エチレンビスペンタブロモフェニル、ジブロモフェノール、トリブロモフェノール、ヘキサブロモベンゼン、ヘキサブロモシクロドデカン、臭素化ポリスチレン、ポリ臭素化スチレン、トリス(ジブロモプロピル)イソシアヌレート、トリス(トリブロモフェニル)シアヌレート等を挙げることができる。
【0041】
臭素系難燃剤は、臭素原子で置換された芳香環を有する化合物であることが好ましく、2箇所以上が臭素原子で置換された芳香環を2つ以上有する化合物であることがより好ましい。
【0042】
塩素系難燃剤としては、例えば、塩素化パラフィン、パークロロペンタシクロデカン、クロレンド酸等が挙げられる。
【0043】
ハロゲン系難燃剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0044】
シリコーンフォームが難燃剤2を含むことで、優れたクッション性を維持しつつも幅広い温度域において難燃作用等が奏される。特に、シリコーンフォームがハロゲン系難燃剤を含む場合、300℃付近でシリコーン樹脂から発生し得るメチルラジカル(或いはフェニルラジカル)等がハロゲンラジカルと反応することで不活性化する効果や、発生するガス(臭化水素、塩化水素等)による希釈効果等によって、優れた難燃作用が奏されるものと推測される。
【0045】
シリコーンフォーム中のシリコーン樹脂の含有量を100質量部とした際に、難燃剤2の含有量は、0.1質量部以上、0.2質量部以上、0.5質量部以上、1質量部以上、2質量部以上、又は、3質量部以上であることが好ましく、50質量部以下、40質量部以下、30質量部以下、20質量部以下、15質量部以下、10質量部以下であることが好ましい。
【0046】
別の観点では、シリコーンフォーム中の難燃剤全体の含有量を100質量部とした際に、難燃剤2の含有量は、例えば、10質量部以上、20質量部以上、30質量部以上、40質量部以上、50質量部以上、60質量部以上、70質量部以上、80質量部以上、90質量部以上、95質量部以上、99質量部以上、又は、99.9質量部以上であることが好ましい。
換言すると、シリコーンフォーム中の難燃剤全体の含有量を100質量部とした際に、難燃剤2以外の難燃剤(ハロゲン系難燃剤以外の難燃剤)の含有量は、90質量部以下、80質量部以下、70質量部以下、60質量部以下、50質量部以下、40質量部以下、30質量部以下、20質量部以下、10質量部以下、5質量部以下、1質量部以下、又は、0.1質量部以下であることが好ましい。
【0047】
<ハロゲン系難燃剤以外の難燃剤>
ハロゲン系難燃剤以外の難燃剤としては、シリコーンフォーム用の難燃剤として知られる公知の難燃剤、例えば、赤リン、リン酸エステル、リン酸塩系難燃剤、ホウ素系難燃剤、アンチモン系難燃剤、炭酸塩、金属酸化物、金属水酸化物等が挙げられる。
【0048】
リン酸エステルとしては、例えば、トリフェニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、トリス(t-ブチル化フェニル)ホスフェート、トリス(i-プロピル化フェニル)ホスフェート、2-エチルヘキシルジフェニルホスフェート等の芳香族リン酸エステル;1,3-フェニレンビス(ジフェニルホスフェート)、1,3-フェニレンビス(ジキシレニル)ホスフェート、レゾルシノールビス(ジフェニル)ホスフェート、ビスフェノールAビス(ジフェニルホスフェート)等の芳香族縮合リン酸エステル;トリス(ジクロロプロピル)ホスフェート、トリス(β-クロロプロピル)ホスフェート、トリス(クロロエチル)ホスフェート等の含ハロゲンリン酸エステル類;2,2-ビス(クロロメチル)トリメチレンビス(ビス(2-クロロエチル)ホスフェート)、ポリオキシアルキレンビスジクロロアルキルホスフェート等の含ハロゲン縮合リン酸エステル類;等が挙げられる。
【0049】
リン酸塩系難燃剤は、モノリン酸塩であってもポリリン酸塩であってもよい。
モノリン酸塩としては、例えば、リン酸アンモニウム、リン酸二水素アンモニウム、リン酸水素二アンモニウム等のアンモニウム塩;リン酸一ナトリウム、リン酸二ナトリウム、リン酸三ナトリウム、亜リン酸一ナトリウム、亜リン酸二ナトリウム、次亜リン酸ナトリウム等のナトリウム塩;リン酸一カリウム、リン酸二カリウム、リン酸三カリウム、亜リン酸一カリウム、亜リン酸二カリウム、次亜リン酸カリウム等のカリウム塩;リン酸一リチウム、リン酸二リチウム、リン酸三リチウム、亜リン酸一リチウム、亜リン酸二リチウム、次亜リン酸リチウム等のリチウム塩;リン酸二水素バリウム、リン酸水素バリウム、リン酸三バリウム、次亜リン酸バリウム等のバリウム塩、リン酸一水素マグネシウム、リン酸水素マグネシウム、リン酸三マグネシウム、次亜リン酸マグネシウム等のマグネシウム塩;リン酸二水素カルシウム、リン酸水素カルシウム、リン酸三カルシウム、次亜リン酸カルシウム等のカルシウム塩;リン酸亜鉛、亜リン酸亜鉛、次亜リン酸亜鉛等の亜鉛塩、第一リン酸アルミニウム、第二リン酸アルミニウム、第三リン酸アルミニウム、亜リン酸アルミニウム、次亜リン酸アルミニウム等のアルミニウム塩;等が挙げられる。
ポリリン酸塩としては、例えば、ポリリン酸アンモニウム、ポリリン酸ピペラジン、ポリリン酸メラミン、ポリリン酸アンモニウムアミド、ポリリン酸アルミニウム等が挙げられる。
【0050】
ホウ素系難燃剤としては、例えば、ホウ砂;三酸化二ホウ素、三酸化ホウ素、二酸化二ホウ素、三酸化四ホウ素、五酸化四ホウ素等の酸化ホウ素;ホウ酸、ホウ酸リチウム、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム、ホウ酸セシウム、ホウ酸マグネシウム、ホウ酸カルシウム、ホウ酸バリウム、ホウ酸ジルコニウム、ホウ酸亜鉛、ホウ酸アルミニウム、ホウ酸アンモニウム等のホウ酸化合物;等が挙げられる。
【0051】
アンチモン系難燃剤としては、例えば、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン等の酸化アンチモン;アンチモン酸ナトリウム、アンチモン酸カリウム等のアンチモン酸塩;ピロアンチモン酸ナトリウム、ピロアンチモン酸カリウム等のピロアンチモン酸塩;等が挙げられる。
【0052】
炭酸塩としては、例えば、炭酸カルシウム等が挙げられる。
【0053】
金属酸化物としては、例えば、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム等が挙げられる。
【0054】
金属水酸化物としては、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等が挙げられる。
【0055】
<<その他の成分>>
その他の成分としては、例えば、前述した以外の樹脂成分や、難燃剤以外の公知の添加剤(例えば、触媒、フィラー(シリカ、タルク、カオリン等)、難燃助剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、抗菌剤、界面活性剤)等が挙げられる。
【0056】
その他の成分は、シリコーンフォーム中のシリコーン樹脂の含有量を100質量部とした際に、100質量部以下、50質量部以下、20質量部以下、10質量部以下、5質量部以下、又は、1質量部以下等とすることができる。
【0057】
<<<シリコーンフォームの構造/物性/性質>>>
<<厚み>>
シリコーンフォームは、シート状であることが好ましい。
シリコーンフォームの厚みは、0.1~10mmが好ましく、0.5~5mmがより好ましく、1~5mmがさらに好ましく、3~5mmが特に好ましい。
シリコーンフォームの厚みは、ダイヤルシックネスゲージを用いて測定することができる。
【0058】
<<密度>>
シリコーンフォームの密度の下限は、200kg/m以上が好ましく、300kg/m以上がより好ましく、400kg/m以上がさらに好ましい。一方、シリコーンフォームの密度の上限は、900kg/m以下が好ましく、800kg/m以下がより好ましく、700kg/m以下がさらに好ましい。
シリコーンフォームの密度は、JIS K7222:2005『発泡プラスチック及びゴム-見掛け密度の求め方』に準拠して測定することができる。
【0059】
<<硬さ(25%CLD)>>
シリコーンフォームの硬さ(25%CLD(kPa))は、1000kPa以下、500kPa以下、300kPa以下、250kPa以下、200kPa以下、150kPa以下、又は、100kPa以下が好ましい。
シリコーンフォームの硬さ(25%CLD(kPa))は、JIS K6254に基づき、常温常湿環境下にて、φ50mmのサンプルを1mm/分の速度で25%圧縮したときの圧縮応力である。
シリコーンフォームの硬さ(25%CLD(kPa))は、シリコーン樹脂の材質やシリコーンフォームのセル径及び密度等を変更する他、使用する難燃剤の種類及び量を変更することで、調整することができる。
【0060】
<<重量減少率>>
シリコーンフォームの300℃重量減少率は、5.0重量%以下、4.9重量%以下、4.8重量%以下、4.6重量%以下、又は、4.5重量%以下であることが好ましい。
シリコーンフォームの350℃重量減少率は、10.0重量%以下、9.0重量%以下、8.5重量%以下、8.0重量%以下、7.0重量%以下、又は、6.0重量%以下であることが好ましい。
シリコーンフォームの500℃重量減少率は、40.0重量%以下、38.0重量%以下、35.0重量%以下、33.0重量%以下、又は、30.0重量%以下であることが好ましい。
シリコーンフォームの600℃重量減少率は、50.0重量%以下、45.0重量%以下、40.0重量%以下、33.0重量%以下、又は、30.0重量%以下であることが好ましい。
[シリコーンフォームの300℃重量減少率]/[シリコーンフォームの500℃重量減少率]は、1.27以上、1.29以上、又は、1.31以上であることが好ましい。上限値は、例えば、1.70以下、1.60以下、又は、1.55以下である。
[シリコーンフォームの300℃重量減少率]/[シリコーンフォームの600℃重量減少率]は、1.35以上、1.37以上、又は、1.39以上であることが好ましい。上限値は、例えば、1.75以下、1.65以下、又は、1.60以下である。
[シリコーンフォームの350℃重量減少率]/[シリコーンフォームの500℃重量減少率]は、1.23以上、1.25以上、又は、1.27以上であることが好ましい。上限値は、例えば、1.70以下、1.60以下、又は、1.50以下である。
[シリコーンフォームの350℃重量減少率]/[シリコーンフォームの600℃重量減少率]は、1.30以上、1.32、又は、1.34以上であることが好ましい。上限値は、例えば、1.70以下、1.65以下、又は、1.60以下である。
【0061】
シリコーンフォームの重量減少率は、以下の方法によって測定することができる。
(方法)
示差熱・熱重量同時測定器(TG/DTA)を用い、乾燥空気気流下(流速:250mL/min)にて、昇温速度を10℃/minとして所定温度(300℃、350℃、500℃又は600℃)まで昇温を行い、[1-(300℃時点のサンプル重量/昇温開始前のサンプル重量)]×100、として、各所定温度での重量減少率(重量%)を算出する。測定開始温度は室温とする。
【0062】
シリコーンフォームの重量減少率が上記範囲を満たすことで、優れたクッション性や優れた難燃性等を備えたシリコーンフォームとすることが容易となる。
シリコーンフォームの重量減少率は、シリコーン樹脂の材質やシリコーンフォームのセル径及び密度等を変更する他、使用する難燃剤の種類及び量を変更することで、調整することができる。
【0063】
<<800℃非発火性>>
シリコーンフォームは、熱板試験で800℃加熱しても発火しない性質(800℃非発火性)を有することが好ましい。
シリコーンフォームがこのような性質を有することで、優れたクッション性や優れた難燃性等を備えたシリコーンフォームとすることが容易となる。そのため、自動車バッテリー用とする場合のように、薄いシート状とする必要があり、且つ高温環境での使用が想定されるような用途においても、十分な難燃性を発揮することができる。
800℃の熱板試験は、下記の試験方法に準じる。
(試験方法)
100mm×100mmの試験サンプルを準備する。
ホットプレート(株式会社MSAファクトリー社製、品番:PA8020/-CC、プレートサイズ:200mm×200mm)の表面温度が20~30℃の範囲内にあることを確認する。
ホットプレートの中央部に試験サンプルをセットする。
ホットプレートの上にSUS板(100mm×100mm)及び重りをのせる(SUS板と重りとの合計の重さを2.5kgとする)。
最高温度:800℃、昇温速度:40℃/minの条件にて、ホットプレートを加熱する。
ホットプレートが最高温度(800℃)に到達するまでの試験サンプルの発火の有無を観察する。
試験サンプルが発火しなかった場合、発火点無し(熱板試験で800℃加熱しても発火しない性質を有する)とする。
試験サンプルが発火した場合、ホットプレートに内蔵されている温度コントローラーの表示温度又はホットプレート表面とサンプルの間にセットされた熱電対の表示を読み取り、発火温度とする。
【0064】
シリコーンフォームの800℃非発火性は、シリコーン樹脂の材質やシリコーンフォームのセル径及び密度等を変更する他、使用する難燃剤の種類及び量を変更することで、調整することができる。
【0065】
<<<シリコーンフォームの製造方法>>>
シリコーンフォームは、公知の方法によって製造することができる。以下、シリコーンフォームの具体的な製造方法の例について述べる。
【0066】
シリコーンフォームの製造方法としては、固体状の原料を用いた方法であっても、液状の原料を用いた方法であってもよい。
【0067】
固体状の原料を用いた方法は、化学発泡剤等を用いてミラブルシリコーン樹脂を発泡させる方法等が挙げられる。
【0068】
液状の原料を用いた方法は、液状の組成物を発泡及び硬化させる方法であり、例えば、(製造方法1)2液型シリコーン樹脂を用いた自己発泡によってフォームを形成させる方法、及び、(製造方法2)シリコーンエマルジョン組成物を発泡/硬化させる方法、等が挙げられる。
以下に、シリコーンフォームの好ましい製造例である、製造方法1、及び、製造方法2について述べる。
【0069】
<<製造方法1>>
シリコーンフォームを形成する方法としては、2液型の液状シリコーンを混合・撹拌することにより反応を開始させ、シリコーンフォームを得る方法が挙げられる。
具体的には、白金触媒等の触媒存在下で行われる以下の反応により発泡(発生した水素ガスによる)、硬化することで自己発泡反応型シリコーンフォームが得られる。
「ヒドロキシ基末端ポリジメチルシロキサン等のシラノール基含有オルガノポリシロキサン、又は水酸基含有化合物(発泡助剤)と両末端及び側鎖にSiH基を有するメチルハイドロジェンポリシロキサン等のオルガノハイドロジェンポリシロキサンとの反応」、及び「両末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖されたジメチルポリシロキサン等のビニル基含有オルガノポリシロキサンと両末端及び側鎖にSiH基を有するメチルハイドロジェンポリシロキサン等のオルガノハイドロジェンポリシロキサンとの反応」
なお、2液型の液体シリコーン原料を混合・撹拌する際に空気、窒素等の不活性ガスを添加してもよい。これによれば、不活性ガスが発泡核となることにより、より均一なセルを形成することができる。
【0070】
原料として難燃剤やその他の成分を含む場合、これらの成分は、2液型の液体シリコーン原料の一方の液(A液)及び/又は他方の液(B液)に予め混合されていてもよいし、2液型の液体シリコーン原料とは別に添加され混合されてもよい。
【0071】
白金触媒の具体例としては、クロロ白金酸、元素白金、クロロ白金酸六水和物、sym-ジビニルテトラメチルジシロキサンとのクロロ白金酸の錯体、ジクロロ-ビス(トリフェニルホスフィン)白金(II)、シス-ジクロロ-ビス(アセトニトリル)白金(II)、ジカルボニルジクロロ白金(II)、塩化白金、及び酸化白金、0価白金金属錯体、例えば、Karstedt触媒、[Cp*Ru(MeCN)]PF、[PtCl(シクロオクタジエン)]、担体に支持された固体白金(例えば、アルミナ、シリカ又はカーボンブラック)、白金-ビニルシロキサン錯体(例えば、Ptn(ViMeSiOSiMeVi)c及びPt[(MeViSiO)]d)、白金-ホスフィン錯体(例えば、Pt(PPh及びPt(PBU3))、及び白金-ホスファイト錯体(例えば、Pt[P(Oph)及びPt[P(Obu))、ここで「Me」はメチルを表し、「Bu」はブチルを表し、「Vi」はビニルを表し、そして「Ph」はフェニルを表し、c及びdは自然数を表す。
【0072】
水酸基含有化合物(発泡助剤)として、ベンジルアルコール、エタノール等のアルコール類、水を用いることができる。
この場合、ビニル基含有オルガノポリシロキサン(メインポリマー)、水酸基含有化合物(発泡助剤)及び触媒を含む原液をA液とし、ビニル基含有オルガノポリシロキサン(メインポリマー)及びオルガノハイドロジェンポリシロキサン(架橋剤)を含む原液をB液として用意し、A液とB液とを混合・撹拌することにより、泡化反応及び硬化反応を進行させてもよい。
上記メインポリマーの数平均分子量は、500~100,000が好ましく、1,000~70,000がより好ましく、1,500~50,000がさらに好ましい。なお、数平均分子量は、標準ポリスチレンを用いてゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した値をいう。
上述のようにA液及びB液からなる2液を用いる場合、A液とB液との混合比(質量比)は、得ようとするシリコーンフォームの密度等にもよるが、典型的には、100:1~100:50である。
【0073】
上述のA液は、補強材や機能性付与のフィラー等を含んでいてもよい。
【0074】
水素発生時の反応時間は、得ようとするシリコーンフォームの密度等よって適宜調節されるが、通常は1~10分、好ましくは2~6分である。混合温度は、得ようとするシリコーンフォームの密度等によって適宜調節されるが、通常は常温である。
【0075】
シリコーンフォームの密度等は、硬化発泡(成型)時の温度、発泡助剤の量、A液とB液との比率(Si-Hの添加量)を最適化することにより調節することができる。
【0076】
<<製造方法2>>
シリコーンフォームは、シリコーンエマルジョン組成物を発泡/硬化することによっても得ることができる。
【0077】
<原料>
シリコーンエマルジョン組成物に用いられるシリコーン系樹脂としては、シラン化合物を原料モノマーとして含む限り特に限定されず、ジメチルシリコーン、メチルフェニルシリコーン、各種変性シリコーン(例えば、アミノ変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーンエマルジョン、アルキル変性シリコーンエマルジョン、フッ素変性シリコーン等)を使用することができる。
シリコーンエマルジョン組成物は、例えば、水性媒体中に樹脂成分の原料モノマーを配合し、乳化剤、重合開始剤等の各種添加剤の存在下で、原料モノマーを乳化重合させることで、製造することができる。なお、シリコーンエマルジョン組成物は、シリコーン系樹脂以外の樹脂、例えば、アクリル樹脂・ポリウレタン樹脂・ポリエステル樹脂・ポリエポキシ樹脂等を含んだエマルジョンをブレンドして用いてもよい。
また、原料は、難燃剤及びその他の成分を含んでいてもよい。
【0078】
<調製工程>
調製工程では、前述した各原料を混合することで、シリコーンフォームの原料混合物であるシリコーンエマルジョン組成物を調製する。混合方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、各成分を混合する混合タンク等の容器内で撹拌しながら混合すればよい。
【0079】
<発泡・硬化工程>
発泡・硬化工程では、調製工程で得られたシリコーンエマルジョン組成物に、所定の発泡用気体を添加し、これらを充分に混合させてシリコーンエマルジョン組成物中に気泡が多数存在する状態(発泡エマルジョン組成物)にする。この発泡・硬化工程は、通常は、原料調製工程で得られた液状のシリコーンフォームの原料混合物と、発泡用気体とをミキシングヘッド等の混合装置により充分に混合することで実施される。
【0080】
<発泡用気体>
攪拌・発泡工程でエマルジョン組成物に混合される発泡用気体は、シリコーンフォーム中の気泡(セル)を形成するものであり、この発泡用気体の混入量によって、得られるシリコーンフォームの密度等が決まる。シリコーンフォームの密度を調整するためには、所望のシリコーンフォームの密度と、シリコーンフォームの原料の体積(例えば、シリコーンフォームの原料が注入される型の内容積)とから、必要なシリコーンフォームの原料の質量を算出し、この質量において所望の体積となるように発泡用気体の量を決定すればよい。また、発泡用気体の種類としては、主に空気が使用されるが、その他にも、窒素、二酸化炭素、ヘリウム、アルゴン等の不活性ガスを使用することもできる。
【0081】
<発泡方法/発泡条件>
シリコーンフォームの調製方法で使用される発泡方法としては、メカニカルフロス(機械発泡)法が挙げられる。メカニカルフロス法は、シリコーンエマルジョン組成物を攪拌羽根等で攪拌することにより、大気中の空気をエマルジョン組成物に混入させて発泡させる方法である。
【0082】
撹拌装置としては、メカニカルフロス法に一般に用いられる撹拌装置を特に制限なく使用可能であるが、例えば、ホモジナイザー、ディゾルバー、メカニカルフロス発泡機等を使用することができる。このメカニカルフロス法によれば、エマルジョン組成物と空気との混合割合を調節することによって、種々の用途に適した密度のシリコーンフォームを得ることができる。
【0083】
シリコーンエマルジョン組成物と空気との混合時間は、得たいシリコーンフォームの密度等によって適宜調節されるが、通常は1~10分、好ましくは2~6分である。混合温度は、得たいシリコーンフォームの密度等によって適宜調節されるが、通常は常温である。
【0084】
混合における攪拌速度は、気泡を細かくするために200rpm以上が好ましく(500rpm以上がより好ましく)、発泡機からの発泡物の吐出をスムーズにするために2000rpm以下が好ましい(800rpm以下がより好ましい)。
【0085】
以上のようにして、発泡したシリコーンエマルジョン組成物(発泡シリコーンエマルジョン組成物)、換言するとシリコーンフォームを得ることができる。
【0086】
<<<シリコーンフォームの用途>>>
本形態に係るシリコーンフォームは、優れた難燃性/断熱性/クッション性等を有することから、断熱材として好ましく使用できる。
また、本形態に係るシリコーンフォームは、薄いシート状としても十分な性能を有することから、車載用(エンジン、バッテリー、天井、フロア、ドアパネル等の車両部材の保護材/断熱材)として好ましく使用でき、EVバッテリーのセル間クッション用として特に好ましく使用できる。
【0087】
本形態に係るシリコーンフォームは、その他にも、建築用(壁、天井、屋根、床等)、建具用(窓、障子、扉戸、ふすま、欄間等)、石油及びガスの運搬用船舶用・貯蔵用タンク用、航空機用、輸送機用、冷凍・冷蔵室用、プラント施設用、電化製品用(エアコン、冷蔵庫等)、電子機器用、土留壁用、建造物用(トンネル、橋梁、浮桟橋等)、薬剤運搬用保冷バッグ用、冷熱抵抗緩和材用、地盤沈下防止工事及び道路建設時の地下充填補強材用、保温材、エネルギー吸収材、防水材、止水材、浮力材等、種々の用途に用いることができる。
【0088】
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
【実施例0089】
以下、本発明を実施例及び比較例により説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0090】
<<<原料>>>
<<シリコーン樹脂原料>>
シリコーン樹脂の原料として、表1に示すA液及びB液を用いた。
【0091】
【表1】
【0092】
<<難燃剤>>
以下に示す難燃剤を用いた。300℃重量減少率は、前述の方法を用いて測定された値である。
【0093】
<臭素系難燃剤>
・FG-7000
帝人化成社製
300℃重量減少率:1重量%未満
・FG-7500
帝人化成社製
300℃重量減少率: 1重量%未満
・FG-8500
帝人化成社製
300℃重量減少率:1重量%未満
・SAYTEX BT-93
ALBEMARLE社製
300℃重量減少率:1重量%未満
・SAYTEX 8010
ALBEMARLE社製
300℃重量減少率:1重量%未満
【0094】
<金属水酸化物(水酸化アルミニウム)>
・B-325
アルモリックス社製
300℃重量減少率:27重量%
【0095】
<炭酸塩(炭酸カルシウム)>
・軽微性炭酸カルシウム
近江化学工業株式会社製
300℃での重量減少率:1重量%未満
【0096】
<<<実施例1>>>
室温(25℃)環境下で、表2に示した割合にて、A液、B液、及び、難燃剤を混合し、回転速度100rpm、撹拌時間30秒の撹拌条件にて攪拌装置を用いて撹拌した。続いて、金型に撹拌後の混合液を注入し、当該金型の両側にPET基材をそれぞれ配置し、一対のPET基材で当該金型を挟んで、当該金型の厚みまで混合液を引き伸ばす。この状態で、加熱温度60℃、加熱時間3分の条件で反応させた後、片側のPET基材を剥がした状態で、加熱温度120℃、加熱時間3分の条件でさらに反応させ、実施例1のシリコーンフォームを得た。
【0097】
<<<実施例2-16、比較例1-6>>>
原料を表2又は表3に示す割合にした以外は実施例1と同様に、各実施例及び各比較例のシリコーンフォームを得た。
【0098】
<<<測定/評価>>>
各シリコーンフォームについて、成型性、厚み、密度、25%CLD、800℃非発火性(発火点の有無)、所定温度(300℃、350℃、500℃、600℃)における重量減少率を測定した。
成型性は以下の基準に従って評価し、それ以外の項目については前述の方法に従って測定或いは評価した。
評価結果を表2及び表3に示す。
【0099】
<<成型性>>
A:シート成型に問題がなかった
B:シート成型が困難であった
C:シート成型が不可能であった
【0100】
【表2】
【0101】
【表3】