(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023138147
(43)【公開日】2023-09-29
(54)【発明の名称】支持部材および収容箱
(51)【国際特許分類】
H05K 7/18 20060101AFI20230922BHJP
G06F 1/16 20060101ALI20230922BHJP
G06F 1/20 20060101ALI20230922BHJP
G11B 33/02 20060101ALI20230922BHJP
G11B 33/12 20060101ALI20230922BHJP
G11B 33/14 20060101ALI20230922BHJP
【FI】
H05K7/18 L
H05K7/18 K
G06F1/16 313
G06F1/20 C
G06F1/20 B
G11B33/02 301B
G11B33/12 304
G11B33/14 501A
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022044690
(22)【出願日】2022-03-18
(71)【出願人】
【識別番号】593063161
【氏名又は名称】株式会社NTTファシリティーズ
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】弁理士法人志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】二渡 直樹
(72)【発明者】
【氏名】宇田川 陽介
(57)【要約】 (修正有)
【課題】電気機器の冷却性能の向上を図ることができる支持部材および収容箱を提供する。
【解決手段】収容箱において、支持部材であるマウントアングル30は、電気機器2が収容される収容箱の一部として用いられる。支持部材は、固定部35と、複数の装着孔が一方向に並んで配置された支持部36と、を備える。筐体内で支持部材に電気機器が装着された状態において、支持部は、固定部から電気機器の本体部に向けて延びた第1部分41と、第1部分の端部から屈曲して筐体の開口に向けて延びた第2部分42と、第2部分の端部から屈曲して電気機器の本体部から離れる方向に延びた第3部分43と、を有する。支持部の第3部分には複数の装着孔が設けられ、電気機器の張出部52A、52Bが装着される。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気機器が収容される収容箱の一部として用いられる支持部材であって、
前記収容箱は、開口を有した筐体と、前記筐体内に設けられた、または前記筐体の一部として設けられた剛性部材とを含み、
前記電気機器は、本体部と、前記本体部の一端部から前記本体部の幅方向に張り出した張出部とを含み、前記本体部を奥側にして前記開口から前記筐体内に収容され、
前記支持部材は、
前記剛性部材に固定される固定部と、
複数の装着孔が一方向に並んで配置され、前記複数の装着孔のなかから任意に選択される1つ以上の装着孔に前記電気機器の張出部が装着可能な支持部と、
を備え、
前記筐体内で前記支持部材に前記電気機器が装着された状態において、
前記支持部は、前記固定部から前記電気機器の本体部に向けて延びた第1部分と、前記第1部分の端部から屈曲して前記開口に向けて延びた第2部分と、前記第2部分の端部から屈曲して前記電気機器の本体部から離れる方向に延び、前記複数の装着孔が設けられて前記電気機器の張出部が装着される第3部分とを有する、
支持部材。
【請求項2】
前記第1部分、前記第2部分、および前記第3部分は、それぞれ前記一方向に延びた板部である、
請求項1に記載の支持部材。
【請求項3】
前記支持部材に前記電気機器が装着された状態において、
前記第2部分は、前記電気機器の本体部の側面に沿う、
請求項1または請求項2に記載の支持部材。
【請求項4】
前記支持部材に前記電気機器が装着された状態において、
前記第3部分は、前記電気機器の張出部の後面に沿う、
請求項1から請求項3のうちいずれか1項に記載の支持部材。
【請求項5】
前記筐体内に前記支持部材が配置された状態において、
前記複数の装着孔は、鉛直方向に並んで配置される、
請求項1から請求項4のうちいずれか1項に記載の支持部材。
【請求項6】
前記筐体内に前記支持部材が配置された状態において、
前記第3部分は、前記開口側に面する、
請求項1から請求項5のうちいずれか1項に記載の支持部材。
【請求項7】
前記筐体内に前記支持部材が配置された状態において、
前記第1部分と前記第3部分との間の空間は、前記筐体内で前記第1部分よりも前記開口側に位置する領域のみを介して前記開口に連通する、
請求項1から請求項6のうちいずれか1項に記載の支持部材。
【請求項8】
前記筐体と、
前記剛性部材と、
請求項1から請求項7のうちいずれか1項に記載の支持部材と、
を備えた収容箱。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、支持部材および収容箱に関する。
【背景技術】
【0002】
通信施設やデータセンターなどの施設では、サーバのような電気機器がラックに収容されて使用される。例えば、特許文献1には、ラック内のサーバの未搭載部を塞いでサーバの吸込温度の上昇を抑制するブランクパネルを有したラックが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、ブランクパネルの形状や種類によっては、ラックのような収容箱の内部において電気機器により暖められた空気が当該電気機器の吸気孔近くに戻ることがあり、電気機器の冷却性能を高めることが難しい場合があった。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、電気機器の冷却性能の向上を図ることができる支持部材および収容箱を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明の一態様の支持部材は、電気機器が収容される収容箱の一部として用いられる。前記収容箱は、開口を有した筐体と、前記筐体内に設けられた、または前記筐体の一部として設けられた剛性部材とを含む。前記電気機器は、本体部と、前記本体部の一端部から前記本体部の幅方向に張り出した張出部とを含み、前記本体部を奥側にして前記開口から前記筐体内に収容される。前記支持部材は、前記剛性部材に固定される固定部と、複数の装着孔が一方向に並んで配置され、前記複数の装着孔のなかから任意に選択される1つ以上の装着孔に前記電気機器の張出部が装着可能な支持部とを備える。前記筐体内で前記支持部材に前記電気機器が装着された状態において、前記支持部は、前記固定部から前記電気機器の本体部に向けて延びた第1部分と、前記第1部分の端部から屈曲して前記開口に向けて延びた第2部分と、前記第2部分の端部から屈曲して前記電気機器の本体部から離れる方向に延び、前記複数の装着孔が設けられ、前記電気機器の張出部が装着される第3部分とを有する。
【0007】
(2)上記の支持部材において、前記第1部分、前記第2部分、および前記第3部分は、それぞれ前記一方向に延びた板部である。
【0008】
(3)上記の支持部材において、前記支持部材に前記電気機器が装着された状態において、前記第2部分は、前記電気機器の本体部の側面に沿う。
【0009】
(4)上記の支持部材において、前記支持部材に前記電気機器が装着された状態において、前記第3部分は、前記電気機器の張出部の後面に沿う。
【0010】
(5)上記の支持構造において、前記筐体内に前記支持部材が配置された状態において、前記複数の装着孔は、鉛直方向に並んで配置される。
【0011】
(6)上記の支持構造において、前記筐体内に前記支持部材が配置された状態において、前記第3部分は、前記開口側に面する。
【0012】
(7)上記の支持構造において、前記筐体内に前記支持部材が配置された状態において、前記第1部分と前記第3部分との間の空間は、前記筐体内で前記第1部分よりも前記開口側に位置する領域のみを介して前記開口に連通する。
【0013】
(8)本発明の一態様の収容箱は、前記筐体と、前記メインフレームと、上述した支持部材のいずれか1つと、を備える。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、電気機器の冷却性能の向上を図ることができる支持部材および収容箱を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】実施形態のラックおよび電気機器を示す斜視図である。
【
図3】
図2中に示されたラックのF3-F3線に沿う断面図である。
【
図4】実施形態のマウントアングルの周囲を拡大して示す断面図である。
【
図5】実施形態のブランクパネルが取り付けられた状態のラックおよび電気機器を示す断面図である。
【
図6】実施形態のブランクパネルの一例を示す斜視図である。
【
図7】実施形態のマウントアングルの作用を説明するための断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、実施形態の支持部材および収容箱について説明する。なお以下の説明では、同一または類似の機能を有する構成に同一の符号を付す。そして、それら構成の重複する説明は省略する場合がある。本出願で「平行」または「直交」とは、それぞれ「略平行」または「略直交」である場合を含み得る。本出願では、後述するラックの正面に立つ利用者からラックを見た方向を基準に、左右上下を定義する。また、ラックから見てラックの正面に立つ利用者に近い側を「前」、遠い側を「後ろ」と定義する。以下では、「前」を「手前」、「後ろ」を「奥側」と称する場合がある。また以下では、前後方向を「奥行方向」、上下方向を「鉛直方向」と称する場合がある。
【0017】
(実施形態)
<1.ラックの全体構成>
図1は、ラック1および電気機器2を示す斜視図である。ラック1は、電気機器2が収容される構造体である。ラック1は、例えば、通信施設やデータセンターなどの施設に設置される。ラック1は、「収容箱」の一例である。
【0018】
ラック1は、例えば、複数の電気機器2を収容する。複数の電気機器2は、例えば、ラック1内で鉛直方向に並べて配置される。電気機器2は、例えば、ICT(Information and Communication Technology)機器のような情報処理装置である。ICT機器は、例えば、サーバ装置やネットワーク装置、スイッチ装置であるが、これらに限定されない。また、ラック1に収容される電気機器2は、情報通信装置に限定されず、電源装置やその他の電気機器でもよい。
【0019】
図1に示すように、ラック1は、例えば、筐体10、メインフレーム構造体20(
図2参照)、左右のマウントアングル30A,30B、および複数のブランクパネル91(
図5参照)を含む。
【0020】
<1.1 筐体>
筐体10は、ラック1の外郭を形成する箱部材である。筐体10は、例えば、筐体本体10aと、前面扉10bとを有する。筐体本体10aは、例えば、底板11、天井板12、左側板13、右側板14、および後板15を有する。
【0021】
底板11は、水平に沿う板部であり、筐体10の底部を形成している。天井板12は、底板11の上方に配置されている。天井板12は、水平に沿う板部であり、筐体10の天井を形成している。
【0022】
左側板13は、底板11の左端部と天井板12の左端部との間を鉛直方向に延び、底板11の左端部と天井板12の左端部とを繋いでいる。左側板13は、奥行方向および鉛直方向に沿う板部である。右側板14は、底板11の右端部と天井板12の右端部との間を鉛直方向に延び、底板11の右端部と天井板12の右端部とを繋いでいる。右側板14は、奥行方向および鉛直方向に沿う板部である。
【0023】
後板15は、底板11の後端部と天井板12の後端部との間を鉛直方向に延び、底板11の後端部と天井板12の後端部とを繋いでいる。後板15は、左右方向および鉛直方向に沿う板部である。後板15は、複数の排気孔10hb(
図3参照)を有する。排気孔10hbは、後板15を貫通した貫通孔である。なお、排気孔10hbは、後板15に代えて/加えて、天井板12に設けられてもよい。
【0024】
本実施形態では、筐体本体10aは、前面側に開口Oが設けられた箱状に形成されている。開口Oは、後述する電気機器2の外形よりも大きく、電気機器2が挿入可能である。電気機器2は、開口Oを通して筐体10の内部に収容される。
【0025】
前面扉10bは、筐体本体10aに回動可能に連結された前板16により形成される。前板16は、開口Oを開閉可能に閉じる。前板16は、複数の吸気孔10haを有する。複数の吸気孔10haは、例えば、前板16の大部分の高さに設けられている。
【0026】
なお、筐体10は、回動式の前面扉10bに代えて、筐体本体10aに着脱可能な前板16を有してもよい。また、筐体10は、前面扉10b(前板16)を有さなくてもよい。この場合、筐体本体10aのみによって筐体10が形成されてもよい。
【0027】
<1.2 メインフレーム構造体>
図2は、ラック1を示す断面図である。なお
図2では説明の便宜上、電気機器2を取り付けるためのねじ82の図示を省略している。
【0028】
メインフレーム構造体20は、ラック1の強度を高める剛性部材で構成される構造体である。メインフレーム構造体20は、例えば、筐体10内に設けられている。メインフレーム構造体20は、例えば、左メインフレーム21A、右メインフレーム21B、および上部メインフレーム22を有する。
【0029】
左メインフレーム21Aおよび右メインフレーム21Bは、筐体10内に設けられた一対の支柱部材である。左メインフレーム21Aおよび右メインフレーム21Bは、開口Oよりも奥側に配置され、左右方向に互いに離間している。左メインフレーム21Aおよび右メインフレーム21Bの各々は、「剛性部材」の一例である。左メインフレーム21Aおよび右メインフレーム21Bの各々は、例えば、左側板13または右側板14よりも高い剛性を有する。
【0030】
本実施形態では、左メインフレーム21Aは、左側板13から離れて筐体10内の左前部に配置され、鉛直方向に延びている(
図3参照)。左メインフレーム21Aは、例えば、筐体10の全高に亘るように鉛直方向に延びている。一方で、右メインフレーム21Bは、右側板14から離れて筐体10内の右前部に配置され、鉛直方向に延びている(
図3参照)。右メインフレーム21Bは、例えば、筐体10の全高に亘るように鉛直方向に延びている。
【0031】
なお上記例に代えて、左メインフレーム21Aおよび右メインフレーム21Bは、筐体10と一体に設けられてもよい。例えば、左メインフレーム21Aは、左側板13と一体に設けられてもよい。また、右メインフレーム21Bは、右側板14と一体に設けられてもよい。
【0032】
上部メインフレーム22は、筐体10内に設けられた梁部材である。上部メインフレーム22は、左メインフレーム21Aの上端部と右メインフレーム21Bの上端部とに亘るように水平方向に延びており、左メインフレーム21Aの上端部と右メインフレーム21Bの上端部とを繋いでいる。なお上記例に代えて、上部メインフレーム22は、筐体10と一体に設けられてもよい。例えば、上部メインフレーム22は、天井板12と一体に設けられてもよい。
【0033】
また、メインフレーム構造体20は、上述した左メインフレーム21A、右メインフレーム21B、および上部メインフレーム22に加えて、筐体10内の後部にも、左メインフレーム21A、右メインフレーム21B、および上部メインフレーム22と同様または異なる補強構造を有してもよい。
【0034】
<1.3 マウントアングル>
次に、左右のマウントアングル30A,30Bについて説明する。左右のマウントアングル30A,30Bは、筐体10内に設けられた一対の部材である。左右のマウントアングル30A,30Bは、開口Oよりも奥側に配置され、左右方向に互いに離間している。以下では、左マウントアングル30Aおよび右マウントアングル30Bを区別しない場合、単に「マウントアングル30」と称する。マウントアングル30は、電気機器2が任意の高さ位置に装着可能な部材である。マウントアングル30は、「支持部材」の一例である。
【0035】
左マウントアングル30Aは、左メインフレーム21Aに固定される。左マウントアングル30Aは、筐体10内の左前部に配置され、鉛直方向に延びている(
図3参照)。左マウントアングル30Aは、例えば、筐体10の全高に亘るように鉛直方向に延びている。一方で、右マウントアングル30Bは、右メインフレーム21Bに固定される。右マウントアングル30Bは、筐体10内の右前部に配置され、鉛直方向に延びている(
図3参照)。右マウントアングル30Aは、例えば、筐体10の全高に亘るように鉛直方向に延びている。
【0036】
マウントアングル30は、例えば、複数の装着孔30hと、複数の装着孔30hsとを有する。複数の装着孔30hsについては後述する。
【0037】
複数の装着孔30hは、電気機器2を固定するための装着孔である。複数の装着孔30hは、マウントアングル30において、一方向(例えば鉛直方向)に並んで配置されている。例えば、複数の装着孔30hは、マウントアングル30において、一方向に等間隔で並んで配置されている。各装着孔30hは、マウントアングル30に設けられた貫通孔である。各装着孔30hは、丸穴でもよく、四角穴でもよく、その他の形状でもよい。各装着孔30hの形状や配置間隔は、例えば、JIS(Japanese Industrial Standards)規格またはEIA(Electronic Industries Alliance)規格などに準拠する。
【0038】
左マウントアングル30Aと右マウントアングル30Bとの間には、電気機器2が収容される空間が形成される。電気機器2は、複数の装着孔30hのなかから任意に選択される1つ以上(例えば2つ)の装着孔30hに装着される。本出願で「装着孔に装着される」とは、装着孔自体に装着される場合に限定されず、装着孔に取り付けられる取付部材(ケージナットなど)に装着される場合も含み得る。複数の電気機器2は、装着孔30hを利用して固定されることで、上下方向で隣り合う2つの電気機器2の間に実質的な隙間を空けずに重ねて配置される。
【0039】
図3は、
図2中に示されたラック1のF3-F3線に沿う断面図である。
ここで、説明の便宜上、電気機器2の構成について説明する。電気機器2は、例えば、本体部51と、一対の張出部52A,52Bとを有する。電気機器2は、本体部51を奥側にし、張出部52A,52Bを手前側にして、開口Oから筐体10内に収容される。
【0040】
本体部51は、扁平な直方体状に形成されている。本体部51は、例えば、本体部51の外郭を形成する本体ケース61と、本体ケース61に収容された各種部品62と、本体ケースに収容された冷却ファン63を含む。本体部51の前端部51e1は、筐体10の開口Oに面するように配置される。本体部51の前端部51e1は、複数の吸気孔2haを有する。一方で、本体部51の後端部51e2は、筐体10の後板15に面するように配置される。本体部51の後端部51e2は、複数の排気孔2hbを有する。
【0041】
冷却ファン63が駆動されると、ラック1の外部の空気が筐体10の前板16の吸気孔10haを通じて電気機器2の前方に移動し、本体部51の前端部51e1の吸気孔2haから電気機器2の内部に流入する。電気機器2の内部に流入した空気は、電気機器2の内部を通過する過程で電気機器2に含まれる部品62が発する熱の一部を吸収し、本体部51の後端部51e2の排気孔2hbから筐体10の内部に排気される。筐体10の内部に排気された空気は、筐体10の排気孔10hbを通じて筐体10の外部に排気される。これにより、電気機器2の放熱が促進される。なお、電気機器2は、冷却ファン63を含む機器に限らず、本体部51の表面からの放熱により、電気機器2の熱を筐体10の内部に逃がすものでもよい。
【0042】
一対の張出部52A,52Bは、電気機器2をマウントアングル30に取り付けるための取付部である。一対の張出部52A,52Bは、本体部51の前端部51e1に設けられている。
【0043】
一方の張出部52Aは、本体部51の前端部51e1の左端部から、本体部51の幅方向の一方側である左方に張り出している。張出部52Aは、左右方向および鉛直方向に沿う板状に形成されている。張出部52Aは、左マウントアングル30Aに装着されるためのねじ挿通孔52hを有する(
図4参照)。ねじ挿通孔52hは、張出部52Aを前後方向に貫通した貫通孔であり、左マウントアングル30Aの装着孔30hに向かい合う。
【0044】
他方の張出部52Bは、本体部51の前端部51e1の右端部から、本体部51の幅方向の他方側である右方に張り出している。張出部52Bは、左右方向および鉛直方向に沿う板状に形成されている。張出部52Bは、右マウントアングル30Bに装着されるためのねじ挿通孔52hを有する。ねじ挿通孔52hは、張出部52Bを前後方向に貫通した貫通孔であり、右マウントアングル30Bの装着孔30hに向かい合う。
【0045】
別の観点で見ると、本実施形態では、電気機器2は、前面側が開放されたケース71と、ケース71の前面側に取り付けられた前面パネル72とを有する。前面パネル72の幅方向の寸法W2は、ケース71の幅方向の寸法W1よりも大きい。このため、前面パネル72の一部は、ケース71の左側面よりも左方に突出しており、上述した張出部52Aを形成している。また、前面パネル72の別の一部は、ケース71の右側面よりも右方に突出しており、上述した張出部72Bを形成している。
【0046】
なお、電気機器2は、前面パネル72を有する機器に限定されない。例えば、電気機器2は、ケース71と、ケース71の一部が折り曲げられることで形成された張出部52A,52Bを有し、ケース71の内部が前方に露出されていてもよい。
【0047】
次に、マウントアングル30A,30Bについて詳しく説明する。
図4は、マウントアングル30A,30Bの周囲を拡大して示す断面図である。
まず、左マウントアングル30Aについて説明する。左マウントアングル30Aは、例えば、固定部35と、支持部36とを有する。
【0048】
固定部35は、左マウントアングル30Aを左メインフレーム21Aに固定する部分である。固定部35は、奥行方向および鉛直方向に沿う板状である。固定部35は、マウントアングル30の全高に亘るように鉛直方向に延びている。固定部35は、固定部35を左右方向に貫通したねじ挿通孔35hを有する。左メインフレーム21Aは、固定部35のねじ挿通孔35hに連通するねじ穴21hを有する。固定部35のねじ挿通孔35hに通されたねじ81が左メインフレーム21Aのねじ穴21hに係合することで、固定部35は、左メインフレーム21Aの右側面に固定される。
【0049】
支持部36は、例えば、第1部分41、第2部分42、および第3部分43を有する。
第1部分41は、固定部35の前端部から屈曲して右方に延びている。すなわち、第1部分41は、固定部35の前端部から電気機器2の本体部51に向けて延びている。第1部分41は、左右方向および鉛直方向に沿う板状である。第1部分41は、マウントアングル30の全高に亘るように鉛直方向に延びている。第1部分41には、装着孔30hおよび装着孔30hsは設けられていない。すなわち、第1部分41には、開口部は設けられていない。
【0050】
第2部分42は、第1部分41の右端部から屈曲(例えば90°屈曲)して前方に延びている。すなわち、第2部分42は、第1部分41の右端部から筐体10の開口Oに向けて延びている。第2部分42は、奥行方向および鉛直方向に沿う板状である。第2部分42は、マウントアングル30の全高に亘るように鉛直方向に延びている。第2部分42は、電気機器2の本体部51の左側面に沿う。本実施形態では、第2部分42と電気機器2の本体部51との間の隙間は小さく、例えば実質的にゼロである。例えば、第2部分42と電気機器2の本体部51との間の隙間は、第2部分42の板厚tよりも小さい。第2部分42には、装着孔30hおよび装着孔30hsは設けられていない。すなわち、第2部分42には、開口部は設けられていない。
【0051】
第3部分43は、第2部分42の前端部から屈曲(例えば90°屈曲)して左方に延びている。すなわち、第3部分43は、第2部分42の前端部から電気機器2の本体部51から離れる方向に延びている。第3部分43は、左右方向および鉛直方向に沿う板状である。第3部分43は、例えば、第1部分41と平行である。第3部分43は、マウントアングル30の全高に亘るように鉛直方向に延びている。第3部分43は、筐体10の開口側に面する。マウントアングル30に電気機器2が装着された状態において、第3部分43は、電気機器2の張出部52Aの後面(背面)に沿う。第3部分43には、複数の装着孔30hおよび複数の装着孔30hsが設けられている(
図2参照)。
【0052】
第3部分43には、電気機器2の張出部52Aが装着される。例えば、第3部分43の装着孔30hには、第3部分43の後面側から取付部材85が装着される。取付部材85は、例えば、ケージナットである。取付部材85は、装着孔30hに挿入されて装着孔30hに係合する係合部85aと、第3部分43の前方に向けて開口したねじ穴85hとを含む。電気機器2は、張出部52Aのねじ挿通孔52hが取付部材85のねじ穴85hに合わせるように配置され、第3部分43の前方からねじ82が張出部52Aのねじ挿通孔52hに挿通され、ねじ82が取付部材85のねじ穴85hに係合することで、支持部36の第3部分43に装着される。これにより、電気機器2の張出部52Aは、複数の装着孔30hから任意に選択される1つ以上(例えば2つ)の装着孔30hに装着される。
【0053】
なお、装着孔30hは、上記例に代えて、ねじ82が直接に係合するねじ穴でもよく、ねじ82が通されるねじ挿通孔であってもよい。本出願でいう「装着孔」とは、電気機器2の固定に用いられる穴であればよい。
【0054】
図4に示すように、第1部分41と第3部分43との間の空間S(第3部分43の背後に位置する空間S)は、筐体10内で第1部分41よりも開口O側に位置する領域(後述する第1領域S1)のみを介して開口Oに連通する。第3部分43の背後に位置する空間Sは、後述する第2領域S2には繋がっていない。言い換えると、装着孔30hの前後の空間は、マウントアングル30Aの前面側の空間と一体である。
【0055】
次に、右マウントアングル30Bについて説明する。なお、右マウントアングル30Bは、左マウントアングル30Aを左右対称にした形状を持つ。このため、右マウントアングル30Bに関する説明は、左マウントアングル30Aに関する上記説明において、左右を逆に読み替え、「左マウントアングル30A」を「右マウントアングル30B」と読み替え、「張出部52A」を「張出部52B」と読み替えればよい。
【0056】
なお、筐体10内には、上述した左右のマウントアングル30A,30Bの他に、電気機器2の後端部を支持する別のマウントアングルが設けられてよく、電気機器2の側端部を支持するサポートアングルが設けられてもよい。
【0057】
次に、電気機器2および左右のマウントアングル30A,30Bなどによって筐体10内に形成される複数の領域(第1領域S1および第2領域S2)について説明する。
【0058】
第1領域(第1空間)S1は、筐体10の開口Oを通じて外部から冷気が流入する冷気領域である。本出願で「冷気」とは、電気機器2により暖められる前の空気を意味し、例えば室温の空気である。第1領域S1は、例えば、左メインフレーム21Aの前面、左マウントアングル30Aの第1部分41の前面、左マウントアングル30Aの第2部分42の左側面、電気機器2の前面、右メインフレーム21Bの前面、右マウントアングル30Bの第1部分41の前面、および右マウントアングル30Bの第2部分42の右側面により規定される。第1領域S1は、
図3,
図4において、筐体10内でドットのハッチングが施されていない領域である。電気機器2の複数の吸気孔2haは、第1領域S1に開口する。電気機器2の内部には、複数の吸気孔2haを通じて第1領域S1から冷気が流入する。
【0059】
一方で、第2領域(第2空間)S2は、電気機器2により暖められた空気が位置する暖気領域である。第2領域S2は、例えば、左右のマウントアングル30A,30Bの第1部分41よりも後方の領域である。ここで本実施形態では、左右のマウントアングル30A,30Bの第2部分42と電気機器2の本体部51の左右の側面との間の隙間は、無視できる程度に小さい(例えば第2部分42の板厚tよりも小さい)。この場合、第2領域S2は、左右のマウントアングル30A,30Bの第1部分41の後面と、電気機器2の本体部51の左右の側面とにより規定される。なお、左右のマウントアングル30A,30Bの第2部分42と電気機器2の本体部51の左右の側面との間の隙間が大きい場合、第2領域S2は、左右のマウントアングル30A,30Bの第2部分42と電気機器2の本体部51の左右の側面との領域を含んでもよい。第2領域S2は、
図3,
図4において、筐体10内でドットのハッチングが施された領域である。電気機器2の複数の排気孔2hbは、第2領域S2に開口する。電気機器2の内部を通過することで暖められた空気は、電気機器2の複数の排気孔2hbから第2領域S2に排気される。
【0060】
<1.4 ブランクパネル>
次に、ブランクパネル91について説明する。
図5は、ブランクパネル91が取り付けられた状態のラック1および電気機器2を示す断面図である。なお
図5では説明の便宜上、電気機器2およびブランクパネル91を取り付けるためのねじ82の図示を省略している。
【0061】
ブランクパネル91は、筐体10内を第1領域S1と第2領域S2とに仕切ることを補助する部材であり、電気機器2の非搭載部の高さ領域に配置される。ブランクパネル91は、電気機器2のねじ挿通孔52hと同様のねじ挿通孔91hを有し、電気機器2の非搭載部の高さ領域において、電気機器2と同様にねじ82により左右のマウントアングル30A,30Bに装着される。これにより、電気機器2の非搭載部の高さ領域に、第1領域S1と第2領域S2とを仕切る壁部を形成する。その結果、電気機器2の非搭載部の高さ領域を通じて、第2領域S2の暖かい空気が第1領域S1に戻ることが抑制される。
【0062】
ところで、ブランクパネル91によっては、一部の装着孔30hを覆わない形状を有するものがある。以下、このようなブランクパネル91の一例について説明する。
【0063】
図6は、ブランクパネル91の一例を示す斜視図である。
図6に示すブランクパネル91は、一部の装着孔30hに対応する部分に開口91aを有する。開口91aは、例えば、ブランクパネル91だけでは剛性が不足する場合、ブランクパネル91と重ねるようにして補強パネル92をマウントアングル30A,30Bに追加で取り付けることができるように設けられている。補強パネル92は、電気機器2のねじ挿通孔52hと同様のねじ挿通孔92hを有する。ねじ挿通孔92hは、ブランクパネル91の開口91aを通じて、マウントアングル30A,30Bの装着孔30hに向かい合う。補強パネル92は、電気機器2と同様にねじ82により左右のマウントアングル30A,30Bに装着される。ただし、ブランクパネル91が一部の装着孔30hを覆わない形状を有する理由は、上記例に限定されず、別の理由であってもよい。
【0064】
このような、一部の装着孔30hを覆わないブランクパネル91がマウントアングル30A,30Bに取り付けられた場合(例えば、ブランクパネル91のみで剛性に問題が無く、補強パネル92が省略される場合)、マウントアングル30A,30Bに電気機器2が取り付けられた状態で一部の装着孔30hが塞がれておらず、それら装着孔30hは空気が通過可能な状態で残る。この場合に生じる現象については後述する。
【0065】
<1.5 側部ブランクパネル>
次に、側部ブランクパネル95について説明する。
図4に示すように、マウントアングル30の支持部36の第3部分43は、複数の装着孔30hs(
図4中では1つのみ示す)を有する。左マウントアングル30Aにおいては、装着孔30hsは、装着孔30hよりも左方に配置されている。右マウントアングル30Bにおいては、装着孔30hsは、装着孔30hよりも右方に配置されている。
【0066】
図2に示すように、複数の装着孔30hsは、鉛直方向に並んで配置されている。複数の装着孔30hsには、例えば不図示のねじにより側部ブランクパネル95が取り付けられる。側部ブランクパネル95は、電気機器2で暖められた空気が電気機器2の前面側に戻ることをさらに抑制するために、電気機器2の側方およびブランクパネル91の側方に配置されるパネルである。例えば、側部ブランクパネル95は、電気機器2と左側板13との間、および電気機器2と右側板14との間に配置される(
図3参照)。同様に、側部ブランクパネル95は、ブランクパネル91と左側板13との間、およびブランクパネル91と右側板14との間に配置される。なお、側部ブランクパネル95は、省略されてもよい。
【0067】
<1.6 通風制限部材>
次に、通風制限部材Mについて説明する。
ラック1は、ラック1内で第2領域S2から第1領域S1に空気が移動しないように制限する通風制限部材Mを有する。通風制限部材Mは、例えば、左メインフレーム21Aと左側板13との間、または右メインフレーム21Bと右側板14に配置され、鉛直方向に延びている。通風制限部材Mは、左メインフレーム21Aと左側板13との間および右メインフレーム21Bと右側板14との間にそれぞれ隙間が存在する場合、それら隙間を塞ぐ。言い換えると、通風制限部材Mは、第1領域S1と第2領域S2とを分ける仕切りの一部となる部材である。通風制限部材Mが設けられると、マウントアングル30A,30Bの支持部36の第3部分43の背後の空間に第2領域S2の暖かい空気が移動することが抑制される。本実施形態では、通風制限部材Mが設けられる場合、側部ブランクパネル95は省略される。
【0068】
<2.作用>
図7は、本実施形態の左右のマウントアングル30の作用を説明するための図である。
図7中の(a)は、比較例として、L字形のマウントアングル100を示す。
図7中の(b)は、本実施形態のマウントアングル30A,30Bを示す。
【0069】
図7中の(a)に示す比較例のL字形のマウントアングル100は、左右のメインフレーム21A,21Bに固定される固定部35から前方に延びた第1部分101と、第1部分101の前端部から屈曲した第2部分102とを有する。第2部分102は、ねじ挿通孔30hを有し、電気機器2の張出部52A,52Bが装着される。
【0070】
この構成では、ねじ挿通孔30hが開口した第2部分102の背後に位置する空間は、第2領域S2の一部となり、電気機器2により暖められた空気が存在する。この構成において、マウントアングル100の一部の装着孔30hを覆わないブランクパネル91が取り付けられる場合、ブランクパネル91によって覆われないマウントアングル100の装着孔30hを通じて、第2領域S2の暖かい空気が第1領域S1に漏れ出ることになる。その結果、第1領域S1の冷気が暖められ、暖かい空気が電気機器2の吸気孔2haから電気機器2の内部に流入する可能性がある。この場合、電気機器2の冷却を促進することが難しくなる。
【0071】
またマウントアングル100の第2部分102に装着孔30hsが設けられる場合、通風制限部材Mが取り付けられる場合であっても、装着孔30hsを通じて第2領域S2の暖かい空気が第1領域S1に漏れ出ることになる。この観点でも電気機器2の冷却を促進することが難しくなる。
【0072】
一方で、
図7中の(b)に示すように、本実施形態のマウントアングル30では、装着孔30hが開口した第3部分43の背後に位置する空間Sは、第1領域S1の一部となり、冷気が存在する。このため、マウントアングル30A,30Bの一部の装着孔30hを覆わないブランクパネル91が取り付けられる場合であっても、ブランクパネル91によって覆われないマウントアングル30A,30Bの装着孔30hを通じて第2領域S2の暖かい空気が第1領域S1に漏れ出ることが抑制される。その結果、上記比較例の構成と比べて冷たい空気が電気機器2の吸気孔2haから電気機器2の内部に流入しやすくなる。このため、電気機器2の冷却が促進される。
【0073】
またマウントアングル30の第3部分43に装着孔30hsが設けられる場合でも、通風制限部材Mが設けられていれば、装着孔30hsを通じて第2領域S2の暖かい空気が第1領域S1に漏れ出ることが抑制される。この観点でも電気機器2の冷却が促進される。
【0074】
<3.利点>
本実施形態では、マウントアングル30は、左メインフレーム21A(または右メインフレーム21B)に固定される固定部35と、複数の装着孔30hが一方向に並んで配置され、複数の装着孔30hから任意に選択される1つ以上の装着孔30hに電気機器2の張出部52A(または張出部52B)が装着可能な支持部36とを有する。支持部36は、固定部35から電気機器2の本体部51に向けて延びた第1部分41と、第1部分41の端部から屈曲して開口Oに向けて延びた第2部分42と、第2部分42の端部から屈曲して電気機器2の本体部51から離れる方向に延び、複数の装着孔30hが設けられ、電気機器2の張出部52A(または張出部52B)が装着される第3部分43とを有する。このような構成によれば、ブランクパネル91によって覆われないマウントアングル30A,30Bの装着孔30hが存在する場合でも、当該装着孔30hを通じて第2領域S2の暖かい空気が電気機器2の前面側に漏れることを抑制することができる。これにより、電気機器2の冷却を促進することができ、電気機器2の冷却性能の向上を図ることができる。
【0075】
本実施形態では、支持部36の第2部分42は、電気機器2の本体部51の側面に沿う。このような構成によれば、筐体10内への電気機器2の挿入時に、支持部36の第2部分42が電気機器2を筐体10の奥行方向に向けて案内するガイドとして用いることができる。これにより、電気機器2の取り付け作業性を高めることができる。
【0076】
本実施形態では、支持部36の第3部分43は、電気機器2の張出部52A(または張出部52B)の後面に沿う。このような構成よれば、支持部36の第3部分43と電気機器2の張出部52A(または張出部52B)との間の隙間を小さくする(例えばゼロにする)ことができる。これにより、第2領域S2の暖かい空気が電気機器2の前面側に漏れることをさらに抑制することができる。
【0077】
本実施形態では、支持部36の第3部分43は、筐体10の開口O側に露出する。このような構成によれば、第2領域S2の暖かい空気が電気機器2の前面側に漏れること抑制する構成を実現した上で、マウントアングル30に対する電気機器2の取り付け作業性を高めることができる。
【0078】
以上、1つの実施形態の支持部材および収容箱について説明した。ただし、実施形態の構成は、上記例に限定されない。本出願でいう「収容箱」は、電気機器2が鉛直方向に重ねて配置されるラックに限定されず、電気機器2が水平方向に並べて収容される収容箱(すなわち、装着孔が水平方向に並べて配置される収容箱)であってもよい。
【符号の説明】
【0079】
1…ラック(収容箱)、2…電気機器、10…筐体、O…開口、21A…左メインフレーム(メインフレームの一例)、21B…右メインフレーム(メインフレームの別の一例)、30…マウントアングル(支持部材),30A…左マウントアングル(支持部材の一例)、30B…右マウントアングル30B(支持部材の別の一例)、35…固定部、36…支持部、41…第1部分、42…第2部分、43…第3部分、51…電気機器の本体部,52A,52B…電気機器の張出部