(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023138148
(43)【公開日】2023-09-29
(54)【発明の名称】ゴム組成物
(51)【国際特許分類】
C08L 9/00 20060101AFI20230922BHJP
C08K 5/37 20060101ALI20230922BHJP
C08K 3/06 20060101ALI20230922BHJP
【FI】
C08L9/00
C08K5/37
C08K3/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022044691
(22)【出願日】2022-03-18
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)令和2年度国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構、ムーンショット型研究開発事業/地球環境再生に向けた持続可能な資源循環を実現/非可食性バイオマスを原料とした海洋分解可能なマルチロック型バイオポリマーの研究開発、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
(71)【出願人】
【識別番号】000005278
【氏名又は名称】株式会社ブリヂストン
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100119530
【弁理士】
【氏名又は名称】冨田 和幸
(72)【発明者】
【氏名】河田 碧
(72)【発明者】
【氏名】タルディフ オリビエ
(72)【発明者】
【氏名】浜谷 悟司
【テーマコード(参考)】
4J002
【Fターム(参考)】
4J002AC081
4J002DA047
4J002EV026
4J002FD147
4J002GM00
4J002GN01
(57)【要約】
【課題】切断時引張強さ(TB)及び切断時伸び(EB)を向上させたゴム組成物を提供する。
【解決手段】共役ジエン単位を含むポリマー(A)と、少なくとも2つの水酸基を有する化合物(B)と、架橋剤(C)と、を含むゴム組成物であって、前記少なくとも2つの水酸基を有する化合物(B)は、当該化合物中の少なくとも2つの水酸基が隣り合う炭素原子に結合しており、且つ、更に硫黄原子を含む官能基を有し、前記少なくとも2つの水酸基を有する化合物(B)の含有量が、前記ポリマー(A)100質量部に対して3.5質量部以上であり、前記架橋剤(C)の含有量が、前記ポリマー(A)100質量部に対して0.1~5質量部であることを特徴とする、ゴム組成物である。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
共役ジエン単位を含むポリマー(A)と、
少なくとも2つの水酸基を有する化合物(B)と、
架橋剤(C)と、を含むゴム組成物であって、
前記少なくとも2つの水酸基を有する化合物(B)は、当該化合物中の少なくとも2つの水酸基が隣り合う炭素原子に結合しており、且つ、更に硫黄原子を含む官能基を有し、
前記少なくとも2つの水酸基を有する化合物(B)の含有量が、前記ポリマー(A)100質量部に対して3.5質量部以上であり、
前記架橋剤(C)の含有量が、前記ポリマー(A)100質量部に対して0.1~5質量部であることを特徴とする、ゴム組成物。
【請求項2】
前記ポリマー(A)の共役ジエン単位が、イソプレン単位及びブタジエン単位からなる群から選択される少なくとも1種を含む、請求項1に記載のゴム組成物。
【請求項3】
前記少なくとも2つの水酸基を有する化合物(B)と前記架橋剤(C)との質量比(B/C)が、2以上である、請求項1又は2に記載のゴム組成物。
【請求項4】
前記少なくとも2つの水酸基を有する化合物(B)は、前記硫黄原子を含む官能基としてチオール基を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載のゴム組成物。
【請求項5】
前記少なくとも2つの水酸基を有する化合物(B)が、チオグリセロールである、請求項4に記載のゴム組成物。
【請求項6】
前記ポリマー(A)は、ビニル結合量が10~50質量%である、請求項1~5のいずれか一項に記載のゴム組成物。
【請求項7】
前記架橋剤(C)が、少なくとも硫黄を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載のゴム組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴム組成物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、タイヤ等のゴム製品は、耐久性の指標として、切断時引張強さ(TB)、切断時伸び(EB)等の物性を十分に確保するため、ゴム成分(ポリマー)を硫黄で架橋(加硫)して、耐久性を向上させている。
一方、環境問題、省資源化等の観点から、使用済み加硫ゴム製品をリサイクルする技術が検討されており、例えば、下記特許文献1には、脂質過酸化反応により加硫ゴムを分解した後、分解されたゴム成分を有機溶媒に溶解し、アルカリを添加したアルコール中でゴム成分を再沈することにより脂質を除去し、ゴム分を回収する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の通り、従来、ゴム成分(ポリマー)を硫黄で架橋(加硫)して、種々のゴム製品が製造されており、また、そのリサイクル技術も種々検討されてきたが、硫黄のみで架橋(加硫)した加硫ゴムは、リサイクルし難く、上記特許文献1に記載の技術は、工程数が多い。また、従来のゴム成分を硫黄で架橋したゴム組成物は、そもそも、切断時引張強さ(TB)、切断時伸び(EB)等の物性に改良の余地がある。
【0005】
そこで、本発明は、上記従来技術の問題を解決し、切断時引張強さ(TB)及び切断時伸び(EB)を向上させたゴム組成物を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決する本発明の要旨構成は、以下の通りである。
【0007】
本発明のゴム組成物は、
共役ジエン単位を含むポリマー(A)と、
少なくとも2つの水酸基を有する化合物(B)と、
架橋剤(C)と、を含むゴム組成物であって、
前記少なくとも2つの水酸基を有する化合物(B)は、当該化合物中の少なくとも2つの水酸基が隣り合う炭素原子に結合しており、且つ、更に硫黄原子を含む官能基を有し、
前記少なくとも2つの水酸基を有する化合物(B)の含有量が、前記ポリマー(A)100質量部に対して3.5質量部以上であり、
前記架橋剤(C)の含有量が、前記ポリマー(A)100質量部に対して0.1~5質量部であることを特徴とする。
かかる本発明のゴム組成物は、切断時引張強さ(TB)及び切断時伸び(EB)が向上している。
【0008】
本発明のゴム組成物の好適例においては、前記ポリマー(A)の共役ジエン単位が、イソプレン単位及びブタジエン単位からなる群から選択される少なくとも1種を含む。この場合、ゴム組成物の切断時引張強さ(TB)及び切断時伸び(EB)が更に向上する。
【0009】
本発明のゴム組成物の他の好適例においては、前記少なくとも2つの水酸基を有する化合物(B)と前記架橋剤(C)との質量比(B/C)が、2以上である。この場合、ゴム組成物の切断時引張強さ(TB)及び切断時伸び(EB)が更に向上する。
【0010】
本発明のゴム組成物において、前記少なくとも2つの水酸基を有する化合物(B)は、前記硫黄原子を含む官能基としてチオール基を有することが好ましい。この場合、水酸基を有する化合物(B)が、共役ジエン単位を含むポリマー(A)に更に付加し易くなる。
【0011】
ここで、前記少なくとも2つの水酸基を有する化合物(B)が、チオグリセロールであることが好ましい。この場合、水酸基を有する化合物(B)が、共役ジエン単位を含むポリマー(A)に特に付加し易くなる。
【0012】
本発明のゴム組成物において、前記ポリマー(A)は、ビニル結合量が10~60質量%であることが好ましい。この場合、前記少なくとも2つの水酸基を有する化合物(B)がポリマー(A)に更に付加し易くなる。
【0013】
本発明のゴム組成物の他の好適例においては、前記架橋剤(C)が、少なくとも硫黄を含む。この場合、ゴム組成物の切断時引張強さ(TB)及び切断時伸び(EB)が更に向上する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、切断時引張強さ(TB)及び切断時伸び(EB)を向上させたゴム組成物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、本発明のゴム組成物を、その実施形態に基づき、詳細に例示説明する。
【0016】
<ゴム組成物>
本発明のゴム組成物は、共役ジエン単位を含むポリマー(A)と、少なくとも2つの水酸基を有する化合物(B)と、架橋剤(C)と、を含む。そして、本発明のゴム組成物において、前記少なくとも2つの水酸基を有する化合物(B)は、当該化合物中の少なくとも2つの水酸基が隣り合う炭素原子に結合しており、且つ、更に硫黄原子を含む官能基を有し、前記少なくとも2つの水酸基を有する化合物(B)の含有量が、前記ポリマー(A)100質量部に対して3.5質量部以上であり、前記架橋剤(C)の含有量が、前記ポリマー(A)100質量部に対して0.1~5質量部であることを特徴とする。
【0017】
本発明のゴム組成物においては、少なくとも2つの水酸基を有する化合物(B)が硫黄原子を含む官能基を有し、共役ジエン単位を含むポリマー(A)に付加する。そして、ポリマー(A)に付加した水酸基を有する化合物(B)が、水酸基を介して水素結合を形成する。ここで、少なくとも2つの水酸基を有する化合物(B)は、当該化合物中の少なくとも2つの水酸基が隣り合う炭素原子に結合しており、即ち、近接した位置に少なくとも2つの水酸基が存在する。そのため、1つのポリマー(A)に付加した水酸基を有する化合物(B)の水酸基と、他のポリマー(A)に付加した水酸基を有する化合物(B)の水酸基とが、近接した位置で水素結合を複数形成することで、強く水素結合することができる。また、水酸基を有する化合物(B)の含有量が、ポリマー(A)100質量部に対して3.5質量部以上であることで、ポリマー(A)に付加する水酸基を有する化合物(B)の量が増えて、より多くの水素結合が形成され、より強く水素結合による架橋を形成できる。
また、本発明のゴム組成物は、架橋剤(C)を含むため、架橋後のゴム組成物中に、水素結合による架橋と、架橋剤(C)に起因する架橋構造とが存在することとなる。ここで、架橋剤(C)の含有量が、ポリマー(A)100質量部に対して0.1質量部以上であることで、架橋剤(C)に起因する架橋構造が十分に形成され、また、架橋剤(C)の含有量が、ポリマー(A)100質量部に対して5質量部以下であることで、適度な伸張性を有することができる。そのため、本発明のゴム組成物においては、従来の硫黄架橋のみによるゴム組成物に比べて高い強度で、ポリマー(A)を架橋することができ、切断時引張強さ(TB)及び切断時伸び(EB)を向上させることができる。
従って、本発明のゴム組成物は、従来の硫黄架橋のみによるゴム組成物に比べて、高い切断時引張強さ(TB)及び切断時伸び(EB)を有する。
【0018】
また、本発明のゴム組成物において、前記水素結合は、容易に解離させることができる。また、架橋剤(C)の含有量が、ポリマー(A)100質量部に対して5質量部以下であり、架橋剤(C)に起因する架橋構造が過剰には存在しない。そのため、本発明のゴム組成物は、硫黄架橋のみで架橋したゴム組成物に比べて、リサイクルし易い。
【0019】
--ポリマー(A)--
本発明のゴム組成物は、共役ジエン単位を含むポリマー(A)を含む。該共役ジエン単位を含むポリマー(A)は、本発明のゴム組成物のゴム成分である。なお、本発明のゴム組成物は、ゴム成分が共役ジエン単位を含むポリマー(A)のみであってもよいし、更に他のゴム成分を含んでもよい。
【0020】
前記共役ジエン単位とは、共役ジエン化合物に由来するモノマー単位である。モノマーとしての共役ジエン化合物は、炭素数が4~8であることが好ましい。かかる共役ジエン化合物として、具体的には、1,3-ブタジエン、イソプレン、1,3-ペンタジエン、2,3-ジメチル-1,3-ブタジエン等が挙げられる。そして、モノマーとしての共役ジエン化合物は、良好なエラストマー性の観点から、1,3-ブタジエン及び/又はイソプレンを含むことが好ましい。
前記ポリマー(A)中の共役ジエン単位の割合は、特に限定されず、0.1mol%以上であることが好ましく、1mol%以上であることが更に好ましく、50mol%以上であることがより一層好ましく、また、100mol%であってもよい。
【0021】
前記ポリマー(A)の共役ジエン単位は、イソプレン単位及びブタジエン単位からなる群から選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。ポリマー(A)がイソプレン単位及び/又はブタジエンを含む場合、ゴム組成物の切断時引張強さ(TB)及び切断時伸び(EB)が更に向上する。
【0022】
前記ポリマー(A)は、前記共役ジエン化合物と共重合可能な他のモノマーに由来する単位を含んでもよい。かかる他のモノマーに由来する単位としては、オレフィン単位、芳香族ビニル単位等が挙げられる。ポリマー(A)中の他のモノマーに由来する単位の割合は、特に限定されず、0mol%でもよいが、一実施態様においては、1mol%以上が好ましく、また、50mol%以下が好ましい。
【0023】
前記オレフィン単位とは、オレフィン化合物に由来するモノマー単位である。モノマーとしてのオレフィン化合物は、炭素数が2~10であることが好ましい。かかるオレフィン化合物として、具体的には、エチレン、プロピレン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-ヘプテン、1-オクテン等のα-オレフィン、ピバリン酸ビニル、1-フェニルチオエテン、N-ビニルピロリドン等のヘテロ原子置換アルケン化合物等が挙げられる。
【0024】
前記芳香族ビニル単位は、芳香族ビニル化合物に由来するモノマー単位である。該芳香族ビニル化合物とは、少なくともビニル基で置換された芳香族化合物を指す。モノマーとしての芳香族ビニル化合物は、炭素数が8~10であることが好ましい。かかる芳香族ビニル化合物として、具体的には、スチレン、α-メチルスチレン、2-メチルスチレン、3-メチルスチレン、4-メチルスチレン、2,4-ジメチルスチレン、2-エチルスチレン、3-エチルスチレン、4-エチルスチレン等が挙げられる。
【0025】
前記共役ジエン単位を含むポリマー(A)としては、天然ゴム(NR)、合成ジエン系ゴムが挙げられる。また、該合成ジエン系ゴムとしては、合成イソプレンゴム(IR)、スチレン-ブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレン-イソプレンゴム(SIR)、クロロプレンゴム(CR)、エチレン-ブタジエン共重合体、エチレン-スチレン-ブタジエン共重合体等が挙げられる。前記ポリマー(A)は、一種単独でもよいし、二種以上の組み合わせでもよい。
【0026】
前記ポリマー(A)は、ビニル結合量が10~60質量%であることが好ましく、20~50質量%であることが更に好ましい。ポリマー(A)のビニル結合量が20~50質量%であると、後述する少なくとも2つの水酸基を有する化合物(B)がポリマー(A)に更に付加し易くなる。
ここで、ポリマー(A)のビニル結合量とは、ポリマー(A)全体中のビニル結合している共役ジエン単位の割合である。
また、ビニル結合としては、3,4-ビニル結合や1,2-ビニル結合が挙げられる。
なお、本明細書において、ポリマー(A)のビニル結合量は、1H-NMRスペクトルの積分比より求める。
【0027】
前記ポリマー(A)は、重量平均分子量(Mw)が300~1,000,000であることが好ましく、1,000~1,000,000であることが更に好ましい。重量平均分子量(Mw)が1,000以上であると、切断時引張強さ(TB)及び切断時伸び(EB)が向上し、重量平均分子量(Mw)が1,000,000以下であると、加工性が向上する。
なお、本明細書において、ポリマー(A)の重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、ポリスチレンを標準物質として求める。
【0028】
--少なくとも2つの水酸基を有する化合物(B)--
本発明のゴム組成物は、少なくとも2つの水酸基を有する化合物(B)(本明細書においては、単に「水酸基を有する化合物(B)」と呼ぶことがある。)を含む。該水酸基を有する化合物(B)は、硫黄原子を含む官能基を有し、上述の共役ジエン単位を含むポリマー(A)に付加することができる。また、ポリマー(A)に付加した水酸基を有する化合物(B)が、水酸基を介して水素結合を形成する。
【0029】
前記硫黄原子を含む官能基としては、チオール基(「メルカプト基」とも呼ばれる。)、スルフィド基(「チオエーテル基」とも呼ばれる。)等が挙げられ、チオール基が好ましい。前記水酸基を有する化合物(B)が、硫黄原子を含む官能基としてチオール基を有する場合、前記共役ジエン単位を含むポリマー(A)に更に付加し易くなる。
【0030】
前記少なくとも2つの水酸基を有する化合物(B)は、当該化合物中の少なくとも2つの水酸基が隣り合う炭素原子に結合している。即ち、水酸基を有する化合物(B)は、硫黄原子を含む官能基を有するビシナルジオールである。少なくとも2つの水酸基が隣り合う炭素原子に結合していることで、1つのポリマー(A)に付加した水酸基を有する化合物(B)の水酸基と、他のポリマー(A)に付加した水酸基を有する化合物(B)の水酸基とが、近接した位置で水素結合を複数形成することができ、水酸基を介した水素結合による架橋構造の強度が向上する。
なお、水酸基を有する化合物(B)は、複数の炭素原子が直接結合した部位を含み、前記水酸基の少なくとも2つは、当該水酸基中の酸素原子が炭素原子(複数の炭素原子が直接結合した部位の炭素原子)に結合しており、また、1つの水酸基中の酸素原子ともう1つの水酸基中の酸素原子との間の炭素数が2であるとも言えし、ビシナルな水酸基を有するとも言える。
【0031】
前記水酸基を有する化合物(B)としては、1-メルカプト-1,2-エタンジオール、3-メルカプト-1,2-プロパンジオール(「チオグリセロール」又は「α-チオグリセロール」とも呼ばれる。)、2-メルカプト-1,2-プロパンジオール、1-メルカプト-1,2-プロパンジオール、3-メルカプト-2-メチル-1,2-プロパンジオール、3-メルカプト-2-エチル-1,2-プロパンジオール、1-メルカプト-2-メチル-1,2-プロパンジオール、1-メルカプト-2-エチル-1,2-プロパンジオール等が挙げられる。これらの中でも、チオグリセロールが好ましい。水酸基を有する化合物(B)がチオグリセロールである場合、前記共役ジエン単位を含むポリマー(A)に特に付加し易くなる。
【0032】
前記水酸基を有する化合物(B)の含有量は、前記ポリマー(A)100質量部に対して3.5質量部以上である。水酸基を有する化合物(B)の含有量が、ポリマー(A)100質量部に対して3.5質量部以上であると、ポリマー(A)に付加する水酸基を有する化合物(B)の量が増えて、より多くの水素結合が形成され、より強く水素結合による架橋を形成でき、ゴム組成物の切断時引張強さ(TB)及び切断時伸び(EB)が向上する。水酸基を有する化合物(B)の含有量は、ゴム組成物の切断時引張強さ(TB)及び切断時伸び(EB)の観点から、ポリマー(A)100質量部に対して4質量部以上であることが好ましく、5質量部以上であることがより好ましく、6質量部以上であることが更に好ましく、また、ゴム組成物の伸び特性と切断時伸び(EB)の観点から、10質量部以下であることが更に好ましい。
【0033】
--架橋剤(C)--
本発明のゴム組成物は、架橋剤(C)を含む。ゴム組成物が前記水酸基を有する化合物(B)と共に架橋剤(C)を含むことで、架橋後のゴム組成物中には、水素結合による架橋と、架橋剤(C)に起因する架橋構造とが存在することとなる。
【0034】
前記架橋剤(C)の含有量は、前記ポリマー(A)100質量部に対して0.1~5質量部である。架橋剤(C)の含有量が、ポリマー(A)100質量部に対して0.1質量部以上であると、架橋剤(C)に起因する架橋構造が十分に形成され、ゴム組成物の切断時引張強さ(TB)及び切断時伸び(EB)が向上し、また、架橋剤(C)の含有量が、ポリマー(A)100質量部に対して5質量部以下であると、適度な伸張性を有することができ、ゴム組成物の切断時伸び(EB)が向上する。架橋剤(C)の含有量は、ゴム組成物の切断時引張強さ(TB)及び切断時伸び(EB)の観点から、ポリマー(A)100質量部に対して0.5質量部以上であることが好ましく、また、ゴム組成物の伸び特性と切断時伸び(EB)の観点から、4質量部以下であることがより好ましく、3質量部以下であることが更に好ましい。
【0035】
前記水酸基を有する化合物(B)と前記架橋剤(C)との質量比(B/C)は、2以上であることが好ましく、4以上であることが更に好ましく、また、20以下であることが好ましく、10以下であることが更に好ましい。水酸基を有する化合物(B)と架橋剤(C)との質量比(B/C)が2以上であると、ゴム組成物の切断時引張強さ(TB)及び切断時伸び(EB)が更に向上する。また、水酸基を有する化合物(B)と架橋剤(C)との質量比(B/C)が20以下であると、劣化に強いゴムができる。
【0036】
前記架橋剤(C)としては、硫黄、過酸化物等が挙げられる。また、過酸化物としては、有機過酸化物が挙げられ、具体的には、tert-ブチルヒドロペルオキシド、1,1,3,3-テトラメチルブチルヒドロペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、p-メンタンヒドロペルオキシド、ジイソプロピルベンゼンヒドロペルオキシド、ジクミルペルオキシド、ジ-tert-ブチルペルオキシド、ジ-tert-ヘキシルペルオキシド、ジイソプロピルベンゼンヒドロペルオキシド、tert-ブチルクミルペルオキシド、ジ(2-tert-ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(tert-ブチルペルオキシ)ヘキサン、過安息香酸、過酸化ベンゾイル、1,1-ビス(1,1-ジメチルエチルペルオキシ)シクロヘキサン、1,1-ビス(tert-ブチルペルオキシ)シクロヘキサン、1,1-ビス(tert-ブチルペルオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、1,1-ビス(tert-ヘキシルペルオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、1,1-ビス(tert-ヘキシルペルオキシ)シクロヘキサン、2,2-ビス(4,4-ジ-(tert-ブチルペルオキシ)シクロヘキシル)プロパン、n-ブチル-4,4-ジ-(tert-ブチルペルオキシ)バレレート、tert-ブチルペルオキシラウレート、tert-ブチルペルオキシ-2-エチルヘキサネート、1,1,3,3-テトラメチルブチルペルオキシ-2-エチルヘキサノエート、tert-ヘキシルペルオキシ-2-エチルヘキサノエート、tert-ブチルペルオキシ-2-エチルヘキサノエート、tert-ブチルペルオキシアセテート、シクロヘキサノンペルオキシド、アセチルアセトンペルオキシド、ジイソプロピルペルオキシジカーボネート、ジ(4-tert-ブチルシクロヘキシル)ペルオキシジカーボネート等が挙げられる。ここで、架橋剤(C)として、硫黄を使用した場合、硫黄架橋が形成され、架橋剤(C)として、過酸化物を使用した場合、過酸化物に起因する架橋構造(C-C結合等)が形成される。
【0037】
前記架橋剤(C)は、少なくとも硫黄を含むことが好ましく、硫黄を50質量%以上含むことが更に好ましく、架橋剤(C)の全てが硫黄でもよい。架橋剤(C)が少なくとも硫黄を含む場合、架橋剤(C)に起因する架橋構造として硫黄架橋が形成され、ゴム組成物の切断時引張強さ(TB)及び切断時伸び(EB)が更に向上する。
【0038】
--他のゴム成分--
上述の通り、本発明のゴム組成物は、ゴム成分として、前記共役ジエン単位を含むポリマー(A)を含むが、更に他のゴム成分を含んでもよい。かかる他のゴム成分としては、非ジエン系ゴムが挙げられる。ここで、非ジエン系ゴムとしては、シリコーンゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム等が挙げられる。
また、ゴム組成物のゴム成分は、前記共役ジエン単位を含むポリマー(A)の割合が10質量%以上であることが好ましく、前記共役ジエン単位を含むポリマー(A)の割合が100質量%であってもよい。
【0039】
--周期表3~12族の元素の金属イオン--
本発明のゴム組成物は、更に周期表3~12族の元素の金属イオンを含んでもよい。該金属イオンを含む場合、前記水酸基を有する化合物(B)の水酸基が、周期表3~12族の元素の金属イオンと錯化することで、水素結合に比べて高い強度で、ポリマー(A)を架橋することができ、ゴム組成物の切断時引張強さ(TB)及び切断時伸び(EB)を更に向上させることができる。
【0040】
前記周期表3族の元素としては、スカンジウム、イットリウム等が挙げられる。
また、周期表4族の元素としては、チタン、ジルコニウム等が挙げられる。
また、周期表5族の元素としては、バナジウム、ニオブ等が挙げられる。
また、周期表6族の元素としては、クロム、モリブデン、タングステン等が挙げられる。
また、周期表7族の元素としては、マンガン、レニウム等が挙げられる。
また、周期表8族の元素としては、鉄、ルテニルム、オスミウム等が挙げられる。
また、周期表9族の元素としては、コバルト、ロジウム、イリジウム等が挙げられる。
また、周期表10族の元素としては、ニッケル、パラジウム、白金等が挙げられる。
また、周期表11族の元素としては、銅、銀等が挙げられる。
また、周期表12族の元素としては、亜鉛等が挙げられる。
周期表3~12族の元素の金属イオンは、水酸基との結合が強くなり易い。
なお、周期表3~12族の元素の金属イオンに関して、イオンの価数は特に限定されず、各元素の取り得る任意の価数をとることができる。
【0041】
前記金属イオンは、周期表7~12族の元素の金属イオンから選択されることが好ましい。金属イオンが、周期表7~12族の元素の金属イオンである場合、水酸基との結合が更に強くなり易く、より高い強度の架橋を形成できる。
【0042】
前記金属イオンは、周期表第4周期及び第5周期の元素の金属イオンから選択されることが好ましい。周期表第4周期及び第5周期の元素の金属イオンは、水酸基への配位力が高く、金属イオンと水酸基との結合解離エネルギーが向上して、ゴム組成物の切断時引張強さ(TB)及び切断時伸び(EB)が更に向上する。
【0043】
前記金属イオンは、鉄イオン、銅イオン及び亜鉛イオンからなる群から選択される少なくとも1種であることが特に好ましい。鉄イオン、銅イオン及び亜鉛イオンは、水酸基との結合が特に強くなり易く、より強度の高い架橋構造を形成できる。なお、鉄イオンの価数は、2価(Fe2+)又は3価(Fe3+)であることが好ましい。
【0044】
前記金属イオンは、前記ゴム組成物に、金属塩を添加することで、前記水酸基を有する化合物(B)の水酸基と錯化されることが好ましい。なお、添加する金属塩の形態は、特に限定されず、例えば、水和物等であってもよい。また、金属塩の添加量は、前記共役ジエン単位を含むポリマー(A)100質量部に対して、1~30質量部の範囲が好ましく、1~15質量部の範囲がより好ましく、1~10質量部の範囲がより一層好ましく、1~5質量部の範囲が特に好ましい。
【0045】
前記金属塩としては、金属のハロゲン化物、金属の硫酸塩、金属の硝酸塩、等が挙げられ、これらの中でも、金属のハロゲン化物が好ましい。金属のハロゲン化物は、取り扱い易く、より簡便に高い強度の架橋を形成できる。
【0046】
また、前記金属のハロゲン化物としては、金属のフッ化物、金属の塩素化物、金属の臭化物、金属のヨウ化物等が挙げられ、これらの中でも、金属の塩素化物が好ましい。金属の塩素化物は、取り扱い易く、より一層簡便に高い強度の架橋を形成できる。
【0047】
また、前記金属塩は、金属酸化物、炭酸金属塩、及び脂肪酸金属塩以外であることが好ましい。金属酸化物、炭酸金属塩、及び脂肪酸金属塩以外の金属塩は、水酸基に更に配位結合し易い(更に錯化し易い)。
【0048】
前記金属塩として、具体的には、FeCl2、FeCl2・4H2O、FeCl3、FeCl3・6H2O、CuCl2、CuCl2・2H2O、ZnCl2等が挙げられる。また、金属塩は、1種のみでも、2種以上の組み合わせでもよい。
【0049】
--その他--
本発明のゴム組成物には、上述したポリマー(A)、水酸基を有する化合物(B)、架橋剤(C)、他のゴム成分、周期表3~12族の元素の金属イオン(金属塩)の他、ゴム工業界で通常使用される配合剤、例えば、充填剤(カーボンブラック、シリカ等)、軟化剤、ワックス、ステアリン酸、老化防止剤、シランカップリング剤、亜鉛華(酸化亜鉛)、加硫促進剤等を、本発明の目的を害しない範囲内で適宜選択して配合してもよい。これら配合剤としては、市販品を好適に使用することができる。
【0050】
前記ワックスとしては、例えば、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス等が挙げられる。該ワックスの含有量は、特に制限はなく、前記ポリマー(A)100質量部に対して、0.1~5質量部の範囲が好ましく、1~4質量部がより好ましい。
【0051】
前記ステアリン酸の含有量は、特に制限はなく、前記ポリマー(A)100質量部に対して、0.1~5質量部の範囲が好ましく、0.5~4質量部がより好ましい。
【0052】
前記老化防止剤としては、N-(1,3-ジメチルブチル)-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン(6PPD)、2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン重合体(TMDQ)、6-エトキシ-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン(AW)、N,N’-ジフェニル-p-フェニレンジアミン(DPPD)等が挙げられる。該老化防止剤の含有量は、特に制限はなく、前記ポリマー(A)100質量部に対して、0.1~5質量部の範囲が好ましく、1~4質量部がより好ましい。
【0053】
前記亜鉛華(酸化亜鉛)の含有量は、特に制限はなく、前記ポリマー(A)100質量部に対して、0.1~10質量部の範囲が好ましく、1~5質量部がより好ましい。
【0054】
前記加硫促進剤としては、スルフェンアミド系加硫促進剤、グアニジン系加硫促進剤、チアゾール系加硫促進剤、チウラム系加硫促進剤、ジチオカルバミン酸塩系加硫促進剤等が挙げられる。前記加硫促進剤の含有量は、特に制限はなく、前記ポリマー(A)100質量部に対して、0.1~5質量部の範囲が好ましく、0.2~3質量部の範囲が更に好ましい。
【0055】
--ゴム組成物の製造方法--
前記ゴム組成物の製造方法は、特に限定されるものではないが、例えば、既述のポリマー(A)、水酸基を有する化合物(B)、架橋剤(C)に、必要に応じて適宜選択した各種成分を配合して、混練り、熱入れ、押出等することにより製造することができる。また、得られたゴム組成物を架橋させることで、架橋ゴムとすることができる。
【0056】
前記混練りの条件としては、特に制限はなく、混練り装置の投入体積やローターの回転速度、ラム圧等、及び混練り温度や混練り時間、混練り装置の種類等の諸条件について目的に応じて適宜に選択することができる。混練り装置としては、通常、ゴム組成物の混練りに用いるバンバリーミキサーやインターミックス、ニーダー、ロール等が挙げられる。
【0057】
前記熱入れの条件についても、特に制限はなく、熱入れ温度や熱入れ時間、熱入れ装置等の諸条件について目的に応じて適宜に選択することができる。該熱入れ装置としては、通常、ゴム組成物の熱入れに用いる熱入れロール機等が挙げられる。
【0058】
前記押出の条件についても、特に制限はなく、押出時間や押出速度、押出装置、押出温度等の諸条件について目的に応じて適宜に選択することができる。押出装置としては、通常、ゴム組成物の押出に用いる押出機等が挙げられる。押出温度は、適宜に決定することができる。
【0059】
前記架橋を行う装置や方式、条件等については、特に制限はなく、目的に応じて適宜に選択することができる。架橋を行う装置としては、通常、ゴム組成物の加硫に用いる金型による成形加硫機等が挙げられる。架橋の条件として、その温度は、例えば100~190℃程度である。
【0060】
例えば、混練の第一段階において、ポリマー(A)と、水酸基を有する化合物(B)と、必要に応じて適宜選択した各種成分を配合して、混練することで、ポリマー(A)に水酸基を有する化合物(B)が結合した変性ポリマーを含む混合物を形成し、混練の第二段階以降において、架橋剤(C)と、必要に応じて適宜選択した各種成分を配合して、混練等することで、ゴム組成物を製造してもよい。更に、ゴム組成物を所望の形状に成形の後、架橋させることで、水素結合による架橋構造と架橋剤(C)に起因する架橋構造を有する架橋ゴムを形成できる。
【0061】
また、例えば、ポリマー(A)に水酸基を有する化合物(B)が結合した変性ポリマーを予め調製し、混練の第一段階において、予め調製しておいた該変性ポリマーと、任意の配合剤と、を混練し、混練の第二段階以降において、架橋剤(C)と、必要に応じて適宜選択した各種成分を配合して、混練等することで、ゴム組成物を製造してもよい。更に、ゴム組成物を所望の形状に成形の後、架橋させることで、水素結合による架橋構造と架橋剤(C)に起因する架橋構造を有する架橋ゴムを形成できる。
【0062】
--用途--
本発明のゴム組成物は、種々のゴム製品に利用できる。例えば、ゴム製品としては、タイヤ、ゴムクローラ、免震ゴム等が挙げられる。
【実施例0063】
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
【0064】
<ポリマーの分析>
ポリマーの結合スチレン量及びビニル結合量は、以下の方法で測定する。
【0065】
(1)結合スチレン量
ポリマー試料100mgを、クロロホルムで100mLにメスアップし、溶解して測定サンプルとする。スチレンのフェニル基による紫外線吸収波長(254nm付近)の吸収量により、試料100質量%に対しての結合スチレン量(質量%)を測定する。なお、測定装置として、島津製作所社製の分光光度計「UV-2450」を用いる。
【0066】
(2)ビニル結合量
ポリマーのビニル結合量(1,2-ビニル結合の結合量)を1H-NMR[日本電子製、Alpha 400MHz NMR装置、CDCl3中]スペクトルにおける積分比より求める。
【0067】
<ゴム組成物の製造>
表1及び表2に示す配合処方で混練して、ゴム組成物を製造した。なお、混練第一段階、第二段階の順に混練を行い、混練第一段階は、110℃で3分間行い、混練第二段階は、80℃で1分30秒間行った。得られたゴム組成物に対し、下記の方法で切断時引張強さ(TB)、切断時伸び(EB)を測定した。結果を表1及び表2に示す。
【0068】
(3)TB及びEBの測定方法
ゴム組成物からJIS 7号ダンベル状試験片を作製し、JIS K6251に準拠して、室温(23℃)で引張試験を行うことによって、切断時引張強さ(TB)及び切断時伸び(EB)を測定した。表1においては、比較例1の切断時引張強さ(TB)及び切断時伸び(EB)を100として、それぞれ指数表示した。また、表2においては、比較例2の切断時引張強さ(TB)及び切断時伸び(EB)を100として、それぞれ指数表示した。指数値が大きい程、切断時引張強さ(TB)及び切断時伸び(EB)が大きいことを示す。
【0069】
【0070】
【0071】
*1 スチレン-ブタジエンゴム: 結合スチレン量=10質量%、ビニル結合量=44質量%、合成品
*2 α-チオグリセロール: 東京化成工業社製
*3 ステアリン酸: 花王社製、商品名「ルナックS-70V」
*4 亜鉛華: 富士フイルム和光純薬社製
*5 加硫促進剤DPG: 1,3-ジフェニルグアニジン、住友化学社製、商品名「ソクシノールD」
*6 加硫促進剤CBS: N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、三新化学工業社製、商品名「サンセラーCM-G」
*7 加硫促進剤DM: ジ-2-ベンゾチアゾリルジスルフィド、大内新興化学工業社製、商品名「ノクセラーDM-P」
*8 硫黄: 富士フイルム和光純薬社製
*9 ブタジエンゴム: 旭化成株式会社製、商品名「タフデン(登録商標)2000R」
*10 ワックス: 精工化学社製、商品名「サンタイトA」
*11 老化防止剤6PPD: N-フェニル-N’-(1,3-ジメチルブチル)-p-フェニレンジアミン、大内新興化学工業社製、商品名「ノクラック6C」
【0072】
表1及び表2から、本発明に従う実施例1及び2のゴム組成物は、一般的な硫黄架橋のゴム組成物(比較例1及び2)に比べて、切断時引張強さ(TB)及び切断時伸び(EB)が向上していることが分かる。