(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023138163
(43)【公開日】2023-09-29
(54)【発明の名称】照明装置及び照明器具
(51)【国際特許分類】
F21S 2/00 20160101AFI20230922BHJP
F21V 23/00 20150101ALI20230922BHJP
F21V 23/04 20060101ALI20230922BHJP
F21V 23/06 20060101ALI20230922BHJP
F21Y 103/10 20160101ALN20230922BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20230922BHJP
【FI】
F21S2/00 230
F21V23/00 120
F21V23/04 500
F21V23/00 150
F21V23/06
F21Y103:10
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022044713
(22)【出願日】2022-03-18
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】三枝 浩和
(72)【発明者】
【氏名】高島 淳
【テーマコード(参考)】
3K014
【Fターム(参考)】
3K014AA01
3K014GA03
(57)【要約】
【課題】本開示の課題は、組立て作業の作業性の向上を図ることができる照明装置及び照明器具を提供することである。
【解決手段】光源ユニットA1は、LEDモジュール1と、LEDモジュール1に点灯電力を供給する電源装置2と、無線通信部3と、取付部材4と、を備える。無線通信部3は、電磁波を空間に発射し、または空間より電磁波を受け取るアンテナ部31及びアンテナ部31を介して電磁波を媒体とする無線信号の送信又は受信の少なくとも一方を行う無線回路部30を有する。取付部材4は、第1面40AにLEDモジュール1が取り付けられ、第1面40Aと反対の第2面40Bに電源装置2が取り付けられる。電源装置2は、点灯電力を制御する点灯回路21と、点灯回路21及び無線回路部30を収容するケース20と、を有する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、
前記光源に点灯電力を供給する電源装置と、
電磁波を空間に発射し、または空間より電磁波を受け取るアンテナ部及び前記アンテナ部を介して前記電磁波を媒体とする無線信号の送信又は受信の少なくとも一方を行う無線回路部を有する無線通信部と、
第1面に前記光源が取り付けられ、前記第1面と反対の第2面に前記電源装置が取り付けられる取付部材と、
を備え、
前記電源装置は、
前記点灯電力を制御する点灯回路と、
前記点灯回路及び前記無線回路部を収容するケースと、
を有する、
照明装置。
【請求項2】
前記電源装置は、外部電源と電気的に接続される電源端子部を更に有し、
前記ケースは、前記電源端子部、前記点灯回路、前記無線回路部を順番に配置して収容する、
請求項1記載の照明装置。
【請求項3】
前記ケースは、前記第2面と対向する方向から見て前記点灯回路が前記無線通信部の少なくとも一部と重なるように前記点灯回路及び前記無線通信部を収容する、
請求項1記載の照明装置。
【請求項4】
前記点灯回路及び前記無線回路部は、それぞれ別のプリント配線板に形成されており、
前記ケースは、前記点灯回路の前記プリント配線板と前記無線回路部の前記プリント配線板の向きを交差させた状態で収容する、
請求項1-3のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項5】
前記ケース及び前記取付部材の少なくとも一方は、開口部を有する、
請求項1-4のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項6】
前記開口部は、前記アンテナ部から発射される電磁波が到達可能な位置に設けられる、
請求項5記載の照明装置。
【請求項7】
前記開口部は、前記電磁波が電磁的に通過可能な部材で塞がっている、
請求項6記載の照明装置。
【請求項8】
前記電源装置は、前記点灯回路と前記無線回路部を電気的に接続する接続部材を更に有する、
請求項1-7のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項9】
前記接続部材は、コネクタである、
請求項8記載の照明装置。
【請求項10】
前記ケースは、前記点灯回路及び前記無線回路部を支持する支持部を更に有する、
請求項1-9のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項11】
前記電源装置は、電気的な絶縁材料で形成され、前記ケース内において前記点灯回路と前記無線回路部の間に配置される絶縁体を更に有する、
請求項1-10のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項12】
前記無線通信部は、前記アンテナ部を複数有する、
請求項1-11のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項13】
前記点灯回路及び前記無線回路部は、それぞれプリント回路で構成され、前記点灯回路を構成する前記プリント回路と前記無線回路部を構成する前記プリント回路が同一の基板に形成されている、
請求項1-12のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項14】
請求項1-13のいずれかの照明装置と、
前記照明装置を支持する器具本体と、
を備える、
照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、照明装置及び照明器具に関し、より詳細には、電磁波を媒体とする無線通信の機能を有する照明装置及び照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来例として特許文献1記載の照明器具を例示する。特許文献1記載の照明器具は、LEDモジュールと、LEDモジュールを点灯制御する点灯回路と、点灯回路に接続され、他の照明器具又は照明制御機器と無線通信を行う無線通信ユニットと、を備える。
【0003】
無線通信ユニットは、無線通信モジュール基板と、無線通信モジュール基板を収納する無線通信ユニットケースと、を有している。なお、無線通信ユニットケースは、照明器具の板金にネジによって固定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記従来例では、無線通信ユニット(無線通信ユニットケース)と点灯回路が完全に独立した構造となっている。そのため、照明器具の板金に対して点灯回路と無線通信ユニットが別々に取り付けられるため、照明器具(照明装置)の組立て作業に手間がかかる。
【0006】
本開示の目的は、組立て作業の作業性の向上を図ることができる照明装置及び照明器具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様に係る照明装置は、光源と、前記光源に点灯電力を供給する電源装置と、無線通信部と、取付部材と、を備える。前記無線通信部は、電磁波を空間に発射し、または空間より電磁波を受け取るアンテナ部及び前記アンテナ部を介して前記電磁波を媒体とする無線信号の送信又は受信の少なくとも一方を行う無線回路部を有する。前記取付部材は、第1面に前記光源が取り付けられ、前記第1面と反対の第2面に前記電源装置が取り付けられる。前記電源装置は、前記点灯電力を制御する点灯回路と、前記点灯回路及び前記無線回路部を収容するケースと、を有する。
【0008】
本開示の一態様に係る照明器具は、照明装置と、前記照明装置を支持する器具本体と、を備える。
【発明の効果】
【0009】
本開示の照明装置及び照明器具は、組立て作業の作業性の向上を図ることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、本開示の実施形態に係る照明器具の斜視図である。
【
図2】
図2は、同上の照明器具及び本開示の実施形態に係る照明装置である光源ユニットの分解斜視図である。
【
図3】
図3は、同上の光源ユニットの回路ブロック図である。
【
図4】
図4は、同上の光源ユニットのカバーを外した状態の断面図である。
【
図5】
図5は、同上の光源ユニットのカバーを外した状態の一部省略した断面図である。
【
図6】
図6は、同上の照明器具の器具本体と同上の光源ユニットにおける電源装置の正面図である。
【
図7】
図7は、同上の光源ユニットにおける取付部材と無線通信部の一部省略した断面図である。
【
図8】
図8は、同上の光源ユニットにおける取付部材と無線通信部の一部省略した断面図である。
【
図9】
図9は、同上の光源ユニットにおける取付部材、無線通信部及びケースの一部省略した断面図である。
【
図10】
図10Aは、実施形態に係る光源ユニットの変形例1における取付部材と電源装置の一部省略した断面図である。
図10Bは、同上の変形例1における取付部材と電源装置の一部省略した別の断面図である。
【
図11】
図11Aは、実施形態に係る光源ユニットの変形例2における取付部材と電源装置の一部省略した縦断面図である。
図11Bは、変形例2における取付部材と電源装置の一部省略した横断面図である。
【
図12】
図12は、実施形態に係る光源ユニットの変形例3における取付部材と電源装置の一部省略した断面図である。
【
図13】
図13Aは、実施形態に係る光源ユニットの変形例4における取付部材と電源装置の一部省略した断面図である。
図13Bは、変形例4において別の構成の支持部を含む取付部材と電源装置の一部省略した断面図である。
【
図14】
図14は、実施形態に係る光源ユニットの変形例5における電源装置の一部省略した正面図である。
【
図15】
図15は、実施形態に係る光源ユニットの変形例6における電源装置の一部省略した正面図である。
【
図16】
図16は、実施形態に係る光源ユニットの変形例7における電源装置の一部省略した正面図である。
【
図17】
図17Aは、実施形態に係る光源ユニットの別の変形例における取付部材と電源装置の一部省略した断面図である。
図17Bは、実施形態に係る光源ユニットの別の変形例における取付部材と電源装置の一部省略した断面図である。
図17Cは、実施形態に係る光源ユニットの別の変形例における取付部材と電源装置の一部省略した断面図である。
図17Dは、実施形態に係る光源ユニットの別の変形例における取付部材と電源装置の一部省略した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示の実施形態に係る照明装置及び照明器具について、図面を参照して詳細に説明する。ただし、下記の実施形態において説明する各図は模式的な図であり、各構成要素の大きさ及び厚さのそれぞれの比が必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。なお、以下の実施形態で説明する構成は本開示の一例にすぎない。本開示は、以下の実施形態に限定されず、本開示の効果を奏することができれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
【0012】
(1)概要
実施形態に係る照明装置(光源ユニットA1)は、光源(LEDモジュール1)と、光源(LEDモジュール1)に点灯電力を供給する電源装置2と、無線通信部3と、取付部材4と、を備える(
図1及び
図2参照)。
【0013】
無線通信部3は、電磁波を空間に発射し、または空間より電磁波を受け取るアンテナ部31及びアンテナ部31を介して電磁波を媒体とする無線信号の送信又は受信の少なくとも一方を行う無線回路部30を有する(
図3参照)。なお、本実施形態において、無線通信部3が媒体として利用する電磁波は、電波でもよいし、赤外光及び可視光などの電波以外の電磁波でも構わない。
【0014】
取付部材4は、第1面40AにLEDモジュール1が取り付けられ、第1面40Aと反対の第2面40Bに電源装置2が取り付けられる(
図4参照)。電源装置2は、点灯電力を制御する点灯回路21と、点灯回路21及び無線回路部30を収容するケース20と、を有する(
図3及び
図4参照)。
【0015】
従来例においては、無線通信ユニットを収容する無線通信ユニットケースと、点灯回路を収容するケースが完全に独立した構造となっていた。そのため、照明器具の板金に対して点灯回路と無線通信ユニットを別々に取り付ける必要があるので、照明器具(照明装置)の組立て作業に手間がかかってしまう。
【0016】
これに対して実施形態に係る照明装置(光源ユニットA1)では、点灯回路21及び無線回路部30を電源装置2のケース20に収容するので、ケース20を取付部材4に取り付けることで点灯回路21と無線回路部30の取付部材4への取付作業が完了する。その結果、実施形態に係る照明装置(光源ユニットA1)は、従来例に比べて、組立て作業の作業性の向上を図ることができる。
【0017】
また、実施形態に係る照明器具B1は、照明装置(光源ユニットA1)と、照明装置(光源ユニットA1)を支持する器具本体9と、を備える(
図1及び
図2参照)。
【0018】
しかして、実施形態に係る照明器具B1は、従来例に比べて、組立て作業の作業性の向上を図ることができる。
【0019】
(2)詳細
(2-1)照明器具
まず、実施形態に係る照明器具B1(以下、照明器具B1と略す。)について説明する。
【0020】
照明器具B1は、
図1及び
図2に示すように、実施形態に係る照明装置、すなわち、光源ユニットA1(以下、光源ユニットA1と略す。)と、光源ユニットA1を支持する器具本体9とを備える。光源ユニットA1は、天井に直付けされる器具本体9に着脱可能に取り付けられる。ただし、器具本体9は、天井に埋め込まれても構わない。あるいは、器具本体9は、壁に直付けされてもよいし、壁に埋め込まれてもよい。
【0021】
器具本体9は、下面が開放された長尺箱状の収容部90と、収容部90の長手方向に沿った両側の開口端縁より斜め上向きに突出する一対の反射板91と、収容部90及び一対の反射板91の長手方向の両端に設けられた一対のエンド板92とを備える(
図2参照)。なお、収容部90と一対の反射板91は、金属板が打ち抜き加工及び曲げ加工されることで一体に形成される。
【0022】
器具本体9は、収容部90の底面に設けられている複数の取付穴900のうちの少なくともいずれか二つの取付穴900に吊りボルト(不図示)がそれぞれ挿通され、それらの吊りボルトにナット(不図示)が締め付けられることで天井に設置される。また、収容部90の底面に設けられている複数の電源穴901のうちのいずれか一つの電源穴901に電源線が挿通される。ただし、複数の照明器具B1が設置される場合、別の電源穴901に送り配線用の別の電源線が挿通されることがある。
【0023】
収容部90の底面に端子台902が取り付けられている。端子台902は電源ケーブル903と電気的に接続されている。電源ケーブル903の先端には、電源コネクタ904が設けられている。
【0024】
しかして、器具本体9の電源穴901に挿通された電源線は、端子台902と電気的に接続され、端子台902、電源ケーブル903及び電源コネクタ904を介して、光源ユニットA1の電源装置2(具体的には、後述する電源端子部22)と電気的に接続される。
【0025】
(2-2)光源ユニット
光源ユニットA1は、LEDモジュール1と、電源装置2と、無線通信部3と、取付部材4と、カバー7と、を備える(
図2参照)。
【0026】
(2-2-1)LEDモジュール
LEDモジュール1は、多数のLED10と、基板11と、を備えている。基板11は、長尺の矩形板状に形成されている。多数のLED10は、基板11の表面(下面)における短手方向の中央に、基板11の長手方向に沿って等間隔かつ一列に並べて実装されている(
図2参照)。
【0027】
(2-2-2)取付部材
取付部材4は、金属板(例えば、鋼板)が加工されることによって長尺の角樋状に形成されている。取付部材4は、長尺の矩形板状の底板40と、底板40の長手方向に沿った両端から上向きに立ち上がる一対の側板41とを有している。LEDモジュール1は、底板40から切り起こされている複数の爪42によって底板40の下面(第1面40A)に取り付けられている(
図4及び
図5参照)。ただし、取付部材4は、金属板以外の材料、例えば、合成樹脂で形成されてもよい。
【0028】
(2-2-3)カバー
カバー7は、アクリル樹脂又はポリカーボネート樹脂などの透光性を有する合成樹脂によって半円筒形状に形成されている(
図2参照)。また、カバー7は、長手方向に沿って上向きに突出する一対の突壁70を有している。カバー7は、一対の突壁70の間に取付部材4を収容し、取付部材4の一対の側板41の先端(上端)に、一対の突壁70の先端(上端)に形成されている引掛部が引っ掛けられることで取付部材4に取り付けられる。なお、カバー7は、石英ガラスなどの無機ガラスで形成されても構わない。
【0029】
(2-2-4)電源装置
電源装置2は、点灯回路21と、点灯回路21を収容するケース20と、を有する(
図2参照)。
【0030】
点灯回路21は、長方形状の絶縁基板に配線用の導体が印刷されたプリント配線板25と、プリント配線板25の表裏両面にそれぞれ実装された複数の回路部品26と、を有している(
図2参照)。つまり、点灯回路21は、プリント回路で構成されている。
【0031】
図3に点灯回路21の回路構成を示す。点灯回路21は、電力変換回路210、定電流回路211、制御回路212などを備える。
【0032】
電力変換回路210は、例えば、ダイオードブリッジのような整流回路、昇圧チョッパ回路(力率改善回路)などを有する。電力変換回路210は、電源端子部22を通して外部電源P1から供給される交流電力を直流電力に変換する。外部電源P1は、例えば、商用の電力系統であり、実効値100V又は200Vの交流電圧・交流電流を供給する。ただし、電力変換回路210は、昇圧チョッパ回路に代えて、降圧チョッパ回路、昇降圧チョッパ回路、フライバックコンバータなどの力率改善機能を有するスイッチング電源回路を備えてもよい。
【0033】
定電流回路211は、例えば、降圧チョッパ回路(バックコンバータ)を有する。定電流回路211は、電力変換回路210から出力される直流電圧を降圧してLEDモジュール1に印加し、かつ、LEDモジュール1に流れる直流電流を調整する。ただし、定電流回路211は、降圧チョッパ回路に代えて、種々のチョッパ回路、シリーズレギュレータなどを備えてもよい。
【0034】
制御回路212は、例えば、マイクロコントローラを有する。制御回路212は、電力変換回路210の出力電圧を一定の直流電圧に維持するように電力変換回路210を制御する。さらに、制御回路212は、定電流回路211からLEDモジュール1に供給される直流電流を目標値に一致させるように、定電流回路211の降圧チョッパ回路を制御する。なお、制御回路212は、無線通信部3から信号用コネクタ5を介して受け取る調光信号に応じて、LEDモジュール1に供給する直流電流の目標値を変更する。
【0035】
ここで、電源端子部22は、プリント配線板25の長手方向の一端に実装されている(
図2及び
図5参照)。なお、実施形態における電源端子部22は、電源コネクタ904が挿抜可能に接続されるコネクタであるが、電源コネクタ904の代わりに電線の導体が電気的に接続される端子台でもよい。あるいは、電源端子部は、点灯回路21から引き出された口出し線であり、電源ケーブル903の導体と半田接続されても構わない。なお、電源端子部22の構成は、上述した構成以外の構成も含む。また、プリント配線板25の長手方向の他端に、信号用コネクタ5のソケット50が実装されている(
図5参照)。ただし、
図4及び
図5においては、プリント配線板25の表面(下面)と裏面(上面)にそれぞれ実装される回路部品の図示を省略している。
【0036】
ケース20は、長方形状の底壁200と、底壁200の長手方向の両端から、底壁200の短手方向に沿って下向きに突出する一対の第1側壁201を有する。また、ケース20は、底壁200の短手方向の両端から、底壁200の長手方向に沿って下向きに突出する一対の第2側壁202を有する(
図4及び
図5参照)。すなわち、ケース20は、底壁200の前方(下方)に開口部204を有する長尺の箱形に形成されている。また、ケース20は、片方の第2側壁202の先端から外向きに突出する固定片203を有している(
図4参照)。固定片203は、角樋状に形成されている。
【0037】
ケース20は、点灯回路21のプリント配線板25と、後述する無線回路部30のプリント配線板32を長手方向に並べて収容する(
図5参照)。ケース20は、一対の第2側壁202から切り起こされた複数の爪205を有する(
図5参照)。ケース20は、これら複数の爪205の間に挟むようにして2つのプリント配線板25、32を支持する。なお、電源端子部22の差込口は、一方の第1側壁201に設けられた窓穴を通してケース20の外に突出する(
図5参照)。
【0038】
電源装置2は、ケース20の開口部204を取付部材4に向けるように、光源ユニットA1の取付部材4の上面(第2面40B)に取り付けられる(
図2及び
図5参照)。具体的には、片方の第2側壁202及び固定片203が取付部材4の各側板41にねじ止めされることによって、ケース20が取付部材4に固定される。また、取付部材4に取り付けられた状態において、ケース20の開口部204が取付部材4の底板40で塞がれる(
図4及び
図5参照)。
【0039】
(2-2-5)無線通信部
無線通信部3は、無線回路部30と、アンテナ部31と、を有する(
図3参照)。無線回路部30は、4角形の絶縁基板に配線用の導体が印刷されたプリント配線板32と、プリント配線板32に実装された回路部品33と、を有している(
図2参照)。つまり、無線回路部30は、プリント回路で構成されている。なお、プリント配線板32の端部に、信号用コネクタ5のプラグ51が実装されている(
図4及び
図5参照)。プラグ51は、点灯回路21のプリント配線板25に実装されたソケット50と機械的かつ電気的に接続される。なお、プリント配線板25の形状は4角形に限定されず、4角形以外の多角形、円形、などの種々の形状を含む。
【0040】
アンテナ部31は、電磁波(例えば、920MHz帯又は2.4GHz帯の電波)を空間に発射し、かつ、空間より電磁波を受け取るように構成される。アンテナ部31は、例えば、プリント配線板32に印刷された導体で形成された、いわゆるパターンアンテナである。ただし、アンテナ部31は、無線回路部30のプリント配線板32と独立したプリント配線板に形成されても構わない。また、アンテナ部31はパターンアンテナに限定されず、パッチアンテナ(マイクロストリップアンテナ)、チップアンテナ、ロッドアンテナ、フィルムアンテナなどでも構わない。
【0041】
無線回路部30は、アンテナ部31で受け取る電磁波、例えば、920MHz帯又は2.4GHz帯の電波から無線信号を取り出し、当該無線信号から制御情報を取得する。さらに、無線回路部30は、当該制御情報を調光信号に変換し、変換した調光信号を、信号用コネクタ5を介して点灯回路21(制御回路212)に伝送する。
【0042】
点灯回路21は、無線通信部3から受け取る調光信号に応じて、制御回路212がLEDモジュール1に供給する直流電流の目標値を変更することによって、LEDモジュール1を点滅(点灯と消灯の切替え)及び調光する。
【0043】
上述したように、無線通信部3は、点灯回路21とともに電源装置2のケース20に収容される。ここで、リモコンから送信される無線信号は、下方に向けて開口するケース20の開口部204を通してアンテナ部31に到達し得る。ゆえに、光源ユニットA1は、ケース20が金属製である場合においても、アンテナ部31に到達する無線信号の減衰を抑制することができる。
【0044】
(2-3)照明器具の設置
照明器具B1は、以下のような手順で室内の天井に設置される。
【0045】
まず、天井から引き出された電源線が器具本体9の電源穴901を通して収容部90内に引き込まれた後、天井に設けられた吊りボルトに対して器具本体9が取り付けられる。それから、電源穴901から引き込まれた電源線が端子台902と電気的に接続される。
【0046】
次に、電源ケーブル903の電源コネクタ904が電源装置2の電源端子部22に差込接続された後、電源装置2が収容部90に収容されるように光源ユニットA1が器具本体9に取り付けられる。なお、器具本体9に対する光源ユニットA1の取付構造については、従来周知であるから詳細な説明及び図示を省略する。
【0047】
以上の手順で照明器具B1が天井に設置される。
【0048】
ここで、電源装置2のケース20は、電源端子部22、点灯回路21、無線回路部30を順番に配置して収容している。そのため、光源ユニットA1は、器具本体9に取り付けられた状態において、器具本体9の収容部90に取り付けられている端子台902の近くに電源端子部22を配置することができる(
図6参照)。そのため、光源ユニットA1は、電源ケーブル903の短縮化を図ることができる。また、収容部90に設けられている複数の取付穴900の間にケース20が配置される(
図6参照)。ゆえに、光源ユニットA1は、器具本体9の取付穴900に挿通される吊りボルトとケース20の間の距離を十分に離すことができる(
図6参照)。その結果、光源ユニットA1は、吊りボルトとケース20の間に十分な絶縁距離を取ることができる。
【0049】
(2-4)照明器具の動作
器具本体9の端子台902と接続される電源線は、例えば、室内の壁に設置されたスイッチ(以下、壁スイッチと呼ぶ。)によって通電が入切される。つまり、照明器具B1(光源ユニットA1)は、壁スイッチが操作されることで点灯状態と消灯状態に交互に切替えられる。
【0050】
また、照明器具B1(光源ユニットA1)は、壁スイッチを介して通電されている状態において、図示しないリモートコントローラ(以下、リモコンと略す。)から送信される無線信号によって点滅及び調光の遠隔制御が可能である。
【0051】
リモコンは、例えば、人による操作入力を受け付けるとともに、受け付けた操作入力に対応する制御情報を生成する。さらに、リモコンは、生成した制御情報を含む無線信号を送信する。リモコンで生成される制御情報は、照明器具B1(光源ユニットA1)の点灯と消灯の切替え指示、及び調光レベルの指示などである。
【0052】
リモコンから送信される無線信号は、光源ユニットA1の無線通信部3で受信される。無線通信部3は、無線信号に含まれる制御情報を調光信号に変換し、変換した調光信号を、信号用コネクタ5を介して点灯回路21(制御回路212)に伝送する。なお、調光信号は、例えば、光源ユニットA1の定格点灯時の光量を100%とし、0%から100%の任意の値に対応している。ただし、制御情報が消灯から点灯への切替え指示のときは調光信号が100%に設定され、制御情報が点灯から消灯への切替え指示のときは調光信号が0%に設定される。
【0053】
点灯回路21は、無線通信部3から受け取る調光信号に応じて、制御回路212がLEDモジュール1に供給する直流電流の目標値を変更することによって、LEDモジュール1を点滅(点灯と消灯の切替え)及び調光する。なお、制御回路212は、調光信号が0%に設定された場合、電力変換回路210及び定電流回路211を停止することでLEDモジュール1を消灯する。
【0054】
ここで、リモコンから送信される無線信号(電波)の一部は、例えば、ケース20の第1側壁201と取付部材4の底板40との隙間(
図4参照)を電磁的に通過して無線通信部3のアンテナ部31に到達する。なお、光源ユニットA1の取付部材4が金属材料で形成されているため、取付部材4を電磁的に通過してアンテナ部31に到達する無線信号(電波)は減衰してしまう。
【0055】
特に、
図4に示すように、アンテナ部31のパターン形成面(プリント配線板32の下面)から取付部材4(底板40)までの距離D1が短いと無線信号(電波)の減衰が増大することが知られている。したがって、上記距離D1は、例えば、4mm以上であることが望ましい。ただし、距離D1の下限値は、アンテナ部31の電波の出力の大きさ、電波の周波数帯、取付部材4の材料の種類、取付部材4の厚み、などに応じて変化する。
【0056】
さらに、アンテナ部31から発射される電磁波(電波)が到達可能な位置に存在する取付部材4の一部(底板40)に凹所43を形成することが好ましい(
図7参照)。つまり、無線信号(電波)が取付部材4の凹所43を電磁的に通過するときの減衰量は、取付部材4の底板40において凹所43が形成されていない箇所を電磁的に通過するときの減衰量よりも少ない。したがって、光源ユニットA1は、取付部材4の一部(底板40)に凹所43を形成することにより、取付部材4を電磁的に通過する無線信号の減衰の抑制を図ることができる。
【0057】
あるいは、凹所43に代えて、取付部材4の一部(底板40)に開口部44を形成しても構わない(
図8参照)。開口部44は、底板40を厚み方向(上下方向)に貫通している。また、開口部44は、取付部材4の底板40において、アンテナ部31から発射される電磁波(電波)が到達可能な位置に形成されることが好ましい。したがって、光源ユニットA1は、取付部材4の一部(底板40)に開口部44を形成することによって、取付部材4を電磁的に通過する無線信号の減衰の更なる抑制を図ることができる。なお、取付部材4(底板40)に凹所43又は開口部44が形成されれば、上記距離D1の下限値が、凹所43及び開口部44が形成されないときより短くても電波の限定を抑制できる場合がある。ただし、底板40の開口部44を通してカバー7と取付部材4に囲まれた空間に異物(埃及び虫など)が侵入するおそれがある。そのため、電波を減衰させにくい材料(例えば、合成樹脂など)で形成された蓋45で開口部44を塞ぐことが好ましい(
図8参照)。しかして、光源ユニットA1は、開口部44を蓋45で塞ぐことにより、電波の減衰の抑制を図りつつ異物の侵入を防ぐことができる。なお、開口部44は、蓋45以外の部材、例えば、電気絶縁性を有する粘着シートなどで塞がれても構わない。
【0058】
また、ケース20の第2側壁202に開口部206が形成されても構わない(
図9参照)。開口部206は、アンテナ部31から発射される電磁波(電波)が到達可能な位置に設けられることが好ましい。また、開口部は、第1側壁201に設けられても構わない。さらに、開口部206は、合成樹脂などの電波を減衰させにくい材料で形成された蓋207、電気絶縁性を有する粘着シートなどで塞がれることが好ましい。
【0059】
(3)変形例
次に、実施形態に係る光源ユニットA1の幾つかの変形例を説明する。ただし、以下に説明する各変形例は、電源装置2と無線通信部3の構成(特にケース20の構造、ケース20における無線通信部3の配置など)に特徴があり、その他の構成については実施形態に係る光源ユニットA1と共通である。したがって、各変形例の説明において、実施形態に係る光源ユニットA1と共通する構成については図示及び説明を省略する。
【0060】
(3-1)変形例1
変形例1の光源ユニットA1は、点灯回路21のプリント配線板25と無線回路部30のプリント配線板32の向きを交差させた状態でケース20に収容する点に特徴がある(
図10A及び
図10B参照)。なお、プリント配線板25及びプリント配線板32の向きとは、プリント配線板25、32のそれぞれ実装面の法線方向を意味している。具体的には、底壁200とプリント配線板25がほぼ平行となるように点灯回路21がケース20に収容され、第2側壁202とプリント配線板32がほぼ平行となるように無線回路部30(無線通信部3)がケース20に収容される。さらに、プリント配線板25とプリント配線板32は、ケース20の長手方向に沿って隣り合うように並べてケース20に収容される。なお、点灯回路21のプリント配線板25及び無線回路部30のプリント配線板32はそれぞれ、ケース20の第1側壁201に設けられた爪205で保持される。なお、点灯回路21と無線回路部30の電気的な接続は、リード線52によって行われる(
図10A参照)。
【0061】
しかして、変形例1の光源ユニットA1では、実施形態のように2つのプリント配線板25、32の向きを交差させない状態でケース20に収容する場合に比べて、プリント配線板25、32をケース20に収容する作業の作業性の向上を図ることができる。また、アンテナ部31がパターンアンテナ又はパッチアンテナである場合、アンテナ部31はプリント配線板32の厚み方向の指向性を有している。そのため、変形例1の光源ユニットA1は、プリント配線板32を起立させた状態でケース20に収容することにより、無線信号に対して水平方向の受信感度の向上を図ることができる。ここで、プリント配線板32から取付部材4(底板40)までの距離D2(
図10A参照)が近いと取付部材4を電磁的に通過する際の電波の減衰が増大してしまう。そのため、上記距離D2は、例えば、1mm以上であることが望ましい。ただし、距離D2の下限値は、アンテナ部31の電波の出力の大きさ、電波の周波数帯、取付部材4の材料の種類、取付部材4の厚み、などに応じて変化する。
【0062】
なお、無線通信部3は、第1側壁201とプリント配線板32がほぼ平行となるようにケース20に収容されても構わない(
図10B参照)。プリント配線板32は、底壁200に設けられた爪205で保持される。
【0063】
(3-2)変形例2
変形例2の光源ユニットA1は、点灯回路21のプリント配線板25と無線回路部30のプリント配線板32をケース20の高さ方向(上下方向)に並べてケース20に収容する点が変形例1の光源ユニットA1と異なる(
図11A及び
図11B参照)。言い換えると、変形例2の光源ユニットA1は、底板40の第2面40Bと対向する方向(上下方向)から見て点灯回路21が無線通信部3の少なくとも一部と重なるように点灯回路21及び無線通信部3がケース20に収容される点に特徴がある。なお、実施形態において「重なる」とは、上下方向から見たときに、無線回路部30のプリント配線板32の一部又は全部が、点灯回路21のプリント配線板25の投影範囲内に存在することを意味する。
【0064】
点灯回路21のプリント配線板25は、ケース20の第1側壁201に設けられた爪205で保持される。一方、無線回路部30(無線通信部3)のプリント配線板32は、信号用コネクタ5によってプリント配線板25と電気的かつ機械的に接続されることにより、プリント配線板25を介してケース20に保持される。ただし、ケース20に対するプリント配線板25の固定方法は、爪205による保持に限定されない。例えば、ケース20の底壁200から突出するボス(ブリッジ)にプリント配線板25がねじ止めされても構わない。あるいは、無線回路部30のプリント配線板32がケース20に保持され、点灯回路21のプリント配線板25がプリント配線板32を介してケース20に保持されても構わない。若しくは、2つのプリント配線板25、32がそれぞれ独立してケース20に保持されても構わない。
【0065】
しかして、変形例2の光源ユニットA1も変形例1と同様に、プリント配線板25、32をケース20に収容する作業の作業性の向上、及び無線信号に対する水平方向の受信感度の向上を図ることができる。
【0066】
なお、
図11Bに示すように、アンテナ部31のプリント配線板32から取付部材4(底板40)までの距離D2は、無線信号(電波)の減衰を抑制するために1mm以上であることが望ましい。同様に、プリント配線板32からケース20の底壁200までの距離D3も1mm以上であることが望ましい。さらに、プリント配線板32からケース20の第1側壁201までの距離D4、及びプリント配線板32からケース20の第2側壁202までの距離D5は、4mm以上であることが望ましい。ただし、第1側壁201又は第2側壁202に開口部が設けられる場合は、距離D4、D5が4mm以下でも構わない。また、距離D2~D5の下限値は、アンテナ部31の電波の出力の大きさ、電波の周波数帯、取付部材4の材料の種類、取付部材4の厚み、などに応じて変化する。
【0067】
(3-3)変形例3
変形例3の光源ユニットA1は、無線回路部30のプリント配線板32をケース20の第1側壁201と対向させるようにケース20に収容する点が変形例2の光源ユニットA1と異なる(
図12参照)。
【0068】
しかして、変形例3の光源ユニットA1も変形例1、2と同様に、プリント配線板25、32をケース20に収容する作業の作業性の向上、及び無線信号に対する水平方向の受信感度の向上を図ることができる。
【0069】
(3-4)変形例4
変形例4の光源ユニットA1は、点灯回路21及び無線回路部30を支持する支持部208をケース20が有する点に特徴がある(
図13A及び
図13B参照)。
【0070】
支持部208は、平板状で形成されてケース20の第2側壁202からケース20内に突出する横片2080と、平板状に形成されて横片2080の先端から上向きに突出する縦片2081と、を有する(
図13A参照)。支持部208は、例えば、第2側壁202から切り起こされてケース20と一体に形成されても構わない。あるいは、支持部208は、合成樹脂の成形体で形成されても構わない。
【0071】
支持部208の横片2080は、無線回路部30のプリント配線板32の下に配置されてプリント配線板32を下から支持する(
図13A参照)。また、縦片2081は、プリント配線板32の厚み方向に沿ってプリント配線板32と対向し、プリント配線板32の傾きなどを規制する。
【0072】
さらに、支持部208が合成樹脂の成形体で形成される場合、支持部208は、横片2080の後端から上向きに突出する固定片2082を有し、固定片2082が第2側壁202に固定されても構わない(
図13B参照)。支持部208が電気絶縁性を有する合成樹脂の成形体で形成されれば、無線回路部30とケース20の第2側壁202の間を支持部208によって電気的に絶縁することができる。ただし、プリント配線板32の下端と取付部材4の底板40の第2面40Bとの距離が短ければ(例えば、1mm程度)、支持部208の代わりに底板40で無線通信部3の落下を防いでも構わない。
【0073】
しかして、変形例4の光源ユニットA1は、支持部208にプリント配線板32(無線回路部30)を支持させることにより、プラグ51とソケット50の結合が外れることを防ぐことができる。また、輸送中の振動等によって、プリント配線板25とソケット50の半田接合部及びプリント配線板32とプラグ51の半田接合部に過大な応力が加わり、それらの半田接合部の劣化が促進されるおそれがある。しかしながら、点灯回路21及び無線回路部30を支持する支持部208をケース20が有することにより、点灯回路21及び無線回路部30の振動等による半田接合部の劣化の促進を防ぐことができる。
【0074】
(3-5)変形例5
変形例5の光源ユニットA1は、電気的な絶縁材料で形成された絶縁体24を電源装置2が有し、ケース20内において点灯回路21と無線回路部30の間に絶縁体24が配置される点に特徴がある(
図14参照)。
【0075】
絶縁体24は、例えば、合成樹脂材料によって平板状に形成されている。そして、絶縁体24は、一対の第1側壁201と平行となるように、点灯回路21のプリント配線板25と無線回路部30のプリント配線板32の間に配置される。
【0076】
しかして、変形例5の光源ユニットA1では、点灯回路21と無線回路部30の絶縁距離を絶縁体24によって大きくすることができる。その結果、変形例5の光源ユニットA1は、点灯回路21と無線回路部30の短絡故障、点灯回路21及び無線回路部30のノイズによる誤動作の抑制を図ることができる。
【0077】
なお、絶縁体24の一部に溝又は穴が設けられていても構わない。あるいは、絶縁体24が箱状に形成され、無線通信部3を内部に収容にするように構成されても構わない。
【0078】
(3-6)変形例6
変形例6の光源ユニットA1は、無線通信部3がアンテナ部31を複数有する点に特徴がある(
図15参照)。変形例6における無線通信部3は、無線回路部30のプリント配線板32に形成されたアンテナ部(以下、第1のアンテナ部31Aと呼ぶ。)と、プリント配線板32とは別の基板(以下、アンテナ基板34と呼ぶ。)に形成されたアンテナ部(以下、第2のアンテナ部31Bと呼ぶ。)と、を有する。
【0079】
ここで、第1のアンテナ部31Aの受信感度がピークとなる方向と、第2のアンテナ部31Bの受信感度がピークとなる方向と、を互いに90度程度ずれていることが好ましい。これにより、変形例6の光源ユニットA1は、無線通信部3における電磁波(電波)の受信可能な範囲の拡大を図ることができる。
【0080】
また、第1のアンテナ部31Aと第2のアンテナ部31Bは、互いに異なる周波数帯の電波を空間に発射し、または空間より電波を受け取るように構成されても構わない。
【0081】
さらに、無線回路部30と第1及び第2のアンテナ部31A、31Bは、点灯回路21のプリント配線板25に形成されても構わない。つまり、点灯回路21と無線通信部3が同一の基板(1枚のプリント配線板25)に形成されても構わない。光源ユニットA1は、点灯回路21と無線通信部3が同一の基板に形成されることにより、電源装置2の小型化を図ることができる。
【0082】
なお、第2のアンテナ部31Bは、電波以外の電磁波、例えば、赤外光又は可視光を空間に発射し、または空間より受け取るように構成されても構わない。この場合、第2のアンテナ部31Bは、赤外光又は可視光を電気信号に変換する光電変換素子、または電気信号を赤外光又は可視光に変換する発光素子、を有する。ゆえに、変形例6の光源ユニットA1は、異なる種類の電磁波(例えば、電波と赤外光又は可視光)を媒体とする通信を行うことができる。
【0083】
(3-7)変形例7
変形例7の光源ユニットA1は、ケース20内における点灯回路21と無線通信部3の配置に特徴がある。変形例7の光源ユニットA1において、点灯回路21のプリント配線板25の中央に4角形の空所250が形成され、その空所250内に無線回路部30のプリント配線板32が配置されている(
図16参照)。
【0084】
変形例7の光源ユニットA1は、ケース20内のスペースを有効に利用してケース20の小型化を図ることができる。
【0085】
(3-8)その他の変形例
点灯回路21のプリント配線板25と無線通信部3のプリント配線板32は、ケース20の高さ方向(上下方向)に離れた状態でケース20に収容されても構わない(
図17A参照)。このとき、無線通信部3のプリント配線板32は、ケース20の高さ方向において、点灯回路21のプリント配線板25よりもケース20の開口部204に近い位置に配置されることが好ましい。無線通信部3(特にアンテナ部31)がケース20の開口部204の近くに配置されることにより、無線信号の減衰の低減を図ることができる。ただし、点灯回路21のプリント配線板25がケース20の開口部204の近くに配置されても構わない(
図17B参照)。この場合、点灯回路21と無線通信部3を電気的に接続する導体(例えば、電線)の長さを短縮することができ、耐ノイズ性の向上を図ることができる。
【0086】
また、点灯回路21のプリント配線板25は、ケース20の高さ方向(取付部材4の底板40の第2面40Bと対向する方向)から見て、無線通信部3のプリント配線板32と全部が重なるようにケース20に収容されても構わない(
図17C参照)。このように点灯回路21のプリント配線板25に無線通信部3のプリント配線板32の全部を重ねるようにケース20に収納すれば、ケース20の長手方向の寸法を短くすることができる。ただし、点灯回路21のプリント配線板25は、無線通信部3のプリント配線板32の一部と重なるようにケース20に収納されても構わない(
図17D参照)。
【0087】
点灯回路21と無線回路部30を接続する接続部材は信号用コネクタ5に限定されず、複数の電線が束ねられたハーネスケーブルなどでもよい。また、信号用コネクタ5は、プリント配線板25、32の表面に双方向から挿抜される構造に限定されず、プリント配線板25、32の厚み方向から挿抜される構造であっても構わない。
【0088】
さらに、各プリント配線板25、32は、例えば、ケース20の底壁200から突出する複数のボスにねじ止めされることでケース20に固定されても構わない。
【0089】
なお、無線通信部3は、LEDモジュール1の照明制御に関わる情報を含む無線信号の受信だけでなく、その他の情報を含む無線信号の受信及び送信を行っても構わない。
【0090】
例えば、無線通信部3は、光源ユニットA1の使用状態に関する情報を含む無線信号を送信してもよい。光源ユニットA1の使用状態に関する情報とは、例えば、使用が開始された時期(日付)、累積点灯時間、電源装置2又はLEDモジュール1の異常の発生、電源装置2又はLEDモジュール1の寿命の診断結果、点灯していた時間帯、消費電力などである。あるいは、無線通信部3は、光源ユニットA1又は器具本体9に設けられたセンサの検知情報を含む無線信号を送信してもよい。センサの検知情報とは、例えば、人感センサによる人の存否の検知情報、明るさセンサによる明るさ(照度)の検知情報等である。または、無線通信部3は、光源ユニットA1の識別情報を含む無線信号を送信しても構わない。光源ユニットA1の識別情報とは、光源ユニットA1の製造ロットの番号、光源ユニットA1の品種に対応した型番などである。
【0091】
上述した各種の情報(照明制御に関わる情報以外の情報)は、照明器具B1を他の機器と連動させる用途に使用されてもよい。照明器具B1と連動される他の機器は、例えば、テレビ受像機、ワイヤレススピーカー又はスマートスピーカーなどの音響機器、エアコンディショナ、空気清浄器などの空調・空質機器、セキュリティ機器、防災機器などである。
【0092】
(4)まとめ
本開示の第1の態様に係る照明装置(光源ユニットA1)は、光源(LEDモジュール1)と、光源に点灯電力を供給する電源装置(2)と、無線通信部(3)と、取付部材(4)と、を備える。無線通信部(3)は、電磁波を空間に発射し、または空間より電磁波を受け取るアンテナ部(31)及びアンテナ部(31)を介して電磁波を媒体とする無線信号の送信又は受信の少なくとも一方を行う無線回路部(30)を有する。取付部材(4)は、第1面(40A)に光源が取り付けられ、第1面(40A)と反対の第2面(40B)に電源装置(2)が取り付けられる。電源装置(2)は、点灯電力を制御する点灯回路(21)と、点灯回路(21)及び無線回路部(30)を収容するケース(20)と、を有する。
【0093】
第1の態様に係る照明装置は、点灯回路(21)及び無線回路部(30)を電源装置(2)のケース(20)に収容するので、ケース(20)を取付部材(4)に取り付けることで点灯回路(21)と無線回路部(30)の取付部材(4)への取付作業が完了する。その結果、第1の態様に係る照明装置は、従来例に比べて、組立て作業の作業性の向上を図ることができる。
【0094】
本開示の第2の態様に係る照明装置は、第1の態様との組合せにより実現され得る。第2の態様に係る照明装置において、電源装置(2)は、外部電源と電気的に接続される電源端子部(22)を更に有することが好ましい。ケース(20)は、電源端子部(22)、点灯回路(21)、無線回路部(30)を順番に配置して収容することが好ましい。
【0095】
第2の態様に係る照明装置は、器具本体(9)に取り付けられた状態において、器具本体(9)に取り付けられている端子台(902)の近くに電源端子部(22)を配置することができる。そのため、第2の態様に係る照明装置は、電源端子部(22)と点灯回路(21)を接続する配線(電源ケーブル903)の短縮化を図ることができる。
【0096】
本開示の第3の態様に係る照明装置は、第1の態様との組合せにより実現され得る。第3の態様に係る照明装置において、ケース(20)は、第2面(40B)と対向する方向から見て点灯回路(21)が無線通信部(3)の少なくとも一部と重なるように点灯回路(21)及び無線通信部(3)を収容することが好ましい。
【0097】
第3の態様に係る照明装置は、第2面(40B)と平行な方向におけるケース(20)の短縮化を図ることができる。
【0098】
本開示の第4の態様に係る照明装置は、第1-第3のいずれかの態様との組合せにより実現され得る。第4の態様に係る照明装置において、点灯回路(21)及び無線回路部(30)は、それぞれ別のプリント配線板(プリント配線板25、プリント配線板32)に形成されていることが好ましい。ケース(20)は、点灯回路(21)のプリント配線板(25)と無線回路部(30)のプリント配線板(32)の向きを交差させた状態で収容することが好ましい。
【0099】
第4の態様に係る照明装置は、点灯回路(21)のプリント配線板(25)と無線回路部(30)のプリント配線板(32)の向きを交差させない場合に比べて、点灯回路(21)と無線回路部(30)をケース(20)に収容する作業の作業性の向上を図ることができる。
【0100】
本開示の第5の態様に係る照明装置は、第1-第4のいずれかの態様との組合せにより実現され得る。第5の態様に係る照明装置において、ケース(20)及び取付部材(4)の少なくとも一方は、開口部(204;44)を有することが好ましい。
【0101】
第5の態様に係る照明装置は、ケース(20)が電磁波を電磁的に通過させにくい材料(例えば、金属)で形成される場合においても、アンテナ部(31)に到達する無線信号の減衰を抑制することができる。
【0102】
本開示の第6の態様に係る照明装置は、第5の態様との組合せにより実現され得る。第6の態様に係る照明装置において、開口部(204;44)は、アンテナ部(31)から発射される電磁波が到達可能な位置に設けられることが好ましい。
【0103】
第6の態様に係る照明装置は、アンテナ部(31)に到達する無線信号の減衰を更に抑制することができる。
【0104】
本開示の第7の態様に係る照明装置は、第6の態様との組合せにより実現され得る。第7の態様に係る照明装置において、開口部(204;44)は、電磁波が電磁的に通過可能な部材(蓋45)で塞がっていることが好ましい。
【0105】
第7の態様に係る照明装置は、電磁波の減衰の抑制を図りつつ、開口部(204;44)を通した異物の侵入を防ぐことができる。
【0106】
本開示の第8の態様に係る照明装置は、第1-第7のいずれかの態様との組合せにより実現され得る。第8の態様に係る照明装置において、電源装置(2)は、点灯回路(21)と無線回路部(30)を電気的に接続する接続部材(信号用コネクタ5)を更に有することが好ましい。
【0107】
第8の態様に係る照明装置は、点灯回路(21)と無線回路部(30)の電気的な接続作業の作業性の向上を図ることができる。
【0108】
本開示の第9の態様に係る照明装置は、第8の態様との組合せにより実現され得る。第9の態様に係る照明装置において、接続部材は、コネクタであることが好ましい。
【0109】
第9の態様に係る照明装置は、点灯回路(21)と無線回路部(30)の電気的な接続作業の作業性の更なる向上を図ることができる。
【0110】
本開示の第10の態様に係る照明装置は、第1-第9のいずれかの態様との組合せにより実現され得る。第10の態様に係る照明装置において、ケース(20)は、点灯回路(21)及び無線回路部(30)を支持する支持部(208)を更に有することが好ましい。
【0111】
第10の態様に係る照明装置は、支持部(208)に点灯回路(21)及び無線回路部(30)を支持させることにより、点灯回路(21)と無線回路部(30)の電気的な接続が外れることを防ぐことができる。
【0112】
本開示の第11の態様に係る照明装置は、第1-第10のいずれかの態様との組合せにより実現され得る。第11の態様に係る照明装置において、電源装置(2)は、電気的な絶縁材料で形成され、ケース(20)内において点灯回路(21)と無線回路部(30)の間に配置される絶縁体(24)を更に有することが好ましい。
【0113】
第11の態様に係る照明装置は、点灯回路(21)と無線回路部(30)の絶縁距離を絶縁体(24)によって大きくすることができる。その結果、第11の態様に係る照明装置は、点灯回路(21)と無線回路部(30)の短絡故障、点灯回路(21)及び無線回路部(30)のノイズによる誤動作の抑制を図ることができる。
【0114】
本開示の第12の態様に係る照明装置は、第1-第11のいずれかの態様との組合せにより実現され得る。第12の態様に係る照明装置において、無線通信部(3)は、アンテナ部(31)を複数有することが好ましい。
【0115】
第12の態様に係る照明装置は、例えば、複数のアンテナ部(31)のそれぞれの感度がピークとなる方向を互いにずらすことにより、無線通信部(3)における電磁波の感度の拡大を図ることができる。
【0116】
本開示の第13の態様に係る照明装置は、第1-第12のいずれかの態様との組合せにより実現され得る。第13の態様に係る照明装置において、点灯回路(21)及び無線回路部(30)は、それぞれプリント回路で構成されることが好ましい。点灯回路(21)及び無線回路部(30)は、点灯回路(21)を構成するプリント回路と無線回路部(30)を構成するプリント回路が同一の基板に形成されていることが好ましい。
【0117】
第13の態様に係る照明装置は、電源装置(2)の小型化を図ることができる。
【0118】
本開示の第14の態様に係る照明器具(B1)は、第1-第13のいずれかの照明装置と、照明装置を支持する器具本体(9)と、を備えることを特徴とする。
【0119】
第14の態様に係る照明器具(B1)は、従来例に比べて、組立て作業の作業性の向上を図ることができる。
【符号の説明】
【0120】
A1 光源ユニット(照明装置)
B1 照明器具
1 LEDモジュール(光源)
2 電源装置
3 無線通信部
4 取付部材
5 信号用コネクタ(接続部材)
9 器具本体
20 ケース
21 点灯回路
22 電源端子部
24 絶縁体
30 無線回路部
31 アンテナ部
40A 第1面
40B 第2面
44 開口部
45 蓋
204 開口部
208 支持部