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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023138181
(43)【公開日】2023-10-02
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 23/34 20060101AFI20230922BHJP
【FI】
H01L23/34 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022044737
(22)【出願日】2022-03-18
(71)【出願人】
【識別番号】000116024
【氏名又は名称】ローム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100135389
【弁理士】
【氏名又は名称】臼井 尚
(74)【代理人】
【識別番号】100168099
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 伸太郎
(72)【発明者】
【氏名】土山 寿朗
【テーマコード(参考)】
5F136
【Fターム(参考)】
5F136DA04
5F136DA13
5F136EA13
(57)【要約】
【課題】放熱性を向上させるのに適した半導体装置を提供する。
【解決手段】厚さ方向zの一方側を向く第1面11aを有する第1リード1と、第1面11aに支持された半導体素子3と、第1リード1の少なくとも一部、および半導体素子3を覆う封止樹脂5と、を備え、半導体素子3は、電気的に機能する第1部3Aと、第1部3Aに隣接し、且つ電気的に機能しない第2部3Bと、を含み、厚さ方向zに見たときの第2部3Bの面積である第2面積は、厚さ方向zに見たときの第1部3Aの面積である第1面積以上である。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
厚さ方向の一方側を向く第1面を有する第1リードと、
前記第1面に支持された半導体素子と、
前記第1リードの少なくとも一部、および前記半導体素子を覆う封止樹脂と、を備え、
前記半導体素子は、電気的に機能する第1部と、前記第1部に隣接し、且つ電気的に機能しない第2部と、を含み、
前記厚さ方向に見たときの前記第2部の面積である第2面積は、前記厚さ方向に見たときの前記第1部の面積である第1面積以上である、半導体装置。
【請求項2】
前記第2部は、前記第1部に対して、前記厚さ方向に直交する第1方向、ならびに前記厚さ方向および前記第1方向の双方に直交する第2方向のうち少なくともいずれかに隣接して配置される、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記第2部は、前記第1部に対して、前記第1方向の一方側に隣接して配置される、請求項2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記第2部は、前記第1部に対して、前記第1方向の一方側および他方側それぞれに隣接して配置される、請求項2に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記第2面積は、前記第1面積と同一であり、
前記第2部において、前記第1部に対して前記第1方向の両側に配置された部位の各々の前記厚さ方向視における面積は、前記第1面積の1/2である、請求項4に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記第1部は、前記厚さ方向に見て矩形状であり、
前記第2部は、前記厚さ方向に見て矩形状をなす少なくとも1つの矩形部位からなる、請求項1ないし5のいずれかに記載の半導体装置。
【請求項7】
前記第2面積は、前記第1面積の整数倍である、請求項6に記載の半導体装置。
【請求項8】
前記第1面と前記半導体素子との間に介在し、且つ前記第1面と前記半導体素子とを接合する接合材をさらに備える、請求項1ないし5のいずれかに記載の半導体装置。
【請求項9】
前記接合材は、導電性を有する、請求項8に記載の半導体装置。
【請求項10】
前記接合材の構成材料は、銀を含む、請求項9に記載の半導体装置。
【請求項11】
前記半導体素子は、前記厚さ方向の一方側を向く素子主面と、前記素子主面に配置された複数の電極パッドと、を有し、
前記複数の電極パッドは、前記第1部に配置された少なくとも1つの第1電極パッドを含み、
各々が第1端部および第2端部を有する少なくとも1つの導通部材をさらに備え、
前記少なくとも1つの導通部材は、前記少なくとも1つの第1電極パッドに対応して当該第1電極パッドに前記第1端部が接続されている、請求項7に記載の半導体装置。
【請求項12】
前記厚さ方向に見て前記第1リードから離隔して配置された少なくとも1つの第2リードをさらに備え、
前記少なくとも1つの導通部材は、前記第2端部が前記少なくとも1つの第2リードに接続されたものを含む、請求項11に記載の半導体装置。
【請求項13】
前記複数の電極パッドは、前記第2部に配置された少なくとも1つの第2電極パッドを含み、
前記少なくとも1つの第2電極パッドには、前記少なくとも1つの導通部材のいずれも接続されていない、請求項11または12に記載の半導体装置。
【請求項14】
前記複数の電極パッドのすべてが、前記第1部に配置された前記少なくとも1つの第1電極パッドである、請求項11または12に記載の半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体素子を備えた半導体装置は、様々な構成が提案されている。特許文献1には、従来の半導体装置の一例が開示されている。同文献に開示された半導体装置は、リード、半導体素子および封止樹脂を備えている。半導体素子は、リードに支持されている。封止樹脂は、各リードの一部と半導体素子とを覆っている。
【0003】
このような半導体装置において、半導体素子から発生した熱により当該半導体素子の温度が上昇する。半導体素子の過度な温度上昇を抑制するため、放熱性の向上が望まれる場合があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2018-113359号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示は、上記した事情のもとで考え出されたものであって、放熱性を向上させるのに適した半導体装置を提供することを主たる課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示によって提供される半導体装置は、厚さ方向の一方側を向く第1面を有する第1リードと、前記第1面に支持された半導体素子と、前記第1リードの少なくとも一部、および前記半導体素子を覆う封止樹脂と、を備え、前記半導体素子は、電気的に機能する第1部と、前記第1部に隣接し、且つ電気的に機能しない第2部と、を含み、前記厚さ方向に見たときの前記第2部の面積である第2面積は、前記厚さ方向に見たときの前記第1部の面積である第1面積以上である。
【発明の効果】
【0007】
本開示の半導体装置によれば、放熱性を向上させることができる。
【0008】
本開示のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本開示の第1実施形態に係る半導体装置を示す平面図である。
図2図2は、本開示の第1実施形態に係る半導体装置を示す底面図である。
図3図3は、本開示の第1実施形態に係る半導体装置を示す平面図(封止樹脂を透過)である。
図4図4は、図3のIV-IV線に沿う拡大断面図である。
図5図5は、図3のV-V線に沿う拡大断面図である。
図6図6は、図3のVI-VI線に沿う拡大断面図である。
図7図7は、図3の部分拡大図である。
図8図8は、第1実施形態の第1変形例に係る半導体装置を示す平面図(封止樹脂を透過)である。
図9図9は、図8のIX-IX線に沿う拡大断面図である。
図10図10は、第1実施形態の第2変形例に係る半導体装置を示す平面図(封止樹脂を透過)である。
図11図11は、図10のXI-XI線に沿う拡大断面図である。
図12図12は、第1実施形態の第3変形例に係る半導体装置を示す平面図(封止樹脂を透過)である。
図13図13は、第1実施形態の第4変形例に係る半導体装置を示す平面図(封止樹脂を透過)である。
図14図14は、本開示の第2実施形態に係る半導体装置を示す平面図(封止樹脂を透過)である。
図15図15は、第2実施形態の第1変形例に係る半導体装置を示す平面図(封止樹脂を透過)である。
図16図16は、第2実施形態の第2変形例に係る半導体装置を示す平面図(封止樹脂を透過)である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示の好ましい実施の形態につき、図面を参照して具体的に説明する。
【0011】
本開示における「第1」、「第2」、「第3」等の用語は、単にラベルとして用いたものであり、必ずしもそれらの対象物に順列を付することを意図していない。
【0012】
本開示において、「ある物Aがある物Bに形成されている」および「ある物Aがある物B上に形成されている」とは、特段の断りのない限り、「ある物Aがある物Bに直接形成されていること」、および、「ある物Aとある物Bとの間に他の物を介在させつつ、ある物Aがある物Bに形成されていること」を含む。同様に、「ある物Aがある物Bに配置されている」および「ある物Aがある物B上に配置されている」とは、特段の断りのない限り、「ある物Aがある物Bに直接配置されていること」、および、「ある物Aとある物Bとの間に他の物を介在させつつ、ある物Aがある物Bに配置されていること」を含む。同様に、「ある物Aがある物B上に位置している」とは、特段の断りのない限り、「ある物Aがある物Bに接して、ある物Aがある物B上に位置していること」、および、「ある物Aとある物Bとの間に他の物が介在しつつ、ある物Aがある物B上に位置していること」を含む。また、「ある物Aがある物Bにある方向に見て重なる」とは、特段の断りのない限り、「ある物Aがある物Bのすべてに重なること」、および、「ある物Aがある物Bの一部に重なること」を含む。また、本開示において「ある面Aが方向B(の一方側または他方側)を向く」とは、面Aの方向Bに対する角度が90°である場合に限定されず、面Aが方向Bに対して傾いている場合を含む。また「ある物Aがある物Bに支持されている」とは、特段の断りのない限り、「ある物Aがある物Bに直接支持されていること」、および、「ある物Aとある物Bとの間に他の物を介在させつつ、ある物Aがある物Bに支持されていること」を含む。
【0013】
<第1実施形態>
図1図7は、本開示の第1実施形態に係る半導体装置を示している。本実施形態の半導体装置A10は、第1リード1、複数の第2リード2A,2B,2C,2D、半導体素子3、複数のワイヤ4、および封止樹脂5を備えている。
【0014】
図1は、半導体装置A10を示す平面図である。図2は、半導体装置A10を示す底面図である。図3は、半導体装置A10を示す平面図である。図4は、図3のIV-IVに沿う拡大断面図である。図5は、図3のV-V線に沿う拡大断面図である。図6は、図3のVI-VI線に沿う拡大断面図である。図7は、図3の部分拡大図である。なお、図3においては、理解の便宜上、封止樹脂5を透過させており、当該封止樹脂5を想像線で示している。
【0015】
半導体装置A10の説明においては、半導体装置A10の厚さ方向(平面視方向)は、本開示の「厚さ方向」の一例であり、「厚さ方向z」と呼ぶ。厚さ方向zに対して直交する方向は、本開示の「第1方向」の一例であり、「第1方向x」と呼ぶ。厚さ方向zおよび第1方向xの双方に対して直交する方向は、本開示の「第2方向」の一例であり、「第2方向y」と呼ぶ。また、図3において図中右側は本開示の「第1方向の一方側」の一例であり、「第1方向xの一方側」と呼び、図中左側は本開示の「第1方向の他方側」の一例であり、「第1方向xの他方側」と呼ぶ。図3において図中上側を「第2方向yの一方側」と呼び、図中下側を「第2方向yの他方側」と呼ぶ。図4において図中上側は本開示の「厚さ方向の一方側」の一例であり、「厚さ方向zの一方側」と呼び、図中下側は本開示の「厚さ方向の他方側」の一例であり、「厚さ方向zの他方側」と呼ぶ。なお、半導体装置A10の大きさは特に限定されない。
【0016】
第1リード1および第2リード2A~2Dは、たとえば、金属板(リードフレーム)に打ち抜き加工や折り曲げ加工等を施すことにより形成されている。第1リード1および第2リード2A~2Dの構成材料は特に限定されず、たとえばCu(銅)およびNi(ニッケル)のいずれか、またはこれらの合金などからなる。なお、耐食性、導電性、熱伝導性、あるいは、接合性などを考慮して、第1リード1および第2リード2A~2Dの各々の表面の一部にめっきを施していてもよい。
【0017】
第1リード1は、半導体素子3が搭載される部材である。図3図6に示すように、第1リード1は、ダイパッド11、突出部12、根元部13、中間屈曲部14、パッド部15、連結部16、端子部17、屈曲部18および庇部19を有する。
【0018】
ダイパッド11は、第1面11aおよびパッド裏面11bを有する。第1面11aは、厚さ方向zの一方側を向いており、パッド裏面11bは第1面11aとは反対側(厚さ方向zの他方側)を向く。第1面11aには、半導体素子3が搭載されており、この第1面11aに半導体素子3が支持されている。ダイパッド11の形状は何ら限定されず、図示された例においては、厚さ方向zに見て略矩形状である。また、図4図6に示すように、本実施形態においては、パッド裏面11bは、封止樹脂5から露出している。パッド裏面11bは、たとえば半導体装置A10を図示しない回路基板等に実装する際に、はんだなどの接合材によって接合される部位である。
【0019】
突出部12は、図3図5に示すように、ダイパッド11に対して第2方向yの一方側に位置する部位である。突出部12の形状は何ら限定されず、図示された例においては、厚さ方向zに見て第1方向xを長手方向とする略長矩形状である。突出部12は、ダイパッド11から第2方向yの一方側に延出しており、先端側が封止樹脂5から第2方向yの一方側に突出している。根元部13は、ダイパッド11から第2方向yの他方側に延出しており、第2方向yに沿った形状である。根元部13は、ダイパッド11の第1方向xにおける中央付近につながっている。中間屈曲部14は、根元部13の第2方向y先端につながっており、第1方向xに見て厚さ方向zの一方側(図5における上側)に屈曲した形状部位である。パッド部15は、ダイパッド11に対して第2方向yの他方側に位置する。パッド部15は、複数のワイヤ4のいずれかが接合される部位である。連結部16は、中間屈曲部14とパッド部15とを連結する部位である。
【0020】
端子部17は、パッド部15に対して第2方向yの他方側(図3における下側)に位置する。端子部17は、封止樹脂5から露出している。端子部17は、たとえば半導体装置A10を図示しない回路基板に実装する際に、はんだなどの接合材によって接合される部位である。屈曲部18は、連結部16と端子部17とをつないでおり、第1方向xに見て厚さ方向zの他方側(図5における下側)に屈曲した形状部位である。屈曲部18は、封止樹脂5から露出している。
【0021】
庇部19は、ダイパッド11の周縁部から第1方向xまたは第2方向yに突出した形状部分を有する部位である。庇部19は、たとえば、封止樹脂5の一部と係合することにより、封止樹脂5によるダイパッド11の保持力を高めるために設けられている。なお、第1リード1の具体的な形状については、図示した例に限定されない。
【0022】
図3に示すように、複数の第2リード2A~2Dは、厚さ方向zに見て、第1リード1から離隔して配置されている。複数の第2リード2A~2Dは、厚さ方向zに見て、ダイパッド11に対して第2方向yの他方側に位置する。また、複数の第2リード2A~2Dは、第1方向xに間隔を隔てて配置されている。第2リード2A,2B,2C,2Dは、第1方向xの他方側(図3における左側)から一方側(図3における右側)に向けてこの順に配置されている。また、第2リード2A,2Bは、第1リード1のパッド部15、連結部16、端子部17および屈曲部18に対して第1方向xの他方側に位置し、第2リード2C,2Dは、これらパッド部15、連結部16、端子部17および屈曲部18に対して第1方向xの一方側に位置する。
【0023】
複数の第2リード2A~2Dの各々は、パッド部21、端子部22および屈曲部23を有する。各パッド部21は、複数のワイヤ4のいずれかが接合される部位である。各端子部22は、対応するパッド部21に対して第2方向yの他方側(図3における下側)に位置する。端子部22は、封止樹脂5から露出している。端子部22は、たとえば半導体装置A10を図示しない回路基板に実装する際に、はんだなどの接合材によって接合される部位である。
【0024】
屈曲部23は、パッド部21とこれに対応する端子部22とをつないでおり、第1方向xに見て厚さ方向zの他方側(図4における下側)に屈曲した形状部位である。屈曲部23は、封止樹脂5から露出している。なお、複数の第2リード2A~2Dの配置、配列数や具体的な形状については、図示した例に限定されない。
【0025】
半導体素子3は、半導体装置A10の電気的機能を発揮する要素である。半導体素子3の種類は特に限定されないが、たとえばLSI(Large Scale Integration)などの集積回路(IC)である。また、半導体素子3は、オペアンプなどの増幅用素子、ダイオードやトランジスタなどのディスクリート半導体素子であってもよい。
【0026】
半導体素子3は、厚さ方向zに見て矩形状である。半導体素子3は、ダイパッド11(第1リード1)の第1面11aに支持されている。半導体素子3は、素子主面30a、素子裏面30bおよび複数の電極パッド31を有する。
【0027】
素子主面30aは、厚さ方向zの一方側(図4図6における上側)を向く面である。素子裏面30bは、厚さ方向zにおいて素子主面4aとは反対側の他方側(図4図6における下側)を向く面である。素子主面30aは、厚さ方向zにおいてダイパッド11の第1面11aと同じ側を向く。このため、素子裏面30bは、第1面11aに対向している。
【0028】
図4図6に示すように、半導体素子3の素子裏面30bは、接合材39により第1面11a(ダイパッド11、第1リード1)に接合されている。接合材39は、第1面11aと素子裏面30b(半導体素子3)との間に介在しており、第1面11a(ダイパッド11)と素子裏面30b(半導体素子3)とを接合する。接合材39は、一般的な絶縁性接合材または導電性接合材からなる。本実施形態においては、素子裏面30bに導電層や電極パッドが配置されていないので、接合材39として、絶縁性接合材または導電性接合材のいずれを用いてもよい。接合材39として導電性接合材を用いる場合、接合材39の構成材料は、たとえばAg(銀)を含む。半導体装置A10では、接合材39は焼成銀である。また、素子裏面30bに導電層や電極パッドが配置されている場合、接合材39として、たとえばはんだが用いられる。
【0029】
図3に示すように、半導体素子3は、第1部3Aおよび第2部3Bを含む。第1部3Aは、半導体装置A10において電気的に機能する部位である。第2部3Bは、第1部3Aに隣接している。第2部3Bは、半導体装置A10において電気的に機能しない部位である。第1部3Aは、厚さ方向zに見て矩形状である。第2部3Bは、厚さ方向zに見て矩形状をなす少なくとも1つの矩形部位からなる。本実施形態においては、第2部3Bは、1つの矩形部位からなり、第1部3Aに対して第1方向xの一方側に隣接して配置されている。本実施形態では、第1部3A(第2部3B)は、第1方向xに沿う辺を短辺とし、第2方向yに沿う辺を長辺とする長方形である。第1部3A(第2部3B)の矩形形状はこれに限定されない。第1部3A(第2部3B)は、第1方向xに沿う辺を長辺とし、第2方向yに沿う辺を短辺とする長方形であってもよい。また、第1部3A(第2部3B)は、第1方向xに沿う辺の長さと第2方向yに沿う辺の長さが等しい正方形であってもよい。
【0030】
複数の電極パッド31は、図3に示すように、素子主面30aに配置されている。複数の電極パッド31は、少なくとも1つの第1電極パッド32および少なくとも1つの第2電極パッド33を含む。第1電極パッド32は、第1部3Aに配置された電極パッドである。本実施形態では、複数の第1電極パッド32が第1部3Aに配置されている。第2電極パッド33は、第2部3Bに配置された電極パッドである。本実施形態では、複数の第2電極パッド33が第2部3Bに配置されている。第2部3Bにおける複数の第2電極パッド33の配置は、第1部3Aにおける複数の第1電極パッド32の配置と同一である。なお、複数の第1電極パッド32および複数の第2電極パッド33の配置は、本実施形態において図示した例に限定されない。
【0031】
第1部3Aおよび第2部3Bは、それぞれ回路パターンが作り込まれ、且つ表面に同様の配置の複数の電極パッド31(複数の第1電極パッド32と複数の第2電極パッド33)が設けられている。第1部3Aおよび第2部3Bは、通常は各々が半導体素子1チップとして構成される部位である。本実施形態においては、半導体素子3の製造の際、半導体ウエハを切断して個片化する工程において、第1方向xに隣接する2チップ分を1つの個片として切断する。
【0032】
図7において、第1部3Aには右上がりのハッチングを付しており、第2部3Bには右下がりのハッチングを付している。厚さ方向zに見たときの第2部3Bの面積(第2面積S2)は、厚さ方向zに見たときに第1部3Aの面積(第1面積S1)と同一である。第2面積S2が第1面積S1と「同一」とは、第2面積S2が第1面積S1と略同一であることを含み、製造上のばらつきの範囲を含むものとする。なお、本実施形態では、半導体素子3の製造の際、上述のように隣接する2チップ分を1つの個片として切断したが、隣接する3チップ分以上を1つの個片として切断してもよい。3チップ分以上を1つの個片として切断した場合には、第2部3Bの第2面積S2は、第1部3Aの第1面積S1よりも大である。また、このように1チップ分を区画単位として複数チップ分を切断して半導体素子3を得る場合には、第2部3Bの第2面積S2は、第1部3Aの第1面積S1の整数倍である。
【0033】
複数のワイヤ4は、半導体素子3の第1部3Aと第2リード2A~2D等とを導通させるためのものである。ワイヤ4の構成材料は何ら限定されず、たとえばAu、Al等の金属やこれらの合金が挙げられる。
【0034】
本実施形態においては、図3に示すように、複数のワイヤ4は、2つの第1ワイヤ41、2つの第2ワイヤ42、第3ワイヤ43、第4ワイヤ44および2つの第5ワイヤ45を含む。各第1ワイヤ41は、第1電極パッド32と、第1リード1のパッド部15とに接続されている。第1ワイヤ41は、第1端部411および第2端部412を有する。第1端部411は、第1電極パッド32に接続されている。第2端部412は、パッド部15に接続されている。各第2ワイヤ42は、第1電極パッド32と、第2リード2Aのパッド部21とに接続されている。第2ワイヤ42は、第1端部421および第2端部422を有する。第1端部421は、第1電極パッド32に接続されている。第2端部422は、第2リード2Aのパッド部21に接続されている。第3ワイヤ43は、第1電極パッド32と、第2リード2Bのパッド部21とに接続されている。第3ワイヤ43は、第1端部431および第2端部432を有する。第1端部431は、第1電極パッド32に接続されている。第2端部432は、第2リード2Bのパッド部21に接続されている。第4ワイヤ44は、第1電極パッド32と、第2リード2Cのパッド部21とに接続されている。第4ワイヤ44は、第1端部441および第2端部442を有する。第1端部441は、第1電極パッド32に接続されている。第2端部442は、第2リード2Cのパッド部21に接続されている。各第5ワイヤ45は、第1電極パッド32と、第2リード2Dのパッド部21とに接続されている。第5ワイヤ45は、第1端部451および第2端部452を有する。第1端部451は、第1電極パッド32に接続されている。第2端部452は、第2リード2Dのパッド部21に接続されている。
【0035】
上述のように、複数の第1電極パッド32には、複数のワイヤ4が個別に接続されている。複数のワイヤ4(第1ワイヤ41~第5ワイヤ45)の各々は、第1端部411(421,431,441,451)を有し、当該第1端部411等が対応する第1電極パッド32に接続されている。また、複数のワイヤ4は、第2リード2A~2D等にも個別に接続されている。これにより、第1部3Aにおいては、複数のワイヤ4を介して内部の回路パターンに電流を流すことが可能である。これにより、第1部3Aは、電気的に機能し得る。一方、第2部3Bに配置された複数の第2電極パッド33には、複数のワイヤ4のいずれも接続されていない。これにより、第2部3Bは、電気的に機能しない。上記のワイヤ4は、本開示の導通部材の一例である。
【0036】
封止樹脂5は、第1リード1および第2リード2A~2Dの一部ずつ、半導体素子3、および複数のワイヤ4を覆っている。封止樹脂5は、たとえば黒色のエポキシ樹脂からなる。
【0037】
図1図2図4図6に示すように、封止樹脂5は、樹脂主面51、樹脂裏面52、および樹脂側面531~534を有する。樹脂主面51および樹脂裏面52は、厚さ方向zにおいて互いに反対側を向き、かつ、互いに離れている。樹脂主面51は、素子主面30aと同じ方向を向き、樹脂裏面52は、素子裏面30bと同じ方向を向く。樹脂側面531~534の各々は、樹脂主面51および樹脂裏面52につながるとともに、厚さ方向zにおいて樹脂主面51と樹脂裏面52とに挟まれている。樹脂側面531は、第1方向xの一方側を向いている。樹脂側面532は、第1方向xの他方側を向いている。樹脂側面533は、第2方向yの一方側を向いている。樹脂側面534は、第2方向yの他方側を向いている。本実施形態においては、樹脂裏面52からダイパッド11のパッド裏面11bが露出している。また、樹脂側面533から突出部12の一部が突出している。樹脂側面534から第1リード1の端子部17および屈曲部18、複数の第2リード2A~2Dの各々の端子部22および屈曲部23が突出している。図示した例では、樹脂側面531~534は、各々、厚さ方向zに対して若干傾斜している。なお、図1図2図4図6に示す封止樹脂5の形状は一例である。封止樹脂5の形状は、例示された形状に限定されない。
【0038】
次に、本実施形態の半導体装置A10の作用について説明する。
【0039】
半導体装置A10は、第1リード1、半導体素子3および封止樹脂5を備える。半導体素子3は、ダイパッド11(第1リード1)の第1面11aに支持されるとともに、封止樹脂5で覆われている。半導体素子3は、第1部3Aおよび第2部3Bを含む。第1部3Aは、半導体装置A10において電気的に機能する部位である。第2部3Bは、半導体装置A10において電気的に機能しない部位であり、第1部3Aに隣接している。厚さ方向zに見たときの第2部3Bの面積(第2面積)は、厚さ方向zに見たときに第1部3Aの面積(第1面積)以上である。このような構成によれば、半導体素子3の第1部3Aにおいてのみ発熱し、第2部3Bにおいては発熱しない。このため、第1部3Aで発生した熱を、この第1部3Aに隣接する第2部3Bに速やかに逃がすことができる。したがって、本実施形態によれば、第1部3Aの過度な温度上昇を抑制し、半導体装置A10の放熱性を向上させることができる。
【0040】
第2部3Bは、第1部3Aに対して第1方向xの一方側に隣接して配置されている。第1部3Aは、厚さ方向zに見て矩形状である。第2部3Bは、厚さ方向zに見て矩形状をなす少なくとも1つの矩形部位からなる。第2部3Bの第2面積は、第1部3Aの第1面積の整数倍である。このような構成によれば、半導体素子3の製造時に半導体ウエハを個片化する際に、複数チップ分を切断することで半導体素子3を得ることができる。このような構成によれば、簡便な手段により半導体装置A10の放熱性を向上させることが可能である。
【0041】
半導体素子3は、素子主面30aに配置された複数の電極パッド31を有する。複数の電極パッド31は、複数の第1電極パッド32および複数の第2電極パッド33を含む。複数の第1電極パッド32は、第1部3Aに配置されており、複数のワイヤ4のいずれかが個別に接続されている。複数のワイヤ4(第1ワイヤ41~第5ワイヤ45)の各々は、第1端部411(421,431,441,451)を有し、当該第1端部411等が対応する第1電極パッド32に接続されている。複数のワイヤ4は、第2リード2A~2D等にも個別に接続されている。これにより、第1部3Aにおいては、複数のワイヤ4を介して内部の回路パターンに電流を流すことが可能であり、電気的に機能する。一方、第2部3Bに配置された複数の第2電極パッド33には、複数のワイヤ4のいずれも接続されておらず、第2部3Bは電気的に機能しない。このような構成によれば、半導体素子3の製造の際、従来と同様に半導体ウエハにおいて1チップ分毎の区画単位それぞれに回路パターンおよび電極パッドを設ければよい。その後、複数チップ分がつながった状態の個片として切断することにより、第1リード1に搭載するための半導体素子3が得られる。したがって、製造工程に変更を加えることなく、半導体装置A10を得ることができる。
【0042】
<第1実施形態の第1変形例>
図8および図9は、第1実施形態の第1変形例に係る半導体装置を示している。図8は、本変形例に係る半導体装置A11の平面図(封止樹脂を透過)である。図9は、図8のIX-IX線に沿う拡大断面図である。なお、図8以降の図面において、上記実施形態の半導体装置A10と同一または類似の要素には、上記実施形態と同一の符号を付しており、適宜説明を省略する。上記実施形態の半導体装置A10を示した図7において第1部3Aおよび第2部3Bに付したハッチングについては、図8以降の平面図においても同様のハッチングを付している。また、各変形例等における各部の構成は、技術的な矛盾を生じない範囲において相互に適宜組み合わせ可能である。
【0043】
本変形例の半導体装置A11においては、半導体素子3の構成が上記実施形態の半導体装置A10と異なっている。本変形例では、第2部3Bは、第1部3Aに対して、第1方向xの一方側および他方側それぞれに隣接して配置されている。第2部3Bは、第1方向xにおいて第1部3Aを挟む2箇所に設けられている。第2部3Bのうち、第1部3Aに対して第1方向xの一方側(図8における右側)に位置する部位は、厚さ方向zにおいて矩形状である。当該部位の厚さ方向z視における面積は、第1部3Aの面積(第1面積)と同一である。また、第2部3Bのうち、第1部3Aに対して第1方向xの他方側(図8における左側)に位置する部位は、厚さ方向zにおいて矩形状である。当該部位の厚さ方向z視における面積は、第1部3Aの面積(第1面積)と同一である。本変形例においては、第2部3B全体の面積(第2面積)は、第1部3Aの面積(第1面積)の2倍である。また、第2部3Bについて、第1方向xにおいて第1部3Aを挟む両側の部位には、複数ずつの第2電極パッド33が配置されている。本変形例で示した半導体素子3は、当該半導体素子3の製造の際、半導体ウエハを切断して個片化する工程において、第1方向xに隣接する3チップ分を1つの個片として切断することで得ることができる。
【0044】
本変形例の半導体装置A11において、半導体素子3は、第1部3Aおよび第2部3Bを含む。第1部3Aは、半導体装置A11において電気的に機能する部位である。第2部3Bは、半導体装置A11において電気的に機能しない部位であり、第1部3Aに隣接している。厚さ方向zに見たときの第2部3Bの面積(第2面積)は、厚さ方向zに見たときに第1部3Aの面積(第1面積)以上である。このような構成によれば、半導体素子3の第1部3Aにおいてのみ発熱し、第2部3Bにおいては発熱しない。このため、第1部3Aで発生した熱を、この第1部3Aに隣接する第2部3Bに速やかに逃がすことができる。したがって、本変形例によれば、第1部3Aの過度な温度上昇を抑制し、半導体装置A11の放熱性を向上させることができる。
【0045】
第2部3Bは、第1部3Aに対して第1方向xの一方側および他方側それぞれに隣接して配置されており、第1方向xにおいて第1部3Aを挟む2箇所に設けられている。このような構成によれば、第1部3Aで発生した熱を、第1方向xにおいて第1部3Aを挟むように隣接する2箇所の第2部3Bに分散させて逃がすことが可能となる。本変形例によれば、半導体装置A11の放熱性をより向上させることが可能である。その他にも、上記実施形態の半導体装置A10と同様の構成の範囲において、上記実施形態と同様の作用効果を奏する。
【0046】
<第1実施形態の第2変形例>
図10および図11は、第1実施形態の第2変形例に係る半導体装置を示している。図10は、本変形例に係る半導体装置A12の平面図(封止樹脂を透過)である。図11は、図10のXI-XI線に沿う拡大断面図である。本変形例の半導体装置A12においては、半導体素子3の構成が上記実施形態の半導体装置A10と異なっている。
【0047】
本変形例の半導体装置A12においては、第2部3Bは、第1部3Aに対して、第1方向xの一方側および他方側それぞれに隣接して配置されている。第2部3Bは、第1方向xにおいて第1部3Aを挟む2箇所に設けられている。第2部3Bのうち、第1部3Aに対して第1方向xの一方側(図10における右側)に位置する部位は、厚さ方向zにおいて矩形状である。当該部位の厚さ方向z視における面積は、第1部3Aの面積(第1面積)の1/2である。また、第2部3Bのうち、第1部3Aに対して第1方向xの他方側(図10における左側)に位置する部位は、厚さ方向zにおいて矩形状である。当該部位の厚さ方向z視における面積は、第1部3Aの面積(第1面積)の1/2である。本変形例においては、第2部3B全体の面積(第2面積)は、第1部3Aの面積(第1面積)と同一である。また、第2部3Bについて、第1方向xにおいて第1部3Aを挟む両側の部位には、複数ずつの第2電極パッド33が配置されている。本変形例で示した半導体素子3は、当該半導体素子3の製造の際、半導体ウエハを切断して個片化する工程において、第1部3Aとなる1チップ分と、これを挟んで第1方向xの両側に隣接する1/2チップ分ずつとを1つの個片として切断することで得ることができる。すなわち、本変形例に係る半導体素子3の製造において、半導体ウエハに対する切断位置は、第1方向xにおける1チップ分の長さの中央位置である。
【0048】
本変形例の半導体装置A12において、半導体素子3は、第1部3Aおよび第2部3Bを含む。第1部3Aは、半導体装置A11において電気的に機能する部位である。第2部3Bは、半導体装置A12において電気的に機能しない部位であり、第1部3Aに隣接している。厚さ方向zに見たときの第2部3Bの面積(第2面積)は、厚さ方向zに見たときに第1部3Aの面積(第1面積)以上である。このような構成によれば、半導体素子3の第1部3Aにおいてのみ発熱し、第2部3Bにおいては発熱しない。このため、第1部3Aで発生した熱を、この第1部3Aに隣接する第2部3Bに速やかに逃がすことができる。したがって、本変形例によれば、第1部3Aの過度な温度上昇を抑制し、半導体装置A12の放熱性を向上させることができる。
【0049】
第2部3Bは、第1部3Aに対して第1方向xの一方側および他方側それぞれに隣接して配置されており、第1方向xにおいて第1部3Aを挟む2箇所に設けられている。このような構成によれば、第1部3Aで発生した熱を、第1方向xにおいて第1部3Aを挟むように隣接する2箇所の第2部3Bに分散させて逃がすことが可能となる。本変形例によれば、半導体装置A12の放熱性をより向上させることが可能である。その他にも、上記実施形態の半導体装置A10と同様の構成の範囲において、上記実施形態と同様の作用効果を奏する。
【0050】
<第1実施形態の第3変形例>
図12は、第1実施形態の第3変形例に係る半導体装置を示している。図12は、本変形例に係る半導体装置A13の平面図(封止樹脂を透過)である。本変形例の半導体装置A13においては、半導体素子3の構成が上記実施形態の半導体装置A10と異なっている。
【0051】
本変形例の半導体装置A13においては、第2部3Bは、第1部3Aに対して、第2方向yの一方側に隣接して配置されている。第2部3Bは、厚さ方向zに見て矩形状である。厚さ方向zに見たとの第2部3Bの面積(第2面積)は、厚さ方向zに見たときの第1部3Aの面積(第1面積)と同一である。第2部3Bにおける複数の第2電極パッド33の配置は、第1部3Aにおける複数の第1電極パッド32の配置と同一である。本変形例で示した半導体素子3は、当該半導体素子3の製造の際、半導体ウエハを切断して個片化する工程において、第2方向yに隣接する2チップ分を1つの個片として切断することで得ることができる。
【0052】
本変形例の半導体装置A13において、半導体素子3は、第1部3Aおよび第2部3Bを含む。第1部3Aは、半導体装置A13において電気的に機能する部位である。第2部3Bは、半導体装置A13において電気的に機能しない部位であり、第1部3Aに隣接している。厚さ方向zに見たときの第2部3Bの面積(第2面積)は、厚さ方向zに見たときに第1部3Aの面積(第1面積)以上である。このような構成によれば、半導体素子3の第1部3Aにおいてのみ発熱し、第2部3Bにおいては発熱しない。このため、第1部3Aで発生した熱を、この第1部3Aに隣接する第2部3Bに速やかに逃がすことができる。したがって、本変形例によれば、第1部3Aの過度な温度上昇を抑制し、半導体装置A13の放熱性を向上させることができる。
【0053】
半導体装置A13においては、第2部3Bは、第1部3Aに対して第2方向yの一方側に隣接して配置されている。一方、上記実施形態の半導体装置A10においては、第2部3Bは、第1部3Aに対して第1方向xの一方側に隣接して配置されている。第1部3Aにおいて発熱部位が特定できる場合、第2部3Bは、発熱部位に近接する側に配置すればよい。したがって、第2部3Bは、第1部3Aの発熱部位に応じて、第1部3Aに対して第1方向xまたは第2方向yのいずれかを選択して配置すればよい。その他にも、上記実施形態の半導体装置A10と同様の構成の範囲において、上記実施形態と同様の作用効果を奏する。
【0054】
<第1実施形態の第4変形例>
図13は、第1実施形態の第4変形例に係る半導体装置を示している。図13は、本変形例に係る半導体装置A14の平面図(封止樹脂を透過)である。本変形例の半導体装置A14においては、半導体素子3の構成が上記実施形態の半導体装置A10と異なっている。
【0055】
本変形例の半導体装置A14においては、第2部3Bは、第1部3Aに対して、第1方向xの一方側および第2方向yの一方側に隣接して配置されている。より具体的には、第2部3Bは、3つの矩形部位からなり、第1部3Aの第1方向xの一方側から第2方向yの一方側までを囲うように配置されている。第2部3Bを構成する3つの矩形部位の各々の厚さ方向z視における面積は、第1部3Aの面積(第1面積)と同一である。本変形例においては、第2部3B全体の面積(第2面積)は、第1部3Aの面積(第1面積)の3倍である。第2部3Bを構成する3つの矩形部位の各々には、複数の第2電極パッド33が配置されている。本変形例で示した半導体素子3は、当該半導体素子3の製造の際、半導体ウエハを切断して個片化する工程において、第1方向xに隣接する2チップ分および第2方向yに隣接する2チップ分の合計4チップ分を1つの個片として切断することで得ることができる。
【0056】
本変形例の半導体装置A14において、半導体素子3は、第1部3Aおよび第2部3Bを含む。第1部3Aは、半導体装置A14において電気的に機能する部位である。第2部3Bは、半導体装置A14において電気的に機能しない部位であり、第1部3Aに隣接している。厚さ方向zに見たときの第2部3Bの面積(第2面積)は、厚さ方向zに見たときに第1部3Aの面積(第1面積)以上である。このような構成によれば、半導体素子3の第1部3Aにおいてのみ発熱し、第2部3Bにおいては発熱しない。このため、第1部3Aで発生した熱を、この第1部3Aに隣接する第2部3Bに速やかに逃がすことができる。したがって、本変形例によれば、第1部3Aの過度な温度上昇を抑制し、半導体装置A14の放熱性を向上させることができる。
【0057】
第2部3Bは、第1部3Aに対して第1方向xの一方側および第2方向yの一方側に隣接して配置されており、第1部3Aの第1方向xの一方側から第2方向yの一方側までを囲うように配置されている。このような構成によれば、第1部3Aで発生した熱を、第1方向xおよぶ第2方向yに分散させて効率よく逃がすことが可能となる。本変形例によれば、半導体装置A14の放熱性をより向上させることが可能である。その他にも、上記実施形態の半導体装置A10と同様の構成の範囲において、上記実施形態と同様の作用効果を奏する。
【0058】
<第2実施形態>
図14は、本開示の第2実施形態に係る半導体装置を示している。図14は、本実施形態に係る半導体装置A20の平面図(封止樹脂を透過)である。本実施形態の半導体装置A20においては、半導体素子3における第2部3Bの構成が上記実施形態の半導体装置A10と異なっている。
【0059】
半導体装置A20においては、半導体素子3の第2部3Bには、第2電極パッド33(電極パッド31)が配置されていない。本実施形態では、複数の電極パッド31は、第1部3Aにのみ配置されている。そして、複数の電極パッド31のすべてが、第1部3Aに配置された複数の第1電極パッド32である。本実施形態の半導体素子3は、当該半導体素子3の製造の際、半導体ウエハにおいて、第1部3Aとなるべき部位に回路パターンと複数の電極パッド31を形成し、第2部3Bとなるべき部位には回路パターンや電極を形成しない。そして、半導体ウエハを切断して個片化する工程において、第1方向xに隣接する2チップ分(第1部3Aとなるべき部位および第2部3Bとなるべき部位)を1つの個片として切断することで得ることができる。
【0060】
本変形例の半導体装置A20において、半導体素子3は、第1部3Aおよび第2部3Bを含む。第1部3Aは、半導体装置A11において電気的に機能する部位である。第2部3Bは、半導体装置A20において電気的に機能しない部位であり、第1部3Aに隣接している。厚さ方向zに見たときの第2部3Bの面積(第2面積)は、厚さ方向zに見たときに第1部3Aの面積(第1面積)以上である。このような構成によれば、半導体素子3の第1部3Aにおいてのみ発熱し、第2部3Bにおいては発熱しない。このため、第1部3Aで発生した熱を、この第1部3Aに隣接する第2部3Bに速やかに逃がすことができる。したがって、本変形例によれば、第1部3Aの過度な温度上昇を抑制し、半導体装置A20の放熱性を向上させることができる。その他にも、上記実施形態の半導体装置A10と同様の構成の範囲において、上記実施形態と同様の作用効果を奏する。
【0061】
<第2実施形態の第1変形例>
図15は、第2実施形態の第1変形例に係る半導体装置を示している。図15は、本変形例に係る半導体装置A21の平面図(封止樹脂を透過)である。本変形例のパッド部21においては、半導体素子3の構成が上記実施形態の半導体装置A20と異なっている。
【0062】
本変形例の半導体装置A21においては、第2部3Bは、第1部3Aに対して、第1方向xの一方側および他方側それぞれに隣接して配置されている。第2部3Bは、第1方向xにおいて第1部3Aを挟む2箇所に設けられている。第2部3Bのうち、第1部3Aに対して第1方向xの一方側(図15における右側)に位置する部位は、厚さ方向zにおいて矩形状である。当該部位の厚さ方向z視における面積は、第1部3Aの面積(第1面積)と同一である。また、第2部3Bのうち、第1部3Aに対して第1方向xの他方側(図15における左側)に位置する部位は、厚さ方向zにおいて矩形状である。当該部位の厚さ方向z視における面積は、第1部3Aの面積(第1面積)と同一である。本変形例においては、第2部3B全体の面積(第2面積)は、第1部3Aの面積(第1面積)の2倍である。また、第2部3Bには、第2電極パッド33(電極パッド31)が配置されていない。本変形例で示した半導体素子3は、当該半導体素子3の製造の際、半導体ウエハを切断して個片化する工程において、第1方向xに隣接する3チップ分(第1部3Aとなるべき部位、および当該部位を第1方向xの両側から挟む第2部3Bとなるべき部位)を1つの個片として切断することで得ることができる。
【0063】
本変形例の半導体装置A21において、半導体素子3は、第1部3Aおよび第2部3Bを含む。第1部3Aは、半導体装置A21において電気的に機能する部位である。第2部3Bは、半導体装置A21において電気的に機能しない部位であり、第1部3Aに隣接している。厚さ方向zに見たときの第2部3Bの面積(第2面積)は、厚さ方向zに見たときに第1部3Aの面積(第1面積)以上である。このような構成によれば、半導体素子3の第1部3Aにおいてのみ発熱し、第2部3Bにおいては発熱しない。このため、第1部3Aで発生した熱を、この第1部3Aに隣接する第2部3Bに速やかに逃がすことができる。したがって、本変形例によれば、第1部3Aの過度な温度上昇を抑制し、半導体装置A21の放熱性を向上させることができる。
【0064】
第2部3Bは、第1部3Aに対して第1方向xの一方側および他方側それぞれに隣接して配置されており、第1方向xにおいて第1部3Aを挟む2箇所に設けられている。このような構成によれば、第1部3Aで発生した熱を、第1方向xにおいて第1部3Aを挟むように隣接する2箇所の第2部3Bに分散させて逃がすことが可能となる。本変形例によれば、半導体装置A21の放熱性をより向上させることが可能である。その他にも、上記実施形態の半導体装置A10と同様の構成の範囲において、上記実施形態と同様の作用効果を奏する。
【0065】
<第2実施形態の第2変形例>
図16は、第2実施形態の第2変形例に係る半導体装置を示している。図16は、本変形例に係る半導体装置A22の平面図(封止樹脂を透過)である。本変形例のパッド部21においては、半導体素子3の構成が上記実施形態の半導体装置A20と異なっている。
【0066】
本変形例の半導体装置A22においては、第2部3Bは、第1部3Aに対して、第1方向xの一方側および他方側それぞれに隣接して配置されている。第2部3Bは、第1方向xにおいて第1部3Aを挟む2箇所に設けられている。第2部3Bのうち、第1部3Aに対して第1方向xの一方側(図16における右側)に位置する部位は、厚さ方向zにおいて矩形状である。当該部位の厚さ方向z視における面積は、第1部3Aの面積(第1面積)の1/2である。また、第2部3Bのうち、第1部3Aに対して第1方向xの他方側(図16における左側)に位置する部位は、厚さ方向zにおいて矩形状である。当該部位の厚さ方向z視における面積は、第1部3Aの面積(第1面積)の1/2である。本変形例においては、第2部3B全体の面積(第2面積)は、第1部3Aの面積(第1面積)と同一である。また、第2部3Bには、第2電極パッド33(電極パッド31)が配置されていない。本変形例で示した半導体素子3は、当該半導体素子3の製造の際、半導体ウエハを切断して個片化する工程において、第1部3Aとなるべき1チップ分と、これを挟んで第1方向xの両側に隣接する、第2部3Bとなるべき1/2チップ分ずつと、を1つの個片として切断することで得ることができる。すなわち、本変形例に係る半導体素子3の製造において、半導体ウエハに対する切断位置は、第1方向xにおける1チップ分の長さの中央位置である。
【0067】
本変形例の半導体装置A22において、半導体素子3は、第1部3Aおよび第2部3Bを含む。第1部3Aは、半導体装置A22において電気的に機能する部位である。第2部3Bは、半導体装置A22において電気的に機能しない部位であり、第1部3Aに隣接している。厚さ方向zに見たときの第2部3Bの面積(第2面積)は、厚さ方向zに見たときに第1部3Aの面積(第1面積)以上である。このような構成によれば、半導体素子3の第1部3Aにおいてのみ発熱し、第2部3Bにおいては発熱しない。このため、第1部3Aで発生した熱を、この第1部3Aに隣接する第2部3Bに速やかに逃がすことができる。したがって、本変形例によれば、第1部3Aの過度な温度上昇を抑制し、半導体装置A22の放熱性を向上させることができる。
【0068】
第2部3Bは、第1部3Aに対して第1方向xの一方側および他方側それぞれに隣接して配置されており、第1方向xにおいて第1部3Aを挟む2箇所に設けられている。このような構成によれば、第1部3Aで発生した熱を、第1方向xにおいて第1部3Aを挟むように隣接する2箇所の第2部3Bに分散させて逃がすことが可能となる。本変形例によれば、半導体装置A22の放熱性をより向上させることが可能である。その他にも、上記実施形態の半導体装置A10と同様の構成の範囲において、上記実施形態と同様の作用効果を奏する。
【0069】
本開示に係る半導体装置は、上述した実施形態に限定されるものではない。本開示に係る半導体装置の各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
【0070】
上記実施形態において、半導体素子3の製造の際、半導体ウエハを個片化する工程において、2チップ分、3チップ分または4チップ分を1つの個片として切断する場合について説明したが、これに限定されない。半導体ウエハを個片化する工程において、より多くの複数チップ分(たとえば6チップ分や9チップ分)を1つの個片として切断してもよい。より多くの複数チップ分を含む半導体素子3においては、第1部3Aを囲うように第2部3Bを配置することで、放熱性をより向上させることが期待できる。
【0071】
第1リード1の具体的な形状について、上記実施形態に限定されず、種々変更可能である。複数の第2リード(2A~2D)の具体的な形状や配置も上記実施形態に限定されない。また、第2リードの数についても、上記実施形態より少なくてもよく(たとえば3つ以下)、あるいは上記実施形態より多くてもよい(たとえば5つ以上)。
【0072】
本開示は、以下の付記に関する構成を含む。
【0073】
〔付記1〕
厚さ方向の一方側を向く第1面を有する第1リードと、
前記第1面に支持された半導体素子と、
前記第1リードの少なくとも一部、および前記半導体素子を覆う封止樹脂と、を備え、
前記半導体素子は、電気的に機能する第1部と、前記第1部に隣接し、且つ電気的に機能しない第2部と、を含み、
前記厚さ方向に見たときの前記第2部の面積である第2面積は、前記厚さ方向に見たときの前記第1部の面積である第1面積以上である、半導体装置。
〔付記2〕
前記第2部は、前記第1部に対して、前記厚さ方向に直交する第1方向、ならびに前記厚さ方向および前記第1方向の双方に直交する第2方向のうち少なくともいずれかに隣接して配置される、付記1に記載の半導体装置。
〔付記3〕
前記第2部は、前記第1部に対して、前記第1方向の一方側に隣接して配置される、付記2に記載の半導体装置。
〔付記4〕
前記第2部は、前記第1部に対して、前記第1方向の一方側および他方側それぞれに隣接して配置される、付記2に記載の半導体装置。
〔付記5〕
前記第2面積は、前記第1面積と同一であり、
前記第2部において、前記第1部に対して前記第1方向の両側に配置された部位の各々の前記厚さ方向視における面積は、前記第1面積の1/2である、付記4に記載の半導体装置。
〔付記6〕
前記第1部は、前記厚さ方向に見て矩形状であり、
前記第2部は、前記厚さ方向に見て矩形状をなす少なくとも1つの矩形部位からなる、付記1ないし5のいずれかに記載の半導体装置。
〔付記7〕
前記第2面積は、前記第1面積の整数倍である、付記1ないし6のいずれかに記載の半導体装置。
〔付記8〕
前記第1面と前記半導体素子との間に介在し、且つ前記第1面と前記半導体素子とを接合する接合材をさらに備える、付記1ないし7のいずれかに記載の半導体装置。
〔付記9〕
前記接合材は、導電性を有する、付記8に記載の半導体装置。
〔付記10〕
前記接合材の構成材料は、銀を含む、付記9に記載の半導体装置。
〔付記11〕
前記半導体素子は、前記厚さ方向の一方側を向く素子主面と、前記素子主面に配置された複数の電極パッドと、を有し、
前記複数の電極パッドは、前記第1部に配置された少なくとも1つの第1電極パッドを含み、
各々が第1端部および第2端部を有する少なくとも1つの導通部材をさらに備え、
前記少なくとも1つの導通部材は、前記少なくとも1つの第1電極パッドに対応して当該第1電極パッドに前記第1端部が接続されている、付記1ないし10のいずれかに記載の半導体装置。
〔付記12〕
前記厚さ方向に見て前記第1リードから離隔して配置された少なくとも1つの第2リードをさらに備え、
前記少なくとも1つの導通部材は、前記第2端部が前記少なくとも1つの第2リードに接続されたものを含む、付記11に記載の半導体装置。
〔付記13〕
前記複数の電極パッドは、前記第2部に配置された少なくとも1つの第2電極パッドを含み、
前記少なくとも1つの第2電極パッドには、前記少なくとも1つの導通部材のいずれも接続されていない、付記11または12に記載の半導体装置。
〔付記14〕
前記複数の電極パッドのすべてが、前記第1部に配置された前記少なくとも1つの第1電極パッドである、付記11または12に記載の半導体装置。
【符号の説明】
【0074】
A10,A11,A12,A13,A14,A20,A21,A22:半導体装置
1 :第1リード
11 :ダイパッド
11a :第1面
11b :パッド裏面
12 :突出部
13 :根元部
14 :中間屈曲部
15 :パッド部
16 :連結部
17 :端子部
18 :屈曲部
19 :庇部
2A,2B,2C,2D:第2リード
21 :パッド部
22 :端子部
23 :屈曲部
3 :半導体素子
3A :第1部
3B :第2部
30a :素子主面
30b :素子裏面
31 :電極パッド
32 :第1電極パッド
33 :第2電極パッド
39 :接合材
4 :ワイヤ(導通部材)
41 :第1ワイヤ
42 :第2ワイヤ
43 :第3ワイヤ
44 :第4ワイヤ
45 :第5ワイヤ
411,421,431,441,451:第1端部
412,422,432,442,452:第2端部
5 :封止樹脂
51 :樹脂主面
52 :樹脂裏面
531,532,533,534:樹脂側面
S1 :第1面積
S2 :第2面積
x :第1方向
y :第2方向
z :厚さ方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
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図15
図16