(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023138192
(43)【公開日】2023-10-02
(54)【発明の名称】半導体装置及び半導体回路
(51)【国際特許分類】
H01L 29/78 20060101AFI20230922BHJP
H01L 29/739 20060101ALI20230922BHJP
【FI】
H01L29/78 652C
H01L29/78 653A
H01L29/78 652J
H01L29/78 652K
H01L29/78 655A
H01L29/78 655G
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022044755
(22)【出願日】2022-03-19
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】317011920
【氏名又は名称】東芝デバイス&ストレージ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100119035
【弁理士】
【氏名又は名称】池上 徹真
(74)【代理人】
【識別番号】100141036
【弁理士】
【氏名又は名称】須藤 章
(74)【代理人】
【識別番号】100178984
【弁理士】
【氏名又は名称】高下 雅弘
(72)【発明者】
【氏名】岩鍜治 陽子
(72)【発明者】
【氏名】末代 知子
(72)【発明者】
【氏名】下條 亮平
(57)【要約】
【課題】スイッチング損失の低減を可能とする半導体装置を提供する。
【解決手段】
実施形態の半導体装置は、第1のトレンチと、第1のトレンチの中に設けられた第1のゲート電極と、第2のトレンチと、第2のトレンチの中に設けられた第2のゲート電極と、第3のトレンチと、第3のトレンチの中に設けられた第3のゲート電極と、第1のゲート電極と電気的に接続された第1の電極パッドと、第2のゲート電極と電気的に接続された第2の電極パッドと、第3のゲート電極と電気的に接続された第3の電極パッドと、を備え、第3のトレンチに接し第3のゲート電極と対向する導電形半導体領域の厚さが、第1のトレンチに接し第1のゲート電極と対向する導電形半導体領域の厚さより薄く、第3のトレンチに接し第3のゲート電極と対向する導電形半導体領域の厚さが、第2のトレンチに接し第2のゲート電極と対向する導電形半導体領域の厚さより薄い。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の面と、前記第1の面と対向する第2の面を有する半導体層と、
前記半導体層の中に設けられた第1導電形の第1の半導体領域と、
前記半導体層の中に設けられ、前記第1の半導体領域と前記第1の面との間に設けられた第2導電形の第2の半導体領域と、
前記半導体層の中に設けられ、前記第2の半導体領域と前記第1の面との間に設けられた第1導電形の第3の半導体領域と、
前記半導体層の中に設けられ、前記第3の半導体領域と前記第1の面との間に設けられた第2導電形の第4の半導体領域と、
前記半導体層の中の前記第1の面の側に設けられ、前記第2の半導体領域、前記第3の半導体領域、及び前記第4の半導体領域に接する第1のトレンチと、
前記第1のトレンチの中に設けられた第1のゲート電極と、
前記第1のゲート電極と前記第2の半導体領域との間、前記第1のゲート電極と前記第3の半導体領域との間、及び前記第1のゲート電極と前記第4の半導体領域との間に設けられた第1のゲート絶縁膜と、
前記半導体層の中の前記第1の面の側に設けられ、前記第2の半導体領域、前記第3の半導体領域、及び前記第4の半導体領域に接する第2のトレンチと、
前記第2のトレンチの中に設けられた第2のゲート電極と、
前記第2のゲート電極と前記第2の半導体領域との間、前記第2のゲート電極と前記第3の半導体領域との間、及び前記第2のゲート電極と前記第4の半導体領域との間に設けられた第2のゲート絶縁膜と、
前記半導体層の中の前記第1の面の側に設けられ、前記第2の半導体領域、前記第3の半導体領域、及び前記第4の半導体領域に接する少なくとも一つの第3のトレンチと、
前記少なくとも一つの第3のトレンチの中に設けられた第3のゲート電極と、
前記第3のゲート電極と前記第2の半導体領域との間、前記第3のゲート電極と前記第3の半導体領域との間、及び前記第3のゲート電極と前記第4の半導体領域との間に設けられた第3のゲート絶縁膜と、
前記半導体層に対し前記第1の面の側に設けられ、前記第4の半導体領域に接する第1の電極と、
前記半導体層に対し前記第2の面の側に設けられ、前記第1の半導体領域に接する第2の電極と、
前記半導体層に対し前記第1の面の側に設けられ、前記第1のゲート電極と電気的に接続された第1の電極パッドと、
前記半導体層に対し前記第1の面の側に設けられ、前記第2のゲート電極と電気的に接続された第2の電極パッドと、
前記半導体層に対し前記第1の面の側に設けられ、前記第3のゲート電極と電気的に接続された第3の電極パッドと、
を備え、
前記第3の半導体領域は、前記第1のトレンチに接する第1の部分と、前記第2のトレンチに接する第2の部分と、前記少なくとも一つの第3のトレンチに接する第3の部分と、を含み、
前記第3の部分の前記第1の面から前記第2の面に向かう方向の厚さは、前記第1の部分の前記方向の厚さより薄く、
前記第3の部分の前記第1の面から前記第2の面に向かう方向の厚さは、前記第2の部分の前記方向の厚さより薄い、半導体装置。
【請求項2】
前記半導体層の中に設けられ、前記第2の半導体領域と前記第3の半導体領域の間に設けられ、前記第2の半導体領域の第2導電形不純物濃度よりも第2導電形不純物濃度の高い第2導電形の第5の半導体領域を更に備え、
前記第5の半導体領域は、前記第1のトレンチに接し前記第2の半導体領域と前記第1の部分との間に設けられた第4の部分と、前記第2のトレンチに接し前記第2の半導体領域と前記第2の部分との間に設けられた第5の部分と、前記少なくとも一つの第3のトレンチに接し前記第2の半導体領域と前記第3の部分との間に設けられた第6の部分と、を含み、
前記第6の部分の前記第1の面から前記第2の面に向かう方向の厚さは、前記第4の部分の前記方向の厚さより厚く、
前記第6の部分の前記第1の面から前記第2の面に向かう方向の厚さは、前記第5の部分の前記方向の厚さより厚い請求項1記載の半導体装置。
【請求項3】
前記半導体層の中に設けられ、前記第2の半導体領域と前記第3の半導体領域の間に設けられ、前記第2の半導体領域の第2導電形不純物濃度よりも第2導電形不純物濃度の高い第2導電形の第5の半導体領域を更に備え、
前記第5の半導体領域は、前記第1のトレンチに接し前記第2の半導体領域と前記第1の部分との間に設けられた第4の部分と、前記第2のトレンチに接し前記第2の半導体領域と前記第2の部分との間に設けられた第5の部分と、前記少なくとも一つの第3のトレンチに接し前記第2の半導体領域と前記第3の部分との間に設けられた第6の部分と、を含み、
前記第6の部分の第2導電形不純物濃度は、前記第4の部分の第2導電形不純物濃度よりも高く、前記第6の部分の第2導電形不純物濃度は、前記第5の部分の第2導電形不純物濃度よりも高い、請求項1記載の半導体装置。
【請求項4】
前記少なくとも一つの第3のトレンチは、隣り合う一対の第3のトレンチを含み、前記第3の部分は、前記一対の第3のトレンチの間に位置する請求項1ないし請求項3いずれか一項記載の半導体装置。
【請求項5】
前記第3の部分の前記第1の面から前記第2の面に向かう方向の厚さは、前記第1の部分の前記方向の厚さの70%以下であり、
前記第3の部分の前記第1の面から前記第2の面に向かう方向の厚さは、前記第2の部分の前記方向の厚さの70%以下である請求項1ないし請求項4いずれか一項記載の半導体装置。
【請求項6】
第1の面と、前記第1の面と対向する第2の面を有する半導体層と、
前記半導体層の中に設けられた第1導電形の第1の半導体領域と、
前記半導体層の中に設けられ、前記第1の半導体領域と前記第1の面との間に設けられた第2導電形の第2の半導体領域と、
前記半導体層の中に設けられ、前記第2の半導体領域と前記第1の面との間に設けられた第1導電形の第3の半導体領域と、
前記半導体層の中に設けられ、前記第3の半導体領域と前記第1の面との間に設けられた第2導電形の第4の半導体領域と、
前記半導体層の中の前記第1の面の側に設けられ、前記第2の半導体領域、前記第3の半導体領域、及び前記第4の半導体領域に接する第1のトレンチと、
前記第1のトレンチの中に設けられた第1のゲート電極と、
前記第1のゲート電極と前記第2の半導体領域との間、前記第1のゲート電極と前記第3の半導体領域との間、及び前記第1のゲート電極と前記第4の半導体領域との間に設けられた第1のゲート絶縁膜と、
前記半導体層の中の前記第1の面の側に設けられ、前記第2の半導体領域、前記第3の半導体領域、及び前記第4の半導体領域に接する第2のトレンチと、
前記第2のトレンチの中に設けられた第2のゲート電極と、
前記第2のゲート電極と前記第2の半導体領域との間、前記第2のゲート電極と前記第3の半導体領域との間、及び前記第2のゲート電極と前記第4の半導体領域との間に設けられた第2のゲート絶縁膜と、
前記半導体層の中の前記第1の面の側に設けられ、前記第2の半導体領域、前記第3の半導体領域、及び前記第4の半導体領域に接する少なくとも一つの第3のトレンチと、
前記少なくとも一つの第3のトレンチの中に設けられた第3のゲート電極と、
前記第3のゲート電極と前記第2の半導体領域との間、前記第3のゲート電極と前記第3の半導体領域との間、及び前記第3のゲート電極と前記第4の半導体領域との間に設けられた第3のゲート絶縁膜と、
前記半導体層に対し前記第1の面の側に設けられ、前記第4の半導体領域に接する第1の電極と、
前記半導体層に対し前記第2の面の側に設けられ、前記第1の半導体領域に接する第2の電極と、
前記半導体層に対し前記第1の面の側に設けられ、前記第1のゲート電極と電気的に接続された第1の電極パッドと、
前記半導体層に対し前記第1の面の側に設けられ、前記第2のゲート電極と電気的に接続された第2の電極パッドと、
前記半導体層に対し前記第1の面の側に設けられ、前記第3のゲート電極と電気的に接続された第3の電極パッドと、
を備え、
前記第3の半導体領域は前記第1のトレンチに接する第1の部分と、前記第2のトレンチに接する第2の部分と、前記少なくとも一つの第3のトレンチに接する第3の部分と、を含み、
前記第3の部分の第1導電形不純物濃度は、前記第1の部分の第1導電形不純物濃度より低く、
前記第3の部分の第1導電形不純物濃度は、前記第2の部分の第1導電形不純物濃度より低い、半導体装置。
【請求項7】
前記第3の部分の第1導電形不純物濃度は、前記第1の部分の第1導電形不純物濃度の80%以下であり、
前記第3の部分の第1導電形不純物濃度は、前記第2の部分の第1導電形不純物濃度の80%以下である請求項6記載の半導体装置。
【請求項8】
第1の面と、前記第1の面と対向する第2の面を有する半導体層と、
前記半導体層の中に設けられた第1導電形の第1の半導体領域と、
前記半導体層の中に設けられ、前記第1の半導体領域と前記第1の面との間に設けられた第2導電形の第2の半導体領域と、
前記半導体層の中に設けられ、前記第2の半導体領域と前記第1の面との間に設けられた第1導電形の第3の半導体領域と、
前記半導体層の中に設けられ、前記第3の半導体領域と前記第1の面との間に設けられた第2導電形の第4の半導体領域と、
前記半導体層の中に設けられ、前記第2の半導体領域と前記第3の半導体領域の間に設けられ、前記第2の半導体領域の第2導電形不純物濃度よりも第2導電形不純物濃度の高い第2導電形の第5の半導体領域と、
前記半導体層の中の前記第1の面の側に設けられ、前記第2の半導体領域、前記第3の半導体領域、前記第4の半導体領域、及び前記第5の半導体領域に接する第1のトレンチと、
前記第1のトレンチの中に設けられた第1のゲート電極と、
前記第1のゲート電極と前記第2の半導体領域との間、前記第1のゲート電極と前記第3の半導体領域との間、前記第1のゲート電極と前記第4の半導体領域、及び前記第1のゲート電極と前記第5の半導体領域との間に設けられた第1のゲート絶縁膜と、
前記半導体層の中の前記第1の面の側に設けられ、前記第2の半導体領域、前記第3の半導体領域、前記第4の半導体領域、及び前記第5の半導体領域に接する第2のトレンチと、
前記第2のトレンチの中に設けられた第2のゲート電極と、
前記第2のゲート電極と前記第2の半導体領域との間、前記第2のゲート電極と前記第3の半導体領域との間、前記第2のゲート電極と前記第4の半導体領域との間、及び前記第2のゲート電極と前記第5の半導体領域との間に設けられた第2のゲート絶縁膜と、
前記半導体層の中の前記第1の面の側に設けられ、前記第2の半導体領域、前記第3の半導体領域、前記第4の半導体領域、及び前記第5の半導体領域に接する少なくとも一つの第3のトレンチと、
前記少なくとも一つの第3のトレンチの中に設けられた第3のゲート電極と、
前記第3のゲート電極と前記第2の半導体領域との間、前記第3のゲート電極と前記第3の半導体領域との間、前記第3のゲート電極と前記第4の半導体領域との間、及び前記第3のゲート電極と前記第5の半導体領域との間に設けられた第3のゲート絶縁膜と、
前記半導体層に対し前記第1の面の側に設けられ、前記第4の半導体領域に接する第1の電極と、
前記半導体層に対し前記第2の面の側に設けられ、前記第1の半導体領域に接する第2の電極と、
前記半導体層に対し前記第1の面の側に設けられ、前記第1のゲート電極と電気的に接続された第1の電極パッドと、
前記半導体層に対し前記第1の面の側に設けられ、前記第2のゲート電極と電気的に接続された第2の電極パッドと、
前記半導体層に対し前記第1の面の側に設けられ、前記第3のゲート電極と電気的に接続された第3の電極パッドと、
を備え、
前記第5の半導体領域は、前記第1のトレンチに接する第1の部分と、前記第2のトレンチに接する第2の部分と、前記少なくとも一つの第3のトレンチに接する第3の部分と、を含み、
前記第3の部分の第2導電形不純物濃度は、前記第1の部分の第2導電形不純物濃度よりも高く、前記第3の部分の第2導電形不純物濃度は、前記第2の部分の第2導電形不純物濃度よりも高い、半導体装置。
【請求項9】
第1の面と、前記第1の面と対向する第2の面を有する半導体層と、
前記半導体層の中に設けられた第1導電形の第1の半導体領域と、
前記半導体層の中に設けられ、前記第1の半導体領域と前記第1の面との間に設けられた第2導電形の第2の半導体領域と、
前記半導体層の中に設けられ、前記第2の半導体領域と前記第1の面との間に設けられた第1導電形の第3の半導体領域と、
前記半導体層の中に設けられ、前記第3の半導体領域と前記第1の面との間に設けられた第2導電形の第4の半導体領域と、
前記半導体層の中の前記第1の面の側に設けられ、前記第2の半導体領域、前記第3の半導体領域、及び前記第4の半導体領域に接する第1のトレンチと、
前記第1のトレンチの中に設けられた第1のゲート電極と、
前記第1のゲート電極と前記第2の半導体領域との間、前記第1のゲート電極と前記第3の半導体領域との間、及び前記第1のゲート電極と前記第4の半導体領域との間に設けられた第1のゲート絶縁膜と、
前記半導体層の中の前記第1の面の側に設けられ、前記第2の半導体領域、前記第3の半導体領域、及び前記第4の半導体領域に接する第2のトレンチと、
前記第2のトレンチの中に設けられた第2のゲート電極と、
前記第2のゲート電極と前記第2の半導体領域との間、前記第2のゲート電極と前記第3の半導体領域との間、及び前記第2のゲート電極と前記第4の半導体領域との間に設けられた第2のゲート絶縁膜と、
前記半導体層の中の前記第1の面の側に設けられ、前記第2の半導体領域、前記第3の半導体領域、及び前記第4の半導体領域に接する少なくとも一つの第3のトレンチと、
前記少なくとも一つの第3のトレンチの中に設けられた第3のゲート電極と、
前記第3のゲート電極と前記第2の半導体領域との間、前記第3のゲート電極と前記第3の半導体領域との間、及び前記第3のゲート電極と前記第4の半導体領域との間に設けられた第3のゲート絶縁膜と、
前記半導体層に対し前記第1の面の側に設けられ、前記第4の半導体領域に接する第1の電極と、
前記半導体層に対し前記第2の面の側に設けられ、前記第1の半導体領域に接する第2の電極と、
前記半導体層に対し前記第1の面の側に設けられ、前記第1のゲート電極と電気的に接続された第1の電極パッドと、
前記半導体層に対し前記第1の面の側に設けられ、前記第2のゲート電極と電気的に接続された第2の電極パッドと、
前記半導体層に対し前記第1の面の側に設けられ、前記第3のゲート電極と電気的に接続された第3の電極パッドと、
を備え、
前記第1のゲート電極を有する第1のトランジスタと、前記第2のゲート電極を有する第2のトランジスタと、前記第3のゲート電極を有する第3のトランジスタを含み、
前記第3のトランジスタの閾値電圧は、前記第1のトランジスタの閾値電圧より低く、
前記第3のトランジスタの閾値電圧は、前記第2のトランジスタの閾値電圧より低い、半導体装置。
【請求項10】
前記第1の電極パッドに第1のターンオン電圧を印加し、
前記第2の電極パッドに第2のターンオン電圧を印加し、
前記第3の電極パッドに第3のターンオン電圧を印加し、
前記第1の電極パッドに前記第1のターンオン電圧を印加し、前記第2の電極パッドに前記第2のターンオン電圧を印加し、前記第3の電極パッドに前記第3のターンオン電圧を印加した後に、前記第3の電極パッドに第3のターンオフ電圧を印加し、
前記第3の電極パッドに前記第3のターンオフ電圧を印加した後に、前記第2の電極パッドに第2のターンオフ電圧を印加し、
前記第2の電極パッドに第2のターンオフ電圧を印加した後に、前記第1の電極パッドに第1のターンオフ電圧を印加する請求項1ないし請求項9いずれか一項記載の半導体装置。
【請求項11】
請求項1ないし請求項9いずれか一項記載の半導体装置と、
前記半導体装置を駆動し、前記第1の電極パッドに第1のターンオン電圧を印加し、前記第2の電極パッドに第2のターンオン電圧を印加し、前記第3の電極パッドに第3のターンオン電圧を印加し、前記第1の電極パッドに前記第1のターンオン電圧を印加し、前記第2の電極パッドに前記第2のターンオン電圧を印加し、前記第3の電極パッドに前記第3のターンオン電圧を印加した後に、前記第3の電極パッドに第3のターンオフ電圧を印加し、前記第3の電極パッドに前記第3のターンオフ電圧を印加した後に、前記第2の電極パッドに第2のターンオフ電圧を印加し、前記第2の電極パッドに前記第2のターンオフ電圧を印加した後に、前記第1の電極パッドに第1のターンオフ電圧を印加する制御回路と、を備える半導体回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、半導体装置及び半導体回路に関する。
【背景技術】
【0002】
電力用の半導体装置の一例として、Insulated Gate Bipolar Transistor(IGBT)がある。IGBTは、例えば、コレクタ電極上に、p形のコレクタ領域、n形のドリフト領域、p形のベース領域が設けられる。そして、p形のベース領域を貫通し、n形のドリフト領域に達するトレンチ内に、ゲート絶縁膜を間に挟んでゲート電極が設けられる。さらに、p形のベース領域表面のトレンチに隣接する領域に、エミッタ電極に接続されるn形のエミッタ領域が設けられる。
【0003】
IGBTでは、スイッチング損失を低減することが期待される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、スイッチング損失の低減を可能とする半導体装置及び半導体回路を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の半導体装置は、第1の面と、前記第1の面と対向する第2の面を有する半導体層と、前記半導体層の中に設けられた第1導電形の第1の半導体領域と、前記半導体層の中に設けられ、前記第1の半導体領域と前記第1の面との間に設けられた第2導電形の第2の半導体領域と、前記半導体層の中に設けられ、前記第2の半導体領域と前記第1の面との間に設けられた第1導電形の第3の半導体領域と、前記半導体層の中に設けられ、前記第3の半導体領域と前記第1の面との間に設けられた第2導電形の第4の半導体領域と、前記半導体層の中の前記第1の面の側に設けられ、前記第2の半導体領域、前記第3の半導体領域、及び前記第4の半導体領域に接する第1のトレンチと、前記第1のトレンチの中に設けられた第1のゲート電極と、前記第1のゲート電極と前記第2の半導体領域との間、前記第1のゲート電極と前記第3の半導体領域との間、及び前記第1のゲート電極と前記第4の半導体領域との間に設けられた第1のゲート絶縁膜と、前記半導体層の中の前記第1の面の側に設けられ、前記第2の半導体領域、前記第3の半導体領域、及び前記第4の半導体領域に接する第2のトレンチと、前記第2のトレンチの中に設けられた第2のゲート電極と、前記第2のゲート電極と前記第2の半導体領域との間、前記第2のゲート電極と前記第3の半導体領域との間、及び前記第2のゲート電極と前記第4の半導体領域との間に設けられた第2のゲート絶縁膜と、前記半導体層の中の前記第1の面の側に設けられ、前記第2の半導体領域、前記第3の半導体領域、及び前記第4の半導体領域に接する少なくとも一つの第3のトレンチと、前記少なくとも一つの第3のトレンチの中に設けられた第3のゲート電極と、前記第3のゲート電極と前記第2の半導体領域との間、前記第3のゲート電極と前記第3の半導体領域との間、及び前記第3のゲート電極と前記第4の半導体領域との間に設けられた第3のゲート絶縁膜と、前記半導体層に対し前記第1の面の側に設けられ、前記第4の半導体領域に接する第1の電極と、前記半導体層に対し前記第2の面の側に設けられ、前記第1の半導体領域に接する第2の電極と、前記半導体層に対し前記第1の面の側に設けられ、前記第1のゲート電極と電気的に接続された第1の電極パッドと、前記半導体層に対し前記第1の面の側に設けられ、前記第2のゲート電極と電気的に接続された第2の電極パッドと、前記半導体層に対し前記第1の面の側に設けられ、前記第3のゲート電極と電気的に接続された第3の電極パッドと、を備え、前記第3の半導体領域は、前記第1のトレンチに接する第1の部分と、前記第2のトレンチに接する第2の部分と、前記少なくとも一つの第3のトレンチに接する第3の部分と、を含み、前記第3の部分の前記第1の面から前記第2の面に向かう方向の厚さは、前記第1の部分の前記方向の厚さより薄く、前記第3の部分の前記第1の面から前記第2の面に向かう方向の厚さは、前記第2の部分の前記方向の厚さより薄い。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図2】第1の実施形態の半導体装置の一部の模式断面図。
【
図3】第1の実施形態の半導体装置の一部の模式上面図。
【
図4】第1の実施形態の半導体装置の一部の模式断面図。
【
図5】第1の実施形態の半導体装置の一部の拡大模式断面図。
【
図6】第1の実施形態の半導体装置の駆動方法の説明図。
【
図7】第1の実施形態の変形例の半導体装置の一部の拡大模式断面図。
【
図8】第2の実施形態の半導体装置の一部の模式断面図。
【
図9】第2の実施形態の半導体装置の一部の拡大模式断面図。
【
図10】第3の実施形態の半導体装置の一部の模式断面図。
【
図11】第3の実施形態の半導体装置の一部の拡大模式断面図。
【
図12】第4の実施形態の半導体装置の一部の模式断面図。
【
図13】第4の実施形態の半導体装置の一部の拡大模式断面図。
【
図14】第5の実施形態の半導体装置の一部の模式断面図。
【
図15】第5の実施形態の半導体装置の一部の模式上面図。
【
図16】第5の実施形態の半導体装置の一部の模式断面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態を説明する。なお、以下の説明では、同一又は類似の部材などには同一の符号を付し、一度説明した部材などについては適宜その説明を省略する。
【0009】
本明細書中、n+形、n形、n-形との表記がある場合、n+形、n形、n-形の順でn形不純物濃度が低くなっていることを意味する。また、p+形、p形、p-形の表記がある場合、p+形、p形、p-形の順で、p形不純物濃度が低くなっていることを意味する。n+形、n形、n-形をまとめて単にn形と記載する場合がある。また、p+形、p形、p-形をまとめて単にp形と記載する場合がある。
【0010】
本明細書中、n形不純物濃度は、実際のn形不純物濃度を示すのではなく、補償後の実効的なn形不純物濃度を示す。同様に、p形不純物濃度は、実際のp形不純物濃度を示すのではなく、補償後の実効的なp形不純物濃度を示す。例えば、実際のn形不純物濃度が、実際のp形不純物濃度よりも大きい場合は、実際のn形不純物濃度からp形不純物濃度を引いた濃度を、n形不純物濃度とする。p形不純物濃度についても同様である。
【0011】
本明細書中、半導体領域の不純物濃度の分布及び絶対値は、例えば、二次イオン質量分析法(Secondary Ion Mass Spectrometry:SIMS)を用いて測定することが可能である。また、2つの半導体領域の不純物濃度の相対的な大小関係は、例えば、走査型静電容量顕微鏡法(Scanning Capacitance Microscopy:SCM)を用いて判定することが可能である。また、不純物濃度の分布及び絶対値は、例えば、拡がり抵抗測定法(Spreading Resistance Analysis:SRA)を用いて測定することが可能である。SCM及びSRAでは、半導体領域のキャリア濃度の相対的な大小関係や絶対値が求まる。不純物の活性化率を仮定することで、SCM及びSRAの測定結果から、2つの半導体領域の不純物濃度の間の相対的な大小関係、不純物濃度の分布、及び、不純物濃度の絶対値を求めることが可能である。
【0012】
本明細書中、半導体装置の中の第1のゲート電極を用いて駆動されるトランジスタ部分を「第1のゲート電極を有する第1のトランジスタ」と表現する場合がある。同様に、第2のゲート電極を用いて駆動されるトランジスタ部分を「第2のゲート電極を有する第2のトランジスタ」、第3のゲート電極を用いて駆動されるトランジスタ部分を「第3のゲート電極を有する第3のトランジスタ」と表現する場合がある。
【0013】
(第1の実施形態)
第1の実施形態の半導体装置は、第1の面と、第1の面と対向する第2の面を有する半導体層と、半導体層の中に設けられた第1導電形の第1の半導体領域と、半導体層の中に設けられ、第1の半導体領域と第1の面との間に設けられた第2導電形の第2の半導体領域と、半導体層の中に設けられ、第2の半導体領域と第1の面との間に設けられた第1導電形の第3の半導体領域と、半導体層の中に設けられ、第3の半導体領域と第1の面との間に設けられた第2導電形の第4の半導体領域と、半導体層の中の第1の面の側に設けられ、第2の半導体領域、第3の半導体領域、及び第4の半導体領域に接する第1のトレンチと、第1のトレンチの中に設けられた第1のゲート電極と、第1のゲート電極と第2の半導体領域との間、第1のゲート電極と第3の半導体領域との間、及び第1のゲート電極と第4の半導体領域との間に設けられた第1のゲート絶縁膜と、半導体層の中の第1の面の側に設けられ、第2の半導体領域、第3の半導体領域、及び第4の半導体領域に接する第2のトレンチと、第2のトレンチの中に設けられた第2のゲート電極と、第2のゲート電極と第2の半導体領域との間、第2のゲート電極と第3の半導体領域との間、及び第2のゲート電極と第4の半導体領域との間に設けられた第2のゲート絶縁膜と、半導体層の中の第1の面の側に設けられ、第2の半導体領域、第3の半導体領域、及び第4の半導体領域に接する少なくとも一つの第3のトレンチと、少なくとも一つの第3のトレンチの中に設けられた第3のゲート電極と、第3のゲート電極と第2の半導体領域との間、第3のゲート電極と第3の半導体領域との間、及び第3のゲート電極と第4の半導体領域との間に設けられた第3のゲート絶縁膜と、半導体層に対し第1の面の側に設けられ、第4の半導体領域に接する第1の電極と、半導体層に対し第2の面の側に設けられ、第1の半導体領域に接する第2の電極と、半導体層に対し第1の面の側に設けられ、第1のゲート電極と電気的に接続された第1の電極パッドと、半導体層に対し第1の面の側に設けられ、第2のゲート電極と電気的に接続された第2の電極パッドと、半導体層に対し第1の面の側に設けられ、第3のゲート電極と電気的に接続された第3の電極パッドと、を備える。そして、第3の半導体領域は、第1のトレンチに接する第1の部分と、第2のトレンチに接する第2の部分と、少なくとも一つの第3のトレンチに接する第3の部分と、を含み、第3の部分の第1の面から第2の面に向かう方向の厚さは、第1の部分の方向の厚さより薄く、第3の部分の第1の面から第2の面に向かう方向の厚さは、第2の部分の方向の厚さより薄い。
【0014】
第1の実施形態の半導体回路は、上記半導体装置を駆動する制御回路を備える。
【0015】
第1の実施形態の半導体装置は、IGBT100である。IGBT100は、半導体層に形成されたトレンチの中にゲート電極を備えるトレンチゲート形のIGBTである。以下、第1導電形がp形、第2導電形がn形である場合を例に説明する。
【0016】
第1の実施形態の制御回路は、ゲートドライバ回路150である。第1の実施形態の半導体回路は、半導体装置と、半導体装置を制御する制御回路で構成される。半導体回路は、例えば、IGBT100とゲートドライバ回路150が実装された半導体モジュールである。
【0017】
図1は、第1の実施形態の半導体回路の模式図である。
【0018】
図2は、第1の実施形態の半導体装置の一部の模式断面図である。
図2は、
図1のAA’断面である。
【0019】
図3は、第1の実施形態の半導体装置の一部の模式上面図である。
図3は、第1の面F1における上面図である。
図2は、
図3のAA’断面である。
【0020】
図4は、第1の実施形態の半導体装置の一部の模式断面図である。
図4は、
図3のBB’断面である。
【0021】
第1の実施形態の半導体回路は、IGBT100とゲートドライバ回路150とを有する。IGBT100は、トランジスタ領域101を有する。トランジスタ領域101には、異なるタイミングで動作する複数のトランジスタが設けられる。
【0022】
IGBT100は、半導体装置の一例である。ゲートドライバ回路150は、制御回路の一例である。
【0023】
第1の実施形態のIGBT100は、半導体層10、エミッタ電極12(第1の電極)、コレクタ電極14(第2の電極)、第1のゲート絶縁膜41、第2のゲート絶縁膜42、第3のゲート絶縁膜43、第1のゲート電極51、第2のゲート電極52、第3のゲート電極53、層間絶縁層61、第1のゲート電極パッド104(第1の電極パッド)、第2のゲート電極パッド105(第2の電極パッド)、第3のゲート電極パッド106(第3の電極パッド)を備える。
【0024】
半導体層10の中には、第1のゲートトレンチ21(第1のトレンチ)、第2のゲートトレンチ22(第2のトレンチ)、第3のゲートトレンチ23(第3のトレンチ)、コレクタ領域26(第1の半導体領域)、ドリフト領域27(第2の半導体領域)、ベース領域28(第3の半導体領域)、エミッタ領域29(第4の半導体領域)、コンタクト領域30、バリア領域31(第5の半導体領域)が設けられる。
【0025】
ベース領域28は、第1の部分28a、第2の部分28b、及び第3の部分28cを含む。バリア領域31は、第4の部分31a、第5の部分31b、及び第6の部分31cを含む。
【0026】
半導体層10は、第1の面F1と、第1の面F1に対向する第2の面F2とを有する。半導体層10は、例えば、単結晶シリコンである。半導体層10の膜厚は、例えば、40μm以上700μm以下である。
【0027】
本明細書中、第1の面F1に平行な一方向を第1の方向と称する。また、第1の面F1に平行で第1の方向に直交する方向を第2の方向と称する。また、第1の面F1から第2の面F2に向かう方向を第3の方向と称する。
【0028】
また、本明細書中、「深さ」とは、第1の面F1を基準とする第2の面F2に向かう方向の距離と定義する。
【0029】
エミッタ電極12は、半導体層10の第1の面F1の側に設けられる。エミッタ電極12の少なくとも一部は半導体層10の第1の面F1に接する。エミッタ電極12は、例えば、金属である。
【0030】
エミッタ電極12は、エミッタ領域29に接する。エミッタ電極12は、エミッタ領域29に電気的に接続される。
【0031】
エミッタ電極12は、コンタクト領域30に接する。エミッタ電極12は、コンタクト領域30に電気的に接続される。エミッタ電極12は、コンタクト領域30を経由してベース領域28に電気的に接続される。
【0032】
コレクタ電極14は、半導体層10の第2の面F2の側に設けられる。コレクタ電極14の少なくとも一部は半導体層10の第2の面F2に接する。コレクタ電極14は、例えば、金属である。
【0033】
コレクタ電極14は、コレクタ領域26に接する。コレクタ電極14は、コレクタ領域26に電気的に接続される。
【0034】
コレクタ領域26は、p+形の半導体領域である。コレクタ領域26は、第2の面F2に接する。コレクタ領域26は、コレクタ電極14に電気的に接続される。コレクタ領域26は、コレクタ電極14に接する。コレクタ領域26は、IGBT100のオン状態の際にホールの供給源となる。
【0035】
ドリフト領域27は、n-形の半導体領域である。ドリフト領域27は、コレクタ領域26と第1の面F1との間に設けられる。
【0036】
ドリフト領域27は、IGBT100のオン状態の際にオン電流の経路となる。ドリフト領域27は、IGBT100のオフ状態の際に空乏化し、IGBT100の耐圧を維持する機能を有する。
【0037】
ベース領域28は、p形の半導体領域である。ベース領域28は、ドリフト領域27と第1の面F1との間に設けられる。ベース領域28は、コレクタ領域26との間にドリフト領域27を挟む。
【0038】
ベース領域28の深さは、例えば、5μm以下である。ベース領域28の第1のゲート電極51と対向する領域、ベース領域28の第2のゲート電極52と対向する領域、及びベース領域28の第3のゲート電極53と対向する領域には、IGBT100のオン状態の際にn形反転層が形成される。ベース領域28はトランジスタのチャネル領域として機能する。
【0039】
バリア領域31は、n形の半導体領域である。バリア領域31は、ドリフト領域27とベース領域28との間に設けられる。バリア領域31のn形不純物濃度は、ドリフト領域27のn形不純物濃度よりも高い。
【0040】
バリア領域31は、IGBT100のオン状態の際にドリフト領域27のキャリア蓄積量を増加させる機能を有する。バリア領域31を設けることで、IGBT100のオン抵抗が低減し、IGBT100の定常損失が低減する。
【0041】
エミッタ領域29は、n+形の半導体領域である。エミッタ領域29は、ベース領域28と第1の面F1との間に設けられる。
【0042】
エミッタ領域29は、第1のゲート絶縁膜41、第2のゲート絶縁膜42、及び第3のゲート絶縁膜43に接する。
【0043】
エミッタ領域29のn形不純物濃度は、ドリフト領域27のn形不純物濃度より高い。
【0044】
エミッタ領域29は、エミッタ電極12に接する。エミッタ領域29は、エミッタ電極12に電気的に接続される。エミッタ領域29は、IGBT100のオン状態の際に電子の供給源となる。
【0045】
コンタクト領域30は、p+形の半導体領域である。コンタクト領域30は、ベース領域28と第1の面F1との間に設けられる。コンタクト領域30は、エミッタ電極12に接する。コンタクト領域30は、エミッタ電極12に電気的に接続される。
【0046】
コンタクト領域30のp形不純物濃度は、ベース領域28のp形不純物濃度よりも高い。
【0047】
第1のゲートトレンチ21は、半導体層10の第1の面F1の側に設けられる。第1のゲートトレンチ21は、半導体層10に設けられた溝である。第1のゲートトレンチ21は、半導体層10の一部である。
【0048】
第1のゲートトレンチ21は、
図3に示すように、第1の面F1において、第1の面F1に平行な第1の方向に延伸する。第1のゲートトレンチ21は、ストライプ形状を有する。複数の第1のゲートトレンチ21は、第1の方向に直交する第2の方向に繰り返し配置される。
【0049】
第1のゲートトレンチ21は、ドリフト領域27、ベース領域28、エミッタ領域29、バリア領域31に接する。第1のゲートトレンチ21は、ベース領域28を貫通し、ドリフト領域27に達する。第1のゲートトレンチ21の深さは、例えば、8μm以下である。
【0050】
第1のゲート電極51は、第1のゲートトレンチ21の中に設けられる。第1のゲート電極51は、例えば、半導体又は金属である。第1のゲート電極51は、例えば、n形不純物又はp形不純物を含む、アモルファスシリコン又は多結晶シリコンである。第1のゲート電極51は、第1のゲート電極パッド104に電気的に接続される。
【0051】
第1のゲート絶縁膜41は、第1のゲート電極51と半導体層10との間に設けられる。第1のゲート絶縁膜41は、第1のゲート電極51とドリフト領域27との間、第1のゲート電極51とベース領域28との間、第1のゲート電極51とエミッタ領域29との間及び、第1のゲート電極51とバリア領域31との間に設けられる。第1のゲート絶縁膜41は、ドリフト領域27、ベース領域28、エミッタ領域29、及び、バリア領域31に接する。第1のゲート絶縁膜41は、例えば、酸化シリコンである。
【0052】
第2のゲートトレンチ22は、半導体層10の第1の面F1の側に設けられる。第2のゲートトレンチ22は、半導体層10に設けられた溝である。第2のゲートトレンチ22は、半導体層10の一部である。
【0053】
第2のゲートトレンチ22は、
図3に示すように、第1の面F1において、第1の面F1に平行な第1の方向に延伸する。第2のゲートトレンチ22は、ストライプ形状を有する。複数の第2のゲートトレンチ22は、第1の方向に直交する第2の方向に繰り返し配置される。
【0054】
第2のゲートトレンチ22は、ドリフト領域27、ベース領域28、エミッタ領域29、バリア領域31に接する。第2のゲートトレンチ22は、ベース領域28を貫通し、ドリフト領域27に達する。第2のゲートトレンチ22の深さは、例えば、8μm以下である。
【0055】
第2のゲート電極52は、第2のゲートトレンチ22の中に設けられる。第2のゲート電極52は、例えば、半導体又は金属である。第2のゲート電極52は、例えば、n形不純物又はp形不純物を含む、アモルファスシリコン又は多結晶シリコンである。第2のゲート電極52は、第2のゲート電極パッド105に電気的に接続される。
【0056】
第2のゲート絶縁膜42は、第2のゲート電極52と半導体層10との間に設けられる。第2のゲート絶縁膜42は、第2のゲート電極52とドリフト領域27との間、第2のゲート電極52とベース領域28との間、第2のゲート電極52とエミッタ領域29、及び、第2のゲート電極52とバリア領域31との間に設けられる。第2のゲート絶縁膜42は、ドリフト領域27、ベース領域28、エミッタ領域29、及び、バリア領域31に接する。第2のゲート絶縁膜42は、例えば、酸化シリコンである。
【0057】
第3のゲートトレンチ23は、半導体層10の第1の面F1の側に設けられる。第3のゲートトレンチ23は、半導体層10に設けられた溝である。第3のゲートトレンチ23は、半導体層10の一部である。
【0058】
第3のゲートトレンチ23は、
図3に示すように、第1の面F1において、第1の面F1に平行な第1の方向に延伸する。第3のゲートトレンチ23は、ストライプ形状を有する。複数の第3のゲートトレンチ23は、第1の方向に直交する第2の方向に繰り返し配置される。
【0059】
第3のゲートトレンチ23は、ドリフト領域27、ベース領域28、エミッタ領域29、バリア領域31に接する。第3のゲートトレンチ23は、ベース領域28を貫通し、ドリフト領域27に達する。第3のゲートトレンチ23の深さは、例えば、8μm以下である。
【0060】
第3のゲート電極53は、第3のゲートトレンチ23の中に設けられる。第3のゲート電極53は、例えば、半導体又は金属である。第3のゲート電極53は、例えば、n形不純物又はp形不純物を含む、アモルファスシリコン又は多結晶シリコンである。第3のゲート電極53は、第3のゲート電極パッド106に電気的に接続される。
【0061】
第3のゲート絶縁膜43は、第3のゲート電極53と半導体層10との間に設けられる。第3のゲート絶縁膜43は、第3のゲート電極53とドリフト領域27との間、第3のゲート電極53とベース領域28との間、第3のゲート電極53とエミッタ領域29との間、及び、第3のゲート電極53とバリア領域31との間に設けられる。第3のゲート絶縁膜43は、ドリフト領域27、ベース領域28、エミッタ領域29、及び、バリア領域31に接する。第3のゲート絶縁膜43は、例えば、酸化シリコンである。
【0062】
層間絶縁層61は、第1のゲート電極51とエミッタ電極12との間に設けられる。層間絶縁層61は、第1のゲート電極51とエミッタ電極12との間を電気的に分離する。層間絶縁層61は、第2のゲート電極52とエミッタ電極12との間に設けられる。
【0063】
層間絶縁層61は、第2のゲート電極52とエミッタ電極12との間を電気的に分離する。層間絶縁層61は、第3のゲート電極53とエミッタ電極12との間に設けられる。層間絶縁層61は、第3のゲート電極53とエミッタ電極12との間を電気的に分離する。層間絶縁層61は、例えば、酸化シリコンである。
【0064】
第1のゲート電極パッド104は、半導体層10の第1の面F1の側に設けられる。第1のゲート電極パッド104は、第1のゲート電極51に電気的に接続される。第1のゲート電極パッド104と第1のゲート電極51は、例えば、図示しない金属配線で接続される。
【0065】
第1のゲート電極パッド104には、第1のゲート電圧(Vg1)が印加される。
第1のゲート電極パッド104には、例えば、第1のターンオン電圧(Von1)、第1のターンオフ電圧(Voff1)が印加される。
【0066】
第2のゲート電極パッド105は、半導体層10の第1の面F1の側に設けられる。第2のゲート電極パッド105は、第2のゲート電極52に電気的に接続される。第2のゲート電極パッド105と第2のゲート電極52は、例えば、図示しない金属配線で接続される。
【0067】
第2のゲート電極パッド105には、第2のゲート電圧(Vg2)が印加される。第2のゲート電極パッド105には、例えば、第2のターンオン電圧(Von2)、第2のターンオフ電圧(Voff2)が印加される。
【0068】
第3のゲート電極パッド106は、半導体層10の第1の面F1の側に設けられる。第3のゲート電極パッド106は、第3のゲート電極53に電気的に接続される。第3のゲート電極パッド106と第3のゲート電極53は、例えば、図示しない金属配線で接続される。
【0069】
第3のゲート電極パッド106には、第3のゲート電圧(Vg3)が印加される。第3のゲート電極パッド106には、例えば、第3のターンオン電圧(Von3)、第3のターンオフ電圧(Voff3)が印加される。
【0070】
ゲートドライバ回路150は、例えば、RC-IGBT100と同一の回路基板上又は別の回路基板上に設けられる。ゲートドライバ回路150は、IGBT100を駆動する機能を有する。
【0071】
ゲートドライバ回路150は、第1のゲート電極パッド104、第2のゲート電極パッド105、及び第3のゲート電極パッド106に、所望の第1のゲート電圧(Vg1)、所望の第2のゲート電圧(Vg2)、及び所望の第3のゲート電圧(Vg3)を、所望のタイミングで印加する機能を有する。
【0072】
ゲートドライバ回路150は、第1のゲート電極パッド104に第1のターンオン電圧(Von1)を印加し、第2のゲート電極パッド105に第2のターンオン電圧(Von2)を印加し、第3のゲート電極パッド106に第3のターンオン電圧(Von3)を印加し、第1のゲート電極パッド104に第1のターンオン電圧(Von1)を印加し、第2のゲート電極パッド105に第2のターンオン電圧(Von2)を印加し、第3のゲート電極パッド106に第3のターンオン電圧(Von3)を印加した後に、第3のゲート電極パッド106に第3のターンオフ電圧(Voff3)を印加し、第3のゲート電極パッド106に第3のターンオフ電圧(Voff3)を印加した後に、第2のゲート電極パッド105に第2のターンオフ電圧(Voff2)を印加し、第2のゲート電極パッド105に第2のターンオフ電圧(Voff2)を印加した後に、第1のゲート電極パッド104に第1のターンオフ電圧(Voff1)を印加する。
【0073】
図5は、第1の実施形態の半導体装置の一部の拡大模式断面図である。
図5は、
図2の一部の拡大図である。
【0074】
図5に示すように、ベース領域28は、第1の部分28a、第2の部分28b、及び第3の部分28cを含む。
【0075】
第1の部分28aは、ベース領域28の第1のゲートトレンチ21に接する部分である。第1の部分28aは、第1のゲート絶縁膜41に接する。第1の部分28aは、第1のゲート電極51に対向する。
【0076】
第1の部分28aは、第1のゲート電極51、第1のゲート絶縁膜41、及び第1の部分28aを有する第1のトランジスタのチャネル領域として機能する。第1のトランジスタは、第1のゲート電極51に印加される第1のゲート電圧(Vg1)によって駆動されるトランジスタである。
【0077】
第2の部分28bは、ベース領域28の第2のゲートトレンチ22に接する部分である。第2の部分28bは、第2のゲート絶縁膜42に接する。第2の部分28bは、第2のゲート電極52に対向する。
【0078】
第2の部分28bは、第2のゲート電極52、第2のゲート絶縁膜42、及び第2の部分28bを有する第2のトランジスタのチャネル領域として機能する。第2のトランジスタは、第2のゲート電極52に印加される第2のゲート電圧(Vg2)によって駆動されるトランジスタである。
【0079】
第3の部分28cは、ベース領域28の第3のゲートトレンチ23に接する部分である。第3の部分28cは、第3のゲート絶縁膜43に接する。第3の部分28cは、第3のゲート電極53に対向する。
【0080】
第3の部分28cは、第3のゲート電極53、第3のゲート絶縁膜43、及び第3の部分28cを有する第3のトランジスタのチャネル領域として機能する。第3のトランジスタは、第3のゲート電極53に印加される第3のゲート電圧(Vg3)によって駆動されるトランジスタである。
【0081】
第3の部分28cの第3の方向の厚さ(
図5中のt3)は、第1の部分28aの第3の方向の厚さ(
図5中のt1)より薄い。第3の部分28cの第3の方向の厚さt3は、例えば、第1の部分28aの第3の方向の厚さt1の20%以上70%以下である。
【0082】
また、第3の部分28cの第3の方向の厚さ(
図5中のt3)は、第2の部分28bの第3の方向の厚さ(
図5中のt2)より薄い。第3の部分28cの第3の方向の厚さt3は、例えば、第2の部分28bの第3の方向の厚さt2の20%以上70%以下である。
【0083】
図5に示すように、バリア領域31は、第4の部分31a、第5の部分31b、及び第6の部分31cを含む。
【0084】
第4の部分31aは、バリア領域31の第1のゲートトレンチ21に接する部分である。第4の部分31aは、第1のゲート絶縁膜41に接する。第4の部分31aは、第1のゲート電極51に対向する。第4の部分31aは、ドリフト領域27と第1の部分28aとの間に設けられる。
【0085】
第5の部分31bは、バリア領域31の第2のゲートトレンチ22に接する部分である。第5の部分31bは、第2のゲート絶縁膜42に接する。第5の部分31bは、第2のゲート電極52に対向する。第5の部分31bは、ドリフト領域27と第2の部分28bとの間に設けられる。
【0086】
第6の部分31cは、バリア領域31の第3のゲートトレンチ23に接する部分である。第6の部分31cは、第3のゲート絶縁膜43に接する。第6の部分31cは、第3のゲート電極53に対向する。第6の部分31cは、ドリフト領域27と第3の部分28cとの間に設けられる。
【0087】
第6の部分31cの第3の方向の厚さ(
図5中のt6)は、第4の部分31aの第3の方向の厚さ(
図5中のt4)より厚い。第6の部分31cの第3の方向の厚さt6は、例えば、第4の部分31aの第3の方向の厚さt4の150%以上である。
【0088】
また、第6の部分31cの第3の方向の厚さ(
図5中のt6)は、第5の部分31bの第3の方向の厚さ(
図5中のt5)より厚い。第6の部分31cの第3の方向の厚さt6は、例えば、第5の部分31bの第3の方向の厚さt5の150%以上である。
【0089】
次に、IGBT100の駆動方法の一例について説明する。
【0090】
図6は、第1の実施形態の半導体装置の駆動方法の説明図である。
図6は、第1のゲート電極パッド104に印加される第1のゲート電圧(Vg1)と、第2のゲート電極パッド105に印加される第2のゲート電圧(Vg2)と、第3のゲート電極パッド106に印加される第3のゲート電圧(Vg3)と、のタイミングチャートである。
【0091】
IGBT100のオフ状態では、例えば、エミッタ電極12には、エミッタ電圧が印加される。エミッタ電圧は、例えば、0Vである。コレクタ電極14には、コレクタ電圧が印加される。コレクタ電圧は、例えば、200V以上6500V以下である。
【0092】
IGBT100のオフ状態では、第1のゲート電極パッド104には、第1のターンオフ電圧(Voff1)が印加されている。第1のゲート電圧(Vg1)が第1のターンオフ電圧(Voff1)となる。したがって、第1のゲート電極51にも第1のターンオフ電圧(Voff1)が印加されている。
【0093】
第1のターンオフ電圧(Voff1)は、第1のゲート電極51を有する第1のトランジスタがオン状態とならない閾値電圧未満の電圧であり、例えば、0V又は負電圧である。
【0094】
オフ状態では、第1のゲート電極51と対向し、第1のゲート絶縁膜41に接するベース領域28には、n形反転層は形成されない。
【0095】
IGBT100のオフ状態では、第2のゲート電極パッド105には、第2のターンオフ電圧(Voff2)が印加されている。第2のゲート電圧(Vg2)が第2のターンオフ電圧(Voff2)となる。したがって、第2のゲート電極52にも第2のターンオフ電圧(Voff2)が印加されている。
【0096】
第2のターンオフ電圧(Voff2)は、第2のゲート電極52を有する第2のトランジスタがオン状態とならない閾値電圧未満の電圧であり、例えば、0V又は負電圧である。
【0097】
オフ状態では、第2のゲート電極52と対向し、第2のゲート絶縁膜42に接するベース領域28には、n形反転層は形成されない。
【0098】
IGBT100のオフ状態では、第3のゲート電極パッド106には、第3のターンオフ電圧(Voff3)が印加されている。第3のゲート電圧(Vg3)が第3のターンオフ電圧(Voff3)となる。したがって、第3のゲート電極53にも第3のターンオフ電圧(Voff3)が印加されている。
【0099】
第3のターンオフ電圧(Voff3)は、第3のゲート電極53を有する第3のトランジスタがオン状態とならない閾値電圧未満の電圧であり、例えば、0Vである。
【0100】
オフ状態では、第3のゲート電極53と対向し、第3のゲート絶縁膜43に接するベース領域28には、n形反転層は形成されない。
【0101】
時刻T1に、第1のゲート電極パッド104に第1のターンオン電圧(Von1)を印加する。第1のゲート電圧(Vg1)が第1のターンオン電圧(Von1)となる。第1のゲート電極51にも第1のターンオン電圧(Von1)が印加される。
【0102】
第1のターンオン電圧(Von1)とは、第1のゲート電極51を有する第1のトランジスタの閾値電圧を超える正電圧である。第1のターンオン電圧(Von1)は、例えば、15Vである。第1のゲート電極51への第1のターンオン電圧(Von1)の印加により、第1のゲート電極51を有する第1のトランジスタがオン状態になる。
【0103】
オン状態では、第1のゲート電極51と対向し、第1のゲート絶縁膜41に接するベース領域28に、n形反転層が形成される。
【0104】
時刻T1に、第2のゲート電極パッド105に第2のターンオン電圧(Von2)を印加する。第2のゲート電圧(Vg2)が第2のターンオン電圧(Von2)となる。第2のゲート電極52にも第2のターンオン電圧(Von2)が印加される。
【0105】
第2のターンオン電圧(Von2)とは、第2のゲート電極52を有する第2のトランジスタの閾値電圧を超える正電圧である。第2のターンオン電圧(Von2)は、例えば、15Vである。第2のゲート電極52への第2のターンオン電圧(Von2)の印加により、第2のゲート電極52を有する第2のトランジスタがオン状態になる。
【0106】
オン状態では、第2のゲート電極52と対向し、第2のゲート絶縁膜42に接するベース領域28に、n形反転層が形成される。
【0107】
時刻T1に、第3のゲート電極パッド106に第3のターンオン電圧(Von3)を印加する。第3のゲート電圧(Vg3)が第3のターンオン電圧(Von3)となる。第3のゲート電極53にも第3のターンオン電圧(Von3)が印加される。
【0108】
第3のターンオン電圧(Von3)とは、第3のゲート電極53を有する第3のトランジスタの閾値電圧を超える正電圧である。第3のターンオン電圧(Von3)は、例えば、15Vである。第3のゲート電極53への第3のターンオン電圧(Von3)の印加により、第3のゲート電極53を有する第3のトランジスタがオン状態になる。
【0109】
オン状態では、第3のゲート電極53と対向し、第3のゲート絶縁膜43に接するベース領域28に、n形反転層が形成される。
【0110】
時刻T1以降、IGBT100がオン状態になる。
【0111】
時刻T2に、第3のゲート電極パッド106に第3のターンオフ電圧(Voff3)を印加する。第3のゲート電圧(Vg3)が第3のターンオフ電圧(Voff3)となる。第3のゲート電極53にも第3のターンオフ電圧(Voff3)が印加される。
【0112】
第3のゲート電極53への第3のターンオフ電圧(Voff3)の印加により、第3のゲート電極53を有する第3のトランジスタがオフ状態になる。
【0113】
時刻T3に、第2のゲート電極パッド105に第2のターンオフ電圧(Voff2)を印加する。第2のゲート電圧(Vg2)が第2のターンオフ電圧(Voff2)となる。第2のゲート電極52にも第2のターンオフ電圧(Voff2)が印加される。
【0114】
第2のゲート電極52への第2のターンオフ電圧(Voff2)の印加により、第2のゲート電極52を有する第2のトランジスタがオフ状態になる。
【0115】
例えば、第2のターンオフ電圧(Voff2)が負電圧の場合、第2のゲート絶縁膜42に接するドリフト領域27にp形反転層が形成される。第2のターンオフ電圧(Voff2)は、例えば、-15V以上0V未満である。
【0116】
時刻T4に、第1のゲート電極パッド104に第1のターンオフ電圧(Voff1)を印加する。第1のゲート電圧(Vg1)が第1のターンオフ電圧(Voff1)となる。第1のゲート電極51にも第1のターンオフ電圧(Voff1)が印加される。
【0117】
第1のゲート電極51への第1のターンオフ電圧(Voff1)の印加により、第1のゲート電極51を有する第1のトランジスタがオフ状態になる。
【0118】
時刻T4以降では、第1のゲート電極51を有する第1のトランジスタ、第2のゲート電極52を有する第2のトランジスタ、第3のゲート電極53を有する第3のトランジスタの全てがオフ状態となる。
【0119】
次に、第1の実施形態の半導体装置及び半導体回路の作用及び効果について説明する。
【0120】
第1の実施形態のIGBT100は、トランジスタ領域101に、第1のゲート電極51を有する第1のトランジスタ、第2のゲート電極52を有する第2のトランジスタ、及び第3のゲート電極53を有する第3のトランジスタを備える。そして、それぞれのトランジスタを独立して駆動させることが可能である。この構成により、IGBT100のターンオン損失及びターンオフ損失を低減できる。
【0121】
時刻T1に、第1のゲート電極51を有する第1のトランジスタ、第2のゲート電極52を有する第2のトランジスタ、及び第3のゲート電極53を有する第3のトランジスタが全てオン状態になる。第1のゲート電極51を有する第1のトランジスタ、第2のゲート電極52を有する第2のトランジスタ、及び第3のゲート電極53を有する第3のトランジスタが全てオン状態になることで、トランジスタ領域101では、ドリフト領域27にエミッタ領域29から電子が注入される。これに対応してコレクタ領域26からドリフト領域27に正孔が注入される。
【0122】
例えば、第3のゲート電極53を有する第3のトランジスタを備えない場合に比べ、エミッタ領域29からドリフト領域27に注入される電子の量が増加する。したがって、IGBT100のターンオン時間が短縮できる。よって、IGBT100のターンオン損失が低減する。
【0123】
時刻T2において、第3のゲート電極53を有する第3のトランジスタがオフ状態になる。時刻T2において、第3のゲート電極53を有する第3のトランジスタによるドリフト領域27への電子の注入が止まる。時刻T2以降、第3のゲート電極53を有する第3のトランジスタはダミーゲートとして機能することになる。
【0124】
第3のゲート電極53を有する第3のトランジスタによるドリフト領域27への電子の注入が止まることで、ドリフト領域27のエミッタ領域29側のキャリア密度が低下する。したがって、IGBT100の飽和電流が抑制できる。よって、例えば、IGBT100の短絡耐量が向上する。
【0125】
時刻T3において、第2のゲート電極52を有する第2のトランジスタがオフ状態になる。その後、時刻T4において、第1のゲート電極51を有する第1のトランジスタがオフ状態になる。時刻T4において、IGBT100がオフ状態になる。
【0126】
時刻T3において、第2のゲート電極52を有する第2のトランジスタをオフ状態にすることで、ドリフト領域27のキャリア密度が低減する。このため、第1のゲート電極51を有する第1のトランジスタをオフ状態にした後に、排出すべきキャリアの量が低減される。
【0127】
したがって、IGBT100のターンオフ時間が短縮できる。よって、IGBT100のターンオフ損失が低減する。
【0128】
特に、第2のゲート電極52に印加される第2のターンオフ電圧(Voff2)が負電圧の場合、第2のゲート絶縁膜42に接するドリフト領域27にp形反転層が形成される。したがって、時刻T4までの間にドリフト領域27からエミッタ電極12へのホールの排出が促進され、第1のゲート電極51を有する第1のトランジスタをオフ状態にした後に、排出すべきキャリアの量が更に低減される。よって、IGBT100のターンオフ損失が更に低減する。
【0129】
第1の実施形態のIGBT100は、ベース領域28の第3の部分28cの第3の方向の厚さ(
図5中のt3)は、第1の部分28aの第3の方向の厚さ(
図5中のt1)より薄い。したがって、第3のゲート電極53を有する第3のトランジスタのチャネル長が、第1のゲート電極51を有する第1のトランジスタのチャネル長よりも短くなる。したがって、第3のゲート電極53を有する第3のトランジスタの閾値電圧は、ショートチャネル効果により、第1のゲート電極51を有する第1のトランジスタの閾値電圧よりも低くなる。
【0130】
また、第1の実施形態のIGBT100は、ベース領域28の第3の部分28cの第3の方向の厚さ(
図5中のt3)は、第2の部分28bの第3の方向の厚さ(
図5中のt2)より薄い。したがって、第3のゲート電極53を有する第3のトランジスタのチャネル長が、第2のゲート電極52を有する第2のトランジスタのチャネル長よりも短くなる。したがって、第2のゲート電極52を有する第2のトランジスタの閾値電圧は、ショートチャネル効果により、第2のゲート電極52を有する第2のトランジスタの閾値電圧よりも低くなる。
【0131】
第3のゲート電極53を有する第3のトランジスタの閾値電圧は、第1のゲート電極51を有する第1のトランジスタの閾値電圧及び第2のゲート電極52を有する第2のトランジスタの閾値電圧よりも低くなる。このため、例えば、時刻T1に同時に、第1のゲート電極51、第2のゲート電極52、及び第3のゲート電極53にターンオン電圧を印加した場合、第3のゲート電極53を有する第3のトランジスタが早くオン動作を開始する。したがって、ドリフト領域27に注入される電子の量が速く増加する。したがって、IGBT100のターンオン時間が更に短縮できる。よって、IGBT100のターンオン損失が更に低減する。
【0132】
第3のゲート電極53を有する第3のトランジスタの閾値電圧を低下させる観点から、第3の部分28cの第3の方向の厚さt3は、第1の部分28aの第3の方向の厚さt1の70%以下であることが好ましく、50%以下であることがより好ましい。第3のゲート電極53を有する第3のトランジスタの閾値電圧を低下させる観点から、第3の部分28cの第3の方向の厚さt3は、第2の部分28bの第3の方向の厚さt2の70%以下であることが好ましく、50%以下であることがより好ましい。
【0133】
(変形例)
図7は、第1の実施形態の変形例の半導体装置の一部の拡大模式断面図である。
図7は、第1の実施形態の
図5に対応する図である。
【0134】
第1の実施形態の変形例の半導体装置は、IGBT101である。変形例のIGBT101は、バリア領域31の第6の部分31cのn形不純物濃度が、第4の部分31aのn形不純物濃度よりも高く、第6の部分31cのn形不純物濃度が、第5の部分31bのn形不純物濃度よりも高い点で、第1の実施形態のIGBT100と異なる。
【0135】
第6の部分31cのn形不純物濃度は、例えば、第4の部分31aのn形不純物濃度の120%以上200%以下である。また、第5の部分31bのn形不純物濃度は、例えば、第4の部分31aのn形不純物濃度の120%以上200%以下である。
【0136】
第6の部分31cのn形不純物濃度が、第4の部分31aのn形不純物濃度よりも高いことで、第3のゲート電極53を有する第3のトランジスタの閾値電圧が、ショートチャネル効果により、第1のゲート電極51を有する第1のトランジスタの閾値電圧よりも更に低くなる。また、第6の部分31cのn形不純物濃度が、第5の部分31bのn形不純物濃度よりも高いことで、第3のゲート電極53を有する第3のトランジスタの閾値電圧が、ショートチャネル効果により、第2のゲート電極52を有する第2のトランジスタの閾値電圧よりも更に低くなる。
【0137】
第3のゲート電極53を有する第3のトランジスタが更に早くオン動作を開始する。したがって、ドリフト領域27に注入される電子の量が更に速く増加する。したがって、IGBT101のターンオン時間が更に短縮できる。よって、IGBT101のターンオン損失が更に低減する。
【0138】
以上、第1の実施形態及び変形例によれば、スイッチング損失の低減を可能とする半導体装置及び半導体回路を実現できる。
【0139】
(第2の実施形態)
第2の実施形態の半導体装置及び半導体回路は、少なくとも一つの第3のトレンチは、隣り合う一対の第3のトレンチを含み、第3の部分は、一対の第3のトレンチの間に位置する点で、第1の実施形態の半導体装置及び半導体回路と異なる。以下、第1の実施形態と重複する内容については、一部記述を省略する場合がある。
【0140】
第2の実施形態の半導体装置は、IGBT200である。IGBT200は、半導体層に形成されたトレンチの中にゲート電極を備えるトレンチゲート形のIGBTである。以下、第1導電形がp形、第2導電形がn形である場合を例に説明する。
【0141】
第2の実施形態の制御回路は、ゲートドライバ回路150である。第2の実施形態の半導体回路は、半導体装置と、半導体装置を制御する制御回路で構成される。半導体回路は、例えば、IGBT200とゲートドライバ回路150が実装された半導体モジュールである。
【0142】
図8は、第2の実施形態の半導体装置の一部の模式断面図である。
図8は、第1の実施形態の
図2に対応する図である。
【0143】
第2の実施形態のIGBT200は、半導体層10、エミッタ電極12(第1の電極)、コレクタ電極14(第2の電極)、第1のゲート絶縁膜41、第2のゲート絶縁膜42、第3のゲート絶縁膜43、第1のゲート電極51、第2のゲート電極52、第3のゲート電極53、層間絶縁層61、第1のゲート電極パッド104(第1の電極パッド)、第2のゲート電極パッド105(第2の電極パッド)、第3のゲート電極パッド106(第3の電極パッド)を備える。
【0144】
半導体層10の中には、第1のゲートトレンチ21(第1のトレンチ)、第2のゲートトレンチ22(第2のトレンチ)、第3のゲートトレンチ23(第3のトレンチ)、コレクタ領域26(第1の半導体領域)、ドリフト領域27(第2の半導体領域)、ベース領域28(第3の半導体領域)、エミッタ領域29(第4の半導体領域)、コンタクト領域30、バリア領域31(第5の半導体領域)が設けられる。
【0145】
ベース領域28は、第1の部分28a、第2の部分28b、及び第3の部分28cを含む。バリア領域31は、第4の部分31a、第5の部分31b、及び第6の部分31cを含む。
【0146】
第2の実施形態のIGBT200は、第2の方向に隣り合う一対の第3のゲートトレンチ23を含む。隣り合う一対の第3のゲートトレンチ23の間には、第1のゲートトレンチ21及び第2のゲートトレンチ22は存在しない。
【0147】
図9は、第2の実施形態の半導体装置の一部の拡大模式断面図である。
図9は、
図8の一部の拡大図である。
図9は、第1の実施形態の
図5に対応する図である。
【0148】
図9に示すように、ベース領域28は、第1の部分28a、第2の部分28b、及び第3の部分28cを含む。
【0149】
第1の部分28aは、ベース領域28の第1のゲートトレンチ21に接する部分である。第1の部分28aは、第1のゲート絶縁膜41に接する。第1の部分28aは、第1のゲート電極51に対向する。
【0150】
第1の部分28aは、第1のゲート電極51、第1のゲート絶縁膜41、及び第1の部分28aを有する第1のトランジスタのチャネル領域として機能する。第1のトランジスタは、第1のゲート電極51に印加される第1のゲート電圧(Vg1)によって駆動されるトランジスタである。
【0151】
第2の部分28bは、ベース領域28の第2のゲートトレンチ22に接する部分である。第2の部分28bは、第2のゲート絶縁膜42に接する。第2の部分28bは、第2のゲート電極52に対向する。
【0152】
第2の部分28bは、第2のゲート電極52、第2のゲート絶縁膜42、及び第2の部分28bを有する第2のトランジスタのチャネル領域として機能する。第2のトランジスタは、第2のゲート電極52に印加される第2のゲート電圧(Vg2)によって駆動されるトランジスタである。
【0153】
第3の部分28cは、ベース領域28の第3のゲートトレンチ23に接する部分である。第3の部分28cは、第3のゲート絶縁膜43に接する。第3の部分28cは、第3のゲート電極53に対向する。
【0154】
第3の部分28cは、第2の方向に隣り合う一対の第3のゲートトレンチ23の間に設けられる。
【0155】
第3の部分28cは、第3のゲート電極53、第3のゲート絶縁膜43、及び第3の部分28cを有する第3のトランジスタのチャネル領域として機能する。第3のトランジスタは、第3のゲート電極53に印加される第3のゲート電圧(Vg3)によって駆動されるトランジスタである。
【0156】
第3の部分28cの第3の方向の厚さ(
図9中のt3)は、第1の部分28aの第3の方向の厚さ(
図9中のt1)より薄い。第3の部分28cの第3の方向の厚さt3は、例えば、第1の部分28aの第3の方向の厚さt1の20%以上70%以下である。
【0157】
また、第3の部分28cの第3の方向の厚さ(
図9中のt3)は、第2の部分28bの第3の方向の厚さ(
図9中のt2)より薄い。第3の部分28cの第3の方向の厚さt3は、例えば、第2の部分28bの第3の方向の厚さt2の20%以上70%以下である。
【0158】
図9に示すように、バリア領域31は、第4の部分31a、第5の部分31b、及び第6の部分31cを含む。
【0159】
第4の部分31aは、バリア領域31の第1のゲートトレンチ21に接する部分である。第4の部分31aは、第1のゲート絶縁膜41に接する。第4の部分31aは、第1のゲート電極51に対向する。第4の部分31aは、ドリフト領域27と第1の部分28aとの間に設けられる。
【0160】
第5の部分31bは、バリア領域31の第2のゲートトレンチ22に接する部分である。第5の部分31bは、第2のゲート絶縁膜42に接する。第5の部分31bは、第2のゲート電極52に対向する。第5の部分31bは、ドリフト領域27と第2の部分28bとの間に設けられる。
【0161】
第6の部分31cは、バリア領域31の第3のゲートトレンチ23に接する部分である。第6の部分31cは、第3のゲート絶縁膜43に接する。第6の部分31cは、第3のゲート電極53に対向する。第6の部分31cは、ドリフト領域27と第3の部分28cとの間に設けられる。
【0162】
第6の部分31cの第3の方向の厚さ(
図9中のt6)は、第4の部分31aの第3の方向の厚さ(
図9中のt4)より厚い。第6の部分31cの第3の方向の厚さt6は、例えば、第4の部分31aの第3の方向の厚さt6の150%以上である。
【0163】
また、第6の部分31cの第3の方向の厚さ(
図9中のt6)は、第5の部分31bの第3の方向の厚さ(
図9中のt5)より厚い。第6の部分31cの第3の方向の厚さt6は、例えば、第5の部分31bの第3の方向の厚さt5の150%以上である。
【0164】
第2の実施形態のIGBT200は、第1の実施形態のIGBT100と同様の作用により、スイッチング損失が低減する。
【0165】
また、第2の実施形態のIGBT200は、第1の実施形態のIGBT100と比較して、第1の面F1内の第3のゲートトレンチ23の密度が、第1のゲートトレンチ21の密度及び第2のゲートトレンチ22の密度よりも高くなる。したがって、IGBT200のターンオン時の電子の注入量が、IGBT100よりも更に大きくなる。よって、ターンオン損失が更に低減する。
【0166】
以上、第2の実施形態によれば、スイッチング損失の低減を可能とする半導体装置及び半導体回路を実現できる。
【0167】
(第3の実施形態)
第3の実施形態の半導体装置は、第1の面と、第1の面と対向する第2の面を有する半導体層と、半導体層の中に設けられた第1導電形の第1の半導体領域と、半導体層の中に設けられ、第1の半導体領域と第1の面との間に設けられた第2導電形の第2の半導体領域と、半導体層の中に設けられ、第2の半導体領域と第1の面との間に設けられた第1導電形の第3の半導体領域と、半導体層の中に設けられ、第3の半導体領域と第1の面との間に設けられた第2導電形の第4の半導体領域と、半導体層の中の第1の面の側に設けられ、第2の半導体領域、第3の半導体領域、及び第4の半導体領域に接する第1のトレンチと、第1のトレンチの中に設けられた第1のゲート電極と、第1のゲート電極と第2の半導体領域との間、第1のゲート電極と第3の半導体領域との間、及び第1のゲート電極と第4の半導体領域との間に設けられた第1のゲート絶縁膜と、半導体層の中の第1の面の側に設けられ、第2の半導体領域、第3の半導体領域、及び第4の半導体領域に接する第2のトレンチと、第2のトレンチの中に設けられた第2のゲート電極と、第2のゲート電極と第2の半導体領域との間、第2のゲート電極と第3の半導体領域との間、及び第2のゲート電極と第4の半導体領域との間に設けられた第2のゲート絶縁膜と、半導体層の中の第1の面の側に設けられ、第2の半導体領域、第3の半導体領域、及び第4の半導体領域に接する少なくとも一つの第3のトレンチと、少なくとも一つの第3のトレンチの中に設けられた第3のゲート電極と、第3のゲート電極と第2の半導体領域との間、第3のゲート電極と第3の半導体領域との間、及び第3のゲート電極と第4の半導体領域との間に設けられた第3のゲート絶縁膜と、半導体層に対し第1の面の側に設けられ、第4の半導体領域に接する第1の電極と、半導体層に対し第2の面の側に設けられ、第1の半導体領域に接する第2の電極と、半導体層に対し第1の面の側に設けられ、第1のゲート電極と電気的に接続された第1の電極パッドと、半導体層に対し第1の面の側に設けられ、第2のゲート電極と電気的に接続された第2の電極パッドと、半導体層に対し第1の面の側に設けられ、第3のゲート電極と電気的に接続された第3の電極パッドと、を備える。そして、第3の半導体領域は第1のトレンチに接する第1の部分と、第2のトレンチに接する第2の部分と、少なくとも一つの第3のトレンチに接する第3の部分と、を含み、第3の部分の第1導電形不純物濃度は、第1の部分の第1導電形不純物濃度より低く、第3の部分の第1導電形不純物濃度は、第2の部分の第1導電形不純物濃度より低い。
【0168】
第3の実施形態の半導体回路は、上記半導体装置を駆動する制御回路を備える。
【0169】
第3の実施形態の半導体装置及び半導体回路は、第3の部分の第1導電形不純物濃度は、第1の部分の第1導電形不純物濃度より低く、第3の部分の第1導電形不純物濃度は、第2の部分の第1導電形不純物濃度より低い点で、第1の実施形態の半導体装置及び半導体回路と異なる。以下、第1の実施形態と重複する内容については、記述を省略する場合がある。
【0170】
第3の実施形態の半導体装置は、IGBT300である。IGBT300は、半導体層に形成されたトレンチの中にゲート電極を備えるトレンチゲート形のIGBTである。以下、第1導電形がp形、第2導電形がn形である場合を例に説明する。
【0171】
第3の実施形態の制御回路は、ゲートドライバ回路150である。第3の実施形態の半導体回路は、半導体装置と、半導体装置を制御する制御回路で構成される。半導体回路は、例えば、IGBT300とゲートドライバ回路150が実装された半導体モジュールである。
【0172】
図10は、第3の実施形態の半導体装置の一部の模式断面図である。
図10は、第1の実施形態の
図2に対応する図である。
【0173】
第3の実施形態のIGBT300は、半導体層10、エミッタ電極12(第1の電極)、コレクタ電極14(第2の電極)、第1のゲート絶縁膜41、第2のゲート絶縁膜42、第3のゲート絶縁膜43、第1のゲート電極51、第2のゲート電極52、第3のゲート電極53、層間絶縁層61、第1のゲート電極パッド104(第1の電極パッド)、第2のゲート電極パッド105(第2の電極パッド)、第3のゲート電極パッド106(第3の電極パッド)を備える。
【0174】
半導体層10の中には、第1のゲートトレンチ21(第1のトレンチ)、第2のゲートトレンチ22(第2のトレンチ)、第3のゲートトレンチ23(第3のトレンチ)、コレクタ領域26(第1の半導体領域)、ドリフト領域27(第2の半導体領域)、ベース領域28(第3の半導体領域)、エミッタ領域29(第4の半導体領域)、コンタクト領域30、バリア領域31(第5の半導体領域)が設けられる。
【0175】
ベース領域28は、第1の部分28a、第2の部分28b、及び第3の部分28cを含む。
【0176】
図11は、第3の実施形態の半導体装置の一部の拡大模式断面図である。
図11は、
図10の一部の拡大図である。
図11は、第1の実施形態の
図5に対応する図である。
【0177】
図11に示すように、ベース領域28は、第1の部分28a、第2の部分28b、及び第3の部分28cを含む。
【0178】
第1の部分28aは、ベース領域28の第1のゲートトレンチ21に接する部分である。第1の部分28aは、第1のゲート絶縁膜41に接する。第1の部分28aは、第1のゲート電極51に対向する。
【0179】
第1の部分28aは、第1のゲート電極51、第1のゲート絶縁膜41、及び第1の部分28aを有する第1のトランジスタのチャネル領域として機能する。第1のトランジスタは、第1のゲート電極51に印加される第1のゲート電圧(Vg1)によって駆動されるトランジスタである。
【0180】
第2の部分28bは、ベース領域28の第2のゲートトレンチ22に接する部分である。第2の部分28bは、第2のゲート絶縁膜42に接する。第2の部分28bは、第2のゲート電極52に対向する。
【0181】
第2の部分28bは、第2のゲート電極52、第2のゲート絶縁膜42、及び第2の部分28bを有する第2のトランジスタのチャネル領域として機能する。第2のトランジスタは、第2のゲート電極52に印加される第2のゲート電圧(Vg2)によって駆動されるトランジスタである。
【0182】
第3の部分28cは、ベース領域28の第3のゲートトレンチ23に接する部分である。第3の部分28cは、第3のゲート絶縁膜43に接する。第3の部分28cは、第3のゲート電極53に対向する。
【0183】
第3の部分28cは、第3のゲート電極53、第3のゲート絶縁膜43、及び第3の部分28cを有する第3のトランジスタのチャネル領域として機能する。第3のトランジスタは、第3のゲート電極53に印加される第3のゲート電圧(Vg3)によって駆動されるトランジスタである。
【0184】
第3の部分28cのp形不純物濃度は、第1の部分28aのp形不純物濃度よりも低い。第3の部分28cのp形不純物濃度は、例えば、第1の部分28aのp形不純物濃度の50%以上80%以下である。
【0185】
また、第3の部分28cのp形不純物濃度は、第2の部分28bのp形不純物濃度よりも低い。第3の部分28cのp形不純物濃度は、例えば、第2の部分28bのp形不純物濃度の50%以上80%以下である。
【0186】
第3の実施形態のIGBT300は、第3の部分28cのp形不純物濃度は、第1の部分28aのp形不純物濃度よりも低い。したがって、第3のゲート電極53を有する第3のトランジスタの閾値電圧は、第1のゲート電極51を有する第1のトランジスタの閾値電圧よりも低くなる。
【0187】
また、第3の実施形態のIGBT300は、第3の部分28cのp形不純物濃度は、第2の部分28bのp形不純物濃度よりも低い。したがって、第3のゲート電極53を有する第3のトランジスタの閾値電圧は、第2のゲート電極52を有する第2のトランジスタの閾値電圧よりも低くなる。
【0188】
第3のゲート電極53を有する第3のトランジスタの閾値電圧は、第1のゲート電極51を有する第1のトランジスタの閾値電圧及び第2のゲート電極52を有する第2のトランジスタの閾値電圧よりも低くなる。このため、例えば、
図6の時刻T1に同時に、第1のゲート電極51、第2のゲート電極52、及び第3のゲート電極53にターンオン電圧を印加した場合、第3のゲート電極53を有する第3のトランジスタが早くオン動作を開始する。したがって、ドリフト領域27に注入される電子の量が速く増加する。したがって、IGBT300のターンオン時間が短縮できる。よって、IGBT300のターンオン損失が低減する。
【0189】
第3のゲート電極53を有する第3のトランジスタの閾値電圧を低下させる観点から、第3の部分28cのp形不純物濃度は、第2の部分28bのp形不純物濃度の80%以下であることが好ましい。第3のゲート電極53を有する第3のトランジスタの閾値電圧を低下させる観点から、第3の部分28cのp形不純物濃度は、第2の部分28bのp形不純物濃度の80%以下であることが好ましい。
【0190】
以上、第3の実施形態によれば、スイッチング損失の低減を可能とする半導体装置及び半導体回路を実現できる。
【0191】
(第4の実施形態)
第4の実施形態の半導体装置は、第1の面と、第1の面と対向する第2の面を有する半導体層と、半導体層の中に設けられた第1導電形の第1の半導体領域と、半導体層の中に設けられ、第1の半導体領域と第1の面との間に設けられた第2導電形の第2の半導体領域と、半導体層の中に設けられ、第2の半導体領域と第1の面との間に設けられた第1導電形の第3の半導体領域と、半導体層の中に設けられ、第3の半導体領域と第1の面との間に設けられた第2導電形の第4の半導体領域と、半導体層の中に設けられ、第2の半導体領域と第3の半導体領域の間に設けられ、第2の半導体領域の第2導電形不純物濃度よりも第2導電形不純物濃度の高い第2導電形の第5の半導体領域と、半導体層の中の第1の面の側に設けられ、第2の半導体領域、第3の半導体領域、第4の半導体領域、及び第5の半導体領域に接する第1のトレンチと、第1のトレンチの中に設けられた第1のゲート電極と、第1のゲート電極と第2の半導体領域との間、第1のゲート電極と第3の半導体領域との間、第1のゲート電極と第4の半導体領域、及び第1のゲート電極と第5の半導体領域との間に設けられた第1のゲート絶縁膜と、半導体層の中の第1の面の側に設けられ、第2の半導体領域、第3の半導体領域、第4の半導体領域、及び第5の半導体領域に接する第2のトレンチと、第2のトレンチの中に設けられた第2のゲート電極と、第2のゲート電極と第2の半導体領域との間、第2のゲート電極と第3の半導体領域との間、第2のゲート電極と第4の半導体領域との間、及び第2のゲート電極と第5の半導体領域との間に設けられた第2のゲート絶縁膜と、半導体層の中の第1の面の側に設けられ、第2の半導体領域、第3の半導体領域、第4の半導体領域、及び第5の半導体領域に接する少なくとも一つの第3のトレンチと、少なくとも一つの第3のトレンチの中に設けられた第3のゲート電極と、第3のゲート電極と第2の半導体領域との間、第3のゲート電極と第3の半導体領域との間、第3のゲート電極と第4の半導体領域との間、及び第3のゲート電極と第5の半導体領域との間に設けられた第3のゲート絶縁膜と、半導体層に対し第1の面の側に設けられ、第4の半導体領域に接する第1の電極と、半導体層に対し第2の面の側に設けられ、第1の半導体領域に接する第2の電極と、半導体層に対し第1の面の側に設けられ、第1のゲート電極と電気的に接続された第1の電極パッドと、半導体層に対し第1の面の側に設けられ、第2のゲート電極と電気的に接続された第2の電極パッドと、半導体層に対し第1の面の側に設けられ、第3のゲート電極と電気的に接続された第3の電極パッドと、を備える。そして、第5の半導体領域は、第1のトレンチに接する第1の部分と、第2のトレンチに接する第2の部分と、少なくとも一つの第3のトレンチに接する第3の部分と、を含み、第3の部分の第2導電形不純物濃度は、第1の部分の第2導電形不純物濃度よりも高く、第3の部分の第2導電形不純物濃度は、第2の部分の第2導電形不純物濃度よりも高い。
【0192】
第4の実施形態の半導体回路は、上記半導体装置を駆動する制御回路を備える。
【0193】
第4の実施形態の半導体装置及び半導体回路は、第5の半導体領域は、第1のトレンチに接する第1の部分と、第2のトレンチに接する第2の部分と、少なくとも一つの第3のトレンチに接する第3の部分と、を含み、第3の部分の第2導電形不純物濃度は、第1の部分の第2導電形不純物濃度よりも高く、第3の部分の第2導電形不純物濃度は、第2の部分の第2導電形不純物濃度よりも高い点で、第1の実施形態の半導体装置及び半導体回路と異なる。以下、第1の実施形態と重複する内容については、記述を省略する場合がある。
【0194】
第4の実施形態の半導体装置は、IGBT400である。IGBT400は、半導体層に形成されたトレンチの中にゲート電極を備えるトレンチゲート形のIGBTである。以下、第1導電形がp形、第2導電形がn形である場合を例に説明する。
【0195】
第4の実施形態の制御回路は、ゲートドライバ回路150である。第4の実施形態の半導体回路は、半導体装置と、半導体装置を制御する制御回路で構成される。半導体回路は、例えば、IGBT400とゲートドライバ回路150が実装された半導体モジュールである。
【0196】
図12は、第4の実施形態の半導体装置の一部の模式断面図である。
図12は、第1の実施形態の
図2に対応する図である。
【0197】
第4の実施形態のIGBT400は、半導体層10、エミッタ電極12(第1の電極)、コレクタ電極14(第2の電極)、第1のゲート絶縁膜41、第2のゲート絶縁膜42、第3のゲート絶縁膜43、第1のゲート電極51、第2のゲート電極52、第3のゲート電極53、層間絶縁層61、第1のゲート電極パッド104(第1の電極パッド)、第2のゲート電極パッド105(第2の電極パッド)、第3のゲート電極パッド106(第3の電極パッド)を備える。
【0198】
半導体層10の中には、第1のゲートトレンチ21(第1のトレンチ)、第2のゲートトレンチ22(第2のトレンチ)、第3のゲートトレンチ23(第3のトレンチ)、コレクタ領域26(第1の半導体領域)、ドリフト領域27(第2の半導体領域)、ベース領域28(第3の半導体領域)、エミッタ領域29(第4の半導体領域)、コンタクト領域30、バリア領域31(第5の半導体領域)が設けられる。
【0199】
バリア領域31は、第1の低濃度部分31x(第1の部分)、第2の低濃度部分31y(第2の部分)、及び高濃度部分31z(第3の部分)を含む。
【0200】
図13は、第4の実施形態の半導体装置の一部の拡大模式断面図である。
図13は、
図12の一部の拡大図である。
【0201】
図13に示すように、バリア領域31は、第1の低濃度部分31x、第2の低濃度部分31y、及び高濃度部分31zを含む。
【0202】
第1の低濃度部分31xは、バリア領域31の第1のゲートトレンチ21に接する部分である。第1の低濃度部分31xは、第1のゲート絶縁膜41に接する。第1の低濃度部分31xは、第1のゲート電極51に対向する。
【0203】
第2の低濃度部分31yは、バリア領域31の第2のゲートトレンチ22に接する部分である。第2の低濃度部分31yは、第2のゲート絶縁膜42に接する。第2の低濃度部分31yは、第2のゲート電極52に対向する。
【0204】
高濃度部分31zは、バリア領域31の第3のゲートトレンチ23に接する部分である。高濃度部分31zは、第3のゲート絶縁膜43に接する。高濃度部分31zは、第3のゲート電極53に対向する。
【0205】
高濃度部分31zのn形不純物濃度は、第1の低濃度部分31xのn形不純物濃度よりも高い。高濃度部分31zのn形不純物濃度は、例えば、第1の低濃度部分31xのn形不純物濃度の120%以上200%以下である。
【0206】
高濃度部分31zのn形不純物濃度は、第2の低濃度部分31yのn形不純物濃度よりも高い。高濃度部分31zのn形不純物濃度は、例えば、第2の低濃度部分31yのn形不純物濃度の120%以上200%以下である。
【0207】
高濃度部分31zのn形不純物濃度が、第1の低濃度部分31xのn形不純物濃度よりも高いことで、第3のゲート電極53を有する第3のトランジスタの閾値電圧が、ショートチャネル効果により、第1のゲート電極51を有する第1のトランジスタの閾値電圧よりも低くなる。また、高濃度部分31zのn形不純物濃度が、第2の低濃度部分31yのn形不純物濃度よりも高いことで、第3のゲート電極53を有する第3のトランジスタの閾値電圧が、ショートチャネル効果により、第2のゲート電極52を有する第2のトランジスタの閾値電圧よりも低くなる。
【0208】
このため、IGBT400のターンオン動作の際に、第3のゲート電極53を有する第3のトランジスタが早くオン動作を開始する。したがって、ドリフト領域27に注入される電子の量が速く増加する。したがって、IGBT400のターンオン時間が短縮できる。よって、IGBT400のターンオン損失が低減する。
【0209】
以上、第4の実施形態によれば、スイッチング損失の低減を可能とする半導体装置及び半導体回路を実現できる。
【0210】
(第5の実施形態)
第5の実施形態の半導体装置は、第1の面と、第1の面と対向する第2の面を有する半導体層と、半導体層の中に設けられた第1導電形の第1の半導体領域と、半導体層の中に設けられ、第1の半導体領域と第1の面との間に設けられた第2導電形の第2の半導体領域と、半導体層の中に設けられ、第2の半導体領域と第1の面との間に設けられた第1導電形の第3の半導体領域と、半導体層の中に設けられ、第3の半導体領域と第1の面との間に設けられた第2導電形の第4の半導体領域と、半導体層の中の第1の面の側に設けられ、第2の半導体領域、第3の半導体領域、及び第4の半導体領域に接する第1のトレンチと、第1のトレンチの中に設けられた第1のゲート電極と、第1のゲート電極と第2の半導体領域との間、第1のゲート電極と第3の半導体領域との間、及び第1のゲート電極と第4の半導体領域との間に設けられた第1のゲート絶縁膜と、半導体層の中の第1の面の側に設けられ、第2の半導体領域、第3の半導体領域、及び第4の半導体領域に接する第2のトレンチと、第2のトレンチの中に設けられた第2のゲート電極と、第2のゲート電極と第2の半導体領域との間、第2のゲート電極と第3の半導体領域との間、及び第2のゲート電極と第4の半導体領域との間に設けられた第2のゲート絶縁膜と、半導体層の中の第1の面の側に設けられ、第2の半導体領域、第3の半導体領域、及び第4の半導体領域に接する少なくとも一つの第3のトレンチと、少なくとも一つの第3のトレンチの中に設けられた第3のゲート電極と、第3のゲート電極と第2の半導体領域との間、第3のゲート電極と第3の半導体領域との間、及び第3のゲート電極と第4の半導体領域との間に設けられた第3のゲート絶縁膜と、半導体層に対し第1の面の側に設けられ、第4の半導体領域に接する第1の電極と、半導体層に対し第2の面の側に設けられ、第1の半導体領域に接する第2の電極と、半導体層に対し第1の面の側に設けられ、第1のゲート電極と電気的に接続された第1の電極パッドと、半導体層に対し第1の面の側に設けられ、第2のゲート電極と電気的に接続された第2の電極パッドと、半導体層に対し第1の面の側に設けられ、第3のゲート電極と電気的に接続された第3の電極パッドと、を備える。そして、第1のゲート電極を有する第1のトランジスタと、第2のゲート電極を有する第2のトランジスタと、第3のゲート電極を有する第3のトランジスタを含み、第3のトランジスタの閾値電圧は、第1のトランジスタの閾値電圧より低く、第3のトランジスタの閾値電圧は、第2のトランジスタの閾値電圧より低い。
【0211】
第5の実施形態の半導体回路は、上記半導体装置を駆動する制御回路を備える。
【0212】
第5の実施形態の半導体装置は、IGBT500である。IGBT500は、半導体層に形成されたトレンチの中にゲート電極を備えるトレンチゲート形のIGBTである。以下、第1導電形がp形、第2導電形がn形である場合を例に説明する。
【0213】
第5の実施形態の制御回路は、第1の実施形態のゲートドライバ回路150と同様である。第5の実施形態の半導体回路は、半導体装置と、半導体装置を制御する制御回路で構成される。半導体回路は、例えば、IGBT500とゲートドライバ回路150が実装された半導体モジュールである。
【0214】
図14は、第5の実施形態の半導体装置の一部の模式断面図である。
【0215】
図15は、第5の実施形態の半導体装置の一部の模式上面図である。
図15は、第1の面F1における上面図である。
図14は、
図15のCC’断面である。
【0216】
図16は、第5の実施形態の半導体装置の一部の模式断面図である。
図16は、
図15のDD’断面である。
【0217】
第5の実施形態のIGBT500は、半導体層10、エミッタ電極12(第1の電極)、コレクタ電極14(第2の電極)、第1のゲート絶縁膜41、第2のゲート絶縁膜42、第3のゲート絶縁膜43、第1のゲート電極51、第2のゲート電極52、第3のゲート電極53、層間絶縁層61、第1のゲート電極パッド104(第1の電極パッド)、第2のゲート電極パッド105(第2の電極パッド)、第3のゲート電極パッド106(第3の電極パッド)を備える。
【0218】
半導体層10の中には、第1のゲートトレンチ21(第1のトレンチ)、第2のゲートトレンチ22(第2のトレンチ)、第3のゲートトレンチ23(第3のトレンチ)、コレクタ領域26(第1の半導体領域)、ドリフト領域27(第2の半導体領域)、ベース領域28(第3の半導体領域)、エミッタ領域29(第4の半導体領域)、コンタクト領域30、バリア領域31(第5の半導体領域)が設けられる。
【0219】
半導体層10は、第1の面F1と、第1の面F1に対向する第2の面F2とを有する。半導体層10は、例えば、単結晶シリコンである。半導体層10の膜厚は、例えば、40μm以上700μm以下である。
【0220】
第1の面F1に平行な一方向を第1の方向と称する。また、第1の面F1に平行で第1の方向に直交する方向を第2の方向と称する。また、第1の面F1から第2の面F2に向かう方向を第3の方向と称する。
【0221】
また、「深さ」とは、第1の面F1を基準とする第2の面F2に向かう方向の距離と定義する。
【0222】
エミッタ電極12は、半導体層10の第1の面F1の側に設けられる。エミッタ電極12の少なくとも一部は半導体層10の第1の面F1に接する。エミッタ電極12は、例えば、金属である。
【0223】
エミッタ電極12は、エミッタ領域29に接する。エミッタ電極12は、エミッタ領域29に電気的に接続される。
【0224】
エミッタ電極12は、コンタクト領域30に接する。エミッタ電極12は、コンタクト領域30に電気的に接続される。エミッタ電極12は、コンタクト領域30を経由してベース領域28に電気的に接続される。
【0225】
コレクタ電極14は、半導体層10の第2の面F2の側に設けられる。コレクタ電極14の少なくとも一部は半導体層10の第2の面F2に接する。コレクタ電極14は、例えば、金属である。
【0226】
コレクタ電極14は、コレクタ領域26に接する。コレクタ電極14は、コレクタ領域26に電気的に接続される。
【0227】
コレクタ領域26は、p+形の半導体領域である。コレクタ領域26は、第2の面F2に接する。コレクタ領域26は、コレクタ電極14に電気的に接続される。コレクタ領域26は、コレクタ電極14に接する。コレクタ領域26は、IGBT500のオン状態の際にホールの供給源となる。
【0228】
ドリフト領域27は、n-形の半導体領域である。ドリフト領域27は、コレクタ領域26と第1の面F1との間に設けられる。
【0229】
ドリフト領域27は、IGBT500のオン状態の際にオン電流の経路となる。ドリフト領域27は、IGBT500のオフ状態の際に空乏化し、IGBT500の耐圧を維持する機能を有する。
【0230】
ベース領域28は、p形の半導体領域である。ベース領域28は、ドリフト領域27と第1の面F1との間に設けられる。ベース領域28は、コレクタ領域26との間にドリフト領域27を挟む。
【0231】
ベース領域28の深さは、例えば、5μm以下である。ベース領域28の第1のゲート電極51と対向する領域、ベース領域28の第2のゲート電極52と対向する領域、及びベース領域28の第3のゲート電極53と対向する領域には、IGBT500のオン状態の際にn形反転層が形成される。ベース領域28はトランジスタのチャネル領域として機能する。
【0232】
バリア領域31は、n形の半導体領域である。バリア領域31は、ドリフト領域27とベース領域28との間に設けられる。バリア領域31のn形不純物濃度は、ドリフト領域27のn形不純物濃度よりも高い。
【0233】
バリア領域31は、IGBT500のオン状態の際にドリフト領域27のキャリア蓄積量を増加させる機能を有する。バリア領域31を設けることで、IGBT500のオン抵抗が低減し、IGBT500の定常損失が低減する。
【0234】
エミッタ領域29は、n+形の半導体領域である。エミッタ領域29は、ベース領域28と第1の面F1との間に設けられる。
【0235】
エミッタ領域29は、第1のゲート絶縁膜41、第2のゲート絶縁膜42、及び第3のゲート絶縁膜43に接する。
【0236】
エミッタ領域29のn形不純物濃度は、ドリフト領域27のn形不純物濃度より高い。
【0237】
エミッタ領域29は、エミッタ電極12に接する。エミッタ領域29は、エミッタ電極12に電気的に接続される。エミッタ領域29は、IGBT500のオン状態の際に電子の供給源となる。
【0238】
コンタクト領域30は、p+形の半導体領域である。コンタクト領域30は、ベース領域28と第1の面F1との間に設けられる。コンタクト領域30は、エミッタ電極12に接する。コンタクト領域30は、エミッタ電極12に電気的に接続される。
【0239】
コンタクト領域30のp形不純物濃度は、ベース領域28のp形不純物濃度よりも高い。
【0240】
第1のゲートトレンチ21は、半導体層10の第1の面F1の側に設けられる。第1のゲートトレンチ21は、半導体層10に設けられた溝である。第1のゲートトレンチ21は、半導体層10の一部である。
【0241】
第1のゲートトレンチ21は、
図15に示すように、第1の面F1において、第1の面F1に平行な第1の方向に延伸する。第1のゲートトレンチ21は、ストライプ形状を有する。複数の第1のゲートトレンチ21は、第1の方向に直交する第2の方向に繰り返し配置される。
【0242】
第1のゲートトレンチ21は、ドリフト領域27、ベース領域28、エミッタ領域29、バリア領域31に接する。第1のゲートトレンチ21は、ベース領域28を貫通し、ドリフト領域27に達する。第1のゲートトレンチ21の深さは、例えば、8μm以下である。
【0243】
第1のゲート電極51は、第1のゲートトレンチ21の中に設けられる。第1のゲート電極51は、例えば、半導体又は金属である。第1のゲート電極51は、例えば、n形不純物又はp形不純物を含む、アモルファスシリコン又は多結晶シリコンである。第1のゲート電極51は、第1のゲート電極パッド104に電気的に接続される。
【0244】
第1のゲート絶縁膜41は、第1のゲート電極51と半導体層10との間に設けられる。第1のゲート絶縁膜41は、第1のゲート電極51とドリフト領域27との間、第1のゲート電極51とベース領域28との間、第1のゲート電極51とエミッタ領域29との間、及び、第1のゲート電極51とバリア領域31との間に設けられる。第1のゲート絶縁膜41は、ドリフト領域27、ベース領域28、エミッタ領域29、及び、バリア領域31に接する。第1のゲート絶縁膜41は、例えば、酸化シリコンである。
【0245】
第2のゲートトレンチ22は、半導体層10の第1の面F1の側に設けられる。第2のゲートトレンチ22は、半導体層10に設けられた溝である。第2のゲートトレンチ22は、半導体層10の一部である。
【0246】
第2のゲートトレンチ22は、
図15に示すように、第1の面F1において、第1の面F1に平行な第1の方向に延伸する。第2のゲートトレンチ22は、ストライプ形状を有する。複数の第2のゲートトレンチ22は、第1の方向に直交する第2の方向に繰り返し配置される。
【0247】
第2のゲートトレンチ22は、ドリフト領域27、ベース領域28、エミッタ領域29、バリア領域31、に接する。第2のゲートトレンチ22は、ベース領域28を貫通し、ドリフト領域27に達する。第2のゲートトレンチ22の深さは、例えば、8μm以下である。
【0248】
第2のゲート電極52は、第2のゲートトレンチ22の中に設けられる。第2のゲート電極52は、例えば、半導体又は金属である。第2のゲート電極52は、例えば、n形不純物又はp形不純物を含む、アモルファスシリコン又は多結晶シリコンである。第2のゲート電極52は、第2のゲート電極パッド105に電気的に接続される。
【0249】
第2のゲート絶縁膜42は、第2のゲート電極52と半導体層10との間に設けられる。第2のゲート絶縁膜42は、第2のゲート電極52とドリフト領域27との間、第2のゲート電極52とベース領域28との間、第2のゲート電極52とエミッタ領域29、及び、第2のゲート電極52とバリア領域31との間に設けられる。第2のゲート絶縁膜42は、ドリフト領域27、ベース領域28、エミッタ領域29、及び、バリア領域31に接する。第2のゲート絶縁膜42は、例えば、酸化シリコンである。
【0250】
第3のゲートトレンチ23は、半導体層10の第1の面F1の側に設けられる。第3のゲートトレンチ23は、半導体層10に設けられた溝である。第3のゲートトレンチ23は、半導体層10の一部である。
【0251】
第3のゲートトレンチ23は、
図15に示すように、第1の面F1において、第1の面F1に平行な第1の方向に延伸する。第3のゲートトレンチ23は、ストライプ形状を有する。複数の第3のゲートトレンチ23は、第1の方向に直交する第2の方向に繰り返し配置される。
【0252】
第3のゲートトレンチ23は、ドリフト領域27、ベース領域28、エミッタ領域29、バリア領域31に接する。第3のゲートトレンチ23は、ベース領域28を貫通し、ドリフト領域27に達する。第3のゲートトレンチ23の深さは、例えば、8μm以下である。
【0253】
第3のゲート電極53は、第3のゲートトレンチ23の中に設けられる。第3のゲート電極53は、例えば、半導体又は金属である。第3のゲート電極53は、例えば、n形不純物又はp形不純物を含む、アモルファスシリコン又は多結晶シリコンである。第3のゲート電極53は、第3のゲート電極パッド106に電気的に接続される。
【0254】
第3のゲート絶縁膜43は、第3のゲート電極53と半導体層10との間に設けられる。第3のゲート絶縁膜43は、第3のゲート電極53とドリフト領域27との間、第3のゲート電極53とベース領域28との間、第3のゲート電極53とエミッタ領域29との間、及び、第3のゲート電極53とバリア領域31との間に設けられる。第3のゲート絶縁膜43は、ドリフト領域27、ベース領域28、エミッタ領域29、及び、バリア領域31に接する。第3のゲート絶縁膜43は、例えば、酸化シリコンである。
【0255】
層間絶縁層61は、第1のゲート電極51とエミッタ電極12との間に設けられる。層間絶縁層61は、第1のゲート電極51とエミッタ電極12との間を電気的に分離する。層間絶縁層61は、第2のゲート電極52とエミッタ電極12との間に設けられる。
【0256】
層間絶縁層61は、第2のゲート電極52とエミッタ電極12との間を電気的に分離する。層間絶縁層61は、第3のゲート電極53とエミッタ電極12との間に設けられる。層間絶縁層61は、第3のゲート電極53とエミッタ電極12との間を電気的に分離する。層間絶縁層61は、例えば、酸化シリコンである。
【0257】
第1のゲート電極パッド104は、半導体層10の第1の面F1の側に設けられる。第1のゲート電極パッド104は、第1のゲート電極51に電気的に接続される。第1のゲート電極パッド104と第1のゲート電極51は、例えば、図示しない金属配線で接続される。
【0258】
第1のゲート電極パッド104には、第1のゲート電圧(Vg1)が印加される。
第1のゲート電極パッド104には、例えば、第1のターンオン電圧(Von1)、第1のターンオフ電圧(Voff1)が印加される。
【0259】
第2のゲート電極パッド105は、半導体層10の第1の面F1の側に設けられる。第2のゲート電極パッド105は、第2のゲート電極52に電気的に接続される。第2のゲート電極パッド105と第2のゲート電極52は、例えば、図示しない金属配線で接続される。
【0260】
第2のゲート電極パッド105には、第2のゲート電圧(Vg2)が印加される。第2のゲート電極パッド105には、例えば、第2のターンオン電圧(Von2)、第2のターンオフ電圧(Voff2)が印加される。
【0261】
第3のゲート電極パッド106は、半導体層10の第1の面F1の側に設けられる。第3のゲート電極パッド106は、第3のゲート電極53に電気的に接続される。第3のゲート電極パッド106と第3のゲート電極53は、例えば、図示しない金属配線で接続される。
【0262】
第3のゲート電極パッド106には、第3のゲート電圧(Vg3)が印加される。第3のゲート電極パッド106には、例えば、第3のターンオン電圧(Von3)、第3のターンオフ電圧(Voff3)が印加される。
【0263】
第5の実施形態のIGBT500は、第1のゲート電極51を有する第1のトランジスタと、第2のゲート電極52を有する第2のトランジスタと、第3のゲート電極53を有する第3のトランジスタを含む。
【0264】
第1のゲート電極51を有する第1のトランジスタは、第1のゲート電極51を用いて駆動するトランジスタである。第1のトランジスタは、第1のゲート電極51、第1のゲート絶縁膜41、第1のゲート電極51に対向するベース領域28、エミッタ領域29、バリア領域31を構成要素とする。第1のゲート電極51に対向するベース領域28が、第1のトランジスタのチャネル領域となる。また、エミッタ領域29及びバリア領域31
の第1のゲート絶縁膜41に接する部分が、第1のトランジスタのソース・ドレイン領域となる。
【0265】
第2のゲート電極52を有する第2のトランジスタは、第2のゲート電極52を用いて駆動するトランジスタである。第2のトランジスタは、第2のゲート電極52、第2のゲート絶縁膜42、第2のゲート電極52に対向するベース領域28、エミッタ領域29、バリア領域31を構成要素とする。第2のゲート電極52に対向するベース領域28が、第2のトランジスタのチャネル領域となる。また、エミッタ領域29及びバリア領域31
の第2のゲート絶縁膜42に接する部分が、第2のトランジスタのソース・ドレイン領域となる。
【0266】
第3のゲート電極53を有する第3のトランジスタは、第3のゲート電極53を用いて駆動するトランジスタである。第3のトランジスタは、第3のゲート電極53、第3のゲート絶縁膜43、第3のゲート電極53に対向するベース領域28、エミッタ領域29、バリア領域31を構成要素とする。第3のゲート電極53に対向するベース領域28が、第3のトランジスタのチャネル領域となる。また、エミッタ領域29及びバリア領域31
の第3のゲート絶縁膜43に接する部分が、第3のトランジスタのソース・ドレイン領域となる。
【0267】
第5の実施形態のIGBT500では、第3のトランジスタの閾値電圧は第1のトランジスタの閾値電圧より低く、第3のトランジスタの閾値電圧は第2のトランジスタの閾値電圧より低い。
【0268】
例えば、第3のトランジスタの第3のゲート絶縁膜43の膜厚が、第1のトランジスタの第1のゲート絶縁膜41よりも薄い。また、第3のトランジスタの第3のゲート絶縁膜43の膜厚が、第2のトランジスタの第2のゲート絶縁膜42よりも薄い。第3のトランジスタの第3のゲート絶縁膜43の膜厚が薄いことで、第3のトランジスタの閾値電圧が低くなる。
【0269】
また、例えば、第3のトランジスタの第3のゲート絶縁膜43の誘電率が、第1のトランジスタの第1のゲート絶縁膜41の誘電率よりも高い。また、第3のトランジスタの第3のゲート絶縁膜43の誘電率が、第2のトランジスタの第2のゲート絶縁膜42の誘電率よりも高い。3のトランジスタの第3のゲート絶縁膜43の誘電率が高いことで、第3のトランジスタの閾値電圧が低くなる。
【0270】
また、例えば、第3のトランジスタの第3のゲート電極53の仕事関数が、第1のトランジスタの第1のゲート電極51の仕事関数と異なる。また、第3のトランジスタの第3のゲート電極53の仕事関数が、第2のトランジスタの第2のゲート電極52の仕事関数と異なる。第3のトランジスタの第3のゲート電極53の仕事関数が異なることで、第3のトランジスタの閾値電圧が低くなる。
【0271】
また、例えば、第3のトランジスタの第3のゲート電極53に対向するベース領域28のp形不純物濃度が、第1のトランジスタの第1のゲート電極51に対向するベース領域28のp形不純物濃度よりも低い。また、第3のトランジスタの第3のゲート電極53に対向するベース領域28のp形不純物濃度が、第2のトランジスタの第2のゲート電極52に対向するベース領域28のp形不純物濃度よりも低い。第3のトランジスタの第3のゲート電極53に対向するベース領域28のp形不純物濃度が低いことで、第3のトランジスタの閾値電圧が低くなる。
【0272】
次に、第5の実施形態の半導体装置及び半導体回路の作用及び効果について説明する。
【0273】
第5の実施形態のIGBT500は、第1の実施形態のIGBT100と同様の駆動方法で動作する。
【0274】
第5の実施形態のIGBT500は、第1の実施形態のIGBT100と同様、トランジスタ領域101に、第1のゲート電極51を有する第1のトランジスタ、第2のゲート電極52を有する第2のトランジスタ、及び第3のゲート電極53を有する第3のトランジスタを備える。そして、それぞれのトランジスタを独立して駆動させることが可能である。この構成により、IGBT500のターンオン損失及びターンオフ損失を低減できる。
【0275】
第5の実施形態のIGBT500は、第3のトランジスタの閾値電圧は第1のトランジスタの閾値電圧より低く、第3のトランジスタの閾値電圧は第2のトランジスタの閾値電圧より低い。
【0276】
第5の実施形態のIGBT500の第3のトランジスタの閾値電圧は、第1のトランジスタの閾値電圧及び第2のトランジスタの閾値電圧よりも低くなる。このため、例えば、
図6の時刻T1に同時に、第1のゲート電極51、第2のゲート電極52、及び第3のゲート電極53にターンオン電圧を印加した場合、第3のゲート電極53を有する第3のトランジスタが早くオン動作を開始する。したがって、ドリフト領域27に注入される電子の量が速く増加する。したがって、IGBT500のターンオン時間が更に短縮できる。よって、IGBT500のターンオン損失が更に低減する。
【0277】
以上、第5の実施形態によれば、スイッチング損失の低減を可能とする半導体装置及び半導体回路を実現できる。
【0278】
第1ないし第5の実施形態においては、半導体層が単結晶シリコンである場合を例に説明したが、半導体層は単結晶シリコンに限られることはない。例えば、単結晶炭化珪素など、その他の単結晶半導体であっても構わない。
【0279】
第1ないし第5の実施形態においては、半導体装置が、第1のゲートトレンチ、第2のゲートトレンチ、及び第3のゲートトレンチを備える場合を例に説明したが、例えば、トレンチ内の導電層の電位が、固定電位又はフローティング電位のダミートレンチを更に設ける構成とすることも可能である。
【0280】
第1ないし第5の実施形態においては、トレンチが平行に配置されているストライプ形状の場合を例に説明したが、トレンチが交差するメッシュ形状のトレンチ、又は、ドット形状のトレンチにも本発明を適用することは可能である。
【0281】
第1ないし第5の実施形態においては、第1導電形がp形、第2導電形がn形である場合を例に説明したが、第1導電形をn形、第2導電形をp形とすることも可能である。
【0282】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。例えば、一実施形態の構成要素を他の実施形態の構成要素と置き換え又は変更してもよい。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0283】
10 半導体層
12 エミッタ電極(第1の電極)
14 コレクタ電極(第2の電極)
21 第1のゲートトレンチ(第1のトレンチ)
22 第2のゲートトレンチ(第2のトレンチ)
23 第3のゲートトレンチ(第3のトレンチ)
26 コレクタ領域(第1の半導体領域)
27 ドリフト領域(第2の半導体領域)
28 ベース領域(第3の半導体領域)
28a 第1の部分
28b 第2の部分
28c 第3の部分
29 エミッタ領域(第4の半導体領域)
31 バリア領域(第5の半導体領域)
31a 第4の部分
31b 第5の部分
31c 第6の部分
31x 第1の低濃度部分(第1の部分)
31y 第2の低濃度部分(第2の部分)
31z 高濃度部分(第3の部分)
41 第1のゲート絶縁膜
42 第2のゲート絶縁膜
43 第3のゲート絶縁膜
51 第1のゲート電極
52 第2のゲート電極
53 第3のゲート電極
100 IGBT(半導体装置)
104 第1のゲート電極パッド(第1の電極パッド)
105 第2のゲート電極パッド(第2の電極パッド)
106 第3のゲート電極パッド(第3の電極パッド)
150 ゲートドライバ回路(制御回路)
200 IGBT(半導体装置)
300 IGBT(半導体装置)
400 IGBT(半導体装置)
500 IGBT(半導体装置)
F1 第1の面
F2 第2の面