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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023138198
(43)【公開日】2023-10-02
(54)【発明の名称】回路基板固定構造、光照射装置
(51)【国際特許分類】
   F21V 19/00 20060101AFI20230922BHJP
   F21V 29/503 20150101ALI20230922BHJP
   F21V 29/76 20150101ALI20230922BHJP
【FI】
F21V19/00 200
F21V29/503
F21V29/76
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022044767
(22)【出願日】2022-03-19
(71)【出願人】
【識別番号】000113263
【氏名又は名称】HOYA株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100148895
【弁理士】
【氏名又は名称】荒木 佳幸
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 浩明
【テーマコード(参考)】
3K013
【Fターム(参考)】
3K013AA06
3K013AA07
3K013BA01
3K013EA01
(57)【要約】
【課題】基台上の回路基板を容易に交換可能で、かつ小型の回路基板固定構造を提供する。
【解決手段】基台の表面に回路基板を固定する回路基板固定構造が、回路基板に電力を供給するために回路基板の表面に形成された正極パターン及び負極パターンと、正極パターン及び負極パターンのそれぞれから回路基板を貫通する一対の第1貫通孔と、各第1貫通孔と連通するように基台を垂直に貫通する一対の第2貫通孔と、各第2貫通孔に挿通される一対の電極部材と、各電極部材と係合し回路基板を基台に固定する一対の固定部材と、を備え、各電極部材は、第2貫通孔に沿って延びる電極端子と、電極端子の外周を覆うように配置され電極端子と基台とを絶縁すると共に、各電極部材を第2貫通孔に対して回転規制する絶縁部材とを有し、各固定部材と各電極部材とが係合したときに、正極パターン及び負極パターンのそれぞれが各固定部材を介して各電極端子と電気的に接続される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属の基台の表面に回路基板を固定する回路基板固定構造であって、
前記回路基板に電力を供給するために、前記回路基板の表面に形成された正極パターン及び負極パターンと、
前記正極パターン及び前記負極パターンのそれぞれから前記回路基板を垂直に貫通する一対の第1貫通孔と、
前記各第1貫通孔と連通するように、前記基台の表面から前記基台を垂直に貫通する一対の第2貫通孔と、
前記各第2貫通孔に挿通される一対の電極部材と、
前記回路基板の表面側に取り付けられて前記各電極部材と係合し、前記回路基板を前記基台に固定する一対の固定部材と、
を備え、
前記各電極部材は、
前記第2貫通孔に沿って延びる電極端子と、
前記電極端子の外周を覆うように配置され前記電極端子と前記基台とを絶縁すると共に、前記各電極部材を前記第2貫通孔に対して回転規制する絶縁部材と、を有し、
前記各固定部材と前記各電極部材とが係合したときに、前記正極パターン及び前記負極パターンのそれぞれが、前記各固定部材を介して前記各電極端子と電気的に接続される
ことを特徴とする回路基板固定構造。
【請求項2】
前記絶縁部材の外形の少なくとも一部に、前記第2貫通孔の中心軸に平行な平面部が形成されており、前記平面部が前記第2貫通孔に係合していることを特徴とする請求項1に記載の回路基板固定構造。
【請求項3】
前記絶縁部材の外形の少なくとも一部に、前記第2貫通孔の中心軸に対して垂直な方向に突出する突起部を有し、
前記第2貫通孔が前記突起部を収容する収容部を有する
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の回路基板固定構造。
【請求項4】
前記基台の裏面側に配置され、前記電極端子が貫通する開口を有すると共に、前記絶縁部材の一端面と当接する固定板をさらに備えることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の回路基板固定構造。
【請求項5】
前記基台の裏面側に配置され、前記電極端子が貫通すると共に、前記絶縁部材の一部と嵌合する開口を有する固定板をさらに備えることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の回路基板固定構造。
【請求項6】
前記各電極部材は、前記回路基板に対して前記各電極部材が離れるように付勢する付勢部材を有する、ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の回路基板固定構造。
【請求項7】
前記基台は、
表面に前記回路基板の載置面を有し、前記回路基板と略平行な板状のベース部と、
前記ベース部の裏面から略垂直に起立し、互いに平行に延設された複数の放熱フィンと、を有し、
前記各第2貫通孔は、
前記ベース部を貫通する第3貫通孔と、
前記第3貫通孔と連通するように、前記複数の放熱フィンの一部が前記基台と垂直な方向に切欠かれて形成された第4貫通孔と、から構成される
ことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の回路基板固定構造。
【請求項8】
前記基台は、冷媒が流れる流路を内部に有する、ことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の回路基板固定構造。
【請求項9】
請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の回路基板固定構造と、
前記回路基板上に配置され、前記正極パターン及び前記負極パターンから電力を供給される複数の発光素子と、
を備えることを特徴とする光照射装置。
【請求項10】
前記正極パターン上及び前記負極パターン上にそれぞれ配置され、前記各固定部材によって前記回路基板と共に共締めされる一対の機能部材をさらに備えることを特徴とする請求項9に記載の光照射装置。
【請求項11】
前記一対の機能部材が、前記複数の発光素子から出射される光の一部を反射するミラー面を有することを特徴とする請求項10に記載の光照射装置。
【請求項12】
前記発光素子から出射される光が、紫外域の波長の光であることを特徴とする請求項9から請求項11のいずれか一項に記載の光照射装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基台(例えば、ヒートシンク、ベースプレート)上に回路基板を固定する回路基板固定構造に関し、特に、回路基板の固定と電力供給とを兼ねる電極を有する回路基板固定構造、及びこれを備える光照射装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、オフセット枚葉印刷用のインキとして、紫外光の照射により硬化する紫外線硬化型インキが用いられている。また、液晶パネルや有機EL(Electro Luminescence)パネル等、FPD(Flat Panel Display)のシール剤として、紫外線硬化樹脂が用いられている。このような紫外線硬化型インキや紫外線硬化樹脂の硬化には、一般に、紫外光を照射する光照射装置が用いられる(例えば、特許文献1)。
【0003】
特許文献1に記載の光照射装置は、ヒートシンクと、ヒートシンク上に固定された複数の光源モジュールと、ヒートシンクの側面に固定された端子台等を備えている。各光源モジュールは、端子台に向かって突出するように配置された電極板を有し、各電極板が端子台に固定されることによって各光源モジュールに電力が供給されるようになっている。また、光源モジュールの基板を押圧する固定板が各電極板を覆うように配置され、各固定板と各電極板とが端子台に共締めされることによって各光源モジュールがヒートシンク上に固定されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2015-28915号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の光照射装置においては、電極板と固定板とを別個に設けて、光源モジュールに安定した電力を供給すると共に、過大なストレスを加えることなく光源モジュールを固定している。しかしながら、電極板と固定板が端子台に向かって突出する(つまり、光源モジュールの外側に向かって突出する)ため、光源モジュールの並び方向と直交する方向のサイズが大きくなる(つまり、薄くできない)という問題がある。また、光源モジュールの故障時等、光源モジュールの交換が必要となった場合には、固定板の脱着作業も必要となるため、光源モジュールの交換作業をより簡単に行うことが可能な構成が求められていた。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、基台(ヒートシンク等)上の回路基板(光源モジュール等)を容易に交換可能で、かつ小型の回路基板固定構造を提供することである。また、このような回路基板固定構造を備える光照射装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の回路基板固定構造は、金属の基台の表面に回路基板を固定する回路基板固定構造であって、回路基板に電力を供給するために、回路基板の表面に形成された正極パターン及び負極パターンと、正極パターン及び負極パターンのそれぞれから回路基板を垂直に貫通する一対の第1貫通孔と、各第1貫通孔と連通するように、基台の表面から基台を垂直に貫通する一対の第2貫通孔と、各第2貫通孔に挿通される一対の電極部材と、回路基板の表面側に取り付けられて各電極部材と係合し、回路基板を基台に固定する一対の固定部材と、を備え、各電極部材は、第2貫通孔に沿って延びる電極端子と、電極端子の外周を覆うように配置され電極端子と基台とを絶縁すると共に、各電極部材を第2貫通孔に対して回転規制する絶縁部材と、を有し、各固定部材と各電極部材とが係合したときに、正極パターン及び負極パターンのそれぞれが、各固定部材を介して各電極端子と電気的に接続されることを特徴とする。
【0008】
このような構成によれば、電極部材と固定部材が回路基板の固定と電力の供給を兼ねているため、回路基板に電力を供給するための専用の部材を設ける必要がなく、回路基板固定構造を小型化することが可能となる。また、回路基板の交換が必要となった場合にも、固定部材を取り外して回路基板を交換するだけの作業となるため(つまり、回路基板に電力を供給するための専用の部材を接続したり、配線等を行う必要がないため)、簡単な作業で回路基板を交換することが可能となる。また、電極部材が回転規制されているため、固定部材の着脱作業も容易に行うことができる。
【0009】
また、絶縁部材の外形の少なくとも一部に、第2貫通孔の中心軸に平行な平面部が形成されており、平面部が第2貫通孔に係合していることが望ましい。
【0010】
また、絶縁部材の外形の少なくとも一部に、第2貫通孔の中心軸に対して垂直な方向に突出する突起部を有し、第2貫通孔が突起部を収容する収容部を有することが望ましい。
【0011】
また、基台の裏面側に配置され、電極端子が貫通する開口を有すると共に、絶縁部材の一端面と当接する固定板をさらに備えることが望ましい。
【0012】
また、基台の裏面側に配置され、電極端子が貫通すると共に、絶縁部材の一部と嵌合する開口を有する固定板をさらに備えることが望ましい。
【0013】
また、各電極部材は、回路基板に対して各電極部材が離れるように付勢する付勢部材を有することが望ましい。
【0014】
また、基台は、表面に回路基板の載置面を有し、回路基板と略平行な板状のベース部と、ベース部の裏面から略垂直に起立し、互いに平行に延設された複数の放熱フィンと、を有し、各第2貫通孔は、ベース部を貫通する第3貫通孔と、第3貫通孔と連通するように、複数の放熱フィンの一部が基台と垂直な方向に切欠かれて形成された第4貫通孔と、から構成されることが望ましい。
【0015】
また、基台は、冷媒が流れる流路を内部に有することが望ましい。
【0016】
また、別の観点からは、本発明の光照射装置は、上記いずれかの回路基板固定構造と、回路基板上に配置され、正極パターン及び負極パターンから電力を供給される複数の発光素子と、を備えることを特徴とする。
【0017】
また、正極パターン上及び負極パターン上にそれぞれ配置され、各固定部材によって回路基板と共に共締めされる一対の機能部材をさらに備えることが望ましい。また、この場合、一対の機能部材が、複数の発光素子から出射される光の一部を反射するミラー面を有することが望ましい。
【0018】
また、発光素子から出射される光が、紫外域の波長の光であることが望ましい。
【発明の効果】
【0019】
以上のように、本発明によれば、基台上の回路基板を容易に交換可能で、かつ小型の回路基板固定構造が実現される。また、このような回路基板固定構造を備える光照射装置が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の第1の実施形態に係る回路基板固定構造を備える光照射装置の概略構成を説明する図である。
図2】本発明の第1の実施形態に係る回路基板固定構造を備える光照射装置の概略構成を説明する分解斜視図である。
図3】本発明の第1の実施形態に係る回路基板固定構造の電極棒と絶縁スリーブの構成を説明する斜視図である。
図4】本発明の第2の実施形態に係る回路基板固定構造を備える光照射装置の概略構成を説明する図である。
図5】本発明の第3の実施形態に係る回路基板固定構造を備える光照射装置の概略構成を説明する図である。
図6】本発明の第4の実施形態に係る回路基板固定構造を備える光照射装置の概略構成を説明する図である。
図7】本発明の第5の実施形態に係る回路基板固定構造を備える光照射装置の概略構成を説明する図である。
図8】本発明の第5の実施形態に係る回路基板固定構造を備える光照射装置の概略構成を説明する分解斜視図である。
図9】本発明の第6の実施形態に係る回路基板固定構造を備える光照射装置の概略構成を説明する図である。
図10】本発明の第7の実施形態に係る回路基板固定構造を備える光照射装置の概略構成を説明する図である。
図11】本発明の第8の実施形態に係る回路基板固定構造を備える光照射装置の概略構成を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、図中同一又は相当部分には同一の符号を付してその説明は繰り返さない。
【0022】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る回路基板固定構造10を備える光照射装置1の概略構成を説明する図であり、図1(a)は斜視図であり、図1(b)は正面図であり、図1(c)は背面図であり、図1(d)は図1(b)のA-A線における断面図である。また、図2は、図1の光照射装置1の分解斜視図であり、図2(a)は斜め前方から見た図であり、図2(b)は斜め後方から見た図である。
【0023】
本実施形態の光照射装置1は、印刷装置等に搭載されて、紫外線硬化型インキや紫外線硬化樹脂を硬化させる光源装置であり、例えば、正面(LEDモジュール100が配置されている面)が照射対象物と対向するように、照射対象物の上方に配置され、照射対象物に対して下向きに紫外光を出射する。なお、本明細書においては、図1に示すように、後述するLED(Light Emitting Diode)素子110が紫外光を出射する方向をZ軸方向、光照射装置1の長手方向をX軸方向、ならびにZ軸方向及びX軸方向に直交する方向(光照射装置1の短手方向)をY軸方向と定義して説明する。また、一般に、紫外光とは、波長400nm以下の光を意味するものとされているが、本明細書において、紫外光とは、紫外線硬化型インクを硬化させることが可能な波長(例えば、波長250~420nm)の光を意味するものとする。
【0024】
図1及び図2に示すように、本実施形態の光照射装置1は、2個のLEDモジュール100と、ヒートシンク200(基台)と、各LEDモジュール100に電力を供給するアノード端子300a、カソード端子300b等と、これらを収容する金属製の箱形のケース(不図示)等を備えている。なお、本明細書においては、アノード端子300a及びカソード端子300bを総称して、電極部材300ともいう。
【0025】
LEDモジュール100は、X軸方向及びY軸方向によって規定される矩形状の基板105(回路基板)と、基板105上に複数のLED素子110(発光素子)とを備えており、ヒートシンク200の一端面上に、2個のLEDモジュール100が配置、固定されている(図1(a)、(b)、図2参照)。基板105は、例えば、熱伝導率の高い窒化アルミニウムで形成されたセラミックス基板であり、各基板105には、電極部材300に対応する位置に一対の貫通孔120(第1貫通孔)が形成されている(図1(d)、図2)。なお、本実施形態においては、ヒートシンク200の表面(基板載置面)に放熱グリス(不図示)を塗布した上で基板105をヒートシンク200上に載置することで、基板105の裏面とヒートシンク200との間に放熱グリスを挟み込み、基板105とヒートシンク200との密着性を高めている。
【0026】
図1(a)に示すように、LEDモジュール100は、基板105上に7列(Y軸方向)×10個(X軸方向)の態様で配置された70個のLED素子110を備えている。70個のLED素子110は、Z軸方向に光軸が揃えられた状態で、基板105の表面に配置されている。基板105の表面には、各LED素子110に電力を供給するためのアノードパターンAP(正極パターン)及びカソードパターンKP(負極パターン)が形成されており、各LED素子110は、アノードパターンAP及びカソードパターンKPの一端部にそれぞれハンダ付け等(例えば、導電性接着剤(銀ペースト)、ロウ材、溶接・溶着、拡散接合等)で電気的に接続されている。また、本実施形態のアノードパターンAPは、アノード端子300aの電極棒310に電気的に接続され、カソードパターンKPは、カソード端子300bの電極棒310に電気的に接続されている(詳細は後述)。そして、アノード端子300a及びカソード端子300bの電極棒310は、不図示のドライバ回路と電気的に接続されており、各LED素子110には、アノード端子300a及びカソード端子300b、アノードパターンAP及びカソードパターンKPを介して、ドライバ回路から駆動電流が供給されるようになっている。各LED素子110に駆動電流が供給されると、各LED素子110からは駆動電流に応じた光量の紫外光(例えば、波長385nm)が出射される。なお、本実施形態の各LED素子110は、略一様な光量の紫外光を出射するように各LED素子110に供給される駆動電流が調整されており、光照射装置1から出射される紫外光は、X軸方向及びY軸方向において略均一な光強度分布を有している。
【0027】
ヒートシンク200は、LEDモジュール100の基板105の裏面に密着するように配置され、各LED素子110で発生した熱を放熱する、いわゆる空冷ヒートシンクである。ヒートシンク200は、アルミニウムや銅等の熱伝導性の良好な材料からなり、X-Y平面に平行な薄板状のベース部210と、基板105が当接する面とは反対側の面に形成された複数の放熱フィン220と、を備えている。各放熱フィン220は、Y-Z平面に平行な薄板状の形状を呈し、X軸方向に所定の間隔をおいて設けられている。なお、本実施形態においては、不図示の冷却ファンによって生成される気流によって、複数の放熱フィン220が一様に冷却されるようになっている。
【0028】
また、ヒートシンク200には、基板105の貫通孔120と連通するように、ヒートシンク200の表面から垂直に(Z軸方向と相反する方向に)貫通する貫通孔211(第2貫通孔)が形成されており、貫通孔211には電極部材300が挿通されている(図1(c)、(d)、図2)。なお、本実施形態の貫通孔211は、基板105の貫通孔120と連通するように、ベース部210を貫通する断面円形の貫通孔212(第3貫通孔)と、貫通孔212と連通するように形成された貫通孔222(第4貫通孔)と、から構成されている。より具体的には、貫通孔212に対応する位置の放熱フィン220が垂直な方向に(Z軸方向と相反する方向に)切欠かれており、この切欠部223と、この切欠部223をX軸方向に挟む2枚の放熱フィン220によって囲まれる空間内に、放熱フィン220をZ軸方向に貫通する断面矩形の貫通孔222が形成されている。また、貫通孔222を形成する放熱フィン220には、電極部材300の絶縁スリーブ330の突起部332と係合する凹部224(収容部)が形成されている(図1(d))。
【0029】
上述のように、本実施形態の電極部材300には、アノードパターンAPと接続されるアノード端子300aと、カソードパターンKPと接続されるカソード端子300bとがあるが、具体的な構成は同一であるため、以下、代表してカソード端子300bについて主に説明する。図2に示すように、本実施形態の電極部材300(カソード端子300b)は、電極棒310(電極端子)と、固定ネジ320(固定部材)と、絶縁スリーブ330(絶縁部材)と、から構成されている。
【0030】
図3は、本実施形態の電極棒310と絶縁スリーブ330の構成を説明する斜視図である。図3(a)は、電極棒310と絶縁スリーブ330がアセンブリされた状態を示す斜視図であり、図3(b)は分解斜視図である。図3に示すように、電極棒310は、円筒状の金属製の部材であり、絶縁スリーブ330は、先端部330aが円筒状で基端部330bが四角筒状の樹脂製の部材である。絶縁スリーブ330の先端部330aは、ベース部210に形成された貫通孔212に嵌り、基端部330bは放熱フィン220の貫通孔222に嵌るようになっており、電極棒310が絶縁スリーブ330内に挿通、固定されて(つまり、電極棒310の外周面に絶縁スリーブ330が取り付けられて)、ヒートシンク200の貫通孔211に挿入される(図1(d)、図2)。なお、本実施形態の絶縁スリーブ330のY軸方向の両端面には、それぞれ、外側(Y軸方向及びY軸方向と相反する方向)に突出する突起部332が形成されており、電極部材300がヒートシンク200の貫通孔211に挿入されたときに、突起部332が放熱フィン220の凹部224と係合し、電極部材300のZ軸方向の移動が規制されるようになっている。つまり、電極部材300がヒートシンク200から脱落しないように構成されている。そして、電極部材300が貫通孔211に取り付けられたとき、電極棒310及び絶縁スリーブ330の先端はヒートシンク200の表面(載置面)と略同一面上に位置するか、又はヒートシンク200の表面よりも僅かに窪んだ状態となり(図2(a))、電極棒310及び絶縁スリーブ330の基端部330bはヒートシンク200の裏面側から突出するように配置される(図2(b))。
【0031】
このように、本実施形態の光照射装置1は、電極部材300が貫通孔211に取り付けられた状態で、組み立てが行われる。つまり、電極部材300が貫通孔211に取り付けられたヒートシンク200を準備し、ヒートシンク200の表面(載置面)に放熱グリスを塗布し、各LEDモジュール100を載置する。そして、基板105の貫通孔120が電極棒310の上方(Z軸方向側)に位置するように(つまり、貫通孔120が貫通孔211と連通するように)位置合わせを行い、貫通孔120に固定ネジ320を取り付ける。貫通孔120に固定ネジ320を取り付けると、固定ネジ320のネジ部321が電極棒310の内周面に形成されたネジ穴部310a(図1(d))に螺合し、LEDモジュール100が、固定ネジ320の頭部とヒートシンク200との間に狭持され、固定される(図1(d))。なお、上述のように、本実施形態においては、電極部材300の絶縁スリーブ330の基端部330bが四角筒状の形状を呈し、放熱フィン220の貫通孔222に嵌まり込んでいるため、固定ネジ320を回転させたとしても、電極部材300が回転することはなく、固定ネジ320を容易に着脱できるようになっている。そして、LEDモジュール100が、固定ネジ320によって固定されると、カソードパターンKPが固定ネジ320を介して電極棒310と電気的に接続される。また、アノードパターンAPも同様に、固定ネジ320を介して電極棒310と電気的に接続される。従って、一対の電極棒310に接続されたドライバ回路からLED素子110の駆動電流が供給されると、アノードパターンAP及びカソードパターンKPを介して各LED素子110に電力が供給される。
【0032】
このように、本実施形態においては、電極部材300が基板105の固定と電力の供給を兼ねている。従って、基板105に電力を供給するための専用の部材を設ける必要がなく、光照射装置1(回路基板固定構造10)を小型化することが可能となる。また、LEDモジュール100の故障時等、LEDモジュール100の交換が必要となった場合にも、固定ネジ320を取り外してLEDモジュール100を交換するだけの作業となるため(つまり、LEDモジュール100に電力を供給するための専用の部材を接続したり、配線等を行う必要がないため)、簡単な作業でLEDモジュール100を交換することが可能となる。なお、本実施形態においては、電極部材300の絶縁スリーブ330の基端部330bが四角筒状の形状を呈し、放熱フィン220の貫通孔222に嵌まり込んでいるため、固定ネジ320の回転に合わせて電極部材300が回転することはなく、また、絶縁スリーブ330の突起部332が放熱フィン220の凹部224と係合して電極部材300のZ軸方向の移動が規制されているため、固定ネジ320の着脱作業も容易に行うことができる。
【0033】
以上が本実施形態の説明であるが、本発明は、上記の構成に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内において様々な変形が可能である。
【0034】
例えば、本実施形態においては、光照射装置1が回路基板固定構造10を備えるものとして説明したが、回路基板固定構造10の用途はこれに限定されるものではなく、基台(例えば、ヒートシンク、ベースプレート)上に回路基板を支持する構成を有する装置に適用することができる。
【0035】
また、本実施形態の光照射装置1は、2個のLEDモジュール100を備えるものとして説明したが、これに限定されるものではなく、LEDモジュール100の個数は光照射装置1の仕様に応じて適宜設定される。
【0036】
また、本実施形態の光照射装置1は、紫外光を出射するものとして説明したが、このような構成に限定されるものではなく、本発明は、可視光や赤外光を出射する光源装置に適用することも可能である。
【0037】
(第2の実施形態)
図4は、本発明の第2の実施形態に係る回路基板固定構造20を備える光照射装置2の概略構成を説明する図であり、図4(a)は正面図であり、図4(b)は図4(a)のB-B線における断面図であり、図4(c)は図4(a)のC-C線における断面図である。
【0038】
図4(b)、(c)に示すように、本実施形態の光照射装置2においては、電極部材300を90°回転させ、絶縁スリーブ330の突起部332がX軸方向及びX軸方向と相反する方向に突出する向きで配置されている点で第1の実施形態の光照射装置1と異なる。また、本実施形態においては、放熱フィン220の凹部224に代えて、放熱フィン220の切欠部223をX軸方向に挟む2枚の放熱フィン220に、突起部332が係合する開口部226(収容部)が形成されている点で第1の実施形態の光照射装置1と異なる。
【0039】
本実施形態においても、電極部材300の絶縁スリーブ330の基端部330bが四角筒状の形状を呈し、放熱フィン220の貫通孔222に嵌まり込んでいるため、固定ネジ320の回転に合わせて電極部材300が回転することはない。また、絶縁スリーブ330の突起部332が放熱フィン220の開口部226と係合して電極部材300のZ軸方向の移動が規制されるため、第1の実施形態と同様、固定ネジ320の着脱作業を容易に行うことができる。
【0040】
(第3の実施形態)
図5は、本発明の第3の実施形態に係る回路基板固定構造30を備える光照射装置3の概略構成を説明する図であり、図5(a)は正面図であり、図5(b)は図5(a)のD-D線における断面図であり、図5(c)は図5(b)E部拡大図である。
【0041】
図5(b)、(c)に示すように、本実施形態の光照射装置3においては、電極部材300の先端部330aが第1の実施形態のものよりも長く、絶縁スリーブ330の先端部330aの外周面上に圧縮バネ340(付勢部材)を備えている点で第1の実施形態の光照射装置1と異なる。より具体的には、本実施形態の圧縮バネ340を電極部材300の先端部330aに取付けた状態(つまり、圧縮バネ340が先端部330aに巻回された状態)で電極部材300がヒートシンク200の貫通孔211に挿入されている。そして、電極部材300がヒートシンク200の貫通孔211に挿入されたときに、突起部332が放熱フィン220の凹部224と係合し、電極部材300のZ軸方向の移動が規制されるが、このときに圧縮バネ340の先端側がヒートシンク200のベース部210の裏面に当接し、他端側が電極部材300の先端部330aと基端部330bとの間の段差部330cに当接し、圧縮されるようになっている。従って、本実施形態の電極部材300がヒートシンク200の貫通孔211に取付けられると、電極部材300が圧縮バネ340の付勢力によってZ軸方向と相反する方向に付勢される(つまり、基板105に対して電極部材300が離れるように付勢される)。このため、突起部332と凹部224との間にZ軸方向の遊びがあったとしてもキャンセルされる。また、固定ネジ320によってLEDモジュール100が取付けられると、固定ネジ320に対しても圧縮バネ340の付勢力が及ぶため、LEDモジュール100もZ軸方向と相反する方向に(つまり、ヒートシンク200のベース部210に)付勢され、LEDモジュール100がヒートシンク200に確実に密着することとなる。
【0042】
なお、本実施形態においても、電極部材300の絶縁スリーブ330の基端部330bが四角筒状の形状を呈し、放熱フィン220の貫通孔222に嵌まり込んでいるため、固定ネジ320の回転に合わせて電極部材300が回転することはない。また、絶縁スリーブ330の突起部332が放熱フィン220の凹部224と係合して電極部材300のZ軸方向の移動が規制されているため、第1の実施形態と同様、固定ネジ320の着脱作業を容易に行うことができる。
【0043】
(第4の実施形態)
図6は、本発明の第4の実施形態に係る回路基板固定構造40を備える光照射装置4の概略構成を説明する図であり、図6(a)は正面図であり、図6(b)は図6(a)のF-F線における断面図であり、図6(c)は図6(b)G部拡大図である。
【0044】
図6に示すように、本実施形態の光照射装置4は、基板105上のLED素子110をY軸方向から挟むように、各LEDモジュール100の基板105上に配置される一対の基板固定部材400(機能部材)を備えている点で第1の実施形態の光照射装置1と異なる。基板固定部材400は、略中央部に貫通孔410を有する金属の矩形板状の部材であり、貫通孔410が基板105の貫通孔120と連通するように配置され、貫通孔410及び貫通孔120に挿通される固定ネジ320によって基板105と共にヒートシンク200に共締めされている(図6(c))。各基板固定部材400が固定ネジ320によって固定されると、アノードパターンAP上に基板固定部材400が圧着し、基板固定部材400と固定ネジ320を介してアノードパターンAPとアノード端子300aの電極棒310とが電気的に接続される。同様に、カソードパターンKP上に基板固定部材400が圧着し、基板固定部材400と固定ネジ320を介してカソードパターンKPとカソード端子300bの電極棒310とが電気的に接続される。なお、本実施形態においては、一対の基板固定部材400の互いに対向する側面(LED素子110に面する側面)は、Z軸方向に向かって開くように傾斜するテーパー面になっており、その表面には反射ミラー420が形成されている。従って、LED素子110から出射される紫外光のうち、拡がり角の大きい成分が反射ミラー420に入射、反射され、前方(Z軸方向)に向かって導光される。このため、LED素子110から出射される紫外光の利用効率が上がる。
【0045】
本実施形態においても、LEDモジュール100の交換が必要となった場合、固定ネジ320を取り外してLEDモジュール100を交換するだけの作業となるため、簡単な作業でLEDモジュール100を交換することが可能となる。なお、本実施形態においては、基板固定部材400が反射ミラー420を兼ねる構成としているが、他の実施形態としては、基板固定部材400がレンズホルダ機能を有する等、他の機能を備えてもよい。
【0046】
(第5の実施形態)
図7は、本発明の第5の実施形態に係る回路基板固定構造50を備える光照射装置5の概略構成を説明する図であり、図7(a)は正面図であり、図7(b)は背面図であり、図7(c)は図7(a)のH-H線における断面図であり、図7(d)は図7(a)のJ-J線における断面図であり、図7(e)は図7(d)のK-K線における断面図である。また、図8は、図7の光照射装置5の分解斜視図であり、図8(a)は斜め前方から見た図であり、図8(b)は斜め後方から見た図である。
【0047】
図7及び8に示すように、本実施形態の光照射装置5は、空冷のヒートシンク200に代えて、水冷ヒートシンク500を備える点、電極部材300(アノード端子300a及びカソード端子300b)とは形状の異なる電極部材600(アノード端子600a及びカソード端子600b)を備える点、及び背面固定板700を備える点で第1の実施形態の光照射装置1と異なる。
【0048】
水冷ヒートシンク500は、LEDモジュール100の基板105の裏面に密着するように配置され、各LED素子110で発生した熱を放熱するX-Y平面に平行な薄板状の冷却装置である。水冷ヒートシンク500の内部には、水冷ヒートシンク500の略中央部をX軸方向に往復する水路550(流路)が形成されており(図7(e))、冷媒(例えば水)が、水冷ヒートシンク500の裏面に形成された給水口552から供給され、水路550を流れ、排水口554から排出されるようになっている。また、水冷ヒートシンク500には、基板105の貫通孔120と連通するように、水冷ヒートシンク500の表面から垂直に(Z軸方向と相反する方向に)貫通する貫通孔511(第2貫通孔)が形成されており、貫通孔511には電極部材600が収容されるようになっている(図7(c)、(d)、(e)、図8)。なお、本実施形態の貫通孔511は、電極部材600と嵌合するように、断面が略小判型の長孔になっている。
【0049】
図8に示すように、本実施形態の電極部材600は、電極棒610と、固定ネジ620と、絶縁スリーブ630と、から構成されている。電極棒610は、円筒状の金属製の部材であり、絶縁スリーブ630は、電極棒610を収容する樹脂製の部材である。絶縁スリーブ630は、円柱を2つのX-Z平面でカットした2つの平面部632を有する、X-Y断面が小判型の本体部630bと、本体部630bから前方(Z軸方向)に突出する円筒状の先端部630aを有している。絶縁スリーブ630は、水冷ヒートシンク500に形成された貫通孔511に嵌るようになっており、電極棒610が絶縁スリーブ630内に挿通、固定されて(つまり、電極棒610の外周面に絶縁スリーブ630が取り付けられて)、水冷ヒートシンク500の貫通孔511に挿入される(図7(c)、(d)、図8)。本実施形態においては、絶縁スリーブ630の先端部630aが、水冷ヒートシンク500に形成された貫通孔511の先端に当て付くまで電極部材600を挿入すると、電極部材600が貫通孔511に完全に収容されるようになっている(図7(c)、(d))。
【0050】
背面固定板700は、水冷ヒートシンク500の背面にネジ(不図示)又は接着等で固定される、樹脂又は金属の板状の部材である。背面固定板700は、電極棒610の外径よりも僅かに大きい円形の開口部710を有し、開口部710から電極棒610が露出するように固定されている。背面固定板700が水冷ヒートシンク500に固定されたとき、背面固定板700が絶縁スリーブ630の本体部630bと当接するように構成されており(つまり、背面固定板700によって電極部材600のZ軸方向の移動が規制されるようになっており)、電極部材600が水冷ヒートシンク500から脱落しないようになっている(図7(c)、(d))。
【0051】
このように、本実施形態の光照射装置5は、電極部材600が貫通孔511に取り付けられた状態で、組み立てが行われる。つまり、電極部材600が貫通孔511に取り付けられた水冷ヒートシンク500を準備し、水冷ヒートシンク500の表面(載置面)に放熱グリスを塗布し、各LEDモジュール100を載置する。そして、基板105の貫通孔120が電極棒610の上方(Z軸方向側)に位置するように(つまり、貫通孔120が貫通孔511と連通するように)位置合わせを行い、貫通孔120に固定ネジ620を取り付ける。貫通孔120に固定ネジ620を取り付けると、固定ネジ620のネジ部621が電極棒610の内周面に形成されたネジ穴部(不図示)に螺合し、LEDモジュール100が、固定ネジ620の頭部と水冷ヒートシンク500との間に狭持され、固定される。なお、上述のように、本実施形態においては、電極部材600の絶縁スリーブ630の本体部630bが断面小判型の形状を呈し、貫通孔511に嵌まり込んでいるため、固定ネジ620を回転させたとしても、電極部材600が回転することはなく、固定ネジ620を容易に着脱できるようになっている。そして、LEDモジュール100が、固定ネジ620によって固定されると、カソードパターンKPが固定ネジ620を介して電極棒610(カソード端子600b)と電気的に接続される。また、アノードパターンAPも同様に、固定ネジ620を介して電極棒610(アノード端子600a)と電気的に接続される。従って、一対の電極棒610に接続されたドライバ回路からLED素子110の駆動電流が供給されると、アノードパターンAP及びカソードパターンKPを介して各LED素子110に電力が供給される。
【0052】
このように、本実施形態においても、電極部材600が基板105の固定と電力の供給を兼ねている。従って、基板105に電力を供給するための専用の部材を設ける必要がなく、光照射装置5(回路基板固定構造50)を小型化することが可能となる。また、LEDモジュール100の故障時等、LEDモジュール100の交換が必要となった場合にも、固定ネジ620を取り外してLEDモジュール100を交換するだけの作業となるため(つまり、LEDモジュール100に電力を供給するための専用の部材を接続したり、配線等を行う必要がないため)、簡単な作業でLEDモジュール100を交換することが可能となる。なお、本実施形態においても、固定ネジ620の回転に合わせて電極部材600が回転することはなく、また、背面固定板700によって電極部材600のZ軸方向の移動が規制されているため、固定ネジ620の着脱作業も容易に行うことができる。
【0053】
(第6の実施形態)
図9は、本発明の第6の実施形態に係る回路基板固定構造60を備える光照射装置6の概略構成を説明する図であり、図9(a)は正面図であり、図9(b)は背面図であり、図9(c)は図9(a)のL-L線における断面図であり、図9(d)は図9(a)のM-M線における断面図であり、図9(e)は図9(d)のN-N線における断面図である。
【0054】
図9(b)、(c)、(d)、(e)に示すように、本実施形態の光照射装置6においては、絶縁スリーブ630が、本体部630bの基端面(先端部630aとは反対側の面)から後方(Z軸方向と相反する方向)に突出する四角筒状の後端部630cを有する点、絶縁スリーブ630の本体部630bが円筒状の形状を呈している点、背面固定板700の開口部710が矩形状の形状を呈し、該開口部710に後端部630cが嵌合している点、で第5の実施形態の光照射装置5と異なる。
【0055】
このように、本実施形態においては、電極部材600の絶縁スリーブ630の後端部630cが四角筒状の形状を呈し、背面固定板700の開口部710に嵌まり込んでいるため、固定ネジ620の回転に合わせて電極部材600が回転することはない。また、絶縁スリーブ630の本体部630bの基端面の一部(後端部630cよりも外側の部分)が、背面固定板700に当接して電極部材600のZ軸方向の移動が規制されているため(図9(c)、(d))、第5の実施形態と同様、固定ネジ620の着脱作業を容易に行うことができる。
【0056】
(第7の実施形態)
図10は、本発明の第7の実施形態に係る回路基板固定構造70を備える光照射装置7の概略構成を説明する図であり、図10(a)は正面図であり、図10(b)は図10(a)のO-O線における断面図であり、図10(c)は図10(b)のP-P線における断面図である。
【0057】
図10(c)に示すように、本実施形態の光照射装置7においては、水冷ヒートシンク500の貫通孔511の断面形状が、略矩形状になっている点で第5の実施形態の光照射装置5と異なる。
【0058】
このように、本実施形態においても、電極部材600の絶縁スリーブ630の本体部630bが断面小判型の形状を呈し、貫通孔511に嵌まり込んでいるため、固定ネジ620の回転に合わせて電極部材600が回転することはない。また、絶縁スリーブ630の基端面が背面固定板700に当接して電極部材600のZ軸方向の移動が規制されているため(図10(b))、固定ネジ620の着脱作業も容易に行うことができる。
【0059】
(第8の実施形態)
図11は、本発明の第8の実施形態に係る回路基板固定構造80を備える光照射装置8の概略構成を説明する図であり、図11(a)は正面図であり、図11(b)は図11(a)のQ-Q線における断面図である。
【0060】
図11に示すように、本実施形態の光照射装置8は、基板105上のLED素子110をY軸方向から挟むように、各LEDモジュール100の基板105上に配置される一対の基板固定部材400を備えている点で第5の実施形態の光照射装置5と異なる。基板固定部材400は、略中央部に貫通孔410を有する金属の矩形板状の部材であり、貫通孔410が基板105の貫通孔120と連通するように配置され、貫通孔410及び貫通孔120に挿通される固定ネジ620によって基板105と共に水冷ヒートシンク500に共締めされている(図11(b))。各基板固定部材400が固定ネジ620によって固定されると、アノードパターンAP(図11において不図示)上に基板固定部材400が圧着し、基板固定部材400と固定ネジ620を介してアノードパターンAPとアノード端子600aの電極棒610とが電気的に接続される。同様に、カソードパターンKP(図11において不図示)上に基板固定部材400が圧着し、基板固定部材400と固定ネジ620を介してカソードパターンKPとカソード端子600bの電極棒610とが電気的に接続される。なお、本実施形態においては、一対の基板固定部材400の互いに対向する側面(LED素子110に面する側面)は、Z軸方向に向かって開くように傾斜するテーパー面になっており、その表面には反射ミラー420が形成されている。従って、LED素子110から出射される紫外光のうち、拡がり角の大きい成分が反射ミラー420に入射、反射され、前方(Z軸方向)に向かって導光される。このため、LED素子110から出射される紫外光の利用効率が上がる。
【0061】
このように、本実施形態においても、LEDモジュール100の交換が必要となった場合、固定ネジ620を取り外してLEDモジュール100を交換するだけの作業となるため、簡単な作業でLEDモジュール100を交換することが可能となる。
【0062】
なお、今回開示された実施の形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0063】
1 :光照射装置
2 :光照射装置
3 :光照射装置
4 :光照射装置
5 :光照射装置
6 :光照射装置
7 :光照射装置
8 :光照射装置
10 :回路基板固定構造
20 :回路基板固定構造
30 :回路基板固定構造
40 :回路基板固定構造
50 :回路基板固定構造
60 :回路基板固定構造
70 :回路基板固定構造
80 :回路基板固定構造
100 :LEDモジュール
105 :基板
110 :LED素子
120 :貫通孔
200 :ヒートシンク
210 :ベース部
211 :貫通孔
212 :貫通孔
220 :放熱フィン
222 :貫通孔
223 :切欠部
224 :凹部
226 :開口部
300 :電極部材
300a :アノード端子
300b :カソード端子
310 :電極棒
310a :ネジ穴部
320 :固定ネジ
321 :ネジ部
330 :絶縁スリーブ
330a :先端部
330b :基端部
330c :段差部
332 :突起部
340 :圧縮バネ
400 :基板固定部材
410 :貫通孔
420 :反射ミラー
500 :水冷ヒートシンク
511 :貫通孔
550 :水路
552 :給水口
554 :排水口
600 :電極部材
600a :アノード端子
600b :カソード端子
610 :電極棒
620 :固定ネジ
621 :ネジ部
630 :絶縁スリーブ
630a :先端部
630b :本体部
630c :後端部
632 :平面部
700 :背面固定板
710 :開口部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11